JP2000066205A - 投写型液晶表示装置 - Google Patents

投写型液晶表示装置

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JP2000066205A
JP2000066205A JP11248079A JP24807999A JP2000066205A JP 2000066205 A JP2000066205 A JP 2000066205A JP 11248079 A JP11248079 A JP 11248079A JP 24807999 A JP24807999 A JP 24807999A JP 2000066205 A JP2000066205 A JP 2000066205A
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悟 宮下
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 従来よりも小型化が可能で、かつ、明るい像
を低電圧で投写できる投写型液晶表示装置を提供する。 【解決手段】 本発明の投写型液晶表示装置は、光を反
射する電極層(126)と光を透過する透明電極層(123)との
間に有機薄膜層(125)を狭持して構成された有機電界発
光素子(12)と、前記有機電界発光素子(12)の面から射
出される光の透過を制御する透過型液晶パネル(20)と、
を備え、当該透明電極層(123)からの光の射出側に設け
られ、入射した光の一部を前記透明電極層(123)を介し
て前記電極層(126)へ反射し、当該光の残りを透過する
ハーフミラー層(121)と、を備え、当該ハーフミラー層
(121)と前記電極層(126)との間の距離を、当該光が共振
する光学距離に設定して構成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、投写型液晶表示装置、
すなわちいわゆるプロジェクタに関し、特に、小型の投
写型液晶表示装置に適した光源およびその周辺の光学系
の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の投写型液晶表示装置に使用される
光源としては、蛍光管や導光板を用いた光源や、メタル
ハライドランプ等の放電型の光源が用いられてきた。
【0003】また、特開昭51−119243号公報に
は、平板状の光源が開示されている。この公報には、平
板状の光源は、エレクトロルミネッセンス、すなわち電
界発光素子を利用したものである旨が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、蛍光管
や導光板を使用した光源では、蛍光管等の径を細くする
ことが難しい。このため、光源自体の厚みを、蛍光管の
径以下にできず、投写型液晶表示装置の小型化が難しい
という問題があった。
【0005】また、メタルハライドランプ等の放電型の
光源では、光源からの発散光を液晶パネルに平行に照射
するために必要とされる開口の大きなリフレクタが、投
写型液晶表示装置の小型化を妨げる原因となっていた。
【0006】特に、カラー表示用の投写型液晶表示装置
の場合、カラー画像を構成する原色ごとに、上記光源と
液晶パネルとからなる液晶表示要素を備えなければなら
ないため、投写型液晶表示装置の小型化はさらに困難と
なっていた。
【0007】また、特開昭51−119243号公報に
は、電界発光素子の発光層を構成する材料が、明確に開
示されていない。その発光層の材料として従来からの無
機電界発光の材料を用いた場合、電界発光素子からの光
は発散性の強い光となる。これでは、投写レンズの開口
に有効に光を入射させることができないため、明るい像
を投写できないという問題点があった。
【0008】さらに、無機材料を用いた電界発光素子
は、駆動電圧が100ボルト程度以上であり、比較的高
いという問題があった。
【0009】本発明は、上記問題点を解決するために、
従来よりも小型化が可能で、かつ、明るい像を低電圧で
投写できる投写型液晶表示装置を提供することを目的と
する。
【0010】すなわち、本発明の第1の課題は、従来よ
り低電圧で駆動可能で放射光の指向性のよい光を射出す
る共振器構造を備えた有機電界発光素子を用いることに
より、光の発散による光量の減少を防止し、従来より明
るい像を投写する小型の投写型液晶表示装置を提供する
ことである。
【0011】本発明の第2の課題は、光源からの射出光
の偏光状態を変換する偏光変換素子を用い、液晶パネル
の偏光板を透過できる光量を増やすことにより、従来よ
り明るい画像を投写する小型の投写型液晶表示装置を提
供することである。
【0012】本発明の第3の課題は、カラー画像の投写
に際し、特定の波長帯域において機能する偏光変換素子
を用いることにより、液晶パネルの偏光板を透過できる
光量を増やし、従来より明るい画像を投写する小型の投
写型液晶表示装置を提供することである。
【0013】本発明の第4の課題は、液晶パネルの画素
の開口部に集光するマイクロレンズアレイ素子を有する
小型の発光素子を用いることにより、装置全体を小型化
し、かつ、画素の開口を通過できる光量を増やし、従来
より明るい像を投写する小型の投写型液晶表示装置を提
供することである。
【0014】本発明の第5の課題は、カラー画像の投写
に際し、光の共振により特定の波長の光のみを発光させ
る小型の発光素子を用いることにより、特定の波長の光
のみの光量を増やし、従来より明るく、かつ、投写され
る光の純度を向上させ、鮮やかな画像を投写する小型の
投写型液晶表示装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求の範囲第1項に記載
の投写型液晶表示装置は、光を反射する電極層と光を透
過する電極層との間に有機薄膜層を狭持して構成された
有機電界発光素子と、前記有機電界発光素子の面から射
出される光の透過を制御する透過型液晶パネルと、を含
む液晶表示要素を備えたこと特徴とする投写型液晶表示
装置である。
【0016】第2項に記載の投写型液晶表示装置は、前
記有機薄膜層は、白色光を発する白色発光層として構成
される請求の範囲第1項に記載の投写型液晶表示装置で
ある。
【0017】第3項に記載の投写型液晶表示装置は、前
記有機薄膜層は、カラー表示に必要な複数の原色の各々
の波長領域の光をそれぞれ発する原色発光層を順次積層
して構成される請求の範囲第1項に記載の投写型液晶表
示装置である。
【0018】第4項に記載の投写型液晶表示装置は、前
記有機電界発光素子は、透明基板に積層された透明電極
層と、当該透明電極層上に積層された前記有機薄膜層
と、当該有機薄膜層上に積層され、当該有機薄膜層の発
した光を反射する電極層と、により構成される請求の範
囲第1項に記載の投写型液晶表示装置である。
【0019】第5項に記載の投写型液晶表示装置は、前
記有機電界発光素子は、前記有機薄膜層の発した光を反
射する電極層と、当該電極層との間で前記有機薄膜層を
狭持する透明電極層と、当該透明電極層からの光の射出
側に設けられ、入射した光の一部を前記透明電極層を介
して前記電極層へ反射し、当該光の残りを透過するハー
フミラー層と、を備え、当該ハーフミラー層と前記電極
層との間の距離を、当該光が共振する光学距離に設定し
て構成される請求の範囲第1項に記載の投写型液晶表示
装置である。
【0020】第6項に記載の投写型液晶表示装置は、前
記有機電界発光素子と前記透過型液晶パネルとの間に、
前記有機電界発光素子からの射出光の偏光状態を変換す
る偏光変換素子をさらに備え、前記透過型液晶パネル
は、前記偏光変換素子を透過した射出光のうち特定の偏
光状態の光を透過する偏光板を備えた請求の範囲第1項
乃至第5項のいずれか一項に記載の投写型液晶表示装置
である。
【0021】第7項に記載の投写型液晶表示装置は、前
記偏光変換素子は、前記有機電界発光素子側に配置さ
れ、右回り円偏光及び左回り円偏光のうち一方の円偏光
成分を反射し、かつ、他方の円偏光成分を透過させる円
偏光選択反射フィルタと、円偏光を直線偏光に変換し、
かつ、直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、を
備えて構成される請求の範囲第6項に記載の投写型液晶
表示装置である。
【0022】第8項に記載の投写型液晶表示装置は、前
記偏光変換素子は、前記透過型液晶パネル側に配置さ
れ、直交する2つの直線偏光成分のうち、一方の直線偏
光成分を反射し、かつ、他方の直線偏光成分を透過させ
る直線偏光選択反射フィルタと、円偏光を直線偏光に変
換し、かつ、直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板
と、を備えて構成される請求の範囲第6項に記載の投写
型液晶表示装置である。
【0023】第9項に記載の投写型液晶表示装置は、前
記偏光変換素子は、特定の波長帯域の前記射出光につい
て、その特定の偏光状態の光を透過し、それ以外の偏光
状態の光を反射する偏光選択反射フィルタを備えた請求
の範囲第6項乃至第8項のいずれか一項に記載の投写型
液晶表示装置である。
【0024】第10項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記有機電界発光素子と前記透過型液晶パネルとの間
に、当該有機電界発光素子からの射出光を集めるマイク
ロレンズ要素を、前記透過型液晶パネルの個々の画素に
対応させて配置して構成した前側マイクロレンズアレイ
素子を、さらに備える請求の範囲第6項に記載の投写型
液晶表示装置である。
【0025】第11項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記透過型液晶パネルの個々の画素の開口が、前記マイ
クロレンズ要素の後側焦点の近傍に配置するように、各
マイクロレンズ要素の焦点距離、および前記前側マイク
ロレンズアレイ素子と当該液晶パネルとの距離が調整さ
れて構成された請求の範囲第10項に記載の投写型液晶
表示装置である。
【0026】第12項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記透過型液晶パネルは、各画素の開口に入射した光を
透過させ、かつ、当該画素の開口以外の部分に入射した
光を遮蔽する遮光要素を備えた請求の範囲第10項また
は第11項のいずれか一項に記載の投写型液晶表示装置
である。
【0027】第13項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記透過型液晶パネルを透過した光の射出側に、前記液
晶パネルの各画素の開口を透過した光の発散を抑えるマ
イクロレンズ要素を、個々の画素の対応させて配置して
構成した後側マイクロレンズアレイ素子を、さらに備え
る請求の範囲第10項乃至第12項のいずれか一項に記
載の投写型液晶表示装置である。
