JP2000046982A - 延焼防止剤の剥離方法 - Google Patents

延焼防止剤の剥離方法

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JP2000046982A
JP2000046982A JP10213609A JP21360998A JP2000046982A JP 2000046982 A JP2000046982 A JP 2000046982A JP 10213609 A JP10213609 A JP 10213609A JP 21360998 A JP21360998 A JP 21360998A JP 2000046982 A JP2000046982 A JP 2000046982A
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heating
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Hiroshi Shoji
弘志 庄司
Yasuharu Suzuki
康晴 鈴木
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 延焼防止剤の剥離が可能な時間に対する延焼
防止剤の最適加熱時間を、諸情報を基に求めて、制御す
る延焼防止剤の剥離方法を実施する。 【解決手段】 発電所内のトレイに布設している非難燃
性ケーブルの上に塗布されている延焼防止剤に対し、ケ
ーブル情報、トレイ情報、環境情報、ヒータ情報、延焼
防止剤軟化情報を、データベースとして管理し、トレイ
毎の延焼防止剤データファイルを作成する。このトレイ
毎の延焼防止剤情報のファイルを用いて、自動演算によ
り必要な延焼防止剤の剥離時間を満たすための延焼防止
剤の最適加熱時間を求め、実際に制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電所内の
トレイに布設の非難燃性ケーブル上に塗布されている延
焼防止剤を剥離するのに好適な延焼防止剤の剥離方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】初期に建設された原子力発電所において
は、非難燃性ケーブルが使用されていたため、火災事故
などによるケーブルの延焼を防止するために、延焼防止
剤がケーブルの上に塗布されていた。したがって、現
在、古くなったケーブルを交換するには、延焼防止剤を
剥離する必要がある。
【0003】延焼防止剤を剥離する方法としては、軟化
剤と呼ばれる溶剤を延焼防止剤に塗り軟化させて剥離す
る方法や、延焼防止剤を加熱することにより軟化させて
剥離する方法などがある。前者の溶剤による延焼防止剤
の剥離方法は、特開平5−227628号公報に開示さ
れており、また、後者の加熱による延焼防止剤の剥離方
法の一例は、特開平8−79931号公報に開示されて
いる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現状では、加熱による
延焼防止剤の剥離を実施する場合は、軟化剤方式で過去
に剥離を実施した工数を基にして、おおよその工数を算
出し、また、加熱時間についても一律の時間加熱してい
た。すなわち、個々の延焼防止剤の塗布状況に応じた最
適な時間加熱するということを行っていなかった。
【0005】また、加熱停止後、延焼防止剤が再び硬化
するまでの剥離可能時間についてもおおよその時間しか
把握していないため、加熱する回数が多くなり、工数も
非常に多くかかっていた。
【0006】したがって、剥離可能時間を考慮して、加
熱による延焼防止剤の剥離を最も効率的に実施する上で
最適な加熱時間、すなわち最適加熱時間を求め、加熱時
間の制御をする必要がある。
【0007】上記の問題点に鑑み、本発明の目的は、剥
離しようとする延焼防止剤を加熱するに当り、延焼防止
剤の温度と硬度の相関性を基に、個々の延焼防止剤の状
況に応じた最適加熱時間の制御を可能とした加熱による
延焼防止剤の剥離方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明による延焼防止剤の剥離方法
は、トレイに布設のケーブル上に塗布された延焼防止剤
をヒータにより加熱して軟化し、該ケーブルより剥離す
