JP2000062325A - 熱現像により改良された永久保存性を有する印刷物を生成させる改良された寿命を有する記録材料 - Google Patents

熱現像により改良された永久保存性を有する印刷物を生成させる改良された寿命を有する記録材料

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JP2000062325A
JP2000062325A JP11159351A JP15935199A JP2000062325A JP 2000062325 A JP2000062325 A JP 2000062325A JP 11159351 A JP11159351 A JP 11159351A JP 15935199 A JP15935199 A JP 15935199A JP 2000062325 A JP2000062325 A JP 2000062325A
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silver stearate
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Ingrid Geuens
イングリツド・ジエウエンス
Yvan Gilliams
イバン・ジリアムス
Dirk Bollen
デイルク・ボレン
Ivan Hoogmartens
イバン・ホークマルテンス
Andre Bellens
アンドレ・ベレンス
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改良された寿命を有する記録材料及びそれで
製造した永久保存性の改良された印刷物を提供するこ
と。 【解決手段】 支持体と、ステアリン酸銀、該ステアリ
ン酸銀との熱作用関係にある該ステアリン酸銀のための
有機還元剤及び結合剤を含んで成る感熱性要素とを具備
する記録材料であって、該ステアリン酸銀は水銀及び/
又は鉛イオンと結合していないこと、及び該記録材料が
銅Kα1X線源で照射されるとき、3.62゜、5.4
5゜、7.30゜、9.04゜、10.97゜及び1
2.71゜のブラッグ角、2Θにおけるステアリン酸銀
に帰属されうるX線回折線のピーク高さの和対NIST
標準1976、菱面体Al23、の25.60゜、3
5.16゜及び43.40゜のブラッグ角、2Θにおけ
るX線回折線のピーク高さの和の比をg/m2で表され
た該記録材料中の銀の量の平方根で割ったものが2.2
m/g0.5より大きいことを特徴とする記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は改良された寿命を有
する記録材料及びそれにより製造された改良された永久
保存性(archivability)を有する印刷物
に関する。
【0002】
【従来の技術】熱的像形成(thermal imag
ing)又はサーモグラフィー(thermograp
hy)は熱エネルギーの使用により像を発生させる記録
方法である。このような記録材料は、紫外線、可視光線
又は赤外線に露光した後色又は光学濃度の変化を引き起
こすサーモグラフィックプロセス(thermogra
phic process)において触媒作用するか又
は該プロセスに参加することができる感光剤(phot
osensitive agent)を組み込むとフォ
トサーモグラフイック(photothermogra
phic)になる。
【0003】米国特許第4273723号は、本質的に
12〜24個の炭素原子を有する脂肪酸のアルカリ金属
塩を水溶性銀塩と反応させることから成る12〜24個
の炭素原子を有する脂肪酸の銀塩を製造する方法を開示
しており、その方法においては、反応は(I)脂肪酸の
アルカリ金属塩、(II)水溶性銀塩、(III)少な
くとも1種の水溶性又は部分的に水溶性のC3−C8アル
コール及び(IV)水から成る反応系で行われ、成分
(III)対成分(IV)の容積比は1/5〜5/1で
ある。
【0004】英国特許公開公報第1378734号は、
可溶性水銀化合物及び/又は可溶性鉛化合物の存在下に
行われる有機カルボン酸の銀塩を製造する方法を開示し
ている。
【0005】ヨーロッパ特許公開公報第754969号
は、有機カルボン酸の実質的に非感光性銀塩を含有する
粒子の懸濁液を製造する方法であって、有機カルボン酸
又はその塩の水性溶液又は懸濁液及び銀塩の水性溶液を
水性液体に同時的に計量添加することを含んで成り、該
有機カルボン酸又はその塩の水性溶液又は懸濁液及び/
又は該銀塩の水性溶液の計量添加は該水性液体中の銀塩
の銀イオンの濃度又はアニオンの濃度により調節され
る。1978年6月に発行されたリサーチ・ディスクロ
ージャーNo.17029はII章において有機重金属
塩を製造する種々の方法の調査を与える。
【0006】英国特許第1378734号の教示に従う
水銀イオン又は鉛イオン、特に水銀イオンとステアリン
酸銀の連合(association)は環境的に望ま
しくなく、政府の規制を侵害する。
【0007】先行技術のステアリン酸銀を有する記録材
料は不十分な寿命を有し、それで作られた印刷物は特に
maxの増加に関して不十分な永久保存性を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】故に本発明の目的は改
良された寿命を有する材料を提供することである。
【0009】本発明の更なる目的はその印刷物が改良さ
れた永久保存性を有する記録材料を提供することであ
る。
【0010】本発明の更なる目的はステアリン酸銀を含
んで成る実質的に非感光性有機銀塩の製造方法を提供す
ることである。
【0011】本発明の更なる目的及び利点は以後の説明
から明らかになるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、支持体
と、先行技術のステアリン酸銀より高い結晶化度を有す
るステアリン酸銀、該ステアリン酸銀と熱作用関係(h
eat working relationship)
にある該ステアリン酸銀のための有機還元剤、及び結合
剤を含んで成る感熱性要素(thermosensit
ive element)を具備する記録材料は、寿命
の顕著な改良を示しそしてそれにより生成された印刷物
はステアリン酸銀を有する先行技術の記録材料に対して
永久保存性の顕著な改良を示すことが見いだされた。
【0013】上記の目的は、支持体と、ステアリン酸
銀、該ステアリン酸銀と熱作用関係にある該ステアリン
酸銀のための有機還元剤及び結合剤を含んで成る感熱性
要素を具備する記録材料であって、該ステアリン酸銀は
水銀及び/又は鉛イオンと連合しておらず、そして該記
録材料が銅Kα1X線源で照射されるとき、X線回折計
のサンプルホルダーに適合するように切断された該記録
材料のサンプル及びNIST標準1976、菱面体(r
hombohedral)Al23、のサンプルについ
て同じ調節状態で同じX線回折計を用いて決定された、
3.62゜、5.45゜、7.30゜、9.04゜、1
0.97゜及び12.71゜のブラッグ角、2Θにおけ
るステアリン酸銀に帰属されうるX線回折線のピーク高
さの和対NIST標準1976、菱面体Al23の2
5.60゜、35.16゜及び43.40゜のブラッグ
角、2ΘにおけるX線回折線のピーク高さの和の比をg
/m2で表された該記録材料中の銀の量の平方根で割っ
たものが2.2m/g0.5より大きいことを特徴とする
記録材料により実現される。
【0014】(i)ステアリン酸を含有する1種もしく
はそれ以上の有機酸とアニオン性界面活性剤の水性分散
液を製造し、(ii)該有機酸を水性アルカリで実質的に
中和し、それによりステアリン酸塩を含有する有機酸塩
を形成し、(iii)銀塩の水性溶液を加えて該有機酸塩
(1種又は複数種)をステアリン酸銀を含有するそれら
の銀塩に完全に転換する工程を含んで成る、実質的に溶
媒を含まない(solvent−free)水性媒体中
のステアリン酸銀を含有する実質的に非感光性の有機銀
塩の粒子の分散液を製造する方法であって、該アニオン
性界面活性剤が有機酸に対する0.15より大きいモル
比で存在し、そして該銀塩を0.025モル/モル有機
銀塩(1種又は複数種)・分と2.25モル/モル有機
銀塩(1種間又は複数種)・分との間の速度で有機銀塩
(1種又は複数種)を生成するようにして加えることを
特徴とする方法が、本発明に従って更に提供される。
【0015】上記した方法に従って製造可能なステアリ
ン酸銀を含有する実質的に非感光性の有機銀塩の粒子も
提供される。
【0016】(i)上記した記録材料の最外層を熱源と
近接させ、(ii)該熱源への近接を保ちながら該記録
材料に該熱源から像通りに熱を加えて像を生成させ、そ
して(iii)該記録材料を該熱源から除去する工程を
含んで成る記録方法が本発明に従って更に提供される。
【0017】本発明の好ましい態様は本明細書の末尾に
記載されている。
【0018】本発明に従う記録方法の好ましい態様で
は、熱源はサーマルヘッドであり、薄膜サーマルヘッド
が特に好ましい。
【0019】実質的に非感光性とは意図的に感光性では
ないことを意味する。実質的に溶媒を含まない水性媒体
及び有機溶媒の実質的に不存在下とは、溶媒が、もし存
在すれば、水と混和性でありそして水性媒体の10容量
%より少ない量で存在することを意味する。
【0020】感熱性要素 本発明に従う感熱性要素は、ステアリン酸銀、該ステア
リン酸銀と熱作用関係にある該ステアリン酸銀のための
有機還元剤及び結合剤を含んで成る。該要素は成分を異
なる層に分散させていてもよい層システムを含んで成る
ことができ、但し2つの成分が互いに反応性関連(re
active association)にある、即
ち、熱現像(thermal developmen
t)プロセス中、該還元剤は、ステアリン酸銀の銀への
還元が起こり得るように、該還元剤がステアリン酸銀ま
で拡散することができるような状態で存在しなければな
らないものとする。
【0021】本発明の好ましい態様では、感熱性要素は
更に、露光するとステアリン酸銀の還元を触媒すること
ができる種を形成することができる感光性種(phot
osensitive species)を含んで成
る。
【0022】ステアリン酸銀の特徴付け 本発明の記録材料中のステアリン酸銀は、記録材料が銅
Kα1X線源で照射されるとき、X線回折計のサンプル
ホルダーに適合するように切断された該記録材料のサン
プル及びNIST(合衆国、メリーランド州、2089
9−001、ゲイサースバーグのナショナル・インステ
ィテュート・オブ・スタンダード)標準1976、菱面
体Al23、のサンプルについて同じ調節状態で同じX
線回折計を用いて決定された、3.62゜、5.45
゜、7.30゜、9.04゜、10.97゜及び12.
