JP2000058931A - 熱電変換素子及び熱電変換モジュール - Google Patents

熱電変換素子及び熱電変換モジュール

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JP2000058931A
JP2000058931A JP10229815A JP22981598A JP2000058931A JP 2000058931 A JP2000058931 A JP 2000058931A JP 10229815 A JP10229815 A JP 10229815A JP 22981598 A JP22981598 A JP 22981598A JP 2000058931 A JP2000058931 A JP 2000058931A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】半導体部におけるキャリアの移動度を大きく
し、見かけ上の温度差を増大させるようにして熱電変換
効率の向上を図る。 【解決手段】熱源12に対して近接した位置に配された
第1導体14と、低温側に配された第2導体16との間
に半導体部18を有する熱電変換モジュール10Cにお
いて、p型半導体素子22の高温部に近い部分にn型領
域50を形成してp−n−pのかたちにし、n型半導体
素子24の高温部に近い部分にp型領域52を形成して
n−p−nのかたちにし、更に、n型半導体素子24に
おけるp型領域52と第2導体16間に正方向に電源6
2を接続してp型領域52の電位を接地電位よりも高く
設定し、p型半導体素子22におけるn型領域50に接
地電位を印加することによって、これらp型領域52及
びn型領域50に外部電界が印加されるように構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱を電気に直接変
換する熱電変換素子及び熱電変換モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の普及に伴い、その熱源
が大量となり、熱量も相対的に膨大なものとなりつつあ
る。そこで、放熱により排熱しているだけの実状を考え
ると、なんとか熱電変換効率を向上させ、熱を捨てるの
ではなく、有効利用することが要求されている。
【0003】熱電変換は、これまで放熱や冷却により捨
てられていた熱を利用しようというもので、将来の技術
として期待されている。
【0004】しかしながら、それにより電力として得ら
れる効率は、熱起電力をV、ゼーベック係数をα、高温
側と低温側の温度差をΔTとすると、 V=αΔT で示されるように、温度差ΔTを大きくするか、ゼーベ
ック係数αの大きな素材で構成するかによる。現在のと
ころ、その変換効率は温度差ΔT=1000Kで約30
%程度まで可能とされているが、実質では〜10%程度
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、排熱として
現在、また将来的にも問題とされるのは、PDU、PC
U、MPUや家庭用クーラー等から発生する熱の処理
で、この場合、温度差ΔTは100K程度ないしはそれ
以下でしかなく、その熱電変換効率は〜数%にも満たな
いと考えられている。
【0006】また、そのようなPDU、PCU、MPU
の高速化、高集積化、高性能化は、発熱の増大を招き、
それに伴い、冷却システムが大きくなる傾向にある。当
然ながら、微細加工技術や制御技術の進展は、熱の発生
も考慮しつつなされているが、それでも回路や素子から
発生する熱をそのままにしておくと、ますます温度が上
昇し、機能の低下が生じてしまう。
【0007】そのため、熱を効率よく有効利用しつつ排
熱できる安価なシステムが望まれているが、数%の熱電
変換効率さえ望めないのでは、実用化は困難である。
【0008】この熱電変換効率を飛躍的に向上させるた
めには、使用する材料や素子構成を改善し、ゼーベック
係数を大きくすることが必要である。
【0009】本発明はこのような課題を考慮してなされ
たものであり、半導体部におけるキャリアの移動度を大
きくして見かけ上の温度差を増大させることができ、も
って熱電変換効率の向上を図ることができる熱電変換素
子及び熱電変換モジュールを提供することを目的とす
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】まず、熱起電力の原理
は、棒状の半導体物質の一方を低温に、他方を高温にす
ると、高温側のフェルミ準位が変化して、半導体物質の
多数キャリアは低温側に熱拡散で移動する。多数キャリ
アが電子の場合は高温側はプラスイオンになり、低温側
はマイナスイオンとなる。一方、多数キャリアが正孔の
場合はその逆の特性を示す。プラスイオンとマイナスイ
オン間に生じるクーロン力とキャリアの濃度差による拡
散の駆動力が釣り合ったところでキャリアの移動は止ま
る。
【0011】2つの異なった半導体物質の両端を接続
し、温度差ΔTを設けると、物質の熱起電力が異なるた
め、閉回路に電流が流れる。従って、熱電変換に対する
高能率材料とするためには、キャリア密度を高くし、か
つ、キャリアの移動度を高くすればよい。
【0012】キャリア密度は、半導体材料への不純物の
注入量、不純物種により変化することから、材料が決ま
れば、おおよそのキャリア密度の推定がなされるように
なる。
【0013】移動度は生成した正孔や電子が移動するし
やすさに焦点を当てているのだが、キャリアの移動が容
易に起これば起こるほど新しいキャリアが生まれて輸送
されることになるため、大きな電流が引き起こされ、そ
の結果、熱電変換効率が向上する。キャリアの移動度