【0028】第14項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記画素の開口が前記後側マイクロレンズ要素の前側焦
点の近傍に配置するように、各マイクロレンズ要素の焦
点距離、および当該後側マイクロレンズアレイ素子と当
該透過型液晶パネルとの距離が調整されて構成された請
求の範囲第13項に記載の投写型液晶表示装置である。
【0029】第15項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記有機電界発光素子と前記前側マイクロレンズアレイ
素子との間に、前記有機電界発光素子からの射出光の偏
光状態を変換する偏光変換素子をさらに備え、前記透過
型液晶パネルは、前記偏光変換素子を透過した射出光の
うち特定の偏光状態の光を透過する偏光板を備えた請求
の範囲第10項乃至第14項のいずれか一項に記載の投
写型液晶表示装置である。
【0030】第16項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記偏光変換素子は、前記有機電界発光素子側に配置さ
れ、右回り円偏光及び左回り円偏光のうち一方の円偏光
成分を反射し、かつ、他方の円偏光成分を透過させる円
偏光選択反射フィルタと、円偏光を直線偏光に変換し、
かつ、直線偏光を円偏光に変換する1/4波長板と、を
備えて構成される請求の範囲第15項に記載の投写型液
晶表示装置である。
【0031】第17項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記偏光変換素子は、前記前側マイクロレンズアレイ素
子側に配置され、直交する2つの直線偏光成分のうち、
一方の直線偏光成分を反射し、かつ、他方の直線偏光成
分を透過させる直線偏光選択反射フィルタと、円偏光を
直線偏光に変換し、かつ、直線偏光を円偏光に変換する
1/4波長板と、を備えて構成される請求の範囲第15
項に記載の投写型液晶表示装置である。
【0032】第18項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記透過型液晶パネルを透過して生成された像をスクリ
ーン上に投写する投写レンズを、さらに備えた請求の範
囲第1項、第4項または第5項のいずれか一項に記載の
投写型液晶表示装置である。
【0033】第19項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記投写レンズから投写された像を当該投写レンズの反
対側から観察可能に構成された透過型スクリーンを、さ
らに備えた請求の範囲第18項に記載の投写型液晶表示
装置である。
【0034】第20項に記載の投写型液晶表示装置は、
カラー表示に必要な複数の原色の各々の波長領域の光の
透過を制御する複数の前記液晶表示要素と、前記複数の
液晶表示要素から射出された各原色の像を合成し、カラ
ー画像を生成する合成光学系と、前記合成光学系により
合成されたカラー画像をスクリーン上に投写する投写レ
ンズと、をさらに備えた請求の範囲第1項または第4項
のいずれか一項に記載の投写型液晶表示装置である。
【0035】第21項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記複数の有機電界発光素子が光学的共振構造を備えて
いる請求の範囲第20項に記載の投写型液晶表示装置で
ある。
【0036】第22項に記載の投写型液晶表示装置は、
カラー表示に必要な複数の原色の各々の波長領域の光を
発するよう調整された光学的共振構造を有する有機電界
発光素子と、前記有機電界発光素子の面から射出される
光の透過を制御する透過型液晶パネルと、を含む液晶表
示要素を前記原色ごとに備え、さらに、それぞれの前記
液晶表示要素から射出された各原色の像を合成し、カラ
ー画像を生成する合成光学系と、前記合成光学系により
合成されたカラー画像をスクリーン上に投影する投写レ
ンズと、を備えた投写型液晶表示装置である。
【0037】第23項に記載の投写型液晶表示装置は、
前記投写レンズから投写された像を当該投写レンズの反
対側から観察可能に構成された透過型スクリーンを、さ
らに備えた請求の範囲第20項乃至第22項のいずれか
一項に記載の投写型液晶表示装置である。
【0038】第24項に記載の投写型液晶表示装置は、
各前記液晶表示要素は、前記有機電界発光素子と前記透
過型液晶パネルとの間に、当該有機電界発光素子からの
射出光を集めるマイクロレンズ要素を、前記透過型液晶
パネルの個々の画素に対応させて配置して構成した前側
マイクロレンズアレイ素子を、さらに備える請求の範囲
第20項乃至第23項のいずれか一項に記載の投写型液
晶表示装置である。
【0039】第25項に記載の投写型液晶表示装置は、
各前記液晶表示要素は、前記透過型液晶パネルを透過し
た光の射出側に、前記液晶パネルの各画素の開口を透過
した光の発散を抑えるマイクロレンズ要素を、個々の画
素の対応させて配置して構成した後側マイクロレンズア
レイ素子を、さらに備える請求の範囲第24項に記載の
投写型液晶表示装置である。
【0040】第26項に記載の投写型液晶表示装置は、
各前記液晶表示要素の前記前側マイクロレンズアレイ素
子および前記後側マイクロレンズアレイ素子は、当該液
晶表示要素に割り当てられた原色の波長領域の光に対
し、反射率が最も低くなるように調整された反射防止膜
を備えて構成される請求の範囲第24項または第25項
のいずれか一項に記載の投写型液晶表示装置である。
【0041】第27項に記載の投写型液晶表示装置は、
各前記液晶表示要素は、前記有機電界発光素子と前記前
側マイクロレンズアレイ素子との間に、前記有機電界発
光素子からの射出光の偏光状態を変換する偏光変換素子
をさらに備え、前記透過型液晶パネルは、前記偏光変換
素子を透過した射出光のうち特定の偏光状態の光を透過
する偏光板を備えた請求の範囲第20項乃至第26項の
いずれか一項に記載の投写型液晶表示装置である。
【0042】第28項に記載の投写型液晶表示装置は、
各前記液晶表示要素の前記偏光変換素子は、特定の波長
帯域の前記射出光に対して、その特定の偏光状態の光を
透過し、それ以外の偏光状態の光を反射する偏光選択反
射フィルタを備えた請求の範囲第27に記載の投写型液
晶表示装置である。
【0043】
【発明の実施の形態】次に、本発明の好適な実施の形態
を、図面を参照して説明する。 <実施形態1> (構成)本発明の投写型液晶表示装置は、図1に示すよ
うに、液晶表示要素1a、投写レンズ30および筐体4
0を備えて構成されている。
【0044】投写レンズ30は、液晶表示要素1aから
射出された像をスクリーン50上に結像させるように構
成されている。同図では投写レンズが一枚図示されてい
るのみだが、複数のレンズの組み合わせで構成してもよ
いことはもちろんである。つまり、投写レンズは、液晶
表示要素1aから射出された像を拡大等してスクリーン
50上に結像させるべく構成すればよい。
【0045】筐体40は、投写型液晶表示装置全体の収
納容器として構成されており、各光学要素を適当に配置
すべく構成されている。その材料は、液晶表示要素1a
の発熱による変形等の影響を受けない素材で構成され
る。
【0046】液晶表示要素1aは、図2に示すように、
有機電界発光素子10と透過型液晶パネル20を備えて
おり、変調された像を射出するように構成されている。
【0047】有機電界発光素子10は、透明基板100
に、透明電極層101、青色発光層102、緑色発光層
103、赤色発光層104および反射電極層105を積
層して構成されている。
【0048】透明基板100は、ガラス等の光透過性が
あって、かつ、機械的強度の高い材料で構成されてい
る。その膜厚は、光源としての機械的強度を保つため、
あまりに薄すぎず、かつ、光透過性が失われたり、重量
過多とならない程度の厚さに、調整される。この基板の
面積は、液晶パネル20の面積よりわずかに大きくする
のが好ましい。あまりに面積が大きいと使用されない照
明に電力を浪費したり、もれた光により投影像のコント
ラストが悪化したりする。また、面積が小さすぎると、
液晶パネルの周辺部に十分な照明光が供給されず、光量
に不均一性が生ずる。
【0049】透明電極層101は、ITO(インジウム
錫酸化物)等の光透過性があって、かつ、導電性を備え
た材料で構成されている。その膜厚は、製造上均一の膜
厚を維持しうる程度に薄すぎず、かつ、光透過性を失わ
ない程度の厚さに、調整される。
【0050】青色発光層102、緑色発光層103およ
び赤色発光層104は、いずれも電界の印加により発光
する有機分子を含む有機薄膜層として構成されている。
青色発光層102は、電界の印加により青色の波長領域
で発光する有機分子により構成されている。緑色発光層
103は、緑色の波長領域で発光する有機分子により構
成されている。赤色発光層104は、赤色の波長領域で
発光する有機分子により構成されている。
【0051】青色で発光する青色発光層102として
は、発光のピーク波長が380〜420nm程度となる
トリフェニルジアミン誘導体と、1,2,4-トリアゾール誘
導体との積層構造、緑色で発光する緑色発光層103と
しては、発光のピーク波長が520nm程度となるトリ
ス(8-キノリラト)アルミニウム、赤色で発光する赤色
発光層104としては、発光のピーク波長が600nm
程度となる赤色発光色素を添加したトリス(8-キノリラ
ト)アルミニウムを用いることができる。なお、これら
材料については、論文Science, Vol.267 pp1332-1334
(1996)に開示されている。
【0052】各発光層の面積は、透明電極層の面積と同
等にするのが好ましい。
【0053】反射電極層105は、光を反射し、導電性
のある金属層を備えて構成されている。このような金属
としては、例えば、マグネシウム−銀合金等が挙げられ
る。その膜厚は、膜厚が均一に保て、重量過多とならな
い程度に、調整される。その面積は、透明電極層101
と同様にするのが好ましい。
【0054】なお、同図には説明を簡単にするため、透
明電極層101と反射電極層105との間に電圧を印加
する電源回路を図示していない。
【0055】透過型液晶パネル20は、偏光板201a
・201b、透明基板203および液晶層202を備え
て構成されている。これら構成は公知の透過型液晶パネ
ルと同様のものである。同図では、判り易く図解するた
め、透明基板上に設ける駆動回路や透明電極、配線およ
び駆動回路に制御信号を供給する表示回路投は図示して
いない。偏光板201aと201bは、同一の構造を有
し、入射光のうち特定の偏光状態の光のみを透過するよ
うに構成されている。ただし、偏光板201bの透過す
る光の偏光方向(振動方向)は、偏光板201aの透過
する偏光方向に比べ、一定の角度だけずれて配置されて
いる。この角度は、液晶層202が電圧無印加時に入射
した光の偏光面を回転させる偏光面回転角に等しく設定
する。液晶層202は、公知のツイストネマチック液晶