71゜のブラッグ角、2Θにおけるステアリン酸銀に帰
属されうるX線回折線のピーク高さの和対NIST標準
1976、菱面体Al23の25.60゜、35.16
゜及び43.40゜のブラッグ角、2ΘにおけるX線回
折線のピーク高さの和の比をg/m2で表された該記録
材料中の銀の量の平方根で割ったものが2.2m/g
0.5より大きいことを特徴とし、これはステアリン酸銀
の結晶化度(crystallinity)として本発
明の詳細な説明で言及されている。本発明の好ましい態
様では、ステアリン酸銀の結晶化度は3.0m/g0.5
より大きい。
【0023】本発明の記録材料中のステアリン酸銀の結
晶化度は、使用するX線回折計のサンプルホルダーに適
合するように切断された特定の記録材料のシート及びN
IST標準1976のシートに関するX線回折スペクト
ルを測定し、標準技術を使用してバックグラウンドを減
じ、回折ピークのピーク高さ(極大値)を決定し、記録
材料のサンプルについて3.62゜、5.45゜、7.
30゜、9.04゜、10.97゜及び12.71゜の
ブラッグ角、2Θにおけるステアリン酸銀に帰属されう
るX線回折線のピーク高さ(極大値)さの和、K
material、を決定し、NIST標準1976のサンプル
について25.6゜、35.16゜及び43.40゜の
ブラッグ角、2ΘにおけるX線回折線のピーク高さ(極
大値)の和、K 1976、を決定し、該記録材料についてK
material/K1976の比を計算し、材料平方メートル当た
りグラムで表した該記録材料中に存在する銀の濃度CAg
を決定し、最後に比Kmaterial/K1976を√CAGで正規
化してKmaterial/(K1976×√CAG)を得ることによ
り得られ、これは当該記録材料中のステアリン酸銀の相
対的結晶化度である。ステアリン酸銀に帰属されうるピ
ークの正確な位置は上記した角度の0.3゜以内で変わ
りうる。このような場合には、ピーク高さはピークの実
際のピーク高さと理解されるべきでありそして上記した
角度におけるピークの高さではない。
【0024】記録材料中に存在する銀の濃度は既知の技
術、例えば蛍光X線分析法のような非破壊的方法、及び
銀塩を溶解し、続く、R.Belcher and
A.J.Nutten,Quantitative I
norganic Analysis, 2nd Ed
ition,Buutterworths,Londo
n(1960)、pages201−219の記載の如
き銀の定量のための標準容量分析法のような破壊的方法
により決定することができる。
【0025】ステアリン酸銀を含有する有機銀塩粒子 ステアリン酸銀を含有する有機銀塩粒子はステアリン酸
銀を100モル%まで含有することができる。それらは
好ましくはステアリン酸銀を少なくとも50モル%まで
含有する。本発明で使用される好ましい実質的に非感光
性の有機銀塩は、ステアリン酸銀と共に本発明の記録材
料中に使用するための有機カルボン酸の銀塩であり、そ
して脂肪族炭素鎖が好ましくは少なくとも12個の炭素
原子を有する脂肪酸として知られた他の脂肪族カルボン
酸の銀塩、例えば、ラウリン酸銀、ステアリン酸銀、ヒ
ドロキシステアリン酸銀、ベヘン酸銀及びアリキン酸銀
(silver arichidate)である。例え
ば英国特許第1111492号に記載のようなチオエー
テル基を有する変性された脂肪族カルボン酸の銀塩及び
英国特許第1439478号に記載のような他の有機銀
塩、例えば安息香酸銀は、同様に熱現像可能な銀像を生
成するのに使用することができる。異なる有機銀塩の組
み合わせも本発明で使用することができる。
【0026】本発明のステアリン酸銀は水銀及び/又は
鉛イオンと連合していない(notassociate
d)。これは、製造プロセス期間中いかなる点でも水銀
及び/又は鉛イオンが意図的に加えられていないこと、
従って本発明の記録材料中のステアリン酸銀と意図的に
連合されていないことを意味する。
【0027】溶媒の実質的不存在下のステアリン酸銀を
含有する有機銀塩粒子の水性分散液の製造 (i)ステアリン酸を含有する1種もしくはそれ以上の
有機酸とアニオン性界面活性剤の水性分散液を製造し、
(ii)該有機酸を水性アルカリで実質的に中和し、それ
によりステアリン酸塩を含有する有機酸塩を形成し、
(iii)銀塩の水性溶液を加えて該有機酸塩をステアリ
ン酸銀を含有するそれらの銀塩に完全に転換する工程を
含んで成る、実質的に溶媒を含まない水性媒体中のステ
アリン酸銀を含有する実質的に非感光性の有機銀塩の粒
子の分散液を製造する方法であって、該アニオン性界面
活性剤が有機酸に対する0.15より大きいモル比で存
在し、そして該銀塩を0.025モル/モル有機銀塩
(1種又は複数種)・分と2.25モル/モル有機銀塩
(1種又は複数種)・分との間の速度で有機銀塩(1種
又は複数種)を生成するようにして加えることを特徴と
する方法が本発明に従って提供される。上記製造方法の
好ましい態様では、アニオン性界面活性剤は有機カルボ
ン酸に対する0.25より大きいモル比で存在してお
り、そして銀塩は0.03モル/モル有機銀塩(1種又
は複数種)・分と0.7モル/モル有機銀塩(1種又は
複数種)・分との間の速度で加えられ、有機酸に対する
0.3より大きいアニオン性界面活性剤のモル比及び
0.04モル/モル有機銀塩(1種又は複数種)・分と
0.3モル/モル有機銀塩(1種又は複数種)・分との
間の銀塩添加の速度が特に好ましい。
【0028】好ましい態様では、本発明の製造方法の工
程(iii)は、上記方法の工程(ii)で製造された酸塩
の溶液の一部が銀塩溶液添加の前に反応容器中に存在し
ておりそしてその一部が銀塩溶液の添加と同時に加えら
れるように行われ、工程(ii)で製造された酸塩の溶液
の約25〜50%が銀塩添加前に反応容器中にあること
が特に好ましい。
【0029】上記の方法に使用するための好ましいアニ
オン性界面活性剤は、アルキルスルホン酸、アルカリー
ルスルホン酸、アラルキルスルホン酸、アリールスルホ
ン酸、アルキル硫酸、アラルキル硫酸、アリール硫酸、
アルカリール硫酸及び有機カルボン酸から成る群より選
ばれた酸のアルカリ又はアンモニウム塩である。アルキ
ルアリールスルホン酸のアルカリ又はアンモニウム塩が
好ましく、アルキルベンゼンスルホン酸のアルカリ又は
アンモニウム塩は特に好ましい。上記方法で使用するた
めの適当なアニオン性界面活性剤は、 界面活性剤Nr.1=マーロン(MARLONTM)A−
396、ヒュルズからのアルキルフェニルスルホン酸ナ
トリウム 界面活性剤Nr.2=エルカントール(ERKAMTO
