JP2000063314A - 光学活性な1−置換−2−プロパノールの製造方法 - Google Patents

光学活性な1−置換−2−プロパノールの製造方法

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JP2000063314A
JP2000063314A JP10229846A JP22984698A JP2000063314A JP 2000063314 A JP2000063314 A JP 2000063314A JP 10229846 A JP10229846 A JP 10229846A JP 22984698 A JP22984698 A JP 22984698A JP 2000063314 A JP2000063314 A JP 2000063314A
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Toshihiko Fujima
俊彦 藤間
Tomoyuki Asai
智之 浅井
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Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】実用性に優れ、工業的実施に適した、光学活性
な1−置換−2−プロパノールの製法の提供。 【解決手段】2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノー
ル等のAOHとプロピレンオキシドのラセミ混合物とを
光学活性な触媒の存在下に反応させて光学活性な1−置
換−2−プロパノール[CH3* H(OH)CH2
A]とする。ただし、Aはフェニル基等の芳香環を有す
る化合物から芳香環に結合する水素原子を除いた1価
基、C* は不斉炭素原子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬の原料
として、特に合成抗菌剤の中間体として有用な光学活性
な1−置換−2−プロパノールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性な1−置換−2−プロパノール
のうち光学活性な1−アリールオキシ−2−プロパノー
ル類の合成法としては、従来より以下の方法が提案され
ている。 (1)光学活性な2−O−テトラヒドロピラニルプロパ
ン−1,2−ジオールとフルオロベンゼン誘導体を反応
させる方法(EP322815A)。 (2)光学活性な2−O−テトラヒドロピラニルプロパ
ン−1,2−ジオールとフェノール誘導体を光延試薬を
用いて反応させる方法(特開平1−250369)。 (3)1−アリールオキシ−2−プロパノンを微生物を
用いて還元する方法(特開平3−183469、特開平
5−68577)。 (4)1−アリールオキシ−2−プロパノールのラセミ
体を微生物を用いて光学活性1−アリールオキシ−2−
アシルオキシプロパンとしてから加水分解する方法(特
開平4−267890)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の方法に
は、以下の問題がある。(1)と(2)の方法は光学活
性な原料の合成に多段階を必要とする。(3)と(4)
の方法は微生物を利用するため、微生物反応に固有の欠
点があり、たとえば、容積効率が悪い、目的の光学活性
体とは絶対配置が逆である対掌体が得られる等の問題が
ある。すなわち、従来の方法は、工業的に実施するには
問題があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の問題を
解決するためになされたものであり、合成抗菌剤等の中
間体として有用な光学活性な1−置換−2−プロパノー
ルの製造方法を提供する。すなわち、下式2で表される
ヒドロキシ芳香族化合物とプロピレンオキシドのラセミ
混合物とを光学活性な触媒の存在下で反応させて下式1
で表される光学活性な1−置換−2−プロパノールとす
ることを特徴とする光学活性な1−置換−2−プロパノ
ールの製造方法を提供する。 AOH・・・式2 CH3 CH(OH)CH2 OA・・・式1 ただし式中の記号は、以下の意味を示す。 A:芳香環を有する化合物から芳香環に結合する水素原
