JP2000068215A - 気相薄膜成長方法およびこれに用いる気相薄膜成長装置 - Google Patents

気相薄膜成長方法およびこれに用いる気相薄膜成長装置

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JP2000068215A
JP2000068215A JP24922398A JP24922398A JP2000068215A JP 2000068215 A JP2000068215 A JP 2000068215A JP 24922398 A JP24922398 A JP 24922398A JP 24922398 A JP24922398 A JP 24922398A JP 2000068215 A JP2000068215 A JP 2000068215A
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thin film
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vapor phase
semiconductor substrate
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Yutaka Ota
豊 太田
Takeshi Arai
剛 荒井
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 気相薄膜成長装置を用いた成膜における基板
直径方向の周期的な膜厚変動を改善する。 【解決手段】 半導体基板Wを載置する回転式のサセプ
タ4に対して一列に配列された原料ガス導入孔2a〜2
dから、矢印A,B,C,Dのごとく原料ガスおよびキ
ャリアガスを半導体基板Wの主面に平行に導入する。半
導体基板Wの主面上において、原料ガス濃度は原料ガス
導入孔2a〜2dの開口中央の延長線上で最大となる
が、これらの原料ガス導入口2a〜2dの仮想中心軸X
2が半導体基板Wの仮想中心軸X1からシフト量Sだけ
ずれていることにより、半導体基板Wの回転に伴い、該
基板上のある地点が曝される原料ガスの濃度が効率よく
平均化される。この結果、膜厚均一性の高い薄膜が形成
される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の表面
に高度な面内膜厚均一性をもって薄膜を気相成長させる
ことが可能な気相薄膜成長方法と、これに好適に用いら
れる気相薄膜成長装置に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造分野においては、半導体基板
の上に単結晶薄膜や多結晶薄膜を精度良く気相成長させ
る薄膜成長工程は極めて重要なプロセスである。近年の
半導体装置の微細化や高集積度化に伴って、これら薄膜
の厚さや品質の均一性に対する要求も厳しさを増してい
る。また、半導体チップ面積の増大に伴う生産性の低下
を防止するために、半導体基板の口径も現状の主流の2
00mmから300mm、さらにはそれ以上へと拡大す
る兆しをみせている。かかる背景から、気相薄膜成長装
置としては従来のバッチ式装置に代わり、膜品質の制御
性に優れる枚葉式の装置が主流となりつつある。特に、
シリコンエピタキシャルウェーハを製造するための気相
薄膜成長装置においては、遷移幅の縮小、膜厚や電気抵
抗率のウェーハ面内均一性およびウェーハ間均一性の改
善、オートドーピングの低減といった観点から、枚葉式
のメリットが大きい。
【0003】シリコンエピタキシャルウェーハ上のシリ
コンエピタキシャル膜については、電子デバイスの微細
化に伴ってより一層の薄膜化と、膜厚および抵抗率の高
度な均一化とが要求されている。しかし、デバイス・チ
ップの大型化と共に半導体基板が大口径化し、形成すべ
きシリコンエピタキシャル膜の面積も増大していること
から、この要求に十分に応えることは年々困難となりつ
