JP2000049788A - フロ―制御方法ならびにそれを実行する通信要素および通信端末 - Google Patents

フロ―制御方法ならびにそれを実行する通信要素および通信端末

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JP2000049788A
JP2000049788A JP14405899A JP14405899A JP2000049788A JP 2000049788 A JP2000049788 A JP 2000049788A JP 14405899 A JP14405899 A JP 14405899A JP 14405899 A JP14405899 A JP 14405899A JP 2000049788 A JP2000049788 A JP 2000049788A
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Kimiya Ikushima
君弥 生嶋
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ATM通信網において、ABRサービスカテ
ゴリを使用する狭帯域のコネクションに対してもセル廃
棄率を低減し通信効率を向上させることのできるフロー
制御を実現する。 【解決手段】 ATM通信網においてABRサービスを
使用するコネクションを設定する際に、通信要素100
においてABR伝送帯域算出部106が、ABR割り当
て帯域を算出し、伝送帯域判定部108が、そのABR
割り当て帯域が50Mbps以下か否かを判定する。そ
の結果、ABR割り当て帯域が50Mbps以下である
場合に、PCR計算部112が、例えば、1/4≦RI
F1≦1の範囲でRIFの値を算出し、PCRの合計値
がABR割り当て帯域の20%から60%となる範囲で
PCRの値を算出し、RDFは1であるとする。このよ
うにして決定された値に基づき、パラメータ設定部10
3は、ABRパラメータであるRIFやRDF、PCR
の値を設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、フロー制御方法に
関するものであり、より特定的には、ATM(Asynchron
ous Transfer Mode)通信網におけるABR(Available B
it Rate)サービスカテゴリのコネクションに対するフロ
ー制御のための方法ならびにそれを実行する通信要素お
よび通信端末に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ATM通信網におけるサービスカ
テゴリとして、セル損失に対して信頼性を持ち、かつネ
ットワークリソースの有効利用を図れるABRが注目さ
れている(例えば、ATMフォーラム日本委員会の「N
ews Letter」1995.9Vol.2/No.2 No.6 pp.2-3
を参照のこと)。このABRサービスカテゴリでは、A
TM通信網を構成する複数の通信要素(例えば、交換機
や多重化装置)と、網を使用する端末との間でフロー制
御が行われる。このフロー制御は、網で発生した輻輳を
端末に通知し、その通知を受けた端末が網に入力するト
ラフィックを抑制することで実現される。なお、ここで
いう「端末」とは、ABRサービスを終端する機器を指
す。
【0003】まず、このフロー制御の方法として、ATM
Forum Document af-tm-0056.000 「ATM Forum Traffic
Management Specification Version 4.0」において規定
されているEFCI(Explicit Forward Congestion In
dication)マーキングのフロー制御方法について説明す
る。
【0004】ABRサービスカテゴリを使用し、受信端
末に情報を送信する送信端末は、所定の個数のデータセ
ルを送信するたびに、1個のRMセル(Resource Manage
mentCell)を送信する。受信端末は、送信端末から送信
されたRMセルを受け取ると、そのRMをその送信端末
に送り返す。なお、送信端末から受信端末に届けられる
RMセルは、前方RMセルと呼ばれており、受け取った
RMセルを送信端末に送り返す場合のRMセルは、後方
RMセルと呼ばれている。
【0005】送信端末は、データセルを送信するときに
はそのEFCIフィールドの値を“0”に設定し、前方
RMセルを送信するときにはそのCIフィールドの値を
“0”に設定する。また送信端末は、入力許可レート(A
llowed Cell Rate )(「ACR」と呼ばれる)の値を保
持し、常にACR以下のレートでセルを送信する。送信
端末がセルの送信を開始するときにはACRはICR(I
nitial Cell Rate) と呼ばれる値に設定されており、そ
の後は、送信端末が後方RMセルを受信する度に、その
後方RMセルのCIフィールドの値に応じて以下の関係
式に従ってACRの値が更新される。 CIビット=0の場合 ACR=min{ACR+PCR×RIF,PCR} …(1) CIビット=1の場合 ACR=max{ACR−ACR×RDF,MCR} …(2) ここで、RIF(Rate Increase Factor),RDF(Rate D
ecrease Factor),PCR(Peak Cell Rate),MCR(Min
imum Cell Rate) は、ABRサービスを使用するコネク
ションを設定する時に決めるパラメータとして、ABR
サービスにおいて規定されたパラメータである(以下、
このパラメータを「ABRパラメータ」と呼ぶ)。ま
た、max{A,B}はAとBの値で大きい方の値を示
し、min{A,B}はAとBの値で小さい方の値を示
すものとする。
【0006】受信端末は、ATM通信網から到着したR
Mセルを後方RMセルとして送信端末に送り返す。ま
た、受信端末は、ATM通信網からデータセルを受信す
ると、そのデータセルのEFCIフィールドの値をEF
CI値として記憶する。そして、後方RMセルを送信端
末に送信する時にEFCI値が“1”であれば、その後
方RMセルのCIフィールドの値を“1”に設定した後
に後方RMセルを送信し、その後、EFCI値を“0”
に設定する。
【0007】網で輻輳が検出または予想された場合、網
の通信要素は、データセルのEFCIフィールドを
“1”に設定することができる(EFCIマーキン
グ)。網で輻輳が検出されてデータセルのEFCIフィ
ールドが“1”に設定されると、受信端末が送信端末に
後方RMセルを送信する時に、後方RMセルのCIフィ
ールドの値が“1”に設定され、その後方RMセルを送
信端末が受信した時に、送信端末のACRの値が上記式
(2)に従って減少する。その結果、網へのセル送信レ
ートが減少し輻輳が解消される。また、網で輻輳が検出
または予想されない場合、送信端末が後方RMセルを受
信したときに後方RMセルのCIフィールドの値は
“0”であるので、送信端末のACRの値が上記式
(1)に従って増加する。その結果、網へのセル送信速
度が増加し、網の伝送帯域を有効に利用することができ
る。ここで、伝送帯域とは通信路の伝送速度を意味す
る。
【0008】通信網において輻輳を検出する輻輳検出方
式は通信要素で決定される。このような輻輳検出方式の
一例として、小池,石塚,北爪,斎藤によってNTT R&
D,Vol45,No10,1996に発表された論文「ATM網におけ
るABRサービスの適用形態と性能評価」に示される方
式がある。この輻輳検出方式は、セルを多重化するため
のキューであるセルバッファにおいて蓄積されるセル数
を観測し、そのセル数が予め設定された輻輳判定しきい
値よりも大きいときに輻輳を検出する方式である。以下
では、この輻輳検出方式を用いたEFCIマーキングの
フロー制御方法について説明する。
【0009】図2は、「ATM網におけるABRサービ
スの適用形態と性能評価」に示される輻輳検出方式を用
いたEFCIマーキングのフロー制御方法を実行するA
TM通信網の一例を示すブロック図である。この通信網
は、送信端末220,230,240と、通信要素20
0,220を備えている。通信要素200は、セルバッ
ファ201と、輻輳通知部202と、パラメータ設定部
203と、セル数観測部204と、輻輳検出部205と
を含んでいる。通信要素200と210とは通信路で互
いに接続されており、また、送信端末220,230,
240は、通信要素200に通信路で接続されている。
この例では、送信端末220,230,240は、通信
要素200を通して、通信要素210の方向にある受信
端末(図示せず)に、情報をセルの形で転送している。
この各セルは、通信要素200のセルバッファ201で
多重されて、通信要素210に向けて出力される。な
お、図2には、多重化のための構成が一つだけ示されて
いるが、セルが多重されて輻輳の発生する部分のそれぞ
れに、同様の構成が必要となる。
【0010】次に、通信要素200の各部の動作を説明
する。セルバッファ201は、送信端末220,23
0,240から到着するセルを到着順に蓄積し、蓄積し
ているセルを先頭のものから順番に通信路の伝送速度に
適応する速度で輻輳通知部202に出力する。ただし、
セルバッファ201にセルが蓄積されていないときに
は、セルバッファ201はセルを出力しない。
【0011】セル数観測部204は、セルバッファに蓄
積されているセルの数(以下「バッファ内セル数」と呼
ぶ)を観測し、このバッファ内セル数が変化する度に、
新しいバッファ内セル数の値を輻輳検出部205に入力
する。
【0012】輻輳検出部205は、輻輳判定しきい値T
h_cgと輻輳状態表示フラグFcgの値を記憶している。輻
輳判定しきい値Th_cgは、網の運用開始時に予め設定さ
れる。輻輳状態表示フラグFcgの値は、網の運用開始時
に“0”に設定され、それ以後、以下に示す方法で更新
される。輻輳検出部205は、セル数観測部204から
バッファ内セル数が入力されると、その値と輻輳判定し
きい値Th_cgと比較する。その比較の結果に基づき、輻
輳検出部205は、バッファ内セル数が輻輳判定しきい
値Th_cgよりも大きい場合に輻輳状態表示フラグFcgを
“1”に設定し、バッファ内セル数が輻輳判定しきい値
Th_cgと等しいか又はそれより小さい場合に輻輳状態表
示フラグFcgを“0”に設定する。
【0013】輻輳通知部202は、セルバッファ201
からRMセルが入力されると、そのRMセルをパラメー
タ設定部203に渡し、セルバッファ201からデータ
セルが入力されると、そのデータセルを保持し、輻輳検
出部205にデータセル受信信号を入力する。輻輳検出
部205は、このデータセル受信信号が入力されると、
記憶している輻輳状態表示フラグFcgの値を参照し、そ
の値を輻輳通知部202に入力する。輻輳通知部202
は、この輻輳状態表示フラグFcgの値が入力されると、
その値を、保持しているデータセルのEFCIフィール
ドに設定した後、そのデータセルをパラメータ設定部2
03に入力する。
【0014】パラメータ設定部203は、輻輳通知部2
02からデータセルが入力されると、そのデータセルを
通信路の伝送速度に等しい速度で通信路に出力する。ま
た、パラメータ設定部203は、これに加えて、ABR
サービスを使用するコネクションを新たに設定する時
に、シグナリングセルと呼ばれるセルを通信路に出力
し、送信端末および受信端末とネゴシエーションするこ
とによって、RIF,RDF,PCRなどのABRパラ
メータの値を設定する。例えば、コネクションが設定さ
れた送信端末と受信端末の間の伝送距離が1000km
程度である場合、RIFおよびRDFの設定値は“1/
8”以下の範囲で決定され、実際にはRIFおよびRD
Fの設定値として“1/32”以下の値が使用される。
PCR,RIF,RDFは、前述したように、送信端末
が後方RMセルを受信したときに、ACRを更新するた
めに用いるパラメータである。これらのパラメータの値
は、コネクション設定時に各通信要素にシグナリングセ
ルを用いて通知することが規定されている。
【0015】上記従来のフロー制御方法(以下「従来
例」と呼ぶ)における問題点を、例を用いて説明する。
【0016】いま、コネクションC1〜C10の合計1
0個のコネクションのそれぞれで伝送されるセルが、或
る通信要素におけるセルバッファで多重される場合を考
える。図3の(a)は、このような多重化が行われてい
る通信網に対して従来例のフロー制御方法を適用した場
合に、全てのコネクション上においてセルバッファに対
しセルが入力されるときの合計入力レートの変動例を示
したものである。なお本例では、全コネクション上にお
いて時刻T1にセル入力が開始されるものと仮定する。
また、全コネクション上において、時刻T1以降、常
に、フロー制御で許される最大のレートすなわち各コネ
クションのACRの値に等しいレートで、セルが入力さ
れるものと仮定する。更にまた、全ての時刻において、
各コネクション上におけるセルバッファへのセル入力レ
ートは、互いに全く同じように変化するものと仮定す
る。以下では、このような仮定の下で、各コネクション
C1〜C10で伝送されるセルのセルバッファへの入力
レートの合計である合計入力レートの変動について説明
する。
【0017】本例では、まず、時刻T1において、コネ
クションC1〜C10の10個のコネクション上でセル
の入力が開始される。ABRサービスでは、設定された
コネクション上でデータ送信を開始する時には入力レー
トをICRとすることが規定されている。また、ABR
サービスでは、送信端末から入力される最初のセルは前
方RMセルである。この前方RMセルは、その通信網に
おける各通信要素を通過した後、受信端末で折り返さ
れ、後方セルとして送信端末に返送される。ここでは、
時刻T1に送信端末から各コネクションC1〜C10に
おいて送信された後方セルが送信端末に戻る時刻をT2
とする。したがって、時刻T1から時刻T2までの時間
において、合計入力レートは10×ICRとなる。
【0018】時刻T2において送信端末は、後方RMセ
ルを受け取る。本例において、この後方RMセルのCI
フィールドの値は“0”である。したがって、時刻T2
において、各コネクションC1〜C10のACRは前記
式(1)したがって増加し、それに応じて、合計入力レ
ートが10×(ICR+RIF×PCR)へと増加す
る。時刻T2以降、各コネクションC1〜C10のAC
Rは、送信端末が後方RMセルを受信するたびに、前記
式(1)または(2)にしたがって変化する。本例で
は、時刻T2から時刻T3までの時間において、時間τ
の時間間隔で入力レートが10×(RIF×PCR)ず
つ増加する。ここで時間τは、コネクションC1〜C1
0の各端末でRMセルを受信する時間間隔である。
【0019】なお、本例においては、通信要素のパラメ
ータ設定部に接続される通信路の伝送速度は一定値BW
であり、セルの大きさは一定値CS(=53バイト)で
あり、通信路でのセル送信時間間隔は、常にCS/BW
に等しいものと仮定する。また、コネクションC1〜C
10の各端末でRMセルを受信する上記の時間間隔τ
は、常に以下の関係式で与えられるものと仮定し、さら
に、いま考えている通信要素のセルバッファ以外の全て
の通信網においてセルの送信時間の揺らぎは生じないも
のと仮定する。 τ=(CS×Nrm×10)/BW …(3) 上記式(3)におけるNrmは、送信端末が前方RMセ
ルを送信する間隔として、ABRサービスにおいて定め
られている定数である。このNrmは、コネクション設
定時に、ユーザと通信要素との間で行われるネゴシエー
ションによって決定されるパラメータの一つである。
【0020】本例では、時刻T10から時刻T3までの
時間において、通信要素のパラメータ設定部に接続され
る通信路の伝送速度BWよりも合計入力レートが大きい
ものと仮定する。この仮定の下、本例では、時刻T1か
ら時刻T3までの時間において、セルバッファ内部に蓄
積されているセル数は、図3の(b)に示すように変化
する。すなわち、まず、時刻T10よりセル数が“0”
から増加し始める。その後、時刻T4において、セル数
が輻輳判定しきい値Th_cgを超える。時刻T4以後、輻
輳検出部において輻輳が検出されるため、輻輳通知部に
おいてEFCIマーキングによる輻輳通知が行われる。
時刻T4においてEFCIマーキングが開始されると、
これに応じて入力レートが減少し始める。しかし、EF
CIマーキングが開始されてから入力レートが減少し始
めるまでには遅延時間があり、本例では、時刻T3にお
いて入力レートが減少し始めるものと仮定している。
【0021】次に、時刻T3から時刻T5までの時間に
おいて、合計入力レートは、時間τの時間間隔で“(合
計入力レート)×RDF”ずつ減少する。すなわち、合
計入力レートは、送信端末が後方RMセルを受信するた
びに、(1−RDF)倍に減少する。
【0022】ABRサービスにおいて、MCRは、各コ
ネクションの入力レートの最小値として定義されてい
る。本例では、時刻T5において各コネクションC1〜
C10の入力レートがMCRまで減少し、時刻T5から
時刻T9までの時間において、合計入力レートは10×
MCRで一定となる。
【0023】本例では、時刻T3から時刻T6までの時
間においては、パラメータ設定部に接続される通信路の
伝送速度BWよりも合計入力レートが大きく、時刻T6
から時刻T9までの時間においては、伝送速度BWより
