JP2000058398A - 電気二重層キャパシタ電極用活性炭およびその製造方法 - Google Patents

電気二重層キャパシタ電極用活性炭およびその製造方法

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JP2000058398A JP23795798A JP23795798A JP2000058398A JP 2000058398 A JP2000058398 A JP 2000058398A JP 23795798 A JP23795798 A JP 23795798A JP 23795798 A JP23795798 A JP 23795798A JP 2000058398 A JP2000058398 A JP 2000058398A
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pore
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Norikazu Miyashita
憲和 宮下
Kenji Ito
憲治 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 EDLCの静電容量を高める活性炭電極材料
及びその製造方法を提供するものである。 【解決手段】 電気二重層キャパシタ電極用活性炭であ
って、活性炭粒子の細孔内のミクロ孔または細孔表面の
グラファイト微結晶が配向していることを特徴とする活
性炭。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大静電容量を得る
のに最適な電気二重層キャパシタ電極用活性炭に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電子機器の小型化が積極的に進め
られる中、バックアップ電源に用いられる小型で信頼性
の高い高静電容量のキャパシタが採用される様になって
いる。特に、最近では電気自動車の実用化に向けて、電
源用二次電池の補助電源、あるいは二次電池の負荷を平
滑化する目的として、更に高静電容量の新型キャパシタ
として、電気二重層キャパシタ(EDLC)が着目され
て来ている。EDLCとは固体と液体の界面に生じる電
気二重層を利用したコンデンサである。その構造は、セ
パレ−タを挟んだ1組の分極性電極とこれらを収納する
ケ−スと電解液と集電体からなる。通常、分極性電極材
料として、大比表面積を有する活性炭(粉末を固めたも
の、不織布状)を用いる。なお、通常、活性炭の原料に
は、ヤシガラやセルロース等の植物質や石炭質や石油ピ
ッチ等の石油質やフェノール樹脂、ポリアクリロニトリ
ル(PAN)等の樹脂質が使われている。電解液とし
て、例えば水系ならば硫酸水溶液、水酸化カリウム水溶
液を、また、非水系ならば及び第4級オニウム塩を溶解
したプロピレンカーボネイト等の有機溶媒系電解液が使
われている。最近、EDLCが大静電容量を蓄えられる
様になったり、大電流を供給出来る様になった背景に
は、電極材料として活性炭を採用した高密度電極の開発
がある。EDLCの静電容量は、その電極材料である活
性炭の物性に大きく左右され、分極性電極としての活性
炭への要求特性には、大きな比表面積を持つこと、
導電性があり、内部抵抗が低いこと、かさ密度が大き
いことが上げられる。これらの活性炭への要求特性は、
活性炭の細孔表面に形成される含酸素表面化合物等の表
面化学構造と活性炭の比表面積、細孔容積及び細孔径分
布等の細孔構造との2つの要因により決定される。表面
化学構造制御によるEDLCの静電容量改良の例として
は、T.Momma、X.Liu、T.Osaka、
Y.Ushio、Y.Sawada、J.Power
Sources、60、p.249(1996)に炭素
電極をAr−O2 プラズマ処理、電気化学的酸化還元処
理を行うことによって、静電容量が40〜70%向上出
来ることが報告されている。一方、活性炭の細孔構造制
御によるEDLCの静電容量改良の例としては、活性炭
の原料や細孔形状に着目したものがある。例えば、活性
炭の原料面からの改良として、特開平7−249551
号公報によれば、原料としてPVDCを用い、非酸化雰
囲気下(N2 下)で800〜1000℃で通電焼結法に
