JP2000070358A - 医療用ポンプ - Google Patents

医療用ポンプ

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JP2000070358A
JP2000070358A JP10246452A JP24645298A JP2000070358A JP 2000070358 A JP2000070358 A JP 2000070358A JP 10246452 A JP10246452 A JP 10246452A JP 24645298 A JP24645298 A JP 24645298A JP 2000070358 A JP2000070358 A JP 2000070358A
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piston
casing
liquid
pump
valve
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Takafumi Sakagami
崇文 坂上
Shusuke Takahashi
秀典 高橋
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Nissho Corp
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Nissho Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精度な流量制御ができ、衛生的な医療用ポ
ンプを提供する。 【解決手段】 両端に流出入口を有する筒状のケーシン
グ2と、ケーシング2内で摺動可能な磁性体を内蔵する
ピストン3と、ケーシング2内のピストン3を磁力で往
復運動させることが可能な駆動部10とからなり、ケー
シング2の流出入口に接続した導管上に介装した電磁弁
V1〜V4をピストン3の往復動と同期させることによ
り流体を連続移送するケーシング2の容積で流量が幾向
学的に特定されるので、流量が正確であり、ケーシング
2やピストン3が外部と接触しないので衛生的である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療用ポンプに関
する。さらに詳しくは、医療用の輸液回路、腹膜透析回
路、血液体外循環回路等の衛生面が重視されるような分
野に用いられ、安全で正確な量の薬液注入が可能な医療
用ポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】吐出量を高精度に制御できる医療用ポン
プとしてはシリンジポンプが知られている。このシリン
ジポンプは、一度に送液できる送液量がシリンジの容量
分しかなく、それ以上送液したい場合は再度シリンジ内
に被送液体を充填する必要があった。また、シリンジポ
ンプとバルブを組み合わせ、運動させることにより繰り
返し送液することも可能であるが、その際にはプランジ
ャーを押して外気に触れた外筒内壁が、再度プランジャ
ーを戻したときに被送液体に接触するため、細菌等が混
入する危険性があり、衛生的でなかった。
【0003】その他の医療用ポンプとしては、ローラポ
ンプや蠕動ポンプが知られている。これらは、いずれも
可撓性のチューブを利用しており、チューブの内径によ
る誤差が生じるため、送液量の精度が期待できなかっ
た。また、閉鎖系の定量ポンプとしては、ダイヤフラム
ポンプとベローズポンプが知られている。これらは、い
ずれも、吸入、吐出部分に弾性体を用いているために移
送量が移送流体や外部気圧等の影響を受けやすいことか
ら、送液量の精度を維持することが不可能であった。そ
の他の閉鎖系ポンプには、羽根車を磁力により駆動する
遠心ポンプが知られており、医療用としても血液の送液
に利用されているが、渦流ポンプであるため、やはり送
液量の精度は全く期待することができなかった。
【0004】医療用以外のポンプであれば、特開平8−
21356公報にシリンダー内で磁気的に結合したピス
トンを往復運動させる方式のポンプが開示されている。
しかし、ピストン上に設けられた逆止弁が、流体を押し
出すときは閉じ、流体を取り込むときは開くことを利用
しており、ポンプが停止しているときや、停止していな
くても流速が遅いときは誤差圧等の液圧がかかることで
バルブが開いてしまい、正確な定量ができなくなる可能
性があった。したがって、正確な量の薬液を注入しなけ
