JP2000061290A - ポリカーボネート樹脂の製造方法およびフランジ - Google Patents

ポリカーボネート樹脂の製造方法およびフランジ

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JP2000061290A
JP2000061290A JP23736398A JP23736398A JP2000061290A JP 2000061290 A JP2000061290 A JP 2000061290A JP 23736398 A JP23736398 A JP 23736398A JP 23736398 A JP23736398 A JP 23736398A JP 2000061290 A JP2000061290 A JP 2000061290A
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pipe
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mpa
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English (en)
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Kazuhiro Uenishi
和宏 植西
Masashi Shimonari
正志 下成
Toru Sawaki
透 佐脇
Katsuji Sasaki
勝司 佐々木
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Teijin Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 着色、架橋、ゲル発生等の滞留劣化が抑制さ
れたポリカーボネートを溶融法で製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 ポリカーボネートを溶融法で製造するに
際して、反応混合物を送液する配管を接続するための管
継手として、耐熱性、気密性、耐圧性、耐食性、均一加
熱性を有するフランジを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリカーボネート
樹脂の製造方法に関し、さらに詳しくは、ポリカーボネ
ートを製造する装置の配管または容器に反応混合物を送
液するために設置される配管の管継手として、保温性が
高く、デッドスペースが少ないフランジを用いるポリカ
ーボネート樹脂の製造方法に関する。
【0002】ここで、本願明細書において、「反応混合
物」とは、芳香族ジオール化合物と芳香族炭酸ジエステ
ルとを主として含む混合物を溶融重縮合反応させ、芳香
族ポリカーボネートを得る工程における、その重縮合反
応を開始しまたは進行しつつある混合物のことを意味
し、その重合度がある程度進んだものは、一般的化学用
語で言えば「プレポリマー」の状態にあるものであり、
さらに進んだものは、一般的化学用語で言えば「ポリマ
ー」の状態にあるものである。
【0003】
【従来の技術】芳香族ポリカーボネート樹脂は、耐衝撃
性など機械的特性に優れ、しかも耐熱性、透明性などに
も優れており、成型材料として広く用いられている。こ
のような芳香族ポリカーボネート樹脂の製造方法として
は、ビスフェノールなどの芳香族ジオール化合物とホス
ゲンとを直接反応させる方法(界面法)、あるいはビス
フェノールなどの芳香族ジオール化合物とジフェニルカ
ーボネートなどの芳香族炭酸ジエステルとをエステル交
換反応(溶融法)させる方法が知られている。このよう
な製造方法のうち、芳香族ジオール化合物と芳香族炭酸
ジエステルとのエステル交換反応によってポリカーボネ
ートを製造する方法は、触媒として、金属の有機酸塩、
無機酸塩、酸化物、水酸化物、水素化物あるいはアルコ
ラートなどを使用してエステル交換反応開始に必要な最
低温度である150℃から約350℃まで反応温度を徐
々に上げるとともに、反応圧力を大気圧から13.3×
10-6MPaまで徐々に下げることにより副生するフェ
ノール類を反応混合物から留去することで実施される。
【0004】このため、上記の工程で使用する配管と配
管とをあるいは配管と容器とを接続する部分は高温下で
使用されるとともに高真空下でも使用され、また、上記
反応が進む(完結に近づく)にしたがって、反応混合物
の粘性が極めて高くなって行き、反応条件によって異な
るが、通常、2000Poise〜100000Poi
se以上に達するため、配管にて反応混合物を輸送する
ためには、配管内で発生する抵抗(圧力損失)に合わせ
て配管内の圧力が高くなるため、フランジにかかる圧力
も0〜25MPaとかなり広い耐圧が必要になる。そのた
め、耐圧性、耐シール性、耐熱性が必要である。
【0005】また、配管は工事現場での接続や保全のた
め取り外し性が必要であると共に、配管内面を研磨し表
面粗度を所定の粗度に仕上げるには、工具の制限等の理
由により、管の接続部は増える傾向にある。
【0006】これらの目的のため従来から、JIS B
2210−1840で規定されるような、フランジが一
般に使用されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来用
いられてきた上記フランジでは、フランジとフランジと
の間にガスケットをはさみ、ボルト・ナットで締め付け
て接続するため、ボルト穴の公差により配管の芯がずれ
てフランジ接続部分に段差が生じたり、ガスケットによ
りフランジ間にすきまが生じたりするためデッドスペー
スが生じていた。なおここでいう「デッドスペース」と
は、流体である反応混合物の更新が起こり難い部位であ
り、滞留劣化しやすいポリカーボネート樹脂にとっては
特に製品品質に影響を及ぼす大きな問題であった。
【0008】また、配管内での温度の安定性も、温度変
化により製品品質に影響を受け易いポリカーボネート樹
脂にとっては重要な問題であり、通常熱媒ジャケットや
電気ヒーターによる配管の加熱を実施するが、フランジ
部では表面積が大きいため放熱により温度低下を生じ易
く、加熱のためにコストがかかり、また加熱が不十分と
なりやすい問題が生じていた。
