JP2000071988A - 運行機材の運用計画作成方法及びシステム - Google Patents

運行機材の運用計画作成方法及びシステム

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JP2000071988A JP10242871A JP24287198A JP2000071988A JP 2000071988 A JP2000071988 A JP 2000071988A JP 10242871 A JP10242871 A JP 10242871A JP 24287198 A JP24287198 A JP 24287198A JP 2000071988 A JP2000071988 A JP 2000071988A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、運用計画作成における段階的
な作成業務を包括的に扱い、計画作成現場の実情に柔軟
に適合した品質の高い運用計画の効率的な作成を実現す
る運行機材の運用計画作成方法及びシステムを提供する
ことにある。 【解決手段】運用割当部0113は、運用ローテーショ
ンパターンを部分的に調整しながら車両に運用を割り当
てて、その結果を計画案として出力する。計画案評価・
修正部0114は、計画作成者との対話的なやりとりに
よって計画案を修正して最終案を作成して出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生産・交通分野に
おけるスケジューリング業務を計算機で支援する方法及
び装置に関するものであり、具体的には計算機を利用し
た計画の立案方法、立案結果の表示方法、立案結果の修
正方法、立案結果の検証方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】運行機材に対する日々の運用方法を計画
する手法もしくはシステムについては、鉄道分野におけ
る車両の運用計画業務の計算機化に関して、車両に運行
ダイヤと検査・修理等の作業予定を日々割り当てていく
際の基準となる基本割当順序(運用ローテーションパタ
ーンと呼ぶ)を確率的な探索技法とAI的な探索技法を
組み合わせて立案するもの((1)特願平8−1318
70号出願参照)、前記運用ローテーションパターンに
基づいて確率的な探索技法を用いて全車両に対する一定
期間の運用割り当てをおこない運用計画を立案するもの
((2)特願平8−109713号出願参照及び(3)
「鉄道における車両割り当てスケジューリング」,土屋
他,人工知能,1993.8)が公知である。
【0003】(1)及び(2)については、上記の計画
案の自動立案機能に加えて、計画作成者が立案途中に計
画作成の制約条件・評価指標を変更したり、計画案の一
部を修正するための各種のインターフェース(情報提供
機能と手動介入機能)を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】運行機材の運用計画
は、機材の日々の保守・管理に関わる運用業務を安全・
確実に実施すると共に、機材・人員・設備の利用効率の
向上を目的として作成される。近年、生産・交通分野に
おいては、利用者に対するサービス向上や利用範囲の拡
大等に伴い計画立案作業が複雑化し、計画作成者の負担
がますます大きくなると共に、計画立案に携わる担当者
の養成も次第に困難になっていることから、従来の人手
による計画立案作業を計算機化したいという要求が高ま
っている。
【0005】従来の運用計画作成に関する主流の考え方
は、まず機材に運用を日々割り当てていく際の基準とな
る理想的な運用の割り当てパターン(運用ローテーショ
ンパターン)を作成し、それを基に特別作業や運用予約
といった例外部分との整合性をとるためにパターンを調
整しながら運用割り当てを施して実際の計画を得るとい
うものである。
【0006】このように、運用計画をパターンの作成と
パターンの調整の2段階に分けて作成することにより、
得られた計画は理想的なパターンに沿ったきわめて品質
の高いものになるとともに、常にパターンに相似した計
画となるため運用業務を定型化することが可能となる。
日々の業務内容がある一定のパターンに沿っていれば、
運用業務に携わる現場作業者が業務内容を毎日苦労して
一から覚える必要がなくなり、記憶違いによるミスを大
幅に減らすことができる。またたとえ完全なパターン化
が無理であっても、業務の大部分がパターンに沿ってい
ればパターンからの相違点に着目するだけで業務内容を
容易に理解することができる。計算機内部のタスクスケ
ジューリングといった人間が全く介在しないシステムの
スケジューリングとは異なり、人間の利用を前提とする
生産・交通分野の各種の業務スケジューリングにおいて
は、計画内容のパターン化は効率化と並ぶ重要な概念で
ある。
【0007】鉄道分野においては、パターン化の概念を
計画作成の制約条件として利用することで、可能な組合
せの数を大幅に削減でき、計画作成手法を簡素化できる
といった利点もあるため、多くの、特に大規模路線を擁
する鉄道会社では、パターン化の概念を積極的に取り込
んで計画作成をおこなっている。
【0008】一般的に、各社における実際の計画作成に
おいては、運用ローテーションパターンを作成する部署
と運用割り当てをおこなう部署は、同じ場合もあれば異
なっている場合もあり、明確な切りわけがなされていな
いのが現状である。作成部署が異なっている場合、運用
ローテーションパターンは通常本社のダイヤ作成部署で
ダイヤ改正時に一度作成され、運用割り当ては車両の保
守・管理を司る路線上の個々の車両基地において作成さ
れるのが普通であり、作成部署が同じ場合には、両者は
一括して各車両基地で作成される。
【0009】今後鉄道会社が利用者サービスの向上や路
線規模の拡大等を積極的に推進するにあたっては、車両
基地の設備条件や車両の運用形態といった様々な条件の
変動に合わせて柔軟かつ効率的に運用業務を実施するこ
とが求められる。そのためには、基準となる運用ローテ
ーションパターンをダイヤ改正時に限らず運用割り当て
を実際におこなう各車両基地の実情を反映して、頻繁に
再作成する必要が生じることが考えられる。そのため、
今後は鉄道各社ともに車両基地内で両者を一括して作成
することが主流になると考えられ、そのような作成形態
に基づいて計画作成を担当する作成者の立案作業を効果
的に支援するための、計算機システムの実現がきわめて
重要な課題となっているが、前記公知例のいずれもどち
らかの計画作成のみを計算機化するための手法もしくは
システムであった。
【0010】加えて前記公知例(3)は約4週間分の運
用計画の立案に要する時間が、実施可能な最低限の条件
を満たしているもので約3時間、多くの評価指標を高い
レベルで満足した高品質の運用計画を得るのに約16時
間と、運用ローテーションパターンがあらかじめ与えら
れているにもかかわらず、計画作成に長時間を要してお
り、立案までに計画作成者をあまりにも無為に待たせて
しまうという問題点があった。一般的に人間が介在する
多くの業務計画の立案においては、曖昧性が高いために
計算機化・システム化の範疇として捉えることが困難な
計画作成に関わる条件が数多く存在する。そのため、計
画システムが自動作成した計画案に対する計画作成担当
者による最終チェックと手動による微調整が必須であ
り、この実現には計画作成に関するシステムの応答性の
高さが求められる。
【0011】また、前記公知例(1)及び(2)は計画
案の自動作成機能を備えるほかに、計画作成者が計画の
立案途中に計画作成の制約条件・評価指標を変更したり
計画案の一部を修正するための基本的なインターフェー
ス(情報提供機能と手動介入機能)を備えているが、路
線の拡大等のために車両数が大幅増化したり、複数の車
両基地で車両を分散管理するなどして計画が大規模・複
雑化した場合、計画作成者が計画案を検証したり、自身
の意図を正確に反映させつつ計画案の修正を効果的に施
すといったことがきわめて困難になるという問題があ
り、大規模車両数・複数車両基地に対応した運用計画を
計画作成現場の実情に合わせて効果的に作成支援するた
めの情報提供機能や手動介入機能の実現が求められてい
る。
【0012】本発明の目的は、運用計画作成における段
階的な作成処理を包括的に扱うことができ、なおかつ大
規模・複雑な計画作成現場の実情に柔軟に適合した品質
の高い運用計画を効率的に立案可能な運行機材の運用計
画作成支援システムを提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的は、運行ダイヤ
を入力として車両に対する運用の基本割当順序として定
義される運用ローテーションパターンを探索して出力す
るステップと、計画作成者との対話的なやりとりによっ
て運用ローテーションパターンを修正するステップと、
運用ローテーションパターンを部分的に調整しながら車
両に運用を割り当てて、その結果を計画案として出力す
るステップと、計画作成者との対話的なやりとりによっ
て計画案を修正して最終案を作成するステップを作成す
ることにより達成される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例として、
鉄道車両基地における車両運用計画作成支援システムに
ついて説明する。
【0015】本実施例は、鉄道車両基地における車両運
用業務を支援するシステムであり、各車両が本線上で営
業運転をおこなうか否か、営業運転をする場合はどの運
行ダイヤを担当するか、また修理、点検、清掃といった
保守作業をいつ、どこでおこなうかといった車両の日々
の運用予定を数週間分表す車両運用計画を作成するもの
である。
【0016】まず計画作成の前提条件を説明する。図2
は計画作成の入力データとなる運行ダイヤの一例であ
る。図では6通りのダイヤが示されており、それぞれに
対して数字0201のように重複しない番号がつけられ
ている。横軸0202は路線の運行時間帯を表してい
る。各ダイヤにおける黒い棒線は、本線上で営業運転を
することを意味しており、丸記号0203はラベル02
04が表す車両基地もしくは駅からの出発を、三角記号
0205はラベル0206が表す車両基地もしくは駅へ
の到着を表す。また、ラベル0207は運行ダイヤを構
成する部分ダイヤの名称を表す。例えば番号2のダイヤ
は、朝6時過ぎに駅Aを出発して、その後お昼頃まで本
線上で営業運転をおこない基地Xに入庫する(部分ダイ
ヤD2)、その後は夕方に再び本線へ戻り営業運転を再