る延焼防止剤の剥離方法において、前記延焼防止剤剥離
に必要なケーブル情報、トレイ情報、環境情報、ヒータ
情報及び延焼防止剤軟化情報をデータベースとして計算
機の記録媒体上に格納しておき、前記延焼防止剤の硬度
と温度の相関式に、前記データベースから抽出した剥離
を実施しようとする対象トレイにおける延焼防止剤の諸
データを与えて当該延焼防止剤に固有の特性式を導出
し、該特性式と対象トレイに必要な剥離時間とに基づい
て前記計算機で演算し、ヒータの最適加熱時間を求め、
加熱時間の制御を行うことを特徴とするものである。
【0009】上記目的を達成するために、請求項2記載
の発明による延焼防止剤の剥離方法は、請求項1におい
て、前記ヒータの最適加熱時間が、対象トレイにおける
延焼防止剤に対応した最大加熱時間を超える場合には、
最大加熱時間と残りの加熱時間とに分割することを特徴
とするものである。
【0010】上記目的を達成するために、請求項3記載
の発明による延焼防止剤の剥離方法は、請求項1又は2
において、前記延焼防止剤の硬度と温度の相関式は、前
記延焼防止剤中に内部温度計を埋設し、前記延焼防止剤
の硬度と内部温度との相関より求めることを特徴とする
ものである。
【0011】上記目的を達成するために、請求項4記載
の発明による延焼防止剤の剥離方法は、トレイに布設の
ケーブル上に塗布された延焼防止剤をヒータにより加熱
して軟化し、該ケーブルより剥離する延焼防止剤の剥離
方法において、前記延焼防止剤剥離に必要なケーブル情
報、トレイ情報、環境情報、ヒータ情報及び延焼防止剤
軟化情報をデータベースとして計算機の記録媒体上に格
納しておき、前記延焼防止剤に内部温度計を設置し、前
記延焼防止剤の硬度と内部温度の相関により、対象トレ
イに必要な剥離時間を考慮に入れた所定の硬度に達する
設定温度まで加熱するよう該内部温度を制御することを
特徴とするものである。
【0012】上記目的を達成するために、請求項5記載
の発明による延焼防止剤の剥離方法は、請求項4におい
て、前記内部温度計の設定温度が、周囲温度より低い時
には、対象トレイに布設されたケーブルの許容温度を設
定温度とすることを特徴とするものである。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施例を図
面により説明する。まず、本発明による延焼防止剤の剥
離方法を、図1のフローチャートを用いて説明する。本
方法は、延焼防止剤の剥離に必要なデータを、後で詳述
するケーブル情報ファイル1から延焼防止剤軟化情報フ
ァイル5まで各種情報毎にファイル化し、コンピュータ
の記録媒体上にデータベース6として格納する。
【0014】このデータベース6内の各種情報を結合さ
せ、各エリアのトレイ毎の延焼防止剤データファイル7
を作成する。該ファイル7には、各トレイのケーブル上
に塗布されている延焼防止剤の種類、塗布厚さ、エリア
の周囲温度等のデータが各エリアのトレイ単位で記録さ
れている。
【0015】次に、対象トレイに必要な剥離時間の入力
8が実施されると、延焼防止剤軟化情報をデータベース
6から呼び出し、自動演算を行い、対象トレイの延焼防
止剤の最適加熱時間の出力9がされる。同時に加熱装置
に加熱時間の情報が伝達される。ここで、加熱装置の加
熱スイッチON操作10が実施されると、加熱装置が起
動し加熱が実施され、演算で求められた加熱時間が経過
すると加熱装置の電源が自動的に停止し、操作者に加熱
終了を知らせる信号を出力する。
【0016】延焼防止剤の剥離作業の管理を行う上で、
データベース6内に取り込む情報としては、ケーブル情
報ファイル1、トレイ情報ファイル2、環境情報ファイ
ル3、ヒータ情報ファイル4及び延焼防止剤軟化情報フ
ァイル5等がある。
【0017】ケーブル情報としては、例えば、布設ケー
ブルの線種、同ケーブルが加熱される場合の許容温度と
いったものがあげられる。すなわち、発電所内では、種
々のケーブルが布設されており、ケーブル線種によって
絶縁体、シース等の材質が異なる。材質の違いによっ
て、ケーブルの許容温度が異なるため、布設されている
ケーブルの許容温度に合わせて、延焼防止剤を加熱する
最高温度を制御する必要がある。
【0018】トレイ情報としては、例えば、トレイ毎の
ケーブルに塗布された延焼防止剤の種類及び塗布厚さと