ればならない医療用ポンプには不適である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】以上のごとく、正確に
その薬液量を守って、注入しなければならない医療分野
において、精度面や衛生面において、これまで十分に満
足できる医療用ポンプは存在しなかった。
【0006】本発明はかかる事情に鑑み、閉鎖系で高精
度な高圧微量注入を可能とする医療用ポンプを提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1の医療用ポンプ
は、端部に液体の流出入口を有する筒状のケーシング
と、前記ケーシングの内壁に沿って液密に摺動可能な磁
性体を内蔵するピストンと、前記ケーシング内で、前記
ピストンに磁力を作用させて往復運動させる駆動部とを
含んでなることを特徴とする。請求項2の医療用ポンプ
は、請求項1記載の発明において、前記ケーシングが、
両端部に液体の流出入口を有していることを特徴とす
る。請求項3の医療用ポンプは、請求項1記載の発明に
おいて、前記ピストンが樹脂でコーティングされた磁性
体からなることを特徴とする。請求項4の医療用ポンプ
は、請求項1または2記載の発明において、前記ケーシ
ングの各流出入口に導管をそれぞれ接続し、各導管に開
閉弁を介装したことを特徴とする。請求項5の医療用ポ
ンプは、請求項4記載の発明において、前記開閉弁が、
電磁開閉弁であり、前記ピストンの往動作と復動作に同
期させて開閉し、前記ピストンの往復両動作により液体
を吐出させるようにしたことを特徴とする。
【0008】請求項1の発明によれば、ケーシング内面
およびピストンは外部と接触することがないので、外部
から細菌等が混入することがなく、極めて衛生的であ
る。また、ケーシングの容積とピストンのストロークが
一定しているので、液体の吐出量が極めて正確である。
請求項2の発明によれば、液体の流出入口がケーシング
の両端に設けられているので、ピストンの往復動作によ
って液体を連続吐出させることが可能となる。請求項3
の発明によれば、医療用流体が磁性体に直接触れないの
で、衛生的であり、ピストンの摺動時の摩擦も低減する
ので、作動効率が良くなる。請求項4の発明によれば、
導管に介装した開閉弁を開閉することで、連続的に液体
の吸引・吐出が行え、連続運転が可能となる。請求項5
の発明によれば、電磁弁を用いているので、ピストンの
動作と連動させて開閉させる制御が容易となり、自動運
転が可能となる。
【0009】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施形態を図面
に基づき説明する。図1は本発明の一実施形態に係る医
療用ポンプの断面図、図2は図1におけるII−II線断面
図である。
【0010】図1において、ポンプ部1は、筒状のケー
シング2内に円柱状のピストン3を摺動自在に収容した
構成になっている。ケーシング2およびピストン3の断
面形状は、これらがシール性を保ちつつ往復運動するこ
とが可能であればいずれの形状でもよい。例えば、円形
や、矩形、さらに円形のケーシング内壁に凸状溝を設け
ピストンには凹状溝を設けてピストンが回転しないよう
にした形状等が利用される。なお、製造上は円形が加工
しやすいので好ましい。
【0011】ケーシング2の材質は、樹脂等の非磁性体
が用いられる。ピストン3は磁性体4を内蔵しており、
例えば磁性体を樹脂等でコーティングしたものが好適に
利用される。このような構造では、医療用流体が磁性体
に直接触れることなく、移送が可能であり、かつピスト
ン3の摺動摩擦が低減するという利点がある。ポンプ部
1が定量性をもつためには、ケーシング2の内壁とピス
トン3の間にシール性を保つ必要があり、ケーシング2
またはピストン3のいずれかにゴムパッキン等のシール
部材が設けられている。さらに、潤滑性をよくするた
め、ケーシング2の内壁にシリコンオイル等の潤滑剤を
塗布してもよい。
【0012】ケーシング2の両端面にはそれぞれ2個所
の開口が設けられており、このうち一方の開口は流入口
4a、他方の開口は流出口5aである。ケーシング2の
一端に設けられた流入口4aに連通した導管6a上には
電磁弁V1が介装され、流出口5aに連通した導管7a
上には電磁弁V2が介装されている。また、ケーシング
の他端も同様に流入口4bと流出口5bが設けられ、流
入口4bに連通した導管6b上には電磁弁V3が介装さ
