JP2000037725A - 合成樹脂廃棄物の溶解処理装置 - Google Patents
合成樹脂廃棄物の溶解処理装置Info
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Abstract
泡ポリスチレン等の合成樹脂廃棄物を溶媒により溶解処
理する装置に係り、合成樹脂廃棄物を飛散することなく
効率よく溶解処理することができ、しかも再生時の品質
を良好に保つことのできる溶解処理装置を提供するもの
である。 【解決手段】 溶媒を収容した溶解槽1内に、合成樹脂
廃棄物を破砕し且つ撹拌する羽根車5を支軸4を介して
回転可能に設け、上記支軸4の側方の溶解槽1内に溶媒
中に浮遊するゴミ等を回収する多孔板よりなる回収容器
7を配置し、前記羽根車5の回転によって溶解槽1内の
溶媒を上記回収容器7内に導入するようにしたことを特
徴とする。
Description
材等として使用された発泡ポリスチレン等の合成樹脂廃
棄物を溶媒により溶解処理する装置に関する。
チレン等の合成樹脂廃棄物を処理する方法や装置等は、
従来種々提案されており、例えば発泡ポリスチレン成形
体を熱で溶融してブロック化する装置は、コストや設置
場所に制約があり、しかもポリスチレンの熱分解によっ
て臭気が発生したり、分子量が低下して再利用が困難と
なる等の問題がある。そこで加熱以外の手段で発泡ポリ
スチレン成形体の体積を収縮して再利用する方法とし
て、一度発泡ポリスチレンを有機溶媒に溶解、収縮させ
てから、溶媒を蒸発させてポリスチレンとして取り出し
て再生する方法が挙げられる。この方法においては、加
熱処理を行わないので、ポリスチレン分子量を低下させ
ることなく、ポリスチレンの回収ができる。
利用いわゆるリサイクルリングに適用するためには、各
事業所や家庭等で使用済み発泡ポリスチレンを有機溶媒
に溶解して収縮させる装置と、その装置で得られたポリ
スチレン溶液を回収して、ポリスチレンと上記有機溶媒
とを分離するプラント等が必要である。
み発泡ポリスチレンを溶解処理する装置が種々提案され
ている。例えば特開平8−85734においては、有機
溶媒を収容した溶解槽中に一対の破砕用ローラを配置
し、その各ローラの周面に互いに噛み合うよう配置した
破砕刃によって発泡ポリスチレンを有機溶媒中で破砕す
ると共に、溶解槽底部に設けた撹拌用プロペラによって
有機溶媒および破砕された発泡ポリスチレンを撹拌して
溶解する構成である。しかし、破砕用ローラや撹拌用プ
ロペラが有機溶媒中に有るため破砕用ローラ軸受部や撹
拌用プロペラ軸受シール部より液漏れが発生する等のお
それがあり、又それを防止するために複雑な機構や高価
なパッキンを用いたり、頻繁にメンテナンスを行う必要
がある。
においては、発泡ポリスチレンを有機溶媒中に投入する
前に粉砕機によって粉砕し、その粉砕した発泡ポリスチ
レンを溶解槽内の有機溶媒中に投入して溶解する構成で
ある。この方法では発泡ポリスチレンを大気中で粉砕す
るため静電気が発生しやすく、その静電気によって発泡
ポリスチレンが周囲に付着したり、飛散する等のおそれ
がある。
合成樹脂廃棄物を再使用する場合の問題点として、例え
ば梱包材や包装材等として用いた使用済みの合成樹脂廃
棄物は汚れていたり、溶媒に不溶なフィルム等がラミネ
ートされている場合が多く、その表面に付着したゴミ
や、溶解されなかったラミネートフィルム等が溶解槽中
に浸入して撹拌羽根等に絡まったり、槽内のいたるとこ
ろに付着したり、また回収再生工程においてゴミ除去フ
ィルタ等がすぐに目詰まりする等の問題がある。
に鑑みて提案されたもので、使用済み発泡ポリスチレン