は、1つは電気抵抗で表されるであろうから、電気抵抗
が低いことが望まれる。
【0014】また、熱的には、温度差ΔTが熱起電力の
支配因子であり、更にフェルミ準位の温度による変化を
考えると、その勾配が急峻であることが望ましいため、
低熱伝導であることが必要である。これは実際に材料開
発の指針とされてきたものである。
【0015】ここで、例えばキャリア密度として最大の
ものが得られたものと想定したとき、キャリアの移動度
を考慮する段階において、視点を材料から移動度を加速
するようなものが外部から与えられないか検討した。移
動度の加減速には磁界、電界が考えられる。キャリアが
電子の場合は磁界によって輸送経路を絞ることが可能
で、引き出し電圧を与えれば加速されると考えられる。
【0016】しかしながら、半導体回路が漏洩磁界によ
る誘導電流により誤動作をしたり、回路動作が印加電界
により遅延するというようなことが考えられるため、大
きな磁界や電界はかけられないとも考えられる。
【0017】また、磁界は電子の直線運動を一部回転運
動に転化するため、この場合、抵抗として作用すること
になり、熱電変換効率は低下することが考えられる。そ
のため、電界により効率向上が図れないかどうか詳細に
検討を行った。
【0018】電子の加速で電界利用の代表的なものは電
子銃であり、EBWや電子顕微鏡に用いられているもの
は大電界を印加することによって利用している。
【0019】図1及び図2は、棒状の半導体物質に対す
る加熱前と加熱時(片側加熱)の金属フェルミ面の変化
をn型半導体を介したときの状態として模式的に示した
ものである。図1及び図2において「●」は電子を示
す。電子はこの図1及び図2では片側加熱により低温側
に移動し、高温側は(+)、低温側は(−)となり、電
界が生じている。従って、これを閉回路とすれば電流が
流れる。図3A及び図3Bに示すように、上述のような
温度の高低によって発生する電界の方向を矢印A方向と
し、外部からの印加電界の方向を矢印B方向としたと
き、その合成ベクトルは、図示するようなベクトル和に
なる。
【0020】熱勾配により生成された電界は、温度差Δ
Tの大きさや材種で変化するものと考えられ、このとき
の傾きを電界の大きさと想定すると、温度差ΔTや材種
が決められたとしても、外部から電界を印加することに
より、このベクトルの方向も多少変化してしまうが、大
きさを変えることも可能である。
【0021】即ち、ここで生じている勾配をあたかも温
度差ΔTが増大したように、あるいはあたかも電子密度
が増加したようにすることが可能となり、熱起電力が向
上すると考えられる。
【0022】p型半導体では温度差ΔTによりホール
(正孔)が移動するが、このときもn型半導体ほどの効
果はなくとも電界によりその速度を加速することができ
るものと考えられる。
【0023】その結果、熱起電力はp型半導体とn型半
導体とでその差が増大し、熱起電力の向上、熱発電効率
の向上が達成されるものと考えられる。
【0024】つまり、熱発電の原理を詳細に検討する
と、高温で生成された電子や正孔の移動度によって熱電
変換効率が左右される。熱電変換効率が現状で低いの
は、キャリアの生成の頻度やキャリアの移動に対する障
壁等の量子条件と関係する。
【0025】従って、生成された電子や正孔が再結合等
によって消滅する前に移動させて見かけ上の生成頻度を
向上させると共に、エネルギー障壁を超えられるように
加速することによってキャリアの移動度も向上し、熱電
変換効率が飛躍的に向上することになる。
【0026】このようなことから、本発明に係る熱電変
換素子は、半導体部に電界を印加するための電界印加手
段を設けて構成する。印加された電界により、半導体部
のn型素子は、更に電子移動が盛んとなり、p型素子に
おいてもホール移動度が増加する。これにより、それぞ
れの分極度が向上し、それに伴い、熱電性能も向上する
こととなる。その結果、半導体部におけるキャリアの移
動度を大きくして見かけ上の温度差を増大させることが
でき、もって熱電変換効率の向上を図ることができる。
【0027】具体的には、熱電変換効率が従来の数倍〜
数10倍となり、本発明に係る熱電変換素子を冷凍機に
利用した場合に、これまで困難であったコンプレッサー
型冷凍機の性能の向上を得ることができる。
【0028】そして、前記構成において、前記半導体部
は、p型半導体部とn型半導体部を有し、前記p型半導
体部及びn型半導体部の少なくとも一方に前記電極部を
設けるようにしてもよい。
【0029】また、前記電極部として、前記p型半導体
部及びn型半導体部の少なくとも一方に形成された電極
膜と、該電極膜と前記半導体部間に形成された絶縁膜と
で構成するようにしてもよい。
【0030】前記電極部は、前記半導体部の導電型と逆
の導電型を有する半導体で構成し、前記p型半導体部に
前記電極部を有する場合、該p型半導体部は、高温側か
ら低温側に向かってp−n−pの導電型構造を有する半
導体素子で構成し、前記n型半導体部に前記電極部を有
する場合、該n型半導体部は、高温側から低温側に向か
ってn−p−nの導電型構造を有する半導体素子で構成
するようにしてもよい。
【0031】前記電極部を有する前記p型半導体部のう
ち、高温側のp型半導体層の厚さを数μm〜数100μ
mとし、前記電極部を構成するn型半導体層の厚さを数
μm〜数10μmとしてもよい。この場合、前記高温側
のp型半導体層と前記電極部を構成するn型半導体層と
の間に真性半導体層を設けるようにしてもよい。
【0032】前記電極部を有する前記n型半導体部のう
ち、高温側のn型半導体層の厚さを数μm〜数100μ
mとし、前記電極部を構成するp型半導体層の厚さを数
μm〜数100μmとしてもよい。この場合、前記高温
