JP2000072780A - ジアルキルアルミニウムハイドライドの製造方法 - Google Patents

ジアルキルアルミニウムハイドライドの製造方法

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JP2000072780A
JP2000072780A JP10247142A JP24714298A JP2000072780A JP 2000072780 A JP2000072780 A JP 2000072780A JP 10247142 A JP10247142 A JP 10247142A JP 24714298 A JP24714298 A JP 24714298A JP 2000072780 A JP2000072780 A JP 2000072780A
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hydride
lithium aluminum
trialkylaluminum
aluminum hydride
reaction vessel
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Kazuhisa Kajiwara
和久 梶原
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 特別な前処理または特殊な反応容器を用いる
ことなく副産物を排出できるジアルキルアルミニウムハ
イドライドの製造方法を提供する。 【解決手段】 リチウムアルミニウムハイドライドに対
してトリアルキルアルミニウム2.5モル倍以上を反応
させることを特徴とするジアルキルアルミニウムハイド
ライドの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジアルキルアルミ
ニウムハイドライドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ジアルキルアルミニウムハイドライド
は、化学的気相成長法(MOCVD、MOMBE等)に
おけるアルミニウム原料であり、特に半導体基板のAl
配線材料等として使用される。
【0003】ジアルキルアルミニウムハイドライドの製
造方法として、リチウムアルミニウムハイドライドとト
リアルキルアルミニウムとを反応させる方法は公知であ
る。例えば、ジャーナル・オブ・ジ・ケミカル・ソサ
エティ(J.Am.Chem.Soc.)1953年、第835頁〜第
839頁には、リチウムアルミニウムハイドライド(L
iAlH4)に対してトリメチルアルミニウム1モル倍
を反応させる方法、イズベスティヤ・アカデミー・ナ
ウク・エスエスエスアール・セリヤ・キミシェスカヤ
(Izv.A.N.SSSR,Ser.Khim.)1965年、第644〜第
649頁には、リチウムアルミニウムハイドライド(L
iAlH4)に対してトリアルキルアルミニウム2モル
倍を反応させる方法が記載されている。
【0004】しかしながら、、の方法では、副産物
がタール状物で粘度が高く流動化し難いためか、そのま
まの状態では反応容器から副産物を排出することが困難
であった。更に副産物は空気中では自然発火性を有する
ために空気中で取り扱うことはできず、ジブチルエーテ
ル等の極性非反応性溶媒を加えて副産物を分散させた後
にカルボニル化合物等の非プロトンドナーを反応させて
不活性化した後、反応容器から排出する(例えば、米国
特許第4,898,500号公報)、或いは外部からの
操作で安全に副産物を排出するための機構を備えた特殊
な反応容器を使用する必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる事情下に鑑み、
本発明者等は、特別な前処理または特殊な反応容器を用
いることなく副産物を排出できるジアルキルアルミニウ
ムハイドライドの製造方法を見出すことを目的として鋭
意検討した結果、リチウムアルミニウムハイドライドに
対して特定量のトリアルキルアルミニウムを反応させる
場合には、副生物は常温(25℃)常圧下で粉末であ
り、反応容器から容易に排出できることを見出し、本発
明を完成するに至った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、リチウ
ムアルミニウムハイドライドに対してトリアルキルアル
ミニウム2.5モル倍以上を反応させることを特徴とす
るジアルキルアルミニウムハイドライドの製造方法を提
供するにある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に用いるリチウムアルミニウムハイドライド(以
下、LiAlH4と称する場合がある。)は従来公知の
ものが適用できる。通常、市販のリチウムアルミニウム
ハイドライドは常温常圧下で粉体であり、融点が約12
5℃であり、自己分解性を有するものである。
【0008】本発明に用いるトリアルキルアルミニウム
は、常温において液体のものであればよく特に制限はな
い。例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアル
ミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリイソブチル
アルミニウム等が挙げられる。特に化学的気相成長法に
用いるのに好適な蒸気圧の高いジメチルアルミニウムハ
イドライド(以下、DMAHと称する場合がある。)が
得られることからトリメチルアルミニウムの適用が推奨
される。
【0009】本発明に用いるトリアルキルアルミニウム
の量はリチウムアルミニウムハイドライドに対して2.