て炭化焼成することで多数の細孔を有するEDLC用電
極が得られ、その電極を用いたEDLCの単位体積あた
りの静電容量及び単位重量あたりの静電容量が、ヤシガ
ラ活性炭を用いたEDLCに比べ、夫々約1. 8倍及び
約1.4倍となることが示されている。また、細孔形状
を直接規定した例として、特開平7−220985号公
報によれば、透過型電子顕微鏡写真(TEM写真)とそ
の画像解析法により活性炭の細孔の形状を特定すると、
従来、円筒形と仮定していた細孔はスリット状か楕円状
であることが開示されている。このため、水溶液電解液
では水分子径の1.5〜3倍の範囲のスリット幅、スリ
ット長の細孔の電極材が有効であり、有機系電解液では
電解液の溶媒和したイオンのイオン径+0.2nm以上
の細孔の電極材が大静電容量のEDLCに最適であるこ
とが示されている。確かに、これらの活性炭及び製造法
によって得られる活性炭によれば、通常の活性炭を用い
て得られるEDLCに比べ、高静電容量のEDLCが得
られるが、電気自動車用の補助電源としてその重量を軽
くするためには、更に高静電容量のEDLCが求められ
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明はEDLCの静
電容量を高める活性炭電極材料及びその製造方法を提供
するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究を重
ねた結果、上記の課題を解決するためには、従来行われ
てきた活性炭の細孔表面の化学的構造や細孔容積、細孔
径分布を中心とした細孔構造を制御するだけでなく、本
発明が示す様に細孔表面におけるミクロ孔の配向構造ま
たは細孔表面におけるグラファイト微結晶の配向構造を
制御すれば更に静電容量の向上が期待出来ると考えた。
通常、700〜1500℃の高分子の炭化及び賦活処理
によって得られる従来の活性炭は、無定形炭素と呼ばれ
るが、グラファイトと比べ結晶性は極めて低いものの、
その内部、特に、細孔内表面にはグラファイト微結晶が
存在していると言われている。このグラファイト微結晶
は、グラファイト微結晶の網面(基底面)が露出した部
分と、グラファイト微結晶のエッジ(プリズム面)が露
出した部分からなり、この露出した基底面又はプリズム
面は化学的反応性が高く、賦活中や賦活後の熱処理によ
って容易に酸素と反応し、静電容量を高めることが可能
であると考えられている。また、細孔表面には更に細か
いミクロ孔[1972年のIUPAC(Interna
tionalUnionof Pure and
Applied Chemistry)による分
類、特に0.8〜2nmのミクロ孔や0.8nm以下の
サブミクロ孔と呼ばれる細孔を指す]と呼ばれる細孔も
存在し、ここにもイオン、電荷を蓄えることが出来ると
言われている。しかし、従来の製法で得られる活性炭で
は細孔自体に配向はなく、従って細孔表面のミクロ孔や
グラファイト微結晶も細孔表面に対して無配向の状態と
なっており、この様な活性炭では細孔表面を静電容量の
向上は望めない。我々は、細孔表面に存在するミクロ孔
やグラファイト微結晶の形成は、高分子の炭化過程にお
ける隣接した分子鎖間の結合と炭化の際に発生するガス
の抜け方に大きく関係すると考えた。そして、炭化前の
高分子の配向が、炭化後のグラファイト微結晶の配向を
規定することから、炭化前の高分子として、配向したフ
ィルム、シートや繊維またはそれらの粉末を用いること
によって、細孔表面に対して、配向したミクロ孔構造や
配向したグラファイト微結晶構造が得られること、更に
その様に配向したミクロ孔構造や配向したグラファイト
微結晶構造を持つ活性炭を用いたEDLCの静電容量が
高くなることを突き止め、本発明に至った。即ち、本発
明はEDLCの静電容量を高める活性炭電極材料及びそ
の製造方法を提供するものである。以下に本発明が与え
る活性炭の構造及びその製造方法を順次述べる。
【0005】1.本発明が与える活性炭の構造 上記課題を解決する活性炭の構造は、高分子を炭化した
EDLC電極用活性炭であって、活性炭粒子の細孔表面
のミクロ孔または細孔表面のグラファイト微結晶が配向
していることを特徴とする活性炭である。好ましくは、
活性炭の細孔表面において、ミクロ孔が、またはグラフ
ァイト微結晶の基底面が、細孔表面に対し、主として、