TM)BX、バイエルからのジイソプロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウム 界面活性剤Nr.3=ウルトラボン(ULTRAVON
TM)W、チバ・ガイギーからのアリールスルホン酸ナト
リウム、である。
【0030】上記した方法において、使用されるpHは
銀イオンの酸化銀又は水酸化銀への酸化を回避するのに
十分に低く、そのために10より低いpHが通常必要で
あり、プロセス温度は使用する有機酸の融点、ステアリ
ン酸の場合には約70℃、より上にあるように選ばれ、
そしてプロセスは撹拌しながら行われ、撹拌速度は、反
応容器に対する撹拌器の寸法、使用する撹拌器の種類、
不十分な混合による酸化銀又は水酸化銀の形成の回避及
び発泡の回避に依存し、通常は200〜1000rpm
である。更に、僅かに過剰の有機酸、例えば2モル%の
ステアリン酸が好ましい。
【0031】ステアリン酸銀を含有する実質的に非感光
性の有機銀塩粒子の寸法は、銀塩添加の速度、アニオン
性界面活性剤の濃度及び温度を変えることにより変える
ことができ、粒子の相当直径は添加速度の減少、アニオ
ン性界面活性剤濃度の減少及び温度の増加と共に増加す
る。
【0032】上記した方法の更なる好ましい態様では、
ステアリン酸銀を含有する実質的に非感光性の有機銀塩
の粒子の分散液は限外ろ過に付される。限外ろ過プロセ
スはイオン種を除去し、そして有機銀塩を除去すること
なく有機銀塩の形成により生成された塩を除去するのに
十分に小さい細孔寸法を有するカートリッジフィルター
を通すろ過により、ステアリン酸銀を含有する実質的に
非感光性の有機銀塩の分散液を濃縮する。10000〜
500000MVを有するカートリッジフィルターがこ
の目的に適当であることが分かった。限外ろ過中ステア
リン酸銀を含有する実質的に非感光性の有機銀塩の分散
液の安定性を維持するために、最小のアニオン性界面活
性剤濃度を維持することが必要であるが、アニオン性界
面活性剤の対イオンは、元の対イオンの存在が記録材料
において望ましくない場合には変えることができる。例
えば、界面活性剤Nr.1のナトリウムイオンは限外ろ
過中硝酸アンモニウム溶液で洗浄することによりアンモ
ニウムイオンにより置き換えられ得、そしてナトリウム
イオン濃度は100ppm以下に減少させることができ
る。
【0033】上記方法はステアリン酸銀が2.2m/g
0.5より大きい上記で定義された結晶化度を有するステ
アリン酸銀を含有する実質的に非感光性の有機銀塩粒子
を製造する。
【0034】実質的に非感光性の有機銀塩分散液上記に
定義されたとおりのより高い結晶化度を有するステアリ
ン酸銀を含有して成る有機銀塩の乾燥した粒子の場合
に、粒子自体が例えば、マイクロフルイダイザー、超音
波装置、ローターステーターミキサー等を使用して満足
な分散液品質を達成することに相応したできる限り少な
い損傷を受けるような分散技術を使用して前記粒子の分
散液が製造されるならば、本発明に従う記録材料が製造
されうることが見いだされた。
【0035】還元剤 ステアリン酸銀を含有する有機銀塩粒子の還元に適した
有機還元剤は、O、N、又はCに結合した少なくとも1
つの活性水素原子を含有する有機化合物、例えば、芳香
族ジヒドロキシ化合物及び芳香族トリヒドロキシ化合物
である。カテコール型還元剤、即ち、オルソ位置に2個
のヒドロキシ基(−OH)を有する少なくとも1個のベ
ンゼン核を含有する還元剤、例えば、カテコール、3−
(3,4−ジヒドロキシフェニル)プロピオン酸、1,
2−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸及びエステル、例
えば、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロ
ピル、タンニン酸、及び3,4−ジヒドロキシ安息香酸
エステルは好ましいものであり、ヨーロッパ特許公告公
報第692733号(EP−B 692733)及びヨ
ーロッパ特許公開公報第903625号(EP−A 9
03625)に記載のそれらは特に好ましい。
【0036】特にフォトサーモグラフイック記録材料の
ための他の適当な還元剤は立体障害フェノール、ビスフ
ェノール及びスルホンアミドフェノールである。
【0037】加熱するとステアリン酸銀を含有する実質
的に非感光性の有機銀塩の還元における反応相手(re
active partner)になる還元剤の組み合
わせも使用することができる。例えば、立体障害フェノ
ールと、米国特許第5464738号に開示されたよう
なスルホニルヒドラジド還元剤、米国特許第54966
95号に開示されたようなトリチルヒドラジド及びホル
ミル−フェニル−ヒドラジド、米国特許第554550
5号、第5545507号及び第5558983号に開
示されたような様々な補助還元剤を伴うトリチルヒドラ
ジド及びホルミル−フェニル−ヒドラジド、米国特許第
5545515号及び第5635339号に開示された
ようなアクリロニトリル化合物、及び米国特許第565
4130号に開示されたような2−置換されたマロノジ
アルデヒド化合物との組み合わせ。
【0038】感熱性要素のフイルム形成性結合剤 ステアリン酸銀を含有する有機銀塩粒子を含む感熱性要
素のフイルム形成性結合剤は、すべての種類の天然樹
脂、変性された天然又は合成樹脂又はこのような樹脂の
混合物であって、それにステアリン酸銀を含有する有機
銀塩粒子を水性媒体又は溶媒媒体中で均一に分散させる
ことができるもの、例えばセルロース誘導体、例えばエ
チルセルロース、セルロースエステル、例えば硝酸セル
ロース、カルボキシメチルセルロース、デンプンエーテ
ル、ガラクトマンナン、α、β−エチレン系不飽和化合
物由来のポリマー、例えば、ポリ塩化ビニル、後塩素化
ポリ塩化ビニル、塩化ビニルと塩化ビニリデンとのコポ
リマー、塩化ビニルと酢酸ビニルとのコポリマー、ポリ
酢酸ビニル及び部分的に加水分解されたポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコール、反復ビニルアルコール単位
の一部のみがアルデヒドと反応していてもよい出発物質
としてのポリビニルアルコールから製造されるポリビニ
ルアセタール、好ましくはポリビニルブチラール、アク
リロニトリルとアクリルアミドとのコポリマー、ポリア
クリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリス
チレン及びポリエチレン又はそれらの混合物であること
ができる。
【0039】上記した結合剤又はそれらの混合物はワッ
クス、又は高められた温度で酸化還元反応の反応速度を
改良する熱溶媒(heat solvents、the