子を除いた1価基。
【0005】C* :不斉炭素原子。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明におけるヒドロキシ芳香族化合物(式2)
において、Aは、芳香環を有する化合物から芳香環に結
合する水素原子を除いた1価基である。該芳香環を有す
る化合物としては、ベンゼン、ナフタレン、アントラセ
ン、ビフェニル、またはインデン等の芳香族炭化水素化
合物、ピリジン、フラン、チオフェン、ピリダジン、ピ
リミジン、ピラジン、1,3,5−トリアジン、イソキ
ノリン、キノキサリン、ナフチリジン等の芳香族複素環
を有する化合物、もしくは置換基を有する芳香族炭化水
素化合物または複素環を有する化合物が挙げられる。
【0007】本発明におけるAとしては、芳香族炭化水
素化合物から水素原子を1個除いた残基であるアリール
基、または置換アリール基が好ましい。すなわち、本発
明におけるヒドロキシ芳香族化合物(式2)としては、
下式2aで表されるヒドロキシアリール化合物が好まし
い。ただし、式2a中のAr は、アリール基または置換
アリール基を示す。 Ar OH・・・式2a
【0008】Ar が置換アリール基である場合、該置換
アリール基とは、アリール基中の水素原子の1個以上が
置換基で置換された基をいう。置換基としては、ハロゲ
ン原子、ニトロ基、シアノ基、カルバモイル基、モノア
シルアミノ基、またはジアシルアミノ基等が好ましい。
ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、またはフ
ッ素原子が好ましい。モノアシルアミノ基としてはアセ
チルアミノ基が好ましく、ジアシルアミノ基としてはジ
アセチルアミノ基が好ましい。
【0009】置換アリール基としては、置換フェニル基
が好ましい。置換フェニル基中の置換基数は1〜4個が
好ましく、1〜3個が特に好ましい。また、置換フェニ
ル基中の置換基数が2個以上である場合には、該置換基
は同一であっても異なっていてもよい。
【0010】本発明におけるヒドロキシ芳香族化合物
(式2)の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
ただし、以下に示すヒドロキシ芳香族化合物中のヒドロ
キシ基および置換基が結合する位置については、特に限
定されない。
【0011】ヒドロキシアリール化合物(式2a)以外
のヒドロキシ芳香族化合物(式2)の例。ヒドロキシピ
リジン、フルオロヒドロキシピリジン、クロロヒドロキ
シピリジン、トリフルオロメチルヒドロキシピリジン、
ヒドロキシフラン、フルオロヒドロキシフラン、クロロ
ヒドロキシピリミジン、ヒドロキシピラジン、クロロヒ
ドロキシイソキノリン、ヒドロキシナフチリジン。
【0012】ヒドロキシアリール化合物(式2a)の
例。 フェノール、ニトロフェノール、シアノフェノール、ク
ロロフェノール、フルオロフェノール、クロロニトロフ
ェノール、フルオロニトロフェノール、クロロフルオロ
ニトロフェノール、ジフルオロニトロフェノール。
【0013】本発明におけるヒドロキシ芳香族化合物
(式2)としては、ヒドロキシアリール化合物(式2
a)が好ましく、特に式2aのAr が置換フェニル基で
ある場合が好ましい。さらに、ヒドロキシアリール化合
物(式2a)としては、特にArが、ニトロ基とハロゲ
ン原子とが置換したフェニル基である場合が好ましい。
該ハロゲン原子としては、フッ素原子および/または塩
素原子が好ましい。
【0014】さらに、ヒドロキシアリール化合物(式2
a)としては下式2bで表されるニトロフェノール類が
好ましい。ただし、式2b中のXはフッ素原子または塩
素原子を示す。
【0015】
【化3】
【0016】さらに本発明のヒドロキシ芳香族化合物
(式2)のうちニトロフェノール類(式2b)以外の具
体例としては、下記化合物が挙げられる。6−クロロ−
2−ニトロフェノール、5−クロロ−2−ニトロフェノ
ール、4−クロロ−2−ニトロフェノール、3−クロロ
−2−ニトロフェノール、6−フルオロ−2−ニトロフ
ェノール、5−フルオロ−2−ニトロフェノール、4−
フルオロ−2−ニトロフェノール、3−フルオロ−2−
