JP2000070854A - 超音波ホーン - Google Patents

超音波ホーン

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JP2000070854A
JP2000070854A JP10251539A JP25153998A JP2000070854A JP 2000070854 A JP2000070854 A JP 2000070854A JP 10251539 A JP10251539 A JP 10251539A JP 25153998 A JP25153998 A JP 25153998A JP 2000070854 A JP2000070854 A JP 2000070854A
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Japan
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metal
ultrasonic
hard material
ultrasonic horn
joining
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JP10251539A
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English (en)
Inventor
Tomoo Tanaka
智雄 田中
Nobuyuki Hotta
信行 堀田
Masaya Ito
正也 伊藤
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 金属本体部と硬質材料部とが接合された構造
を有して、しかも接合部において超音波振動エネルギー
の吸収が小さく、効率的な処理が可能な超音波ホーンを
提供する。 【解決手段】 超音波ホーン1は、金属本体部2と、そ
の金属本体部2の振動放射側端部に接合されたセラミッ
ク部3とを有する。金属本体部2とセラミック部3との
間には、金属本体部2とは組成の異なる金属を主体に構
成される接合金属層が形成されるとともに、該接合金属
層中に形成される空隙の体積率が15%未満とされる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超音波ホーンに関
し、例えば超音波圧搾機、超音波かしめ機、超音波ハン
ダ付け機、超音波切断機、超音波溶接機などの超音波加
工機や、超音波洗浄器、超音波攪拌機等の、各種超音波
デバイスに使用される超音波ホーンに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の超音波ホーンとしては、
鋼、チタン合金あるいはアルミニウム合金等の金属性の
ものが使用されていた。しかしながら、金属製の超音波
ホーンは、被処理物と接触する超音波放射面が摩耗を起
こしやすい欠点があり、例えば超音波による液状被処理
物(例えばスラリーやコロイドなどの懸濁物)の混合、
分散あるいは乳化など、液体中で使用された場合には、
超音波放射面にエロージョンと呼ばれる摩耗が発生しや
すい問題があった。そのため、鋼製のホーンは焼き入れ
や硬化処理が施されるのが通常であり、またチタン合金
製のものにおいても、窒化処理などが施されている。さ
らに近年では、ホーン先端部(超音波放射部)の耐摩耗
性を向上させるためにホーン先端部にセラミック部や超
硬合金部等の硬質材料部を接合したものが提案されてい
る(実開昭63−113545号、実開平1−1469
28号、実開平5−80569号参照)。
【0003】しかしながら超音波ホーンは、一般に周波
数20〜40KHz、振幅30〜60μm程度の厳しい
条件で使用されることが多く、表面処理等の耐摩耗性改
善ではしばしば不十分となる。また、硬質材料部を金属
本体部に対しねじ込み等により連結する構造の場合、金
属本体部から硬質材料部への振動伝達は、事実上は一体
でない機械的な接触面を介して行なわれるため超音波の
振動損失が大きくなり、効率的な処理が行なえない欠点
がある。これを防止するためには、ろう付け、拡散接
合、摩擦圧接、溶接等により両者を接合し一体化するこ
とが有効であるといえる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ろう付
けあるいは拡散接合により金属本体部と硬質材料部とを
接合する場合、接合条件によっては両者の間で過度に反