側のn型半導体層と前記電極部を構成するp型半導体層
との間に真性半導体層を設けるようにしてもよい。
【0033】前記真性半導体層の厚さとしては数μm以
下であることが好ましく、更に好ましくは数nmから数
10nm以下である。
【0034】また、前記構成において、前記電極部に、
前記電界印加手段としてのバイアス回路を接続するよう
にしてもよい。前記バイアス回路としては、固定バイア
ス方式、自己バイアス方式、直流帰還バイアス方式及び
組合せバイアス方式のうち、少なくとも1つ方式を採用
することができ、前記電界を形成するための電圧として
は0.01V〜3Vが適当である。
【0035】次に、本発明は、高温側に位置する第1導
体と、低温側に位置する第2導体と、これら第1導体及
び第2導体の間に設置された半導体部とを有し、温度差
に基づいて前記半導体部に発生する起電力を取り出す熱
電変換モジュールにおいて、前記半導体部に電界を印加
するための電界印加手段を設けて構成する。印加された
電界により、半導体部のn型素子は、更に電子移動が盛
んとなり、p型素子においてもホール移動度が増加す
る。これにより、それぞれの分極度が向上し、それに伴
い、熱電性能も向上することとなる。その結果、半導体
部におけるキャリアの移動度を大きくして見かけ上の温
度差を増大させることができ、もって熱電変換効率の向
上を図ることができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る熱電変換素子
及び熱電変換モジュールの実施の形態例を図4〜図17
を参照しながら説明する。
【0037】まず、熱発電は発電というより、2つの異
種金属を接合し、その接合部を高温にさらすことで生じ
る起電力を測定に用いる熱電対をイメージした方が理解
しやすい。
【0038】熱電対から想定されるのは、通常、熱電対
にて発生する起電力は小さく負荷を駆動できるとは考え
にくい。しかし、この実施の形態は、起電力を負荷を駆
動できるまで高め、これまで捨てられてきた熱を負荷を
駆動できる電気に変換させ、熱を消費することにより、
冷却しようとするのが狙いである。
【0039】熱電変換材料は、これまで大きくはヨッフ
ェの指針に基づき、低格子熱伝導で高電気伝導性をもつ
半導体材料で開発がなされてきた。金属では熱伝導率
λ、電気伝導率σ、絶対温度Tの間に次式に示すウィー
デマン・フランツ・ローレンツの関係 λ=2.43×10-8σT があり、熱伝導率と電気伝導率は比例関係にある。従っ
て、前記要求の材料は、金属では得にくく、金属とセラ
ミックスの中間の性質を持つ半導体にあると考えられて
きた。
【0040】また、熱発電能(ゼーベック効果)とは、
2つの金属を接触させ、その接触部を加熱し、他端に負
荷をつないで閉回路とすることで発電することとされて
いるが、マグナスによれば、一様な導体AとBに対し、
熱起電力は2つの接合の温度だけに依存し、試料の形や
試料に沿っての温度分布の詳細には依存しないとされ、
支持されてきた。
【0041】つまり、熱起電力は導体AとBの起電力の
差によるものだけとなり、材料開発はこうして進められ
てきた。このことは、例えばn型のみ有望な材料が得ら
れたとしても、p型で有望なものが得られない限りn型
のみの効果となってしまうことである。従って、熱発電
能の高い材料の開発が、前記指針の曖昧さもあり、難し
いのが現状である。
【0042】そのため、材料の開発以外の方法で熱発電
能を向上できないかどうか検討した。詳細にその熱発電
のメカニズムを見ていくと、電子や正孔の流れが関係
し、そこで生じるフェルミ面変化、特にその勾配変化が
大きく関与するものと判明した。
【0043】上述したように、図1では温度差ΔTによ
り生じるフェルミ面変化に視点を当て、その勾配を急峻
にする(温度差ΔTを大きくする)には、外部から電界
を印加することで達成できることがわかった。フェルミ
面変化の勾配が急峻であれば生成したキャリア電子が流
れやすくなるからである。
【0044】外部から電界(電場)をかければ、キャリ
アの移動により生成される電界との相互作用によって、
電子の移動度や正孔の移動度はこれら電界のベクトル和
となり、外部電界を印加しない場合よりも増大する。
【0045】次に、具体的な実施の形態に係る熱電変換
モジュールのいくつかの例を図4〜図13を参照しなが
ら説明する。
【0046】まず、第1の実施の形態に係る熱電変換モ
ジュール10Aは、図4に示すように、熱源12に対し
て近接した位置に配された第1導体14と、低温側に配
された第2導体16と、これら第1導体14及び第2導
体16の間に設置された半導体部18とを有する。通常
は、第1導体14と第2導体16間に負荷を接続して閉
回路を構成し、第1導体14と第2導体16での温度差
に基づいて半導体部18に発生する起電力を負荷を通じ
て取り出せるようになっている。なお、熱源12と第1
導体14との間には絶縁物20が介在されている。
【0047】半導体部18は、第1導体14及び第2導
体16間にそれぞれ並列に接続されたp型半導体素子2
2とn型半導体素子24を有して構成されている。
【0048】そして、この第1の実施の形態に係る熱電
変換モジュール10Aは、p型半導体素子22とn型半
導体素子24にそれぞれ電極膜(第1及び第2の電極膜
26及び28)が形成されて構成されている。更に、第
1導体14と第1の電極膜26間には負方向に電源30
が接続されて第1の電極膜26の電位が第1導体14よ
りも低く設定され、第1導体14と第2の電極膜28間
に正方向に電源32が接続されて第2の電極膜28の電
位が第1導体14よりも高く設定されている。
【0049】第1及び第2の電極膜26及び28の各構