等を用い、電圧が印加された状態では入射光の偏光面回
転を与えず、電圧が印加されない状態で入射光の偏光面
回転を与えるように構成されている。透明基板203
は、その液晶層側に透明電極(図示せず)が設けられて
おり、画素ごとに液晶の駆動が可能に駆動回路が設けら
れている。駆動回路に供給される制御信号の電圧の変化
により、有機電界発光素子10からの光を透過させたり
透過させなかったりする光変調が可能に構成されてい
る。なお、有機電界発光素子10に、有機電界発光素子
を冷却するための冷却機構を設けることは好ましい。 (作用)電界発光素子は電界が印加されると、電界発
光、すなわちエレクトロルミネッセンス(electro-lumi
nescence)現象を示して、発光する。電界発光を生ずる
材料に電界が加えられると、エレクトロルミネッセンス
現象を生じ、電気エネルギーが光へ変換される。
【0056】従来の電界発光素子には、ZnS、Sr
S、CaSといった無機材料が用いられていた。しか
し、これらの無機材料は、光の強度が弱く、また、射出
光が平行に射出されず、拡散光となる。
【0057】これに対し、本発明の電界発光素子には、
有機材料が用いられる。陽極から注入される正孔と陰極
から注入される電子の再結合で発光するという理由によ
り、電界発光による射出光の光量が大きくなる。上記発
光層102〜104は、この有機材料を用いた電界発光
素子である。
【0058】透明電極層101と反射電極層105との
間に電圧が印加されると、両電極層に挟まれた各発光層
中に、印加電圧と発光層の膜厚に応じた電界が生ずる。
各発光層中の有機分子は、この電界を受けるとエレクト
ロルミネッセンス現象を生じ、一定の波長領域の光を発
する。光の強さは、印加される電圧に相関する。各発光
層はその膜厚に応じた電界が印加されるので、その電界
の強さに応じて発光する。透明電極層101、各発色層
102乃至104および反射電極層105の面積をほぼ
同等にしておけば発光層の各部の電界の強さはほぼ均一
になる。つまり、有機電界発光素子の面全体から均一な
光が射出される。青色発光層102からの青色光はその
まま透明電極層101を通り、透明基板から射出され
る。緑色発光層103からの緑色光は青色発光層102
および透明電極膜101を通り、透明基板から射出され
る。赤色発光層104からの赤色光は緑色発光層10
3、青色発光層102および透明電極膜101を通り、
透明基板から射出される。透明基板から射出される各原
色の光が同一光量となるように、各発光層の膜厚等を調
整すれば、各原色が均等に加算され白色光が得られる。
【0059】各発光層からは、液晶パネルと反対側に向
かっても光が発せられるが、反射電極層105がこの光
を反射し液晶パネル20の側に戻す。
【0060】したがって、透明基板100の外側には、
各発光層から直接発せられた光に、反射電極層105か
らの戻り光が加算され、光量を増した光が射出される。
【0061】特に、本発明で用いる有機電界発光素子
は、従来から平板状の光源として使用されてきた無機電
界発光素子に比べて、低電圧で駆動できる、輝度が高い
という特長を有しているので、投写型液晶表示装置の光
源として適している。
【0062】液晶パネル20では、有機電界発光素子1
0からの光のうち、特定の偏光面を有する光のみが、偏
光板201aを透過する。透明基板203上に形成され
た駆動回路に制御信号が供給されると、その画素の透明
電極間に電圧が印加される。透明電極間に電圧が印加さ
れた画素では、その画素の領域の液晶分子が電界の方向
に配向する。したがって、電圧が印加された画素では入
射光に偏光面回転が与えられず、反対側の偏光板201
bに達する。ところが偏光板201bを透過可能な偏光
方向は偏光板201aとずれているので、入射光は偏光
板201bを透過できない。
【0063】一方、駆動回路に制御信号が供給されない
と、その画素の電極間には電圧が印加されない。電圧が
印加されない画素では、その画素領域の液晶分子が水平
方向に配向し、入射光に偏光面回転を与える。したがっ
て、電圧が印加されない画素では入射光に偏光面回転が
与えられ、反対側の偏光板201bに達する。偏光板2
01bは、偏光板201aからこの入射光に与えられた
偏光面の回転角だけずれて設置されているので、入射光
は偏光板201bを透過し、投写レンズ30を介して、
スクリーン50に到達する。
【0064】このように、制御信号により画素ごとに表
示/非表示が設定できる。
【0065】液晶表示要素は、例えば対角サイズ33m
m(1.3インチ)程度の大きさに成形され、駆動電圧
10ボルト程度で駆動させることができる。
【0066】なお、スクリーンにカラー画像を投写する
構成にするには、液晶パネルの画素にカラーフィルター
を形成する。このように構成すれば、白色光が液晶パネ
ルを通過する時点で色が生成される。
【0067】以上のように、本実施形態1によれば、光
源に大きなリフレクタを用いることがないので、表示装
置を小型化できる。
【0068】また、有機電界発光素子が明るい光を液晶
パネルに供給するので、明るい像が得られる投写型液晶
表示装置を提供できる。 <実施形態2>本発明の実施形態2は、実施形態1と異
なる発光層により白色光を得られる有機電界発光素子を
提供するものである。 (構成)本実施形態2の投写型液晶表示装置は、上記実
施形態1と同様の構成(図1参照)を備える。ただし、
液晶表示要素1bは、図3に示すように、有機電界発光
素子11を備えている点で、実施形態1と異なる。な
お、液晶パネル20の構成は、実施形態1と同様なので
説明を省略する。
【0069】有機電界発光素子11は、透明基板110
に、透明電極層111、白色発光層112および反射電
極層113を積層して構成されている。透明基板110
は実施形態1の透明基板100と、透明電極層111は
実施形態1の透明電極101と、反射電極層113は実
施形態1の反射電極層105とそれぞれ同様であるた
め、説明を省略する。透明電極層と反射電極層との間に
電圧を印加するための電源回路の図示も実施形態1と同
様に省略する。
【0070】白色発光層112は、有機薄膜層であり、
電界が印加されると、複数の波長領域の光を発し、層全
体として白色光を発する。電界の印加により白色光を発
する有機薄膜としては、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)ビニルに発光中心となる複数の色素と低分子電子輸
送性化合物を分子分散させた薄膜を挙げることができ
る。このような発光膜の構造は、Applied Physics Lett
ers Vol. 67 No. 16, pp2281-2283 (1995)に開示されて
いる。 (作用)透明電極層111と反射電極層113の間に電
圧が印加されると、この電圧値と白色発光層の膜厚に応
じた電界が生じる。白色発光層112は、この電界の強
さに応じて複数の原色の波長領域の光を同時に発し、そ
れら複数の波長領域の光が加算されて透明基板から射出
される。したがって、液晶パネル20には、白色光が供
給される。
【0071】なお、本実施形態では、カラー画像を投写
することもできるように白色光を放射する有機薄膜で発
光層を構成したが、代わりに、緑、赤および青等の単色
で発光する有機薄膜を発光層として設けれてもよい。こ
の場合には、その単色光の画像が生成されるようにな
る。
【0072】また、有機電界発光素子11に、有機電界
発光素子を冷却するための冷却機構を設けることは好ま
しい。
【0073】以上のように、本実施形態1によれば、大
きなリフレクタを用いることがないので、表示装置を小
型化できる。
【0074】また、明るい平行光線を液晶パネルに供給
することができるので、明るい像が得られる投写型液晶
表示装置を提供できる。 <実施形態3>本発明の実施形態3は、光の共振構造に
より発光面の法線方向に指向性が強く、かつ、特定の波
長の光を発する有機電界発光素子に関する。 (構成)本実施形態3の投写型液晶表示装置は、液晶表
示要素1cを除いて上記実施形態1と同様の構成(図1
参照)を備える。液晶表示要素1cは、図4に示すよう
に、有機電界発光素子12および透過型液晶パネル20
を備えている。液晶パネル20については、実施形態1
と同様なので、その説明を省略する。
【0075】有機電界発光素子12は、透明基板12
0、誘電体ミラー層121、間隔調整層122、透明電
極層123、正孔輸送層124、発光層125および反
射電極層126を積層して構成されている。透明基板1
20は実施形態1の透明基板100と、透明電極層12
3は実施形態1の透明電極層101と、反射電極層12
6は実施形態1の反射電極層105と、それぞれ同様な
ので、その説明を省略する。透明電極層と反射電極層と
の間に電圧を印加するための電源回路の図示も実施形態
1と同様に省略する。
【0076】誘電体ミラー層121は、誘電体多層膜を
備え、ハーフミラーとして機能するように構成されてい
る。すなわち、この多層膜構造により、誘電体ミラー層
121は、入射光の一部を透過し、残りを反射すべく構
成されている。このような誘電体としては、例えば、T
iO(酸化チタン)とSiO(酸化シリコン)の積
層構造を用いることができる。その膜厚は、入射光の約
半分程度を反射し、残りを透過するように、共振波長に
対応して誘電体多層膜の積層数および各誘電体膜の膜厚
が定められて構成されている。誘電体多層膜および反射
電極により、光学的共振器が構成されている。
【0077】間隙調整層122は、誘電体ミラー層12
1と反射電極層126との距離を調整するために設けら
れており、SiO等の透明誘電体膜により構成されて
いる。
【0078】また、正孔輸送層124や発光層125の
膜厚を後述する条件を満たすように設定すれば、この間
隙調整層122を省いてもよい。
【0079】正孔輸送層124は、陽極である透明電極
膜101から正孔が注入された際、発光層125に正孔
を輸送するための層であり、例えば、トリフェニルジア
ミン誘導体等で構成する。
【0080】間隙調整層122の間隙は、上記誘電体ミ
ラー層121と反射電極層126との光学的距離が、こ
の有機電界発光素子の射出光のピーク波長の1/2波長
の整数倍になるという条件を満たすように調整される。
【0081】有機電界発光素子は、射出光の色が所望の
色とするために、発光層125の材料と共振器構造の共
振器長とを調整して構成されている。例えば、緑領域で
発光する発光層125を構成する場合には、トリス(8
−キノリラト)アルミニウム等の材料を用いて発光層を
構成する。この場合、ピーク波長が540nm、半値幅
が60nmであるような緑の領域において、狭帯域の発
光スペクトルで発光する有機電界発光素子を構成するこ
とができる。
【0082】赤領域で発光する発光層125を構成する
場合には、トリス(8−キノリラト)アルミニウムに赤
色蛍光色素を分散させた材料や、ユウロピウム(Europi
um;Eu)の錯体等を用いて発光層を構成する。この場合、