応を生じたり、あるいは接合界面を挟んだ成分の相互拡
散速度の違いに基づくいわゆるカーケンダール効果によ
り、接合部に多数のボイド(空隙)を生じてしまう場合
がある。一方、摩擦圧接により接合する場合は空隙を巻
き込む可能性があり、溶接の場合は雰囲気ガスの巻き込
みが生じる可能性がある。いずれにしろ、接合部にこの
ような空隙が多く生ずると、該接合部において超音波振
動エネルギーの吸収が著しくなり、ひいては超音波の振
動損失が大きくなって効率的な処理が行なえなくなる問
題がある。
【0005】本発明の課題は、金属本体部と硬質材料部
とが接合された構造を有して、しかも接合部において超
音波振動エネルギーの吸収が小さく、効率的な処理が可
能な超音波ホーンを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項に記載し
た超音波ホーンの構成は以下の通りである。
【0007】(請求項1)金属本体部と、その金属本体
部の振動放射側端部に接合された硬質材料部とを有する
接合体として構成され、金属本体部と硬質材料部との間
には、金属本体部とは組成の異なる金属を主体に構成さ
れる接合金属層が形成されるとともに、接合金属層の厚
さ方向中央を通り、かつ金属本体部に対する硬質材料部
の接合方向と直交する平面により該接合金属層中に仮想
的な断面(面積S0)を設定し、接合体中に形成されて
いる空隙部を検出するために、接合方向において硬質材
料部側から超音波を入射することにより超音波探傷を行
い、それによって検出された空隙部を断面に投影したと
きに、その空隙投影部の全面積をSとして、(S/S
0)×100にて定義される空隙存在率が15%未満で
ある。
【0008】(請求項2)請求項1において、硬質材料
部は、Si、ZrO、Al、SiC及び
TiCのいずれかを主成分とするセラミック、超硬合金
及びダイヤモンドのいずれかにより構成される。
【0009】(請求項3)請求項1又は2において、金
属本体部は、Fe又はTiを主成分とする金属により構
成されている。
【0010】(請求項4)請求項1〜3のいずれかにお
いて、金属本体部と硬質材料部とは、ろう付け、拡散接
合、摩擦圧接及び溶接のいずれかにより接合されてい
る。
【0011】
【発明の作用及び効果】本発明の超音波ホーンは接合体
として形成され、図4に示すように、接合金属層の厚さ
方向中央を通り、かつ金属本体部に対する硬質材料部の
接合方向と直交する平面により該接合金属層中に仮想的
な断面(面積S0:投影断面)を設定し、接合体中に形
成されている空隙部を検出するために、接合方向におい
て硬質材料部側から超音波を入射することにより超音波
探傷を行い、それによって検出された空隙部を断面に投
影したときに、その空隙投影部の全面積をSとして、
(S/S0)×100にて定義される空隙存在率が15
%未満とされる。接合体中の空隙存在率を15%未満と
することにより、該接合金属層での超音波振動エネルギ
ーの吸収を効果的に抑制することができる。これによ
り、超音波の振動損失が少なく効率的な処理が可能な超
音波ホーンが実現される。
【0012】超音波ホーンの作動効率は、例えば超音波
振動子(以下、単に振動子という)への投入電力値とホ
ーン先端の振幅との関係を指標として論ずることができ
る。接合金属層に多数の空隙が形成されていると、電気
エネルギーから変換される振動子からの振動エネルギー
が空隙により吸収されてしまい、ホーン先端での振動が
減少する結果、作動効率は低下することになる。また、
当然のことながら空隙等の欠陥が存在するホーンでは、
同じ振幅を得ようとする場合でも振動子にはより大きな
電気エネルギーを与える必要がある。しかしながら、振
動子に対する過度の電気エネルギーを投入すると振動子
が発熱し、同様に振幅が低下して作動効率が低下するこ
とにつながる。
【0013】ここで、ホーン先端振幅と振動子への投入
電力値との関係は、通常使用される60μm以下の振幅
域ではほぼ直線的なものとなることが知られている。従
って超音波ホーンの作動効率は、この直線の傾きが大き
い程良好であるということができ、これを該効率を反映
した指標として用いることができる。本発明者らの検討
によれば、同じ材質及び寸法の金属本体部及び硬質材料
部を有する超音波ホーンの場合、接合金属層中に空隙が
ほとんど存在しないものの上記直線の傾きを、作動効率
100%と定義すれば、空隙存在率を15%未満に制御
することで、該作動効率を80%以上の良好な値とする
ことができるのである。