rmal solvents or thermoso
lvents)と共に使用することができる。
【0040】調色剤(toning agent) より高い濃度ではニュートラルブラック像トーン(ne
utral black image tone)を得
るためそしてより低い濃度でニュートラルグレーを得る
ために、感熱性要素は好ましくはステアリン酸銀を含有
する有機銀塩粒子及び還元剤との混合物としてサーモグ
ラフィー又はフォトサーモグラフィーから知られたいわ
ゆる調色剤を含有する。
【0041】適当な調色剤は米国特許第4082901
号に記載の一般式の範囲内のフタルイミド及びフタラジ
ノンである。更に米国特許第3074809号、第34
46648号及び第3844797号に記載の調色剤が
挙げられる。他の特に有用な調色剤は英国特許第143
9478号、米国特許第3951660号及び米国特許
第5599647号に開示されたベンゾキサジンジオン
又はナフトキサジンジオン型の複素環式調色剤化合物で
ある。
【0042】安定剤及び防曇剤 寿命を改良しそして曇りを減少させるために、安定剤及
び防曇剤を本発明の記録材料に含ませることができる。
【0043】他の添加剤 記録材料は、上記した成分に加えて、遊離脂肪酸、追加
の界面活性剤、静電防止剤、例えばF3C(CF26
ONH(CH2CH2O)−Hにおけるようにフルオロカ
ーボン基を含む非イオン性静電防止剤、シリコーンオイ
ル、例えばBAYSILONETM OEl A(ドイ
ツ、バイエルからの)、紫外線吸収性化合物、白色光反
射性顔料及び/又は紫外線反射性顔料及び/又は光学的
蛍光増白剤のような他の添加剤を含有することができ
る。
【0044】支持体 本発明に従う感熱性要素のための支持体は透明、半透明
又は不透明であることができ、例えば白色光反射面を持
っており、そして好ましくは薄い柔軟性キャリヤー、例
えばポリプロピレン、ポリカーボネート又はポリエステ
ル、例えばポリエチレンテレフタレートである。
【0045】支持体はシート、リボン又はウエブ形態に
あることができ、そしてその上にコーティングされた感
熱性要素への接着を改良するために必要ならば下塗りさ
れ(subbed)てもよい。支持体は不透明化された
樹脂組成物から作ることができる。透明な基材が使用さ
れるならば、基材は無色であるか又は着色されていても
よく、例えば青色を有することができる。1つ以上のバ
ッキング層を設けてカール及び静電気のような物理的性
質を制御することができる。
【0046】最外層 記録材料の最外層は本発明の異なる態様では感熱性要素
の最外層、感熱性要素に設けられた保護層又は支持体の
感熱性要素に対して反対側の層であることができる。
【0047】保護層 本発明に従う記録材料の好ましい態様に従えば、感熱性
要素は感熱性要素の局部的変形を回避しそして耐摩耗性
を改良するために保護層を備えている。
【0048】保護層は好ましくは結合剤を含んで成り、
該結合剤は溶媒に可溶性、溶媒に分散性、水に溶解性又
は水に分散性であることができる。溶媒に可溶性の結合
剤の中ではヨーロッパ特許公開公報第614769号に
記載のポリカーボネートは特に好ましい。しかしなが
ら、水に溶解性又は水に分散性の結合剤が保護層には好
ましい、何故ならばコーティングを水性組成物から行う
ことができそして保護層と直ぐ下の層との混合が直ぐ下
の層において溶媒に可溶性又は溶媒に分散性の結合剤を
使用することによって回避されうるからである。
【0049】本発明に従う保護層は、場合によりWO9
4/11199に記載のように、場合により保護層の頂
部に存在する滑剤と共に熱溶融性粒子を更に含んで成る
ことができる。好ましい態様では、150℃より低い融
点を有する少なくとも1種の固体滑剤及び少なくとも1
種の液体滑剤が結合剤中に存在し、滑剤の少なくとも1
種はリン酸誘導体である。
【0050】最外層のための架橋剤 本発明に従う最外層は架橋することができる。架橋は保
護層のためのWO95/12495に記載のような架橋
剤、例えばテトラアルコキシシラン、ポリイソシアネー
ト、ジルコネート、チタネート、メラミン樹脂等を使用
することにより達成できる。テトラメチルオルトシリケ
ート及びテトラエチルオルトシリケートのようなテトラ
アルコキシシランが好ましい。
【0051】最外層のための艶消剤 本発明に従う記録材料の最外層は艶消剤を含んで成るこ
とができる。適当な艶消剤はWO94/11198に記
載されており、例えばタルク粒子を含み、そして場合に
より最外層から突き出している。
【0052】最外層のための滑剤 固体滑剤又は液体滑剤又はそれらの組み合わせは本発明
に従う記録材料の滑り特性を改良するのに適当である。
【0053】本発明に従って使用できる固体滑剤はポリ
オレフィンワックス、エステルワックス、ポリオレフィ
ン−ポリエーテルブロックコポリマー、アミドワック
ス、ポリグリコール、脂肪酸、脂肪アルコール、天然ワ
ックス及び固体リン酸誘導体である。好ましい固体滑剤
は、例えばWO94/11199に記載の熱溶融性粒子
の如き熱溶融性粒子である。
【0054】本発明に従って使用することができる液体
滑剤は脂肪酸エステル、例えばグリセリントリオレエー
ト、ソルビタンモノオレエート及びソルビタントリオレ
エート、シリコーンオイル誘導体及びリン酸誘導体であ
る。
【0055】感光性種 本発明のステアリン酸銀の還元を触媒することができる
種を露光により形成することができる好ましい感光性種
はハロゲン化銀である。
【0056】本発明で使用される感光性ハロゲン化銀
は、実質的に非感光性有機銀塩の0.1〜100モル%
の範囲、好ましくは0.2〜80モル%、特に好ましく
は0.3〜50モル%、特別に好ましくは0.5〜35
モル%、特に1〜12モル%の範囲で使用することがで
きる。
【0057】ハロゲン化銀は感光性ハロゲン化銀、例え
ば臭化銀、ヨウ化銀、塩化銀、臭化ヨウ化銀、塩化臭化
ヨウ化銀、塩化臭化銀等であることができる。ハロゲン
化銀は立方晶(cubic)、斜方晶(orthorh
ombic)、平板状(tabular)、四面体、八
角形(octagonal)を包含するがこれらに限定
はされない感光性のいかなる形態にあってもよく、そし
てその上に結晶のエピタキシャル成長を有していてもよ
い。
【0058】本発明で使用されるハロゲン化銀は変性し
ないで使用することができる。しかしながら、それは化
学増感剤、例えば硫黄、セレン、テルル等を含有する化
合物又は金、白金、パラジウム、鉄、ルテニウム、ロジ
ウム又はイリジウム等を含有する化合物、還元剤、例え
ばハロゲン化錫等又はそれらの組み合わせにより化学的
に増感されていてもよい。これらの方法の詳細はT.
