JP2000071456A - インクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録装置Info
- Publication number
- JP2000071456A JP2000071456A JP24276298A JP24276298A JP2000071456A JP 2000071456 A JP2000071456 A JP 2000071456A JP 24276298 A JP24276298 A JP 24276298A JP 24276298 A JP24276298 A JP 24276298A JP 2000071456 A JP2000071456 A JP 2000071456A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- ink
- guide member
- ink jet
- recording apparatus
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
させて記録するインクジェット記録装置において、電極
に印加する電圧を低電圧化することにより異常吐出防止
とインク中の色剤成分が電極に固着することを防止し、
合わせてインクの圧力変動に対しても安定して記録を行
えるインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】基板内のインク流れから、電極とガイド部
材で構成される隙間にインクを毛管作用により保持し、
基板から張り出した電極先端まで導く。電極に電圧を印
加すると低い電圧で電極先端に色剤粒子が凝集し、記録
媒体に向け飛翔する。電極先端近くのインクメニスカス
は毛管作用により、インク供給の圧力変動に対しても、
安定して維持される。
Description
録装置に係わり、特に帯電した色剤粒子を絶縁性液体中
に分散させたインクに静電気力を作用させ、色剤粒子を
記録媒体に飛翔させて記録を行うインクジェット記録装
置に関する。
格、低騒音でさらに画質が写真にに迫る画像を得ること
が出来るインクジェット記録方式を用いたインクジェッ
トプリンタが広く普及している。しかし、従来のインク
ジェットプリンタでは、染料系インクを用いていること
から、画像の保存性および耐光性が悪いなどの問題点が
あった。また、さらに、染料系インクは紙に滲みやすい
ため、写真画質に迫る画像を得るには、専用の記録紙が
必要でありランニングコストが高くなってしまうという
問題点もあった。
用を可能とし、染料系インクの上記問題点を解決した画
像形成装置がWO93/11866号に開示されている。この装置
は従来のインクジェットプリンタのような飛翔サイズを
決定するノズルがなく、ヘッド基板上にインク飛翔用の
吐出電極が設けられており、また、インクは絶縁性溶媒
中に帯電した顔料粒子を分散させたものを使用する。そ
して、対向電極と吐出電極間に電圧が印加されると、溶
媒中の帯電された顔料粒子に電界が作用し、吐出電極先
端部に多くの顔料粒子が凝集してくる。電圧を更に上げ
るとインクの溶媒の表面張力よりも静電力が勝り、イン
クメニスカスの表面から凝集した顔料粒子が飛翔して記
録を行う。飛翔の際には少量の溶媒を伴うものの、その
飛翔成分のほとんどが顔料粒子であるため、従来のイン
クジェットプリンタの問題点であった画像の保存性およ
び耐光性などの問題が解決され、さらに、記録媒体であ
る記録紙の制約を受けずに高画質の画像を得ることが可
能である。
た従来の帯電した顔料粒子を含むインクを用いるインク
ジェット記録装置も次の様な問題点が存在する。色剤粒
子を飛翔させるための電極は通常、ガラス等の基板上に
形成され、この基板にインクが供給される。電極先端が
基板端部より内側に形成されている場合、電極先端の電
界強度は基板が持つ誘電率の為低下し、電極先端から凝
集した色剤粒子を溶媒の表面張力に打ち勝ち対向電極に
飛翔させるためには、電極に高電圧を印加する電源が必
要であった。また電極先端の電界強度を高くするために
電極を基板端部より張り出すと、電極先端の電界強度は
高くなるが、電極先端は基板より離れるため、インクは
先端に供給されにくくなり、結果として、印加電圧を高
くして、電界によりインクメニスカスを電極先端まで引
っ張り上げる必要があった。結局、基板の持つ誘電率に
ため、インク中の色剤粒子を飛翔させるためには必要以
