JP2000055609A - ひずみ測定方法 - Google Patents

ひずみ測定方法

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JP2000055609A JP22437398A JP22437398A JP2000055609A JP 2000055609 A JP2000055609 A JP 2000055609A JP 22437398 A JP22437398 A JP 22437398A JP 22437398 A JP22437398 A JP 22437398A JP 2000055609 A JP2000055609 A JP 2000055609A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】物体のひずみ測定を、該物体に貼着するひずみ
ゲージの交換後であっても精度よく行うことができるひ
ずみ測定方法を提供する。 【解決手段】交換前のひずみゲージ1aを含むブリッジ
回路16の出力電圧eに基づき最後に把握された物体の
ひずみε1 と、交換後のひずみゲージ1bを含むブリッ
ジ回路16の出力電圧eに基づき把握される交換時点か
らの物体のひずみΔε2 とから次式の演算により求まる
値ε2 をひずみ測定の開始時からの物体のひずみε2
して測定する。 【数1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ひずみゲージを用
いたひずみ測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】物体に生じるひずみの測定方法として
は、ひずみに応じた抵抗値変化を生じるひずみゲージを
物体に貼着すると共に、このひずみゲージを含む適宜の
回路(以下、ここでは測定回路と称する)により該ひず
みゲージの抵抗値に応じた測定信号を生成し、該測定信
号に基づき物体のひずみ(=ひずみゲージのひずみ)を
把握する手法が従来より知られている。
【0003】この場合、上記測定回路としては、通常、
前記ひずみゲージを一辺に有し、且つ他の三辺に所定抵
抗値の抵抗体を有するブリッジ回路(詳しくはホイート
ストンブリッジ回路)が一般的に用いられている。
【0004】尚、本明細書では、「ひずみ」はより正確
には、物体の圧縮又は引っ張り方向でのひずみ(圧縮ひ
ずみ又は引っ張りひずみ)を意味するものとする。
【0005】ところで、物体に生じるひずみを測定しよ
うとする場合、一般に、そのひずみが、測定開始時点か
ら経時的にどのような変化を呈するかを観測することが
重要となる。そして、この場合、測定開始時点から物体
に生じるひずみがさほど大きくならないような場合に
は、測定開始時点で物体に貼着したひずみゲージをその
まま用いて、ひずみ測定を連続的もしくは断続的に継続
することができる。
【0006】しかるに、物体に生じるひずみが大きなも
のとなるような場合のひずみ測定(大ひずみ測定)で
は、物体のひずみに伴うひずみゲージ自体のひずみが、
該ひずみゲージの耐久限界を超えて、該ひずみゲージが
破損してしまう虞れがある。
【0007】このため、このようなひずみ測定では、把
握されるひずみがある程度大きくなったら、物体に貼着
するひずみゲージを新たなものに交換してひずみ測定を
継続するようにしている。
【0008】また、上記のような大ひずみ測定とならな
い場合であっても、物体に貼着したひずみゲージが、こ
れになんらかの異物がぶつかる等して破損した場合に
は、該ひずみゲージを新たなものと交換してひずみ測定
を継続することが行われる。
【0009】この場合、新たなひずみゲージを物体に貼
着したときには、該ひずみゲージは無ひずみ状態である
から、交換後のひずみゲージを用いて測定されるひずみ
は、その交換時点からのひずみである。
【0010】そして、従来は、交換前のひずみゲージを
用いて最後に把握されたひずみに、交換後のひずみゲー
ジを用いて把握されるひずみを加算したものが物体のひ
ずみ測定の開始時点からのひずみであると考え、ひずみ
ゲージの交換後には、上記の加算演算を演算を行うこと
で、ひずみ測定の開始時点からの物体のひずみを把握す
るようにしていた。
【0011】すなわち、従来は、交換前のひずみゲージ
を用いて最後に把握されたひずみをε1 、交換後のひず
みゲージを用いて所望のタイミングで把握されるひずみ
をΔε2 としたとき、ひずみゲージの交換後には、次式
(2)の加算演算により求まる値εを、物体のひずみ測
定の開始時点からのひずみεとして把握する。
【0012】
【数2】
【0013】しかしながら、本願発明者等の検討によっ
て、このような演算では、実際には、物体のひずみ測定
の開始時点からのひずみεを精度よく把握することはで
きないことが判明した。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる背景に
鑑み、物体のひずみ測定を、該物体に貼着するひずみゲ