等の合成樹脂廃棄物を飛散することなく効率よく溶解処
理することができ、しかも槽内へのゴミ付着を最低限に
押さえ、回収再生工程を円滑に進めることのできる溶解
処理装置を提供するものである。
棄物の溶解処理装置は、溶媒を収容した溶解槽内に、合
成樹脂廃棄物を破砕し且つ撹拌する羽根車を支軸を介し
て回転可能に設け、上記支軸の側方の溶解槽内に溶媒中
に浮遊するゴミ等を回収する多孔板よりなる回収容器を
配置し、前記羽根車の回転によって溶解槽内の溶媒を上
記回収容器内に導入するようにしたことを特徴とする。
の溶媒中で前記羽根車によって破砕および撹拌すること
が可能となり、合成樹脂廃棄物が飛散することなく効率
よく溶解することができる。この場合、溶媒は羽根車の
回転支軸よりも低い位置に収容するとよく、そのように
すると軸受部等からの溶媒の漏れを可及的に低減するこ
とが可能となる。
脂廃棄物は新品時と比べ非常に汚れている。例えばガム
テープ・木くず・梱包ひも・砂・新聞紙・シールラベル
・魚のうろこ等である。更には前述のように溶媒に不溶
なフィルム等がラミネートされている場合があり、これ
らを除去してから溶解槽に投入することは多大な労力を
要し、これらを除去せずに発泡ポリスチレンと共に溶解
すると、梱包ひも等の長い物は羽根車シャフト軸に巻き
付いたり、回収再生するための廃液時及び回収再生工程
において設置するゴミとりフィルタをすぐに目詰まりさ
せ回収困難にする。また羽根車回転時は、溶解槽壁面に
貼り付いたり、有機溶媒中を浮遊し廃液等で底部に残存
してしまうため、有機溶媒廃液後、新液を入れる前に底
部壁面などまわりのゴミを清掃・回収しなくてはならな
い。これらを解決するために、本発明では溶媒中に浮遊
するゴミ等を回収する多孔板よりなる回収容器を溶媒槽
内に配置し、羽根車の回転によって溶解槽内の溶媒を上
記回収容器内に導入するようにしたので合成樹脂廃棄物
の溶解作業と同時に上記のゴミ取り作業を容易・迅速に
行うことができる。
物の溶解処理装置を図に示す実施形態に基づいて具体的
に説明する。
形態を示す縦断正面図、図2はその平面図、図3は縮小
した縦断側面図である。
レン成形体等の廃棄物を溶解する溶解槽であり、該溶解
槽1はステンレス等の金属板材により全体略箱状に形成
されている。その溶解槽1の上部には廃棄物投入口1a
が設けられ、その投入口1aには開閉扉2がヒンジ2a
により開閉可能に設けられている。その投入口1aと反
対側の溶解槽1の上部にはメンテナンス用の開口1dが
設けられ、その開口1dには開閉扉12がヒンジ12a
により開閉可能に設けられている。
て所定の角度、本実施形態においては7.5°傾斜させ
てあり、その傾斜の最も低い位置には、溶媒を排出する
ための排出通路1cが形成され、その通路1c内には砂
やゴミ等を回収する下部回収容器3が脱着可能に収容配
置されている。その回収容器3は、本実施形態において
は高さ約20mmの扁平横長の箱状に形成され、図4に
示すようにその長手方向略中央部で二分割3a・3bに
構成されている。
さ約10mmの門形の台座32が所定の間隔をおいて複
数個設けられ、各分割容器3a・3bの対向する端部に
は台座を兼ねるパンチングメタル等の多孔板よりなる端
板33が設けられている。その台座32および端板33
の上面には、パンチングメタル等の多孔板よりなる蓋体
30が着脱自在に載置されている。上記各多孔板の孔径
等は適宜であるが、本実施形態においては孔径(直径)
約3mmのパンチングメタルが用いられている。
に示すように板状の取っ手34が一体的に設けられ、そ
の取っ手34を指で摘むか、あるいは取っ手32に形成