【0014】空隙存在率が逆に15%より大きくなる
と、超音波ホーンの作動効率が悪化するだけでなく、接
合部の疲労強度が低下して超音波ホーンの寿命低下につ
ながることもありうる。それゆえ、上記空隙存在率は1
5%未満とするのがよく、望ましくは10%未満、より
望ましくは7%未満、一層望ましくは4%未満とするの
がよい。例えば空隙存在率を10%未満とすることで上
記作動効率は概ね85%以上とでき、同じく7%未満と
することで上記作動効率は概ね90%以上とでき、さら
に4%未満とすることで上記作動効率は概ね97%以上
とできる。
【0015】金属本体部の材質としては、強度及び信頼
性確保の観点から、炭素鋼、合金鋼あるいはステンレス
鋼等のFeを主体とする金属、さらには軽量かつ高強度
であり耐食性に優れたTiを主成分とする金属が本発明
には特に好適である。また、Al合金を使用してもよ
い。また、硬質材料部の具体的な材質としては、耐摩耗
性及び強度に優れていることから、Si、ZrO
、Al、SiC及びTiCのいずれかを主成分
とするセラミック、超硬合金及びダイヤモンド等のいず
れかを使用することができる。
【0016】次に、金属本体部と硬質材料部との接合構
造であるが、例えば硬質材料部がセラミック部である場
合、具体的には図1(a)に示すように、金属本体部と
なるべき金属本体部形成部材と、セラミック部となるべ
きセラミック部形成部材との間にろう材を介挿し、この
状態で所定温度に加熱して両部材をろう付けすることに
より得ることができる(なお、図1は模式的なものであ
って、ろう材、接合金属層及び接合反応層は、便宜的に
厚さを誇張して描いている)。この場合、ろう材として
は、活性金属成分としてのTi、Nb、Zr、Al、C
r及びVの1種又は2種以上を含有する活性ろう材を、
板状あるいは箔状に形成したものを使用できる。具体的
には、Ag−Cu−Ti系、Ag−Cu−In−Ti
系、Ag−Cu−Ti−Sn系、Cu−Ti系あるいは
Ag−Ti系等の各種組成のろう材の中から、金属本体
部とセラミック部との材質の組み合わせに応じて適宜選
択して使用する。
【0017】上述のようなろう付けの結果として得られ
る接合構造は、例えば図1(b)に示すようなものであ
る。すなわち、金属本体部とセラミック部との間におい
て、接合金属層が金属本体部側に、接合反応層がセラミ
ック部側に形成される。金属本体部及びセラミック部
は、出発素材である金属本体部形成部材及びセラミック
部形成部材の組成をほぼ維持している部分である。
【0018】次に、接合反応層は、主にろう材中の活性
金属成分とセラミック部の構成成分との反応に基づいて
形成されるものであり、活性金属成分としてのTi、N
b、Zr、Al、Cr及びVの1種又は2種以上の無機
化合物を主体に構成され、かつセラミック部とは異なる
組成を有するものとなる。例えばろう材中の活性金属成
分がTiであり、セラミック部がZrOやAl
を主体とする場合は、接合反応層は酸化チタン(TiO
あるいはTiO)を主体とするものとなる。また、活
性金属成分が同様にTiで、セラミック部が窒化珪素で
あると、接合反応層は主に窒化チタンあるいは珪化チタ
ンを主体とするものとなる。
【0019】なお、接合反応層を形成する活性金属成分
は、金属本体部が活性金属成分を含んで構成されている
場合(例えば、TiないしTi合金で構成されている場
合)には、接合に際して該金属本体部側からろう材層を
経てセラミック部側に拡散してきた活性金属成分や、あ
るいは接合に先立ってセラミック部形成部材の接合面に
施されるメタライズ層に含まれている活性金属成分な
ど、ろう材以外のものに由来するものであってもよい。
また、セラミック部形成部材の接合面にメタライズ層を
形成する場合、使用するろう材は、Ag−Cu系、Ag
−Cu−In系あるいはAl−Si系、Al−Si−C
u系等、活性金属成分を含有しないものを使用してもよ
い。
【0020】また、接合金属層は、ろう材に対応して形
成される部分であるが、金属本体部形成部材との間で成
分拡散し、さらに上記接合反応層形成のため、セラミッ
ク部形成部材との間でも成分拡散を起こすので、ろう材
成分は部分的に引き継ぎつつも、全体としての組成はも
とのろう材の組成とは一般には異なるものとなる。いず
れにしても、該接合金属層は、金属本体部とは組成の異
なる金属を主体に構成される部分となる。
【0021】なお、本明細書においては、金属本体部が
平均的な組成を示す領域の主金属元素成分(含有量の最
も大きい金属元素成分)の分析値レベルの最大値をC1