5モル倍以上、好ましくは3〜5モル倍、さらに好まし
くは3.5〜4モル倍である。トリアルキルアルミニウ
ムの量がリチウムアルミニウムハイドライドに対して
2.5モル倍未満では、副生物がタール状物で粘度が高
くなり、ジアルキルアルミニウムハイドライドと副生物
の分離が困難になる。理由は詳らかではないがトリアル
キルアルミニウムの量が多くなると、得られるジアルキ
ルアルミニウムハイドライドにトリアルキルアルミニウ
ムが混入する場合がある。
【0010】トリアルキルアルミニウムを反応させるに
際しては、リチウムアルミニウムハイドライドに対して
トリアルキルアルミニウムが2.5モル倍以上になる方
法であればよく、リチウムアルミニウムハイドライドに
対してトリアルキルアルミニウム2.5モル倍以上を添
加混合して反応させてもよいし、トリアルキルアルミニ
ウムを2段以上に分けて添加混合して反応させてもよ
い。2段以上に分けて添加混合して反応させる方法とし
ては、例えば、リチウムアルミニウムハイドライドに対
してトリアルキルアルミニウム1モル倍を添加混合して
反応させ、次いでトリアルキルアルミニウム1.5モル
倍以上を添加混合して反応させる方法、或いは、リチウ
ムアルミニウムハイドライドに対してトリアルキルアル
ミニウム2モル倍を添加混合して反応させ、次いでトリ
アルキルアルミニウム0.5モル倍以上を添加混合して
反応させる方法等がある。
【0011】勿論、リチウムアルミニウムハイドライド
に対してトリアルキルアルミニウムを反応させるに際し
ては、トリアルキルアルミニウムに対してリチウムアル
ミニウムハイドライドを添加混合してもよく、さらに2
段以上に分けてリチウムアルミニウムハイドライドを添
加混合して反応させてもよい。
【0012】本発明において、反応温度は、通常、約2
0℃〜約125℃、好ましくは約40℃〜120℃であ
る。また、反応時間は反応温度により異なり一義的では
ないが、通常、約1時間〜約24時間である。
【0013】本発明のジアルキルアルミニウムハイドラ
イドの製造に際して、リチウムアルミニウムハイドライ
ドとトリアルキルアルミニウムとの反応は、通常、バッ
チ式反応容器を使用し、窒素、アルゴン、ヘリウム等不
活性ガス雰囲気で行う。例えば、窒素を充填した密閉可
能な容器にリチウムアルミニウムハイドライドを入れ、
攪拌しながらトリアルキルアルミニウムを混合して反応
させた後、得られたジアルキルアルミニウムハイドライ
ドと副生物との混合物を蒸留等を行い、副産物を分離し
てジアルキルアルミニウムハイドライドを得る方法があ
る。また、得られたジアルキルアルミニウムハイドライ
ドと副生物との混合物を蒸留し、副産物を分離する場
合、混合物をそのまま蒸留してもよいし、濾過やデカン
テーションをした後に蒸留してもよい。
【0014】また本発明のジアルキルアルミニウムハイ
ドライドの製造に際しては、必要に応じてリチウムアル
ミニウムハイドライド、トリアルキルアルミニウム、ジ
アルキルアルミニウムハイドライド及び副産物と実質的
に反応しない有機溶媒存在下でリチウムアルミニウムハ
イドライドとトリアルキルアルミニウムを反応させても
よい。該有機溶媒としては、例えばヘキサン、ヘプタ
ン、オクタン、デカン、ドデカン等の直鎖および側鎖の
ある脂肪族飽和炭化水素や、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素等がある。
尚、該有機溶媒は、リチウムアルミニウムハイドライド
とトリアルキルアルミニウムとを反応させた液から蒸留
等で留出させて除けばよい。
【0015】また、リチウムアルミニウムハイドライド
に対して所定量のトリメチルアルミニウムを反応させて
ジメチルアルミニウムハイドライドを製造する場合に
は、ジメチルアルミニウムハイドライドの粘度を下げる
目的で従来公知の方法を併用することも勿論可能であ
る。ジメチルアルミニウムハイドライドの粘度を下げる
方法としては、ヘプタン等の脂肪族飽和炭化水素を添加
する方法、トルエン等の芳香族炭化水素を添加する方
法、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、メチルブチ
ルエーテル、アニソール、ジフェニルエーテル、ベンジ
ルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、エ
チレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン、トリエチルアミン、トリオクチルアミ
ン、ジメチルプロピルアミン、ジメチルドデシルアミ
ン、ジメチルアミノトリメチルシラン、ジメチルアリル
アミン、ジイソプロピルエチルアミン、ジメチルアニリ
ン、ベンジルエチルアニリン、テトラメチルエチレンジ
アミン、テトラメチルジアミノプロパン、テトラメチル
ヘキサメチレンジアミン、ピリジン、ジメチルアミノピ
リジン、コリジン、ピラジン、ジメチルピラジン、ピラ
ゾール、キノリン、イソキノリン、トリアジン、トリア
ゾール、キナルジン、イミダゾール、ベンジルメチルイ
ミダゾール、硫化ジメチル、硫化ジエチル、硫化ジフェ
ニル、チオフェン、トリエチルホスフィン、トリフェニ
ルホスフィン、トリエチルアルシン、トリメチルアミ
ン、ジメチルブチルアミン、ジメチルヘキシルアミン、
ジエチルメチルアミン、トリプロピルアミン、ジブチル
メチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミ
ン、N,N−ジメチルシクロヘキサンメチルアミン、
N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、1−メチルピ