上の高電圧を印加しなければならなかった。
すると、印加した電極の外周の電極に向かって色剤粒子
が移動し、末端部で高濃度になり、その状態が維持され
ると、最悪には高濃度のインク液面が盛り上がり、盛り
上がった部分と対抗電極間距離が近くなるため、ここか
ら色剤粒子が飛び出す異常吐出現象を生じる。
下に置かれると、その色剤粒子は電極との間で帯電電荷
の移動を生じ、帯電が消滅することにより電気力では動
かすことが不可能となるため、結果として電極に色剤粒
子が固着する現象を引き起こす。
力の変動で電極先端に存在するインクメニスカスが振動
し、安定な吐出状態が得られにくいという問題点もあ
る。
凝集し、飛翔させて記録するインクジェット記録装置に
おいて、色剤粒子の飛翔電圧を低電圧化することによ
り、異常吐出防止とインク中の色剤成分が電極に固着す
ることを防止し、あわせてインク圧力変動に対しても安
定して記録を行えるインクジェット記録装置を提供する
ことを目的とする。
め、記録媒体から所定距離離間した位置にインクを吐出
させるヘッド基板と、上記ヘッド基板上に設けられた複
数の先端が凸形状の電極と、上記電極の近くに設置さ
れ、電極との間に毛管作用でインク溜まりを形成するガ
イド部材と、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散さ
せてなるインクと、上記インクを上記電極へ供給するた
めのインク供給手段と、上記電極に電圧を印加して電界
を形成し、上記電極の先端に色剤粒子を濃縮させるため
のバイアス電圧印加手段と、上記電極に上記バイアス電
圧より高いパルス電圧を印加して、上記バイアス電圧印
加手段にて濃縮された色剤粒子を上記記録媒体に向けて
飛翔させるためのパルス電圧印加手段とを備えた構成を
採っているる。このため、本発明では、ヘッド基板内を
流れるインクを電極とガイド部材間に生ずる毛管作用に
より、電極先端まで安定に導くことが容易にできる。
1000μm吐出している構造を採っている。しかし、
本発明では、電極がヘッド基板の端面から吐出している
ためインクの表面張力が小さくなり、さらに電極先端部
での電界強度が高まり、低い印加電圧で凝集した色剤粒
子を飛翔させることが出来る。
Ta, Ag, その他の合金を低誘電率材料の上にスパッタ
法、電気メッキ法で形成されている構造を採っている。
このため本発明では、低誘電率材料の上に電極を形成し
ているため、電極に発生した電界強度が弱められること
がなく、効率良く電界を集中させることができる。ま
た、スパッタ法、電気メッキ法でヘッド基板を形成する
ため、高解像度、高密度実装のラインヘッドを容易に形
成することができる。
囲である構造を採っている。このため本発明では、電極
先端の電界を狭い範囲に集中でき、電極先端に凝集した
インク中の色剤成分は、同一点から安定に記録媒体に向
けて飛翔し、記録媒体に形成されたインクドットは、位
置精度、形状精度の良い円形形状となる。
塗布されている構造を採っている。本発明では、樹脂の
インクに対する濡れ性が一般的には電極材料の金属材料
よりも良いことに着目し、電極とガイド部材で構成され
る隙間の毛管作用をより強め、電極先端に形成されるイ
ンクメニスカスをより安定に出来る。合わせて電極とイ
ンクは直に接することはなくなるので、電極先端近傍で
色剤成分と電極の間で電荷の移動を生じ色剤粒子の固着
を引き起こす現象も無くなる。
0μmの範囲で、ガイド部材の厚さは5〜500μmの
範囲の構造を採っている。このため、本発明では、電極
先端部に常に安定したインクを供給し、かつ安定したイ
ンクメニスカス形状を確保することができる。
短い構造を採っている。このため、本発明では、吐出ポ
イントを常に電極先端とし、且つ、インクを電極先端ま
で安定に供給することができる。
材料で形成されている構造を採っている。このため、本
発明では、インクの濡れ性が良く、吐出電極先端部まで
安定にインクを供給することができる。また、低誘電率
材料であるため、電極で発生する電界強度が弱められる
ことがない。
て図1から図7に基づいて詳細に説明する。
インクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録
装置の概略構成図である。同図においてヘッド基板11
は例えばガラス基板などの絶縁性基板であり、このヘッ
ド基板11上に色剤粒子21を飛翔させるための電極4