も合計入力レートが小さいものと仮定する。この仮定の
下、本例では、時刻T3から時刻T9までの時間におい
て、セルバッファ内のセル数は図3の(b)に示すよう
に変化する。すなわち、時刻T3から時刻T6までの時
間においては、セルバッファ内のセル数は増加し、時刻
T6から時刻T9までの時間においては、セルバッファ
内のセル数は減少する。この減少中の時刻T7におい
て、セルバッファ内のセル数が輻輳判定しきい値Th_cg
に等しくなり、輻輳通知部においてEFCIマーキング
を終了する。ここで、後の議論のために、時刻T4から
時刻T3までのセルバッファ内のセル数の増加量すなわ
ちキュー長の増加量をQ1と定義する。また、時刻T3
から時刻T6までのキュー長の増加量をQ2と定義す
る。なお、時刻T7においてEFCIマーキングを終了
してから、これに応じてセルの入力レートが増加し始め
るまでには遅延時間があり、本例では、時刻T9におい
て入力レートが増加し始めるものと仮定した。
【0024】時刻T9以後、合計入力レートは時刻T2
から時刻T9までの変化と同様に変化を続ける。
【0025】本例では、時刻T9から時刻T8(>T
9)までの時間において合計入力レートが伝送速度BW
より小さく、時刻T8以降において合計入力レートが伝
送速度BWより大きいものと仮定する。したがって、セ
ルバッファ内のセル数は、時刻T9から時刻T8まで減
少し、それ以後、増加する。ここで、後の議論のため
に、時刻T7から時刻T8までのキュー長の減少量をQ
3と定義する。
【0026】時刻T8以後、セルバッファ内のセル数は
時刻T10から時刻T8までの変化と同様に変化を続け
る。
【0027】なお本例では、合計入力レートが増減する
時間間隔τは、前記式(3)に示したように伝送速度B
Wに反比例する。このため、BWが小さいときにはτは
大きくなる。例えば、BW=10Mbpsの場合、式
(3)によればτは13.6msecとなり非常に大き
な値になることがわかる。τが大きい場合、時刻T2か
ら時刻T3までの時間において入力レートが増加するの
に、長い時間が必要となる。
【0028】ところで本例では、全コネクションC1〜
C10が常にセルを送信する場合を考えたが、実際のA
TM通信網における送信端末は、ATM層より上位の層
で有限の大きさのデータを生成し、そのデータをATM
層においてセルに分割して、それらのセルを有限の時間
で送信する。後の議論のために、この期間を「アクティ
ブ期間」と定義し、アクティブ期間の大きさを「データ
送信時間」と定義する。アクティブ期間の後、上位層に
おいて次のデータが発生するまでその送信端末はセル入
力を行わない。後の議論のために、この期間を「アイド
ル期間」と定義する。送信端末がアクティブ期間とアイ
ドル期間を繰り返す場合、或るコネクションにおいてτ
が大きく入力レートが増加するのに長い時間が必要であ
れば、そのコネクションで1つのデータを送信するのに
必要な時間も長くなる。そこで、有限の大きさを持つ1
つのデータをすばやく送信するためには、RIFを大き
な値に設定し、入力レートの増加幅を大きくする必要が
ある。
【0029】なお、入力レートの増加幅を大きくするた
めにPCRを大きくすることも考えられるが、RIFを
“1/64”以下の小さな値に設定してPCRのみを大
きな値に設定した場合には、以下に示すようにセルバッ
ファでのセル損失が頻繁に起こる。すなわち、或るコネ
クションのPCRが大きい場合、アクティブ期間におい
て網が輻輳していなければ、そのコネクションの入力レ
ート(ACR)は非常に大きくなる。そして、ACRが
非常に大きな値であるときにアイドル期間に遷移する場
合もある。この場合、次のアクティブ期間においては、
そのコネクション上で非常に大きな入力レートで突然、
セルの入力が開始される。このため、網において輻輳が
発生した場合、セル数が大幅に増加し、バッファからセ
ルが溢れてセル損失を生じる可能性が高くなる。
【0030】以上から、伝送速度BWが小さな値の場
合、セルバッファでのセル損失比率(cell loss ratio )
を小さくし且つデータの送信時間を短くするためには、
RIFの値を大きな値に設定しなくてはならないことが
わかる。
【0031】なお、送信端末において、TCP/IP(T
ransmissin Control Protocol/Internet Protocol)など
の上位層がデータを発生し受信端末に対してデータを送
信する場合、以下に示すように、セルバッファでのセル
損失比率を小さくし且つデータの送信時間を短くするこ
とは、非常に重要である。すなわち、TCP/IPなど
の上位層がデータを送信する場合、データの一部が損失
したりデータ送信時間が非常に長ければ、同じデータを
再送する。このため、セル損失比率が大きい場合は、デ
ータの再送が頻繁に生じるので、TCP/IPなどの上
位層での通信効率(スループット)が著しく低下する。
したがって、TCP/IPなどの上位層がABRサービ
スを用いてデータを送信し、かつ、伝送速度BWが小さ
い場合、RIFを大きくしてデータ送信時間を短くし且
つセルバッファ内のセル損失比率を小さくすることが非
常に重要である。
【0032】RIFを大きな値に設定した場合、時刻T
4から時刻T3までのキュー長の増加量である前記Q1
が大きくなる。すなわち、セルバッファ内のセル数は大
きな値にまで増加し、その結果、セルバッファ内でのセ
ル損失比率は大きくなる。そこで、セル損失比率を小さ
くするためには、RDFの値を大きくし、時刻T3から
時刻T6までのキュー長の増加量である前記Q2の値を
小さくする必要がある。
【0033】以上から、データ送信時間を短くし且つセ
ル損失比率を小さくするためには、RIF、RDFの値
を共に大きな値に設定する必要がある。したがって、T
CP/IPなどの上位層がABRサービスを用いてデー
タを送信し、かつ、伝送速度BWが小さい場合、RI
F、RDFの値を共に大きくすることにより、データ送
信時間を短くし且つセルバッファ内のセル損失比率を小
さくすることが、非常に重要である。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】しかし、既述のよう
に、ATM通信網においてABRサービスカテゴリを使
用するコネクションに対する従来例のフロー制御方法で
は、広帯域のATM通信網についての検討結果に基づい
てRIFやRDFなどのパラメータの値が決定されてお
り、RIF,RDFは共に“1/8”以下の範囲の小さ
な値に設定される。例えば前述の論文「ATM網におけ
るABRサービスの適用形態と性能評価」では、“1/
8”以下のRIF,RDFの値についての性能評価が行
われている。この評価結果からもわかるように、広帯域
のATM網に従来例のフロー制御方法を適用する場合に
は、高いスループットを得るために、実際には、RI
F,RDFは共に“1/32”以下の値に設定される。
【0035】このため、例えば通信路の伝送速度が50
Mbps以下であるようなATM通信網に対して従来例
のフロー制御方法を適用すると、データ送信時間が長く
なり、セルバッファ内でのセル損失比率が大きくなる。
その結果、例えばTCP/IPなどの上位層がABRサ
ービスを用いてデータを送信している場合には、データ
の再送が頻繁に生じるので、TCP/IPなどの上位層
での通信効率(スループット)が著しく低下する。
【0036】それ故に、本発明の目的は、ATM通信網
において、ABRサービスカテゴリを使用する広帯域の
コネクションのみならず50Mbps以下の狭帯域のコ
ネクションに対しても、セルバッファ内でのセル損失を
抑え、通信効率(スループット)を向上させることので
きるフロー制御方法ならびにそれを実行する通信要素お
よび通信端末を提供することである。
【0037】
【課題を解決するための手段および発明の効果】上記の
ような目的を達成するために、本発明は、以下に示すよ
うな特徴を有している。
【0038】第1の発明は、ABRサービスカテゴリを
使用して固定長のセルの形で情報を転送する1つまたは
複数のコネクションを50Mbps以下の伝送帯域にお
いて収容するATM通信網内で使用され、ATM通信網
により送信端末と受信端末の間で情報が伝送される際
に、送信端末からATM通信網に入力されたセルを受け
取り、受け取ったセルに対して所定の処理を行った後に
受信端末に向けてセルを送出する通信要素であって、A
BRサービスカテゴリを使用するコネクションを送信端
末と受信端末との間に設定する際に、ABRサービスに
おいて規定されたABRパラメータの値を決定するパラ
メータ決定手段と、ABRサービスカテゴリを使用する
コネクション上で伝送されるセルを含むセルの多重化部
分において輻輳を検出する輻輳検出手段と、輻輳が検出
されているときに、送信端末に保持されている入力許可
レートであるACRを減少させる指示を送信端末に対し
て発行し、輻輳が検出されていないときに、ACRを増
加させる指示を送信端末に対して発行する輻輳通知手段
と、を備え、パラメータ決定手段は、ABRパラメータ
の一つであって送信端末からATM通信網へのセルの入
力レートの増加速度を規定するパラメータであるRIF
の値を、“1/16”以上で“1”以下の範囲で決定す
ることを特徴とする。上記第1の発明によれば、高い通
信効率(スループット)を得ることのできない範囲を除
外した1/16≦RIF≦1の範囲でRIFの値が決定
されるため、ABRパラメータの値として適切な値を効
率良く求めることができる。そして、そのような適切な
パラメータ値をコネクション設定時に設定することによ
り、データ送信時間とセルバッファ内のセル損失比率が
ともに小さくなる。
【0039】第2の発明は、第1の発明において、パラ
メータ決定手段は、ABRパラメータの一つであって送
信端末からATM通信網へのセルの入力レートの減少速
度を規定するパラメータであるRDFの値を、“1/1
6”以上で“1”以下の範囲で決定することを特徴とす
る。上記第2の発明によれば、高い通信効率を得ること
のできない範囲を除外した1/16≦RIF≦1、か
つ、1/16≦RDF≦1の範囲でRIFおよびRDF
の値が決定されるため、ABRパラメータの値として適
切な値、すなわちデータ送信時間とセルバッファ内のセ
ル損失比率がともに小さくなり高い通信効率が得られる
ような値を、さらに効率良く求めることができる。
【0040】第3の発明は、第2の発明において、パラ
メータ決定手段は、RDFの値を“1/4”以上で
“1”以下の範囲で決定することを特徴とする。上記第
3の発明によれば、RDFが1/4≦RDF≦1の範囲
の値に設定されることにより、輻輳通知時に、送信端末
からATM通信網へのセル入力のレートが素早く減少す
るため、合計セルロス比率が小さくなる。また、TCP
/IPなどの上位層がABRサービスを用いてデータを
送信する場合、セル損失比率が小さいためにデータ再送
が生じる確率が小さくなり、上位層での通信効率が向上
する。
【0041】第4の発明は、第3の発明において、RD
Fの値は“1”であることを特徴とする。上記第4の発
明によれば、RDFが“1”に設定されることにより、
合計セルロス比率が更に小さくなり、TCP/IPなど
の上位層がABRサービスを用いてデータを送信する場
合、上位層での通信効率が更に向上する。
【0042】第5の発明は、第1の発明において、パラ
メータ決定手段は、RIFの値を“1/4”以上で
“1”以下の範囲で決定することを特徴とする。上記第
5の発明によれば、RIFが1/4≦RIF≦1の範囲
の値に設定されることにより、データ送信時間が短くな
り、セルバッファ内でのセル損失率が小さくなる。ま
た、TCP/IPなどの上位層がABRサービスを用い
てデータを送信する場合、データ送信時間が短いために
データ再送が生じる確率が小さくなり、上位の層での通
信効率が向上する。
【0043】第6の発明は、第5の発明において、AB
Rパラメータの一つであって送信端末からATM通信網
へのセルの入力レートの減少速度を規定するパラメータ
であるRDFは“1”であることを特徴とする。上記第
6の発明によれば、RIFが1/4≦RIF≦1の範囲
の値に設定され、かつRDFが“1”に設定されること
により、データ送信時間が短くなって、セルバッファ内
でのセル損失率が小さくなり、合計セルロス比率は最小
となる。また、TCP/IPなどの上位層がABRサー
ビスを用いてデータを送信する場合、上位の層での通信
効率が更に向上する。
【0044】第7の発明は、第6の発明において、AT
M通信網内を伝送されるセルを多重するために多重化部
分に設けられたバッファと、バッファに蓄積されている
セルの数を観測する観測手段と、を備え、輻輳検出手段
は、観測手段による観測に基づき、バッファに蓄積され
ているセルの数が予め設定された輻輳判定しきい値を越
えると輻輳を検出し、輻輳判定しきい値は、バッファの
容量の1/10以上で1/2以下の値に設定されている
ことを特徴とする。上記第7の発明によれば、輻輳判定
しきい値がセルバッファのバッファ容量の1/10以上
で1/2以下の値に設定されているため、セルバッファ
でのセル損失比率が小さくなる。また、TCP/IPな
どの上位層がABRサービスを用いてデータを送信する
場合、セル損失比率が小さいためにデータ再送が生じる
確率が小さくなり、上位層での通信効率が更に向上す
る。
【0045】第8の発明は、第1の発明において、パラ
メータ決定手段は、多重化部分におけるセル廃棄率が小
さくなり、かつ、送信端末がATM通信網にセルを入力
するレートであるセル送信レートが大きくなるように、
ABRパラメータの一つであってセル送信レートの最大
値を規定するパラメータであるPCRの値を決定するこ
とを特徴とする。上記第8の発明によれば、PCRの値
が、バッファ内のセル損失比率が小さくなりデータ送信
時間が短くなるような値に設定されるため、合計セルロ
ス比率が小さくなる。また、TCP/IPなどの上位層
がABRサービスを用いてデータを送信する場合、合計
セルロス比率が小さいためにデータ再送が生じる確率が
小さくなり、上位層での通信効率が向上する。
【0046】第9の発明は、第6の発明において、パラ
メータ決定手段は、ABRパラメータの一つであって送
信端末からATM通信網へのセルの入力レートの最大値
を規定するパラメータであるPCRのコネクションにつ
いての合計値が伝送帯域の20%以上で60%以下の値
となるように、PCRの値を決定することを特徴とす
る。上記第9の発明によれば、PCRの合計値が伝送帯
域の20%以上で60%以下となるようにPCRの値が
設定されることにより、データ送信時間とセルバッファ
内のセル損失比率がともに非常に小さくなり、TCP/
IPなどの上位層がABRサービスを用いてデータを送
信する場合に通信効率が非常に高くなる。
【0047】第10の発明は、ABRサービスカテゴリ
を使用して固定長のセルの形で情報を転送する1つまた
は複数のコネクションを収容するATM通信網内で使用
され、ATM通信網により送信端末と受信端末の間で情
報が伝送される際に、送信端末からATM通信網に入力
されたセルを受け取り、受け取ったセルに対して所定の
処理を行った後に受信端末に向けてセルを送出する通信
要素であって、ABRサービスカテゴリを使用するコネ
クションを送信端末と受信端末との間に設定する際に、
ABRサービスにおいて規定されたABRパラメータの
値を決定するパラメータ決定手段と、ABRサービスカ
テゴリを使用するコネクション上で伝送されるセルを含
むセルの多重化部分において輻輳を検出する輻輳検出手
段と、輻輳が検出されているときに、送信端末に保持さ
れている入力許可レートであるACRを減少させる指示
を送信端末に対して発行し、輻輳が検出されていないと
きに、ACRを増加させる指示を送信端末に対して発行
する輻輳通知手段と、を備え、パラメータ決定手段は、
コネクションの設定時にABRサービスに割り当てられ
る帯域であるABR割り当て帯域を算出するABR伝送
帯域算出手段と、ABR割り当て帯域が50Mbps以
下か否かを判定する伝送帯域判定手段と、ABR割り当
て帯域が50Mbps以下の場合には、ABRパラメー
タの値を予め決められた範囲において求める算出手段
と、を含むことを特徴とする。上記第10の発明によれ
ば、ATM通信網においてABRサービスを使用するコ
ネクションが設定される際には、ABR割り当て帯域が
算出され、そのABR割り当て帯域が50Mbps以下
である場合には、予め決められた範囲においてABRの
パラメータが決定される。したがって、50Mbps以
下の狭帯域に対応した範囲でABRパラメータの値とし
て適切な値を効率よく求めることができる。このように
してABR割り当て帯域の値に応じた適切なパラメータ
値を設定することにより、データ送信時間が短くなり且
つセルバッファ内のセル損失比率が小さくなり、高い通
信効率を得ることができる。
【0048】第11の発明は、第10の発明において、
算出手段は、ABR割り当て帯域が50Mbps以下の
場合に、ABRパラメータの一つであって送信端末から
ATM通信網へのセルの入力レートの増加速度を規定す
るパラメータであるRIFの値を、“1/16”以上で
“1”以下の範囲で求めることを特徴とする。
【0049】第12の発明は、第11の発明において、
算出手段は、ABR割り当て帯域が50Mbps以下の
場合に、ABRパラメータの一つであって送信端末から
ATM通信網へのセルの入力レートの減少速度を規定す