【0009】特に近年、ポリカーボネートはDVD、M
O、CDRなどの高密度、高精度が必要とされる光学製
品に使用されてきており、この場合、ポリカーボネート
の着色やゲルは直接的に最終製品のブロックエラーレー
トなどの光学特性および引張り、曲げ、靱性などの機械
特性に大きな影響を及ぼすため、このような問題の重要
性は増大してきている。
【0010】本発明の目的は、上記従来技術の問題点を
改善し、劣化物のない品質の優れたポリカーボネートを
効率良く得るための製造方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の通りであ
る。 1. 芳香族ジオール化合物と炭酸ジエステル化合物と
を主として含む混合物を重縮合せしめてポリカーボネー
トを製造するに際して、反応混合物を送液する配管を接
続するための管継手として、150℃以上の耐熱性を有
し、40000×10-6MPa以下の真空下での漏れ量が
実質的にゼロであり、且つ0.1MPa以上の耐圧を有
し、その接液部が前記、当該芳香族ジオール化合物と当
該炭酸ジエステル化合物とが反応して生成するモノヒド
ロキシ化合物に対して耐食性を有する材料で構成されて
おり、且つ、熱媒ジャケットを内部に持つフランジを用
いることを特徴とするポリカーボネートの製造方法。
【0012】2. フランジがみぞ形のガスケット座を
持つことを特徴とする上記1記載の製造方法。
【0013】3. フランジが、フランジ接続用ガスケ
ットに金属Oリングを持つことを特徴とする上記1また
は2記載の製造方法。
【0014】4. フランジ間にスペーサーを挟み込む
ことを特徴とする上記1、2または3記載の製造方法。
【0015】5. フランジの接液部の表面粗度が10
μ以下であることを特徴とする上記1または2記載の製
造方法。
【0016】6. 耐食性を有する材料がステンレスス
チールであることを特徴とする上記1〜5記載の製造方
法。
【0017】7. 接液部に機械的仕上げを施したフラ
ンジを用いることを特徴とする上記5記載の製造方法。
【0018】8. 接液部に化学的仕上げを施したフラ
ンジを用いることを特徴とする上記5記載の製造方法。
【0019】9. 芳香族ジオール化合物と炭酸ジエス
テル化合物とを主として含む混合物を重縮合せしめてポ
リカーボネートを製造するに用いる、反応混合物を送液
する配管を接続するための管継手であって、150℃以
上の耐熱性を有し、40000×10-6MPa以下の真空
下での漏れ量が実質的にゼロであり、且つ0.1MPa
以上の耐圧を有し、その接液部が前記、当該芳香族ジオ
ール化合物と当該炭酸ジエステル化合物とが反応して生
成するモノヒドロキシ化合物に対して耐食性を有する材
料で構成されており、且つ、熱媒ジャケットを内部に持
つことを特徴とするフランジ。
【0020】本発明で言う芳香族ポリカーボネートとは
主たる成分である芳香族ジオール化合物と、炭酸エステ
ルとを塩基性窒素化合物とアルカリ金属化合物等よりな
るエステル交換触媒等の存在下、溶融重縮合させた芳香
族ポリカーボネートである。
【0021】このような芳香族ジオール化合物として
は、具体的にはビス(4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニ
ル)プロパン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ヘプタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、ビス(3,5
−ジクロロ−4−ヒドロキシフェニル)オキサイド、
p、p‘−ジヒドロキシジフェニル、3,3’−ジクロ
ロ−4,4‘−ジヒドロキシジフェニル、ビス(ヒドロ
キシフェニル)スルホン、レゾルシノール、ハイドロキ
ノン、1,4−ジヒドロキシ−2,5−ジクロロベンゼ
ン、1,4−ジヒドロキシ−3−メチルベンゼン、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホキシド等が挙げられるが、特
に2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンが
好ましい。
【0022】炭酸ジエステルとしては、具体的にはジフ
ェニルカーボネート、ジトリールカーボネート、ビス
(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボ
ネート、ジナフチルカーボネート、ビス(ジフェニル)
カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボ
ネート、ジブチルカーボネート、ジシクロヘキシルカー
ボネートなどが用いられる。これらのうち特にジフェニ
ルカーボネートが好ましい。
【0023】さらに本発明のポリカーボネートには必要
に応じて、脂肪族ジオールとして、例えばエチレングリ
コール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、1,10−デカンジオール等を、ジ
カルボン酸類として、例えば、コハク酸、イソフタル
酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、シ
クロヘキサンカルボン酸、テレフタル酸等を、オキシ酸
類として、例えば、乳酸、p−ヒドロキシ安息香酸、6
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸等を含有していても良
い。
【0024】触媒として用いられるアルカリ金属化合物
としては、例えばアルカリ金属の水酸化物、炭酸水素化
物、炭酸塩、酢酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、亜硫酸塩、シ
アン水素塩、チオシアン酸塩、ステアリン酸塩、水素化
ホウ素塩、安息香酸塩、リン酸水素化物、ビスフェノー
ル、フェノールの塩等が挙げられる。
【0025】具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸ナトリウム、
炭酸カリウム、炭酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、酢酸リチウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウ
ム、硝酸リチウム、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウ
ム、亜硝酸リチウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸リチウム、シアン酸ナトリウム、シアン酸カ
リウム、シアン酸リチウム、チオシアン酸ナトリウム、
チオシアン酸カリウム、チオシアン酸リチウム、ステア
リン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン
酸リチウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カ
リウム、水素化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ酸ナト
リウム、フェニル化ホウ酸カリウム、フェニル化ホウ酸
リチウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安
息香酸リチウム、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素
ジカリウム、リン酸水素ジリチウム、ビスフェノールA
のジナトリウム塩、ジカリウム塩、ジリチウム塩、フェ
ノールのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩などが
挙げられ、就中ビスフェノールAのジナトリウム塩、フ
ェノールのナトリウム塩が好ましく用いられる。
【0026】触媒としてのアルカリ金属化合物は、当該
触媒中のアルカリ金属元素が芳香族ジオール化合物1モ
ル当り1×10-8〜5×10-5当量となる割合で好まし
く使用される。より好ましい割合は同じ基準に対し1×
10-7〜1×10-5当量となる割合である。上記使用範
囲を逸脱すると、得られるポリカーボネートの諸物性に
悪影響を及ぼしたり、また、エステル交換反応が充分に
進行せず高分子量のポリカーボネートが得られない等の
問題があり好ましくない。
【0027】また、触媒としての含窒素塩基性化合物と
しては、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド
(Me4NOH)、テトラエチルアンモニウムヒドロキ
シド(Et4NOH)、テトラブチルアンモニウムヒド
ロキシド(Bu4NOH)、ベンジルトリメチルアンモ
ニウムヒドロキシド(φ−CH2(Me)3NOH)、ヘ
キサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシドなどの
アルキル、アリール、アルキルアリール基などを有する
アンモニウムヒドロオキシド類、トリエチルアミン、ト
リブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、ヘキサデシ
ルジメチルアミンなどの3級アミン類、あるいはテトラ
メチルアンモニウムボロハイドライド(Me4NB
4)、テトラブチルアンモニウムボロハイドライド
(Bu4NBH4)、テトラブチルアンモニウムテトラフ
ェニルボレート(Me4NBPh4)、テトラブチルアン
モニウムテトラフェニルボレート(Bu4NBPh4)な
どの塩基性塩を挙げることができ、就中テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシドが好ましくもちいられる。
【0028】上記含窒素塩基性化合物は、含窒素塩基性
化合物中のアンモニウム窒素原子が芳香族ジオール化合
物1モル当り1×10-5〜5×10-4当量となる割合で
用いるのが好ましい。より好ましい割合は同じ基準に対
し2×10-5〜5×10-4当量となる割合である。特に
好ましい割合は同じ基準に対し5×10-5〜5×10-4
当量となる割合である。
【0029】本発明においては所望により、触媒のアル
カリ金属化合物として、(a)周期律表第14族の元素
のアート錯体のアルカリ金属塩または(b)周期律表第
14族の元素のオキソ酸のアルカリ金属塩を用いること
ができる。ここで周期律表第14族の元素とは、ケイ
素、ゲルマニウム、スズのことをいう。
【0030】これらのアルカリ金属化合物を重縮合反応
触媒として用いることにより、重縮合反応を迅速かつ十
分にすすめることができる利点を有する。また、重縮合
反応中に生成する分岐反応のような、好ましくない副反
応を低いレベルに抑えることができる。
【0031】(a)周期律表第14元素のアート錯体の
アルカリ金属塩としては、特開平7−268091号公
報に記載のものをいうが、具体的には、ゲルマニウム
(Ge)の化合物;NaGe(OMe)5、NaGe
(OEt)3、NaGe(OPr)5、NaGe(OB
u)5、NaGe(OPh)5、LiGe(OMe)5
LiGe(OBu)5、LiGe(OPh)5を挙げるこ
とができる。
【0032】スズ(Sn)の化合物としては、NaSn
(OMe)3、NaSn(OMe)2(OEt)、NaS
n(OPr)3、NaSn(O−n−C6133、Na
Sn(OMe)5、NaSn(OEt)5、NaSn(O
Bu)5、NaSn(O−n−C12255、NaSn
(OEt)、NaSn(OPh)5、NaSnBu2(O
Me)3を挙げることができる。
【0033】また(b)周期律表第14族元素のオキソ
酸のアルカリ金属塩としては、例えばケイ酸(sili
cic acid)のアルカリ金属塩、スズ酸(sta
nic acid)のアルカリ金属塩、ゲルマニウム
(II)酸(germanousacid)のアルカリ金
属塩、ゲルマニウム(IV)酸(germanic ac
id)のアルカリ金属塩を好ましいものとして挙げるこ
とができる。
【0034】ケイ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノケ
イ酸(monosilicic acid)またはその
縮合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その
例としては、オルトケイ酸モノナトリウム、オルトケイ