つある。大口径の半導体単結晶基板上に半導体単結晶薄
膜を気相成長させるための気相薄膜成長装置としては、
半導体単結晶基板を水平に載置する枚葉式のものが主に
用いられている。
【0004】図5に、従来の枚葉式の気相薄膜成長装置
の構成例を示す。この装置は、長手方向の一端に原料ガ
ス供給管12、他端に排気口3を備えた偏平な反応容器
1と、この反応容器1の下方側に位置し、半導体基板W
を載置するためのサセプタ5を収容するサセプタ収容部
4と、このサセプタ収容部4の底部中央に接続され、上
記サセプタ5の回転軸6を挿通させるための脚部7と、
この脚部7の末端にて上記回転軸6に接続され、該回転
軸6を矢印f方向に回転可能とする回転アセンブリ8と
を備える。この他に図示されない構成要素としては、反
応容器1の天井面の外部に配列され、半導体基板Wを均
一に加熱するための複数の赤外線ランプ、上記脚部7の
内部から上記サセプタ収容部4の内部に向けてパージガ
スを供給するためのパージガス供給系統、サセプタ5表
面の温度を測定することにより半導体基板Wの温度を検
出するための放射温度計がある。
【0005】上記原料ガス供給管12は、たとえば上記
反応容器1の幅方向に一列に等間隔に配列された4つの
流路に分割され、各流路の末端が原料ガス導入口12
a,12b,12c,12dとされている。中央の2つ
の流路、および両端の2つの流路へは、原料ガスがキャ
リアガスと共にそれぞれマスフローコントローラ(MF
C)9,10で流量制御された後に供給される。各原料
ガス導入口12a,12b,12c,12dから矢印
a,b,c,d方向に導入されたこれらのガスは、半導
体基板Wの主面に対して略平行なガス流を形成する。こ
のガス流は、上記半導体基板Wの中心点上を通り原料ガ
スの導入方向に沿った仮想中心軸X1に対して左右対称
である。これは、複数の原料ガス導入口12a,12
b,12c,12dの仮想中心軸X2、すなわちここで
は原料ガス導入口12bの中心と12cの中心との中間
点に、原料ガスの導入方向に沿って仮想される中心軸X
2が、半導体基板Wの仮想中心軸X1に一致しているか
らである。半導体基板Wの主面上を通過したガスは、反
対側の排気口3から矢印e方向に排気される。
【0006】また図6には、半導体基板Wに平行な面内
でこの半導体基板Wの端部に隣接して設けられる長穴状
の原料ガス供給管を複数の溝状の流路に分割し、個々の
流路におけるガス濃度あるいはガス流量を制御可能とし
たガス供給多岐管を備えた気相薄膜成長装置のサセプタ
近傍の上面図を示す。この装置構成に類似した構成は、
たとえば特開平4−233723号公報に開示されてい
る。この装置において、半導体基板Wを載置するサセプ
タ21はこれとほぼ同一平面をなす予熱リング22に周
回され、この予熱リング22の円周の一部に沿ってガス
供給管33と排気管26とが配置されている。上記サセ
プタ21、予熱リング22、原料ガス供給管33の開口
端近傍、および排気管26の開口端近傍は図示されない
石英製の反応容器に収容されており、前記サセプタ21
と予熱リング22とがなす平面により前記反応容器の内
部空間が上下に概ね二分される。上部空間には必要に応
じてドーパントガスを含む原料ガスおよびキャリアガ
ス、下部空間にはパージガスが供給される。また半導体
基板Wの加熱は、この反応容器の上下に配される図示さ
れない赤外線ランプにより行われる。
【0007】上記原料ガス供給管33は、予熱リング2
2の円周の一部に沿って一列かつ等間隔に配列される4
つの流路に分割され、各流路の末端が原料ガス導入口3
3a,33b,33c,33dとされている。両端の2
つの流路と中央の2つの流路におけるガス流量は、独立
に制御可能となされている。すなわち、原料ガス供給管
33へ供給される原料ガスおよびキャリアガスは、まず
マスフローコントローラ(MFC)25で流量を制御さ
れた後に2つの経路に分割され、各経路に備えられたバ
ルブ24a,24bでさらに流量を制御されて、それぞ