0と、電極40に隣接してガイド部材50が形成され、
電極40とガイド部材50を覆うようにヘッド基板11
の上面に配置されたインクチャンバー80とで記録ヘッ
ド10は構成されている。インクチャンバー80は、そ
の端面がヘッド基板11の端面に揃えられてヘッド基板
11上面に接着され、ヘッド基板11とともにインク保
持部81を構成している。インクチャンバー80には、
インク供給路83とインク排出路84が設けられ、ポン
プ91とインクタンク92を含むインク還流機構90が
接続されている。このインク保持部81にインク還流機
構90から帯電した色剤粒子21を含むインク20が供
給される。インク20はプラス耐電性の色剤粒子21を
帯電制御剤やバインダとともに108Ωcm以上の体積
固有抵抗率を有する絶縁性の溶媒中にコロイド状に分散
させ浮遊させたもので、インク保持部81から電極40
の吐出ポイント41まで運ばれるとともに、一部がイン
ク排出路83からインク還流機構90に回収される。
設けられ、互いに電気的に絶縁された状態でヘッド基板
11の上面に平行に配列されている。また、ガイド部材
50も電極40に隣接して同一本数配置されている。
40が200μm間隔で配置されている。
チャンバー80の端部から張り出しており、先端には電
界の集中する凸部が設けられ、ここがインク20の飛翔
する吐出ポイント41となる。
対側の基端部は、インクチャンバー80を貫通してヘッ
ド基板11の上面に露出している。各電極40の基端部
には、色剤粒子21と同極性のバイアス電圧印加手段6
0と、記録信号に応じたタイミングで色剤粒子21と同
極性の高電圧パルスをバイアス電圧に重畳して印加する
パルス電圧印加手段70が接続されている。電極40の
先端部に対向する位置には、各電極との間に電界を形成
するために接地された対向電極としての導電性材料から
なるプラテンローラ100が設けられている。このプラ
テンローラ100には記録媒体30としての記録紙が保
持される。なお、本実施例においては、電極40の先端
部とプラテンローラ100間の距離は1.0mmに設定
されている。
欠いた斜視図である。同図において電極40が配置され
ている範囲のヘッド基板11とインクチャンバー80の
間には一定間隔の隙間であるスリット82が形成されて
おり、このスリット82を通して電極40およびガイド
部材50が、ヘッド基板11およびインクチャンバー8
0の端部面から突き出している。従って、インク保持部
81内のインク20は、このスリット82を通って電極
40とガイド部材50に供給され、電極40とガイド部
材50とで構成される隙間の毛管現象で素早く電極40
の先端部までインク20を導き、各電極40の先端部に
インクメニスカスを形成する。なお、本実施例において
は、スリット82の隙間間隔は0.4mmに形成した。
ニスカスを安定に維持し易いように、電極40先端から
インク20が飛翔する方向を垂直上向きに記録ヘッド1
0を配置した。
は、例えば以下のように形成される。まず、ガラス等の
低誘電率で絶縁性を有する基材上面の所定の位置に、ダ
イシングソーにより溝を形成する。その上に、全面にわ
たり低誘電率材料であるポリイミドフィルムをラミネー
ターで張り付ける。このフィルム上にAl等の導電性金
属材料をスパッタ法で膜厚5μmに成膜し、フォトレジ
スト層を塗布して所定の電極パターンを有するフォトマ
スクを介してフォトレジスト層を露光する。露光後、現
像してフォトレジストパターンを形成し、これをエッチ
ングして先端部に凸部を有する電極パターンを形成す
る。さらにこの上に低誘電率材料であるポリイミドフィ
ルムまたはワニス状ポリイミドで必要とされる厚さの膜
を形成し、フォトレジスト層を塗布して、所定のガイド
部材パターンを有するフォトマスクを介してフォトレジ
スト層を露光する。露光後、現像してフォトレジストパ
ターンを形成する。これをドライエッチングにより基材
上面までエッチングすることにより、電極とガイド部材
が形成できる。次に電極の表面にポリイミド等の絶縁性
樹脂をスピンコーティングし、約2μmの皮膜を形成す
る。最後に、基材の上面に形成した溝の下面をダイシン
グソーにより切断する。
イド部材50が形成されると、基材上にインクチャンバ
ー80が取り付けられて記録ヘッド10が形成される。
ヘッド基板11端面からの張り出し量は、200μmと
している。
駆動が可能である。電極40先端の電界強度は誘電率を
持つヘッド基板11から離れるほど強くなる。つまり電
