JP2000061711A - 耐チッピング性のすぐれたスローアウェイ切削チップ - Google Patents
耐チッピング性のすぐれたスローアウェイ切削チップInfo
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- JP2000061711A JP2000061711A JP10240096A JP24009698A JP2000061711A JP 2000061711 A JP2000061711 A JP 2000061711A JP 10240096 A JP10240096 A JP 10240096A JP 24009698 A JP24009698 A JP 24009698A JP 2000061711 A JP2000061711 A JP 2000061711A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 耐チッピング性のすぐれた切削チップを提供
する。 【解決手段】 超硬合金で構成されたチップ本体の切刃
片取り付け部にろう付けしてなる切刃片の全体がBN焼
結体で構成され、あるいは前記切刃片が、BN焼結体の
切刃層と、これと一体焼結接合された超硬合金の下地層
で構成された切削チップにおいて、前記切刃片のすくい
面(上面)の表面部に、表面から0.1〜0.5mmの
深さに亘って、BNの素地にAlN、AlB2 、Ti
N、及びとTiB2 が分散分布した組織を有する焼結反
応層を形成する。
する。 【解決手段】 超硬合金で構成されたチップ本体の切刃
片取り付け部にろう付けしてなる切刃片の全体がBN焼
結体で構成され、あるいは前記切刃片が、BN焼結体の
切刃層と、これと一体焼結接合された超硬合金の下地層
で構成された切削チップにおいて、前記切刃片のすくい
面(上面)の表面部に、表面から0.1〜0.5mmの
深さに亘って、BNの素地にAlN、AlB2 、Ti
N、及びとTiB2 が分散分布した組織を有する焼結反
応層を形成する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、すぐれた耐チッ
ピング性を有し、特にNi基耐熱合金や炭化タングステ
ン基超硬合金(以下、単に超硬合金と云う)などの高速
切削にも切刃にチッピング(微小欠け)の発生なく、す
ぐれた切削性能を長期に亘って発揮するスローアウェイ
切削チップ(以下、単に切削チップと云う)に関するも
のである。
ピング性を有し、特にNi基耐熱合金や炭化タングステ
ン基超硬合金(以下、単に超硬合金と云う)などの高速
切削にも切刃にチッピング(微小欠け)の発生なく、す
ぐれた切削性能を長期に亘って発揮するスローアウェイ
切削チップ(以下、単に切削チップと云う)に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に、図1の(a)、(b)に
概略斜視図で示されるように、全体が高純度窒化ほう素
(以下、BNで示す)焼結体で構成された切刃片[図1
の(a)]、あるいはBN焼結体の切刃層と、これと一
体焼結接合された超硬合金の下地層で構成された切刃片
[図1の(b)]を通常の超高圧焼結装置を用いて製造
し、これを、超硬合金で構成されたチップ本体の切刃片
取り付け部に、Ag基合金やCu基合金などのろう材を
用いてろう付けしてなる切削チップが広く知られてお
り、これら切削チップがNi基耐熱合金や超硬合金など
の連続切削や断続切削に用いられることも良く知られる
ところである。
概略斜視図で示されるように、全体が高純度窒化ほう素
(以下、BNで示す)焼結体で構成された切刃片[図1
の(a)]、あるいはBN焼結体の切刃層と、これと一
体焼結接合された超硬合金の下地層で構成された切刃片
[図1の(b)]を通常の超高圧焼結装置を用いて製造
し、これを、超硬合金で構成されたチップ本体の切刃片
取り付け部に、Ag基合金やCu基合金などのろう材を
用いてろう付けしてなる切削チップが広く知られてお
り、これら切削チップがNi基耐熱合金や超硬合金など
の連続切削や断続切削に用いられることも良く知られる
ところである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
に対する省力化および省エネ化の要求は強く、これに伴
なって、切削加工は高速化の傾向にあるが、上記の従来
切削チップにおいては、これを高速切削に用いると、切
刃にチッピングが発生し易く、これが原因で比較的短時