として、金属本体部と硬質材料部との接合方向において
上記主金属元素成分の含有量を金属本体部側から硬質材
料部側に向けて分析した場合に、その分析値が0.8C
1よりも大きい値から同じく小さい値に転ずる位置を、
接合金属層の一方の境界とする。また、その境界から硬
質材料部に向けて金属元素成分の全含有量Cgを分析し
た場合に、該Cgが10原子%よりも大きい値から同じ
く小さい値に転ずる位置を接合金属層の他方の境界とす
る。上記分析は、電子プローブ・マイクロ・アナライザ
(EPMA)、EDS(エネルギー分散型X線分光)及
びWDS(波長分散型X線分光)、オージェ電子分光法
(AES)等の公知の方法により実施することができ
る。
【0022】本発明の超音波ホーンにおいては、金属本
体部と硬質材料部とは、ろう付け以外に、拡散接合、摩
擦圧接あるいは溶接により接合してもよい。
【0023】また、接合熱処理時等における金属本体部
と硬質材料部との間の熱膨張差に起因した残留応力(あ
るいは熱応力)を緩和するために、両者の間に中間層
(あるいは緩衝板)を介挿することもできる。この中間
層は、例えばCuやNi等の軟質金属を主体とするもの
で構成でき、自身の塑性変形により上記残留応力を緩和
する働きをなす。また、硬質材料部がセラミック部であ
る場合、W合金やコバール等、セラミック部と金属本体
部との中間の線膨張係数を有する材質で中間層を構成し
てもよい。なお、中間層は、上記材質の薄板を金属本体
部側にろう付け等により接合する一方、セラミック部側
には前述のろう材等を介して同様にろう付け接合するこ
とができる。この場合、前述の接合反応層は上記中間層
とセラミック部との間に形成されることとなる。そし
て、接合により一体化した金属本体部と中間層との全体
をあらためて金属本体部と見直せば、当該構造も本発明
の請求項に記載した超音波ホーンの構成を有していると
見ることができる。
【0024】図5は、超音波探傷による空隙の検出原理
を示すものである。すなわち、図5(a)に示すよう
に、超音波発信器201から硬質材料部表面上の所定位
置に向けて接合方向に超音波ビームIpを入射する。超
音波は接合体(超音波ホーン)中を伝播するが、密度が
不連続に変化している界面、例えば図5(c)に示すよ
うに、接合体中に存在する空隙の表面では強く反射され
て、反射波(エコー)I0を生ずる。この反射波I0を超
音波受信器202で受ける。他方、硬質材料部と接合金
属層との接合界面、あるいは接合金属層と金属本体部と
の接合界面でも同様の反射が起こるが、この反射の程度
は空隙表面からの反射と比較して格段に小さい。従っ
て、反射波I0が接合界面(非欠陥部)からのものか、
あるいは空隙表面からのものかは、超音波受信器202
が受ける反射波I0の強度が所定の閾値よりも大きいか
否かにより容易に判別することができる。
【0025】そして、超音波発信器201と受信機20
2との対を硬質材料部表面、すなわち、図4の断面に沿
って走査しながら上記測定を行うことにより、断面内の
各位置からの反射波I0の強度分布を測定できる。この
場合、各位置の反射波I0の強度を受信機202を介し
て電圧信号に変換し(必要に応じてメモリに記憶でき
る)、表示装置等の出力装置に出力すれば、反射波I0
の強度分布を画素の濃淡により表示できる。例えば閾値
以上の強度を「1」(例えば黒に対応させる)、閾値以
下の強度を「0」(例えば白に対応させる)として二値
表示すれば、その表示画面上の明瞭域の合計面積Sに対
応するものとなるので、該面積から前述の空隙存在率
(S/S0)×100の値を算出することができる。
【0026】なお、超音波探傷の検出対象となる空隙の
寸法は、一般的な探傷装置の分解能を考慮して、20μ
m以上に設定するのがよい。ここで、「空隙の寸法」と
は、投影断面上で観察される空隙の外形線に対し、その
外形線と接しかつ空隙内を横切らないように2本の平行
線を、その空隙との位置関係を変えながら各種引いたと
きの、上記平行線間の距離の最大値dとして定義する。
また、本発明においては、反射波の閾値を次のように定
める。すなわち、図5(a)に示すように、例えば上記
接合体の金属本体部及び硬質材料部とそれぞれ同材質の
金属体と硬質材料体とを、互いに重ね合わせたのみで接
合は行っていない参照試料を用意し、これに対して同様
に超音波を入射して、そのときの反射強度を完全非接合
状態反射強度Q0とする。そして、このQ0の60%以上
の反射があった場合に、これを閾値として空隙部表面か