ニトロフェノール。
【0017】ニトロフェノール類(式2b)の具体例と
しては、下記化合物が挙げられる。2−クロロ−3−フ
ルオロ−6−ニトロフェノール、2,3−ジフルオロ−
6−ニトロフェノール。
【0018】本発明においては、ヒドロキシ芳香族化合
物(式2)とプロピレンオキシドのラセミ混合物とを反
応させる。プロピレンオキシドのラセミ混合物とは、プ
ロピレンオキシド中の不斉炭素原子の絶対配置がRであ
るもの(R−プロピレンオキシド)、および、Sである
もの(S−プロピレンオキシド)を実質的に等量含むも
のをいう。
【0019】プロピレンオキシドのラセミ混合物の使用
量は、ヒドロキシ芳香族化合物(式2)に対して10〜
500モル%が好ましく、特に50〜300モル%が好
ましい。
【0020】本発明の反応は、光学活性な触媒の存在下
で実施する。光学活性な触媒としては、中心金属と光学
活性な配位子の組み合わせからなる金属錯体化合物が好
ましい。金属錯体化合物の中心金属としては、コバル
ト、マンガン、クロム、またはニッケル等が挙げられ、
光学活性な配位子としては、4座キレート配位子類、ポ
ルフィリン類などが挙げられる。
【0021】さらに、金属錯体化合物としては、下式3
で表される金属錯体化合物が好ましい。
【0022】
【化4】
【0023】ただし、式中の記号は以下の意味を示す。 R1 :炭素数1〜20のアルキレン基、置換された炭素
数1〜20のアルキレン基、炭素数3〜20のシクロア
ルキレン基、アリーレン基、または置換アリーレン基。 X1 〜X10:それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原
子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
ルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、カル
バモイル基、カルボキシル基、または置換されていても
よいシリル基。 M:M1 (ただし、M1 は2価金属原子または2価金属
イオンを示す。)、M2 −A2 (ただし、M2 は2価金
属原子または3価金属原子、A2 は配位子を示す。)、
またはM3 −A3 (ただし、M3 は3価金属イオン原
子、A3 は対イオンを示す。)。
【0024】金属錯体化合物(式3)におけるR1 が炭
素数1〜20のアルキレン基である場合には、メチレン
基、エチレン基、トリメチレン基、プロピレン基、テト
ラメチレン基、ペンタメチレン基が好ましい。R1 が置
換された炭素数1〜20のアルキレン基である場合の該
基とは、炭素数1〜20のアルキレン基の水素原子の1
個以上が置換された基をいう。置換された炭素数1〜2
0のアルキレン基としては、アルキル基で置換されたア
ルキレン基、または、アリール基で置換されたアルキレ
ン基が好ましく、特にアリール基で置換されたアルキレ
ン基が好ましく、とりわけ1,2−ジフェニルエチレン
基が好ましい。R1 が炭素数3〜20のシクロアルキレ
ン基である場合、シクロヘキシレン基が好ましく、1,
2−シクロヘキシレン基が特に好ましい。R1 がアリー
レン基である場合、フェニレン基が好ましく、1,2−
フェニレン基または1,3−フェニレン基が特に好まし
い。
【0025】R1 が置換アリーレン基である場合、アル
キル基置換アリーレン基が好ましく、3,6−ジ−t−
ブチル−1,2−フェニレン基が特に好ましい。金属錯
体化合物(式3)中のX1 〜X10は、それぞれ独立し
て、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアル
キル基、アルケニル基、アルキニル基、ヒドロキシ基、
アミノ基、ニトロ基、カルバモイル基、カルボキシル
基、または置換されていてもよいシリル基を示す。
【0026】X1 〜X10がハロゲン原子である場合、フ
ッ素原子、塩素原子、または臭素原子が好ましく、特に
フッ素原子、塩素原子が好ましい。X1 〜X10がアルキ
ル基である場合、炭素数1〜20のアルキル基が好まし
く、特にメチル基、エチル基、ブチル基、またはt−ブ
チル基が好ましい。X1 〜X10がシクロアルキル基であ