ージの交換後であっても精度よく行うことができるひず
み測定方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、物体に
貼着するひずにゲージを測定途中で交換する場合につい
て、詳細に検討した結果、次のことを知見した。
【0016】例えば長さL0 の物体に生じるひずみを測
定すべく該物体に無ひずみ状態のひずみゲージを貼着し
た場合を想定する。このとき、該物体が、その長さ方向
に圧縮又は引っ張り荷重を受けて、その長さがΔL1
け変化したとすると、該物体のひずみε1 は、次式
(3)に示すように物体の長さの当初の長さL0 (ひず
み測定の開始時点の物体の長さL0 )に対する変化分Δ
1 の比として定義される。
【0017】
【数3】
【0018】尚、このひずみε1 と、長さL0 の状態で
物体に貼着したひずみゲージの抵抗値との間には、次式
(4)の関係式が成立する。
【0019】
【数4】
【0020】ここで、式(4)において、Kはひずみゲ
ージのゲージ率、R0 はひずみゲージの無ひずみ状態で
の抵抗値(ひずみゲージの公称抵抗値)、ΔRは物体の
長さの変化分ΔL1 に応じたひずみゲージの抵抗値の変
化分である。
【0021】ひずみゲージを用いたひずみ測定では、上
記の抵抗値変化分ΔRに相当する測定信号を該ひずみゲ
ージを含む回路によって生成する。そして、その測定信
号から上記(4)の関係式を基礎として、ひずみε1
測定する。
【0022】次に、上記のように物体の長さがL0 から
ΔL1 だけ変化した状態で、物体に貼着するひずみゲー
ジを新たなものに交換したとする。つまり、物体の長さ
が(L0 +ΔL1 )の状態で、先に物体に貼着していた
ひずみゲージを剥がし、それと同じ箇所に無ひずみ状態
の新たなひずみゲージを貼着したとする。そして、この
ひずみゲージの交換後に物体の長さがさらにΔL2 だけ
変化したとすると、物体の長さの当初の長さL0 からの
変化分は(ΔL1 +ΔL2 )であるから、この状態にお
ける物体のひずみ測定の開始時点からのひずみは、これ
をε2 とおくと、次式(5)により表される。
【0023】
【数5】
【0024】また、交換後の新たなひずみゲージは、物
体の長さが(L0 +ΔL1 )の状態において無ひずみ状
態で貼着されたものであるから、その新たなひずみゲー
ジを用いて、交換前のひずみゲージの場合と同様に測定
されるひずみは、これをΔε 2 とおくと、次式(6)に
より表される。
【0025】
【数6】
【0026】すなわち、ひずみゲージの交換後に新たな
ひずみゲージを用いて測定されるひずみΔε2 は、その
交換時点(新たなひずみゲージの貼着時点)における物
体の長さ(L0 +ΔL1 )に対する、該交換時点からの
物体の長さの変化分ΔL2 の比である。
【0027】このことからひずみ測定途中でひずみゲー
ジを交換した場合には、従来のように、交換前のひずみ
ゲージを用いて最後に把握された物体のひずみ(これ
は、式(3)により表されるひずみε1 に相当する)
に、交換後のひずみゲージを用いて把握される物体のひ
ずみ(これは式(6)により表されるひずみΔε2 に相
当する)を前記式(2)のように加算しても、測定開始
時点からの物体のひずみε 2 を正しく把握することはで
きないことが判る。実際、式(3)により表されるひず
みε1 に、式(6)により表されるひずみΔε2 を加算
しても、式(5)により表される本来の測定すべきひず
みε2 を得ることはできない。
【0028】一方、前記式(6)によって、ΔL2 =Δ
ε2 ・(L0 +ΔL1 )であるから、これを式(5)に
代入して整理すると、次式(7)が得られる。
【0029】
【数7】
【0030】そして、この式(7)において、(ΔL1
/L0 )は、式(3)に示したように、物体の長さが
(L0 +ΔL1 )の状態でのひずみε1 であり、このひ
ずみε 1 は、交換前のひずみゲージを用いて最後(交換
の直前)に把握されるひずみである。
【0031】従って、ひずみゲージの交換後には、物体
のひずみ測定の開始時点からのひずみε2 は、次式
(8)によって正しく求めることができる。
【0032】
【数8】
【0033】これが本発明によるひずみ測定の原理であ
る。
【0034】そこで、本発明のひずみ測定方法は、前記
の目的を達成するために、物体のひずみに応じた抵抗値
変化を生じるように該物体に貼着したひずみゲージを含
む回路により該ひずみゲージの抵抗値に応じた測定信号
を生成し、その測定信号に基づき前記物体のひずみを測
定するひずみ測定方法において、その測定途中で前記ひ
ずみゲージを新たなひずみゲージに交換したときに、該
ひずみゲージの交換後にひずみ測定の開始時からの物体
のひずみを測定するための方法であって、前記交換前の
ひずみゲージを含む回路の測定信号に基づき最後に把握
された前記物体のひずみε1 と、前記交換後のひずみゲ
ージを含む回路の測定信号に基づき把握される該交換時
点からの前記物体のひずみΔε2 とから前記の式(8)