いったものがあげられる。すなわち、延焼防止剤は、発
電所内で数種類塗布されており、種類によって軟化速度
も異なるため、どのトレイでどの延焼防止剤が塗布され
ているかを知ることが必要となる。また、延焼防止剤の
厚さによっても軟化速度が異なるため、トレイ毎の延焼
防止剤の塗布厚さの情報も必要となる。
【0019】環境情報としては、例えば、周囲温度とい
ったものがあげられる。すなわち、延焼防止剤の硬度は
温度と相関性があり、温度が高くなると延焼防止剤は軟
化する性質を有しているが、延焼防止剤の温度は、つね
に周囲温度の影響を受けることから、延焼防止剤軟化の
特性式を求める上で周囲温度が必要となってくる。
【0020】ヒータ情報としては、例えば、ヒータのサ
イズ及びヒータの熱容量といったものがあげられる。す
なわち、ヒータのサイズ及びヒータの熱容量により、加
熱時間が異なることから、そのヒータのサイズ及びヒー
タの熱容量の情報が必要となる。
【0021】延焼防止剤軟化情報としては、例えば、各
種延焼防止剤の種類及び塗布厚さ等に応じた延焼防止剤
の剥離可能時間といったものがあげられる。すなわち、
延焼防止剤は、加熱温度、加熱時間によって軟化の度合
が異なる。また、加熱停止後、延焼防止剤は徐々に硬化
していくが、ある限界硬度に至ると剥離できなくなる。
このため、各種延焼防止剤の種類及び塗布厚さ等に応じ
た延焼防止剤の剥離可能な時間を把握しておく必要があ
る。
【0022】次に、これらの情報に関して具体的に原子
力発電所に則して説明する。まず、原子力発電所内のケ
ーブル情報について記載する。原子力発電所内に布設さ
れているケーブルについての情報は、CCL(Cable&Co
nduit Listの略記) と呼称されているケーブル及び電線
管リストによって管理されており、該CCLによりケー
ブル線種、ケーブルルート等のデータが把握できる。該
データを一つのケーブル情報ファイル1として管理す
る。
【0023】また、トレイ情報についてもファイル管理
する。各エリアに分割して延焼防止剤を剥離する場合、
そのエリアのトレイごとの延焼防止剤の種類、塗布厚さ
及び加熱温度等によって延焼防止剤の軟化に必要な加熱
時間が決まるため、延焼防止剤の種類、塗布厚さのデー
タに関してトレイ情報ファイル2として管理する。
【0024】環境情報についてもファイル化を行う。原
子力発電所内の周囲温度を測定するには、環境条件がほ
ぼ等しいエリア毎に分割する必要がある。ここで、原子
力発電所内のケーブルルートの一例を図2に示す。20
は電路で(ケーブルトレイ、電線管を含む)、21は電
気機器又は制御盤、22は中央制御室を示す。
【0025】また、図2の一部を拡大したものを図3に
示す。23は壁を示し、24はケーブルトレイを示して
いる。図3では、周囲温度がほぼ同じエリアとして、エ
リア25及びエリア26の2エリアに分割する。
【0026】周囲温度の測定方法としては、第一に温度
測定用光ファイバーを用いて実施する方法がある。この
場合は、原子力発電所内全ての電路20に、温度測定用
光ファイバーを布設しておく必要がある。温度測定用光
ファイバーを布設するには、温度測定用光ファイバーを
独立してケーブルトレイに布設する方法や、温度測定用
光ファイバーを内蔵した複合ケーブルを計測・制御ケー
ブルの代わりに用いてケーブルトレイに布設する方法が
ある。
【0027】エリア25、エリア26の周囲温度を測定
するために、トレイ24上に温度測定用光ファイバー3
0を布設する。温度測定用光ファイバー30の着点を中
央制御室22に集めることにより、原子力発電所内の周
囲温度を中央制御室22の1ヶ所で同時に測定すること
ができる。
【0028】また、別の周囲温度の測定方法としては、
各エリアに温度測定素子(サーモラベル、熱電対等)を
設置する方法がある。この場合には、エリア25、エリ
ア26にそれぞれ温度測定素子31、32をトレイ上に
設置する。以上の様な環境情報を環境情報ファイル3と
して記録する。
【0029】次に、ヒータ情報についてファイル化を行
う。加熱方法としてシート型のヒータを用いることによ
り加熱する。ヒータによる加熱装置の構成を図4に示
す。
【0030】トレイ41に布設されているケーブル42
の上に、延焼防止剤43が塗布されている。ヒータ44
は、この延焼防止剤43の上に設置される。ヒータ44
は、電源設備を含めた制御盤46により制御できる仕組