成例としては、例えば金属膜と該金属膜と半導体素子2
2及び24間に介在された絶縁膜で構成することができ
る。また、金属膜を半導体膜で形成する場合は、n型半
導体素子24に対してはp型の半導体膜とし、p型半導
体素子22に対してはn型の半導体膜にする。
【0050】このように、第1の実施の形態に係る熱電
変換モジュール10Aにおいては、p型半導体素子22
に設けられた第1の電極膜26とn型半導体素子24に
設けられた第2の電極膜28を通じてそれぞれp型半導
体素子22とn型半導体素子24に外部から電界を印加
するようにしたので、半導体部18のn型半導体素子2
4は、更に電子移動が盛んとなり、p型半導体素子22
においても正孔の移動度が増加する。これにより、それ
ぞれの分極度が向上し、それに伴い、熱電性能も向上す
ることとなる。その結果、半導体部18におけるキャリ
アの移動度を大きくして見かけ上の温度差を増大させる
ことができ、熱電変換モジュール10Aにおける熱電変
換効率の向上を図ることができる。
【0051】前記第1の実施の形態に係る熱電変換モジ
ュール10Aにおいて、各電極膜26及び28を金属膜
と絶縁膜との積層膜で構成した場合は、コンデンサを通
じて電界を印加することと同様となるため、p型半導体
素子22やn型半導体素子24の大きさを考慮する必要
性が生じる。
【0052】一方、電極膜26及び28を半導体膜と絶
縁膜の積層膜で構成した場合は、MOS型トランジスタ
等と同様になり、p型半導体素子22及びn型半導体素
子24自体が多数キャリアを高速に輸送するチャンネル
領域として作用することになる。つまり、高温接触部が
ソース、低温接触部がドレイン、電極膜がゲートになる
わけである。従って、金属膜を半導体膜と絶縁膜の積層
膜で構成した方が小型化と消費電力の削減化に有利とな
る。
【0053】この第1の実施の形態に係る熱電変換モジ
ュール10Aの変形例としては、例えばp型半導体素子
22に第1の電極膜26を形成するのみで、n型半導体
素子24には第2の電極膜28を形成しない構成や、そ
の逆の構成が考えられる。これらの変形例においても、
前記第1の実施の形態に係る熱電変換モジュール10A
と同様の効果を得ることができる。
【0054】次に、第2の実施の形態に係る熱電変換モ
ジュール10Bについて図5を参照しながら説明する。
なお、図4と対応するものについては同符号を付してそ
の重複説明を省略する。
【0055】この第2の実施の形態に係る熱電変換モジ
ュール10Bは、図5に示すように、第1の実施の形態
に係る熱電変換モジュール10Aとほぼ同じ構成を有す
るが、電極膜40がn型半導体素子24のみに形成され
ている点で異なる。この電極膜40と接地間には正方向
に電源42が接続されて電極膜40の電位が接地電位よ
りも高く設定されている。
【0056】この場合、n型半導体素子24に設けられ
た電極膜40を通じてn型半導体素子24に外部電界が
印加されるかたちになるため、半導体部18のn型半導
体素子24は、更に電子移動が盛んとなり、そのため、
n型半導体素子24での分極度が向上し、それに伴い、
熱電性能も向上することとなる。その結果、半導体部1
8におけるキャリアの移動度を大きくして見かけ上の温
度差を増大させることができ、熱電変換モジュール10
Bにおける熱電変換効率の向上を図ることができる。
【0057】なお、この第2の実施の形態に係る熱電変
換モジュール10Bの変形例としては、例えばp型半導
体素子22に電極膜40を形成するのみで、n型半導体
素子24には電極膜40を形成しない構成が考えられ
る。この場合、p型半導体素子22と接地間に負方向に
電源が接続され、電極膜40の電位が接地電位よりも低
く設定される。この変形例においても、前記第2の実施
の形態に係る熱電変換モジュール10Bと同様の効果を
得ることができる。
【0058】次に、第3の実施の形態に係る熱電変換モ
ジュール10Cについて図6〜図10Bを参照しながら
説明する。なお、図4と対応するものについては同符号
を付してその重複説明を省略する。
【0059】上述のようにして、熱電変換モジュールを
構成すると、例えばn型半導体素子24は電界により、
更に電子移動が盛んとなり、p型半導体素子22は正孔
の移動度が増加する。言い換えれば、それぞれの分極度
が向上し、熱電性能は2つの電極の分極度の差であるか
ら、熱電性能が向上することになる。
【0060】第1及び第2の実施の形態に係る熱電変換
モジュール10A及び10Bは、キャリアの流れに対
し、ほぼ垂直に外部電界をかける方式であるが、外部電
界をキャリアの流れに対して平行にかけたらどうなるか
を検討した。この場合は、図3Bに示すようになベクト
ル合成に相当する。
【0061】図1のエネルギーバンドモデルからフェル
ミ準位の温度依存性と片側加熱時の詳細なエネルギーバ
ンドを詳細に示すと、図6及び図7のように示すことが
でき、温度差ΔTの高温部にエネルギー障壁があること
がわかる。
【0062】現実的にこのエネルギー障壁を超えない
と、電子の移動は生じない。しかし、外部から電界をか
けることによってエネルギー障壁を超えやすくすること
が可能であることが考えられた。
【0063】この理論をもとに第3の実施の形態に係る
熱電変換モジュール10Cを作製した。この第3の実施
の形態に係る熱電変換モジュール10Cは、図8に示す
ように、p型半導体素子22の高温部に近い部分にn型
領域50を形成してp−n−pのかたちにし、n型半導
体素子24の高温部に近い部分にp型領域52を形成し
てn−p−nのかたちにしたものである。第2導体16
は接地とされている。つまり、高温部に近いp型領域5
4及びn型領域56、並びに間に挟まるn型領域50及
びp型領域52が低温側のp型領域58及びn型領域6
