JP2000071464A - インクジェット記録ヘッドの製造方法及び該製造方法によるインクジェット記録ヘッド - Google Patents

インクジェット記録ヘッドの製造方法及び該製造方法によるインクジェット記録ヘッド

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JP2000071464A
JP2000071464A JP24966798A JP24966798A JP2000071464A JP 2000071464 A JP2000071464 A JP 2000071464A JP 24966798 A JP24966798 A JP 24966798A JP 24966798 A JP24966798 A JP 24966798A JP 2000071464 A JP2000071464 A JP 2000071464A
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JP24966798A
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Haruhiko Terai
晴彦 寺井
Masafumi Takimoto
雅文 瀧本
Hiroshi Koshikawa
浩志 越川
Takeshi Ikegame
健 池亀
Junji Tatsumi
純二 巽
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インク流路及びオリフィスをレーザ加工で形
成する際に生じる微小破片の流路及びその周辺への付着
堆積を抑える。 【解決手段】 天板7を、酸素ガス及びヘリウムガスの
混合ガスが導入されたカバー50内にセットし、レーザ
発振装置1から放射されたKrFエキシマレーザビーム
2を、合成石英レンズ3により集光させ、加工パターン
がアルミニウム蒸着により形成された投影マスク4を透
過させた後、天板7と一体に形成されたオリフィスプレ
ート10に照射させ、天板7の樹脂を除去蒸発させるこ
とによりインク液流路14を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
ヘッドの製造方法及び該製造方法によるインクジェット
記録ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置におけ
る、記録ヘッド及びインクタンク一体型の記録ユニット
では、インクの微小液滴を吐出させる方法として、熱エ
ネルギを利用して吐出する方法、電気機械変換体を利用
して吐出する方法、これらを複合させて吐出する方法、
あるいは一対の電極を設けて、これにより液滴を偏向し
て吐出させるものが知られている。
【0003】これらの中でも、熱エネルギを利用して記
録液を吐出するインクジェット記録ヘッドは、記録用の
液滴を吐出して飛翔用液滴を形成するための液体吐出部
であるオリフィス(吐出口)を高密度に配列することが
できるために、高解像力の記録をすることが可能である
ほか、全体的にコンパクト化も容易であるなどの利点が
あるので実用化がなされている。
【0004】このインクジェット記録ヘッドは、インク
吐出用の熱エネルギを発生させる電気熱変換体が設けら
れたヒータボードと、インク液流路及びオリフィスの形
成された天板とを貼り合わせた構成が一般的である。
【0005】インクジェット記録ヘッドの高解像度化に
伴い、インク流路及びオリフィスも微細化される傾向に
あるが、特開平2−121845号においては、このよ
うな微細なインク流路及びオリフィスの形成にエキシマ
レーザを用いる方法が提案されている。
【0006】図7は、特開平2−121845号で提案
された、エキシマレーザによる天板へのオリフィスの加
工状況を示す模式図である。
【0007】レーザ発振装置201から放射された、波
長248nm、パルス幅約15lnsecのKrFエキ
シマレーザビーム202は、合成石英レンズ203によ
り集光される。そして、インクの吐出口であるオリフィ
ス211が直径20μm、ピッチ42.5μmで形成さ
れるパターンがアルミニウム蒸着により形成された投影
マスク204を透過して、天板207と一体に形成され
たオリフィスプレート210にインク液流路214側か
ら照射され、オリフィスプレート210の樹脂を除去蒸
発させることによりオリフィス211が形成される。
【0008】上述のような樹脂の被加工物にエキシマレ
ーザを照射してインク液流路を形成する場合、アブレー
ションで樹脂が分解除去される際に炭素あるいは炭化物
からなると思われる微小破片が流路及びその周辺に付着
堆積する現象が見られた。
【0009】ところが近年は高画質化の要求に応えるた
め、オリフィス及びインク液流路のピッチはより狭くな
るとともに、オリフィスの直径及びインク液流路の幅も
より小さくすることが必要となった。そのため、付着堆
積物の偏在によるインク液流路寸法のバラツキ、付着堆
積物の一部分の脱落による液滴の吐出方向のバラツキ発
生やオリフィスを塞ぐことによるインクの不吐出、ある
いは付着堆積物がスペーサとなって、インク吐出用のエ
ネルギを発生するエネルギ発生素子を有した基板と天板
との密着不良となることで隣接ノズル間の発泡圧力のク
ロストークによる印字ヨレの発生等が問題があった。
【0010】このようなエキシマレーザで樹脂を加工す
る際の付着物に対する防止方法として、分子量の小さい
ガス雰囲気中での加工(S.Kuper and J.Brannon: Appl.