垂直に配列した構造(即ち、プリズム面が細孔表面に露
出した構造)を持つ場合、または、平行に配列した構造
(即ち、基底面が細孔表面に露出した構造)を持つ場合
である。更に好ましくは、ミクロ孔またはグラファイト
微結晶の基底面が細孔表面に対し、主として、垂直に配
列した構造を持つ場合である。
【0006】2.本発明が与える活性炭の製造方法 配向した高分子フィルム、シート、繊維またはそれらの
粉末を炭化することを特徴とする電気二重層キャパシタ
電極用活性炭の製造方法である。炭化する高分子として
は、好ましくは、炭化する際、高分子の主鎖切断より前
に側鎖が脱離反応する高分子や融点を持たない高分子を
用いる。更に好ましくは、炭化する高分子の配向とし
て、高分子の分子鎖がフィルム表面や繊維表面に垂直に
配列した配向構造、または高分子の分子鎖がフィルム表
面や繊維表面と平行に配列した配向構造を有することを
特徴とする高分子またはその粉末である。以下、具体的
に本発明の構造体を得るための方法の例を示す。本発明
の構造体を得るには次の2つの工程よりなる。即ち、高
分子配向体の製造工程、配向した活性炭の製造工程であ
る。
【0007】[高分子配向体の製造工程]本発明で重要
なことの一つは、炭化する前の高分子として、配向体ま
たはその粉末を用いることである。ただし、炭化する前
の、配向化した高分子のフィルム、シ−ト、繊維または
それらの粉末を得るには、通常の高分子の配向化方法に
従えば良い。即ち、高分子を一軸または二軸で、一段階
または多段階で、逐次または同時に圧延または延伸する
方法(延伸配向法と呼ぶ)。または、一旦高分子を適当
な溶媒を用いて溶かした後、適当な貧溶媒を加え、適当
に温度に制御して溶液中に高分子の微結晶を析出させ、
その微結晶を堆積させた後、溶媒を蒸発除去する方法
(析出配向法と呼ぶ)。あるいは高分子を高せん断応力
下でキャストまたは紡糸する方法(流延法と呼ぶ)等を
適当な条件下で用いれば、配向した高分子のフィルム、
シート、繊維が得られ、これらを粉砕すればそれらの粉
末を得ることが出来る。なお、この時分子鎖の配向方向
を選択することによって、最終的に得られる活性炭の細
孔表面に対するグラファイト微結晶やミクロ孔の配向方
向が決まる。塩化ビニリデン共重合体(PVDC)の場
合、インフレーション法や圧延法、一軸または二軸延伸
によって分子鎖が延伸方向を向いたり、フィルム面内に
収まったPVDCの配向フィルムが得られる。また、発
明協会公開技報97−560に従って、PVDCをテト
ラヒドロフラン(THF)やメチルエーテルケトン(M
EK)等の溶媒中で溶解した後、トルエン(TOL)等
の貧溶媒を加え、適当な温度に保てばPVDC微結晶が
析出し、更に溶媒を飛ばすことでPVDC微結晶が積層
した構造を持つフィルム、即ち、PVDC分子鎖がフィ
ム面にほぼ垂直に配向したPVDC微結晶を多く含むシ
ートやフィルムが得られ、また、これらを粉砕すれば粉
末を得ることが出来る。同様なことは、PVDCに限定
されるものではなく、多くの高分子において配向した高
分子のフィルム、シート、繊維またはその粉末を得るた
めの共通した方法である。なお、本発明において用いる
高分子は、炭化の際の加熱によって、高分子の配向構造
が失われない、あるいは失われにくい高分子、例えば、
高分子の主鎖切断より前に側鎖が脱離反応する高分子や
高分子の融点と分解温度や炭化反応の開始温度が接近し
た高分子を選ぶか、融点を持たない高分子、予め架橋さ
せた高分子を選ぶことが好ましい。即ち、ポリ塩化ビニ
リデン(PVDC)、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリビニルアルコ−ル、ポリアクリロニトリル(P
AN)、セルロ−ス(Cell)、ハロゲン化ポリオレ
フィン及びその誘導体や共重合体が、高分子の主鎖切断
より前に側鎖が脱離反応する高分子の例である。更にポ
リパラフェニレンテレフタルアミド(PPTA)、ポリ
イミド等が融点を持たない高分子の例である。また、配
向した高分子の形態としては、粉末状が好ましい。これ
は、炭化の際に発生するガスを効果的に散逸させる為で
ある。ガスの散逸性が悪いと、ガスの散逸の際、大きな
気泡の発生により高分子が膨れ、このために高分子の配
向が乱れ、ひいては炭化して出来る活性炭の細孔内表面
