JP2000049062A - 試料の分離装置及び分離方法 - Google Patents

試料の分離装置及び分離方法

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JP2000049062A JP10211510A JP21151098A JP2000049062A JP 2000049062 A JP2000049062 A JP 2000049062A JP 10211510 A JP10211510 A JP 10211510A JP 21151098 A JP21151098 A JP 21151098A JP 2000049062 A JP2000049062 A JP 2000049062A
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清文 坂口
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和明 近江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内部に分離用の層を有する貼り合わせ基板を分
離する際に欠陥が発生することを防止する。 【解決手段】内部に多孔質層101bを有する貼り合わ
せ基板101を第1及び第2工程の2段階で分離する。
第1工程では、貼り合わせ基板101を回転させながら
多孔質層101bに向けてジェットを噴射して、多孔質
層101bの中央部分を未分離領域として残すようにし
て、貼り合わせ基板101を部分的に分離する。第2工
程では、貼り合わせ基板101の回転を止めた状態で、
多孔質層101bに対してジェットを噴射して、これに
より、未分離領域に対して所定方向から力を作用させ
て、貼り合わせ基板101を完全に分離する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料の分離装置及
び分離方法に係り、特に、内部に分離用の層を有する試
料を該分離用の層で分離するのに好適な分離装置及び分
離方法に関する。
【0002】
【従来の技術】絶縁層上に単結晶Si層を有する基板と
して、SOI(silicon on insulator)構造を有する基
板(SOI基板)が知られている。このSOI基板を採
用したデバイスは、通常のSi基板では達成し得ない数
々の優位点を有する。この優位点としては、例えば、以
下のものが挙げられる。 (1)誘電体分離が容易で高集積化に適している。 (2)放射線耐性に優れている。 (3)浮遊容量が小さく、素子の動作速度の高速化が可
能である。 (4)ウェル工程が不要である。 (5)ラッチアップを防止できる。 (6)薄膜化による完全な空乏型電解効果トランジスタ
の形成が可能である。
【0003】SOI構造は、上記のような様々な優位点
を有するため、ここ数十年、その形成方法に関する研究
が進められてきた。
【0004】SOI技術としては、古くは、単結晶サフ
ァイア基板上にSiをCVD(化学気層成長)法でヘテ
ロエピタキシ成長させて形成するSOS(silicon on s
apphire)技術が知られている。このSOS技術は、最
も成熟したSOI技術として一応の評価を得たものの、
Si層と下地のサファイア基板との界面における格子不
整合による大量の結晶欠陥の発生、サファイア基板を構
成するアルミニウムのSi層への混入、基板の価格、大
面積化への遅れ等の理由により実用化が進んでいない。
【0005】SOS技術に次いで、SIMOX(separa
tion by ion implanted oxygen)技術が登場した。この
SIMOX技術に関して、結晶欠陥の低減や製造コスト
の低減等を目指して様々な方法が試みられてきた。この
方法としては、基板に酸素イオンを注入して埋め込み酸
化層を形成する方法、酸化膜を挟んで2枚のウェハを貼
り合わせて一方のウェハを研磨又はエッチングして、薄
い単結晶Si層を酸化膜上に残す方法、更には、酸化膜
が形成されたSi基板の表面から所定の深さに水素イオ
ンを打ち込み、他方の基板と貼り合わせた後に、加熱処
理等により該酸化膜上に薄い単結晶Si層を残して、貼
り合わせた基板(他方の基板)を剥離する方法等が挙げ
られる。
【0006】本出願人は、特開平5−21338号にお
いて、新たなSOI技術を開示した。この技術は、多孔
質層が形成された単結晶半導体基板上に非多孔質単結晶
層(単結晶Si層を含む)を形成した第1の基板を、絶
縁層を介して第2の基板に貼り合わせ、その後、多孔質
層で両基板を分離し、第2の基板に非多孔質単結晶層を
移し取るものである。この技術は、SOI層の膜厚均一
性が優れていること、SOI層の結晶欠陥密度を低減し
得ること、SOI層の表面平坦性が良好であること、高
価な特殊仕様の製造装置が不要であること、数100Å
〜10μm程度の範囲のSOI膜を有するSOI基板を
同一の製造装置で製造可能なこと等の点で優れている。
【0007】更に、本出願人は、特開平7−30288
9号において、上記の第1の基板と第2の基板とを貼り
合わせた後に、第1の基板を破壊することなく第2の基
板から分離し、その後、分離した第1の基板の表面を平
滑にして再度多孔質層を形成し、これを再利用する技術
を開示した。この技術は、第1の基板を無駄なく使用で
きるため、製造コストを大幅に低減することができ、製
造工程も単純であるという優れた利点を有する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の技術において、
2枚の基板を貼り合わせた基板(以下、貼り合わせ基
板)を多孔質層で分離する際、基板に損傷を与えること
なく、再現性良く分離することが望まれる。
【0009】本発明は、上記の背景に鑑みてなされたも
のであり、例えば、内部に分離用の層を有する基板等の
試料を分離する際に欠陥が発生することを防止するため
に好適な装置及び方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の側面に係
る分離装置は、内部に分離用の層を有する試料を該分離
用の層で分離する分離装置であって、前記分離用の層の
所定領域を未分離領域として残すようにして、該分離用
の層で前記試料を部分的に分離する第1の分離手段と、
前記第1の分離手段により処理された前記試料の前記未
分離領域に対して所定方向から力を作用させて前記試料
を完全に分離する第2の分離手段とを備えることを特徴
とする。
【0011】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記試料は、前記分離用の層として脆弱な
構造の層を有する板状部材であることが好ましい。
【0012】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の分離手段は、前記未分離領域と
して略円形の領域を残すようにして、前記試料を部分的
に分離することが好ましい。
【0013】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の分離手段は、前記未分離領域と
して略円形の領域を前記分離用の層の略中央部に残すよ
うにして、前記試料を部分的に分離することが好まし
い。
【0014】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の分離手段は、前記分離用の層に
直交する軸を中心として該試料を回転させながら、該分
離用の層に向けて流体を噴射することにより該試料を部
分的に分離し、前記第2の分離手段は、前記試料を回転
させることなく保持して、部分的な分離処理により生じ
た該試料の隙間に向けて流体を噴射することにより、該
試料に残っている前記未分離領域を分離することが好ま
しい。
【0015】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の分離手段は、前記分離用の層に
直交する軸を中心として該試料を回転させながら、該試
料の前記分離用の層に向けて流体を噴射することにより
該試料を部分的に分離し、前記第2の分離手段は、前記
試料の回転を実質的に停止させて、部分的な分離処理に
より生じた該試料の隙間に向けて流体を噴射することに
より、該試料に残っている前記未分離領域を分離するこ
とが好ましい。
【0016】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第2の分離手段は、部分的な分離処理
により生じた前記試料の隙間に楔を挿入することによ
り、該試料を完全に分離することが好ましい。
【0017】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の分離手段による処理の後に残る
前記未分離領域は、前記第1の分離手段により分離され
る領域よりも小さいことが好ましい。
【0018】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記試料は、脆弱な層を内部に有する第1
の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてなるこ
とが好ましい。
【0019】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記脆弱な層は、多孔質層であることが好
ましい。
【0020】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板であ
る。
【0021】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板の片面
に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を形成
してなる。
【0022】上記の第1の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記非多孔質層は、単結晶半導体層を含
む。
【0023】本発明の第1の側面に係る分離装置は、内
部に分離用の層を有する試料を該分離用の層で分離する
分離装置であって、前記試料の分離用の層に直交する軸
を中心として前記試料を回転させる駆動機構と、前記分
離用の層に向けて流体を噴射する噴射部とを備え、ま
ず、前記駆動機構により前記試料を回転させながら、前
記分離用の層の所定領域を未分離領域として残すように
して、前記噴射部からの流体により該分離用の層で該試
料を部分的に分離し、次いで、該試料の回転を実質的に
停止させた状態で、前記噴射部からの流体により該未分
離領域の部分を分離して該試料を完全に分離することを
特徴とする。
【0024】上記の第2の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記試料は、前記分離用の層として脆弱な
構造の層を有する板状部材であることが好ましい。
【0025】上記の第2の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記試料の部分的な分離処理の際に、前記
未分離領域として略円形の領域を残すことが好ましい。
【0026】上記の第2の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記試料の部分的な分離処理の際に、前記