ピーク波長を610nm程度とすることができる。ユウ
ロピウムの錯体を含む発光層については、JapaneseJour
nal of Applied Physics Vol. 34 pp1883-1887に
開示されている。
【0083】青領域で発光する発光層125を構成する
場合には、ジスチリルビフェニル誘導体等の材料を用い
て発光層を構成する。ジスチリルビフェニル誘導体を発
光層とする技術は、応用物理、第62巻、〔第10
号〕、pp.1016-1018(1993)に開示されている。
【0084】なお、本実施形態では、発光層と正孔輸送
層との積層構造を用いたが、この代わりに、発光層、正
孔輸送層および電子輸送層の積層構造を用いてもよい。
また、有機電界発光素子12に、有機電界発光素子を冷
却するための冷却機構を設けることは好ましい。さら
に、必要な波長の光を透過させ、不要な波長の光を吸収
するフィルタを、有機電界発光素子12の光の射出側に
別途設けることは好ましい。 (作用)本発明の有機電界発光素子は、光の共振作用を
利用して特定の波長の光を射出させるものである。
【0085】透明電極層122と反射電極層126との
間に、所定の電圧(例えば10ボルト程度)を印加する
と、両電極層間に電界が生じ、この電界の強さに応じて
発光層125から光が射出される。この光は、一部が誘
電体ミラー層121を透過するが、残りが反射される。
反射された光は、反射電極層126により再び反射さ
れ、誘電体ミラー層121に到達する。誘電体ミラー層
121では、またも一部の光を透過し、残りを反射する
のであるから、誘電体ミラー層121の反射面と反射電
極層126との間で光の反射が繰り返され、いわゆる光
の共振が生ずる。
【0086】共振する光の波長は、誘電体ミラー層12
1と反射電極層126との光学的距離に応じて決まる。
この光学的距離が射出光の1/2波長の整数倍であると
いう条件を満たせば、光の共振が起こるのである。
【0087】したがって、発光層125の発した光に含
まれる波長のうち、この条件を満たさない光は抑圧され
るから、上記条件を満たす光のみが、誘電体ミラー層1
21を透過して射出される。このため、発光スペクトル
の波長帯域は、上記実施形態に比べ狭い。すなわち、特
定の色で発光する。
【0088】なお、この共振作用について、詳しくは、
Applied Physics Letters、Vol.68,〔No.19〕、p.1-3
(1996)、Applied Physics Letters、Vol.65、〔No.1
5〕、p.1868-1870 (1994)、電子情報通信学会技術研究
報告OME94−79等に開示されている。また、有機
電界発光素子の正面方向へ指向性を高める技術内容につ
いては、Applied Physics Letters Vol.63、〔No.1
5〕、p.2032-2034等の論文に記載されている。
【0089】以上本実施形態3によれば、有機電界発光
素子の法線方向(正面方向)への放射光の指向性が強
く、かつ、特定の波長の光のみを発することのできる有
機電界発光素子をリフレクタのような大きな光源を用い
ずに提供することができるので、投写型液晶表示装置を
従来より小型化できる。
【0090】また、有機電界発光素子は、従来の電界発
光素子より明るいので、この素子をカラー表示用の原色
それぞれについて製造し、それらの像を合成すれば、明
るいカラー画像を表示させることができる。 <実施形態4>本発明の実施形態4は、偏光変換素子を
用いた有機電界発光素子に関する。 (構成)本実施形態4の投写型液晶表示装置は、液晶表
示要素1dを除いて上記実施形態1とほぼ同様の構成
(図1参照)を備える。液晶表示要素1dは、図5およ
び図6に示すように、有機電界発光素子11、偏光変換
素子13および透過型液晶パネル20を備える。有機電
界発光素子11については実施形態2と同様の構成であ
り、透過型液晶パネル20については実施形態1と同様
の構成なので、その説明を省略する。
【0091】なお、本実施形態の有機電界発光素子11
の代わりに、実施形態1で説明した有機電界素子10、
あるいは実施形態3で説明した有機電界発光素子12を
そのまま代替して構成してもよい。
【0092】また、これらの図では、図を見やすくする
ために、有機電界発光素子11、偏光変換素子13およ
び透過型液晶パネル20の間の空間距離を大きく分離し
て描いてある。実際には、有機電界発光素子11からの
光を有効に液晶パネルに供給するために、互いの空間を
空けないで近接して配置したり、各素子間の間隙を透明
な材料で充填したりして構成する。
【0093】偏光変換素子13は、四分の一波長フィル
ム131とコレステリック(cholesteric)液晶層13
2とを備えて構成されている。
【0094】コレステリック液晶層132は、コレステ
リック相の液晶材料により構成され、光が入射すると、
コレステリック構造の螺旋方向と合致する回転方向の円
偏光を反射し、この螺旋方向とは反対に回転する円偏光
を透過させるように構成されている。説明の都合上、コ
レステリック液晶層132が透過可能な回転方向の円偏
光を右回り円偏光L+、透過できず反射させる回転方向
の円偏光を左回り円偏光L-とする。四分の一波長フィ
ルム131は、同図の紙面に平行な光学軸133を有
し、円偏光を直線偏光に変換するような光学的異方性を
もって構成されている。この光学軸133は、偏光変換
素子13の矩形外形の一辺に平行になるよう配置されて
いる。 (作用)有機電界発光素子11からの射出光は、光の振
動方向(偏光方向)がランダムな自然光であり、右回り
円偏光成分L+と左回り円偏光成分L-とを含んでい
る。コレステリック液晶層132には、この両方向の円
偏光成分が入射する。
【0095】コレステリック液晶層132に入射した円
偏光のうち右回り円偏光成分L+は、この液晶層132
を透過可能である。四分の一波長フィルム131は、入
射した右回り円偏光を偏光変換素子13の矩形外形の一
辺に対し、45度の角度をなす方向に振動する直線偏光
134aに変換し射出する。
【0096】一方、左回り円偏光成分L-は、この液晶
層で反射させられて、再び有機電界発光素子11に戻さ
れる。有機電界発光素子11に戻った左回り円偏光成分
L-は、反射電極層113で反射させられる。金属表面
において、円偏光が反射する時、左回り円偏光成分L-
は、その回転方向が反転し、右回り円偏光成分L+とな
る。右回り円偏光成分L+は再び偏光変換素子13に入
射する。今度は、円偏光成分の回転方向が反転して右回
り円偏光成分L+となっているので、コレステリック液
晶層132を透過させられ、四分の一波長フィルム13
1に射出される。
【0097】四分の一波長フィルム131では、コレス
テリック液晶層132を透過した右回り円偏光を、偏光
変換素子13の矩形外形の一辺に対し、45度の角度を
なす方向に振動する直線偏光134bに変換し、透過型
液晶パネル20側に射出する。つまり、有機電界発光素
子11から発せられた光がランダムな偏光状態を持って
いても、最終的に偏光方向の揃った直線偏光として透過
型液晶パネル側に供給させることができる。
【0098】透過型液晶パネル20に供給される直線偏
光134aおよび134bの偏光方向を偏光板201a
の透過可能な偏光方向と一致させておけば、多くの光量
を透過型液晶パネルにおける光変調に用いることができ
る。なお、コレステリック液晶層132と四分の一波長
フィルム131とから構成される偏光変換素子の原理に
ついては、文献Proceedings of the 15th Internationa
l Display Research Conference、1995、p.735-738、Ja
panese Journal of Applied Physics Vol.29、〔No.
4〕、April. 1990. p.L634-637、または、Japanese Jou
rnal of Applied Physics Vol.29、〔No.10〕、 Octobe
r、 1990、p.1974-1984に開示されている。
【0099】上述した実施形態4によれば、有機電界発
光素子から射出させられた光のうち、偏光板を透過でき
ずに吸収されうる半分以上の光をすべて透過型液晶パネ
ルの光変調のために供給できるので、理想的には従来の
2倍の明るい像をスクリーン上に投写させることができ
る。 <実施形態5>本発明の実施形態5は、実施形態4の偏
光変換素子の変形例に関する。 (構成)本実施形態5の投写型液晶表示装置は、液晶表
示要素1eを除いて上記実施形態4と同様の構成を備え
る。液晶表示要素1eは、図7および図8に示すよう
に、有機電界発光素子11、偏光変換素子14および透
過型液晶パネル20を備える。有機電界発光素子11お
よび透過型液晶パネル20については実施形態4と同様
の構成なので、その説明を省略する。
【0100】偏光変換素子14は、マイクロ偏光ビーム
スプリッタアレイ141と四分の一波長フィルム142
とを備えている。
【0101】マイクロ偏光ビームスプリッタアレイ14
1は、その表面の凹凸形状が稲妻型形状の二つの部材を
互いに歯合することにより、複数のマイクロプリズム1
43を形成するように構成されている。マイクロプリズ
ム143は、同図の紙面に対しその境界線が45度の角
度の屋根型をなすように形成されている。マイクロプリ
ズム143の境界面は、誘電体多層膜構造等により、特
定の偏光状態の光を透過し、それ以外の偏光状態の光を
反射可能に構成されている。本実施例では、説明の都合
上、ある偏光方向の直線偏光(p偏光)を透過し、これ
に直交する偏光方向の直線偏光(s偏光)を反射するよ
う構成されているものとする。
【0102】四分の一波長フィルム142は、実施形態
4の四分の一波長フィルム131と同様の構成を備え、
同図の紙面に平行な光学軸144を備える。
【0103】なお、本実施形態の有機電界発光素子11
の代わりに、実施形態1で説明した有機電界発光素子1
0や実施形態3で説明した有機電界発光素子12をその
まま代替して構成してもよい。
【0104】特に、本形態の偏光変換素子14を構成す
るマイクロ偏光ビームスプリッタアレイ141は、偏光
分離特性が入射光の入射角に大きく依存する。このた
め、マイクロ偏光ビームスプリッタアレイ141に入射
する光の指向性を高めるためには、光学的共振構造を持
つ実施形態3の偏光変換素子12を用いるのが好まし
い。 (作用)有機電界発光素子11から射出された光は、実
施形態4で述べたように、光の振動方向がランダムな自
然光であり、右回りの円偏光成分L+と左回りの円偏光
成分L-を含んでいる。有機電界発光素子11から射出
された光のうち、右回り円偏光成分L+は、四分の一波
長フィルム142によりp偏光に変換させられ、マイク
ロ偏光ビームスプリッタアレイ14に入射する。p偏光
はマイクロプリズム143を透過可能なので、そのまま
の偏光状態で、直線偏光145aとして、透過型液晶パ
ネル20に与えられる。