0より薄くなるように構成されている。
【0064】そして、n型半導体素子24の間に狭まっ
たp型領域52と第2導体16間に正方向に電源62を
接続してp型領域52の電位を接地電位よりも高く設定
し、p型半導体素子22の間に挟まったn型領域50に
接地電位が印加されるように配線接続することによっ
て、これらp型領域52及びn型領域50に外部電界が
印加されるようになっている。なお、p型領域52及び
n型領域50の中間にそれぞれ真性半導体層を設けてお
くと更に効率的であると推定される。
【0065】この第3の実施の形態に係る熱電変換モジ
ュール10Cの構成は、図9に示す等価回路のようにト
ランジスタ回路と同様の構成となる。図6の図示記号で
コンデンサとして示したのは電源としてのエネルギー障
壁を示し、また、抵抗は回路の内部抵抗等を示したつも
りであるが、必要に応じ素子を挿入したりすることが必
要である。ここでは、熱発電をすることが目的であるた
め、内部抵抗は低い方が効率的である。
【0066】通常のトランジスタはベース電流により、
コレクタ、エミッタ間の電流を制御する。そのため、熱
の発生が生じるが、電流の制御が目的ではなく、高温部
で発生する電子等のキャリアをいかにスムーズに移動さ
せるかというのが目的となり、この目的が速やかに達成
されると吸熱となるはずである。そのため、見かけ上の
温度差ΔTも大きくなり、熱電変換モジュールにおける
熱電変換効率の向上を図ることができる。
【0067】ここで、どのくらいの電界強さを印加すれ
ば現実的な熱電変換効率が向上するのか、外部電界が印
加されるn型領域50及びp型領域52としてどのくら
いの厚みが必要であるのか、更にどのくらいの熱電変換
効率の向上が見込めるのかを検討した。
【0068】外部電界の印加により、1つにはフェルミ
準位のエネルギー変化並びにポテンシャルエネルギー変
化が生じると考えられる。これは真性半導体に対して、
異元素(不純物)をドープさせ、そのエネルギーを変化
させるのと、結果的には同様なことになる。
【0069】また、見かけの電気抵抗率が減少し、導電
性が向上する。これらは電子や正孔の移動しやすさの指
標であるから、それらが移動しやすいということは、見
かけ上、導電率が向上したことになる。
【0070】熱伝導率については、通常、その媒体を下
の式に示すように、フォトンとフォノンに分けて考える
ことができる。
【0071】κ=κph+κe 熱電変換材料の選択基準や合成基準として、電子伝導が
主体である金属結合は、熱電変換材料としては不適であ
る。従って、選ばれた材料は格子伝導を主体とするもの
であり、熱伝導への寄与は小さいものと考えられ、無視
できるようなものとなる。
【0072】温度差ΔTは電界印加により増大するもの
と考えられるから、熱発電効率そのものも向上すること
になる。これらのことを式化して示すと以下のようにな
る。
【0073】 性能指数 z=α2 (ρκ)-1 最大性能指数 z=α2 /{(ρp κp 1/2 +(ρp κp 1/2 2 発電率 α=αp −αn 内部抵抗 R=ρp p /Ap +ρn n /An 熱コンダクタンス K=κp p /lp +κn n /ln 開放熱起電力 V0=ΑΔT 高温部熱収支 Qa =αTh I−RI2 /2+KΔT−(−neFx) 低温部熱収支 Qd =αTc I+RI2 /2+KΔT−(−neFx) 発電出力 P0 =Qa −Qd =αI(Th −Tc )−RI2 +2neFx =KzΔT2 {m/(1+m)2 }+2neFx これらの式に電界効果は全て関わると考えられるが、熱
収支における発電出力として、電界強さをF、キャリア
数をn、距離をxとし、そのポテンシャルエネルギー
(−neFx)として代表させた。
【0074】具体的には、高温部の温度により、キャリ
ア生成がどのくらいか、その流れがどう変化するかが重
要な鍵となるが、これらは材種により異なり、また、ド
ーピングする種や濃度により変化するため、それぞれ実
験的に求めなければならない。発電出力の点だけ見れ
ば、電界が大きいほど有利となると見受けられ、高い電
圧がよいことになる。
【0075】しかしながら、熱電変換モジュールを図9
のような等価回路としてみる場合に、起電力以上の電界
を設けると、回路内での発熱の増大が懸念される。従っ
て、最小印加電圧で最大電界を得ることを考えると、図
8に示すように、電界印加部分の厚み、即ち、n型領域
50及びp型領域52の厚みは極小とする必要が生じ
る。
【0076】現在の配線技術は、数μmであるからこの
厚みは、現実的に数μmから数100μm、具体的には
1μm〜300μm程度、更に好ましくは2μm〜50
μmである。図10A及び図10Bの例は、p型半導体
素子22における高温側のp型領域54の厚みt1を3
00μm以内に設定し、電界印加部を構成するn型領域
50の厚みt2を50μm以内に設定し(図10A参
照)、n型半導体素子24における高温側のn型領域5
6の厚みt3を300μm以内に設定し、電界印加部を
構成するp型領域52の厚みt4を50μm以内に設定
した例を示す(図10B参照)。
【0077】次に、第4の実施の形態に係る熱電変換モ
ジュール10Dについて図11〜図13を参照しながら
説明する。なお、図8と対応するものについては同符号
を付してその重複説明を省略する。
【0078】この第4の実施の形態に係る熱電変換モジ
ュール10Dは、図11に示すように、第3の実施の形
態に係る熱電変換モジュール10Cとほぼ同じ構成を有
するが、外部電界が印加されるn型領域50とp型領域
52に隣接してバッファ領域としての真性半導体領域7
0及び72が設けられている点で異なる。
【0079】前記真性半導体領域70及び72を設ける
