JP2000072953A - 電気、電子部品材料用組成物及び電気、電子部品材料 - Google Patents

電気、電子部品材料用組成物及び電気、電子部品材料

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JP2000072953A
JP2000072953A JP10247666A JP24766698A JP2000072953A JP 2000072953 A JP2000072953 A JP 2000072953A JP 10247666 A JP10247666 A JP 10247666A JP 24766698 A JP24766698 A JP 24766698A JP 2000072953 A JP2000072953 A JP 2000072953A
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雅幸 藤田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分子量分布が狭く低粘度で、末端に高い比率
でアルケニル基を有するビニル系重合体を用いることに
より、取り扱いが容易で速硬化性の組成物を得るととも
に、硬化により電気特性、耐熱性、耐候性および耐水性
などに優れた電気、電子部品材料を提供する。 【解決手段】 (A)アルケニル基を少なくとも1個有
するビニル系重合体、(B)ヒドロシリル基含有化合
物、を必須成分とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気、電子部品材
料用組成物および電気、電子部品材料に関する。さらに
詳しくは、アルケニル基含有ビニル系重合体と、ヒドロ
シリル基含有化合物を必須成分とし、低粘度でかつ速硬
化性の電気、電子部品材料用組成物および該組成物を硬
化させてなる電気、電子部品材料に関する。
【0002】
【従来の技術】電気、電子部品材料用組成物としては、
各種の硬化性樹脂が広範な用途に用いられている。例え
ば、半導体封止用樹脂、回転用含浸樹脂、絶縁用ワニ
ス、プリント配線基板用絶縁材料、プリント配線基板用
含浸樹脂、電子部品用コーティング剤、電子部品用ポッ
ティング剤、電気、電子部品用接着剤、電子部品放熱用
コンパウンドなどの用途には、エポキシ樹脂、イミド樹
脂、アミドイミド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェ
ノール樹脂などの硬化性樹脂が用いられている。しかし
ながらこれらの樹脂の硬化物は硬く、線膨張率の違いか
らボンディング線の切断などの悪影響を及ぼすなどの問
題点がある。
【0003】これらの問題点のない、ゴム状の硬化性樹
脂を与える重合体としては、ケイ素原子に結合した水酸
基または加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成す
ることにより架橋し得るケイ素含有基(以下、架橋性シ
リル基とも言う)を少なくとも一個有する重合体とし
て、シリコーン系重合体、ポリエーテル系重合体、炭化
水素系重合体、ビニル系重合体等が知られている。しか
し、これらの重合体の硬化は架橋性シリル基の縮合反応
によるため、硬化に必ずしも加熱が必要ないという特徴
はあるものの、硬化速度が遅い、深部硬化性が不十分で
あるなどの共通の問題点がある。
【0004】硬化速度が速く、深部硬化性に優れた硬化
系として、末端もしくは分子鎖中に少なくとも1個のア
ルケニル基を有するシリコーン系(ポリオルガノシロキ
サン)重合体を、ケイ素原子に結合する水素原子を1分
子中に2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンで架橋するものが開発され、その優れた耐候性、
耐水性、耐熱性を利用して、電気、電子部品材料として
使用されている。しかし、製品中に存在する低分子量シ
リコーン化合物が電気接点障害を引き起こすなど電気特
性上問題があった。これを防ぐために製品中の低分子量
シリコーン含有量を低減した電気接点障害対策用の製品
が上市されているが、製造するための工程数が多く、製
造に手間がかかり、結局高価な製品になるという問題が
あった。
【0005】これらの問題のないものとしてポリエーテ
ル系および炭化水素系のものが提案されているが、ポリ
エーテル系および不飽和炭化水素系では耐熱性に劣る場
合があり、飽和炭化水素系では樹脂そのものが高粘度で
ある為取り扱い性に問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上述の現状
に鑑みて、取り扱いが容易でかつ速硬化性である電気、
電子部品材料用組成物、並びにそれを硬化してなる電気
特性、耐熱性、耐候性および耐水性などに優れた電気、
電子部品材料を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の2成分: (A)一般式(1)で表されるアルケニル基を少なくと
も1個有するビニル系重合体、 CH2=C(R1)− (1) 式中、R1は水素またはメチル基を示す。 (B)ヒドロシリル基含有化合物、を必須成分とする電
気、電子部品材料用組成物およびこれを硬化させてなる
電気、電子部品材料である。
【0008】また、上記(A)成分のビニル系重合体の
分子量分布が1.8未満である上記電気、電子部品材料
用組成物および電気、電子部品材料である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の電気、電子部品材料用組
成物は以下の2成分: (A)一般式(1)で表されるアルケニル基を少なくと
も1個有するビニル系重合体、 CH2=C(R1)− (1) 式中、R1は水素またはメチル基を示す。 (B)ヒドロシリル基含有化合物、を必須成分とするも
のである。
【0010】以下に本発明の電気、電子部品材料用組成
物について詳述する。 [(A)成分のビニル系重合体について](A)成分の
ビニル系重合体の架橋性基である、上述の一般式(1)
で表されるアルケニル基としては、下記一般式(3)で
表される炭化水素系のアルケニル基;一般式(4)で表
されるエーテル結合を有するアルケニル基、一般式
(5)および(6)で表されるエステル結合を有するア
ルケニル基および一般式(7)で表されるカーボネート
結合を有するアルケニル基など酸素原子を介して主鎖に
結合されるアルケニル基;などが挙げられる。 CH2=C(R1)−R4− (3) 式中、R1は上述したものと同様である。R4は、直接結
合または炭素数1〜20の2価の炭化水素基を示す。
【0011】上記一般式(3)において、R4としては
特に限定されないが、例えば、−(CH2n−(nは0
〜10の整数)、−CH2CH(CH3)−、−CH2
H(CH3)CH2−等が挙げられる。 CH2=C(R1)−R5−O− (4) CH2=C(R1)−R5−OC(O)− (5) CH2=C(R1)−R5−C(O)O− (6) CH2=C(R1)−R5−OC(O)O− (7) 式中、R1は上述したものと同様である。R5は、直接結
合または1個以上のエーテル結合を含有していてもよい
炭素数1〜20の2価の有機基を示す。
【0012】上記一般式(4)、(5)、(6)および
(7)において、R5としては特に限定されないが、例
えば、−(CH2n−、(nは0〜20の整数)、−C
2CH(CH3)−、−CH2CH(CH3)CH2−;
−CH2OCH2CH2−、−CH2OCH2CH2CH
2−、−CH2CH2OCH2CH2−、−CH2CH2OC
2CH2CH2−;o−,m−,p−C64−、o−,
m−,p−CH2−C64−、o−,m−,p−CH2
64−CH2−等が挙げられる。
【0013】また、一般式(8)で表される電子吸引基
を有する基も一般式(1)のアルケニル基として挙げら
れる。 CH2=C(R1)−R5−C(R6)(R7)− (8) 式中、R1、R5は上述したものと同様である。R6およ
びR7はともにカルバニオンC-を安定化する電子吸引
基、または一方が電子吸引基で他方が水素または炭素数
1〜10のアルキル基もしくはフェニル基を示す。
【0014】上記一般式(8)におけるR6およびR7
電子吸引基としては特に限定されないが、例えば、−C
2R(エステル基)、−C(O)R(ケト基)、−C
ON(R2)(アミド基)、−COSR(チオエステル
基)、−CN(ニトリル基)、−NO2(ニトロ基)等
が挙げられる。置換基Rは炭素数1〜20のアルキル
基、炭素数6〜20のアリール基または炭素数7〜20
のアラルキル基を示し、炭素数1〜10のアルキル基も
しくはフェニル基が好ましい。R6およびR7としては、
−CO2R、−C(O)Rおよび−CNが特に好まし
い。
【0015】(A)成分のビニル系重合体の主鎖を形成
するモノマーとしては特に限定されず、各種のものを用
いることができる。例示するならば、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸−n−プロピル、(メタ)ア
クリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸−n−ブチ
ル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル
酸−tert−ブチル、(メタ)アクリル酸−n−ペン
チル、(メタ)アクリル酸−n−ヘキシル、(メタ)ア
クリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸−n−ヘ
プチル、(メタ)アクリル酸−n−オクチル、(メタ)
アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸
ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル
酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)ア
クリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メ
タ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリ
ル酸−3−メトキシブチル、(メタ)アクリル酸−2−
ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸−2−ヒドロキ
シプロピル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)
アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸−2−アミ
ノエチル、γ−(メタクリロイルオキシプロピル)トリ
メトキシシラン、(メタ)アクリル酸のエチレンオキサ
