JP2000042740A - 短絡移行式アーク溶接方法 - Google Patents

短絡移行式アーク溶接方法

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JP2000042740A
JP2000042740A JP10209710A JP20971098A JP2000042740A JP 2000042740 A JP2000042740 A JP 2000042740A JP 10209710 A JP10209710 A JP 10209710A JP 20971098 A JP20971098 A JP 20971098A JP 2000042740 A JP2000042740 A JP 2000042740A
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arc
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Kikuo Terayama
喜久夫 寺山
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Daihen Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】短絡とアークとを繰り返しながら行う消耗電極
式アーク溶接、いわゆる短絡移行式アーク溶接方法の改
良に関するものである。 【解決手段】略定電圧特性の溶接電源を用いて短絡とア
ークとを繰り返しながら行う短絡移行式アーク溶接方法
において、溶接電源の出力電圧を短絡時または短絡開始
時点から短絡終了後の一定時間後までの時間または短絡
開始後の一定時間後から短絡終了後の一定時間後までの
間アーク発生時よりも高い出力電圧とする短絡移行式ア
ーク溶接方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、短絡とアークとを
繰り返しながら行う消耗電極式アーク溶接、いわゆる短
絡移行式アーク溶接方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図14は従来技術の原理を示す図であ
る。図14において、1は溶接用電源であり、Voは直
流電圧源、R1は抵抗器、L1はインダクタンスであ
る。11はトーチ側ケーブル、12は被加工物側ケーブ
ル、14はアーク、15は被溶接物、16はチップ、1
7はワイヤ、18は送給ローラである。ワイヤ17はチ
ップ16を通して給電されチップ16より長さLexだけ
チップから突き出る。このLexの部分はワイヤ突き出し
長と呼ばれる。この突き出し部の先端からアーク14が
発生する。
【0003】図15は図14の装置の動作説明図であ
る。図15において、(a)は溶接用電源1の出力電
圧、(b)は溶接電圧、(c)は溶接電流の変化をそれ
ぞれ時間の経過とともに示してある。図14における突
き出し部Lexは、アーク14から加熱される一方、突き
出し部を流れる電流によって発生するジュール熱によっ
ても加熱される。これらの加熱によって突き出し部の先
端が溶融する。ワイヤ送給速度をこれらの溶融量よりも
若干大きく設定しておくとワイヤ17の先端は次第に被
溶接物15に近づき、ついには時刻t1にて短絡する。
短絡が起こるとアークは消滅し、一方溶接用電源1は略
定電圧特性であるためにワイヤ17を流れる電流は急激
に増大し、時刻t1以後はワイヤ17はジュール熱によ
ってのみ溶融されるが、重力、表面張力に加えて大きな
短絡電流による電磁ピンチ力等が働いて溶融部は被溶接
物15側へ移行する。時刻t2には溶融部の移行が完了
し、再びワイヤ17の先端と被溶接物15との間にギャ
ップが生じる。時刻t2の直前においてインダクタンス
L1は大きな短絡電流による電磁エネルギーを蓄えてお
り、この電磁エネルギーによって電流の減少を妨げる向
きに電圧が発生し、その電圧がワイヤ17の先端と被溶
接物15との間に印加され、このギャップ発生と共に直
ちにつぎのアークが発生する。アークが発生するとイン
ダクタンスL1は蓄積していた電磁エネルギーを電流と
して放出する。この放出の間、電流は時間と共に減少す
る。このときワイヤ17の突き出し部Lexは電流に対応
したジュール熱とアーク14との両者によって加熱され
る。この加熱によってワイヤ17は溶融されるので電極
先端と被溶接物15との間の距離は時刻t2の直後は急
増するが電流の減少に伴い、溶融量が減少し、溶融量よ
り送給量が勝り、再びワイヤ17の先端と被溶接物15
とが時刻t3にて短絡し、時刻t3からはさきの時刻t
1以後からの動作と同じ動作を繰り返す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように短絡移行
式アーク溶接方法は、 (1)溶接電流が小さいので、(例えば鋼の場合、0.