らの反射であるとみなすようにする。
【0027】なお、参照試料は、例えば次のようにして
作製したものを用いることができる。まず、接合体の反
射波の強度分布は、予め測定してメモリ等に記憶してお
く。次いで、その測定後の接合体を、セラミック体と金
属体との接合界面付近にて接合方向とほぼ直交する面に
より切断する(切断位置はセラミック体内とするより
は、接合金属層内か、あるいはそれよりも少し金属体側
に寄った位置とすれば、切断が比較的容易である)。そ
して、ろう材層や拡散・反応層(図1(b))等が完全
に除去されて、金属体ないしセラミック体の素地に到達
するまで各切断面を研磨し(仕上面粗度:例えば1μm
Ra以下)、その研磨後のセラミック体と金属体とを改
めて重ねあわせることにより参照試料とする。そして、
メモリ記憶された反射強度分布のデータと、参照試料に
よる完全非接合状態反射強度Q0のデータとに基づい
て、接合面積率を算出することができる。
【0028】また、超音波探傷法としては、図6に示す
ように、超音波発信器201と超音波受信器202とを
共用化することもできる。この場合、共用化された素子
(以下、探触子という)203からパルス状の入射波を
接合体に向けて発し、それに基づくパルス状の反射波を
その探触子203で受ける工程を繰り返すことにより測
定が行われる。この場合、図6(a)に示すように、探
触子203の超音波放射面(あるいは反射波の受波面)
を凹面状に形成し、接合体中の所定位置に入射波を収束
させる方式(点収束型)を用いてもよいし、同図(b)
に示すように、探触子203の超音波放射面を平面状に
形成し、入射波を接合体に対して平行波の形で入射させ
る方式(平行型)を用いてもよい。また、探触子203
の超音波放射面側の先端部と接合体とを水W中に没した
状態で測定を行うようにしてもよい。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面に示す実施例により説明する。図2は、本発明の一実
施例としての超音波ホーンを示している。該超音波ホー
ン1は、金属本体部2の超音波放射側の端面に硬質材料
部としてのセラミック部3が接合された構造を有する。
そして、金属本体部2の他方の端面2a側が超音波発生
源に接続され、超音波を該金属本体部2を経てセラミッ
ク部3の先端面3a側から放射させる。金属本体部2
は、超音波を放射面側に集中させるため、一方の端部
(この場合、端面2a側)が太く、他方の端部(この場
合、セラミック部3の接合側)が細く形成されている。
本実施例では、金属本体部2は、軸断面がほぼ円形で、
一定のアール2bが付与された段部が軸方向中間に形成
された丸棒状の形態を有している。また、セラミック部
3は、金属本体部2の端面形状に対応する円板状に形成
されている。
【0030】金属本体部2は、本実施例ではチタンない
しチタン合金で構成されているものとするが、炭素鋼、
合金鋼あるいはステンレス鋼等の鉄系材料で構成しても
よく、また、Al合金で構成してもよい。また、セラミ
ック部3は、Si、AlないしZrO
TiC、SiCなどの耐摩耗性及び強度に優れたセラミ
ックを主体に構成できるが、超硬合金あるいはダイヤモ
ンド焼結体等により構成してもよい。
【0031】該超音波ホーン1は、図3に示すように、
金属本体部2となるべき丸棒状の金属本体形成部材4の
小経側の端面4aに、セラミック部3となるべき円板状
のセラミック部形成部材5をろう材箔6を挟んで重ね合
わせ、軸方向に加圧しながら真空あるいは不活性ガス雰
囲気中で、温度700〜950℃で5〜120分加熱す
ることによりろう付け接合される。ここで、ろう材とし
ては、活性金属成分としてのTi、Nb、Zr、Al、
Cr及びVの1種又は2種以上を含有する活性ろう材、
例えばAg−Cu−Ti系、Ag−Cu−In−Ti
系、Ag−Cu−Ti−Sn系、Cu−Ti系、Ag−
Ti系等の活性ろう材が使用される。なお、真空蒸着、
スパッタリング、イオンプレーティング等の気相成膜法
により、セラミック部形成部材5の接合面にTi等の活
性金属のメタライズ処理を行なうこともできるが、この
場合はAg−Cu系、Ag−Cu−In系あるいはAl
−Si系、Al−Si−Cu系等の活性金属を含有しな
いろう材を用いることも可能である。また、ろう材層を
経た金属本体部2からのTi成分の拡散が期待できる場
合も同様である。
【0032】金属本体部2とセラミック部3との間に
は、図1に模式的に示すような接合金属層と接合反応層
とが形成される。これらの詳細については、図1を用い