間で使用寿命に至るのが現状である。
に対する省力化および省エネ化の要求は強く、これに伴
なって、切削加工は高速化の傾向にあるが、上記の従来
切削チップにおいては、これを高速切削に用いると、切
刃にチッピングが発生し易く、これが原因で比較的短時
間で使用寿命に至るのが現状である。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、切刃片の全体がBN焼結体で構
成され、あるいは切刃片が、BN焼結体の切刃層と、こ
れと一体焼結接合された超硬合金の下地層で構成された
上記の従来切削チップに着目し、これの耐チッピング性
向上を図るべく研究を行なった結果、上記切刃片の超高
圧焼結に際して、BN粉末の圧粉体の上面にTiAl3
粉末などのTi−Al化合物粉末の圧粉体、またはAl
粉末とTi粉末の混合粉末の圧粉体などを載置した状態
で超高圧焼結を行うと、焼結後のBN焼結体の上面表面
部には、BNとAlおよびTiの反応により形成された
窒化アルミニウム(以下、AlNで示す)、ほう化アル
ミニウム(以下、AlB2 で示す)、窒化チタン(以
下、TiNで示す)、およびほう化チタン(以下、Ti
B2 で示す)がBNの素地に分散分布した組織を有する
焼結反応層が形成されるようになり、このような焼結反
応層が上面(すくい面)の表面部に形成された切刃片を
ろう付けしてなる切削チップは、Ni基耐熱合金や超硬
合金などの高速切削に用いても切刃にチッピングの発生
なく、すぐれた切削性能を発揮するようになるなるとい
う研究結果を得たのである。
上述のような観点から、切刃片の全体がBN焼結体で構
成され、あるいは切刃片が、BN焼結体の切刃層と、こ
れと一体焼結接合された超硬合金の下地層で構成された
上記の従来切削チップに着目し、これの耐チッピング性
向上を図るべく研究を行なった結果、上記切刃片の超高
圧焼結に際して、BN粉末の圧粉体の上面にTiAl3
粉末などのTi−Al化合物粉末の圧粉体、またはAl
粉末とTi粉末の混合粉末の圧粉体などを載置した状態
で超高圧焼結を行うと、焼結後のBN焼結体の上面表面
部には、BNとAlおよびTiの反応により形成された
窒化アルミニウム(以下、AlNで示す)、ほう化アル
ミニウム(以下、AlB2 で示す)、窒化チタン(以
下、TiNで示す)、およびほう化チタン(以下、Ti
B2 で示す)がBNの素地に分散分布した組織を有する
焼結反応層が形成されるようになり、このような焼結反
応層が上面(すくい面)の表面部に形成された切刃片を
ろう付けしてなる切削チップは、Ni基耐熱合金や超硬
合金などの高速切削に用いても切刃にチッピングの発生
なく、すぐれた切削性能を発揮するようになるなるとい
う研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、超硬合金で構成されたチップ本
体の切刃片取り付け部にろう付けしてなる切刃片の全体
がBN焼結体、望ましくは99.9%以上の純度を有す
るBN焼結体で構成され、あるいは前記切刃片が、BN
焼結体、同じく望ましくは99.9%以上の純度を有す
るBN焼結体の切刃層と、これと一体焼結接合された超
硬合金の下地層で構成された切削チップにおいて、上記
切刃片のすくい面(上面)の表面部に、表面から0.1
〜0.5mmの深さに亘って、BNの素地にAlN、A
lB2 、TiN、およびTiB2 が分散分布した組織を
有する焼結反応層を形成しなる、耐チッピング性のすぐ
れた切削チップに特徴を有するものである。
なされたものであって、超硬合金で構成されたチップ本
体の切刃片取り付け部にろう付けしてなる切刃片の全体
がBN焼結体、望ましくは99.9%以上の純度を有す
るBN焼結体で構成され、あるいは前記切刃片が、BN
焼結体、同じく望ましくは99.9%以上の純度を有す
るBN焼結体の切刃層と、これと一体焼結接合された超
硬合金の下地層で構成された切削チップにおいて、上記
切刃片のすくい面(上面)の表面部に、表面から0.1
〜0.5mmの深さに亘って、BNの素地にAlN、A
lB2 、TiN、およびTiB2 が分散分布した組織を
有する焼結反応層を形成しなる、耐チッピング性のすぐ
れた切削チップに特徴を有するものである。
【0006】なお、この発明の切削チップにおいて、こ
れを構成する切刃片のすくい面(上面)の表面部に形成
される焼結反応層の深さは、主に超高圧焼結条件を調整
することにより制御されるが、この場合その深さが0.