みとなっている。
【0031】また、制御盤46は、コンピュータ47と
も接続されており、コンピュータ47でもってヒータ4
4を管理することが可能となっている。この時ヒータ4
4には、温度計45が装着されており、延焼防止剤43
の表面温度を管理することができる。
【0032】また、図4中の温度計48は、温度計が延
焼防止剤43の内部に設置された場合を示している。こ
こで、延焼防止剤43を剥離する場合、ヒータ44のサ
イズにより一度に剥離する量が異なるため、ヒータサイ
ズの情報が必要となる。また、ヒータ44の熱容量等の
情報も必要なため、これらをヒータ情報ファイル4とし
て管理する。
【0033】次に、延焼防止剤軟化情報についてファイ
ル化を行う。延焼防止剤43の加熱及び加熱停止後の硬
度変化を示したグラフを図5に示す。ヒータで、加熱停
止時間52まで一定の熱量で所定の加熱時間51の加熱
を行う。
【0034】延焼防止剤43は、加熱し軟化させても、
加熱停止後徐々に硬化するため、加熱停止直後から剥離
可能限界硬度53になるまでの剥離可能時間54の間に
延焼防止剤43を剥離する必要がある。この剥離可能時
間54は、加熱温度及び加熱時間等により異なる。
【0035】ここで、延焼防止剤43表面の加熱時と加
熱停止後の温度変化は、反転した形をとるもののほぼ同
じ曲線を示す。一方、加熱停止後の温度変化は熱伝達法
則より、以下の式(1)で表わすことができる。
【0036】 T=T1-t/C+T0 (1−e-t/C) …………(1) T:加熱停止後t分後の表面温度 T0 :周囲温度 T1 :加熱停止時の表面温度(加熱温度に相当)C:定
数。
【0037】また、加熱停止後の延焼防止剤43の硬度
変化と延焼防止剤43表面の温度変化を図6に示す。延
焼防止剤の硬度変化55と延焼防止剤の表面温度変化5
6とは、おおよそ相関性があると思われ、これを利用
し、過去の実績を参考にし、以下の相関式(2)を導出
した。
【0038】 K=K1 {1+(e-T1/C1)e-t/C2 } …………(2) K:加熱停止後t分後の硬度 K1 :初期硬度 T1:加熱温度 C1,C2:定数。
【0039】なお、上記定数C1,C2は、延焼防止剤
43の種類、塗布厚さ、ヒータの仕様及び加熱時間等に
より変化する。これにより、延焼防止剤43の初期硬度
等の情報から、加熱停止後の時間と硬度の関係がわかる
ため、延焼防止剤43の初期硬度等の情報があれば、加
熱温度及び加熱時間により剥離可能時間54を求めるこ
とができる。
【0040】また、延焼防止剤43の内部に温度計を設
置した場合、延焼防止剤43の硬度と内部温度の関係に
相関性があることから、内部温度から演算することによ
り、延焼防止剤43の内部硬度が求まる。これより、内
部温度から剥離可能限界硬度53を自動的に求めること
ができる。これらの情報を延焼防止剤軟化情報ファイル
5として管理する。
【0041】以上に詳述した諸種の情報ファイル1ない
し5をデータベース6として管理する。ここで、延焼防
止剤43の剥離可能時間54の出力例を説明する。この
フローチャートを図7に示す。
【0042】ステップ61では、まず始めに、原子力発
電所内のケーブル情報ファイル1を読み込む。さらにト
レイ情報ファイル2より各トレイの延焼防止剤43の種
類、塗布厚さの情報を読み込む。また、環境情報ファイ
ル3より各エリアのトレイの周囲温度を読み込む。
【0043】次に、ステップ62で対象トレイに必要な
剥離時間を入力する。その後、ヒータのサイズ及び同熱
容量といったヒータ仕様がヒータ情報ファイル4から、
読み込まれる。また、延焼防止剤軟化情報ファイル5か
ら延焼防止剤43の硬度と温度の前記相関式(2)を読
み込み、各情報ファイルから読み込まれたデータを基に
上記相関式の定数C1,C2を計算し、対象トレイの延
焼防止剤43毎の固有の特性式を導出する。
【0044】これより対象トレイに必要な剥離時間から
特性式を逆算し、最適加熱時間を計算する。このとき、
解く式は時間が経過するにつれて飽和していくため、所
定の時間(最大加熱時間と呼ぶ)を定めその時間よりも
最適加熱時間が大きい場合には、加熱を2回以上に分け
て実施するような出力とする。これがステップ63であ
る。
【0045】ここで、対象トレイにおける延焼防止剤上
に設置されているヒータのスイッチを入れると、加熱が