界強度を強めるためには(1)電極40を構成する低誘
電率材料の厚さを厚くする、(2)電極40先端をヘッ
ド基板11端面から張り出す、等の方法が考えられる。
(1)の方法は後に詳細説明するように、インクの飛翔
ポイントが不安定になったり、飛翔インクが記録媒体に
到達する位置精度が低下すること、および低誘電率材料
の厚さを厚くすると製造上加工時間がかかるという理由
から実用的ではない。(2)の方法について検討するた
め電極40先端の電界解析を行った計算結果を図3に示
す。計算条件は電極40の幅40μm、電極40の厚さ
40μm(このうち導電部厚さは20μm)、電極40
に印加する電圧1.8kV、ヘッド基板の誘電率ε=
7.5である。横軸にはヘッド基板11端部から電極4
0先端までの張り出し量を、縦軸には電極40先端がヘ
ッド基板11端部に位置したときの電界強度を1とした
相対比較電界強度を示す。
量が約0.5mmまでは急激に増加し、1mmを超える
と増加は緩慢になる。従って本実施例のようなスケール
の記録ヘッドでは電極40先端をヘッド基板11端面か
ら張り出すことによって電界強度を強める効果は、張り
出し量が1mm以上では少なくなる。また製造上からも
電極40の張り出し量を大きくすると、電極40を構成
する金属と樹脂材料の線膨張係数の違いにより製造工程
途中で電極のそり,曲がり等で不良が発生し易く、また
電極40の構造的強度も低下するため歩留まり低下とい
った不具合を生じる。従ってヘッド基板11端面から電
極40先端の張り出し量は好ましくは10〜1000μ
mであり、より好ましくは100から500μmである。
率材料の上にスパッタでAl膜を形成しているため、電
極40で発生する電界強度は弱められることなく、効率
良く電界を形成することができる。また、スパッタまた
はメッキ法で電極40を形成することは、 金属膜とし
てCu, Cr ,Ni, Al, Au, Ti, Ta, Ag, その他合金等の中
から例えば耐食性、耐エレクトロマイグレーション良好
な性質を示すもの、安価なものといった目的に応じた材
料を自由に選択することができ、かつ薄膜プロセスを用
いることができるため高解像度、高密度実装のラインヘ
ッドを容易に形成することができた。
ミドフィルム上に膜厚5μmのAlをスパッタ法で形成
したもので、電極40としての厚さは40μmである。
図4に電極40の厚さと記録媒体30上に形成されたド
ットの形状の関係を調べた結果を示す。横軸には電極4
0の厚さを、縦軸には記録媒体30上に形成されたドッ
トの電極厚さ方向のドット径およびそれとは直角方向の
ドット径を計測した結果を示す。試験条件はバイアス電
圧1.5kV,パルス電圧0.3kV、パルス幅0.5ms
ecの一定条件で行った。
極40先端部の吐出ポイント41は厚さ方向に広がり、
結果としても記録媒体30上に形成されたドットの形状
は厚さ方向に大きい楕円形状となることがわかる。この
影響はが100μm以下で小さく、記録媒体30上に形
成されるドットも比較的きれいな円形であるが、電極4
0の膜厚が100μmを超えると記録媒体30上に形成
されるドットは電極40の厚さ方向に引き伸ばされた楕
円形状となる。また着弾位置の精度を低下させる原因に
もなり、画質を低下させる要因となった。この傾向は印
加電圧が高いほど顕著であった。
製造工程途中で電極40のそり,曲がり等で不良が発生
し易く、また電極40の構造的強度も低下するため歩留
まり低下といった不具合を生じる。従って電極40膜厚
は好ましくは5〜100μmであり、より好ましくは1
0〜60μmである。
性は金属材料よりも良いことに着目し、電極40表面に
ポリイミド等の絶縁性樹脂をスピンコーティングにより
1〜3μmの厚さで被覆した。この結果、電極40の濡れ
性が向上し、電極40とガイド部材50で構成される隙
間の毛管作用が強まり、電極40先端に形成されるイン
クメニスカスをより安定に出来きた。合わせて電極40
とインク20は直に接することはなくなるので、電極4
0先端近傍で色剤粒子21と電極40の間で電荷の移動
を生じ色剤粒子21の固着を引き起こす現象も無くなっ
た。また、電極40には数kVの高電圧が印加されるた
め、特に高密度実装ヘッド基板においては隣接する電極
間距離も近いため、インクが無くなって電極が空気中に
露出したときに放電により電極40を破壊してしまうな
どの問題があり、電極40を樹脂で被覆することでこの