におけるグラファイト微結晶やミクロ孔の配向形成の障
害になるためである。
【0008】[配向した活性炭の製造工程]一般に炭素
質材料として高分子を高分子の炭化反応開始温度〜15
00℃で加熱し炭化すれば、原料高分子が長鎖状高分子
であろうと、芳香族高分子であろうと最終的には縮合芳
香環平面状分子が交差連結した構造が形成される。しか
し、炭化における挙動の差から、炭素質材料にはコーク
(coke)とチャー(char)の2つに分けられ
る。cokeは炭化に際して350〜500℃で溶融す
るが、charは溶融しないため、異なる活性炭が得ら
れる。本発明の活性炭は、炭化前の高分子の配向を残す
為に、配向を持ったcharと成るような高分子、即ち
[高分子配向体の製造工程]に挙げた高分子をその高分
子の炭化反応開始温度〜1500℃、好ましくは高分子
の炭化反応開始温度〜1000℃で加熱し炭化する。例
えば、PVDCでは200℃〜1500℃、好ましくは
300℃〜900℃で不活性ガスまたは窒素雰囲気下、
または水蒸気雰囲気下で加熱炭化すれば良い。なお、炭
化の際、高分子に融点がある場合(炭化の際にcoke
となる場合)、炭化前または炭化完了前に融点を通過す
る(溶融する)為、通常方法では、高分子の配向が乱
れ、出来た活性炭の細孔表面におけるグラファイト微結
晶やミクロ孔の配向も乱れたものになることがある。そ
の為、上記で述べたような高分子を選択するか、それら
の高分子を炭化する前に架橋させる等を行い配向構造を
固定させるか、加圧加熱処理や圧延加熱処理や延伸加熱
処理等の緊張条件下で加熱炭化処理を行うか、急速に分
解温度や炭化反応開始温度以上で加熱する急速加熱処理
を行い、加熱炭化処理時に高分子や出来た活性炭の細孔
表面におけるグラファイト微結晶やミクロ孔の配向構造
が乱されない、あるいは乱されにくい条件下で処理、例
えば放電プラズマ焼結を単独あるいは併用して行えば良
い。なお、加熱処理は、数段階に分けても良い。この理
由は、分解・炭化反応は通常複雑な反応であり、幾つか
の反応が同時あるいは逐次に起こっている。それらの全
ての反応が、配向した高分子から配向したグラファイト
微結晶またはミクロ孔の形成する際の障害になるもので
はない。障害となる反応温度領域だけを上記に記述した
適当な方法で回避あるいは短時間で済むようにすれば良
いからである。配向したグラファイト微結晶やミクロ孔
の形成に障害とならない反応温度領域の加熱処理につい
ては、得られる構造体の均一化のために、緩やかな条
件、あるいは製造に都合の良い条件で行えば良い。例え
ば、PVDCの場合、大量の分解ガス(HCl)を発生
する反応は、PVDCの配向や炭化の際、配向したグラ
ファイトの微結晶またはミクロ孔の形成の障害になるた
め、高分子自体にガスが抜けやすく微粉末化するか、急
速に加熱すれば良い。また、脱塩酸を促進するため、予
めPVDC粉末をアルカリ処理することが好ましい。一
方、脱塩酸に引続いて、あるいは同時に生じる脱水素を
伴って起こる環化(グラファイト化)反応では寧ろ緩や
かな条件で反応を進めることが好ましい。この様にし
て、出来た活性炭の表面化学構造を活性化するために、
りん酸等の添加剤を加えたり、水蒸気やKOH、NaO
H等賦活条件を変えて、更に電解液イオンの捕捉力を高
めても良い。また、炭化によって出来た活性炭の細孔の
表面に有機物を被覆した後に焼成し、配向したグラファ
イト微結晶の層を後処理によって形成させることも出来
る(Chemical Vapor Depositi
on法、CVD処理法)。この方法は、例えば特願平9
−32390号の明細書に開示されているように、低分
子有機物を活性炭に吸着配向させる方法であり、炭化す
る前の高分子に配向を要求するものではないが、炭化す
る前に基材表面に配向した吸着層を形成させ、その分子
の分解・炭化反応開始温度以上で加熱炭化し、基材表面
に配向したグラファイト微結晶を形成する方法であり、
基材として炭素質材料、例えば活性炭を用いて、活性炭
の細孔表面に配向したグラファイト微結晶を形成させ、
本発明のEDLC用活性炭を得ることが出来る。本発明
にはこの様なCVD処理法を用いて配向したグラファイ
ト微結晶をその細孔表面に持つ活性炭及びその製造方法
も含まれるものである。 このCVD処理法は、焼成炉
