JP2000052436A - 光造形装置の造形液面調整方法及びそれを使用した造形 液面調整装置 - Google Patents

光造形装置の造形液面調整方法及びそれを使用した造形 液面調整装置

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JP2000052436A
JP2000052436A JP10224202A JP22420298A JP2000052436A JP 2000052436 A JP2000052436 A JP 2000052436A JP 10224202 A JP10224202 A JP 10224202A JP 22420298 A JP22420298 A JP 22420298A JP 2000052436 A JP2000052436 A JP 2000052436A
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Michihiko Hasegawa
美智彦 長谷川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】造形液面12を理想の高さに調整し、必要最小
限の造形液量で大小様々な造形物17を造形することが
できる造形液面調整方法及び装置を提供する。 【解決手段】光造形装置(100)の造形液(4)を収
容した第1の容器(3)内に第2の容器(18)を設
け、第2の容器(18)内に、空気供給装置(21)で
空気を供給あるいは排出することにより体積を膨張ある
いは縮小させて、造形液面(12)を増加あるいは減少
させ、造形物(17)の体積に応じて、造形液面(1
2)の高さを所定の高さに保持する。また高粘度の造形
液において、前の造形断面形状が完成し、次の造形断面
形状のスキャン開始前で、エレベータ(5)を下降する
際、第2の容器(18)を膨張させ液面を上昇させるこ
とにより、造形液(4)が硬化層上にスムーズに流入す
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品の3次元模型
を製作する光造形装置の造形槽に収容された造形液の液
面を所定の位置に調整する方法とそれを使用した調整装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、工業製品等の製品開発において
は、必ず実物模型が製作され、デザインや機構について
のチェックが行われるが、近年の製品のライフサイクル
の短縮化に応じて、モデルを迅速に作成する必要が生じ
ている。また、造形可能範囲の拡大により、微小(微
細)模型から比較的大きい模型まで、あらゆる製品に対
応していかなければならなくなり、模型製作時のモデル
切替えによる材料ロスや時間的ロスを出来るだけ少なく
していかなければならなくなった。
【0003】一般的に、光造形装置には、造形槽の中に
満たされた造形液(光硬化性樹脂)に対して、3次元C
ADシステムで作成された形状データに従ってレーザ光
をスキャンする。造形液の液面に集光されたレーザー光
が製品断面形状通りに硬化し、これが液面のわずか下方
に位置したエレベータ上で支持される。
【0004】一つの断面形状について樹脂硬化が完了す
ると、エレベータが微少量下降し、これによって未硬化
の造形液が硬化樹脂の上に流れ込み硬化樹脂の上に新た
な液面が形成される。それから、次の断面形状データに
関するスキャニングデータにより造形液が前記硬化樹脂
上で、次の断面形状通りに硬化し、前記硬化樹脂上に積
層される。
【0005】このようにして、微少間隔毎の断面形状に
合わせたレーザ光のスキャンによる樹脂硬化と、エレベ
ータの下降とを繰り返していくことにより、各断面形状
通りに硬化した硬化樹脂の積層体として製品の3次元模
型が作成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述す
る従来の光造形装置にあっては、液面に照射するレーザ
光の強さ等との関係から、液面の高さを常に一定に保つ
必要があり、造形槽中に常に一定量の造形液を収容して
おかなければならない。そのため、造形物が小さい場合
でも、造形物が大きい場合と同量の造形液を使用するこ
とになり、常時、非常に高価な造形液を多量に造形槽に
備蓄しておかなければならず、多量の造形液を劣化させ
たり、汚したりし易いという欠点があった。
【0007】また揮発性の低い比較的粘度の高い造形液
を使用する場合、前断面形状の下降が完了し、液面高さ
から1層分(厚さ:約0.1〜0.3mm)だけ下降し
た、前断面形状の硬化層上に、次断面形状加工分の造形