H.James,“The Theory of th
e Photographic Process”,
Fourth Edition, Macmillan
Publishing Co.Inc.,New Y
ork(1977),Chapter 5, page
s 149〜169に記載されている。
【0059】スペクトル増感剤 本発明に従う感熱性要素は赤外増感剤、紫外線増感剤、
又は可視光線増感剤を含有することができる。適当な増
感剤にはシアニン、メロシアニン、スチリル、ヘミシア
ニン、オキソノール、ヘミオキソノール及びキサンテン
染料が包含される。本発明に従えば、感熱性要素は更に
超増感剤を含むことができる。
【0060】ハレーション防止染料 成分の外に、本発明で使用される記録材料は感光性の熱
的に現像可能な写真材料を通過して光を吸収し、それに
よりその反射を防止するハレーション防止染料又はアキ
ュータンス(acutance)染料を含有することも
できる。このような染料は感熱性要素中に含ませるか又
は本発明の記録材料の他の層に含ませることができる。
【0061】コーティング 本発明の記録材料の層のコーティングは、例えばMod
ern Coating and Drying Te
chnology,edited by Edwar
d.D.Cohen and Edgar B.Gut
off,(1992) VCH Publishers
Inc.220 East 23rdstreet,
Suite 909 New York,NY 100
10,U.S.A.に記載のようないかなるコーティン
グ技術によっても行うことができる。
【0062】サーモグラフィック処理 サーモグラフィック像形成(thermographi
c imaging)は、像を通して直接露光により又
は像からの反射によりアナログ方式で、又は赤外吸収性
化合物を含有するサーモグラフィック材料を用いて、赤
外熱源を使用することにより、例えばNd−YAGレー
ザー又は他の赤外レーザーにより1画素ずつディジタル
方式で熱を像通りに(image−wise)加えるこ
とにより、又はサーマルヘッドによる直接の熱的像形成
(thermal imaging)により行われる。
【0063】サーマルプリンティングにおいては、像信
号は電気パルスに変換され、次いで駆動回路を介してサ
ーマルプリントヘッドに選択的に伝送される。サーマル
プリントヘッドは、顕微鏡的熱抵抗体要素から成り、該
要素は電気エネルギーをジュール効果を介して熱に変換
する。このようなサーマルプリンティングヘッドは記録
材料と接触させて又は密接に近接させて使用することが
できる。普通のサーマルプリントヘッドの操作温度は3
00〜400℃の範囲にありそして画素当たりの加熱時
間は1.0msより少なくすることができ、記録材料と
サーマルプリントヘッドの接触圧力は良好な熱の伝導を
確実にするために例えば200〜500g/cm2であ
る。
【0064】最外層が保護層ではない場合に支持体の感
熱性要素と同じ側の最外層とサーマルプリンティングヘ
ッドの直接の接触を回避するために、サーマルプリンテ
ィングヘッドによる記録材料の像通りの加熱は、接触し
ているが除去可能な樹脂シート又はウエブを通して行う
ことができ、加熱中該シート又はウエブから記録材料の
転写は起こり得ない。
【0065】加熱要素の活性化はパワー変調され(po
wer−modulated)又は一定のパワーでパル
ス長さ変調される(pulse−length mod
ulated)ことができる。像通りの加熱は、像画素
を生成するのに必要とされない加熱要素が下記式、0.
5HD<He<HD、式中HDは記録材料において可視像形
成を生じさせるのに必要な熱の最小量を表す、に従って
或る量の熱(He)を発生するように行うことができ
る。
【0066】ヨーロッパ特許公開公報第654355号
(EP−A654355)は、加熱要素の活性化がデュ
ーティーサイクルパルス式(duty cycled
pulsewise)に行われる、付勢可能な加熱要素
を有するサーマルヘッドによる像通りの加熱により像を
作る方法を開示している。ヨーロッパ特許公開公報第6
22217号は、連続調子再現の改良を生じる直接熱的
像形成要素(direct thermal imag
ing element)を使用して像を作る方法を開
示している。
【0067】記録材料の像状加熱は材料に導入された電
気的抵抗性リボンを使用して行うこともできる。記録材
料の像通りの加熱又はパターン状加熱は画素状に変調さ
れた超音波(pixel−wise modulate
d ultra−sound)によって行うこともでき
る。
【0068】フォトサーモグラフィック処理 本発明に従うフォトサーモグラフィック記録材料はX線
波長と6ミクロン波長との間の波長の放射により露光す
ることができ、像は精密に焦点に集められた光源、紫外
線、可視又は赤外波長レーザー又は発光ダイオードによ
る画素状露光(pixel−wise exposur
e)により得られるか又は適当な照明による物体自体又
はその像への直接露光により得られる。
【0069】本発明に従う像通りに露光されたフォトサ
ーモグラフィック記録材料の熱現像のために、記録材料
を目的の用途に許容しうる時間内に現像温度に均一に加
熱することができるいかなる種類の熱源も使用すること
ができる。
【0070】工業的用途 サーモグラフィック及びフォトサーモグラフィック像形
成は透明画(transparencies)及び反射
型プリントの製造に使用することができる。本発明の用
途としては、加えられたドットエネルギーへのプリント
濃度の非常に強い依存性を有するハイコントラスト像を
必要とするグラフィックス像(graphics im
ages)及び医学的診断分野に必要とされるような加
えられたドットエネルギーへのプリント濃度のより弱い
依存性を必要とする連続トーン像の両方の分野が考えら
れる。ハードコピー分野では白色不透明基材上の記録材
料が使用され、これに対して医学診断分野では、黒色像
透明画(black−imaged transpar
encies)がライトボックスで操作する検査技術に
広く使用される。
【0071】
【実施例】本発明を本発明の実施例及び比較実施例によ
り以下に説明する。これらの実施例で与えられた百分率
及び比は特記しない限り重量による。本発明及び比較実
施例で使用した上記成分以外の成分は、有機銀塩とし
て、AgSt=ステアリン酸銀、結合剤として、K75
98=タイプK7598、AGFA−GEVAERT
GELATINEFABRIEK vorm.KOEP
FF & SOEHNEからのカルシウム不含有ゼラチ
ン(calcium−freegelatine)、K
17881=タイプK17881、AGFA−GEVA
ERT GELATINEFABRIEK vorm.
KOEPFF & SOEHNEからのカルシウム不含
有ゼラチン、K16353=タイプK16353、AG
FA−GEVAERT GELATINEFABRIE
K vorm.KOEPFF & SOEHNEからの
カルシウム不含有高粘度ゼラチン、LATEX 01=
n−ブチルアクリレート42重量%、スチレン53重量
%、イタコン酸2重量%及び、 CH2=C(CH3)C
ONH−(CH210−CONHC64−p−SO3K3
重量%から成るモノマー混合物を共重合し、続いて脱塩
しそしてアンモニアによりpH5.4に調節することに
より製造されたポリマーの24重量%水性ラテックス、
還元剤として、R01=3,4−ジヒドロキシ安息香酸
エチル、調色剤として、T01=7−(エチルカルボナ
ト)−ベンゾ[e][1,3]オキサジン−2,4−ジ
オン(下記式I参照)
【0072】
