JP2000061871A - ロボット軌道における特異姿勢候補探索方法およびロボット軌道の精度評価方法 - Google Patents

ロボット軌道における特異姿勢候補探索方法およびロボット軌道の精度評価方法

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JP2000061871A
JP2000061871A JP23337098A JP23337098A JP2000061871A JP 2000061871 A JP2000061871 A JP 2000061871A JP 23337098 A JP23337098 A JP 23337098A JP 23337098 A JP23337098 A JP 23337098A JP 2000061871 A JP2000061871 A JP 2000061871A
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robot trajectory
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Kunio Miyawaki
国男 宮脇
Yasuhiro Teika
康浩 定家
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Hitachi Zosen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】オフラインで生成されたロボット軌道の精度を
ヤコビ行列を使用することなく、短時間で評価し得る精
度評価方法を提供する。 【解決手段】ロボットアームの手首部先端に取り付けら
れたツールを所定方向に移動させる際に、手首部に対し
てツール姿勢が変化する際の関節型ロボットにおけるロ
ボット軌道の精度評価方法であって、ツール姿勢がロボ
ットアームを含む平面πと一致する場合を特異姿勢を取
る候補であると判断するとともに、この特異姿勢候補に
おけるロボット軌道Pct上のツール先端位置Ppと、
平面πでのロボットにおける特異点軌跡S12との最短
距離hを求め、この最短距離hが許容値内であるか否か
により、ロボット軌道の精度を評価する方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ロボット軌道にお
ける特異姿勢探索方法およびロボット軌道の精度評価方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、各種の量産品の製造工程において
ロボットが広く実用化されているが、船舶、橋梁などの
大型構造物においても、ロボットの実用化が図られてい
る。
【0003】例えば、溶接作業の多くは、溶接ロボット
により行われているが、溶接に比べて、経済効果が充分
に発揮されない塗装作業においても、熟練を要する作業
者の確保等の問題から、やはりロボット化が望まれてい
る。
【0004】一般に、塗装ロボットは、自動車産業で多
く使用されるとともに、その運転データ(NCデータ)
は、手作業によるティーチングにより得られていた。と
ころで、ロボットへの手作業によるティーチングは、自
動車などのように、塗装範囲が狭くかつロボットの動き
も複雑でない場合には、比較的容易に行うことができる
が、大型構造物の場合には、塗装面積も広くかつ塗装面
に多数の補剛部材が突出しており、手作業によりティー
チングするのは、手間と時間を要するという問題があ
る。
【0005】このため、オフラインでのプログラミング
により、ロボットの運転データを作成する必要がある。
オフラインにより、ロボットの運転データを作成する場
合、塗装対象物の構造データ、塗装条件データ、および
塗装施工法データをライブラリから読み込み、これら各
データに基づき、ロボットの運転データ、すなわちロボ
ット軌道が生成されていた。
【0006】そして、オフラインにより生成されたロボ
ット軌道については、安定した塗装作業または必要な作
業スキルの発揮のために、軌道精度の確保が不可欠とな
る。すなわち、ロボット軌道が、作業精度が劣化する特
異点近傍を通過しているか否かをチェックする必要があ
るが、従来、チェック方法としては、ヤコビ行列による
ものがある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このヤコビ
行列による場合、軌道上の各姿勢での関節角を知る必要
があり、このため、ロボット軌道の各点に対する逆運動