れ両端の2つの流路と中央の2つの流路とに振り分けら
れる。
【0008】各原料ガス導入口33a,33b,33
c,33dから矢印a,b,c,d方向に導入されたこ
れらのガスは、半導体基板Wの主面に対して略平行なガ
ス流を形成する。この装置においても、前掲の図4に示
した装置と同様、ガス流は上記半導体基板Wの中心点上
を通り原料ガスの導入方向に沿った仮想中心軸X1に対
して左右対称である。これは、複数の原料ガス導入口3
3a,33b,33c,33dの仮想中心軸X2、すな
わちここでは原料ガス導入口33bの中心と33cの中
心との中間点に、原料ガスの導入方向に沿って仮想され
る中心軸X2が、半導体基板Wの仮想中心軸X1に一致
しているからである。半導体基板Wの主面上を通過した
ガスは、対面側の排気管26へ流入する。この排気管2
6は、予熱リング22の円周の一部に沿って配置された
2つの流路26a,26bに分割されており、最終的に
はこれらの流路26a,26bを通過したガス流が合流
し、排気口27から矢印e方向に排気される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述のよ
うな装置を使用して半導体基板Wの上に気相成長された
薄膜には、基板の直径方向に沿って周期的に畝状の膜厚
分布が現れることが避けられない。つまり、半導体基板
W上では、膜厚の大きい領域と小さい領域とが交互に繰
り返され、同心円状の畝が形成されるのである。たとえ
ば、シリコンエピタキシャル膜を15μm気相成長させ
る場合、SEMI(Semiconductor Equipment and Mater
ials International) のフラットネス規格であるSFQ
D(SEMI M1−96)で20mm角のセル内に
0.18μm程度の畝が形成される。ここで、SEMI
の定義によるSFQDとは、ウェーハ全面をセルに分割
し、表面基準のベストフィット法で求めた基準面と各セ
ルに発生している凸部または凹部との標高差の最大値を
絶対値で表したフラットネスの指標である。
【0010】上述のような膜厚差は、デザインルールが
0.18μm以下に縮小される今後の半導体プロセスへ
の適用を想定した場合に実用上許容できるものではな
い。そこで本発明は、半導体基板の表面に高度な面内膜
厚およびフラットネス均一性をもって薄膜を気相成長さ
せることが可能な気相薄膜成長方法と、これに用いる気
相薄膜成長装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の気相薄膜成長方
法は、反応容器の一端に開口される原料ガス導入口の配
列を、原料ガスの導入方向に沿った被成膜基板の仮想中
心軸に対して非対称に設定した状態で、該被成膜基板を
回転させながら前記薄膜を成長させるものである。これ
により、被成膜基板上において原料ガスの流速が大きく
なる地点が分散され、該被成膜基板の直径方向に沿った
周期的な膜厚変動が解消もしくは緩和される。上記被成
膜基板としてはシリコン単結晶基板、上記原料ガスとし
てはシラン系ガスを典型的に用いることができる。これ
により、膜厚均一性に極めて優れるシリコン単結晶薄膜
が得られる。
【0012】上記の非対称な設定は、上記複数の原料ガ
ス導入口の配列を等間隔とし、かつこれら複数の原料ガ
ス導入口全体を該間隔の1/5〜3/10に相当するシ
フト量だけ前記反応容器の幅方向に沿って前記被成膜基
板の仮想中心軸からシフトさせることにより達成可能で
ある。特に、このシフト量を上記間隔の1/4とする
と、被成膜基板上における原料ガスの流速の平均化効果
が理論上最大となる。かかる構成によれば、上記複数の
原料ガス導入口から供給される原料ガスの濃度および流
量が実質的に等しくても均一な膜厚分布を達成すること
ができる。
【0013】また、上記の方法を実施する上で好適な本
発明の気相薄膜成長装置は、偏平な反応容器内におい
て、原料ガス導入手段の仮想中心軸が、回転式のサセプ
タの上に載置される被成膜基板の仮想中心軸から前記反