【化1】 比較実施例1及び2 RD17029に従う先行技術のステアリン酸銀の製造 タイプI及びIIのステアリン酸銀の製造において、7
5℃の脱イオン水1L中のステアリン酸0.1575モ
ル及び0.176モルの分散液に固体水酸化ナトリウム
0.15モルを加え、それにより約9のpHを有するス
テアリン酸ナトリウムの溶液を生成させることにより溶
液Aを最初に製造した。次いで溶液B、即ち、65℃の
温度の65%硝酸0.4gで酸性化された0.6M水性
硝酸銀250mLを溶液Aに15秒で激しく撹拌しなが
ら加え、その間75℃の温度を維持した。1分後得られ
るステアリン酸銀の懸濁液は室温に冷却され、そして約
5のpH及び約310mVのUAgを有していた。ステ
アリン酸銀を減圧下にろ別し、各回脱イオン水約5Lで
2回洗浄しそして40℃の強制空気乾燥棚(force
d air drying cupboard)内で乾
燥させた。
【0073】ステアリン酸銀分散液の製造 表1に示された量のタイプI及びタイプIIのステアリ
ン酸銀を表1に示された量の脱イオン水及び界面活性剤
Nr.1の10%溶液により最初ウルトラターラックス
(ULTRATURRAXTM)ミキサーで分散させて予
備分散液を得、次いでマイクロフルイディックス(MI
CROFLUIDICSTM)M−110Y高圧マイクロ
フルイダイザー(microfluidizer)によ
り350バールのジェット圧で分散させて、それぞれ1
1.5%及び11.3%の濃度を有する最終分散液を生
成させた。
【0074】
【表1】 色調調節剤(tone modifier)分散液の製
造 最初にK7598を加えることにより脱イオン水69g
中にK759811gを最初に溶解し、次いでこのゼラ
チンを30分間膨潤させ、最後に50℃に加熱すること
により色調調節剤分散液を製造した。20gのT01を
ウルトラターラックス(ULTRATURRAXTM)撹
拌を伴って50℃でこのゼラチン溶液に加え、撹拌を更
に5分間続けた。最後に得られる分散液をダイノミル
(DYNOMILLTM)を通して2時間ポンプで送り、
T01、20%及びゼラチン11%を含有する最終色調
調節剤分散液を生成させた。
【0075】感熱性要素 感熱性乳剤を下記の如くして製造した。K7598、
2.341gを脱イオン水により30分間膨潤させ(特
定の記録材料のためのサーモグラフィック乳剤の製造に
使用される量については表2参照)、そして得られるゲ
ルを36℃に加熱した。次いで下記の成分を撹拌しなが
ら加えた。即ち、36℃の色調調節剤分散液5.699
g、次いでラテックス(LATEX)01、8.120
g、続いて5分間撹拌、対応するステアリン酸銀分散液
(特定の記録材料のための感熱性乳剤に使用される量及
び該分散液中のステアリン酸銀の濃度については表2参
照)、続いて5分間撹拌、45℃のR01の10.95
%エタノール溶液12.35g及び最後にホルムアルデ
ヒドの3.7%水性溶液2.880g。
【0076】次いで感熱性分散液を175μmの下塗り
されたPET支持体にドクターブレードコーティング
し、50℃で10分間乾燥し、それにより比較実施例1
及び2の感熱性要素を製造した。
【0077】
【表2】 記録材料中のステアリン酸銀結晶化度の決定 比較実施例1及び2の記録材料中のステアリン酸銀の結
晶化度を下記のとおり決定した。
【0078】i)比較実施例1及び2の記録材料及びN
IST標準1976の30mm直径のサンプルをパンチ
を使用してより大きいシートから切り出し、 ii)次いで40keV及び30mAの電流で操作する
銅Kα1X線源を備え、サンプルホルダーにサンプルを
有するジーメンス(SIEMENS)D5000X線回
折計を使用してX線回折走査を行って、比較実施例1及
び2及びNIST標準1976のサンプルを、同じX線
回折計で正確に同じ調節状態で、2゜〜50゜のブラッ
グ角、2Θ間で1ステップ/秒の速度で0.05゜のス
テップで走査し、そしてデータをジーメンス・ディフラ
ック(SIEMENS DIFFRACTM)ATソフト
ウェヤを使用して処理して、バックグラウンド及び各X
線回折ピークの正確なピーク高さ(極大値)について補
正されたX線回折スペクトルを作成し、 iii)次いで、3.62゜、5.45゜、7.30
゜、9.04゜、10.97゜及び12.71゜のブラ
ッグ角、2Θにおけるステアリン酸銀に帰属されうるX
線回折線のピーク高さ(極大値)を加えることにより比
較実施例1及び2の記録材料についてKmaterial値を決
定し、 iv)25.6゜、35.16゜及び43.40゜のブ
ラッグ角、2ΘにおけるX線回折線のピーク高さ(極大
値)を加えることによりNIST標準1976について
1976値を決定し、 v)標準容量滴定法を使用して銀濃度が決定されている
銀含有サンプルを用いて銀について較正されている(c
alibrated)、60keV及び50mAの電流
で操作するクロムKαX線源を有するフイリップス(P
HILIPS)PW2400波長分散型X線蛍光分析装
置を使用して、比較実施例1及び2の記録材料のg/m
2で表した銀の重量、CAgを決定し、そして vi)比較実施例1及び2の記録材料中に存在するステ
アリン酸銀についての結晶化度値を式、Kmaterial
(K1976×√CAg)を使用して決定した。
【0079】比較実施例1及び2の記録材料中のステア
リン酸銀についての結晶化度値を表3に示す。
【0080】サーモグラフィック印刷 プリンタは300dpiの解像力を有する薄膜サーマル
ヘッドを備えておりそして19ミリ秒(ms)のライン
時間で操作された(ライン時間は1つのラインを印刷す
るために必要な時間である)。このライン時間中プリン
トヘッドは一定のパワーを受け取った。平均印刷パワー
は、1ライン時間中の電気的入力エネルギーの全量をラ
イン時間及び熱発生抵抗体の表面積で割ったものであっ
て、1.6mJ/ドットであり、そして比較実施例1及
び2のサーモグラフィック記録材料における最大光学濃
度を得るのに十分であった。
【0081】比較実施例1及び2の記録材料の印刷中、
プリントヘッドは、逐次下塗り層、耐熱性層及び滑り層
(摩擦防止層)でコーテイングされて6μmの全厚さを
有するリボンを与える、分離可能な5μm厚さのポリエ
チレンテレフタレートリボンの滑り層と接触した薄い中
間材料により像形成層(imaging layer)
から分離されていた。
【0082】表3に与えられた印刷物の最大濃度
max、及び最小濃度Dminはそれぞれ64及び0のデー
タレベルに対応するグレースケールステップにおいてマ
クベス(MACBETHTM)TR924濃度計により可
視フィルターを通して測定され、そして比較実施例1及
び2については表3に与えられる。
【0083】寿命試験 34%の相対湿度で57℃で暗所で3日間記録材料を加
熱した後サーモグラフィック印刷に関してマクベス T
R924を使用して可視フィルターを通して測定した最
小濃度及び最大濃度の観察された変化に基づいて、比較
実施例1及び2の記録材料の寿命を評価した。結果を表
3に示す。
【0084】永久保存性(archivabilit
y)試験 比較実施例1及び2の記録材料で作られた印刷物の永久
保存性を、34%の相対湿度(RH)で57℃で暗所で
3日間印刷物を加熱してマクベス TR924濃度計を
使用して可視フィルターを通して測定した最小濃度及び
最大濃度、Dmi n、Dmaxの変化に基づいて評価した。結
果を表3に示す。
【0085】
【表3】 比較実施例3 ヨーロッパ特許公開公報第754969号に従う先行技
術のステアリン酸銀の製造 75℃で2−プロパノール80mL及び脱イオン水28
5.5mLの混合物中でステアリン酸ナトリウム27.