の演算により求まる値ε2 をひずみ測定の開始時点から
の前記物体のひずみε2 として測定することを特徴とす
る。
【0035】かかる発明によれば、式(8)の演算によ
り求まる値ε2 をひずみ測定の開始時点からの前記物体
のひずみε2 として測定することで、測定途中でひずみ
ゲージを交換した場合に、その交換後も、ひずみ測定の
開始時点からの物体のひずみε2 を精度よく測定するこ
とができる。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1乃至図
3を参照して説明する。図1は本発明の実施形態を適用
するひずみ測定装置の回路構成図、図2は図1の装置の
要部の回路構成図、図3は図1の装置の作動を説明する
ためのフローチャートである。
【0037】図1を参照して、本実施形態のひずみ測定
装置10は、所謂1ゲージ3線法によるひずみ測定(よ
り詳しくは圧縮・引張ひずみの測定)を行うものであ
り、物体に貼着するひずみゲージ1aの両端にあらかじ
め結線された一対のリード線2a,3aをそれぞれ接続
する接続端子11,12と、ひずみゲージ1aのリード
線3a側の一端に該リード線3aと共に結線されたサブ
リード線4aを接続する接続端子13とが備えられてい
る。
【0038】尚、図中、参照符号1bを付したものは、
後述する測定途中でひずみゲージ1aに代えてひずみ測
定装置10に接続するひずみゲージであり、このひずみ
ゲージ1bにも、ひずみゲージ1aと同様に接続端子1
1〜13に接続するための三本のリード線2b,3b,
4bが結線されている。以下の説明においては、ひずみ
ゲージ1a,1bを特に区別する必要がないときは、そ
れらをひずみゲージ1と総称し、また、これと同様に、
リード線2a,2bをリード線2、リード線3a,3b
をリード線2、サブリード線4a,4bをサブリード線
4と総称する。
【0039】上記ひずみ測定装置10は、その構成を大
別すると測定ユニット14と、コントロールユニット1
5とから構成されている。
【0040】測定ユニット14は、ひずみゲージ1と併
せて図2に示すブリッジ回路(ホイートストンブリッジ
回路)16を構成するための抵抗体17,18,19を
内蔵している。
【0041】これらの抵抗体17,18,19は例えば
固定抵抗値の抵抗素子により構成されたもので、ひずみ
ゲージ1のリード線2,3をそれぞれ接続端子11,1
2に接続したとき、ひずみゲージ1を一辺に有し、且つ
残りの三辺に抵抗体17,18,19を有するブリッジ
回路16が構成されるように、図示しない回路基盤に形
成された回路パターンを介して相互に接続されていると
共に、前記接続端子11,12に接続されている。
【0042】上記ブリッジ回路16は、ひずみゲージ1
の抵抗値に応じた測定信号を生成するものであり、該ブ
リッジ回路16の一対の電源入力部I1 ,I2 間に電源
電圧V(一定電圧)を付与したとき、該ブリッジ回路1
6の一対の出力部O1 ,O2間に、ひずみゲージ1の抵
抗値に応じた出力電圧e(測定信号)を生成する。
【0043】ここで、ブリッジ回路16の一対の電源入
力部I1 ,I2 は図2に示す如く、ひずみゲージ1のリ
ード線2と抵抗体18との接続部位もしくはこれと同電
位の部分、並びに、抵抗体17と抵抗体19との接続部
位もしくはこれと同電位の部分である。また、ブリッジ
回路16の一対の出力部O1 ,O2 は、前記リード線3
及びサブリード線4を結線したひずみゲージ1の一端、
並びに、前記抵抗体17と抵抗体18との接続部位もし
くはこれと同電位の部分である。
【0044】尚、抵抗体17,18,19のそれぞれの
抵抗値R2 〜R4 は、通常は、ブリッジ回路16に組み
込まれるひずみゲージ1の無ひずみ状態においてブリッ
ジ回路16が平衡する(出力電圧eが「0」もしくは微
小なものとなる)ように、測定器に接続すべきひずみゲ
ージの無ひずみ状態における基準抵抗値(公称抵抗値)
に等しいものとされる。但し、本実施形態では、ひずみ
測定に際して検出可能な出力電圧eをブリッジ回路16
が生成し得るものであれば、抵抗体17,18,19の
それぞれの抵抗値R2 〜R4 は、必ずしも上記のように
設定しておく必要はない。
【0045】また、測定ユニット14には、ブリッジ回
路16の電源電圧Vを外部から入力するための一対の電
源入力端子20,21と、ブリッジ回路16の一対の出
力部O1 ,O2 に生成される出力電圧e、及びブリッジ
回路16の抵抗体19を有する辺に生じる電圧V4 のい
ずれかを外部に出力するための一対の出力端子22,2
3とが備えられている。
【0046】そして、電源入力端子20,21は、それ
ぞれブリッジ回路16の電源入力部I1 ,I2 に接続さ
れ、出力端子22,23はそれぞれブリッジ回路16の
出力端子O1 ,O2 に接続されている。
【0047】コントロールユニット15は、前記測定ユ
ニット14の一対の電源入力端子20,21に接続され
て、該電源入力端子20,21を介してブリッジ回路1
6の電源入力部I1 ,I2 間に付与する電源電圧V(定