るパラメータであるRDFの値を、“1/16”以上で
“1”以下の範囲で求めることを特徴とする。
【0050】第13の発明は、第12の発明において、
算出手段は、ABR割り当て帯域が50Mbps以下の
場合に、RDFの値を“1/4”以上で“1”以下の範
囲で求めることを特徴とする。
【0051】第14の発明は、第11の発明において、
算出手段は、RIFの値を“1/4”以上で“1”以下
の範囲で求めることを特徴とする。
【0052】第15の発明は、第14の発明において、
ABRパラメータの一つであって送信端末からATM通
信網へのセルの入力レートの減少速度を規定するパラメ
ータであるRDFは“1”であることを特徴とする。
【0053】第16の発明は、ABRサービスカテゴリ
を使用して固定長のセルの形で情報を転送する1つまた
は複数のコネクションを50Mbps以下の伝送帯域に
おいて収容するATM通信網により受信端末に情報を送
信する送信端末として使用される通信端末であって、A
BRサービスカテゴリを使用するコネクションを送信端
末と受信端末との間に設定する際に、ABRサービスに
おいて規定されたABRパラメータの値を決定するパラ
メータ決定手段と、入力許可レートであるACRを保持
しており、受信端末に対し情報を送信するときに、AC
R以下のレートで情報を含むセルをATM通信網に入力
するセル送信手段と、通信要素から発行された、ACR
を減少させる指示を受け取ると、ABRパラメータの一
つであるRDFに基づきACRを減少させ、通信要素か
ら発行された、ACRを増加させる指示を受け取ると、
ABRパラメータの一つであるRIFに基づきACRを
増加させるACR計算手段と、を備え、パラメータ決定
手段はRIFの値を“1/16”以上で“1”以下の範
囲で決定することを特徴とする。
【0054】第17の発明は、第16の発明において、
パラメータ決定手段はRDFの値を“1/16”以上で
“1”以下の範囲で決定することを特徴とする。
【0055】第18の発明は、第17の発明において、
パラメータ決定手段はRDFの値を“1/4”以上で
“1”以下の範囲で決定することを特徴とする。
【0056】第19の発明は、第16の発明において、
パラメータ決定手段はRIFの値を“1/4”以上で
“1”以下の範囲で求めることを特徴とする。
【0057】第20の発明は、第19の発明において、
RDFは“1”であることを特徴とする。
【0058】第21の発明は、ABRサービスカテゴリ
を使用して固定長のセルの形で情報を転送する1つまた
は複数のコネクションを50Mbps以下の伝送帯域に
おいて収容するATM通信網により送信端末と受信端末
の間で情報が伝送される際に、ATM通信網に含まれる
通信要素と送信端末および受信端末との間で行われるフ
ロー制御の方法であって、ABRサービスカテゴリを使
用するコネクションを送信端末と受信端末との間に設定
する際に、ABRサービスにおいて規定されたABRパ
ラメータの値を決定するパラメータ決定ステップと、送
信端末において、受信端末に対し情報を送信するとき
に、送信端末に保持されている入力許可レートであるA
CR以下のレートで情報を含むセルをATM通信網に入
力するセル送信ステップと、通信要素において、ABR
サービスカテゴリを使用するコネクション上で伝送され
るセルを含むセルの多重化部分で輻輳を検出する輻輳検
出ステップと、通信要素において、輻輳が検出されてい
るときに、ACRを減少させる指示を送信端末に対して
発行する減少指示ステップと、通信要素において、輻輳
が検出されていないときに、ACRを増加させる指示を
送信端末に対して発行する増加指示ステップと、送信端
末において、ACRを減少させる指示を受け取ると、A
BRパラメータの一つであるRDFに基づきACRを減
少させるACR減少ステップと、送信端末において、A
CRを増加させる指示を受け取ると、ABRパラメータ
の一つであるRIFに基づきACRを増加させるACR
増加ステップと、を備え、パラメータ決定ステップで
は、ABRパラメータの一つであるRIFの値は“1/
16”以上で“1”以下の範囲で決定されることを特徴
とする。
【0059】第22の発明は、第21の発明において、
パラメータ決定ステップでは、ABRパラメータの一つ
であるRDFの値は“1/16”以上で“1”以下の範
囲で決定されることを特徴とする。
【0060】第23の発明は、第22の発明において、
パラメータ決定ステップでは、RDFの値は“1/4”
以上で“1”以下の範囲で決定されることを特徴とす
る。
【0061】第24の発明は、第23の発明において、
RDFの値は“1”であることを特徴とする。
【0062】第25の発明は、第21の発明において、
パラメータ決定ステップでは、RIFの値は“1/4”
以上で“1”以下の範囲で決定されることを特徴とす
る。
【0063】第26の発明は、第25の発明において、
RDFは“1”であることを特徴とする。
【0064】第27の発明は、ABRサービスカテゴリ
を使用して固定長のセルの形で情報を転送する1つまた
は複数のコネクションを収容するATM通信網により送
信端末と受信端末の間で情報が伝送される際に、ATM
通信網に含まれる通信要素と送信端末および受信端末と
の間で行われるフロー制御の方法であって、ABRサー
ビスカテゴリを使用するコネクションを送信端末と受信
端末との間に設定する際に、ABRサービスにおいて規
定されたABRパラメータの値を決定するパラメータ決
定ステップと、送信端末において、受信端末に対し情報
を送信するときに、送信端末に保持されている入力許可
レートであるACR以下のレートで情報を含むセルをA
TM通信網に入力するセル送信ステップと、通信要素に
おいて、ABRサービスカテゴリを使用するコネクショ
ン上で伝送されるセルを含むセルの多重化部分で輻輳を
検出する輻輳検出ステップと、通信要素において、輻輳
が検出されているときに、ACRを減少させる指示を送
信端末に対して発行する減少指示ステップと、通信要素
において、輻輳が検出されていないときに、ACRを増
加させる指示を送信端末に対して発行する増加指示ステ
ップと、送信端末において、ACRを減少させる指示を
受け取ると、ABRパラメータの一つであるRDFに基
づきACRを減少させるACR減少ステップと、送信端
末において、ACRを増加させる指示を受け取ると、A
BRパラメータの一つであるRIFに基づきACRを増
加させるACR増加ステップと、を備え、パラメータ決
定ステップは、通信要素において、コネクションの設定
時にABRサービスに割り当てられる帯域であるABR
割り当て帯域を算出するABR伝送帯域算出ステップ
と、ABR割り当て帯域が50Mbps以下か否かを判
定するステップと、ABR割り当て帯域が50Mbps
以下の場合には、ABRパラメータの値を予め決められ
た範囲において決定するステップと、を含むことを特徴
とする。
【0065】第28の発明は、第27の発明において、
パラメータ決定ステップでは、RIFの値は“1/1
6”以上で“1”以下の範囲で決定されることを特徴と
する。
【0066】第29の発明は、第28の発明において、
パラメータ決定ステップでは、RDFの値は“1/1
6”以上で“1”以下の範囲で決定されることを特徴と
する。
【0067】第30の発明は、第29の発明において、
パラメータ決定ステップでは、RDFの値は“1/4”
以上で“1”以下の範囲で決定されることを特徴とす
る。
【0068】第31の発明は、第28の発明において、
パラメータ決定ステップでは、RIFの値は“1/4”
以上で“1”以下の範囲で決定されることを特徴とす
る。
【0069】第32の発明は、第31の発明において、
RDFは“1”であることを特徴とする。
【0070】なお、上述した本発明の効果は、図9、図
10、図11、図12、図13、図14、図15、図1
8〜図23に示す計算機シミュレーションの結果によっ
て確認できる。
【0071】
【発明の実施の形態】<1.基礎検討>本願発明者は、
本発明の実施形態であるフロー制御方法を実行するため
の通信要素を実現するための基礎検討として、ATM通
信網におけるABRサービスを使用したコネクションに
対しABRパラメータとして設定すべき値について検討
した。本発明の実施形態を説明する前に、この基礎検討
について説明する。なお、以下では、図2に示したAT
M通信網の構成を前提とし、セルの入力レートの変動例
およびそれに対応するセルバッファ内のセル数の変化を
示す図3を参照しつつ説明する。
【0072】<1.1 RIFおよびRDFの検討>前
述のように、下記の理由で、データ送信時間を短くし且
つセル損失比率を小さくするためには、RIFとRDF
の値を共に大きな値に設定する必要がある。
【0073】送信端末がアクティブ期間とアイドル期間
を繰り返す場合、データの送信時間を短くするには、セ
ルの入力レートの増加幅を大きくする必要がある。入力
レートの増加幅を大きくするには、PCRまたはRIF
を大きな値に設定すればよい。しかし、PCRを大きく
すると、送信端末がアイドル期間の状態からアクティブ
期間の状態に遷移したときに非常に大きな入力レートで
突然にセルの入力が開始される場合がある。この場合、
網において輻輳が発生すると、セル数が大幅に増大し、
バッファからセルが溢れてセル損失が生じる可能性が高
くなる。一方、RIFを大きくすると、図3の(b)に
示した上記Q1が大きくなり、セルバッファ内のセル数
が大きな値にまで増加するため、セルバッファ内でのセ
ル損失比率が大きくなる。この場合、RDFを大きくし
て、図3の(b)に示した上記Q2を小さくすることに
より、セル損失比率を小さくすることができる。したが
って、データ送信時間を短くし且つセル損失比率を小さ
くするためには、RIFとRDFの値を共に大きな値に
設定する必要がある。
【0074】後述のように、詳しい計算によると、伝送
速度BWが10Mbps〜50Mbpsの場合、RIF
を“1/16”以上で“1”以下の範囲で適切な値を設
定し、かつRDFを“1/16”以上で“1”以下の範
囲で適切な値を設定することにより、データ送信時間が
短くなると共にセルバッファ内のセル損失比率が小さく
なることが示される。また、このとき、トランスミッシ
ョン・コントロール・プロトコル(Transmission Contro
l Protocol )(以下「TCP」と略記する)でデータを
送信する場合にデータが受信端末に到着する速度の平均
値であるTCPスループットが大きくなることが示され
る。
【0075】<1.2 輻輳判定しきい値Th_cgの検討
>次に、RIFを大きな値に設定した場合において、デ
ータ送信時間を短くし且つセルバッファ内のセル損失比
率を小さくするためには、輻輳判定しきい値Th_cgをど
のような値に設定するべきか、について考察する。
【0076】一般に、輻輳判定しきい値Th_cgが大きい
場合、輻輳発生時にレート減少指示を開始するタイミン
グが遅れるため、輻輳発生時にセルバッファ内のセル数
がバッファ容量を超えてセル損失が生じる可能性が高く
なり、セルバッファ内でのセル損失比率が大きくなる。
これは、前述の図3に示した例において、Th_cg+Q1
+Q2の値がバッファ容量よりも大きくなり、セルバッ
ファにおいてセル損失が生じる可能性が高くなることに
対応する。
【0077】一方、輻輳判定しきい値Th_cgが小さい場
合、輻輳解除時にレート増加指示を開始するタイミング
が遅れるために、輻輳解除時にセルバッファ内のセル数
が0になる可能性が高くなり、通信路において実際にセ
ルが送信される速度であるセル送信レートが小さくな
り、データ送信時間が長くなる。これは、前述の図3に
示した例において、Q3が輻輳判定しきい値Th_cgに等
しくなり、セルバッファ内のセル数が0になる可能性が
高くなることに対応する。
【0078】なお、図3に示した例においては、通信路
の伝送速度は一定であるものと仮定したが、この場合に
おいても、セルバッファ内にセルが蓄積されていないと
きには、通信路においてセルが実際に送信される速度で
あるセル送信レートの値は変動する。
【0079】ところで、RIFを大きな値に設定した場
合、上記Q3の値が小さくなる。したがって、輻輳判定
しきい値Th_cgを小さな値に設定しても、輻輳解除時に
セルバッファ内のセル数が0になる可能性は小さい。よ
って、輻輳判定しきい値Th_cgを小さな値に設定して
も、データ送信時間は短い。また、輻輳判定しきい値T
h_cgを小さな値に設定すると、輻輳発生時にレート減少
指示を開始するタイミングの遅れは小さくなるため、セ
ルバッファでのセル損失比率は小さくなる。
【0080】以上から、RIFを大きな値に設定した場
合、セルバッファでのセル損失比率を小さくし且つデー
タ送信時間を短くするためには、輻輳判定しきい値Th_
cgを小さな値に設定すればよい。
【0081】後述のように、詳しい計算によると、伝送
速度BWが50Mbps以上である場合、RIFを“1
/4”以上で“1”以下の値に設定し、RDFを“1”
に設定し、輻輳判定しきい値Th_cgをバッファ容量の
“1/10”以上で“1/2”以下の値に設定すると、
データ送信時間が非常に短くなり且つセルバッファ内の
セル損失比率が非常に小さくなることが示される。ま
た、このとき、TCPでデータを送信する場合にデータ
が受信端末に到着する速度の平均値であるTCPスルー
プットが大きくなることが示される。
【0082】<1.3 PCRの検討>次に、RIFを
大きな値に設定した場合において、データ送信時間を短
くし且つセルバッファ内のセル損失比率を小さくするた
めには、ABRサービスにおいて送信端末のセル入力レ
ートの最大値を規定するパラメータであるPCRをどの
ような値に設定するべきか、について考察する。
【0083】一般に、PCRが大きい場合、前述の理由
から、セルバッファでのセル損失比率が大きくなる。一
方、PCRが小さい場合、多重化部分が輻輳していない
時でもセル入力レートを大きくすることができない。そ
のため、データ送信時間が長くなる。以上から、PCR
の値は、セルバッファでのセル損失比率を小さくし且つ
データ送信時間を短くするように設定することが望まし
い。
【0084】このようなPCRの値は、通信網をモデル
化し計算機シミュレーションを行うことにより求められ
る。例えば、250セルの容量を持つセルバッファを備
えた通信要素を用いて、0.75Mbpsの発生レート
で発生するデータ(1個のデータは平均94個のセルか
らなる)をセルに分割して網に入力するコネクション
を、伝送速度BWが10Mbpsの通信路に対して10
個多重して通信する場合において、下記の式で定義され
る合計セルロス比率(total cell loss ratio)TCLR
を1/1000未満にするためには、RIF、RDF、
輻輳判定しきい値Th_cgおよびPCRを、RIF=1/
4、RDF=1、Th_cg=75、PCR=3.5Mbp
sに設定すればよい、ということが計算機シミュレーシ
ョンにより示される。この計算機シミュレーションにつ
いては後で詳しく説明する。 TCLR = CLRsw + CLRdl …(4) 上記式(4)において、CLRswはスイッチ内セルロス
比率であり、CLRdlは遅延セルロス比率である。ここ
で、スイッチ内セルロス比率CLRswは、通信要素内の
セルバッファにおいて廃棄されるセルの個数の全セル数
に対する割合として定義され、遅延セルロス比率CLR
dlは、次式により定義される。 CLRdl={セル送信遅延時間が350msec以上となるセル数} ÷{受信端末に到着したセル数} …(5) ただし、セル送信遅延時間は、セル発生時からそのセル
が受信端末に到着するまでの間の時間であるセル送信時
間として定義される。
【0085】セル送信遅延時間が或る一定値より大きい
ときとセルが廃棄されたときに、そのセルを構成するデ
ータを再送するプロトコルを用いてデータを送信する場
合には、上記の合計セルロス比率TCLRが小さいほど
データの再送が生じる可能性が低くなってデータ送信レ
ートが増加する。例えば、TCP(Transmission Contro
l Protocol )によってデータを送信する場合であって、
TCPのタイムアウト時間が350msec程度である
場合が、この場合に相当する。
【0086】<1.4 計算機シミュレーションによる
検討>以下では、ATM通信網における輻輳現象を計算
機でシミュレーションすることにより、上記のパラメー
タの設定値と、セルバッファ内部でのセル廃棄率である
スイッチ内セルロス比率(単に「SW内セルロス比率」
ともいう)およびデータ送信時間との関係につき、詳し
く考察する。
【0087】<1.4.1 第1の計算機シミュレーショ
ン>まず、上記関係についてシミュレーションを行うた
めに、ABRサービスを行うATM網をモデル化する。
ABRサービスを行うATM網は、例えば、図16に示
すネットワークモデルを用いてモデル化できる。また、
図16のネットワークモデルを構成する送信端末および
スイッチは、それぞれ、例えば図18および図19に示
すようにモデル化できる。
【0088】図16のネットワークモデルは、例えば、
図17に示すATM網において、送信端末、受信端末、
および輻輳ポイントのみに注目し、それらを抜き出して
モデル化したものと考えることができる。また、図16
に示す送信端末および受信端末は、ABRサービスを終
端するATM機器、例えばATM−LANスイッチや、