0gを撹拌しながら溶解して7.19重量%溶液を得る
ことによりステアリン酸ナトリウム溶液を製造した。
【0086】ステアリン酸銀の合成を400mVの一定
のUAgで下記のようにして行った。二重壁反応器中の
71℃の蒸留水1000mL中のK17881、30g
の撹拌された溶液に、硝酸銀の2.94M水性溶液数滴
を加えて反応の出発時のUAgを400mVに調節し、
次いで75℃の温度の上記したステアリン酸ナトリウム
溶液340gを48mL/分の速度で反応器に計量供給
し、同時に硝酸銀の3.792重量%水性溶液を反応器
に計量供給し、その添加速度は反応器中の分散性媒体に
おいて400±5mVのUAgを維持するのに必要な硝
酸銀溶液の量により制御される。ステアリン酸ナトリウ
ム及び硝酸銀溶液の両方を分散性媒体の表面の直ぐ下に
位置した小さな直径のチューブを経由して分散性媒体に
加えた。添加工程の終わりまでに、ベヘン酸ナトリウム
0.080モル及び硝酸銀0.087モルが加えられ
た。次いで混合物を更に30分間撹拌した。得られるス
テアリン酸銀分散液はベヘン酸銀1.79重量%及びK
17881、1.72重量%を含有していた。
【0087】界面活性剤Nr.3、6%と共にステアリ
ン酸銀分散液100g当たり5gのK16353を加
え、得られる分散液を乾燥後0.98g/m2のステア
リン酸銀被覆量となるようにドクターブレードコーティ
ングした。得られる材料中のステアリン酸銀の結晶化度
は比較実施例1及び2について記載したようにして決定
して1.80であった。表4参照。
【0088】
【表4】 故に、ヨーロッパ特許公開公報第754969号の銀塩
製造方法は、本発明に従って決定して2.2m/g0.5
より低い結晶化度を有し、従って本発明の開示の外にあ
るステアリン酸銀を生成する。
【0089】本発明の実施例1〜3 シングルジェット法を使用する有機溶媒の不存在下にお
ける水性媒体中のステアリン酸銀分散液の製造 ステアリン酸銀タイプIII〜Vの水性分散液を下記の
ようにして製造した。
【0090】i)脱イオン水(量については表5参照)
及び界面活性剤Nr.1の10%溶液(量については表
5参照)の混合物中で所定の温度で(表5参照)撹拌し
ながらステアリン酸(量については表5参照)を分散さ
せて約4.2のpHを有する分散液を生成させ、 ii)次いで特定の時間(添加の時間については表5参
照)にわたり撹拌しながらステアリン酸分散液と同じ温
度で或る量の2M水性水酸化ナトリウム(量については
表5参照)を加え、それにより実質的にステアリン酸ナ
トリウムを含有する約9.2のpHを有する透明な溶液
を生成させ、 iii)次いで特定の量の水性1M硝酸銀溶液(水酸化
ナトリウムに関してモルでの同じ量)をステアリン酸分
散液と同じ温度で撹拌しながら特定の速度で(モル/モ
ルステアリン酸銀・分として与えられた速度について表
5参照)計量添加してステアリン酸ナトリウムを表5に
示されたようなpH及びUAgを有する分散液としてス
テアリン酸銀に完全に転換し、そして iv)500000MWポリスルホンカートリッジフィ
ルターで室温で限外ろ過して得られるステアリン酸銀分
散液を濃縮する(最終Ag−St濃度及びmS/cmで
表した残留伝導度(residual conduct
ivity)は表6に与えられている)。
【0091】クルター(Coulter)LS230回
折計により決定された容積平均粒度(volume a
verage particle size)も表6に
与えられている。
【0092】
【表5】
【0093】
【表6】 これらのステアリン酸銀の分散液は本発明の実施例1〜
3の記録材料の製造に直接使用された。
【0094】感熱性要素 本発明の実施例1〜3の記録材料の感熱性要素を、脱イ
オン水の量、ステアリン酸銀の種類、使用した分散液の
濃度及び量が下表7に示されたとおりであることを除い
ては比較実施例1及び2の記録材料の感熱性要素につい
て記載したようにして製造した。
【0095】
【表7】 比較実施例1及び2で記載した如くして決定された本発
明の実施例1〜3の記録材料中のステアリン酸銀の結晶
化度値は表8に示される。
【0096】サーモグラフィック評価 本発明の実施例1〜3の記録材料によるサーモグラフィ
ック印刷及びその評価を、比較実施例1及び2の記録材
料で記載した如くして行った。結果を表8に要約する。
【0097】
【表8】 これらの結果は、Dmin安定性を維持しながらDmaxの増
加の減少により示されたとおり、比較実施例1及び2の
先行技術の記録材料と比べて本発明の実施例1〜3の記
録材料の寿命及びそれにより作られた印刷物の永久保存
性の相当な改良を示す。本発明の実施例1〜3の記録材
料は、増加した結晶化度を有するステアリン酸銀を含む
という点で比較実施例1及び2の記録材料とは異なるだ
けである。これは記録材料の安定性に対する増加したス
テアリン酸銀結晶化度の有利な効果を証明する。
【0098】比較実施例4及び本発明の実施例4 比較実施例4及び本発明実施例4のフォトサーモグラフ
ィック記録材料を、それぞれ比較実施例2及び本発明実
施例2で記載した如くしてそれぞれ製造されたタイプI
I及びタイプIVのステアリン酸銀の水性分散液を使用
して製造した。
【0099】フォトアドレッサブル(photo−ad
dressable)な熱現像可能な要素 フォトアドレッサブルな熱現像可能な要素を下記の如く
して製造した。K7598、2.1gを脱イオン水8.
4gに30分間膨潤させ、得られるゲルを36℃に加熱
し、次いで撹拌しながら下記の成分を加えた。AgBr
0.970.03の水性ゼラチン含有乳剤2.5g(ゼラチン
6重量%及びAgBr0.970.0313.36重量%)、
ステアリン酸銀分散液(量及び濃度については表9参
照)、硝酸1.25gの添加により分散液のpHを5.
20に調節すること、トリメチルフェニルアンモニウム
ブロミドパーブロミドの5.26%メタノール溶液2.
240g、ラテックス01の21.4%水性分散液9.
804g、トリブロモメチルフェニルスルホン18.6
8%、K7598、9.3%及び界面活性剤Nr.1、
0.93%を含有する水性溶液1.606g、及び最後
にローイノックス(LOWINOXTM)17.82%、
界面活性剤Nr2、1.98%及びフタラジン4.95
%の分散液12.22g。次いで得られる分散液を17
5μmの下塗りされたPET支持体にドクターブレード
コーティングし、50℃で10分間乾燥して、約5.7
g/m2のステアリン酸銀コーティング重量を有する比
較実施例4及び本発明実施例4のフォトサーモグラフィ
ック記録材料のフォトアドレッサブルな熱現像可能な要
素を製造した。次いでこれらのフォトアドレッサブルな
熱現像可能な要素を、K7598、6.67%、4−メ
チルフタル酸0.44%及びパーフルオロオクタン酸の
アンモニウム塩4.44%から成る水性溶液45gによ
り50μmのドクターブレードを使用してオーバーコー
ティングして、10分間50℃で乾燥した後、比較実施
例4及び本発明実施例4のフォトサーモグラフィック記
録材料を製造した。
【0100】
【表9】 比較実施例1及び2で記載した如くして決定された比較
実施例4及び本発明実施例4のフォトサーモグラフィッ
ク記録材料中に存在するステアリン酸銀についての結晶
化度値を表10に示す。
【0101】フォトサーモグラフィック評価 次いで、比較実施例4及び本発明実施例4のフォトサー
モグラフィック記録材料をアグファ−ゲバエルト(AG
FA−GEVAERTTM)DL1000露光装置におい
て該材料と接触している試験原型(test orig
inal)を通して紫外線に露光させ、続いて表10に
示された時間及び温度で加熱された金属ブロック上で加
熱して良好な像を生成させた。新しい印刷物の最大濃度
max、及び最小濃度Dminは、それぞれ64及び0のデ
ータレベルに対応するグレースケールステップでマクベ
ス TD905濃度計を使用して紫外線フィルターを通
して及び可視フィルターを通して測定され、そしてそれ
ぞれ表10にフォトサーモグラフィック記録材料比較実
施例4及び本発明実施例4について示される。
【0102】寿命試験 比較実施例4及び本発明実施例4の記録材料の寿命を、
暗所で35℃で80%の相対湿度で3日間該記録材料を
加熱した後、サーモグラフィック印刷してマクベス T
D905濃度計を使用して紫外線フィルター及び可視フ
ィルターを通して測定した最小濃度及び最大濃度の変化
に基づいて評価した。結果をそれぞれ表10及び11に
示す。
【0103】ライトボックス試験 室内照明(room lighting)に対する比較
実施例4及び本発明実施例4のフォトサーモグラフィッ
ク記録材料の未処理シートの安定性を、30℃及び85
%の相対湿度(RH)に調節されたボッチュ状態調節棚
(Votschconditioning cupbo
ard)中に3日間置かれた特殊な構造のライトボック
スの白色PVC窓の頂部で露光してマクベス TD90
5濃度計を使用して紫外線フィルターを通して測定した
濃度の変化に基づいて評価した。550mm長さ×50