内に脂肪族化合物や芳香族化合物の蒸気をキャリヤガス
と共に導入し、炭素質基材表面に低分子有機物の被膜を
形成し、これを焼成してその細孔表面に配向したグラフ
ァイト微結晶の層を形成する方法である。炭素原料、キ
ャリアガス、CVD処理を行う温度等の製造条件は次の
ようである。CVD処理法で用いられる低分子の炭素原
料はメタン、エタン、プロパン、ブタン等のアルカン、
エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン等のアルケ
ンやジエン、シクロヘキサン、シクロペンタン等のシク
ロアルカン、ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン等の
芳香族化合物、及びこれらの誘導体、あるいはジクロロ
メタン、ジクロロエタン、トリクロロメタン、トリクロ
ロエタン等のハロゲン化炭化水素が挙げられる。炭素原
料は炭素数が20以下であることが望ましく、炭素数が
大きくなると活性炭細孔表面を被覆する前に炭化し、す
す状となって被覆するため表面の配向度の高いものは得
られない。ガス濃度は90vol%未満、望ましくは8
0vol%未満が望ましい。ガス濃度が高いと活性炭細
孔表面に配向度の高い炭素が得られない。CVD処理の
キャリアガスは窒素、アルゴン、ヘリウム、水素あるい
はこれらの混合ガスを用い、任意の流量を流すことで行
うことができる。酸素が混入すると表面の析出物がすす
状となりやすく配向度を低下させるため酸素濃度を低下
させる必要がある。CVD処理を行う場合、活性炭を焼
成する際に行うか、或いは焼成後に改めて行ってもよ
い。CVD処理を行う温度は500〜1500℃が望ま
しく、より好ましくは600℃以上、活性炭の焼成温度
以下で行うことが好ましい。これは500℃未満の温度
では表面炭素の析出がなく、活性炭の焼成温度より高い
温度では活性炭の性状が変化してしまう。本発明はこの
様に高分子、低分子有機物を利用して製造して得た活性
炭を用いることを特徴としたEDLC電極用活性炭及び
その製造方法である。
【0009】3.本発明が与える活性炭の構造の同定法 次に、本発明が与える活性炭の構造の同定法を示す。炭
化前の高分子の配向の有無の確認には、結晶性高分子の
場合には結晶構造解析に常用されるX線回折法(または
電子線回折法)を用い、非晶性高分子樹脂の場合には、
蛍光染料を入れた高分子樹脂を同一製造条件で作り、そ
の蛍光染料入り高分子を蛍光偏光装置を用いて高分子の
配向の有無を確認すれば良い。また、本発明の活性炭の
細孔表面のグラファイト微結晶またはミクロ孔の配向の
有無及びその定量化には透過型電子顕微鏡(TEM)及
び透過型電子顕微鏡写真(TEM像)の2次元フーリエ
変換画像処理(または電子線回折法)を用いる。以下の
実施例ではX線回折装置としては、理学電機(株)RI
NT−IPシステムR−AXIS2を、TEMとしては
日本電子(株)製JEOL TEM−4000FXを用
いた。また、TEM像の2次元フーリエ変換について
は、旭化成工業(株)製画像解析システムIP−100
0を用いて行った。
【0010】[X線回折測定]使用したX線の波長は、
40KV、150mAの条件で発生させたX線を入射モ
ノクロメ−タによって単色化して、φ0.5mmの孔の
開いた入射第1及び第2スリット、及び上下左右に手動
可変の第3スリット(各スリットの間隔は150mm)
を用いて特性X線CuKα線(波長0.14182n
m)を取り出して用いた。この特性X線を高分子に照射
し、分解能画素サイズ200×200μm2のイメージ
ングプレート(IP)を用いて炭化する高分子の配向の
有無を通常の方法にて測定した。即ち、結晶性高分子を
適当な大きさに切り出し、互いに直交する3方向から試
料にX線を入射させ回折写真を撮った時、配向がない場
合は各回折写真に写る全ての反射がリング状になる。逆
に、配向がある場合は、少なくとも1つの方向からの回
折写真には、リング状にならない結晶面の反射が生じる
ことで、炭化前の高分子の配向の有無を知ることが出来
る。
【0011】[TEM観察及び画像処理]活性炭の細孔
表面のTEM観察及び画像処理の手法としては、押田京
一、箕浦史登、遠藤守信、炭素、No.182、199
8、p.120〜122及びその参考文献に従って行え
ば良い。即ち、活性炭試料を樹脂に包埋し、ダイヤモン