9Φで約200A以下、1.2Φで約250A以下、
1.6Φで約300A以下)全姿勢溶接に適する。 (2)溶け込みが浅く、薄板に適する。 (3)スパッタが少なくビード外観がきれい。 などの利点がある。しかし、この溶接方法をさらに大き
な電流領域に拡大して高速溶接に適用しようとすると良
好な短絡移行式アーク溶接にならない。例えば、単純に
電流を大きくしようとして直流電圧源Voの出力電圧を
高くすると短絡期間のない溶接になってしまうし、ワイ
ヤの送給速度を大きくして溶接電流を増加させようとし
てもワイヤ17が被溶接物15に突っ立ってしまい、逆
にアークにはならない。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記従来の溶接方法の問
題点は、溶接用電源に定電圧特性を用い、短絡時もアー
ク時も同じ出力電圧を用いていることに起因する。そこ
で本発明では、短絡時の出力電圧をアーク時の出力電圧
より高くして、短絡時のパルス状の出力電流をより増大
させることによって上記の問題点の解決を図り、高効率
化を可能にしたものである。
【0006】本発明の第1の発明は、略定電圧特性の溶
接用電源を用いて短絡とアークとを繰り返しながら行う
短絡移行式アーク溶接方法において、溶接用電源の出力
電圧を短絡時はアーク発生時よりも高い出力電圧とする
短絡移行式アーク溶接方法を提案したものである。
【0007】また、本発明の第2の発明は、略定電圧特
性の溶接用電源を用いて短絡とアークとを繰り返しなが
ら行う短絡移行式アーク溶接方法において、溶接用電源
の出力電圧を短絡開始時点から短絡終了後の一定時間後
までの間は他の時間におけるよりも高い出力電圧とする
短絡移行式アーク溶接方法を提案したものである。
【0008】さらに本発明の第3の発明は、略定電圧特
性の溶接用電源を用いて短絡とアークとを繰り返しなが
ら行う短絡移行式アーク溶接方法において、溶接用電源
の出力電圧を短絡開始後の一定時間後から短絡終了後の
一定時間後までの間は他の時間におけるよりも高い出力
電圧とする短絡移行式アーク溶接方法を提案したもので
ある。
【0009】さらに本発明の第4の発明は、上記第1な
いし第3の発明において、アーク発生と短絡発生との繰
り返し周波数を検出し、検出した繰り返し周波数と基準
周波数との差に応じて溶接用電源の出力電圧を高くする
期間における出力電圧を決定するようにした短絡移行式
アーク溶接方法を提案したものである。
【0010】さらに本発明の第5の発明は、上記第2ま
たは第3の発明においてアーク発生と短絡発生との繰り
返し周波数を検出し、検出した繰り返し周波数と基準周
波数との差に応じて一定時間を決定するようにした短絡
移行式アーク溶接方法を提案したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は本発明の原理を示す図であ
る。図1において、10は溶接用電源、DSHは短絡検
出器であり、溶接電圧が一定値以下になったときに短絡
発生と判定して短絡検出信号Sh を出力する。溶接用電
源10内において、S1は短絡検出器DSHの短絡検出
信号Sh よって動作する切り替えスイッチ、VPおよび
VBは直流電源である。その他は、図14に示した従来
の溶接方法の装置と同じ部品またはアセンブリに同じ符
号をつけて説明を省略する。
【0012】ここで、直流電源VP及びVBの各出力電
圧Vop、VobをVop>Vo、Vob=Voとし、短絡検出
器DSHが短絡を検出したときは切り替えスイッチS1
は(1)側に切り替わり、短絡検出器DSHが非短絡
(アーク時)を検出したときは切り替えスイッチS1は
(2)側に切り替わるとすると、図1の動作は、図2の
ようになる。図2において、(a)は溶接電圧、(b)
は短絡検出器DSHの出力の変化、(c)は溶接用電源
