JP2000064967A - ギヤポンプ - Google Patents
ギヤポンプInfo
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Abstract
を低減しつつ、高速回転時の圧抜けを防止する。 【解決手段】キャビティ14を有するケーシング10の
両端をカバー11で閉塞する。ギヤ4を両側から挟むサ
イドプレート12をキャビティ14内に浮動状に収容す
る。サイドプレート12のギア側側面の背面12bにシ
ール溝20を設けて、キャビティ14内を低圧エリアL
と高圧エリアHとに仕切る略3の字状のシール13を収
容する。外乱の影響でサイドプレート12の背面12b
の低圧エリアL側の部分23がカバー11の対向面11
aに密接するとき、背面12bの高圧エリアH側の部分
に設けた凹部22とカバー11の対向面11aとの間に
隙間SHを形成する[図5(b)参照]。隙間SHを通
して圧油を導入し、流体固着現象の発生を防止して、サ
イドプレート12をギア4側へ押し戻す。
Description
対のギアの回転によりポンプ作用をなすギヤポンプに関
するものである。
により両端が閉塞されるケーシングのキャビティ内に、
互いに噛み合う一対のギアを両側から挟む一対のサイド
プレートを嵌め入れ、各サイドプレートにそれぞれ形成
された一対の支持孔によって、各支軸の両端部をそれぞ
れ支持している。また、ギヤ同士の噛み合い位置を挟ん
だ両側に作動オイルの吐出室と吸込室を形成している。
さらに、サイドプレートがギヤに接触する面の背面と、
これに対向するカバーの面との間に略3の字状のシール
を介在し、このシールによって、キャビティ内を高圧エ
リアと低圧エリアに区画している。
リアと低圧エリアとを区画するシール機能の他に、高圧
発生時に、サイドプレートのギヤ側側面が受ける油圧力
に抗してサイドプレートの背面を弾力的に押圧すること
により、サイドプレートのギヤ側側面とギヤの端面との
間の緊迫力を維持し、これにより、サイドプレートのギ
ヤ側側面に沿っての圧抜けを防止する機能を果たしてい
る。
受けたサイドプレートのギヤ側側面とギヤの端面との間
の接触隙間を通して、高圧の吐出室から低圧の吸込室へ
作動油が漏れ、圧抜けが発生し易くなる。この高圧発生
時の圧抜けをできるだけ防止するという観点からは、シ
ールがサイドプレートに与える弾性反発力を高く設定し
ておけば良い。
合、圧抜けのおそれのない低圧低速回転時において、サ
イドプレートのギヤ側側面が受ける相対的に小さな油圧
力と比較して、サイドプレートの背面を押すシールの弾
性反発力が過大となり、ギヤ側側面とギアの端面との間
のフリクションが大きくなり、摩擦トルクの増大により
機械効率が低下するという問題がある。もともと、低圧
低速回転時にはサイドプレートのギヤ側側面とギヤの端
面との間に油膜が形成され難く、このことも摩擦トルク
を大きくする要因となっている。
要請は顕著となっており、運転と停止が繰り返されるタ
イプのギヤポンプの出現も予想される。例えば、上記の
ギヤポンプを電動モータにより作動させて油圧源とする
タイプのパワーステアリング装置では、直進走行時(非
操舵時)にギヤポンプの作動を停止しておき、操舵時の
みに対応してギヤポンプを作動させる、いわゆるオンデ
マンド方式による使用も考えられる。
態から所定の回転速度での運転状態まで立ち上げる動作
が頻繁に行われる。したがって低圧低速回転でも頻繁に
使用されることになり、低圧低速回転時の摩擦トルクの
低減を達成しつつ、高圧時の圧抜けの防止しなければな
らない。ところが、実際問題として、シールの弾性反発
力の設定だけでは、高圧時の圧抜けの防止を達成できな
い。というのは、例えば外乱等の影響で、サイドプレー
トの背面がカバーに一旦密着してしまうと、互いに離れ
なくなり(いわゆる流体固着現象)、サイドプレートの
ギア側側面とギアとの間の緊迫力が低下したままの状態
になるおそれがあるからである。
あり、本発明の目的は低速回転時の摩擦トルクを小さく
できしかも高速回転時の圧抜けの発生を防止することが
きるギヤポンプを提供することである。
の課題解決手段として、請求項1記載の発明の態様は、
キャビティの端部を閉塞するカバーとギアとの間に介在
するサイドプレートを、カバーおよびサイドプレートの
互いの対向面の何れか一方に形成した収容溝に収容され
た3の字状のシールによって、ギアの支軸の軸方向に浮
動状に支持するとともに、上記3の字状のシールによっ