学を解いた上で、ヤコビ行列を用いる必要がある。した
がって、計算時間に多大な時間を要するという問題があ
り、特に塗装対象物が大型構造物である場合には、その
計算量が莫大なものになるという問題が発生する。
【0008】そこで、本発明は、オフラインで生成され
たロボット軌道をヤコビ行列を使用することなく、特異
姿勢候補を簡便に探索し得る探索方法、および短時間で
行い得るロボット軌道の精度評価方法を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明のロボット軌道における特異姿勢候補探索方
法は、ロボットアームの手首部先端に取り付けられたツ
ールを所定方向に移動させる際に、手首部に対してツー
ル姿勢が変化する際の関節型ロボットにおける特異姿勢
探索方法であって、ツール姿勢がロボットアームを含む
平面と一致する場合を特異姿勢を取る候補であると判断
する方法である。
【0010】上記特異姿勢候補探索方法によると、ツー
ル姿勢がロボットアームを含む平面と一致する場合を特
異姿勢を取る候補であると判断するようにしたので、ツ
ール姿勢がその移動方向において変化する場合でも、特
異姿勢を取る可能性のあるツール姿勢を、ヤコビ行列を
用いることなく、簡単に求めることができる。
【0011】また、本発明のロボット軌道の精度評価方
法は、ロボットアームの手首部先端に取り付けられたツ
ールを所定方向に移動させる際に、手首部に対してツー
ル姿勢が変化する際の関節型ロボットにおけるロボット
軌道の精度評価方法であって、ツール姿勢がロボットア
ームを含む平面と一致する場合を特異姿勢を取る候補で
あると判断するとともに、この特異姿勢候補におけるツ
ール先端位置と、上記平面でのロボットにおける特異点
軌跡との最短距離を求め、この最短距離が許容値内であ
るか否かにより、ロボット軌道の精度を評価する方法で
ある。
【0012】上記精度評価方法によると、作業を行う際
のロボットにおける特異点軌跡とロボット軌道との最短
距離を求め、この最短距離と許容値とを比較することに
より軌道精度の評価を下すようにしたので、ヤコビ行列
を用いる場合のような複雑かつ莫大な計算を必要とせ
ず、したがって、非常に、容易かつ迅速に、ロボット軌
道が適正かどうかの判断をすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態のロボ
ット軌道における特異姿勢候補探索方法およびロボット
軌道の精度評価方法を、図1〜図13に基づき説明す
る。
【0014】本実施の形態においては、多関節型(ピュ
ーマ型)の塗装ロボットを使用するとともに、塗装対象
物(作業対象物の一例である)として、例えば水平方向
および鉛直方向の部材により組み立てられた箱型形状の
船殻ブロックを塗装する場合について説明する。
【0015】図1に示すように、上記船殻ブロック1
は、船体外板2の内面に補剛部材として、ビーム材3が
取り付けられるとともに、船体外板2に直交するように
隔壁材4などが取り付けられたものである。
【0016】また、図2に示すように、上記多関節型の
塗装ロボット(以下、ロボットという)11は、例えば
基台部12と、基台部12の先端部に連結された上腕部
13と、この上腕部13の先端部に連結された前腕部1
4とを有しており、前腕部14の先端部に手首部15が
設けられるとともに、この手首部15にツールである塗
装ガン(以下、ツールという)16が取り付けられてい
る。
【0017】ところで、上記ロボット11により、図1
に示すような船殻ブロック1の塗装を行う場合、ロボッ
トアームの前碗部14先端の手首部15に固定された塗
装ガン16の姿勢が、一定である場合と、塗装方向にお
いて、変化する場合とがあるが、本実施の形態において
は、塗装方向で変化する場合を含むロボット軌道につい
て説明する。
【0018】例えば、図3に示すように、ロボット11
により、船殻ブロック1の鉛直面を水平方向(矢印イ方
向)に塗装する際、前腕部14先端の手首部15に固定
されたツール16の姿勢は、両端のコーナ部付近で変化
させる必要が生じる。中央部では、塗装面に対して垂直
な一定姿勢が維持される。
【0019】このような船殻ブロック(以下、ワークと
いう)1の表面を、ロボットにて、自動的に塗装させる
場合、まず手首部15にツール16が取り付けられたロ
ボットの軌道が、すなわち運転データが運転データ生成
システム(コンピュータシステム)にて求められる。
【0020】例えば、軌道生成システムにおいて、CA