1の出力電圧、(d)は溶接電流の変化をそれぞれ時間
の経過とともに示してある。図1および図2において短
絡が発生すると切り替えスイッチS1は(2)から
(1)に切り替わり、直流電源がVBからVPに切り替
わって出力電圧値が高くなるのでその出力電流は急速に
立ち上がり従来の方法における図15の電流変化よりも
大きくなる。
【0013】図3は本発明の溶接方法を実施する装置の
具体的な例を示す接続図である。図3において、20は
溶接用電源であり、DR11ないしDR14およびDR
21ないしDR28は整流器、C2は平滑用コンデン
サ、FET1ないしFET4は電界効果トランジスタ、
T11はインバータ用トランス、Ldcは直流リアクト
ル、VDTは電圧検出器、CNT10は制御部、TS1
は起動指令用トーチスイッチである。その他は図1と同
じ部品またはアセンブリに図1と同じ符号をつけて説明
を省略する。またVofは出力電圧のフィードバック信
号、Vw はワイヤ送給装置への駆動信号、Ts は起動指
令信号である。Sh は短絡検出信号である。
【0014】制御部CNT10の詳細を図4に示す。図
4において、CNT21はワイヤ送給制御部、ADJ2
1はワイヤ送給速度設定器、E21は直流電源である。
また、CNT31は溶接出力制御部であり、パルス幅制
御回路PWM31、切り替えスイッチS31、出力電圧
調整器ADJ31、ADJ32、直流電源E31、E3
2および比較器CMP31からなる。
【0015】図3、図4において、出力電圧を電圧検出
器VDTで検出し、電圧検出器VDTの出力Vofと切替
スイッチS31の出力とを比較器CMP31において比
較し、その差をパルス幅制御回路PWM31に入力して
出力電圧を所望の値に保つ。(切替スイッチS31の出
力)>(電圧検出器VDTの検出出力Vof)のときはパ
ルス幅制御回路PWM31は出力パルス信号Pa ,Pb
の導通時間率を増大せ、(切り替えスイッチS31の出
力)<(電圧検出器VDTの検出出力Vof)のときはパ
ルス幅制御回路PWM31は出力パルス信号Pa ,Pb
の導通時間率を減少させる。また、短絡検出器DSHか
らの短絡検出信号Sh を受けるまでは、切り替えスイッ
チS31は(2)側にあり、切り替えスイッチS31の
出力は出力電圧調整器ADJ31の設定値Vb を出力
し、図1の原理図において説明したのと同様に低い出力
電圧Vobとなり、短絡検出器DSHからの短絡検出信号
Shを受けると、切り替えスイッチS31は(1)側に
なりその出力は高い出力電圧設定値Vp となり、図1の
原理図における高い出力電圧Vopとなる。この結果、溶
接用電源からの出力電圧電流などの関係は図2に示した
関係と同様になる。
【0016】ここで、短絡移行式アーク溶接における短
絡周波数は通常数10Hzから数100Hzであるの
で、インバータの動作周波数を数10kHzとすれば、
溶接用電源の出力変化を溶接現象の変化に追随させるこ
とが可能となる。
【0017】図5は、図3の実施例の制御部CNT10
の別の実施例である。図5において、ADDは加算器、
S41は切り替えスイッチ、ADJ41は出力電圧調整
器、E41は直流電源である。図5においては、短絡検
出器DSHからの短絡検出信号Sh が出力されるまで
は、切り替えスイッチS41は(2)側にあり、出力電
圧調整器ADJ31の出力のみが比較器CMP31に供
給されており、図2に示した原理図におけるアーク時の
低い出力電圧Vobに対応した出力状態となる。短絡検出
器DSHからの短絡検出信号Sh を受けると、切り替え
スイッチS41は(1)側に切り替わり、出力電圧調整
器ADJ31の出力と出力電圧調整器ADJ41の出力
との和が比較器CMP31に供給されることになり、図
2に示した原理図の短絡時の高い出力電圧Vopに対応し
た出力状態となる。