開し、一日の運転を終えて最終的に基地Yへ入庫する
(部分ダイヤD3)。この例のように、ダイヤの中には
営業運転の途中で車両基地に一旦入庫したのちに再び営
業運転をおこなうものもあれば、番号1のダイヤのよう
に本線上で終日営業運転をおこなうものもある。以降の
記述では、運行ダイヤを指定するために、ダイヤ2とい
ったダイヤ番号かD2−D3といった部分ダイヤの名前
の組合せのいずれかを用いることとする(図2において
はダイヤ2とD2−D3は同一の運行ダイヤを指す)。
【0017】これらの運行ダイヤを実施するために、各
ダイヤに対して車両が重複なく(1対1)、もれなく毎
日割り当てられる。また、車両基地に終日在線しておこ
なわなければならない特別作業があることと、車両故障
といった突発的事態に対応するための待機車両を用意す
る必要から、(車両総数−ダイヤ総数)分の車両は営業
運転をおこなわない、すなわちダイヤが割り当てられな
い予備車両として車両基地に終日在線することになる。
また、各車両基地への予備車両の配分はあらかじめ決ま
っているものとする。
【0018】図3は車両基地に終日在線して実施する作
業(以降では長期作業とよぶ)の予定を示す作業計画の
一例である。項目0301は作業対象の車両につけられ
た他と重複しない識別用番号である。項目0302は実
施する作業の種類を表す。項目0303は作業を実施す
る車両基地である。項目0304と項目0305はそれ
ぞれ作業の開始日と終了日であり、該当車両はこの期間
を通して同一車両基地に在線したまま所定の作業を受け
ることになる。この長期作業に関する作業計画は、運用
計画を作成する前の段階で既に作成されており、この予
定を遵守して運用計画を作成する必要がある。
【0019】あらかじめ作業予定を立案しておく長期作
業に加えて、清掃やある種の点検といった、数十分〜数
時間程度の比較的短い時間で実施する短期の作業がいく
つかある。それらの短期作業は営業運転の合間の車両基
地に在線している時間を利用して実施することもできる
ため、あらかじめ予定を作成することはせずに、実施場
所・時間帯・同時実施可能な本数等を考慮しつつ運用計
画作成の一環として設定をおこなう。これらの短期作業
のうち、列車検査(または仕業検査)とよばれる作業に
関しては、各車両に対して一定期間(現在は3日)以内
の間隔で定期的に実施するという実施の回帰条件が法律
で明確に規定されており、鉄道各社とも運用計画を作成
するにあたっては、列車検査の実施間隔が絶対に回帰日
数を超過しないように細心の注意を払っている。
【0020】他の短期作業についても回帰日数について
の規定があるが、それらはあくまでも設定の目安として
用いられており、運用計画作成上の厳密な条件ではな
い。そこで本実施例においては、説明をわかりやすくす
る都合上、短期作業は列車検査ひとつのみとする。回帰
条件が緩い他の短期作業がある場合には、上記のダイ
ヤ、予備、長期検査、列車検査の割り当てを全ておこな
い、運用計画の大枠が完成した後で回帰日数を考慮しな
がら手動もしくは自動で設定をおこなうことにすれば良
く、このような単純化をおこなっても問題の本質は変わ
らない。
【0021】次に、車両運用計画作成問題を下記のよう
に形式的に定義する。
【0022】車両数をn、ダイヤ数をm(n>m)とし、
i(i=1,・・・,n)を車両、dj(j=1,・・・,m)を
ダイヤとする。また車両基地に終日在線すること(予
備)を特別なダイヤの実施と考えて、それらをdm+1,・・
・,dnとする。さらに作業がk種類あり、そのうち列車
検査をw1、長期作業をw2,・・・,wkとする。ただし、
kはいわゆる空の作業を意味し、これが設定されても
何もおこなう必要がないとする。
【0023】さらに、車両の集合をC、予備を含めたダ
イヤの集合をD、作業の集合をWとすると、車両の運用
割り当てとは、下記に示す割り当て関数fを構成するこ
とである。
【0024】
【数1】f:C→D×W ただし、∀cj∀cj(i,j=1,・・・,n,ci≠cj):
f(ci)={d,w},f(cj)={d′,w′}→d≠d′
である。関数fの出力であるダイヤ(予備)と作業の対
を運用と呼ぶ。
【0025】この割り当て関数により、予備を含めた全
てのダイヤが車両に対してもれなく、重複なく割り当て
られるとともに、空作業を含めた作業のいずれかひとつ
が割り当てられる。また、この割り当て関数は全車両の
一日分の運用を決定するものであり、1週間分の運用内
容を表す週間運用計画の作成は、下記に示すように作成
期間の各日付に対応する14個の要素からなる割り当て
関数の集合Fを構成することと捉えることができる。
【0026】
【数2】F={f1,f2,・・・,f7} 図4に関数fの出力である運用{d,w}の、計画立案
に実際に用いる具体的なデータ形式を示す。項目040
1は運用対象の車両の識別番号を表す。項目0402は
運用を実施する日付を表す。項目0403は実施する運
行ダイヤもしくは予備の識別記号を表し、例では図2の
運行ダイヤ一覧における上から2番目のダイヤ(D2−
D3)が車両03に対して割り当てられていることを示
す。項目0404は実施する作業を表す。作業の実施予
定がない場合には、空の作業に対応するヌル文字列
「―」を設定する。項目0405は該当作業の実施時間
帯である。本実施例では説明をわかり易くするために、
作業実施時間帯を昼間と夜間の二つに大きくわけ、この
項目には「昼間」もしくは「夜間」のいずれかの情報を
設定することにする。項目0406は作業の実施場所で
ある。ちなみに図2のダイヤ2は昼間に一旦基地Yに入
庫して、その後夕方再び出庫して営業運転をおこなう運
行形態をとっているため、この運用データに組み込まれ
た列車検査を実際に実施可能であることがわかる。
【0027】列車検査以外の短期作業が存在して、それ
らを複数実施可能な場合には、項目0404,040
5,0406の各項目を作業数に応じて増加することで
対応する。
【0028】図5は運用データのイメージ形式である。
運用イメージ0501は、図4の運用データを視覚化し
たものである。ラベル0503は作業内容を表し、ラベ
ルが位置する時間帯において該当作業を実施することを
表す。運用イメージ0502は、予備運用を視覚化した
ものである。ラベル0504は該当運用が予備であるこ
とと、その在線場所を示し、例では基地Yで終日在線す
ることを表している。また、作業ラベルから要部検査を
当日実施する予定であることが読みとれる。
【0029】このイメージ形式は、以降で説明する計画
案の表示・修正部において、計画作成者に対する運用内
容の詳細表示に利用される。
【0030】図6は、本実施例の車両運用計画作成支援
システムが作成対象とする車両運用計画のデータ形式で
ある。日付と車両番号をインデックスとする2次元配列
の構造を持ち、配列要素は運用データへのポインタであ
る。例えばポインタ0601は運用データ0602を指
しており、「車両03の4月12日における運用内容
は、ダイヤD2−D3(図2のダイヤ番号2)の運行及
び列車検査を基地Yにおいて昼間実施することである」
と読みとることができる。
【0031】図7は車両運用計画のイメージ形式であ
る。データ形式と同様に日付と車両番号をインデックス
とする2次元配列構造であり、配列中の各要素は一車両
の一日当たりの運用内容を表す。例えば運用内容070
1においては、上段のラベル0702は該当車両の担当
ダイヤがD2−D3(図2のダイヤ2)であることを表
し、下段のラベル0703は列車検査を車両基地Yにお
いて実施することを意味する。車両に対して予備が割り
当てられた場合には、ダイヤ名の代りに予備を意味する
ラベル「予」が表示される。また、運用内容0704は
長期作業である要部検査を実施予定であることを表す。
【0032】このイメージ形式は、以降で説明する計画
案の表示・修正部において、計画作成者に運用計画全体
の概要を提示するために利用される。複数の作業を同日
に実施することを許す場合に、その種類に対応するラベ
ルを全て表示したり、車両基地を記号で表す代りに作業
ラベルを基地に応じて異なる色で表示するといった、こ
のイメージ形式を基本として、計画作成者に対して適切
な情報をわかり易く提示するようための様々な工夫を施
して良い。
【0033】実行可能な運用計画を作成するにあたって
は以下に示す制約条件を遵守することが求められる。
【0034】1.前日実施ダイヤの最終入庫場所(前日
予備ならばその在線場所)から出発するダイヤ(もしくは
在線する予備)を当日割り当てる(接続条件)。
【0035】2.列車検査を法律で定められた規定の回
帰日数以内に設定する(回帰条件)。
【0036】3.長期作業の計画等から得られる運用予
約を遵守する。(予約条件) 予約条件における運用予約とは、運用計画の一部分を前
もって指定すること、もしくはその指定された内容のこ
とである。形式的には、ある車両cに対して長期作業w
の予定が運用計画作成期間に存在する場合には、その作
業を実施予定の車両基地に在線するある予備dを用意し
て、全ての作業予定日iに対して割り当て関数fiの出
力を
【0037】
【数3】fi(c)={d,w} と前もって固定することである。
【0038】このような長期作業の作業計画から得られ
る運用予約以外にも、作業実施環境の変化や計画作成者
の嗜好といった様々な要因から、実施ダイヤや列車検査
をはじめとする短期作業の実施内容・実施場所を固定す
るといった運用予約も考えられる。計画立案に際して
は、図の運用データを予約部分のみにつていてあらかじ
め作成したものを利用する。
【0039】実際の車両運用業務での利用に耐え得る質
の高い車両運用計画を作成するためには、前記制約条件
に加えて複数の評価指標を高いレベルで充足することが
求められる。評価指標の例としては以下に示すものが考
えられる。
【0040】1.作業量が少ない 2.作業量が各車両基地毎に規定される作業容量を超え
ない 3.作業量の場所・日付・時間帯毎の偏りがない 4.各車両に対する予備の割り当て間隔が均等である 5.同じ入庫場所が連続しない 6.前日駅留置した車両は当日車両基地に入庫する 7.長期作業終了の翌日は営業運転をおこなう 8.全車両の走行距離が均一である 作業容量とは、実施可能な全作業の各車両基地における
実施可能時間帯と同時実施可能本数を定めたものであ
る。長期作業に関しては、運用計画作成の前段階で作業
計画が作成されており、運用計画作成時に考慮すべき作
業は列車検査のみであるので、前記評価指標の例におけ
る作業とは短期作業(本実施例においては列車検査の