液を迅速に供給しなければならない。しかし、造形液が
高粘度であるため、硬化層上にスムーズに流れ込まない
という欠点があった。これに対して、例えば昇降テーブ
ルを1層分よりかなり大きく移動させて材料の流れ込み
を容易にすることも考えられるが、昇降テーブルの移動
や位置決め、昇降テーブルの移動による造形液の波立ち
の静止等に時間がかかってしまうという問題があった。
【0008】本発明は、上述する従来の課題を解決すべ
く発明されたもので、必要最小量の造形液で、大小様々
な造形物を造形することができ、造形液面の調整を、速
やかに調整することができる造形液面調整方法及びそれ
を使用した造形液面調整装置を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光造形装置の造
形液面調整装置は、光造形装置の造形液を収納した第1
の容器と、該第1の容器内に第2の容器を設けたことを
特徴とするものである。
【0010】また、本発明の他の形態の造形液面調整方
法は、光造形装置の造形液を収納した第1の容器と、第
1の容器の造形液内に液体または気体を満たした第2の
容器を設けたことを特徴とするものである。
【0011】また、本発明の具体的な光造形装置の造形
液面調整装置は、光造形装置の造形液が収容された第1
の容器と、第1の容器の造形液内に設けられ、容器外壁
に供給口を設け、供給口より液体または気体を容器内に
供給または排出することにより、容器の体積を膨張また
は縮小可能に密閉された第2の容器と、第2の容器の液
体または気体の供給量を調整することにより、第2の容
器を膨張または縮小させ、第2の容器が排除する造形液
の体積を増減させ、造形液の液面の高さを所定の位置に
保持する造形液面調整手段とを有することを特徴とする
ものである。
【0012】また、本発明の他の具体的な形態の光造形
装置の造形液面調整装置は、光造形装置の光造形装置の
造形液が収容された第1の容器と、第1の容器の造形液
内に設けられ、一端に開口部と、他端に底部を有する筒
状体で、該開口部を下向きにして前記造形液面内に伏せ
て設置し、前記底部に液体または気体を供給または排出
する供給口を有し、該供給口より液体または気体を容器
内に供給または排出することにより、前記筒状体内の造
形液を排出または供給する第2容器と、前記第2の容器
の液体または気体の供給量を調整することにより、該第
2の容器内の液体または気体が押し退ける造形液の量を
増減させ、前記造形液の液面の高さを所定の位置に調整
する造形液面調整手段とを有することを特徴とするもの
である。
【0013】また、本発明の他のさらなる他の具体的な
形態の光造形装置の造形液面調整装置は、上述した2つ
の光造形装置の造形液面調整装置において、前記第2の
容器の液体または気体の供給量を、光造形装置で造形さ
れる造形物の体積に応じて第2容器に供給し、造形液の
液面の高さを所定の位置に保持する造形液面調整手段を
有するものである。
【0014】また、本発明の光造形装置の造形液面調整
方法は、光造形装置の造形液を収納した第1の容器内
に、所定液面まで造形液を満たし、第1の容器の造形液
内に設けた第2の容器内に液体または気体を供給または
排出して、第2の容器を膨張または縮小させることによ
り、第2の容器が排除する造形液の体積の増減で、前記
第1の容器内の造形液面を所定の位置に調整することを
特徴とするものである。
【0015】また、本発明の他の形態の光造形装置の造
形液面調整方法は、光造形装置の造形液を収納した第1
の容器内に、所定液面まで造形液を満たし、第1の容器
内に、容器の開口部を下に、容器の底部を上に、該造形
液内で容器を伏せるように設置し、底部には、液体また
は気体を供給する供給口を設けた第2の容器において、
供給口より液体または気体を供給または排出することに
より、第2の容器内の液体または気体の体積を増減さ
せ、第2の容器内の造形液が第1の容器へ排除される
か、または該第1の容器から第2の容器へ流入すること
により、第1の容器内の造形液面を所定の位置に調整す
ることを特徴とするものである。
【0016】また、本発明のさらなる他の形態の光造形
装置の造形液面調整方法は、上述した2つの光造形装置
の造形液面調整方法において、第2の容器の液体または
気体の供給量を、光造形装置で造形される造形物の体積
に応じて第2の容器に供給し、造形液の液面の高さを所
定の位置に保持することを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の光造形装置(100)に
よる造形液面調整方法を使用した造形液面調整装置の実
