JP2000072822A - 生体液濃縮用吸水性樹脂、その製造法およびその使用法 - Google Patents
生体液濃縮用吸水性樹脂、その製造法およびその使用法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】従来のポリアクリルアミド系架橋重合体からな
る生体濃縮用吸水性樹脂は、水素結合によりタンパク質
等と結合しやすく、吸着により回収率が低下し、改善が
望まれていた。 【解決手段】N−ビニルカルボン酸アミドを60モル%
以上含むノニオン性水溶性モノマーと該水溶性モノマー
に対し0.1〜10モル%の多価ビニル化合物を共重合
させて得られるポリマーの乾燥物からなる吸水性樹脂を
用いることにより達成される。
る生体濃縮用吸水性樹脂は、水素結合によりタンパク質
等と結合しやすく、吸着により回収率が低下し、改善が
望まれていた。 【解決手段】N−ビニルカルボン酸アミドを60モル%
以上含むノニオン性水溶性モノマーと該水溶性モノマー
に対し0.1〜10モル%の多価ビニル化合物を共重合
させて得られるポリマーの乾燥物からなる吸水性樹脂を
用いることにより達成される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生化学、医学の分
野において、生体由来高分子物質、例えば、蛋白質、D
NA等の分析を行う為に、生体液を濃縮するに当たり、
目的物を変質させることなく、液中の低分子成分水溶液
のみを吸収する事によって、これらの成分を濃縮する事
を可能にするN−ビニルカルボン酸アミド架橋体に関す
る。
野において、生体由来高分子物質、例えば、蛋白質、D
NA等の分析を行う為に、生体液を濃縮するに当たり、
目的物を変質させることなく、液中の低分子成分水溶液
のみを吸収する事によって、これらの成分を濃縮する事
を可能にするN−ビニルカルボン酸アミド架橋体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ポリアクリルアミド架橋体から成る生体
液濃縮用吸水性樹脂は公知である。しかしながら、ポリ
アクリルアミド表面は水素結合により蛋白質等と結合し
易く、吸着により回収率が低下し改善が望まれていた。
液濃縮用吸水性樹脂は公知である。しかしながら、ポリ
アクリルアミド表面は水素結合により蛋白質等と結合し
易く、吸着により回収率が低下し改善が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は効率良
く生体由来の水溶性高分子物質を濃縮する生体液濃縮用
吸水性樹脂を提供する事にある。
く生体由来の水溶性高分子物質を濃縮する生体液濃縮用
吸水性樹脂を提供する事にある。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明者はN−ビニルカル
ボン酸アミドモノマーを60モル%以上含むノニオン性
モノマー水溶性と該水溶性モノマーに対し0.1〜10
モル%の多価ビニル化合物を共重合させて得られるポリ
マーの乾燥物から本質的に成る生体液濃縮用吸水性樹脂
を用いる事により、吸水性樹脂表面の水素結合由来の吸
着固定作用を排除する事が出来る事を見いだし本発明を
成すに至った。
ボン酸アミドモノマーを60モル%以上含むノニオン性
モノマー水溶性と該水溶性モノマーに対し0.1〜10
モル%の多価ビニル化合物を共重合させて得られるポリ
マーの乾燥物から本質的に成る生体液濃縮用吸水性樹脂
を用いる事により、吸水性樹脂表面の水素結合由来の吸
着固定作用を排除する事が出来る事を見いだし本発明を
成すに至った。
【0005】本発明の請求項1の発明は、生理食塩水中
における平衡吸水倍率が4〜20であり、N−ビニルカ
ルボン酸アミドモノマー単位を60〜100モル%含有
する高分子架橋体の、含水率が20重量%以下であり、
且つ比表面積が50cm2/g以上である事を特徴とす
る生体液濃縮用吸水性樹脂である。
における平衡吸水倍率が4〜20であり、N−ビニルカ
ルボン酸アミドモノマー単位を60〜100モル%含有
する高分子架橋体の、含水率が20重量%以下であり、
且つ比表面積が50cm2/g以上である事を特徴とす
る生体液濃縮用吸水性樹脂である。
【0006】本発明の請求項2の発明は、N−ビニルカ
ルボン酸アミドモノマーを60モル%以上含むノニオン
