JP2000060861A - 外科手術開創装置 - Google Patents

外科手術開創装置

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JP2000060861A
JP2000060861A JP11197810A JP19781099A JP2000060861A JP 2000060861 A JP2000060861 A JP 2000060861A JP 11197810 A JP11197810 A JP 11197810A JP 19781099 A JP19781099 A JP 19781099A JP 2000060861 A JP2000060861 A JP 2000060861A
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arm
surgical retractor
surgical
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William D Fox
ウィリアム・ディー・フォックス
Ronald J Kolata
ロナルド・ジェイ・コラタ
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Ethicon Endo Surgery Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 2個のアームを有する外科手術開創器を回動
するための装置を提供する。 【解決手段】 本発明の装置は外科手術開創器の少なく
とも1個のアーム11,12と係合するためのブリッジ
170を有している。このブリッジは先端部、基端部お
よびこれらの間に延在する長手軸を有している。このブ
リッジはさらに当該ブリッジの先端部に取り付けられて
ブリッジを外科手術開創器に取り付けるための先端側連
結部材を備えている。ブリッジ連結部材およびブレード
から成るアーム拡張器280がブリッジに取り付けられ
て手術患者の組織に係合する。また、本発明の装置はエ
レベータ200から成る昇降組立体270を有してい
る。この昇降組立体はブリッジの基端部に上向きの力を
加えて、本装置が外科手術開創器のアームに取り付けら
れている時に、当該開創器を手術患者に対して回動す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
本特許出願は1998年1月23日出願の同時係属米国
特許出願第09/012,204号の一部継続特許出願
である。さらに、この米国特許出願第09/012,2
04号は1997年10月8日出願の同時係属米国特許
出願第08/946,767号の一部継続特許出願に基
づく優先権を主張する出願である。
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は体内組織および器官
における外科手術に関し、特に、血管の切開および血管
の移動の場合等において胸腔部に一時的に接近するため
の装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冠動脈バイパス手術を行なうための従来
の方法においては、別の体の部分から採取した血管のセ
グメントを自原性移植組織として使用して冠動脈の狭窄
部分を効果的にバイパス処理することにより閉塞部分か
ら先端側に適当な血流を回復する。このような手法にお
いては、患者の足から採取した伏在静脈を移植血管とし
て使用する。多くの場合において、足に形成した傷は治
癒に時間がかかり、患者は相当な痛みや不快を耐えねば
ならない。加えて外科医は、一般に静脈よりも動脈の方
が冠動脈に吻合した場合により良好な長期的バイパス移
植片として作用することを経験的に知得する。それゆ
え、一部の外科医は患者の腕から橈側動脈を採取してバ
イパス移植片として使用したり、伏在静脈および橈側動
脈の両方を多数箇所のバイパス手術に使用している。
【0003】このような伏在静脈および橈側動脈の採取
の代わりに、多くの外科医は肋骨構造(rib cage)から
成る胸骨の各側面に沿って胸腔内部に下行する内部乳房
動脈(IMA)の1本を使用している。このIMAは心
臓に近接しているために、患者から完全に除去する必要
はない。側枝部を止血して切断し、その血管の主幹部を
クランプにより閉塞してから、IMAを患者の横隔膜の
すぐ上の点で切断することによって、IMAを元の血液
供給源から分断することなく移動できるようにする。こ
の分離したIMAの端部を冠動脈(通常は、狭窄部より
も僅かに先端側の左腹側下行(LAD)冠動脈)に吻合
する。医者は内部胸腔の「張り(ceiling)」または壁
からIMAを分離しなければならないが、これと同時
に、IMAに穴を開けたりこれを傷つけることのないよ
うに極力注意を払う必要がある。さらに、このIMAの
側枝部は、一般的に電気外科手術装置により最小の血液
損失で、位置決めおよび離断する必要がある。
【0004】このようなIMAの移動およびIMAをL
AD冠動脈に吻合するための胸腔への接近方法に使用さ
れる最も一般的な方法は胸骨正中切開法(median stern
otomy)である。この方法の場合には、胸部の中心線上
に患者の胸骨を貫通して身長方向の切開部が形成され
る。その後、外科手術開創器によって肋骨構造を左右に
広げて保持することにより、一般に約4インチ乃至6イ
ンチの幅の開口部を形成する。この方法により胸部の筋
肉および他の組織がかなり傷つけられ、分割した胸骨を
再接合するための術後治癒にも極めて時間がかかる場合
がある。この結果、患者はかなりの痛みに耐える必要が
あり、回復にも時間がかかる。また、場合によっては余
病を併発したり、引き続いて手術処理が必要になること
もある。
【0005】近年において、上述の胸骨正中切開法を行
なう前に行なわれる幾つかの外科手術処理を行なうため
に、胸腔内に接近する新しい方法が開発されてきた。こ
のうちの極小の侵襲性の方法の一つをミニ開胸手術(mi
ni-thoracotomy)と呼び、左胸壁部の肋間(2本の肋骨
の間)に形成した切開部を介する接近手法が含まれる。
この場合も外科手術開創器を胸骨正中切開法のために使