1mm未満では所望のすぐれた耐チッピング性を確保す
ることができず、一方その深さが0.5mmを越える
と、この焼結反応層が切刃片の逃げ面(側面)に達し、
前記逃げ面の耐摩耗性が急激に低下するようになること
から、その深さを0.1〜0.5mmと定めたのであ
る。
れを構成する切刃片のすくい面(上面)の表面部に形成
される焼結反応層の深さは、主に超高圧焼結条件を調整
することにより制御されるが、この場合その深さが0.
1mm未満では所望のすぐれた耐チッピング性を確保す
ることができず、一方その深さが0.5mmを越える
と、この焼結反応層が切刃片の逃げ面(側面)に達し、
前記逃げ面の耐摩耗性が急激に低下するようになること
から、その深さを0.1〜0.5mmと定めたのであ
る。
【0007】
【発明の実施の形態】つぎに、この発明の切削チップを
実施例により具体的に説明する。まず、チップ本体を製
造する目的で、原料粉末として、いずれも0.5〜3μ
mの範囲内の所定の平均粒径を有する、WC粉末、Ta
C粉末、およびCo粉末を用い、これら原料粉末を、重
量%で、Co:5%、TaC:5%、WC:残りからな
る配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合
し、乾燥した後、1ton/cm2 の圧力で所定形状の
圧粉体にプレス成形し、これらの圧粉体を、1×10-3
torrの真空中、1400℃に1時間保持の条件で焼
結し、焼結体に機械加工を施すことにより、超硬合金で
構成され、かつCIS規格TNGA332の形状(厚
さ:3.18mm×一辺長さ:16mmの正三角形)を
もったチップ本体を製造した。
実施例により具体的に説明する。まず、チップ本体を製
造する目的で、原料粉末として、いずれも0.5〜3μ
mの範囲内の所定の平均粒径を有する、WC粉末、Ta
C粉末、およびCo粉末を用い、これら原料粉末を、重
量%で、Co:5%、TaC:5%、WC:残りからな
る配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合
し、乾燥した後、1ton/cm2 の圧力で所定形状の
圧粉体にプレス成形し、これらの圧粉体を、1×10-3
torrの真空中、1400℃に1時間保持の条件で焼
結し、焼結体に機械加工を施すことにより、超硬合金で
構成され、かつCIS規格TNGA332の形状(厚
さ:3.18mm×一辺長さ:16mmの正三角形)を
もったチップ本体を製造した。
【0008】また、切刃片を製造する目的で、原料粉末
として、平均粒径:5μmおよび純度:99.95%を
有する六方晶BN粉末を用い、これを3ton/cm2
の圧力で直径:20mm×厚さ:2mmの寸法をもった
BN粉末圧粉体にプレス成形し、さらに原料粉末とし
て、平均粒径:5μmのTiAl3 粉末を用い、これを
1ton/cm2 の圧力で直径:20mm×厚さ:0.
1mmの寸法をもったTiAl3 粉末圧粉体にプレス成
形し、これら圧粉体を、前記BN粉末圧粉体の上面に前
記TiAl3 粉末圧粉体を重ね合わせた状態で、通常の
ベルト型超高圧焼結装置に装入し、圧力:7GPa、温
度:2200℃、保持時間:30分の条件で焼結して、
上面表面部に、走査型電子顕微鏡で測定して、表面から
0.4mmの深さに亘って六方晶から立方晶へ結晶変態
したBNの素地にAlN、AlB2、TiN、およびT
iB2 が分散分布した組織を有する焼結反応層が形成さ
れ、かつ寸法が直径:20mm×厚さ:1.5mmの切
刃片素材を形成し、これに超音波カッタを用いて機械加
工を施すことにより、一辺長さが5mmの正三角形形状
の切刃片とし、この切刃片を、重量%で、Ag−29.
