JP2000069311A - 装置の制御方法、画像処理装置 - Google Patents

装置の制御方法、画像処理装置

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JP2000069311A
JP2000069311A JP11257109A JP25710999A JP2000069311A JP 2000069311 A JP2000069311 A JP 2000069311A JP 11257109 A JP11257109 A JP 11257109A JP 25710999 A JP25710999 A JP 25710999A JP 2000069311 A JP2000069311 A JP 2000069311A
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JP11257109A
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English (en)
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Shigeaki Sumiya
繁明 角谷
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 テーブルのデータ補間における処理時間を短
縮する補間方法および該方法を適用して色補正を行う画
像処理装置を提供する。 【解決手段】 所定の次元の座標空間に離散的に格子点
を設定する。入力された座標値が、前記格子点により形
成されるいずれの小格子に属するかを判断し、小格子の
基準点と、そこからの偏差に相当するオフセット座標と
を求める。オフセット座標に対応して補間演算に用いら
れる重み係数等を予め記憶したオフセット補正テーブル
を用いて重み係数を求める。小格子を形成する格子点に
対応するデータにこの重み係数を乗じてテーブルの補間
を行う。該テーブルを色空間における色補正データを記
憶したテーブルとすれば画像処理装置を構成することが
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、所定次元の座標空
間に離散的に存在する点に対応して記憶された被補間デ
ータを、前記座標値の組み合わせに応じて補間する補間
演算を用いて装置を制御する制御方法に関する。また、
入力された画像データの色補正を前記補間演算を適用し
て実行する画像処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】離散的な座標値に対応して所定のデータ
を記憶したテーブルを補間して、任意の座標値に対応し
たデータを得る技術、いわゆるデータ補間が従来より種
々の装置の制御に適用されている。データ補間は、関数
化することが困難なデータを扱う場合に非常に有効であ
る。また、データ補間を適用すれば、テーブルに予め記
憶しておくデータ量を減らすことができるという利点も
ある。かかる利点を活かした具体例として、カラー原稿
等を、スキャナ等の画像入力部を用いて読み取り、読み
取られた画像データを、例えばCRTなどのディスプレ
イや、カラープリンタ等を用いて再生表示させる画像処
理装置の制御処理、即ち色補正処理が挙げられる。
【0003】ディスプレイやカラープリンタなどの画像
出力装置は、それぞれ特有の色再現特性を有する。スキ
ャナ等を用いて入力したカラー画像の色を、出力装置に
応じて良好に再生するための技術として、使用する画像
出力装置の色再現特性に応じてカラー画像を色補正する
処理を行う手法が提案されている。このような色補正手
法の一つとして、例えば特開昭63−2669号公報に
示された技術がある。この技術では、レッド(以下、R
と記す)、グリーン(以下、Gと記す)、ブルー(以
下、Bと記す)の3色の階調値の全ての組み合わせに対
応した色補正テーブルを用意している。この色補正テー
ブルは、3次元座標で表わされた色空間内の総ての位置
についての色補正内容を予め記憶している。画像処理装
置は、この色補正テーブルを参照することによって色補
正を行う。
【0004】この色補正手法は、使用する色補正テーブ
ルの記憶容量が膨大なものとなってしまうため、実用性
が十分ではなかった。例えば、入力される原カラー画像
データがR,G,B各色毎に8ビット(256階調)の
階調数をもつ場合、色数は256の3乗で約1678万
色にもなる。色補正後のデータも同じく8ビットだとす
ると、R,G,B3色分では、色補正テーブルとして4
8メガバイトもの記憶容量が必要となる。
【0005】一方、色補正テーブルの容量を抑えること
により、記憶容量に関する課題を解決した技術として、
色空間を所定の間隔で分割し、この分割により得られた
格子点についてのみ用意された色補正データを用いる画
像処理方法が提案されている。こうした画像処理方法の
一つとして、データ補間による処理、例えば、特開平4
−144481号公報記載の処理方法および特開平4−
185075号公報記載の処理方法がある。これらの方
法は、上記格子点以外の画像データに関しては、格子点
のデータを利用して補間演算を行うことにより色補正デ
ータを求め、色補正処理を行うものである。
【0006】具体的に、3次元の色空間における画像デ
ータの近傍に存在する8つの格子点について用意された
色補正データを用いて補間する場合を考える。8つの格
子点は、画像データまわりの格子点により形成される立
方体(以下、小格子と呼ぶ)の各頂点に相当する。8つ
の格子点における色補正データをT(a,b,c)、・
・・T(a+1,b+1,c+1)とすると、画像デー
タに対応した色補正データTは、次式により求められ
る。 T=(1−γa)(1−γb)(1−γc)T(a ,b ,c ) + γa・(1−γb)(1−γc)T(a+1,b ,c ) +(1−γa)・ γb・(1−γc)T(a ,b+1,c ) +(1−γa)(1−γb)・ γc・T(a ,b ,c+1) + γa・ γb・(1−γc)T(a+1,b+1,c ) + γa・(1−γb)・ γc・T(a+1,b ,c+1) +(1−γa)・ γb・ γc・T(a ,b+1,c+1) + γa・ γb・ γc・T(a+1,b+1,c+1) ここで、γa、γb、γcはそれぞれ画像データと各格
子点との間の色空間上の距離に応じて定まる重み係数で
ある。この他に、画像データ近傍の4つの格子点を用い
て補間する方法もある。この方法では、上記小格子中に
おける画像データの位置関係に応じて、その小格子の頂
点から4つを選択して補間演算を行うのである。
【0007】かかる処理を行うものとすれば、前述のよ
うな膨大な色補正テーブルを用意する必要がない。ま
た、補間演算により一つ一つの画素について比較的小さ
い誤差で色補正データを求めることができるため、特別
な対策を施さなくても十分良好な画像が得られる利点も
ある。このようにデータの記憶量を減らすことができる
利点に鑑み、データ補間の技術は種々の装置の制御処理
において適用されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、データ補間に
よる制御処理においては、任意の座標値の組み合わせに
対応したデータを得るために、複雑な補間演算処理を実
行する必要がある。例えば、上述した画像データ近傍の
8つの格子点を用いて補間する方法においては、各画素
の一色成分の補間につき24回の乗算と7回の加算を必
要とする。全画素、全色成分について補間演算を行う場
合には、膨大な演算が必要となる。一般に、データ補間
は頻繁に繰り返し実行されるため、全体として膨大な演
算が必要になることが多い。
【0009】また、データを記憶したテーブルの次元が
上がるにつれて、一つのデータを得るための処理内容も
複雑になる傾向がある。例えば、上述した画像処理装置
のように3次元のデータを補間する場合、画像データ近
傍の4つの格子点を用いて補間演算を行う際には、画像
データの位置関係に応じて、その小格子の頂点から4つ
を選択する条件分岐が必要となる。例えば、RGBの3
次元の色空間において、画像データ近傍に図1に示す通
りK,R,G,B,C,M,Y,Wの8つの格子点が存
在している場合を考える。これらの格子点で形成される
立方体は、図1に示すTetra0〜Tetra5の6
つの四面体に分割することができる。4つの格子点を用
いて補間演算を行う場合には、まず画像データのR成
分、G成分およびB成分の大小関係に基づいて、画像デ
ータがこれらの6つの四面体のいずれに属するかを判断
する必要があるのである。なお、この判断方法について
は、後で詳述する。補間するテーブルの次元がさらに上
がれば、処理内容はさらに複雑なものとなる。
【0010】以上の原因により、データ補間には、非常
に長い処理時間を要していた。画像処理装置に関して言
えば、最近では出力画像の高解像度化が進み画素数が増
大する傾向にあるため、画像処理に要する時間はますま
す増大していた。近年、CPUの処理速度が著しく向上
しているものの、これだけでは画像処理速度の十分な改
善は図れない状況であった。データ補間を適用するその
他種々の制御処理においても同様の傾向にあった。
【0011】本発明は、これらの問題を解決し、装置の
制御処理におけるデータ補間の処理時間を短縮し得る技
術を提供することを第1の目的とする。また、画像処理
における色補正に該技術を適用して、色補正誤差を増大
させることなく、色補正の処理時間を短くする技術を提
供することを第2の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するために、本発明では次の構成を採っ
た。本発明の制御方法は、所定次元の座標空間に離散的
に存在する格子点に対応して記憶された装置の制御処理
に関与するパラメータを、前記座標値の組み合わせに応
じて補間演算することによって、該装置の制御処理を行
う制御方法であって、(a) 前記座標空間の前記各次
元ごとに離散的に設定された座標値の組み合わせによっ
て定義される格子点について、該座標値の組み合わせか
らなる格子点情報を記憶した格子点情報テーブルと、前
記各格子点に対応して前記パラメータを記憶した被補間
テーブルと、前記被補間テーブルを補間して前記入力デ
ータに対応する値を演算する際に必要となる補間演算デ
ータを前記オフセット座標値に対応して記憶する、前記
小格子の数よりも少ない種類のオフセット補正テーブル
とを予め用意する工程と、(b) 前記座標空間におい
て、前記各次元ごとに予め有限個に設定された座標値の
組み合わせからなる入力データを入力する工程と、
(c) 隣接する前記格子点によって前記次元で形成さ
れる複数の小格子のうち、前記入力データがいずれの小
格子に属するかを、前記格子点情報に基づいて判定する
工程と、(d) 前記入力データを、該入力データが属
する小格子の格子点のうち基準となる基準格子点の座標
値と、前記各次元について該入力データと該基準格子点
の座標値との偏差を表すオフセット座標値とに変換する
工程と、(e) 前記オフセット座標値に対応した補間
演算データを前記オフセット補正テーブルから読み出す
とともに、前記基準格子点および該基準格子点に隣接す
る所定の格子点に対応した前記パラメータを前記被補間
テーブルから読み出し、前記補間演算データを用いて該
被補間データの補間演算を行う工程とを備えることを要
旨とする。
【0013】この制御方法では補間演算において、各格
子点に対応した被補間テーブルを補間する際、入力デー
タを、該データが属する小格子の基準点の座標値とオフ
セット座標値に変換する。このオフセット座標値に対応
して補間演算データを与えるオフセット補正テーブルが
用意されているため、該テーブルを参照することで補間
演算データを容易に求めることができる。従来はオフセ
ット座標値に応じて、複雑に条件分けをした上で処理し
ていた補間演算がオフセット補正テーブルを参照するだ
けで実行できるようになるのである。当然、補間演算に
要する演算量も減少する。この結果、上述の補間演算で
は、補間演算の誤差を増大させることなく、その処理速
度を向上することができ、制御処理全体の速度を向上す
ることができる。
【0014】本発明の制御方法は、以下に示す種々の態
様で適用することができる。第1の態様として、前記装
置は、画像の色データの色補正を行う画像処理装置であ
り、前記入力データは、2次元以上の色空間における階
調値の組み合わせによって色成分を表す色データであ
り、前記被補間テーブルは、入力データとは異なる色系
で表された色成分と、入力データとの対応を示す色補正
テーブルであるものとすることができる。
【0015】こうすれば、画像データの色成分を他の色
系で表された色成分に変換する色補正処理を高速に実行
することができる。例えば、色補正処理としては、RG
Bの3次元で表された色成をシアン、マゼンダ、イエ
ロ、ブラックの4色で表された色系に補正する処理が挙
げられる。
【0016】第2の態様として、前記入力データは、該
装置の運転状態に関与するパラメータの組み合わせから
なるデータであり、前記被補間テーブルは、該装置の制
御量に関与するパラメータを記憶したテーブルであるも
のとすることもできる。
【0017】運転状態に関与するパラメータや制御量に
関与するパラメータは、制御対象となる装置によって種
々のパラメータを選択可能である。例えば、制御対象が
ジェットエンジンである場合、運転状態に関与するパラ
メータとして、ジェットエンジンが運転される高度や速
度、スロットルレイティングなどを選択することができ
る。また、制御量に関与するパラメータとして推力を選
択することができる。もちろん、これらのパラメータに
は相関があるから両者の一部を入れ替え、運転状態に関
与するパラメータとして高度、速度、推力を選択し、制
御量に関与するパラメータとしてスロットルレイティン
グを選択するものとしてもよい。
【0018】制御対象となる装置としては、エンジンや
輸送機器、産業機械など種々の装置が挙げられる。ま
た、このように機械的に動作する装置のみならず、電気
回路や光学系など種々の装置も制御対象となる。なお、
第2の態様は、前記装置を実際に制御する処理のみなら
ず、該装置の運転状態のシミュレーションにおいて適用
することもできる。
【0019】第3の態様として、本発明を装置のファジ
ィ制御に適用する場合には、前記入力データは、前記制
御に関わる状態量を表すパラメータの値であり、前記被
補間テーブルは、メンバシップ値を記憶したテーブルで
あるものとすることもできる。
【0020】ファジィ制御とは、流動性を含んだ、あい
まいなパラメータに基づく制御理論をいう。車両の速度
制御を例に説明する。ファジィ制御では、「車両が遅け
れば加速する」というタイプの制御がなされる。車両を
ある特定の速度に一致させる制御ではなく、「遅い」と
いうあいまいなパラメータを用いて制御するのである。
このようなあいまいなパラメータを数理的に表した関数
はメンバシップ関数と呼ばれ、該関数の関数値はメンバ
シップ値と呼ばれる。「遅い」というあいまいなパラメ
ータを用いて制御する場合、メンバシップ関数は、車両
の速度に対して「遅い」と認識される確率を0〜1.0
の実数値で与える関数となる。
【0021】ファジイ制御では、テーブルとして記憶さ
れたメンバシップ関数を制御に関わる状態量に応じて補
間することによって、制御量を求める。メンバシップ関
数の補間はファジイ制御において頻繁に行われる。従っ
て、本発明の制御方法を上述の態様でメンバシップ関数
の補間に適用すれば、ファジィ制御の処理を非常に高速
に実行することができる。
【0022】第4の態様として、装置の制御処理におい
て、第1の座標系で表されたデータを第2の座標系に座
標変換する処理が行われる場合には、前記入力データ
は、前記第1の座標系における座標値の組み合わせから
なるデータであり、前記被補間テーブルは、各格子点を
前記座標変換した場合の第2の座標系の座標値を記憶し
たテーブルであるものとすることもできる。
【0023】こうすれば、座標変換を高速に行うことが
できる。第1および第2の座標系としては、種々の座標
系を選択することができる。例えば、第1の座標系とし
て、3次元の直交座標系(x、y、z)を選択し、第2
の座標系として3次元の極座標系(r、θ、φ)を選択
した場合を考える。直交座標系から極座標系への変換
は、平方根および三角関数を含んだ次式(1)により行
われる。平方根および三角関数は時間を要する演算であ
る。 r=√(x×x+y×y+z×z); θ(rad)=cos−1(x/√(x×x+y×y)); φ(rad)=cos−1(z/√(x×x+y×y+z×z))・・・(1 );
【0024】かかる演算によれば、例えば第1の座標系
におけるA点(1,0,0)およびB点(1,1,0)
は次の通り変換される。 A:(1,0,0) → Ap:(r、θ、φ)=(
1, 0,π/2); B:(1,1,0) → Bp:(r、θ、φ)=(√
2,π/4,π/2);
【0025】上記第4の態様による補間演算を適用した
座標変換では、いくつかの代表的な点について、第1の
座標系における座標値と第2の座標系における座標値と
をテーブルとして記憶する。このテーブルを補間するこ
とにより、座標変換を行うのである。上述の例でいえ
ば、A点とB点の中間に位置するC点(1,0.5,
0)に対応する第2の座標系での座標値は、Ap,Bp
点の座標値を補間することにより求めることができる。