み)を指す。
【0041】図8に短期作業の作業容量の例を示す。本
実施例では時間帯を大きく二つに区切り、各車両基地毎
にその詳細な時刻、作業所要時間、同時実施本数の設定
をおこなうが、作業可能時間帯の区切りをさらに増やし
てもよい。
【0042】項目0801は作業の種類を表し、例では
列車検査に関する作業容量であることを示している。列
車検査以外に各種清掃等を運用計画作成時に設定する必
要がある場合には、図の列車検査に関する作業容量と同
様な作業容量をあらかじめ作成しておき、それを利用し
つつ容量条件を満たすように作業設定をおこなう。項目
0802は、該当作業を実施する車両基地を表す。項目
0803および項目0804は、それぞれ昼間と夜間の
同時実施可能本数を表し、ここに示された本数を超えて
作業を設定した場合に容量条件違反を生じることとな
る。項目0805及び項目0806は各作業時間帯にお
ける作業の所要時間を表す。項目0807及び項目08
08は、それぞれ昼間作業の最早開始時刻と最遅終了時
刻を、同じく項目0809及び項目0810は夜間作業
の最早開始時刻と最遅終了時刻を表す。
【0043】評価指標のいくつかは互いにトレードオフ
の関係にあるため、優先順位を考慮しながら両者を巧み
にバランスさせつつ計画を作成しなければならない。ま
た評価指標とその重みは各車両基地の車両運用の方針や
計画作成者が異なればそれに応じて様々に変化するた
め、固定的な評価指標を前提としない柔軟な計画作成ア
ルゴリズムの実現が不可欠である。
【0044】以下では本発明における車両運用計画作成
の基本的考え方を説明する。
【0045】車両運用計画の作成目的の中で最も重要な
ものは運用業務の効率化であることはいうまでもない
が、運用業務のパターン化も計画作成上の重要な観点の
ひとつである。日々の業務内容がある一定のパターンに
沿っていれば、運用業務に携わる現場作業者が業務内容
を苦労して一から覚える必要がなくなり、貴奥地街によ
るミスを大幅に減らすことができる。また例え完全なパ
ターンかが無理であっても、業務の大部分がパターンに
沿っていればパターンからの相違点に着目するだけで、
業務内容を容易に理解することができる。計算機内部の
タスクスケジューリングや生産分野のFMS(Flexible
Manufacturing System)スケジューリングといった人
間が介在しないシステムのスケジューリングとは異な
り、一般的に人間の利用を前提とする各種の業務スケジ
ューリングや交通機関のダイヤ作成といったサービスス
ケジューリングにおいては、パターン化は効率化と並ぶ
重要な概念である。
【0046】そこで本発明においては、運用計画の作成
処理を、(1)運用業務の理想的なパターンを表す運用
ローテーションパターンの作成部、(2)パターンを調
整しながら実際に車両に対して運用を割り付ける運用割
当部、の2段階に分割して計画立案をおこなうことによ
り業務のパターン化を実現する。
【0047】図9に本実施例における運用ローテーショ
ンパターンの一例を示す。本実施例における運用ローテ
ーションとは長期作業等の運用予約が全く存在しないと
仮定した場合の1車両に対する運用のサイクリックな割
り当て順序のことである。図9において、ある車両が計
画作成期間の初日に運用0901が割り当てられたと仮
定する。翌日以降において、該当車両に対して運用の割
り当て順序を表す矢印に沿って、運用0902,090
3,0904,0905,0906,0907,090
8、再び戻って0901・・・と順次割当をおこなって
いくことにより、先に挙げた制約条件のうちの接続条件
と回帰条件を完全に充足することが可能となる。さらに
は全車両に対してこの順序に沿った運用割り当てをおこ
なうことで走行距離の均一化が図れるといったメリット
等もあり、車両運用計画に要求される様々な評価指標を
高いレベルで満足することができる。
【0048】運用ローテーションパターンのデータ形式
を図10に示す。一次元配列の構造を持っており、配列
要素は運用データへのポインタである。要素の並びの順
番が運用を割り当てていく順序に対応する。図では配列
中の2番目のポインタ1001が運用1002を指して
いる。各運用データは、車両番号と日付の部分にはデー
タを設定せず、代りに空のデータであることを意味する
ヌル文字列「―」等を設定する。要素数は予備を含めた
ダイヤの総数に等しく、それぞれの運用に含まれるダイ
ヤ(予備)は互いに異なる。
【0049】パターン内部に全てのダイヤと予備が重複
なく含まれていることから、運用ローテーションパター
ンは1車両に対する理想的な割り当て順序を表すと同時
に、全車両に対する1日の運用内容をも同時に表してい
る。従って図11に示すように、長期作業の予定が全く
無いという理想的な状況を仮定するならば、全ての車両
に対して、割り当て開始位置をずらして運用ローテーシ
ョンパターンを適用するだけで、高品質の車両運用計画
を得ることができる。
【0050】当然ながら2週間にわたって長期作業の予
定が全く存在しない、などという状況はほとんどなく、
通常はいくつかの車両に対して、長期作業を施す必要が
ある。また特定の車両に対して実施ダイヤがあらかじめ
指定されるといった状況もある。そうした様々な運用予
約に関連する前記予約条件を満足することが求められる
ため、実際には運用予約との兼ね合いをとるために、運
用ローテーションパターンを部分的に崩して運用割当を
おこなう必要がでてくる。この処理をおこなうのが前記
ローテーションパターンの調整であり、まず運用予約の
ある車両に対して、該当運用を強制的に割り当ててしま
い、残りの車両に対しては、ローテーションパターンを
なるべく崩さないように、なおかつ制約条件に違反しな
いように調整を施しながら運用割当をおこなう。このよ
うにして得られた車両運用計画は、理想的な運用ローテ
ーションパターンに相似した高品質な計画案となる。
【0051】以下では、図1を用いて本発明の構成各部
を計画立案の流れに沿って説明する。
【0052】まず運用ローテーションパターン探索部0
111の概要を図のフローチャートを用いて説明する。
本実施例においては、遺伝的アルゴリズム(Genetic
Algorith、以下GA)の枠組を用いて探索アルゴリズ
ムを構成するが、線形計画法(LP)、局所探索法、局
所探索法の改良アルゴリズムであるタブー探索法やアニ
ーリング法といった、外部変更可能な評価指標を利用す
る他の反復改良型アルゴリズムを利用しても良い。
【0053】ステップ1201では世代数カウンタiを
1に初期化する。ステップ1202ではGAの遺伝的操
作の対象となる染色体群の生成をおこなう。染色体構造
は、運用ローテーションパターンにおける運行ダイヤと
予備の並び(順序)を直接的に反映する順序表現を用い
る。図13に染色体のデータ形式を示す。運行ダイヤと
予備の合計数をNとすると、染色体はN個の数値から構
成される一次元配列である。ただし配列中のi番目の要
素qiは、1=q i=N−i+1を満たす整数値であ
る。
【0054】各ダイヤもしくは予備に対して1〜Nの番
号を重複なく与え、di(1=i=N)は番号iのダ
イヤもしくは予備を表すものとすると、図14にフロー
チャートを示す順序表現変換手続きを用いて、染色体
(順序表現)から運行ダイヤと予備の並びを得ることが
できる。
【0055】まずステップ1401において、並べ替え
の対象となる運行ダイヤと予備を番号順に並べたシーケ
ンスS1を用意する。ステップ1402では、並べ替え
の結果を格納するための空のシーケンスS2を生成す
る。ステップ1403では、染色体から要素を取り出す
ためのインデックスiの値を1に初期化する。このステ
ップ1401から1403までは並べ替えの前処理であ
る。
【0056】次にステップ1404において、染色体
(順序表現)からインデックスiを用いて要素qiの値を
得、さらにそれをインデックスとしてシーケンスS1の
先頭からqi番目の要素を取り出す(取り出した要素はS
1から削除)。そしてその値をシーケンスS2の最後尾
に付加する。ステップ1405ではインデックスiの値
を1増やし、ステップ1406において処理の終了判定
をおこなう。iが全要素数Nを超えた場合には処理を終
了する。最終的に得られたシーケンスS2が運用ローテ
ーションパターンにおけるダイヤと予備の並びである。
iがN以下の場合にはステップ1404に再び戻り処理
を繰り返す。
【0057】図12に戻り説明を続ける。ステップ12
02において生成する染色体の数は図15にデータ形式
を示す探索パラメータにおける項目1501により規定
される。
【0058】次にステップ1203では、生成した各染
色体から運用ローテーションパターンの構成をおこなう
(デコード処理)。処理の概要は、(1)図14の順序
表現変換手続きを用いてダイヤと予備の並びを得、
(2)その順序に従って並べたダイヤと予備に対して、
回帰条件を満足するように列車検査を設定していく、と
いうものである。
【0059】図16のフローチャートを用いてデコード
処理の流れをさらに詳しく説明する。ステップ1601
では、各染色体毎に図で示した順序表現変換手続きを用
いてダイヤと予備の並びを構成する。ステップ1602
ではダイヤと予備の並びにおける着目位置を示す位置変
数iを1に初期化する。ステップ1603では、変数i
を開始位置としてダイヤと予備の並びに対して回帰日数
(3日)の間隔で列車検査を設定していく。iを1づつ
増やしていき、途中で列車検査を設定できないダイヤも
しくは予備に遭遇した場合には処理を終了してステップ
1604へ進む。iがダイヤと予備の総数を超えた場合
には、列車検査が設定されたダイヤと予備の並びを図の
運用ローテーションパターンのデータ形式に変換して最
終結果として出力し全体の処理を終了する。
【0060】これ以降のステップではステップ1603
で回帰日数の間隔で列車検査を設定できなかった際の代
替策として、列車検査を設定可能なダイヤもしくは予備
を後ろ向きに検索し、その結果見つかった要素に対して
検査を設定する(バックトラック処理)。ステップ16
04では、位置保存用の変数xにiの値を格納する。ス
テップ1605では、変数iの値を開始位置として並び
を後ろに辿り、列車検査を設定可能なダイヤもしくは予
備を探していく。そのような要素が見つかるか、既に列
車検査を設定済みの要素にまで戻るか、並びの先頭まで
戻った場合に処理を終了する。ステップ1606では、
先のステップで列車検査を設定可能な要素を見つけたか
どうかを判定する。見つかった場合にはその要素に列車