電圧)を生成するブリッジ電源回路24と、測定ユニッ
ト14の一対の出力端子22,23に接続されて、該出
力端子22,23間に発生するブリッジ回路16の出力
電圧eを増幅する増幅回路25と、この増幅回路25の
出力をA/D変換するA/D変換回路26と、後述の各
種データ処理や制御処理を行う制御回路27と、後述の
各種データや制御回路27が行う処理に必要なプログラ
ム等を記憶保持する記憶回路28と、制御回路27によ
り表示回路29を介して駆動され、ひずみ測定値等を表
示する表示器30と、制御回路27がコントロールユニ
ット15の外部の図示しない操作器やパーソナルコンピ
ュータ等との間で各種データの授受を行うためのインタ
ーフェース回路31と、コントロールユニット15全体
の電源電圧を商用電源等から生成する主電源回路32と
を備えている。尚、制御回路27はマイクロプロセッサ
等により構成され、また、記憶回路28は、ROM,R
AM,EEPROM等により構成されたものである。ま
た、コントロールユニット15の電源として電池を使用
するようにしてもよい。
【0048】この場合、本実施形態のひずみ測定装置1
0では、コントロールユニット24の制御回路27は、
後述の如く検出されるブリッジ回路16の出力電圧eの
データ等から例えば次式(9)の演算を行うことで、ひ
ずみゲージ1を貼着する物体のひずみε(より正確には
ひずみゲージ1を物体に貼着した時点からのひずみ)を
求めるようにしている。
【0049】
【数9】
【0050】ここで、この式(9)において、Vは前述
の通りブリッジ回路16の電源電圧であり、Kはひずみ
ゲージ1のゲージ率、R0 はひずみゲージ1の無ひずみ
状態における基準抵抗値(ひずみゲージ1の公称抵抗
値)である。また、R3 ,R4はそれぞれ抵抗体18,
19の抵抗値である。また、rはブリッジ回路16にお
けるひずみゲージ1と同じ辺に組み込まれるリード線の
抵抗値であり、これは、本実施形態の1ゲージ3線法に
よる測定ではリード線2の抵抗値r1 である。
【0051】また、e0 はブリッジ回路16に組み込ま
れるひずみゲージ1の無ひずみ状態において該ブリッジ
回路16に電源電圧Vを付与したときに該ブリッジ回路
16が出力部O1 ,O2 間に生成する出力電圧(以下、
これを初期不平衡出力電圧e 0 という)である。さら
に、eはひずみゲージ1を測定対象の物体に貼着した状
態でブリッジ回路16に電源電圧Vを付与したとき(ひ
ずみ測定時)にブリッジ回路16が出力部O1 ,O2
に生成する出力電圧である。
【0052】尚、上記式(9)に基づくひずみの測定手
法は、本願出願人が先に特願平9−341715号にて
提案した技術であり、その詳細についてはここでは説明
を省略するが、式(9)の右辺の大括弧内の演算項は、
ブリッジ回路16の初期不平衡出力電圧e0 が比較的大
きい場合に、その影響を排除して、ひずみ測定時のブリ
ッジ回路16の出力電圧eからひずみを把握するための
演算項である。そして、この大括弧内の演算結果に乗算
する(R0 +r)/R0 の項は、ひずみゲージ1のリー
ド線2,3の抵抗値が比較的大きい場合に、その影響を
排除すべく大括弧内の演算結果を補正するための項であ
る。
【0053】さらに、本実施形態のひずみ測定装置10
では、コントロールユニット24の制御回路27は、後
述の如く測定途中でひずみゲージ1を新たなものに交換
した場合にあっては、その交換後には、交換前のひずみ
ゲージ1を用いたブリッジ回路16の出力電圧eから前
記式(9)に基づき最後(交換の直前)に把握されるひ
ずみε(これに参照符号ε1 を付する)と、交換後のひ
ずみゲージ1を用いたブリッジ回路16の出力電圧eか
ら前記式(9)に基づき把握されるひずみε(これに参
照符号Δε2 を付する)とから前記式(8)の演算を行
うことで、物体のひずみ測定の開始時(交換前のひずみ
ゲージ1を物体に貼着してひずみ測定を開始した時)か
らの物体のひずみε2 を求めるようにしている。
【0054】そして、コントロールユニット15の記憶
回路28には、上記のような演算処理を制御回路27に
実行させるために図3のフローチャートに示すような処
理手順があらかじめプログラムされている。さらに、該
記憶回路28には、ブリッジ回路16の電源電圧V、抵
抗体18,19の抵抗値R3 ,R4 等のデータがあらか
じめ記憶保持されている。
【0055】次に、本実施形態のひずみ測定装置10に
よるひずみ測定の作動を具体的に説明する。
【0056】本実施形態のひずみ測定装置10では、物
体のひずみ測定に先立って、次の処理が行われる。
【0057】本実施形態のひずみ測定装置10では、例
えばひずみゲージ1aを用いてひずみ測定を開始すると
した場合、そのひずみ測定に先立って、あらかじめ、ひ
ずみゲージ1aのゲージ率K(以下、これに参照符号K
aを付する)の値及び基準抵抗値R0 (以下、これに参
照符号R0aを付する)と、ひずみゲージ1aのリード線
2aの抵抗値r1 (以下、これに参照符号r1aを付す