【0105】一方、有機電界発光素子11から射出され
た光のうち、左回り円偏光成分L-は、四分の一波長フ
ィルム142によりs偏光に変換させられ、マイク偏光
ビームスプリッタアレイ14に入射する。s偏光はマイ
クロプリズム143で反射させられる。マイクロプリズ
ム143の境界面は光の入射方向に対し45度傾いてい
るので、s偏光は最初の反射で入射方向に直角方向に方
向転換させられ、二度めの反射で入射方向と反対の方向
に方向転換させられる。この反射させられたs偏光は、
四分の一波長フィルム142で再び左回り円偏光L-に
変換され、有機電界発光素子11側に戻される。
【0106】有機電界発光素子11では、戻った左回り
円偏光L-が反射電極層113で反射させられる。左回
り円偏光L-が反射すると、右回り円偏光L-に変換され
る。この右回り偏光L-は、四分の一波長フィルム14
2により、p偏光に変換されるので、今度はマイクロプ
リズム143を透過し、直線偏光145aと同じ方向に
振動する直線偏光145bとして、透過型液晶パネル2
0に供給させられる。
【0107】つまり、有機電界発光素子11から発せら
れた光がライダムな偏光状態を持っていても、最終的に
偏光方向の揃った直線偏光として透過型液晶パネル側に
供給させることができる。
【0108】なお、マイクロ偏光ビームスプリッタアレ
イの原理については、Society forInformation Display
International Symposium Digest of Technical Pap
ers、Vol.XXIII、1992、pp.427-429に開示されている。
【0109】上述した実施形態5によれば、有機電界発
光素子から射出させられた光のうち、従来偏光板を透過
できずに吸収されていた半分以上の光をすべて透過型液
晶パネルの光変調のために供給できるので、理想的には
従来の2倍の明るい像をスクリーン上に投写させること
ができる。 <実施形態6>本発明の実施形態6は、前側マイクロレ
ンズアレイ素子を用いる液晶表示装置に関する。 (構成)本実施形態6の投写型液晶表示装置は、液晶表
示要素1fを除いて上記実施形態1と同様の構成を備え
る。液晶表示要素1fは、図9に示すように、有機電界
発光素子12、前側マイクロレンズアレイ素子15、透
過型液晶パネル16を備える。有機電界発光素子12
は、実施形態3で説明したものと同様の光学的共振構造
を備えるため、その説明を省略する。
【0110】前側マイクロレンズアレイ素子15は、透
過型液晶パネル16の画素に対応させて配置したマイク
ロレンズ要素151を複数備えて構成されている。例え
ば、透過型液晶パネル16の画素が640(横)×48
0(縦)個で構成されているとすれば、前側マイクロレ
ンズアレイ素子15も640×480個のマイクロレン
ズ要素151で構成される。前側マイクロレンズアレイ
素子15は、マイクロレンズ要素151のレンズ面形状
に形成された型を使用して、プラスチック射出成形やガ
ラスプレス成形等の製法で構成される。また、個々のマ
イクロレンズ要素151の形態を、回折型レンズで構成
してもよい。
【0111】個々のマイクロレンズ要素151は、有機
電界発光素子12が射出する光の波長に対して、一定の
焦点距離(例えば2.5mm)となるように、そのレン
ズ面形状が成形される。この焦点距離は、マイクロレン
ズ要素151の後側焦点距離である。この焦点距離が、
マイクロレンズ要素151の主点(principal point)
から透過型液晶パネル16の画素の開口部163までの
距離に等しくなるよう、前側マイクロレンズアレイ素子
15と透過型液晶パネル16との距離を調整して構成す
る。
【0112】マイクロレンズ要素151の光の入射面と
射出面の両面には、反射防止膜152が形成されてい
る。反射防止膜152は、有機電界発光素子12が射出
する光の波長に対し、その反射率が最も低くなるように
設計するのが好ましい。
【0113】透過型液晶パネル16は、透明基板161
に液晶層162を狭持させて構成されている。透明基板
161の片面には、画素ごとに開口部163を設けた遮
光パターン164を備えている。なお、同図は、図を簡
略化するため、偏光板(図2の透過型液晶パネル20の
偏光板201a・201bに相当)や透明基板に設けら
れる駆動回路、透明電極等を省略し、画素数を少なくし
て描かれている。透明基板161の組成や液晶層162
の液晶材料については、実施形態1と同様なので、説明
を省略する。
【0114】遮光パターン164は、カーボン等光吸収
性があり、基板状に印刷や張り付けによりパターン化し
て形成可能な材料で構成されている。透過型液晶パネル
16に入射した光は、開口部163に照射された光のみ
が投写レンズ側に射出され、遮光パターン164上に照
射された光は遮断される。
【0115】なお、前側マイクロレンズアレイ素子15
が有機電界発光素子12からの射出光を透過型液晶パネ
ル16の開口部163だけに完全に集光できるのであれ
ば、遮光パターン164は必要とされない。 (作用)有機電界発光素子12の透明電極層122と反
射電極層126との間に一定の直流電圧(例えば10ボ
ルト程度)を印加すると、発光層125から光が射出さ
れる。そして、実施形態3で説明したように、誘電体ミ
ラー121と反射電極層126との距離で定まる特定波
長の光が有機電界発光素子12から射出される。
【0116】この射出光は、発光スペクトルの波長帯域
が狭い。マイクロレンズ要素151は、この特定波長の
光に対し、透過型液晶パネル16の開口部163で焦点
を結ばせるように設計されている。一方、特定波長以外
の光は、レンズによる屈折の程度が異なるため、開口部
163に対し、光軸方向の前部または後部で焦点を結
び、開口部163では光の輪が大きくなる。
【0117】したがって、特定波長の光は、開口部16
3を通過して、投写レンズ側に射出されるが、それ以外
の波長の光の大部分は、遮光パターン164で吸収され
あるいは反射され、投写レンズ側には射出されない。
【0118】マイクロレンズアレイ素子15に入射する
光の平行性が高いほど、マイクロレンズ要素151によ
る集光スポットが小さくなり、画素の開口部163を通
過できる光量は増加する。
【0119】一方、マイクロレンズアレイ素子15に入
射する光の平行性が低い、すなわち発散性が強いと、マ
イクロレンズ要素151によって光を十分絞ることがで
きず、集光スポットは画素の開口部163より大きくな
って遮光パターン164で吸収、あるいは反射される。
よって、開口部163を透過できる光量が低下し、スク
リーンに投写される画像が暗くなる。
【0120】したがって、マイクロレンズアレイ素子を
用いる本実施形態の場合には、液晶パネルの画素を透過
できる光量を増加させるために、放射光の指向性を向上
させることができる光学的共振構造を有する有機電界発
光素子を用いることが特に好ましい。
【0121】なお、マイクロレンズアレイ素子15がな
いものとした場合には、遮光パターン164で吸収ある
いは反射される光は液晶パネルを透過することができ
ず、スクリーンに投写される画像は暗くなる。
【0122】上述したように本実施形態6によれば、射
出光の指向性に優れた共振構造を有する有機電界発光素
子を光源とし、マイクロレンズアレイ素子によって液晶
パネルの画素の開口部に集光し、画素の開口部を通過で
きる光量を増やすことができるので、カラー表示用の投
写型液晶表示装置で、明るく、かつ、色の純度の高いカ
ラー表示が行える。 <実施形態7>本発明の実施形態7は、後側マイクロレ
ンズアレイ素子をさらに用いる液晶表示装置に関する。 (構成)本実施形態7の投写型液晶表示装置は、液晶表
示要素1gを除いて上記実施形態6と同様の構成を備え
ている。液晶表示要素1gは、図10に示すように、有
機電界発光素子12、前側マイクロレンズアレイ素子1
5、透過型液晶パネル16および後側マイクロレンズア
レイ素子17を備えて構成されている。有機電界発光素
子12、前側マイクロレンズアレイ素子15および透過
型液晶パネル16については、実施形態6で説明したも
のと同様であるため、その説明を省略する。
【0123】後側マイクロレンズアレイ素子17は、透
過型液晶パネル16の画素に対応させて配置したマイク
ロレンズ要素171を複数備えて構成されている。例え
ば、透過型液晶パネル16の画素が640(横)×48
0(縦)個で構成されているとすれば、後側マイクロレ
ンズアレイ素子17も640×480個のマイクロレン
ズ要素171で構成される。後側マイクロレンズアレイ
素子17は、マイクロレンズ要素171のレンズ面形状
に形成された型を使用して、プラスチック射出成形やガ
ラスプレス成形等の製法で構成される。また、個々のマ
イクロレンズ要素171の形態を、回折型レンズで構成
してもよい。個々のマイクロレンズ要素171は、有機
電界発光素子12が射出する光の特定波長に対して、一
定の焦点距離(例えば2.5mm)となるように、その
レンズ面形状が成形される。
【0124】この焦点距離は、マイクロレンズ要素17
1の前側焦点距離である。この焦点距離が、透過型液晶
パネル16の画素の開口部163からマイクロレンズ要
素171の主点(principal point)までの距離に等し
くなるよう、透過型液晶パネル16と後側マイクロレン
ズアレイ素子17との距離を調整して構成する。例え
ば、前側マイクロレンズアレイ素子15の後側焦点距離
と後側マイクロレンズアレイ素子17の前側焦点距離と
を同じ距離に設定した場合ならば、前側マイクロレンズ
アレイ素子15と画素の開口部163との距離と、後側
マイクロレンズアレイ素子17と画素の開口部163と
の距離を等しく配置する。
【0125】後側マイクロレンズ要素171の光の入射
面と射出面の両面には、反射防止膜172が形成されて
いる。反射防止膜172は、有機電界発光素子12が射
出する光の波長に対し、その反射率が最も低くなるよう
に設計するのが好ましい。 (作用)実施形態6で説明したように、透過型液晶パネ
ル16に入射した光は、画素の開口部163で焦点を結
び、発散光165となる。後側マイクロレンズアレイ素
子17の各マイクロレンズ要素171は、その前側焦点
距離が開口部163との距離と等しく設計されている。
このため、発散光165は再びこのマイクロレンズアレ
イ素子17で平行光に変換される。
【0126】上述したように本実施形態7によれば、後
側マイクロレンズアレイ素子が、液晶パネル16を透過
してきた光の発散を抑えるので、さらに明るい画像を投
写可能な投写型液晶表示装置を提供できる。 <実施形態8>本発明の実施形態8は、偏光変換素子と
マイクロレンズアレイ素子とをともに用いる液晶表示装
置に関する。 (構成)本実施形態8の投写型液晶表示装置は、液晶表
示要素1hを除いて上記実施形態1と同様の構成を備え
ている。液晶表示要素1hは、図11に示すように、有
機電界発光素子12、偏光変換素子13、前側マイクロ
レンズアレイ素子15および透過型液晶パネル18を備