CLAD、ATM端末などを示す。
【0089】図17のATM網においては、10個の送
信端末がデータを送信し、それらのデータが、或るスイ
ッチの多重化部分に配置されたスイッチ内バッファを用
いて1つの通信路に多重される。また、図17のネット
ワークにおいては、通信路の物理回線速度は10Mbp
sであり、送信端末と受信端末との間の伝送距離は全て
のコネクションについて100kmであり、ネットワー
ク内の輻輳は1つのスイッチ内バッファにおいてのみ生
じる。
【0090】図18に示す送信端末モデルについて説明
する。送信端末モデル内部にあるトラヒックソースにお
いて、指数分布に従う時間間隔でデータが発生する。発
生するデータは、幾何分布に従った個数のセルから構成
される。各送信端末のトラヒックソースにおいて、平均
0.75[Mbit/sec] の割合でセルが発生する。このセ
ル発生率は約1769[セル/sec]に相当する。1つのデ
ータを構成するセルの数は、平均約94個であり、これ
は5Kbyteのサイズのデータに相当する。発生したデー
タ即ちそれを構成するセルは、送信端末モデル内にある
送信端末内バッファに蓄積される。新たに送信端末内バ
ッファに蓄積されるセルは、既に送信端末内バッファに
蓄積されているセルの最後尾に蓄積される。送信端末内
バッファに蓄積されたセルは、先頭のセルから順番に、
送信端末とスイッチとを結ぶ通信路に送信される。送信
端末から通信路にセルが送信されるときの送信速度は、
ABRサービスの規定に従う。送信端末内バッファのバ
ッファ容量は無限大であり、送信端末内においてセル損
失は生じない。また、送信端末は、ABRサービスの規
定に従いRMセルと呼ばれるネットワーク管理用のセル
を送信する。
【0091】ここで、以下の議論のために、或るセルが
送信端末内で発生した時刻からそのセルが受信端末に到
着する時刻までの経過時間をセル送信遅延時間と定義す
る。
【0092】次に、図19に示すスイッチモデルについ
て説明する。スイッチに到着したセルは、スイッチ内バ
ッファに蓄積される。セルがスイッチ内バッファに蓄積
される際には、到着の順序に従いバッファの先頭から蓄
積される。また、スイッチ内バッファのサイズはセル2
50個分のサイズであり、スイッチ内バッファに既に2
50セルが蓄積されているときにスイッチにセルが到着
した場合には、そのセルは廃棄される。以下、これを
「スイッチ内セルロス」と呼び、スイッチに到着したセ
ルの中で廃棄されるセルの割合を既述のように「スイッ
チ内セルロス比率」と定義する。スイッチ内バッファに
セルが蓄積されているときには、先頭のセルから順番に
10Mbpsの固定速度で通信路に送出される。バッフ
ァが空であるときには、セルの送出は行われない。ま
た、スイッチ内バッファに蓄積されているセル数が輻輳
判定しきい値Th_cgよりも大きい場合、スイッチから送
出されるデータセルのEFCIビットに輻輳通知情報が
付加される。
【0093】通信路に接続される一方の通信要素からそ
の通信路にセルが送出された場合、固定の長さの伝搬遅
延時間が経過した後に、その通信路に接続される他方の
通信要素にそのセルが到着する。ここで通信要素とは、
図16に示す送信端末、受信端末、スイッチのいずれか
を指す。また、伝搬遅延時間は伝送距離に比例し、伝送
距離が100kmの場合、伝搬遅延時間は約0.5ms
ecである。
【0094】図16に示すネットワークモデルにおい
て、受信端末は、ABRサービスの規定に従い到着した
RMセルを送信端末に送信する。
【0095】以上、ABRサービスを行うATM網のモ
デルの例について説明した。図17に示すネットワーク
は、ABRサービスを使用するATM網の典型例であ
り、これをモデル化したネットワークモデルについてシ
ミュレーション実験を行えば、ABRサービスにおける
基本的な特性を評価することができる。また、図16、
図18、図19に示す各モデルは、ATM網をモデル化
する場合に一般的に用いられるモデルであり、ネットワ
ーク内のセルの動きをシミュレーションするために有効
である。
【0096】上記モデルにおいては、ABRサービスを
使用するコネクションがネットワークを独占して使用す
る形態を前提としているが、ABRサービスを使用する
コネクションと他のサービスを使用するコネクションと
がネットワークを共有して使用するネットワークについ
ても、ABRサービスを使用するコネクションのセルの
動きを同様のモデルでシミュレーションすることが可能
である。
【0097】図9、図10、図11、図12、図13、
図14、図15は、上記のネットワークモデル、スイッ
チモデルおよび送信端末モデルを用いて、計算機シミュ
レーションを行い、RIF、RDF、PCRおよび輻輳
判定しきい値Th_cgと、スイッチ内セルロス比率CLR
sw、遅延セルロス比率CLRdlおよび合計セルロス比率
TCLRとの関係を求めた結果を示している。ただし、
既述のように、遅延セルロス比率CLRdlは、受信端末
に到着したセルの中でセル送信遅延時間が350msec より
大きいセルの割合として定義される。すなわち、遅延セ
ルロス比率CLRdlは次の式で定義される。 CLRdl={セル送信遅延時間が350msec以上となるセル数} ÷{受信端末に到着したセル数} …(5) また、合計セルロス比率TCLRは、スイッチ内セルロ
ス比率CLRswと遅延セルロス比率CLRdlとの合計値
として定義される。
【0098】遅延セルロス比率CLRdlが大きい場合、
上位層でのタイムアウトによりデータ再送が頻繁に必要
となり、上位層でのスループットが低下するため、遅延
セルロス比率CLRdlは小さい方が望ましい。ここで、
セル送信遅延時間が350msecより大きいセルは、タイ
ムアウトなどにより上位層で無効になるものと仮定し
た。また、スイッチ内セルロス比率CLRswが大きい場
合、上位層で再送が頻繁に必要となり上位層でのスルー
プットは低下するので、スイッチ内セルロス比率CLR
swも小さいことが望ましい。以上から、合計セルロス比
率TCLRが大きい場合、上位層でのスループットが小
さくなるため、合計セルロス比率TCLRは小さいこと
が望ましい。
【0099】図9は、RIFおよびRDFとスイッチ内
セルロス比率CLRswとの関係を示す図である。図9よ
り、RIFがどのような値であってもRDFの値が
“1”から“1/4”に変化すると、スイッチ内セルロ
ス比率CLRswが5倍以上に増加することがわかる。
【0100】図10は、RIFおよびRDFと遅延セル
ロス比率CLRdlとの関係を示す図である。図10よ
り、RDFが大きくなると遅延セルロス比率CLRdlが
大きくなり、RDFが“1/4”から“1”に変化した
場合、遅延セルロス比率CLRdlは2〜3倍程度に増加
することがわかる。
【0101】図11は、RIFおよびRDFと合計セル
ロス比率TCLRとの関係を示す図である。図11よ
り、RDF=1のときに合計セルロス比率TCLRが最
小になることがわかる。また、従来例のフロー制御方法
においては、RIFおよびRDFがともに“1/32”
以下の値に設定されるため、RDFが“1”であり、R
IFが“1/4”以上で“1”以下の値である場合と比
較して、合計セルロス比率TCLRが約10倍以上にな
ることがわかる。
【0102】ただし、図9、図10、図11に示した結
果を得るためのシミュレーションにおいてPCR=3.
5Mbps、輻輳判定しきい値Th_cg=75に設定し
た。
【0103】図12は、RIFおよびPCRとスイッチ
内セルロス比率CLRswとの関係を示す図である。図1
2より、RIFおよびPCRを増加させると、スイッチ
内セルロス比率CLRswは増加することがわかる。特
に、PCRを増加させた場合、スイッチ内セルロス比率
CLRswが大幅に増加する。セルロスが観測された範囲
においては、RIFが“1/4”から“1”に増加した
ときにスイッチ内セルロス比率CLRswは約5倍に増加
するのに対して、PCRが2Mbpsから4Mbpsに
変化したときにスイッチ内セルロス比率CLRswは約1
0倍に増加する。
【0104】図13は、RIFおよびPCRと遅延セル
ロス比率CLRdlとの関係を示す図である。図13よ
り、RIFおよびPCRを小さくすると遅延セルロス比
率CLRdlが増加し、特にRIFを小さくすると遅延セ
ルロス比率CLRdlが大幅に増加することがわかる。R
IFが“1”の場合と比較すると、RIFが“1/6
4”以下の場合には遅延セルロス比率CLRdlが10倍
以上に増加し、RIFが“1/16”の場合においては
遅延セルロス比率CLRdlが2倍以上に増加する。
【0105】図14は、RIFおよびPCRと合計セル
ロス比率TCLRとの関係を示す図である。図14よ
り、RIFおよびPCRの値によって合計セルロス比率
TCLRの値が変動し、RIF=1/4,PCR=3.5
Mbpsのときに合計セルロス比率TCLRが最小にな
ることがわかる。
【0106】ただし、図12、図13、図14に示した
結果を得るためのシミュレーションにおいてRDF=
1、輻輳判定しきい値Th_cg=75に設定した。
【0107】なお、伝送距離10km〜1000kmの
範囲において同様のシミュレーションを行ったが、それ
ぞれ以下の値の場合に合計セルロス比率TCLRが最小
になることがわかった。 伝送距離=10kmの場合: PCR=3.5Mbps、RIF=1/4、RDF=1 伝送距離=100kmの場合: PCR=3.5Mbps、RIF=1/4、RDF=1 伝送距離=1000kmの場合: PCR=2.5Mbps、RIF=1/4、RDF=1
【0108】図15は、輻輳判定しきい値Th_cgとスイ
ッチ内セルロス比率CLRsw、遅延セルロス比率CLR
dlおよび合計セルロス比率TCLRとの関係を示す図で
ある。図15より、スイッチ内セルロス比率CLRsw
は、輻輳判定しきい値Th_cgの増加とともにほぼ一定の
割合で増加することがわかる。また、遅延セルロス比率
CLRdlは、輻輳判定しきい値Th_cgが“75”以上の
範囲で非常に小さな値になることがわかる。さらに、合
計セルロス比率TCLRは、輻輳判定しきい値Th_cgが
“25”から“75”までの値のときに最小になること
がわかる。ただし、図15に示した結果を得るためのシ
ミュレーションにおいてRIF=1/4,RDF=1に
設定した。
【0109】また、25≦Th_cg≦225、2Mbps
≦PCR≦4Mbps、1/64≦RIF≦1、1/6
4≦RDF≦1、伝送距離=100kmの範囲でシミュ
レーションを行った結果、輻輳判定しきい値Th_cg=7
5、RIF=1/4、RDF=1、PCR=3.5Mb
psで合計セルロス比率TCLRが最小になることがわ
かった。
【0110】さらに、通信路の伝送帯域を変化させてシ
ミュレーションを行った結果、伝送帯域が50Mbps
以下である場合、RIFが“1/4”以上で“1”以下
の値であり、RDF=1であり、輻輳判定しきい値Th_
cgがバッファサイズの“1/10”以上で“1/2”以
下の値であるときに、合計セルロス比率TCLRが常に
最小になることがわかった。
【0111】なお、上の説明においては、特定のネット
ワークモデルに対するシミュレーション結果について説
明したが、このモデルはABRサービスを使用するAT
M網のモデルとして典型的なものであり、このモデルで
考察したABRサービスの基本的な特性は、ABRサー
ビスが使用する合計帯域が50Mbps以下である場
合、ネットワークモデルによらず成立する。
【0112】以上、送信端末においてデータの発生動作
とATM層の動作を行い受信端末においてATM層の動
作とデータの受信動作を行うモデルを用いた計算機シミ
ュレーションの結果について述べた。以上のシミュレー
ション結果から、合計セルロス比率TCLRとパラメー
タ設定値との関係を求めることができた。なお、以下で
述べる計算機シミュレーションと区別するために、上記
の計算機シミュレーションを「第1の計算機シミュレー
ション」と呼ぶものとする。
【0113】<1.4.2 第2の計算機シミュレーショ
ン>以下では、送信端末がデータの発生動作とTCP層
の動作とATM層の動作を行い受信端末がATM層の動
作とTCP層の動作とデータの受信動作を行うモデルを
用いて行う第2の計算機シミュレーションの結果につい
て述べる。このシミュレーション結果より、TCPスル
ープットとパラメータ設定値との関係を求めることがで
きる。ここで、TCPスループットは、受信端末におい
てTCP層から上位層にデータが送信される速度の平均
値として定義される。
【0114】まず、第2の計算機シミュレーションで用
いられるネットワークモデル、送信端末モデル、および
スイッチモデルを定義する。第2の計算機シミュレーシ
ョンにおいては、図20に示すネットワークモデルを用
いる。第1の計算機シミュレーションで用いた図17の
ネットワークモデルにおいては通信路で片方向にデータ
送信が行われるのに対し、図20に示すネットワークモ
デルにおいては、通信路で両方向にデータが送信され、
各方向の物理回線速度は10Mbpsである。各コネク
ションにおいて送信端末と受信端末との間の伝送距離は
いずれも100kmである。
【0115】第2の計算機シミュレーションにおいて
は、図21に示す送信端末モデルを用いる。以下、この
送信端末モデルに基づく送信端末1100における各部
の動作を説明する。
【0116】図21に示す送信端末モデルに基づく送信
端末1100は、アプリケーション部1110とTCP
部1120とATM部1130を備えている。
【0117】アプリケーション部1110はトラヒック
ソースからなり、そのトラヒックソースにおいてデータ
が発生する。1個のデータのサイズは、第1の計算機シ
ミュレーションと同様に平均5Kbyteの幾何分布に
従う。1個のデータが発生するとそのデータはTCP部
1120に渡され、TCP部1120からATM部11
30にそのデータが全て渡されるまでデータは発生しな
い。TCP部1120からATM部1130にデータが
全て渡されると、その時点から指数分布に従うアイドル
期間の後に次のデータが発生する。シミュレーション開
始時に1回目のアイドル期間が開始し、その後、データ
の発生とアイドル期間とを交互に繰り返す。なお、上記
動作は、各送信端末で独立に行われる。また、アイドル
期間の平均値は40msecとする。
【0118】TCP部1120は、RFC793、RF
C1122で定義されたトランスミッション・コントロ
ール・プロトコル(Transmission Control Protocol )
(TCP)に従った方法で、アプリケーション層から到
着したデータから一つまたは複数のセグメントを生成
し、それらのセグメントをATM部1130に渡す。ま
たTCP部1120は、ATM部1130からAckセ
グメントを受け取ると、上記トランスミッション・コン
トロール・プロトコルに従った所定動作を行う。ここで
は、米国MIL3,Inc社製のネットワークシミュレ
ーションツールである“OPNET”におけるTCPモ
デルを使用する。
【0119】ATM部1130は、ATM Forum Traffic
Management Specification Version4.1に記載のABR
サービスに従って動作する。以下、この動作の概要を説
明する。ATM部1130は、TCP部1120から到
着したセグメントから一つまたは複数のデータセルを生
成し、それらのデータセルを通信路に送出する。このと
き、データセルの間にRMセル(Resource Management C
ell)を挿入して送出する。このRMセルはABRサービ
スの輻輳制御に用いられる。またATM部1130は、
通信路からRMセルを受信すると、その内容に従ってA
CR(Allowed Cell Rate) の値を変更する。ATM部1
130が通信路にセルを送出するときの送信レートはこ
のACR以下であることがABRサービスにおいて規定
されている。さらにATM部1130は、通信路からデ
ータセルを受信すると、そのデータセルを組み立ててセ
グメントを生成し、そのセグメントをTCP部に渡す。
なお、後述するようにこのセグメントは、TCP(Trans
mission Control Protocol)においてACKセグメント
と呼ばれるセグメントであり、受信端末から送信された
ものである。
【0120】TCP部1120においてセグメントを蓄
積するためのバッファ、および、ATM部1130にお
いてセルを蓄積するためのバッファは、容量が無限大で
あり、受信端末において、データ、セグメントおよびセ
ルは、いずれも廃棄されることはない。
【0121】第2の計算機シミュレーションでは、図2
2に示すスイッチモデルを用いる。以下、このスイッチ
モデルに基づくATMスイッチにおける各部の動作を説
明する。
【0122】図22に示すスイッチモデルに基づくAT
Mスイッチ1200は、複数のスイッチ内バッファSW
A1〜SWAnおよびSWB1〜SWBnと、送信ポー
トSPA1〜SPAnおよびSPB1〜SPBnと、受
信ポートRPA1〜RPAnおよびRPB1〜RPBn
とを備えている。送信ポートSPA1〜SPAnおよび
SPB1〜SPBnと受信ポートRPA1〜RPAnお
よびRPB1〜RPBnとは、通信路に接続されてお
り、送信ポートはセルの送信を、受信ポートはセルの受
信をそれぞれを行う。1つの通信路に対して、送信ポー
トと受信ポートとがそれぞれ1個ずつ接続されている。
受信ポートに到着したセルはその行き先に応じて各スイ