る)とが、ひずみ測定装置10の外部の適宜の操作器等
から前記インターフェース回路31及び制御回路27を
介して記憶回路28に入力され、該記憶回路28に記憶
保持される。
【0058】この場合、記憶回路28に記憶保持させる
ひずみゲージ1aのゲージ率Kaの値は、例えばその公
称値を使用する。また、ひずみゲージ1aの基準抵抗値
0aは、その公称値や、該ひずみゲージ1aについてあ
らかじめ実測してなる基準抵抗値を使用する。さらに、
リード線2aの抵抗値r2 は、あらかじめ実測した抵抗
値、あるいは、リード線2aの材質や長さ、太さ等から
求めた値を用いる。
【0059】尚、ひずみ測定装置10に使用すべきひず
みゲージ1のゲージ率Kや基準抵抗値R0 があらかじめ
定められている場合には、それらのゲージ率Kや基準抵
抗値R0 の値は、前記電源電圧Vや抵抗体18,19の
抵抗値R3 ,R4 等と共に、ひずみ測定装置10の製造
段階で記憶回路28のROMに記憶保持させておくよう
にしてもよい。
【0060】次いで、ひずみゲージ1aを物体に貼着せ
ずに(ひずみゲージ1aの無ひずみ状態で)、ひずみ測
定装置10の接続端子11〜13にリード線2a〜4a
を介して接続してブリッジ回路16を構成した後、ひず
み測定装置10の所定の操作等により、コントロールユ
ニット15を動作させる。
【0061】このとき、コントロールユニット15の制
御回路27は、まず、ブリッジ電源回路24を起動し
て、該ブリッジ電源回路24からブリッジ回路16の電
源入力部I1 ,I2 に電源入力端子20,21を介して
電源電圧Vを付与させる。
【0062】この状態において、制御回路27は、ブリ
ッジ回路16の出力部O1 ,O2 間に発生する出力電圧
eを前記出力端子22,23を介して増幅回路25に入
力させる。そして、制御回路27は、この時、ブリッジ
回路16が生成した出力電圧eを、増幅回路25及びA
/D変換回路26を介して与えられるデータによって認
識し、その認識した出力電圧eの値をブリッジ回路16
の前記初期不平衡出力電圧e0 (以下、これに参照符号
0aを付する)として記憶回路28に記憶保持させる。
【0063】次に、測定対象の物体(図示しない)のひ
ずみ測定を開始すべくひずみゲージ1aを該物体に貼着
した後、制御回路27は、測定者の所定の操作等により
指示されたタイミングや、あらかじめ設定されたタイム
スケジュールに従って、次のようにひずみ測定を行う。
【0064】制御回路27は、ひずみ測定を行うタイミ
ング(ひずみ測定時)において、前記初期不平衡出力電
圧e0aを検出した場合と同様にして、ブリッジ電源回路
24からブリッジ回路16の電源入力部I1 ,I2 に電
源電圧Vを付与せしめ、このときブリッジ回路16が出
力部O1 ,O2 間に生成する出力電圧e(以下、これに
参照符号ea を付する)を増幅回路25に入力させる。
そして、制御回路27は、この増幅回路25に入力され
る出力電圧ea の値を、該増幅回路25及びA/D変換
回路26を介して与えられるデータによって認識し、そ
の認識した出力電圧ea の値を記憶回路28に記憶保持
させる。
【0065】そして、制御回路27は、記憶回路28に
あらかじめプログラムされた図3のフローチャートの処
理を行うことで、物体のひずみε(測定開始時からのひ
ずみ)を求める。
【0066】すなわち、制御回路27は、まず、ひずみ
ゲージ1の交換が行われたことを示す後述のゲージ交換
データが記憶回路28に記憶保持されているか否かを判
断する(STEP1)。
【0067】このとき、ひずみゲージ1の交換は未だ行
われていないので、ゲージ交換データが記憶回路28に
記憶保持されていることはなく、この場合には、STE
P2に進む。
【0068】STEP2では、制御回路27は、前述の
如く記憶回路28に記憶保持された、ブリッジ回路16
の電源電圧V、抵抗体18,19の抵抗値R3 ,R4
ひずみゲージ1aのゲージ率Ka及び基準抵抗値R0a
リード線2aの抵抗値r1a、ブリッジ回路16の初期不
平衡出力電圧e0a及びひずみ測定時のブリッジ回路7の
出力電圧ea のデータを記憶回路28から読み込む。
【0069】そして、読み込んだ上記の各データの値を
用いて、前記式(9)の演算を行うことで、ひずみεを
求める(STEP3)。この場合において、式(9)中
のK、e0 、e、R0 、r は、それぞれ、図に示す如
くKa、e0a、ea 、R0a、r1aに置き換える。
【0070】このようにしてひずみεを求めた制御回路
27は、そのひずみεの値を表示回路29を介して表示
器30に表示させると共に、記憶回路28に記憶保持さ
せる(STEP4)。
【0071】このような処理がひずみ測定を行う適宜の
タイミングで繰り返され、その時々のひずみεの値のデ
ータが記憶回路28に時系列的に記憶保持されていく。
尚、ひずみεの値のデータの記録は、ハードディスクや
フロッピディスク等に行うようにしてもよい。
【0072】このようなひずみゲージ1aを用いたひず
み測定中において、例えば上記のように得られたひずみ