ことによって、キャリアの流れがスムーズとなり、熱電
変換モジュール10Dにおける熱電変換効率を更に向上
させることができる。この場合、図12A及び図12B
に示すように、p型半導体素子22における高温側のp
型領域54の厚みt1を300μm以内に設定し、電界
印加部を構成するn型領域50の厚みt2を50μm以
内に設定し(図12A参照)、n型半導体素子24にお
ける高温側のn型領域56の厚みt3を300μm以内
に設定し、電界印加部を構成するp型領域52の厚みt
4を50μm以内に設定することが好ましい(図12B
参照)。
【0080】また、真性半導体領域70及び72の役割
は、主としてキャリアの安定化のためであるため、各厚
みt5及びt6は3μm以内、より好ましくは10nm
〜30nm以内がよい。各真性半導体領域70及び72
の厚みt5及びt6が大きすぎると、キャリアの消滅等
が生じ、これ以下では効果がない。太陽電池等で用いら
れている真性半導体領域の膜厚に対し、その有効厚さが
大きいのは電界形成のためと考えられる。
【0081】以上のことにより、第1〜第4の実施の形
態に係る熱電変換モジュール10A〜10Dによれば、
熱電変換効率は飛躍的に向上し、数倍から数10倍、最
も条件のよいものでは100倍近くにもなる。特に、熱
電変換系で温度差ΔTがさほど大きくない場合で、高温
部がせいぜい500Kにも満たないような系で効果が大
きく、数10倍から100倍近くの効率向上が達成され
る。
【0082】本方式は、主として高温部の温度がそれほ
ど高くなく、500K以下の場合を想定して話を進めて
きたが、それ以上の高温の素子についても適用可能であ
る。
【0083】特に、第3及び第4の実施の形態に係る熱
電変換モジュール10C及び10Dにおいては、図13
に示すように、p型半導体素子22及びn型半導体素子
24にバイアス回路80を通じてバイアス電圧ないし逆
バイアス電圧を印加した形態となる。
【0084】従って、p型半導体素子22及びn型半導
体素子24にバイアス電圧ないし逆バイアス電圧を印加
する方式として、固定バイアス方式、自己バイアス方
式、電流帰還バイアス方式、組合せバイアス方式のよう
な構成や、その組合せを採用することができる。
【0085】固定バイアス方式は、構成が容易で簡略な
ものであるが、熱起電力の変動が大きくなりがちで、一
定な起電力により負荷を駆動しようとすると、モジュー
ルの他にコンデンサや二次電池が必要となる。自己バイ
アス方式は、構成が簡単で、電界形成用の電源もなくて
済み、熱起電力が若干安定する。電流帰還バイアス方式
とした場合は、構成が若干複雑になるが、起電力の安定
は向上する。
【0086】組合せバイアス方式は、より複雑な構成と
なるが、起電力の安定性は最も良好となる。しかしなが
ら、構成が複雑化すると電力を消費しがちとなるため、
熱起電力は低下する。また、温度のかかる場に、このよ
うな構成をおいた場合の課題も生じがちとなるため、使
用環境等に合わせ、これらの中から最適なものを選択し
たり、それらを組み合わせて構成するようにすればよ
い。
【0087】実際に印加するバイアス電圧ないし逆バイ
アス電圧は0.01V〜3Vがよい。0.01V未満の
電圧では構成される電界が小さすぎ、電界印加の効果が
なく、3Vを超える電圧を印加しても、効果は飽和して
いると共に、電界印加部分での発熱の懸念も生じ、意味
がない。
【0088】電界は、(印加電圧)/(極間距離)であ
るから、中間層(n型領域50及びp型領域52)の厚
みを考慮し、そのピーク値をとるように印加電圧を設定
した方が、単純に電圧を上げるより効果が大きく、構成
も簡単になる。
【0089】これまで、半導体部18に直接電源を接続
して外部電界を印加する構成を主体に説明したが、もち
ろんコイルを通じて半導体部18に電界を印加するよう
にしてもよい。この場合は、より大きな電界をかけるこ
とができる。
【0090】なお、この発明に係る熱電変換素子及び熱
電変換モジュールは、上述の実施の形態に限らず、この
発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る
ことはもちろんである。
【0091】
【実施例】実施例1 熱電変換素子として、p型半導体素子22を(Bi,S
b)2 Te3 、n型半導体素子24をBi2 (Se,T
e)3 とし、厚さ0.635mmの基板を2枚用い、こ
れを40×40×4mmの大きさの中に127組、組み
込んで1つの熱電変換モジュール100を作製した(図
15参照)。1個の半導体素子の大きさは、横1.0m
m×縦2.7mmであり、基板材質はアルミナである。
これを標準品とする。それぞれの熱電変換素子の分析値
を図14に示す。
【0092】そして、図15に示すような試験装置10
2、即ち、熱源(図示せず)を有する高温側部材104
と冷却水管106内を流れる冷却水によって一定の温度
に冷却された低温側部材108との間に前記熱電変換モ
ジュール100を挿入し、該熱電変換モジュール100
の第1導体14と第2導体16(例えば図8参照)との
間に負荷110と電流計112を直列に接続して実験を
行った。
【0093】この実験は、高温側部材104の温度を1
20℃、低温側部材108の温度を20℃として熱起電
力を求め、指標としてゼーベック係数を測定した。
【0094】この実験の試験体としては、p型半導体素
子22とn型半導体素子24をそれぞれ上述した組成
(図14参照)と同一にし、各半導体素子22及び24
に電界印加部としてのn型領域50、p型領域52を形
成してp−n−p型の半導体素子22、n−p−n型の
半導体素子24を用意した(図8参照)。
【0095】そして、p−n−p型の半導体素子22に