イド付加物、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメ
チル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチルエ
チル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロエチルエ
チル、(メタ)アクリル酸−2−パーフルオロエチル−
2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸−
2−パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフル
オロメチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチル
メチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−
2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸−
2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリル酸
−2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸
−2−パーフルオロヘキサデシルエチル等の(メタ)ア
クリル酸系モノマー;スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン、クロルスチレン、スチレンスルホン酸
及びその塩等のスチレン系モノマー;パーフルオロエチ
レン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン等の
フッ素含有ビニルモノマー;ビニルトリメトキシシラ
ン、ビニルトリエトキシシラン等のケイ素含有ビニル系
モノマー;無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸の
モノアルキルエステル及びジアルキルエステル;フマル
酸、フマル酸のモノアルキルエステル及びジアルキルエ
ステル;マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイ
ミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシ
ルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミ
ド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シク
ロヘキシルマレイミド等のマレイミド系モノマー;アク
リロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有
ビニル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド
等のアミド基含有ビニル系モノマー;酢酸ビニル、プロ
ピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、
桂皮酸ビニル等のビニルエステル類;エチレン、プロピ
レン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等の共役
ジエン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、塩化アリル、
アリルアルコール等が挙げられる。これらは、単独で用
いてもよく、2種以上を併用しても構わない。なお上記
表現形式で例えば(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸
および/またはメタクリル酸を示す。
【0016】一般式(1)に示すアルケニル基を少なく
とも1個有するビニル系重合体で、上記のモノマーの中
で(メタ)アクリル酸系モノマーを40重量%以上用い
て合成することにより得られた(メタ)アクリル系重合
体が、物性面からより好ましい。アルケニル基を少なく
とも1個有するビニル系重合体の分子量分布、すなわち
重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比
(Mw/Mn)については特に限定されない。しかし、
硬化性組成物とした際の粘度を低く抑えて取扱いを容易
にし、なおかつ十分な硬化物物性を得るためには、分子
量分布は狭いことが好ましい。分子量分布の値としては
1.8未満が好ましく、より好ましくは1.7以下、さ
らに好ましくは1.6以下、さらに好ましくは1.5以
下、さらに好ましくは1.4以下、さらに好ましくは
1.3以下である。分子量分布の測定は、ゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)で測定するのが
最も一般的である。移動相としてはクロロホルムやTH
Fを、カラムとしてはポリスチレンゲルカラムを用い、
数平均分子量等はポリスチレン換算で求めることができ
る。
【0017】アルケニル基を少なくとも1個有するビニ
ル系重合体の分子量については特に限定されないが、5
00〜100000の範囲にあるのが好ましい。分子量
が500以下であると、ビニル系重合体の本来の特性が
発現されにくく、また、100000以上であると、取
り扱いが困難になる。アルケニル基を少なくとも1個有
するビニル系重合体は、種々の重合法により得ることが
でき、その方法は特に限定されない。しかし、モノマー
の汎用性、制御の容易性の点からラジカル重合法によっ
て、直接アルケニル基を導入したり、1段階あるいは数
段階の反応でアルケニル基に変換できる特定の官能基を
有するビニル系重合体を得、この特定の官能基をアルケ
ニル基に変換することによりアルケニル基を少なくとも
1個有するビニル系重合体を得る方法がより好ましい。
【0018】アルケニル基を含む特定の官能基を有する
ビニル系重合体を合成する方法において用いられるラジ
カル重合法は、重合開始剤としてアゾ系化合物、過酸化
物などを用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニ
ル系モノマーとを単に共重合させる「一般的なラジカル
重合法」と末端などの制御された位置に特定の官能基を
導入することが可能な「制御ラジカル重合法」に分類で
きる。
【0019】「一般的なラジカル重合法」は簡便な方法
であるが、この方法では特定の官能基を有するモノマー
は確率的にしか重合体中に導入されないので、官能化率
の高い重合体を得ようとした場合には、このモノマーを
かなり大量に使う必要があり、逆に少量使用ではこの特
定の官能基が導入されない重合体の割合が大きくなると
いう問題点がある。またフリーラジカル重合であるた
め、分子量分布が広く、比較的粘度の高い重合体しか得
られないという問題点もある。
【0020】「制御ラジカル重合法」は、更に、特定の
官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合をおこなうこと
により末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる
「連鎖移動剤法」と重合生長末端が停止反応などを起こ
さずに生長することによりほぼ設計どおりの分子量の重
合体が得られる「リビングラジカル重合法」とに分類す
ることができる。
【0021】「連鎖移動剤法」は、官能化率の高い重合
体を得ることが可能であるが、開始剤に対してかなり大
量の特定の官能基を有する連鎖移動剤が必要であり、処
理も含めて経済面で問題がある。また上記の「一般的な
ラジカル重合法」と同様、フリーラジカル重合であるた
め分子量分布が広く、粘度の高い重合体しか得られない
という問題点もある。
【0022】これらの重合法とは異なり、「リビングラ
ジカル重合法」は、重合速度が高く、ラジカル同士のカ
ップリングなどによる停止反応が起こりやすいため制御
の難しいとされるラジカル重合でありながら、停止反応
が起こりにくく、分子量分布の狭い(Mw/Mnが1.
1〜1.5程度)重合体が得られるとともに、モノマー
と開始剤の仕込み比によって分子量は自由にコントロー
ルすることができる。
【0023】従って「リビングラジカル重合法」は、分
子量分布が狭く、粘度が低い重合体を得ることができる
上に、特定の官能基を有するモノマーを重合体のほぼ任
意の位置に導入することができるため、上記特定の官能
基を有するビニル系重合体の製造方法としてはより好ま
しいものである。なお、リビング重合とは狭義において
は、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく
重合のことをいうが、一般には、末端が不活性化された
ものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長し
ていく擬リビング重合も含まれる。本発明における定義
も後者である。
【0024】「リビングラジカル重合法」は近年様々な
グループで積極的に研究がなされている。その例として
は、たとえばジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル
ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、19
94年、116巻、7943頁に示されるようなコバル
トポルフィリン錯体を用いるもの、マクロモレキュール
ズ(Macromolecules)、1994年、2
7巻、7228頁に示されるようなニトロキシド化合物
などのラジカル捕捉剤を用いるもの、有機ハロゲン化物
等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒とする「原子移動ラ
ジカル重合」(Atom Transfer Radi
cal Polymerization:ATRP)な
どがあげられる。
【0025】「リビングラジカル重合法」の中でも、有
機ハロゲン化物あるいはハロゲン化スルホニル化合物等
を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマー
を重合する「原子移動ラジカル重合法」は、上記の「リ
ビングラジカル重合法」の特徴に加えて、官能基変換反
応に比較的有利なハロゲン等を末端に有し、開始剤や触
媒の設計の自由度が大きいことから、特定の官能基を有
するビニル系重合体の製造方法としてはさらに好まし
い。この原子移動ラジカル重合法としては例えばMat
yjaszewskiら、ジャーナル・オブ・アメリカ
ン・ケミカルソサエティー(J.Am.Chem.So
c.)1995年、117巻、5614頁、マクロモレ
キュールズ(Macromolecules)1995
年、28巻、7901頁,サイエンス(Scienc