検査を実際に設定し、ステップ1609に進みiの値を
1増やしてステップ1603へ戻る。設定可能な要素が
見つからなかった場合にはステップ1607に進み、位
置変数の値をバックトラック処理の開始地点の次に設定
しステップ1603へ戻る。
【0061】列車検査が設定可能かどうかの判定は、該
当ダイヤもしくは予備における在線車庫、在線時間帯を
調べ、該当車庫の作業容量とそれまでの検査設定本数を
比較することによりおこなう。
【0062】この処理では、回帰日数の間隔で列車検査
を設定できない場合にはバックトラックをおこない回帰
日数以内での設定を試みるが、それが失敗して回帰日数
をオーバー(不正な運用ローテーションパターンが発
生)してしまうこともあり得る。 図12に戻り運用ロ
ーテーションパターン探索部の説明を続ける。ステップ
1204ではステップ1203で得られた運用ローテー
ションパターンに対して、接続条件と回帰条件のふたつ
の制約条件とあらかじめ設定した様々な評価指標の充足
度のチェックをおこなう。各制約条件及び評価指標に対
してあらかじめ評価関数を設定しておき、評価の際にそ
れらを運用ローテーションパターンに適用して関数値を
得て、それらの全ての加重和をとり評価値を算出する。
【0063】
【数4】
【0064】各制約条件と評価指標の評価関数は、完全
に充足している場合には値が0で、充足度合が低くなる
につれて値が増加するペナルティ関数であること唯一の
条件とする。例えば、評価指標「検査設定本数が少な
い」に対しては下記に示す関数を与えることができる。
【0065】
【数5】F検査本数(r)=(rの検査設定本数)−(最
低検査本数) ここで最低検査本数=車両総数/回帰日数 評価値算出用の評価関数とその重みは、図17に示すパ
ターン評価指標としてまとめられる。項目1701は制
約条件を含む評価指標の名前である。項目1702は評
価指標が有効かどうかを示す論理値であり、Trueであ
れば有効、Falseであれば無効をそれぞれ意味する。項
目1703は各指標の重みを表しており、有効な評価指
標全ての重みの総和が1になるように設定される。無効
な評価指標に対しては、値がないことを示す特別なヌル
文字「―」等を設定する。項目1704は評価関数に対
応する処理ルーチンへのポインタである。運用ローテー
ションパターンの評価時にはこのパターン評価指標を参
照し、有効な指標を全て用いて数式に対応した処理をお
こない評価値を算出する。
【0066】図12に戻り運用ローテーションパターン
探索部の説明を続ける。ステップ1205では、世代数
カウンタiの値を1増やす。ステップ1206では処理
の終了判定をおこなう。世代数カウンタiが図15の探
索パラメータにおける項目1504の世代数を超えた場
合には、最終世代で得られた運用ローテーションパター
ンを出力して処理を終了する。そうでない場合には、ス
テップ1207へ進み染色体群に自然淘汰処理を施す。
本実施例においては各染色体の評価値を参照し、全ての
染色体の中で評価値の低いものから順に、図15の探索
パラメータにおける項目1502の淘汰率に示した割合
で染色体を削除する。
【0067】ステップ1208では、染色体群に対して
交叉処理を施す。本実施例においては、自然淘汰で残っ
た優秀な染色体からランダムに2個の染色体を選択し、
両者を親としてオーソドックスな一点交叉により新たな
染色体を生成する。一点交叉とは、親染色体をシーケン
ス上の任意の一点で切断して後方のシーケンスを互いに
交換する処理である。
【0068】ステップ1209では、染色体群に対して
突然変異処理を施す。図15の探索パラメータにおける
項目1503の変異率に従って、染色体の遺伝子を確率
的に変化させる。染色体の遺伝子長(ダイヤと予備の総
数)をNとすると、致死遺伝子をの出現を防ぐために、
染色体を表すシーケンスのi番目の遺伝子qiを変更す
る場合には、その範囲を1=qi=N−i+1に制
限する。
【0069】以下再びステップ1203に戻り処理を繰
り返す。
【0070】図1に戻り本発明の全体構成の説明を続け
る。運用ローテーションパターン探索部0111の実行
結果として得られる運用ローテーションパターン010
5は、運用ローテーションパターン評価・修正部011
2に入力されて計画作成者によるチェックを受ける。処
理開始時点では、得られた運用ローテーションパターン
の中で最も評価値の高い(すなわち最も質の高い)もの
に対して、パターン中の各運用を図の運用データのイメ
ージ形式に変換し、パターンの順序通りに表示装置に出
力する。マウスなどのポインティングデバイスやキーボ
ード等の入力装置を用いて他の運用ローテーションパタ
ーン指定して表示装置に出力することもできる。
【0071】この処理ブロックは、計画作成者によるパ
ターンの評価・修正のための様々な情報提供機能と手動
介入機能を備える。まず、表示装置に出力されている運
用ローテーションパターンの制約条件と評価指標の充足
程度を評価情報として数値化して表示装置に出力するこ
とができる。図18に評価情報の一例を示す。各項目は
図のパターン評価指標における評価項目に対応してお
り、項目1801は接続条件違反がないことを、項目1
802は回帰条件違反が1件あることを、項目1803
は設定した検査の数が3回であることを、項目1804
はパターン中の運用の並びにおける予備運用の出現間隔
のばらつき具合が標準偏差で2.0日であることを、項
目1805は昼入庫をおこなう運用の同じく出現間隔の
ばらつき具合が0.71日であることを、項目1806
は車庫・時間帯についてバランス良く列車検査が設定さ
れているかどうかを示す指数が5.41%(小さいほどバ
ランスが良い)であることを、それぞれ表す。
【0072】計画作成者は運用ローテーションパターン
と共に、上記評価情報を合わせて用いることにより、探
索結果検証を迅速かつ的確におこなうことが可能とな
る。また、本処理ブロックは評価項目の追加・削除や重
みの変更といった各種調整をおこなう機能を備えてお
り、これにより評価指標を変更して後にあらためて運用
ローテーションパターンの探索をやりなおすといったこ
とも可能である。
【0073】図19は評価指標調整機能のインターフェ
ース例である。チェックマーク1901は、対応する評
価項目が有効であることを示している。チェックマーク
が表示されている領域を囲む四角形の任意の位置をマウ
ス等のポインティングデバイスで押下することにより、
チェックマークの表示・非表示を切り替えることができ
る。ある評価項目をはずして運用ローテーションパター
ンを評価する場合には、該当評価項目に対応するチェッ
クマークを非表示に設定すると、図のパターン評価指標
中の該当項目の有効フラグがFalseに変化する。ゲージ
1902は、対応する評価項目の重みを視覚的にわかり
易く表示する。三角マーク1903の位置で現在の重み
の大きさを表す。マウスなどのポインティングデバイス
を用いて三角マークをスライドさせることにより重みを
変化させることができる。そのスライドの度合に応じて
図のパターン評価指標中の重みの値が変化する。
【0074】上記の評価指標調整機能に加えて、探索パ
ラメータを計画作成者が調整する機能も備えている。こ
れは図15の探索パラメータを表示装置に出力し、計画
作成者がマウスやキーボード等の各種入力装置を利用し
てダイレクトに値を変更するインターフェースを提供す
ることで実現する。
【0075】評価指標や探索パラメータを調整して何度
も探索をやりなおすことにより、計画作成者が試行錯誤
を繰り返しつつ作成者自身の意図に合った運用ローテー
ションパターンを作成することができる。最終的に作成
者の承認を受けたパターンは、以降の運用ローテーショ
ンパターン調整部(計画作成部)で利用するデータとして
システム内に登録される。場合によっては計画作成者の
指示を受けてプリンタ等に帳票形式で印刷される。
【0076】図1に戻り本発明の全体構成の説明を続け
る。運用割当部0113では、運用ローテーションパタ
ーン評価・修正部0112を経て計画作成者の承認を受
けた運用ローテーションパターンを利用して一定期間分
の車両運用計画を作成する。
【0077】図20に本ブロックの処理概要を示す。作
成初日を開始地点として各車両に対する運用割当を日付
に沿って順次おこなっていく。各日ごとの計画作成は、
該当日の計画の雛型を作成する処理Aと、その結果に対
して調整を施す処理Bの2段階の処理からなる。
【0078】処理Aの概要は以下の通りである。
【0079】1.ローテーション順の運用割当 各車両に対して、前日に割り当てられた運用のローテー
ションパターン内での位置を調べ、その次に位置する運
用を順次割り当てる。
【0080】2.運用振り替えによる運用予約との整合
性確保 当日に運用予約がある車両は、単純にローテーションに
従って運用を割り付けると予定の運用とは全く異なる運
用が割り付けられることになる。そこで一旦ローテーシ
ョンどおりの割当をおこなった後に、運用予約がある車
両に対して割り当てられた運用と本来設定すべき運用を
振り替える。これにより運用予約との整合性を確保す
る。
【0081】上記処理により、理想的な運用ローテーシ
ョンパターンをできるだけ崩さずに運用予約との整合性
がとれた車両運用計画を作成することができる。しかし
ながら、部分的にでもローテーションパターン順の運用
割り当てを崩した結果、ローテーションパターンが満た
していた制約条件や評価指標の一部が未充足になってし
まうため、このままでは実際の運用業務に使用すること
ができないものとなる。
【0082】そこで上記処理Aに加えて、各日ごとの運
用割り当てにおいて、制約違反の解消や評価指標の充足
度向上を目的とする様々な調整ロジックを適用すること
により、実運用での使用に耐えうる高レベルの車両運用
計画の作成を実現する(処理B)。図21に調整ロジッ
クのデータ形式を示す。項目2101はロジックの名称
を表す。項目2102はロジックの適用順序を設定する
フィールドであり、数値の小さいものから順番に処理を
実行する。接続違反解消及び回帰違反解消のふたつの調
整ロジックは必須のロジックであり、他のロジックを適
用する前に処理を実行する。それらに対応する適用順序
の項目には、空のデータを表すヌル文字「―」等を設定
する。項目2103は、調整ロジックの処理ルーチンへ
のポインタである。
【0083】処理Bは、まず必須の制約充足用ロジック
により制約違反の解消をおこなった後に、適用順序に従
って品質向上用ロジックを順次適用していく。調整ロジ
ックによっては、当日のみの調整では目的を達成できな