れ、流出口5bに連通した導管7b上には電磁弁V4が
介装されている。前記電磁弁V1および電磁弁V3から
延びた導管6a、6bは合流して導管6となり、移送元
へ連通する。前記電磁弁V2および電磁弁V4から延び
た導管7a、7bも合流して導管7となり、移送先へ連
通する。前記電磁弁の代りに、種々の手段で流路を開閉
できる開閉弁であれば、本発明に利用できるが、電磁弁
であれば、その開閉をポンプ部1の動作と連動させるこ
とにより、自動制御することが容易となる。電磁弁V1
〜V4は、種々のタイプを任意に採用できるが、衛生面
を考慮すると、液体が弁の構成部品に接触しないもの、
例えば可撓性チューブをチューブ上から押さえることで
閉止するピンチバルブが好適に利用できる。さらに、ボ
ールバルブやダイヤフラム式バルブ等も利用できる。
【0013】10は駆動部であり、図2に示すように、
アクチュエータ11と、その先端に取付けられたヘッド
12と、ヘッド12に取付けられたピストン3の磁性体
3mと逆極性の磁石12m とから構成されている。これに
よりヘッド12の移動に従動してピストン3が移動す
る。アクチュエータ11は、直線上に往復運動できるも
のであればどのようなものでもよいが、例えば、ラック
・ピニオン機構、ボールネジ機構等を用いてモーターの
回転運動を直線運動に変換する機構等が好適に利用され
る。上記の駆動部10において、モーターのトルクを検
知することで、移送する流体に加わる圧力や、ピストン
3がケーシング2の端面に接触したことを知ることがで
き、異常な圧力が発生した際の非常停止や、バルブ切り
換え用のリミットスイッチとして利用できる。また、流
体に加わる圧力を検知する別の方法としては、アクチュ
エータ11のシャフト内に歪みゲージを組み込み、歪み
ゲージで検出された歪みを圧力に換算して検知すること
もできる。
【0014】つぎに、本実施形態における医療用ポンプ
の送液作用を図1を参照しながら説明する。まず、ケー
シング2内を移送液体でプライミングする際に、ケーシ
ング2内部の空気を容易に押し出すため、好ましくは流
出側が鉛直方向上側になるように設置される。送液作用
はつぎの順序で行われる。 (1) 電磁弁V1、V4を開放し、ピストン3がケーシン
グ2の右側にくるようにヘッド12を右側へ移動させ
る。これにより、液体が流入口4aを経てケーシング2
内へ入り、先にケーシング2内に入っていた液体は流出
口5bから吐出する。なお、ピストン3が右端や左端に
接触したことは、モーターのトルクの上昇等で検知する
ことが可能であるが、アクチュエータ11のシャフト内
に設けられた歪みゲージを利用する方法、ケーシング外
に設けられた近接センサー等の位置センサーを利用する
方法等で検知できる。 (2) ピストン3がケーシング2の右端に接触したことを
確認できた後、電磁弁V1、V4を閉じ、電磁弁V2、
V3を開放して、ヘッド12を左側へ移動する。このヘ
ッド12に従動してピストン3も左側へ移動させる。こ
れにより、ケーシング2内の液体が流出口5aより吐出
され、同時に流入口4bより液体がケーシング2内へ流
入する。 (3) ピストン3がケーシング2の左端に接触した後、再
度(1) に戻り、(1) および(2) を繰り返すと連続的に液
体を移送することができる。
【0015】本実施形態の医療用ポンプにおいて、ピス
トンの移動は左端から右端まで全体を利用する必要はな
く、移動させる区間の両端にリミットスイッチを設けた
り、あるいはアクチュエータのモーターにサーボモータ
ーやステッピングモーターを用いることにより位置を検
出させることで、ある区間内で往復動作させることも可
能である。この場合、液体の吐出量を可変に調整するこ
とができる。
【0016】図3は本発明の他の実施形態に係る医療ポ
ンプの断面図である。本実施形態は、前記実施形態に対
し駆動部を変更したものである。この駆動部はケーシン
グ2の外にあり、ケーシング2の両端近辺に設けられた
電磁石21a 、21b と、ピストン3の位置を検出する位置
センサー22a 、22b とから構成されている。
【0017】つぎに、本実施形態における医療用ポンプ
の送液作用を図3に基づき説明する。 (1) まず、電磁弁V1、V4を開放し、左側の電磁石21
a をピストン3と同極性に、右側の電磁石21b をピスト
ン3と逆極性に励磁させることにより、ピストン3を右
側へ移動させる。ピストン3が右端に接触したことは、
ケーシング2外に設けられた近接センサー22b 等の位置