e)1996年、272巻、866頁、WO96/30
421号公報,WO97/18247号公報あるいはS
awamotoら、マクロモレキュールズ(Macro
molecules)1995年、28巻、1721頁
などが挙げられる。
【0026】この原子移動ラジカル重合では、有機ハロ
ゲン化物、特に反応性の高い炭素−ハロゲン結合を有す
る有機ハロゲン化物(例えば、α位にハロゲンを有する
カルボニル化合物や、ベンジル位にハロゲンを有する化
合物)、あるいはハロゲン化スルホニル化合物等が開始
剤として用いられる。この重合法を用いて架橋性のビニ
ル系重合体を得るために、開始点を2個以上有する有機
ハロゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物が開
始剤として用いられる。それらの具体例としては、 o−,m−,p−XCH2−C64−CH2X、o−,m
−,p−CH3C(H)(X)−C64−C(H)
(X)CH3、o−,m−,p−(CH32C(X)−
64−C(X)(CH32 上記式中、C64はフェニレン基を示す。Xは塩素、臭
素、またはヨウ素を示す。 RO2C−C(H)(X)−(CH2n−C(H)
(X)−CO2R、RO2C−C(CH3)(X)−(C
2n−C(CH3)(X)−CO2R、RC(O)−C
(H)(X)−(CH2n−C(H)(X)−C(O)
R、RC(O)−C(CH3)(X)−(CH2n−C
(CH3)(X)−C(O)R 上記式中、Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール
基またはアラルキル基を示す。nは0〜20の整数を表
し、Xは塩素、臭素、ヨウ素を示す。 XCH2−C(O)−CH2X、H3C−C(H)(X)
−C(O)−C(H)(X)−CH3、(H3C)2
(X)−C(O)−C(X)(CH32、C65
(H)(X)−(CH2n−C(H)(X)C65 上記式中、Xは塩素、臭素またはヨウ素を表し、nは0
〜20の整数を示す。 XCH2CO2−(CH2n−OCOCH2X、CH3
(H)(X)CO2−(CH2n−OCOC(H)
(X)CH3、(CH32C(X)CO2−(CH2n
OCOC(X)(CH32 上記式中、nは1〜20の整数を示す。 XCH2C(O)C(O)CH2X、CH3C(H)
(X)C(O)C(O)C(H)(X)CH3、(C
32C(X)C(O)C(O)C(X)(CH32
o−,m−,p−XCH2CO2−C64−OCOCH2
X、o−,m−,p−CH3C(H)(X)CO2−C6
4−OCOC(H)(X)CH3、o−,m−,p−
(CH32C(X)CO2−C64−OCOC(X)
(CH32、o−,m−,p−XSO2−C64−SO2
X 上記式中、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示す。
【0027】重合触媒として用いられる遷移金属錯体と
しては特に限定されないが、好ましくは周期律表第7
族、8族、9族、10族、または11族元素を中心金属
とする金属錯体錯体である。更に好ましいものとして、
0価の銅、1価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄又は
2価のニッケルの錯体が挙げられる。なかでも、銅の錯
体が好ましい。1価の銅化合物を具体的に例示するなら
ば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化
第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅等である。銅化合
物を用いる場合、触媒活性を高めるために2,2′−ビ
ピリジル及びその誘導体、1,10−フェナントロリン
及びその誘導体、テトラメチルエチレンジアミン、ペン
タメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルトリス
(2−アミノエチル)アミン等のポリアミン等の配位子
が添加される。また、2価の塩化ルテニウムのトリスト
リフェニルホスフィン錯体(RuCl2(PPh33
も触媒として好適である。ルテニウム化合物を触媒とし
て用いる場合は、活性化剤としてアルミニウムアルコキ
シド類が添加される。更に、2価の鉄のビストリフェニ
ルホスフィン錯体(FeCl2(PPh32)、2価の
ニッケルのビストリフェニルホスフィン錯体(NiCl
2(PPh32)、及び、2価のニッケルのビストリブ
チルホスフィン錯体(NiBr2(PBu32)も、触
媒として好適である。
【0028】この重合において用いられるビニル系のモ
ノマーとしては特に限定されず、既に例示したものをす
べて好適に用いることができる。上記重合反応は、無溶
媒でも可能であるが、下記の各種溶媒中で行うこともで
きる。溶媒としては特に限定されず、例えば、ベンゼ
ン、トルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソー
ル、ジメトキシベンゼン等のエーテル系溶媒;塩化メチ
レン、クロロホルム、クロロベンゼン等のハロゲン化炭
化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン系溶媒;メタノール、エタ
ノール、プロパノール、イソプロパノール、n−ブチル
アルコール、tert−ブチルアルコール等のアルコー
ル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾ
ニトリル等のニトリル系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル
等のエステル系溶媒;エチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート等のカーボネート系溶媒等が挙げられ
る。これらは、単独でもよく、2種以上を併用してもよ
い。また、エマルジョン系もしくは超臨界流体CO2
媒体とする系においても重合を行うことができる。
【0029】重合は、0〜200℃の範囲で行うことが
でき、好ましくは、室温〜150℃の範囲である。一般
式(1)で示されるアルケニル基を少なくとも1個有す
るビニル系重合体の製造方法は、以下の(A)〜(C)
において具体的に例示して説明するがこれらに限定され
るものではない。 (A)ラジカル重合によりビニル系重合体を合成する際
に、重合体主鎖に直接アルケニル基を導入する方法。 (B)一般式(2)で表されるハロゲンを少なくとも1
個有するビニル系重合体を用いて、このハロゲンをアル
ケニル基含有官能基に置換する方法。 (C)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体を
用いて、この水酸基をアルケニル基含有官能基に置換す
る方法。
【0030】上記合成法(A)の重合体主鎖に直接アル
ケニル基を導入する方法としては特に限定されないが、
具体的には次に述べる(A−a)〜(A−b)の方法な
どを挙げることができる。 (A−a)リビングラジカル重合によりビニル系重合体
を合成する際に、所定のビニル系モノマーとともに、下
記一般式(9)等で表される一分子中に重合性のアルケ
ニル基および重合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合
物をも反応させる方法。 H2C=C(R1)−R8−R9−C(R1)=CH2 (9) 式中、R1は水素またはメチル基を表し、互いに同一で
あっても異なっていてもよい。R8は−C(O)O−
(エステル基)、またはo−,m−もしくはp−フェニ
レン基を示す。R9は直接結合、または1個以上のエー
テル結合を有していてもよい炭素数1〜20の2価の有
機基を示す。R8がエステル基のものは(メタ)アクリ
レート系化合物、R8がフェニレン基のものはスチレン
系の化合物である。
【0031】上記一般式(9)におけるR9としては、
特に限定されないが、例えば、メチレン、エチレン、プ
ロピレン等のアルキレン基;o−,m−,p−フェニレ
ン基;ベンジル基等のアラルキル基;−CH2CH2−O
−CH2−や−O−CH2−等のエーテル結合を含むアル
キレン基等が挙げられる。上記一般式(9)の化合物の
中でも、入手が容易であるという点から下記のものが好
ましい。 H2C=C(H)C(O)O(CH2n−CH=CH2
2C=C(CH3)C(O)O(CH2n−CH=CH
2 上記の各式において、nは0〜20の整数を示す。 H2C=C(H)C(O)O(CH2n−O−(CH2
mCH=CH2、H2C=C(CH3)C(O)O(C
2n−O−(CH2mCH=CH2 上記の各式において、nは1〜20の整数、mは0〜2
0の整数を示す。 o−,m−,p−ジビニルベンゼン、o−,m−,p−
2C=CH−C64−CH2CH=CH2、o−,m
−,p−H2C=CH−C64−CH2−C(CH3)=
CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2
CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=CH−C6
4−OCH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=C
H−C64−OCH2−C(CH3)=CH2、o−,m
−,p−H2C=CH−C64−OCH2CH2CH=C
2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C64
C(CH3)=CH2、o−,m−,p−H2C=C(C
3)−C64−CH2CH=CH2、o−,m−,p−
2C=C(CH3)−C64−CH2C(CH3)=CH
2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C64−C
2CH2CH=CH2、o−,m−,p−H2C=C(C
3)−C64−OCH2CH=CH2、o−,m−,p
−H2C=C(CH3)−C64−OCH2−C(CH3
=CH2、o−,m−,p−H2C=C(CH3)−C6
4−OCH2CH2CH=CH2 上記の各式において、C64はフェニレン基を示す。
【0032】なお、上記重合性のアルケニル基および重
合性の低いアルケニル基を併せ持つ化合物を反応させる
時期としては特に制限はないが、リビングラジカル重合
において、重合反応の終期あるいは所定のモノマーの反
応終了後に、第2のモノマーとして反応させるのが好ま
しい。 (A−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体
を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマ
ーの反応終了後に、第2のモノマーとして、重合性の低
いアルケニル基を少なくとも2個有する化合物を反応さ