応容器の幅方向に沿ってシフトされたものである。上記
原料ガス導入手段は、反応容器の幅方向に沿って配列さ
れる複数の原料ガス導入口に分割されていることが、反
応容器内に層流を形成する上で好適である。この場合、
複数の原料ガス導入口の配列が等間隔とされ、かつこれ
ら複数の原料ガス導入口全体が、該間隔の1/5〜3/
10に相当するシフト量だけ反応容器の幅方向に沿って
上記被成膜基板の仮想中心軸からシフトされていること
が、原料ガスの流速の平均化効果を得る上で好適であ
る。特に、このシフト量が1/4である場合に、平均化
効果が最大となる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1に、本発明の気相薄膜成長装
置の概略斜視図、図2にその要部の模式的上面図を示
す。ただし、これら図1および図2の参照符号は前掲の
図4と一部共通であり、共通部分については詳しい説明
は省略する。上記反応容器1の幅方向、すなわち短手方
向の長さは、半導体基板Wの直径よりもやや大とされる
程度に選択される。このことにより、反応容器1内のガ
ス流が近似的に層流を形成した状態で半導体基板Wの主
面に沿って通過するようになされている。直径200m
mの半導体基板Wに対する処理を想定した場合、反応容
器1の幅は例えば280mm程度に設定される。なお、
上記反応容器1の天井面側の外部には半導体基板Wを均
一に加熱するための複数の赤外線ランプが配列されてい
るが、ここでは煩雑さを避けるために図示を省略し、光
の入射方向のみ矢印Lで示してある。なお、半導体基板
Wを加熱するための赤外線ランプは、上記反応容器1の
底部側の外部にも配列されることがある。
【0015】上記反応容器1の一端には、原料ガス供給
管2が接続されている。この原料ガス供給管2は、4分
割された流路を有し、各流路の末端が原料ガス導入口2
a,2b,2c,2dとされている。この原料ガス導入
口間のピッチP、すなわち、隣接する各原料ガス導入口
2a,2b,2c,2dの中心間距離は、50mmとし
た。各原料ガス導入口2a,2b,2c,2dから導入
された原料ガスは、それぞれ矢印A,B,C,Dで示さ
れるごとく、半導体基板Wの主面に対して略平行なガス
流を形成し、反応容器1の他端に接続された排気口3か
ら矢印E方向に排気される。ただし、この装置が前掲の
図4に示した装置と異なるところは、複数の原料ガス導
入口2a,2b,2c,2dからなる原料ガス導入手段
の仮想中心軸X2、すなわちここでは、原料ガス導入口
2bの中心と2cの中心との中間点に、原料ガスの導入
方向に沿って仮想される中心軸X2が、半導体基板Wの
中心点上を通り原料ガスの導入方向に沿った仮想中心軸
X1に一致されていないことである。この原料ガス導入
手段の仮想中心軸X2は、半導体基板Wの仮想中心軸X
1から反応容器の幅方向に沿ってシフト量Sだけずれて
いる。
【0016】本発明の気相薄膜成長装置を使用すると、
半導体基板Wの直径のうち、原料ガスの流れ方向に垂直
な直径に沿った原料ガスの濃度分布プロファイルを、該
半導体基板Wの仮想中心軸X1に対して非対称とするこ
とができる。したがって、半導体基板W上のある地点が
曝される原料ガスの濃度が従来に比べてより効率的に平
均化され、これにより、半導体基板W上に原料ガスに由
来する薄膜を形成する際に、直径方向に沿った膜厚分布
も平均化される。
【0017】図3には、上述の装置を用い、シフト量S
を様々に変えながら実際にシリコンエピタキシャル膜を
気相成長させた場合の膜厚変動を示す。なお、図3は半
導体基板Wの中心から半径分のみの膜厚分布を示してい
る。使用した半導体基板Wは、直径200mm、面方位
(100)、抵抗率0.01Ω・cm〜0.02Ω・c
mのp+ 型シリコン単結晶基板であり、この上に目標厚
さ15μmにてp- 型のシリコンエピタキシャル膜(抵