性水溶性モノマーと該水溶性モノマーに対し0.1〜1
0モル%の多価ビニル化合物を共重合させて得られるポ
リマーの乾燥物から本質的に成る事を特徴とする請求項
1に記載の生体液濃縮用吸水性樹脂である。
ルボン酸アミドモノマーを60モル%以上含むノニオン
性水溶性モノマーと該水溶性モノマーに対し0.1〜1
0モル%の多価ビニル化合物を共重合させて得られるポ
リマーの乾燥物から本質的に成る事を特徴とする請求項
1に記載の生体液濃縮用吸水性樹脂である。
【0007】本発明の請求項3の発明は、N−ビニルホ
ルムアミドモノマーを60モル%以上含むノニオン性水
溶性モノマーと該水溶性モノマーに対し0.1〜10モ
ル%の多価ビニル化合物を共重合させて得られるポリマ
ーの乾燥物から本質的に成る事を特徴とする請求項1な
いし請求項2に記載の生体液濃縮用吸水性樹脂である
ルムアミドモノマーを60モル%以上含むノニオン性水
溶性モノマーと該水溶性モノマーに対し0.1〜10モ
ル%の多価ビニル化合物を共重合させて得られるポリマ
ーの乾燥物から本質的に成る事を特徴とする請求項1な
いし請求項2に記載の生体液濃縮用吸水性樹脂である
【0008】本発明の請求項4の発明は、N−ビニルア
セトアミドモノマーを60モル%以上含むノニオン性水
溶性モノマーと該水溶性モノマーに対し0.1〜10モ
ル%の多価ビニル化合物を共重合させて得られるポリマ
ーの乾燥物から本質的に成る事を特徴とする請求項1な
いし請求項2に記載の生体液濃縮用吸水性樹脂である
セトアミドモノマーを60モル%以上含むノニオン性水
溶性モノマーと該水溶性モノマーに対し0.1〜10モ
ル%の多価ビニル化合物を共重合させて得られるポリマ
ーの乾燥物から本質的に成る事を特徴とする請求項1な
いし請求項2に記載の生体液濃縮用吸水性樹脂である
【0009】本発明の請求項5の発明は、N−ビニルホ
ルムアミドモノマーおよび多価ビニル化合物からなる共
重合物である事を特徴とする請求項1ないし請求項3に
記載の生体液濃縮用吸水性樹脂である。
ルムアミドモノマーおよび多価ビニル化合物からなる共
重合物である事を特徴とする請求項1ないし請求項3に
記載の生体液濃縮用吸水性樹脂である。
【0010】本発明の請求項6の発明は、N−ビニルア
セトアミドモノマーおよび多価ビニル化合物からなる共
重合物である事を特徴とする請求項1ないし請求項3に
記載の生体液濃縮用吸水性樹脂である。
セトアミドモノマーおよび多価ビニル化合物からなる共
重合物である事を特徴とする請求項1ないし請求項3に
記載の生体液濃縮用吸水性樹脂である。
【0011】本発明の請求項7の発明は、多価ビニル化
合物がN,N−メチレンビスアクリルアミドである事を
特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の生体液濃縮
用吸水性樹脂である。
合物がN,N−メチレンビスアクリルアミドである事を
特徴とする請求項1ないし請求項4に記載の生体液濃縮
用吸水性樹脂である。
【0012】本発明の請求項8の発明は、N−ビニルカ
ルボン酸アミドモノマーを60モル%以上含むノニオン
性水溶性モノマーと該水溶性モノマーに対し0.1〜1
0モル%の多価ビニル化合物からなる水溶液を水不溶性
の液体中に分散させ、水溶性アゾ系重合開始剤により重
合させる操作およびポリマー粒子を乾燥させる操作を経
る事を持徽とする生体液濃縮用吸水性樹脂の製造方法で
ある。
ルボン酸アミドモノマーを60モル%以上含むノニオン
性水溶性モノマーと該水溶性モノマーに対し0.1〜1
0モル%の多価ビニル化合物からなる水溶液を水不溶性
の液体中に分散させ、水溶性アゾ系重合開始剤により重
合させる操作およびポリマー粒子を乾燥させる操作を経
る事を持徽とする生体液濃縮用吸水性樹脂の製造方法で
ある。
【0013】本発明の請求項9の発明は、請求項1ない
し請求項7に記載の生体液濃縮用吸水性樹脂を被検用生
体液中に浸漬後、吸水ゲルを濾別する事を特徴とする分
子量10000以上の水溶性高分子物質の濃縮法。
し請求項7に記載の生体液濃縮用吸水性樹脂を被検用生
体液中に浸漬後、吸水ゲルを濾別する事を特徴とする分
子量10000以上の水溶性高分子物質の濃縮法。
【0014】
【発明の実施態様】N−ビニルカルボン酸アミドはアク
リルアミドに較べ水素結合能力が低い。たとえばアクリ