せる方法。
【0033】このような化合物としては特に限定されな
いが、一般式(10)に示される化合物等が挙げられ
る。 H2C=C(R1)−R10−C(R1)=CH2 (10) 式中、R1は水素またはメチル基を表し、互いに同一で
も異なっていてもよい。R10は1個以上のエーテル結合
を含んでいてもよい炭素数1〜20の2価の有機基を示
す。
【0034】上記一般式(10)に示される化合物とし
ては特に限定されないが、入手が容易であるということ
から、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、
1,9−デカジエンが好ましい。上記合成法(A)の重
合体主鎖に直接アルケニル基を導入することによる、ア
ルケニル基を少なくとも1個有するビニル系重合体の合
成方法においては、一分子当たりに導入されるアルケニ
ル基の制御がより容易である点から(A−b)の方法が
好ましい。
【0035】上記合成法(B)における一般式(2)で
表されるハロゲンを少なくとも1個有するビニル系重合
体の合成法は原子移動ラジカル重合法が好ましい。この
重合体のハロゲンをアルケニル基含有官能基に置換する
方法としては特に限定されないが、具体的には次に述べ
る(B−a)〜(B−d)の方法などを挙げることがで
きる。
【0036】(B−a)一般式(2)で表されるハロゲ
ンを少なくとも1個有するビニル系重合体にアルケニル
基を有する各種の有機金属化合物を作用させてハロゲン
を置換する方法。このような有機金属化合物としては、
有機リチウム、有機ナトリウム、有機カリウム、有機マ
グネシウム、有機錫、有機ケイ素、有機亜鉛、有機銅等
が挙げられる。特に上記一般式(2)のハロゲンと選択
的に反応し、カルボニル基との反応性が低いという点
で、有機錫、有機銅化合物が好ましい。
【0037】アルケニル基を有する有機錫化合物として
は、特に制限はないが、下記一般式(11)で示される
化合物が好ましい。 H2C=C(R1)C(R11)(R12)Sn(R133 (11) 式中、R1は上述したものと同様である。R11およびR
12は水素、または炭素数1〜10のアルキル基、炭素数
6〜10のアリール基、または炭素数7〜10のアラル
キル基を表し、これらは互いに同じであっても異なって
いてもよい。R13は、炭素数1〜10のアルキル基、ア
リール基、またはアラルキル基を示す。
【0038】上記一般式(11)の有機錫化合物の具体
例を示すならば、アリルトリブチル錫、アリルトリメチ
ル錫、アリルトリ(n−オクチル)錫、アリルトリ(シ
クロヘキシル)錫等が例示される。 アルケニル基を有
する有機銅化合物としては、ジビニル銅リチウム、ジア
リル銅リチウム、ジイソプロペニル銅リチウム等が例示
される。
【0039】(B−b)一般式(2)で表されるハロゲ
ンを少なくとも1個有するビニル系重合体に、下記一般
式(12)等で表されるアルケニル基を有する安定化カ
ルバニオンを反応させてハロゲンを置換する方法。 M+-(R6)(R7)−R5−C(R1)=CH2 (12) 式中、R1、R5、R6およびR7は上述したものと同様で
ある。M+はアルカリ金属イオンまたは4級アンモニウ
ムイオンを示す。
【0040】アルカリ金属イオンとしてはリチウムイオ
ン、ナトリウムイオン、カリウムイオンが、また、4級
アンモニウムイオンとしては、テトラメチルアンモニウ
ムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、トリメチ
ルベンジルアンモニウムイオン、トリメチルドデシルア
ンモニウムイオン、テトラブチルアンモニウムイオン等
が具体例として挙げられる。
【0041】上記一般式(12)のカルバニオンは、そ
の前駆体に対して塩基性化合物を作用させ、活性プロト
ンを引き抜くことによって得ることができる。一般式
(12)のカルバニオンの前駆化合物としては以下のよ
うな化合物が例示できる。 H2C=CH−CH(CO2CH32、H2C=CH−C
H(CO2252、H2C=CH−(CH2nCH
(CO2CH32、H2C=CH−(CH2nCH(CO
2252、o−,m−,p−H2C=CH−C64
CH(CO2CH32、o−,m−,p−H2C=CH−
64−CH(CO2252、o−,m−,p−H2
C=CH−C64−CH2CH(CO2CH32、o−,
m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH(CO22
52、H2C=CH−CH(C(O)CH3)(CO2
25)、H2C=CH−(CH2nCH(C(O)C
3)(CO225)、o−,m−,p−H2C=CH
−C64−CH(C(O)CH3)(CO225)、o
−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH(C
(O)CH3)(CO225)、H2C=CH−CH
(C(O)CH32、H2C=CH−(CH2nCH
(C(O)CH32、o−,m−,p−H2C=CH−
64−CH(C(O)CH32、o−,m−,p−H
2C=CH−C64−CH2CH(C(O)CH32、H
2C=CH−CH(CN)(CO225)、H2C=C
H−(CH2nCH(CN)(CO225)、o−,
m−,p−H2C=CH−C64−CH(CN)(CO2
25)、o−,m−,p−H2C=CH−C64−C
2CH(CN)(CO225)、H2C=CH−CH
(CN)2、H2C=CH−(CH2nCH(CN)2
o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH(C
N)2、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2
CH(CN)2、H2C=CH−(CH2nNO2、o
−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2NO2、o
−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2CH2
2、H2C=CH−CH(C65)(CO225)、
2C=CH−(CH2nCH(C65)(CO2
25)、o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH
(C65)(CO225)、o−,m−,p−H2C=
CH−C64−CH2CH(C65)(CO225) 上記式中、nは1〜10の整数を示す。
【0042】上記化合物からプロトンを引き抜き一般式
(12)のカルバニオンとするためには各種の塩基性化
合物が使用される。これらの塩基性化合物としては以下
のような化合物が例示できる。ナトリウム、カリウム、
リチウム等のアルカリ金属;ナトリウムメトキシド、カ
リウムメトキシド、リチウムメトキシド、ナトリウムエ
トキシド、カリウムエトキシド、リチウムエトキシド、
ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−ter
t−ブトキシド等の金属アルコキシド;炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム
等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の水
酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム、メチルリ
チウム、エチルリチウム等の水素化物;n−ブチルリチ
ウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロ
ピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラジド等の有機
金属;アンモニア;トリメチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリブチルアミン等のアルキルアミン;テトラメチ
ルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミ
ン等のポリアミン;ピリジン、ピコリン等のピリジン系
化合物等 塩基性化合物の使用量は前駆物質に対して当量または小
過剰量用いればよく、好ましくは1〜1.2当量であ
る。
【0043】上記のカルバニオンとして4級アンモニウ
ム塩も使用できる。この場合、カルボン酸化合物のアル
カリ金属塩であるものを調製し、これに4級アンモニウ
ムハライドを作用させることによって得られる。4級ア
ンモニウムハライドとしては、テトラメチルアンモニウ
ムハライド、テトラエチルアンモニウムハライド、トリ
メチルベンジルアンモニウムハライド、トリメチルドデ
シルアンモニウムハライド、テトラブチルアンモニウム
ハライド等が例示される。
【0044】上記前駆化合物と塩基性化合物を反応させ
る際に用いられる溶媒としては、例えば、ベンゼン、ト
ルエン等の炭化水素系溶媒;ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニソール、ジメ
トキシベンゼン等のエーテル系溶媒;塩化メチレン、ク
ロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶媒;アセトン、
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン系溶媒;メタノール、エタノール、プロパノール、イ
ソプロパノール、n−ブチルアルコール、tert−ブ
チルアルコール等のアルコール系溶媒;アセトニトリ
ル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル系
溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;エ
チレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカー
ボネート系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トアミド等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド等の
スルホキシド系溶媒等が挙げられる。これらは、単独又
は2種以上を混合して用いることができる。
【0045】上記の前駆体に塩基性化合物を作用させる
ことにより一般式(12)で表されるカルバニオンが調
製され、一般式(2)のハロゲン末端を有するビニル系
重合体と反応させることにより、目的とする一般式
(1)で表されるアルケニル基を末端に有するビニル系
重合体を得ることができる。 (B−c)一般式(2)で表されるハロゲンを少なくと
も1個有するビニル系重合体に、金属単体あるいは有機
金属化合物を作用させてエノレートアニオンとし、しか
る後に、アルケニル基を有する求電子化合物と反応させ