Dデータからワークの構造データが読み込まれて認識さ
れるとともに、塗装ライブラリイから塗装条件データお
よび作業ライブラリイから塗装施工法データが読み込ま
れ、これら各データに基づき、ロボット軌道すなわちツ
ールの移動速度、ツール姿勢、ツール先端軌跡などが求
められ、そして所定のチェック(後述する)が行われた
後、オフラインにてNCデータが生成される。
【0021】具体的に説明すると、軌道の生成に際して
データ生成システムに与えられる情報は、ロボットが設
置されている基準座標におけるワークの構造データおよ
びロボットの諸元である。すなわち、CADからの情報
によりワーク構造が数値認識されると、ロボットの諸元
の一つである動作範囲を基に、ロボットの原点位置が決
定され、そして認識したワーク構造並びに決定されたロ
ボットの原点位置およびツール姿勢にしたがって、ワー
クの各部に対応する塗装パスおよび移動パスがロボット
軌道として生成される。
【0022】次に、この生成されたロボット軌道が適正
か否かのチェック、すなわち特異点または特異点近傍を
通過することによる、動作精度の劣化の有無がチェック
される。
【0023】本実施の形態では、特に、塗装方向でのツ
ール姿勢が変化する場合の特異姿勢の探索方法について
説明する。まず、図4に基づき、塗布面に対するツール
姿勢について説明する。
【0024】塗布面に対するツール姿勢は、ツール先端
位置TCP(Tool Center Point)から塗布面狙い位
置SCP(Spray Center Point)へ向かう方向を持つ
ツール軸ベクトルと、塗装パターンの傾きを表わすツー
ル軸回りの回転とで決定される。塗布面に対するツール
軸(ベクトルa)の姿勢は、標準的なツール姿勢である
塗布面狙い位置SCPへの法線方向ベクトルからの2自
由度の傾きで表わすことができる。前後進角ΨAは塗布
方向への傾きで、塗布面に対して直角姿勢から±45°
程度以内であれば塗装品質上、問題がない。スプレー角
ΨBは塗布方向に垂直な方向への傾きで、通常はできる
だけ均一な膜厚を得るために直角の姿勢が原則である
が、コーナー近辺の塗装では傾きが必要とされることも
ある。パターン角ΨCはツール軸回りの回転角で、塗装
パターンの姿勢を一定に保つために必要とされる。これ
らの角度で表現される塗布面に対するツール姿勢は、オ
イラー角によって表現される作業座標でのツール姿勢に
よって定めることができる。
【0025】次に、水平方向に移動しながら鉛直面を塗
装する場合の特異姿勢の探索方法、より正確には、特異
姿勢候補の探索方法について説明する。簡単に言えば、
手首部、前腕部および上腕部を含むロボットアームによ
り形成される平面内に、ツール軸が含まれるか否かで判
断する。但し、上記平面内に含まれるツール姿勢全てが
特異姿勢ではなく、例えば手首部または前腕部が折曲し
ている場合には、特異姿勢ではない。すなわち、この探
索方法は、少なくとも特異姿勢であれば、上記平面内に
存在することを利用したもので、正確に言えば、特異姿
勢となり得る候補を探索するものである。
【0026】ツール姿勢が変化する軌道の場合、ツール
姿勢を示す式は、始点でのツール姿勢と終点でのツール
姿勢の間で等分に姿勢を変化させる線形補間法にて表わ
すことができる。
【0027】すなわち、塗布面狙い位置(PSCP)とツ
ール軸のベクトル*a[記号*は、その後に記載された
文字がベクトルであることを示し(以下、同じ)、また
以下に示す式中において、ベクトルは太字で示す]と
は、無次元化された共通のパラメータt(0≦t≦1)
と共に変化し、塗布面狙い位置(PSCP)は下記に示す
(1)式で、また*aは下記の(2)式で表わされる。
(2)式におけるRω(ΔΨ)は、図5に示すよう
に、始終端でのツール軸の*acと*atに垂直な単位ベ
クトル*ωの回りにΔΨだけ回転させる回転変換行列で
ある。ΔΨは*aCと*aの成す角度であり、この場
合、始終点でのツール前後進角ΨA cとΨA tの差および上
記パラメータtにより表わされる。なお、*acと*at
は、ツール姿勢を指定するオイラー角(α,β,γ)に
より定められる。(1)式および(2)式が、ツール姿
勢が変化する場合のロボット軌道の基礎式となる。
【0028】
【数1】
【0029】次に、ツールが特異姿勢をとるための一般
的な条件を求めると、下記のようになる。図6に示すよ
うに、前腕部方向とツール軸方向とが一致するロボット
姿勢が、特異姿勢、正確には手首特異姿勢である。した
がって、ツール軸が上腕部および前腕部とz軸の成す平