未分離領域として略円形の領域を前記分離用の層の略中
央部に残すことが好ましい。
【0027】上記の第2の側面に係る分離装置におい
て、例えば、部分的な分離処理の後に残る前記未分離領
域は、該部分的な分離処理により分離された領域よりも
小さいことが好ましい。
【0028】上記の第2の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記試料は、脆弱な層を内部に有する第1
の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてなるこ
とが好ましい。
【0029】上記の第2の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記脆弱な層は、多孔質層であることが好
ましい。
【0030】上記の第2の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板であ
る。
【0031】上記の第2の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板の片面
に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を形成
してなる。
【0032】上記の第2の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記非多孔質層は、単結晶半導体層を含
む。
【0033】本発明の第3の側面に係る分離装置は、内
部に分離用の層を有する試料を該分離用の層で分離する
分離装置であって、前記分離用の層の所定領域を未分離
領域として残すようにして、該分離用の層で前記試料を
部分的に分離する第1の分離機構と、前記第1の分離機
構による分離処理により前記試料に生じた隙間に所定方
向から力を作用させることにより、該試料を完全に分離
する第2の分離機構とを備えることを特徴とする。
【0034】上記の第3の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の分離機構は、前記分離用の層に
直交する軸を中心として前記試料を回転させながら該分
離用の層に向けて流体を噴射することにより該試料を部
分的に分離することが好ましい。
【0035】上記の第3の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第2の分離機構は、前記試料の隙間に
対して楔を挿入することにより該試料を完全に分離する
ことが好ましい。
【0036】上記の第3の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の分離機構により処理された試料
を前記第2分離機構に搬送する搬送ロボットを更に備え
ることが好ましい。
【0037】上記の第3の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記試料を前記第1の分離機構又は前記第
2の分離機構に対して位置合わせする位置合わせ機構を
更に備えることが好ましい。
【0038】上記の第3の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の分離機構による処理の後に残る
前記未分離領域は、前記第1の分離機構により分離され
る領域よりも小さいことが好ましい。
【0039】上記の第3の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記試料は、脆弱な層を内部に有する第1
の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてなるこ
とが好ましい。
【0040】上記の第3の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記脆弱な層は、多孔質層であることが好
ましい。
【0041】上記の第3の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板であ
る。
【0042】上記の第3の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板の片面
に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を形成
してなる。
【0043】上記の第3の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記非多孔質層は、単結晶半導体層を含
む。
【0044】本発明の第4の側面に係り分離装置は、内
部に分離用の層を有する試料を該分離用の層で分離する
分離装置であって、前記分離用の層の所定領域を未分離
領域として残すようにして該分離用の層で部分的に分離
された試料の一部を保持して実質的に静止させる保持機
構と、前記保持機構により保持された試料の前記未分離
領域に対して所定方向から力を作用させて該試料を完全
に分離する分離機構とを備えることを特徴とする。
【0045】上記の第4の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記試料は、前記分離用の層として脆弱な
構造の層を有する板状部材であることを特徴とする請求
項35に記載の分離装置。
【0046】上記の第4の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記分離機構は、部分的な分離処理により
形成された前記試料の隙間に向けて流体を噴射すること
により該試料を完全に分離することが好ましい。
【0047】上記の第4の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記分離機構は、部分的な分離処理により
形成された前記試料の隙間に楔を挿入することにより、
該試料を完全に分離することが好ましい。
【0048】上記の第4の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記未分離領域は、既に分離されている領
域よりも小さいことが好ましい。
【0049】上記の第4の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記試料は、脆弱な層を内部に有する第1
の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてなるこ
とが好ましい。
【0050】上記の第4の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記脆弱な層は、多孔質層であることが好
ましい。
【0051】上記の第4の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板であ
る。
【0052】上記の第4の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板の片面
に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を形成
してなる。
【0053】上記の第4の側面に係る分離装置におい
て、例えば、前記非多孔質層は、単結晶半導体層を含
む。
【0054】本発明の第5の側面に係る分離方法によれ
ば、内部に分離用の層を有する試料を該分離用の層で分
離する分離方法であって、前記分離用の層の所定領域を
未分離領域として残すようにして、該分離用の層で前記
試料を部分的に分離する第1の分離工程と、前記第1の
分離工程で処理された前記試料の前記未分離領域に対し
て所定方向から力を作用させて前記試料を完全に分離す
る第2の分離工程とを有することを特徴とする。
【0055】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記試料は、前記分離用の層として脆弱な
構造の層を有する板状部材であることが好ましい。
【0056】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記第1の分離工程では、前記未分離領域
として略円形の領域を残すようにして、前記試料を部分
的に分離することが好ましい。
【0057】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記第1の分離工程では、前記未分離領域
として略円形の領域を前記分離用の層の略中央部に残す
ようにして、前記試料を部分的に分離することが好まし
い。
【0058】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記第1の分離工程では、前記分離用の層
に直交する軸を中心として該試料を回転させながら、該
分離用の層に向けて流体を噴射することにより該試料を
部分的に分離し、前記第2の分離工程では、前記試料を
回転させることなく保持して、部分的な分離処理により
生じた該試料の隙間に向けて流体を噴射することによ
り、該試料に残っている前記未分離領域を分離すること
が好ましい。
【0059】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記第1の分離工程では、前記分離用の層
に直交する軸を中心として該試料を回転させながら、該
試料の前記分離用の層に向けて流体を噴射することによ
り該試料を部分的に分離し、前記第2の分離工程では、
前記試料の回転を実質的に停止させて、部分的な分離処
理により生じた該試料の隙間に向けて流体を噴射するこ
とにより、該試料に残っている前記未分離領域を分離す
ることが好ましい。
【0060】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記第2の分離工程では、部分的な分離処
理により生じた前記試料の隙間に楔を挿入することによ
り、該試料を完全に分離することが好ましい。
【0061】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記第1の分離工程の後に残る前記未分離
領域は、前記第1の分離工程で分離される領域よりも小
さいことが好ましい。
【0062】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記試料は、脆弱な層を内部に有する第1
の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてなるこ
とが好ましい。
【0063】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記脆弱な層は、多孔質層であることが好
ましい。
【0064】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板であ
る。
【0065】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板の片面
に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を形成
してなることが好ましい。
【0066】上記の第5の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記非多孔質層は、単結晶半導体層を含む