問題を解決することもできた。
間は15μm として形成している。電極40とガイド
部材50で構成される隙間の毛管作用によりインク中の
色剤粒子21を電極40先端に導くため、ガイド部材5
0と電極40の隙間が狭いときは、毛管作用力は大きく
なり、電極40先端部にインクを導きやすくなるが、電
極40先端部に供給されるインク20中の帯電した色剤
粒子21の数は少なく、高い記録周波数においては、色
剤粒子21の供給が間に合わなくなり、記録画像にかす
れなどの画像不良が生じてしまった。特に隙間が5μm
以下の時には、凝集した色剤粒子21がこの隙間に詰ま
り色剤粒子21が電極40先端部まで到達できなくなる
現象が多発した。逆にガイド部材50と電極40の隙間
が広すぎるときは、毛管作用力は弱くなり、基材端面か
ら突き出した電極40の先端までインクを導きにくくな
る。さらに、電極40とガイド部材50間に形成される
インクメニスカス形状が大きくなりすぎるため、インク
の表面張力が大きくなり、この表面張力に勝る静電力を
発生させるために、さらに高い電圧を印加しなければな
らなくなる。また、ヘッド基板11内のインク20流れ
の脈動や特定の電極40から色剤粒子21を吐出させる
ときに発生する振動がインクメニスカスに影響を及ぼ
す。そして吐出した電極40部においてもインクメニス
カスの振動が大きくなり、安定なインクメニスカスを確
保することが困難になる。隙間が50μm以上の場合に
は駆動電圧やインクメニスカスの振動等の影響がガイド
部材50がない状態と全く同じであった。従って電極4
0とガイド部材50の隙間は好ましくは5〜50μmで
あり、より好ましくは10〜30μmである。
と製造工程途中でそり,曲がり等で不良が発生しやす
い。
ガイド部材50との隙間に毛管作用で保持されるインク
量は大きくなり、結果として、電極40先端部に供給す
るインク20中の色剤粒子21の量を増やすことはでき
るが、その効果は高々ガイド部材50の厚さ500μm
までであった。従ってガイド部材50の厚さは好ましく
は5〜500μmであり、より好ましくは10〜100
μmである。
0μm短い構造としている。ガイド部材50が電極40
より長いと、ガイド部材50から色剤粒子21が飛翔し
てしまう。また、電極40がインクに濡れすぎてしま
い、電界強度が弱くなってしまう。ガイド部材50が電
極40より短すぎると、毛管作用力が弱くなり、インク
を電極40先端まで安定に供給できなくなる。従ってガ
イド部材50の長さは、好ましくは電極40より5〜5
0μm短い形状であり、より好ましくは10〜30μm
短い形状である。
誘電率材料のポリイミドを使用している。これにより、
インク20の濡れ性が良く、電極40先端部まで安定に
インクを供給することができ、低誘電率材料であるた
め、電極40で発生する電界強度が弱められることがな
い。
持されるインク20は、帯電された色剤粒子21を絶縁
性液体中に5%以下の重量比濃度で分散させて構成され
ている。絶縁性液体としてはアイソパーG(Esso社製)
であり、インク内に分散された色剤粒子21は、電極4
0と同電位に帯電している顔料粒子からなる。なお、本
発明においては、顔料粒子は約0.5μmの粒子径を有
し、帯電量が+100μC/gに予め正の極性に帯電さ
れているものである。
チューブにより接続されており、インクタンク92をヘ
ッド基板11より2〜5cmほど高い位置に設置され、
インクタンク92とヘッド基板11との水頭差によりイ
ンク保持部81内のインク20に圧力を付与されると共
に、強制的にインク循環が行われるようになっている。
インク循環は、インク吐出口からのインク漏れを防止す
るため、インク流出側からポンプ91による吸引により
行われ、インクタンク92に回収されるようになってい
る。
する。本実施形態おいて、記録電圧は、バイアス電圧V
b=1.5kV、パルス電圧Vp=0.3kV、パルス
電圧の印加時間Tp=0.5ms、飛翔周期T=2.0
msに設定している。
いて水頭差によりインク保持部81内のインク20に圧
力が付与されると共に、強制的なインク循環が開始され
ると、インク20は、その表面張力により、まずスリッ
ト82部に第一のインクメニスカス23を形成する。電
極40およびガイド部材50はヘッド基板11より張り
出しているため、ヘッド基板11端面では側面からみる
と下向きに凹形状になっている。次に、電極40とガイ
ド部材50で構成される隙間の毛管作用により電極40