酸ジナトリウム、オルトケイ酸トリナトリウム、オルト
ケイ酸テトラナトリウムを挙げることができる。
【0035】スズ酸のアルカリ金属塩は、例えばモノス
ズ酸(monostanic acid)またはその縮
合体の酸性あるいは中性アルカリ金属塩であり、その例
としてはモノスズ酸ジナトリウム塩(Na2SnO3・CH
2O、x=0〜5)、モノスズ酸テトラナトリウム塩
(Na4SnO4)を挙げることができる。
【0036】ゲルマニウム(II)酸(germanou
s acid)のアルカリ金属塩は、例えばモノゲルマ
ニウム酸またはその縮合体の酸性あるいは中性アルカリ
金属塩であり、その例としてはゲルマニウム酸モノナト
リウム塩(NaHGeO2)を挙げることができる。
【0037】ゲルマニウム(IV)酸(germanic
acid)のアルカリ金属塩は、例えば、モノゲルマ
ニウム(IV)酸またはその縮合体の酸性あるいは中性ア
ルカリ金属塩であり、その例としてはオルトゲルマニウ
ム酸モノリチウム酸(LiH3GeO4)、オルトゲルマ
ニウム酸ジナトリウム塩、オルトゲルマニウム酸テトラ
ナトリウム塩、ジゲルマニウム酸ジナトリウム塩(Na
2Ge25)、テトラゲルマニウム酸ジナトリウム塩
(Na2Ge511)を挙げることができる。
【0038】上記の如き重縮合反応触媒は、触媒中のア
ルカリ金属元素が芳香族ジオール化合物1モル当り1×
10-8〜5×10-5当量となる割合で好ましく使用され
る。より好ましい割合は同じ基準に対し5×10-7〜1
×10-5当量となる割合である。
【0039】上記の如き重縮合反応には、上記触媒と一
緒に、必要により、周期律表第14族元素のオキソ酸お
よび同元素の酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも
1種の助触媒を共存させることができる。
【0040】これら助触媒を特定の割合で用いることに
より、末端の封鎖反応、重縮合反応速度を損なうことな
く、重縮合反応中に生成し易い分岐反応や、成型加工時
における装置内での異物の生成、やけといった好ましく
ない副反応をより効果的に抑制することができる。
【0041】周期律表第14元素のオキソ酸としては、
例えばケイ酸、スズ酸、ゲルマニウム酸を挙げることが
できる。
【0042】周期律表第14元素の酸化物としては、一
酸化ケイ素、二酸化ケイ素、一酸化スズ、二酸化スズ、
一酸化ゲルマニウム、二酸化ゲルマニウムおよびこれら
の縮合体を挙げることができる。
【0043】助触媒は重縮合反応触媒中のアルカリ金属
元素1モル(原子)当り、助触媒中の周期律表第14族
の金属元素が50モル(原子)以下となる割合で存在せ
しめるのが好ましい。同金属元素が50モル(原子)を
超える割合で助触媒を用いると、重縮合反応速度が遅く
なり好ましくない。
【0044】助触媒は、重縮合反応触媒のアルカリ金属
元素1モル(原子)当り、助触媒の周期律表第14族の
金属元素が0.1〜30モル(原子)となる割合で存在
せしめるのがさらに好ましい。
【0045】これらの触媒系は、重縮合反応に用いる事
により重縮合反応及び末端封止反応を迅速かつ十分に進
める事ができる利点を有する。又重縮合反応系中に生成
する分岐反応のような好ましくない副反応を低いレベル
に抑えることができる。
【0046】本発明において、芳香族ジオール化合物と
炭酸ジエステルとをエステル交換させる温度及び圧力は
特に制限が無く、反応が開始し、且つ、反応で生成した
モノヒドロキシ化合物が反応系外に速やかに除去される
温度及び圧力であれば如何なる条件でも良いが、150
℃〜200℃の温度及び40000×10-6MPa〜1
3333×10-6MPaの圧力で反応を開始した後、反
応の進行に伴うポリカーボネートの分子量の増大に従っ
て反応温度を高め、反応圧力を低下させ、最終的には2
70〜350℃の温度及び133×10-6MPa以下の
圧力で反応を実施する事が一般的である。
【0047】更に詳しくは、ポリカーボネートの粘度平
均分子量(Mv)が1000〜2000までの領域では
150〜220℃の温度及び40000×10-6MPa
〜13333×10-6MPaの圧力で反応を実施し、M
vが4000〜6000の領域では200〜250℃、
1333〜13333×10-6MPaで反応を実施し、
Mvが10000を超える領域では250〜300℃、
133×10-6MPa以下で反応を実施する事が好まし
い。なお、使用する圧力の単位は特に記述しない限りす
べて絶対圧である。
【0048】本発明で得られたポリカーボネートに触媒
失活剤を添加する事も出来る。本発明に使用する触媒失
活剤としては、公知の触媒失活剤が有効に使用される
が、この中でもスルホン酸のアンモニウム塩、ホスホニ
ウム塩が好ましく、更にドデシルベンゼンスルホン酸テ
トラブチルホスホニウム塩等のドデシルベンゼンスルホ
ン酸の上記塩類やパラトルエンスルホン酸テトラブチル
アンモニウム塩等のパラトルエンスルホン酸の上記塩類
が好ましい。またスルホン酸のエステルとしてベンゼン
スルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼ
ンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベ
ンゼンスルホン酸フェニル、パラトルエンスルホン酸メ
チル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンス
ルホン酸ブチル、パラトルエンスルホン酸オクチル、パ
ラトルエンスルホン酸フェニル等が好ましく用いられ、
就中、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホ
ニウム塩が最も好ましく使用される。
【0049】これらの触媒失活剤の使用量はアルカリ金
属化合物及び/又はアルカリ土類金属化合物より選ばれ
た前記重合触媒1モル当たり0.5〜50モルの割合
で、好ましくは0.5〜10モルの割合で、更に好まし
くは0.8〜5モルの割合で使用する事が出来る。
【0050】本発明を実施する設備形態は特に制限が無
く、回分式でも連続式でも実施する事が出来る。回分式
で実施する場合は、通常2基の反応器を直列に設置し、
前者に精留塔を設置した攪拌槽を使用し、後者に精留塔