【0018】一方、短絡移行式アーク溶接は溶接条件が
適切であると短絡移行式アーク溶接に特有のきれいなビ
ード外観が得られる。このビード外観は短絡周波数に依
存するところが大きい。したがって、短絡周波数を変え
ることにより好みの外観に調整することができる。つぎ
に本発明の溶接方法に関して、短絡周波数の調整を可能
とした溶接方法を示す。
【0019】図4の出力電圧調整器ADJ32、図5の
出力電圧調整器ADJ41によって短絡時の出力電圧を
高くすると、短絡時に移行する溶滴が増加し、短絡時間
またそれに伴ってアーク時間も増加し、短絡周波数は低
くなる。
【0020】しかし、短絡時の出力電圧によって短絡周
波数を調整すると、短絡時の最大電流およびこれに続く
アーク電圧も変わることになる。また、一般にワイヤ送
給速度は変えないので平均の溶接電流は変わらない。し
たがって、短絡時の出力電圧による短絡周波数の調整の
範囲は狭くそれほど有効ではない。
【0021】図6はより広い短絡周波数の調整を可能と
した制御部CNT10の例を示したものである。図6の
制御部CNT10は図4に示した制御部CNT10に短
絡検出信号Sh によって起動するオフディレイタイマー
TM1を加えたもので、オフディレイタイマーTM1の
遅延時間の設定は時限調整器ADJ42によって行う。
【0022】図7は図6の制御部CNT10を用いたと
きの出力電圧・電流等の様子を示す線図であり、(a)
は溶接電圧、(b)は短絡検出信号Sh 、(c)はオフ
ディレイタイマーTM1の出力状態、(d)は出力電圧
設定値、(e)は溶接電流の変化をそれぞれ時間の経過
とともに示してある。
【0023】図6及び図7において、オフディレイタイ
マーTM1の出力信号は短絡検出信号Sh の立ち上がり
からハイレベルとなり、そのハイレベル状態は短絡検出
信号Sh の消滅後オフディレイタイマーTM1の設定時
間が経過するまでの間継続する。短絡が発生して短絡検
出信号Sh がハイレベルになると切り替えスイッチS3
1は(2)から(1)に切り替わり、比較器CMP31
に対する基準信号は出力電圧調整器ADJ31の低い設
定値Vb から出力電圧調整器ADJ32の高い設定値V
p に切り替えられ、これに応じて出力電圧は低い値Vob
から高い値Vopに切り替わる。短絡時間が終了すると、
オフディレイタイマーTM1の遅延時間の後に切り替え
スイッチS31に対する切り替え指令信号がハイレベル
からローレベルに反転し、切り替えスイッチS31は
(1)から(2)に切り替わり、出力電圧はVopの高い
値からVobの低い値に戻る。この遅れ時間中にはすでに
アークになっているので、高い出力電圧によってアーク
発生直後にワイヤの先端と被加工物間との距離が大きく
成長し、つぎの短絡までに長い時間がかかるようにな
り、その結果短絡周波数が低くなる。ただし、直流リア
クトルLdcの存在によりこのオフディレイタイマーT
M1による遅れ時間中のアーク発生直後における電流の
瞬時値そのものは極端には大きくならないがアーク発生
直後の遅れ時間中の溶融量は大きいので、少しの遅れ時
間で大きく短絡周波数を変えることができる。
【0024】図8は制御部CNT10のさらに別の例を
示す接続図である。同図においては、図6の例にさらに
出力電圧を低い値から高い値に切り替わる時点を、オン
ディレイタイマーTM2によって遅らせることを加えた
ものである。図8において、TM2はオンディレイタイ
マーであり、短絡が発生して短絡検出信号Sh がハイレ
ベルになってから時限を開始し、時限設定器ADJ43
の設定時間の後に出力がハイレベルになる。AND1は
アンドゲートでありオフディレイタイマーTM1の出力
とオンディレイタイマーTM2の出力とがともにハイレ
ベルのときにハイレベル信号を出力し、入力信号のいず
れかがローレベルのときはローレベル信号を出力する。