ルアミドは常温で固体であるが、その構造異性体である
N−ビニルホルムアミドは常温で液体であることからそ
の性質が暗示されている。この為にアクリルアミドを原
料にした生体液濃縮用吸水性樹脂よりも生体由来の水溶
性高分子化合物の回収率に優れ分析前処理用としてのメ
リットは大きい。またN−ビニルアセトアミドは安全性
に優れ、比較的多量の液を処理する場合,たとえば医薬
品製造の中間工程に使用することも可能となる。
リルアミドに較べ水素結合能力が低い。たとえばアクリ
ルアミドは常温で固体であるが、その構造異性体である
N−ビニルホルムアミドは常温で液体であることからそ
の性質が暗示されている。この為にアクリルアミドを原
料にした生体液濃縮用吸水性樹脂よりも生体由来の水溶
性高分子化合物の回収率に優れ分析前処理用としてのメ
リットは大きい。またN−ビニルアセトアミドは安全性
に優れ、比較的多量の液を処理する場合,たとえば医薬
品製造の中間工程に使用することも可能となる。
【0015】この発明に使用されるノニオン性架橋体は
生理食塩水中において乾自重の4〜20倍の吸水倍率を
有する必要が有り、特に望ましい吸水倍率は5〜10倍
の範囲である。吸水倍率が20倍以上の場合は水溶性高
分子と底分子量物質の分雌特性が悪化し、高分子量物質
を水と共にゲル内に吸収する事から、濃縮の目的に適し
ない領域である。また、該架橋体樹脂の吸水倍率が低い
事は、樹脂単位重量あたりの吸水量が低下することを意
味し、当然濃暗効率は低下する。また、該架橋体樹脂の
表面は平滑である必要が有り、樹脂表面に付着した液は
容易に回りの自由水液全体と速やかな液交換が行われ、
再分配される事が望ましく、表面の凹凸は避けるべきで
ある。しかし、液の再分配に問題が無い大きな凹凸は特
に問題に成らない。
生理食塩水中において乾自重の4〜20倍の吸水倍率を
有する必要が有り、特に望ましい吸水倍率は5〜10倍
の範囲である。吸水倍率が20倍以上の場合は水溶性高
分子と底分子量物質の分雌特性が悪化し、高分子量物質
を水と共にゲル内に吸収する事から、濃縮の目的に適し
ない領域である。また、該架橋体樹脂の吸水倍率が低い
事は、樹脂単位重量あたりの吸水量が低下することを意
味し、当然濃暗効率は低下する。また、該架橋体樹脂の
表面は平滑である必要が有り、樹脂表面に付着した液は
容易に回りの自由水液全体と速やかな液交換が行われ、
再分配される事が望ましく、表面の凹凸は避けるべきで
ある。しかし、液の再分配に問題が無い大きな凹凸は特
に問題に成らない。
【0016】本発明で使用するN−ビニルカルボン酸ア
ミドはN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミ
ド、N−ビニル酪酸アミド、N−ビニル安息香酸アミド
などがあげられるが、一般的にはN−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミドであり、毒性の少ないN−
ビニルアセトアミドは最も好ましく用いられる。
ミドはN−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミ
ド、N−ビニル酪酸アミド、N−ビニル安息香酸アミド
などがあげられるが、一般的にはN−ビニルホルムアミ
ド、N−ビニルアセトアミドであり、毒性の少ないN−
ビニルアセトアミドは最も好ましく用いられる。
【0017】吸水倍率をコントロールするのは多価ビニ
ル化合物の共重合比率により調節される。多価ビニル化
合物としてはN,N−メチレンビスアクリルアミドが一
般的であり価格も安いが、公知のポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート,アリルアクリルアミド,N,
N−エチレンビスアクリルアミド,トリアクリルホルマ
ール等を例示する事ができる。
ル化合物の共重合比率により調節される。多価ビニル化
合物としてはN,N−メチレンビスアクリルアミドが一
般的であり価格も安いが、公知のポリエチレングリコー
ル(メタ)アクリレート,アリルアクリルアミド,N,
N−エチレンビスアクリルアミド,トリアクリルホルマ
ール等を例示する事ができる。
【0018】N−ビニルカルボン酸アミドモノマーは加
水分解によりアルデヒドを発生し架橋が進むので重合率