とガイド部材50の間にインク20が供給され、電極4
0とガイド部材50の間で第二のインクメニスカス24
が形成される。スリット82での第一のインクメニスカ
ス23形状は、水頭差の変動やインク流出側のポンプ9
1によるインク流れの脈動などの影響により、図5の矢
印のように変動するが、電極40先端部に形成される第
二のインクメニスカス24形状は、第一のインクメニス
カス形状23が変化しても、その影響を受けることがほ
とんど無く、安定な状態を維持できた。
段60から1.5kVの電圧が印加されると、電極40
とプラテンローラ100との間に電界が形成され、スリ
ット82近傍の色剤粒子21が電気泳動し、電極40先
端部の第二のインクメニスカス24表面に集まる。続い
て、画像信号に応じて選択された電極40にパルス電圧
印加手段70から0.3kVのパルス電圧Vpが0.5
msのパルス幅でバイアス電圧Vbに重畳して印加され
ると、最も電界強度が高い電極40先端に色剤粒子21
が集中的に移動する。そして、色剤粒子21同士に働く
斥力より静電力方が遥かに大きいため、色剤粒子21同
士が衝突して凝集色剤粒子21を形成する。そして、こ
の凝集色剤粒子21がある大きさの径に成長すると、イ
ンク溶媒の表面張力よりも凝集色剤粒子21の静電反発
力が勝り、インクメニスカス表面を破ってプラテンロー
ラ100めがけて飛翔する。その後も、パルス電圧Vp
が印加されている間は、凝集色剤粒子21は成長しては
飛翔の動作を繰り返して、パルス幅Tpの長さに応じた
数だけ飛翔して、記録媒体30上にドットを形成する。
第二のインクメニスカス24内の濃縮色剤粒子21は減
少するが、バイアス電圧が常に印加されているため、次
々と第二のインクメニスカス24に供給される。
ジェット記録装置は、色剤粒子21が第二のインクメニ
スカス24に移送され、色剤粒子21の濃度を十分に濃
くした状態から、色剤粒子21を凝集して飛翔させるた
め、従来のインクジェット記録装置の印字で顕著な記録
媒体30のにじみ等が発生せず、電子写真並の高印字品
質が実現できる。また、色剤粒子21を常にバイアス電
圧Vbにより電極40先端部に集めた状態から飛翔させ
るため、高い飛翔周波数を達成できる。さらに、パルス
電圧パルス幅Tpに応じて、ドット径を可変することが
できるため、従来のインクジェット記録装置のように、
ディザ法や誤差拡散法などの階調処理を必要とせず、解
像度を低下することなく、容易に高品位のフルカラー記
録画像が形成できる。
ンクジェット記録装置について図7を用いて説明する。
図7はガイド部材50の第二の実施例を示す平面図であ
る。
インクジェット記録装置のうち、ガイド部材50のを2
倍に増やし、電極40先端部により早くより多くの色剤
粒子21を移送させる構造を採っている。インクジェッ
ト記録装置の主要部の構造および吐出動作原理は、第一
の実施形態と同じであるため、その概要の説明を省略す
る。以下、ヘッド基板11上の電極40とガイド部材5
0の構造について説明する。電極40は、記録解像度に
応じた本数だけ設けられ、互いに電気的に絶縁された状
態で基材の上面に平行に配列されている。電極40に隣
接したガイド部材50は、2個で構成され、電極40を
挟み込むように形成され、この隙間に毛管作用によりイ
ンク20が保持され、電極40先端に供給される構造で
ある。
電圧は、バイアス電圧Vb=1.5kV、パルス電圧V
p=0.3kV、パルス電圧の印加時間Tp=0.5m
s、飛翔周期T=1.0msの第一の実施形態より、飛
翔周期を2倍に高めて飛翔させても、ほぼ同じドット径
が得られることを確認している。
施例のインクジェット記録装置より、電極40先端部に
約2倍の色剤粒子21を移送させることができ、さらに
高い飛翔周波数を得ることができる。また、この効果
は、電極40上のガイド部材50の数を増やし、ガイド
部材50間の隙間の毛管作用によるインク供給量を増す
ことにより上がり、さらに高い飛翔周波数を得ることが
できることは言うまでもない。
電力でインク中の色剤成分を凝集し、飛翔させて記録す
るインクジェット記録装置において、電極を基板から張
り出し、かつ電極に隣接してガイド部材を形成したこと
で電極近くに安定したインク液面が形成できるため色剤
粒子を先端に集め、飛翔させる電圧を低電圧化可能であ
る。この結果、印加電極以外の電極から吐出する異常吐
出がなくなり、またインク中の色剤粒子は毛管作用で形