用するが、この場合は、左胸部の上方および左胸部の下
方の肋骨構造が約2インチ広げられるだけなので、胸部
内の骨、筋肉等の組織に対する損傷がはるかに小さい。
従って、患者は手術後において比較的少ない痛みおよび
不快感に耐えればよく、その回復時間も相当に短くな
る。
【0006】しかしながら、このような胸腔部に接近す
るためのミニ開胸手術法は、胸腔部内に通じる開口部が
胸骨切開法に比して相当に小さいために、新しい手術器
具と接近方法を必要とする。また、IMAが胸腔壁に付
着しているために、下方の肋骨構造が手術に使用する器
具の操作の邪魔になって、医者がその開口部を介して処
理することが困難である。
【0007】多くの異なる外科手術開創器(retractors)
は市販のものであって、胸部手術に現在使用されてい
る。従って、胸腔を目視可能にしたりこれに接近する方
法を改良するために、これらの開創器の多くと共に使用
するのに適する装置や方法が必要である。さらに具体的
に言えば、開胸用切開部の一方の側を当該切開部の他方
の側の上方に持ち上げる装置が必要であり、この処理を
外科手術開創器と組み合わせて行なう装置が必要であ
る。さらに、外科手術の処理時間を最短にすることが極
めて重要であるので、容易かつ迅速な上記のような装置
および方法が必要である。また、今日の外科手術に要す
る高いコストを考慮して、このような装置が簡単に洗浄
滅菌できて再使用できることが重要であり、あるいは、
低コストで使い捨てできることが重要である。
【0008】また、この装置は人間の解剖学的構造にお
ける変化にも適合する必要があり、特に、患者の胸部に
おける曲がり形状、手術切開部の位置および共に使用す
る外科手術開創器の向きに対して適応可能である必要が
ある。さらに、手術処理中に安定であって、医者にとっ
て必要とされる上昇/開創の向きを維持し、患者をでき
るだけ傷つけない装置が要望されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】現在使用されている多
くの外科手術開創器の任意のものに取り付け可能な装置
が外科分野において必要とされており、これによって、
この手術処理において使用される他の外科手術装置の支
持や取り付けのための別の手段が提供できる。外科医が
胸腔内の器官や組織を保持または安定化して、固定した
構造体に補助的な保持器具を取り付けたり支持して、補
助者が手術中にその保持器具の位置を維持しなくてもす
むように望む場合がよくある。しかしながら、外科手術
用の開創器アームはプラットホームとして使用するには
関与の器官または組織から離れすぎている場合がある。
このような場合に、その外科手術開創器のアームに取り
付けることができて開口部を越えて関与の器官または組
織に近づくことのできる棒材または架橋部材が必要とさ
れる。すなわち、このような架橋部材が上記の補助的な
保持装置を支持して取り付けるためのプラットホームと
して使用できる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、外科手
術開創器を使用する患者に対して当該開創器を回動する
ための装置が提供される。この装置は外科手術開創器の
アームに係合するためのブリッジ(架橋部材)を有して
いる。このブリッジは先端部、基端部およびこれらの間
に延在する長手軸を有している。このブリッジはさらに
当該ブリッジの先端部に取り付けられてこのブリッジを
外科手術開創器に着脱自在に取り付けるための先端側連
結手段を備えている。また、上記装置はエレベータによ
り構成される昇降組立体を備えている。この昇降組立体
はブリッジの基端部に上向きの力を加えて、上記装置の
外科手術開創器への取り付け時に、当該開創器を上記先
端側連結手段の回りに上向きに回動する。さらに、上記
エレベータは上昇手段をブリッジに基端側連結手段の基
端側に取りつけるためのブリッジ連結手段を備えてい
る。このブリッジ連結手段はブリッジをその長手軸の回
りに回転するための回転自在の接続部を有している。
【0011】
【発明の実施の形態】本明細書に記載する本発明は2個
の装置から構成されており、これらの装置は胸腔部内へ
の接近処理を改善するために、市販の再使用可能な多く
の外科手術開創器と共に使用できる。図1から分かるよ
うに、本発明の第1の実施形態は、共に外科手術開創器
10に取り付けられている肋骨昇降装置20およびアー
ム拡張器90から構成されている。肋骨昇降装置20は
レバーとして作用して、先端側フック30、ブリッジ4
0、摺動可能な基端側フック50および昇降組立部品6
0から構成されている。さらに、先端側フック30は外
科手術開創器10の先端側アーム12に永久的に取り付
けられていて、このレバー装置の支点として作用する。
【0012】ブリッジ40は外科手術開創器10の基端
側アーム11に取り付けられていて、これによって、上
の肋骨構造5および下の肋骨構造6をそれぞれ開創す
る。昇降組立部品60によって基端側フック50に上向
きの力をかけて、装置全体が先端側フック30の回りに
上向きに回動するようにして、上側肋骨構造5を下側肋
骨構造6の上方に持ち上げる。外科医の選択によって、
下側肋骨構造6を上側肋骨構造5の上方に持ち上げるよ
うな、上述の態様とは逆の態様で本発明を使用すること
も可能であることが当然に理解できると考える。また、
開胸や胸骨正中切開においても本発明が使用できること
が当然に理解できると考える。図1において、アーム拡
張器90は外科手術開創器10の基端側アーム11に摺
動可能に取り付けられていて、ブレード92(図5参
照)によって上側肋骨構造5を下方から確実に支持する
ように構成されている。
【0013】さらに図1において、この種の市販の外科
手術開創器の場合に、図示の外科手術開創器は、基端側
アーム12と先端側アーム11との間の距離を機械的に
調節する手段を有していることがわかる。従って、外科
手術開創器10に取り付けられた肋骨昇降装置20も先
端側フック30と基端側フック50との間の距離の調節
手段を有することが必要である。さらに、下側肋骨構造
6に対する上側肋骨構造5の高さを調節するための手段
を設けることによって、外科医が胸腔内への開口部の寸
法を調節して患者に与える外傷を最小にできる。足部6
6を手術患者の胸に当てながら、外科医あるいはアシス