8%Cu−4.9%Ti−9.7%Inの組成を有する
Ag基合金ろう材を用い、ホットプレスにて1kg/c
m2 の圧力で加圧した状態で、1×10-3torrの真
空中、950℃に5分間保持の条件で、チップ本体の切
刃片取り付け部にろう付けすることにより本発明切削チ
ップAを製造した。また、比較の目的で、上記TiAl
3 粉末圧粉体の上記BN粉末圧粉体との重ね合わせ装入
を行わない、すなわち超高圧焼結を前記BN粉末圧粉体
だけで行う以外は同一の条件で従来切削チップaを製造
した。
として、平均粒径:5μmおよび純度:99.95%を
有する六方晶BN粉末を用い、これを3ton/cm2
の圧力で直径:20mm×厚さ:2mmの寸法をもった
BN粉末圧粉体にプレス成形し、さらに原料粉末とし
て、平均粒径:5μmのTiAl3 粉末を用い、これを
1ton/cm2 の圧力で直径:20mm×厚さ:0.
1mmの寸法をもったTiAl3 粉末圧粉体にプレス成
形し、これら圧粉体を、前記BN粉末圧粉体の上面に前
記TiAl3 粉末圧粉体を重ね合わせた状態で、通常の
ベルト型超高圧焼結装置に装入し、圧力:7GPa、温
度:2200℃、保持時間:30分の条件で焼結して、
上面表面部に、走査型電子顕微鏡で測定して、表面から
0.4mmの深さに亘って六方晶から立方晶へ結晶変態
したBNの素地にAlN、AlB2、TiN、およびT
iB2 が分散分布した組織を有する焼結反応層が形成さ
れ、かつ寸法が直径:20mm×厚さ:1.5mmの切
刃片素材を形成し、これに超音波カッタを用いて機械加
工を施すことにより、一辺長さが5mmの正三角形形状
の切刃片とし、この切刃片を、重量%で、Ag−29.
8%Cu−4.9%Ti−9.7%Inの組成を有する
Ag基合金ろう材を用い、ホットプレスにて1kg/c
m2 の圧力で加圧した状態で、1×10-3torrの真
空中、950℃に5分間保持の条件で、チップ本体の切
刃片取り付け部にろう付けすることにより本発明切削チ
ップAを製造した。また、比較の目的で、上記TiAl
3 粉末圧粉体の上記BN粉末圧粉体との重ね合わせ装入
を行わない、すなわち超高圧焼結を前記BN粉末圧粉体
だけで行う以外は同一の条件で従来切削チップaを製造
した。
【0009】さらに、切刃層形成用として上記のBN粉
末圧粉体を用い、さらに下地層形成用として寸法を直
径:20mm×厚さ:1.5mmとする以外は上記のチ
ップ本体と同じ条件で形成した圧粉体、並びに30μm
の平均粒径を有し、かつ純度が98.6%のTi粉末と
同じく30μmの平均粒径を有し、かつ純度が99.8
%のAl粉末の混合粉末(重量比で、50/50)を1
ton/cm2 の圧力でプレス成形して、直径:20m
m×厚さ:0.1mmの寸法としたTi,Al混合粉末
圧粉体を用意し、これら圧粉体を、前記下地層形成用圧
粉体の上に前記BN粉末圧粉体を重ね、さらにこのBN
粉末圧粉体の上面に前記Ti,Al混合粉末圧粉体を重
ね合わせた状態で、通常のベルト型超高圧焼結装置に装
入し、圧力:7GPa、温度:2200℃、保持時間:
30分の条件で焼結して、上面表面部に、走査型電子顕
微鏡で測定して、表面から0.3mmの深さに亘って六
方晶から立方晶へ結晶変態したBNの素地にAlN、A
lB2 、TiN、およびTiB2 が分散分布した組織を
有する焼結反応層が形成され、かつ切刃層の厚さ:0.