ことが好ましい。
【0067】本発明の第6の側面に係る分離方法は、内
部に分離用の層を有する試料を該分離用の層で分離する
分離方法であって、 前記分離用の層の所定領域を未分
離領域として残すようにして該分離用の層で部分的に分
離された試料の一部を保持して実質的に静止させる静止
工程と、静止した前記試料の前記未分離領域に対して所
定方向から力を作用させて該試料を完全に分離する分離
工程とを有する特徴とする。
【0068】上記の第6の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記試料は、前記分離用の層として脆弱な
構造の層を有する板状部材であることが好ましい。
【0069】上記の第6の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記分離工程では、部分的な分離処理によ
り形成された前記試料の隙間に向けて流体を噴射するこ
とにより該試料を完全に分離することが好ましい。
【0070】上記の第6の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記分離工程では、部分的な分離処理によ
り形成された前記試料の隙間に楔を挿入することによ
り、該試料を完全に分離することが好ましい。
【0071】上記の第6の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記未分離領域は、既に分離されている領
域よりも小さいことが好ましい。
【0072】上記の第6の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記試料は、脆弱な層を内部に有する第1
の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてなるこ
とが好ましい。
【0073】上記の第6の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記脆弱な層は、多孔質層であることが好
ましい。
【0074】上記の第6の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板であ
る。
【0075】上記の第6の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記第1の板状部材は、半導体基板の片面
に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を形成
してなる。
【0076】上記の第6の側面に係る分離方法におい
て、例えば、前記非多孔質層は、単結晶半導体層を含
む。
【0077】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照しながら本
発明の好適な実施の形態を説明する。
【0078】図1は、本発明の好適な実施の形態に係る
SOI基板の製造を方法を工程順に説明する図である。
【0079】図1(a)に示す工程では、単結晶Si基
板11を準備して、その表面に陽極化成等により多孔質
Si層12を形成する。次いで、図1(b)に示す工程
では、多孔質Si層12上に非多孔質単結晶Si層13
をエピタキシャル成長法により形成する。これにより、
第1の基板()が形成される。
【0080】図1(c)に示す工程では、先ず、単結晶
Si基板14の表面に絶縁層(例えば、SiO2層)1
5を形成した第2の基板()を準備し、第1の基板
()と第2の基板()とを、非多孔質単結晶Si層
13と絶縁層15とが面するように室温で密着させる。
その後、陽極接合、加圧若しくは熱処理又はこれらを組
合わせた処理により第1の基板()と第2の基板
()とを貼り合わせる。この処理により、非多孔質単
結晶Si層13と絶縁層15が強固に結合される。な
お、絶縁層15は、上記のように単結晶Si基板14側
に形成しても良いし、非多孔質単結晶Si層13上に形
成しても良く、両者に形成しても良く、結果として、第
1の基板と第2の基板を密着させた際に、図1(c)に
示す状態になれば良い。
【0081】図1(d)に示す工程では、貼り合わせた
2枚の基板を、多孔質Si層12の部分で分離する。こ
れにより、第2の基板側(''+)は、多孔質Si層
12''/単結晶Si層13/絶縁層15/単結晶Si基
板14の積層構造となる。一方、第1の基板側(')
は、単結晶Si基板11上に多孔質Si層12’を有す
る構造となる。
【0082】分離後の基板(’)は、残留した多孔質
Si層12’を除去し、必要に応じて、その表面を平坦
化することにより、再び第1の基板()を形成するた
めの単結晶Si基板11として使用される。
【0083】貼り合わせた基板を分離した後、図1
(e)に示す工程では、第2の基板側(''+)の表
面の多孔質層12''を選択的に除去する。これにより、
単結晶Si層13/絶縁層15/単結晶Si基板14の
積層構造、すなわち、SOI構造を有する基板が得られ
る。
【0084】この実施の形態においては、図1(d)に
示す工程、すなわち、貼り合わせ基板を分離する工程の
少なくとも一部において、分離用の層である多孔質Si
層に向けて液体又は気体(流体)を噴射することにより
該分離用の層で貼り合わせ基板を2枚に分離する分離装
置を使用する。
【0085】[分離装置の基本構成]この分離装置は、
ウォータージェット法を適用したものである。一般に、
ウォータジェット法は、水(固い材料を切断する場合に
は研磨材を加える)を高速、高圧の束状の流れにして対
象物に対して噴射して、セラミックス、金属、コンクリ
ート、樹脂、ゴム、木材等の切断、加工、表面の塗膜の
除去、表面の洗浄等を行う方法である(ウォータージェ
ット第1巻1号第4ページ参照)。従来、ウォータージ
ェット法は、主に材料の一部を除去することにより、上
記のような切断、加工、塗膜の除去、表面の洗浄を行う
ことに利用されていた。
【0086】この分離装置は、脆弱な構造部分である貼
り合わせ基板の多孔質層(分離用の層)に向けて流体を
束状の流れにして噴射して、多孔質層を選択的に崩壊さ
せることにより、多孔質層の部分で基板を分離するもの
である。以下では、この束状の流れを「ジェット」とい
う。また、ジェットを構成する流体を「ジェット構成媒
体」という。ジェット構成媒体としては、水、アルコー
ル等の有機溶媒、弗酸、硝酸その他の酸、水酸化カリウ
ムその他のアルカリ、空気、窒素ガス、炭酸ガス、希ガ
ス、エッチングガスその他の気体、プラズマ等を使用し
得る。
【0087】この分離装置を半導体装置の製造工程、例
えば貼り合わせ基板の分離工程に適用する場合、ジェッ
ト構成媒体としては、不純物金属やパーティクル等を極
力除去した純水を使用することが好ましい。
【0088】この分離装置は、貼り合せ基板の側面に表
出した多孔質層に向けてジェットを噴射することによ
り、多孔質層を外周部分から中心部分に向かって除去す
る。これにより、貼り合わせ基板は、その本体部分に損
傷を受けることなく、機械的な強度が脆弱な多孔質層の
みが除去され、2枚の基板に分離される。
【0089】図2は、本発明の好適な実施の形態に係る
分離装置の概略構成を示す図である。この分離装置10
0は、真空吸着機構を備えた基板保持部120,150
を有し、この基板保持部120,150により貼り合わ
せ基板101を両側から挟むようにして保持する。貼り
合わせ基板101は、内部に脆弱な構成部である多孔質
層101bを有し、この分離装置100により、この多
孔質層101bの部分で2つの基板101a,101c
に分離される。この分離装置100においては、例え
ば、基板101aが図1における第1の基板側
(’)、基板101cが図1における第2の基板側
(''+)になるようにセットする。
【0090】基板保持部120,150は、同一の回転
軸上に存在する。基板保持部120は、ベアリング10
8を介して支持台109に回転可能に軸支された回転軸
104の一端に連結され、この回転軸104の他端はモ
ータ110の回転軸に連結されている。したがって、モ
ータ110が発生する回転力により、基板保持部120
に真空吸着された貼り合わせ基板101が回転すること
になる。このモータ110は、コントローラ190によ
り制御され、該コントローラ190から指示される回転
速度で回転軸104を回転させたり、回転を停止させた
りする。
【0091】基板保持部150は、ベアリング111を
介して支持台109に摺動可能かつ回転可能に軸支され
た回転軸103の一端に連結され、この回転軸103の
他端は、支持台109に固定されたエアシリンダ112
に連結されている。このエアシリンダ112は、コント
ローラ190により制御されるシリンダ駆動部191に
より駆動される。このエアシリンダ112が回転軸10
3を押し出すことにより、貼り合わせ基板101は、基
板保持部150によって押圧される。支持台109に
は、回転軸103の周囲を覆うようにしてシール部材1
13が固定されている。このシール部材113は、例え
ばゴム等で構成され、ジェット構成媒体がベアリング1
11側に進入することを防止している。
【0092】基板支持部120,150には、真空吸着
機構として、夫々1又は複数の吸引孔181,182が
設けられており、この吸引孔181,182は、夫々回
転軸104,103中を通して回転シール部104a,
103aに通じている。回転シール部104a,103
aには、夫々真空ライン104b,103bが連結され
ている。これらの真空ライン104b,103bには、
貼り合わせ基板101又は分離後の基板の着脱を制御す
るための電磁弁が取り付けられている。この電磁弁は、
コントローラ190により制御される。
【0093】以下、まず、この分離装置100を使用し
た基本的な分離処理及びその処理の問題点を説明し、次
いで、本発明の好適な実施の形態として、改良された分
離処理に関して説明する。
【0094】[分離装置による基本的な分離処理]ま
ず、エアシリンダ112に回転軸103を収容させるこ
とにより、基板保持部120及び150の夫々の吸着面
の間に相応の距離を設ける。次いで、基板保持部120
と基板保持部150との間に搬送ロボット等により貼り
合せ基板101を搬送し、該貼り合わせ基板101の中
心と回転軸104及び103の中心軸とを位置合せす
る。次いで、コントローラ190がエアシリンダ112
に回転軸103を押し出させることにより、貼り合わせ
基板101を押圧して保持する(図2に示す状態)。
【0095】次いで、コントローラ190は、モータ1
10を制御して貼り合わせ基板101を一定の回転速度
で回転させる。これにより、回転軸104、基板保持部
120、貼り合わせ基板101、基板保持部150及び
回転軸103は一体化して回転する。
【0096】次いで、コントローラ190は、ポンプ1
14を制御してノズル102にジェット構成媒体(例え
ば、水)を送り込み、ノズル102から噴射されるジェ
ットが安定するまで待つ。ジェットが安定したら、コン
トローラ190は、ノズル駆動部106を制御して貼り
合わせ基板101の中心上にノズル102を移動させ、
貼り合わせ基板101の多孔質層101bにジェットを
挟入させる。
【0097】ジェットが挟入されると、貼り合わせ基板
101には、脆弱な構造部である多孔質層101bに連
続的に注入されるジェット構成媒体の圧力による分離力