い場合に前日以前に戻って割り当て済みの部分を再作成
するものもある。
【0084】図22のフローチャートを用いて運用割当
部の処理の概要を説明する。まずステップ2201では
日付変数iの値を0に初期化する。ステップ2202で
は、第i日目のローテーション割り当て及び運用振り替
え、すなわち上記処理Aを実施する。次にステップ22
03において計画案の第i日目の調整処理、すなわち上
記処理Bを実施する。本実施例では、制約違反解消用の
ふたつの調整ロジックに加えて、品質向上用の検査間隔
均等化ロジックを適用するものとして以降の説明を進め
る。
【0085】処理Bでは、まずステップ2231におい
て接続違反解消ロジックを適用するが、その処理の概要
を図23のフローチャートを用いて説明する。まずステ
ップ2301では、前処理として全ての車両を含むリス
トを作成する。ステップ2302では処理の終了判定を
おこない、車両リストの要素数が0であれば、処理を終
了する。そうでない場合にはステップ2303に進み、
リストの先頭要素の車両(hu)を取りだし、なおかつそ
の車両の第i日目の割り当て運用(ocio)を取得する。
ステップ2304では運用ocioに関わる制約条件の検出
をおこない、ステップ2305において検出結果の中に
接続条件違反が含まれるかどうかを判定する。接続違反
がない場合にはステップ2310に進み、車両リストか
ら車両huを削除してステップ2302へ再び戻る。接続
違反がある場合には他の運用との振り替えにより違反の
解消をこころみるため、まずステップ2306へ進み同
じ日の他の運用から振り替え候補を検索する。
【0086】接続違反が生じるのは、翌日運用予約があ
り、その朝出庫場所(予備運用の場合は在線場所)と運
用ocioの夜入庫場所(予備運用の場合は在線場所)が異
なる場合である。したがって検索条件は、 1.朝出庫場所が運用ocioと等しい 2.翌日に予約された運用の朝出庫場所と夜入庫場所が
等しい 上記2点である。
【0087】これらの条件を満たす運用と運用ocioを交
換することにより、車両huの接続違反が解消される。こ
れによりあらたな接続条件違反は生じない。そこでステ
ップ2307で候補の存在の有無を判定し、候補がある
場合にはステップ2308に進み候補運用と運用ocioを
交換して接続条件違反を解消する。その後はステップ2
310に進み車両リストから車両huを削除してステップ
2302へ再び戻る。
【0088】運用検索により候補が見つからなかった場
合はステップ2309へ進む。ここでは計画案に対して
前日以前に戻って修正を施すことにより接続条件違反の
解消を試みる。この処理をバックトラック処理と呼ぶこ
とにする。
【0089】図24はバックトラック処理の作成イメー
ジである。一日単位の運用振り替えでは、接続違反を解
消できない場合には、連続する数日分の運用をまとめて
交換することにより違反の解消を実現する。着目する日
付を第i日とすると、そこから一日づつ後ろへ戻りなが
ら、下記の条件を満たす交換可能な運用の部分系列を探
していく。
【0090】1.部分系列の先頭の運用の朝出庫場所
(予備運用ならば在線場所、以下同様)が、違反を生じ
た車両の部分系列における先頭運用の朝出庫場所と等し
い 2.部分系列の最後の運用の夜入庫場所(予備運用なら
ば在線場所)が、翌日の予約運用の朝出庫場所(予備運
用ならば在線場所)と等しい これらの条件を満たす運用の部分系列と違反を生じた車
両の同じ期間の部分系列をそっくり交換することによ
り、接続違反を解消することができる。またこれにより
あらたな接続違反が生じることはない。
【0091】このバックトラック処理の概要を図25の
フローチャートを用いて説明する。車両carの第i日目の
運用ocioが接続違反をおこし、振り替え候補が存在しな
い場合を想定する。まずステップ2501において日付
カウンタjの値をi−1に初期化する。ステップ250
2では車両carの第j日目の運用(これをop1とする)を
取得し、さらに車両carを除く全ての車両から第j日目
の運用を取得してリストを作成する(OpList)。次に
ステップ2503においてOpListから交換候補の運用
を検索し、その結果を集めてリスト(ResultList)を
構成する。検索条件は、(1)朝出庫場所がop1と等し
い運用、である。
【0092】この検索結果の判定をステップ2504で
おこなう。候補がひとつもない場合には、さらに前日に
戻って違反解消処理をおこなうためにステップ2505
へ進みj=j−1とする。そしてステップ2506で処
理の終了判定をおこなう。j<0(すなわち作成初日を
下回る)ならば処理を終了する。そうでなければ、再び
ステップ2502へ戻り処理を繰り返す。交換候補が存
在する場合にはステップ2507へ進む。ここでは交換
候補に対応する車両をそれぞれ取得し、さらにそれらの
車両の第i日目の運用を取得してリストを作成する(O
pList2)。
【0093】次にステップ2508においてOpList2
を対象として交換候補の運用を検索する。この場合の検
索条件は、(2)夜入庫場所(予備運用ならば在線場
所)が、車両carの第i+1日目の予約運用の朝出庫場
所(在線場所)と等しい、である。検索の結果得られた
候補運用をリスト化し、ステップ2509においてその
先頭要素に対応する車両と車両carのそれぞれj日〜i
日の間の全ての運用を互いに交換する。これにより接続
違反が解消され処理が終了する。
【0094】図23のフローチャートに戻り接続違反解
消ロジックの説明を続ける。ステップ2309において
バックトラック処理により接続違反を解消した後に、ス
テップ2310で車両リストから車両huを削除して再び
ステップ2302へ戻り処理を繰り返す。
【0095】図22のフローチャートに戻り運用割当部
の処理Bの説明を続ける。次にサブステップ2232に
おいて回帰違反解消ロジックを計画の第i日目に適用す
る。この処理の概要を図26のフローチャートを用いて
説明する。
【0096】まずステップ2601では、前処理として
全ての車両を含むリスト(CarCopyList)を作成す
る。ステップ2602では処理の終了判定をおこない、
車両リストの要素数が0であれば処理を終了する。そう
でない場合にはステップ2603に進み、リストの先頭
要素の車両(hu)を取りだし、なおかつその車両の第i
日目の割り当て運用(ocio)を取得する。ステップ26
04では運用ocioに関わる制約条件の検出をおこない、
ステップ2605において検出結果の中に回帰違反が含
まれるかどうかを判定する。回帰違反がない場合にはス
テップ2606に進み車両リストから車両huを削除して
から、再びステップ2602に戻り処理を繰り返す。回
帰違反が存在する場合には他の運用との振り替えにより
違反の解消をこころみるため、まずステップ2607へ
進み同じ日の他の運用から振り替え候補を検索する。
【0097】運用振り替えの候補となる運用の条件は下
記の4点である。
【0098】1.朝出庫場所が運用ocioと等しい 2.運用ocioの翌日に運用予約が設定されている場合は
その朝出庫場所(在線場所)と夜入庫場所が等しい。
【0099】3.翌日に運用予約が設定されていない 4.回帰日数を下回る間隔で列車検査が設定済みである
条件(4)は、例えばある車両が最後に列車検査を受け
たのが2日前で、当日列車検査が設定されているといっ
た、設定間隔が回帰日数(3日)ちょうどではない場合
が該当する。これらの条件を満たす運用と運用ocioを交
換することにより、車両huの回帰違反が解消される。ま
たあらたな接続条件違反が生じることはない。
【0100】そこでステップ2608で候補の存在の有
無を判定し、候補がある場合にはステップ2609に進
み、候補運用の中で一つ前の列車検査の実施からの経過
日数が最も少ないものと運用ocioを交換する。その後は
ステップ2606に進み車両リストから車両huを削除し
てステップ2602へ再び戻る。
【0101】ステップ2608において振り替え候補の
運用が存在しない場合は、まずステップ2610で現在
の運用ocioに列車検査を直接設定可能かどうかを判定す
る。列車検査が設定可能かどうかの判定は、運用ocioに
おける在線車庫、在線時間帯を調べ、該当車庫の作業容
量とそれまでの検査設定本数を比較することによりおこ
なう。
【0102】このステップで列車検査を設定可能と判定
された場合にはステップ2611に進み、運用ocioに対
して実際に列車検査を追加設定して回帰違反を解消す
る。その後はステップ2606に進み車両リストから車
両huを削除してステップ2602へ再び戻る。
【0103】列車検査を設定することができない場合に
は、列車検査を設定可能な運用を他の車両から探し、そ
の運用と運用ocioを振り替えて列車検査を設定すること
により回帰違反の解消を図る。そこでまずステップ26
12に進み、振り替え候補の運用の検索をおこなう。そ
の際の検索条件は4点あり、そのうちの3点はステップ
2607における条件(1)から(3)までと同じであ
る。残りのひとつは、(4)列車検査が未設定でなおか
つ設定可能、というものである。
【0104】ステップ2613は検索結果の判定をおこ
なう。候補が見つかった場合にはステップ2614に進
み候補と運用ocioを交換し、さらに列車検査を追加設定
することで回帰違反を解消する。その後はステップ26
06に進み車両リストから車両huを削除してステップ2
602へ再び戻り処理を繰り返す。候補が存在しない場
合には回帰違反の解消をあきらめ、ステップ2606に
進み車両リストから車両huを削除してステップ2602
へ再び戻り処理を繰り返す。ここで前日以前に戻って計
画を修正するといった、回帰違反を解消するための別の
処理を加えても良い。
【0105】図22のフローチャートに戻り運用割当部
の処理Bの説明を続ける。次にサブステップ2233に
おいて列車検査間隔均等化ロジックを計画の第i日目に
適用する。この処理は、各車両に対する列車検査の実施
間隔をできるだけ均等にするための調整ロジックであ
る。具体的には、i日目において、経過日数が少ないの
に列車検査が設定されている車両の運用と、それより経
過日数が多いが列車検査が設定されていない車両の運用
を交換することにより、列車検査の実施間隔の均等化を
図る。
【0106】列車検査間隔均等化ロジックの処理の概要
を図27のフローチャートを用いて説明する。まずステッ
プ2701において経過日数カウンタjと車両カウンタ
kの値をそれぞれ0に初期化する。次にステップ270