て既に説明済みである。そして、本発明では、接合金属
層中の前述の空隙存在率を15%未満とすることによ
り、該接合金属層での超音波振動エネルギーの吸収を効
果的に抑制することができる。これにより、超音波の振
動損失が少なく効率的な処理が可能な超音波ホーンが実
現される。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例を実験データによりさ
らに詳しく説明する。まず、図2に示す超音波ホーン
を、図3に示す金属本体部形成部材4、ろう材箔6、セ
ラミック部形成部材5を用いて作製した。金属本体部形
成部材4はTi−6重量%Al−4重量%Vの組成を有
するTi合金により作製した。各部の寸法は、全長L1
を123mm、太軸部の長さL2を64mm、同じく外
径D1を43mm、細経側の外径D2を36mm、アール
2bの半径を15mmとした。
【0034】また、ろう材箔6は、Ag−Cu−Ti系
活性ろう材(組成:Ag−35重量%Cu−1.75重
量%Ti)により、外径36mm、厚さ0.05mmの
円板状とした。さらに、セラミック部形成部材5は、Z
rO系セラミック(組成:ZrO−11重量%Y
)により、外径36mm、厚さ4mmの円板状とし
た。
【0035】そして、上記金属本体部形成部材4、ろう
材箔6、セラミック部形成部材5を各種組み合わせによ
り、図3に示すように重ね合わせて所定の治具にセット
し、軸方向に100gの荷重をかけながら、真空熱処理
炉にて、真空度10−4torr、温度790℃、保持
時間30分の条件にて接合処理後、150℃まで炉冷し
たのち接合体を取り出した。こうして得られた接合体
の、金属本体部2の細経部とこれに接合されたセラミッ
ク部3との外周面を、外径が35mmとなるように研磨
することにより、超音波ホーンの各種試験品を得た。な
お、金属接合層中の空隙存在率を各種変化させるため
に、金属本体部形成部材4は、必要に応じてその接合面
に、ガラス系材料を各種面積にて予め塗布したものを用
いている。該ガラス材料はろう材の金属本体部側への濡
れ拡がりを部分的に抑制する作用を有し、その塗布面積
が大きくなるほど、形成される金属接合層中の空隙存在
率が大きくなる。
【0036】こうして得られた各超音波ホーンに対し、
既に説明した原理による超音波探傷法を行い、前述の空
隙存在率((S/S0)×100)の値をそれぞれ求め
た。ただし、使用した超音波探傷装置はクラウトクレー
マー社製のHIS−II型であり、図6(b)に示す平
行型探触子として同社製のM316Aを用いて常温・水
中にて測定を行った。また、探触子203からの超音波
の出力電圧は約25V、超音波周波数は30MHzであ
り、走査速度は100mm/秒とした。この結果を表1
に示している。
【0037】
【表1】
【0038】また、各超音波ホーンについては、別途、
下記の試験も行っている。 超音波ホーンへの投入電力値とホーン先端で得られる
振幅の相関 各超音波ホーンを超音波振動子と組み合わせ、振動子へ
の投入電力値を200W、400W、600Wの各値と
して、ホーン先端の振幅を顕微鏡(×500)にて読み
取った。得られたデータは入力値−振幅のグラフにプロ
ットし、その傾きを求めるとともに、空隙存在率がほぼ
0%の超音波ホーンの該傾きを超音波ホーンの作動効率
100%と定義して、各超音波ホーンの作動効率を評価
した。以上の結果を表1に示している。
【0039】粒度分布 分散剤としてヘキサメタリン酸ナトリウムを0.2重量
%配合した脱イオン水50ccに、窒化珪素粉末(平均
粒径:約0.8μm)を約0.1g投入したものを被処
理材として用意した。そして、投入電力値を60Wとし
て各超音波ホーンにより攪拌を行った。なお、攪拌時間
は10〜180秒の各種値とし、それぞれ画像解析法に
より粉末の粒度分布を測定して、そのメジアン径にて評
価を行なった。この場合、画像解析法で測定した粒度分
布では、1次粒子(分散粒子)と2次粒子(凝集粒子)
との判別が基本的にはなされないため、分散状態が悪い
粉末ほどメジアン径は大きく表れることとなる。以上の
結果を表2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】すなわち、表1の結果から、接合金属層中
の空隙存在率を15%未満とすることにより、該接合金
属層での超音波振動エネルギーの吸収を効果的に抑制す
ることができ、ひいては超音波の振動損失が少なく効率
的な処理が可能な超音波ホーンが実現されていることが