る場合、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好まし
く、シクロペンチル基またはシクロヘキシル基が特に好
ましい。X1 〜X10がアルケニル基である場合、炭素数
2〜20のアルケニル基が好ましく、ビニル基が特に好
ましい。X1 〜X10がアルキニル基である場合、炭素数
2〜20のアルキニル基が好ましく、エチニル基が特に
好ましい。
【0027】金属錯体化合物(式3)におけるMはM1
(ただし、M1 は2価金属原子または2価金属イオンを
示す。)、M2 −A2 (ただし、M2 は2価金属原子ま
たは3価金属原子、A2 は配位子を示す。)、またはM
3 −A3 (ただし、M3 は3価金属イオン原子、A3
対イオンを示す。)。
【0028】M1 (2価金属原子または2価金属イオ
ン)としては、CoII、MnII、Ni IIまたはこれらの
イオンが好ましく、特にCoIIが好ましい。M2 −A2
におけるM2 (2価金属原子または3価金属原子)とし
ては、CoII、MnII、NiII、CoIII 、MnIII
NiIII 、AlIII 等が挙げられ、CoIIまたはCo
III が好ましい。A2 (配位子)としては、エーテル化
合物、アルコール化合物が好ましく、テトラヒドロフラ
ンまたはエタノールが好ましい。M3 −A3 におけるM
3 (3価金属イオン)としては、CoIII 、MnIII
NiIII 、AlIII のイオンが挙げられ、CoIII が好
ましい。A3 (対イオン)としては、ハロゲンアニオ
ン、カルボン酸アニオン、AO−(ただし、Aは上記と
同じ意味を示す。)が好ましく、特に反応に使用したヒ
ドロキシ芳香族化合物(式2)に対応するAO−が好ま
しい。
【0029】金属錯体化合物(式3)としては、MがM
1 であるのが好ましく、特にM1 がCoIIまたはCo
III であるのが好ましい。光学活性な金属錯体化合物
は、式3の化合物中に不斉中心、不斉軸、または、不斉
炭素原子が存在し、特にR1 が1,2−シクロヘキシレ
ン基である場合の化合物が好ましい。該化合物は、不斉
軸を有することから光学活性となる。光学活性な金属錯
化合物としては、(1R,2R)−N,N’−ビス
(3,5−ジ−t−ブチルサリシリデン)−1,2−シ
クロヘキサンジアミノコバルトII、(1S,2S)−
N,N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチルサリリシデ
ン)−1,2−シクロヘキサンジアミノコバルトIIが好
ましい。
【0030】光学活性な金属錯体化合物(式3)はR−
プロピレンオキシドまたはS−プロピレンオキシドのい
ずれかを優先的に反応させる傾向があるため、R体とS
体のプロピレンオキシドのラセミ混合物を光学分割する
ことなく光学活性な1−置換−2−プロパノールを生成
させうる。また、未反応のプロピレンオキシドは光学活
性なプロピレンオキシドとなるため、本発明の方法は、
プロピレンオキシドの光学分割方法としても利用でき
る。
【0031】前記の金属錯体化合物(式3)は公知文献
(Tetrahedron Lett.,38,773(1997))に記載される化合
物であり、市販品である配位子を用いて容易に合成でき
る。金属錯体化合物の量は、ヒドロキシ芳香族化合物
(式2)に対して10-5〜100モル%が好ましく、特
に0.001〜10モル%が好ましい。
【0032】本発明の反応を実施する場合には、さらに
塩基を存在させるのが好ましい。塩基を存在させること
により、反応速度が加速される。塩基としては有機塩基
が好ましく、特にトリエチルアミン、ジイソプロピルエ
チルアミンが好ましい。有機塩基量は、ヒドロキシ芳香
族化合物(式2)に対して0〜200モル%が好まし
く、特に80〜130モル%が好ましい。
【0033】本発明の反応は反応溶媒の存在下に実施し
ても、反応溶媒の不存在下に実施してもよい。反応溶媒
を使用する場合には、本発明における反応に直接関与し
ない溶媒から選択するのが好ましく、有機溶媒が好まし
い。
【0034】有機溶媒としては、炭化水素系溶媒(たと
えば、ヘキサン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロ
ロベンゼン、シクロヘキサンなど)、塩素系溶媒(たと