る方法。
【0046】金属単体としては、生成するエノレートア
ニオンが他のエステル基を攻撃したり転移するような副
反応を起こしにくいという点で亜鉛が特に好ましい。ア
ルケニル基を有する求電子化合物としては各種のものを
使用することができる。例えば、ハロゲンやアセチル基
のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物、アル
ケニル基を有するカルボニル化合物、アルケニル基を有
するイソシアネート化合物、アルケニル基を有する酸ハ
ロゲン化物等である。これらのうち、ハロゲンやアセチ
ル基のような脱離基を有するアルケニル基含有化合物を
用いると、主鎖に炭素以外の原子が導入されず、ビニル
系重合体の耐候性が失われないので好ましい。
【0047】(B−d)一般式(2)で表されるハロゲ
ンを少なくとも1個有するビニル系重合体に、下記一般
式(13)等で表されるアルケニル基含有オキシアニオ
ン又は下記一般式(14)等で表されるアルケニル基含
有カルボキシレートアニオンを反応させて、上記ハロゲ
ンをアルケニル基含有置換基に置換する方法。 CH2=C(R1)−R5−O-+ (13) 式中、R1、R5およびM+は上述したものと同様であ
る。 CH2=C(R1)−R5−C(O)O-+ (14) 式中、R1、R5およびM+は上述したものと同様であ
る。
【0048】一般式(13)および(14)で表される
オキシアニオンの前駆化合物としては以下のような化合
物:H2C=CH−CH2−OH、H2C=CH−CH
(CH3)−OH、H2C=C(CH3)−CH2−OH、
2C=CH−(CH2n−OH(nは、2〜20の整
数を示す。)、H2C=CH−CH2−O−(CH22
OH、H2C=CH−C(O)O−(CH22−OH、
2C=C(CH3)−C(O)O−(CH22−OH、
o−,m−,p−H2C=CH−C64−CH2−OH、
o−,m−,p−H2C=CH−CH2−C64−CH2
−OH、o−,m−,p−H2C=CH−CH2−O−C
64−CH2−OH等のアルコール性水酸基含有化合
物;o−,m−,p−H2C=CH−C64−OH、o
−,m−,p−H2C=CH−CH2−C64−OH、o
−,m−,p−H2C=CH−CH2−O−C64−OH
等のフェノール性水酸基含有化合物;H2C=CH−C
(O)−OH、H2C=C(CH3)−C(O)−OH、
2C=CH−CH2−C(O)−OH、H2C=CH−
(CH2n−C(O)−OH(nは、2〜20の整数を
示す。)、H2C=CH−(CH2n−OC(O)−
(CH2m−C(O)−OH(m及びnは、同一又は異
なって、0〜19の整数を示す。)、o−,m−,p−
2C=CH−C64−C(O)−OH、o−,m−,
p−H2C=CH−CH2−C64−C(O)−OH、o
−,m−,p−H2C=CH−CH2−O−C64−C
(O)−OH、o−,m−,p−H2C=CH−(C
2n−OC(O)−C64−C(O)−OH(nは、
0〜13の整数を示す。)等のカルボキシル基含有化合
物;等が挙げられる。
【0049】上記の化合物からプロトンを引き抜き上記
一般式(13)あるいは(14)のアニオンとするため
には各種の塩基性化合物が使用され、その具体例として
は、前述の一般式(12)のカルバニオンを調製する際
に用いられる塩基性化合物がすべて好適に使用される。
また、反応溶媒についてもカルバニオンを調製する際に
用いられるものがすべて好適に使用される。
【0050】上記合成法(B)の中では、高い比率でア
ルケニル基を導入することができることから、有機ハロ
ゲン化物、またはハロゲン化スルホニル化合物等を開始
剤、遷移金属錯体を触媒として用いる原子移動ラジカル
重合法によって得られた一般式(2)で表されるハロゲ
ンを少なくとも1個有するビニル系重合体のハロゲンを
(B−d)の方法により変換することによりアルケニル
基を導入する方法が好ましい。(B−d)の方法の中で
は一般式(14)等で表されるアルケニル基含有カルボ
キシレートアニオンを反応させる方法がより好ましい。
【0051】有機ハロゲン化物、またはハロゲン化スル
ホニル化合物等を開始剤、遷移金属錯体を触媒としてビ
ニル系モノマーを重合する原子移動ラジカル重合法を用
いることを特徴とするビニル系重合体の製造法におい
て、アルケニル基を有する有機ハロゲン化物を開始剤と
して用いれば、片末端にアルケニル基を有し、他の末端
が上記一般式(2)の構造を有するビニル系重合体を得
ることができる。このようにして得られる重合体の停止
末端のハロゲンをアルケニル基含有置換基に変換すれ
ば、両末端にアルケニル基を有するビニル系重合体を得
ることができる。その変換方法としては、既に記載した
方法を使用することができる。
【0052】アルケニル基を有する有機ハロゲン化物と
しては特に制限はないが、例えば、下記一般式(15)
に示す構造を有するものが例示される。 R1415C(X)−R16−R9−C(R1)=CH2 (15) 式中、R1、R9およびXは上述したものと同様である。
14、R15は水素または炭素数1〜20のアルキル基、
炭素数6〜20のアリール基、炭素数7〜20のアラル
キル基、または他端において相互に連結したものを示
す。R16は−C(O)O−(エステル基)、−C(O)
−(ケト基)、またはo−,m−,p−フェニレン基を
示す。
【0053】一般式(15)で表されるアルケニル基を
有する有機ハロゲン化物の具体例としては、 XCH2C(O)O(CH2nCH=CH2、H3CC
(H)(X)C(O)O(CH2nCH=CH2、(H3
C)2C(X)C(O)O(CH2nCH=CH2、CH
3CH2C(H)(X)C(O)O(CH2nCH=CH
2
【0054】
【化1】
【0055】上記の各式において、Xは塩素、臭素、ま
たはヨウ素を示す。nは0〜20の整数を示す。 XCH2C(O)O(CH2nO(CH2mCH=C
2、H3CC(H)(X)C(O)O(CH2nO(C
2mCH=CH2、(H3C)2C(X)C(O)O
(CH2nO(CH2mCH=CH2、CH3CH2
(H)(X)C(O)O(CH2nO(CH2mCH=
CH2
【0056】
【化2】
【0057】上記各式において、Xは塩素、臭素、また
はヨウ素を示す。nは1〜20の整数を、mは0〜20
の整数を示す。 o,m,p−XCH2−C64−(CH2n−CH=C
2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64−(C
2n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH2
(H)(X)−C64−(CH2n−CH=CH2 上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示
す。nは0〜20の整数を示す。 o,m,p−XCH2−C64−(CH2n−O−(C
2m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)
(X)−C64−(CH2n−O−(CH2m−CH=
CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−C6
4−(CH2n−O−(CH2mCH=CH2 上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示
す。nは1〜20の整数を表し、mは0〜20の整数を
示す。 o,m,p−XCH2−C64−O−(CH2n−CH
=CH2、o,m,p−CH3C(H)(X)−C64
O−(CH2n−CH=CH2、o,m,p−CH3CH
2C(H)(X)−C64−O−(CH2n−CH=C
2 上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を表
し、nは0〜20の整数を示す。 o,m,p−XCH2−C64−O−(CH2n−O−
(CH2m−CH=CH2、o,m,p−CH3C(H)
(X)−C64−O−(CH2n−O−(CH2m−C
H=CH2、o,m,p−CH3CH2C(H)(X)−
64−O−(CH2n−O−(CH2m−CH=CH
2 上記の各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を
示す。nは1〜20の整数を表し、mは0〜20の整数
を示す。
【0058】アルケニル基を有する有機ハロゲン化物と
してはさらに一般式(16)で示される化合物が挙げら
れる。 H2C=C(R1)−R9−C(R14)(X)−R17−R15 (16) 式中、R1、R9、R14、R15、Xは上述したものと同様
である。R17は、直接結合、−C(O)O−(エステル
基)、−C(O)−(ケト基)、または、o−,m−,
p−フェニレン基を示す。
【0059】R9は直接結合、または炭素数1〜20の
2価の有機基(1個以上のエーテル結合を含んでいても
良い)であるが、直接結合である場合は、ハロゲンの結
合している炭素にビニル基が結合しており、ハロゲン化
アリル化物である。この場合は、隣接ビニル基によって
炭素−ハロゲン結合が活性化されているので、R17とし
てC(O)O基やフェニレン基等を有する必要は必ずし
もなく、直接結合であってもよい。R9が直接結合でな
い場合は、炭素−ハロゲン結合を活性化するために、R
17としてはC(O)O基、C(O)基、フェニレン基が
好ましい。
【0060】上記一般式(16)の化合物は、具体的に
は下記の化合物を例示できる。 CH2=CHCH2X、CH2=C(CH3)CH2X、C
2=CHC(H)(X)CH3、CH2=C(CH3)C
(H)(X)CH3、CH2=CHC(X)(CH32
CH2=CHC(H)(X)C25、CH2=CHC
(H)(X)CH(CH32、CH2=CHC(H)
(X)C65、CH2=CHC(H)(X)CH2
65、CH2=CHCH2C(H)(X)−CO2R、C
2=CH(CH22C(H)(X)−CO2R、CH2
=CH(CH23C(H)(X)−CO2R、CH2=C
H(CH28C(H)(X)−CO2R、CH2=CHC
2C(H)(X)−C65、CH2=CH(CH22
(H)(X)−C65、CH2=CH(CH23
(H)(X)−C65 上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示
す。Rは炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、ア
ラルキル基を示す。
【0061】アルケニル基を有するハロゲン化スルホニ
ル化合物は、具体的には下記の化合物を例示できる。 o−,m−,p−CH2=CH−(CH2n−C64
SO2X、o−,m−,p−CH2=CH−(CH2n
O−C64−SO2X 上記各式において、Xは塩素、臭素、またはヨウ素を示
す。nは0〜20の整数を示す。
【0062】アルケニル基を有する有機ハロゲン化物、
またはハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤として用
いると、片末端がアルケニル基、他の末端が上記一般式
(2)で示されるハロゲン末端の重合体を得ることがで
きる。この重合体の一般式(2)で表されるハロゲンを
置換できる、同一または異なった官能基を合計2個以上
有する化合物を用いて、ハロゲン末端どうしをカップリ
ングさせることによっても、末端にアルケニル基を有す
るビニル系重合体を得ることができる。
【0063】末端ハロゲンを置換できる、同一または異
なった官能基を合計2個以上有するものとしては特に制
限はないが、ポリオール、ポリアミン、ポリカルボン
酸、ポリチオール、およびそれらの塩、アルカリ金属硫
化物等が好ましい。これら化合物の具体例としては下記
の化合物を例示できる。エチレングリコール、1,2−
プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、
2,3−ブタンジオール、ピナコール、1,5−ペンタ
ンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペン
タンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘ
プタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−
ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12
−ドデカンジオール、1,2−シクロペンタンジオー
ル、1,3−シクロペンタンジオール、1,2−シクロ
ヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、
1,4−シクロヘキサンジオール、グリセロール、1,
2,4−ブタントリオール、カテコール、レゾルシノー
ル、ヒドロキノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、
1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキ
シナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,
2’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)メタン、4,4’−イソプ
ロピリデンフェノール、3,3’−(エチレンジオキ
シ)ジフェノール、α,α’−ジヒドロキシ−p−キシ
レン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)
エタン、ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオー
ル等のポリオール;および、上記ポリオール化合物のア
ルカリ金属塩;エチレンジアミン、1,3−ジアミノプ
ロパン、1,2−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノ
ブタン、1,2−ジアミノ−2−メチルプロパン、1,
5−ジアミノペンタン、2,2−ジメチル−1,3−プ
ロパンジアミン、1,6−ヘキサンジアミン、1,7−
ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9
−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,1
2−ジアミノドデカン、4,4’−メチレンビス(シク
ロヘキシルアミン)、1,2−ジアミノシクロヘキサ
ン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミ
ノシクロヘキサン、1,2−フェニレンジアミン、1,
3−フェニレンジアミン、1,4−フェニレンジアミ
ン、α,α’−ジアミノ−p−キシレン等のポリアミ
ン;および上記ポリアミン化合物のアルカリ金属塩;シ
ュウ酸、マロン酸、メチルマロン酸、ジメチルマロン
酸、コハク酸、メチルコハク酸、グルタル酸、アジピン
酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、1,8−オクタン
ジカルボン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10
−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボ
ン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,2−シク
ロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカ
ルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,
4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5−シクロ
ヘキサントリカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、1,2,3−ベンゼントリカルボン酸、
1,2,4,5−ベンゼンテトラカルボン酸等のポリカ
ルボン酸;および上記ポリカルボン酸のアルカリ金属
塩;1,2−エタンジチオール、1,3−プロパンジチ
オール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタンジ
チオール、1,5−ペンタンジチオール、1,6−ヘキ
サンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8
−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、2
−メルカプトエチルエーテル、p−キシレン−α,α’
−ジチオール、1,2−ベンゼンジチオール、1,3−
ベンゼンジチオール、1,4−ベンゼンジチオール、等
のポリチオール;および、上記ポリチオール化合物のア
ルカリ金属塩;硫化リチウム、硫化ナトリウム、硫化カ
リウム。
【0064】上記のポリオール、ポリアミン、ポリカル
ボン酸、ポリチオールを用いる際は、置換反応を促進さ
せるために、塩基性化合物の併用が可能で、その具体例
としては、既に例示したものが挙げられる。上記合成法
(C)の水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合体
を用いて、この水酸基をアルケニル基含有官能基に置換
する方法としては特に限定されないが、具体的には次に
述べる(C−a)〜(C−d)の方法などを挙げること
ができる。
【0065】なお、上記の水酸基を少なくとも1個有す
るビニル系重合体は、後述する(D−a)〜(D−i)
の方法により得ることができる。 (C−a)水酸基を少なくとも1個有するビニル系重合
体の水酸基に、水酸化ナトリウム、ナトリウムメトキシ
ド等の塩基を作用させた後に、塩化アリルのようなアル
ケニル基含有ハロゲン化物と反応させる方法。
【0066】(C−b)水酸基を少なくとも1個有する
ビニル系重合体とアリルイソシアネート等のアルケニル
基含有イソシアネート化合物とを反応させる方法。 (C−c)ピリジン等の塩基存在下、水酸基を少なくと
も1個有するビニル系重合体を(メタ)アクリル酸クロ
リド等のアルケニル基含有酸ハロゲン化物と反応させる
方法。
【0067】(C−d)酸触媒の存在下、水酸基を少な
くとも1個有するビニル系重合体とアクリル酸等のアル
ケニル基含有カルボン酸とを反応させる方法。 (C)の方法で用いる水酸基を少なくとも1個有するビ
ニル系重合体の製造方法は以下に示す(D−a)〜(D
−f)のような方法が例示されるが、これらの方法に限
定されるものではない。 (D−a)リビングラジカル重合によりビニル系重合体
を合成する際に、下記一般式(17)等で表される一分
子中に重合性のアルケニル基および水酸基を併せ持つ化
合物を第2のモノマーとして反応させる方法。 H2C=C(R1)−R8−R9−OH (17) 式中、R1、R8およびR9は上述したものと同様であ
る。
【0068】なお、一分子中に重合性のアルケニル基お
よび水酸基を併せ持つ化合物を反応させる時期に制限は
ないが、特にゴム的な性質を期待する場合には重合反応
の終期あるいは所定のモノマーの反応終了後に、第2の
モノマーとして反応させるのが好ましい。 (D−b)リビングラジカル重合によりビニル系重合体
を合成する際に、重合反応の終期あるいは所定のモノマ
ーの反応終了後に、第2のモノマーとして、一分子中に
重合性の低いアルケニル基および水酸基を有する化合物
を反応させる方法。
【0069】このような化合物としては特に限定されな
いが、一般式(18)に示される化合物等が挙げられ
る。 H2C=C(R1)−R10−OH(18) 式中、R1およびR10は上述したものと同様である。上
記一般式(18)に示される化合物としては特に限定さ
れないが、入手が容易であるということから、10−ウ
ンデセノール、5−ヘキセノール、アリルアルコールの
ようなアルケニルアルコールが好ましい。 (D−c)特開平4−132706号公報などに開示さ
れるような方法で、原子移動ラジカル重合により得られ
る一般式(2)で表される炭素−ハロゲン結合を少なく
とも1個に有するビニル系重合体のハロゲンを、加水分
解あるいは水酸基含有化合物と反応させることにより、
末端に水酸基を導入する方法。 (D−d)原子移動ラジカル重合により得られる一般式
(2)で表される炭素−ハロゲン結合を少なくとも1個
有するビニル系重合体に、一般式(19)に挙げられる
ような水酸基を有する安定化カルバニオンを反応させて
ハロゲンを置換する方法。 M+-(R6)(R7)−R5−OH (19) 式中、R5、R6およびR7は上述したものと同様であ
る。
【0070】(D−e)原子移動ラジカル重合により得
られる一般式(2)で表される炭素−ハロゲン結合を少
なくとも1個有するビニル系重合体に、例えば亜鉛のよ
うな金属単体あるいは有機金属化合物を作用させてエノ
レートアニオンを調製し、しかる後にアルデヒド類、又
はケトン類を反応させる方法。 (D−f)一般式(2)で表されるハロゲンを少なくと
も1個有するビニル系重合体に、下記一般式(20)等
で表される水酸基含有オキシアニオン又は下記一般式
(21)等で表される水酸基含有カルボキシレートアニ
オンを反応させて、上記ハロゲンを水酸基含有置換基に
置換する方法。 HO−R5−O-+ (20) 式中、R1、R5およびM+は上述したものと同様であ
る。 HO−R5−C(O)O-+ (21) 式中、R1、R5およびM+は上述したものと同様であ
る。
【0071】本発明では(D−a)〜(D−b)のよう
な水酸基を導入する方法にハロゲンが直接関与しない場