抗率=10Ω・cm)を下記の条件で成長させた。 H2 アニール条件: 1130℃,45秒 エピタキシャル成長温度: 1130℃ キャリアガス(H2 )流量: 40 リットル/分 原料ガス(SiHCl3 をH2 で希釈)流量:12リッ
トル/分 ドーパントガス(B2 6 をH2 で希釈)流量:100
ml/分 なお、中央2つの原料ガス導入口2b,2cと、両端2
つの原料ガス導入口2a,2dから供給される原料ガス
の濃度および流量は、実質的に等しくなるように調整し
た。
【0018】シフト量Sは、0mm(◇)、5mm
(◆)、10mm(△)、15mm(○)、20mm
(□)および25mm(●)の6段階に設定した。本発
明者らは、図3の破線の曲線(◇のプロット)にみられ
る周期的な畝状の膜厚変動の原因について検討した結
果、膜厚の変動の周期が約50mmである点に着目し、
この周期がほぼ原料ガス導入口2a,2b,2c,2d
のピッチPに合致していることを見出した。つまり、基
板中心からみた膜厚が最初に極大となる約25mmの地
点は、中央の2つの原料ガス導入口2b,2cの開口中
心に、また膜厚が次に極大となる約75mmの地点と
は、両端の2つの流路2a,2dの開口中心にほぼ対応
している。開口中心の延長線上の近傍では、各原料ガス
導入口の隔壁の延長線上の近傍に比べてガスの流速が速
くなるため、単位時間当たりに半導体基板上へ供給され
るトータルの原料ガス量が多くなる。これは、現象的に
は半導体基板の直径方向に沿って原料ガスの濃度分布が
発生していることに等しい。つまり、基板中心から約2
5mmおよび約75mm離れた地点が高濃度の原料ガス
に曝される機会が多いために、これらの地点におけるシ
リコンエピタキシャル膜の厚さが極大となるのである。
【0019】一方、シフト量Sが5mm(◆)→10m
m(△)→15mm(○)と増大するにつれて周期的変
動が減少し、かつ10mm(△)と15mm(○)の間
では周期パターンの位相の反転が生じている。S=15
mmの時の膜厚の最大値は15.04μm、最小値は1
4.98μm、その差はわずかに0.06μmであっ
た。このとき、前述したSEMIの定義によるSFQD
は、20mm角のセルで0.10μmであった。したが
って、デザインルール0.18μm以降の半導体プロセ
スにも十分に適用可能なシリコンエピタキシャルウェー
ハが提供できることがわかった。しかし、シフト量Sが
さらに20mm(□)→25mm(●)と増大すると、
位相が反転したまま周期的変動が再び増大することがわ
かった。
【0020】ここで、図4に示されるように、隣接する
原料ガス導入口の中心間距離をピッチPと定義し、原料
ガス濃度は各ガス導入口の開口中心にて最大であると仮
定する。本発明のガス流を表す矢印A〜D,従来のガス
流を表す矢印a〜dは、最大ガス濃度部分に対応し、隣
接する矢印の中間地点は最低ガス濃度部分に対応する。
ある地点Mが半導体基板Wの回転に伴い、最大濃度と最
低濃度とにバランス良く曝される場合とは、図4(a)
に示されるように、シフト量SがピッチPの4分の1に
等しい場合であり、このときに最も効率良くガス濃度が
平均化される。これに対し、図4(b)に示されるよう
に、シフト量SがピッチPの半分に等しい場合には、あ
る地点Mが最大濃度に曝される機会が多くなり、平均化
の効率は従来と大差なくなる。
【0021】前掲の図3をみると、シフト量S=10〜
15mmの間、すなわちシフト量WがピッチPの1/5
〜3/10に相当する場合に最もよく平均化が生じてお
り、これがピッチの1/4に近い値であると考えられ
る。実際のピッチPが50mmであることから、この推
測は極めて妥当である。すなわち、図4(a)のように
半導体基板W上において高濃度の原料ガスに曝されやす
い地点が固定されることを防止すれば、周期的な膜厚変
動が緩和されると考えられる。このことは、取り扱い基
板の口径の異なる他の気相薄膜成長装置についても、適
切なシフト量Sを原料ガス導入口のピッチPを基準にし
て設定することが可能であることを意味している。
【0022】以上、本発明の具体的な実施の形態を説明