えば、ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン
など)、エーテル系溶媒(たとえば、ジエチルエーテ
ル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチル
エーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジイ
ソプロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルな
ど)が挙げられ、ジクロロメタン、メチル−t−ブチル
エーテル、ヘキサン、トルエン、またはキシレンが好ま
しい。反応溶媒量は、ヒドロキシ芳香族化合物(式2)
の1モルに対して0〜200mlが好ましく、特に0〜
1200mlが好ましい。
【0035】本発明の反応の反応温度は−20℃〜+1
00℃が好ましく、特に0℃〜30℃が好ましい。反応
時間は0.5〜100時間が好ましく、特に0.5〜4
0時間が好ましい。
【0036】本発明の反応では、光学活性な1−置換−
2−プロパノール(式1)が得られる。式1中の不斉炭
素原子の絶対配置は、式1中のAの構造と用いた触媒と
の組み合わせにより変化しうるが、本発明においては生
成物として光学活性な1−置換−2−プロパノールが得
られる。光学活性な1−置換−2−プロパノールとして
は、下式1aで表される化合物が好ましく、特に下式1
bで表される化合物が好ましい。ただし、下式中の記号
は上記と同じ意味を示す。
【0037】
【化5】
【0038】光学活性な1−置換−2−プロパノール
(式1)の具体例のうち、化合物(式1b)以外の具体
例としては、下記化合物が挙げられる。(2Rまたは2
S)−1−(6−クロロ−2−ニトロフェノキシ)−2
−プロパノール、(2Rまたは2S)−1−(5−クロ
ロ−2−ニトロフェノキシ)−2−プロパノール、(2
Rまたは2S)−1−(4−クロロ−2−ニトロフェノ
キシ)−2−プロパノール、(2Rまたは2S)−1−
(3−クロロ−2−ニトロフェノキシ)−2−プロパノ
ール、(2Rまたは2S)−1−(6−フルオロ−2−
ニトロフェノキシ)−2−プロパノール、(2Rまたは
2S)−1−(5−フルオロ−2−ニトロフェノキシ)
−2−プロパノール、(2Rまたは2S)−1−(4−
フルオロ−2−ニトロフェノキシ)−2−プロパノー
ル、(2Rまたは2S)−1−(3−フルオロ−2−ニ
トロフェノキシ)−2−プロパノール。
【0039】化合物(式1b)の具体例としては、下記
化合物が挙げられる。(2Rまたは2S)−1−(2−
クロロ−3−フルオロ−6−ニトロフェノキシ)−2−
プロパノール、(2Rまたは2S)−1−(2,3−ジ
フルオロ−6−ニトロフェノキシ)−2−プロパノー
ル。
【0040】反応により生成した光学活性な1−置換−
2−プロパノール(式1)を含む反応生成物は、通常の
場合、後処理をして高純度のものとするのが好ましい。
後処理としては、反応終了後の反応生成物を、有機溶媒
で抽出し、この有機溶媒抽出液を濃縮して光学活性な1
−置換−2−プロパノールを単離する方法で実施されう
る。
【0041】本発明の目的化合物である光学活性1−置
換−2−プロパノール(式1)は他の化合物の原料また
は中間体として有用な化合物であり、特に該化合物を中
間体としてキノロン系抗菌剤を製造できる。以下に本発
明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに
限定されない。
【0042】
【実施例】(2R)−1−(2,3−ジフルオロ−6−
ニトロフェノキシ)−2−プロパノールの合成 100mlのガラス製反応器に、(1S,2S)−N,
N’−ビス(3,5−ジ−t−ブチルサリシリデン)−
1,2−シクロヘキサンジアミノコバルトII[R1
(1S,2S)−シクロヘキサンジアミノ基であり、X
1 、X3 、X5 、X7 、X9 、X10が水素原子、X2
4 、X6 、X8 がtert−ブチル基である場合の金
属錯体化合物(式3)。]453mg(0.75mmo
l)、2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノール5.