上記第4の態様では、この補間演算を高速に行うことが
できるため、第1の座標系から第2の座標系への変換を
高速で実行することができ、制御処理を高速に行うこと
ができる。
【0026】なお、第1の座標系と第2の座標系が直交
座標系と極座標系である場合のように、線形変換によっ
て変換可能な関係にない場合には、上記第4の態様によ
る座標変換には若干の誤差が含まれる。かかる誤差は補
間される被補間テーブル中の格子点の間隔によって変化
する。従って、座標変換時の誤差が十分許容範囲に入る
間隔で被補間テーブルを設定しておくことが望ましい。
【0027】上記態様において、第1の座標系、第2の
座標系には種々の座標系を適用することができるのは、
いうまでもない。また、両座標系に一義的な対応関係が
存在すれば、必ずしも両座標系の次元が一致している必
要もない。例えば、第1の座標系を3次元の直交座標系
とし、第2の座標系を2次元の直交座標系として、第1
の座標系で表される座標を第2の座標系で表される平面
に投影する変換を行う際に、上記態様による補間演算を
適用することも可能である。
【0028】第5の態様として、装置の制御処理におい
て、第1の座標系で表されたデータを線形変換により第
2の座標系で表されたデータに変換を行う場合には、前
記入力データは、前記線形変換を特定するパラメータの
組み合わせからなるデータであり、前記被補間テーブル
は、前記線形変換において、前記第1の座標系で表され
たデータに乗ぜられる係数を記憶したテーブルであるも
のとすることもできる。
【0029】こうすれば座標の線形変換を非常に高速に
実行することができる。代表的な線形変換としては、座
標の回転が挙げられる。かかる場合には、線形変換を特
定するパラメータとして、座標の回転角度を選択するこ
とができる。例えば、Xe軸、Ye軸、Ze軸からなる
第1の直交座標系における座標値(xe,ye,ze)
を回転して、Xb軸,Yb軸,Zb軸からなる第2の直
交座標系における座標値(xb,yb,zb)に変換す
る場合を考える。図33に示すように、第1の直交座標
系を、最初にZe軸周りにψ(rad)回転し、次にY
e軸周りにθ(rad)回転し、最後にXe軸周りにφ
(rad)回転して第2の座標系に変換するものとす
る。ψ、θ、φは座標変換に関し、いわゆるオイラー角
と呼ばれる角度である。かかる線形変換は3×3の変換
マトリックスを第1の座標系における座標値に乗じた次
式(2)により行うことができる。変換マトリックスの
9つの成分a11〜a33は、上述のオイラー角に応じ
て周知の設定される。
【0030】 xb=sinθcosψ・xe+(-sinθsinψ)・ye+cosθ・ze =a11・xe+a12・ye+a13・ze; yb=(-sinφcosθcosψ+cosφsinψ)・xe +(sinφcosθsinψ+cosφcosψ)・ye+sinφsinθ・ze =a21・xe+a22・ye+a23・ze; zb=(cosφcosθcosψ+sinφsinψ)・xe +(-cosφcosθsinψ+sinφcosψ)・ye+(-cosφsinθ)・ze =a31・xe+a32・ye+a33・ze; ・・・(2 )
【0031】第5の態様による補間演算を適用した座標
変換処理では、オイラー角ψ、θ、φの組み合わせに対
し、上記9つの成分a11〜a33を与えるテーブルを
被補間テーブルとして記憶する。座標変換処理において
与えられたオイラー角に応じて、被補間テーブルを補間
することによって上記9つの成分a11〜a33を求め
ることができる。第5の態様による補間演算によれば、
かかる補間演算を高速で実行することができるため、座
標変換を高速で行うことができ、制御を高速に行うこと
ができる。なお、第5の態様によるデータ補間は、種々
の次元の座標変換に適用可能であるし、直交座標系以外
の座標系にも適用可能であることはもちろんである。
【0032】先に第1の態様で説明した通り、本発明の
制御方法は、画像処理装置を制御して、画像データの色
補正を行う処理に適用することが可能である。また、こ
の処理では、処理対象となるデータ量が膨大であるた
め、本発明の制御方法を特に有効に活用することができ
る。本発明は、以下に示す通り、上述した制御方法を適
用した画像処理装置として構成することもできる。
【0033】本発明の画像処理装置は、2次元以上の色
空間において各次元ごとに予め定めた階調数に対応した
座標値を用いて表された多色の画像を色補正して出力す
る画像処理装置であって、前記画像の各画素について、
前記座標値からなるカラー画像データを入力する入力手
段と、前記色空間を前記各次元ごとに前記階調数よりも
少ない数に分割することにより得られた格子点の座標値
からなる格子点情報を格子点情報テーブルとして記憶す
る第1のメモリと、前記各格子点に対応して、色の補正
量に関する色補正データを色補正テーブルとして記憶し
た第2のメモリと、隣接する前記格子点によって前記次
元に対応して形成される複数の小格子のうち、前記カラ
ー画像データがいずれの小格子に属するかを、前記格子
点情報に基づいて判定する小格子判定手段と、前記カラ
ー画像データを、該カラー画像データが属する小格子の
基準となる基準格子点の座標値と、前記各次元ごとに該
カラー画像データと該基準格子点の座標値との偏差を表
すオフセット座標値とに変換する画像データ変換手段
と、前記カラー画像データに対応する色補正データを前
記色補正テーブルを補間して求める際に必要となる補間
演算データと前記オフセット座標値との対応を、前記小
格子の数よりも少ない種類のオフセット補正テーブルと
して記憶する第3のメモリと、前記オフセット座標値に
対応した補間演算データを前記オフセット補正テーブル
から読み出すとともに、前記基準格子点および該基準格
子点に隣接する所定の格子点に対応した色補正データを
前記色補正テーブルから読み出し、該補間演算データを
用いて該色補正データの補間演算を行い、該演算結果を
補正済みのカラー画像データとして出力する色補正手段
とを備えたことを要旨とする。
【0034】このように画像処理装置を構成すれば、先
に制御方法において説明した作用に基づき、補間演算の
誤差を増大させることなく色補正テーブルの補間処理を
高速で実行することができ、画像処理の速度を向上する
ことができる。
【0035】ここで、二次元以上の色空間としては、R
GBやCMY系の色空間のみならず、XYZ表色系で表
わされた色空間、L*a*b*表色系、L*C*h表色
系、マンセル表色系など、種々の色空間を考えることが
できる。階調数としては、これらの座標値がnビット数
のディジタルな情報により表現されている場合には、2
のn乗(例えば8ビットなら256)の階調により表現
されることが多いが、100階調や17階調など、2の
n乗以外の階調数であっても差し支えない。
【0036】なお、上記発明における格子点は、色空間
を各次元について階調数よりも少ない数に分割した場合
の交点として得られるものであるが、該分割は一定間隔
の区間により分割されている必要はない。これは、各次
元について低濃度領域から高濃度領域まで一定間隔で分
割する必要はないことを意味する他、次元間の統一も不
要であることを意味する。つまり、ある次元(例えばR
GBの色空間におけるR方向)については一定間隔で分
割し、他の次元(G,B方向)については不均一な間隔
で分割するものであってもよい。さらに、各次元間で分
割数が統一されている必要もない。また、オフセット補
正テーブルは単一の種類のテーブルとすることが好まし
いが、上記色空間の分割に応じて、複数種のテーブルを
類用意するものとしてもよい。
【0037】上記画像処理装置において、前記色空間の
分割は、前記色補正テーブルに記憶された色補正データ
のデータ量と前記オフセット補正テーブルに記憶された
補間演算データのデータ量とが略同一になる分割である
ことが望ましい。
【0038】このように色空間を分割することにより、
色補正データの記憶に要するメモリ量と補間演算データ
の記憶に要するメモリ量の総計を概ね最小に抑えること
ができる。この点について、各次元についてL階調を有
するn次元の色空間を等間隔に分割した場合を例にとっ
て説明する。このとき、全ての小格子は同一のものとな
るため、オフセット補正テーブルが単一のテーブルとな
る。色空間をm階調からなる間隔で分割するとすれば、
色空間は各次元ごとに(L/m)個の区間に分割され
る。色補正データが各格子点に対してA個ずつ用意され
るとすれば、そのデータ量は次式(3)で表される。 色補正データのデータ量=A・(L/m)^n・・・(3) ここで、^はべき剰演算子を表すものとする。
【0039】一方、オフセット補正データが、小格子に
含まれる各次元についてm個ずつの座標値に対応してB
個ずつ用意されるとすれば、そのデータ量は次式(4)
で表される。 オフセット補正データ量=B・m^n・・・(4) 両者の総計を上式(3)および(4)により求め、これ
らによく知られている数学定理である相加・相乗平均の
定理を適用すると、次式(5)からなる関係が成立す
る。 データの総計=A・(L/m)^n+B・m^n ≧2√(A・(L/m)^n・B・m^n) =2√(A・B・L^n)・・・(5) 相加・相乗平均の定理によれば、上式(5)においてデ
ータの総計が最小値2√(A・B・L^n)となるの
は、相加平均を与える2つの項、つまりA・(L/m)
^n(色補正データのデータ量)とB・m^n(オフセ
ット補正データ量)が等しいときである。従って、色補
正データのデータ量とオフセット補正データのデータ量
が等しい場合に、データを記憶するためのメモリ容量が
最小となることが分かる。以上よりメモリ容量を最小と
する色空間の分割間隔mは、 A・(L/m)^n=B・m^n なる方程式を解くことにより与えられ、その解をmxと
すれば、 mx=(A・L^n/B)^(1/2n) である。
【0040】ここで、上式における階調数L、mおよび
色空間の次元nは、整数であり階調mxは整数解が存在
するとは限らないため、色補正データのデータ量とオフ
セット補正データのデータ量が厳密に等しくなる関係、
つまり階調数m=mxなる関係は、成立し難い。また、
実際には階調数はビットで表すことが多いため、m=2
^X(Xは整数)なる関係も成立することが望ましい。
従って、色補正データのデータ量とオフセット補正デー
タのデータ量が厳密に等しくなくても、両者が略同一と
なる様に色空間を分割しておけば、両者のデータを記憶
するメモリ容量を概ね最小に抑えることができる。具体
的には、上記階調mxに対し、 mx/2≦m≦2・mx なる範囲で2^X(Xは整数)なる条件を満足する階調
数mを求めればよい。また、色補正データの各格子点あ
たりのデータ数Aとオフセット補正データの各座標点あ
たりのデータ数Bとが概ね等しい場合において、色空間
が各次元についてNビットからなる階調数を有している
とすれば、分割の階調数mを(N/2)ビットからなる
間隔とするときに上記データ量の総計は最小となる。
【0041】前記色空間が3次元の色空間である場合に
は、前記オフセット補正テーブルに記憶される補間演算
データは格子点特定データと重み係数データとからな
り、前記格子点特定データは、前記オフセット座標値に
応じて、前記補間演算に用いられる4つの格子点の少な
くとも一部を特定するデータであり、前記重み係数デー
タは、前記オフセット座標値に応じて、前記補間演算に
おいて、前記各格子点に対応した前記色補正データに乗
ぜられる係数データであることが望ましい。
【0042】かかる構成を採ることにより、該オフセッ
ト補正テーブルは、基準格子点と他の3点からなる4点
を用いた補間演算(以下、四面体法と呼ぶ)に適用する
ことができる。四面体法は、色空間が3次元である場合
に最も演算量が少なくて済む補間演算方法として知られ
るものである。四面体法ではオフセット座標に応じて補
間演算に用いる4つの格子点を選択する処理が必要とな
るが、上記構成におけるオフセット補正テーブルは該格
子点の少なくとも一部を格子点特定データとして記憶し
ている。従って、該テーブルを参照することにより格子
点の選択をすることができる。この結果、格子点を選択
する処理が簡略化されたものとなり、3次元からなる色
空間に関する画像処理を非常に高速で実施することがで
きる。なお、重み係数データは、色補正データに直接乗
ぜられるデータとしてもよいし、色補正データに乗ぜら
れる係数の算出に用いられるデータとしてもよい。
【0043】色空間が均一な間隔で分割されていない場
合においては、前記格子点の各間隔が前記各次元におい
てそれぞれ一定の仮想格子点間隔となるように座標変換
する正規化手段を備え、前記画像データ変換手段は、前
記カラー画像データが属する小格子についてその基準と
なる基準格子点の座標値と、前記各次元について該カラ
ー画像データと該基準格子点の座標値との偏差を前記正
規化手段により変換された座標において表すオフセット
座標値とに変換する手段とすることが望ましい。
【0044】かかる構成を採ることにより、仮想格子点
間隔からなる小格子についてオフセット補正テーブルを
用意すれば、該テーブルを全ての小格子について適用す
ることができる。この結果、色空間が均一な間隔で分割
されていない場合でも、オフセット補正テーブルを一種
類に統一することができ、補間演算データを記憶するメ
モリ容量を少なくすることができる。また、カラー画像
データが属する格子に応じて、条件分岐してオフセット
補正テーブルを使い分ける必要がなくなるため、画像処
理を高速に行うことができる。
【0045】なお、補間演算における色補正誤差を最も
小さくするため、上記仮想格子点間隔は色空間の分割に
応じて数種類存在する格子点間隔のうち、最も多数とな
る間隔と一致させることが望ましい。具体的に、色空間
が間隔aおよび間隔bの2種類の間隔で分割されている
場合に、間隔aからなる格子点間隔が全体の90%を占
め、残りの10%の格子点間隔が間隔bであるときは、
仮想格子点間隔を間隔aに設定することが望ましい。も
っとも、仮想格子点間隔はいずれかの格子点間隔と一致
している必要はなく、自由に設定することができる。従
って、例えば、オフセット補正テーブルのデータ容量が
比較的少なくなるように、格子点間隔よりもやや小さい
間隔を設定するものとしてもよい。
【0046】上記正規化手段を備える場合には、前記正
規化後の間隔は、前記色空間の所定の低濃度領域におけ
る前記格子点の間隔の整数倍となっていることが望まし
い。
【0047】かかる構成とすれば、正規化処理を介して
色補正データの補間演算をする際に生じる誤差による画
質の低下を抑えることができる。カラー画像データは色
空間の各次元ごとに所定の階調数に対応した整数からな
る座標値を有しているが、不均一な格子点間隔で分割さ
れた色空間に前記正規化手段による座標変換を施した場
合、カラー画像データの座標値は整数値ではない可能性
がある。ここで、オフセット補正テーブルは、整数で表
された座標値に対応して用意されているため、座標変換
後のカラー画像データを整数値に丸める必要があり、こ
のときいわゆる丸め誤差を生じることになる(上記座標
変換および整数化をまとめて、以下、「正規化処理」と
いう)。前述の通り、この誤差は、低濃度領域で画質を
低下させる原因ともなる。しかし、上記構成によれば、
色空間の低濃度領域においては、格子点の間隔と仮想格
子点間隔との比(仮想格子点間隔/格子点間隔)が必ず
整数となるため、正規化処理を行っても丸め誤差を生じ
ず、良好な画質を得ることができる。
【0048】ここで、本発明における低濃度領域とは、
出力された画像の色が薄い領域という意味ではなく、画
像出力装置に出力されるドットの密度が低い領域を言
う。例えば、最終的な画像の出力がドットのオン・オフ
により階調を表現するインクジェットプリンタである場
合には、CMYなどのインクのドットの密度か低い領域
を言う。また、出力装置がCRT等である場合には、白
ドットに着目すれば白ドットがまばらに分布する領域
(色が濃い領域)であり、黒ドットに着目すれば黒ドッ
トがまばらに分布する領域(色が薄い領域)である。ま
た、同一色について濃度の高いインクと濃度の低いイン
クを備え、濃ドットと淡ドットを打ち分けるようなプリ
ンタであれば、淡ドットがまばらに分布する領域(色が
薄い領域)のみならず、濃ドットがまばらに分布する領
域(色が濃い領域)も、そのインクについての低濃度領
域に該当する。
【0049】また、前記正規化処理を伴う画像処理装置
においては、前記画像データ変換手段は、前記カラー画
像データに応じて、該カラー画像データが属する小格子
についてその基準となる基準格子点の座標値を記憶する
基準格子点テーブルと、前記カラー画像データに応じ
て、前記各次元について該カラー画像データと該基準格
子点の座標値との偏差を前記正規化手段により変換され
た座標において表すオフセット座標値とを記憶するオフ
セット座標テーブルとのうち少なくとも一方を備え、前
記カラー画像データから基準格子点の座標値およびオフ
セット座標値への変換の少なくとも一方を、前記カラー
画像データに対応したデータを該基準格子点テーブルも
しくは該オフセット座標テーブルから読み込むことによ
り行う手段とすることも望ましい。
【0050】前記正規化処理を伴う場合には、正規化処
理における演算が複雑なものとなり、画像処理を高速で
実行する際の妨げとなる可能性がある。例えば、カラー
画像データがいずれの小格子に属しているかを判定する
ために、各次元ごとにカラー画像データの座標値と格子