が作用し、これにより基板101a及び101cを連結
している多孔質層101bが破壊される。この処理によ
り、例えば数分程度で貼り合わせ基板101を完全に分
離することができる。
【0098】貼り合わせ基板101が2枚の基板に分離
されたら、コントローラ190は、ノズル駆動部106
を制御してノズル102を待機位置に移動させ、次い
で、ポンプ114の動作を停止させる。また、コントロ
ーラ190は、モータ110を制御して貼り合わせ基板
101の回転を停止させ、前述の電磁弁を制御すること
により、分離された各基板101a,101cを夫々基
板保持部120、150に真空吸着させる。
【0099】次に、コントローラ190は、エアシリン
ダ112に回転軸103を収容させる。これにより、物
理的に分離されていた2枚の基板は、ジェット構成媒体
(例えば、水)の表面張力を断って2体に引き離され
る。
【0100】上記のような分離処理によれば、貼り合わ
せ基板101を効率的に分離することができ、また、基
板の損傷や汚染が少ない。従って、この分離処理は、貼
り合わせ基板又は他の類似の試料を分離する上で極めて
有望であると考えられる。しかしながら、以下に示すよ
うな解決すべき課題が残されている。
【0101】[基本的な分離処理における課題]図3
は、上記の分離処理、即ち、貼り合わせ基板を一定速度
で回転させながら2枚の基板に分離する処理により生じ
ることがある欠陥101d及び101eを模式的に示す
図である。このような欠陥101d及び101cは、貼
り合わせ基板101の分離処理の最終段階で分離される
部分において生じる。
【0102】このような欠陥101d及び101cが大
きい場合は、多孔質層(101b;図1では12)と隣
り合う層(例えば、図1に示す単結晶Si層13)に損
傷を与えることとなり、分離された基板を次工程(例え
ば、図1(e)に示す工程)で使用することができなく
なる。
【0103】このような欠陥101d、101eが生じ
る原因は、大凡次の通りであると考えられる。貼り合わ
せ基板の分離処理において、貼り合わせ基板101に
は、第1に、基板保持部150(エアシリンダ112)
による押圧力が貼り合わせ基板101を挟む方向に作用
し、第2に、貼り合わせ基板101の分離により生じる
隙間に注入されるジェット構成媒体による貼り合わせ基
板101を膨張させる力(分離力)が作用し、第3に、
貼り合わせ基板101の未分離領域における多孔質層1
01の結合力(分離力に対する抗力)が作用する。
【0104】ここで、エアシリンダ112による押圧力
は略一定に維持される。一方、分離力は、貼り合わせ基
板の分離された領域の拡大に伴って急速に増大すると考
えられる。また、結合力は、未分離領域の縮小に伴って
当然に減少する。
【0105】従って、貼り合わせ基板の外周部分を分離
している段階では、(結合力)+(押圧力)>>(分離
力)の関係が維持され、過大な分離力が貼り合わせ基板
に対して作用することはないと考えられる。
【0106】ところが、分離が進行して、(結合力)+
(押圧力)<(分離力)の関係が成立すると、基板保持
部150が後退を開始するため、貼り合わせ基板に対し
て分離力がより効率的に作用して分離の進行が加速され
る。そして、分離処理の最終段階では、結合力の低下と
分離力の急速な増大により、(結合力)+(押圧力)<
<(分離力)となり、この過大な分離力が未分離領域の
略全体に対して作用すると考えられる。この時、貼り合
わせ基板101の最終的な分離は、ジェットの衝撃では
なく、主に分離力、即ち、貼り合わせ基板の分離により
生じた隙間に注入されたジェット構成媒体が貼り合わせ
基板を膨張させる力によって未分離領域の全体が一括し
て引き剥がされることによって起こると考えられる。
【0107】以下では、分離処理による欠陥の発生を低
減するための改良された分離処理に関して説明する。
【0108】[改良された分離処理]本発明者は、実験
の結果、次のような方法により上記の欠陥の発生を低減
するできることを見出した。
【0109】即ち、第1工程において、多孔質層101
bの所定領域を未分離領域として残すようにして、貼り
合わせ基板101を部分的に分離する。ここで、未分離
領域は、略円形であることが好ましく、その位置は、貼
り合わせ基板101の略中央部であることが好ましい。
【0110】次いで、第2工程において、未分離領域に
対して、全周的にではなく、所定方向から力を作用させ
て、貼り合わせ基板101を完全に分離する。このよう
に、未分離領域に対して所定方向から力を作用させるこ
とにより、未分離領域の周辺の一部に対しては強い分離
力を作用させ、他の部分に対しては弱い分離力を作用さ
せながら徐々に分離領域を拡大させることができる。し
たがって、未分離領域を一括的に分離する場合と比較し
て、分離された各基板に欠陥が生じることが効果的に防
止される。
【0111】以下、改良された分離処理の好適な実施の
形態を説明する。
【0112】(第1の実施の形態)この実施の形態で
は、先ず、第1工程において、ノズル102を貼り合わ
せ基板101の中心上に位置させ、モータ110により
貼り合わせ基板101を回転させながら(例えば、8r
pm)、貼り合わせ基板101の周辺部を分離し、中央
部を未分離領域として残す。ここで、貼り合わせ基板1
01を回転させながら分離処理を実行するのは、第1工
程の後に残る未分離領域202の形状及び位置を多数枚
の貼り合わせ基板について均一化するためである。これ
により、第2工程において各貼り合わせ基板101を略
同一の条件で処理することができる。
【0113】図4は、この実施の形態の第1工程により
貼り合わせ基板101が部分的に分離される様子を模式
的に示す図である。同図において、201は、第1工程
の進行中における分離領域と未分離領域との境界を示
す、境界201の外側が既に分離された領域であり、境
界201の内側が未だ分離されていない領域である。こ
の実施の形態の第1工程では、貼り合わせ基板101を
回転させながら分離処理を進めるため、境界201の軌
跡は渦巻状になる。斜線を付していない領域202は、
第1工程の実行後に残った未分離領域であり、その形状
は略円形であり、その位置は貼り合わせ基板101の略
中央部である。また、斜線を付した領域203は、第1
工程の実行により分離された領域(分離領域)である。
未分離領域202は、分離領域203よりも小さいこと
が好ましい。
【0114】このように、貼り合わせ基板101を回転
させながら第1工程を実行することにより、目標とする
領域、例えば、貼り合わせ基板101の中央部分を未分
離領域202として残すことができるため、各貼り合わ
せ基板101について第2工程を略同一の条件で実行す
ることができる。
【0115】次いで、第2工程において、貼り合わせ基
板101の回転速度を低くして実質的に回転を停止させ
た状態(例えば、2rpm以下)、或いは、貼り合わせ
基板101の回転を完全に停止させた状態で未分離領域
202を分離する。これにより、未分離領域202に対
して所定方向から力を作用させることができる。ここ
で、貼り合わせ基板101の回転を完全に停止させるこ
とが最も好ましい。
【0116】図5は、この実施の形態の第2工程により
貼り合わせ基板101が完全に分離される様子を模式的
に示す図である。同図において、204は、第2工程の
実行中における分離領域と未分離領域との境界である。
この境界204は、矢印に示すように移動する。
【0117】このように、貼り合わせ基板101の回転
速度を実質的に停止させた状態で貼り合わせ基板101
の隙間にジェットを挟入することにより、未分離領域2
02に対して所定方向から力を作用させることができ
る。これにより、未分離領域202の周辺の一部に対し
ては強い分離力を作用させ、他の部分に対しては弱い分
離力を作用させながら徐々に分離領域を拡大させること
ができるため、分離された各基板に欠陥が生じることが
防止される。
【0118】図6は、この実施の形態における分離装置
100の制御手順を概略的に示すフローチャートであ
る。なお、このフローチャートに示す処理は、コントロ
ーラ190により制御される。また、このフローチャー
トに示す処理は、貼り合わせ基板101が分離装置10
0にセットされた後、即ち基板保持部120及び150
により貼り合わせ基板101が保持された後に実行され
る。
【0119】ステップS101〜S104は、第1工程
に相当する。まず、コントローラ190は、モータ11
0を制御して貼り合わせ基板101を所定の回転速度で
回転させる(S101)。この時の回転速度は、例え
ば、4〜12rpm程度であることが好ましく、6〜1
0rpm程度であることが更に好ましい。なお、この実
施の形態では8rpmとした。
【0120】次いで、コントローラ190は、ポンプ1
14を制御して、所定の圧力(例えば、500kgf/
平方cm)のジェットをノズル102より噴射させる
(S102)。次いで、コントローラ190は、ノズル
駆動部106を制御して、ノズル102を待機位置(ジ
ェットが貼り合わせ基板101に衝突しない位置)から
貼り合わせ基板101の中心軸上の多孔質層101b上
に移動させる(S103)。これにより、貼り合わせ基
板101の部分的な分離が開始される。その後、コント
ローラ190は、未分離領域202として残す領域以外
が分離されるのを待った後(例えば、所定時間が経過し
た後)、ノズル駆動部106を制御して、ノズル102
を待機位置に移動させる(S104)。これにより第1
工程が完了する。
【0121】ステップS105〜S107は、第2工程
に相当する。まず、コントローラ190は、モータ11
0を制御して貼り合わせ基板101の回転を実質的に停
止させる(S105)。次いで、コントローラ190
は、ノズル駆動部106を制御して、ノズル102を待
機位置から貼り合わせ基板101の中心軸上の多孔質層
101b上に移動させる(S106)。これにより、貼
り合わせ基板101の未分離領域202の分離が開始さ
れる。その後、コントローラ190は、貼り合わせ基板
101が完全に分離されるのを待った後(例えば、所定
時間が経過した後)、ノズル駆動部106を制御して、
ノズル102を待機位置に移動させ、ポンプ114を制
御して、ジェットの噴射を停止させる(S107)。こ
れにより第2工程が完了する。
【0122】(第2の実施の形態)この実施の形態は、
第1工程の後に残す未分離領域の形状及び位置を更に良
好に制御する方法に関する。この実施の形態の第1工程
は、ノズル102を貼り合わせ基板101の中心上に位
置させ、モータ110により貼り合わせ基板101を回
転させながら貼り合わせ基板101の周辺部を分離し、
中央部を未分離領域として残す点において、第1の実施
の形態の第1工程と同様である。
【0123】しかし、この実施の形態の第1工程は、貼
り合わせ基板101の回転速度を徐々に或いは段階的
(2段階を含む)に高くしながら、貼り合わせ基板10
1を部分的に分離する点において、第1の実施の形態の
第1工程と異なる。例えば、分離の開始後、貼り合わせ
基板101が約1回転するまでは低速で貼り合わせ基板
101を回転させ(第1段階)、その後、回転速度を高
速にすることが好ましい(第2段階)。
【0124】ここで、第1段階における貼り合わせ基板
101の回転速度は、例えば、4〜12rpm程度であ
ることが好ましく、6〜10rpm程度であることが更