センサーにより検知できる。これにより、液体が流入口
4aを経てケーシング2内へ入り、先にケーシング2内
に入っていた液体は流出口5bから吐出する。 (2) ピストン3がケーシング2の右端に接触した後、電
磁弁V1、V4を閉じ、電磁弁V2、V3を開放して、
右側の電磁石21b をピストン3と同極性に、左側の電磁
石21a をピストン3と逆極性に励磁させることにより、
ピストン3を左側へ移動させる。ピストン3が左端に接
触したことは、ケーシング外に設けられた近接センサー
22a 等の位置センサーにより検知できる。これにより、
ケーシング2内の液体が流出口5aより吐出され、同時
に流入口4bより液体がケーシング2内へ流入する。 (3) ピストン3がケーシング2の左端に接触した後、再
度(1) に戻り、(1) および(2) を繰り返すことで連続的
に液体を移送することができる。
【0018】つぎに、本発明の他の実施形態を説明す
る。前記各実施形態において、電磁弁V1〜V4は、ポ
ンプ部1に対し近接して配置し、ユニット化したが、こ
れを分離して、ポンプと離れた場合、例えば、医療用流
体の供給源や、カテーテル等の供給先の部品近くに設け
てもよい。また、ポンプ部1と導管6a、6b、7a、
7b、電磁弁V1〜V4は一体的に結合したものも、分
離可能に組合せたものでもよい。分離可能な場合、電磁
弁や導管は使い捨て用を用いることもできる。
【0019】以上に説明した本発明の医療用ポンプによ
り移送する流体は、無菌性を保持する必要がある医療用
流体全般に有効に利用できるが、輸液、透析液等の薬剤
の移送に、とくに好適に利用できる。
【0020】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、ケーシング内
面およびピストンは外部と接触することがないので、外
部から細菌等が混入することがなく、極めて衛生的であ
る。また、ケーシングの容積とピストンのストロークが
一定しているので、液体の吐出量が極めて正確である。
請求項2の発明によれば、液体の流出入口がケーシング
の両端に設けられているので、ピストンの往復動作によ
って液体を連続吐出させることが可能となる。請求項3
の発明によれば、医療用流体が磁性体に直接触れないの
で、衛生的であり、ピストンの摺動時の摩擦も低減する
ので、作動効率が良くなる。請求項4の発明によれば、
導管に介装した開閉弁を開閉することで、連続的に液体
の吸引・吐出が行え、連続運転が可能となる。請求項5
の発明によれば、電磁弁を用いているので、ピストンの
動作と連動させて開閉させる制御が容易となり、自動運
転が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る医療用ポンプの断面
図である。
【図2】図1におけるII−II線断面図である。
【図3】本発明の他の実施形態に係る医療ポンプの断面
図である。
【符号の説明】
1 ポンプ部 2 ケーシング 3 ピストン 3m 磁性体 4a、4b 流入口 5a、5b 流出口 6a、6b、7a、7b 導管 10 駆動部 11 アクチュエータ 12 ヘッド V1〜V4 電磁弁

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】端部に液体の流出入口を有する筒状のケー
    シングと、前記ケーシングの内壁に沿って液密に摺動可
    能な磁性体を内蔵するピストンと、前記ケーシング内
    で、前記ピストンに磁力を作用させて往復運動させる駆
    動部とを含んでなることを特徴とする医療用ポンプ。
  2. 【請求項2】前記ケーシングが、両端部に液体の流出入
    口を有していることを特徴とする請求項1記載の医療用
    ポンプ。
  3. 【請求項3】前記ピストンが樹脂でコーティングされた
    磁性体からなることを特徴とする請求項1記載の医療用
    ポンプ。
  4. 【請求項4】前記ケーシングの各流出入口に導管をそれ
    ぞれ接続し、各導管に開閉弁を介装したことを特徴とす
    る請求項1または2記載の医療用ポンプ。
  5. 【請求項5】前記開閉弁が、電磁開閉弁であり、前記ピ
    ストンの往動作と復動作に同期させて開閉し、前記ピス
    トンの往復両動作により液体を吐出させるようにしたこ
    とを特徴とする請求項4記載の医療用ポンプ。
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