を高める事も架橋密度のコントロールに欠かせない。表
面のみの架機密度を上げゲル内への高分子の拡散を防止
する技術も吸水樹脂の技術として公知である。
水分解によりアルデヒドを発生し架橋が進むので重合率
を高める事も架橋密度のコントロールに欠かせない。表
面のみの架機密度を上げゲル内への高分子の拡散を防止
する技術も吸水樹脂の技術として公知である。
【0019】N−ビニルカルボン酸アミドと共重合でき
るノニオン性モノビニルモノマーとしてはジアセトンア
クリルアミド,ジメチルアクリルアミド,N−イソプロ
ピルアクリルアミド等を例示する事が出来、イオン性モ
ノマーも吸水倍率に悪影響を及ぼさない範囲であれば使
用出来る。
るノニオン性モノビニルモノマーとしてはジアセトンア
クリルアミド,ジメチルアクリルアミド,N−イソプロ
ピルアクリルアミド等を例示する事が出来、イオン性モ
ノマーも吸水倍率に悪影響を及ぼさない範囲であれば使
用出来る。
【0020】N−ビニルカルボン酸アミド等と多価ビニ
ル化合物を共重合させるには、ラジカル重合開始剤を用
いる。使用する開始剤としては、アゾ系,過酸化物系、
レドックス系いずれでも重合することが可能だが,アゾ
系開始剤が好ましく、特に水溶性アゾ系開始剤が賞揚さ
れる。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2‘−ア
ゾビスイソブチロニトリル、1、1‘−アゾビス(シク
ロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、2、2‘−アゾビス(2−
メチルプロピオネート)などがあげられ、水混溶性溶剤
に溶解し添加する。水溶性アゾ系開始剤の例としては、
2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化
物、2、2‘−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、
4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられ
る。またレドックス系の例としては、ペルオキシ二硫酸
アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン
などとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例
としては、ペルオキシ二硫酸アンモニウム、過酸化水
素,ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサ
イド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペル
オキサイド、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノ
エートなどをあげることができる。
ル化合物を共重合させるには、ラジカル重合開始剤を用
いる。使用する開始剤としては、アゾ系,過酸化物系、
レドックス系いずれでも重合することが可能だが,アゾ
系開始剤が好ましく、特に水溶性アゾ系開始剤が賞揚さ
れる。油溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2‘−ア
ゾビスイソブチロニトリル、1、1‘−アゾビス(シク
ロヘキサンカルボニトリル)、2、2’−アゾビス(2
−メチルブチロニトリル)、2、2‘−アゾビス(2−
メチルプロピオネート)などがあげられ、水混溶性溶剤
に溶解し添加する。水溶性アゾ系開始剤の例としては、
2、2’−アゾビス(アミジノプロパン)二塩化水素化
物、2、2‘−アゾビス〔2−(5−メチル−2−イミ
ダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、
4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などがあげられ
る。またレドックス系の例としては、ペルオキシ二硫酸
アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウ
ム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミン
などとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例
としては、ペルオキシ二硫酸アンモニウム、過酸化水
素,ベンゾイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサ
イド、オクタノイルペルオキサイド、サクシニックペル
オキサイド、t−ブチルペルオキシ2−エチルヘキサノ
エートなどをあげることができる。
【0021】重合は15〜50%程度の範囲のモノマー
水溶液を水不溶性有機液体に分散し、重合温度として3
0〜80℃で行うのが一般的である。水溶液と有機液体
との混合比率としては1:10〜2:1で行うのが一般
的である。これら重合条件は使用するモノマー、多価ビ
ニル化合物、有機液体、モノマー濃度,重合開始剤など
によって適宜決定する。
水溶液を水不溶性有機液体に分散し、重合温度として3
0〜80℃で行うのが一般的である。水溶液と有機液体
との混合比率としては1:10〜2:1で行うのが一般
的である。これら重合条件は使用するモノマー、多価ビ
ニル化合物、有機液体、モノマー濃度,重合開始剤など
によって適宜決定する。
【0022】モノマー水溶液を分散させる有機液体とし
ては、実質的に水不溶性であれば原理的には全て時用可
能であるが、通常はシクロヘキサン、イソパラフィン、
灯油、中油、軽油等の液状炭化水素が用いられる。 こ
れら有機液体にモノマー水溶液を分散させる分散剤とし
ては、低HLBの界面活性剤あるいはエチルセルロース
等の高分子が使用される。 重合が終了した高分子は水
を含んだゲル状であり、必要が有れば含有低分子量成分
を水洗等により除去した後に乾燥して用いる。この様に
して得られた乾燥樹脂は球状粒子であり、表面は滑らか
である。
ては、実質的に水不溶性であれば原理的には全て時用可
能であるが、通常はシクロヘキサン、イソパラフィン、
灯油、中油、軽油等の液状炭化水素が用いられる。 こ
れら有機液体にモノマー水溶液を分散させる分散剤とし
ては、低HLBの界面活性剤あるいはエチルセルロース
等の高分子が使用される。 重合が終了した高分子は水
を含んだゲル状であり、必要が有れば含有低分子量成分
を水洗等により除去した後に乾燥して用いる。この様に
して得られた乾燥樹脂は球状粒子であり、表面は滑らか
である。
【0023】この生体液濃縮用吸水性樹脂を用いた生体
液の濃縮操作は、被検波に該吸水性樹脂を投入し、一定
時間浸漬後に残液を濾別する事により行われる。濾別は
吸引濾過または遠心濾過によって行われる。ポリアクリ
ルアミドに較べ、本発明品の樹脂は液切れが良く使いや
すい。
液の濃縮操作は、被検波に該吸水性樹脂を投入し、一定
時間浸漬後に残液を濾別する事により行われる。濾別は
吸引濾過または遠心濾過によって行われる。ポリアクリ
ルアミドに較べ、本発明品の樹脂は液切れが良く使いや
すい。
【0024】
【実施例】次に実施例によって、本発明を具体的に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に制約されるものではない。
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に制約されるものではない。
【0025】(合成例−1)撹拌機、温度計、還流冷却
器、窒素導入管を備えた500ミリリットルの五つ口の
セパラブルフラスコに、シクロヘキサン200ミリリッ
トルを仕込み、エチルセルロース(ハーキュリーズ社製
T−100)を1g加えて60゜Cに加温して溶解さ
せ、窒素ガスを通して酸素を除去した。 N−ビニルホ
ルムアミドモノマーの25%水溶液100gに、N,N
−メチレンビスアクリルアミドの10%水溶液を1ミリ
リットルと2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩化水素化物の10%水溶液を1.6ミリリット
ル加えたものを滴下ロートに仕込み、窒素ガスを通して
酸素を除去した。これを攪拌下のシクロヘキサン中に徐
徐に滴下し、重合を行った。重合終了後に球状ポリマー
を濾別し脱イオン水で24時間水洗した後に通風乾燥
し、直径0,1〜1mmの粒子を篩い分け、含水率10
%に調整したものを試料−1と呼ぶ。 試料−1は乾自
重の10.7倍の生理食塩水を吸収した。