施例(●)を、図1に基づいて説明する。
【0018】第1図はこの光造形装置を模式的に示した
ものである。
【0019】図1において、(1)は3次元CADシス
テムであり、周知のようにコンピュータに入力、記憶さ
れた設計情報をグラフィックディスプレイ装置(2)で
取り出し、画面を見ながら製品を設計するものであり、
製品の形状データの作成や微少間隔の水平断面における
断面形状データの作成等が行われる。
【0020】本発明による実施例(●)の造形液面調整
装置(200)の主要部分のを第1図に基ずいて説明す
る 。
【0021】(3)は光硬化性液体樹脂(以下「造形
液」と云う。)(4)を収容した第1の容器、(18)
は第1の容器(3)内の造形液内に沈んで設けられた第
2の容器。第2の容器(18)は内部に空気等の気体
(または油等の液体)Aを満たすことにより体積を膨張
させ、第2の容器周辺の造形液(4)を押し退けること
により、造形液面(12)を上昇させることができ、ま
た逆に、第2の容器(18)内の空気(または油)Aを
排出することにより、造形液面(12)を下降させるこ
とができる。(19)は、第2の容器(18)の上部に
設けられた供給口で、配管(20)により、空気(また
は油)Aが第2の容器(18)内に導かれる。配管(2
0)は、空気(または油)供給装置(21)と連結す
る。空気(または油)供給装置(21)は、第2の容器
(18)に空気(または油)Aを供給し、3次元実物模
型(以下「造形物」と云う。)(17)の体積に応じて
空気(または油)の供給量を調整することができる。
【0022】また、造形液面調整装置(200)は、以
下の部分とも相互に影響し合って機能的に動作してお
り、造形液面調整装置(200)のみでは動作しない。
それでは次に、造形液面調整装置(200)の周辺装置
の機能について説明する。
【0023】(5)は第1の容器(3)内に昇降自在に
設けられたエレベータであり、エレベータ駆動装置
(6)によって昇降操作される。
【0024】(7)は、レーザ光スキャニング装置であ
り、レーザ光励起装置(8)で励起されたレーザ光
(9)をスキャニングデータに従ってスキャンし、第1
の容器(3)上に導く。この第1の容器(3)に導かれ
たレーザ光(10)は集光レンズ(11)によって造形
液(4)の造形液面(12)上に絶えず集光される。
【0025】(13)はCADデータ処理装置(以下
「処理装置」と云う。)であり、通信ケーブル(14)
を通してCADシステム(1)より送られてきた製品の
断面形状データからスキャニングデータ、エレベータ駆
動データあるいは通信ケーブル(22)を通して液面高
さ検出センサーから送られてきた液面高さデーターから
空気供給量データを作成し、それぞれ通信ケーブル(1
5)、(16)及び(23)を介してレーザー光スキャ
ニング装置(7)及びエレベータ駆動装置(6)及び空
気(または油)供給装置(21)に入力する。
【0026】空気(または油)供給装置(21)は、造
形開始時の初期設定において体積の異なる造形物(1
7)に対応して、液面12の高さを理想高さに調節す
る。すなわち、空気(または油)供給装置(21)によ
り、造形物が小さい場合には、第2の容器(18)に空
気(または油)Aを供給し、第2の容器(18)を膨張
させ、液面(12)を理想の高さに保持する。また、造
形物が大きい場合は、第2の容器(18)から空気(ま
たは油)Aを排出し、第2の容器(18)を縮小させ、
液面(12)を理想の高さに保持することができる。
【0027】また、空気(または油)供給装置(21)
は、造形物(17)のスキャニング途中の断面形状の積
層体積の変化に対しても対応することができる。例え
ば、粘度の比較的高い造形液の場合には、第2の容器
(18)に空気(または油)Aを供給することにより、
若干膨張させ、造形液面(12)を、エレベータ下降量
以上に高くして、造形液(4)を硬化層上にスムーズに
流入させることができる。上述した空気(または油)供
給装置(21)のいずれの動作も、処理装置(13)内
のコンピュータ制御により、空気(または油)供給装置
(21)を制御し、液面12を理想の高さに保持できる
ものである。
【0028】(24)は、液面高さ検出センサーで、絶
えず液面(12)の高さを検出し、検出データ結果をC
ADデータ処理装置(13)に送り、CADデータ処理
装置(13)で、製品の断面形状データ等から空気(ま
たは油)Aの供給量を算出し、該空気(または油)の供
給量データを空気(または油)供給装置(21)に送
る。
【0029】以上の構成における本発明の一連の動作を