した穴34aに、図に省略した棒状のフック等を引っ掛
けることによって、溶媒排出後に捕捉したゴミと共に上
記容器を溶解槽1の前記メンテナンス用開口1dから取
り出すことができる。なお、例えば溶解処理中に上記容
器内にゴミが大量に溜まってしまった場合などには、溶
解槽中に溶媒が入った状態であっても後述する羽根車を
一旦停止させることによって上記各容器を溶解槽1から
取り出すことも可能である。
の排出口13が設けられ、その筒状の排出口13の上端
開口部13aは上記底面よりも約10mm程度上方に突
出するように構成されている。また上記排出口13側の
分割容器3bには、その筒状の排出口に嵌合する短筒状
の排出穴31が設けられている。上記の構成によって、
廃液抜き取り時、約3mm以上のゴミは前記回収容器3
のパンチングメタルよりなる蓋体30に捕獲されると共
に、上記回収容器3に回収された砂等のゴミは廃液の流
れに伴いパネルの周囲に集約しつつも外部には流出しな
い。
し撹拌する羽根車5が、横方向の支軸4を介して回転自
由に設けられ、その支軸4の一端側の溶解槽1の外方に
は該支軸4を介して上記羽根車5を所定の速度で回転駆
動するモータ(不図示)が設けられている。そのモータ
は本実施形態においては、過負荷が掛かって停止した場
合などに逆転できるように可逆転式のモータが用いら
れ、常時は羽根車5を図中矢印a方向に回転するように
構成されている。そのモータの回転速度は、速いほど廃
棄物を破砕および撹拌して溶解する効率がよく、本実施
形態においては正転時12rpm以上とするのが好まし
いことが分かった。ただし、回転速度を上昇させるほど
トルクが低下するので、その点を勘案して適宜設定すれ
ばよい。
図1および図2に示すように一対の回転板51・51間
に断面略コ字形の羽根板52を溶接等で一体的に固着し
た構成である。その羽根車5は支軸4の長手方向に複数
個、図の場合は4つ設けられ、それぞれ支軸4に溶接も
しくはキー嵌合等によって回り止め固定されている。そ
の隣り合う羽根車は軸方向に所定の間隔をおいて配置さ
れ、各羽根車5の支軸4に対する周方向の取付け位置
(向き)は同一となるように構成されている。なお図中
の角度α、βはそれぞれ約30に設定されている。
51とコ字形羽根板52とで囲まれたバケット状の凹部
Pは後述する滝落とし用の凹部として機能する。また各
回転板51の両端部は図1に示すようにクチバシ状に形
成され、その外周縁部51aは回転方向(図1で矢印a
方向)前側に行くに従って内方に湾曲している、すなわ
ち回転方向前側に行くに従って支軸4からの距離が漸次
短くなるように形成されている。さらに上記各外周縁部
51aにはV字状の切欠き部50がそれぞれ2つずつ形
成され、その各V字状切欠き部50の一辺50aは支軸
4を中心とする略半径方向に形成され、その辺50aと
他方の辺50bとの交角は約75度に形成されている。
には、該羽根車5との共働で廃棄物を破砕する破砕板を
設けたもので、図の実施形態においては隣り合う羽根車
5・5間と、最外側の羽根車5と溶解槽内面との間に、
それぞれ略垂直方向の破砕板61〜63が設けられてい
る。その破砕板61〜63のうち、支軸4の長手方向ほ
ぼ中央部に位置する破砕板61は、羽根車5の回転方向
に向かって最も前側に位置し、次いでその両側の破砕板
62・62、さらにその外側の破砕板63・63が羽根
車5の回転方向下流側に順次位置するようにずらして配
置されている。
方向前側に対向する辺(面)は、前記支軸4を中心とす
る略半径方向に形成され、上記各対向辺と前記回転板5
1のクチバシ状端部の内側の辺51bとのなす角度θは