2において第i日目における車両kの運用(ocioとす
る)を取得し、さらに前回列車検査を実施してから当日
までの経過日数(after_days)を算出する。ステップ2
703では先に算出した経過日数がカウンタjに等しく
運用ocioが列車検査が設定されているかどうかを判定す
る。
【0107】この結果がNoの場合は、まずステップ2
704に進み車両数カウンタkの値を1増やす。次にス
テップ2705においてkの値と車両総数を比較し、k
が車両総数を超えていないならば、ステップ2702に
再び戻り処理を繰り返す。kが車両総数以上ならばステ
ップ2706に進み経過日数カウンタjの値を1増や
す。ステップ2707ではjの値と列車検査の回帰日数
を比較し、jが回帰日数を超えていないならばステップ
2702に再び戻り処理を繰り返す。jが回帰日数以上
であれば列車検査間隔均等化ロジックの処理を終了す
る。
【0108】ステップ2703の条件判定処理に戻り説
明を続ける。この判定結果がYesの場合には、まずステ
ップ2708に進み車両カウンタlの値を0に初期化す
る。次にステップ2709において、第i日目の車両k
(k<>lとする)の運用(dest)を取得し、さらに前
回列車検査を実施してから当日までの経過日数(after_
days2)を算出する。ステップ2710において、運用o
cioとdestの振り替え可能性を判定する。判定条件は、 1.after_daysよりafter_days2の方が大きい 2.運用ocioと運用destは朝出庫場所(在線場所)が等
しい 3.運用ocioと運用destの少なくともどちらかが翌日運
用予約ありならば、夜入庫場所(在線場所)が等しい 4.運用destは列車検査未設定 である。
【0109】この判定結果が偽(すなわち振り替え不可
能)となった場合には、ステップ2711に進み車両カ
ウンタlの値を1増やし、ステップ2712でループの
終了判定をおこなう。lの値が車両総数を超えていない
ならば再びステップ2709へ戻りループを繰り返す。
lの値が車両総数以上であればステップ2704に進
む。それ以降の処理の流れは前記したとおりである。ス
テップ2710の判定結果が真となった場合には、ステ
ップ2713に進み実際に運用ocioと運用destを振り替
える。その後はステップ2704に進み、前記したとお
りに処理を繰り返す。
【0110】本実施例においては、列車検査間隔均等化
ロジックを適用して処理Bを終える。処理Bは接続違反
解消と回帰違反解消のふたつのロジックを含むことが最
低限要求されるが、それ以外に関しては計画作成対象の
鉄道路線の実情に応じた調整ロジックを自由に組み込め
るものとする。その数や適用順序に関しても同様に計画
作成状況に応じて柔軟に設定する。
【0111】図22のフローチャートに戻り運用割当部
の処理の説明を続ける。ステップ2204では日付変数
iの値を1増やし、次のステップ2205で処理の終了
判定をおこなう。iの値が作成日数を下回る場合には翌
日部分の運用割当をおこなうために再びステップ220
2へ戻り処理を繰り返す。iの値が作成日数以上となっ
た場合には、それまでに運用割当をおこなって得られた
車両運用計画を最終結果として出力して処理を終了す
る。
【0112】図1に戻り本発明の全体構成の説明を続け
る。運用割当部0113の実行結果として得られる車両
運用計画案は、計画案評価・修正部0114に入力され
て計画作成者によるチェックを受ける。計画案は図7の
車両運用計画のイメージ形式に変換されて表示装置に出
力される。車両数が多い、作成期間が長いなどといった
原因のために標準サイズでは計画案の一部分しか表示で
きない場合には、表示倍率を変更することにより、任意
の大きさで計画案全体を表示することができる。また、
逆に計画案の特定の部分のみを拡大して表示することも
可能である。
【0113】本処理ブロックは、この計画案全体を表示
する機能に加えて、計画作成者が計画案を様々な角度か
ら検証するための各種情報を提供する(1)運用詳細表
示、(2)作業量表示、(3)運用検索、の3つの情報
提供機能を備えている。さらには、自動作成された計画
案に対して計画作成者が修正を加えるための(1)作業
設定、(2)運用交換、(3)運用変更、の3つの手動
介入機能を備えている。
【0114】まず、情報提供機能のひとつである運用詳
細表示機能について図28の例を用いて説明する。この
機能は、計画案が表示装置に出力されている状態で、マ
ウス等のポインティングデバイスを用いて特定の運用の
マス目を指定することにより、該当運用の詳細な内容を
表示するものである。図28の表示部分2801は、該
当運用の日付および担当する車両番号を示す。表示部分
2802は図5の運用データのイメージ形式であり、該
当運用の視覚的イメージを計画作成者に提示する。表示
部分2803は該当運用において実施する作業を示すも
のであり、例では「列車検査を基地Yにおいて昼間実施
する」と読みとることができる。
【0115】一日の中で複数の作業(各種清掃等)を組
み合わせて実施する場合には、全ての予定作業をリスト
形式で表示する。表示部分2804は各作業の前回実施
日からの経過日数を示す。例では「要部検査は184
日、列車検査は3日、それぞれ経過した」と読みとるこ
とができる。表示部分2805は、計画案の該当運用に
関係する制約条件違反を示す。例では、車両01は前日
の運用で基地Xに入庫したにも関わらず、当日基地Aか
ら出庫するダイヤD2が割り当てられているために、接
続条件違反をおこしているということが読みとれる。違
反が複数ある場合には、それらをリスト化して表示する
ものとする。計画案全体を表示させて全体の概要を掴む
と同時に本機能を用いて各運用の詳細を確認することが
できるため、計画案の把握を容易にできる。
【0116】次に、作業量表示機能について図29の例
を用いて説明する。本機能は表示装置に計画案全体が表
示されている状態で、任意の日付部分をマウス等のポイ
ンティングデバイスを用いて指定することにより起動さ
れる。ボタン2901を押下することにより、表示部分
2902は該当日における全作業の実施予定総本数が表
示される。この中の特定の作業を指定してボタン290
3を押下することによって、該当作業の各車両基地毎の
内訳を表示することができる。例では列車検査の内訳が
表示部分2905に示されており、「基地Xでは昼間1
本夜間0本、基地Yでは昼間1本夜間1本実施予定」と
読みとることができる。ボタン2906もしくはボタン
2907をマウス等で押下することにより、それぞれの
車両基地毎の作業予定数が表示部分2902に全体本数
の場合と同様に表示される。
【0117】図30は作業量表示機能の別の例であり、
先の例がある特定の日における作業情報を計画作成者に
提示するのに対して、本機能では計画作成期間全体にわ
たる各作業の実施量・場所・時間帯の推移をグラフとし
て示すものである。
【0118】ラベル3001は情報を表示する作業名を
示す。図30の例では列車検査の情報を表示することが
読みとれる。この部分に他の作業名を直接入力したり、
リストから選択するなどして表示する情報を切替えるこ
とができる。作業情報はグラフ3002に表示される。
これは横軸が日付、縦軸は実施本数の棒グラフであり、
実施場所と時間帯が異なる作業を異なる記号(●×等)
で表示する。
【0119】作業量表示機能を用いることにより、複数
の車両基地で分散して実施される各種作業の内容を包括
的に捉えることができると共に、特定の作業に関してそ
の実施場所、時間帯、日付のばらつき具合を視覚的に把
握することができるため、作業量・作業内容の側面から
の計画案の検証を容易に進めることが可能となる。
【0120】次に、運用検索機能について説明する。本
機能は計画作成者による手動修正を支援するための情報
提供機能である。後述する運用検索機能や運用変更機能
を用いて計画案の修正をする際には、計画作成者はある
車両に対して、設定したいと思う運用の理想形を頭の中
に描き、それに合うものを計画案の中から探して修正を
進めることとなるが、車両数が非常に多くなると適切な
運用を効率的に探し出すことが著しく困難になり、作成
者にとって相当な負担となる。そこで運用検索機能を用
いることにより、求める運用の検索を自動的かつ高速に
おこなうことで、計画作成者による修正作業の効率を大
幅に向上することができる。
【0121】図31は検索機能の実行結果の一例であ
る。表示部分3101には検索の結果、条件にマッチし
た運用がリストとして表示される。例では4個の運用が
表示されている。結果のひとつをマウス等のポインティ
ングデバイスで指定してから、ボタン3102を押下す
ることにより前記運用詳細表示機能が起動し、該当運用
の内容が計画作成者に提示される。
【0122】計画作成者は運用検索時の検索条件を設定
することができる。その条件としては、 1.運転種別(ダイヤ運行か予備か) 2.朝入庫・夜出庫の場所とその時間帯 3.昼入庫の有無とその時間帯 4.特定作業の可能・不可能の指定 5.特定作業の設定・未設定の指定 等が考えられる。検索条件設定用インターフェースの例
として、図32に示す入出庫条件設定インターフェース
について説明する。
【0123】設定項目3201は目的運用の昼入庫の有
無を設定する部分である。(1)昼入庫がある、(2)
昼入庫がない、(3)どちらでもよい、という3種類の
指定が可能であり、マウス等のポインティングデバイス
を用いてどれかひとつを指定する。例では「昼入庫あ
り」を検索条件として指定しいることが読みとれる。設
定項目3202は、朝出庫場所を設定する部分である。
特定の場所から出庫する運用を探したい場合には、例に
示すようにマウス等を用いてチェックマークを表示し、
その名前を直接入力するかリストから選択するなどして
表示させる。
【0124】例では、基地Yから出庫する運用を指定し
ていることが読みとれる。この項目を設定しない(すな
わち朝出庫場所がどんな運用でも良い)場合には、チェ
ックマークを非表示にする。設定項目3203及び設定
項目3204は、それぞれ昼在線場所と夜入庫場所の設
定部分であり、操作方法は朝出庫の設定と同じである。
例では、昼在線場所は特定せず駅Bに入庫する運用を指
定していることがわかる。
【0125】こうした設定用インターフェースを各検索
条件毎に提供する。これらを用いて条件のカスタマイズ
をおこない、再検索を繰り返し実行することにより、計
画作成者が意図する理想的な運用を計画案の中から効率
的に見つけることが可能となる。
【0126】以下では、計画案を修正するための3つの