25g(30mmol)、メチル−t−ブチルエーテル
40mlを仕込み、空気雰囲気下で室温にて2時間撹拌
した。溶媒であるメチル−t−ブチルエーテルを減圧留
去し、乾固した褐色固体を入れた反応器を脱気窒素置換
した。この反応器に室温でジイソプロピルエチルアミン
4.14g(32mmol)、プロピレンオキシドのR
体とS体を等量含むラセミ混合物5.81g(100m
mol)、トルエン25mlを加えて窒素雰囲気下で3
5℃にて20時間撹拌した。この時点で2,3−ジフル
オロ−6−ニトロフェノールの転化率は68%であっ
た。
【0043】水25ml、メチル−t−ブチルエーテル
20mlを加えて撹拌したのち、静置し分液を行った。
上層である有機相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液20
ml、1規定塩酸20ml、水30mlで順に洗浄し、
硫酸マグネシウム5gを加えて乾燥、ろ過を行った後、
濃縮し溶媒を留去した。残留した油状物質である(2
R)−1−(2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノキ
シ)−2−プロパノール3.26g(14mmol)を
得た。2,3−ジフルオロ−6−ニトロフェノールを基
準とした収率は47%であり、[α]D 20値は+2.0
(c=1、メタノール)であった(なお、特開平2−1
78287に記載される比旋光度[α]D 20値は、+
3.3°(c=1、メタノール)である。)。
【0044】
【発明の効果】本発明の方法によれば、汎用の反応条
件、かつ簡便な方法で光学活性な1−置換−2−プロパ
ノール化合物を製造できる。本発明の方法は、工業的に
実施可能な優れた方法である。本発明の方法において
は、プロピレンオキシドを光学分割する必要なくラセミ
混合物を用いることができる効率的な方法である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 53/00 C07B 53/00 B 61/00 300 61/00 300 C07M 7:00 Fターム(参考) 4G069 BA27A BA27B BC67A BC67B BE20A BE20B BE37A BE37B BE42A BE42B BE45A BE45B CB57 CB70 4H006 AA02 AC41 AC43 AC81 BA09 BA14 BA16 BA18 BA20 BA21 BA45 BA46 BB11 BB12 BB15 BC10 BC19 BM71 BM72 BN10 BP30 BU26 4H039 CA60 CA61 CF90

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下式2で表されるヒドロキシ芳香族化合物
    とプロピレンオキシドのラセミ混合物とを光学活性な触
    媒の存在下で反応させて下式1で表される光学活性な1
    −置換−2−プロパノールとすることを特徴とする光学
    活性な1−置換−2−プロパノールの製造方法。 AOH・・・式2 CH3* H(OH)CH2 OA・・・式1 ただし式中の記号は、以下の意味を示す。 A:芳香環を有する化合物から芳香環に結合する水素原
    子を除いた1価基。 C* :不斉炭素原子。
  2. 【請求項2】Aがアリール基または置換アリール基であ
    る請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】Aが、アリール基、または、アリール基中
    の水素原子の1個以上がハロゲン原子、ニトロ基、シア
    ノ基、カルバモイル基、モノアシルアミノ基、またはジ
    アシルアミノ基で置換されたアリール基である請求項1
    または2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】式2で表されるヒドロキシ芳香族化合物が
    下式2bで表されるニトロフェノール類である請求項
    1、2、または3に記載の製造方法。ただし、式2b中
    のXは、フッ素原子または塩素原子を示す。 【化1】
  5. 【請求項5】光学活性な触媒が、下式3で表される光学
    活性な金属錯体化合物である請求項1、2、3、または
    4に記載の製造方法。ただし、式3中の記号は以下の意
    味を示す。 R1 :炭素数1〜20のアルキレン基、置換された炭素
    数1〜20のアルキレン基、炭素数3〜20のシクロア
    ルキレン基、アリーレン基、または置換アリーレン基。 X1 〜X10:それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原
    子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ア
    ルキニル基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、カル
    バモイル基、カルボキシル基、または置換されていても
    よいシリル基。 M:M1 (ただし、M1 は2価金属原子または2価金属
    イオンを示す。)、M2 −A2 (ただし、M2 は2価金
    属原子または3価金属原子、A2 は配位子を示す。)、
    またはM3 −A3 (ただし、M3 は3価金属イオン原
    子、A3 は対イオンを示す。)。 【化2】
  6. 【請求項6】Mが2価コバルト原子である請求項5に記
    載の製造方法。
  7. 【請求項7】塩基の存在下で反応を行う請求項1、2、
    3、4、5または6に記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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