いずれも約45度になるように構成されている。この角
度は本実施形態において廃棄物を破砕するのに最も好ま
しい角度ではあるが必ずしもこの角度に限定されるもの
ではない。
位置する破砕板61の上部には、水平方向の破砕板64
が設られ、その破砕板64は溶解槽1の図1で左右両側
の側板を補強する機能をも有する。上記のような水平方
向の破砕板は、他の垂直方向の破砕板62・63の上部
にも設けてもよく、その場合にも、上記破砕板64と、
それに隣接する破砕板64は、図1の鎖線示のように羽
根車5の回転方向に対して下流側もしくは上流側にずら
して設けるとよい。
するゴミ等の浮遊物を回収する上部回収容器7が角棒状
の支持部材8の上部に着脱自在に設けられている。その
回収容器7はパンチングメタル等の多孔板により上面が
開口する扁平横長の箱状に形成され、その長手方向両端
部の側壁7aは羽根車5側の側壁7bよりも低く形成さ
れている。また回収容器7の長手方向両端部の側壁7a
と溶解槽1の側壁内面との間には隙間dが形成されてい
る。
宜であるが、本実施形態においては孔径(直径)約8m
mのパンチングメタルが用いられ、羽根車5側の側壁7
bの高さは約10mm、長手方向両端部の側壁7aの高
さは約5mm、側壁7aと溶解槽1の側壁内面との隙間
dは30mmに形成されている。
動軌跡に沿う円弧状のガイド板9が設けられ、そのガイ
ド板9の上部9aは上記支持部材8に固着され、下部9
bは接線方向に対して斜め下向きに約30度の角度で屈
曲形成されている。又そのガイド板9と羽根車5の最も
外側の回動軌跡との間のクリアランスは、羽根車5の回
転方向下流側よりも上流側に行くに従って漸次狭くなる
ように形成されており本実施形態においては羽根車5の
回転方向下流側のガイド板屈曲部におけるクリアランス
は約6mm、最も上流側のクリアランスは約3mmに設
定されている。
52が回動する際、その羽根板52の外側の片52とガ
イド板9および回転板51・51とで囲まれた領域に
は、図8に示すように断面略V字状の溶媒汲み上げ用の
凹部Qが形成され、その汲み上げ凹部Q内に溜まった溶
媒Sが羽根車5の回転に伴って回収容器7に向かって移
動することによって該容器7内に溶媒Sが流入し、それ
によって溶媒S中のゴミ等が回収容器7で捕捉されて回
収される構成である。
投入した廃棄物が直接回収容器7内に浸入するのを防ぐ
カバー10が設けられ、そのカバー10は本実施形態に
おいては回収容器7内に回収されたゴミ等が上方から見
えるように透明のアクリル板を用いたが、有機溶媒に浸
されないものであれば材質等は適宜である。また上記カ
バー10は、ゴミ等を回収した回収容器7を上方に取り
出せるように図1の実線位置と鎖線位置とに回動可能に
取付けられ、そのカバー10と回収容器7との間には前
記汲み上げ凹部Qから回収容器7内への溶媒の進入を許
容する隙間gが形成されている。その隙間gの間隔は適
宜であるが、本実施形態においては約25mmに設定さ
れている。
を効率よく溶解するには、溶媒を暖めるとよく、その場
合の加熱温度は少なくとも溶媒の引火温度よりも低く設
定する必要がある。例えば発泡ポリスチレンを溶解する
溶媒としてリモネンを用いる場合、リモネン単体の引火
温度は48℃、これに例えば15重量%程度の発泡ポリ
スチレンを溶解した状態の引火温度は49.5℃であ
り、これに対してリモネンの加熱温度は30℃程度にす
ればよい。
であり、例えば溶解槽1内に電熱ヒータ等を設置して溶
媒を暖めるのも一つの方法であるが、これは電気制御の
故障を考慮した場合、火災面で非常に危険であるのと、
ヒータは片面しか暖められず、熱効率も悪い。そこで本