えている。
【0127】有機電界発光素子12については、実施形
態3で説明したものと同様の光学的共振構造を備え、偏
光変換素子13については、実施形態4で説明したもの
と同様であり、前側マイクロレンズアレイ素子15につ
いては、実施形態6で説明したものと同様の構成である
ため、その説明を省略する。
【0128】透過型液晶パネル18は、二枚の透明基板
181、液晶層182および偏光板185aと185b
を備えて構成されている。透明基板181の一方の液晶
層側には、画素ごとに開口部183が設けられ、その周
辺に遮光パターン184が設けられている。透明基板1
81、開口部183および遮光パターン184について
は、実施形態6の透過型液晶パネル16の透明基板16
1、開口部163および遮光パターン184とそれぞれ
同様なので、その説明を省略する。判り易く図解するた
め、透明基板上に設ける駆動回路や透明電極、配線およ
び駆動回路に制御信号を供給する表示回路等は図示しな
い点も、実施形態1と同様である。
【0129】液晶層182は、公知のツイストネマチッ
ク液晶等を用い、電圧が印加された状態では入射光の偏
光面回転を与えず、電圧が印加されない状態で入射光の
偏光面回転を与えるように構成されている。
【0130】偏光板185aと185bは、同一の構造
を有し、入射光のうち特定の偏光状態の光のみを透過す
るように構成されている。ただし、偏光板185bの透
過する光の偏光方向は、偏光板185aの透過する偏光
方向に比べ、一定の角度だけずれて配置されている。こ
の角度は、液晶層182が電圧無印加時に入射した光の
偏光面を回転させる偏光面回転角に等しく設定する。
【0131】また、偏光変換素子13から射出される直
線偏光の偏光方向と、偏光板185aの透過可能な偏光
方向と、を一致させて配置する。さらに、前側マイクロ
レンズアレイ素子15のマイクロレンズ要素151の主
点と、透過型液晶パネル18の開口部183と、の距離
を、マイクロレンズ要素151の後側焦点と等しく設定
する。
【0132】なお、説明の都合上、コレステリック液晶
層132が透過可能な回転方向の円偏光を右回り円偏光
L+、透過できず反射させる回転方向の円偏光を左回り
円偏光L-とする。 (作用)有機電界発光素子12からの射出光は、光学的
共振構造(実施形態3参照)により光の波長領域が制限
されている。しかし、光の振動方向はランダムであり、
右回り円偏光成分L+と左回り円偏光成分L-とを含ん
でいる。コレステリック液晶層132には、この両方向
の円偏光成分が入射する。
【0133】コレステリック液晶層132に入射した円
偏光成分のうち右回り円偏光成分L+は、この液晶層1
32を透過可能であるため、四分の一波長フィルム13
1側に入射する。四分の一波長フィルム131は、入射
した右回り円偏光を偏光変換素子13の矩形外形の一辺
に対し、45度の角度をなす方向に振動する直線偏光1
34aに変換し射出する。
【0134】一方、左回り円偏光成分L-は、この液晶
層で反射させられて、再び有機電界発光素子12に戻さ
れる。有機電界発光素子12に戻った左回り円偏光成分
L-は、反射電極層126まで到達し、そこで反射させ
られる。円偏光の反射時、左回り円偏光成分L-は、そ
の回転方向が反転し、右回り円偏光成分L+となる。右
回り円偏光成分L+は再び偏光変換素子13に入射す
る。今度は、円偏光成分は、回転方向が反転して右回り
円偏光成分L+となっているので、コレステリック液晶
層132を透過し、四分の一波長フィルム131側に射
出させられる。
【0135】四分の一波長フィルム131は、コレステ
リック液晶層132を透過した右回り円偏光を、偏光変
換素子の矩形外形の一辺に対し45度の角度をなし、か
つ、上記直線偏光134aの振動方向と同じ方向に振動
する直線偏光134bに変換し、透過型液晶パネル18
側に射出する。
【0136】つまり、有機電界発光素子12から発せら
れた光がどのような偏光状態を持っていても、透過型液
晶パネル18には、光の振動方向が揃った平行に近い光
が供給される。
【0137】本実施形態では、共振器構造を有する有機
電界素子を光源として用いているので、放射光の発光ス
ペクトルの波長帯域は狭く限定されている。したがっ
て、偏光変換素子の偏光選択反射機能およびマイクロレ
ンズアレイ素子の光学特性を、その特定の波長帯域に対
してだけ最適化させればよい。
【0138】偏光変換素子の偏光選択反射機能の波長依
存性は、実施形態4における偏光変換素子ではコレステ
リック液晶層132の螺旋周期で決り、実施形態5にお
ける偏光変換素子では、誘電体多層膜の積層周期で決ま
る。
【0139】したがって、赤、緑および青を含む波長領
域で偏光選択反射機能を持たせようとすると、いずれの
偏光変換素子においても各原色に対応した螺旋周期構
造、あるいは積層周期構造を多段に重ねる必要が生ず
る。しかし、赤、緑あるいは青等のそれぞれの特定の波
長領域だけで機能する偏光変換素子を構成する場合は、
その波長領域にだけ対応した螺旋周期構造、あるいは積
層周期構造を備えればよいので、偏光変換素子の構造が
簡単になる。
【0140】前側マイクロレンズアレイ素子15を構成
するマイクロレンズ要素151は、偏光変換素子13か
らの光を透過型液晶パネル18の開口部183へ集光す
る。
【0141】透過型液晶パネル20に供給される直線偏
光134aおよび134bは、その偏光方向が偏光板1
85aを透過可能な偏光方向と一致している。したがっ
て、当該直線偏光134aおよび134bは偏光板18
5aを透過し、画素の開口部183に集光させられる。
【0142】液晶層182に電界が与えられていない場
合、液晶層182は入射光を一定の角度だけ偏光面回転
させる。また、液晶層182に電界が与えられている場
合、液晶分子が電界の方向に配向し、入射光に偏光面回
転を与えない。
【0143】したがって、電圧が加えられていない画素
では、入射光が偏光面回転させられ、偏光板185bを
透過し、投写レンズ側に射出される。一方、電圧が加え
られている画素では、入射光に偏光面回転が与えられ
ず、偏光板185bを透過できず、吸収されあるいは反
射させられる。
【0144】上述したように本実施形態8によれば、有
機電界発光素子により、指向性に優れた特定波長の強い
光が取り出せ、偏光変換素子によりその偏光方向を揃
え、マイクロレンズアレイ素子によって画素の開口を通
過できる光量を増やせるので、明るい投写像を投写でき
る投写型液晶表示装置を提供できる。 <実施形態9>本発明の実施形態9は、スクリーンに投
写された像を裏側から観察する形態の投写型液晶表示装
置に関する。 (構成)本発明の投写型液晶表示装置は、図12に示す
ように、液晶表示要素1、投写レンズ31、筐体41お
よびスクリーン51を備えて構成されている。
【0145】液晶表示要素1には、実施形態1乃至実施
形態8の各液晶表示要素1a、1b、1c、1d、1
e、1f、1gおよび1hを適用する。すなわち、同図
の有機電界発光素子10および透過型液晶パネル20は
例示であり、これらに代わり上記各実施形態の光学要素
を適用できる。
【0146】投写レンズ31は、液晶表示要素1から射
出された像をスクリーン51上に結像させるように構成
されている。同図では投写レンズが一枚図示されている
のみだが、複数のレンズの組み合わせで構成してもよい
ことはもちろんである。具体的には、液晶表示要素1か
ら射出された像を拡大等してスクリーン51上に結像さ
せるべく構成される。
【0147】ただし、実施形態6の液晶表示要素1fや
実施形態8の液晶表示要素1hを用いる場合には、射出
光が発散光となる。このため、投写レンズ31は、この
発散光をスクリーン51上に結像させるように調整され
る。
【0148】また、本実施形態ではスクリーンの裏側か
ら像を観察するため、スクリーン51上に投写する像
が、実施形態1と反転させる必要がある。したがって、
投写レンズ31は、投写像を反転させて表示するように
構成される。
【0149】筐体41は、液晶表示要素1、投写レンズ
31およびスクリーン51を適当な距離に配置可能に構
成される。
【0150】スクリーン51は、スクリーン上に投写さ
れた像をスクリーンの裏側から観察可能なように、半透
明状のフィルム、あるいはフレネルレンズを有する樹脂
プレート等で構成されている。 (作用)液晶表示要素1から射出された像は、スクリー
ン51上に像を結ぶ。観察者は、スクリーン51に表示
された像を裏側から観察する。
【0151】例えば、液晶表示要素1の対角サイズを3
3mm(1.3インチ)とし、投写レンズ31の倍率を
12倍程度とすると、スクリーン51上に表示される像
は、対角サイズが400mm(15.6インチ)とな
る。
【0152】上述したように本実施形態9によれば、本
発明の液晶表示要素を用いて透過型スクリーンに像を投
写するので、従来の電界発光素子を用いた装置より明る
い投写像を提供できる。 <実施形態10>本発明の実施形態10は、カラー表示
用の投写型液晶表示装置を提供するものである。 (構成)本実施形態の投写型液晶表示装置は、図13に
示すように、赤色用液晶表示要素1R、緑色用液晶表示
要素1G、青色用液晶表示要素1B、赤色用波長フィル
ム70R、緑色用波長フィルム70G、青色用波長フィ
ルム70B、ダイクロイックプリズム60、投写レンズ
32、筐体42およびスクリーン51を備えて構成され
ている。以下、本実施形態で用いる三原色のうち、赤色
に関する光学要素に添字Rを、緑色に関する光学要素に
添字Gを、青色に関する光学要素に添字Bを、それぞれ
付して示す。
【0153】液晶表示要素1R、1Gおよび1Bとして
は、それぞれ赤色で発光する有機電界発光素子、緑色で
発光する有機電界発光素子あるいは青色で発光する有機
電界発光素子を光源として備えた液晶表示要素を適用す
る。
【0154】ただし、液晶表示要素に、前側マイクロレ
ンズアレイ素子(図9の符号15)を含む1fおよび1
hを適用する場合には、射出される光が若干拡散光とな
るので、投写レンズ32の屈折の程度を変える必要があ
る。
【0155】また、液晶表示要素に、光学的共振構造を
有する有機電界発光素子(図4、図9乃至図11の符号
12)を含む1c、1f、1gおよび1hを適用する場
合には、発光色の波長を調整した液晶表示要素を用い
る。すなわち、液晶表示要素1Rでは、有機電界発光素
子12の射出光の波長領域を赤色に設定する。また、液
晶表示要素1Gでは、有機電界発光素子12の射出光の
波長領域を緑色に設定する。また、液晶表示要素1Bで
は、有機電界発光素子12の射出光の波長領域を青色に
設定する。
【0156】具体的には、有機電界発光素子12の発光
層125の材料を選択し、誘電体ミラー層121と反射
電極層126との間の距離を調整する。実施形態4の偏
光変換素子13または実施形態5の偏光変換素子14を
用いる場合には、可視光領域全域にわたって偏光選択反
射機能を有する偏光変換素子を用いてもよいが、特定の
波長領域に対してだけ偏光選択反射機能を有する偏光変