を設置しない攪拌槽を使用し、相異なる条件で反応を実
施する。この場合両者を配管で接続し、必要に応じて反
応混合物を移送するためのポンプを備えた設備を用い外
気に触れる事無く前者の反応物混合物を後者に移送し、
後者で所望の重合度まで反応を実施する事が好ましい。
【0051】連続式で実施する場合は通常2基以上の反
応器を直列に設置し、隣接する反応器を配管で接続し、
必要に応じて反応混合物を移送するためのポンプを備え
た設備を用い、各々の反応器を異なる条件に維持しつつ
最初の反応器に原料と触媒とを連続的に供給し、最後の
反応器から所望の重合度のポリカーボネートを連続的に
抜き出す事により実施される。
【0052】このような設備においては反応混合物を供
給する機能として配管の接続が必要であり、この目的の
ために容器や配管に設置されたフランジは重要な役割を
演じる。
【0053】本発明者らの検討によると、ポリカーボネ
ートはポリエチレンテレフタレートを初めとする他の縮
合重合系のポリマーと異なり、酸素の影響を完全に無く
した状態であっても長時間の熱履歴を受けると着色や、
三次元に架橋したゲルと称される劣化物を生じる事が解
った。これは得られるポリカーボネートの品質を低下さ
せ、特に高品質が求められる用途、例えば光学用途にお
いて重大な問題を生じる。
【0054】この問題を解決するためには設備内のデッ
ドスペースと呼ばれる滞留部をなくす事が重要であり、
従来、反応器のデッドスペースをなくすための様々な検
討がためされ、各種の提案が出されている。しかしなが
ら溶融重合法で得られるポリカーボネートの品質は未だ
に不十分である事が現実である。
【0055】本発明者らはこの問題に鑑み、鋭意検討し
た結果、従来重きをなされていなかった管継手であるフ
ランジが設備全体のデッドスペースに大きな影響を与え
ており、また、温度の安定性が温度低下により結晶化を
起こしたり、温度上昇により熱劣化を引き起こすため、
製品品質に影響を受け易いポリカーボネート樹脂にとっ
ては重要な要素であり、フランジ部は表面積が大きいた
め、放熱により温度低下を生じ易く、ポリカーボネート
樹脂の温度の安定性に大きな影響を与えている事を見出
し、フランジとして特定の構造を有するフランジを使用
する事により溶融重合法で得られるポリカーボネートの
品質を大幅に向上させる事に成功した。
【0056】本発明において、ポリカーボネート樹脂を
輸送するための配管に取り付けられたフランジとは、例
えば図1に示すようなフランジである。
【0057】本発明において、「耐熱性」とは、高温に
なってもフランジの持つ気密性および耐圧性が運転時に
必要な気密および圧力を上回っており、配管を構成する
材料自体の熱膨張等の力を受けても使用においてまった
く問題ないことをいう。通常、圧力容器構造規格等に準
じて設計される。
【0058】ポリカーボネート樹脂の製造の場合、その
運転条件から耐熱温度は150〜350℃の間にするこ
とが望ましい。
【0059】また、熱膨張により当該フランジを構成す
る部品を締結するボルトが緩む場合があるので、使用温
度において増締めが好ましく行われる。
【0060】本発明において、「40000×10-6
Pa以下の真空下で漏れ量が実質的にゼロ」というの
は、当該フランジを含む配管内の到達真空度が13.3
×10-6MPaの時に当該配管外部からのガスの漏れ込
み量が内容積1Lに対し120×10-6MPa・L/h
以下のものを意味する。なお、このガスの漏れ込み量測
定法では、当該当該フランジを含む配管の内容積が小さ
いため測定が容易でない場合があるが、その場合は、
0.133×10-6MPaにてヘリウムリークテストを
行った場合に3×10-5ACC/S以下であることで代
用できる。その測定方法は次のようなものである。
【0061】a.ガス漏れ込み量測定法 ガスの漏れ込み量の測定は、当該配管内のガスを真空ポ
ンプにて吸引し、13.3×10-6MPaの圧力とした
後、真空ポンプの吸引を停止し、その1時間後に当該配
管内の圧力が所定の圧力以下であることを確認すること
による。例えば、当該配管内の容積が1Lとしたとき、
真空ポンプの吸引を停止1時間後、当該配管内の圧力が
133×10-6MPaの圧力以下であれば合格である。
【0062】b.ヘリウムリークテスト 配管内のガスを真空ポンプにて吸引して0.133×1
-6MPa以下の圧力にし、当該配管と真空ポンプとの
間にヘリウムリークディテクターを接続し、真空ポンプ
による吸引を続行したまま、当該配管を袋で覆いその中
へ外部よりヘリウムを吹き付け、当該配管内部へのヘリ
ウムの漏れ込み量をヘリウムリークディテクターにて計
測し、検出されたヘリウムの漏れ込み量が3×10-5
CC/S以下と検出されれば合格とする。ヘリウムリー
クディテクターとしては日本真空技術株式会社製DLMS−
TP3Eを用いることができる。
【0063】なお、上記において、ACC/Sとはat
m・cc/秒を意味し、単位秒当たりの漏れ込みヘリウ
ムの量を常温1気圧の体積として表わしたものである。
【0064】このように漏れの無いものであることが望
ましいのは、反応混合物が劣化して製品ポリカーボネー
トの品質に悪影響を与える理由が、外部の空気、特に酸
素が反応装置、内に侵入するためであるが、フランジは
その構造から、このような空気の侵入が起こりやすいこ
とによるものである。
【0065】なお、実質的に空気に触れさせないため、
バルブのグランド部分を98vol%以上のN2ガス雰
囲気にすることも望ましく実施される。
【0066】本発明において、「0.1MPa以上の耐
圧」というのは、当該配管内部の圧力が0.1MPa以
上の所定の圧力がかかった場合でも当該配管外部に対
し、何ら液あるいはガスを漏らさず、使用においてまっ
たく問題ない状態をいう。通常その範囲は0.1〜30
MPaの範囲とする。
【0067】本発明において、「その接液部が前記、原
料化合物及び化合物が反応して生成するモノヒドロキシ
化合物に対して耐食性を有する材料で構成」というの
は、当該フランジの使用において、配管の機能を損なわ
ず、製品中にフランジの材料が実質的に溶け出さないも
のであればどのようなものでも良いが、望ましくは、例
えば、SUS304、SUS304L、SUS316、
SUS316L、SUS630、SCS13、SCS1