面(以後、アーム面と呼びπで表わす)内に在れば、そ
の時のロボット姿勢は特異姿勢である可能性(候補であ
る)を有している。言い換えると、ツール軸がアーム面
内にあることが特異姿勢であるための必要条件となる。
【0030】したがって、ツール姿勢が変化するロボッ
ト軌道の精度評価を行う場合、最初に、必要条件を満た
す塗布面狙い位置(以下、SCPともいう)とツール軸
姿勢およびアーム面を求める。
【0031】以下、特異姿勢候補探索方法について説明
する。ところで、アーム面はロボット設置面であるx0
−y0面に鉛直な面であるから、軌道とツール軸のx0
0面への射影をとることによって、上記アーム面とツ
ール軸との一致問題が空間図形から平面図形の問題に還
元される。
【0032】すなわち、図7に示すように、SCPの位
置ベクトルの射影*PSCP′とツール軸ベクトルの射影
*a′とが同じ直線上に来ることが必要条件となる。な
お、これ以降、右肩のスラッシュ記号(′)は、x0
0面への射影を表わす。このように、x0−y0面への
射影で考えると、*PSCP′と*a′とが、下記(3)
式を満たすことが特異姿勢のための一般的な必要条件と
なる。(3)式中、kは実数である。
【0033】
【数2】
【0034】上記(3)式はパラメータtについての式
となっており、これを満たすtが特定できるならば、そ
の点は特異姿勢の必要条件を満たしている。また、あら
ゆるtに対して(3)式が成り立つならば、必要条件を
満たす点を特定することはできないが、その軌道は特異
点を通る可能性を持っていると言える。この場合には、
軌道全域にわたって特異点の近傍を通るかどうかを探索
する必要がある。
【0035】上記(3)式は数値計算によって解くこと
ができるが、*a′の計算が複雑である。そこで、鋼構
造塗装でのワーク構造の特徴を利用することによって、
必要条件式を簡便化して考える。
【0036】すなわち、鋼構造塗装パスは、図1に示す
ように、ロボットの基準座標でもある作業座標に概ね平
行であり、上述したように、ツール姿勢の変化は前後進
角だけで許される。また、ワーク面は、左右・正面の壁
やそこに付く縦板などの垂直面と、天井やロンジフェー
ス面のような水平面に分けられる。
【0037】そして、塗装パスの方向は垂直面内では水
平方向と垂直方向に分けられ、水平面内では水平方向だ
けである。つまり、塗装パスは、塗布するワーク面の種
類とパスの方向の組み合せによって、3種類に分類され
る。以上に述べた塗装パスの特徴と分類を利用し、ロボ
ット軌道とツール軸に対する射影面での図形的性質によ
って、特異姿勢をとるための必要条件を求めると下記の
ようになる。 (A)垂直面での水平方向塗装パス(図1の塗装パス#
1にて示す)の場合 図8は、塗装パスの様子と、軌道およびツール軸のx0
−y0面への射影を示したものである。
【0038】特異姿勢の必要条件は一般に上記(3)式
で表わされる。ここで、パラメータtに対する射影*P
SCP′は容易に求まるが、*a′は容易には求まらな
い。そこで、鋼構造での塗装パスの特徴を利用して、軌
道射影つまり座標軸に対する*a′の傾き角が1次補間
によって近似すると、下記の(4)式にて表わされる。
【0039】
【数3】
【0040】ここで、始終点での傾き角ΨA cとΨA tは、
*acと*atおよび軌道方向により定めることができ
る。図9に示す射影図より、*PSCP′と*a′の各直
線勾配が等しいことが、基本式である(3)式に従った
必要条件である。したがって、(4)式で表わされる*
a′の傾き角φを利用し、必要条件式は下記(5)式で
表わされる。
【0041】
【数4】
【0042】(5)式はパラメータtについての方程式
であり、これを解くことによって、必要条件を満たすア
ーム面πとSCP位置およびツール軸姿勢*a′を求め
ることができる。 (B)垂直面での垂直方向塗装パス(図1の塗装パス#
2にて示す)の場合 塗装パスの軌道方向はほぼz方向であるから、その射影
は点または極めて短い長さの線分となる。一方、ツール
軸の射影は適当な長さを持つが、ツール前後進角はほぼ
z方向に沿って変化するので、射影面上での傾きの変化
は殆どない。
【0043】図10は、塗装パスの様子と、軌道および
ツール軸のx0−y0面への射影を示したものである。図
10に示すように、射影面であるx0−y0面において、
*PSCP′と*a′の軌道に沿った変化は極めて少な
く、始終点での各射影ベクトルの平均をもって一定とみ
なしてよい。射影の平均ベクトル(式中および図面中で
は、「−」(バー)を頭に付けて表わす)をx0−y0