0mm幅の窓の中心区域のみを、試験材料を取り付ける
ために使用して均一な露光を確実にした。
【0104】使用したステンレス鋼製ライトボックス
は、650mm高さ×600mm幅×120mm高さで
あり、610mm長さ×560mm幅の開口を有し、開
口のまわりに10mm幅×5mm深さのリムを有し、そ
れにより630mm長さ×580mm幅の白色PVCの
5mm厚さのプレートのためのプラットホームを形成
し、白色PVCプレートをライトボックスの頂部と同じ
高さにしそして該白色PVCプレートを通して以外のラ
イトボックスからの光の損失を防止した。このライトボ
ックスは、2つの側面から等距離の所に長さ方向に取り
付けられた直径27mmの9個のプラニルックス(Pl
aniluxTM)TLD36W/54蛍光ランプを備え
ており、ランプはライトボックスの全幅にわたって互い
に等距離に及び該側面に対して等距離に配置され、蛍光
管の頂部は白色PVCプラニルックスの底部より30m
m下にあり、試験される材料より35mm下にある。結
果を表10及び11に要約する。
【0105】表10及び11の結果は、紫外線フィルタ
ーを通して及び可視フィルターを通して測定された、D
min安定性を維持しながらDmaxの減少した増加により証
明されるとおり、先行技術のステアリン酸銀を使用する
比較実施例4のフォトサーモグラフィック記録材料と比
べて本発明実施例4のフォトサーモグラフィック記録材
料の寿命安定性の相当な改良を示す。表10の結果は、
紫外線フィルターを通して測定された濃度の減少した増
加により示されたとおり、先行技術のステアリン酸銀を
使用する比較実施例4のフォトサーモグラフィック記録
材料と比べて室内照明に対する本発明実施例4のフォト
サーモグラフィック記録材料の増加した安定性も示す。
紫外線フィルターを通して測定された光学濃度は紫外線
を使用する複写の目的に対するフォトサーモグラフィッ
ク材料の使用に適している。本発明実施例4のフォトサ
ーモグラフィック記録材料は、増加した結晶化度を有す
るステアリン酸銀を含有しているという点で比較実施例
4のそれと異なるだけである。これは、フォトサーモグ
ラフィック記録材料の安定性に対する増加したステアリ
ン酸銀結晶化度の有利な効果を証明する。
【0106】
【表10】
【0107】
【表11】 本発明の好ましい態様を詳細に述べてきたが、特許請求
の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく
多数の修正がなされうることは当業者には明らかであろ
う。
【0108】本発明の主なる特徴及び態様は以下のとお
りである。
【0109】1.支持体と、ステアリン酸銀、該ステア
リン酸銀と熱作用関係にある該ステアリン酸銀のための
有機還元剤及び結合剤を含んで成る感熱性要素を具備す
る記録材料であって、該ステアリン酸銀は水銀及び/又
は鉛イオンと連合しておらず、そして該記録材料が銅K
α1X線源で照射されるとき、X線回折計のサンプルホ
ルダーに適合するように切断された該記録材料のサンプ
ル及びNIST標準1976、菱面体Al23、のサン
プルについて同じ調節状態で同じX線回折計を用いて決
定された、3.62゜、5.45゜、7.30゜、9.
04゜、10.97゜及び12.71゜のブラッグ角、
2Θにおけるステアリン酸銀に帰属されうるX線回折線
のピーク高さの和対NIST標準1976、菱面体Al
23、の25.60゜、35.16゜及び43.40゜
のブラッグ角、2ΘにおけるX線回折線のピーク高さの
和の比をg/m2で表された該記録材料中の銀の量の平
方根で割ったものが2.2m/g0.5より大きいことを
特徴とする記録材料。
【0110】2.該感熱性要素が更に、該ステアリン酸
銀の還元を触媒することができる種を露光により形成す
ることができる感光性種を含んで成る上記1に記載の方
法。
【0111】3.(i)ステアリン酸を含有する1種も
しくはそれ以上の有機酸とアニオン性界面活性剤の水性
分散液を製造し、(ii)該有機酸を水性アルカリで実質
的に中和し、それによりステアリン酸塩を含有する有機
酸塩を形成し、(iii)銀塩の水性溶液を加えて該有機
酸塩をステアリン酸銀を含有するそれらの銀塩に完全に
転換する工程を含んで成る、実質的に溶媒を含まない水
性媒体中のステアリン酸銀を含有する実質的に非感光性
の有機銀塩の粒子の分散液を製造する方法であって、該
アニオン性界面活性剤が有機酸に対する0.15より大
きいモル比で存在し、そして該銀塩を0.025モル/
モル有機銀塩(1種又は複数種)・分と2.25モル/
モル有機銀塩(1種又は複数種)・分との間の速度で有
機銀塩(1種又は複数種)を生成するようにして加える
ことを特徴とする方法。
【0112】4.上記3に従って製造することができる
ステアリン酸銀を含有する実質的に非感光性の有機銀塩
の粒子。
【0113】5.(i)上記1に従う記録材料の最外層
を熱源と近接させ、(ii)該熱源への近接を保ちなが
ら該記録材料に該熱源から像通りに熱を加えて像を生成
させ、そして(iii)該記録材料を該熱源から除去す
る工程を含んで成る記録方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 イバン・ジリアムス ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 デイルク・ボレン ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 イバン・ホークマルテンス ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内 (72)発明者 アンドレ・ベレンス ベルギー・ビー2640モルトセル・セプテス トラート27・アグフア−ゲヴエルト・ナー ムローゼ・フエンノートシヤツプ内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体と、ステアリン酸銀、該ステアリ
    ン酸銀と熱作用関係にある該ステアリン酸銀のための有
    機還元剤及び結合剤を含んで成る感熱性要素を具備する
    記録材料であって、該ステアリン酸銀は水銀及び/又は
    鉛イオンと連合しておらず、そして該記録材料が銅Kα
    1X線源で照射されるとき、X線回折計のサンプルホル
    ダーに適合するように切断された該記録材料のサンプル
    及びNIST標準1976、菱面体Al23、のサンプ
    ルについて同じ調節状態で同じX線回折計を用いて決定
    された、3.62゜、5.45゜、7.30゜、9.0
    4゜、10.97゜及び12.71゜のブラッグ角、2
    Θにおけるステアリン酸銀に帰属されうるX線回折線の
    ピーク高さの和対NIST標準1976、菱面体Al2
    3、の25.60゜、35.16゜及び43.40゜
    のブラッグ角、2ΘにおけるX線回折線のピーク高さの
    和の比をg/m2で表された該記録材料中の銀の量の平
    方根で割ったものが2.2m/g0.5より大きいことを
    特徴とする記録材料。
  2. 【請求項2】 (i)ステアリン酸を含有する1種もし
    くはそれ以上の有機酸とアニオン性界面活性剤の水性分
    散液を製造し、(ii)該有機酸を水性アルカリで実質的
    に中和し、それによりステアリン酸塩を含有する有機酸
    塩を形成し、(iii)銀塩の水性溶液を加えて該有機酸
    塩をステアリン酸銀を含有するそれらの銀塩に完全に転
    換する工程を含んで成る、実質的に溶媒を含まない水性
    媒体中のステアリン酸銀を含有する実質的に非感光性の
    有機銀塩の粒子の分散液を製造する方法であって、該ア
    ニオン性界面活性剤が有機酸に対する0.15より大き
    いモル比で存在し、そして該銀塩を0.025モル/モ
    ル有機銀塩(1種又は複数種)・分と2.25モル/モ
    ル有機銀塩(1種又は複数種)・分との間の速度で有機
    銀塩(1種又は複数種)を生成するようにして加えるこ
    とを特徴とする方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の方法に従って製造しう
    る、ステアリン酸銀を含有する実質的に非感光性の有機
    銀塩の粒子。
  4. 【請求項4】 (i)請求項1に従う記録材料の最外層
    を熱源と近接させ、(ii)該熱源への近接を保ちなが
    ら該記録材料に該熱源から像通りに熱を加えて像を生成
    させ、そして(iii)該記録材料を該熱源から除去す
    る工程を含んで成る記録方法。
JP11159351A 1998-06-06 1999-06-07 熱現像により改良された永久保存性を有する印刷物を生成させる改良された寿命を有する記録材料 Pending JP2000062325A (ja)

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