同図のその他の要素は図6に示した制御部CNT10と
同機能のものに同符号を付して説明を省略する。
【0025】図8の制御部の動作を図9の線図とともに
説明する。図9において、(a)は溶接電圧、(b)は
短絡検出信号Sh 、(c)はアンドゲートAND1の出
力、(d)は出力電圧設定値、(e)は溶接電流の各変
化をそれぞれ時間の経過とともに示した線図である。図
8および図9において短絡が発生するとオフディレイタ
イマーTM1は直ちにその出力信号がハイレベルになる
がオンディレイタイマーTM2は時限設定器ADJ43
によって設定された時間の後にその出力がハイレベルに
反転する。このため、アンドゲートAND1は短絡が発
生した後オンディレイタイマーTM2の時限終了をまっ
てハイレベルになり、切り替えスイッチS31がこれに
よって(2)から(1)に切り替えられる。この結果、
出力電圧設定信号はアーク中の低い設定値Vb からオン
ディレイタイマーTM2の時限後に高い出力電圧設定値
Vp に切り替えられる。短絡状態が進行して、溶滴の移
行とワイヤの溶融が進んで短絡が解消してアークが発生
するとこれによって短絡検出信号Sh はローレベルに反
転する。短絡検出信号Sh がローレベルに反転した後も
オフディレイタイマーTM1の出力はその設定時限の間
はハイレベル信号を出力しているのでオンディレイタイ
マーTM2の出力もハイレベルであり、これらの出力を
入力とするアンドゲートAND1の出力もハイレベルの
ままである。このため、出力設定信号は短絡が解消して
からオフディレイタイマーTM1の設定時限が経過する
までの間は高い出力電圧設定値Vp となる。
【0026】ここで短絡周波数を調整するためには図6
のようにオフディレイタイマーTM1の設定時限を調整
するほかにオンディレイタイマーTM2の設定時限を調
整することによっても変えることが出来る。この場合、
時限を変化させることの効果はオフディレイタイマーT
M1の時限とオンディレイタイマーTM2の時限とでは
逆の効果を呈する。もちろん、短絡周波数を調整するた
めには、オフディレイタイマーTM1の時限とオンディ
レイタイマーTM2の時限とのいずれか一方を変化させ
ても両方を変化させてもよい。
【0027】図10は制御部CNT10の別の実施例を
示す接続図であり、目標とする短絡周波数を設定して、
フィードバック制御により、短絡周波数を目標値に保つ
ようにしたものである。図10において、FCN1は短
絡周波数制御部であり、図10のその他の要素は図4、
図6および図8に示した例と同機能のものに同符号を付
して説明を省略する。
【0028】図11は図10の短絡周波数制御部FCN
1の具体的な例を示す接続図であり、E61は直流電
源、ADJ61は短絡周波数設定器、VFは入力電圧に
比例した周波数のパルス信号を発生するV/Fコンバー
タ、PDは位相比較器、LFはローパスフィルタであ
る。図11の短絡周波数制御部FCN1は直流電源E6
1と短絡周波数設定器ADJ61とによって定められる
短絡周波数設定信号をV/FコンバータVFによって設
定値に比例した周波数の信号とし、この信号と短絡検出
信号Sh の周波数とを位相比較器PDによって比較して
その差信号をローパスフィルタLFによって電圧信号に
変換して出力電圧設定信号Vp として出力することによ
って短絡周波数を目的値に一致させるように制御する。
【0029】図11の短絡周波数制御部FCN1はこれ
と図10のパルス幅制御回路及びこれらによって制御さ
れるインバータ回路とによってPLL回路を構成し、溶
接機の短絡周波数を目標の周波数に制御するものであ
る。図10の場合、短絡時の出力電圧を目標の短絡周波
数との差によって変化させて短絡周波数を変えている。
【0030】図12は、目標とする短絡周波数を設定し