実施形態においては温水循環式のヒータ11を溶解槽1
内の前記ガイド板9に設置したものである。図の場合
は、ガイド板9の羽根車5と反対側の面に温水通路形成
用の添板11aを重ね合わせて溶接等で一体的に固着
し、その添板11aとガイド板9との間に形成された温
水通路11bに、図に省略したボイラ等からの温水を順
次循環供給する構成である。
近傍と、それと反対側の溶解槽内面近傍には、溶媒を供
給する供給管21が設けられ、その供給管21には溶媒
を霧状に噴出させる小孔が管の長手方向に多数設けられ
ている。上記供給管21は図5に示すようにホース22
および切替バルブ23等を介してポンプ24に接続さ
れ、上記切替バルブ23と前記排出口13とはホース2
5で接続されている。上記ポンプ24は本実施形態にお
いては可逆転ポンプが用いられ、防塵フィルタ26およ
びホース27等を介して溶媒供給タンク28または廃液
タンク29に選択的に連通させることによって上記供給
管21を介して溶解槽1内に溶媒を供給したり、溶解槽
1内の溶媒を排出通路1cから廃液タンク29に排出さ
せることができる。
泡ポリスチレン等の合成樹脂廃棄物をリモネン等の有機
溶媒で溶解処理するにあたっては、上記ホース27を溶
媒供給タンク28に連通させ、ポンプ24を正転させて
供給管21から溶解槽1内に溶媒を供給する。その際、
先の溶解処理で羽根車5や回収容器7に古い溶媒が付着
している場合には、供給口21を溶解槽1の上部に設け
たことによって上記の古い溶媒を流し取ることができ
る。
媒が供給されたところで、ポンプ24を停止させる。そ
の初期レベルL0としては、前記溶媒に所定量の廃棄物
を溶解した場合にも前記羽根車5が停止した状態で支軸
4が溶媒に浸からない程度とする。本実施形態において
は図1に示すように初期レベルL0は前記水平方向の破
砕板64の上辺位置付近、支軸4が溶媒に浸からない上
限許容レベルL1は上記破砕板64の下辺位置付近であ
る。上記の溶媒に対する廃棄物の溶解量としては例えば
発泡ポリステレンをリモネンに溶解させる場合には、ポ
リスチレン濃度が約30重量%になる程度である。なお
上記溶解槽内への溶媒の供給量はセンサ等で自動的に検
知して自動的にポンプを停止させることもできる。
した状態で溶解槽上部の投入口1aの開閉扉2を開け、
該投入口から溶解槽1内に廃棄物Wを投入する。そのと
き羽根車5は、必ず図1に示す定位置で停止するように
設定されており、この定位置は羽根車5の上部の溶解槽
1内の空間が広く空いた状態となり、廃棄物を最も多く
投入することができる。
ところで投入口1aの開閉扉2を閉め前記モータ(不図
示)を駆動して羽根車5を回転させるもので、そのモー
タは上記開閉扉を閉めたとき自動的に駆動するように構
成することもできる。その場合、安全のため開閉扉2を
閉じてから数秒後に羽根車5が回転するように構成する
のが好ましい。ただし、コンベア等を用いて自動投入す
る構成とし、投入口の周囲を柵等で囲って安全が確保さ
れれば上記の限りではない。
その羽根車5の回転板51と羽根板52によって廃棄物
が溶媒中に順次押し込まれる。そのとき溶解槽1の側板
の内面に付着した廃棄物は回転板51のクチバシ状の先
端部で掻き落とされ、その先端部で掻き落とされなかっ
た廃棄物は前記V字型切欠き部50によって溶媒中に押
し込まれる。
車5と前記破砕板61〜65との間で剪断されるように
して順次切断され、これを繰り返すことによって廃棄物
Wが次第に細かく破砕されていく。その際、上記破砕板
61〜65の羽根車5に対する位置は、前述のように羽
根車5の回転方向にずらして配置されているので、羽根