ッチ内バッファSWA1〜SWAn,SWB1〜SWB
nに送られ、そのスイッチ内バッファに蓄積される。セ
ルの行き先は、送信端末と受信端末を結ぶコネクション
(仮想チャネル)に応じて決定される。ただし、ネット
ワーク全体で10個のコネクションが設定されて、各コ
ネクションは1個の送信端末と1個の受信端末とを接続
し、その組み合わせは固定であるものとする。セルがス
イッチ内バッファに蓄積されるときには、到着順に従い
スイッチ内バッファの先頭から蓄積される。また、スイ
ッチ内バッファのサイズは、セル250個分のサイズで
あり、スイッチ内バッファに既に250個のセルが蓄積
されているときに新たなセルが到着した場合には、その
セルは廃棄される。以下、これを「スイッチ内セルロ
ス」と呼び、スイッチに到着したセルの中で廃棄される
セルの割合を既述のように「スイッチ内セルロス比率」
と定義する。スイッチ内バッファにセルが蓄積されてい
るときには、先頭のセルから順番に10Mbpsの固定
速度で送信ポートを介して通信路に送出される。バッフ
ァが空であるときには、セルの送信は行われない。ま
た、スイッチ内バッファに蓄積されているセル数が輻輳
判定しきい値Th_cgよりも大きい場合、スイッチから送
信されるデータセルのEFCIビットに輻輳通知情報が
付加される。
【0123】通信路の動作は、第1の計算機シミュレー
ションと同様であるものとする。ただし、第2の計算機
シミュレーションにおいては、セルが双方向に通信され
るものとする。
【0124】第2の計算機シミュレーションでは、図2
3に示す受信端末モデルを用いる。図23に示す受信端
末モデルに基づく受信端末1300は、アプリケーショ
ン部1310とTCP部1320とATM部1330を
備えている。以下、この受信端末モデルに基づく受信端
末1300における各部の動作を説明する。
【0125】受信端末1300におけるATM部133
0は、送信端末1100におけるATM部1110と同
様にABRサービスに従って動作する。以下、この動作
の概要を述べる。受信端末1300がデータセルを受信
したときには、そのデータセルのEFCIビットの内容
を輻輳通知情報として記憶する。また受信端末1300
は、受信したデータセルを組み立ててセグメントを生成
し、そのセグメントをTCP部1120に渡す。この受
信端末1300におけるATM部1330は、通信路か
らRMセルを受信したときには、ABRサービス規定に
従い、RMセルを送信端末に対して返信する。このとき
ATM部1330は、記憶している輻輳情報の内容をR
MセルのCIビットにコピーする。また、ATM部13
30は、TCP部1320からACKセグメントを受け
取ると、それを分割してセルを生成し、直ちにそれらの
セルを通信路に送出する。
【0126】受信端末1300におけるTCP部132
0は、送信端末1100におけるTCP部1120と同
様にトランスミッション・コントロール・プロトコル(T
ransmission Control Protocol)に従って動作する。以
下、この動作の概要を述べる。TCP部1320は、A
TM部1330から渡されたセグメントを組み立ててデ
ータを生成し、そのデータをアプリケーション部131
0に渡す。またTCP部1320は、ATM部1330
からセグメントを受け取ると直ちにACKセグメントを
ATM部1330に渡す。ACKセグメントは、セグメ
ントの受信などを送信端末に通知するためのものであ
り、その内部に、受信されたセグメントの番号およびT
CP受信バッファの空き容量が記述される。
【0127】受信端末1300におけるアプリケーショ
ン部1310は、TCP部1320からデータを受け取
ると、それらのデータの合計受信量を算出する。またア
プリケーション部1310は、シミュレーション終了時
にデータ合計受信量をシミュレーション時間で除算する
ことによりデータ受信レートを求める。さらにアプリケ
ーション部1310は、各受信端末のデータ受信レート
の平均値を算出することによりデータ受信レート平均値
を求める。以下に示す第2の計算機シミュレーションの
結果の説明においては、データ受信レート平均値を単に
「TCPスループット」と呼び、TCPスループットと
ABRパラメータとの関係を示す。
【0128】以上のモデルにおいて、TCP(Transmiss
ion Control Protocol )のパラメータは以下のように設
定される。 i)TCP受信バッファのサイズは、1Mbyteであ
る。 ii)TCP受信バッファのしきい値は、0.01Mby
teである。 iii)タイムアウト時間の最小値は、0.1secであ
る。 iv)ACK遅延時間は、0secである。 なお、TCP受信バッファに到着したセグメントは上記
のようにデータに組み立てられてアプリケーション部1
310に転送されるが、TCP受信バッファ内のセグメ
ント量がTCP受信バッファのしきい値以下であると
き、アプリケーション部1310へのデータの転送は抑
制される。また、TCPセグメントが受信されたときに
返信されるACKは、ACK遅延時間が“0”の場合に
は、セグメント受信と同時にACKが返信される。その
他のパラメータの設定値としては、上記OPNETにお
けるデフォルト値が使用される。
【0129】また以上のモデルでは、送信端末1100
におけるATM部1130のパラメータは以下のように
設定される。 i)Nrmは、32である。 ii)ADTF(ACR Decrease Time Factor)は、0.5s
ecである。 iii)MCR(Minimum Cell Rate)は、0.5Mbpsで
ある。 iv)RIF(Rate Increase Factor)およびRDF(Rate
Decrease Factor)は、1/64以上で1以下の範囲で変
化させた値である。 v)PCR(Peak Cell Rate)は、2Mbps以上で10
Mbps以下の範囲で変化させた値である。 vi)輻輳判定しきい値Th_cgは、25以上で225以下
の範囲で変化させた値である。
【0130】なお、上記第1および第2の計算機シミュ
レーションにおけるモデルは、全て上記OPNETによ
って作成されたものである。
【0131】以下、第2の計算機シミュレーションの結
果を示す。このシミュレーション結果としての各数値
は、10通りの乱数系列に対してそれぞれシミュレーシ
ョン時間を5secとしてシミュレーションを行い、そ
れらのシミュレーション結果の平均値を算出することに
より求めたものである。
【0132】図24ないし図32は、送信端末モデルの
PCRおよびスイッチモデルの輻輳判定しきい値Th_cg
を変化させたときの、送信端末モデルのRIFおよびR
DFとTCPスループットとの関係を示している。ここ
でTCPスループットは、前述のように、受信端末モデ
ルのアプリケーション層におけるデータ受信レートの平
均値である。
【0133】図24ないし図32より、以下のことがわ
かる。 (1)1/4≦RIF≦1、RDF=1、PCR=5M
bps、Th_cg=75のときにTCPスループットが最
大になる。 (2)1/4≦RIF≦1、RDF=1、3Mbps≦
PCR≦5Mbps、25≦Th_cg≦125のときに、
TCPスループットが0.57Mbps以上の高い値を
示す。 (3)輻輳判定しきい値Th_cgおよびPCRが変動して
も、TCPスループットが約0.55Mbps以上の高
い値となるようなRIFおよびRDFの値は、1/16
≦RIF≦1、かつ、1/16≦RDF≦1の範囲に含
まれる。RIFおよびRDFがこの範囲外の値に設定さ
れると高いTCPスループットを得ることができない。 (4)従来例のフロー制御方法においてRIFおよびR
DFをともに“1/32”以下の値に設定した場合、T
CPスループットが0.50Mbps以下の低い値にな
ることが予想される。すなわち、従来のようにRIFお
よびRDFを共に“1/32”以下の値に設定した場
合、1/4≦RIF≦1、RDF=1,3Mbps≦P
CR≦5Mbps、25≦Th_cg≦125の場合と比較
してTCPスループットが90%未満の小さな値となる
ことが予想される。
【0134】以上をまとめると、1/4≦RIF≦1、
RDF=1であり、PCRの合計値TPCRが通信路の
伝送速度の20%〜60%であり、輻輳判定しきい値T
h_cgがスイッチ内バッファサイズの1/10〜1/2の
範囲である場合に、TCPスループットが非常に高い値
になる。ここでPCRについては、シミュレーションを
行ったPCRの値の周辺の範囲でも同様の傾向がみられ
るものとして上記の範囲が設定されている。また、PC
Rおよび輻輳判定しきい値Th_cgがいずれの値であって
もTCPスループットが高い値となるようなRIFおよ
びRDFの値は、1/16≦RIF≦1、かつ、1/1
6≦RDF≦1の範囲に含まれる。
【0135】なお、上記の計算機シミュレーションの結
果は、伝送距離を10km 〜 1000kmの範囲で変
化させた場合や、スイッチ内バッファサイズを1000
セルにまで変化させた場合や、MCRを0.2Mbps
〜 0.7Mbpsまで変化させた場合などにおいても
同様の傾向を示す。
【0136】<1.5 従来例における問題>以上のシ
ミュレーション結果から、従来例のフロー制御方法を通
信路の伝送速度が50Mbps以下である通信要素に適
用した場合、RIFおよびRDFがともに“1/32”
以下の値に設定されるため、例えばRDFが“1”であ
り、RIFが“1/4”以上で“1”以下の値である場
合と比較して、合計セルロス比率TCLRが約10倍以
上になることがわかる。このため、セル損失もしくは上
位層でのタイムアウト動作のために上位層でデータを再
送する必要が生じ、例えばRDFが“1”であり、RI
Fが“1/4”以上で“1”以下の値である場合と比較
して、上位層でのスループットは低下するという問題が
ある。特に、TCPによってデータを送信する場合、R
IFおよびRDFがともに“1/32”以下の値に設定
される従来例のフロー制御方法によれば、1/4≦RI
F≦1、RDF=1、3Mbps≦PCR≦5Mbp
s、25≦Th_cg≦125の場合と比較してTCPスル
ープットが90%未満の小さな値となる。
【0137】また、PCRおよび輻輳判定しきい値Th_
cgの設定方法に関する規定も存在しないために、それら
の設定値によって上位層でのスループットにばらつきが
生じるという問題もある。
【0138】なお、本特許出願時において、通信路の伝
送速度が50Mbps以下である通信要素において従来
例のフロー制御方法を用いた場合のPCR、RIF、R
DF、および輻輳判定しきい値Th_cgの値と合計セルロ
ス比率TCLRとの関係、または、PCR、RIF、R
DF、および輻輳判定しきい値Th_cgの値と上位層での
スループットとの関係に関するデータは開示されておら
ず、PCR、RIF、RDF、および輻輳判定しきい値
Th_cgの設定値に関する規定も存在しない。また、AB
Rサービスの特性に関する評価結果として、一部のパラ
メータとATM層でのスループットおよびスイッチ内セ
ルロス比率CLRswとの関係に関するデータは、特定の
ネットワークモデルにおいて開示されているが、これら
のデータにおいてはセル送信遅延時間の大きさが上位層
のスループットに与える影響は考慮されておらず、これ
らのデータを用いてパラメータの値と上位層のスループ
ットとの関係を見積もることはできない。
【0139】ここまでの議論から、従来例における問題
は以下のようにまとめられる。まず、従来例のフロー制
御方法を、通信路の伝送速度が50Mbps以下である
通信要素において適用した場合、RIF、RDFが“1
/32”以下の値に設定されるため、合計セルロス比率
TCLRが大きくなるという問題がある。さらに、TC
P/IPなどの上位層が従来例のフロー制御方法による
ABRサービスを用いてデータを送信する場合、データ
再送が頻繁に生じるため、上位層での通信効率が低下す
るという問題がある。
【0140】また、従来例のフロー制御方法を適用する
場合、パラメータの設定値については、RIFとRDF
をRIF≦1/32、RDF≦1/32の範囲で設定し
なければならず、PCRおよび輻輳判定しきい値Th_cg
は規定されていないため、データ送信時間もしくはバッ
ファ内セル損失比率が設定値によっては非常に大きくな
る可能性がある、という問題がある。
【0141】また、仮に、これらのパラメータの設定値
を、通信網をモデル化し計算機シミュレーションを行う
ことによって、データ送信時間が短くなり且つバッファ
内セル損失比率が小さくなるように設定すると仮定して
も、パラメータ設定値を決める方法が全く規定されてい
ないために、計算機シミュレーションによって評価すべ
きパラメータ設定値の組み合わせの数は膨大であり、こ
れらの中からデータ送信時間が短くなり且つバッファ内
セル損失比率が小さくなるような組み合わせを見つける
のは非常に困難であるという問題がある。
【0142】<1.6 基礎検討の結論>以上の問題を
解決し上位層での通信効率を向上させるためには、上記
の理由から、伝送帯域が50Mbps以下である場合、
RIFを“1/16”以上で“1”以下の範囲で決定さ
れた値に設定し、RDFを“1/16”以上で“1”以
下の範囲で決定された値に設定する必要がある。特に、
RIFを“1/4”以上で“1”以下の値に設定し、R
DFを“1”に設定し、輻輳判定しきい値Th_cgをバッ
ファ容量の“1/10”以上で“1/2”以下の値に設
定し、PCRをデータ送信時間とセル損失比率がともに
小さくなるような値に設定すれば、データ送信時間とセ
ルバッファ内のセル損失比率がともに非常に小さくな
る。また、TCPでデータを送信する場合、TCPスル
ープットが非常に大きくなる。データ送信時間とセル損
失比率がともに小さくなるようなPCRの設定に関して
は、PCRを、既に定義した合計セルロス比率TCLR
が最小になるような値に設定することが有効である。こ
のとき、上位層でのスループットが向上する。実際に計
算機シミュレーションを行うと、全コネクションのPC
Rの合計値TPCRが伝送帯域の20%以上で60%以
下である値のときに、データ送信時間とセルバッファ内
のセル損失比率がともに非常に小さくなり、TCPスル
ープットが非常に大きくなることがわかる。さらに、上
記のような方法でパラメータを設定すると、計算機シミ
ュレーションによって評価すべきパラメータの組み合わ
せの数も少ないため、データ送信時間が短くなり且つバ
ッファ内セル損失比率が小さくなるようなパラメータの
組み合わせを見つけるのが容易になる。
【0143】なお、上記の例においては、通信路の伝送
帯域が一定である場合を考えたが、同じ通信路において
ABRサービスが他のサービスとともに多重され、AB
Rサービスが使用する通信路の伝送帯域が50Mbps
以下の範囲を中心に変動する場合においても、同様の議
論が成立する。なお、上記議論において、伝送帯域は通
信路の伝送速度を意味する。
【0144】<2.実施形態>以下、本発明の実施形態
を図面を用いて詳細に説明する。 <2.1 通信要素>図1は、本発明の一実施形態に係
るフロー制御方法を実行するATM通信網の構成の一例
を示すブロック図である。この通信網は、送信端末12
0,130,140と、通信要素100,120を備え
ている。通信要素100は、例えばATM交換機に相当
するものであって、図2に示した従来例の通信要素20
0と同様、セルバッファ101と、輻輳通知部102
と、パラメータ設定部103と、セル数観測部104
と、輻輳検出部105とを含んでいる。これらに加え
て、本実施形態における通信要素100は、ABR伝送
帯域算出部106と、レート制御遅延時間算出部107
と、伝送帯域判定部108と、パラメータ計算部109
と、ネットワーク構成入力部111と、PCR計算部1
12とを更に含んでいる。通信要素100と110とは
通信路L100で互いに接続されている。また、送信端
末120,130,140は、それぞれ通信路L12
0、L130、L140で通信要素200に接続されて
いる。この例では、送信端末120,130,140
は、通信要素100を通して、通信要素110の方向に
存在する受信端末(図示せず)に、情報をセルの形で転
送している。この各セルは、通信要素100のセルバッ
ファ101で多重されて、通信要素110に向けて出力
される。なお、図1には、多重化のための構成が一つだ
け示されているが、セルが多重されて輻輳の発生する部
分のそれぞれに同様の構成が必要となる。
【0145】次に通信要素100の各部の動作を説明す
る。通信要素100においても、セルバッファ101、
輻輳通知部102、パラメータ設定部103、セル数観
測部104、および輻輳検出部105は、それぞれ、従
来例のフロー制御方法を実行する図2に示した構成のA
TM通信網の通信要素200における、セルバッファ2
01、輻輳通知部202、パラメータ設定部203、セ
ル数観測部204、および輻輳検出部205とほぼ同じ
動作をする。
【0146】ただし、本実施形態に係る通信要素100
おける上記各部101、102、103、104、10
5の動作には、以下に述べるように、従来例における通
信要素200の各部の動作と異なる点もある。
【0147】以下、通信要素100の各部の動作につい
て詳細に説明する。パラメータ設定部103は、ABR
サービスを使用するコネクションの設定の際に、ABR
伝送帯域算出部106とレート制御遅延時間算出部10