Phys. Lett. 60 [1992] 1633.)、酸素雰囲気中での加
工(D.L.Sigleton, G.Parakevopoulos, R.S.Irwin: J.
Appl. Phys. 66 [1989] 3324)、大気中でのヘリウムガ
スパージによる加工(レーザ研究Vol. 23-4, [1995] 26
4)が提案されている。また、インクジェット記録ヘッド
の加工装置としては、内部を所定の減圧雰囲気に保つ真
空容器にエキシマレーザを導き、酸素を導入する装置が
提案されている(特開平6−297180号公報参
照)。
【0011】上述の分子量の小さいガス雰囲気中、ある
いは減圧雰囲気下での加工方法は、気体の分子数を減少
させることで、樹脂の微小破片と気体分子の衝突回数を
減少させ、微小破片の飛翔距離の延長化、広拡散化によ
りインク液流路周辺への堆積を防止しようとするもので
ある。
【0012】また、酸素雰囲気下での加工は、炭素から
なる微小破片が飛散する際、酸素と反応することで微小
破片を気化させて付着物の防止をより確実とするもので
ある。ただし酸素の量が多すぎると先の減圧雰囲気によ
る気体分子数減少に伴う微小破片の拡散効果がなくな
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、減圧雰
囲気に保つ真空容器を用いたのでは、装置の複雑化、サ
イクルタイムの増加にもつながるので大量生産を行う工
業的な製造工程には適さない。また、大気中でのヘリウ
ムガスパージによる加工では付着物の防止効果が不十分
である。
【0014】そこで、本発明は、大量生産に適し、微小
破片の付着を抑えた、エキシマレーザによるインクジェ
ット記録ヘッドの製造方法及び該製造方法によるインク
ジェット記録ヘッドを提供することを目的とする。
【0015】
【問題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法は、
樹脂からなる天板にインクの流路となる溝部と、前記溝
部に連通して前記インクを吐出するための吐出口とを形
成し、前記溝部及び前記吐出口が形成された前記天板
を、インクを吐出するために利用されるエネルギを発生
するエネルギ発生素子を有した基板に、前記溝部と前記
エネルギ発生素子とを対応させて接合するインクジェッ
ト記録ヘッドの製造方法において、前記天板に前記溝部
及び前記吐出口を形成する工程では、ヘリウムガスと酸
素ガスとの混合ガス雰囲気中で、前記天板にエキシマレ
ーザを照射することで前記溝部及び前記吐出口を形成す
る。
【0016】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
は、インクの流路となる溝部と、溝部に連通してインク
を吐出するための吐出口とが形成された天板と、インク
を吐出するために利用されるエネルギを発生するエネル
ギ発生素子を有した基板とを有したものである。
【0017】上記の通りの本発明では、エキシマレーザ
による天板の溝及び吐出口の形成の際に、天板を水素の
次に分子量の少ないヘリウムガス中に酸素ガスを混合さ
せた雰囲気中に保持することで、減圧雰囲気中に酸素ガ
スを導入することと同様な効果が得られる。すなわち被
加工物がエキシマレーザによるアブレーションで分解除
去される際に炭素あるいは炭化物からなると思われる微
小破片が天板の溝部及びその周辺に付着堆積する。この
とき、ヘリウムガス雰囲気であると気体分子数が減少し
ているため、その気体分子と微小破片との衝突回数が減
少し、微小破片の飛翔距離が延ばされる。したがって、
微小破片が天板の溝部及びその周辺に局在することな
く、広い範囲に分散される。またその際に酸素が適当量
存在すると炭素からなる微小破片が酸素と反応し気化す
るため、付着物の防止がより確実になる。これにより、
印字ヨレのない高品位の印字が可能なインクジェット記
録ヘッドが得られる。
【0018】酸素ガスの濃度は、20mol%以上80
mol%以下の酸素ガスと、残部はヘリウムガスとから
なるものでもよいし、さらに好ましくは、酸素ガスの濃
度が60mol%以上70mol%以下の酸素ガスと、
残部はヘリウムガスとからなるものでもよい。
【0019】混合ガス雰囲気は、カバー内に天板を保持
し、カバー内に混合ガスを導入することによりを得るも
のでもよいし、また、このカバーは、エキシマレーザを
導入するための開口と、混合ガスを導入するための導入
口とが形成されているものでもよい。
【0020】この他、混合ガス雰囲気は、混合ガスを天
板に噴射することにより混合ガス雰囲気を得るものでも
よい。
【0021】本発明のインクジェット記録ヘッドは、イ