合、制御がより容易である点から(D−b)の方法がさ
らに好ましい。また(D−c)〜(D−f)のような一
般式(2)で表される炭素−ハロゲン結合を少なくとも
1個有するビニル系重合体のハロゲンを変換することに
より水酸基を導入する場合は、制御がより容易である点
から(D−f)の方法がさらに好ましい。 [(B)成分のヒドロシリル基含有化合物について]
(B)成分のヒドロシリル基含有化合物としては特に制
限はなく、各種のものを用いることができる。すなわ
ち、一般式(22)または(23)で表される鎖状ポリ
シロキサン; R18 3SiO−[Si(R182O]a−[Si(H)(R19)O]b−[S i(R19)(R20)O]c−SiR18 3 (22) HR18 2SiO−[Si(R182O]a−[Si(H)(R19)O]b−[ Si(R19)(R20)O]c−SiR18 2H (23) 式中、R18およびR19は炭素数1〜6のアルキル基、ま
たは、フェニル基、R20は炭素数1〜10のアルキル基
またはアラルキル基を示す。aは0≦a≦100、bは
2≦b≦100、cは0≦c≦100を満たす整数を示
す。一般式(24)で表される環状シロキサン;
【0072】
【化3】
【0073】式中、R21およびR22は炭素数1〜6のア
ルキル基、または、フェニル基、R23は炭素数1〜10
のアルキル基またはアラルキル基を示す。dは0≦d≦
8、eは2≦e≦10、fは0≦f≦8の整数を表し、
かつ3≦d+e+f≦10を満たす。等の化合物を用い
ることができる。
【0074】これらは単独で用いても2種以上を混合し
て用いてもかまわない。これらのシロキサンの中でも
(メタ)アクリル系重合体との相溶性の観点から、フェ
ニル基を有する下記一般式(25)、(26)で表され
る鎖状シロキサンや、一般式(27)、(28)で表さ
れる環状シロキサンが好ましい。 (CH33SiO−[Si(H)(CH3)O]g−[Si(C652 O]h−Si(CH33 (25) (CH33SiO−[Si(H)(CH3)O]g−[Si(CH3){C H2C(H)(R24)C65}O]h−Si(CH33 (26) 式中、R24は水素またはメチル基を示す。gは2≦g≦
100、hは0≦h≦100の整数を示す。C65はフ
ェニル基を示す。
【0075】
【化4】
【0076】式中、R24は水素、またはメチル基を示
す。iは2≦i≦10、jは0≦j≦8、かつ3≦i+
j≦10を満たす整数を示す。C65はフェニル基を示
す。(B)成分の少なくとも1個のヒドロシリル基を有
する化合物としてはさらに、分子中に2個以上のアルケ
ニル基を有する低分子化合物に対し、一般式(22)か
ら(28)に表されるヒドロシリル基含有化合物を、反
応後にも一部のヒドロシリル基が残るようにして付加反
応させて得られる化合物を用いることもできる。分子中
に2個以上のアルケニル基を有する化合物としては、各
種のものを用いることができる。例示するならば、1,
4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘ
プタジエン、1,7−オクタジエン、1,8−ノナジエ
ン、1,9−デカジエン等の炭化水素系化合物、O,
O’−ジアリルビスフェノールA、3,3’−ジアリル
ビスフェノールA等のエーテル系化合物、ジアリルフタ
レート、ジアリルイソフタレート、トリアリルトリメリ
テート、テトラアリルピロメリテート等のエステル系化
合物、ジエチレングリコールジアリルカーボネート等の
カーボネート系化合物が挙げられる。
【0077】上記一般式(22)から(28)に示した
過剰量のヒドロシリル基含有化合物に対し、ヒドロシリ
ル化触媒の存在下、上に挙げたアルケニル基含有化合物
をゆっくり滴下することにより該化合物を得ることがで
きる。このような化合物のうち、原料の入手容易性、過
剰に用いたシロキサンの除去のしやすさ、さらには
(A)成分の重合体への相溶性を考慮して、下記のもの
が好ましい。
【0078】
【化5】
【0079】[硬化物の作成方法]重合体(A)と硬化
剤(B)は任意の割合で混合することができるが、硬化
性の面から、アルケニル基とヒドロシリル基のモル比が
5〜0.2の範囲にあることが好ましく、さらに、2.
5〜0.4であることが特に好ましい。モル比が5以上
になると硬化が不十分でべとつきのある強度の小さい硬
化物しか得られず、また、0.2より小さいと、硬化後
も硬化物中に活性なヒドロシリル基が大量に残るので、
クラック、ボイドが発生し、均一で強度のある硬化物が
得られない。
【0080】重合体(A)と硬化剤(B)との硬化反応
は、2成分を混合して加熱することにより進行するが、
反応をより迅速に進めるために、ヒドロシリル化触媒を
添加することができる。このようなヒドロシリル化触媒
としては特に限定されず、例えば、有機過酸化物やアゾ
化合物等のラジカル開始剤、および遷移金属触媒が挙げ
られる。
【0081】ラジカル開始剤としては特に限定されず、
例えば、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキ
シ)−3−ヘキシン、ジクミルペルオキシド、t−ブチ
ルクミルペルオキシド、α,α’−ビス(t−ブチルペ
ルオキシ)イソプロピルベンゼンのようなジアルキルペ
ルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、p−クロロベン
ゾイルペルオキシド、m−クロロベンゾイルペルオキシ
ド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロ
イルペルオキシドのようなジアシルペルオキシド、過安
息香酸−t−ブチルのような過酸エステル、過ジ炭酸ジ
イソプロピル、過ジ炭酸ジ−2−エチルヘキシルのよう
なペルオキシジカーボネート、1,1−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチル
ペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
のようなペルオキシケタール等を挙げることができる。
【0082】また、遷移金属触媒としても特に限定され
ず、例えば、白金単体、アルミナ、シリカ、カーボンブ
ラック等の担体に白金固体を分散させたもの、塩化白金
酸、塩化白金酸とアルコール、アルデヒド、ケトン等と
の錯体、白金−オレフィン錯体、白金(0)−ジビニル
テトラメチルジシロキサン錯体が挙げられる。白金化合
物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33,R
hCl3,RuCl3,IrCl3,FeCl3,AlCl
3,PdCl2・H2O,NiCl2,TiCl4等が挙げ
られる。これらの触媒は単独で用いてもよく、2種類以
上を併用してもかまわない。触媒量としては特に制限は
ないが、(A)成分のアルケニル基1molに対し、1
-1〜10-8molの範囲で用いるのが良く、好ましく
は10-3〜10-6molの範囲で用いるのがよい。10
-8molより少ないと硬化が十分に進行しない。またヒ
ドロシリル化触媒は高価であるので10-1mol以上用
いないのが好ましい。
【0083】本発明の電気、電子部品材料用組成物に
は、物性を調整するために各種の添加剤、例えば、老化
防止材、可塑剤、物性調整剤、溶剤などを配合してもよ
い。ビニル系重合体は本来、耐久性に優れた重合体であ
るので、老化防止剤は必ずしも必要ではないが、従来公
知の酸化防止剤、紫外線吸収剤を適宜用いることができ
る。
【0084】可塑剤としては物性の調整、性状の調節等
の目的により、ジブチルフタレート、ジヘプチルフタレ
ート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ブチルベ
ンジルフタレート等のフタル酸エステル類;ジオクチル
アジペート、ジオクチルセバケート等の非芳香族二塩基
酸エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート、
トリエチレングリコールジベンゾエート等のポリアルキ
レングリコールのエステル類;トリクレジルホスフェー
ト、トリブチルホスフェート等のリン酸エステル類;塩
化パラフィン類;アルキルジフェニル、部分水添ターフ
ェニル等の炭化水素系油等を単独、または2種以上混合
して使用することができるが、必ずしも必要とするもの
ではない。なおこれら可塑剤は、重合体製造時に配合す
ることも可能である。
【0085】溶剤としては、例えばトルエン、キシレン
等の芳香族炭化水素系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、
酢酸アミル、酢酸セロソルブ等のエステル系溶剤、メチ
ルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチ
ルケトン等のケトン系溶剤等が挙げられる。それらの溶
剤は重合体の製造時に用いてもよい。また、本発明の電
気、電子部品材料用組成物には、各種支持体(プラスチ
ックフィルム、紙等)に対する接着性を向上させるため
に各種接着性改良剤を配合できる。接着性改良剤として
は特に限定されず、例えば、メチルトリメトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチルメトキシシ
ラン、n−プロピルトリメトキシシラン等のアルキルア
ルコキシシラン類;ジメチルジイソプロペノキシシラ
ン、メチルトリイソプロペノキシシラン、γ−グリシド
キシプロピルメチルジイソプロペノキシシラン等のアル
キルイソプロペノキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルジメチルメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメ
トキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチ
ル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシランγ−
メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トプロピルメチルジメトキシシラン等の官能基を有する
アルコキシシラン類;シリコーンワニス類;ポリシロキ
サン類等が挙げられる。
【0086】硬化条件については特に制限はないが、一
般に0℃〜200℃、好ましくは30℃〜150℃、さ
らに好ましくは80℃〜150℃で硬化させるのがよ
い。これにより短時間で電気、電子部品材料用を得るこ
とができる。以下に本発明を実施例に基づき説明する
が、下記実施例に限定されるものではない。
【0087】
【実施例】(製造例1)還流管付き500mL三つ口フ
ラスコで、触媒として臭化第一銅(1.50g、10.