て、フィードバック制御により、短絡周波数を目標値に
保つようにした別の実施例を示す接続図であり、FCN
2は短絡周波数制御部であり、図12のその他の要素は
図4、図6、図8及び図10に示した例と同機能のもの
に同符号を付して説明を省略する。
【0031】図13は図12の短絡周波数制御部FCN
2の具体的な例を示す接続図であり、VRは入力電圧を
それに比例した抵抗値に変換する電圧/抵抗コンバータ
であって、機械式のものであっても半導体によって構成
されていてもよい。TM3はオフディレイタイマーであ
り電圧/抵抗コンバータVRの抵抗値出力を時限設定用
抵抗値として遅延時間が設定される。図13のその他の
要素は図11の短絡周波数制御部FCN1と同機能のも
のに同符号を付して説明を省略する。
【0032】図13の短絡周波数制御部FCN2は直流
電源E61と短絡周波数設定器ADJ61とによって定
められる短絡周波数設定信号をV/FコンバータVFに
よって設定値に比例した周波数の信号とする。この信号
と短絡検出信号Sh の周波数とを位相比較器PDによっ
て比較してその差信号をローパスフィルタLFによって
電圧信号に変換し、この信号の出力を電圧/抵抗コンバ
ータVRによって抵抗値に変換し、この抵抗値に応じて
オフディレイタイマーTM3の時限を決定する。このオ
フディレイタイマーTM3の出力信号を切り替えスイッ
チS31への切り替え指令信号Sh1とすることによって
出力電圧設定信号のVb からVp への切り替え又はその
逆を行わせて短絡周波数を目的値に一致させるように制
御する。
【0033】したがって、図13の短絡周波数制御部F
CN2はこれと図12のパルス幅制御回路及びこれらに
よって制御されるインバータ回路とによってPLL回路
を構成し、短絡開始後の電圧切り替え遅延時間をかえる
ことによって溶接機の短絡周波数を目標の周波数に制御
するものである。
【0034】
【発明の効果】本発明は上記の通りであるので、 (1) 従来不可能であったような大電流での短絡移行
式アーク溶接が安定に実現できる。 (2) 短絡移行式アーク溶接の特徴である全姿勢溶接
が大電流で実施できる。 (3)短絡移行式アーク溶接であるから大電流で溶け込
みの浅い溶接ができることになり、薄板の高速溶接が可
能となる。 (4)短絡周波数の調整が容易であるので、好みのビー
ド外観が得やすい。 (5)鋼に限らず、他の電極材料の短絡移行式ア−ク溶
接が可能になる。等の多くの効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理を示す接続図。
【図2】図1装置の動作を説明するための線図。
【図3】本発明の実施の形態を示す接続図。
【図4】図3の装置の出力制御部CNT10の具体的な
例を示す接続図。
【図5】図3の装置の出力制御部CNT10の別の具体
的な例を示す接続図。
【図6】図3の装置の出力制御部CNT10の別の具体
的な例を示す接続図。
【図7】図6の出力制御部CNT10を用いたときの図
3の装置の動作を説明するための線図。
【図8】図3の装置の出力制御部CNT10の別の具体
的な例を示す接続図。
【図9】図8の出力制御部CNT10を用いたときの図
3の装置の動作を説明するための線図。
【図10】図3の装置の出力制御部CNT10の別の具
体的な例を示す接続図。
【図11】図10の短絡周波数制御部FCN1の具体的
な例を示す接続図。
【図12】図3の装置の出力制御部CNT10の別の具
体的な例を示す接続図。
【図13】図12の短絡周波数制御部FCN2の具体的
な例を示す接続図。
【図14】従来技術の原理を示す接続図。
【図15】図14の動作を説明するための線図。
【符号の説明】