ンクの流路となる溝部と、溝部に連通してインクを吐出
するための吐出口とが形成された天板と、インクを吐出
するために利用されるエネルギを発生するエネルギ発生
素子を有した基板とを有するインクジェット記録ヘッド
において、溝部及び吐出口は、ヘリウムガスと酸素ガス
との混合ガス雰囲気中で、天板にエキシマレーザを照射
することで形成される。
【0022】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態について
図面を参照して説明する。
【0023】以下、図1は本発明の一実施形態に係わる
インクジェット記録ヘッド16を示し、インクタンクを
一体とし、装置に対して交換可能な構成である。
【0024】図1に示すインクジェット記録ヘッド16
は、蓋300に密着接合された吐出エネルギを発生する
ための電気熱変換体である吐出ヒータ15(図2参
照)、及びこれに電気信号を供給するためのAl配線と
が成膜技術によってSi基板上に形成されたヒータボー
ド8(図2参照)と、ヒータボード8に密着接合され、
オリフィスプレート10が一体的に形成された天板7と
を有する。
【0025】また、図中サブインクタンク600は記録
ヘッド本体に隣接して配設され、このサブインクタンク
600及び上記本体は蓋300によって支持される。さ
らに、蓋部材1100を有するカートリッジ本体100
0の内部にはインクタンクが内蔵され、サブインクタン
ク600に適時インクを供給する。
【0026】図2(a)及び図2(b)は本実施形態の
ヒータボード8の平面図及びその部分拡大図である。
【0027】図2(a)において、ヒータボード基体1
01には吐出ヒータ部103が形成されており、端子1
04でワイヤボンディングにより外部と接続される。温
度センサ102は、吐出ヒータ部103などと同じ成膜
プロセスにより吐出ヒータ部103に形成されている。
【0028】図2(b)は図2(a)におけるセンサ1
02を含む部分Bの拡大図であり、吐出ヒータ15、配
線106、及びヘッドを加熱するための保温ヒータ10
8が形成されている。
【0029】温度センサ102は、他の部分と同様に、
半導体同様の成膜プロセスによって形成してあるため極
めて高精度であり、他の部分の構成材料であるアルミニ
ウム、チタン、タンタル、5酸化タンタル、ニオブな
ど、温度に応じて導伝率が変化する材料で作成できる。
例えばこれらのうち、チタンは電気熱変換体素子を構成
する発熱抵抗層と電極との接着性を高めるために両者間
に配置可能な材料、タンタルは、発熱抵抗層上の保護層
の耐キャビテーション性を高めるためにその上部に配置
可能な材料である。また、プロセスのばらつきを小とす
るために線幅を太くし、配線抵抗などの影響を少なくす
るための蛇行形状として高抵抗化を図っている。また、
同様に保温ヒータ108は、吐出ヒータ15の発熱抵抗
層と同一材料(例えばHfB2)を用いて形成できる
が、ヒータボードを構成する他の材料、例えばアルミニ
ウム、タンタル、チタンなどを用いて形成してもよい。
【0030】図3に天板7の透過斜視図を示す。
【0031】天板7は、インク液流路14が形成されて
おり、また、これに対応したオリフィス11の形成され
たオリフィスプレート10が一体的に形成されている。
なお、図3には簡単のため、2個のオリフィス11のみ
が形成されたものを示しているが、実際にはオリフィス
11の個数は2個に限られたものではなく、より多く形
成されていてもよい。
【0032】そして、天板7にヒータボード8を密着接
合することにより、図4に示すように、インク液流路1
4の形成された部分に吐出ヒータ15が配置される。ま
た、天板7は耐インク性に優れたポリサルフォン、ポリ
エーテルサルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリ
プロピレンなどの樹脂を用い、オリフィスオプレート1
0と共に金型内で一体に同時成形してある。
【0033】次に、図5及び図6を用いて、本実施形態
のインクジェット記録ヘッド16の製造におけるインク
液流路14及びオリフィス11の形成方法を説明する。
【0034】図5は、インク液流路14の加工状況を示
す模式図である。
【0035】加工がなされる天板7は、カバー50内に
セットされている。このカバー50にはKrFエキシマ
レーザビーム2の入射口となるレーザ導入開口部51が
形成され、また、酸素ガス及びヘリウムガスの混合ガス
をカバー50内に導入するガス導入ノズル52が設けら
れている。
【0036】レーザ発振装置1から放射された、波長2
48nm、パルス幅約15lnsecのKrFエキシマ