7mm×下地層の厚さ:1.5mm×直径:20mmの
寸法をもった切刃片素材を形成し、これに超音波カッタ
を用いて機械加工を施すことにより、一辺長さが5mm
の正三角形形状の切刃片とし、この切刃片を、重量%
で、Ag−29.7%Cu−28.1%Zn−2.0%
Niの組成を有するAg基合金ろう材を用い、ホットプ
レスにて1kg/cm2 の圧力で加圧した状態で、1×
10-3torrの真空中、950℃に5分間保持の条件
で、チップ本体の切刃片取り付け部にろう付けすること
により本発明切削チップBを製造した。また、比較の目
的で、超高圧焼結装置への装入に際して、上記Ti,A
l混合粉末圧粉体の装入を行わない、すなわち超高圧焼
結を前記BN粉末圧粉体と下地層形成用圧粉体で行う以
外は同一の条件で従来切削チップbを製造した。
末圧粉体を用い、さらに下地層形成用として寸法を直
径:20mm×厚さ:1.5mmとする以外は上記のチ
ップ本体と同じ条件で形成した圧粉体、並びに30μm
の平均粒径を有し、かつ純度が98.6%のTi粉末と
同じく30μmの平均粒径を有し、かつ純度が99.8
%のAl粉末の混合粉末(重量比で、50/50)を1
ton/cm2 の圧力でプレス成形して、直径:20m
m×厚さ:0.1mmの寸法としたTi,Al混合粉末
圧粉体を用意し、これら圧粉体を、前記下地層形成用圧
粉体の上に前記BN粉末圧粉体を重ね、さらにこのBN
粉末圧粉体の上面に前記Ti,Al混合粉末圧粉体を重
ね合わせた状態で、通常のベルト型超高圧焼結装置に装
入し、圧力:7GPa、温度:2200℃、保持時間:
30分の条件で焼結して、上面表面部に、走査型電子顕
微鏡で測定して、表面から0.3mmの深さに亘って六
方晶から立方晶へ結晶変態したBNの素地にAlN、A
lB2 、TiN、およびTiB2 が分散分布した組織を
有する焼結反応層が形成され、かつ切刃層の厚さ:0.
7mm×下地層の厚さ:1.5mm×直径:20mmの
寸法をもった切刃片素材を形成し、これに超音波カッタ
を用いて機械加工を施すことにより、一辺長さが5mm
の正三角形形状の切刃片とし、この切刃片を、重量%
で、Ag−29.7%Cu−28.1%Zn−2.0%
Niの組成を有するAg基合金ろう材を用い、ホットプ
レスにて1kg/cm2 の圧力で加圧した状態で、1×
10-3torrの真空中、950℃に5分間保持の条件
で、チップ本体の切刃片取り付け部にろう付けすること
により本発明切削チップBを製造した。また、比較の目
的で、超高圧焼結装置への装入に際して、上記Ti,A
l混合粉末圧粉体の装入を行わない、すなわち超高圧焼
結を前記BN粉末圧粉体と下地層形成用圧粉体で行う以
外は同一の条件で従来切削チップbを製造した。
【0010】つぎに、この結果得られた本発明切削チッ
プA、Bおよび従来切削チップa、bについて、 被削材:ロックウェル硬さAスケ−ル:84の硬さを有
するCo:20%含有の超硬合金丸棒、 切削速度:30m/min.、 送り:0.1mm/rev.、 切込み:0.1mm、 切削時間:15分、 の条件で超硬合金の湿式連続高速切削試験、並びに、 被削材:ロックウェル硬さCスケ−ル:45の硬さを有
するNi基耐熱合金の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸
棒、 切削速度:150m/min.、 送り:0.1mm/rev.、 切込み:0.3mm、 切削時間:20分、 の条件でNi基耐熱合金の湿式断続高速切削試験を行な
い、切刃片の逃げ面摩耗幅を測定した。これらの測定結
果を下表に示した。
プA、Bおよび従来切削チップa、bについて、 被削材:ロックウェル硬さAスケ−ル:84の硬さを有
するCo:20%含有の超硬合金丸棒、 切削速度:30m/min.、 送り:0.1mm/rev.、 切込み:0.1mm、 切削時間:15分、 の条件で超硬合金の湿式連続高速切削試験、並びに、 被削材:ロックウェル硬さCスケ−ル:45の硬さを有
するNi基耐熱合金の長さ方向等間隔4本縦溝入り丸
棒、 切削速度:150m/min.、 送り:0.1mm/rev.、 切込み:0.3mm、 切削時間:20分、 の条件でNi基耐熱合金の湿式断続高速切削試験を行な
い、切刃片の逃げ面摩耗幅を測定した。これらの測定結
果を下表に示した。
【0011】
【0012】
【発明の効果】上表に示される結果から、本発明切削チ
ップA、Bは、いずれもこれを構成する切刃片のすくい
面(上面)の表面部に形成された焼結反応層の存在によ
って難削材である超硬合金やNi基耐熱合金の高速切削
にも切刃にチッピングの発生なく、正常摩耗を示し、す
ぐれた耐摩耗性を発揮するのに対して、従来切削チップ
a、bは、いずれも切刃に発生したチッピングが原因で
比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上
述のように、この発明の切削チップは、超硬合金やNi
基耐熱合金などの通常の条件での切削加工は勿論のこ