点の座標値との大小関係を一つ一つ比較する必要があ
る。また、正規化されたオフセット座標値を得る際に、
座標値を整数にする丸め処理を行う必要もある。上記構
成によれば、正規化処理に伴うこれらの処理を基準格子
点テーブルおよびオフセット座標テーブルを参照するこ
とで実行できるため、画像処理を高速で実施することが
できる。
【0051】なお、処理の高速化の観点からは、基準格
子点テーブルおよびオフセット座標テーブルの双方を有
していることが望ましいが、これらのデータを記憶する
メモリ容量に応じて、いずれか一方のテーブルのみを用
意するものとしてもよい。また、これらのテーブルは、
色空間の全ての次元について用意することが望ましい
が、一部の次元についてのみ用意するものとしてもよい
し、複数の次元で共有のテーブルとしてもよい。
【0052】また、本発明は以下に示す通り、コンピュ
ータプログラム等を記録したコンピュータ読みとり可能
な記録媒体としての態様を採ることもできる。本発明の
第1の記録媒体は、2次元以上の色空間において各次元
ごとに予め定めた階調数に対応した座標値を用いて表さ
れた多色の画像を色補正して出力する画像処理をコンピ
ュータに実現させるプログラムを記録したコンピュータ
読みとり可能な記録媒体であって、前記画像の各画素に
ついて、前記座標値からなるカラー画像データを入力す
る機能と、前記色空間を前記各次元について、前記階調
数よりも少ない数に分割することにより得られた格子点
の座標値からなる格子点情報を、前記色空間について記
憶した格子点情報テーブルを参照する機能と、該各格子
点に対応して、色の補正量に関する色補正データを記憶
した色補正テーブルを参照する機能と、隣接する前記格
子点によって前記次元に対応して形成される複数の小格
子のうち、前記カラー画像データがいずれの小格子に属
するかを、前記格子点情報に基づいて判定する機能と、
前記カラー画像データを、該カラー画像データが属する
小格子についてその基準となる基準格子点の座標値と、
前記各次元について該カラー画像データと該基準格子点
の座標値との偏差を表すオフセット座標値とに変換する
機能と、前記色補正テーブルを補間して前記カラー画像
データに対応する色補正データを演算する際に必要とな
る補間演算データを前記オフセット座標値に対応して記
憶するテーブルであって、前記小格子の数よりも少ない
種類のテーブルからなるオフセット補正テーブルを参照
する機能と、前記オフセット座標値に対応した補間演算
データを前記オフセット補正テーブルから読み出すとと
もに、前記基準格子点および該基準格子点に隣接する所
定の格子点に対応した色補正データを前記色補正テーブ
ルから読み出し、該補間演算データを用いて該色補正デ
ータの補間演算を行い、該演算結果を補正済みのカラー
画像データとして出力する機能とをコンピュータにより
実現させるプログラムを記録した記録媒体である。
【0053】このような記録媒体に記録されたプログラ
ムがコンピュータにより実行されると、コンピュータが
上記各機能を実現する結果、先に述べた画像処理を行う
ことができる。なお、記録媒体としては、フレキシブル
ディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカー
ド、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードな
どの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶
装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装
置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用
できる。また、コンピュータに上記の発明の各工程また
は各手段の機能を実現させるコンピュータプログラムを
通信経路を介して供給するプログラム供給装置としての
態様とすることもできる。
【0054】本発明の第2の記録媒体は、2次元以上の
色空間において各次元ごとに予め定めた階調数に対応し
た座標値を用いて表された多色の画像を、前記色空間を
分割して得られる格子点に対応して用意された所定のデ
ータを用いることにより、色補正して出力する画像処理
装置に用いられるデータを記録したコンピュータ読みと
り可能な記録媒体であって、2次元以上の色空間の各次
元を、各次元ごとに予め定めた階調数よりも少ない数に
分割することにより得られた格子点の座標値からなる格
子点情報を、前記色空間について記憶した格子点情報テ
ーブルと、該各格子点に対応して、色の補正量に関する
色補正データを記憶した色補正テーブルと、前記色補正
テーブルを補間して前記カラー画像データに対応する色
補正データを演算する際に必要となる補間演算データ
を、前記カラー画像データに隣接する前記格子点によっ
て前記色空間の次元に対応して形成される小格子の基準
となる基準格子点の座標値に対する該カラー画像データ
の偏差を前記各次元について表したオフセット座標値に
対応して記憶するオフセット補正テーブルとを記録した
記録媒体である。
【0055】先に述べた通り、本発明の画像処理装置
は、上記格子点情報テーブル、色補正テーブルおよびオ
フセット補正テーブルを使用してカラー画像データの色
補正を行う。これらのデータが上述した本発明の第2の
記録媒体の形式て提供される場合には、コンピュータは
該データを読み込むことにより、画像処理装置としての
機能を実現することができる。
【0056】なお、この記録媒体に記録されるデータの
うち、オフセット補正テーブルは、画像処理に用いられ
るデータとして本出願人が初めて提供する特殊な構造を
有するデータである。また、格子点情報テーブルおよび
色補正テーブル自身は従来より画像処理において用いら
れてきたものではあるが、本発明においては、オフセッ
ト補正データと非常に密接なものである。従って、これ
らのデータを記録した本発明の第2の記録媒体は、単に
既存のデータを記録したものではなく、本発明において
最も特徴的な部分を特殊な構造を有するデータとして記
録したものである。
【0057】前記記録媒体においては、前記色補正テー
ブルに記憶された色補正データのデータ量と前記オフセ
ット補正テーブルに記憶された補間演算データのデータ
量とが略同一であることが望ましい。こうすることによ
り、色補正テーブルとオフセット補正テーブルのデータ
量を略同一のサイズで記憶するものであるため、先に述
べた通り記録容量を最小限に抑えることができる。上記
記録媒体によれば、いわゆるフレキシブルディスクのよ
うに、記録容量が比較的小さい値に制限されている媒体
も有効に活用することができる。
【0058】本発明における補間演算は、装置の制御処
理以外にも幅広く適用することが可能である。従って、
本発明は、コンピュータを用いてより汎用的に補間演算
を行う補間方法の発明として構成することもできる。つ
まり、本発明の補間方法は、予め定めた一連の処理にお
いて用いられ、所定次元の座標空間に離散的に存在する
格子点に対応して記憶された装置の制御処理に関与する
パラメータを、コンピュータを用いて前記座標値の組み
合わせに応じて補間するデータ補間方法であって、
(a) 前記座標空間の前記各次元ごとに離散的に設定
された座標値の組み合わせによって定義される格子点に
ついて、該座標値の組み合わせからなる格子点情報を記
憶した格子点情報テーブルと、前記各格子点に対応して
前記パラメータを記憶した被補間テーブルと、前記被補
間テーブルを補間して前記入力データに対応する値を演
算する際に必要となる補間演算データを前記オフセット
座標値に対応して記憶する、前記小格子の数よりも少な
い種類のオフセット補正テーブルとを前記コンピュータ
のメモリ空間上に予め用意する工程と、(b) 前記座
標空間において、前記各次元ごとに予め有限個に設定さ
れた座標値の組み合わせからなる入力データを入力する
工程と、(c) 隣接する前記格子点によって前記次元
で形成される複数の小格子のうち、前記入力データがい
ずれの小格子に属するかを、前記格子点情報に基づいて
判定する工程と、(d) 前記入力データを、該入力デ
ータが属する小格子の格子点のうち基準となる基準格子
点の座標値と、前記各次元について該入力データと該基
準格子点の座標値との偏差を表すオフセット座標値とに
変換する工程と、(e) 前記オフセット座標値に対応
した補間演算データを前記オフセット補正テーブルから
読み出すとともに、前記基準格子点および該基準格子点
に隣接する所定の格子点に対応した前記パラメータを前
記被補間テーブルから読み出し、前記補間演算データを
用いて該被補間データの補間演算を行う工程とを備えた
補間方法である。
【0059】かかる補間方法によれば、先に制御方法等
で説明した作用に基づき、コンピュータのハードウェア
資源を有効に活用して、高速で補間演算を実行すること
ができる。当然、これらの補間方法を実現するプログラ
ムを記録した記録媒体として、発明を構成することも可
能である。
【0060】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。最初に本発明のデータ補間装置
をカラー画像処理装置に適用した場合を例にとって説明
する。図1は、本発明の実施例としてのカラー画像処理
装置が行う色補正データの補間方法の概要を示す説明図
であり、図2は該カラー画像処理装置を用いたカラー画
像処理システムの構成を示すブロック図である。 (1)画像出力装置の構成:説明の便宜上、まず図2を
用いてカラー画像処理システムの全体構成から説明す
る。このカラー画像処理システムは、画像入力装置とし
てのスキャナ12と、パーソナルコンピュータ90と、
画像出力装置としてのカラープリンタ22とを有してい
る。また、パーソナルコンピュータ90は、カラーディ
スプレイ21とキーボード、マウス等からなる入力部9
2を備えている。画像入力装置としてのスキャナ12
は、カラー原稿からカラー画像データを読み取り、R,
G,Bの3色の色成分からなる原カラー画像データOR
Gをコンピュータ90に供給する。
【0061】なお、本実施例では、R,G,Bの各色
は、各8ビットのディジタルデータで表現されており、
階調数は256である。各画素の色は、R,G,Bの各
色を座標軸とする三次元の色空間内の存在位置を示す座
標値により表現されている。なお、色空間が他の形式、
例えばL*a*b*などいかなる表色系を採用しても、
各画素の色は、その色空間内の存在位置を示す座標値と
して表現することができる。画像処理装置としてのコン
ピュータ90は、各画素毎にこのように表された座標値
をカラー画像データとして入力する。なお、カラー画像
データの入力は、このようなスキャナ12以外に、例え
ば、ビデオカメラ、コンピュータグラフィック作成用の
ホストコンピュータ、その他の手段を用いるものとして
もよい。
【0062】次に、画像処理装置を構成するコンピュー
タ90の概略について説明する。このコンピュータ90
の内部には、図示しないCPU,RAM,ROM等が備
えられており、所定のオペレーティングシステムの元
で、アプリケーションプログラム95が動作している。
本実施例では、CPUとしてPentiumII(Int
el社登録商標)を用いている。オペレーティングシス
テムには、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96
が組み込まれており、アプリケーションプログラム95
からはこれらのドライバを介して、最終カラー画像デー
タFNLが出力されることになる。画像のレタッチなど
を行うアプリケーションプログラム95は、スキャナ1
2から画像を読み込み、これに対して所定の処理を行い
つつビデオドライバ91を介してCRTディスプレイ2
1に画像を表示している。このアプリケーションプログ
ラム95が、印刷命令を発行すると、コンピュータ90
のプリンタドライバ96が、画像情報をアプリケーショ
ンプログラム95から受け取り、これをプリンタ22が
印字可能な信号(ここではCMYについての2値化され
た信号)に変換している。
【0063】図2に示した例では、プリンタドライバ9
6の内部には、アプリケーションプログラム95が扱っ
ているカラー画像データをドット単位の画像データに変
換するラスタライザ97、ドット単位の画像データに対
して画像出力装置(ここではプリンタ22)が使用する
インク色CMYおよび発色の特性に応じた色補正を行う
色補正モジュール98、色補正モジュール98が参照す
る色補正テーブルCTおよびオフセット補正テーブルO
T、色補正された後の画像情報からドット単位でのイン
クの有無によってある面積での濃度を表現するいわゆる
ハーフトーンの画像情報を生成するハーフトーンモジュ
ール99が備えられている。
【0064】コンピュータ90は、入力された原カラー
画像データORGをプリンタ22等の画像出力装置の色
再現特性に合わせる画像処理として、色補正と階調数変
換を行っている。色補正は、例えばガンマ補正など、画
像出力装置の出力特性に併せて色を補正する処理であ
る。また、階調数変換とは、プリンタ22等の画像出力
装置の出力可能な階調数が原カラー画像データORGの
階調数よりも小さい場合に、カラー画像データを画像出
力装置で出力可能な階調数に変換する処理である。本実
施例ではスキャナ12から読み込んだ画像データORG
はR,G,Bの各色について階調数が256(8ビット
分)であるが、対するプリンタ22はインクのオン・オ
フにより2階調しか出力できないインクジェットプリン
タであるため、コンピュータ90は、256階調の画像
データを2階調に階調数変換し、最終カラー画像データ
FNLとして画像出力装置へ向け出力する。なお、画像
出力装置としては、プリンタ22以外に、例えばカラー
ディスプレイ21等も用いるものとしてもよい。本明細
書におけるデータ補間装置には、図2における色補正モ
ジュール98、色補正テーブルCT、オフセット補正テ
ーブルOTおよび図示していないが色補正モジュールへ
のデータ入出力部が相当する。
【0065】次に、画像出力装置であるプリンタ22の
構造について簡単に説明する。図3は、プリンタ22の
概略構成図である。図示するように、このプリンタ22
は、紙送りモータ23によって用紙Pを搬送する機構
と、キャリッジモータ24によってキャリッジ31をプ
ラテン26の軸方向に往復動させる機構と、キャリッジ
31に搭載された印字ヘッド28を駆動してインクの吐
出およびドット形成を制御する機構と、これらの紙送り
モータ23,キャリッジモータ24,印字ヘッド28お
よび操作パネル32との信号のやり取りを司る制御回路
40とから構成されている。
【0066】このプリンタ22のキャリッジ31には、
黒インク用のカートリッジ71とシアン(以下、Cと記
す),マゼンタ(以下、Mと記す),イエロ(以下、Y
と記す)の3色のインクを収納したカラーインク用カー
トリッジ72が搭載可能である。キャリッジ31の下部
の印字ヘッド28には計4個のインク吐出用ヘッド61
ないし64が形成されており、キャリッジ31の底部に
は、この各色用ヘッドにインクタンクからのインクを導
く導入管65(図4参照)が立設されている。キャリッ
ジ31に黒インク用のカートリッジ71およびカラーイ
ンク用カートリッジ72を上方から装着すると、各カー
トリッジに設けられた接続孔に導入管が挿入され、各イ
ンクカートリッジから吐出用ヘッド61ないし64への
インクの供給が可能となる。
【0067】インクが吐出される機構を簡単に説明す
る。図4に示すように、インク用カートリッジ71,7
2がキャリッジ31に装着されると、毛細管現象を利用
してインク用カートリッジ内のインクが導入管65を介
して吸い出され、キャリッジ31下部に設けられた印字
ヘッド28の各色ヘッド61ないし64に導かれる。な
お、初めてインクカートリッジが装着されたときには、
専用のポンプによりインクを各色ヘッド61ないし64
に吸引する動作が行われるが、本実施例では吸引のため
のポンプ、吸引時に印字ヘッド28を覆うキャップ等の
構成については図示および説明を省略する。
【0068】各色ヘッド61ないし64には、図4に示
したように、各色毎に32個のノズルNzが設けられて
おり、各ノズル毎に電歪素子の一つであって応答性に優
れたピエゾ素子PEが配置されている。ピエゾ素子PE
とノズルNzとの構造を詳細に示したのが、図5であ
る。図示するように、ピエゾ素子PEは、ノズルNzま
でインクを導くインク通路68に接する位置に設置され
ている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加
により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネル
ギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子
PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印
加することにより、図5下段に示すように、ピエゾ素子
PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路68の一
側壁を変形させる。この結果、インク通路68の体積
は、ピエゾ素子PEの伸張に応じて収縮し、この収縮分
に相当するインクが、粒子Ipとなって、ノズルNzの
先端から高速に吐出される。このインク粒子Ipがプラ