4、SCS16、SCS19、などのステンレススチー
ル、HCr、Niなどのメッキ、ステライト盛り、または
HIP(熱間静水圧プレス)法ライニングなどしたカー
ボンスチールが好ましい。特に、ステンレススチールが
好んで使用される。また、材質は管とフランジとで異な
ってもよいが、望ましくは同じ材質とし、熱膨張による
影響を減らすことが配管の強度面から好ましい。
【0068】本発明において、フランジのシールに使用
するガスケットの材質は、フランジ本体の材質より柔ら
かいものを用いることが、シール性の面から好ましい。
この様な材質としては、例えばテフロン、カルレッツ、
Ti、Ni、Ag、Al、Cu、石綿、SUS304、
SUS304L、SUS316、SUS316L、SU
S317L、SUS321、SUS347、SUS41
0、モネルメタル、インコロイ800、Pbなどを挙げ
る事が出来る。接液面の耐食性に問題がある場合は、耐
食性の高い材質を表面にメッキすることも好んで使用さ
れる。また、ガスケットの材質は、フランジ本体と同じ
材質にしない方が焼き付きを防ぐことができより好まし
い。就中、ステンレススチールが好んで使用される。
【0069】本発明において、当該配管に使用される材
料は熱処理を行ったものが、高温時の応力の影響を考え
ると好ましい。
【0070】本発明において、「接液部の表面粗度が1
0μ以下」というのは、当該フランジの反応混合物に接
する面の表面粗度がRmaxにて10s以下であること
を意味する。
【0071】望ましくはRmaxにて3.3s以下であ
る。具体的な加工方法で言えばバフがけ#200以上
で、光沢が標準サンプル以上のピンホール、ミル肌残
留、スクラッチ、段付き、エクボのないものである。
【0072】さらに望ましくはRmaxにて1.6s以
下であり、具体的な加工方法で言えばバフがけ#300
以上、ホーン仕上、超仕上、ラップ仕上、液体ホーニン
グ等の研削加工による機械的仕上げや、化学研磨、電解
研磨などの電気化学および化学的加工による化学的仕上
げで加工されたものである。なお、本願発明において.
RmaxはJIS B0601−1982に従って測定
されたものである。
【0073】本発明において、当該フランジは使用条件
より、熱媒ジャケット、電気ヒーター等により均一にム
ラなく加熱することが好ましい。また、熱媒ジャケット
の場合、熱媒ジャケットを当該フランジに被せても良い
が、より好ましくは、当該フランジ内部に熱媒ジャケッ
トを設けて一体にする方が均一な加熱という面でより好
ましい。フランジが比較的大きい場合には、熱媒ジャケ
ット内に邪魔板を設けたり、熱媒の流路数を増やしたり
して均一に加熱されるようにすることが好ましい。
【0074】本発明において、当該フランジを管に接続
する場合、一般に溶接にて行うが、溶接部分の管が高温
にさらされるため管内面に炭化物が付着し、また、溶接
部分および溶接部近くの管の内面が凸凹になり、熱応力
の影響で配管の芯がずれ段差ができやすいため、研磨な
どによる表面仕上げなどの後加工を実施するのが好まし
い。
【0075】本発明において、当該フランジとフランジ
との間に使用するガスケットには、必要な耐熱性、耐
圧、耐食性を有するものなら何を用いても良いが、溝を
設けて中空金属Oリングを用いる場合、フランジとフラ
ンジ間の当り面をメタルタッチにすることが容易にでき
ると言う利点を有する。また、ガスケットが直接ポリカ
ーボネート樹脂にさらされないため、ガスケット自身の
変形や厚みによって生じるデッドスペースがなくなると
言う利点を有し、さらに、一般にガスケットは、ポルト
・ナットを締め付けて、ガスケットを変形させることに
よりシール性を持たせるため、その締付強度を持たせる
ためフランジの厚みが厚くなることが多いが、中空金属
Oリングは、変形させる力が他の平板ガスケットや渦巻
きガスケットなどに比べてかなり小さいため、比較的フ
ランジの厚みを薄くすることができると言う利点も有す
るため、好ましく使用される。
【0076】中空金属Oリングとしては、日本バルカー
工業(株)製V/#3640またはV/#3641、お
よびそれらの同等品が好ましく用いられる。なおOリン
グの形状は、“O”でなくても楕円等反応混合物流路を
切れ目無く囲むものであればどのような形であっても良
い。
【0077】本発明において、フランジの芯がずれない
ように、フランジ面にピンや溝などを設けて組み合わせ
ることが好ましい。この様な溝構造としては特に制限は
ないが、ガスケットを取り付ける部分であるガスケット
座をみぞ形にする方法がガスケット面の締付圧力を高
め、シール性を向上させる効果も有するため、最も好ま
しい。
【0078】本発明において、ガスケット座より内面
も、ガスケットのつぶれ代を計算し、フランジ間の表面
仕上げをRmaxにて25S以下とし、より好ましくは
6.3S以下とし、さらに好ましくは1.6S以下と
し、旋盤などにより機械加工を行い平行度を出してシー
ルをメタルタッチとすることがデッドスペースをなくす
上で好ましい。
【0079】本発明において、当該フランジを管に接続
する場合は、反応混合物の流路は、反応混合物の流線を
乱さないようななめらかな形状が好ましい。特に好まし
くは接続する管と同一内径である。製作上同一内径にで
きない場合は、当該流路のしぼり角度が頂角で20°以
下としてなめらかに接続する。より好ましい頂角は10
°以下であり、さらに好ましくは5°以下、さらにより
好ましくは1°以下である。
【0080】本発明において、当該フランジが比較的大
きくなり複数のボルト・ナットの締付を均等にし難い場
合は、当該フランジ間のすきまにボルト・ナットを締付
たとき適正なガスケットの締付圧になるような厚みを持
ったスペーサーを挟み込んで、ねじ部の締付距離を規制
することによりボルト・ナットの締付を均等にすること
ができる。また、スペーサーを挟み込むことにより、ボ
ルト・ナットの締付すぎによるフランジの変形を防ぐこ
とができる。
【0081】以下、本発明によるフランジの一例を図1
によって示す。ただし、図1は本願発明の1実施態様に
過ぎず、本願発明はこの図によって制限されるものでは
ない。
【0082】図1は1組のフランジを示す。フランジ
(メス)1とフランジ(オス)2および図示しない配管