1 溶接用電源 10 溶接用電源 20 溶接用電源 11 トーチ側ケーブル 12 被加工物側ケーブル 14 アーク 15 被溶接物 16 チップ 17 ワイヤ 18 送給ローラ Vo 直流電圧源 R1 抵抗器 L1 インダクタンス DR11ないしDR14 整流器 DR21ないしDR28 整流器 T11 インバータ用トランス C2 平滑用ンデンサ FET1ないしFET4 電界効果トランジスタ Ldc 直流リアクトル VDT 電圧検出器 CNT10 制御部 CNT21 ワイヤ送給制御部 CNT31 溶接出力制御部 CMP31 比較器 TS1 起動指令用トーチスイッチ DSH 短絡検出器 S1 切り替えスイッチ Vof 出力電圧のフィードバック信号 Vw ワイヤ送給装置への駆動信号 VP 直流電源 VB 直流電源 Vp 出力電圧設定値 Vb 出力電圧設定値 S31 切り替えスイッチ ADJ21 ワイヤ送給速度設定器 ADJ31、ADJ32、ADJ41 出力電圧調整器 ADJ42 オフディレイタイマーの時限設定器 ADJ43 オンディレイタイマーの時限設定器 ADJ61 短絡周波数設定器 E21 直流電源 E31、E32 直流電源 E41 直流電源 E61 直流電源 ADD 加算器 S41 切り替えスイッチ AND1 アンドゲート FCN1、FCN2 短絡周波数制御部 VF V/Fコンバータ PD 位相比較器 LF ローパスフィルタ VR 電圧/抵抗コンバータ PWM31 パルス幅制御回路 TM1、TM3 オフディレイタイマー TM2 オンディレイタイマー

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 略定電圧特性の溶接用電源を用いて短絡
    とアークとを繰り返しながら行う短絡移行式アーク溶接
    方法において、前記溶接用電源の出力電圧を短絡時はア
    ーク発生時よりも高い出力電圧とする短絡移行式アーク
    溶接方法。
  2. 【請求項2】 略定電圧特性の溶接用電源を用いて短絡
    とアークとを繰り返しながら行う短絡移行式アーク溶接
    方法において、前記溶接用電源の出力電圧を短絡開始時
    点から短絡終了後の一定時間後までの間は他の時間にお
    けるよりも高い出力電圧とする短絡移行式アーク溶接方
    法。
  3. 【請求項3】 略定電圧特性の溶接用電源を用いて短絡
    とアークとを繰り返しながら行う短絡移行式アーク溶接
    方法において、前記溶接用電源の出力電圧を短絡開始後
    の一定時間後から短絡終了後の一定時間後までの間は他
    の時間におけるよりも高い出力電圧とする短絡移行式ア
    ーク溶接方法。
  4. 【請求項4】 前記アーク発生と短絡発生との繰り返し
    周波数を検出し、検出した繰り返し周波数と基準周波数
    との差に応じて前記溶接用電源の出力電圧を高くする期
    間における出力電圧を決定する請求項1ないし請求項3
    のいずれかに記載の短絡移行式アーク溶接方法。
  5. 【請求項5】 前記アーク発生と短絡発生との繰り返し
    周波数を検出し、検出した繰り返し周波数と基準周波数
    との差に応じて前記一定時間を決定する請求項2または
    請求項3のいずれかに記載の短絡移行式アーク溶接方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102218589A (zh) * 2010-04-19 2011-10-19 株式会社神户制钢所 消耗电极式电弧焊接方法
US10099308B2 (en) 2006-02-09 2018-10-16 Illinois Tool Works Inc. Method and apparatus for welding with battery power

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