εが、ひずみゲージ1aの耐久限界に近い大きなものと
なった場合や、なんらかの原因でひずみゲージ1aが破
損した場合には、ひずみゲージ1aを新たなひずみゲー
ジ1bに交換して測定を継続する。
【0073】この場合、ひずみゲージ1aの交換に先立
って、まず、次の処理が行われる。
【0074】すなわち、まず、新たなひずみゲージ1b
のゲージ率K(以下、これに参照符号Kbを付する)の
値及び基準抵抗値R0 (以下、これに参照符号R0bを付
する)と、ひずみゲージ1bのリード線2bの抵抗値r
2 (以下、これに参照符号r 2bを付する)とが、ひずみ
測定装置10の外部の適宜の操作器等から前記インター
フェース回路31及び制御回路27を介して記憶回路2
8に入力され、該記憶回路28に記憶保持される。
【0075】尚、新たなひずみゲージ1bがひずみゲー
ジ1aと同一特性のものである場合には、ひずみゲージ
1bのゲージ率Kbや基準抵抗値R0bは、既に記憶回路
28に記憶されているひずみゲージ1aのゲージ率Ka
や基準抵抗値R0aと等しいので、該ゲージ率Kbや基準
抵抗値R0bの入力処理を省略してもよい。さらに、新た
なひずみゲージ1bのリード線2bの長さや線種がひず
みゲージ1aのリード線2aの長さや線種と等しい場合
には、ひずみゲージ1bのリード線2bの抵抗値r
1bは、既に記憶回路28に記憶されているひずみゲージ
1aのリード線2aの抵抗値r1aと等しいので、該抵抗
値r1bの入力処理も省略してもよい。
【0076】次いで、ひずみゲージ1aのリード線2a
〜4aをひずみ測定装置10から取り外すと共に、新た
なひずみゲージ1bを物体に貼着せずに(ひずみゲージ
1bの無ひずみ状態で)、ひずみ測定装置10の接続端
子11〜13にリード線2b〜4bを介して接続してブ
リッジ回路16を構成した後、ひずみ測定装置10の所
定の操作等により、コントロールユニット15を動作さ
せる。
【0077】このとき、コントロールユニット15の制
御回路27は、ひずみゲージ1aに係わる初期不平衡出
力電圧e0aの検出の場合と同様にして、ブリッジ電源回
路24からブリッジ回路16の電源入力部I1 ,I2
電源電圧Vを付与させる。さらにこの状態において、制
御回路27は、ブリッジ回路16の出力電圧eを前記増
幅回路25及びA/D変換回路26を介して認識し、そ
の認識した出力電圧eの値をブリッジ回路16の前記初
期不平衡出力電圧e0 (以下、これに参照符号e0bを付
する)として記憶回路28に記憶保持させる。
【0078】尚、ひずみゲージ1a,1bの基準抵抗値
0a,R0bが共に等しく、且つリード線2a,3aのそ
れぞれの抵抗値とリード線2b,3bのそれぞれの抵抗
値とが各々等しい場合には、新たなひずみゲージ1bに
係わるブリッジ回路16の初期不平衡出力電圧e0bは、
基本的には、既に記憶回路28に記憶保持されているひ
ずみゲージ1aに係わる初期不平衡出力電圧e0aに等し
いと考えられる。従って、この場合には、新たなひずみ
ゲージ1bに係わるブリッジ回路16の初期不平衡出力
電圧e0bの検出及びその記憶保持を省略してもよい。
【0079】次に、新たなひずみゲージ1bを用いたひ
ずみ測定を開始すべく、物体に貼着されているひずみゲ
ージ1aを剥がし、それと同じ箇所でひずみゲージ1b
を物体に貼着することで、ひずみゲージ1を交換する。
さらに、ひずみ測定装置10の外部の適宜の操作器等か
ら、ひずみゲージ1を交換した旨を表すゲージ交換デー
タが前記インターフェース回路31及び制御回路27を
介して記憶回路28に入力され、該記憶回路28に記憶
保持される。また、このとき、制御回路27は、ひずみ
ゲージ1aを用いて測定されて記憶回路28に記憶保持
されているひずみεの時系列データのうち、最新のもの
を交換前のひずみゲージ1aを用いて把握された最後の
ひずみε1 のデータ、すなわち、ひずみゲージ1の交換
直前に測定されたひずみε1 のデータとして認識してお
く。
【0080】この後、コントロールユニット15の制御
回路27は、測定者の所定の操作等により指示されたタ
イミングや、あらかじめ設定されたタイムスケジュール
に従って、次のようにひずみ測定を行う。
【0081】制御回路27は、前述したひずみゲージ1
aを用いた測定の場合と同様にして、ひずみ測定を行う
タイミング(ひずみ測定時)において、ブリッジ電源回
路24からブリッジ回路16に電源電圧Vを付与せし
め、このときブリッジ回路16が出力部O1 ,O2 間に
生成する出力電圧e(以下、これに参照符号eb を付す
る)を増幅回路25及びA/D変換回路26を介して認
識する。そして、その認識した出力電圧eb の値を記憶
回路28に記憶保持させる。
【0082】そして、制御回路27は、前記図3のフロ
ーチャートの処理を行うことで、物体のひずみ(ひずみ
ゲージ1aを用いた測定開始時からのひずみ)を求め
る。
【0083】すなわち、制御回路27は、まず、前記ゲ
ージ交換データが記憶回路28に記憶保持されているか
否かを判断する(STEP1)。この場合、上記のよう