はSUS316で作られている。フランジ(メス)1と
フランジ(オス)2は図示されないボルト・ナットによ
り所定のトルクにて締結される。フランジ(メス)1と
フランジ(オス)2とには熱媒ジャケット3が組み込ま
れており、図示しない配管により接続され、熱媒が流通
し、フランジ(メス)1とフランジ(オス)2とを加熱
保温する。
【0083】フランジ(メス)1とフランジ(オス)2
とは、管溶接部4にて図示されない管と突き合わせ溶接
にて接続される。
【0084】反応混合物の流路は、バフ#300で加工
されており、表面粗度はRmaxにて1.6Sに仕上げ
られ、反応混合物の金属表面での抵抗および微細なデッ
ドスペースをできるだけ減らすようになっている。
【0085】また、フランジ(メス)1とフランジ(オ
ス)2とは、溝部(オス)7と溝部(メス)8とが組み
合わさるようになっており、それらの接続する面は、表
面粗度がRmaxで1.6sに仕上げられており、旋盤
等による機械加工により平行度が出ており、メタルタッ
チ面5にてメタルタッチになるようになっている。
【0086】真空シールは金属Oリング取付座6に入れ
た図示されない中空金属Oリングを変形させて実施す
る。このとき溝の寸法は中空金属Oリングが溝からはみ
出さず、またシール性が得られる程度に変形するように
設定される。
【0087】反応混合物は、メタルタッチ面5と金属O
リング取付座6に取り付けた中空金属Oリングとによっ
て外部とシールされる。メタルタッチされているため、
事実上デッドスペースは存在しない。
【0088】フランジ(メス)1とフランジ(オス)2
との間には、図示されないスペーサーがフランジ間には
さみ込まれ、フランジ間の寸法が一定になるようにフラ
ンジ(メス)1とフランジ(オス)2とを締結後、使用
温度に昇温し、所定のトルクにて増締めを行い、図示さ
れない保温材にて覆われる。
【0089】なお、ポリカーボネート樹脂を製造しない
とき、例えば、洗浄時、ポリカーボネート樹脂製造の運
転開始作業時および運転休止作業時、設備点検時などで
は、洗浄液、加圧空気、真空状態などが、反応混合物に
代わって供給されるが、これらの場合でも本願発明に係
るフランジの機能には何ら問題が無いことも確認され
た。
【0090】
【実施例】以下に、本願発明の実施例を示す。なお、こ
の実施例は本願発明を例示するためのものであり、本願
発明はこの実施例によって制限されるものではない。
【0091】[実施例1]2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン1モルに対し、1.05モルの割
合でジフェニルカーボネ−トを攪拌機を備えた溶融槽に
仕込み、窒素置換後150℃で溶解し、該溶融混合液を
150℃に保った原料貯槽に移送した。
【0092】次いで、該溶融混合物を精留塔を備え、内
温240℃、内圧を1333×10-6MPaに維持した
竪型攪拌槽に連続的に60kg/時間の割合で連続的に
当該フランジにより接続された配管により供給すると共
に、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
1モルに対し、1×10-6当量のビスフェノールAジナ
トリウム塩と1×10-4当量のテトラメチルアンモニウ
ムヒドロキシドを連続的に加え、生成したフェノールを
精留塔より除去して反応を行った。得られた反応混合物
は本発明のフランジを用いた配管によりギヤポンプを用
いて連続的に抜き出した。
【0093】得られた反応混合物の重合度は固有粘度を
測定することで求めた。固有粘度[η]は、0.7g/
dlの反応混合物の塩化メチレン溶液をウベローデ粘度
計を用いて測定することで求めた。その結果[η]=
0.16のプレポリマーが得られた。
【0094】次いで該プレポリマーを内温270℃、内
圧を133×10-6MPaに保った横型反応器に連続的
に供給した。
【0095】発生するフェノールを系外に除去しつつさ
らに重合させることにより[η]=0.35のポリカー
ボネートを連続的に得た。
【0096】なお本実施例の目的のためのフランジは、
当該横型反応器への接続配管同士の接続、当該横型反応
器への接続配管と当該横型反応器との接続、当該横型反
応器とその出口配管との接続および当該横型反応器の出
口配管同士の接続に使用された。
【0097】出口側反応混合物の粘度は270℃におい
て3000Poiseに相当した。
【0098】本実施例の目的のために使用した本願発明
に係るフランジは、図2に示すように熱媒ジャケットを
設けたフランジであり、材質がSUS316であり、反
応混合物接液面ならびに管とソケットのメタルタッチ面
の表面粗度がRmaxで1.6sであり、溶接にはTi
g溶接を用いた。また、ガスケットはSUS316に銀
メッキをした中空金属Oリングを用いて、所定の締付ト
ルクで取付後、昇温し増締めを行った。
【0099】このフランジは、150℃以上の耐熱性を
有し、40000×10-6MPa以下の真空下での漏れ量
が実質的にゼロであり、且つ0.1MPa以上の耐圧を
有し、その接液部が前記、当該芳香族ジオール化合物と
当該炭酸ジエステル化合物とが反応して生成するモノヒ
ドロキシ化合物に対して耐食性を有する材料で構成され
ているものである。
【0100】なお、図2にしめすフランジとは図1に示
すフランジから溝部(オス)7と溝部(メス)8とを除
去し、さらに、図1に示す熱媒ジャケットがフランジの
鍔部分には及ばないようにしたものである。
【0101】10日の運転の後当該横型反応器の出口で
運転で得られたポリマーの1kgをサンプリングして、
30μの目開きを有するフィルターで塩化メチレンにて
溶解後ろ過すると、フィルター上にはポリカーボネート
1kgあたり10〜20個の異物が検出された。ここで
言う異物とは、ポリカーボネート樹脂のゲル、高結晶化
物、熱劣化物などである。
【0102】30日間の運転後、当該フランジ部を解体
すると、反応混合物の接液部は、運転前と同じ金属光沢
を有しており、メタルタッチ面にポリカーボネート樹脂
の劣化物が若干付着していた。
【0103】[実施例2]図2に示すフランジに代えて
図1に示すフランジを使用した以外は、実施例1と同様
にして重合反応を行った。
【0104】10日の運転の後横型反応器の出口で運転