タントがノブ62を回してネジ64を前進させる。この
足部66はアーム拡張器90のブレード92(図5参
照)に対して幾分上方に離間していて、昇降組立部品6
0によって効果的な持ち上げ力を基端側フック50に加
えることができる。
【0014】本発明はまた、その用法および機能を変え
ることなく、図1に示す態様と逆の態様で外科手術開創
器10を構成することも可能である。すなわち、手術患
者の解剖学的構造と外科手術の諸条件によって外科手術
開創器10を組み立てる方向が決まる。
【0015】図2は簡明のために拡張器90および外科
手術開創器10を取り除いた状態の肋骨昇降装置20を
示している図である。この肋骨昇降装置20は外科手術
開創器10への着脱用の3個のアクチュエータ手段、す
なわち、基端側フック50をブリッジ40上に係止す
る、あるいは、基端側フック50をブリッジ40から外
して先端側フック30と基端側フック50との間の距離
を調節するためのスライドロックレバー58と、昇降組
立部品60をブリッジ40の基端部から離脱するための
リリースボタン82と、ネジ64を回転して基端側フッ
ク50を昇降するためのスクリューノブ62を有してい
る。
【0016】図3及び図4は、図2に示した肋骨昇降装
置のそれぞれ正面図と上面図である。ファスナー、ある
いは、当業者に周知の他の多くの手段によって、先端側
フック30をブリッジ40の先端部46に押圧嵌合によ
り取り付けることができる。外科手術開創器アーム12
の挿入用のV字形の溝32は、先端側フック30の中に
一体に配置されて、ブリッジ40の垂直下方に一定の最
適な距離で離間している。一方、先端側フック30のV
字形溝32に対向するV字形溝52を有する基端側フッ
ク50がブリッジ40に摺動可能に取り付けられてい
る。レバー58を上向きに起立させることによって、基
端側フック50がブリッジ40に沿って移動可能にな
る。くぼみ54(基端側フックの前面と後面)は外科医
が基端側フック50を掴んでこれを外科手術開創器上に
位置決めしやすくする。外科手術開創器の開創アーム1
1および開創アーム12(図1参照)を対向するV字形
溝32およびV字形溝52内に捕捉してから、レバー5
8を押し下げて基端側フック50をブリッジ40上に係
止する。レバー58はレバーピボット56の回りに回動
してブリッジ40の後面42にカム接触することによっ
て、基端側フック50をブリッジ40に係止する。
【0017】さらに図3および図4において、ブリッジ
40の基端部48が昇降フレーム80内に挿入されてい
る。ブリッジ40の基端部48の底面44におけるくぼ
み(図示せず)は、ラッチ位置でばね付勢されたボタン
82の突起部(図示せず)に係合する。この取り付け
は、ボタン82を押圧してフレーム80からブリッジ4
0を引き抜くことによって解除できる。このように肋骨
昇降装置20を分解可能にすることによって、輸送、取
り扱い、装置の洗浄が容易になり、本発明の別の実施形
態について後述するようにブリッジとフックを別に使用
する場合に有利である。スイベルブロック70を保持す
る昇降フレームフォーク84が昇降フレーム80と一体
になっている。このスイベルブロック70はスイベルピ
ン72,73(ピン72のみが見える)の回りに回動
し、ネジ64を受容するための内部ネジを備えている。
【0018】前に説明したように、ノブ62がネジ64
に取り付けられている。足部66と一体のカップ69内
に収容されるボール68がネジ64の反対側の端部に固
定されている。ネジ64はその長手軸およびブリッジ4
0により画定される平面内における最適な角度範囲にス
イベルブロック70によって拘束される。足部66に対
するネジ64の移動範囲は、上記のボール68とカップ
69の取り付けによってほぼ円錐状になる。図3および
図4において説明した肋骨昇降装置20の全ての構成部
品は、ステンレス鋼のような種々の金属、種々の医療用
硬質プラスチック、あるいは、金属とプラスチックの組
み合わせにより作成できる。この装置20は再利用可能
または一人の患者のみに使用する使い捨て可能な仕様で
製造可能である。
【0019】次に図5および図6において、アーム拡張
器90が、金属、好ましくはステンレス鋼、あるいは、
医療用硬質プラスチックから作成できる1片の部材から
構成されている。アーム拡張器90は、ブレード92
と、垂直スパン98と、L字形スロット94を形成する
アームラップ100およびフィン96とから成る。ブレ
ード92は肋骨構造(図1参照)の下方に延在してアー
ム拡張器を胸壁における切開端部から外すことなく肋骨
昇降装置によって上向きの力を加えることができるよう
に構成されている。また、ブレード92は、内部の胸腔
に広がる傷つきやすい組織の外傷を最小にするように組
織の広い範囲に渡って持ち上げ力を分配する。垂直スパ
ン98の長さ、ブレード92の長さおよびこれらの間の
角度を変化させることによって、外科医は各手術患者の
変化に対応することができる。従って、上記の態様にお
いてそれぞれ異なる形状を有する一定のアーム拡張器の
組合せを外科医の選択によって備えることができる。L
字形スロット94は、多くの異なった寸法および種類の
市販の外科手術開創器に対して摺動可能に嵌着し得る寸
法に設定されている。このL字形スロット94はフィン
96と協働してアーム拡張器による外科手術開創器のア
ーム回りの回転を防止することによって上向きの力を胸
壁に伝える。
【0020】図7は手術患者に対して外科手術開創器と
共に使用している状態の本発明による肋骨昇降装置の第
2の実施形態110を示している図である。この第2の
実施形態110は体腔部に至る解剖構造学的開口部の面
を傾斜することによりその内部に対する接近性および視
覚性を向上する点において上記第1の実施形態とよく似
ている。
【0021】この第2の実施形態の(第1の実施形態と
の)主な違いは、少数の部品で同等の機能が達成できる
ことである。以下の説明により明らかになるが、この第
2の実施形態は外科手術中の組立方法も第1の実施形態
とは異なる。すなわち、本発明のこの第2の実施形態
は、図7に示す肋骨昇降装置110であって、ブリッジ
170と、タワー部材120と、エレベータ140およ
びアーム拡張器90を備えている。
【0022】ブリッジ170の先端側フック172は外