7とネットワーク構成入力部111にABRコネクショ
ン設定信号を入力する。
【0148】ABR伝送帯域算出部106は、ABRコ
ネクション設定信号を受け取ると、通信路の伝送帯域の
中でABRサービスに割り当てられる帯域であるABR
割り当て帯域を計算し、その値を伝送帯域判定部108
に入力する。このABR割り当て帯域は、例えば、AB
R以外のサービスに現在割り当てられている伝送帯域の
合計値である他サービス伝送帯域を計算し、通信路の伝
送帯域からこの他サービス伝送帯域を差し引くことによ
って求めることができる。また、ABR割り当て帯域の
別の計算方法として、所定時間、通信路を観測しABR
以外のサービスで使用されている伝送帯域の平均値であ
る他サービス伝送帯域平均値を求め、通信路の伝送帯域
からこの他サービス伝送帯域平均値を差し引くことによ
り求めるという方法を用いることもできる。
【0149】レート制御遅延時間算出部107は、AB
Rコネクション設定信号を受け取ると、ABRサービス
コネクションの使用を開始する各通信端末のレート制御
遅延時間を、ATM Forum Document af-tm-0056.000 「Tr
affic Management Specification Version 4.0」におい
て規定された方法に従って算出し、算出された値を伝送
帯域判定部108に入力する。ここで、レート制御遅延
時間は以下のように定義される。
【0150】一般的に、ABRサービスにおいて、送信
端末の入力レートを制御する場合には、通信網内の通信
要素が送信端末に対してレートの増加もしくは減少の指
示を開始してから、その指示に従って送信端末の入力レ
ートが増加もしくは減少を開始するまでには、遅延時間
が存在する。この遅延時間は、ここではレート制御遅延
時間と定義される。ABRサービスにおいて、通信要素
は、送信端末に対してRMセルと呼ばれるセルを送信す
ることにより、送信端末に対してレートの増加もしくは
減少を指示する。このRMセルの送信における通信路で
の伝搬遅延時間や、通信要素内のバッファにおいてRM
セルが待たされる時間や、通信要素においてRMセルを
送信するための処理時間などのために、レート制御遅延
時間が生じる。
【0151】ネットワーク構成入力部111は、通信要
素運用者が使用する入力装置およびディスプレイを持
ち、ABRコネクション設定信号を受け取ると、通信要
素運用者がネットワーク構成を示す属性であるネットワ
ーク属性の値を入力するように促すメッセージを、ディ
スプレイに表示する。通信要素運用者が、このメッセー
ジに従い、ネットワーク属性の値を入力すると、ネット
ワーク構成入力部111は、それらの値を伝送帯域判定
部108に対して出力する。ここで、ネットワーク属性
とは、例えば、ABRサービスを使用するコネクション
数や、送信端末が通信網に対してセルを入力する平均入
力レートもしくはその予想値、セルバッファ101のバ
ッファ容量などである。
【0152】伝送帯域判定部108は、ABR伝送帯域
算出部106からABR割り当て帯域の値を受け取り、
レート制御遅延時間算出部107からレート制御遅延時
間の値を受け取り、ネットワーク構成入力部111から
1つまたは複数のネットワーク属性の値を受け取ると、
受け取ったABR割り当て帯域の値が50Mbpsより
大きいか否かを判定する。その判定の結果、ABR割り
当て帯域の値が50Mbpsよりも大きい場合、伝送帯
域判定部108は、パラメータ計算部109に、ABR
割り当て帯域の値とレート制御遅延時間の値とネットワ
ーク属性の値を入力する。
【0153】一方、その判定の結果、ABR割り当て帯
域の値が50Mbpsに等しいかもしくは50Mbps
よりも小さい場合、伝送帯域判定部108は、PCR計
算部112に、ABR割り当て帯域の値とレート制御遅
延時間の値とネットワーク属性の値を入力する。
【0154】パラメータ計算部109は、伝送帯域判定
部108から、ABR割り当て帯域の値とレート制御遅
延時間の値と1つまたは複数のネットワーク属性の値を
受け取ると、RIF,RDF,PCRなどのABRパラメ
ータと輻輳判定しきい値Th_cg(以下、これらを単に
「パラメータ」と呼ぶ)の値を図4に示す手順で計算
し、計算されたパラメータの値をパラメータ設定部10
3に入力する。以下、図4に示す手順について説明す
る。
【0155】パラメータ計算部109は、図5に示すよ
うに、シミュレーション部1001と、シミュレーショ
ン反復部1002と、合計セルロス比率算出部1003
と、最小セルロス比率算出部1004とから構成され
る。
【0156】シミュレーション部1001は、入力され
るネットワーク属性の値とレート制御遅延時間の値とA
BR割り当て帯域の値に対応してネットワークモデルを
作成して、そのネットワークモデルを用いて実際のネッ
トワークにおけるセルの動きを模擬することができるシ
ミュレーションプログラムと、そのプログラムを格納す
る記憶装置と、そのプログラムを実行するためのプロセ
ッサとを有している。このシミュレーションプログラム
は、例えば、米国ワシントンDCのMIL3,Inc社
から入手可能なシミュレーションツールである“OPN
ET”などを用いて作成できる。
【0157】パラメータ計算部109がABR割り当て
帯域の値とレート制御遅延時間の値とネットワーク属性
の値を受け取ると、それらの値はすべてシミュレーショ
ン部1001に入力される。シミュレーション部100
1は、ABR割り当て帯域とレート制御遅延時間とネッ
トワーク属性の値を受け取ると、計算開始信号をシミュ
レーション反復部1002に入力する。
【0158】シミュレーション反復部1002は、RI
F,RDF,PCR,輻輳判定しきい値Th_cgなどのパ
ラメータの値の組み合わせを複数個、記憶している。ま
た、シミュレーション反復部1002は、その組み合わ
せの個数(以下「パラメータ個数」と呼ぶ)と、後述す
るシミュレーションの反復回数を示す反復回数カウンタ
の値iを記憶している。反復回数カウンタの値iは、パ
ラメータ計算部109が図4に示す手順を開始するとき
には“0”に設定されている(ステップS10)。
【0159】ここでは、シミュレーション反復部100
2が記憶しているパラメータ個数の値をNとし、シミュ
レーション反復部1002が記憶しているパラメータ値
の組み合わせをC(1),C(2),C(3),…,C
(N)で表す。NとC(1),…,C(N)の組み合わせ
は、予め設定されている。シミュレーション反復部10
02は、計算開始信号を受け取ると、反復回数カウンタ
の値iがNに等しいか否かを判定し、その結果、iがN
に等しくなければ、ステップS14へ進んで、C(i+
1)で表されるパラメータ値の組み合わせ(以下、単に
「C(i+1)の値」と呼ぶ)をシミュレーション部1
001に入力する。計算開始時には、i=0であってi
はNよりも小さいのでステップS14へ進む。
【0160】シミュレーション部1001は、C(i+
1)の値を受け取ると、シミュレーションプログラムを
用いて、C(i+1)の値と、先に受け取ったABR割
り当て帯域とレート制御遅延時間とネットワーク属性の
値に対応したネットワークモデルを作成する(ステップ
S14)。次に、シミュレーション部1001は、その
シミュレーションプログラムを用いて、実際のネットワ
ークにおけるセルの動きを有限時間の間、計算機上で模
擬実験する(ステップS16)。以下、シミュレーショ
ン部1001が行うこの模擬実験を単に「シミュレーシ
ョン」と呼ぶ。
【0161】シミュレーション部1001は、シミュレ
ーションにおいて、以下で定義されるSW内セルロス比
率CLRswと遅延セルロス比率CLRdlを計算する。こ
こで、SW内セルロス比率CLRswは、通信要素のバッ
ファに到着したセルの中でバッファあふれのために廃棄
されるセルの割合として定義される。遅延セルロス比率
CLRdlは、受信端末に到着するセルの中で、 (セル送信遅延時間) > (遅延時間保証値) となるセルの割合として定義される。ただし、セル送信
遅延時間は、セルが送信端末内で発生した時刻からその
セルが受信端末に到着する時刻までの経過時間として定
義され、遅延時間保証値は、予め設定された値であるも
のとする。この遅延時間補償値は例えば350msecであ
る。シミュレーション部1001は、シミュレーション
を終了すると、最終的に計算されたSW内セルロス比率
CLRswと遅延セルロス比率CLRdlとC(i+1)の
値とを合計セルロス比率算出部1003に入力する。
【0162】合計セルロス比率算出部1003は、SW
内セルロス比率CLRswと遅延セルロス比率CLRdlと
C(i+1)の値を受け取ると、SW内セルロス比率C
LRswと遅延セルロス比率CLRdlとの合計値として定
義される合計セルロス比率TCLRを計算し、その合計
セルロス比率TCLRとC(i+1)の値を最小セルロ
ス比率算出部1004に入力する(ステップS18)。
【0163】最小セルロス比率算出部1004は、最小
セルロス比率とそれに対応するパラメータ値の組み合わ
せ(以下では、これを「最小組み合わせ」と呼ぶ)を記
憶している。最小セルロス比率算出部1004は、合計
セルロス比率TCLRとC(i+1)を受け取ると、受
け取った合計セルロス比率TCLRと記憶している最小
セルロス比率とを比較する(ステップS20)。その比
較の結果、受け取った合計セルロス比率TCLRが記憶
している最小セルロス比率よりも小さい場合に、最小セ
ルロス比率算出部1004は、受け取った合計セルロス
比率TCLRを新たに最小セルロス比率として記憶し、
受け取ったC(i+1)の値を最小組み合わせとして記
憶し、シミュレーション終了信号をシミュレーション反
復部1002に入力する(ステップS22)。ただし、
最小セルロス比率算出部1004で記憶される最小セル
ロス比率は、パラメータ計算部が図4に示す手順を開始
するときには十分大きな値に設定されているものとす
る。ステップS20での比較の結果、受け取った合計セ
ルロス比率TCLRが記憶されている最小セルロス比率
以上である場合には、最小セルロス比率算出部1004
は、記憶されている最小セルロス比率と最小組み合わせ
のいずれをも更新することなく、シミュレーション終了
信号をシミュレーション反復部1002に入力する。
【0164】シミュレーション反復部1002は、シミ
ュレーション終了信号を受け取ると、反復回数カウンタ
の値iを1だけ増加させた値に更新する(ステップS2
4)。反復回数カウンタの値iの更新後、シミュレーシ
ョン反復部1002は、再び、反復回数カウンタの値i
がNに等しいか否かを判定する(ステップS12)。以
降、反復回数カウンタの値iがNに等しくなるまでの間
すなわちi<Nである間は、ステップS12からS24
までのステップが繰り返し実行される。この間に、反復
回数カウンタの値がNに等しくなると、シミュレーショ
ン反復部1002は、パラメータ計算終了信号を最小セ
ルロス比率算出部1004に入力する。
【0165】最小セルロス比率算出部1004は、パラ
メータ計算終了信号を受け取ると、記憶している最小組
み合わせの値を、最終的にパラメータ計算部109で計
算されたパラメータの値としてパラメータ設定部103
に入力する(ステップS26)。以上が図4に示す手順
の説明である。
【0166】PCR計算部112は、伝送帯域判定部1
08から、ABR割り当て帯域の値とレート制御遅延時
間の値と1つまたは複数のネットワーク属性の値を受け
取ると、RIF,RDF,PCR,輻輳判定しきい値Th_c
g などのパラメータの値を図4に示す手順とほぼ同様の
手順で計算し、計算したパラメータの値をパラメータ設
定部103に入力する。また、PCR計算部112の構
成も、パラメータ計算部109と同様の構成である。た
だし、PCR計算部112がパラメータの値を計算する
手順は、図4に示す手順と以下の点で異なる。すなわ
ち、PCR計算部112におけるシミュレーション反復
部1002が記憶しているパラメータ値の組み合わせに
おいて、RIFの値は“1/4”以上で“1”以下の範
囲の値であり、RDFの値は“1”であり、輻輳判定し
きい値Th_cgはセルバッファ101のバッファ容量の
“1/10”以上で“1/2”以下の範囲の値である。
したがって、PCR計算部112によって計算されるR
IF,RDF,輻輳判定しきい値Th_cgの値は、それぞ
れ、上記の範囲内となることが予め決まっているため、
PCR計算部112によって主に計算されるパラメータ
の値はPCRの値である。
【0167】パラメータ設定部103は、パラメータ計
算部109またはPCR計算部112からパラメータの
値を受け取ると、シグナリングセルを通信路に出力し、
送信端末および受信端末とネゴシエーションすることに
よって、ABRサービスを使用するコネクションのAB
Rパラメータ(RIF,RDF,PCRなど)の値を、パ
ラメータ計算部109またはPCR計算部112から受
け取った値に設定する。そして、受け取ったパラメータ
の値のうち輻輳判定しきい値Th_cgの値を輻輳検出部1
05に入力する。
【0168】輻輳検出部105は、輻輳判定しきい値T
h_cgの値を受け取ると、記憶している輻輳判定しきい値
Th_cgを、受け取った値に更新する。
【0169】図6は、通信要素100が伝送帯域判定部
108、PCR計算部112、およびパラメータ計算部
109においてパラメータの値を計算するときの動作を
示すフローチャートである。通信要素100は、その運
用開始時には、ABRコネクション設定信号待ちの状態
にある(ステップS50)。そして、その運用開始後、
ABRコネクション設定信号を受信する毎に、通信要素
100における伝送帯域判定部108が、ABR割り当
て帯域と50Mbpsとを比較する(ステップS5
2)。その比較の結果、ABR割り当て帯域が50Mb
ps以下であれば、PCR計算部112が、ABRパラ
メータである、RIF、RDF、PCR、および輻輳判
定しきい値Th_cgを下記の範囲で計算する(ステップS
54)。 1/4≦RIF≦1 …(6) RDF=1 …(7) TPCR=B_ABR×C (0.2≦C≦0.6) …(8) Th_cg=S_buf×D (0.1≦D≦0.5) …(9) ここで、B_ABRはABR割り当て帯域であり、S_bufは
スイッチ内バッファのサイズであり、TPCRは、全て
のABRコネクションについてのPCRの合計値であ
る。一方、ステップS52での比較の結果、ABR割り
当て帯域が50Mbpsを越えていれば、パラメータ計
算部109が、上記のパラメータRIF、RDF、TP
CR、およびTh_cgを任意の範囲で計算する(ステップ
S56)。
【0170】<2.2 送信端末>図7は、本実施形態
を実行するための送信端末の構成例を示すブロック図で
ある。この送信端末500は、図1に示されている送信
端末120,130,または140に相当するものであ
って、アプリケーション部510と、TCP部520
と、IP部530と、ATM部540とを備えている。
【0171】アプリケーション部510は、TCP部5
20との間でデータの授受を行うことにより所定の処理
を行うものであって、例えばFTP(File Transfer Pro
tocol)と呼ばれるプロトコルに従いファイル転送などを
行う。このファイル転送は、転送すべきファイルを構成
するデータをアプリケーション部510がTCP部52
0に渡すことにより行われる。
【0172】TCP部520は、TCP(Transmissin C
ontrol Protocol)に従った次のような動作を行う。すな
わち、TCP部520は、アプリケーション部510か
ら受け取ったデータをTCPセグメントと呼ばれる単位
に分割してIP部530に渡す。またTCP部520
は、IP部530からTCPセグメントを受け取ると、
TCPセグメントの受け取りを通知するためのACKセ
グメントをIP部530に渡す。さらにTCP部520
は、それらのセグメントからデータを生成してアプリケ
ーション部510に渡す。
【0173】IP部530は、IP(Internet Protocol
)に従った動作を行う。すなわち、IP部530は、T
CP部520からTCPセグメントを受け取ると、その
セグメントからIPパケットと呼ばれるデータ単位を作
成してATM部540に渡す。またIP部530は、A
TM部540からIPパケットを受け取ると、そのIP
パケットからTCPセグメントを作成してTCP部52
0に渡す。
【0174】ATM部540は、ATM(Asynchronous
Transfer Mode)およびABR(Available Bit Rate)サー
ビスのプロトコルに従った後述の動作を行う。
【0175】図8は、ATM部540の構成を示すブロ
ック図である。ATM部540は、セル分割部542
と、セル組立部544と、RMセル生成部548と、A
CR計算部552と、セルバッファ546と、セル受信
部554と、パラメータ決定部556とを有している。
【0176】セル分割部542は、パケットを受け取る
と、そのパケットをセルと呼ばれる単位に分割してセル
バッファ546に入力する。セル分割部542において
生成されたセルはデータセルと呼ばれる。セル受信部5
54は、通信路Lからセルを受信すると、受信したセル
がデータセルである場合にはそのセルをセル組立部54
4に渡し、受信したセルがRMセルである場合にはその
セルをACR計算部552に渡す。ACR計算部552