器、窒素導入管を備えた500ミリリットルの五つ口の
セパラブルフラスコに、シクロヘキサン200ミリリッ
トルを仕込み、エチルセルロース(ハーキュリーズ社製
T−100)を1g加えて60゜Cに加温して溶解さ
せ、窒素ガスを通して酸素を除去した。 N−ビニルホ
ルムアミドモノマーの25%水溶液100gに、N,N
−メチレンビスアクリルアミドの10%水溶液を1ミリ
リットルと2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩化水素化物の10%水溶液を1.6ミリリット
ル加えたものを滴下ロートに仕込み、窒素ガスを通して
酸素を除去した。これを攪拌下のシクロヘキサン中に徐
徐に滴下し、重合を行った。重合終了後に球状ポリマー
を濾別し脱イオン水で24時間水洗した後に通風乾燥
し、直径0,1〜1mmの粒子を篩い分け、含水率10
%に調整したものを試料−1と呼ぶ。 試料−1は乾自
重の10.7倍の生理食塩水を吸収した。
【0026】(合成例−2)攪拌機、温度計、還流冷却
器、窒素導入管を備えた500ミリリットルの五つ口の
セパラブルフラスコに、シクロヘキサン200ミリリッ
トルを仕込み、エチルセルロース(ハーキュリーズ社製
T−100)を1g加えて60゜Cに加温して溶解さ
せ、窒素ガスを通して酸素を除去した。 N−ビニルア
セトアミドモノマーの30%水溶液100gに、N,N
−メチレンビスアクリルアミドの10%水溶液を1ミリ
リットルと2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩化水素化物の10%水溶液を1.6ミリリット
ル加えたものを滴下ロートに仕込み、窒素ガスを通して
酸素を除去した。これを攪拌下のシクロヘキサン中に徐
徐に滴下し、重合を行った。重合終了後に球状ポリマー
を濾別し脱イオン水で24時間水洗した後に通風乾燥
し、直径0,1〜1mmの粒子を篩い分け、含水率10
%に調整したものを試料−1と呼ぶ。 試料−1は乾自
重の8.2倍の生理食塩水を吸収した。
器、窒素導入管を備えた500ミリリットルの五つ口の
セパラブルフラスコに、シクロヘキサン200ミリリッ
トルを仕込み、エチルセルロース(ハーキュリーズ社製
T−100)を1g加えて60゜Cに加温して溶解さ
せ、窒素ガスを通して酸素を除去した。 N−ビニルア
セトアミドモノマーの30%水溶液100gに、N,N
−メチレンビスアクリルアミドの10%水溶液を1ミリ
リットルと2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)二塩化水素化物の10%水溶液を1.6ミリリット
ル加えたものを滴下ロートに仕込み、窒素ガスを通して
酸素を除去した。これを攪拌下のシクロヘキサン中に徐
徐に滴下し、重合を行った。重合終了後に球状ポリマー
を濾別し脱イオン水で24時間水洗した後に通風乾燥
し、直径0,1〜1mmの粒子を篩い分け、含水率10
%に調整したものを試料−1と呼ぶ。 試料−1は乾自
重の8.2倍の生理食塩水を吸収した。
【0027】(比較合成例−1)攪拌機、温度計、還流
冷却器、窒素導入管を備えた500ミリリットルの五つ
口のセパラブルフラスコに、シクロヘキサン200ミリ
リットルを仕込み、エチルセルロース(ハーキュリーズ
社製T−100)を1g加えて60°Cに加温して溶解
させ、窒素ガスを通して酸素を除去した。 アクリルア
ミドモノマーの20%水溶液100gに、N,N−メチ
レンビスアクリルアミドの10%水溶液を1ミリリット
ルと2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩
化水素化物の10%水溶液を1.6ミリリットル加えた
ものを滴下ロートに仕込み、窒素ガスを通して酸素を除
去した。これを攪拌下のシクロヘキサン中にじょじょに
滴下し、重合を行った。重合終了後に球状ポリマーを濾
別し脱イオン水で24時間水洗した後に通風乾燥し、直
径0.1〜1mmの粒子を篩い分け、含水率10%に調
整したものを比較試料−1と呼ぶ。 比較試料−1は乾
自重の9.5倍の生哩食塩水を吸収した。
冷却器、窒素導入管を備えた500ミリリットルの五つ
口のセパラブルフラスコに、シクロヘキサン200ミリ
リットルを仕込み、エチルセルロース(ハーキュリーズ
社製T−100)を1g加えて60°Cに加温して溶解