5mmol)、配位子としてペンタメチルジエチレント
リアミン(1.65mL)、開始剤としてジエチル−
2,5−ジブロモアジペート(9.42g、26.2m
ol)、溶媒としてアセトニトリル(30mL)を用い
て、アクリル酸−n−ブチル(300mL)を窒素雰囲
気下70℃で重合し、アクリル酸−n−ブチルの重合率
が93%の時点で、1,7−オクタジエン(38.6m
L,0.261mol)を添加し、同温度で加熱した。
反応混合物を酢酸エチルで希釈し、活性アルミナのカラ
ムを通して触媒を除き、揮発分を減圧留去することによ
り、末端にアルケニル基を有する重合体を得た。重合体
の数平均分子量はGPC測定(ポリスチレン換算)によ
り13800、分子量分布は1.28であった。オリゴ
マ−1分子当たりに導入されたアルケニル基は、1
NMR分析より、1.84個であった。 (参考製造例1)アルケニル基を有するカルボン酸塩の
製造 メタノ−ル(245mL)に4−ペンテン酸(49g、
0.489mol)、カリウム−tert−ブトキシド
(54.9g、0.489mol)を仕込み、0℃で撹
拌した。揮発分を減圧下留去することにより下式に示す
ペンテン酸カリウム塩を得た。 CH2=CH−(CH22−CO2 -+ (製造例2)還流管付き500mL三つ口フラスコで、
触媒として臭化第一銅(1.50g、10.5mmo
l)、配位子としてペンタメチルジエチレントリアミン
(0.69mL)、開始剤としてジエチル−2,5−ジ
ブロモアジペート(9.42g、26.2mol)、溶
媒としてアセトニトリル(30mL)を用いて、アクリ
ル酸−n−ブチル(300mL)を窒素雰囲気下70℃
で重合し、末端にハロゲンを有するポリ(アクリル酸−
n−ブチル)を得た。重合体の数平均分子量はGPC測
定(ポリスチレン換算)により11300、分子量分布
は1.16であった。
【0088】上記重合体(5.0g)、参考製造例1の
ペンテン酸カリウム塩(0.12、8.7mmol)及
び、ジメチルアセトアミド(10mL)を仕込み、窒素
雰囲気下、70℃で6時間反応させた。混合物の揮発分
を減圧留去した後、酢酸エチルを加えて不溶分を濾別し
た。濾液の揮発分を減圧留去することにより、末端にア
ルケニル基を有するポリ(アクリル酸−n−ブチル)
4.8gを得た。オリゴマ−1分子当たりに導入された
アルケニル基は、1H NMR分析より、1.84個で
あった。 (実施例1)製造例1で得られたアルケニル基を少なく
とも1個有する重合体を珪酸アルミ(協和化学製、キョ
ーワード700PEL)で処理し、重合体中の微量不純
物を除去した。
【0089】次に、精製されたポリ(アクリル酸−n−
ブチル)と、多価ハイドロジェンシリコン化合物(平均
組成式:(CH33Si(OSi(CH3)(CH2CH
(CH3)C65))1.5(OSi(CH3)H)6OSi
(CH33)および白金触媒(0価白金の1,1,3,
3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン錯体
(8.3×10-8mol/Lキシレン溶液))をよく混
合した(SiH基とアルケニル基のモル比=1.5、白
金原子とアルケニル基のモル比=7×10-5)。
【0090】このようにして得られた組成物の一部を1
30℃のホットプレート上にて硬化試験を行い、ゲル化
時間を測定した。ゲル化時間は26秒であった。 (実施例2)製造例1で得られたアルケニル基を少なく
とも1個有する重合体を用いる替わり、製造例2で得ら
れたアルケニル基を少なくとも1個有する重合体を用い
た他は、実施例1と同様にしてゲル化時間を測定した。
ゲル化時間は26秒であった。また、残りの組成物を減
圧下に脱気し、型枠に流し込んで加熱硬化させ、100
℃に加熱し、ゴム状の硬化物を得た。硬化物をトルエン
に24時間浸漬し、前後の重量変化からそのゲル分率を
測定した。ゲル分率は90%であった。
【0091】
【発明の効果】本発明の電気、電子部品材料用組成物
は、主成分であるアルケニル基を有するビニル系重合体
の分子量分布が狭いので低粘度であり、取り扱い性の良
い組成物が得られる。またアルケニル基の導入率が高い
ので高ゲル分の硬化物が得られ、速硬化でもある。硬化
により得られた電気、電子部品材料は、電気特性、耐熱
性、耐候性および耐水性などに優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 Fターム(参考) 4J002 AA03W BC02W BC08W BC09W BC11W BC12W BG00W BG04W BG05W BG06W BG07W BG08W CP04X EX036 FD14X FD146 GQ00 4J031 AA12 AA13 AA14 AA15 AA17 AA19 AA20 AA22 AA23 AA26 AA27 AA59 AB01 AC13 AD01 AE12 AE13 AE15 AF23 4M109 AA01 BA01 BA03 CA21 EA06 EB04 EC01 EC05 EC07

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】以下の2成分: (A)一般式(1)で表されるアルケニル基を少なくと
    も1個有するビニル系重合体、 CH2=C(R1)− (1) 式中、R1は水素またはメチル基を示す。 (B)ヒドロシリル基含有化合物、を必須成分とする電
    気、電子部品材料用組成物。
  2. 【請求項2】(A)成分のビニル系重合体の分子量分布
    が1.8未満である請求項1記載の電気、電子部品材料
    用組成物。
  3. 【請求項3】(A)成分のビニル系重合体が(メタ)ア
    クリル系重合体である請求項1又は2のいずれか1項に
    記載の電気、電子部品材料用組成物。
  4. 【請求項4】(A)成分のビニル系重合体がリビングラ
    ジカル重合法により製造されるものであることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気、電子部
    品材料用組成物。
  5. 【請求項5】(A)成分のビニル系重合体が原子移動ラ
    ジカル重合法により製造されるものであることを特徴と
    する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電気、電子部
    品材料用組成物。
  6. 【請求項6】(A)成分が一般式(1)に示すアルケニ
    ル基を分子鎖末端に少なくとも1個有するビニル系重合
    体である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気、電
    子部品材料用組成物。
  7. 【請求項7】(A)成分が以下の工程: (1)ビニル系モノマーを原子移動ラジカル重合法によ
    り重合することにより、一般式(2)で示す末端構造を
    有するビニル系重合体を製造し、 −C(R2)(R3)(X) (2) 式中、R2およびR3はビニル系モノマーのエチレン性不
    飽和基に結合した基を示す。Xは塩素、臭素またはヨウ
    素を示す。 (2)前記重合体の末端ハロゲンを一般式(1)のアル
    ケニル基を有する置換基に変換する;により得られるビ
    ニル系重合体である請求項1〜6のいずれか1項に記載
    の電気、電子部品材料用組成物。
  8. 【請求項8】(A)成分が以下の工程: (1)ビニル系モノマーをリビングラジカル重合法によ
    り重合することにより、ビニル系重合体を製造し、
    (2)続いて重合性の低いアルケニル基を少なくとも2
    個有する化合物を反応させる;により得られるビニル系
    重合体である請求項1〜6のいずれか1項に記載の電
    気、電子部品材料用組成物。
  9. 【請求項9】請求項1〜8のうちいずれか1項に記載の
    電気、電子部品材料用組成物を硬化させてなる電気、電
    子部品材料。
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