レーザビーム2は、合成石英レンズ3により集光され
る。そして、インク液流路14の溝幅が35μm、非溝
部の幅が7.5μmになるようなパターンがアルミニウ
ム蒸着により形成された投影マスク4を透過して、天板
7と一体に形成されたオリフィスプレート10に照射さ
れ、天板7の樹脂を除去蒸発させることによりインク液
流路14が形成される。
【0037】以上の方法により、KrFエキシマレーザ
ビーム2を、1パルス当たり0.7J/cm2のエネル
ギ密度で360パルス照射することにより深さが30μ
mの溝が形成された。
【0038】図6は、オリフィス11の加工状況を示す
模式図である。
【0039】カバー50内にセットされた、天板7と一
体に形成されたオリフィスプレート10にインク液流路
14側から照射され、オリフィスプレート10の樹脂を
除去蒸発させることによりオリフィス11が形成され
る。
【0040】これにより、直径20μm、ピッチ42.
5μmで形成された。
【0041】なお、これ以外の基本的な製造方法は、上
述のインク液流路14とほぼ同様であるため、詳細の説
明は省略する。
【0042】今回は、大気中で所望のガス雰囲気を保持
するために、開口部を最低限にとどめたカバー50を用
いて混合ガスをカバー50内に満たす方法を用いたが、
条件を工夫すれば、吹き付けノズル、または吹き付けノ
ズルと吸引ノズルを加工部近辺に設置するだけでカバー
50を用いるのと同等の効果を得ることもできる。
【0043】以上のように、水素の次に分子量の少ない
ヘリウムガス中に酸素ガスを混合させることで、気体分
子の少ない減圧雰囲気中に酸素ガスを導入することと同
様の加工雰囲気とし、この加工雰囲気内に置かれた天板
7に対して、KrFエキシマレーザビーム2を照射する
ことで炭素あるいは炭化物からなる微小破片がインク液
流路及びその周辺に付着堆積することを抑制できる。
【0044】
【実施例】次に、上記の実施形態の実施例について以下
に説明する。
【0045】ここでは、本発明を適用した実施例1〜8
の8種類のインクジェット記録ヘッド16と、本発明の
効果の確認のために本発明を適用していない比較例1〜
3の3種類のインクジェット記録ヘッド16を作製し、
これらのインクジェット記録ヘッド16で印字試験を行
った。表1に各インクジェット記録ヘッド16の製作条
件、及び印字試験結果をまとめる。
【0046】
【表1】 ガスの供給流量は50リットル/分で行った。室温24
℃、加圧、減圧のない通常の作業スペースで加工を行っ
た。
【0047】実施例1では酸素ガス4mol%、残部ヘ
リウムガスの混合ガスを用いてインク液流路14の加工
を行った。次に、インク液流路14とオリフィス11の
加工のすんだ天板7と、ヒータボード8を張り合わせて
インクジェット記録ヘッド16を製作した。次にインク
液流路14周辺部の付着物を顕微鏡で観察し、付着物程
度を、無し、少ない、中程度、多い、の4段階で評価し
た。印字試験は30℃RHの環境下で行い、アルファベ
ットの「H」の文字を連続的にA4版で100枚印字
し、ドットのヨレを目視で検査して、発生確率を求め
た。印字ヨレはA4版中に1カ所でもヨレが発生した場
合は印字ヨレ有りとした。実施例1では付着物程度は中
程度、また、ドットヨレ発生率は2%であった。
【0048】実施例2では酸素ガス8mol%、残部ヘ
リウムガスの混合ガスを用いてインク液流路14の加工
を行った。以下、実施例1と同様にインクジェット記録
ヘッド16を製作し、付着物観察と印字試験を行った。
実施例2では付着物程度は中程度、また、ドットヨレ発
生率は2%であった。
【0049】実施例3では酸素ガス10mol%、残部
ヘリウムガスの混合ガスを用いてインク液流路14の加
工を行った。以下、実施例1と同様にインクジェット記
録ヘッド16を製作し、付着物観察と印字試験を行っ
た。実施例3では付着物程度は中程度、また、ドットヨ
レ発生率は2%であった。
【0050】実施例4では酸素ガス20mol%、残部
ヘリウムガスの混合ガスを用いてインク液流路14の加
工を行った。以下、実施例1と同様にインクジェット記
録ヘッド16を製作し、付着物観察と印字試験を行っ
た。実施例4では付着物程度は少ない、また、ドットヨ
レ発生率は0%であった。
【0051】実施例5では酸素ガス40mol%、残部
ヘリウムガスの混合ガスを用いてインク液流路14の加
工を行った。以下、実施例1と同様にインクジェット記
録ヘッド16を製作し、付着物観察と印字試験を行っ
た。実施例5では付着物程度は少ない、また、ドットヨ
レ発生率は0%であった。
【0052】実施例6では酸素ガス50mol%、残部