に描いたものが図11である。
【0044】この場合でも、平均ベクトルである*P
SCP′と*a′の勾配が等しいことが必要条件となる
が、ツール軸の平均ベクトルである*a′の勾配はスプ
レー角Ψ Bで近似できるので、下記(6)式が必要条件
となる。
【0045】
【数5】
【0046】(C)水平面での塗装パス(図1の塗装パ
ス#3にて示す)の場合 このパスでの軌道およびツール軸のx0−y0面への射影
は、スプレー角を持つ場合と、標準的なツール直角姿勢
つまりスプレー角が0度の場合とで異なる。スプレー角
を持つ場合は、(A)の項で述べた垂直面での水平方向
塗装と同一の必要条件となる。したがって、必要条件式
は上記の(4)式および(5)式である。スプレー角が
0度若しくは小さい場合には、図12に示すように、ツ
ール軸の射影がほぼ軌道射影上にくる。
【0047】この場合の必要条件はツール前後進角が0
度となることで、その時、ツール軸の射影*a′の長さ
が0となる。つまり、必要条件式は下記(7)式とな
る。
【0048】
【数6】
【0049】ところで、上述したように、必要条件を満
たすロボット姿勢が見出されたとしても、必ずしもその
位置または軌道が特異点を通過するとは限らない。この
ため、次の段階として、必要条件を満たす軌道について
精度の可否を判定する必要があり、軌道精度の判定につ
いては、水平方向塗装パスと垂直方向塗装パスで判定の
手順が異なる。 (D)水平方向塗装パスでの評価 水平方向塗装パスでは、必要条件式が軌道パラメータt
についての方程式となっている。よって、これを解くこ
とにより、特異姿勢となる可能性のある軌道上のロボッ
ト姿勢、つまりSCPとツール姿勢およびアーム面を特
定できる。なお、0≦T≦1の範囲内に解が存在しない
軌道には、特異姿勢が存在しないということである。
【0050】必要条件を満たすロボット姿勢が特定でき
れば、その姿勢が特異姿勢となるか否かが分かる。しか
し、目的はその軌道が精度を満足するものであるかどう
かであるが、このツール姿勢に対応する特異点軌跡と軌
道との最小距離を用いて軌道精度の可否、すなわちを精
度の評価を行うのが適している。
【0051】なぜなら、本発明者等の実験により、軌道
精度は特異点からの距離に依存している(具体的には、
塗布面狙い位置の誤差は、特異点からの距離に反比例し
ており、例えば塗布面狙い位置誤差の許容値が30mm
であるとすると、軌道は特異点から10mm程度離れて
いる必要がある)ことが明らかになったことから、軌道
精度を保持するためには、特異点を中心とする許容値r
を半径とする領域を設けて特異領域となし、評価対象で
あるロボット軌道がこの特異領域を通るか否かで、軌道
精度を評価するのが適切である。なお、上記許容値r
は、実際の作業に基づき決定するのが好ましく、具体的
には、塗装作業で指定された移動速度に比例する値であ
る。
【0052】まず、手首特異点の軌跡を求める方法につ
いて説明する。この手首特異点軌跡は、図6に示すよう
に、前腕部の方向をツール軸方向の*aと平行に保ちつ
つ第二関節軸(θ2)を可動範囲内で動かしたときに、
ツール先端(TCP)の描く軌跡であって、上腕部の長
さL1を半径とする円弧S12である。この円弧は、*
aによって決まる平面π上にある。なお、円弧をとる特
異点集合の範囲S12は、上腕部および前腕部の各関節
角の範囲と指定されたツール軸方向の*aにより決定さ
れる。
【0053】次に、精度評価方法について説明する。す
なわち、図13に示すように、アーム面πとロボット軌
道Pctとの交点P pを求め、この交点Ppと、特異点軌
跡S12上の点Spとの最短距離hを求める。 この最
短距離hは、三平方の定理から簡単に求めることができ
る。
【0054】この最短距離hと特異領域の定義に用いた
許容値rとを比較して、最短距離hが許容値rを超えて
いる場合には、軌道精度に問題がないと判断する。も
し、最短距離hが許容値rより小さい場合には、塗装作
業の精度が劣化することが分かるため、ロボット軌道の
修正が行われることになる。 (E)垂直方向塗装パスでの評価 垂直方向塗装パスでは、上記(6)式に示すように、必
要条件式に軌道パラメータtは含まれない。つまり、
(6)式によって、その軌道もしくは近傍に特異点が存
在する可能性があることは分かるが、必要条件として特
定できるのはアーム面πだけで、ロボット軌道上のSC
Pとツール姿勢とを特定することはできない。したがっ
て、特定できたアーム面での軌道上の各点に対して、上