テン26に装着された用紙Pに染み込むことにより、印
刷が行われることになる。
【0069】用紙Pを搬送する機構は、紙送りモータ2
3の回転をプラテン26のみならず、図示しない用紙搬
送ローラに伝達するギヤトレインを備える(図示省
略)。また、キャリッジ31を往復動させる機構は、プ
ラテン26の軸と並行に架設されキャリッジ31を摺動
可能に保持する摺動軸34と、キャリッジモータ24と
の間に無端の駆動ベルト36を張設するプーリ38と、
キャリッジ31の原点位置を検出する位置検出センサ3
9等から構成されている。
【0070】以上説明したハードウェア構成を有するプ
リンタ22は、紙送りモータ23によりプラテン26そ
の他のローラを回転して用紙Pを搬送しつつ、キャリッ
ジ31をキャリッジモータ24により往復動させ、同時
に印字ヘッド28の各色ヘッド61ないし64のピエゾ
素子PEを駆動して、各色インクの吐出を行い、用紙P
上に多色の画像を形成する。
【0071】制御回路40の内部には、図示しないCP
Uなどが備えられているが、プリンタ22の出力特性に
応じた色補正などは、コンピュータ90内部で処理され
ており、プリンタ22では、階調数の変換や色補正など
に関する処理は一切行われていない。プリンタ22の内
部で実行される処理は、コンピュータ90から出力され
るデータを受け取って、上述した紙送りとキャリッジ3
1の往復動作に同期して、印字ヘッド28の各色ピエゾ
素子PEを駆動するだけである。したがって、プリンタ
22の制御回路40の詳細な説明やその処理について
は、説明を省略する。もっとも、コンピュータ90内部
で実行する種々の処理をプリンタ22の制御回路40に
備えられるCPUで行うものとしてもよい。
【0072】(2)画像処理:次に、画像処理装置によ
る画像処理の内容について説明する。ここで、画像処理
とは、入力されたカラー画像データに対し、色補正テー
ブルCTを用いて各画素ごとに色補正処理を施すことを
いう。本実施例では、色補正テーブルCTの補間演算を
実行することにより色補正処理を行っている。以下で
は、まず本実施例で行っている補間演算の概要について
説明する。
【0073】図6に本実施例における格子点の様子を示
す。本実施例では、R,G,Bそれぞれ8ビットつまり
256階調からなる3次元の色空間を、各次元ごとに4
ビットつまり16階調の格子点間隔で分割している。従
って、図6に示す通り、それぞれ隣接する格子点により
形成される小格子は、上記格子点間隔を一辺とする立方
体を形成している。図6では図示の都合上、格子点が数
点しか描かれていないが、本実施例では原点を含めて各
次元ごとに17の格子点が存在している。なお、各色の
階調数および格子点間隔は、目的とする画質等に応じて
自由に設定し得るものである。
【0074】コンピュータ90の内部に保存される色補
正テーブルCTは、図6に示す各格子点に対応して用意
されたテーブルである。この色テーブルには、例えばス
キャナ12などの読み取り用カラー原稿と、例えばカラ
ープリンタ22を用いて記録紙上に印字された出力カラ
ー画像とが等しい色になるように、各格子点のR,G,
Bの階調値データ(座標値データと同義である)をCM
Y色の階調値で表した階調補正データが各格子点ごとに
記憶されている。図6に示す通り、例えば格子点Qに対
しては、(c,m,y)なる3つのデータが用意されて
いる。
【0075】カラー画像データは、上記色空間内の一点
として表され、図6に示すいずれかの小格子内に存在す
る。カラー画像データが図6に示す格子点と一致するデ
ータ(例えば図6の点Q)である場合には、色補正テー
ブルCTを参照し、その格子点に対応した色補正データ
に置換することで色補正処理が完了するが、カラー画像
データが図6に示す格子点と一致しない場合には(例え
ば図6の点P)、近接する格子点の色補正データを補間
演算することにより色補正処理を実行する必要がある。
【0076】本実施例では、ある小格子内にカラー画像
データが存在する場合、小格子内におけるデータの存在
位置に応じて、その小格子から4つの格子点(四面体)
を選択し、補間演算を行っている(以下、四面体法とい
う)。四面体法を用いているのは、この補間演算方法が
補間精度がよい他、参照する格子点データが少なく、演
算量が少ないため高速で処理することができるからであ
る。補間演算方法については、小格子の全ての格子点を
用いる方法等を適用するものとしてもよい。
【0077】図1にカラー画像データの存在位置と補間
演算に用いる四面体の関係を示す。図1の中央に示した
立方体が図6における画像データPを含む小格子を示し
ている。立方体の頂点Kは、小格子の各頂点のうち最も
原点に近い点を示し、頂点R、G、BはそれぞれR方
向、G方向、B方向に一つ移動した格子点を示してい
る。各次元について格子点を原点から順に0,1,2,
・・・の番号で呼ぶものとし(以下、この番号を「格子
点番号」と呼ぶ)、格子点をR方向、G方向、B方向の
座標値(R,G,B)で表すとすれば、図1の立方体の
各頂点の座標値は、格子点間隔D(定数)及び0〜Nの
自然数ir,ig,ibを用いて次式(6)の通り表す
ことができる。 頂点K(ir ,ig ,ib )×D 頂点R(ir+1,ig ,ib )×D 頂点G(ir ,ig+1,ib )×D 頂点B(ir ,ig ,ib+1)×D 頂点Y(ir+1,ig+1,ib )×D 頂点M(ir+1,ig ,ib+1)×D 頂点C(ir ,ig+1,ib+1)×D 頂点W(ir+1,ig+1,ib+1)×D ・・・(6)
【0078】四面体法では、図1に示す通り小格子を3
つの平面(KGWM、KBWY、KCWR)で区切るこ
とにより6つの四面体(Tetra0〜Tetra5)
に分割する。補間演算では、カラー画像データの存在位
置に応じてこれらの四面体を使い分けるのである。小格
子におけるカラー画像データの存在位置は、小格子の頂
点K(以下、ベースポイントとよぶ)を原点とした座標
値(以下、オフセット座標値という)で表される。カラ
ー画像データの座標値をP(Rd、Gd、Bd)とし、
オフセット座標値を(Roff,Goff,Boff)
とすると、オフセット座標値は、カラー画像データから
ベースポイントKの座標値(ir×D,ig×D,ib
×D)を引けばよいから、次式(7)の通り求められ
る。 Roff=Rd−ir×D Goff=Gd−ig×D Boff=Bd−ib×D ・・・(7) なお、小格子とオフセット座標値の関係を図7に示す。
【0079】補間演算に用いる四面体としては、誤差を
小さくするため、カラー画像データに近い4点からなる
四面体が選択される。具体的にオフセット座標値と補間
演算に用いる四面体との関係は次の通りである(図1参
照)。 Roff>Goff>Boff → Tetra0; Roff>Boff>Goff → Tetra1; Boff>Roff>Goff → Tetra2; Goff>Roff>Boff → Tetra3; Goff>Boff>Roff → Tetra4; Boff>Goff>Roff → Tetra5;
【0080】こうして四面体を選択した後、オフセット
座標値に基づいて、各格子点における色補正データに乗
ずる重み係数を算出する。重み係数の算出について図8
を用いて説明する。図8は図7のカラー画像データが属
している四面体(図1におけるTetra0)を示した
ものである。このとき頂点Wに乗ずる重み係数WWは、
四面体KRYWの体積Vと四面体KRYP(図中ハッチ
ングの部分)の体積vpの比(vp/V)で与えられ
る。カラー画像データPが頂点Wと一致する場合には上
記重み係数WW=1となり、データPが平面KRY上に
あるときは重み係数WW=0となる。他の頂点について
も同様にして重み係数が求められる。つまり、頂点Kの
重み係数WKは体積Vと四面体RYWPの体積との比、
頂点Rの重み係数WRは体積Vと四面体KWYPの比、
頂点Yの重み係数WYは体積Vと四面体KWRPの比に
よりそれぞれ求められる。
【0081】なお、各重み係数は、オフセット座標値
(Roff,Goff,Boff)および格子点間隔D
を用いて表すこともできる。例えば、頂点Wの重み係数
WWについて考えると、四面体KRYWと四面体KRY
Pは底面KRYが共通であるため、両者の体積比はKR
Yを底面としたときの頂点Wおよび点Pの高さの比に他
ならない。頂点Wの高さは格子点間隔Dであり、点Pの
高さはBoffであるから、WW=Boff/Dと求め
られる。他の重み係数も同様にして求められる。これら
を整理して示せば次式(8)の通りである。 Tetra0: WK=(D−Roff)/D; WR=(Roff−Goff)/D; WY=(Goff−Boff)/D; WW=Boff/D ・・・(8)
【0082】同様に他の四面体Tetra1〜Tetr
a5について、各重み係数を示せば次式(9)〜(1
3)の通りである。 Tetra1: WK=(D−Roff)/D; WR=(Roff−Boff)/D; WM=(Boff−Goff)/D; WW=Goff/D ・・・(9)
【0083】 Tetra2: WK=(D−Boff)/D; WB=(Boff−Roff)/D; WM=(Roff−Goff)/D; WW=Goff/D ・・・(10)
【0084】 Tetra3: WK=(D−Goff)/D; WG=(Goff−Roff)/D; WY=(Roff−Boff)/D; WW=Boff/D ・・・(11)
【0085】 Tetra4: WK=(D−Goff)/D; WG=(Goff−Boff)/D; WC=(Boff−Roff)/D; WW=Roff/D ・・・(12)
【0086】 Tetra5: WK=(D−Boff)/D; WB=(Boff−Goff)/D; WC=(Goff−Roff)/D; WW=Roff/D ・・・(13)
【0087】以上により求められた重み係数を各格子点
の色補正データに乗じ、その和をとることによりカラー
画像データPに対応した色補正データを求めることがで
きる。つまり、頂点K,W,R,Yに対応した色補正デ
ータをそれぞれCTK,CTW,CTR,CTYとする
と、カラー画像データPに対応した色補正データCTP
は次式(14)の通り求められる。 CTP=WK*CTK+WW*CTW +WR*CTR+WY*CTY ・・・(14) 本実施例では、色補正テーブルCTはC,M,Yの3次
元からなるデータを有しているため、上記演算をC,
M,Yの各データについて実行するのである。
【0088】なお、この補間演算では、上述の通り体積
比により重み係数を求めているが、他の方法により重み
係数を求めるものとしてもよい。例えば、四面体の各頂
点とカラー画像データPとの距離に基づいて重み係数を
定めるものとしてもよい。
【0089】次に本実施例における具体的処理内容を図
9を用いて説明する。図9は画像処理ルーチンの流れを
示したフローチャートである。このルーチンはコンピュ
ータ90のCPUにより実行されるものである。
【0090】画像処理ルーチンが実行されると、CPU
はカラー画像データの読み込みを行う(ステップS10
0)。ここで、読み込まれるカラー画像データはスキャ
ナ12を用いて取り込んだ原画像データORGをラスタ
ライザ97によりドット単位のデータに変更したもので
あり、各画素ごとにR,G,Bからなる色情報を有した
データである。次にCPUはベースポイント算出処理
(ステップS105)およびオフセット座標算出処理
(ステップS110)を実行する。これらの各処理の内
容について図10および図11を用いて説明する。
【0091】図10にベースポイント算出処理の流れを
示す。ベースポイント算出処理は、R,G,Bの各色デ
ータについて同じ処理を実行する。説明の便宜上、Rの
データについて施す処理を例にとって説明する。ベース
ポイント算出処理では、まず、画像データが格子点間隔
Dで除される(ステップS150)。図7および図8の
例に沿って説明すれば、画像データRd/Dを演算する
のである。次に、この演算結果について、小数点以下を
切り捨てることにより整数化を行う(ステップS15
5)。こうして得られた整数値をベースポイントデータ
irkとして出力するのである。ベースポイントデータ
irkは、カラー画像データが属する小格子について、
R方向において原点に近い格子点の格子点番号を表して
いる。次のステップにおいてCPUは、R,G,B全色
について上記処理が終了しているか否かを判定し(ステ
ップS160)、全色について処理が終了していない場
合には、上記ステップS150、S155をG、Bの各
色についても実行する。こうして各色についてのベース
ポイントデータ(irk,igk,ibk)を算出した
ところで、一旦ベースポイント算出処理を終了し、画像
処理ルーチンに戻る。なお、ベースポイントデータは、
上記格子点番号の他、ベースポイントの座標値を算出す
るものとしてもよい。
【0092】図11にオフセット座標算出処理の流れを
示す。オフセット座標算出処理でも、R,G,Bの各色
データについて同じ処理を実行する。オフセット座標算
出処理では、先に求められたベースポイントのデータが
読み込まれる(ステップS165)。次に、画像データ
とベースポイントの座標値との差分が求められる(ステ
ップS170)。この差分がオフセット座標値となる。
Rのデータを例にとって説明すれば、ベースポイントの
座標値はベースポイントデータirkおよび格子点間隔
Dを用いてirk×Dで表されるから、カラー画像デー
タRdに対するオフセット座標値Roffは、Roff
=Rd−irk×Dで求められる。次のステップにおい
てCPUは、R,G,B全色について上記処理が終了し
ているか否かを判定し(ステップS175)、全色につ
いて処理が終了していない場合には、上記ステップS1
65、S170をG、Bの各色についても実行する。こ
うして各色についてのオフセット座標値(Roff,G
off,Boff)を算出したところで、一旦オフセッ
ト座標算出処理を終了し、画像処理ルーチンに戻る。な
お、オフセット座標は、Roff=Rd%Dなる演算に
より求めるものとしてもよい。ここで、%は余剰演算子
を表す。
【0093】図9に戻り画像処理ルーチンについて説明
する。オフセット座標算出処理が終了した後、CPUは
補間演算データ読み込み(S115)を実行する。これ
は、オフセット座標(Roff,Goff,Boff)
に基づいてオフセット補正テーブルOTに保存されてい
るデータを読み込む処理である。オフセット補正テーブ
ルには、補間演算に用いられる格子点を特定する格子点
特定データと、補間演算において各格子点に乗ぜられる
重み係数を与える重み係数データの2種類からなるデー
タが記憶されている。ここで、オフセット補正テーブル
の内容について説明する。
【0094】オフセット補正テーブルは、オフセット座
標値(0,0,0)〜(D,D,D)の各座標値に対し
て、上述の格子点特定データと重み係数データを記憶す
るテーブルである。オフセット補正テーブルの一例を図
12に示す。図12は、オフセット座標値(0,0,
0)〜(D,D,D)の各点に対し、AD1,AD2な
る2つの格子点特定データと、WK,WW,W1,W2
なる4つの重み係数データを備えたオフセット補正テー
ブルの例である。画像データまわりの4つの格子点を用
いて四面体法による補間演算を行うにも関わらず格子点
特定データがAD1,AD2の2つで済むのは、次の理
由による。つまり、図1に示した通り、四面体法による
補間演算で用いられる各四面体は必ず頂点Kおよび頂点
Wを含んでいるため、格子点特定データは、オフセット
座標値に応じてその他の2点を特定するデータを記憶し
ておけば十分だからである。
【0095】格子点特定データについて、図12により
具体的に説明する。例えばオフセット座標が(0,0,
0)である点、即ち図1にいう頂点Kは、図1に示した
通りTetra0〜Tetra5までの全ての四面体に
含まれている。従って、本実施例では便宜的にTetr
a5に含まれるものとして、オフセット補正テーブルの
格子点特定データAD1に頂点Bを特定するデータ、A
D2に頂点Cを特定するデータを記憶した。オフセット
座標(0,0,1)や(0,0,2)なる点も図1にお
ける辺KB上の点でありTetra5とTetra2の
双方に含まれているため、頂点Kと同様、便宜上Tet
ra5に含まれるものとした。図12中に示されてはい
ないが、例えば、Roff>Goff>Boffなる関
係が成立し、図1のTetra0が補間演算(図8に相
当)に使用される場合には、格子点特定データADはA
D1として頂点R、AD2として頂点Yを特定するデー
タが記憶されているのである。各頂点をどのようなデー
タによって特定するかという点については後で説明す
る。
【0096】次にオフセット補正テーブルに記憶されて
いる重み係数データWK,WW,W1,W2について説
明する。重み係数データWKは頂点Kにかかる重み係
数、データWWは頂点Wにかかる重み係数、データW
1,W2はそれぞれ格子点特定データAD1、AD2に
より特定される頂点にかかる重み係数を意味している。
図12に示す通り、例えばオフセット座標(0,0,
0)、即ち図1の頂点Kについては、四面体法による補
間演算において頂点Kに乗ぜられる重み係数が値1とな
りその他の重み係数は全て値0となるため、オフセット
補正テーブルにおいて、WK=1、WW=W1=W2=
0なるデータが記憶されている。同様に各オフセット座
標に対応して、格子点特定データAD1,AD2により
特定される頂点および頂点K,Wに乗ぜられる重み係数