に好ましい。なお、この実施の形態では8rpmとし
た。また、第2段階における貼り合わせ基板101の回
転速度は、例えば、25〜35rpm程度であることが
好ましく、28〜32rpm程度であることが更に好ま
しい。なお、この実施の形態では30rpmとした。
【0125】このように、第1工程の初期段階に貼り合
わせ基板101を低速で回転させるのは、初期段階は、
貼り合わせ基板101に対して分離力が効率的に作用し
にくいからである。また、回転速度を徐々に或いは段階
的に高くしながら第1工程を進めるのは、貼り合わせ基
板101を高速で回転させた方が、より点対称に近い形
状の未分離領域を残すことができるからである。
【0126】図7は、この実施の形態の第1工程により
貼り合わせ基板が部分的に分離される様子を模式的に示
す図である。図7に示す例は、貼り合わせ基板101が
約1回転するまでは約8rpmで回転させ、その後、回
転速度を約30rpmにした場合の例である。
【0127】なお、この実施の形態の第2工程は、第1
の実施の形態と同様である。図8は、この実施の形態の
第2工程により貼り合わせ基板101が完全に分離され
る様子を模式的に示す図である。
【0128】このように、第1工程において、貼り合わ
せ基板101の回転速度を徐々に或いは段階的に高くす
ることにより、第1工程の完了後に残る未分離領域20
2の形状をより円形に近い形状にすることができると共
に、その位置をより貼り合わせ基板101の中心に一致
させることができる。これは、各貼り合わせ基板101
について未分離領域202の形状をより均一化すること
ができることを意味する。したがって、第1の実施の形
態に比べて、第2工程において生じる可能性のある欠陥
を低減することができる。
【0129】図9は、この実施の形態における分離装置
100の制御手順を概略的に示すフローチャートであ
る。なお、このフローチャートに示す処理は、コントロ
ーラ190により制御される。また、このフローチャー
トに示す処理は、貼り合わせ基板101が分離装置10
0にセットされた後に実行される。
【0130】ステップS201〜S205は、第1工程
に相当する。まず、コントローラ190は、モータ11
0を制御して貼り合わせ基板101を低速で回転させる
(S201)。この時の回転速度は、例えば、4〜12
rpm程度であることが好ましく、6〜10rpm程度
であることが更に好ましい。なお、この実施の形態では
8rpmとした。
【0131】次いで、コントローラ190は、ポンプ1
14を制御して、所定の圧力(例えば、500kgf/
平方cm)のジェットをノズル102より噴射させる
(S202)。次いで、コントローラ190は、ノズル
駆動部106を制御して、ノズル102を待機位置から
貼り合わせ基板101の中心軸上の多孔質層101b上
に移動させる(S203)。これにより、貼り合わせ基
板101の部分的な分離が開始される。
【0132】その後、コントローラ190は、貼り合わ
せ基板101が例えば1回転するのを待った後に、モー
タ110を制御して貼り合わせ基板101の回転速度を
高速にする(S204)。この時の回転速度は、例え
ば、25〜35rpm程度であることが好ましく、28
〜32rpm程度であることが更に好ましい。なお、こ
の実施の形態では30rpmとした。
【0133】その後、コントローラ190は、未分離領
域202として残す領域以外が分離されるのを待った後
(例えば、所定時間が経過した後)、ノズル駆動部10
6を制御して、ノズル102を待機位置に移動させる
(S205)。これにより第1工程が完了する。
【0134】ステップS206〜S208は、第2工程
に相当する。まず、コントローラ190は、モータ11
0を制御して貼り合わせ基板101の回転を実質的に停
止させる(S206)。次いで、コントローラ190
は、ノズル駆動部106を制御して、ノズル102を待
機位置から貼り合わせ基板101の中心軸上の多孔質層
101b上に移動させる(S207)。これにより、貼
り合わせ基板101の未分離領域202の分離が開始さ
れる。
【0135】その後、コントローラ190は、貼り合わ
せ基板101が完全に分離されるのを待った後(例え
ば、所定時間が経過した後)、ノズル駆動部106を制
御して、ノズル102を待機位置に移動させ、ポンプ1
14を制御して、ジェットの噴射を停止させる(S20
8)。これにより第2工程が完了する。
【0136】(第3の実施の形態)この実施の形態も、
第1工程の後に残す未分離領域の形状及び位置を更に良
好に制御する方法に関する。この実施の形態の第1工程
は、ノズル102を貼り合わせ基板101の中心上に位
置させ、モータ110により貼り合わせ基板101を回
転させながら貼り合わせ基板101の周辺部を分離し、
中央部を未分離領域として残す点において、第1の実施
の形態の第1工程と同様である。しかし、この実施の形
態の第1工程は、ジェットの圧力を徐々に或いは段階的
(2段階を含む)に低くしながら、貼り合わせ基板10
1を部分的に分離する点において、第1の実施の形態の
第1工程と異なる。例えば、分離の開始後、貼り合わせ
基板101が約1回転するまでは、ジェットの圧力を高
圧(例えば、500kgf/平方cm程度)に設定し、
その後、例えば未分離領域として残す中央部が分離され
ない程度の圧力(例えば、220kgf/平方cm程
度)にジェットの圧力を設定することが好ましい。
【0137】このように、第1工程の初期段階にジェッ
トの圧力を高圧に設定するのは、初期段階は、貼り合わ
せ基板101に対して分離力が効率的に作用しにくいか
らである。また、ジェットの圧力を徐々に或いは段階的
に低くしながら第1工程を進めるのは、ジェットの圧力
を低圧にした方が、より点対称に近い形状の未分離領域
を残すことができるからである。
【0138】図10は、この実施の形態の第1工程によ
り貼り合わせ基板が部分的に分離される様子を模式的に
示す図である。図10に示す例は、貼り合わせ基板10
1が約1回転するまではジェットの圧力を500kgf
/平方cmに設定し、その後、ジェットの圧力を220
kgf/平方cmに設定した場合の例である。
【0139】なお、この実施の形態の第2工程は、第1
の実施の形態と同様である。第2工程による貼り合わせ
基板101の分離の様子は、図8に示す例と略同様であ
る。
【0140】このように、第1工程において、ジェット
の圧力を徐々に或いは段階的に低くすることにより、第
1工程の完了後に残る未分離領域202の形状をより円
形に近い形状にすることができると共に、その位置をよ
り貼り合わせ基板の中心に一致させることができる。こ
れは、各貼り合わせ基板101について未分離領域20
2の形状をより均一化することができることを意味す
る。したがって、第1の実施の形態に比べて、第2工程
において生じる可能性のある欠陥を低減することができ
る。
【0141】図11は、この実施の形態における分離装
置100の制御手順を概略的に示すフローチャートであ
る。なお、このフローチャートに示す処理は、貼り合わ
せ基板101が分離装置100にセットされた後に実行
される。
【0142】ステップS301〜S305は、第1工程
に相当する。まず、コントローラ19は、モータ110
を制御して貼り合わせ基板101を所定速度で回転させ
る(S301)。この時の回転速度は、例えば、4〜1
2rpm程度であることが好ましく、6〜10rpm程
度であることが更に好ましい。なお、この実施の形態で
は8rpmとした。
【0143】次いで、コントローラ190は、ポンプ1
14を制御して、高圧(例えば、500kgf/平方c
m)のジェットをノズル102より噴射される(S20
2)。次いで、コントローラ190は、ノズル駆動部1
06を制御して、ノズル102を待機位置から貼り合わ
せ基板101の中心軸上の多孔質層101b上に移動さ
せる(S303)。これにより、貼り合わせ基板101
の部分的な分離が開始される。その後、コントローラ1
90は、貼り合わせ基板101が例えば1回転するのを
待った後に、ポンプ114を制御して、ジェットの圧力
を低圧(例えば、220kgf/平方cm)に設定す
る。
【0144】その後、コントローラ190は、未分離領
域202として残す領域以外が分離されるのを待った後
(例えば、所定時間が経過した後)、ノズル駆動部10
6を制御して、ノズル102を待機位置に移動させる
(S305)。これにより第1工程が完了する。
【0145】ステップS306〜S309は、第2工程
に相当する。、まず、コントローラ190は、モータ1
10を制御して貼り合わせ基板101の回転を実質的に
停止させる(S306)。次いで、コントローラ190
は、ポンプ114を制御して、未分離領域202を分離
可能な圧力(例えば、500kgf/平方cm)までジ
ェットの圧力を高くする(S307)。
【0146】次いで、コントローラ190は、ノズル駆
動部106を制御して、ノズル102を待機位置から貼
り合わせ基板101の中心軸上の多孔質層101b上に
移動させる(S308)。これにより、貼り合わせ基板
101の未分離領域202の分離が開始される。その
後、コントローラ190は、貼り合わせ基板101が完
全に分離されるのを待った後(例えば、所定時間が経過
した後)、ノズル駆動部106を制御して、ノズル10
2を待機位置に移動させ、ポンプ114を制御して、ジ
ェットの噴射を停止させる(S309)。これにより第
2工程が完了する。
【0147】ところで、第2の実施の形態と第3の実施
の形態とを組合せることも有効である。即ち、第1工程
において、分離の初期段階(例えば、1回転目)では、
貼り合わせ基板101を低速で回転させながら高圧のジ
ェットにより分離を行い、その後、貼り合わせ基板10
1の回転速度を徐々に或いは段階的に高くすると共に、
ジェットの圧力を徐々に或いは段階的に低くしながら分
離を進めることにより、第1工程の後に残す未分離領域
202をより均一にすることができる。
【0148】(第4の実施の形態)この実施の形態も、
第1工程の後に残す未分離領域の形状及び位置を更に良
好に制御する方法に関する。この実施の形態の第1工程
では、ノズル102を貼り合わせ基板101の中心上か
ら所定距離(例えば、ジェットの噴射方向に対して垂直
な方向に20〜30mm)ずれた位置に配置し、モータ
110により貼り合わせ基板101を回転させながら
(例えば、8rpm)、貼り合わせ基板101の周辺部
を分離し、中央部を未分離領域として残す。このよう
に、ジェットを貼り合わせ基板101の中心からずれた
位置に向けて噴射するのは、第1工程の後に残る未分離
領域202の形状及び位置を多数枚の貼り合わせ基板1
01について更に均一化するためである。
【0149】図12は、この実施の形態の第1工程によ
り貼り合わせ基板が部分的に分離される様子を模式的に
示す図である。同図において、201は、第1工程の実
行中における分離領域と未分離領域との境界を示す、境
界201の外側が既に分離された領域であり、境界20
1の内側が未だ分離されていない領域である。この実施
の形態の第1工程では、貼り合わせ基板101を回転さ
せながら分離処理を進めるため、境界201の軌跡は渦
巻状になる。斜線を付していない領域202は、第1工
程の実行後に残った未分離領域であり、第1の実施の形
態に比べて、その形状は円形に近く、その中心は貼り合
わせ基板101の中心に近い。また、斜線を付した領域