手動介入機能についてそれぞれ説明する。まず、運用の
作業予定を変更するための作業設定機能を図33を用い
て説明する。本機能は、計画案において任意の運用を指
定した後に起動される。ボタン3301とボタン330
2はそれぞれ設定対象の時間帯を切替えるために用いら
れる。図33ではボタン3301を押下して昼間の作業
時間帯を設定している。運用によっては作業時間帯のど
ちらか(もしくはどちらも)が存在しない場合がある
が、そうした場合には存在しない作業時間帯に対応する
ボタンは表示されないものとする。
【0127】ラベル3303は設定場所を表し、図33
では基地Xでの作業設定であることが読みとれる。ラベ
ル3304は該当作業時間帯の時刻とその時間間隔を表
す。図33では、10時10分から17時40分までの
450分間であることが読みとれる。作業リスト330
5は該当作業時間帯に追加設定可能な作業をリスト化し
て表示する。作業リスト3306は、該当作業時間帯に
既に設定済みの作業をリスト化して表示する。
【0128】作業を追加設定する場合には、作業リスト
3305から目的の作業を選択し、追加ボタン3307
を押下することによりその作業が作業リスト3305か
ら作業リスト3306へ移動する。逆に設定済の作業を
運用から削除する場合には、作業リスト3306から目
的の作業を選択した後に削除ボタン3308を押下する
ことにより、該当作業が作業リスト3306から作業リ
スト3305へ移動する。
【0129】作業を追加設定したことにより、作業容量
や作業時間をオーバーしたり、作業を削除したことによ
り回帰違反をおこすといった作業設定による状況変化が
生じた場合には、ラベル3309にその旨のメッセージ
を表示する。図33では列車検査を追加設定したことに
より、作業容量をオーバーしたことが読みとれる。本機
能による作業設定の変更は、計画データに即座に反映さ
れ、それに応じて計画案全体の表示や運用の詳細表示等
が即座に更新される。制約条件違反が生じた場合には、
計画案の該当部分に対する色付け等による通知がおこな
われる。
【0130】次に計画案の任意の日付におけるふたつの
運用を交換する運用交換機能について説明する。計画作
成者による計画案の修正方法としては様々なものが考え
られるが、現在最も一般的で頻繁におこなわれるのは、
2つの編成の運用を交換する操作である。例えば車両A
に対してある特定の日に列車検査を実施したいと作成者
が考えた場合、現在の編成Aの運用に列車検査を追加設
定できなければ、Aの運用と交換可能であり、なおかつ
列車検査を設定できる(もしくは設定済みの)ものを選
択して交換することで計画を修正しようとする。本機能
はこの修正操作の効率的な実行を目的とするものであ
る。
【0131】図34は運用交換機能のインターフェース
例である。本機能は交換したい運用を計画案の中からひ
とつ選択した後に起動される。予備運用、午前のみ営業
運転する運用やダイヤが午前と午後の2つからなる複合
型の運用に対しては運用全体の交換の他に午前のみもし
くは午後のみといった半日単位の交換も可能であり、図
34のインターフェースを表示する前にあらかじめそう
した指定もおこなっておくものとする。本機能の起動時
に該当運用とその交換部分から候補の条件を自動的に設
定して運用検索機能を実行し、その結果が表示部分34
01に図31の運用検索機能の表示フォーマットで示さ
れる。自動設定される条件として、交換により制約違反
を生じないということが最低限求められる。その他の部
分についてはシステム化対象の車両基地や路線の状況等
に応じて決定する。本機能の実行時に作成者が検索条件
を逐次変更することもできるため、検索を繰り返しなが
ら相手の運用を絞り込んでいくことが可能である。
【0132】表示部分3402には指定した交換元運用
の内容が、表示部分3403には、検索結果の運用をひ
とつ選択して表示ボタンを押下することにより、該当運
用の内容がそれぞれ図28の運用詳細表示のフォーマッ
トで示される。ふたつの運用を表示した状態で、交換ボ
タン3404を押下することにより運用交換が実施され
計画データに即座に反映され、計画案全体表示や運用詳
細表示が更新される。制約条件違反が生じた場合には該
当部分の色づけやコメント表示により警告が発せられ
る。一旦交換した運用を元に戻したい場合には、取消ボ
タン3405を押下することにより、即座に修正内容が
クリアされ表示も修正前に復帰する。このように本機能
を用いることにより修正内容を視覚的に把握しつつ運用
交換を試行錯誤的に実行することが可能である。
【0133】次に手動介入機能の3番目として運用変更
機能について説明する。本機能は、前述の運用交換機能
と類似の機能である。運用交換機能が運用を丸ごと、も
しくは車庫に在線している時間帯を境に午前・午後単位
で交換するのに対して、運用変更機能を用いれば車両が
車庫に在線中か本線上で営業運転中かに一切関係なく、
任意の時刻で運用を切断して他の編成の運用と交換する
ことが可能となる。本機能は、営業運転中の車両に故障
などが発生して運行が続けられなくなった場合に、車両
基地で待機中の予備車両に運行を切替えるといった突発
事態に対応するための機能である。操作インターフェー
スは前記運用交換機能と同じであり、変更相手を絞り込
むために運用検索機能も利用することができる。本機能
は変更したい運用を計画案の中からひとつ選択した後に
起動されるが、その前に運用変更の時刻を指定する操作
を必要とする。
【0134】図1に戻り本発明の全体構成の説明を続け
る。処理ブロック0114の計画案評価・修正部は、上
記の情報提供機能と手動介入機能に加えて、計画案の自
動作成に必要とされる作業容量、運用予約、調整ロジッ
クの各データを変更するインターフェースを備えてお
り、それらを用いることにより作成者が計画作成の条件
を自由に変更可能である。作成者は条件の変更をおこな
った後に運用割当部に対して再計画を指示して新たな計
画案を得ることができる。このように何度も計画作成を
繰り返しながら作成者自身の意図に合った車両運用計画
を作成することができる。最終的に作成者の承認を受け
た計画案は、正式な車両運用計画としてシステム内に登
録されるとともに、計画作成者の指示を受けてプリンタ
等の出力装置に帳票形式で印刷される。
【0135】
【発明の効果】本発明によれば、運用計画作成における
段階的な作成業務を包括的に扱い運行ダイヤから直接的
に運用計画の素案を自動提案でき、また計画作成者が素
案に対して多角的な評価お施して効果的な修正をおこな
うことができるため、計画作成現場の実情に柔軟に適合
した品質の高い運用計画を効率的に作成することが可能
となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態である車両運用計画作成支援
のシステム構成図である。
【図2】図1の計画運行ダイヤの説明図である。
【図3】本発明の作業計画のデータ構造を示す図であ
る。
【図4】本発明の運用のデータ構造を示す図である。
【図5】本発明の運用データのイメージ形式を示す図で
ある。
【図6】本発明の車両運用計画のデータ構造を示す図で
ある。
【図7】本発明の車両運用計画のイメージ形式を示す図
である。
【図8】本発明の作業容量のデータ構造を示す図であ
る。
【図9】本発明の運用ローテーションパターンの説明図
である。
【図10】本発明の運用ローテーションパターンのデー
タ構造を示す図である。
【図11】本発明の運用ローテーションパターンを用い
た運用割当の説明図である。
【図12】本発明の運用ローテーションパターン探索部
の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の染色体のデータ構造を示す図であ
る。
【図14】本発明の順序表現変換手続きの処理の流れを
示すフローチャートである。
【図15】本発明の探索パラメータのデータ構造を示す
図である。
【図16】本発明のデコード処理の流れを示すフローチ
ャートである。
【図17】本発明のパターン評価指標のデータ構造を示
す図である。
【図18】本発明の実施形態の評価情報の表示画面であ
る。
【図19】本発明の評価指標調整機能のインターフェー
スを示す図である。
【図20】本発明の運用割当部の処理概要の説明図であ
る。
【図21】本発明の調整ロジックのデータ構造を示す図
である。
【図22】本発明の運用割当部の処理の流れを示すフロ
ーチャートである。
【図23】本発明の接続違反解消ロジックの処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図24】本発明のバックトラック処理の処理概要の説
明図である。
【図25】本発明のバックトラック処理の流れを示すフ
ローチャートである。
【図26】本発明の回帰違反解消ロジックの処理の流れ
を示すフローチャートである。
【図27】本発明の列車検査間隔均等化ロジックの処理
の流れを示すフローチャートである。
【図28】本発明の運用詳細表示機能の起動画面であ
る。
【図29】本発明の作業量表示機能(日別)の起動画面で
ある。
【図30】本発明の作業量表示機能(期間全体)の起動画
面である。
【図31】本発明の運用検索機能の起動画面である。
【図32】本発明の検索条件設定用インターフェースを
示す図である。
【図33】本発明の作業設定機能の起動画面である。
【図34】本発明の運用交換機能の起動画面である。
【符号の説明】
0101…運行ダイヤ、0102…作業容量、 010
3…探索パラメータ、0104…パターン評価指標、0
105…運用ローテーションパターン、0106…運用
予約、 0107…車両履歴、 0108…調整ロジッ
ク、0109…車両運用計画案、 0111…運用ロー
テーションパターン探索部、0112…運用ローテーシ
ョンパターン評価・修正部、0113…運用割当部、
0114…計画案評価・修正部、0121…表示装
置、 0122…入力装置、 0123…プリンタ。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】交通分野において、運行機材に対して一日
    の保守予定と運転予定を含む運用を構成して一定期間分
    を割り当てる運用計画の作成作業を計算機で支援する方
    法に関して、運行ダイヤを入力として車両に対する運用
    の基本割当順序として定義される運用ローテーションパ
    ターンを探索して出力するステップと、計画作成者との
    対話的なやりとりによって運用ローテーションパターン