おける高温側のp型領域54の厚さt1、及び電界印加
部としてのn型領域50の厚さt2、並びにn−p−n
型の半導体素子24における高温側のn型領域56の厚
さt3、及び電界印加部としてのp型領域52の厚さt
4を種々変化させ、その最適厚さと、熱電変換効率変化
としてゼーベック係数を測定した。
【0096】試験体の構成(パラメータ)を図16に示
し、測定したゼーベック係数を図17に示す。この結果
から、p型半導体素子22として、高温側のp型領域5
4の厚みt1を10μm、電界印加部としてのn型領域
50の厚みt2を3μmとし、n型半導体素子24とし
て、高温側のn型領域56の厚みt3を10μm、電界
印加部としてのp型領域52の厚みt4を3μmとした
ものが最も効率がよいことがわかる。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る熱電
変換素子及び熱電変換モジュールによれば、半導体部に
電界を印加するための電界印加手段を設けるようにして
いる。このため、半導体部におけるキャリアの移動度を
大きくして見かけ上の温度差を増大させることができ、
もって熱電変換効率の向上を図ることができるという効
果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】加熱前の金属フェルミ面の変化を示すエネルギ
ーバンド模式図である。
【図2】片側加熱を行った場合の金属フェルミ面の変化
を示すエネルギーバンド模式図である。
【図3】図3Aはキャリアの流れに対して垂直方向に外
部電界をかけた場合のベクトル合成を示す説明図であ
り、図3Bはキャリアの流れに対して平行に外部電界を
かけた場合のベクトル合成を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態に係る熱電変換モジュールを
示す構成図である。
【図5】第2の実施の形態に係る熱電変換モジュールを
示す構成図である。
【図6】フェルミ準位の温度依存性を示す特性図であ
る。
【図7】n型半導体素子を片側加熱したときのエネルギ
ーバンド模式図である。
【図8】第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを
示す構成図である。
【図9】第3の実施の形態に係る熱電変換モジュールを
示す等価回路図である。
【図10】図10Aは第3の実施の形態に係る熱電変換
モジュールにおけるp型半導体領域の厚み関係を示す説
明図であり、図10Bは同じくn型半導体領域の厚み関
係を示す説明図である。
【図11】第4の実施の形態に係る熱電変換モジュール
を示す構成図である。
【図12】図12Aは第4の実施の形態に係る熱電変換
モジュールにおけるp型半導体領域の厚み関係を示す説
明図であり、図12Bは同じくn型半導体領域の厚み関
係を示す説明図である。
【図13】第4の実施の形態に係る熱電変換モジュール
を示す等価回路図である。
【図14】実験例で用いたp型半導体素子及びn型半導
体素子の元素分析結果を示す表図である。
【図15】実験例に用いた装置を示す構成図である。
【図16】実験例に用いた試験体の構成(パラメータ)
を示す表図である。
【図17】各試験体に応じたゼーベック係数を示す特性
図である。
【符号の説明】
10A、10B、10C、10D、100…熱電変換モ
ジュール 12…熱源 14…第1導体 16…第2導体 18…半導体部 20…絶縁物 22…p型半導体
素子 24…n型半導体素子 26…第1の電極
膜 28…第2の電極膜 30、32、4
2、62…電源 40…電極膜 50…n型領域
(電界印加部) 52…p型領域(電界印加部) 54…p型領域
(高温側) 56…n型領域(高温側) 58…p型領域
(低温側) 60…n型領域(低温側) 70、72…真性
半導体領域 80…バイアス回路

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体部を有し、熱を電気に直接変換する
    熱電変換素子において、 前記半導体部に電界を印加するための電界印加手段を有
    することを特徴とする熱電変換素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の熱電変換素子において、 前記半導体部は、p型半導体部とn型半導体部を有し、 前記p型半導体部及びn型半導体部の少なくとも一方に
    電極部が設けられていることを特徴とする熱電変換素
    子。
  3. 【請求項3】請求項2記載の熱電変換素子において、 前記電極部は、前記p型半導体部及びn型半導体部の少
    なくとも一方に形成された電極膜と、該電極膜と前記半
    導体部間に形成された絶縁膜とで構成されていることを
    特徴とする熱電変換素子。
  4. 【請求項4】請求項2記載の熱電変換素子において、 前記電極部は、前記半導体部の導電型と逆の導電型を有
    する半導体で構成され、 前記p型半導体部に前記電極部を有する場合、該p型半
    導体部は、高温側から低温側に向かってp−n−pの導
    電型構造を有する半導体素子で構成され、 前記n型半導体部に前記電極部を有する場合、該n型半
    導体部は、高温側から低温側に向かってn−p−nの導
    電型構造を有する半導体素子で構成されることを特徴と
    する熱電変換素子。
  5. 【請求項5】請求項4記載の熱電変換素子において、 前記電極部を有する前記p型半導体部は、 高温側のp型半導体層の厚さが数μm〜数100μmで
    あり、 前記電極部を構成するn型半導体層の厚さが数μm〜数
    10μmであることを特徴とする熱電変換素子。