203は、第1工程の実行により分離された領域であ
る。このように、第1の実施の形態に比べて未分離領域
202を点対称に近い形状にすることができるのは、第
1工程が終盤に近づくにつれて、第1の実施の形態に比
べて、多孔質層に作用する分離力が弱くなるからである
と考えられる。
【0150】なお、この実施の形態の第2工程は、第1
の実施の形態と同様である。図13は、第2工程により
貼り合わせ基板101が完全に分離される様子を模式的
に示す図である。
【0151】図14は、この実施の形態における分離装
置100の制御手順を概略的に示すフローチャートであ
る。なお、このフローチャートに示す処理は、コントロ
ーラ190により制御される。また、このフローチャー
トに示す処理は、貼り合わせ基板101が分離装置10
0にセットされた後、即ち基板保持部120及び150
により貼り合わせ基板101が保持された後に実行され
る。
【0152】ステップS401〜S404は、第1工程
に相当する。まず、コントローラ190は、モータ11
0を制御して貼り合わせ基板101を所定の回転速度
(例えば、8rpm)で回転させる(S401)。次い
で、コントローラ190は、ポンプ114を制御して、
所定の圧力(例えば、500kgf/平方cm)のジェ
ットをノズル102より噴射させる(S402)。次い
で、コントローラ190は、ノズル駆動部106を制御
して、ノズル102を待機位置から貼り合わせ基板10
1の中心軸上から水平方向に所定距離(例えば、20〜
30mm)ずれた位置の上の多孔質層101b上に移動
させる(S403)。これにより、貼り合わせ基板10
1の部分的な分離が開始される。その後、コントローラ
190は、未分離領域202として残す領域以外が分離
されるのを待った後(例えば、所定時間が経過した
後)、ノズル駆動部106を制御して、ノズル102を
待機位置に移動させる(S404)。これにより第1工
程が完了する。
【0153】ステップS405〜S407は、第2工程
に相当する。まず、コントローラ190は、モータ11
0を制御して貼り合わせ基板101の回転を実質的に停
止させる(S405)。次いで、コントローラ190
は、ノズル駆動部106を制御して、ノズル102を待
機位置から貼り合わせ基板101の中心軸上の多孔質層
101b上に移動させる(S406)。これにより、貼
り合わせ基板101の未分離領域202の分離が開始さ
れる。その後、コントローラ190は、貼り合わせ基板
101が完全に分離されるのを待った後(例えば、所定
時間が経過した後)、ノズル駆動部106を制御して、
ノズル102を待機位置に移動させ、ポンプ114を制
御して、ジェットの噴射を停止させる(S407)。こ
れにより第2工程が完了する。
【0154】なお、以上の第1乃至第4の実施の形態に
おいて、第1工程の最後にノズル102を待機位置に戻
すことなく、そのまま第2工程の実行を開始してもよ
い。
【0155】(第5の実施の形態)この実施の形態は、
第2工程において、流体の代わりに楔を使用する方法に
関する。なお、第1工程は、第1乃至第4のいずれかの
実施の形態における第1工程が好適である。
【0156】図15及び図16は、第2工程に実施に好
適な分離装置(以下、最終分離装置)の構成を概略的に
示す図である。この最終分離装置350は、第1工程を
経た貼り合わせ基板101の所定位置を支持する第1及
び第2支持部353及び356を有する。支持する位置
は、例えば周辺部の一部であることが好ましい。
【0157】第1支持部353は、ステージ354に固
定されており、第2支持部356は、ステージ354に
固定されたシリンダ355のピストンの先端に固定され
ている。この最終分離装置350に貼り合わせ基板10
1をセットする際は、シリンダ355にピストンを収容
することにより、第1支持部353と第2支持部356
との間に所定の間隙を設け、その間隙に貼り合わせ基板
101を挿入した後にシリンダ355からピストン35
5を押し出すことにより、第2支持部356により上方
から貼り合わせ基板101を押圧して保持する。
【0158】第1支持部354及び/又は第2支持部3
56が貼り合わせ基板101と接触する部分には、例え
ばゴム等からなる弾性部材を設けることが好ましい。こ
れは、貼り合わせ基板101の分離を容易にすると共
に、第1支持部353及び第2支持部356によって支
持された部分に対して分離の際に過度な応力が作用する
ことを避けるためである。図示の例は、第2支持部35
6に弾性体357を設けた例である。
【0159】この最終分離装置350は、貼り合わせ基
板101に対して所定方向から力を作用させるための楔
351を有する。この楔351は、シリンダ352によ
り摺動される。具体的には、貼り合わせ基板101を分
離する際は、図16に示すように、シリンダ352から
楔351を押し出して、楔351の先端を貼り合わせ基
板101の隙間に挿入する。これにより、貼り合わせ基
板101の未分離領域の一部に対しては強い分離力を作
用させ、他の部分には弱い分離力を作用させながら徐々
に分離領域を拡大させることができるため、分離された
各基板に欠陥が生じることが効果的に防止される。
【0160】図17は、分離装置100及び最終分離装
置350を用いた分離処理の流れを概略的に示す図であ
る。まず、分離装置100に貼り合わせ基板101をセ
ットし(S501)、例えば第1乃至第4のいずれかの
実施の形態に係る第1工程と同様の方法により、所定領
域を未分離領域として残すようにして、その貼り合わせ
基板101を部分的に分離する(S502)。次いで、
第1工程を経た貼り合わせ基板101を最終分離層値3
50にセットし(S503)、その貼り合わせ基板10
1を楔により完全に分離する(S504)。
【0161】図18は、分離装置100及び最終分離装
置350を組み込んだ自動分離装置を概略的に示す平面
図である。この自動分離装置300は、図2に示す分離
装置100と、図15及び図16に示す最終分離装置3
50と、基板搬送ロボット340と、ローダ333と、
第1アンローダ332と、第2アンローダ331と、芯
出し装置370と、エアーブロー装置361とを備え
る。
【0162】分離装置100は、ジェット構成媒体(例
えば、水)が飛散することを防止するためにチャンバー
310内に配置されている。このチャンバー310に
は、第1工程の実行前及び実行後に貼り合わせ基板10
1を出し入れするためにシャッター320が設けられて
いる。
【0163】分離処理に先立って、ローダ333上に
は、未処理の貼り合わせ基板101を収容したキャリア
336が載置され、第1及び第2アンローダ332及び
331上には、分離後の基板を収容するための空のキャ
リア335及び334が夫々載置される。
【0164】芯出し装置370は、シリンダ372によ
り、貼り合わせ基板101の形状に適合する円弧状の面
を有するガイド部材371を押し出して、該ガイド部材
371とガイド部材373との間に貼り合わせ基板10
1を挟むことにより、貼り合わせ基板101の芯出しを
行う。この実施の形態では、芯出し装置370と最終分
離装置370が一体化されており、第1工程を経た貼り
合わせ基板101の芯出しを行った後に、そのまま該貼
り合わせ基板101の一部を保持して、楔351により
最終的な分離を行うことができる。なお、図18におい
ては、図15及び図16に示す第2支持部材356等は
省略されている。
【0165】基板搬送ロボット340は、ロボットハン
ド341により貼り合わせ基板101又は分離後の各基
板を保持して各装置又はキャリアに搬送する。ロボット
ハンド341は、保持した基板を垂直にしたり、裏返し
たりする機能を有する。
【0166】図19は、自動分離装置300による分離
処理を概略的に示すフローチャートである。なお、この
フローチャートに示す処理は、不図示のコントローラに
より制御される。また、この処理は、ローダ333上に
未処理の貼り合わせ基板101を収容したキャリア33
6が載置され、第1及び第2アンローダ332及び33
1上に、分離後の基板を収容するための空のキャリア3
35及び334が夫々載置された後に実行される。
【0167】まず、搬送ロボット340によりローダ3
33上のキャリア336から貼り合わせ基板101を取
り出して、芯出し装置370により、その貼り合わせ基
板101の芯出しを行う(S601)。次いで、シャッ
ター320を開いて(S602)、ロボットハンド34
1を90度回転させることにより、芯出しを終えた貼り
合わせ基板101の面を垂直にし、分離装置100にセ
ットする(S603)。
【0168】次いで、シャッター320を閉じて(S6
04)、ジェットの噴射を開始し(S605)、ノズル
102を待機位置311より移動経路312に沿って貼
り合わせ基板101の中心上に移動させて第1工程の分
離処理を開始する(S606)。なお、第1工程の分離
処理としては、第1乃至第4のいずれかの実施の形態に
係る第1工程が好適である。
【0169】所定時間が経過して、所定領域を未分離領
域として残した分離処理が完了したら、ノズル102を
移動経路312に沿って待機位置311に戻し(S60
7)、ジェットの噴射を停止する(S608)。
【0170】次いで、シャッター320を開いて(S6
09)、ロボットハンド341により分離装置100か
ら貼り合わせ基板101を受け取り、これを90度回転
させることによって水平にして最終分離装置350(芯
出し装置370)に引き渡し(S610)、シャッター
320を閉じる(S611)。
【0171】次いで、芯出し装置370により、その貼
り合わせ基板101の芯出しを行い、そのまま第1及び
第2支持部材353及び356(図15及び図16参
照)により保持する(S612)。次いで、その貼り合
わせ基板101の隙間に楔351を挿入することにより
完全に分離し(S613)、エアブロー装置361によ
り、各基板、最終分離装置350及び芯出し装置370
から分離の際に生じた屑等を取り除く(S614)。
【0172】次いで、分離された上側の基板101cを
ロボットハンド341により裏返して(180度回
転)、アンローダ332上のキャリア335に収容する
(S615)。また、分離された下側の基板101aを
ロボットハンド341によりアンローダ331上のキャ
リア334に収容する(S616)。
【0173】以上の処理により1枚の貼り合わせ基板1
01の分離が完了する。未処理の貼り合わせ基板101
が残っている場合には、上記の処理を繰り返せばよい。
【0174】
【発明の効果】本発明によれば、例えば、内部に分離用
の層を有する基板等の試料を分離する際に欠陥が発生す
ることを防止するために好適な装置及び方法を提供する
ことができる。
【0175】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な実施の形態に係るSOI基板の
製造を方法を工程順に説明する図である。
【図2】本発明の好適な実施の形態に係る分離装置の概
略構成を示す図である。
【図3】貼り合わせ基板を一定速度で回転させながら2
枚の基板に分離する処理により生じることがある欠陥を
模式的に示す図である。
【図4】第1の実施の形態の第1工程により貼り合わせ
基板が部分的に分離される様子を模式的に示す図であ
る。
【図5】第1の実施の形態の第2工程により貼り合わせ