ドナイフを用いてミクロトームで数10nm以下に切り
出し、加速電圧は400KVで、200万倍で活性炭の
細孔表面のグラファイト微結晶(002格子像の配向で
判断する)またはミクロ孔のTEM観察を行い写真を撮
る。次に、TEM写真を更に3〜100倍に拡大して焼
き付けた写真(拡大写真)から以下の方法により画像処
理を行い、細孔表面のグラファイト微結晶やミクロ孔の
配向の有無、配向分布を求めた。先ず、スキャナーを用
いて、拡大写真における炭素材料の表面部分から20n
2 の領域を読み込み、解像度300dpiでスキャナ
ー入力した後、2次元離散的フーリエ変換(DFT)を
行うことで、活性炭の細孔表面のグラファイト微結晶
(002格子像の配向で判断する)またはミクロ孔の配
向の有無がわかる。即ち、配向のない場合はリング状、
円盤状等の等方的な像が得られ、配向のある場合は非等
方的像、例えば楕円状(内部も埋めつくされた場合も含
む)、2点像、4点像、層線状、扇状の像が得られる。
なお、制限視野電子線回折によって、配向の有無を判断
する場合も同様にすれば良い。
【0012】4.電極の作製及び静電容量の測定 本発明の活性炭を用いた評価用のEDLCは、次の方法
にて作製した。しかし、EDLCの作製方法はこの方法
に限定されるものではない。まず、活性炭に電解液とし
ての35%硫酸を24時間かけて真空含浸させた後、余
分な電解液をろ過して除きペースト状の電解液を含浸し
た活性炭を得た。これを、厚さ200μmの導電性ゴム
の集電体の上に乗せた1mm厚のテフロン板に開けた2
0mm×20mmの穴に詰め、厚さ100μmのポリエ
チレン微多孔膜のセパレータを介して対面させ、0.1
kgf/cm2 の圧力で両極の絶縁を施したSUS板に
挟んでEDLCを作製した。また、静電容量の測定には
直列回路の時定数から求める定電圧充電法と定電流で放
電し電荷量に対する電圧の変化から求める定電流放電法
があるが、定電流放電法にて測定した。即ち、0.8V
で20mAの定電流充電を行った後、20mAにての定
電流放電を実施し、放電時の端子電圧が0.25Vに至
るまでの時間を計って静電容量を算出した。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に実施例により本発明を更に
具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定され
るものではない。
【実施例】(実施例1〜4および比較例1〜4) [高分子配向体の製造工程]本発明の実施例及び比較例
では、高分子としてPVDC、PAN、セルロース、P
PTAを用い、これを下記に述べる方法で配向シートを
作製した。
【0014】a.実施例1及び比較例1に用いた配向試
料 PVDCを用いた実施例1及び比較例1の配向試料作製
法を示す。PVDC分子鎖がシート面にほぼ垂直に配向
したPVDC微結晶を多く含む配向シート(PVDC−
1)の製法は、発明協会公開技法97−560に従っ
た。即ち、サランレジンR204(旭化成工業株式会社
製)を混合溶媒組成THF/MEK/TOL=3/2/
1.5の混合溶媒(60℃)に溶かし、15wt%のP
VDC溶液を作製した後、TOLを滴下加えて行き、混
合溶媒組成THF/MEL/TOL=3/2/2.5、
PVDC溶液濃度13wt%にして、この溶液を40℃
で攪拌放置することでPVDCの白濁溶液を作製した。
これをガラス板上にキャストし、100℃で溶媒を飛ば
して配向シートを得た。一方、PVDC分子鎖がシート
面に平行に並んだ配向シート(PVDC−2)は、厚さ
2mmの無配向PVDCシートを手動圧延機を用いて厚
さ0.4mmになるまで1方向に145℃で圧延(圧延
倍率4倍)して作製した。また、比較例1として、サラ
ンレジンF216(旭化成工業株式会社製)の粉末(P
VDC−3)を熱プレスして無配向シートを得た。
【0015】b.実施例2及び比較例2に用いた配向試
料 PANを用いた実施例2及び比較例2の配向試料作製法
を示す。70wt%濃硝酸に溶解したPANドープ(1
5wt%)をガラス板上にキャストして、−3℃、30
wt%の希硝酸中で凝固させ、それを水洗浄後、ガラス
板より剥がし、加熱液体中で手動延伸機を用いて5倍に
延伸し、乾燥して延伸方向に分子鎖が配向したフィルム