で得られたポリマーの1kgをサンプリングして、30
μの目開きを有するフィルターで塩化メチレンにて溶解
後ろ過すると、フィルター上にはポリカーボネート1k
gあたり0〜数個の異物が検出された。ここで言う異物
とは、ポリカーボネート樹脂のゲル、高結晶化物、熱劣
化物などである。
【0105】30日間の運転後、当該フランジ部を解体
すると、反応混合物の接液部には、運転前と同じ金属光
沢を有しており、メタルタッチ面も同様に運転前と同じ
金属光沢を有していた。
【0106】[比較例1]図2に示すフランジに代え
て、図2に示すフランジにおいて金属Oリング取付部と
熱媒ジャケットとがないものを使用し、ガスケットに内
外輪付きの石綿渦巻きガスケットを用いた以外は実施例
1と同様にして重合反応を行った。
【0107】10日の運転の後横型反応器の出口で運転
で得られたポリマーを1kgをサンプリングして、30
μの目開きを有するフィルターで塩化メチレンにて溶解
後ろ過すると、フィルター上にはポリカーボネート1k
gあたり50〜60個のほとんど白色の異物が検出され
た。ここで言う異物とは、ポリカーボネート樹脂のゲ
ル、高結晶化物、熱劣化物などである。
【0108】16日間の運転後、当該フランジ部を解体
すると、反応混合物の接液部には、白色の異物が多量に
付着しており、メタルタッチ面にポリカーボネート樹脂
の劣化物が付着していた。
【0109】
【発明の効果】前記した構造を有する本発明のフランジ
によれば、フランジ部の温度の安定性が良く、デッドス
ペースがほぼなくなり、着色、架橋、ゲル発生等の滞留
劣化が抑制された重合物を得ることができ、製品品質に
きわめて良い結果が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるフランジの断面図の一例を示
す。
【図2】本発明に係わるフランジの断面図の一例を示
す。
【符号の説明】
1.フランジ(メス) 2.フランジ(オス) 3.熱媒ジャケット 4.管溶接部 5.メタルタッチ面 6.金属Oリング取付部 7.溝部(オス) 8.溝部(メス) 9.ボルトナット取付穴
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐脇 透 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 (72)発明者 佐々木 勝司 山口県岩国市日の出町2番1号 帝人株式 会社岩国研究センター内 Fターム(参考) 4G075 AA32 CA54 CA65 EA05 FB02 FC06 FC09 FC20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジオール化合物と炭酸ジエステル
    化合物とを主として含む混合物を重縮合せしめてポリカ
    ーボネートを製造するに際して、反応混合物を送液する
    配管を接続するための管継手として、150℃以上の耐
    熱性を有し、40000×10-6MPa以下の真空下での
    漏れ量が実質的にゼロであり、且つ0.1MPa以上の
    耐圧を有し、その接液部が前記、当該芳香族ジオール化
    合物と当該炭酸ジエステル化合物とが反応して生成する
    モノヒドロキシ化合物に対して耐食性を有する材料で構
    成されており、且つ、熱媒ジャケットを内部に持つフラ
    ンジを用いることを特徴とするポリカーボネートの製造
    方法。
  2. 【請求項2】 フランジがみぞ形のガスケット座を持つ
    ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 フランジが、フランジ接続用ガスケット
    に金属Oリングを持つことを特徴とする請求項1または
    2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 フランジ間にスペーサーを挟み込むこと
    を特徴とする請求項1、2または3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 フランジの接液部の表面粗度が10μ以
    下であることを特徴とする請求項1または2記載の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 耐食性を有する材料がステンレススチー
    ルであることを特徴とする請求項1〜5記載の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 接液部に機械的仕上げを施したフランジ
    を用いることを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 接液部に化学的仕上げを施したフランジ
    を用いることを特徴とする請求項5記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 芳香族ジオール化合物と炭酸ジエステル
    化合物とを主として含む混合物を重縮合せしめてポリカ
    ーボネートを製造するに用いる、反応混合物を送液する
    配管を接続するための管継手であって、150℃以上の
    耐熱性を有し、40000×10-6MPa以下の真空下で
    の漏れ量が実質的にゼロであり、且つ0.1MPa以上
    の耐圧を有し、その接液部が前記、当該芳香族ジオール
    化合物と当該炭酸ジエステル化合物とが反応して生成す
    るモノヒドロキシ化合物に対して耐食性を有する材料で
    構成されており、且つ、熱媒ジャケットを内部に持つこ
    とを特徴とするフランジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014069487A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Kaneka Corp 光学フィルムの製造方法
JPWO2015012089A1 (ja) * 2013-07-26 2017-03-02 宇部興産機械株式会社 押出プレスのコンテナ脱気装置

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