ヘリウムガスの混合ガスを用いてインク液流路14の加
工を行った。以下、実施例1と同様にインクジェット記
録ヘッド16を製作し、付着物観察と印字試験を行っ
た。実施例6では付着物程度は少ない、また、ドットヨ
レ発生率は0%であった。
【0053】実施例7では酸素ガス60mol%、残部
ヘリウムガスの混合ガスを用いてインク液流路14の加
工を行った。以下、実施例1と同様にインクジェット記
録ヘッド16を製作し、付着物観察と印字試験を行っ
た。実施例7では付着物程度は無し、また、ドットヨレ
発生率は0%であった。
【0054】実施例8では酸素ガス70mol%、残部
ヘリウムガスの混合ガスを用いてインク液流路14の加
工を行った。以下、実施例1と同様にインクジェット記
録ヘッド16を製作し、付着物観察と印字試験を行っ
た。実施例8では付着物程度は無し、また、ドットヨレ
発生率は0%であった。
【0055】実施例9では酸素ガス80mol%、残部
ヘリウムガスの混合ガスを用いてインク液流路14の加
工を行った。以下、実施例1と同様にインクジェット記
録ヘッド16を製作し、付着物観察と印字試験を行っ
た。実施例9では付着物程度は少ない、また、ドットヨ
レ発生率は0%であった。
【0056】実施例10では酸素ガス90mol%、残
部ヘリウムガスの混合ガスを用いてインク液流路14の
加工を行った。以下、実施例1と同様にインクジェット
記録ヘッド16を製作し、付着物観察と印字試験を行っ
た。実施例10では付着物程度は中程度、また、ドット
ヨレ発生率は3%であった。
【0057】比較例1では通常の常圧大気中でカバー5
0等を使用せずにインク液流路14の加工を行った。以
下、実施例1と同様にインクジェット記録ヘッド16を
製作し、付着物観察と印字試験を行った。比較例1では
付着物程度は多い、また、ドットヨレ発生率は8%であ
った。
【0058】比較例2では混合ガスの代わりに、ヘリウ
ムガス100%を用いてインク液流路14の加工を行っ
た。以下、実施例1と同様にインクジェット記録ヘッド
16を製作し、付着物観察と印字試験を行った。比較例
2では付着物程度は中程度、また、ドットヨレ発生率は
5%であった。
【0059】比較例3では混合ガスの代わりに、酸素ガ
ス100%を用いてインク液流路14の加工を行った。
以下、実施例1と同様にインクジェット記録ヘッド16
を製作し、付着物観察と印字試験を行った。比較例3で
は付着物程度は多い、また、ドットヨレ発生率は6%で
あった。
【0060】以上のように、酸素ガスとヘリウムガスの
混合ガスを用いてインク液流路14の加工を行うこと
で、比較例1の常圧大気中や、比較例2のヘリウムガス
中、比較例3の酸素ガス中でインク液流路の加工を行う
ときに比べて付着物程度を著しく減少でき、その結果、
印字試験でのドットヨレ発生率を著しく減少させること
ができる。さらに、酸素ガスが60mol%以上70m
ol%以下で残部ヘリウムガスからなる加工雰囲気下で
は、顕微鏡観察では付着物は確認されず、また、印字試
験でのドットヨレの発生もなく、特に良好な加工仕上が
りとなる。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、水
素の次に分子量の少ないヘリウムガス中に酸素ガスを混
合させることで、気体分子の少ない減圧雰囲気中に酸素
ガスを導入することと同様の加工雰囲気とし、この加工
雰囲気内に置かれた天板に対してエキシマレーザを照射
することでインクジェット記録ヘッドの溝部及び吐出口
を加工するため、炭素あるいは炭化物からなる微小破片
のインク液流路及びその周辺への付着堆積を抑制でき
る。また、真空容器を用いる必要もないので大量生産に
適している。微小破片の付着を抑えた、エキシマレーザ
によるインクジェット記録ヘッドの製造方法及び該製造
方法によるインクジェット記録ヘッドを提供することが
できる。
【0062】また、本発明のインクジェット記録ヘッド
は上述のように、インク液流路及びその周辺への微小破
片の付着が抑えられるので、ドットヨレの発生を著しく
減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインクジェット記録ヘッドカートリッ
ジの斜視図である。
【図2】ヒータボードの平面図及び部分拡大図である。
【図3】インクジェット記録ヘッドの天板の透過斜視図
である。
【図4】ヒータボードが取付けられた、インクジェット
記録ヘッドの天板の透過斜視図である。
【図5】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
によるインク液流路の加工状況を示す模式図である。