科手術開創器10の開創アーム12の下側を通過してこ
の開創アーム12に当接する。この接合は本発明のレバ
ー装置のてこ台として作用する。ブリッジ170もまた
外科手術開創器10のアーム11の下方を通過して、ア
ーム11とこのアーム11に取り付けた上側肋骨構造6
を下側肋骨構造5の上方に持ち上げる配置になる。一
方、ブリッジ170の基端部174はタワー部材120
内に調節可能に取り付けられたエレベータ140内に支
持されている。
【0023】タワー120の基台122は手術患者の胸
部に置かれている。エレベータ140は後述する係止構
造を備えており、この係止構造は、図7に示すように、
タワー部材120がブリッジ170上におけるその垂直
状態から約30°で傾斜している時にのみブリッジ17
0のラチェット歯176と係合するように構成されてい
る。また、タワー部材120を垂直状態にして、その長
手軸をブリッジ170の長手軸に対してほぼ垂直にする
ことによって、タワー部材120をブリッジ170の長
さ方向に沿って移動してその基台122を手術患者の胸
部に位置決めしたり、タワー部材120をブリッジ17
0から取り外すことが可能になる。この調整はエレベー
タ140がタワー部材120における下方位置にあっ
て、開創アーム11に対するブリッジ170の力が最小
になる場合に容易に達成できる。タワー部材120の基
台122を手術患者の胸部上に適正に配置してから、外
科医あるいは手術アシスタントはブリッジ170の基端
部174を上昇してエレベータ140を手動で上昇させ
ることができる。また、後述するエレベータ140の係
止機構はタワー部材120のラチェット歯128,12
9に係合して外科手術中におけるエレベータ140の垂
直位置を維持する。この係止状態を解除する場合は、リ
リースボタン150を下方に押圧することによって、開
創器10のアーム11により加えられる下向きの力によ
りエレベータ140を調節可能に下降させることができ
る。この時点でタワー部材120を再配置することがで
き、エレベータ140の再上昇またはこの装置の外科手
術開創器10から取り外しが可能になる。図7に示すア
ーム拡張器90は図1に示すアーム拡張器と形態および
機能において同等である。
【0024】図8および図9は、スライド部材180
(図7に図示せず)を組み付けた図7のブリッジ170
を示しており、この組立体は以後ブリッジ組立体168
と称する。このような構成によって、図16に示すよう
な本発明の一部分の使用が外科医により選択可能とな
る。特に、ブリッジ組立体168は、別の手術装置を取
り付けるために便宜的に配置されたプラットホームや、
単に外科医または手術アシスタントの手の支持台として
使用できる。この場合、ブリッジ組立体168のフック
172およびフック182は手術患者の方向に下向きに
なっていて、外科手術開創器10のアーム12およびア
ーム11をそれぞれ捕捉する。図8において、ブリッジ
170はスライダーフレーム183の方形の縦孔に挿入
されている。この孔は、ブリッジ170がスライダ部材
180内において垂直方向および長手方向に沿う面内で
ある程度の角度変化を可能にするような大きさに形成さ
れている。このスライド部材180を開創アーム11に
押し付けてアーム11がフック182を強く押圧する
と、スライド係止爪184がブリッジのラチェット歯1
76と噛合してスライド部材180を所定位置に係止す
る。同様の作用は、スライダを保持したまま開創器アー
ム11および開創器アーム1112を僅かに広げること
によって生じる。この係止状態は、開創器アーム間の幅
を調節して狭くするか、あるいはスライド部材180の
上面に押し下げてラチェット歯176との係合から爪1
84を外すことによって容易に解除できる。ブリッジ1
70とスライド部材180はステンレス鋼のような金
属、あるいは、ガラス繊維充填ポリエーテルイミドのよ
うな医療用硬質プラスチックによって作成できる。この
スライド部材180は、必要に応じて使用できるが、タ
ワー120を装着したブリッジ170において使用する
ものではない。なお、ブリッジ170のフック172は
先端側連結部材と称することもできる。
【0025】次に、ブリッジ170の基端部174に上
向きの保持力を加えるように協働作用するタワー部材1
20とエレベータ140の特徴を説明する。これらの特
徴は図10乃至図15によって最良に理解することがで
きる。図10は、それぞれ上部をコーニス130によっ
て連接し、底部を基台122によって連接する左側カラ
ム124および右側カラム126から成るタワー部材1
20の正面図である。これらのカラム124およびカラ
ム125は概ね長方形の開口部125を形成している。
左側カラム124の前部に垂直な左側レール134が延
在しており、このレール134はコーニス130を介し
て右側カラム126の垂直な右側レール136に接続し
ている。さらに、左側カラム124上には垂直なラチェ
ット歯128の列が延在しており、右側カラム126に
は同様のラチェット歯129の列が垂直に延在してい
る。図10における線11−11に沿う縦断面図である
図11において分かるように、これらの歯128および
歯129は、上向きに移動する場合は爪を自由に摺動さ
せるが、下向きの場合はこれを係止するように構成され
ている。図10および図11において、基台122は複
数のフィン123から構成されていて、これらのフィン
123はガラス繊維充填ポリエーテルイミドのような医
療用硬質プラスチックによるタワー部材120の射出成
形を容易にする。なお、このタワー120はステンレス
鋼のような金属によっても作成できる。
【0026】図12は図10における線12−12に沿
う横断面図である。この図12は左右のそれぞれ第2の
レール135および第2のレール137を示しており、
これらのレール135,137はエレベータ140を捕
捉するように作用する。さらに、タワー120の前面を
現すためにレール134およびレール136がこの断面
図の上部に示されている。
【0027】図13,図14および図15はエレベータ
140を示しており、このエレベータ140はフレーム
141(図13参照)と、当該フレーム141から延在
するT字形ビーム160と、左側ウイング162と、右