と、これらの被削材の切削を高速で行ってもすぐれた耐
チッピング性を示し、すぐれた切削性能を長期に亘って
発揮するので、切削加工の省力化および省エネ化に寄与
するものである。
ップA、Bは、いずれもこれを構成する切刃片のすくい
面(上面)の表面部に形成された焼結反応層の存在によ
って難削材である超硬合金やNi基耐熱合金の高速切削
にも切刃にチッピングの発生なく、正常摩耗を示し、す
ぐれた耐摩耗性を発揮するのに対して、従来切削チップ
a、bは、いずれも切刃に発生したチッピングが原因で
比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上
述のように、この発明の切削チップは、超硬合金やNi
基耐熱合金などの通常の条件での切削加工は勿論のこ
と、これらの被削材の切削を高速で行ってもすぐれた耐
チッピング性を示し、すぐれた切削性能を長期に亘って
発揮するので、切削加工の省力化および省エネ化に寄与
するものである。
【図1】切削チップの概略斜視図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 炭化タングステン基超硬合金で構成され
たチップ本体の切刃片取り付け部にろう付けしてなる切
刃片の全体が、高純度窒化ほう素焼結体で構成されたス
ローアウェイ切削チップにおいて、 上記切刃片のすくい面(上面)の表面部に、表面から
0.1〜0.5mmの深さに亘って、窒化ほう素の素地
に窒化アルミニウム、ほう化アルミニウム、窒化チタ
ン、およびほう化チタンが分散分布した組織を有する焼
結反応層を形成したことを特徴とする耐チッピング性の
すぐれたスローアウェイ切削チップ。 - 【請求項2】 炭化タングステン基超硬合金で構成され
たチップ本体の切刃片取り付け部にろう付けしてなる切
刃片が、高純度窒化ほう素焼結体の切刃層と、これと一
体焼結接合された炭化タングステン基超硬合金の下地層
で構成されたスローアウェイ切削チップにおいて、 上記切刃片のすくい面(上面)の表面部に、表面から
0.1〜0.5mmの深さに亘って、窒化ほう素の素地
に窒化アルミニウム、ほう化アルミニウム、窒化チタ
ン、およびほう化チタンが分散分布した組織を有する焼
結反応層を形成したことを特徴とする耐チッピング性の
すぐれたスローアウェイ切削チップ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24009698A JP3412529B2 (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | 耐チッピング性のすぐれたスローアウェイ切削チップの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP24009698A JP3412529B2 (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | 耐チッピング性のすぐれたスローアウェイ切削チップの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000061711A true JP2000061711A (ja) | 2000-02-29 |
JP3412529B2 JP3412529B2 (ja) | 2003-06-03 |
Family
ID=17054442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP24009698A Expired - Fee Related JP3412529B2 (ja) | 1998-08-26 | 1998-08-26 | 耐チッピング性のすぐれたスローアウェイ切削チップの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3412529B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN112719824A (zh) * | 2021-01-22 | 2021-04-30 | 河源市英广硬质合金有限公司 | 硬质合金切削刀具制造方法及通过该方法制造的切削刀 |
-
1998
- 1998-08-26 JP JP24009698A patent/JP3412529B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN112719824A (zh) * | 2021-01-22 | 2021-04-30 | 河源市英广硬质合金有限公司 | 硬质合金切削刀具制造方法及通过该方法制造的切削刀 |
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JP3412529B2 (ja) | 2003-06-03 |
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