始まり、上記で計算した加熱時間が経過すると、コンピ
ュータ及び制御盤に加熱終了が出力される。
【0046】このとき、スッテプ63で加熱回数が2回
以上と出力された際には、一度加熱が終了した後、デー
タが記録され、再び加熱のスイッチを入れると今度は、
2度目の加熱時間が入力される仕組みとなっている。こ
れを繰り返し延焼防止剤43の剥離が実施され終了す
る。これがステップ64である。
【0047】加熱時間を出力する具体例を、図8のよう
な単純化したモデルにして説明する。図8は、ある建屋
を示している。環境条件がほぼ等しいエリアとして、エ
リア101、102、103、104の4つに分割す
る。各エリアは、壁105によって仕切られ、トレイは
図9に示すようにX、Yの二段に設置されている。
【0048】トレイは、両端に電気機器106が設置さ
れている。トレイXのトレイをエリア毎に111から1
14、トレイYを121から124とする。図7のフロ
ーチャートに従ってエリア、トレイ毎の延焼防止剤情報
を各ファイル化する。その出力例を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】次にトレイの対象番号を選ぶと、延焼防止
剤軟化情報から対象トレイに応じた特性式の定数が求ま
る。特性式は、まず、過去の要素試験から、代表的な特
性式を作成している。その他の状態の特性式について
は、延焼防止剤43の種類、塗布厚さ等を代表パターン
と比較して、定数に係数を掛けることにより、求めてい
る。
【0051】表2では延焼防止剤43の種類による難易
度の係数例を示し、表3には延焼防止剤43の塗布厚さ
による難易度による係数例を示している。難易度は要素
試験結果及び過去の実績から決定する。
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】ここで、対象トレイ上の延焼防止剤43剥
離に必要な時間を入力すると、上記で得た特性式に延焼
防止剤43の剥離可能限界硬度53を代入して、加熱時
間を計算する。この時、加熱時間は、一定時間、例えば
ここでは3時間を設定し、それ以上の加熱時間が必要と
なる場合には、2回目の加熱時間を出力することにして
いる。表4に対象トレイに対する加熱時間の出力例を示
す。
【0055】
【表4】
【0056】このようにして、対象トレイに関する諸種
のデータと必要な加熱温度を入力することにより、必要
な加熱時間が自動演算され出力される仕組みとなってい
る。
【0057】また、その他の実施例として、延焼防止剤
43の内部に温度計を設置した場合の延焼防止剤43の
剥離方法を示す。このフローチャートを図10に示す。
ステップ71では、フローチャート図7と同様に原子力
発電所内のケーブル情報ファイル1からケーブル線種、
ケーブルルート情報等を読み込む。
【0058】さらにトレイ情報ファイル2より各トレイ
の延焼防止剤43の種類、塗布厚さの情報を読み込む。
また、環境情報ファイル3より各エリアのトレイ周囲温
度を読み込む。次に、延焼防止剤軟化情報ファイル5よ
り対象トレイの延焼防止剤43に対応する剥離可能な硬
度になる内部温度等が読み込まれる。ヒータ情報ファイ
ル4から使用するヒータ仕様を読み込む。
【0059】ここで、対象トレイに必要な剥離時間を十
分に取れるような温度を設定温度として読み込む。しか
し、原子力発電所内においては、周囲温度が高く、この
設定温度より高い場所も存在する。この場合にはいくら
加熱しても、延焼防止剤43が十分に加熱される前に、
すぐに加熱が終了してしまうため、確実に延焼防止剤4
3が加熱されたことを確認できるような基準値を持たせ
る必要がある。
【0060】この基準値は、布設されたケーブルの許容
温度とし、データベース6から読み込まれた設定温度が
周囲温度よりも低い場合には、この許容温度を設定温度
として設定する。これがステップ72である。
【0061】この設定温度が自動的に出力され、これに
基づき加熱される。この後延焼防止剤43の内部温度が
この設定温度になるまで加熱は続き、設定温度に達成す
ると、加熱が自動的に終了し、加熱の終了が出力され
る。これがステップ73である。
【0062】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、延焼防