側ウイング163と、左側レバーストッパ152と、右
側レバーストッパ153と、上側突起部143と、下側
突起部146と、左下ラッチ部154と、左上ラッチ部
156と、右下ラッチ部155と、右上ラッチ部157
とから構成されている。さらに、蝶ネクタイ状スロット
142がフレーム141の中央に形成されており、解除
レバー150がT字形ビーム160の前面から延出し、
爪リブ151がT字形ビーム160の後面から延出して
いる。
【0028】エレベータ140は4個のラッチ部154
乃至157によってタワー部材120に摺動可能に取り
付けられており、これらのラッチ部154乃至157は
柔軟な片持ばりで構成されている。すなわち、これらの
ラッチ部154乃至157を整合してタワー120の開
口部125の前面に挿入する。これらのラッチ部154
乃至157はタワー部材120のレール135およびレ
ール137(図12参照)の端部に嵌着し、これによっ
て、エレベータ140のガイド端部158およびガイド
端部159がタワー部材120のレール134およびレ
ール136の間に密接に挟み込まれる。左右のウイング
面186,187はタワー部材120の左右のスライド
面138,139上にそれぞれ摺動する。
【0029】タワー部材120に組み付けてから、爪リ
ブ151を当該タワー部材120の左右のラチェット歯
128,129に係合してエレベータ140の垂直位置
を維持することができる。このエレベータ140は、蝶
ネクタイ状スロット142に挿入されるブリッジ170
上において引き上げることによって最も容易にタワー部
材120内に上昇させることができる。T字形ビーム1
61は、爪リブ151がラチェット歯128,129上
に係止している時に曲がる。これらのラチェット歯12
8,129から爪リブ151を外す場合は、外科医ある
いは手術アシスタントがリリースボタン150を押し下
げればよく、これによって、エレベータ140はタワー
部材120におけるその最下位置まで下降する。左右の
レバーストッパー152,153におけるそれぞれ左右
のストッパー面166,167は、リリースボタン15
0の押し下げ時にT字形ビーム部分161の曲がり過ぎ
を阻止するよう作用する。
【0030】ブリッジ170の基端部174(図8参
照)は、当該ブリッジ170の長手軸がエレベータフレ
ーム141の面に対して垂直である時に、蝶ネクタイ状
スロット142に対して緩めに嵌装される。このブリッ
ジ170をエレベータ140に組み付けた時に、ラチェ
ット歯176は上方に向くようになっている(既に述べ
たように、図8のスライド部材180はエレベータ14
0およびタワー部材120と共に使用しないのが好まし
い)。スロット142が蝶ネクタイ状に形成されている
ので、ブリッジ170はその長手軸の回りにいずれの方
向にも僅かに回転することができる。このことによっ
て、外科医は、外科手術開創器10について本発明の組
立構成において多様な変更を変えることができる。さら
に、このような回転機能は手術患者の胸部の曲がりに対
応するためにも必要である。既に述べたように、タワー
部材120およびこれに収容されるエレベータ140が
ブリッジ170の長手軸に対する垂直線から約30°傾
斜している時に、エレベータ140はブリッジ170の
歯部176に係止される。すなわち、図13および図1
5に示すブリッジ爪148が上記の角度(30°)にお
いてのみブリッジの歯部176と噛合する。上側突起部
143の係止面144と下側突起部146の係止面14
7は、エレベータ140とタワー部材120の最大傾斜
量を制限するように作用する。エレベータ140はステ
ンレス鋼のような金属材料によって作成できるが、ポリ
エーテルイミドのような医療用の硬質プラスチックを材
料とするのが好ましい。なお、上記の肋骨昇降装置の第
2の実施形態110は再使用可能であり、1回だけの使
用で使い捨てすることもできる。
【0031】次に、本発明による肋骨昇降装置の第3の
実施形態270を図27に示す。この第3の実施形態は
タワー部材120およびブリッジ170から構成されて
おり、これらは共に上記第2の実施形態110において
も使用されている。加えて、この肋骨昇降装置の第3の
実施形態270はエレベータの変形例(変更態様)20
0、スリーブ240およびアーム拡張器の変形例280
を備えている。この肋骨昇降装置270もまた従来の外
科手術開創器10と組み合わせて使用できる。この肋骨
昇降装置の第3の実施形態270は、上記肋骨昇降装置
の第2の実施形態110に対して、ブリッジ170のタ
ワー部材120への取付手段および外科手術開創器10
への取付手段が以下に述べる点で異なっている。
【0032】図17乃至図19は第3の実施形態の肋骨
昇降装置270におけるエレベータの変形例200を示
している図である。このエレベータ変形例200は、図
7に示す肋骨昇降装置の第2の実施形態110のエレベ
ータ140とほぼ同じ態様で使用されるが、このエレベ
ータ変形例200は図20乃至図22に示すスリーブ2
40と共に使用される。さらに、図23および図24は
図27のタワー部材120に組み込んだ場合のエレベー
タ変形例200、スリーブ240およびブリッジ170
を示しているが、タワー部材120は簡明のために除去
している。
【0033】図17,図18および図19において、エ
レベータ変形例200はフレーム212、当該フレーム
212から延出するT字形ビーム214、左側ウイング
部材216、右側ウイング部材218、左側レバースト
ッパー220、右側レバーストッパー222、左下ラッ
チ部210、右下ラッチ部208、左上ラッチ部224
および右上ラッチ部226から構成されている。フレー
ム212の前面206から鍵付き開口部204を収容す
るボス202が突出している。また、T字形ビーム21
4の前面からリリースレバー238が延出しており、爪
リブ228がその後面から延出している。好ましくは、
このエレベータ変形例200は医療用硬質プラスチック
により射出成形されている。
【0034】このエレベータ変形例200は図13乃至
図15に基づくエレベータ140の場合において既に述
べた態様と同一の態様でラッチ208,210,224
およびラッチ226によってタワー部材120に摺動可
能に取り付けられている(図7参照)。さらに、このエ