基板が完全に分離される様子を模式的に示す図である。
【図6】第1の実施の形態における分離装置の制御手順
を概略的に示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態の第1工程により貼り合わせ
基板が部分的に分離される様子を模式的に示す図であ
る。
【図8】第2の実施の形態の第2工程により貼り合わせ
基板が完全に分離される様子を模式的に示す図である。
【図9】第2の実施の形態における分離装置の制御手順
を概略的に示すフローチャートである。
【図10】第3の実施の形態の第1工程により貼り合わ
せ基板が部分的に分離される様子を模式的に示す図であ
る。
【図11】第3の実施の形態における分離装置の制御手
順を概略的に示すフローチャートである。
【図12】第4の実施の形態の第1工程により貼り合わ
せ基板が部分的に分離される様子を模式的に示す図であ
る。
【図13】第4の実施の形態の第2工程により貼り合わ
せ基板101が完全に分離される様子を模式的に示す図
である。
【図14】第4の実施の形態における分離装置の制御手
順を概略的に示すフローチャートである。
【図15】第5の実施の形態に係る最終分離装置の構成
を概略的に示す図である。
【図16】第5の実施の形態に係る最終分離装置の構成
を概略的に示す図である。
【図17】第1工程用の分離装置及び第2工程用の最終
分離装置を用いた分離処理の流れを概略的に示す図であ
る。
【図18】第1工程用の分離装置及び第2工程用の最終
分離装置を組み込んだ自動分離装置を概略的に示す平面
図である。
【図19】自動分離装置による分離処理を概略的に示す
フローチャートである。
【符号の説明】
11 単結晶Si基板 12 多孔質Si層 13 非多孔質単結晶Si層 14 単結晶Si基板 15 絶縁層 100 分離装置 101 貼り合わせ基板 101b 多孔質層 101d,101e 欠陥 103,104 回転軸 108,111 ベアリング 109 支持台 110 モータ 112 エアシリンダ 113 シール部材 120,150 基板保持部 181,182 吸引孔 104a,103a 回転シール部 104b,103b 真空ライン 190 コントローラ 191 シリンダ駆動部 201 分離領域と未分離領域との軌跡 202 未分離領域 203 分離領域 204 分離領域と未分離領域との軌跡 300 自動分離装置 310 チャンバー 311 待機位置 312 移動経路 320 シャッター 331,332 アンローダ 333 ローダ 334〜336 キャリア 340 搬送ロボット 341 ロボットハンド 350 最終分離装置 351 楔 352 シリンダ 353 第1支持部 354 ステージ 355 シリンダ 356 第2支持部 357 弾性部材 361 エアブロー装置 370 芯出し装置 371,373 ガイド部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 近江 和明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 米原 隆夫 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (72)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に分離用の層を有する試料を該分離
    用の層で分離する分離装置であって、 前記分離用の層の所定領域を未分離領域として残すよう
    にして、該分離用の層で前記試料を部分的に分離する第
    1の分離手段と、 前記第1の分離手段により処理された前記試料の前記未
    分離領域に対して所定方向から力を作用させて前記試料
    を完全に分離する第2の分離手段と、 を備えることを特徴とする分離装置。
  2. 【請求項2】 前記試料は、前記分離用の層として脆弱
    な構造の層を有する板状部材であることを特徴とする請
    求項1に記載の分離装置。
  3. 【請求項3】 前記第1の分離手段は、前記未分離領域
    として略円形の領域を残すようにして、前記試料を部分
    的に分離することを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の分離装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の分離手段は、前記未分離領域
    として略円形の領域を前記分離用の層の略中央部に残す
    ようにして、前記試料を部分的に分離することを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の分離装置。
  5. 【請求項5】 前記第1の分離手段は、前記分離用の層
    に直交する軸を中心として該試料を回転させながら、該
    分離用の層に向けて流体を噴射することにより該試料を
    部分的に分離し、 前記第2の分離手段は、前記試料を回転させることなく
    保持して、部分的な分離処理により生じた該試料の隙間
    に向けて流体を噴射することにより、該試料に残ってい
    る前記未分離領域を分離することを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれか1項に記載の分離装置。
  6. 【請求項6】 前記第1の分離手段は、前記分離用の層
    に直交する軸を中心として該試料を回転させながら、該
    試料の前記分離用の層に向けて流体を噴射することによ
    り該試料を部分的に分離し、 前記第2の分離手段は、前記試料の回転を実質的に停止
    させて、部分的な分離処理により生じた該試料の隙間に
    向けて流体を噴射することにより、該試料に残っている
    前記未分離領域を分離することを特徴とする請求項1乃
    至請求項4のいずれか1項に記載の分離装置。
  7. 【請求項7】 前記第2の分離手段は、部分的な分離処
    理により生じた前記試料の隙間に楔を挿入することによ
    り、該試料を完全に分離することを特徴とする請求項1
    乃至請求項4のいずれか1項に記載の分離装置。
  8. 【請求項8】 前記第1の分離手段による処理の後に残
    る前記未分離領域は、前記第1の分離手段により分離さ
    れる領域よりも小さいことを特徴とする請求項1乃至請
    求項7のいずれか1項に記載の分離装置。
  9. 【請求項9】 前記試料は、脆弱な層を内部に有する第
    1の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてなる
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれか1項
    に記載の分離装置。
  10. 【請求項10】 前記脆弱な層は、多孔質層であること
    を特徴とする請求項9に記載の分離装置。
  11. 【請求項11】 前記第1の板状部材は、半導体基板で
    あることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の
    分離装置。
  12. 【請求項12】 前記第1の板状部材は、半導体基板の
    片面に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を
    形成してなることを特徴とする請求項11に記載の分離
    装置。
  13. 【請求項13】 前記非多孔質層は、単結晶半導体層を
    含むことを特徴とする請求項12に記載の分離装置。
  14. 【請求項14】 内部に分離用の層を有する試料を該分
    離用の層で分離する分離装置であって、 前記試料の分離用の層に直交する軸を中心として前記試
    料を回転させる駆動機構と、 前記分離用の層に向けて流体を噴射する噴射部と、 を備え、まず、前記駆動機構により前記試料を回転させ
    ながら、前記分離用の層の所定領域を未分離領域として
    残すようにして、前記噴射部からの流体により該分離用
    の層で該試料を部分的に分離し、 次いで、該試料の回転を実質的に停止させた状態で、前
    記噴射部からの流体により該未分離領域の部分を分離し
    て該試料を完全に分離することを特徴とする分離装置。
  15. 【請求項15】 前記試料は、前記分離用の層として脆
    弱な構造の層を有する板状部材であることを特徴とする
    請求項14に記載の分離装置。
  16. 【請求項16】 前記試料の部分的な分離処理の際に、
    前記未分離領域として略円形の領域を残すことを特徴と
    する請求項14又は請求項15に記載の分離装置。
  17. 【請求項17】 前記試料の部分的な分離処理の際に、
    前記未分離領域として略円形の領域を前記分離用の層の
    略中央部に残すことを特徴とする請求項14又は請求項
    15に記載の分離装置。
  18. 【請求項18】 部分的な分離処理の後に残る前記未分
    離領域は、該部分的な分離処理により分離された領域よ
    りも小さいことを特徴とする請求項14乃至請求項17
    のいずれか1項に記載の分離装置。
  19. 【請求項19】 前記試料は、脆弱な層を内部に有する
    第1の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてな
    ることを特徴とする請求項14乃至請求項18のいずれ
    か1項に記載の分離装置。
  20. 【請求項20】 前記脆弱な層は、多孔質層であること
    を特徴とする請求項19に記載の分離装置。
  21. 【請求項21】 前記第1の板状部材は、半導体基板で
    あることを特徴とする請求項19又は請求項20に記載
    の分離装置。
  22. 【請求項22】 前記第1の板状部材は、半導体基板の
    片面に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を
    形成してなることを特徴とする請求項21に記載の分離
    装置。
  23. 【請求項23】 前記非多孔質層は、単結晶半導体層を
    含むことを特徴とする請求項22に記載の分離装置。
  24. 【請求項24】 内部に分離用の層を有する試料を該分
    離用の層で分離する分離装置であって、 前記分離用の層の所定領域を未分離領域として残すよう
    にして、該分離用の層で前記試料を部分的に分離する第
    1の分離機構と、 前記第1の分離機構による分離処理により前記試料に生
    じた隙間に所定方向から力を作用させることにより、該
    試料を完全に分離する第2の分離機構と、 を備えることを特徴とする分離装置。
  25. 【請求項25】 前記第1の分離機構は、前記分離用の
    層に直交する軸を中心として前記試料を回転させながら
    該分離用の層に向けて流体を噴射することにより該試料
    を部分的に分離することを特徴とする請求項24に記載
    の分離装置。
  26. 【請求項26】 前記第2の分離機構は、前記試料の隙
    間に対して楔を挿入することにより該試料を完全に分離
    することを特徴とする請求項24又は請求項25に記載
    の分離装置。
  27. 【請求項27】 前記第1の分離機構により処理された