て、キャビティ内を高圧エリアと低圧エリアに仕切るギ
ヤポンプにおいて、上記カバーおよびサイドプレート
に、サイドプレートが対向するカバー側へ押圧される力
を受けたときに互いに当接する当接部をそれぞれ設け、
両当接部が互いに当接した状態で、サイドプレートと対
向するカバーとの間の高圧エリア側部分に圧油を導入可
能な隙間が形成されることを特徴とするものである。
トがカバー側へ押されてサイドプレートとカバーの当接
部同士が互いに密着しても、サイドプレートと対向する
カバーとの間の高圧エリア側部分に隙間を形成すること
ができる。この隙間に圧油が導入されることにより、サ
イドプレートをシールによって浮動状に支持する状態に
戻すことができる。したがって、流体固着現象の発生を
確実に防止できるので、高速回転時の圧抜けを確実に防
止することができる。
回転時の摩擦トルクを小さくすることのほうに重点をお
いて弱めに設定することができる。請求項2記載の発明
によれば、請求項1において、上記両当接部はカバーお
よびサイドプレートの低圧エリア側部分を含み、上記隙
間は、サイドプレートおよびカバーの互いの対向面の高
圧エリア側部分の少なくとも一方に設けられた凹部によ
り区画されることを特徴とするものである。
トとカバーの対向面の少なくとも一方の高圧エリア側部
分に凹部を形成するだけで、コスト安価に圧抜け対策が
行える。
図面を参照しつつ説明する。図1は本発明の一実施形態
に係るギヤポンプの断面図であり、図2は図1のII−II
線に沿う断面図であってハッチングを省略してある。ま
た、図3は図1のIII −III 線に沿う断面図であり、図
4はIV−IV線に沿う断面図である。図1を参照して、本
ギヤポンプは、その中央部を貫通する長円形断面のキャ
ビティ14を有するケーシング10の両側を、これの全
面を覆う態様にねじ止めされた一対のカバー11により
塞いで構成されたハウジング1を備えている。
駆動ギヤ3および従動ギヤ4が収容され、さらにこれら
のギヤ3,4を両側から挟み込む一対の例えばアルミニ
ウム合金製のサイドプレート12,12が嵌め入れられ
ている。19は、カバー11の環状溝に収容され、カバ
ー11とサイドプレート12との間に介在してキャビテ
ィ14内を密封するためのOリングである。
各ギヤ3,4の端面と摺接されるようになっている。ま
た、各サイドプレート12のギヤ側側面12aの背面1
2bと、これに対向するカバー11の面11aとの間に
は、図4および図5に示すような略3の字形形状のシー
ル13が介在しており、このシール13は、キャビティ
14内を低圧エリアLと高圧エリアHとに仕切ってい
る。
0は、長円形断面を有するキャビティ14の両側の半円
部の軸心上にそれぞれ位置し、互いに平行をなして架設
されている。すなわち、支軸30,40は各サイドプレ
ート12にそれぞれ一対形成された支持孔31,41に
により両持ち支持されている。一対の支持孔31によっ
て支持された一方の支軸30は、一方のカバー11を貫
通して外部に延長され、この延長端に伝達される図示し
ないモータからの駆動力により回転駆動される駆動軸を
構成している。また、支軸30には駆動ギヤ3が一体回
転可能に装着されている。支軸30がカバー11を貫通
する部分にはオイルシール17が配置されている。
た他方の支軸40は、各サイドプレート12の支持孔4
1内に軸端を有する従動軸を構成している。支軸40に
は従動ギヤ4が装着されている。従動ギヤ4の支軸40
への装着では、軸回りの回転を拘束しても良いし軸回り
の回転を許容しても良い。従動ギヤ4は両支軸30,4
0の軸心を含む平面内において駆動ギヤ3と噛み合い、
支軸30により駆動される駆動ギヤ3の回転に伴って、
支軸40と共に(或いは支軸40の回転を伴わずに)従
動回転するようにしてある。
る従動ギヤ4の回転方向が矢符により示してあり、両ギ
ヤ3,4の噛み合い位置を挟んだ両側には、前記回転方
向側に吸込室5が、反回転方向側に吐出室6が形成され
ている。これら吸込室5および吐出室6は、ケーシング
10の対応位置に開口する吸込口15および吐出口16
を介して、ハウジング1外の図示しない吸込先および吐
出先にそれぞれ接続されるようにしてある。
側側面12aには、両ギヤ3,4の噛み合い位置から吸
込室5側へ延びる逃げ溝63および吐出室6側へ延びる
逃げ溝64が形成されている。これらの逃げ溝63,6
4は、両ギヤ3,4の噛み合い位置で流体が各サイドプ
レート12と各噛合ギヤ歯とで形成される閉塞領域に閉
じ込められる、いわゆる閉じ込みの発生を防止するため
のものである。両逃げ溝63,64は両ギヤ3,4の噛
み合い中心位置を避けるようにして設けられ、互いの間
に所定の距離が確保されている。これは両逃げ溝63,
64を連通させてしまうと、吸込室5側と吐出室6側が
連通されて、ポンプ機能を果たせなくなるので、これを
防止するためである。また、上記ギヤ側側面12aに
は、各支持孔31,41と吸込室5側とをそれぞれ連通
する連通溝65が形成されている。
の背面(反ギヤ側側面)12bには、略3の字形形状の
収容溝20に上記のシール13を収容しており、このシ
ール13を境界として、互いに対向するサイドプレート
12とカバー11との間の空間が、吸込室5側に連通す
る低圧エリアLと吐出室6側に連通する高圧エリアHと
に仕切られている。また、上記背面12bには、上記低
圧エリアLにおいて各支持孔31,41と吸込室5側と
をそれぞれ連通する各一対の連通溝66が形成されてい
る。
の周縁に開放しており、シール13の両端部はU字状に
折り返されてキャビティ14の内面に摺接するシュー2
1を形成している。このような構成により、吸込口15
を経て吸込室5に導入される作動流体は、該吸込室5に
臨む駆動ギヤ3および従動ギヤ4の歯間に受け入れら
れ、両ギヤ3,4の回転により、それぞれの歯間とキャ
ビティ14の内周面との間に封止された状態で搬送さ
れ、吐出室6に送り出される。吐出室6への送り出しを
終えた駆動ギヤ3と従動ギヤ4とは、両ギヤ3,4の噛
み合い位置を経て吸込室5側に向き、該吸込室5内の作
動流体を再度受け入れて吐出室6側へ送り出す作用をな
す。
ある図5(a)および(b)を参照して、サイドプレー
ト12の背面12bの高圧エリアH側の部分は、低圧エ
リアL側の部分23から段差dだけ窪む段差面からなる
凹部22を構成している。この凹部22はカバー11の
対向面11a(キャビティ14側の面)に平行な面から
なり、図4に示すように略3の字状をしている。凹部2
2とサイドプレート12の背面12bの低圧エリアL側
の部分23との間には、シール13を収容する収容溝2
0が介在している。
プレート12の背面12bとカバー11の対向面11a
との間には低圧エリアLに対応して隙間SLが形成され
るとともに、高圧エリアHに対応して隙間SHが形成さ
れている。隙間SL,SHを通じてサイドプレート12
の背面12bに負荷される背圧とシール13の弾性反発
力とによって、サイドプレート12はギア4側へ押しつ
けられている。図示していないが、厳密には、サイドプ
レート12のギア側側面12aとギア4との間には、若
干の隙間が存在し、サイドプレート12は圧力バランス
によって支軸30の軸方向に浮動状に支持されている。
(b)に示すように、サイドプレート12がカバー11
側へ押しつけられることがある。この場合、サイドプレ
ート12の背面12bの低圧エリアL側の部分23が当
接部としてカバー11の対向面11aに密接するが、高
圧エリアH側の部分に相当する凹部22とカバー11の
対向面11aとの間には、段差dに相当する隙間SHが
形成される。この隙間SHに圧油が導入されることによ
り、流体固着現象の発生を防止し、サイドプレート12
をギア4側へ押しつける図5(a)の状態に戻すことが
できる。
ドプレート12の背面12bの流体固着現象の発生を確
実に防止できるので、高圧時においてサイドプレート1
2のギヤ側側面12aとギヤ3,4の端面との間の隙間
を適正に維持して圧抜けを防止し、ポンプ効率を高く維
持できる。しかも、これをサイドプレート12の背面1
2bの所定部に凹部22を設けるのみの簡単な構成にて
達成することができる。また、シール13の弾性反発力
を弱めに設定することが可能となり、低速回転時の摩擦
トルクを小さくすることができる。
る。図6を参照して、本実施の形態が図5の実施の形態
と異なるのは、図5の実施の形態では、凹部22がカバ
ー11の対向面11aに平行な段差面からなっていた
が、本実施の形態では、凹部22Aを傾斜面により構成
したことである。凹部22Aを構成する傾斜面は、シー
ル13の収容溝20の高圧エリアH側の縁部がカバー1
1に最も近く、ケーシング10側へ向かうにしたがって
カバー11との距離を遠ざけるように傾斜している。こ
れにより凹部22は背面12aの低圧エリアL側の部分
23に対して最長で段差dを有している。
態と同様の作用効果を奏することができる。また、サイ