レベータ変形例200のタワー部材120内における高
さ調節もまた図13乃至図15に基づいて述べたエレベ
ータ140の場合と同じである。
【0035】次に図20乃至図22において、スリーブ
240はフランジ部244を有するカニューレ246、
当該フランジ部244からカニューレ246の下方に延
在する第1のラッチ部248および第2のラッチ部25
0、および柔軟性ビーム部材254によりカニューレ2
46に取り付けられているスリーブリリースレバー24
2を備えている。カニューレ246は図7のブリッジ1
70を受容するための概ね長方形の開口部260を備え
ている。この開口部260の中にブリッジ170の歯部
176に係合するための爪252が突出している。2個
のガセット256がリリースレバー242と柔軟性ビー
ム部材254との間の取り付けを強化しており、使用者
がリリースレバー242を押圧すると、柔軟性ビーム部
材254が上方に偏向して爪252が図22の長手軸2
66から離れる。上側スペーシングリブ259および下
側スペーシングリブ258はスリーブ240をエレベー
タ変形例200の鍵付き開口部204の中心に保持する
ように作用する。なお、図22は図21の線22−22
に沿って見たスリーブ240の部分断面図である。
【0036】図23はスリーブ240がエレベータ変形
例200のボス部202内に嵌入している状態を示して
いる図である。すなわち、第1のラッチ部(図示せず)
248および第2のラッチ部および250がスリーブ2
40をボス部202の中に保持している。指による押圧
力によってこれらの第1のラッチ部248および第2の
ラッチ部250を偏向することによってスリーブ240
をボス部202から取り外すことができるが、本発明の
通常の使用中において、使用者はスリーブ240をボス
部202から取り外す必要はない。図23において、ブ
リッジ170はスリーブ240の中に組み込まれて、そ
の長手軸266とエレベータ変形例200のフレーム2
12との間の最適なブリッジ角度268で保持されてい
る。このブリッジ角度268は可変であるが、図示のよ
うに約60°にするのが好ましい。ブリッジ170の歯
部176は爪252(図22参照)と係合して当該ブリ
ッジ170をその長手方向に係止する。さらに、リリー
スレバー242を押圧することによって、ブリッジ17
0の長手方向の位置が調節可能となり、ブリッジ170
をスリーブ240から完全に取り外すことができるよう
になる。
【0037】図24は図23の線24−24に沿って見
たエレベータ変形例200、スリーブ240およびブリ
ッジ170の組立状態を示している図である。角度26
4は時計方向および反時計方向の両方における長手軸2
66の回りのエレベータ変形例200に対するブリッジ
170およびスリーブ240の可能な回転範囲を示して
いる。この作用はエレベータ変形例200の鍵付き開口
部204の形状と鍵部205の存在によって生じるもの
であり、この鍵部205はブリッジ170の回転限界点
においてスリーブ240の上面部262に接触する。
【0038】エレベータ変形例200のスリーブ240
およびボス部202は上記肋骨昇降装置110の第2の
実施形態110について説明したエレベータ140の蝶
ネクタイ状スロット142に実質的に置き換えることが
できる。スリーブ240を伴うエレベータ変形例200
の使用に対する上記鍵の利点は、タワー部材120にお
けるブリッジ170の長手方向の位置を調節する手段が
タワー部材120内のブリッジ170の基端部174
(図7参照)の高さを調節する手段を含む構成要素(エ
レベータ変形例200)から回転動作において分離して
いる別の構成要素(スリーブ240)であるということ
である。このように構成することによって、当該肋骨昇
降装置の第3の実施形態270におけるブリッジ170
の長手方向の調節を決定する手段は、上記肋骨昇降装置
の第2の実施形態110の手段を使用する場合に比し
て、使用中に不注意に外れる可能性が小さい。このこと
は、ヒトの解剖学的構造、開胸位置および外科手術開創
器10の位置決めにおける多様性を考慮する場合に重要
である。すなわち、これらのファクターは装置の不安定
性に影響するからである。つまり、ブリッジ170の長
手方向の調節を維持して手術部位に対する接近性や視覚
性を損なうことなく複雑な外科手術処理を実行できるよ
うにすることが重要である。
【0039】図27に示す肋骨昇降装置の第3の実施形
態270に戻って、ブリッジ170はアーム拡張器変形
例280にその先端部172を直接組み立てた状態で示
されている。このような配置構成は、肋骨昇降装置の第
2の実施形態110における図7に示した外科手術開創
器10にブリッジ170を取り付ける手段に比して、多
くの優れた利点を有している。第1に、ブリッジ170
は切開部を跨ぐことがなく、これによって、手術部位に
対する接近性および視覚性が高まる。第2に、ブリッジ
170により与えられる持ち上げ力が、アーム拡張器ブ
レードの変形例280を介して伝達される時に、手術患
者の胸壁からの抵抗力と直線上に対応する。このことに
よって、第2の実施形態110に比してより安定な装置
が構成できる。第3に、ブリッジ170が外科手術開創
器10のアーム11およびアーム12の下方を通過する
必要がなく、アーム拡張器変形例280の上部に取り付
けられていることである。この構成によって、外科医は
本発明を外科手術開創器10と共に設定して調節するこ
とが容易になり、切開部の周りの組織に対する損傷を極
小に抑えることができる。
【0040】図26は肋骨昇降装置の第3の実施形態2
70におけるアーム拡張器の変形例280を示している
図である。このアーム拡張器変形例280はブレード2
82、垂直スパン部284およびL字形スロット288
が貫走しているフレーム286を備えている。フレーム
286の上面部290は、貫通開口部298と、フラン
ジ状端部294におけるフランジ部292と、傾斜端部
296上の傾斜面300を有する包容体(enclosure)
299である。好ましくは、このアーム拡張器変形例2
80は医療用硬質プラスチックにより形成されている。
なお、フレーム286はアーム連結部材と称することも
できる。さらに、上記の包容体299をブリッジ連結部