したが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもの
ではない。たとえば、本発明により成膜される薄膜は、
シリコンエピタキシャル膜のみならず、シリコン多結晶
膜であってよい。これらシリコン系薄膜の原料ガスとし
ては、上記のSiHCl3 以外にも様々なシラン系ガス
を用いることができ、例えばSiH4 ,SiH2
2 ,SiCl4 等のモノシラン誘導体、あるいはジシ
ランやトリシランの誘導体を例示することができる。こ
こで、ジシランやトリシランを用いる場合は、モノシラ
ン誘導体を用いる場合に比べて低温成長が可能である。
また、ドーパントとしては、上記のB2 6 以外にもn
型ドーパントであるフォスフィン(PH3 )、その他公
知の化学物質を用いることができる。さらに、本発明に
より成膜される薄膜は、シリコン系薄膜以外の半導体薄
膜や誘電体膜であっても構わない。
【0023】上記の具体例では、原料ガス導入口の数を
4つとしたが、これ以外の数であってもよい。また、原
料ガス導入手段の仮想中心軸を被成膜基板の仮想中心軸
からずらすことに加えて、各原料ガス導入口から放出さ
れるガスの濃度および/または流量も独立に制御するこ
とにより、個々の装置特性に応じた最適な原料ガスの濃
度分布を決定することができる。また、前掲の図1およ
び図2では原料ガス供給管2の設置位置を従来の装置に
おける設置位置から平行移動させた構成を示したが、こ
のようにガス供給管2の本体全体を移動させる代わり
に、原料ガス導入口2a〜2dの開口端にスライド式あ
るいは回転式のシャッタ部材を配設し、見掛け上のガス
導入地点を変化させるようにしてもよい。シャッタ部材
を用いると、その開閉の程度に応じてシフト量を微調整
することが可能となる。つまり、シフト量を変更するた
びに装置を改造する必要がなくなるので、極めて好都合
である。この他、気相薄膜成長装置の構成や各部の寸
法、半導体基板の口径、気相成長条件等の細部について
は、適宜変更、選択、組合せが可能である。
【0024】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明によれば反応容器内の原料ガスの濃度プロファイルを
被成膜基板の仮想中心軸に対して非対称とした状態で、
この被成膜基板を回転させながら薄膜を気相成長させる
ので、非成膜基板上のあらゆる地点において原料ガスの
濃度が平均化され、成長される薄膜の膜厚やフラットネ
スを均一化することができる。また、本発明の気相薄膜
成長装置は、原料ガス供給手段の仮想中心軸と非成膜基
板の仮想中心軸とをずらすことにより上記の非対称なガ
ス濃度分布を簡便に達成するものである。この原料ガス
供給手段が反応容器の幅方向に沿って配列される複数の
原料ガス導入口に分割されることにより、原料ガス濃度
分布の微調整が可能となる。本発明は、シリコンエピタ
キシャルウェーハの製造に適用された場合に特に大きな
効果を奏し、今後さらに微細化される半導体デバイスの
製造の支援となるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の枚葉式の気相薄膜成長装置の構成例を
示す概略斜視図である。
【図2】図1の枚葉式の気相薄膜成長装置の要部を示す
模式的上面図である。
【図3】様々なシフト量Sにおけるシリコンエピタキシ
ャル膜の膜厚の基板面内変動を示すグラフである。
【図4】本発明における被成膜基板の仮想中心軸と原料
ガス供給手段の仮想中心軸との最適なシフト量を説明す
るための図である。
【図5】従来の枚葉式の気相薄膜成長装置の構成例を示
す概略斜視図である。
【図6】従来の枚葉式の気相薄膜成長装置の他の構成例
を示す模式的上面図である。
【符号の説明】
1 反応容器 2,23 原料ガス供給管 2a〜2d,23a〜23d 原料ガス導入口 3,27 排気口 4 サセプタ収容部 5,22 サセプタ 6 回転軸 7 脚部 8 回転アセンブリ 9,10,25 マスフローコントローラ 26 排気管 W 半導体基板 X1 半導体基板Wの仮想中心軸 X2 原料ガス導入手段の仮想中心軸 S シフト量