【図6】本発明のインクジェット記録ヘッドの製造方法
によるオリフィスの加工状況を示す模式図である。
【図7】従来のエキシマレーザを利用した、インクジェ
ット記録ヘッドの製造方法によるオリフィスの加工状況
を示す模式図である。
【符号の説明】
1、201 レーザ発振装置 2、202 レーザビーム 3、203 合成石英レンズ 4、204 投影マスク 7、207 天板 8 ヒータボード 10、210 オリフィスプレート 11、211 オリフィス 14、214 インク液流路 15 吐出ヒータ 16 インクジェット記録ヘッド 20 インク液室 50 カバー 51 レーザ導入開口部 52 ガス導入ノズル 101 ヒータボード基体 102 温度センサ 103 吐出ヒータ部 104 端子 106 配線 108 保温ヒータ 300 蓋 600 サブインクタンク 1000 カートリッジ本体 1100 蓋部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 越川 浩志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 池亀 健 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 巽 純二 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF24 AF40 AF93 AG12 AG46 AP02 AP13 AP23 AP24 BA03 BA13

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂からなる天板にインクの流路となる
    溝部と、前記溝部に連通して前記インクを吐出するため
    の吐出口とを形成し、前記溝部及び前記吐出口が形成さ
    れた前記天板を、インクを吐出するために利用されるエ
    ネルギを発生するエネルギ発生素子を有した基板に、前
    記溝部と前記エネルギ発生素子とを対応させて接合する
    インクジェット記録ヘッドの製造方法において、 前記天板に前記溝部及び前記吐出口を形成する工程で
    は、ヘリウムガスと酸素ガスとの混合ガス雰囲気中で、
    前記天板にエキシマレーザを照射することで前記溝部及
    び前記吐出口を形成することを特徴とするインクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記酸素ガスの濃度は、20mol%以
    上80mol%以下の酸素ガスと、残部はヘリウムガス
    とからなる請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記酸素ガスの濃度は、60mol%以
    上70mol%以下の酸素ガスと、残部はヘリウムガス
    とからなる請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド
    の製造方法。
  4. 【請求項4】 カバー内に前記天板を保持し、前記カバ
    ー内に前記混合ガスを導入することにより前記混合ガス
    雰囲気を得る請求項1ないし3のいずれか1項に記載の
    インクジェット記録ヘッドの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記カバーは、前記エキシマレーザを導
    入するための開口と、前記混合ガスを導入するための導
    入口とが形成されている請求項4に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッドの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記混合ガスを前記天板に噴射すること
    により前記混合ガス雰囲気を得る請求項1ないし3のい
    ずれか1項に記載のインクジェット記録ヘッドの製造方
    法。
  7. 【請求項7】 インクの流路となる溝部と、前記溝部に
    連通して前記インクを吐出するための吐出口とが形成さ
    れた天板と、インクを吐出するために利用されるエネル
    ギを発生するエネルギ発生素子を有した基板とを有する
    インクジェット記録ヘッドにおいて、 前記溝部及び吐出口は、ヘリウムガスと酸素ガスとの混
    合ガス雰囲気中で、前記天板にエキシマレーザを照射す
    ることで形成されることを特徴とするインクジェット記
    録ヘッド。
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