記(D)項にて説明した精度評価方法が使用されて、ロ
ボット軌道の可否が判定される。
【0055】上述したように、ツール姿勢がロボットア
ームを含む平面と一致する場合を特異姿勢を取る候補で
あると判断するようにしたので、ツール姿勢がその移動
方向において変化する場合でも、特異姿勢を取る可能性
のあるツール姿勢を、ヤコビ行列を用いることなく、簡
単に求めることができ、また塗装作業を行う際のロボッ
トにおける特異点軌跡とロボット軌道との最短距離を求
め、この最短距離と許容値とを比較することによりロボ
ット軌道の精度評価を行うようにしたので、ヤコビ行列
を用いる場合のような複雑かつ莫大な計算を必要とせ
ず、したがって、非常に、容易かつ迅速に、ロボット軌
道が適正かどうかの判断をすることができる。
【0056】
【発明の効果】以上のように本発明のロボット軌道にお
ける特異姿勢候補探索方法によると、ツール姿勢がロボ
ットアームを含む平面と一致する場合を特異姿勢を取る
候補であると判断するようにしたので、ツール姿勢がそ
の移動方向において変化する場合でも、特異姿勢を取る
可能性のあるツール姿勢を、ヤコビ行列を用いることな
く、簡単に求めることができる。
【0057】また、本発明のロボット軌道の精度評価方
法によると、作業を行う際のロボットにおける特異点軌
跡とロボット軌道との最短距離を求め、この最短距離と
許容値とを比較することにより軌道精度の評価を下すよ
うにしたので、ヤコビ行列を用いる場合のような複雑か
つ莫大な計算を必要とせず、したがって、非常に、容易
かつ迅速に、ロボット軌道が適正かどうかの判断をする
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における塗装対象物の要部
斜視図である。
【図2】同実施の形態におけるロボットの特異姿勢を示
す模式図である。
【図3】同実施の形態における鉛直面の水平塗装を行う
場合のツール姿勢を示す平面図である。
【図4】同実施の形態におけるロボットのツールの姿勢
角度を説明する斜視図である。
【図5】同実施の形態におけるロボットのツールの姿勢
を説明するベクトル図である。
【図6】同実施の形態におけるロボットの手首特異点軌
跡を説明する模式図である。
【図7】同実施の形態におけるツール姿勢の特異姿勢を
求める手順を説明する図である。
【図8】同実施の形態の鉛直面水平塗装におけるツール
姿勢を説明する斜視図である。
【図9】同実施の形態の鉛直面水平塗装におけるツール
姿勢の射影図である。
【図10】同実施の形態の鉛直面垂直塗装におけるツー
ル姿勢を説明する斜視図である。
【図11】同実施の形態の鉛直面垂直塗装におけるツー
ル姿勢の射影図である。
【図12】同実施の形態の水平面塗装におけるツール姿
勢を説明する斜視図である。
【図13】同実施の形態における水平方向作業でのロボ
ット軌道と特異点軌跡との最短距離を求める手順を説明
する斜視図である。
【符号の説明】
1 船殻ブロック 2 船体外板 3 ビーム材 4 隔壁材 11 塗装ロボット 12 基台部 13 上腕部 14 前腕部 15 手首部 16 塗装ガン Pct ロボット軌道 S12 手首特異点軌跡 h 最短距離 r 許容値

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ロボットアームの手首部先端に取り付けら
    れたツールを所定方向に移動させる際に、手首部に対し
    てツール姿勢が変化する際の関節型ロボットにおける特
    異姿勢探索方法であって、ツール姿勢がロボットアーム
    を含む平面と一致する場合を特異姿勢を取る候補である
    と判断することを特徴とするロボット軌道における特異
    姿勢候補探索方法。
  2. 【請求項2】ロボットアームの手首部先端に取り付けら
    れたツールを所定方向に移動させる際に、手首部に対し
    てツール姿勢が変化する際の関節型ロボットにおけるロ
    ボット軌道の精度評価方法であって、ツール姿勢がロボ
    ットアームを含む平面と一致する場合を特異姿勢を取る
    候補であると判断するとともに、この特異姿勢候補にお
    けるツール先端位置と、上記平面でのロボットにおける
    特異点軌跡との最短距離を求め、この最短距離が許容値
    内であるか否かにより、ロボット軌道の精度を評価する
    ことを特徴とするロボット軌道の精度評価方法。
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