わかる。具体的には、接合金属層中に空隙がほとんど存
在しない超音波ホーンの作動効率を100%と定義すれ
ば、空隙存在率を15%未満に制御することで、該作動
効率を80%以上とできることがわかる。また、空隙存
在率を10%未満とすることで上記作動効率は概ね85
%以上とでき、同じく7%未満とすることで上記作動効
率は概ね90%以上とでき、さらに4%未満とすること
で上記作動効率は概ね97%以上とできることもわか
る。
【0042】また、表2の結果から、実施例の超音波ホ
ーンでは、いずれも180秒まで撹拌を継続すると、粉
末のメジアン径はほぼ平均粒径に近い値まで小さくなっ
ており、分散を良好に行なうことができることがわか
る。また、接合金属層中の空隙率が小さい超音波ホーン
ほど短時間でメジアン径が飽和値に近づき、撹拌性能が
高いことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波ホーンの金属本体部とセラミッ
ク部との接合構造を模式的に示す説明図。
【図2】本発明の超音波ホーンの一例を示す側面図。
【図3】その製造方法を示す側面図。
【図4】空隙存在率の定義を示す説明図。
【図5】空隙存在率の測定に用いる超音波探傷法の原理
図。
【図6】超音波探傷法に使用する探触子の例を示す説明
図。
【符号の説明】
1 超音波ホーン 2 金属本体部 3 セラミック部(硬質材料部) 4 金属本体部形成部材 5 セラミック部形成部材 6 ろう材箔
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 正也 愛知県名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日 本特殊陶業株式会社内 Fターム(参考) 3B201 BB84 3C036 AA00 LL07 5D107 AA03 AA09 BB01 FF03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属本体部と、その金属本体部の振動放
    射側端部に接合された硬質材料部とを有する接合体とし
    て構成され、 前記金属本体部と前記硬質材料部との間には、前記金属
    本体部とは組成の異なる金属を主体に構成される接合金
    属層が形成されるとともに、 前記接合金属層の厚さ方向中央を通り、かつ前記金属本
    体部に対する前記硬質材料部の接合方向と直交する平面
    により該接合金属層中に仮想的な断面(面積S0)を設
    定し、前記接合体中に形成されている空隙部を検出する
    ために、前記接合方向において前記硬質材料部側から超
    音波を入射することにより超音波探傷を行い、それによ
    って検出された空隙部を前記断面に投影したときに、そ
    の空隙投影部の全面積をSとして、(S/S0)×10
    0にて定義される空隙存在率が15%未満であることを
    特徴とする超音波ホーン。
  2. 【請求項2】 前記硬質材料部は、Si、ZrO
    、Al、SiC及びTiCのいずれかを主成分
    とするセラミック、超硬合金及びダイヤモンドのいずれ
    かにより構成されている請求項1記載の超音波ホーン。
  3. 【請求項3】 前記金属本体部は、Fe又はTiを主成
    分とする金属により構成されている請求項1又は2に記
    載の超音波ホーン。
  4. 【請求項4】 前記金属本体部と前記硬質材料部とは、
    ろう付け、拡散接合、摩擦圧接及び溶接のいずれかによ
    り接合されている請求項1ないし3のいずれかに記載の
    超音波ホーン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101263739B1 (ko) 2011-10-20 2013-05-13 한국표준과학연구원 유연성을 갖는 금속매쉬부를 갖는 진동초음파 공구혼 및 이를 이용한 비파괴 열화상 검사시스템 및 검사방법

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KR101263739B1 (ko) 2011-10-20 2013-05-13 한국표준과학연구원 유연성을 갖는 금속매쉬부를 갖는 진동초음파 공구혼 및 이를 이용한 비파괴 열화상 검사시스템 및 검사방법

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