車5に一度に大きな力が作用するのが防止され、モータ
に掛かる負荷が軽減される。
内で行われるので、廃棄物がバタついたり、跳ねること
なくスムースに行うことができ、静電気も発生しない。
また溶媒中に押し込まれた廃棄物は、その溶媒で徐々に
溶解されると共に、上記の破砕によって溶媒との接触面
積が増大して溶解が促進される。
によって、図7に示すように回転板51・51と羽根板
52とで形成された前記滝落とし用の凹部Pが溶媒内に
浸入したのち溶媒の液面上方に露出して再び溶媒内に浸
入する。これを繰り返すことによって上記凹部P内に溜
まった溶媒Sが廃棄物に滝落とし状に振りかけられると
共に、溶媒が撹拌されて廃棄物の溶解速度が増大され
る。
ヒータ11が設けられ、特に図の場合は前述のように溶
解槽1内のガイド板9に温水通路を形成して温水循環式
のヒータ11を設置した構成であるから、上記ヒータ1
1からの放熱で溶媒を効率よく暖めることができ、発泡
ポリスチレン等の合成樹脂廃棄物をさらに効率よく溶解
することが可能となる。また発泡ポリスチレンの溶解率
が20〜30重量%になると有機溶媒の粘度も新液時よ
り非常に高くなるため、廃液も困難となるが、温水循環
方式で暖めることにより粘度が下がり、廃液がスムーズ
に行われる。また直接熱が有機溶媒に伝わらず、温水式
の放熱により両側から熱が伝わるので非常に安全であり
熱効率もよい。
板9と、羽根車5の一対の回転板51・51および羽根
板52の外片52aとで形成される前記の溶媒汲み上げ
用凹部Qが上記ガイド板9に沿って上昇移動し、前記回
収容器7の側方まで移動したところで上記凹部Q内に溜
まった溶媒Sが回収容器7内に流入して濾過される。こ
れを繰り返すことによって溶媒S中に浮遊するゴミ等を
順次回収容器7で捕捉して回収することができる。
の量が増えれば増えるほど溶媒の粘度は高くなり、回収
容器7を通過して流れ落ちて行く速度は遅くなるが、回
収容器7内には羽根車5から次々に溶媒が送られてくる
ので、ついにはゴミと共に羽根車の方に逆流してしまう
おそれがあるが、本実施形態においては前述のように回
収容器7の羽根車5側の側壁7bよりも長手方向両端部
の側壁7aを低く形成すると共に、その長手方向両端部
の側壁7aと溶解槽1の側壁内面との間に隙間dを形成
したので、羽根車5側に逆流するのを防ぐことができ
る。
出した溶媒は順次羽根車5の下方に移動し、その付近の
溶媒と合流して循環を繰り返す。この場合、万一羽根車
5からの圧力で溶媒が羽根車5の下方からガイド板9の
下方を通って回収容器7側に逆流するおそれがある場合
には、その逆流防止用の一方向弁等を上記ガイド板9の
下部等に設けるようにしてもよい。
小石等が投入されて溶媒に混入した場合には、それらは
溶媒内を徐々に下降して溶解槽底部1bに沈殿した後、
溶媒の流れと共にその底部1bの傾斜面に沿って排出通
路1cに向かって移動し、その通路1c内に設けた回収
容器3に回収される。
回収したゴミや砂等は、後述するように溶解処理が終了
して羽根車5を停止させ、溶媒を排出した後に、新液に
てシャワー洗浄と同時に清掃除去するのを基本としてい
るが、それ以外にも溶解槽1内に溶媒が入った状態で取
り出すこともできる。
7内や溶解槽底部等に永久磁石などの金属物が貼り付く
物を設置することにより、金属の異物が溶解槽1内を回
り、本体内を傷つけるのを防ぐこともできる。
る状態で例えば羽根車5の回転板51と溶解槽1の側板
内面との間に廃棄物が挟まってモータが停止してしまっ
た場合には、モータを逆転させることによって廃棄物を
反対方向に回動させて取り除くことができる。その際、