図1において説明すると、製品の造形物を製作する際、
まず、CADシステム(1)で製品の形状データが作成
され、この形状データから微少間隔毎の水平断面の断面
形状データが作成され、CADデータ処理装置(13)
に渡される。この際、造形物の断面形状データより算出
した空気(または油)供給量データを、空気(または
油)供給装置(21)に送り、空気(または油)供給装
置(21)により、液面(12)が所定の高さになるよ
うに空気(または油)を第2の容器(18)に送り、液
面(12)を、液面高さ検出センサ−で検出して、理想
の高さに調整する。
【0030】CADデータ処理装置(13)では、与え
られた断面形状データを基に断面形状に合わせたスキャ
ニングデータが作成され、レーザー光スキャニング装置
(7)は、このスキャニングデータに従って、すなわち
製品の断面形状に合わせてレーザ光(10)をスキャン
する。したがって、造形液(4)の液面(12)上に集
光されたレーザ光(10)が製品断面形状に合わせてス
キャンされた結果、造形液(4)は製品断面形状通りに
硬化し、これが造形液面(12)のわずか下方に位置し
たエレベータ(5)上で支持される。1つの断面形状に
ついて樹脂硬化が完了すると、エレベータ(5)がエレ
ベータ駆動装置(6)によって微少量下降し、これによ
って未硬化の造形液(4)が先のプロセスで硬化した硬
化樹脂の上に流れ込み、新たな造形液面(12)が形成
される。この場合、前述したように、造形液(4)の粘
度が比較的高い場合、第2の容器(18)に空気(また
は油)Aを供給して、エレベータ(5)の下降量以上に
液面(12)を高くして、造形液(4)の硬化層上への
流入をスムーズに行うこともできる。その場合、造形液
(4)の材質データ(粘度等)を処理装置(13)に入
力しておき、そのデータに基ずいてコンピュータ処理さ
れ、空気(または油)供給装置(21)を駆動させる。
(イ部)その後、CADデータ処理装置(13)より次
の断面形状データに関するスキャニングデータが出力さ
れ、硬化樹脂上の液面(12)で造形液(4)がレーザ
光(10)により次の断面形状通りに硬化し、前記硬化
樹脂上に積層される。
【0031】このようにして、微少間隔毎の断面形状に
合わせたレーザ光(10)のスキャンによる樹脂硬化
と、エレベータ(5)の下降とを繰り返していくことに
より、各断面形状通りに硬化した硬化樹脂の積層体とし
て製品の実物模型が製作される。
【0032】以上で造形が完了し、液面下のエレベータ
上の造形物を排除し、図示されていないリザーバタンク
より、完成された造形物の体積分の造形液が補充され
る。しかし、体積の小さい造形物であれば、第2の容器
(18)の膨縮容量で、数個の造形物を造形液の補給な
しで連続して造形することも可能である。
【0033】本発明の光造形装置(100)による造形
液面調整方法を使用した他の造形液面調整装置(10
2)の実施例(●)を、図2に基づいて説明する。同図
において、前記実施例(●)と同一記号は同一もしくは
相当するものを示すものとし、(25)は第1の容器
(3)内に沈められて設けられた第2の容器で、第2の
容器(25)上部には、空気(または油)Aを供給する
供給口(29)が設けられ、第2の容器(25)下部に
は、造形液12が出入りする開口部(27)が設けられ
ている。また、開口部(27)においては、破線部で示
すように、造形液と空気(または油)Aが混ざり合わな
いように、、空気(または油)Aの力により摺動可能
な、密閉性を有する隔壁(28)を設けてもよい。(2
6)は、供給口(29)と空気(または油)供給装置
(21)を連結する配管である。
【0034】空気(または油)供給装置(21)は、造
形物(17)の体積により空気の供給量を調整すること
ができ、造形物(17)が小さい場合は、第2の容器
(24)の空気(または油)の量を増やして第2の容器
(25)内の造形液(4)を第1の容器(3)側へ排出
し、また造形物(17)の体積が大きい場合は、第2の
容器(25)の空気(または油)Aの量を減らして第2
の容器(25)内へ第1の容器(3)の造形液(4)を
流入させることにより、液面(12)を理想の高さに保
持することができる。また空気(または油)供給装置
(21)はCADデータ処理装置(13)と通信ケーブ
ル(23)にて結合され、造形物の体積情報データが送
られ、その情報データに基づいて空気供給量が調整され
る。
【0035】(24)は、液面高さを検出する位置セン
サーで、液面高さデータをCADデータ処理装置(1
3)に送り、CADデータ処理装置(13)にて空気
(または油)の供給量が算出され、算出された空気量デ