をそれぞれ求めることができ、オフセット補正テーブル
には、これらの値が重み係数データWK,WW,W1,
W2として記憶されている。図12においてWK1,W
W1等とされ、具体的な値が示されていないデータは、
上述の通り求められた実数が記憶されていることを意味
している。なお、この実数は0≦重み係数データ≦1な
る範囲で求められる値である。
【0097】次に、格子点特定データにおいて、各頂点
をどのようなデータにより特定するかという一例につい
て説明する。そのためには、まず本実施例における色補
正テーブルCTのメモリ上の配列から説明する必要があ
る。本実施例では、色補正テーブルCTは、コンピュー
タ90のROM内にC,M,Yの各色ごとに原点(0,
0,0)から(Nr−1,Ng−1,Nb−1)まで順
に並んでいる。ここで、Nr,Ng,NbはR,G,B
各次元の格子点数を意味し、各格子点はR,G,Bの順
に格子点番号を並べて(ir,ig,ib)のように表
すものとする。本実施例においては、先に述べた通り,
Nr=Ng=Nb=17である。本実施例における色補
正テーブルCTのデータ配列を図13に示す。
【0098】図13に示す通り、色補正テーブルCT
は、メモリ上ではB,G,Rの順に格子点番号を増やし
た順番に並べられている。具体的には、(0,0,
0)、(0,0,1)…(0,0,Nb−1)と並び、
その次に(0,1,0)(0,1,1)…(0,1,N
b−1)と並ぶ。このような順番で(0,Ng−1,N
b−1)まで並んだ次は、(1,0,0)、(1,0,
1)…(1,0,Nb−1)と並び、最後が(Nr−
1,Ng−1,Nb−1)となるのである。まず、C色
についてこの順番にデータが並んだ後、同じ順番でM,
Yのデータが並んでいる。図13では、便宜上、適当な
区切りごとに色補正データ数を示した。かかるデータ数
を参照すれば、このように色補正データが1次元的に並
べられた状態では、任意の格子点(ir,ig,ib)
に対応するデータ位置(メモリ上のアドレスに相当す
る)AGを次式(15)の通り特定することができるこ
とが分かる。
【0099】この式を用いれば、先に求めたベースポイ
ントK(irk,igk,ibk)のROM上での位
置、即ちアドレスを求めることができる。上式(15)
により求めたベースポイントKのアドレスirk・Ng
・Nb+igk・Nb+ibkを以下、ベースポイント
アドレスAKとする。
【0100】上式(15)を用いれば、小格子の各頂点
の色補正データについて、ベースポイントKに対する相
対的位置関係を特定することができる。例えば、図1の
頂点Rのデータは、ベースポイントKよりもNg・Nb
だけ後ろに存在している。言い換えれば、ベースポイン
トアドレスAKに対する頂点Rの相対アドレスがNg・
Nbであることになる。ベースポイントK(irk,i
gk,ibk)に対し、頂点Rは(irk+1,ig
k,ibk)なる位置関係にあるからである。かかる点
に着目すれば、補間演算に頂点Rを用いる場合には、オ
フセット補正テーブルOTの格子点特定データAD1と
して上記の相対アドレス値Ng・Nbを記憶しておけば
よいことが分かる。他の頂点を用いる場合も同様にして
格子点特定データADを用意することができる。本実施
例では、格子点特定データAD1,AD2として、こう
して得られたメモリ上における相対的な位置データを用
いている。従って、各頂点に対する格子点特定データは
次の通りとなる。 頂点R・・・Ng・Nb; 頂点G・・・Nb; 頂点B・・・1; 頂点C・・・Nb+1; 頂点M・・・Ng・Nb+1; 頂点Y・・・Ng・Nb+Nb;
【0101】なお、上記格子点特定データは、色補正テ
ーブルCTのデータの配列順序が変われば、それに応じ
て変わるものである。格子点特定データとしては、各頂
点を意味するコードを記憶しておくもの等、種々の態様
が考えられるが、メモリ上の相対アドレスを記憶する上
述の方法によれば、後で説明する色補正データの読み込
みを非常に容易に実行することができるため、処理の高
速化の観点で好適である。
【0102】再度、図9に戻り画像処理ルーチンについ
て説明する。以上説明したオフセット補正テーブルを読
み込むことにより、補間演算データの読み込みを行った
後(ステップS115)、CPUは色補正データの読み
込みを実行する(ステップS120)。この処理につい
て図14を用いて説明する。図14は、色補正テーブル
CTのデータとオフセット補正テーブルで読み込まれた
データとの関係を示す説明図である。図14における格
子点番号(0,0,0)〜(Nr−1,Ng−1,Nb
−1)は図13と同様、メモリ上の色補正テーブルCT
の並びを示している。図14における格子点(irk,
igk,ibk)はベースポイント(頂点K)を表して
おり、またベースポイントに対応するデータはメモリ上
で格子点(0,0,0)のデータよりベースポイントア
ドレスAKだけ後ろに記憶されていることを示してい
る。従って、ベースポイントアドレスAKに基づいて、
ベースポイントに対応する色補正データを読み込むこと
ができる。
【0103】次に、格子点特定データにより特定された
頂点に対応する色補正データの読み込みについて説明す
る。前述の通り、ステップS115において、補間演算
に用いる格子点特定データが読み込まれている。格子点
特定データAD1,AD2はベースポイントに対する相
対的なアドレス値が記憶されている。従って、ベースポ
イントアドレスAKに格子点特定データAD1,AD2
を加えた場所に記憶されている色補正データを読み込む
ことによりそれぞれの色補正データを得ることができ
る。図14では、格子点特定データとして、AD1に頂
点R(irk+1,igk,ibk)を特定する相対的
アドレスNg・Nbが記憶されており、AD2に頂点Y
(irk+1,igk+1,ibk)を特定する相対的
アドレスNg・Nb+Nbが記憶されている場合におけ
る色補正データの読み込み例を示した。また、同様に頂
点Wはベースポイント(irk,igk,ibk)に対
して(irk+1,igk+1,ibk+1)なる位置
関係にあるため、その色補正データはメモリ上でベース
ポイントアドレスAKにNg・Nb+Nb+1を加えた
場所に記憶されている。
【0104】次に、こうして得られた色補正データおよ
び補間演算の重み係数データを用いて補間演算を実行す
る(ステップS125)。補間演算は「(2)画像処理
の概要」において説明した式(14)による演算内容と
同一である。つまり、頂点K,Wおよび格子点特定デー
タAD1,AD2で特定される頂点に対応した色補正デ
ータをそれぞれCTK,CTW,CT1,CT2とし、
各頂点にかかる重み係数データをそれぞれWK,WW,
W1,W2とすると、カラー画像データPに対応した色
補正データCPは次式(16)の通り求められる。 CP=WK*CTK+WW*CTW +W1*CT1+W2*CT2 ・・・(16) 本実施例では、色補正テーブルCTはC,M,Yの3次
元からなるデータを有しているため、上記演算をC,
M,Yの各データについて実行する。こうして一つの画
素についての色補正データを得ることができるため、C
PUは画像処理ルーチンを一旦終了する。
【0105】以上で説明した画像処理装置によれば、色
補正テーブルを補間して画像処理を行うため、各画素に
ついて非常に誤差の小さい色補正を実現することができ
る。しかも、オフセット補正テーブルOTを活用するこ
とにより、条件判断による分岐をすることなく補間演算
を実行することができるため、高速に画像処理を行うこ
とができる。四面体法による補間演算は先に説明した通
り、オフセット座標値に応じて補間演算に用いる格子点
の選択等を行う必要があるため、条件判断による多くの
分岐が必要となり、また各分岐ごとに重み係数の算出等
の種々の演算が必要となる。これに対し、本実施例では
オフセット補正テーブルOTの活用により、このような
条件判断による分岐を一切せずに四面体法による補間演
算を実現することができる。このように条件判断により
分岐をせずに実行できる画像処理は、パイプライン化さ
れたプロセッサ、例えばPentiumII(Intel
社登録商標)による処理に好適であり、このようなプロ
セッサを使用した場合には、条件判断による分岐を含む
従来の画像処理に比べ4〜5倍もの高速処理が可能とな
る。
【0106】また、本実施例では、R,G,Bの各次元
について8ビットからなる256階調3次元の色空間
を、各次元ごとに4ビットつまり16階調の格子点間隔
で分割している。つまり、Nビット(本実施例ではN=
8)からなる階調数に対し、格子点間隔がその半分のN
/2ビットとなっている。本実施例では、色補正テーブ
ルCTは各格子点に対し(c,m,y)の3つのデータ
が用意されており、オフセット補正テーブルOTは各座
標値に対し(AD1,AD2,WK,WW,W1,W
2)の6つのデータが用意されている。3次元の色空間
における色補正テーブルCTとオフセット補正テーブル
OTのデータ量を考える場合、各格子点または座標値毎
の上記データ数は概ね等しいと考えて差し支えない範囲
であるから、上述の通りN/2ビットに相当する4ビッ
トで色空間を分割することにより色補正テーブルCTと
オフセット補正テーブルOTのデータ量の合計が最小と
なり、メモリ容量を抑えることができる。もっとも、格
子点間隔は概ね階調数の半分のビットになっていればよ
く、言い換えれば色補正テーブルCTとオフセット補正
テーブルOTのデータ量が概ね同じ程度になる関係にあ
ればよい。これらの関係にない場合、例えば、格子点間
隔を小さくした場合にはオフセット補正テーブルは小さ
くなるが、色補正テーブルが非常に大きくなるため、両
者の合計で必要となるメモリ容量は大きくなる。また、
格子点間隔を大きくした場合には、逆にオフセット補正
テーブルが非常に大きなものとなる。なお、格子点間隔
はメモリ容量の余裕に応じて所望の値をとるものとすれ
ばよい。
【0107】本実施例では、オフセット補正テーブルに
は格子点特定データと重み係数データを記憶するものと
しているが、後者に代えて重み係数を算出するためのデ
ータを記憶するものとしてもよい。既述の通り、図1の
Tetra0〜Tetra5までの各四面体を用いて補
間演算をする場合の重み係数は、先に示した式(8)〜
(13)の通り求められる。これらの式は次式(17)
の形にまとめることができる。 WK=(D−OFF1)/D; W1=(OFF1−OFF2)/D; W2=(OFF2−OFF3)/D; WW=OFF3/D ・・・(17) ここで、OFF1,OFF2,OFF3は図1のいずれ
の四面体に該当するかに応じてRoff,Goff,B
offのいずれかの値を採る変数である。
【0108】例えば、Tetra0を用いて補間演算を
する場合には式(8)より明らかな通り、W1=WR,
W2=WYであり、OFF1=Roff,OFF2=G
off,OFF3=Boffである。上式(17)にお
いて、格子点間隔Dはオフセット座標値に依存せず一定
であることを考えれば、上記重み係数はOFF1,OF
F2,OFF3の3つのデータがあれば求められること
になる。従って、オフセット補正テーブルOTにおい
て、先に示した重み係数データWK,WW,W1,W2
の4種類のデータに代えて、上記OFF1,OFF2,
OFF3の3種類のデータを記憶しておけば、それぞれ
重み係数を算出することができる。こうすることによ
り、オフセット補正テーブルのデータから重み係数を算
出する処理が必要となるものの、3種類のデータを記憶
すればよいため、先に示した4種類の重み係数データを
記憶する場合に比べてオフセット補正テーブルOTのサ
イズを抑えることができる。
【0109】次に、カラー画像データが最大座標値付近
である場合の処理方法について説明する。既に述べた通
り、色空間の階調数および格子点間隔は自由に設定しう
るものである。従って、階調数および格子点間隔の設定
によっては、各次元の最大座標値が格子点とはならない
場合が生じる。例えば、各次元の座標値が0〜255の
256階調で表されている場合に格子点間隔を17とす
れば、格子点の座標値は、0,17,34・・・255
となるため、最大座標値255が格子点となる。これに
対し、格子点間隔を16とすると、格子点の座標値は、
0,16,32・・・240,(256)となり、最大
座標値255は格子点とはならない。以下に示す通り本
実施例は、階調数および格子点間隔がこのような状態で
設定されていても適用できるものである。
【0110】まず、最大座標値の点が格子点と一致して
いる場合には、特別な処理が必要とならないことを説明
する。いずれかの次元において最大座標値を有するカラ
ー画像データについては、最大座標値よりも更に座標値
が大きい小格子、つまり現実にはデータが存在しない小
格子を用いて補間演算を行い、図9の画像処理ルーチン
を実行することになる。従って、色補正データの読み込
み(図9のステップS120)において、本来色補正テ
ーブルが記憶されている領域とは無関係のメモリ領域に
記憶されているデータを読み込む可能性がある。しか
し、色補正テーブルの補間において、このようなデータ
にかかる重み係数は必ず値0となるため、色補正処理の
結果には影響を与えない。このため、色補正に際して特
別な処理が必要とはならない。なお、より確実に画像処
理が実行されるようにするために、最大座標値よりも大
きい座標値を有する仮想的な格子点に対する色補正テー
ブルを用意するものとしてもよい。
【0111】次に、最大座標値が格子点と一致しない場
合について説明する。例えば、階調数が0〜255の2
56階調であり、格子点間隔が16階調である場合を考
える。本実施例はこの場合に相当する。このとき座標値
が240以上のカラー画像データについては、座標値2
56を有する仮想的な格子点を用いて補間演算を行うこ
とになる。しかも、先に述べた例とは異なり、仮想的な
格子点にかかる重み係数は値0とはならない。この場合
は、最大座標値において適切な色補正データが得られる
ような仮想的な色補正データを、座標値256を有する
仮想的な格子点に対する色補正データとして記憶してお
けばよい。こうすることにより、座標値が240以上の
領域においても適切な色補正データを求めることができ
る。
【0112】(3)第2実施例における画像処理装置:
次に、本発明の第2実施例における画像処理装置につい
て説明する。第2実施例の画像処理装置のハードウェア
構成は、先に説明した第1実施例の装置と同一である。
第2実施例では、色空間を不均一な格子点間隔で分割
し、色補正データもこの格子点に対応して用意されたデ
ータを用いる点が第1実施例と相違する。第2実施例に
おける色空間の分割例を図15に示す。なお、図15で
は、R,G,Bの次元間では格子点間隔を統一してある
が、本実施例は各次元間の格子点間隔が不統一な場合で
も適用できるものである。格子点間隔が不均一である結
果、コンピュータ90のCPUが実行する画像処理ルー
チンの流れは基本的には第1実施例の処理(図9)と同
様であるが、一部の処理内容において第1実施例と相違
する。
【0113】画像処理ルーチンが開始されると、第1実
施例の場合と同様、カラー画像データの読み込みを実施
し(図9のステップS100)、ベースポイント算出処
理を実行する(ステップS105)。ベースポイント算
出処理が本実施例では、第1実施例と相違する。図16
を用いてベースポイント算出処理について説明する。
【0114】ベースポイント算出処理は、R,G,Bの
各色データについて同じ処理を実行する。説明の便宜
上、R色のデータについて施す処理を例にとって説明す
る。ベースポイント算出処理が開始されると、CPUは
値0を代入して変数nを初期化し(ステップS20
0)、カラー画像データのR成分であるRdがR(0)
≦Rd<R(1)なる条件を満たしているか否かを判定
する(ステップS200)。ここで、R(n)はR方向
について原点からn番目の格子点の座標値を意味してい
る。従って、上記判定では、カラー画像データがR方向
について原点とその隣の格子点から形成される小格子に
属しているか否かを判定していることになる。
【0115】この判定結果がノーである場合は、変数n
を値1ずつ増加し、同様の判定を行う。つまり、R
(1)≦Rd<R(2)、R(2)≦Rd<R(3)・
・・という具合に、これらいずれかの条件が満足される
まで繰り返し判定を行う。この条件が満足された場合に
は、カラー画像データRdがR(n)およびR(n+
1)の格子点からなる小格子に属していることになるた
め、このときの変数nの値をCPUはR方向のベースポ
イントirkに代入する(ステップS205)。次のス
テップにおいてCPUは、R,G,B全色について上記
処理が終了しているか否かを判定し(ステップS21
0)、全色について処理が終了していない場合には、上
記ステップS200、S205をG、Bの各色について
も実行する。こうして各色について、カラー画像データ
が属する小格子のベースポイント(irk,igk,i
bk)を求めることができる。なお、本実施例ではベー
スポイントとして格子点番号を求めているが、格子点の
座標値R(n)を求めるものとしてもよい。
【0116】また、ベースポイント算出処理は、図17
に示す方法により行うものとしてもよい。この場合は、
R方向の座標値に対応してベースポイントの格子点番号
データを記憶したテーブルを基準格子点テーブルとして
用意しておく。基準格子点テーブルの一例を図18に示
す。基準格子点テーブルは、R方向,G方向,B方向の
各座標値に対応してそれぞれ用意される3種類の1次元