に記憶回路28には、ゲージ交換データが記憶保持され
ているので、STEP5に進む。
【0084】このSTEP5では、制御回路27は、前
記STEP2の場合と同様、ブリッジ回路16の電源電
圧V、抵抗体18,19の抵抗値R3 ,R4 、ひずみゲ
ージ1bのゲージ率Kb及び基準抵抗値R0b、リード線
2bの抵抗値r1b、ブリッジ回路16の初期不平衡出力
電圧e0b及びひずみ測定時のブリッジ回路7の出力電圧
b のデータを記憶回路28から読み込む。
【0085】そして、読み込んだ上記の各データの値を
用いて、前記式(9)の演算を行うことで、ひずみΔε
2 を求める(STEP6)。この場合において、式
(9)中のK、e0 、e、R0 、r は、それぞれ、図
に示す如くKb、e0b、eb 、R 0b、r1bに置き換え
る。
【0086】このようにしてSTEP6で求められるひ
ずみΔε2 は、ひずみゲージ1をひずみゲージ1aから
ひずみゲージ1bに交換した時点(より正確にはひずみ
ゲージ1bを物体に貼着した時点)を基準として、ひず
みゲージ1bを組み込んだブリッジ回路16の出力電圧
eから把握される物体のひずみである。
【0087】次いで、制御回路27は、交換前のひずみ
ゲージ1aを用いて把握された最後のひずみε1 のデー
タ(交換直前の物体のひずみデータ)を記憶回路28か
ら読み込んだ後(STEP7)、そのひずみε1 のデー
タと、STEP6で求めたひずみΔε2 のデータとを用
いて前記式(8)の演算を行う(STEP8)。
【0088】そして、制御回路27は、このとき式
(8)により求められた値ε2 を、物体のひずみ測定の
開始時(交換前のひずみゲージ1を物体に貼着してひず
み測定を開始した時)からの物体のひずみとして、表示
器30に表示させると共に、記憶回路28に記憶保持さ
せる(STEP9)。
【0089】このような処理がひずみゲージ1の交換後
もひずみ測定を行う適宜のタイミングで繰り返され、そ
の時々のひずみε2 の値のデータが記憶回路28に時系
列的に記憶保持されていく。尚、ひずみε2 の値のデー
タの記録は、ひずみゲージ1の交換前のデータと同様、
ハードディスクやフロッピディスク等に行うようにして
もよい。
【0090】以上、説明したようにして、ひずみゲージ
1の交換後には、交換前のひずみゲージ1aを用いたブ
リッジ回路16の出力電圧eに基づき最後に把握された
ひずみε1 と、交換後のひずみゲージ1bを用いたブリ
ッジ回路16の出力電圧eに基づき最後に把握されたΔ
ひずみε1 (交換時点からの物体のひずみ)とから前記
式(8)の演算を行うことで、ひずみゲージ1の交換後
であっても、交換前の測定開始時からの物体のひずみを
精度よく継続的に測定することができる。
【0091】特に本実施形態では、ひずみゲージ1aを
用いたブリッジ回路16の出力電圧eに基づくひずみε
1 の把握と、ひずみゲージ1bを用いたブリッジ回路1
6の出力電圧eに基づくひずみΔε2 の把握とは、前記
式(9)の演算を用いて行うようにしているため、各ひ
ずみゲージ1の基準抵抗値や抵抗体16〜18の抵抗値
のばらつき、リード線2,3の抵抗値等に起因してひず
みゲージ1の無ひずみ状態でブリッジ回路16が生成す
る初期不平衡出力電圧e0 やリード線2,3の抵抗値の
影響を排除して精度よく行うことができる。この結果、
ひずみゲージ1の交換前はもちろん交換後においても、
物体のひずみの高精度な測定を行うことができる。
【0092】尚、以上説明した実施形態では、ひずみゲ
ージ1の交換を一回だけ行った場合を例にとって説明し
たが、ひずみゲージを新たなものに交換する毎に、前述
の処理を繰り返せば、ひずみゲージの交換を複数回にわ
たって行う場合であっても、精度のよいひずみ測定を継
続的に行うことができる。
【0093】また、前記実施形態では、式(9)の演算
に基づき、ひずみゲージ1の交換前のひずみε1 と交換
後のひずみΔε2 とを把握するようにしたが、いずれの
ひずみε1 ,Δε2 を把握する場合であっても、初期不
平衡出力電圧e0 が十分に微小である場合には、式
(9)の大括弧内の演算をe0 =0(固定値)として行
うようにしてもよい。この場合において、ブリッジ回路
16の電源電圧VをV=2[v]、ひずみゲージ1のゲ
ージ率KをK=2とし、また、抵抗体18,19の抵抗
値R3 ,R4 をR3 =R4 に設定したとき、式(9)の
大括弧内の演算結果は、次式(10)により求まる値
ε’となる。この式(10)はひずみゲージを用いたひ
ずみ測定において、該ひずみゲージを含むブリッジ回路
の出力電圧からひずみを把握するための基本式として一
般的に用いられている式である。
【0094】
【数10】
【0095】さらに、ひずみゲージ1のリード線2,3
の抵抗値が、ひずみゲージ1の基準抵抗値R0 に対して
十分に小さい場合には、式(9)の右辺の(R0 +r)
/R 0 の項を省略した演算式によりひずみε1 ,Δε2
を把握するようにしてもよい。
【0096】また、本実施形態では、式(9)の演算を