換素子を用いた方が、光の利用効率を向上させることが
できる。
【0157】また、マイクロレンズアレイ素子(15、
17)を用いる場合には、その色の光が入射したとき収
差が少なくなるように、レンズが設計される。さらに、
マイクロレンズ要素の反射防止膜(152、172)
を、その色の光が入射したときに最も反射率が低くなる
ように調整する。例えば、液晶表示要素1Rであれば波
長610nmの光に対し、液晶表示要素1Gであば波長
535nmの光に対し、および液晶表示要素1Bであれ
ば波長470nmの光に対し、上記条件を満たすように
調節する。
【0158】各波長フィルム70は、ガラス板またはプ
ラスチック板により構成されている。赤色用波長フィル
ム70Rは、赤色の波長の光を透過可能に構成される。
緑色用波長フィルム70Gは、緑色の波長の光を透過可
能に構成される。青色用波長フィルム70Bは、青色の
波長の光を透過可能に構成される。なお、波長フィルム
70R、70Gおよび70Bを構成要素から除外しても
よい。
【0159】ダイクロイックプリズム60は、液晶表示
要素1R、1Gおよび1Bからの像を合成可能に構成さ
れている。すなわち、ダイクロイックプリズム60は、
複数のプリズムを集合させ、その境界面に特定の波長の
光を反射する誘電体多層膜を形成して構成される。例え
ば、膜60Rは赤色の波長の光を反射し、他の波長の光
を透過可能に構成される。膜60Bは青色の波長の光を
反射し、他の波長の光を透過可能に構成される。
【0160】投写レンズ32は、スクリーン51にダイ
クロイックプリズム60からの合成像を投写可能に調整
される。同図では一枚のレンズのみ図示してあるが、複
数枚のレンズで構成してもよい。
【0161】筐体42は、本形態の光学要素全体を含み
うるような容量で構成されている。
【0162】スクリーン51は、実施形態9で説明した
ものと同様である。 (作用)各液晶表示要素1R、1Gおよび1Bから波長
フィルム70R、70Gおよび70Bを経てダイクロイ
ックプリズム60に供給される像は、それぞれの原色の
光の像である。赤色の光は、ダイクロイックプリズム6
0の膜60Rにより反射させられる。青色の光は、ダイ
クロイックプリズム60の膜60Bにより反射させられ
る。緑色の光は、膜60Rや60Bのいずれにも反射す
ることなく、両膜を透過する。この結果、ダイクロイッ
クプリズム60の投写レンズ32側には、これら三色の
光が合成された像が射出させられる。この像は、投写レ
ンズ32によりスクリーン51上に拡大して投写させら
れる。スクリーン51上に投写させられた像は、その裏
側から観察者が観察することができる。例えば、透過型
液晶パネルを対角サイズ63.5mm(2.5インチ)
程度で構成した場合、背面投写型のスクリーン51は対
角サイズ約1m(約40インチ)程度に形成される。
【0163】上述したように本実施形態10によれば、
各原色ごとに本発明の液晶表示要素を設け、それを合成
してカラー像を生成するので、白色で発光する一枚の有
機電界発光素子で照明する場合に比べて、明るいカラー
像を表示させることができる。 <実施形態11>本発明の実施形態11は、実施形態1
0とは異なるカラー表示用の投写型液晶表示装置の構成
を提供するものである。 (構成)本実施形態の投写型液晶表示装置は、図14に
示すように、実施形態10の投写型液晶表示装置とほぼ
同様の構成を備える。ただし、本形態の投写型液晶表示
装置は、反射ミラー80をさらに備える。また、実施形
態10のスクリーン51の代わりにスクリーン52を備
え、筐体43に格納される点で、実施形態10と異な
る。
【0164】反射ミラー80は、投写レンズ32からの
光をその光軸と直角方向に反射可能に構成されている。
【0165】スクリーン52は、反射ミラー80により
反射させられた像を、その背面から観察できるよう投写
可能に構成されている。
【0166】筐体43は、スクリーン52に適当な大き
さで結像させられるよう各光学要素を配置可能に構成さ
れている。 (作用)投写レンズ32から各原色の像が合成された合
成像が射出されるまでは、実施形態10と同様である。
この合成像は、反射ミラー80で反射させられ、スクリ
ーン52上に投写させられる。実施形態10と同じ倍率
で像を投写するためには、投写レンズ32からスクリー
ン52までの光軸上の距離を実施形態10における投写
レンズ32からスクリーン51までの距離に等しくすれ
ばよい。
【0167】本実施形態11によれば、各原色ごとに本
発明の液晶表示要素を設け、それを合成してカラー像を
生成するので、明るいカラー像を表示させることができ
る。
【0168】また、反射ミラーに凸面境を適用すれば、
その反射により像がさらに拡大されるので、短い光軸上
の距離であっても大きな像の倍率が得られるという利点
がある。
【0169】また、反射ミラーによる反射により像が反
転させることができるので、投写レンズから射出された
像が反転している場合に、その像をさらに反転させ、正
しい像に補正できる。 <実施形態12>本発明の実施形態12は、実施形態1
0とは異なるカラー表示用の投写型液晶表示装置の構成
を提供するものである。 (構成)本実施形態の投写型液晶表示装置は、図15に
示すように、実施形態10の投写型液晶表示装置とほぼ
同様の構成を備える。ただし、本形態の投写型液晶表示
装置では、実施形態10のようにスクリーンを筐体に内
蔵せず、外部のスクリーン50に投写可能に構成される
点で、実施形態10と異なる。
【0170】投写レンズ34は、外部のスクリーン50
に合成像を投写可能に構成されている。同図では投写レ
ンズ一枚で構成してあるが複数のレンズを組み合わせて
用いてもよい。特に、外部スクリーンに投写するため、
スクリーンとの距離が定まっていない。このため、いか
なる距離にスクリーン50が設置されてもピントを合わ
せられるように構成する。
【0171】筐体44は、スクリーンを筐体に含めない
ので、液晶表示要素1、波長フィルム70、ダイクロイ
ックプリズム60および投写レンズ34を含みうるよう
に構成されている。 (作用)本実施形態では、投写レンズ34から射出され
た光は、外部に設置されたスクリーンに投写される。像
の倍率は、投写レンズ34のレンズ構成、および投写レ
ンズ34とスクリーン50との距離に応じて変化する。
【0172】上述したように本実施形態12によれば、
スクリーンを内蔵しない投写型液晶表示装置を提供でき
る。 <その他の実施形態>なお、本実施形態では平板状の透
過型液晶パネルを用いたので、この液晶パネルに均等に
光を照射すべく有機電界発光素子も平板状に形成した
が、液晶パネルの表示面が湾曲等しているのなら、有機
電界発光素子も液晶パネルの表面形状に合わせて変形さ
せてもよい。
【0173】また、前側マイクロレンズアレイ素子、後
側マイクロレンズアレイ素子、偏光変換素子および透過
型液晶パネルの構造は、実施形態に記載した機能を奏す
るものであれば、他の構造を適用可能である。
【0174】
【発明の効果】本発明によれば、従来の無機材料を用い
た光源よりも低電圧駆動が可能で光量の大きい平板状の
有機電界発光素子を用いたので、従来よりも明るい像を
投写できる小型の投写型液晶表示装置を提供できる。
【0175】また、本発明によれば、液晶パネルに従来
より放射光の指向性のよい光を射出する共振器構造を備
えた有機電界発光素子を用いた場合には、光の発散によ
る光量の減少を防止し、低電圧駆動が可能で、明るい像
を投写させることができる小型の投写型液晶表示装置を
提供できる。
【0176】本発明によれば、射出光の偏光状態を変換
する偏光変換素子を用いたので、液晶パネルの偏光板を
透過できる光量を増やすことにより、明るい画像を投写
する投写型液晶表示装置を提供できる。
【0177】本発明によれば、カラー画像の投写に際
し、特定の波長帯域において機能する偏光変換素子を用
いたので、液晶パネルの偏光板を透過できる光量を増や
し、明るい像を投写する小型の投写型液晶表示装置を提
供できる。
【0178】本発明によれば、液晶パネルの画素の開口
部に集光させるマイクロレンズアレイ素子を用いたの
で、画素の開口部を通過できる光量を増やし、明るい像
を投写する小型の投写型液晶表示装置を提供できる。
【0179】本発明によれば、カラー画像の投写に際
し、光の共振により特定の波長の光のみを発光させる小
型の発光素子を用いたので、特定の波長の光のみの光量
を増やし、明るい画像を投写する小型の投写型液晶表示
装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の投写型液晶表示装置の全
体構成図である。
【図2】実施形態1の液晶表示要素1a(有機電界発光
素子10および透過型液晶パネル20)の構成図であ
る。
【図3】実施形態2の液晶表示要素1b(有機電界発光
素子11および透過型液晶パネル20)の構成図であ
る。
【図4】実施形態3の液晶表示要素1c(有機電界発光
素子12および透過型液晶パネル20)の構成図であ
る。
【図5】実施形態4の液晶表示要素1d(有機電界発光
素子11、偏光変換素子13および透過型液晶パネル2
0)の構成図である。
【図6】実施形態4の液晶表示要素1d(有機電界発光
素子11、偏光変換素子13および透過型液晶パネル2
0)の斜視図である。
【図7】実施形態5の液晶表示要素1e(有機電界発光
素子11、偏光変換素子14および透過型液晶パネル2
0)の構成図である。
【図8】実施形態5の液晶表示要素1e(有機電界発光
素子11、偏光変換素子14および透過型液晶パネル2
0)の斜視図である。
【図9】実施形態6の液晶表示要素1f(有機電界発光
素子12、前側マイクロレンズアレイ素子15および透
過型液晶パネル16)の構成図である。
【図10】実施形態7の液晶表示要素1g(有機電界発
光素子12、前側マイクロレンズアレイ素子15、透過
型液晶パネル16および後側マイクロレンズアレイ素子
17)の構成図である。
【図11】実施形態8の液晶表示要素1h(有機電界発
光素子12、偏光変換素子13、前側マイクロレンズア
レイ素子15および透過型液晶パネル18)の構成図で
ある。
【図12】実施形態9の投写型液晶表示装置の全体構成
図である。
【図13】実施形態10の投写型液晶表示装置の全体構
成図である。
【図14】実施形態11の投写型液晶表示装置の全体構
成図である。
【図15】実施形態12の投写型液晶表示装置の全体構
成図である。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光を反射する電極層と光を透過する電極
    層との間に有機薄膜層を狭持して構成された有機電界発
    光素子と、前記有機電界発光素子の面から射出される光
    の透過を制御する透過型液晶パネルと、を含む液晶表示
    要素を備えたこと特徴とする投写型液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記有機薄膜層は、白色光を発する白色