は、RMセルを受け取ると、ABRサービスの規定に従
ってACR(Allowed Cell Rate )を計算する。また、A
CR計算部552は、RMセルの送信間隔を計測し、そ
の計測値が所定値よりも大きい場合には、ACRの値を
ICR(Initial Cell Rate )に変更する。ACR計算部
552は、ACRの値が変化すると、新しい値をセルバ
ッファ546とRMセル生成部548に通知する。セル
バッファ546は、受信したセルを受信順に蓄積すると
ともに、蓄積されているセルをABRサービスの規定に
従って通信路Lに送出する。セルバッファ546は、セ
ルを蓄積していないときは、通信路Lにセルを送出しな
い。RMセル生成部548は、ABRサービス規定に従
って所定のタイミングでRMセルを生成して通信路Lに
送出する。なお、ABRサービスでは、データセルとR
Mセルの送信は常にACR以下の送信レートで行われる
ことが規定されている。また、送信端末500から送信
されたRMセルは受信端末によって返信される。セル組
立部544は、受信したセルを組み立てることによって
IPパケットを生成し、そのIPパケットをIP部53
0に渡す。パラメータ決定部556は、コネクション設
定時に、シグナリングセルと呼ばれるセルを交換機や受
信端末等の通信要素とやりとりすることにより、ABR
サービスで規定されたABRパラメータの値を決定す
る。
【0177】パラメータ決定部556により決定される
ABRパラメータとしては、RIFや、RDF、PCR
などがある。従来のフロー制御では、RIFおよびRD
Fは、共に“1/32”以下の値に設定される。これに
対し本実施形態では、パラメータ決定部556は、図6
に示した通信要素100の動作に対応した動作を行う。
したがって、ABR割り当て帯域B_ABRが50Mbps
以下である場合には、パラメータ決定部556におい
て、RIF、RDF、およびPCRが以下の範囲で決定
される。 1/4≦RIF≦1 …(10) RDF=1 …(11) 0.2×B_ABR≦TPCR≦0.6×B_ABR …(12) ここで、TPCRは全てのABRコネクションのPCR
の合計値である。
【0178】<2.3 実施形態の効果>上記実施形態
によれば、ATM通信網においてABRサービスを使用
するコネクションが設定される際には、通信要素100
において、ABR伝送帯域算出部106がABR割り当
て帯域を算出し、伝送帯域判定部108は、算出された
ABR割り当て帯域が50Mbps以下か否かを判定す
る。そして、そのABR割り当て帯域が50Mbps以
下の場合には、通信要素100におけるPCR計算部1
12と送信端末におけるパラメータ決定部556とによ
り、ABRパラメータである、RIF、RDF、PC
R、および輻輳判定しきい値Th_cgが、式(6)〜
(9)および式(10)〜(12)を満たす範囲内で決
定される。このような範囲でパラメータの値が設定され
ると、既述の基礎検討で明らかになったように、伝送帯
域が50Mbps以下である場合には、データ送信時間
とセルバッファ内のセル損失比率がともに非常に小さく
なり、TCPスループットが非常に大きくなる。また、
PCRは、合計セルロス比率TCLRが最小になるよう
な値に設定される。したがって、本実施形態によれば、
ABRサービスカテゴリを使用する50Mbps以下の
狭帯域のコネクションに対しても、データ送信時間とセ
ルバッファ内のセル損失比率がともに非常に小さくな
り、通信効率(TCPスループット)が非常に大きくな
る。
【0179】また、上記実施形態によれば、RIFおよ
びRDFの範囲のみならず、PCRおよび輻輳判定しき
い値Th_cgの範囲も式(8)(9)(12)により与え
られるため、データ送信時間とセルバッファ内のセル損
失比率がともに小さく通信効率が高くなるような適切な
パラメータの設定値を、計算機シミュレーションにより
効率良く求めることができる。
【0180】<3.変形例>上記実施形態では、ABR
サービスを使用するコネクションが設定される際に、A
BR割り当て帯域が50Mbps以下である場合、式
(6)〜(9)および式(10)〜(12)や図6のス
テップS54に示されているように、ABRパラメータ
である、RIF、RDF、PCR、および輻輳判定しき
い値Th_cgは、下記の式を満たすように決定される。た
だし、TPCRは全てのABRコネクションのPCRの
合計値である。 1/4≦RIF≦1 RDF=1 0.2≦TPCR≦0.6 S_buf×0.1≦Th_cg≦S_buf×0.5 しかし、既述の基礎検討によれば、図11に示されてい
るように、RIFが1/16よりも大きい場合におい
て、RDFが1/4≦RDF≦1の範囲の値に設定され
ると、RIFおよびRDFがともに“1/32”以下の
値に設定される従来例に比較して、合計セルロス比率T
CLRが1/10以下になる。したがって、上記実施形
態において、ABRサービスカテゴリを使用するコネク
ションが設定される際に、ABR割り当て帯域が50M
bps以下である場合、式(6)〜(9)および式(1
0)〜(12)に代えて、下記の式(100)および
(101)を満たす範囲でパラメータの設定値を決定す
るようにしてもよい。 1/16≦RIF≦1 …(100) 1/4≦RDF≦1 …(101) このような構成によれば、従来例に比べてTCLRが1
/10以下になるので、例えばTCPプロトコルを使用
してデータを送信する場合、TCPスループットが高い
高効率な通信が可能となる。
【0181】また、既述の基礎検討より、PCRおよび
輻輳判定しきい値Th_cgが変動してもTCPスループッ
トが高い値となるようなRIFおよびRDFの値は 1/16≦RIF≦1 …(13) 1/16≦RDF≦1 …(14) の範囲に含まれ、この範囲外の値にRIFおよびRDF
が設定されると高いTCPスループットを得ることがで
きない。したがって、ABRサービスカテゴリを使用す
る50Mbps以下の狭帯域のコネクションに対し、式
(6)〜(9)および式(10)〜(12)に代えて、
上記(13)および(14)を満たす範囲でパラメータ
の設定値を決定するようにしてもよい。このような構成
によれば、従来例に比べ、限定された範囲でパラメータ
の設定値を決定すればよいため、データ送信時間とセル
バッファ内のセル損失比率がともに小さくなりTCPス
ループットが高くなるような適切なパラメータ設定値を
計算機シミュレーション等により効率良く求めることが
できる。
【0182】上記実施形態においては、パラメータ計算
部109もしくはPCR計算部112で、パラメータの
値を計算する際に、計算機上のシミュレーションによっ
て、合計セルロス比率TCLRが最小になるようなパラ
メータの値を計算していた。しかし、パラメータ計算部
109またはPCR計算部112において、ネットワー
ク内のセルの動きを模擬実験する際に、シミュレーショ
ンプログラムではなく、電気回路などのハードウェアで
構成される装置によって模擬実験を行い、その結果に基
づき、合計セルロス比率TCLRが最小になるようなパ
ラメータの値を決定するようにしてもよい。
【0183】また、上記実施形態では、パラメータ計算
部109またはPCR計算部112においてネットワー
ク内のセルの動きを模擬実験していたが、これに代え
て、実際の通信網において有限時間、セルの動きを監視
することによって、合計セルロス比率TCLRを計算す
るようにしてもよい。
【0184】更にまた、上記実施形態において、合計セ
ルロス比率TCLRを計算しその値が最小になるように
パラメータ設定値を計算する代わりに、遅延セルロス比
率CLRdlおよびスイッチ内セルロス比率CLRswの目
標値を予め設定し、遅延セルロス比率CLRdlおよびス
イッチ内セルロス比率CLRswがともに目標値以下にな
るようにパラメータの値を計算するようにしてもよい。
【0185】更にまた、上記実施形態において、端末と
スイッチの間でシグナリングセルによるネゴシエーショ
ンを行ってABRパラメータを決定する代わりに、端末
もしくはスイッチにおいてABRパラメータの値を独自
に決定し、ネットワーク管理プロトコルであるILMI
(Integrated Local Management Interface) などを用い
て、既に決定されたABRパラメータの値を端末とスイ
ッチの間で共有するようにしてもよい。なお、ILMI
は、「The ATM Forum Integrated Local Management In
terface Specification Version 4.0」において規定さ
れている。
【0186】更にまた、上記実施形態では、伝送帯域判
定部108において伝送帯域の大きさが50Mbpsよ
り大きいか否かを判断し、その結果によってPCR計算
部112またはパラメータ計算部109においてパラメ
ータの値を計算していたが、伝送帯域の大きさによら
ず、パラメータ計算部109においてパラメータの値を
計算するようにしてもよい。この場合においても、実施
形態とほぼ同様の効果が得られる。
【0187】更にまた、上記実施形態に係るフロー制御
方法では、ABRサービスのEFCI方式が使用されて
いるが、ABRサービスのER(Explicit Cell Rate)方
式や、相対レートマーキング(relative rate marking)
方式などの他の方式を用いてもよい。
【0188】更にまた、上記実施形態では、輻輳検出方
法としてセルバッファ内のセル数と輻輳判定しきい値T
h_cgとを比較する方法が使用されていたが、他の輻輳検
出方法を使用してもよい。例えば、輻輳検出方法とし
て、セルバッファに到着するセルの速度を観測し、その
速度と予め設定されたしきい値とを比較することによっ
て輻輳を検出する方法や、セルバッファ内のセル数の増
加速度によって輻輳を検出する方法、セルバッファ内で
セル廃棄が発生したときに輻輳を検出する方法などを使
用することができる。
【0189】更にまた、上記実施形態では、計算機シミ
ュレーションによって合計セルロス比率TCLRを求め
ていたが、ATM網の数学モデルを解析的に解くことに
よって合計セルロス比率TCLRの値を計算するように
してもよい。
【0190】更にまた、上記実施形態では、合計セルロ
ス比率TCLRを用いて上位層のスループットの大きさ
を判断していたが、他の尺度によって上位層のスループ
ットの大きさを判断するようにしてもよい。ここで他の
尺度としては、例えば、基礎検討において定義したTC
Pスループットなどが考えられる。
【0191】更にまた、上記実施形態では、ABRのコ
ネクションを新たに設定するときにシミュレーションを
行うことによりパラメータの値を決定していたが、これ
に代えて、次のようにしてパラメータの値を決定するよ
うにしてもよい。すなわち、フロー制御の運用開始前
に、いくつかの運用形態を想定し、それらに対応するネ
ットワーク属性の値に対して計算機シミュレーションを
行うことによりパラメータの値を求め、ネットワーク属
性の値とパラメータの値との対応関係を示すテーブルを
用意しておく。そしてフロー制御の運用中において、A
BRのコネクションを設定する際に、そのテーブルを参
照することによりパラメータの値を決定する。ここでパ
ラメータの値を求める際に、計算機シミュレーションの
代わりに、ハードウェア装置による模擬実験を行う方法
や、実際の通信網においてセルの動きを監視する方法
や、ATM網の数学モデルを解析的に解く方法などの他
の方法によって適切なパラメータの値を求めてもよい。
また、パラメータの値を求める際に、合計セルロス比率
TCLRを用いて上位層のスループットの大きさを判断
する代わりに、基礎検討において定義したTCPスルー
プットなどの他の尺度によって上位層のスループットの
大きさを判断するようにしてもよい。
【0192】更にまた、上記実施形態では、ネットワー
ク属性の値を通信要素の管理者が入力していたが、通信
要素がいくつかのネットワーク属性の値を管理し自動的
に伝送帯域判定部に入力するようにしてもよい。
【0193】更にまた、上記実施形態の説明では、通信
要素においてABRサービスを使用するコネクションの
セルが他のサービスを使用するコネクションのセルとは
独立して処理されて、ABR割り当て帯域やセルバッフ
ァのバッファ容量が固定の大きさである、という構成
が、主として述べられているが、ABRサービスを使用
するコネクションと他のサービスを使用するコネクショ
ンとの間で、セルバッファや、通信路の伝送帯域などが
共有されて、ABRサービスに割り当てられる伝送帯域
やバッファ容量が変動するような構成としてもよい。こ
の場合、例えば上で述べたように、通信路の伝送帯域で
ABRサービスに割り当てられる伝送帯域の平均値をA
BR割り当て帯域としてネットワークモデルを作成する
ようにすればよい。また、これに代えて、他のサービス
を使用するコネクションのセルの動きもあわせてモデル
化してシミュレーションを行うことによりパラメータの
値を計算するようにしてもよい。
【0194】また、上記実施形態においては、RIF,
RDFの値によらず送信端末が式(1)および(2)に
従ってACRの値を更新する場合を考えたが、これに代
えて、使用するRIF,RDFの値を限定して、送信端
末が式(1)および(2)に従ってACRの値を更新す
るようにしてもよい。例えば、ABR割り当て帯域が5
0Mbps以下であり、RIF=RDF=1が使用され
る場合のみを想定し、送信端末はいつも、RMセル受信
時に以下の式に従ってACRを更新するようにしてもよ
い。 CIビット=0の場合 ACR=PCR CIビット=1の場合 ACR=MCR このようにすると、伝送帯域が50Mbps以下である
場合には、高い通信効率を得ることができる上に、送信
端末におけるACRの計算が簡単に行えるため、送信端
末の構成をより単純にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るフロー制御方法を実
行するための通信要素の構成を示すブロック図。
【図2】従来例のフロー制御方法を実行するための通信
要素の構成を示すブロック図。
【図3】従来例のフロー制御方法を用いた場合の、セル
バッファへセルが入力される入力レートの変動例および
通信要素のセルバッファに蓄積されたセル数の変動例を
示す図。
【図4】上記実施形態を実行するための通信要素におけ
るパラメータ計算部でのパラメータの値の計算の手順を
示すフローチャート。
【図5】上記パラメータ計算部の詳細な構成を表すブロ
ック図。
【図6】上記実施形態を実行するための通信要素におけ
る伝送帯域判定部、PCR計算部およびパラメータ計算
部においてパラメータの値を計算するときの動作を示す
フローチャート。
【図7】上記実施形態を実行するための送信端末の構成
を示すブロック図。
【図8】上記実施形態を実行するための送信端末におけ
るATM部の構成を示すブロック図。
【図9】ABRサービスにおけるスイッチ内セルロス比
率CLRswとRIF,RDFとの関係を示す図。
【図10】ABRサービスにおける遅延セルロス比率C
LRdlとRIF,RDFとの関係を示す図。
【図11】ABRサービスにおける合計セルロス比率T
CLRとRIF,RDFとの関係を示す図。
【図12】ABRサービスにおけるスイッチ内セルロス
比率CLRswとRIF,PCRとの関係を示す図。
【図13】ABRサービスにおける遅延セルロス比率C
LRdlとRIF,PCRとの関係を示す図。
【図14】ABRサービスにおける合計セルロス比率T
CLRとRIF,PCRとの関係を示す図。
【図15】ABRサービスにおける輻輳判定しきい値T
h_cgとスイッチ内セルロス比率CLRsw、遅延セルロス
比率CLRdl、合計セルロス比率TCLRとの関係を示
す図。
【図16】第1の計算機シミュレーションで用いられる
ネットワークモデルを示す図。
【図17】第1の計算機シミュレーションで用いられる
ネットワークモデルに基づくATM網の構成を示すブロ
ック図。
【図18】第1の計算機シミュレーションで用いられる
送信端末モデルを示す図。
【図19】第1の計算機シミュレーションで用いられる
スイッチモデルを示す図。
【図20】第2の計算機シミュレーションで用いられる
ネットワークモデルに基づくATM網の構成を示すブロ
ック図。
【図21】第2の計算機シミュレーションで用いられる
送信端末モデルに基づく送信端末の構成を示すブロック
図。
【図22】第2の計算機シミュレーションで用いられる
スイッチモデルに基づくATMスイッチの構成を示すブ
ロック図。
【図23】第2の計算機シミュレーションで用いられる
受信端末モデルに基づく受信端末の構成を示すブロック
図。
【図24】TCPスループットとRIF,RDFとの関
係を示す図。
【図25】TCPスループットとRIF,RDFとの関
係を示す図。
【図26】TCPスループットとRIF,RDFとの関
係を示す図。
【図27】TCPスループットとRIF,RDFとの関
係を示す図。
【図28】TCPスループットとRIF,RDFとの関
係を示す図。
【図29】TCPスループットとRIF,RDFとの関
係を示す図。
【図30】TCPスループットとRIF,RDFとの関
係を示す図。
【図31】TCPスループットとRIF,RDFとの関
係を示す図。
【図32】TCPスループットとRIF,RDFとの関
係を示す図。
【符号の説明】