のテーブルである。図18には、R方向の座標値に対応
するテーブル例を示した。例えば、R方向について原点
以降の格子点の座標が値10、値20・・・であるとす
れば、図18に示す通り基準格子点テーブルには、座標
値0〜9までは原点がベースポイントであることを意味
する値0(原点の格子点番号)が記憶されており、座標
10〜19までは座標10の点がベースポイントである
ことを意味する値1(座標10の格子点の格子点番号)
が記憶されており、以下格子点の座標値に応じて同様に
データが記憶されている。ベースポイント算出処理で
は、図17に示す通り、カラー画像データの座標値Rd
に対応した基準格子点テーブルの値を読み込むのである
(ステップS215)。次のステップにおいてCPU
は、R,G,B全色について上記処理が終了しているか
否かを判定し(ステップS220)、全色について処理
が終了していない場合には、上記ステップS215を
G、Bの各色についても実行する。
【0117】こうすることにより、図16のような条件
判断による分岐が不要となるため、ベースポイント算出
を高速で行うことができる。上記テーブルを用意するメ
モリが必要となるが、1次元のテーブルを用意すれば済
むため、必要となるメモリ容量は比較的小さくて済む。
また、R,G,Bの各方向で格子点の座標値が一致して
いる場合には、3方向の基準格子点テーブルを共通化す
ることができ、1種類の基準格子点テーブルを用意すれ
ばよいため、必要となるメモリ容量はより一層小さくて
済む。なお、基準格子点テーブルは、ベースポイントの
番号に代えてその座標値を記憶するものとしてもよい。
【0118】こうして、ベースポイントが算出された
後、CPUはオフセット座標算出処理を実行する(図9
のステップS110)。オフセット座標算出処理が本実
施例では、第1実施例と相違する。図19を用いてオフ
セット座標算出処理について説明する。
【0119】オフセット座標算出処理は、R,G,Bの
各色データについて同じ処理を実行する。説明の便宜
上、R色のデータについて施す処理を例にとって説明す
る。オフセット座標算出処理が開始されると、CPUは
カラー画像データRdと先に求められたベースポイント
Rbに対応する格子点の座標値R(irk)との差分を
変数DUM1として算出する(ステップS230)。変
数DUM1は、図15に示した座標系において格子点か
らのオフセットを表す値となる。次に、DUM2=DU
M1/Rdist×Drを演算して、変数DUM2を算
出する(ステップS235)。ここで、Rdistはカ
ラー画像データRdが属する小格子のR方向の格子点間
隔であり、Drは予め定めた仮想格子点間隔である。つ
まり、変数DUM2は上述の演算により、小格子の格子
点間隔を仮想格子点間隔Drに変換した座標系における
オフセット座標値を表すことになる。次に、CPUは変
数DUM2を整数化し、これをオフセット座標値とする
(ステップS240)。整数化はいわゆる丸め誤差を小
さくする観点から、小数点以下を四捨五入することが望
ましいが、小数点以下を切り捨てまたは切り上げするも
のとしてもよい。以上の処理により格子点間隔を仮想格
子点間隔Drに変換した場合のオフセット座標値を求め
ることを正規化処理と呼ぶものとする。次のステップに
おいてCPUは、R,G,B全色について上記処理が終
了しているか否かを判定し(ステップS245)、全色
について処理が終了していない場合には、G,Bの各色
についても同様の正規化処理(ステップS230〜S2
40)を実行し、オフセット座標を算出する。
【0120】本実施例では、仮想格子点間隔Drは低濃
度領域の格子点間隔に一致させ、R,G,Bの各方向で
も一致させている。低濃度領域とは、図15において
R,G,B方向において座標値が大きい領域をいう。先
に述べた通り、低濃度領域では色補正におけるわずかな
誤差が画質の劣化につながる可能性があるが、仮想格子
点間隔Drを低濃度領域の格子点間隔と一致させること
により、この領域では正規化処理に伴う丸め誤差を生じ
なくなり、良好な画質が得られるからである。
【0121】また、仮想格子点間隔Drと低濃度領域の
格子点間隔とが一致していない場合であっても両者の比
(仮想格子点間隔/格子点間隔)が必ず整数となるよう
にすれば、正規化処理を行っても丸め誤差を生じず、良
好な画質を得ることができる。つまり、格子点間隔が仮
想格子点間隔Drの1/整数となるようにして、仮想格
子点間隔Drを格子点間隔よりも広くなるように両者を
設定してもよい。かかる条件下で、例えば間隔の異なる
複数の格子点間隔の最小公倍数となるように仮想格子点
間隔Drを設定すれば、いずれの格子においても丸め誤
差を生じないような仮想格子点間隔を設定することも可
能である。なお、仮想格子点間隔Drは自由に設定し得
るものであり必ずしもいずれかの格子点間隔と一致して
いる必要はない。また、R,G,B方向でそれぞれ異な
る間隔Dr,Dg,Dbとしてもよい。
【0122】さらに具体的に説明する。本実施例では、
R,G,Bの各階調数が0〜255の256階調であ
り、格子点間隔が16階調である。第1実施例では、原
点から格子点間隔を16で色空間を分割し、格子点の座
標値を0,16,32・・・240,(256)として
いたため、最大座標値255は格子点とはなっていなか
った。これに対し、第2実施例では、最大座標値255
から格子点間隔16で色空間を分割し、原点付近の格子
点間隔を15としている。このとき、格子点座標は、
0,15,31・・・239,255となっている。か
かる分割において仮想格子点間隔Drを間隔16とすれ
ば、もっとも高濃度の領域(原点付近の小格子)以外で
は、丸め誤差を生じない。高濃度領域では、一般に丸め
誤差の画質への影響は小さいため、良好な画質を得るこ
とができる。また、仮想格子点間隔Drを格子点間隔1
5と16の最小公倍数である240とすれば、いずれの
領域でも丸め誤差を生じないようにすることができる。
【0123】なお、仮想格子点間隔は自由に設定し得る
ものではあるが、いずれの格子点間隔よりも広くするこ
とが望ましい。仮想格子点間隔Drよりも広い格子点間
隔を有する領域が存在する場合には、次のような不都合
が生じるおそれがあるからである。例えば、仮想格子点
間隔Drを値2とし、格子点間隔6の区間を正規化処理
する場合を考える。もとの座標系におけるオフセット座
標値0〜5の各点は、正規化処理(座標値/6×2を小
数点以下四捨五入する演算を行う)後の座標系において
順番に0,0,1,1,1,2なる座標値となる。処理
前は座標値0〜5まで6点あったデータが、正規化処理
における整数化の段階で0,1,2の3点のいずれかに
割り当てられてしまう。この結果、原座標系における座
標値2〜4までの3点に対する色補正データは同じ値を
とることになるため、画像処理において誤差が生じるこ
とになる。このような不都合は、仮想格子点間隔Drが
原座標系の格子点間隔よりも狭い部分で生じる。一方、
上記整数を値6とし、仮想格子点間隔Drと格子点間隔
が一致している場合には、このような誤差が生じないの
は明らかである。従って、先に述べた通り、仮想格子点
間隔Drを、いずれの格子点間隔よりも広くなるように
設定することが望ましい。
【0124】一方、オフセット座標算出処理は、図20
に示す方法により行うものとしてもよい。この場合は、
オフセット座標テーブルとして、R方向の座標値に対応
してオフセット座標を記憶したテーブルを用意してお
く。オフセット座標テーブルの一例を図21に示す。オ
フセット座標テーブルは、R方向,G方向,B方向の各
座標値に対応してそれぞれ用意される3種類の1次元の
テーブルである。図21には、R方向の座標値に対応す
るテーブル例を示した。例えば、原点以降の格子点の座
標が値10、値20・・・であり、仮想格子点間隔が値
10であるとすれば、図21に示す通りオフセット座標
テーブルには、座標0〜9までは原点がベースポイント
となるためカラー画像データRdの座標値がそのままオ
フセット座標値として記憶されており、座標10〜19
までは格子点1(座標値10)がベースポイントとなる
ため、カラー画像データからベースポイントの座標値
(値10)を引いた値がオフセット座標値として記憶さ
れており、以下格子点の座標値に応じて同様にデータが
記憶されている。この例では、簡単のために格子点間隔
と仮想格子点間隔が一致した場合を示したが、両者が異
なっている場合には、先に述べた正規化処理後の値がオ
フセット座標値として記憶されることになる。オフセッ
ト座標算出処理では、図20に示す通り、カラー画像デ
ータの座標値Rdに対応したオフセット座標テーブルの
値を読み込むのである(ステップS245)。次のステ
ップにおいてCPUは、R,G,B全色について上記処
理が終了しているか否かを判定し(ステップS25
0)、全色について処理が終了していない場合には、
G,Bの各色についても同様の処理(ステップS24
5)を実行する。
【0125】こうすることにより、図19のような演算
処理が不要となるため、オフセット座標の算出を高速で
行うことができる。上記テーブルを用意するメモリが必
要となるが、1次元のテーブルを用意すれば済むため、
メモリ容量は比較的小さくて済む。また、R,G,Bの
各方向で格子点の座標値が一致している場合には、3方
向の基準格子点テーブルを共通化することができ、1種
類のオフセット座標テーブルを用意すればよいため、必
要となるメモリ容量はより一層小さくて済む。3方向の
オフセット座標テーブルを共通化してもよい。
【0126】なお、上述のベースポイント算出処理(図
16,図17)およびオフセット座標算出処理(図1
9,図20)は自由に組み合わせて実行できるものであ
る。つまり、メモリ容量に余裕がない場合等に図16の
ベースポイント算出処理と図19のオフセット座標算出
処理を実行するものとしてもよいし、若干メモリ容量に
余裕がある場合に基準格子点テーブルまたはオフセット
座標テーブルのいずれか一方をもつ(図17と図19の
処理内容の組み合わせ、または図16と図20の処理内
容の組み合わせ)ものとしてもよい。また、メモリ容量
が十分にある場合に基準格子点テーブルまたはオフセッ
ト座標テーブルの双方をもつ(図17と図20の処理内
容の組み合わせ)としてもよい。
【0127】以上で説明した画像処理装置によれば、色
補正テーブルをオフセット補正テーブルOTを用いて補
間することにより画像処理を行うため、第1実施例と同
様、各画素について非常に誤差の小さい色補正を高速に
実行することができる。しかも、第2実施例では、色空
間を不均一な間隔で分割することができるため、例えば
低濃度領域を他の領域に比べて細かい間隔で分割するこ
とが可能となり、画質を向上させることができる。ま
た、各次元間で格子点間隔を一致させる必要もないた
め、視覚感度に応じて各色成分(次元)ごとに格子点間
隔を自由に設定できる。この結果、画質を維持したま
ま、色補正テーブルの容量を抑えることも可能となる。
【0128】以上で説明した画像処理装置における画像
処理は、コンピュータ90がプログラムに従って図9に
示す種々の処理を実行することにより実現しているもの
である。従って、本発明は上記各機能を実現するプログ
ラムを記憶した記憶媒体としての実施の形態をとること
もできる。つまり、上述の機能を実現するプログラム
は、フロッピディスクやCD−ROM等の、コンピュー
タ読み取り可能な記憶媒体に記憶された形態で提供され
る。コンピュータ90は、その記憶媒体からプログラム
を読み取って内部記憶装置または外部記憶装置に転送す
る。あるいは、通信経路を介してコンピュータにプログ
ラムを供給するようにしてもよい。プログラムの機能を
実現する時には、内部記憶装置に格納されたプログラム
がコンピュータのマイクロプロセッサによって実行され
る。また、記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュ
ータが読み取って直接実行するようにしてもよい。
【0129】また、図9に示す種々の処理を実行するプ
ログラムとは別に、格子点情報テーブルと、色補正テー
ブルと、オフセット補正テーブルとを記録した記録媒体
としての実施の態様をとることもできる。この場合、コ
ンピュータ90は、この記録媒体に記録された上記各テ
ーブルを用いつつ、図9に示す種々の処理を実行する。
なお、このような記録媒体には、基準格子点テーブルお
よびオフセット座標テーブルを併せて記録するものとし
てもよい。
【0130】上記実施例では、画像処理ルーチンをCP
Uがソフト的に実行するものとして説明したが、これを
ハードウェアで構成するものとしてもよい。また、ハー
ドウェアで構成された画像処理装置をプリンタ22に組
み込むものとしてもよい。
【0131】ハードウェアで装置を構成する場合の色補
正テーブルの構成例を図22に示す。これは、例えばシ
アンについての色補正テーブルを図22に示すようにR
OMに記憶させ、格子点のR,G,B方向の格子点番号
(ir,ig,ib)に所定のアドレス線を割り当てる
ことによって、座標値に対応したシアン補正データがデ
ータバスから出力されるようにしたものである。他の色
についての補正テーブルも同様に構成できる。なお、C
Sなる信号線は、このROMへの信号入力の有効・無効
を制御するチップセレクト信号を意味する。次に、オフ
セット補正テーブルの構成例を図23に示す。これはR
OMにオフセット補正データを記憶させ、オフセット座
標データに所定のアドレス線を割り当てることによっ
て、オフセット補正データがデータバスから出力される
ようにしたものである。ここで、図23のアドレス線
(A8〜A10)に割り当てられたコントロールコード
とは、オフセット補正データは一つのオフセット座標デ
ータに対して数種類(格子点特定データ、重み係数デー
タ)存在するため、その種別判定に用いられるものであ
る。
【0132】(4)第3実施例:本発明は、画像処理装
置における色補正処理以外にも、種々の装置について適
用可能である。以下に第3実施例として、本発明の制御
方法を航空機の飛行制御装置における制御処理に適用し
た例を示す。図24は、航空機の飛行制御装置のソフト
ウェア構成を示すブロック図である。本実施例の飛行制
御装置は、操縦指令入力部302,飛行状態検出部30
4、重量推定部306,抵抗推定部308,推力目標値
設定部310、エンジン制御部312から構成されてい
る。実際には、航空機300に搭載されたフライトコン
ピュータおよびセンサが上述したそれぞれの機能ブロッ
クを構成することにより飛行制御装置として機能してい
る。この飛行制御装置は、操縦指令値に応じて航空機3
00に搭載されたターボファンエンジンの推力を制御し
ている。もちろん、機体の飛行姿勢を制御する機能も有
しているが、図示の都合上、エンジンの推力を制御する
機能ブロックのみを示した。
【0133】この飛行制御装置は、操縦指令入力部30
2を介して、航空機300の飛行状態に関する指令値を
入力する。指令値は、パイロットがコックピット内に設
置された入力パネルを通じて飛行高度、飛行速度を入力
することにより与えられる場合もあるし、操縦輪および
スロットルレバーなどを操作することにより与えられる
場合もある。重量推定部306は、航空機300の重量
を算出する。重量は、例えば、初期の飛行重量から消費
した燃料重量を減ずることにより推算することができ
る。
【0134】操縦指令値として入力された飛行高度、飛
行速度、及び推定された重量は抵抗推定部308に受け
渡される。抵抗推定部308では、これらのデータに基
づいて航空機300の空力抵抗を算出する。空力抵抗
は、抵抗係数CDと主翼面積(m2)と動圧(kgf/
2)の積により求められる。動圧は、航空機300の
飛行状態検出部304で検出した飛行高度およびマッハ
数に応じて一義的に決定される。抵抗係数は航空機の飛
行速度および揚力係数CLに応じてテーブルを補間する
ことにより求められる無次元量である。揚力係数CL
は、航空機の重量を主翼面積と動圧で除したて得られる
無次元量である。揚力係数CLは、飛行中の迎え角α、
即ち機体軸Xbと速度ベクトルVeとのなす角度に応じ
て変化する。
【0135】抵抗係数の算出方法を図25および図26
に基づいて説明する。図25は、航空機300について
マッハ数、揚力係数CLと抵抗係数CDとの関係を表す
グラフである。マッハ数M1において、揚力係数CLと
抵抗係数CDとの関係は図示する曲線で与えられる。マ
ッハ数に応じて曲線は変化する。つまり、揚力係数CL
とマッハ数の2つのパラメータを特定すれば、抵抗係数
CDは一義的に決まる。本実施例の飛行制御装置は、か
かるグラフをテーブルとして記憶している。本実施例に
おけるテーブルのイメージを図26に示す。本実施例の
テーブルは、揚力係数CLとマッハ数の2次元の座標空
間において、図示する通り離散的に存在する格子点を定
義し、各格子点ごとに抵抗係数CDを記憶している。抵
抗係数CDは、このテーブルを揚力係数CLおよびマッ
ハ数に応じて補間することにより求められる。
【0136】実際には、揚力係数CLおよびマッハ数は
連続的に変化する値である。しかし、本実施例では、揚
力係数CLは0.01刻み、マッハ数は0.01M刻み
の値を採るものとしている。これよりも小さい値は、セ
ンサの検出分解能や重量の推定精度および抵抗値に与え
る影響を考慮すれば、重要な意味を持たないからであ
る。図26に示した格子点は、これらの最小刻みよりも
大きな間隔で等間隔に設定されている。揚力係数は0.