させ、窒素ガスを通して酸素を除去した。 アクリルア
ミドモノマーの20%水溶液100gに、N,N−メチ
レンビスアクリルアミドの10%水溶液を1ミリリット
ルと2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩
化水素化物の10%水溶液を1.6ミリリットル加えた
ものを滴下ロートに仕込み、窒素ガスを通して酸素を除
去した。これを攪拌下のシクロヘキサン中にじょじょに
滴下し、重合を行った。重合終了後に球状ポリマーを濾
別し脱イオン水で24時間水洗した後に通風乾燥し、直
径0.1〜1mmの粒子を篩い分け、含水率10%に調
整したものを比較試料−1と呼ぶ。 比較試料−1は乾
自重の9.5倍の生哩食塩水を吸収した。
【0028】
【実施例−1】内容量400μlの遠心チューブ内に試
料−1または比較試料−1を採取し、20mMリン酸緩
衝液にBSA(牛血清アルブミン)を1ppmに溶解し
た液300μlを注入後、30分間静置して吸水させた
後、2000Gにて5分間遠心濾過を行って母液を分離
した。母液中のBSA濃度を液体クロマトグラフィーに
より定量し、濃縮倍率による理論濃縮率との比較により
BSAの回収率を算出した。液体クロマトグラフィーの
条件は下記の通りである。 カラム:クリアパックGFS−3.8×300mm 移動相:20mMりン酸緩衝液(PH7.0,0.2
M,NaCl) 検出器:UV 215nm,2.0AUSF 注入量: 100μl 各評価試験の結果を表−1に示す。
料−1または比較試料−1を採取し、20mMリン酸緩
衝液にBSA(牛血清アルブミン)を1ppmに溶解し
た液300μlを注入後、30分間静置して吸水させた
後、2000Gにて5分間遠心濾過を行って母液を分離
した。母液中のBSA濃度を液体クロマトグラフィーに
より定量し、濃縮倍率による理論濃縮率との比較により
BSAの回収率を算出した。液体クロマトグラフィーの
条件は下記の通りである。 カラム:クリアパックGFS−3.8×300mm 移動相:20mMりン酸緩衝液(PH7.0,0.2
M,NaCl) 検出器:UV 215nm,2.0AUSF 注入量: 100μl 各評価試験の結果を表−1に示す。
【0029】
【表1】
【0030】
【実施例−2】内容量400μlの遠心チューブ内に試
料−1または比較試料−1を採取し、λ−DNA12μ
g/mlを含むDNA水溶液350μlを注入後、30
分間静置して吸水させた後、2000Gにて5分間遠心
濾過を行って母液を分離した。母液中のDNA濃度を2
60nmの吸光度にて測定し、濃縮倍率による理論濃縮
率との比較によりDNAの回収率を算出した。各評価試
験の結果を表−2に示す。
料−1または比較試料−1を採取し、λ−DNA12μ
g/mlを含むDNA水溶液350μlを注入後、30
分間静置して吸水させた後、2000Gにて5分間遠心
濾過を行って母液を分離した。母液中のDNA濃度を2
60nmの吸光度にて測定し、濃縮倍率による理論濃縮
率との比較によりDNAの回収率を算出した。各評価試
験の結果を表−2に示す。
【0031】
【表−2】
【0032】
【発明の効果】試料−1、試料−2は比較試料−1より
も回収率に優れる。
も回収率に優れる。
Claims (9)
- 【請求項1】 生理食塩水中における平衡吸水倍率が4
〜20であり、N−ビニルカルボン酸アミドモノマー単
位を60〜100モル%含有する高分子架橋体の、含水
率が20重量%以下であり、且つ比表面債が50cm2
/g以上である事を特徴とする生体液濃縮用吸水性樹
脂。 - 【請求項2】 N−ビニルカルボン酸アミドモノマーを
60モル%以上含むノニオン性水溶性モノマーと該水溶
性モノマーに対し0.1〜10モル%の多価ビニル化合
物を共重合させて得られるポリマーの乾燥物から本質的
に成る事を特徴とする請求項1に記載の生体液濃縮用吸
水性樹脂。 - 【請求項3】 N−ビニルホルムアミドモノマーを60
モル%以上含むノニオン性水溶性モノマーと該水溶性モ
ノマーに対し0.1〜10モル%の多価ビニル化合物を
共重合させて得られるポリマーの乾燥物から本質的に成
る事を特徴とする請求項1ないし請求項2に記載の生体
液濃縮用吸水性樹脂。 - 【請求項4】 N−ビニルアセトアミドモノマーを60
モル%以上含むノニオン性水溶性モノマーと該水溶性モ