    試料を前記第2分離機構に搬送する搬送ロボットを更に
    備えることを特徴とする請求項24乃至請求項26に記
    載の分離装置。
  28. 【請求項28】 前記試料を前記第1の分離機構又は前
    記第2の分離機構に対して位置合わせする位置合わせ機
    構を更に備えることを特徴とする請求項27に記載の分
    離装置。
  29. 【請求項29】 前記第1の分離機構による処理の後に
    残る前記未分離領域は、前記第1の分離機構により分離
    される領域よりも小さいことを特徴とする請求項24乃
    至請求項28のいずれか1項に記載の分離装置。
  30. 【請求項30】 前記試料は、脆弱な層を内部に有する
    第1の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてな
    ることを特徴とする請求項24乃至請求項29のいずれ
    か1項に記載の分離装置。
  31. 【請求項31】 前記脆弱な層は、多孔質層であること
    を特徴とする請求項30に記載の分離装置。
  32. 【請求項32】 前記第1の板状部材は、半導体基板で
    あることを特徴とする請求項30又は請求項31に記載
    の分離装置。
  33. 【請求項33】 前記第1の板状部材は、半導体基板の
    片面に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を
    形成してなることを特徴とする請求項32に記載の分離
    装置。
  34. 【請求項34】 前記非多孔質層は、単結晶半導体層を
    含むことを特徴とする請求項33に記載の分離装置。
  35. 【請求項35】 内部に分離用の層を有する試料を該分
    離用の層で分離する分離装置であって、 前記分離用の層の所定領域を未分離領域として残すよう
    にして該分離用の層で部分的に分離された試料の一部を
    保持して実質的に静止させる保持機構と、 前記保持機構により保持された試料の前記未分離領域に
    対して所定方向から力を作用させて該試料を完全に分離
    する分離機構と、 を備えることを特徴とする分離装置。
  36. 【請求項36】 前記試料は、前記分離用の層として脆
    弱な構造の層を有する板状部材であることを特徴とする
    請求項35に記載の分離装置。
  37. 【請求項37】 前記分離機構は、部分的な分離処理に
    より形成された前記試料の隙間に向けて流体を噴射する
    ことにより該試料を完全に分離することを特徴とする請
    求項35又は請求項36に記載の分離装置。
  38. 【請求項38】 前記分離機構は、部分的な分離処理に
    より形成された前記試料の隙間に楔を挿入することによ
    り、該試料を完全に分離することを特徴とする請求項3
    5又は請求項36に記載の分離装置。
  39. 【請求項39】 前記未分離領域は、既に分離されてい
    る領域よりも小さいことを特徴とする請求項35乃至請
    求項38のいずれか1項に記載の分離装置。
  40. 【請求項40】 前記試料は、脆弱な層を内部に有する
    第1の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてな
    ることを特徴とする請求項35乃至請求項39のいずれ
    か1項に記載の分離装置。
  41. 【請求項41】 前記脆弱な層は、多孔質層であること
    を特徴とする請求項40に記載の分離装置。
  42. 【請求項42】 前記第1の板状部材は、半導体基板で
    あることを特徴とする請求項40又は請求項41に記載
    の分離装置。
  43. 【請求項43】 前記第1の板状部材は、半導体基板の
    片面に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を
    形成してなることを特徴とする請求項42に記載の分離
    装置。
  44. 【請求項44】 前記非多孔質層は、単結晶半導体層を
    含むことを特徴とする請求項43に記載の分離装置。
  45. 【請求項45】 内部に分離用の層を有する試料を該分
    離用の層で分離する分離方法であって、 前記分離用の層の所定領域を未分離領域として残すよう
    にして、該分離用の層で前記試料を部分的に分離する第
    1の分離工程と、 前記第1の分離工程で処理された前記試料の前記未分離
    領域に対して所定方向から力を作用させて前記試料を完
    全に分離する第2の分離工程と、 を有することを特徴とする分離方法。
  46. 【請求項46】 前記試料は、前記分離用の層として脆
    弱な構造の層を有する板状部材であることを特徴とする
    請求項45に記載の分離方法。
  47. 【請求項47】 前記第1の分離工程では、前記未分離
    領域として略円形の領域を残すようにして、前記試料を
    部分的に分離することを特徴とする請求項45又は請求
    項46に記載の分離方法。
  48. 【請求項48】 前記第1の分離工程では、前記未分離
    領域として略円形の領域を前記分離用の層の略中央部に
    残すようにして、前記試料を部分的に分離することを特
    徴とする請求項45又は請求項46に記載の分離方法。
  49. 【請求項49】 前記第1の分離工程では、前記分離用
    の層に直交する軸を中心として該試料を回転させなが
    ら、該分離用の層に向けて流体を噴射することにより該
    試料を部分的に分離し、 前記第2の分離工程では、前記試料を回転させることな
    く保持して、部分的な分離処理により生じた該試料の隙
    間に向けて流体を噴射することにより、該試料に残って
    いる前記未分離領域を分離することを特徴とする請求項
    45乃至請求項48のいずれか1項に記載の分離方法。
  50. 【請求項50】 前記第1の分離工程では、前記分離用
    の層に直交する軸を中心として該試料を回転させなが
    ら、該試料の前記分離用の層に向けて流体を噴射するこ
    とにより該試料を部分的に分離し、 前記第2の分離工程では、前記試料の回転を実質的に停
    止させて、部分的な分離処理により生じた該試料の隙間
    に向けて流体を噴射することにより、該試料に残ってい
    る前記未分離領域を分離することを特徴とする請求項4
    5乃至請求項48のいずれか1項に記載の分離方法。
  51. 【請求項51】 前記第2の分離工程では、部分的な分
    離処理により生じた前記試料の隙間に楔を挿入すること
    により、該試料を完全に分離することを特徴とする請求
    項45乃至請求項48のいずれか1項に記載の分離方
    法。
  52. 【請求項52】 前記第1の分離工程の後に残る前記未
    分離領域は、前記第1の分離工程で分離される領域より
    も小さいことを特徴とする請求項45乃至請求項51の
    いずれか1項に記載の分離方法。
  53. 【請求項53】 前記試料は、脆弱な層を内部に有する
    第1の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてな
    ることを特徴とする請求項45乃至請求項52のいずれ
    か1項に記載の分離方法。
  54. 【請求項54】 前記脆弱な層は、多孔質層であること
    を特徴とする請求項53に記載の分離方法。
  55. 【請求項55】 前記第1の板状部材は、半導体基板で
    あることを特徴とする請求項53又は請求項54に記載
    の分離方法。
  56. 【請求項56】 前記第1の板状部材は、半導体基板の
    片面に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を
    形成してなることを特徴とする請求項55に記載の分離
    方法。
  57. 【請求項57】 前記非多孔質層は、単結晶半導体層を
    含むことを特徴とする請求項56に記載の分離方法。
  58. 【請求項58】 内部に分離用の層を有する試料を該分
    離用の層で分離する分離方法であって、 前記分離用の層の所定領域を未分離領域として残すよう
    にして該分離用の層で部分的に分離された試料の一部を
    保持して実質的に静止させる静止工程と、 静止した前記試料の前記未分離領域に対して所定方向か
    ら力を作用させて該試料を完全に分離する分離工程と、 を有する特徴とする分離方法。
  59. 【請求項59】 前記試料は、前記分離用の層として脆
    弱な構造の層を有する板状部材であることを特徴とする
    請求項58に記載の分離方法。
  60. 【請求項60】 前記分離工程では、部分的な分離処理
    により形成された前記試料の隙間に向けて流体を噴射す
    ることにより該試料を完全に分離することを特徴とする
    請求項58又は請求項59に記載の分離方法。
  61. 【請求項61】 前記分離工程では、部分的な分離処理
    により形成された前記試料の隙間に楔を挿入することに
    より、該試料を完全に分離することを特徴とする請求項
    58又は請求項59に記載の分離方法。
  62. 【請求項62】 前記未分離領域は、既に分離されてい
    る領域よりも小さいことを特徴とする請求項58乃至請
    求項61のいずれか1項に記載の分離方法。
  63. 【請求項63】 前記試料は、脆弱な層を内部に有する
    第1の板状部材と、第2の板状部材とを貼り合わせてな
    ることを特徴とする請求項58乃至請求項62のいずれ
    か1項に記載の分離方法。
  64. 【請求項64】 前記脆弱な層は、多孔質層であること
    を特徴とする請求項63に記載の分離方法。
  65. 【請求項65】 前記第1の板状部材は、半導体基板で
    あることを特徴とする請求項63又は請求項64に記載
    の分離方法。
  66. 【請求項66】 前記第1の板状部材は、半導体基板の
    片面に多孔質層を形成し、該多孔質層上に非多孔質層を
    形成してなることを特徴とする請求項65に記載の分離
    方法。
  67. 【請求項67】 前記非多孔質層は、単結晶半導体層を
    含むことを特徴とする請求項66に記載の分離方法。
  68. 【請求項68】 請求項1乃至請求項44のいずれか1
    項に記載の分離装置を工程の一部に適用して半導体基板
    を製造する方法。
  69. 【請求項69】 請求項1乃至請求項44のいずれか1
    項に記載の分離装置を工程の一部に適用して製造される
    半導体基板。
  70. 【請求項70】 請求項45乃至請求項67のいずれか
    1項に記載の分離方法を工程の一部に適用して半導体基
    板を製造する方法。
  71. 【請求項71】 請求項45乃至請求項67のいずれか
    1項に記載の分離方法により分離された半導体基板。
  72. 【請求項72】 請求項45乃至請求項67のいずれか
    1項に記載の分離方法を工程の一部に適用して製造され
    る半導体基板。
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