回転板51の外周縁部51aは前述のように回転方向前
側に行くに従って半径方向内方に湾曲しているので、羽
根車5を逆転したときには回転板51の外周縁部51a
は溶解槽内面との間に挟まった廃棄物から離れる傾向と
なるので、逆転動作をスムースに行うことができる。羽
根車5と前記ガイド板9との関係についても同様であ
り、羽根車5とガイド板9とのクリアランスは、前述の
ように羽根車5の回転方向下流側に行くに従って小さく
なり、逆転したときには回転方向前側に行くに従ってク
リアランスが大きくなるのでスムースに逆転させること
ができる。
ータに過負荷が作用したときには、それを自動的に検知
してモータを停止させるようにしてもよく、さらに必要
に応じてモータを自動的に逆転させるように構成ことも
できる。例えば何らかの原因でモータ等に過負荷が掛か
った場合に羽根車の回転を一旦停止し、次いで例えば1
/2回転ほど逆回転を行った後、再び正運転を試みる。
これを例えば3回程度行っても過負荷が解消されない場
合は自動停止させるようにすればよい。本実施形態にお
いては上記の操作で殆どの過負荷は解消される構造とな
っている。
成樹脂廃棄物を溶媒によって順次溶解し、所定量の廃棄
物が溶解されたところで、羽根車5の回転を停止させ
る、あるいは警報等を発して溶媒交換を促す。その手段
としては、例えば廃棄物が溶解して体積が増大した溶媒
の量を、溶解槽外部に設置したガラス管式液面センサ等
で検知し、それに基づいて羽根車の駆動モータを停止さ
せたり、溶媒交換を報知する。また上記ガラス管に溶媒
の上限許容レベルL1を表記し、そのレベルに溶媒の液
面が達したら溶媒交換等を促す、あるいは自動的に交換
するように構成することもできる。
ポンプ24を逆転させ溶解槽底部の排出口13からホー
ス25・27等を介して廃液タンク29に排出させる。
その際、前記回収容器3,7で捕捉できなかったゴミ等
は防塵フィルタ26によって回収することができる。ま
た回収容器3,7内に捕捉されたゴミ等は、それらの容
器を溶解槽1の投入口1aまたはメンテナンス用開口1
dから取り出すことによって容易に除去することができ
ると共に、つぎに新規な溶媒を溶解槽内に噴出させる際
に清掃することができる。又その際には上記ポンプ24
を正転させて供給タンク28から溶媒を供給するもの
で、そのとき排出時に生じるポンプ内の汚れを除去する
こともできる。
支軸4・羽根車5・破砕板61〜65・回収容器3,7
等の材質は、金属や合成樹脂等その他適宜であるが、溶
媒に触れる部分は、少なくともその溶媒によって劣化も
しくは変質しないものを用い、金属にあっては錆が発生
すると発泡ポリスチレンを再生したときに色が付くおそ
れがあるのでステンレスを用いるのが望ましい。
いては略水平に配置したが、例えば図6に示すように回
収容器7の長手方向一端側の端部を他端側よりも低くな
るように傾斜させて配置し、その低い側の端部の側板を
省略して開放すると共に、その下方に別の多孔板よりな
る回収容器70を配設してもよい。この場合、上記の傾
斜した回収容器7は小孔を有しない単に樋状のものであ
ってもよい。
を溶解槽1内に一列設けたが、複数列設けて多連式に構
成してもよい。図9および図10はその一例を示すもの
で、羽根車5を2列(二連式)に構成したものである。
各列の羽根車5は図10に示すように所定の間隔をおい
て非接触で交互にかみ合うように配置され、各列の羽根
車は周方向に同じ位置で位置決め固定されている。また
各列の羽根車5は回転方向および回転速度は互いに異な
るように構成されており、本実施形態においては図9で
左側の羽根車が15rpm、右側が20rpmの速度で