ノマーに対し0.1〜10モル%の多価ビニル化合物を
共重合させて得られるポリマーの乾燥物から本質的に成
る事を特徴とする請求項1ないし請求項2に記載の生体
液濃縮用吸水性樹脂。 - 【請求項5】 N−ビニルホルムアミドモノマーおよび
多価ビニル化合物からなる共重合物である事を特徴とす
る請求項1ないし請求項3に記載の生体液濃縮用吸水性
樹脂。 - 【請求項6】 N−ビニルアセトアミドモノマーおよび
多価ビニル化合物からなる共重合物である事を特徴とす
る請求項1ないし請求項3に記載の生体液濃縮用吸水性
樹脂。 - 【請求項7】 多価ビニル化合物がN,N−メチレンビ
スアクリルアミドである事を特徴とする請求項1、請求
項3ないし請求項4に記載の生体液濃縮用吸水性樹脂。 - 【請求項8】 N−ビニルカルボン酸アミドモノマーを
60モル%以上含むノニオン性水溶性モノマーと該水溶
性モノマーに対し0.1〜10モル%の多価ビニル化合
物からなる水溶液を水不溶性の液体中に分散させ、アゾ
系重合開始剤により重合させる操作およびポリマー粒子
を乾燥させる操作を経る事を特徴とする生体液濃縮用吸
水性樹脂の製造方法。 - 【請求項9】請求項1ないし請求項5に記載の生体液濃
縮用吸水性樹脂を被険用生体液中に浸潰後、吸水ゲルを
濾別する事を特徴とする分子量10000以上の水溶性
高分子物質の濃縮法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11200759A JP2000072822A (ja) | 1998-06-16 | 1999-06-11 | 生体液濃縮用吸水性樹脂、その製造法およびその使用法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18325598 | 1998-06-16 | ||
JP10-183255 | 1998-06-16 | ||
JP11200759A JP2000072822A (ja) | 1998-06-16 | 1999-06-11 | 生体液濃縮用吸水性樹脂、その製造法およびその使用法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000072822A true JP2000072822A (ja) | 2000-03-07 |
Family
ID=26501772
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11200759A Pending JP2000072822A (ja) | 1998-06-16 | 1999-06-11 | 生体液濃縮用吸水性樹脂、その製造法およびその使用法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000072822A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2021153127A1 (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-05 | ||
WO2022054516A1 (ja) * | 2020-09-11 | 2022-03-17 | 富士フイルム株式会社 | 濃縮デバイス、検体液の濃縮方法、検体液の検査方法、及び、検査キット |
-
1999
- 1999-06-11 JP JP11200759A patent/JP2000072822A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2021153127A1 (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-05 | ||
WO2021153127A1 (ja) * | 2020-01-31 | 2021-08-05 | 富士フイルム株式会社 | 免疫検査方法 |
WO2022054516A1 (ja) * | 2020-09-11 | 2022-03-17 | 富士フイルム株式会社 | 濃縮デバイス、検体液の濃縮方法、検体液の検査方法、及び、検査キット |
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