ータにより、空気(または油)供給装置(21)より所
定量の空気が送られる。
【0036】以上の構成における本発明の動作を図2に
おいて説明すると、製品の造形物を製作する際、まず、
3次元CADシステム(1)で製品の形状データが作成
され、この形状データから微少間隔毎の水平断面の断面
形状データが作成され、CADデータ処理装置(13)
に渡される。この際、造形物の体積データより算出した
空気供給データを、空気(または油)供給装置(21)
に送り、空気(または油)供給装置(21)により、第
2の容器(25)へ空気が供給され、第2の容器(2
5)内の造形液(4)が第1の容器(3)側へ排出さ
れ、(体積が小さい造形物の場合には、空気(または
油)供給装置(21)により、第2の容器(24)の空
気が排出され、第1の容器(3)内の造形液(4)が第
2の容器(25)側へ流入する。)液面(12)が理想
の高さになるように調整する。
【0037】CADデータ処理装置(13)では、与え
られた断面形状データを基に断面形状に合わせたスキャ
ニングデータが作成され、レーザー光スキャニング装置
(7)は、このスキャニングデータに従って、すなわち
製品の断面形状に合わせてレーザ光(10)をスキャン
する。したがって、造形液(4)の液面(12)上に集
光されたレーザ光(10)が製品断面形状に合わせてス
キャンされた結果、造形液(4)は製品の断面形状通り
に硬化し、これが液面(12)のわずか下方に位置した
エレベータ(5)上で支持される。1つの断面形状につ
いて樹脂硬化が完了すると、エレベータ(5)がエレベ
ータ駆動装置(6)によって微少量下降し、これによっ
て未硬化の造形液(4)が先のプロセスで硬化した硬化
樹脂の上に流れ込み、新たな液面(12)が形成され
る。この場合前述したように、造形液(4)の粘度が比
較的高い場合、第2の容器(25)に空気(または油)
Aを供給して、エレベータ(5)の下降量以上に液面
(12)を高くして、造形液(4)の硬化層上への流入
をスムーズに行うこともできる。その場合、造形液
(4)が高粘度の材料かどうかを処理装置(13)に入
力しておき、そのデータに基ずいてコンピュータ処理さ
れ、空気(または油)供給装置(21)を駆動させる。
(ロ部) その後、処理装置(13)より次の断面形状データに関
するスキャニングデータが出力され、硬化樹脂上の液面
(12)で造形液(4)がレーザ光(10)により次の
断面形状通りに硬化し、前記硬化樹脂上に積層される。
【0038】このようにして、微少間隔毎の断面形状に
合わせたレーザ光(10)のスキャンによる樹脂硬化
と、エレベータ(5)の下降とを繰り返していくことに
より、各断面形状通りに硬化した硬化樹脂の積層体とし
て製品の造形物が製作される。
【0039】造形が完了し、液面下のエレベータ上の造
形物を排除し、図示されていないリザーバタンクより、
完成された造形物の体積分の造形液が補充される。しか
し、体積の小さい造形物であれば、第2の容器(25)
の容量で、数個の造形物を造形液の補給なしで造形する
ことも可能である。
【0040】上の実施例(●)(●)において、前述
(イ及びロ部)した内容を詳細に説明すると、レーザ光
のスキャニングにおいて樹脂硬化の積層体積が増加する
につれ、エレベータを下降させて樹脂硬化を繰り返すわ
けであるが、エレベータの下降移動ピッチが0.1〜
0.3mm程度で非常に薄いものであるため、揮発性の
低い比較的高粘度の造形液を使用する場合、樹脂硬化面
の上に造形液が流れ込むのに時間がかかってしまう。そ
の場合、実施例(●)の場合、第2の容器の容積を膨張
させるか、実施例(●)の場合、第2の容器内の造形液
を排除して、造形液面(12)を高くして樹脂硬化面上
に造形液膜を早く貼ることができる。
【0041】
【発明の効果】本発明は、造形物の大きさに関係なく必
要最小量の造形液で大小様々な造形物を造形することが
でき、常時、非常に高価な造形液を多量に備蓄する必要
がないため、維持コストが安価であり、備蓄によって、
多量の造形液を劣化させたり、汚したりすることがな
い。
【0042】また揮発性の低い比較的粘度の高い造形液
の場合においても、硬化層上に、スムーズに造形液を供
給することができ、造形時間の短縮を図ることができ
る。
【0043】また造形液の液面高さを微細に制御するこ
とができ、造形物を安定して成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例(●)で、光造形装置の
造形液面調整装置を説明する概略構成断面図である。
【図2】本発明における他の実施例(●)で、光造形装