ロリジン、1−ブチルピロリジン、1−メチルピペリジ
ン、1−エチルピペリジン、1,4−ジメチルピペラジ
ン、1−メチルピロール、1,2,5−トリメチルピロ
ール、1,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1,3,
5−トリアジン、N,N,N’,N’−テトラメチルジ
アミノメタン、ジメチルエチルアミン等がある。また、
これらは、得られたジアルキルアルミニウムハイドライ
ドに添加してもよいし、原料と反応することがなく、ジ
アルキルアルミニウムハイドライドの生成反応に不活性
なものであれば、予め原料であるリチウムアルミニウム
ハイドライドまたはトリアルキルアルミニウムに添加し
ておいてもよい。
【0016】本発明の製造方法により得られるジアルキ
ルアルミニウムハイドライドの粘度はトリアルキルアル
ミニウムの種類等により異なり一義的ではない。ジメチ
ルアルミニウムハイドライドの場合、その粘度は通常、
常温(25℃)常圧下で数万mPa・s以下、好ましく
は約5000mPa・s以下、より好ましくは約200
0mPa・s以下である。
【0017】尚、本発明の製造方法により生じる副産物
は、通常、常温常圧下で粉末である。副産物の排出に際
しては、例えば、溶媒等を用いて副産物をスラリー化し
て排出する方法等がある。ここで用いる溶媒は副産物に
不活性なものであればよく、特に限定されるものではな
いが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタ
ン、デカン、ドデカン、石油エーテル等の脂肪族炭化水
素類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香属炭化水
素類、ジクロロエタン、クロロホルム等のハロゲン化炭
化水素類等がある。
【0018】
【発明の効果】以上詳述した様に、リチウムアルミニウ
ムハイドライドに対して特定量のトリアルキルアルミニ
ウムを反応させることにより、副生物を反応容器から容
易に排出できるだけでなく、高価なリチウムアルミニウ
ムハイドライド単位当たりのジアルキルアルミニウムハ
イドライドの収量を向上させることも可能であることか
ら、ジアルキルアルミニウムハイドライドの製造方法と
してその産業上の利用価値は大である。
【0019】
【実施例】実施例1 リチウムアルミニウムハイドライド(LiAlH4)1
モルとトリメチルアルミニウム(TMA)4モルを、ア
ルゴン雰囲気中、ヘキサン存在下で温度60℃、1時間
反応させた。次いでヘキサンを蒸留で留去させた後、さ
らに蒸留してジメチルアルミニウムハイドライド(DM
AH)2.42モルを得た。反応容器に残った副産物は
粉末であった。反応容器内をヘキサンにより洗浄した結
果、反応容器内の副産物を取り除くことができた。
【0020】実施例2 LiAlH41モルとTMA5モルを、アルゴン雰囲気
中、ヘキサン存在下で温度60℃、1時間反応させた。
次いでヘキサンを蒸留で留去した後、さらに蒸留してD
MAH2.64モルを得た。反応容器に残った副産物は
粉末であった。反応容器内をヘキサンにより洗浄した結
果、反応容器内の副産物を取り除くことができた。
【0021】比較例1 LiAlH41モルとTMA1モルを、アルゴン雰囲気
中、ヘキサン存在下で温度60℃、1時間反応させた。
次いでヘキサンを蒸留で留去した後、さらに蒸留してD
MAH0.82モルを得た。反応容器に残った副産物は
タール状物であった。反応容器内をヘキサンにより洗浄
した結果、反応容器内の副産物を取り除くことができな
かった。
【0022】比較例2 LiAlH41モルとTMA2モルを、アルゴン雰囲気
中、ヘキサン存在下で温度60℃、1時間反応させた。
次いでヘキサンを蒸留で留去した後、さらに蒸留してD
MAH1.24モルを得た。反応容器に残った副産物は
タール状物であった。反応容器内をヘキサンにより洗浄
した結果、反応容器内の副産物を取り除くことができな
かった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムアルミニウムハイドライドに対
    してトリアルキルアルミニウム2.5モル倍以上を反応
    させることを特徴とするジアルキルアルミニウムハイド
    ライドの製造方法。
  2. 【請求項2】 リチウムアルミニウムハイドライドに対
    してトリアルキルアルミニウム3.5〜5モル倍を反応
    させることを特徴とするジアルキルアルミニウムハイド
    ライドの製造方法。
  3. 【請求項3】 有機溶媒存在下で反応させることを特徴
    とする請求項1または2記載のジアルキルアルミニウム
    ハイドライドの製造方法。
  4. 【請求項4】 リチウムアルミニウムハイドライドに対
    してトリアルキルアルミニウムを反応させ、蒸留して副
    産物を粉末として分離することを特徴とする請求項1〜
    3いずれかに記載のジアルキルアルミニウムハイドライ
    ドの製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014156821A1 (ja) * 2013-03-29 2014-10-02 三井化学株式会社 ジメチルアルミニウムハイドライドの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2014156821A1 (ja) * 2013-03-29 2014-10-02 三井化学株式会社 ジメチルアルミニウムハイドライドの製造方法

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