成されたインク流路を通り電極先端に供給されるため安
定した供給量となり、集まり過ぎて電極先端近傍で色剤
成分と電極の間で電荷の移動が生じ色剤粒子が固着する
ことは無くなる。その他、毛管作用により電極先端まで
インクを導くことで基板へのインク供給圧の変化で電極
先端のインクメニスカスが変動することは無くなり、安
定な記録を行うことが出来る。
成図である。
た斜視図である。
形状の関係を示す図である。
る。
図である。
ク、 21:色剤粒子、 22:飛翔インク滴、 23:
第一のインクメニスカス、 24:第二のインクメニス
カス、 30:記録媒体、 40:電極、 41:吐出ポ
イント、 50:ガイド部材、 60:バイアス電圧印加
手段、 70:パルス電圧印加手段、 80:インクチャ
ンバ、 81:インク保持部 、 82:スリット、 8
3:インク供給路、 84:インク排出路、 90:イン
ク還流機構、 91:ポンプ、 92:インクタンク、
100:プラテンローラ。
Claims (8)
- 【請求項1】 記録媒体から所定距離離した位置にイン
クを吐出させるヘッド基板と、ヘッド基板上に設けられ
た複数の先端が凸形状の電極と、電極の近くに設置され
電極との間に毛管作用でインク溜まりを形成するガイド
部材と、帯電した色剤粒子を絶縁性液体中に分散させて
なるインクと、インクを電極へ供給するためのインク供
給手段と、電極に電圧を印加して電界を形成し電極の先
端に色剤粒子を濃縮させるためのバイアス電圧印加手段
と、電極にバイアス電圧より高いパルス電圧を印加して
バイアス電圧印加手段にて濃縮された色剤粒子を記録媒
体に向けて飛翔させるためのパルス電圧印加手段とを設
けたことを特徴とするインクジェット記録装置。 - 【請求項2】 電極は、ヘッド基板の端面から10〜1
000μm張り出していることを特徴とする請求項1記
載のインクジェット記録装置。 - 【請求項3】 電極は、Cu, Cr, Ni, Al, Au, Ti, Ta,
Ag, その他の合金を低誘電率材料の上にスパッタ法、も
しくは電気メッキ法で形成したことを特徴とする請求項
1記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項4】 電極の膜厚は、5〜100μmの範囲で
あることを特徴とする請求項1記載のインクジェット記
録装置。 - 【請求項5】 電極の表面には、絶縁性樹脂が塗布され
ていることを特徴とする請求項1記載のインクジェット
記録装置。 - 【請求項6】 ガイド部材と電極の隙間は5〜50μm
の範囲であり、ガイド部材の厚さは5〜500μmの範
囲であることを特徴とする請求項1記載のインクジェッ
ト記録装置。 - 【請求項7】 ガイド部材は電極より5〜50μm短い
ことを特徴とする請求項1記載のインクジェット記録装
置。 - 【請求項8】 ガイド部材は濡れ性の良い低誘電率材料
で形成されていることを特徴とする請求項1記載のイン
クジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24276298A JP3721573B2 (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24276298A JP3721573B2 (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | インクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000071456A true JP2000071456A (ja) | 2000-03-07 |
JP3721573B2 JP3721573B2 (ja) | 2005-11-30 |
Family
ID=17093905
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24276298A Expired - Fee Related JP3721573B2 (ja) | 1998-08-28 | 1998-08-28 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3721573B2 (ja) |
-
1998