材と称することもできる。
【0041】図27において分かるように、ブリッジ1
70はアーム拡張器変形例280の開口部298におけ
る傾斜端部296の中に摺動可能に挿入されていて、歯
部176が上向きになる。ブリッジ170は、当該ブリ
ッジ170のフック部172の内側がアーム拡張器29
8の傾斜面300に当接するまで、当該開口部298の
中に挿入される。次いで、ブリッジ170の基端部17
4がスリーブ240の開口部260の中に挿入されて所
望の長手方向における調節状態になる。その後、エレベ
ータ変形例200をタワー部材120の中で所望の高さ
まで上昇させながら、ブリッジ170の基端部174を
持ち上げて外科手術開創器10により上側肋骨構造6を
下側肋骨構造5の上方に持ち上げる。なお、エレベータ
変形例280はリリースレバー238と基端部174を
一緒に掴み合わせることによって下降することができ
る。また、ブリッジ170はリリースレバー242を押
圧しながらタワー部材120を手術部位から離すことに
よってスリーブ240から取り外すことができる。
【0042】上記のアーム拡張器280およびブリッジ
170は単一部材として製造してもよく、また、永久的
に結合した複数の部材として製造することもできる。加
えて、本発明は複数の手術患者の身体的特徴(異なる組
織層厚等)および複数の外科手術開創器について使用す
ることができ、複数の形状のアーム拡張変形例を備える
ことが有利である。さらに具体的に言えば、垂直スパン
部284およびブレード282(図26参照)は長さ、
幅および厚さの複数の組み合わせを備えることができ
る。あるいは、L字形スロット288を複数の形状にし
て異なる種類の外科手術開創器に適応できるようにする
一方で、図26に示す形状を広範な外科手術開創器に適
応できるように構成してもよい。而して、外科医は手術
する患者の特定の身体的形態または使用する外科手術開
創器の特定の種類に応じて所望のアーム拡張器の変形種
を選択できる。
【0043】上述の肋骨昇降装置の第3の実施形態27
0は各構成要素の材料の選択によって単一の患者に使用
して使い捨て可能に製造してもよく、滅菌可能かつ再使
用可能に製造することもできる。
【0044】以上の説明によって、本発明の新規概念に
おける趣旨および範囲に逸脱することなく本発明の多く
の変形ならびに変更を行うことができることが明らかと
なる。さらに、本明細書に例示する特定の実施形態が本
発明を制限する目的のものであったり、本発明の制限を
推断させる目的のものではないと解するべきである。す
なわち、本出願明細書による開示は上記の特許請求の範
囲における各請求項と以下に記載するこれらの請求項に
それぞれ対応する実施態様によってその範囲が定まるも
のであり、当該開示の変更態様はすべてこれらの請求項
およびその実施態様によって定まる範囲内に含まれる。
【0045】本発明の具体的な実施態様は以下の通りで
ある。 (1)前記アーム拡張器が前記ブリッジに着脱自在に取
り付けられている請求項1に記載の装置。 (2)前記アーム拡張器が前記ブリッジに取り付けられ
ている場合に前記ブレードが前記ブリッジの下方におい
て当該ブリッジの基端部に向かって延出している請求項
1に記載の装置。 (3)前記ブリッジ連結部材が前記ブリッジを着脱自在
に接続するように受容する開口部により構成されている
請求項1に記載の装置。 (4)前記アーム拡張器がさらに当該アーム拡張器を外
科手術開創器のアームに取り付けるためのアーム連結部
材を備えている請求項1に記載の装置。 (5)前記アーム連結部材が外科手術開創器のアームを
着脱自在に接続するように受容するスロットから構成さ
れている請求項1に記載の装置。
【0046】(6)前記アーム拡張器が前記ブリッジに
着脱自在に取り付けられている請求項2に記載の装置。 (7)前記アーム拡張器が前記ブリッジに取り付けられ
ている場合に前記ブレードが前記ブリッジの下方におい
て当該ブリッジの基端部に向かって延出している請求項
2に記載の装置。 (8)前記ブリッジ連結部材が前記ブリッジを着脱自在
に接続するように受容する開口部により構成されている
請求項2に記載の装置。 (9)前記アーム拡張器がさらに当該アーム拡張器を外
科手術開創器のアームに取り付けるためのアーム連結部
材を備えている請求項2に記載の装置。 (10)前記アーム連結部材が外科手術開創器のアーム
を着脱自在に接続するように受容するスロットから構成
されている実施態様(9)に記載の装置。
【0047】(11)前記アーム拡張器が前記ブリッジ
に取り付けられている場合に前記ブレードが前記ブリッ
ジの下方において当該ブリッジの基端部に向かって延出
している請求項3に記載の装置。 (12)前記アーム連結部材が前記アームを着脱自在に
接続するように受容するスロットにより構成されている
請求項3に記載の装置。 (13)前記アーム拡張器がさらに当該アーム拡張器を
前記ブリッジに取り付けるためのブリッジ連結部材を備
えている請求項3に記載の装置。 (14)前記ブリッジ連結部材が前記ブリッジを着脱自
在に接続するように受容する開口部から構成されている
実施態様(13)に記載の装置。
【0048】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
手術患者の身体的特徴または使用する外科手術開創器の
特定の種類に適応可能なアーム拡張器を備える外科手術
開創装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】手術患者の胸壁切開時に外科手術開創器と共に
使用する場合の本発明の第1の実施形態の等角図であ
る。
【図2】図1に示す第1の実施形態における肋骨昇降装
置20の等角図である。
【図3】図2に示す肋骨昇降装置20の正面図である。
【図4】図2に示す肋骨昇降装置20の平面図である。
【図5】図1に示す第1の実施形態におけるアーム拡張
器90の等角図である。
【図6】図1に示す第1の実施形態におけるアーム拡張
器90の正面図である。
【図7】手術患者に外科手術開創器と共に使用中の本発
明の第2の実施形態の等角図である。
【図8】図7に示す本発明の第2の実施形態におけるブ
リッジ組立体168の正面図である。
【図9】図7に示す本発明の第2の実施形態におけるブ