置の造形液面調整装置を説明する概略構成断面図であ
る。
【符号の説明】
100 光造形装置 4 造形液 3 第1の容器 12 液面 18,25 第2の容器 A 空気(または油)液体または気体 17 造形物 200,201 造形液面調整装置 19,29 供給口 27 開口部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光造形装置の造形液を収容した第1の容器
    と、該第1の容器内に第2の容器を設けたことを特徴と
    する光造形装置の造形液面調整装置。
  2. 【請求項2】光造形装置の造形液を収容した第1の容器
    と、該第1の容器の造形液内に液体または気体を満たし
    た第2の容器を設けたことを特徴とする光造形装置の造
    形液面調整装置。
  3. 【請求項3】下記の構成を備えたことを特徴とする光造
    形装置の造形液面調整装置。 (a)前記光造形装置の造形液が収容された第1の容
    器。 (b)該第1の容器の造形液内に設けられ、容器肉壁に
    供給口を設け、該供給口より液体または気体を供給また
    は排出することにより、容器の体積を膨張または縮小可
    能な第2の容器。 (c)前記第2の容器の液体または気体の供給量を調整
    することにより、前記第2の容器を膨張または縮小さ
    せ、第2の容器が押し退ける造形液の量を増減させ、前
    記造形液の液面の高さを所定の位置に調整する造形液面
    調整手段。
  4. 【請求項4】下記の構成を備えたことを特徴とする光造
    形装置の造形液面調整装置。 (a)前記光造形装置の造形液が収容された第1の容
    器。 (b)前記第1の容器の造形液内に開口して設けられ、
    一端に開口部と、他端に底部を有する筒状体で、該開口
    部を下向きにして前記造形液面内に伏せて設置し、前記
    底部に液体または気体を供給または排出する供給口を設
    け、該供給口より液体または気体を容器内に供給または
    排出することにより、前記筒状体内に造形液を排出また
    は供給する第2の容器。 (c)前記第2の容器の液体または気体の供給量を調整
    することにより、前記第2の容器内の前記液体または気
    体が押し退ける造形液の量を増減させ、前記造形液の液
    面の高さを所定の位置に調整する造形液面調整手段。
  5. 【請求項5】前記第2の容器の液体または気体の供給量
    を、前記光造形装置で造形される造形物の体積に応じて
    第2容器に供給し、前記造形液の液面の高さを所形の位
    置に調整する造形液面調整手段を有することを特徴とす
    る請求項3乃至請求項4記載の光造形装置の造形液面調
    整装置。
  6. 【請求項6】光造形装置の造形液を収納した第1の容器
    内に、所定液面まで造形液を満たし、該第1の容器の造
    形液内に設けた第2の容器内に液体または気体を供給ま
    たは排出して、該第2の容器を膨張または縮小させるこ
    とにより、第2の容器が排除する造形液の体積の増減
    で、前記第1の容器内の造形液面を所定の位置に調整す
    ることを特徴とする光造形装置の造形液面調整方法。
  7. 【請求項7】光造形装置の造形液を収納した第1の容器
    内に、所定液面まで造形液を満たし、該第1の容器内
    に、容器の開口部を下に、容器の底部を上に、該造形液
    内で容器を伏せるように設置し、該底部には、液体また
    は気体を供給する供給口を設けた第2の容器において、
    該供給口より液体または気体を供給または排出すること
    により、該第2の容器内の液体または気体の体積を増減
    させ、該第2の容器内の造形液が前記第1の容器へ排除
    されるか、または該第1の容器から第2の容器へ造形液
    が流入することにより、該第1の容器内の造形液面を所
    定の位置に調整することを特徴とする光造形装置の造形
    液面調整方法。
  8. 【請求項8】前記第2の容器の液体または気体の供給量
    を、前記光造形装置で造形される造形物の体積に応じて
    該第2の容器に供給し、前記造形液の液面の高さを所定
    の位置に調整することを特徴とする請求項6乃至請求項
    7記載の光造形装置の造形液面調整方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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