  6. 【請求項6】請求項5記載の熱電変換素子において、 前記高温側のp型半導体層と前記電極部を構成するn型
    半導体層との間に真性半導体層を有することを特徴とす
    る熱電変換素子。
  7. 【請求項7】請求項4記載の熱電変換素子において、 前記電極部を有する前記n型半導体部は、 高温側のn型半導体層の厚さが数μm〜数100μmで
    あり、 前記電極部を構成するp型半導体層の厚さが数μm〜数
    100μmであることを特徴とする熱電変換素子。
  8. 【請求項8】請求項7記載の熱電変換素子において、 前記高温側のn型半導体層と前記電極部を構成するp型
    半導体層との間に真性半導体層を有することを特徴とす
    る熱電変換素子。
  9. 【請求項9】請求項6又は8記載の熱電変換素子におい
    て、 前記真性半導体層の厚さが数μm以下であることを特徴
    とする熱電変換素子。
  10. 【請求項10】請求項9記載の熱電変換素子において、 前記真性半導体層の厚さが数nmから数10nm以下で
    あることを特徴とする熱電変換素子。
  11. 【請求項11】請求項4〜10のいずれか1項に記載の
    熱電変換素子において、 前記電極部に、電界印加手段としてのバイアス回路が接
    続されていることを特徴とする熱電変換素子。
  12. 【請求項12】請求項11記載の熱電変換素子におい
    て、 前記バイアス回路は、固定バイアス方式、自己バイアス
    方式、直流帰還バイアス方式及び組合せバイアス方式の
    うち、少なくとも1つ方式であり、電界を形成するため
    の電圧が0.01V〜3Vであることを特徴とする熱電
    変換素子。
  13. 【請求項13】高温側に位置する第1導体と、 低温側に位置する第2導体と、 これら第1導体及び第2導体の間に設置された半導体部
    とを有し、 温度差に基づいて前記半導体部に発生する起電力を取り
    出す熱電変換モジュールにおいて、 前記半導体部に電界を印加するための電界印加手段を有
    することを特徴とする熱電変換モジュール。
  14. 【請求項14】請求項13記載の熱電変換モジュールに
    おいて、 前記半導体部は、p型半導体部とn型半導体部を有し、 前記p型半導体部及びn型半導体部の少なくとも一方に
    前記電極部が設けられていることを特徴とする熱電変換
    モジュール。
  15. 【請求項15】請求項14記載の熱電変換モジュールに
    おいて、 前記電極部は、前記p型半導体部及びn型半導体部の少
    なくとも一方に形成された電極膜で構成されていること
    を特徴とする熱電変換素子モジュール。
  16. 【請求項16】請求項14記載の熱電変換モジュールに
    おいて、 前記電極部は、前記半導体部の導電型と逆の導電型を有
    する半導体で構成され、 前記p型半導体部に前記電極部を有する場合、該p型半
    導体部は、高温側から低温側に向かってp−n−pの導
    電型構造を有する半導体素子で構成され、 前記n型半導体部に前記電極部を有する場合、該n型半
    導体部は、高温側から低温側に向かってn−p−nの導
    電型構造を有する半導体素子で構成されることを特徴と
    する熱電変換モジュール。
  17. 【請求項17】請求項16記載の熱電変換モジュールに
    おいて、 前記電極部を有する前記p型半導体部は、 高温側のp型半導体層の厚さが数μm〜数100μmで
    あり、 前記電極部を構成するn型半導体層の厚さが数μm〜数
    10μmであることを特徴とする熱電変換モジュール。
  18. 【請求項18】請求項17記載の熱電変換モジュールに
    おいて、 前記高温側のp型半導体層と前記電極部を構成するn型
    半導体層との間に真性半導体層を有することを特徴とす
    る熱電変換モジュール。
  19. 【請求項19】請求項16記載の熱電変換モジュールに
    おいて、 前記電極部を有する前記n型半導体部は、 高温側のn型半導体層の厚さが数μm〜数100μmで
    あり、 前記電極部を構成するp型半導体層の厚さが数μm〜数
    100μmであることを特徴とする熱電変換モジュー
    ル。
  20. 【請求項20】請求項19記載の熱電変換モジュールに
    おいて、 前記高温側のn型半導体層と前記電極部を構成するp型
    半導体層との間に真性半導体層を有することを特徴とす
    る熱電変換モジュール。
  21. 【請求項21】請求項18又は20記載の熱電変換モジ
    ュールにおいて、 前記真性半導体層の厚さが数μm以下であることを特徴
    とする熱電変換モジュール。
  22. 【請求項22】請求項21記載の熱電変換素子モジュー
    ルにおいて、 前記真性半導体層の厚さが数nmから数10nm以下で
    あることを特徴とする熱電変換モジュール。
  23. 【請求項23】請求項16〜22のいずれか1項に記載
    の熱電変換モジュールにおいて、 前記電極部に、前記電界印加手段としてのバイアス回路
    が接続されていることを特徴とする熱電変換モジュー
    ル。
  24. 【請求項24】請求項23記載の熱電変換モジュールに
    おいて、 前記バイアス回路は、固定バイアス方式、自己バイアス
    方式、直流帰還バイアス方式及び組合せバイアス方式の
    うち、少なくとも1つ方式であり、 前記電界を形成するための電圧が0.01V〜3Vであ
    ることを特徴とする熱電変換モジュール。
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