- 1998-08-28 JP JP24276298A patent/JP3721573B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3721573B2 (ja) | 2005-11-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US5754199A (en) | Image forming apparatus and image forming method | |
JP2000071456A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP3721572B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JPH11348294A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2001277519A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP3600687B2 (ja) | 画像形成装置 | |
US6079817A (en) | Electrostatic ink-jet recording head | |
JP3367840B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2817896B2 (ja) | 熱バブルインクジェット記録装置 | |
US6213591B1 (en) | Injet recording apparatus | |
JP2826530B2 (ja) | 静電式インクジェット記録ヘッド | |
JP2826529B2 (ja) | 静電式インクジェット記録ヘッド | |
JP2845812B2 (ja) | 静電式インクジェット記録ヘッド | |
JP3340378B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP3726995B2 (ja) | インクジェット記録ヘッドの製造方法および記録装置 | |
JPH10323983A (ja) | 静電式インクジェットプリントヘッド | |
JPH10119289A (ja) | 静電式インクジェットプリントヘッド | |
JP2789881B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP3916184B2 (ja) | インクジェット記録装置 | |
EP0822075A2 (en) | Electrostatic ink jet recording head | |
JPH10808A (ja) | 静電式インクジェット記録装置 | |
JP2786162B2 (ja) | 静電式インクジェット記録装置 | |
JP2834102B2 (ja) | 静電式インクジェット記録ヘッド | |
JPH11348292A (ja) | インクジェット記録装置 | |
JP2788887B2 (ja) | 静電式インクジェット記録ヘッド |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050325 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20050520 |
|
A521 | Written amendment |
Effective date: 20050708 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Effective date: 20050822 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050904 |
|
R150 | Certificate of patent (=grant) or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922 |
|
FPAY | Renewal fee payment (prs date is renewal date of database) |
Year of fee payment: 4 Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090922 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |