JP2000064831A - エンジンの排気ガス浄化装置 - Google Patents

エンジンの排気ガス浄化装置

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JP2000064831A
JP2000064831A JP10237058A JP23705898A JP2000064831A JP 2000064831 A JP2000064831 A JP 2000064831A JP 10237058 A JP10237058 A JP 10237058A JP 23705898 A JP23705898 A JP 23705898A JP 2000064831 A JP2000064831 A JP 2000064831A
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保幸 寺沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料中に硫黄分が含まれ排気ガス浄化触媒が
硫黄化合物によって被毒された場合でも、該触媒被毒を
解消することができ、NOxを有効に浄化することがで
きるエンジンの排気ガス浄化装置を提供する。 【解決手段】 ディーゼルエンジン1の排気ガス浄化シ
ステムにおいては、排気ガス中のNOが第1触媒コンバ
ータ15内のAg系触媒によりNO2に酸化され、NO2
が第2触媒コンバータ16内のPt系触媒によりN2
還元されて浄化される。そして、第1触媒コンバータ1
5内のAg系触媒がSO2あるいはSO3等の硫黄化合物
による被毒を受けていると推測されるときには、ECU
36によってEGR率が高められ、これにより排気ガス
温度ひいては触媒温度が高められるとともにCOが生成
され、このCOによりAg系触媒と結合している硫黄成
分が解離され、該触媒被毒が解消されてNOxが有効に
浄化される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの排気ガ
ス浄化装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、エンジンにおいては、燃料の燃
焼によって生じる排気ガス(燃焼ガス)中に、HC(炭
化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)
等の大気汚染物質が含まれている。このため、排気ガス
を大気中に排出する排気通路には、排気ガス中の大気汚
染物質を浄化するために、排気ガス浄化触媒を用いた触
媒コンバータが設けられが、かかる排気ガス浄化触媒と
しては、従来より、HC、CO及びNOxを一括して浄
化することができる三元触媒が広く用いられている。こ
の三元触媒は、HC及びCOを酸化して無害なH2
(水)又はCO2(二酸化炭素)に変化させるととも
に、HCの一部を還元剤として利用してNOxを還元し
て無害なN2(窒素)に変化させる。ここで、NOxを
三元触媒で有効に浄化するには、還元反応を促進するた
めに、排気ガス中のO2(酸素)濃度を比較的低くする
必要がある。
【0003】ところで、近年、燃費性能が高いことか
ら、小型自動車用エンジンとしてディーゼルエンジンが
普及しつつあるが、ディーゼルエンジンの場合は、通
常、O2過剰雰囲気下で燃料の燃焼が行われるので、排
気ガス中のO2濃度が比較的高くなる(例えば、10%
以上)。また、自動車用ガソリンエンジンにおいても、
近年、燃費性能を高めるために、低負荷時には混合気の
空燃比を理論空燃比よりもかなりリーン(例えば、空燃
比A/Fが22以上)に設定する(リーンバーンを行
う)ようにしたリーンバーンエンジンが広く用いられて
いるが、かかるリーンバーンエンジンにおいてリーンバ
ーンが行われる場合も、排気ガス中のO2濃度が比較的
高くなる(例えば、4%以上)。このため、ディーゼル
エンジンあるいはリーンバーンエンジンにおいて、排気
ガス浄化触媒として三元触媒を用いたのでは、NOxを
十分には浄化することができないといった問題がある。
【0004】そこで、近年、ディーゼルエンジンあるい
はリーンバーンエンジンにおいて、HC及びCOを浄化
する触媒コンバータに加えて、とくにNOxの浄化性能
に優れた触媒コンバータを設けた排気ガス浄化装置が提
案されている。例えば、本願出願人は、特願平10−8
4820号明細書中で、とくに酸素過剰雰囲気でNOx
を浄化するための触媒コンバータとして、排気ガス中の
NO(一酸化窒素)をまずAg系触媒(銀系触媒)で酸
化してNO2(二酸化窒素)に変化させ、さらにこのN
2ないしはもともと排気ガス中に存在するNO2をPt
系触媒(白金系触媒)で還元してN2に変化させるとい
った2段階処理構造の触媒コンバータを提案している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に、エ
ンジンの燃料とくにディーゼルエンジンの燃料である軽
油には硫黄分が含まれることがあり、このような場合に
は該硫黄分が酸化されてSO2(二酸化硫黄)あるいは
SO3(三酸化硫黄)となり、これらは排気ガス中に含
まれることになる。他方、NOxを浄化するための触媒
コンバータに用いられる前記のAg系触媒は、SO2
いしはSO3等の硫黄化合物(硫黄成分)によって被毒
されて触媒活性が低下するといった問題がある。すなわ
ち、排気ガス中に硫黄化合物が含まれていると、触媒中
のAgが硫黄化合物と化合してAg2SO4となるが、A
2SO4はNOをNO2に酸化する触媒活性が極めて低
いからである。
【0006】したがって、Ag系触媒を用いてNOをN
2に酸化し、NO2をPt系触媒でN2に還元するよう
にした触媒コンバータは、硫黄分を含む燃料が用いられ
る可能性が高い場合、例えばディーゼルエンジンには用
いるのが困難であるといった問題がある。本発明は、上
記従来の問題を解決するためになされたものであって、
燃料中に硫黄分が含まれ排気ガス浄化触媒がSO2ない
しはSO3等の硫黄化合物によって被毒された場合で
も、該触媒被毒を解消することができ、NOxを有効に
浄化することができるエンジンの排気ガス浄化装置を提
供することを解決すべき課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
になされた本発明にかかるエンジンの排気ガス浄化装置
は、(a)排気ガス中の所定の大気汚染物質(例えば、
NOx)を酸化又は還元する排気ガス浄化触媒を用いた
触媒コンバータが排気通路に設けられているエンジンの
排気ガス浄化装置において、(b)触媒コンバータに、
所定運転時に排気ガス中の硫黄成分(硫黄化合物)と解
離するよりも結合(化合)する傾向が大きい一方、所定
運転時以外で該排気ガス浄化触媒の温度が高くかつ排気
ガス中のO2濃度が低いときに排気ガス中にCOが供給
されると硫黄成分と結合するよりも解離する傾向が大き
い触媒金属が含まれていて、(c)排気ガスの一部を吸
気通路に還流する排気還流経路(EGR通路)と、
(d)該排気還流経路に配置され、排気還流率(EGR
率)に関する値を変えることができる排気還流率可変手
段と、(e)触媒金属の硫黄成分との結合状態を判定す
る判定手段と、(f)該判定手段により触媒金属が硫黄
成分と結合していると判定されるときには、排気還流率
可変手段に排気還流率に関する値を増加させ、排気ガス
温度を上昇させるとともに排気ガス中のO2濃度を低下
させる排気還流率制御手段とが設けられていることを特
徴とするものである。
【0008】ここで、エンジンとしては、例えば、ガソ
リンエンジン、ディーゼルエンジン等があげられる。ま
た、触媒金属としては、例えば、Ag、Co(コバル
ト)、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属
のうちの1つ又は複数を含むものがあげられる。なお、
大気汚染物質がNOxである場合は、触媒金属としては
Agがとくに有効である。
【0009】この排気ガス浄化装置においては、触媒金
属が硫黄成分と結合していると判定されるとき(例え
ば、燃料消費量あるいは走行距離が一定値に達したと
き)、すなわち触媒金属が硫黄成分による被毒を受けて
触媒活性が低下していると判定されるときには、排気還
流率制御手段によってEGR率に関する値が高められ、
排気ガス温度が上昇し、これに伴って排気ガス浄化触媒
の温度が上昇する。また、排気ガス中のO2濃度が低下
する。さらに、EGR率に関する値が高められる結果、
燃料燃焼用エアに対する燃料の比率が高くなり、O2
不足気味となってCOが生成される。したがって、排気
ガス浄化触媒の温度が高くかつ排気ガスのO2濃度が低
いときに排気ガス中にCOが供給されることになり、触
媒金属と結合している硫黄成分が解離される。このた
め、触媒金属の硫黄成分による被毒が解消され、該触媒
金属ないしは排気ガス浄化触媒の触媒活性が回復する。
よって、燃料に硫黄分が含まれる場合でも、大気汚染物
質(例えば、NOx)を有効に浄化することができる。
なお、この排気ガス浄化触媒の触媒活性の回復は、EG
R率に関する値を高めるだけの簡単な操作で行うことが
でき、燃料消費量を増加させるなどといった不具合を招
かないので、極めて低コストで実施することができる。
【0010】上記エンジンがディーゼルエンジンである
場合には、排気還流率制御手段が、排気還流率可変手段
に、EGR率に関する値の増加を所定期間だけ実行させ
るようになっているのが好ましい。また、この場合、上
記所定期間内において、EGR率に関する値が高い状態
とEGR率に関する値が低い状態とを交互に繰り返させ
るようになっているのが一層好ましい。一般に、長期間
にわたってEGR率に関する値が高い状態が継続される
と、燃焼効率が悪化して燃費性能が低下するとともに、
EGRガスが吸気経路に導入されることにより吸気経路
の温度が上昇し、これに伴ってパティキュレートの発生
量が増大するが、このようにすれば、かかる不具合の発
生が防止される。
【0011】また、上記エンジンがディーゼルエンジン
である場合には、排気還流率制御手段が、排気還流率可
変手段に、EGR率に関する値の増加を所定回転域で実
行させるようになっているのが好ましい。すなわち、例
えば、上記回転域を、スモーク(すす)が発生しにくく
かつ排気ガス温度が上昇する領域に設定することによ
り、スモークを発生させることなく排気ガス温度を急速
に上昇させることができ、排気ガス浄化触媒の触媒活性
を迅速に回復させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を具体
的に説明する。まず、図1を参照しつつ、本発明にかか
る排気ガス浄化システム(排気ガス浄化装置)を備えた
ディーゼルエンジンの全体構成を説明する。なお、本発
明は、種々の形態のエンジンに対して適用されることが
でき、ディーゼルエンジンに限定されるものでないのは
もちろんである。図1に示すように、ディーゼルエンジ
ン1(以下では、これを単に「エンジン1」という)の
エンジン本体部2においては、それぞれサージタンク3
から独立吸気通路4を通して燃料燃焼用のエアが供給さ
れる4つの気筒5が直列に配置されている。そして、各
気筒5には、それぞれ、高圧の燃料を収容しているコモ
ンレール6から供給される燃料を気筒内に噴射するイン
ジェクタ7(燃料噴射弁)が設けられている。
【0013】コモンレール6は、燃料通路8を介して燃
料圧送ポンプ9に接続されている。そして、燃料圧送ポ
ンプ9は、燃料タンク(図示せず)に接続され、燃料タ
ンク内の燃料を吸い込んでこれを燃料通路8に高圧で吐
出するようになっている。ここで、燃料通路8には調圧
バルブ10が介設され、この調圧バルブ10は、コモン
レール6に送る燃料の圧力を調節することにより、イン
ジェクタ7の噴射圧力を調節するようになっている。な
お、コモンレール6内の燃料の圧力は燃料圧センサ11
によって検出され、この燃料圧センサ11によって検出
される燃料圧が設定値に維持されるよう、調圧バルブ1
0がECU36(エンジンコントロールユニット)によ
って制御される。かくして、燃料圧送ポンプ9から燃料
通路8に吐出された燃料は、コモンレール6を経て各イ
ンジェクタ7に供給され、所定の噴射圧で気筒内に噴射
される。
【0014】インジェクタ7から気筒5内に噴射された
燃料は、該気筒5内の高温のエアと接触して着火・燃焼
する。そして、燃料の燃焼によって生じた排気ガス(燃
焼ガス)は、排気マニホールド12と、該排気マニホー
ルド12に接続された排気通路13(排気管)とを通し
て大気中に排出される。この排気通路13には、排出ガ
ス流れ方向にみて、上流側から順に、排気ターボ過給機
のタービン14と、第1〜第3触媒コンバータ15〜1
7とが介設されている。ここで、第1触媒コンバータ1
5内には、主として排気ガス中のNOをNO2に酸化す
るための、Agがγアルミナに担持されてなるAg系触
媒(排気ガス浄化触媒)が充填されている。第2触媒コ
ンバータ16内には、主として排気ガス中のNO2をN2
に還元するための、白金がMFI(例えばZSM−5
等)のゼオライトにイオン交換担持されてなるPt系触
媒(排気ガス浄化触媒)が充填されている。また、第3
触媒コンバータ17には、主としてHC、COをH2
又はCO2に酸化して浄化する普通の酸化触媒(排気ガ
ス浄化触媒)が充填されている。
【0015】なお、このエンジン1の排気系統には、第
1触媒コンバータ15をバイパスして排気ガスを流すこ
とができる第1バイパス排気通路50及び該第1バイパ
ス排気通路50を開閉する第1開閉弁51と、第2触媒
コンバータ16をバイパスして排気ガスを流すことがで
きる第2バイパス排気通路52及び該第2バイパス排気
通路52を開閉する第2開閉弁53とが設けられてい
る。
【0016】さらに、このエンジン1には、タービン1
4より上流側の排気通路13内の排気ガスの一部を、サ
ージタンク3にエアを供給する共通吸気通路18に還流
させるためのEGR通路19が設けられ、このEGR通
路19に、EGR流量(EGR率)を制御するためのE
GR弁20が介設されている。このEGR弁20は、後
で説明するように、ECU36によって制御されるよう
になっている。EGR通路19とEGR弁20とからな
る組立体は、特許請求の範囲に記載された「排気還流率
可変手段」に相当する。なお、EGRは、サージタンク
3に還流させるようにしてもよい。
【0017】次に、エンジン1の具体的な構造を説明す
る。図2及び図3に示すように、各気筒5においては、
シリンダブロック21に形成されたシリンダボア22内
にピストン23がシリンダボア軸線方向(上下方向)に
往復移動できるようにして嵌入されている。そして、シ
リンダブロック21の上側に配置されたシリンダヘッド
24の下面と、シリンダボア22の内周面と、ピストン
23の上面とによって燃焼室25が画成されている。
【0018】シリンダヘッド24には、それぞれ燃焼室
25に連通する、2つの吸気ポート26と、2つの排気
ポート27とが設けられている。そして、両吸気ポート
26の上流端は独立吸気通路4に接続されている。ま
た、両排気ポート27の下流端は排気マニホールド12
に接続されている。ここで、各吸気ポート26の燃焼室
25への開口部26aは、それぞれ吸気弁28によって
所定のタイミングで開閉されるようになっている。他
方、各排気ポート27の燃焼室25への開口部27a
は、それぞれ排気弁29によって所定のタイミングで開
閉されるようになっている。なお、吸気弁28の弁軸2
8aと、排気弁29の弁軸29aとは、それぞれ、シリ
ンダヘッド24を貫通して上方に突出している。また、
吸気弁28の傘部28bは、吸気ポート26の開口部2
6aに嵌合されたバルブシート30に密着・離反するよ
うになっており、他方排気弁29の傘部29bは、排気
ポート27の開口部27aに嵌合されたバルブシート3
0に密着・離反するようになっている。
【0019】さらに、シリンダヘッド24には、燃焼室
25の天井面の中央位置に開口するインジェクタ挿入孔
が31が設けられている。そして、このインジェクタ挿
入孔31にインジェクタ7が、その先端の燃料噴射部7
aが燃焼室25内に露出するようにして嵌入されてい
る。なお、インジェクタ7は、取付ボルト32を、フラ
ンジ部7bの上側に配置された固定板33を貫通してシ
リンダヘッド24に螺入することにより固定されてい
る。
【0020】前記のとおり、各気筒5には、それぞれ2
つの吸気ポート26が設けられているが、その一方には
スワール弁35が設けられている。このスワール弁35
の開度は、ECU36によって制御されるようになって
いる。ここで、スワール弁35の開度が小さくなればな
るほど、該スワール弁35が設けられた吸気ポート26
から燃焼室25に流入するエアの流速が大きくなり、燃
焼室25内に強いスワール(渦流)が形成されて、燃料
とエアの混合性すなわち燃料の燃焼性が高められる。な
お、上述のEGRは、吸気弁と排気弁との開弁期間がオ
ーバーラップする時間を調整する可変バルブタイミング
機構を用いて排気還流量を調整してもよい。
【0021】以下、エンジン1の制御機構を説明する。
再び、図1に示すように、エンジン1の各種制御を行う
ために、コンピュータからなるECU36が設けられて
いる。このECU36には、前記の燃料圧センサ11に
よって検出されるコモンレール6内の燃料の圧力のほ
か、クランク角センサ37によって検出されるクランク
角、水温センサ38によって検出されるエンジン水温、
吸気温センサ39によって検出される吸気温、第1排気
温センサ40によって検出される排気マニホールド12
内の排気ガス温度、第2排気温センサ41によって検出
される第1触媒コンバータ15の直上流の排気ガス温
度、第3排気温センサ42によって検出される第1触媒
コンバータ15の直下流の排気ガス温度、エンジン負荷
センサ43によって検出されるエンジン負荷、アクセル
開度センサ44によって検出されるアクセル開度、吸入
空気量センサ45(エアフローセンサ)によって検出さ
れる吸入空気量等が制御情報として入力されるようにな
っている。なお、ECU36は、特許請求の範囲に記載
された「排気還流率制御手段」を含む、エンジン1の総
合的な制御装置である。
【0022】かくして、ECU36は、これらの制御情
報に基づいて、エンジン1の各種制御を行うようになっ
ているが、一般的なエンジン制御の制御手法はよく知ら
れており、またかかる一般的なエンジン制御は本発明の
要旨とするところでもないのでその説明を省略し、以下
では本発明の要旨にかかる、排気ガス浄化触媒の硫黄成
分ないしは硫黄化合物による被毒を解消するための制御
(以下、これを「硫黄被毒解消制御」という)について
のみ説明する。
【0023】まず、この硫黄被毒解消制御の対象である
エンジン1の排気ガス浄化システムの基本構造を説明す
る。このエンジン1の排気ガスにはHC、CO及びNO
x等が含まれるが、該エンジン1はディーゼルエンジン
であることから排気ガス中のO2濃度が比較的高く、し
たがって普通の三元触媒を用いたのではNOxの還元
(浄化)が困難な状況下にある。そこで、このエンジン
1の排気ガス浄化システムでは、第1触媒コンバータ1
5内のAg系触媒と、第2触媒コンバータ16内のPt
系触媒とにより、NOxを2段階で処理し、無害なN2
に変化させるようにしている。
【0024】具体的には、第1触媒コンバータ15に
は、Ag(触媒金属)がγアルミナ(γ−Al23)に
担持されてなるAg系触媒が充填されている。燃焼室2
5から排出される排気ガス中に含まれるNOxの大半
(おおむね、90%以上)はNOであり残りはほとんど
NO2であるが、このAg系触媒は、排気ガス中のNO
をほぼ完全にNO2に酸化する機能を備えている。他
方、第2触媒コンバータ16には、Pt(触媒金属)が
MFI等のゼオライトにイオン交換担持されてなるPt
系触媒が充填されている。このPt系触媒は、排気ガス
中のNO2をほぼ完全にN2に還元する機能を備えてい
る。かくして、第1触媒コンバータ15と第2触媒コン
バータ16とによって、NOx(NO及びNO2)がN2
に変化させられる。
【0025】ところで、前記のとおり、第1触媒コンバ
ータ15内のAg系触媒は、排気ガス中にSO2あるい
はSO3等の硫黄化合物が存在するとこれらによって被
毒され、NOをNO2に酸化する触媒活性が失われる。
これは、およそ次の式1〜3で示す化学反応により、触
媒金属であるAgがAg2SO4に変化させられ、Ag2
SO4がNOをNO2に酸化する機能を有しないことに起
因する。
【数1】 SO2+(1/2)O2 → SO3…………………………………式1
【数2】 2Ag+(1/2)O2 → Ag2O……………………………式2
【数3】 Ag2O+SO3 → Ag2SO4…………………………………式3
【0026】なお、一般的に、Ag系触媒の硫黄化合物
による被毒の検出手法としては、およそ次のようなもの
がある。したがって、このエンジン1の排気ガス浄化シ
ステムでは、これらを用いて被毒を検出してもよい。 (1)NOxセンサで排気ガス中のNOx濃度を検出
し、NOx浄化率の低下からAg系触媒の被毒を検出す
る。例えば、第2触媒コンバータ16の下流のNOx濃
度B(NOx処理後)と第1触媒コンバータ15の上流
のNOx濃度A(NOx処理前)の比(B/A)が所定
値以上のときに(NOxがあまり浄化されていない)、
Ag系触媒が被毒を受けているものと判定する。 (2)第1触媒コンバータ15の上流と下流との間の排
気ガス温度差に基づいてAg系触媒の被毒を検出する。
例えば、第1触媒コンバータ15の上流の排気ガス温度
が設定値C以上であり、下流の排気ガス温度が設定値D
(D<C)以下であるときに、Ag系触媒が被毒を受け
ているものと判定する。
【0027】(3)冷機時におけるAg系触媒の表面の
色に基づいて該Ag系触媒の被毒を検出する。例えば、
Ag系触媒の表面が黄色味を帯びたときに、該Ag系触
媒が被毒を受けているものと判定する。 (4)Ag系触媒の電気抵抗の変化から該Ag系触媒の
被毒を検出する。 (5)NOxの浄化においてはHCが消費されることに
鑑み、第1触媒コンバータ15の上流のHC濃度と第2
触媒コンバータ16の下流のHC濃度とに基づいてAg
系触媒の被毒を検出する。例えば、第2触媒コンバータ
16の下流のHC濃度F(NOx処理後)と第1触媒コ
ンバータ15の上流のHC濃度E(NOx処理前)の比
(F/E)が所定値以上のときに(HCがあまり消費さ
れていない)、Ag系触媒が被毒を受けているものと判
定する。
【0028】そして、このAg系触媒は、該Ag系触媒
の温度(以下、これを単に「触媒温度」という)が比較
的低い通常の運転時には、排気ガス中の硫黄化合物と結
合する(被毒される)一方、触媒温度が高くかつ排気ガ
ス中のO2濃度が低いときに排気ガス中にCOが供給さ
れると硫黄成分との結合が解離される(被毒が解消され
る)といった特徴をもつ。そこで、このエンジン1の排
気ガス浄化システムでは、基本的には、Ag系触媒が硫
黄化合物によって被毒を受けていると推測(予測)され
るとき、あるいは被毒が検出されたときには、EGR率
を増加させることにより、排気ガス温度ひいては触媒温
度を上昇させるとともに、排気ガス中のO2濃度を低下
させてCOを発生させ、Ag系触媒から硫黄成分を解離
させて該被毒を解消するようにしている。
【0029】この場合、次の式4に示す化学反応によ
り、Ag系触媒から硫黄成分が解離される。なお、Ag
2CO3は、Ag2SO4とは異なり、NOをNO2に酸化
する触媒機能を有する。
【数4】 Ag2SO4+CO → Ag2CO3+SO2………………………式4 この式4の化学反応は、おおむね400°C以上の温度
範囲で起こりやすい。したがって、Ag系触媒から硫黄
成分を解離させる際には、触媒温度を400°C以上に
するのが好ましい。
【0030】そして、このようにしてAg系触媒の被毒
を解消する際には、EGR率の増加は所定の期間(以
下、これを「EGR率増加期間」という)だけ実行さ
れ、かつこのEGR率増加期間内においては、EGR率
が高い状態とEGR率が低い状態とが交互に繰り返され
るようになっている。一般に、長期間にわたってEGR
率が高い状態が継続されると、燃費性能が低下するとと
もにパティキュレートの発生量が増大するので、このよ
うにしてかかる不具合の発生を防止するようにしてい
る。
【0031】なお、EGR率増加期間内において、EG
R率が低い状態にあるときには、第1開閉弁51を開い
て第1バイパス排気通路50を通して排気ガスを流すこ
とにより、第1触媒コンバータ15内のAg系触媒にO
2濃度が高い排気ガスが導入されるのを防止するのが好
ましい。このようにすれば、Ag系触媒からの硫黄成分
の解離が促進される。さらに、第2触媒コンバータ16
内のPt系触媒は耐熱性が比較的低いので、排気ガス温
度が非常に高いとき(例えば、600°C以上)には、
第2開閉弁53を開いて第2バイパス排気通路52を通
して排気ガスを流すことにより、第2触媒コンバータ1
6内のPt系触媒が高温化するのを防止するのが好まし
い。
【0032】また、Ag系触媒の被毒を解消するための
EGR率の増加は、スモーク(すす)が発生しにくくか
つ排気ガス温度が上昇するエンジン回転数領域に設定さ
れる。これにより、スモークを発生させることなく排気
ガス温度ひいては触媒温度を急速に上昇させることがで
き、Ag系触媒の触媒活性を迅速に回復させることがで
きる。
【0033】なお、Ag系触媒のSO2ないしはSO3
の硫黄化合物による被毒はこのようにして解消される
が、エンジン1の運転状態は、触媒温度がAg系触媒の
被毒が生じにくい250〜300°Cの範囲内に維持さ
れるように制御されるのがより好ましい。
【0034】以下、図4及び図5に示すフローチャート
を参照しつつ、ECU36による硫黄被毒解消制御の具
体的な制御方法を説明する。なお、図4に示す制御ルー
チンは、EGR率の増加による硫黄被毒解消を行うのに
適した状態かどうかを判定するための状態判定ルーチン
であり、図5に示す制御ルーチンは、実際にEGR率を
制御するためのEGR制御ルーチンである。
【0035】図4に示すように、この状態判定ルーチン
においては、まずステップS1で、エンジン1が始動し
たか否かが比較・判定され、始動していなければ(N
O)、このステップS1が繰り返し実行される。すなわ
ち、エンジン1が始動されるまで待機する。他方、ステ
ップS1でエンジン1が始動したと判定された場合は
(YES)、ステップS2で各種センサの検出値が制御
データとしてECU36に入力される。
【0036】次に、ステップS3で、エンジン1の運転
状態(主としてアクセル開度)に応じて燃料噴射量Tp
が設定される。この後、ステップS4で燃料噴射タイミ
ング(圧縮行程末期の所定のクランク角)であるか否か
が比較・判定され、燃料噴射タイミングでなければ(N
O)、このステップS4が繰り返し実行される。つま
り、燃料噴射タイミングになるまで待機する。そして、
ステップS4で燃料噴射タイミングになったと判定され
たときには(YES)、ステップS5で燃料噴射量Tp
に対応する時間だけインジェクタ7が開弁され(噴射弁
駆動)、燃料噴射が行われる。
【0037】続いて、ステップS6で、次の式5によ
り、今回の燃料噴射量積算値ΣiPが演算される。
【数5】 ΣiP=Σi-1P+TP………………………………………………式5 ただし、 ΣiP:今回の燃料噴射量積算値 Σi-1P:前回の燃料噴射量積算値 TP:今回の燃料噴射量
【0038】次に、ステップS7で今回の燃料噴射量積
算値ΣiPが設定値A以上であるか否かが判定される。
この状態判定ルーチンでは、エンジン1の始動後におい
て燃料噴射量積算値が設定値A以上になるまでは、エン
ジン1の運転状態が十分には安定していないので、EG
R率の増加による硫黄被毒解消を行うのに適した状態か
どうかの判定を行わないようにしている。かくして、ス
テップS7で今回の燃料噴射量積算値ΣiPが設定値A
未満であると判定された場合は(NO)、かかる状態判
定を行う必要がないので、ステップS14にスキップし
て前回の燃料噴射量積算値Σi-1Pを更新した上で、す
なわち今回の燃料噴射量積算値ΣiPを前回の燃料噴射
量積算値Σi-1Pとした上で、ステップS1に復帰(リ
ターン)する。
【0039】他方、ステップS7で、今回の燃料噴射量
積算値ΣiPが設定値A以上であると判定された場合は
(YES)、ステップS8で、エンジン1の運転状態
が、触媒温度が高くなる所定の運転域に入っているか否
かが比較・判定される。この運転域は、例えば図6中の
領域R1で示すような、エンジン回転数Neが設定値N
1以上でかつNe2以下であり、燃料噴射量TPが設定
値TP1以上でかつTP2以下である運転域である。なお、
図6において曲線G1より高噴射量側の領域R2はスモー
ク発生量が増大する領域である。つまり、領域R1は、
スモーク発生量が少ない回転域(Ne1≦Ne≦Ne2
において、スモーク発生量が増大しない範囲内の燃料噴
射量TPが多い運転域である。
【0040】ステップS8で、触媒温度が高くなる運転
域であると判定された場合は(YES)、ステップS9
で第1カウンタT1が1だけインクリメントされる。こ
の第1カウンタT1は、触媒温度が高くなる運転域に入
っている状態の継続時間をカウントするためのカウンタ
である。この硫黄被毒解消制御では、上記継続時間に対
応する第1カウンタT1のカウント値が設定値T10以上
となったときに、EGR率の増加によるAg系触媒の被
毒の解消の実行を許可するようにしている。
【0041】次に、ステップS11で、第1カウンタT
1のカウント値が設定値T10以上であるか否かが比較・
判定され、カウント値がT10以上であれば(YES)、
ステップS12でEGR率増加フラグFに1がセットさ
れる。このEGR率増加フラグFは、1がセットされた
ときにAg系触媒の被毒解消のためのEGR率の増加が
許可され、0がセットされたときに該EGR率の増加が
禁止されるフラグである。この後、ステップS13で今
回の燃料噴射量積算値ΣiPがリセットされ(0がセッ
トされる)、続いてステップS14で前回の燃料噴射量
積算値Σi-1Pがリセットされ(0がセットされる)、
ステップS1に復帰(リターン)する。
【0042】他方、前記のステップS11で第1カウン
タT1のカウント値がT10未満であると判定された場合
は(NO)、Ag系触媒の被毒解消のためのEGR率の
増加を許可すべき状態ではないので、ステップS12〜
S13をスキップし、ステップS14で前回の燃料噴射
量積算値Σi-1Pを更新した上でステップS1に復帰
(リターン)する。また、前記のステップS8で、エン
ジン1の運転状態が、触媒温度が高くなる運転域に入っ
ていないと判定された場合は(NO)、触媒温度が高く
なる状態が中断されたので、ステップS10で、第1カ
ウンタT1がリセットされ(0がセットされる)、この
後ステップS14で前回の燃料噴射量積算値Σi-1P
更新した上でステップS1に復帰(リターン)する。
【0043】以下、EGR制御ルーチンを説明する。な
お、このEGR制御ルーチンは一定時間ごとに実行され
る(スタートする)。図5に示すように、このEGR制
御ルーチンでは、まずステップS21で各種制御データ
が入力され、続いてステップS22で基本EGR率EG
BASEが設定される。なお、基本EGR率EGRBASE
は、エンジン1の通常の運転時(Ag系触媒の被毒解消
を行っていない)におけるEGR率である。
【0044】次に、ステップS23で、エンジン1の運
転状態が、EGR禁止領域に入っているか否かが比較・
判定され、EGR禁止領域に入っていれば(YES)、
EGRを実行するための以下の全ステップをスキップし
て、すなわちEGRを実行せずにステップS21に復帰
(リターン)する。
【0045】他方、ステップS23で、エンジン1の運
転状態が、EGR禁止領域に入っていないと判定された
場合は(NO)、ステップS24でEGR率増加フラグ
Fが1であるか否か、すなわちAg系触媒の被毒解消の
ためのEGR率の増加が許可されているか否かが比較・
判定される。ここで、F≠1(F=0)であれば(N
O)、ステップS27でEGR率増分EGRCに0がセ
ットされる。なお、EGR率増分EGRCとは、Ag系
触媒の被毒を解消すべくEGRを増量するためのEGR
率の増加分であって、最終的なEGR率である全EGR
率EGRTは、前記の基本EGR率EGRBASEとこのE
GR率増分EGRCとを加算したものである。この後、
ステップS37で、次の式6により、全EGR率EGR
Tが演算され、続いてステップS38で、EGR弁20
が駆動され、全EGR率EGRTでもって排気通路13
内の排気ガスの一部がEGRとして共通吸気通路18に
還流させられる。
【数6】 EGRT=EGRBASE+EGRC……………………………………式6 ただし、 EGRT:全EGR率 EGRBASE:基本EGR率 EGRC:EGR率増分
【0046】前記のステップS24で、F=1であると
判定された場合は(YES)、Ag系触媒の被毒解消の
ためのEGR率の増加が実行される。この場合、例えば
図7に示すように、時刻t0でF=1となってEGR率
の増加が開始されたとすると、該EGR率の増加は所定
のEGR率増加期間だけ実施され、時刻t3で終了す
る。そして、このEGR率増加期間内においては、グラ
フG2で示すように、燃費性能を高めるとともにパティ
キュレートの発生を防止するために、EGR率が高い状
態とEGR率が低い状態とが交互に繰り返される。図7
中においては、例えば時刻t0から時刻t1まではEGR
率が高い状態にあり、時刻t1から時刻t2まではEGR
率が低い状態にある。ここで、グラフG3で示すよう
に、EGR率の変化を緩やかにしてもよい(テーリング
させ)。このようにすれば、EGR率の変化によるトル
クショックの発生が防止される。
【0047】具体的には、ステップS25で第2カウン
タT2が1だけインクリメントされ、続いてステップS
26で第3カウンタT3が1だけインクリメントされ
る。ここで、第2カウンタT2は、EGR率が高い状態
とEGR率が低い状態とを切り換えるためのカウンタで
ある。そして、第2カウンタT2がリセットされた(0
がセットされた)ときにEGR率が高められ(例えば、
図7中の時刻t0)、そのカウント値が設定値T2Aに達
したときにEGR率が低下させられ(例えば、図7中の
時刻t1)、そのカウント値が設定値T2Bに達したとき
にEGR率が再び高められ(例えば、図7中の時刻
2)、この後同様の動作が繰り返される。また、第3
カウンタT3は、かかるEGR率の増加(増減の繰り返
し)を実行すべきEGR率増加期間が終了したか否かを
カウントするためのカウンタであり、そのカウント値が
設定値T30に達したときにEGR率増加期間が終了する
(図7中の時刻t3)。
【0048】次に、ステップS28で、第2カウンタT
2のカウント値がT2A以上であるか否かが比較・判定さ
れ、カウント値がT2A未満であれば(NO)、EGR率
を高めるべき状態が継続中であるので、ステップS30
でEGR率増分EGRCに設定値Aがセットされる。こ
こで、EGR率増分EGRCが大きければ大きいほど排
気ガス温度ひいては触媒温度が上昇するともに、CO生
成量は増加するが、EGR率があまり大きくなるとスモ
ークの発生が増大する。そこで、このEGR率増分EG
Cは、スモークが増大しない範囲内においてできるだ
け大きい値に設定するのが好ましい。この後、ステップ
S33が実行されることになる
【0049】他方、ステップS28で、第2カウンタT
2のカウント値がT2A以上であると判定された場合は
(YES)、EGR率を低下させるべき状態にあるの
で、ステップS29でEGR率増分EGRCに0がセッ
トされる。続いて、ステップS31で第2カウンタT2
のカウント値が設定値T2B以上であるか否かが比較・判
定され、カウント値がT2B未満であれば(NO)、まだ
EGR率を低下させるべき状態が継続中であるので、E
GR率増分EGRCを0にセットしたままステップS3
3以下の各ステップを実行する。他方、第2カウンタT
2のカウント値がT2B以上であれば(YES)、EGR
率を低下させるべき状態は終了し、EGR率を再び高め
るべき状態となっているので、ステップS32で第2カ
ウンタT2をリセットし(0をセットする)、ステップ
S33以下の各ステップを実行する。
【0050】かくして、ステップS33では、第3カウ
ンタT3のカウント値がT30以上であるか否かが比較・
判定され、カウント値がT30未満であれば(NO)、A
g系触媒の被毒解消のためのEGR率の増加をまだ続行
すべき状態にあるので、ステップS37で、前記の式6
により、全EGR率EGRTが演算され、続いてステッ
プS38で、EGR弁20が駆動され、全EGR率EG
Tでもって排気通路13内の排気ガスの一部がEGR
として共通吸気通路18に還流させられる。この場合、
EGRCの値(0かAか)に応じて、EGR率が図7に
中のグラフG2に示すようなパターンで増減される。
【0051】他方、ステップS33で、第3カウンタT
3のカウント値がT30以上であると判定された場合は
(YES)、Ag系触媒の被毒解消のためのEGR率の
増加を実行すべきEGR率増加期間が終了しているの
で、ステップS34でEGRCに0がセットされ、ステ
ップS35でEGR率増加フラグFに0がセットされ、
続いてステップS36で第3カウンタT3がリセットさ
れる(0がセットされる)。この後、ステップS37で
前記の式6により、全EGR率EGRTが演算され、続
いてステップS38で、EGR弁20が駆動され、全E
GR率EGRTでもって排気通路13内の排気ガスの一
部がEGRとして共通吸気通路18に還流させられる。
【0052】以上、この硫黄被毒解消制御によれば、燃
料に硫黄分が含まれ、第1触媒コンバータ15内のAg
系触媒がSO2あるいはSO3等の硫黄化合物により被毒
された場合でも、適宜該被毒が解消されるので、NOx
を有効に浄化することができる。なお、この硫黄被毒解
消制御は、実質的にEGR率を高めるだけの簡単な操作
で行うことができ、燃料消費量を増加させるなどといっ
た不具合を招かないので、極めて低コストで実施するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる排気ガス浄化装置を備えたデ
ィーゼルエンジンのシステム構成図である。
【図2】 図1に示すディーゼルエンジンのインジェク
タまわりの立面断面図である。
【図3】 図2に示すディーゼルエンジンののA−A線
断面図である。
【図4】 硫黄被毒解消制御の制御方法を示すフローチ
ャートである。
【図5】 硫黄被毒解消制御の制御方法を示すフローチ
ャートである。
【図6】 触媒温度が高くなる運転域を示す図である。
【図7】 硫黄被毒解消制御におけるEGR率の時間に
対する変化特性を示す図である。
【符号の説明】
1…エンジン(ディーゼルエンジン)、2…エンジン本
体部、3…サージタンク、4…独立吸気通路、5…気
筒、6…コモンレール、7…インジェクタ、7a…燃料
噴射部、7b…フランジ部、8…燃料通路、9…燃料圧
送ポンプ、10…調圧バルブ、11…燃料圧センサ、1
2…排気マニホールド、13…排気通路、14…タービ
ン、15…第1触媒コンバータ、16…第2触媒コンバ
ータ、17…第3触媒コンバータ、18…共通吸気通
路、19…EGR通路、20…EGR弁、21…シリン
ダブロック、22…シリンダボア、23…ピストン、2
4…シリンダヘッド、25…燃焼室、26…吸気ポー
ト、26a…開口部、27…排気ポート、27a…開口
部、28…吸気弁、28a…弁軸、28b…傘部、29
…排気弁、29a…弁軸、29b…傘部、30…バルブ
シート、31…インジェクタ挿入孔、32…取付ボル
ト、33…固定板、35…スワール弁、36…ECU
(エンジンコントロールユニット)、37…クランク角
センサ、38…水温センサ、39…吸気温センサ、40
…第1排気温センサ、41…第2排気温センサ、42…
第3排気温センサ、43…エンジン負荷センサ、44…
アクセル開度センサ、45…吸入空気量センサ、50…
第1バイパス排気通路、51…第1開閉弁、52…第2
バイパス排気通路、53…第2開閉弁。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺沢 保幸 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 (72)発明者 村上 浩 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内 Fターム(参考) 3G062 AA01 AA03 BA04 BA05 DA01 DA02 DA03 DA04 DA05 EA10 GA06 GA08 GA09 GA12 GA15 GA16 GA17 3G091 AA02 AA10 AA11 AA17 AA18 AA28 AB02 AB04 BA11 BA14 BA15 BA19 BA33 CA12 CA13 CB02 CB03 CB07 CB08 DA02 DA04 DA08 DB06 DB10 EA00 EA01 EA03 EA05 EA07 EA15 EA16 EA17 EA20 EA29 EA30 EA33 FC01 FC04 GB01W GB02W GB03W GB04W GB05W GB06W GB09W HA08 HA36 HA37 HA42 HB03 HB05 HB06

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 排気ガス中の所定の大気汚染物質を酸化
    又は還元する排気ガス浄化触媒を用いた触媒コンバータ
    が排気通路に設けられているエンジンの排気ガス浄化装
    置において、 上記触媒コンバータに、所定運転時に排気ガス中の硫黄
    成分と解離するよりも結合する傾向が大きい一方、上記
    所定運転時以外で該排気ガス浄化触媒の温度が高くかつ
    排気ガス中の酸素濃度が低いときに排気ガス中に一酸化
    炭素が供給されると硫黄成分と結合するよりも解離する
    傾向が大きい触媒金属が含まれていて、 排気ガスの一部を吸気通路に還流する排気還流経路と、 該排気還流経路に配置され、排気還流率に関する値を変
    えることができる排気還流率可変手段と、 上記触媒金属の硫黄成分との結合状態を判定する判定手
    段と、 該判定手段により上記触媒金属が硫黄成分と結合してい
    ると判定されるときには、上記排気還流率可変手段に排
    気還流率に関する値を増加させ、排気ガス温度を上昇さ
    せるとともに排気ガス中の酸素濃度を低下させる排気還
    流率制御手段とが設けられていることを特徴とするエン
    ジンの排気ガス浄化装置。
  2. 【請求項2】 上記エンジンがディーゼルエンジンであ
    って、上記排気還流率制御手段が、上記排気還流率可変
    手段に、上記排気還流率に関する値の増加を所定期間だ
    け実行させるようになっていることを特徴とする請求項
    1に記載のエンジンの排気ガス浄化装置。
  3. 【請求項3】 上記排気還流率制御手段が、上記所定期
    間内において、上記排気還流率可変手段に、排気還流率
    に関する値が高い状態と排気還流率に関する値が低い状
    態とを交互に繰り返させるようになっていることを特徴
    とする請求項2に記載のエンジンの排気ガス浄化装置。
  4. 【請求項4】 上記エンジンがディーゼルエンジンであ
    って、上記排気還流率制御手段が、上記排気還流率可変
    手段に、上記排気還流率に関する値の増加を所定回転域
    で実行させるようになっていることを特徴とする請求項
    1に記載のエンジンの排気ガス浄化装置。
  5. 【請求項5】 上記触媒金属が、銀、コバルト、アルカ
    リ金属、アルカリ土類金属及び希土類金属のうちの少な
    くとも1つを含むことを特徴とする、請求項1〜4のい
    ずれか1つに記載のエンジンの排気ガス浄化装置。
  6. 【請求項6】 上記大気汚染物質が窒素酸化物であるこ
    とを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のエ
    ンジンの排気ガス浄化装置。
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