フロントページの続き Fターム(参考) 4G077 AA03 BA04 DB04 ED06 EG14 EG22 HA12 TG04 TH06 TH11 5F031 DA13 HA59 MA28 5F045 AB02 AC01 AC05 AC19 AD15 AF03 BB02 DP04 EC07 EE04 EE12 EE20 EF02 EF09

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反応容器内に設置された回転式のサセプ
    タ上に保持された被成膜基板の主面に対して平行かつ一
    方向に複数の原料ガス導入口から原料ガスを導入しなが
    ら、前記被成膜基板上に薄膜を成長させる気相薄膜成長
    方法であって、前記原料ガス導入口の配列を、前記原料
    ガスの導入方向に沿った前記被成膜基板の仮想中心軸に
    対して非対称に設定し、該被成膜基板を回転させながら
    前記薄膜を成長させることを特徴とする気相薄膜成長方
    法。
  2. 【請求項2】 前記被成膜基板としてシリコン単結晶基
    板、前記原料ガスとしてシラン系ガスを用い、前記薄膜
    としてシリコン単結晶薄膜を形成することを特徴とする
    請求項1記載の気相薄膜成長方法。
  3. 【請求項3】 前記非対称な設定は、前記複数の原料ガ
    ス導入口の配列を等間隔とし、かつこれら複数の原料ガ
    ス導入口全体を、該間隔の1/5〜3/10に相当する
    シフト量だけ前記反応容器の幅方向に沿って前記被成膜
    基板の仮想中心軸からシフトさせるものであることを特
    徴とする請求項1記載の気相薄膜成長方法。
  4. 【請求項4】 前記シフト量を前記間隔の1/4とする
    ことを特徴とする請求項3記載の気相薄膜成長方法。
  5. 【請求項5】 前記複数の原料ガス導入口から供給され
    る原料ガスの濃度および流量が実質的に等しいことを特
    徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載
    の気相薄膜成長方法。
  6. 【請求項6】 偏平な反応容器内に被成膜基板を水平に
    載置するための回転式のサセプタと、前記被成膜基板の
    主面に対して平行かつ一方向に原料ガスを導入するため
    に、前記反応容器の一端においてその幅方向の少なくと
    も一部にわたり開口される原料ガス導入手段とを有し、
    前記被成膜基板上に前記原料ガスに由来する薄膜を形成
    するための気相薄膜成長装置であって、 前記原料ガス導入手段の仮想中心軸が、前記原料ガスの
    導入方向に沿った前記被成膜基板の仮想中心軸から前記
    反応容器の幅方向に沿ってシフトされていることを特徴
    とする気相薄膜成長装置。
  7. 【請求項7】 前記原料ガス導入手段は前記反応容器の
    幅方向に沿って配列される複数の原料ガス導入口に分割
    されてなることを特徴とする請求項6記載の気相薄膜成
    長装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の原料ガス導入口の配列が等間
    隔とされ、かつこれら複数の原料ガス導入口全体が、該
    間隔の1/5〜3/10に相当するシフト量だけ前記反
    応容器の幅方向に沿って前記被成膜基板の仮想中心軸か
    らシフトされていることを特徴とする請求項7記載の気
    相薄膜成長装置。
  9. 【請求項9】 前記シフト量が前記間隔の1/4とされ
    ていることを特徴とする請求項8記載の気相薄膜成長装
    置。
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