止剤の剥離に関する情報をデータベースとして管理し、
必要なデータを各エリアのトレイ毎にファイル化して、
各トレイの延焼防止剤の剥離に必要な延焼防止剤の最適
加熱時間が自動演算されることにより、効率的な延焼防
止剤の加熱時間の管理を可能とする延焼防止剤の剥離方
法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による延焼防止剤の剥離方法のフローチ
ャート。
【図2】原子力発電所内をエリア区分した平面図。
【図3】図2のエリア区分の拡大図。
【図4】ヒータ方式による延焼防止剤加熱図。
【図5】延焼防止剤加熱及び加熱停止後の硬度変化図。
【図6】延焼防止剤の加熱停止後の温度変化と硬度変
化。
【図7】延焼防止剤の加熱時間の出力例のフローチャー
ト。
【図8】建屋内のトレイのモデル。
【図9】トレイ断面図。
【図10】内部温度を測定することによる延焼防止剤の
加熱時間の他の出力例のフローチャート。
【符号の説明】
1…ケーブル情報ファイル 2…トレイ情報
ファイル 3…環境情報ファイル 5…ヒータ情報
ファイル 6…データベース 7…トレイ毎の延焼防止剤データファイル 8…対象トレイの剥離時間入力操作 9…対象トレイの延焼防止剤加熱時間の出力 10…加熱装置の加熱スイッチON操作 20…電路 21…電気機器
又は制御盤 22…中央制御室 24…トレイ 30…温度測定用光ファイバー 31
…測定素子 32…測定素子 41…ケーブル
トレイ 42…ケーブル 43…延焼防止
剤 44…ヒータ 45…温度計 46…制御盤 47…コンピュ
ータ 48…温度計 51…加熱時間 52…加熱停止時間 53…剥離可能
限界硬度 54…剥離可能時間 55…延焼防止
剤の硬度変化 56…延焼防止剤の表面温度変化

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレイに布設のケーブル上に塗布された
    延焼防止剤をヒータにより加熱して軟化し、該ケーブル
    より剥離する延焼防止剤の剥離方法において、 前記延焼防止剤剥離に必要なケーブル情報、トレイ情
    報、環境情報、ヒータ情報及び延焼防止剤軟化情報をデ
    ータベースとして計算機の記録媒体上に格納しておき、
    前記延焼防止剤の硬度と温度の相関式に、前記データベ
    ースから抽出した剥離を実施しようとする対象トレイに
    おける延焼防止剤の諸データを与えて当該延焼防止剤に
    固有の特性式を導出し、該特性式と対象トレイに必要な
    剥離時間とに基づいて前記計算機で演算し、ヒータの最
    適加熱時間を求め、加熱時間の制御を行うことを特徴と
    する延焼防止剤の剥離方法。
  2. 【請求項2】 前記ヒータの最適加熱時間が、対象トレ
    イにおける延焼防止剤に対応した最大加熱時間を超える
    場合には、最大加熱時間と残りの加熱時間とに分割する
    ことを特徴とする請求項1に記載の延焼防止剤の剥離方
    法。
  3. 【請求項3】 前記延焼防止剤の硬度と温度の相関式
    は、前記延焼防止剤中に内部温度計を埋設し、前記延焼
    防止剤の硬度と内部温度との相関より求めることを特徴
    とする請求項1又は2に記載の延焼防止剤の剥離方法。
  4. 【請求項4】 トレイに布設のケーブル上に塗布された
    延焼防止剤をヒータにより加熱して軟化し、該ケーブル
    より剥離する延焼防止剤の剥離方法において、 前記延焼防止剤剥離に必要なケーブル情報、トレイ情
    報、環境情報、ヒータ情報及び延焼防止剤軟化情報をデ
    ータベースとして計算機の記録媒体上に格納しておき、
    前記延焼防止剤に内部温度計を設置し、前記延焼防止剤
    の硬度と内部温度の相関により、対象トレイに必要な剥
    離時間を考慮に入れた所定の硬度に達する設定温度まで
    加熱するよう該内部温度を制御することを特徴とする延
    焼防止剤の剥離方法。
  5. 【請求項5】 前記内部温度計の設定温度が、周囲温度
    より低い時には、対象トレイに布設されたケーブルの許
    容温度を設定温度とすることを特徴とする請求項5に記
    載の延焼防止剤の剥離方法。
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