100,110…通信要素 101 …セルバッファ 102 …輻輳通知部 103 …パラメータ設定部 104 …セル数観測部 105 …輻輳検出部 106 …ABR伝送帯域算出部 107 …レート制御遅延時間算出部 108 …伝送帯域判定部 109 …パラメータ計算部 111 …ネットワーク構成入力部 112 …PCR計算部 120,130,140…送信端末 500 …送信端末 540 …ATM部 546 …セルバッファ 552 …ACR計算部 554 …セル受信部 556 …パラメータ決定部 1001…シミュレーション部 1002…シミュレーション反復部 1003…合計セルロス比率算出部 1004…最小セルロス比率算出部 C1〜C10…コネクション L100,L120,L130,L140,L …通信

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ABRサービスカテゴリを使用して固定
    長のセルの形で情報を転送する1つまたは複数のコネク
    ションを50Mbps以下の伝送帯域において収容する
    ATM通信網内で使用され、前記ATM通信網により送
    信端末と受信端末の間で情報が伝送される際に、前記送
    信端末から前記ATM通信網に入力されたセルを受け取
    り、受け取った前記セルに対して所定の処理を行った後
    に前記受信端末に向けて前記セルを送出する通信要素で
    あって、 前記ABRサービスカテゴリを使用するコネクションを
    前記送信端末と前記受信端末との間に設定する際に、A
    BRサービスにおいて規定されたABRパラメータの値
    を決定するパラメータ決定手段と、 前記ABRサービスカテゴリを使用するコネクション上
    で伝送されるセルを含むセルの多重化部分において輻輳
    を検出する輻輳検出手段と、 前記輻輳が検出されているときに、前記送信端末に保持
    されている入力許可レートであるACRを減少させる指
    示を前記送信端末に対して発行し、前記輻輳が検出され
    ていないときに、前記ACRを増加させる指示を前記送
    信端末に対して発行する輻輳通知手段と、を備え、 前記パラメータ決定手段は、前記ABRパラメータの一
    つであって前記送信端末から前記ATM通信網へのセル
    の入力レートの増加速度を規定するパラメータであるR
    IFの値を、“1/16”以上で“1”以下の範囲で決
    定する、通信要素。
  2. 【請求項2】 前記パラメータ決定手段は、前記ABR
    パラメータの一つであって前記送信端末から前記ATM
    通信網へのセルの入力レートの減少速度を規定するパラ
    メータであるRDFの値を、“1/16”以上で“1”
    以下の範囲で決定する、請求項1に記載の通信要素。
  3. 【請求項3】 前記パラメータ決定手段は、前記RDF
    の値を“1/4”以上で“1”以下の範囲で決定する、
    請求項2に記載の通信要素。
  4. 【請求項4】 前記RDFの値は“1”である、請求項
    3に記載の通信要素。
  5. 【請求項5】 前記パラメータ決定手段は、前記RIF
    の値を“1/4”以上で“1”以下の範囲で決定する、
    請求項1に記載の通信要素。
  6. 【請求項6】 前記ABRパラメータの一つであって前
    記送信端末から前記ATM通信網へのセルの入力レート
    の減少速度を規定するパラメータであるRDFは“1”
    である、請求項5に記載の通信要素。
  7. 【請求項7】 前記ATM通信網内を伝送されるセルを
    多重するために前記多重化部分に設けられたバッファ
    と、 前記バッファに蓄積されている前記セルの数を観測する
    観測手段と、を備え、 前記輻輳検出手段は、前記観測手段による観測に基づ
    き、前記バッファに蓄積されている前記セルの数が予め
    設定された輻輳判定しきい値を越えると輻輳を検出し、 前記輻輳判定しきい値は、前記バッファの容量の1/1
    0以上で1/2以下の値に設定されている、請求項6に
    記載の通信要素。
  8. 【請求項8】 前記パラメータ決定手段は、前記多重化
    部分におけるセル廃棄率が小さくなり、かつ、前記送信
    端末が前記ATM通信網にセルを入力するレートである
    セル送信レートが大きくなるように、前記ABRパラメ
    ータの一つであって前記セル送信レートの最大値を規定
    するパラメータであるPCRの値を決定する、請求項1
    に記載の通信要素。
  9. 【請求項9】 前記パラメータ決定手段は、前記ABR
    パラメータの一つであって前記送信端末から前記ATM
    通信網へのセルの入力レートの最大値を規定するパラメ
    ータであるPCRの前記コネクションについての合計値
    が前記伝送帯域の20%以上で60%以下の値となるよ
    うに、前記PCRの値を決定する、請求項6に記載の通
    信要素。
  10. 【請求項10】 ABRサービスカテゴリを使用して固
    定長のセルの形で情報を転送する1つまたは複数のコネ
    クションを収容するATM通信網内で使用され、前記A
    TM通信網により送信端末と受信端末の間で情報が伝送
    される際に、前記送信端末から前記ATM通信網に入力
    されたセルを受け取り、受け取った前記セルに対して所
    定の処理を行った後に前記受信端末に向けて前記セルを
    送出する通信要素であって、 前記ABRサービスカテゴリを使用するコネクションを
    前記送信端末と前記受信端末との間に設定する際に、A
    BRサービスにおいて規定されたABRパラメータの値
    を決定するパラメータ決定手段と、 前記ABRサービスカテゴリを使用するコネクション上
    で伝送されるセルを含むセルの多重化部分において輻輳
    を検出する輻輳検出手段と、 前記輻輳が検出されているときに、前記送信端末に保持
    されている入力許可レートであるACRを減少させる指
    示を前記送信端末に対して発行し、前記輻輳が検出され
    ていないときに、前記ACRを増加させる指示を前記送
    信端末に対して発行する輻輳通知手段と、を備え、 前記パラメータ決定手段は、 前記コネクションの設定時に前記ABRサービスに割り
    当てられる帯域であるABR割り当て帯域を算出するA
    BR伝送帯域算出手段と、 前記ABR割り当て帯域が50Mbps以下か否かを判
    定する伝送帯域判定手段と、 前記ABR割り当て帯域が50Mbps以下の場合に
    は、前記ABRパラメータの値を予め決められた範囲に
    おいて求める算出手段と、を含む、通信要素。
  11. 【請求項11】 前記算出手段は、前記ABR割り当て
    帯域が50Mbps以下の場合に、前記ABRパラメー
    タの一つであって前記送信端末から前記ATM通信網へ
    のセルの入力レートの増加速度を規定するパラメータで
    あるRIFの値を、“1/16”以上で“1”以下の範
    囲で求める、請求項10に記載の通信要素。
  12. 【請求項12】 前記算出手段は、前記ABR割り当て
    帯域が50Mbps以下の場合に、前記ABRパラメー
    タの一つであって前記送信端末から前記ATM通信網へ
    のセルの入力レートの減少速度を規定するパラメータで
    あるRDFの値を、“1/16”以上で“1”以下の範
    囲で求める、請求項11に記載の通信要素。
  13. 【請求項13】 前記算出手段は、前記ABR割り当て
    帯域が50Mbps以下の場合に、前記RDFの値を
    “1/4”以上で“1”以下の範囲で求める、請求項1
    2に記載の通信要素。
  14. 【請求項14】 前記算出手段は、前記RIFの値を
    “1/4”以上で“1”以下の範囲で求める、請求項1
    1に記載の通信要素。
  15. 【請求項15】 前記ABRパラメータの一つであって
    前記送信端末から前記ATM通信網へのセルの入力レー
    トの減少速度を規定するパラメータであるRDFは
    “1”である、請求項14に記載の通信要素。
  16. 【請求項16】 ABRサービスカテゴリを使用して固
    定長のセルの形で情報を転送する1つまたは複数のコネ
    クションを50Mbps以下の伝送帯域において収容す
    るATM通信網により受信端末に情報を送信する送信端
    末として使用される通信端末であって、 前記ABRサービスカテゴリを使用するコネクションを
    前記送信端末と前記受信端末との間に設定する際に、A
    BRサービスにおいて規定されたABRパラメータの値
    を決定するパラメータ決定手段と、 入力許可レートであるACRを保持しており、前記受信
    端末に対し情報を送信するときに、前記ACR以下のレ
    ートで前記情報を含むセルを前記ATM通信網に入力す
    るセル送信手段と、 前記ATM通信網に含まれる通信要素から発行された、
    前記ACRを減少させる指示を受け取ると、前記ABR
    パラメータの一つであるRDFに基づき前記ACRを減
    少させ、前記通信要素から発行された、前記ACRを増
    加させる指示を受け取ると、前記ABRパラメータの一
    つであるRIFに基づき前記ACRを増加させるACR
    計算手段と、を備え、 前記パラメータ決定手段は前記RIFの値を“1/1
    6”以上で“1”以下の範囲で決定する、通信端末。
  17. 【請求項17】 前記パラメータ決定手段は前記RDF
    の値を“1/16”以上で“1”以下の範囲で決定す
    る、請求項16に記載の通信端末。
  18. 【請求項18】 前記パラメータ決定手段は前記RDF
    の値を“1/4”以上で“1”以下の範囲で決定する、
    請求項17に記載の通信端末。
  19. 【請求項19】 前記パラメータ決定手段は前記RIF
    の値を“1/4”以上で“1”以下の範囲で求める、請
    求項16に記載の通信端末。
  20. 【請求項20】 前記RDFは“1”である、請求項1
    9に記載の通信端末。
  21. 【請求項21】 ABRサービスカテゴリを使用して固
    定長のセルの形で情報を転送する1つまたは複数のコネ
    クションを50Mbps以下の伝送帯域において収容す
    るATM通信網により送信端末と受信端末の間で情報が
    伝送される際に、前記ATM通信網に含まれる通信要素
    と前記送信端末および前記受信端末との間で行われるフ
    ロー制御の方法であって、 前記ABRサービスカテゴリを使用するコネクションを
    前記送信端末と前記受信端末との間に設定する際に、A
    BRサービスにおいて規定されたABRパラメータの値
    を決定するパラメータ決定ステップと、 前記送信端末において、前記受信端末に対し情報を送信
    するときに、前記送信端末に保持されている入力許可レ
    ートであるACR以下のレートで前記情報を含むセルを
    前記ATM通信網に入力するセル送信ステップと、 前記通信要素において、前記ABRサービスカテゴリを
    使用するコネクション上で伝送されるセルを含むセルの
    多重化部分で輻輳を検出する輻輳検出ステップと、 前記通信要素において、前記輻輳が検出されているとき
    に、前記ACRを減少させる指示を前記送信端末に対し
    て発行する減少指示ステップと、 前記通信要素において、前記輻輳が検出されていないと
    きに、前記ACRを増加させる指示を前記送信端末に対
    して発行する増加指示ステップと、 前記送信端末において、前記ACRを減少させる指示を
    受け取ると、前記ABRパラメータの一つであるRDF
    に基づき前記ACRを減少させるACR減少ステップ
    と、 前記送信端末において、前記ACRを増加させる指示を
    受け取ると、前記ABRパラメータの一つであるRIF
    に基づき前記ACRを増加させるACR増加ステップ
    と、を備え、 前記パラメータ決定ステップでは、前記ABRパラメー
    タの一つである前記RIFの値は“1/16”以上で
    “1”以下の範囲で決定される、フロー制御の方法。
  22. 【請求項22】 前記パラメータ決定ステップでは、前
    記ABRパラメータの一つである前記RDFの値は“1
    /16”以上で“1”以下の範囲で決定される、請求項
    21に記載のフロー制御の方法。
  23. 【請求項23】 前記パラメータ決定ステップでは、前
    記RDFの値は“1/4”以上で“1”以下の範囲で決
    定される、請求項22に記載のフロー制御の方法。
  24. 【請求項24】 前記RDFの値は“1”である、請求
    項23に記載のフロー制御の方法。
  25. 【請求項25】 前記パラメータ決定ステップでは、前
    記RIFの値は“1/4”以上で“1”以下の範囲で決
    定される、請求項21に記載のフロー制御の方法。
  26. 【請求項26】 前記RDFは“1”である、請求項2
    5に記載のフロー制御の方法。
  27. 【請求項27】 ABRサービスカテゴリを使用して固
    定長のセルの形で情報を転送する1つまたは複数のコネ
    クションを収容するATM通信網により送信端末と受信
    端末の間で情報が伝送される際に、前記ATM通信網に
    含まれる通信要素と前記送信端末および前記受信端末と
    の間で行われるフロー制御の方法であって、 前記ABRサービスカテゴリを使用するコネクションを
    前記送信端末と前記受信端末との間に設定する際に、A
    BRサービスにおいて規定されたABRパラメータの値
    を決定するパラメータ決定ステップと、 前記送信端末において、前記受信端末に対し情報を送信
    するときに、前記送信端末に保持されている入力許可レ
    ートであるACR以下のレートで前記情報を含むセルを
    前記ATM通信網に入力するセル送信ステップと、 前記通信要素において、前記ABRサービスカテゴリを
    使用するコネクション上で伝送されるセルを含むセルの
    多重化部分で輻輳を検出する輻輳検出ステップと、 前記通信要素において、前記輻輳が検出されているとき
    に、前記ACRを減少させる指示を前記送信端末に対し
    て発行する減少指示ステップと、 前記通信要素において、前記輻輳が検出されていないと
    きに、前記ACRを増加させる指示を前記送信端末に対
    して発行する増加指示ステップと、 前記送信端末において、前記ACRを減少させる指示を
    受け取ると、前記ABRパラメータの一つであるRDF
    に基づき前記ACRを減少させるACR減少ステップ
    と、 前記送信端末において、前記ACRを増加させる指示を
    受け取ると、前記ABRパラメータの一つであるRIF
    に基づき前記ACRを増加させるACR増加ステップ
    と、を備え、 前記パラメータ決定ステップは、 前記通信要素において、前記コネクションの設定時に前
    記ABRサービスに割り当てられる帯域であるABR割
    り当て帯域を算出するABR伝送帯域算出ステップと、 前記ABR割り当て帯域が50Mbps以下か否かを判
    定するステップと、 前記ABR割り当て帯域が50Mbps以下の場合に
    は、前記ABRパラメータの値を予め決められた範囲に
    おいて決定するステップと、を含む、フロー制御の方
    法。
  28. 【請求項28】 前記パラメータ決定ステップでは、前
    記RIFの値は“1/16”以上で“1”以下の範囲で
    決定される、請求項27に記載のフロー制御の方法。
  29. 【請求項29】 前記パラメータ決定ステップでは、前
    記RDFの値は“1/16”以上で“1”以下の範囲で
    決定される、請求項28に記載のフロー制御の方法。
  30. 【請求項30】 前記パラメータ決定ステップでは、前
    記RDFの値は“1/4”以上で“1”以下の範囲で決
    定される、請求項29に記載のフロー制御の方法。
  31. 【請求項31】 前記パラメータ決定ステップでは、前
    記RIFの値は“1/4”以上で“1”以下の範囲で決
    定される、請求項28に記載のフロー制御の方法。
  32. 【請求項32】 前記RDFは“1”である、請求項3
    1に記載のフロー制御の方法。
JP14405899A 1998-05-27 1999-05-24 フロ―制御方法ならびにそれを実行する通信要素および通信端末 Pending JP2000049788A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1314238C (zh) * 2003-07-16 2007-05-02 中兴通讯股份有限公司 实现嵌入式系统中任务间自适应通讯的方法
JP7453426B2 (ja) 2021-05-17 2024-03-19 新華三技術有限公司 ネットワーク管理システム、方法、装置及び電子機器
JP7480866B2 (ja) 2020-12-18 2024-05-10 日本電信電話株式会社 トラヒック制御装置、トラヒック制御方法、通信システムおよびプログラム

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