行うために、抵抗体18,19の抵抗値R3 ,R4 をそ
のまま用いたが、式(9)の右辺の分母に現れるR3
(R 3 +R4 )の項、R4 /(R3 +R4 )の項に代え
て、それらの項の値をあらかじめ求めてなる値(例えば
3 =R4 の場合は、R3 /(R3 +R4 )=R4
(R3 +R4 )=1/2である)を用いてもよい。
【0097】さらには、式(9)の右辺の分母に現れる
V・R3 /(R3 +R4 )の項、V・R4 /(R3 +R
4 )の項は、それぞれブリッジ回路16における抵抗体
18の辺の電圧V3 (図2参照)、抵抗体19の辺の電
圧V4 (図2参照)であるから、それらの項の代わり
に、上記電圧V3 ,V4 の値を用いてもよい。この場合
において、電圧V3 ,V4 の値は、抵抗体18,19の
抵抗値R3 ,R4 とブリッジ回路15の電源電圧Vの値
とからあらかじめ演算により求めた値を用いればよい
が、あるいは、ひずみ測定に際して実測した値を用いて
もよい。また、電圧V3 ,V4 の値のいずれかを一方を
実測し、他方は、実測した一方の値を電源電圧Vの値か
ら減算することで求めるようにしてもよい。
【0098】また、前述の実施形態では、1ゲージ3線
法によるひずみ測定を例にとって説明したが、例えば1
ゲージ2線法によるひずみ測定についても本発明を適用
できる。この場合には、図2のブリッジ回路16におい
て、ひずみゲージ1のリード線3と抵抗体17との接続
部位と、抵抗体18と19との接続部位との間に発生す
る電圧をブリッジ回路16の出力電圧として検出すれ
ば、1ゲージ3線法の場合と同様にひずみ測定を行うこ
とができる。但し、この場合において、式(9)の(R
0 +r)/R0 の項を含む演算によりひずみεを把握す
る場合には、rの値として、ひずみゲージ1のリード線
2,3の両者の抵抗値の総和を用いることとなる。ま
た、前述の実施形態では、物体のひずみそのものを測定
する場合を例にとって説明したが、周知の如く、物体の
ひずみεと応力σとの間にはσ=E・ε(E:物体のヤ
ング率)なる比例関係があるので、前述の如く測定した
ひずみε(ひずみゲージの交換後はε2 )に物体のヤン
グ率Eを乗算することで物体の応力を測定することもで
きる。
【0099】また、前記実施形態では、物体の一部位に
おける単点のひずみ測定を行う場合について説明した
が、物体の複数部位あるいは複数の物体の多点ひずみ測
定を行う場合であっても本発明を適用できる。この場合
には、各測定点毎に前述の処理を行うようにすればよ
い。
【0100】また、前記実施形態では、ひずみ測定器1
0においてひずみεを求める処理まで行うようにした
が、ひずみ測定器10からブリッジ回路16の出力電圧
eのデータや、前記ゲージ交換データ等を外部のパーソ
ナルコンピュータに受け渡すようにすれば、それらのデ
ータからひずみεを求める処理や、それを解析する処理
をパーソナルコンピュータに行わせるようにすることも
できる。
【0101】また、前記実施形態では、ひずみゲージ1
の抵抗値に応じた測定信号を生成する回路として、ブリ
ッジ回路16を用いたが、該ひずみゲージ1の抵抗値に
応じた信号を生成し得る回路であれば、他の形式の回路
を使用してもよい。つまり、回路の生成信号からひずみ
ゲージの抵抗値を把握することで、前記式(4)の関係
式によりひずみを把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を適用するひずみ測定装置
の回路構成図。
【図2】図1の装置の要部の回路構成図。
【図3】図1の装置の作動を説明するためのフローチャ
ート。
【符号の説明】
1a,1b…ひずみゲージ、16…ブリッジ回路。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】物体のひずみに応じた抵抗値変化を生じる
    ように該物体に貼着したひずみゲージを含む回路により
    該ひずみゲージの抵抗値に応じた測定信号を生成し、そ
    の測定信号に基づき前記物体のひずみを測定するひずみ
    測定方法において、その測定途中で前記ひずみゲージを
    新たなひずみゲージに交換したときに、該ひずみゲージ
    の交換後にひずみ測定の開始時からの物体のひずみを測
    定するための方法であって、 前記交換前のひずみゲージを含む回路の測定信号に基づ
    き最後に把握された前記物体のひずみε1 と、前記交換
    後のひずみゲージを含む回路の測定信号に基づき把握さ
    れる該交換時点からの前記物体のひずみΔε2 とから次
    式(1)の演算により求まる値ε2 をひずみ測定の開始
    時からの前記物体のひずみε2 として測定することを特
    徴とするひずみ測定方法。 【数1】
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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