リッジ組立体168の底面図である。
【図10】図7に示す本発明の第2の実施形態における
タワー部材の正面図である。
【図11】図10に示すタワー部材における線11−1
1に沿う断面図である。
【図12】図10に示すタワー部材における線12−1
2に沿う断面図である。
【図13】図7に示す本発明の第2の実施形態における
エレベータの正面図である。
【図14】図7に示す本発明の第2の実施形態における
エレベータの平面図である。
【図15】図13に示すエレベータにおける線15−1
5に沿う断面図である。
【図16】手術患者に外科手術開創器と共に使用中の本
発明の第2の実施形態におけるブリッジ組立体およびア
ーム拡張器の等角図である。
【図17】本発明の第3の実施形態におけるエレベータ
変更態様の正面図である。
【図18】図17のエレベータ変更態様の平面図であ
る。
【図19】図17のエレベータ変更態様の線19−19
に沿う断面図である。
【図20】本発明の第3の実施形態におけるエレベータ
変更態様と共に使用するスリーブの平面図である。
【図21】図20のスリーブの端面図である。
【図22】図20のスリーブの側面図である。
【図23】図17のエレベータ変更態様、図20のスリ
ーブおよび図7のブリッジから成る組立体の側面図であ
る。
【図24】図23における線24−24の方向から見た
エレベータ変更態様、スリーブおよびブリッジから成る
組立体を示している。
【図25】図23に示すエレベータ変更態様、スリーブ
およびブリッジから成る組立体の断面図である。
【図26】本発明の第3の実施形態におけるアーム拡張
器変更態様の等角図である。
【図27】手術患者に外科手術開創器と共に使用中の本
発明の第3の実施形態の等角図である。
【符号の説明】
10 外科手術開創器 11,12 アーム 20,120,270 肋骨昇降装置 40,170 ブリッジ 90,280 アーム拡張器 92,282 ブレード 140,200 エレベータ 286 アーム連結部材 299 ブリッジ連結部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロナルド・ジェイ・コラタ アメリカ合衆国、45249 オハイオ州、シ ンシナティ、ギデオン・レーン 11316

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 患者に対して外科手術開創器をその使用
    中に回動するための装置において、 (a)少なくとも1個の外科手術開創器と係合するため
    のブリッジから成り、当該ブリッジが先端部、基端部お
    よびこれらの間に延在する長手軸を有しており、さら
    に、 (b)前記ブリッジの先端部に取り付けられてブリッジ
    を前記外科手術開創器に着脱自在に取り付けるための先
    端側連結部材と、 (c)ブリッジ連結部材およびブレードを備えるアーム
    拡張器とから成り、当該ブリッジ連結部材がアーム拡張
    器を前記ブリッジに連結し、ブレードがブリッジに接続
    している場合に手術患者の組織に係合するために外科手
    術開創器のアームから下方に延出しており、さらに、 (d)前記ブリッジの基端部に取り付けられた昇降組立
    体から成り、当該昇降組立体が前記ブリッジの基端部に
    上向きの力を加えるための手段を備えており、これによ
    って、前記装置が外科手術開創器に取り付けられている
    場合に、当該昇降組立体が外科手術開創器を前記先端側
    連結部材の回りに上方に回動することを特徴とする装
    置。
  2. 【請求項2】 患者に対して外科手術開創器をその使用
    中に回動するための装置において、 (a)少なくとも1個の外科手術開創器と係合するため
    のブリッジから成り、当該ブリッジが先端部、基端部お
    よびこれらの間に延在する長手軸を有しており、さら
    に、 (b)前記ブリッジの先端部に取り付けられてブリッジ
    を前記外科手術開創器に着脱自在に取り付けるための先
    端側連結部材と、 (c)ブリッジ連結部材およびブレードを備えるアーム
    拡張器とから成り、当該ブリッジ連結部材がアーム拡張
    器を前記ブリッジに連結し、ブレードがブリッジに接続
    している場合に手術患者の組織に係合するために外科手
    術開創器のアームから下方に延出しており、さらに、 (d)前記ブリッジの基端部に取り付けられた昇降組立
    体から成り、当該昇降組立体がエレベータにより構成さ
    れており、当該エレベータは前記ブリッジの基端部に上
    向きの力を加えることが可能であり、これによって、前
    記装置が外科手術開創器に取り付けられている場合に、
    当該昇降組立体が外科手術開創器を前記先端側連結部材
    の回りに上方に回動することを特徴とする装置。
  3. 【請求項3】 患者に対して外科手術開創器をその使用
    中に回動するための装置において、 (a)少なくとも1個の外科手術開創器と係合するため
    のブリッジから成り、当該ブリッジが先端部、基端部お
    よびこれらの間に延在する長手軸を有しており、さら
    に、 (b)前記ブリッジの先端部に取り付けられてブリッジ
    を前記外科手術開創器に着脱自在に取り付けるための先
    端側連結部材と、 (c)アーム連結部材およびブレードを備えるアーム拡
    張器とから成り、当該アーム連結部材がアーム拡張器を
    外科手術開創器に連結し、ブレードが外科手術開創器の
    アームに接続している場合に手術患者の組織に係合する
    ために当該外科手術開創器のアームから下方に延出して
    おり、さらに、 (d)前記ブリッジの基端部に取り付けられた昇降組立
    体から成り、当該昇降組立体がブリッジの基端部に上向
    きの力を加えるためのエレベータにより構成されてお
    り、これによって、前記装置が外科手術開創器に取り付
    けられている場合に、当該昇降組立体が外科手術開創器
    を前記先端側連結部材の回りに上方に回動することを特
    徴とする装置。
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