    発光層として構成される請求の範囲第1項に記載の投写
    型液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記有機薄膜層は、カラー表示に必要な
    複数の原色の各々の波長領域の光をそれぞれ発する原色
    発光層を順次積層して構成される請求の範囲第1項に記
    載の投写型液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記有機電界発光素子は、透明基板に積
    層された透明電極層と、当該透明電極層上に積層された
    前記有機薄膜層と、当該有機薄膜層上に積層され、当該
    有機薄膜層の発した光を反射する電極層と、により構成
    される請求の範囲第1項に記載の投写型液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記有機電界発光素子は、前記有機薄膜
    層の発した光を反射する電極層と、当該電極層との間で
    前記有機薄膜層を狭持する透明電極層と、当該透明電極
    層からの光の射出側に設けられ、入射した光の一部を前
    記透明電極層を介して前記電極層へ反射し、当該光の残
    りを透過するハーフミラー層と、を備え、 当該ハーフ
    ミラー層と前記電極層との間の距離を、当該光が共振す
    る光学距離に設定して構成される請求の範囲第1項に記
    載の投写型液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 前記有機電界発光素子と前記透過型液晶
    パネルとの間に、前記有機電界発光素子からの射出光の
    偏光状態を変換する偏光変換素子をさらに備え、前記透
    過型液晶パネルは、前記偏光変換素子を透過した射出光
    のうち特定の偏光状態の光を透過する偏光板を備えた請
    求の範囲第1項乃至第5項のいずれか一項に記載の投写
    型液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 前記偏光変換素子は、前記有機電界発光
    素子側に配置され、右回り円偏光及び左回り円偏光のう
    ち一方の円偏光成分を反射し、かつ、他方の円偏光成分
    を透過させる円偏光選択反射フィルタと、円偏光を直線
    偏光に変換し、かつ、直線偏光を円偏光に変換する1/
    4波長板と、を備えて構成される請求の範囲第6項に記
    載の投写型液晶表示装置。
  8. 【請求項8】 前記偏光変換素子は、前記透過型液晶パ
    ネル側に配置され、直交する2つの直線偏光成分のう
    ち、一方の直線偏光成分を反射し、かつ、他方の直線偏
    光成分を透過させる直線偏光選択反射フィルタと、円偏
    光を直線偏光に変換し、かつ、直線偏光を円偏光に変換
    する1/4波長板と、を備えて構成される請求の範囲第
    6項に記載の投写型液晶表示装置。
  9. 【請求項9】 前記偏光変換素子は、特定の波長帯域の
    前記射出光について、その特定の偏光状態の光を透過
    し、それ以外の偏光状態の光を反射する偏光選択反射フ
    ィルタを備えた請求の範囲第6項乃至第8項のいずれか
    一項に記載の投写型液晶表示装置。
  10. 【請求項10】 前記有機電界発光素子と前記透過型液
    晶パネルとの間に、当該有機電界発光素子からの射出光
    を集めるマイクロレンズ要素を、前記透過型液晶パネル
    の個々の画素に対応させて配置して構成した前側マイク
    ロレンズアレイ素子を、さらに備える請求の範囲第6項
    に記載の投写型液晶表示装置。
  11. 【請求項11】 前記透過型液晶パネルの個々の画素の
    開口が、前記マイクロレンズ要素の後側焦点の近傍に配
    置するように、各マイクロレンズ要素の焦点距離、およ
    び前記前側マイクロレンズアレイ素子と当該液晶パネル
    との距離が調整されて構成された請求の範囲第10項に
    記載の投写型液晶表示装置。
  12. 【請求項12】 前記透過型液晶パネルは、各画素の開
    口に入射した光を透過させ、かつ、当該画素の開口以外
    の部分に入射した光を遮蔽する遮光要素を備えた請求の
    範囲第10項または第11項のいずれか一項に記載の投
    写型液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 前記透過型液晶パネルを透過した光の
    射出側に、前記液晶パネルの各画素の開口を透過した光
    の発散を抑えるマイクロレンズ要素を、個々の画素の対
    応させて配置して構成した後側マイクロレンズアレイ素
    子を、さらに備える請求の範囲第10項乃至第12項の
    いずれか一項に記載の投写型液晶表示装置。
  14. 【請求項14】 前記画素の開口が前記後側マイクロレ
    ンズ要素の前側焦点の近傍に配置するように、各マイク
    ロレンズ要素の焦点距離、および当該後側マイクロレン
    ズアレイ素子と当該透過型液晶パネルとの距離が調整さ
    れて構成された請求の範囲第13項に記載の投写型液晶
    表示装置。
  15. 【請求項15】 前記有機電界発光素子と前記前側マイ
    クロレンズアレイ素子との間に、前記有機電界発光素子
    からの射出光の偏光状態を変換する偏光変換素子をさら
    に備え、前記透過型液晶パネルは、前記偏光変換素子を
    透過した射出光のうち特定の偏光状態の光を透過する偏
    光板を備えた請求の範囲第10項乃至第14項のいずれ
    か一項に記載の投写型液晶表示装置。
  16. 【請求項16】 前記偏光変換素子は、前記有機電界発
    光素子側に配置され、右回り円偏光及び左回り円偏光の
    うち一方の円偏光成分を反射し、かつ、他方の円偏光成
    分を透過させる円偏光選択反射フィルタと、円偏光を直
    線偏光に変換し、かつ、直線偏光を円偏光に変換する1
    /4波長板と、を備えて構成される請求の範囲第15項
    に記載の投写型液晶表示装置。
  17. 【請求項17】 前記偏光変換素子は、前記前側マイク
    ロレンズアレイ素子側に配置され、直交する2つの直線
    偏光成分のうち、一方の直線偏光成分を反射し、かつ、
    他方の直線偏光成分を透過させる直線偏光選択反射フィ
    ルタと、円偏光を直線偏光に変換し、かつ、直線偏光を
    円偏光に変換する1/4波長板と、を備えて構成される
    請求の範囲第15項に記載の投写型液晶表示装置。
  18. 【請求項18】 前記透過型液晶パネルを透過して生成
    された像をスクリーン上に投写する投写レンズを、さら
    に備えた請求の範囲第1項、第4項または第5項のいず
    れか一項に記載の投写型液晶表示装置。
  19. 【請求項19】 前記投写レンズから投写された像を当
    該投写レンズの反対側から観察可能に構成された透過型
    スクリーンを、さらに備えた請求の範囲第18項に記載
    の投写型液晶表示装置。
  20. 【請求項20】 カラー表示に必要な複数の原色の各々
    の波長領域の光の透過を制御する複数の前記液晶表示要
    素と、前記複数の液晶表示要素から射出された各原色の
    像を合成し、カラー画像を生成する合成光学系と、前記
    合成光学系により合成されたカラー画像をスクリーン上
    に投写する投写レンズと、をさらに備えた請求の範囲第
    1項または第4項のいずれか一項に記載の投写型液晶表
    示装置。
  21. 【請求項21】 前記複数の有機電界発光素子が光学的
    共振構造を備えている請求の範囲第20項に記載の投写
    型液晶表示装置。
  22. 【請求項22】 カラー表示に必要な複数の原色の各々
    の波長領域の光を発するよう調整された光学的共振構造
    を有する有機電界発光素子と、前記有機電界発光素子の
    面から射出される光の透過を制御する透過型液晶パネル
    と、を含む液晶表示要素を前記原色ごとに備え、さら
    に、それぞれの前記液晶表示要素から射出された各原色
    の像を合成し、カラー画像を生成する合成光学系と、前
    記合成光学系により合成されたカラー画像をスクリーン
    上に投影する投写レンズと、を備えた投写型液晶表示装
    置。
  23. 【請求項23】 前記投写レンズから投写された像を当
    該投写レンズの反対側から観察可能に構成された透過型
    スクリーンを、さらに備えた請求の範囲第20項乃至第
    22項のいずれか一項に記載の投写型液晶表示装置。
  24. 【請求項24】 各前記液晶表示要素は、前記有機電界
    発光素子と前記透過型液晶パネルとの間に、当該有機電
    界発光素子からの射出光を集めるマイクロレンズ要素
    を、前記透過型液晶パネルの個々の画素に対応させて配
    置して構成した前側マイクロレンズアレイ素子を、さら
    に備える請求の範囲第20項乃至第23項のいずれか一
    項に記載の投写型液晶表示装置。
  25. 【請求項25】 各前記液晶表示要素は、前記透過型液
    晶パネルを透過した光の射出側に、前記液晶パネルの各
    画素の開口を透過した光の発散を抑えるマイクロレンズ
    要素を、個々の画素の対応させて配置して構成した後側
    マイクロレンズアレイ素子を、さらに備える請求の範囲
    第24項に記載の投写型液晶表示装置。
  26. 【請求項26】 各前記液晶表示要素の前記前側マイク
    ロレンズアレイ素子および前記後側マイクロレンズアレ
    イ素子は、当該液晶表示要素に割り当てられた原色の波
    長領域の光に対し、反射率が最も低くなるように調整さ
    れた反射防止膜を備えて構成される請求の範囲第24項
    または第25項のいずれか一項に記載の投写型液晶表示
    装置。
  27. 【請求項27】 各前記液晶表示要素は、前記有機電界
    発光素子と前記前側マイクロレンズアレイ素子との間
    に、前記有機電界発光素子からの射出光の偏光状態を変
    換する偏光変換素子をさらに備え、前記透過型液晶パネ
    ルは、前記偏光変換素子を透過した射出光のうち特定の
    偏光状態の光を透過する偏光板を備えた請求の範囲第2
    0項乃至第26項のいずれか一項に記載の投写型液晶表
    示装置。
  28. 【請求項28】 各前記液晶表示要素の前記偏光変換素
    子は、特定の波長帯域の前記射出光に対して、その特定
    の偏光状態の光を透過し、それ以外の偏光状態の光を反
    射する偏光選択反射フィルタを備えた請求の範囲第27
    に記載の投写型液晶表示装置。
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