    を修正するステップと、運用ローテーションパターンを
    部分的に調整しながら車両に運用を割り当てて、その結
    果を計画案として出力するステップと、計画作成者との
    対話的なやりとりによって計画案を修正して最終案を作
    成するステップを有することを特徴とする運行機材の運
    用計画作成方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の車両に対する運用の基本割
    当順序として定義される運用ローテーションパターンを
    探索して出力するステップにおいて、運用は少なくとも
    実施ダイヤ、予定作業、作業時間帯と作業場所の情報を
    含み、運用ローテーションパターンは車両数と同数の互
    いに異なるダイヤを含む運用の系列であり、少なくとも
    運用ローテーションパターンを評価する外部変更可能な
    パターン評価指標を利用する反復改良型の探索アルゴリ
    ズムにより探索をおこなうことを特徴とする請求項1項
    記載の運行機材の運用計画作成方法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2記載の車両に対する運用の
    基本割当順序として定義される運用ローテーションパタ
    ーンを探索して出力するステップにおいて、各作業実施
    場所における、作業の同時実施最大数、所要時間、実施
    可能時間帯の情報を少なくとも含む作業容量を利用し
    て、運用ローテーションパターンが含む運用を全て同日
    に実施することを仮定して、作業本数が各実施場所及び
    時間帯の同時実施最大数を越えないように運用への作業
    情報の設定をおこなうことを特徴とする請求項1項記載
    の運行機材の運用計画作成方法。
  4. 【請求項4】請求項1又は2記載の車両に対する運用の
    基本割当順序として定義される運用ローテーションパタ
    ーンを探索して出力するステップにおいて、パターン評
    価指標は、複数の評価項目に関する情報のリストであ
    り、リスト中の評価項目に対応する各要素は、運用ロー
    テーションパターンの該当評価項目に対する充足度を出
    力する評価関数への参照と、該当評価項目の重みに関す
    る情報を少なくとも含み、前記リストは運用ローテーシ
    ョンパターンを車両に対して日々割り当てていくことを
    仮定した場合の連続する運用間の接続に関する条件と、
    短期作業の実施間隔に関する条件の遵守を評価項目とす
    るふたつの要素を少なくとも持ち、各評価項目に対応す
    る評価関数を適用して得た充足度の線形加重和を運用ロ
    ーテーションパターンの評価値とすることを特徴とする
    請求項1項記載の運行機材の運用計画作成方法。
  5. 【請求項5】請求項1記載の計画作成者との対話的なや
    りとりによって運用ローテーションパターンを修正する
    ステップにおいて、運用ローテーションパターンおよび
    評価指標の充足程度をイメージ画像、文字情報、数値情
    報を用いて計画作成者にわかり易く表示装置に表示する
    とともに、評価項目の追加と削除および重みの変更をお
    こなう操作を備える評価指標調整機能を用いて計画案の
    再探索を進めることを特徴とする請求項1項記載の運行
    機材の運用計画作成方法。
  6. 【請求項6】請求項1記載の運用ローテーションパター
    ンを部分的に調整しながら車両に運用を割り当てて、そ
    の結果を計画案として出力するステップにおいて、運用
    計画の作成対象初日を開始地点として運行機材に対する
    運用割り当てを日付に沿って順次おこなっていくことを
    特徴とする請求項1項記載の運行機材の運用計画作成方
    法。
  7. 【請求項7】請求項1又は6記載の運用ローテーション
    パターンを部分的に調整しながら車両に運用を割り当て
    て、その結果を計画案として出力するステップにおい
    て、各日ごとの運用割り当て処理は、運用ローテーショ
    ンパターンを用いて、割り当て済みの運用として定義さ
    れる運用予約との整合性を取りながら、ローテーション
    の順番をできるだけ遵守して運用割り当てをおこない、
    該当日の計画の雛型を作成するサブステップと、制約条
    件違反の解消と評価指標の充足度向上を目的として該当
    日の計画の雛型に対して調整を施すサブステップを有す
    ることを特徴とする請求項1項記載の運行機材の運用計
    画作成方法。
  8. 【請求項8】請求項7記載の制約条件違反の解消と評価
    指標の充足度向上を目的として該当日の計画の雛型に対
    して調整を施すサブステップにおいて、調整処理への参
    照と調整処理の適用順番を表す番号を少なくとも含む調
    整情報のリストとして定義される調整ロジックを利用し
    て、適用順番に従って調整処理を実施していくことを特
    徴とする請求項1項記載の運行機材の運用計画作成方
    法。
  9. 【請求項9】請求項7記載の制約条件違反の解消と評価
    指標の充足度向上を目的として該当日の計画の雛型に対
    して調整を施すサブステップにおいて、調整ロジック
    は、単一車両における連続した運用間の接続条件に関す
    る違反と、おなじく単一車両における回帰日数を厳守す
    べき短期作業の実施間隔に関する回帰条件の違反に対す
    るふたつの調整情報を少なくとも含むことを特徴とする
    請求項1項記載の運行機材の運用計画作成方法。
  10. 【請求項10】請求項7記載の制約条件違反の解消と評
    価指標の充足度向上を目的として該当日の計画の雛型に
    対して調整を施すサブステップにおいて、調整処理は、
    調整対象日の運用を交換する操作と調整対象日の運用を
    追加及び削除する操作を含むことを特徴とする請求項1
    項記載の運行機材の運用計画作成方法。
  11. 【請求項11】請求項7又は10記載の制約条件違反の
    解消と評価指標の充足度向上を目的として該当日の計画
    の雛型に対して調整を施すサブステップにおいて、調整
    対象日の運用を交換する操作と調整対象日の運用を追加
    及び削除する操作を施しても調整目的を達成できない場
    合には、調整対象日以前の日付の計画を修正することに
    より調整をおこなうことを特徴とする請求項1項記載の
    運行機材の運用計画作成方法。
  12. 【請求項12】請求項1記載の計画作成者との対話的な
    やりとりによって計画案を修正して最終案を作成するス
    テップにおいて、計画案の概要を表示装置に表示し、マ
    ウス等のポインティングデバイスを用いて計画案上の任
    意の運用を指定することにより該当運用の詳細内容をグ
    ラフィカルに表示装置に表示することを特徴とする請求
    項1項記載の運行機材の運用計画作成方法。
  13. 【請求項13】請求項1記載の計画作成者との対話的な
    やりとりによって計画案を修正して最終案を作成するス
    テップにおいて、計画案における作業の実施日、実施
    量、実施場所、実施時間帯の内訳を集計して、作成期間
    全体の集計結果及び計画作成者が指定した特定の日付け
    についての集計結果を、グラフ、数値、文字情報を用い
    て表示装置に表示することを特徴とする請求項1項記載
    の運行機材の運用計画作成方法。
  14. 【請求項14】請求項1記載の計画作成者との対話的な
    やりとりによって計画案を修正して最終案を作成するス
    テップにおいて、計画案における特定の運用を指定し
    て、該当運用に対して作業を追加及び削除する操作を用
    いて運用計画の最終案の作成を進めることを特徴とする
    請求項1項記載の運行機材の運用計画作成方法。
  15. 【請求項15】請求項1記載の計画作成者との対話的な
    やりとりによって計画案を修正して最終案を作成するス
    テップにおいて、計画案における特定の運用を指定し
    て、該当運用と実施日が同じである計画案上の他の運用
    と交換する操作を用いて運用計画の最終案の作成を進め
    ることを特徴とする請求項1項記載の運行機材の運用計
    画作成方法。
  16. 【請求項16】請求項1又は15記載の計画作成者との
    対話的なやりとりによって計画案を修正して最終案を作
    成するステップにおいて、交換対象に指定した運用の特
    徴から交換相手の運用の特徴を算出し、含まれる運行ダ
    イヤ、出発及び到着場所、出発及び到着時間、作業可能
    時間帯、作業可能場所、特定作業の設定有無、を少なく
    とも検索項目として含む検索条件を作成し、検索条件を
    用いて交換候補の運用を検索して、検索結果の運用を表
    示装置に表示することを特徴とする請求項1項記載の運
    行機材の運用計画作成方法。
  17. 【請求項17】請求項1記載の計画作成者との対話的な
    やりとりによって計画案を修正して最終案を作成するス
    テップにおいて、計画作成者が少なくとも作業容量、運
    用予約、調整ロジック、検索条件を変更する操作を備え
    ることを特徴とする請求項1項記載の運行機材の運用計
    画作成方法。
  18. 【請求項18】交通分野において、運行機材に対して一
    日の保守予定と運転予定を含む運用を構成して一定期間
    分を割り当てる運用計画の作成作業を計算機で支援する
    システムに関して、運行ダイヤを入力として車両に対す
    る運用の基本割当順序として定義される運用ローテーシ
    ョンパターンを探索して出力する運用ローテーションパ
    ターン探索部と、計画作成者との対話的なやりとりによ
    って運用ローテーションパターンを修正する手段と、運
    用ローテーションパターン評価及び修正部と、運用ロー
    テーションパターンを部分的に調整しながら車両に運用
    を割り当てて、その結果を計画案として出力する運用割
    当部と、計画作成者との対話的なやりとりによって計画
    案を修正して最終案を作成する計画案評価及び修正部を
    有することを特徴とする運行機材の運用計画作成システ
    ム。
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