(PAN−1)を得た。また、比較例2として、PAN
ドープをガラス板上にキャストして、凝固させた後、延
伸せずに無配向のシート(PAN−2)を得た。
【0016】c.実施例3及び比較例3に用いた配向試
料 Cellを用いた実施例3及び比較例3の配向試料作製
法を示す。セルロース濃度8%のビスコースをガラス板
上にキャストして40℃、凝固再生浴(硫酸11wt
%、硫酸ナトリウム25wt%、硫酸亜鉛1.5wt
%)を用いて、凝固再生し、それをガラス板より剥が
し、手動延伸機を用いて5%延伸し、緊張乾燥して延伸
方向に分子鎖が配向したシート(Cell−1)を得
た。また、比較例3として、ビスコースをガラス板上で
ゲル化させた後、凝固再生して無配向シート(Cell
−2)を得た。
【0017】d.実施例4及び比較例4に用いた配向試
料 PPTAを用いた実施例4及び比較例4の配向試料作製
法を示す。100wt%濃硫酸にPPTAを溶解したP
PTAドープ(10wt%)をガラス板上にキャストし
て、水を用いて凝固させ、それをガラス板より剥がし、
手動延伸機を用いて3倍延伸し、緊張乾燥して分子鎖が
延伸方向に配向したフィルム(PPTA−1)を得た。
また、比較例4としてドープをガラス板上ゲル化させた
後、凝固して無緊張乾燥して無配向のシート(PPTA
−2)を得た。 [配向した活性炭の製造工程]実施例及び比較例に用い
た高分子の活性炭の製造工程は、上記によって得られた
各高分子の配向体の微粉末あるいはシートを窒素雰囲気
下で800℃〜1000℃で炭化した。炭化したものを
ミルを用いて粉砕し、これをEDLC電極用活性炭とし
た。全ての実施例及び比較例の結果を表1にまとめて示
す。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明によるEDLC電極用活性炭は、
EDLC電極の静電容量を増大させるものである。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気二重層キャパシタ電極用活性炭であ
    って、活性炭粒子の細孔内のミクロ孔または細孔表面の
    グラファイト微結晶が配向していることを特徴とする活
    性炭。
  2. 【請求項2】 配向した高分子フィルムや繊維またはそ
    れらの粉末を炭化することを特徴とする電気二重層キャ
    パシタ電極用活性炭の製造方法。
  3. 【請求項3】 炭素質基材表面に形成した配向した炭化
    水素低分子層を炭化することを特徴とする電気二重層キ
    ャパシタ電極用活性炭の製造方法。
  4. 【請求項4】 高分子の主鎖切断より前に側鎖が脱離反
    応する高分子や融点を持たない高分子を用いることを特
    徴とする請求項2の電気二重層キャパシタ電極用活性炭
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 高分子の分子鎖がフィルム表面や繊維表
    面に垂直に配列した配向構造を有する高分子を用いるこ
    とを特徴とする請求項2又は請求項4の電気二重層キャ
    パシタ電極用活性炭の製造方法。
  6. 【請求項6】 高分子の分子鎖がフィルム表面や繊維表
    面に平行に配列した配向構造を有する高分子を用いるこ
    とを特徴とする請求項2又は請求項4の電気二重層キャ
    パシタ電極用活性炭の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006054747A1 (ja) * 2004-11-19 2006-05-26 Ube Industries, Ltd. 電気二重層キャパシタ
JP2006261599A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 Japan Gore Tex Inc 電気二重層キャパシタの製造方法

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WO2006054747A1 (ja) * 2004-11-19 2006-05-26 Ube Industries, Ltd. 電気二重層キャパシタ
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