ドプレート12の背面12bの低圧エリアL側の部分2
3がカバー11の対向面11aに密接した状態で、シー
ル13の収容溝20の高圧エリアH側の縁部がカバー1
1に近接(当接しても良い)するので、収容溝20から
シール13がはみ出してシール13の耐久性の悪影響を
与えるようなことがない。
れるものではなく、サイドプレート12の背面12bが
カバー11の対向面11a側へ押しつけられるときに、
両者12a,11aが互いに当接する部分と、高圧エリ
アHに対応して隙間SHを形成する部分とが存在すれば
良い。例えば、上記各実施の形態では、凹部22をサイ
ドプレート12の背面12bの高圧エリアH側の部分の
全体に形成したが、高圧エリアH側の部分の一部に収容
溝20に達する溝として形成しても良い。
サイドプレート12の背面12bの高圧エリアH側の部
分に形成したが、サイドプレート12の背面12bに対
向するカバー11の対向面11aの高圧エリア側の部分
に形成するようにしても良い。その他、本発明の範囲で
種々の変更を施すことができる。
となる流体固着現象の発生を防止し、サイドプレートを
常に浮動状に支持して、圧抜けの発生を確実に防止する
ことができる。また、シールの弾性反発力を弱めに設定
することが可能となり、低速回転時の摩擦トルクを小さ
くすることができる。
サイドプレートとカバーの対向面の少なくとも一方の高
圧エリア側部分に凹部を形成するだけで、コスト安価に
圧抜け対策が行える。
る。
グを省略してある。
(a)は通常の状態を示し、図5(b)はサイドプレー
トがカバー側へ押しつけられる状態を示している。
概略断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】キャビティの端部を閉塞するカバーとギア
との間に介在するサイドプレートを、カバーおよびサイ
ドプレートの互いの対向面の何れか一方に形成した収容
溝に収容された3の字状のシールによって、ギアの支軸
の軸方向に浮動状に支持するとともに、 上記3の字状のシールによって、キャビティ内を高圧エ
リアと低圧エリアに仕切るギヤポンプにおいて、 上記カバーおよびサイドプレートに、サイドプレートが
対向するカバー側へ押圧される力を受けたときに互いに
当接する当接部をそれぞれ設け、 両当接部が互いに当接した状態で、サイドプレートと対
向するカバーとの間の高圧エリア側部分に圧油を導入可
能な隙間が形成されることを特徴とするギヤポンプ。 - 【請求項2】上記両当接部はカバーおよびサイドプレー
トの低圧エリア側部分を含み、 上記隙間は、サイドプレートおよびカバーの互いの対向
面の少なくとも一方の高圧エリア側部分に設けられた凹
部により区画されることを特徴とする請求項1記載のギ
ヤポンプ。
Priority Applications (1)
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JP23456198A JP3652133B2 (ja) | 1998-08-20 | 1998-08-20 | ギヤポンプ |
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Publications (2)
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Family
ID=16972954
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP23456198A Expired - Fee Related JP3652133B2 (ja) | 1998-08-20 | 1998-08-20 | ギヤポンプ |
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Cited By (4)
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-
1998
- 1998-08-20 JP JP23456198A patent/JP3652133B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP7169516B2 (ja) | 2017-12-18 | 2022-11-11 | 株式会社ジェイテクト | ギヤポンプの製造方法 |
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