1刻み、マッハ数は0.1M刻みで格子点は設定されて
いる。
【0137】本実施例では、上述した抵抗係数CDの2
次元テーブルを補間する際に用いるオフセット補正テー
ブルを用意する。オフセット補正テーブルの内容は、先
に第1実施例で説明したテーブルと同様である。第1実
施例では、オフセット補正テーブルは、補間において乗
ぜられる重み値および補間に使用する格子点を特定する
ための格子点特定データをR,G,Bのオフセット座標
値に対応して記憶するテーブルであった。本実施例にお
けるオフセット補正テーブルは、重み値及び格子点特定
データを、揚力係数CLとマッハ数に対応して記憶する
テーブルである。先に説明した通り、本実施例では、揚
力係数CLおよびマッハ数は、格子点の間隔をそれぞれ
10等分した値を取りうる。従って、オフセット補正テ
ーブルは、揚力係数CLとマッハ数について、10×1
0通りの組み合わせに対し、それぞれ上記データを有す
るテーブルとなっている。
【0138】本実施例では、かかるオフセット補正テー
ブルを利用して抵抗データの補間演算を実行する。ま
ず、図10及び図11と同様の処理によって、揚力係数
CLとマッハ数を、図26の格子点の座標、即ちベース
ポイントと、オフセット座標とに変換する。第1実施例
では、R,G,Bの3次元空間でこの座標変換を行って
いたが、本実施例では揚力係数CLとマッハ数の2次元
空間で座標変換を行う点で相違するのみである。次に、
オフセット座標値に基づいて、オフセット補正テーブル
を参照し、格子点特定データおよび重み値を求める。こ
うして求められた重み値を、それぞれ格子点特定データ
により特定される各格子点に記憶された抵抗係数CDに
乗ずることによって、入力された飛行高度、マッハ数に
対応した抵抗係数CDを求めるのである。抵抗推定部3
08は、こうして算出された抵抗係数CDに主翼面積
(m2)および動圧(kgf/m2)を乗ずることによ
り、入力された飛行高度、マッハ数で飛行する際の航空
機300の抵抗(kgf)を推定する。
【0139】なお、上記の説明では、抵抗係数CDを記
憶したテーブルを2次元のテーブルとして説明したが、
図26に示す通り、例えば、フラップの角度を要素に加
えた3次元テーブルとして扱うものとしてもよい。
【0140】一方、飛行状態検出部304は、航空機3
00の飛行状態に関するパラメータを検出する。例え
ば、現在の飛行高度、飛行マッハ数、及び現在のスロッ
トルレイティングなどが挙げられる。スロットルレイテ
ィング(%)とは、エンジンの推力を調整するパラメー
タをいい、スロットルレバーの角度と関連付けられてい
る。これらのデータおよび抵抗推定部308で推定され
た抵抗は推力目標値設定部310に受け渡される。必要
推力設定部310は、航空機300の飛行状態を、操縦
指令入力部302により入力された飛行高度およびマッ
ハ数に移行するための推力目標値を以下の手順で算出す
る。
【0141】推力目標値設定部310は、まず、飛行状
態検出部304から受け渡されたデータに基づいて、現
在のエンジン推力を求める。エンジン推力は、図27に
示すテーブルを補間することにより求める。図27に
は、高度H1(ft)における、マッハ数及びスロット
ルレイティングと推力の対応を示した。R1,R2、R
3,R4の順にスロットルレイティングが低くなり、推
力が小さくなる。このようにターボファンエンジンの推
力は、航空機の飛行高度、マッハ数およびスロットルレ
イティングを特定すると一義的に求めることができる。
【0142】本実施例におけるテーブルのイメージを図
28に示す。本実施例のテーブルは、高度、マッハ数及
びスロットルレイティングの3次元の座標空間におい
て、図示する通り離散的に存在する格子点を定義し、各
格子点ごとに推力を記憶している。推力は、この3次元
テーブルを高度、マッハ数、スロットルレイティングの
組み合わせに応じて補間することにより求められる。
【0143】実際には、これらの諸量は連続的に変化す
る値である。しかし、本実施例では、高度は1000f
t刻み、マッハ数は0.01M刻み、スロットルレイテ
ィングは1%刻みの値を採るものとしている。抵抗係数
CDの補間の場合と同様の理由による。図28に示した
格子点は、これらの最小刻みよりも大きな間隔で等間隔
に設定されている。推力を記憶した3次元テーブルを補
間する際に用いるオフセット補正テーブルも用意されて
いる。オフセット補正テーブルの内容は、先に第1実施
例で説明したテーブルと同様である。つまり、オフセッ
ト補正テーブルは、補間において乗ぜられる重み値およ
び補間に使用する格子点を特定するための格子点特定デ
ータを高度、マッハ数およびスロットルレイティングに
対応して記憶するテーブルである。
【0144】本実施例では、かかるオフセット補正テー
ブルを利用して推力を求める。その手法も第1実施例で
説明した方法と同様である。つまり、飛行高度、マッハ
数およびスロトルレイティングの値をベースポイントと
オフセット座標とに変換し、オフセット座標値に基づい
てオフセット補正テーブルを参照し、格子点特定データ
および重み値を求める。こうして求められた重み値を、
それぞれ格子点特定データに対応した推力に乗ずること
によって、飛行高度、マッハ数およびスロットルレイテ
ィングに対応した推力を求めるのである。この値が現在
の飛行状態における推力となる。
【0145】推力目標値設定部310は、現在の飛行状
態における推力と、指令値として入力された飛行状態に
おける推力との偏差に基づき、推力の目標値を設定して
いる。航空機300が定常的に飛行している時は、推力
と抵抗が釣り合っているから、後者の推力は、抵抗推定
部308で算出された抵抗値に等しい。推力の目標値
は、いわゆる比例積分制御によって設定される。上記推
力の偏差に対して所定のゲインを乗ずることにより目標
値を設定するのである。比例積分制御の技術は周知であ
るため、これ以上の詳細な説明は省略する。こうして設
定された推力の目標値は、エンジン制御部312に受け
渡される。
【0146】エンジン制御部312は、推力の目標値に
基づいて、エンジンのスロットルレイティングを設定す
る。スロットルレイティングの設定は、先に図27およ
び図28に示したテーブルを補間することにより行われ
る。高度およびマッハ数は、飛行状態検出部304で検
出された現在の飛行状態を用いる。本実施例において
は、図27に示す通り、特定の高度およびマッハ数にお
けるスロットルレイティングと推力は、単調増加の関係
にある。従って、スロットルレイティングを徐々に変化
させつつ、図28のテーブルを補間して推力を求めてい
けば、比較的容易にスロットルレイティングの目標値を
設定することができる。この補間演算には、先に推力目
標値設定部310で説明した補間方法を適用することが
できる。もちろん、高度、マッハ数、推力によって特定
される格子点ごとにスロットルレイティングを記憶した
テーブルを補間して求めるものとしてもよい。
【0147】以上で説明した制御装置によれば、本発明
の補間演算を適用することにより、抵抗係数CDおよび
エンジンデータの補間を非常に高速に行うことができ
る。従って、航空機300の制御処理を迅速に行うこと
ができ、時間遅れの少ない適切な制御を実現することが
できる。
【0148】上記説明では、航空機300を制御する制
御装置を対象に説明した。本発明の制御方法はこれに限
らず、制御に関与するパラメータを記憶したテーブルを
利用する種々の制御処理に適用可能である。制御対象
は、航空機のみならず種々のエンジン、輸送機器、産業
機械などいかなる機械、装置であってもよい。機械的に
動作するものに限らず、オーディオ機器など電気的に動
作するものであってもよい。さらに、各種機器を実際に
制御する場合のみならず、各種機器の動作をシミュレー
トするシミュレータに本発明の制御方法を適用するもの
としてもよい。
【0149】(5)第4実施例:本発明の制御方法を適
用した第4実施例として、ファジィ制御を行う制御装置
を説明する。図29は、かかる制御装置のソフトウェア
構成を示すブロック図である。実際には、制御装置に搭
載されたCPUおよびメモリがそれぞれの機能ブロック
を実現することにより構成される。なお、本実施例の制
御装置は、第3実施例の制御装置と同様、いかなる装置
をも制御対象とすることができる。以下では、説明の便
宜上、車両を制御対象とした場合を例にとって説明す
る。
【0150】本実施例のファジィ制御装置は、状態量検
出部400、ファジィ推論部402、メンバシップ関数
404、および制御量出力部406とから構成される。
状態量検出部400は、制御対象の現在の状態量を検出
する。状態量とは、制御に関連するパラメータを意味す
る。制御対象が車両である場合には、例えば、車速、前
の車両との車間距離、車両の加速度などが状態量に相当
する。検出された状態量はファジィ推論部402に受け
渡される。
【0151】ファジィ推論部402は、検出された状態
量に基づいてメンバシップ関数404を参照しつつ、フ
ァジィ推論に基づいて制御量を特定する。ファジィ推論
とは、流動性を含んだ、あいまいなパラメータに基づい
て制御量を特定する処理をいう。例えば、制御対象が車
両である場合、ファジィ推論部402は「車両が遅けれ
ば加速する」というタイプの制御を実行する。車両をあ
る特定の速度に一致させる制御ではなく、「遅い」とい
うあいまいなパラメータを用いて制御するのである。
【0152】このようなあいまいなパラメータを数理的
に表した関数がメンバシップ関数である。図30にメン
バシップ関数の例を示す。図示する通り、メンバシップ
関数は、状態量に対して、0〜1.0のメンバシップ値
を与える関数である。例えば、横軸に車速をとり、縦軸
に「速い」と認識される確率をプロットすればメンバシ
ップ関数を構成することができる。横軸は、制御対象と
なる装置、およびファジィ推論において評価対象となる
パラメータに応じて種々用意される。車速のみならず、
車間距離も考慮して制御を行う場合には、横軸に車間距
離をとり、縦軸に「車間距離が狭い」と感じる確率をプ
ロットしたメンバシップ関数がさらに用意される。メン
バシップ関数は2つ以上の状態量に対してメンバシップ
値を与える2次元的な関数として用意されることもあ
る。本実施例では、図30に示した格子点に対応して、
メンバシップ値を記憶した1次元のテーブルとして用意
した。なお、実際には状態量は連続的に変化する値であ
るが、本実施例では第3実施例と同様の理由から、一定
刻みの限られた値をとるものとした。図30の格子点は
この刻みよりも大きな間隔で設けられている。
【0153】ファジィ推論部402は、このメンバシッ
プ関数を状態量に応じて補間してメンバシップ値を求め
る。本実施例の制御装置は、メンバシップ関数の補間す
る際に用いられるオフセット補正テーブルも用意されて
いる。オフセット補正テーブルの内容は、先に第1実施
例で説明したテーブルと同様、補間において乗ぜられる
重み値および補間に使用する格子点を特定するための格
子点特定データを状態量に対応して記憶するテーブルで
ある。
【0154】本実施例では、かかるオフセット補正テー
ブルを利用してメンバシップ値を求める。その手法も第
1実施例で説明した方法と同様である。つまり、状態量
をベースポイントとオフセット座標とに変換し、オフセ
ット座標値に基づいてオフセット補正テーブルを参照
し、格子点特定データおよび重み値を求める。こうして
求められた重み値を、それぞれ格子点特定データに対応
したメンバシップ値に乗ずることによって、状態量に対
応したメンバシップ値を求める。
【0155】ファジィ推論部402は、こうして算出さ
れたメンバシップ値に基づいて制御量を設定する。例え
ば、「車速が遅く、車間が開いている場合には、加速せ
よ」というルールに基づいて車両を制御する場合、状態
量として検出された車速、車間に基づいてメンバシップ
値を求めることにより、上記条件を満たしているか否か
を判定し、車両を加速すべきか否かを判定するのであ
る。加速の程度をさらにメンバシップ関数で設定する場
合もある。ファジィ推論の内容は、本発明に本質的な部
分ではないため、これ以上の詳細な説明は省略する。こ
うして設定された制御量は制御量出力部406に受け渡
される。制御量出力部406は、設定された制御量に対
応した制御信号を出力して制御対象となる装置を制御す
る。車両が制御対象である場合には、制御量としてアク
セル開度が挙げられる。制御量出力部406はアクセル
開度を調整して、車速を制御するのである。
【0156】本発明の制御方法を適用することにより、
メンバシップ関数の補間速度を向上することができる。
メンバシップ関数の補間はファジイ制御において頻繁に
行われる。従って、本発明の制御方法を上述の態様でメ
ンバシップ関数の補間に適用すれば、ファジィ制御の処
理を非常に高速に実行することができる。かかる効果
は、メンバシップ関数が2次元以上の場合、特に有効で
ある。
【0157】(6)第5実施例:第5実施例として、座
標変換が必要となる装置の制御処理に本発明の制御方法
を適用した例を説明する。以下では、座標変換の一例と
して極座標系から直交座標系への座標変換を例に説明す
る。図31にかかる座標変換を行う一例を示す。図31
中のeqは赤道、meは0度の経線を示している。Pe
は地球上の点を示しており、LATおよびLONはそれ
ぞれ点Peの緯度(rad)、経度(rad)を示して
いる。Rは、地球の半径である。図示する通り、地球上
の緯度、経度は極座標の一種である。一方、地球上のあ
る点における東西南北の方角は近似的に直交座標とみな
すことができる。
【0158】図31は、緯度、経度から地球上のある点
Pe0を中心とした方角により特定される直交座標への
座標変換の様子を示している。かかる座標変換は、例え
ば、いわゆるグローバル・ポジショニング・システム
(以下、GPSという)を用いたナビゲーションシステ
ムにおいて用いられる。GPSは、周知の通り、人工衛
星からの信号に基づいて地球上での位置を知ることがで
きるシステムである。GPSによれば、地球上の位置を
緯度、経度、高度によって知ることができる。一方、ナ
ビゲーションシステムにおいて地図の表示を制御する場
合には、東西南北の方角を基準として現された地図上の
座標系で自己の位置を特定することが望ましい。以下で
は、ナビゲーションシステムが自動車に搭載された場合
を想定し、高度は一定であるものとする。
【0159】緯度、経度を地球上のある点Pe0を原点
として東方向、北方向を軸とする直交座標系に変換する
場合を考える。点Pe0の緯度(rad)、経度(ra
d)が(LAT0,LON0)であるものとする。例え
ば、同じ緯度に存在する点Pe0と点Pe1(LAT
0,LON1)との東西方向の距離Leは、緯線LAT
0(図31の破線eq1参照)の円弧として次式(1
8)の通り与えられる。 Le=R・(LON1−LON0)・cos(LAT0) …(18) 異なる緯度に存在する2点間であっても、両者の緯度の
差が小さければ、近似的に上式(18)により東西方向
の距離を求めることができる。
【0160】一方、同じ経度に存在する点Pe0と点P
e2(LAT1,LON0)との南北方向の距離Ln
は、経線の円弧として次式(19)の通り与えられる。 Ln=R・(LAT1−LAT0) …(19) この式は、異なる経度に存在する2点間の場合でも成立
する。
【0161】従って、任意の緯度、経度で現される地球
上の点Pe(LAT1,LON1)は、点Pe0を原点
として東方向、北方向を軸とする直交座標系では、上式
(18)および(19)で与えられる距離を用いて(L
e,Ln)と表すことができる。
【0162】本実施例では、上記座標変換を、補間演算
を用いることにより、次の通り実現する。図32は、本
実施例で用いるテーブルを示す説明図である。本実施例
の座標変換方法では、まず、図32に示す通り、緯度、
経度の組み合わせによっていくつかの格子点を設定し、
それぞれの格子点に対して上記直交座標系の値Le,L
nを記憶したテーブルを用意する。このテーブルを補間
することにより、直交座標系の値Le,Lnを、任意の
緯度、経度に対して求めることができる。
【0163】図32に示したテーブルの補間方法は、第
1実施例で図9〜図11を用いて説明した補間方法と同
様である。この補間方法は、補間において乗ぜられる重
み値および補間に使用する格子点を特定するための格子
点特定データを緯度、経度の組み合わせに対応して記憶
したオフセット補間テーブルを用意する。かかるテーブ
ルを用意可能とするために、緯度、経度は連続的に変化
し得る実数ではなく、所定の刻みからなる値をとるもの
としている。所定の刻みは、座標変換に求められる精度
に応じて設定可能である。図32のテーブルを補間する
際には、緯度、経度の組み合わせからなる座標値をベー
スポイントとオフセット座標とに変換し、オフセット座
標値に基づいてオフセット補正テーブルを参照して格子
点特定データおよび重み値を求める。こうして求められ
た重み値を、それぞれ格子点特定データに対応して記憶
された座標値Le,Lnに乗ずることによって、座標変
換を行う。
【0164】上述した座標変換の式(18)(19)は
線形ではない。従って、本実施例のようにテーブルを補
間することによって、座標変換を行えば、厳密には誤差
を含む。この誤差は、図32のテーブルの格子点間隔に
応じて変化する。従って、座標変換において求められる
精度に応じて、テーブルの格子点間隔を十分細かく設定
しておけば、上記誤差を抑制することができる。
【0165】本実施例の補間演算によれば、座標変換を
非常に高速に行うことができる。上式(18)は、三角
関数を含んだ計算式である。一般に三角関数は長時間を
要する演算である。本実施例の方法では、座標変換処理
を高速で実行可能とすることにより、以下に示す利点が
ある。例えば、ナビゲーションシステムにおける制御処
理などで、座標変換は頻繁に繰り返し実行される。従っ
て、座標変換を高速に行うことができれば、かかる処理
全体を高速に実行することができる。また、ナビゲーシ
ョンシステム中において上述した座標変換を行う場合に
は、リアルアタイムで実行する必要もある。本実施例の
座標変換方法は、かかる要請にも十分応えることができ
る。
【0166】本実施例では、高度を一定として扱うこと
により、地表面での座標変換のみを考慮した。これに対
し、緯度、経度、高度で表される3次元の極座標を、東
方向の軸、北の方向の軸および高度からなる3次元の直
交座標系に変換することも可能である。本実施例では、
極座標の原点と、直交座標の原点とが異なっている場合
を例にとって説明したが、両者の原点が一致している場
合に適用可能であることはいうまでもない。また、本実
施例の方法を適用可能な座標変換は、極座標と直交座標
との間に限定されるものではなく、いかなる座標系の間
でも適用可能である。
【0167】(7)第6実施例:最後に第6実施例とし
て、線形変換が必要となる装置の制御処理に本発明の制
御方法を適用した例を説明する。線形変換とは、座標変
換の一種であり、変換前の座標値と変換後の座標値との
関係が行列を用いて表される変換をいう。座標系の平行
移動や回転が代表的な変換である。本実施例では、直交
座標系の回転を例にとって説明する。
【0168】直交座標系の回転による線形変換が制御処
理において必要とされる装置として、いわゆるバーチャ
ルリアリティ(以下、VRという)の装置が挙げられ
る。図33は、VRで用いる座標変換の様子を示した説
明図である。図示する通り、VRの被験者500はヘッ
ドマウンドディスプレイ(以下、HMDという)502
を着用する。VRでは、被験者500の頭の角度に応じ
て仮想空間内での画像を座標変換してHMDに投影す
る。被験者500はHMDに投影された映像を見ること
によって、仮想空間内での動きを疑似体験できる。もち
ろん、VR技術では、被験者500の平行移動も組み合
わせて座標変換を行うこともある。
【0169】一般に3次元の直交座標系の回転には、オ
イラー角と呼ばれる角度ψ(rad)、θ(rad)、
φ(rad)が用いられる。図33に示す通り、地球に
固定された直交座標系をXe,Ye,Zeとする。被験
者500に固定された直交座標系をXb,Yb,Zbと
する。両者の直交座標系の関係は、次で定義されるオイ
ラー角ψ、θ、φを用いて表すことが可能である。
【0170】まず、地球に固定された座標系Xe,Y
e,ZeをZe軸周りにψ(rad)回転させる。この
結果、座標系Xe,Ye,Zeは、図33中の座標系X
e’,Ye’,Zeに変換される。ψ(rad)は、被
験者に固定された座標軸Xbを地球座標系のXe−Ye
平面に投影した軸が、Xe’と重なる角度である。
【0171】次に、座標系Xe’,Ye’,ZeをY
e’周りにθ(rad)回転させる。この結果、座標系
は図33中のXb,Ye’,Ze’に変換される。θ
(rad)は、Xb軸とXe’軸とが一致する角度であ
る。
【0172】最後に、座標系Xb,Ye’,Ze’をX
b軸周りにφ(rad)回転させる。この結果、座標系
は被験者500に固定された座標系Xb,Yb,Zbに
変換される。φ(rad)は、Yb軸とYb’軸とが一
致する角度である。
【0173】地球に固定された座標系で表された座標値
(xe,ye,ze)から、被験者に固定された座標系
で表された座標値(xb,yb,zb)への変換は次式
(20)で表される。つまり、オイラー角ψ、θ、φに
応じて定まる9つの成分a11〜a33が特定されれ
ば、上記座標変換を行うことができる。
【0174】 xb=sinθcosψ・xe+(-sinθsinψ)・ye+cosθ・ze =a11・xe+a12・ye+a13・ze; yb=(-sinφcosθcosψ+cosφsinψ)・xe +(sinφcosθsinψ+cosφcosψ)・ye+sinφsinθ・ze =a21・xe+a22・ye+a23・ze; zb=(cosφcosθcosψ+sinφsinψ)・xe +(-cosφcosθsinψ+sinφcosψ)・ye+(-cosφsinθ)・ze =a31・xe+a32・ye+a33・ze; ・・・(2 0)
【0175】上式(20)から明らかな通り、成分a1
1〜a33は、オイラー角に応じて三角関数を含む演算
により求めることができる。これに対し、本実施例で
は、テーブルを補間することにより、これらの成分を求
めている。図34は、本実施例で使用するテーブルを示
した説明図である。図示する通り、本実施例では、オイ
ラー角ψ、θ、φの組み合わせによっていくつかの格子
点を設定し、それぞれの格子点に対して上記9つの成分
a11〜a33を記憶したテーブルを用意する。また、
このテーブルの補間において用いられるオフセット補正
テーブルも用意する。オフセット補正テーブルは他の実
施例と同様、補間において乗ぜられる重み値および補間
に使用する格子点を特定するための格子点特定データを
記憶している。オフセット補正テーブルを用意可能とす
るために、オイラー角は連続的に変化し得る実数ではな
く、所定の刻みからなる値をとるものとしている。
【0176】図34に示したテーブルの補間方法も他の
実施例と同様である。まず、オイラー角ψ、θ、φの組
み合わせからなる座標値をベースポイントとオフセット
座標とに変換する。オフセット座標値に基づいてオフセ
ット補正テーブルを参照して格子点特定データおよび重
み値を求める。こうして求められた重み値を、格子点特
定データに対応して記憶された成分a11〜a33に乗
ずることによって、オイラー角ψ、θ、φに対応した成
分を算出する。こうして算出された成分を用いて上式
(20)を計算すれば、地球に固定された座標系Xe,
Ye,Zeから被験者500に固定された座標系Xb,
Yb,Zbへの座標変換を行うことができる。
【0177】本実施例で説明した補間演算によれば、座
標系の線形変換を高速に行うことができる。VR技術で
は、線形変換を頻繁に、かつリアルタイムで実行する必
要がある。従って、本実施例で説明した方法による線形
変換の有効性は非常に高い。もちろん、VR技術以外で
も、制御処理の一部に線形変換を含んでいる場合は、本
実施例の線形変換を適用することにより、全体の制御処
理を高速化することができる。
【0178】上式(20)から明らかな通り、各成分a
11〜a33はオイラー角ψ、θ、φの線形関数ではな
い。従って、図34のテーブルを補間して求めた各成分
の値には、厳密には誤差が含まれる。この誤差は、図3
4の各格子点の間隔に応じて変化する。座標変換におい
て求められる精度に応じて、テーブルの格子点間隔を十
分細かく設定しておけば、上記誤差を抑制することがで
きる。
【0179】本実施例では、VR技術に適用する場合を
例にとって説明したが、上述した制御方法は、VR技術
以外にも線形変換を必要とする種々の制御処理に適用可
能であることはいうまでもない。直交座標系のみならず
種々の座標系を対象とすることも可能である。当然、座
標空間も3次元に限定されるものではない。また、本実
施例では、座標系の回転を例にとって説明したが、平行
移動を含む場合も同様の手法により処理することができ
る。
【0180】以上、本発明の種々の実施例について説明
してきたが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の形態による実
施が可能である。例えば、図22および図23に示した
ハードウェアによる処理は、第1実施例、第2実施例の
みならず、その他の全ての実施例に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】カラー画像データの存在位置と補間演算に用い
る四面体の関係を示す説明図である。
【図2】本発明の画像処理装置を用いた画像処理システ
ムの概略構成図である。
【図3】画像処理システムに使用されるプリンタ22の
概略構成図である。
【図4】プリンタ22のドット記録ヘッドの概略構成を
示す説明図である。
【図5】プリンタ22におけるドット形成原理を示す説
明図である。
【図6】第1実施例における色空間の分割の様子を示す
説明図である。
【図7】小格子におけるオフセット座標を示す説明図で
ある。
【図8】四面体法による補間演算方法を示す説明図であ
る。
【図9】画像処理ルーチンの流れを示すフローチャート
である。
【図10】第1実施例におけるベースポイント算出処理
の流れを示すフローチャートである。
【図11】第1実施例におけるオフセット座標算出処理
の流れを示すフローチャートである。
【図12】オフセット補正テーブルOTの例を示す説明
図である。
【図13】メモリ上の色補正テーブルCTの並びの例を
示す説明図である。
【図14】オフセット補正テーブルOTのデータとメモ
リ上の色補正テーブルCTのデータとの関係を示す説明
図である。
【図15】第2実施例における色空間の分割の様子を示
す説明図である。
【図16】第2実施例におけるベースポイント算出処理
の1つめの流れを示すフローチャートである。
【図17】第2実施例におけるベースポイント算出処理
の2つめの流れを示すフローチャートである。
【図18】基準格子点テーブルの例を示す説明図であ
る。
【図19】第2実施例におけるオフセット座標算出処理
の1つめの流れを示すフローチャートである。
【図20】第2実施例におけるオフセット座標算出処理
の2つめの流れを示すフローチャートである。
【図21】オフセット座標テーブルの例を示す説明図で
ある。
【図22】ハードウェアによる色補正テーブルの構成例
を示す説明図である。
【図23】ハードウェアによるオフセット補正テーブル
の構成例を示す説明図である。
【図24】第3実施例としての飛行制御装置のソフトウ
ェア構成を示す説明図である。
【図25】抵抗係数CDと揚力係数CL、マッハ数との
関係を示すグラフである。
【図26】抵抗係数を与えるテーブルを示す説明図であ
る。
【図27】推力と高度、マッハ数、スロットルレイティ
ングとの関係を示すグラフである。
【図28】推力を与えるテーブルを示す説明図である。
【図29】第4実施例としての制御装置のソフトウェア
構成を示す説明図である。
【図30】メンバシップ値を与えるテーブルを示す説明
図である。
【図31】第5実施例としての座標変換の様子を示す説
明図である。
【図32】緯度、経度から直交座標系の値を与えるテー
ブルを示す説明図である。
【図33】第6実施例としての線形変換の様子を示す説
明図である。
【図34】オイラー角から線形変換の成分を与えるテー
ブルを示す説明図である。
【符号の説明】
12…スキャナ 21…カラーディスプレイ 22…カラープリンタ 23…紙送りモータ 24…キャリッジモータ 26…プラテン 28…印字ヘッド 31…キャリッジ 32…操作パネル 34…摺動軸 36…駆動ベルト 38…プーリ 39…位置検出センサ 40…制御回路 42…プログラマブルROM(PROM) 61、62、63、64…インク吐出用ヘッド 65…導入管 68…インク通路 71…黒インク用のカートリッジ 72…カラーインク用カートリッジ 90…パーソナルコンピュータ 91…ビデオドライバ 92…入力部 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…ラスタライザ 98…色補正モジュール 99…ハーフトーンモジュール 300…航空機 302…操縦指令入力部 304…飛行状態検出部 306…重量推定部 308…抵抗推定部 310…推力目標値設定部 312…エンジン制御部 400…状態量検出部 402…ファジィ推論部 404…メンバシップ関数 406…制御量出力部 500…被験者 502…ヘッドマウントディスプレイ(HMD)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定次元の座標空間に離散的に存在する
    格子点に対応して記憶された装置の制御処理に関与する
    パラメータを、前記座標値の組み合わせに応じて補間演
    算することによって、該装置の制御処理を行う制御方法
    であって、(a) 前記座標空間の前記各次元ごとに離
    散的に設定された座標値の組み合わせによって定義され
    る格子点について、該座標値の組み合わせからなる格子
    点情報を記憶した格子点情報テーブルと、 前記各格子点に対応して前記パラメータを記憶した被補
    間テーブルと、 前記被補間テーブルを補間して前記入力データに対応す
    る値を演算する際に必要となる補間演算データを前記オ
    フセット座標値に対応して記憶する、前記小格子の数よ
    りも少ない種類のオフセット補正テーブルとを予め用意
    する工程と、(b) 前記座標空間において、前記各次
    元ごとに予め有限個に設定された座標値の組み合わせか
    らなる入力データを入力する工程と、(c) 隣接する
    前記格子点によって前記次元で形成される複数の小格子
    のうち、前記入力データがいずれの小格子に属するか
    を、前記格子点情報に基づいて判定する工程と、(d)
    前記入力データを、該入力データが属する小格子の格
    子点のうち基準となる基準格子点の座標値と、前記各次
    元について該入力データと該基準格子点の座標値との偏
    差を表すオフセット座標値とに変換する工程と、(e)
    前記オフセット座標値に対応した補間演算データを前
    記オフセット補正テーブルから読み出すとともに、前記
    基準格子点および該基準格子点に隣接する所定の格子点
    に対応した前記パラメータを前記被補間テーブルから読
    み出し、前記補間演算データを用いて該被補間データの
    補間演算を行う工程とを備えた制御方法。
  2. 【請求項2】 2次元以上の色空間において各次元ごと
    に予め定めた階調数に対応した座標値を用いて表された
    多色の画像を色補正して出力する画像処理装置であっ
    て、 前記画像の各画素について、前記座標値からなるカラー
    画像データを入力する入力手段と、 前記色空間を前記各次元ごとに前記階調数よりも少ない
    数に分割することにより得られた格子点の座標値からな
    る格子点情報を格子点情報テーブルとして記憶する第1
    のメモリと、 前記各格子点に対応して、色の補正量に関する色補正デ
    ータを色補正テーブルとして記憶した第2のメモリと、 隣接する前記格子点によって前記次元に対応して形成さ
    れる複数の小格子のうち、前記カラー画像データがいず
    れの小格子に属するかを、前記格子点情報に基づいて判
    定する小格子判定手段と、 前記カラー画像データを、該カラー画像データが属する
    小格子の基準となる基準格子点の座標値と、前記各次元
    ごとに該カラー画像データと該基準格子点の座標値との
    偏差を表すオフセット座標値とに変換する画像データ変
    換手段と、 前記カラー画像データに対応する色補正データを前記色
    補正テーブルを補間して求める際に必要となる補間演算
    データと前記オフセット座標値との対応を、前記小格子
    の数よりも少ない種類のオフセット補正テーブルとして
    記憶する第3のメモリと、 前記オフセット座標値に対応した補間演算データを前記
    オフセット補正テーブルから読み出すとともに、前記基
    準格子点および該基準格子点に隣接する所定の格子点に
    対応した色補正データを前記色補正テーブルから読み出
    し、該補間演算データを用いて該色補正データの補間演
    算を行い、該演算結果を補正済みのカラー画像データと
    して出力する色補正手段とを備えた画像処理装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110427700A (zh) * 2019-08-01 2019-11-08 中国人民解放军空军工程大学 针对尾流场不规则三维散点坐标的栅格吸附插值拟合方法

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