それぞれ図中矢印方向に回転駆動される。
ように三つ巴状に形成され、各羽根車に3つのクチバシ
状の端部と3つの滝落とし用の凹部Pとが設けられてい
る。さらに排出通路1cは溶解槽1の底部中央部に形成
され、その通路1c内に下部回収容器3を配設すると共
に、上記各羽根車5と側壁内面との間に上部回収容器7
が設けられている。その各回収容器3・7の構成、およ
び上記以外の構成は前記実施形態と略同様であり、同様
の機能を有する部材には、同一の符号を付して再度の説
明を省略する。
各列の回転速度を異ならせることによって合成樹脂廃棄
物を良好に破砕することができる。なお上記各羽根車5
の下部等には前記実施形態と同様に羽根車との共働で排
気物を破砕する破砕板61〜63等を設けることもでき
る。この場合にも隣り合う破砕板は羽根車の回転方向に
ずらして配置するとよい。
樹脂廃棄物の溶解処理装置は、廃棄物を溶解する溶解槽
1内に、廃棄物を破砕し且つ撹拌する羽根車5を支軸4
を介して回転可能に設け、上記溶解槽1内の上記支軸4
よりも低い位置に溶媒を収容すると共に、上記支軸4の
側方の溶解槽1内に溶媒中に浮遊するゴミ等を回収する
多孔板よりなる回収容器7を配置し、前記羽根車5の回
転によって溶解槽1内の溶媒を上記回収容器7内に導入
するようにしたから、上記支軸4の軸受け部分等から溶
媒が漏れるのを可及的に低減することができると共に、
溶媒中に浮遊するゴミ等を良好に回収することが可能と
なり合成樹脂廃棄物の再利用が容易となる等の効果があ
る。
一実施形態を示す縦断正面図。
の概略構成説明図。
す縦断正面図。
Claims (7)
- 【請求項1】 溶媒を収容した溶解槽内に、合成樹脂廃
棄物を破砕し且つ撹拌する羽根車を支軸を介して回転可
能に設け、上記支軸の側方の溶解槽内に溶媒中に浮遊す
るゴミ等を回収する多孔板よりなる回収容器を配置し、
前記羽根車の回転によって溶解槽内の溶媒を上記回収容
器内に導入するようにしたことを特徴とする合成樹脂廃
棄物の溶解処理装置。 - 【請求項2】 前記溶解槽内の前記支軸よりも低い位置
に溶媒を収容するようにしたことを特徴とする請求項1
記載の合成樹脂廃棄物の溶解処理装置。 - 【請求項3】 前記回収容器の下方には、前記羽根車の
略回転軌跡に沿う円弧状のガイド板を設けてなる請求項
1または2記載の合成樹脂廃棄物の溶解処理装置。 - 【請求項4】 前記ガイド板に溶媒加温用の加熱手段を
設けてなる請求項3記載の合成樹脂廃棄物の溶解処理装
置。 - 【請求項5】 前記加熱手段は温水循環式ヒータである
請求項4記載の合成樹脂廃棄物の溶解処理装置。 - 【請求項6】 前記回収容器は上面が開口する扁平箱状
に形成され、その回収容器の前記羽根車側の側壁の高さ
よりも、それと直角方向の側壁の高さを低く形成してな
る請求項1、2、3、4または5記載の合成樹脂廃棄物
の溶解処理装置。 - 【請求項7】 前記溶解槽の底部に、複数個の破砕板を
設け、該破砕板を前記羽根車の回転方向にずらして配置
してなる請求項1、2、3、4、5または6記載の合成
樹脂廃棄物の溶解処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20759498A JP4060954B2 (ja) | 1998-07-23 | 1998-07-23 | 合成樹脂廃棄物の溶解処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20759498A JP4060954B2 (ja) | 1998-07-23 | 1998-07-23 | 合成樹脂廃棄物の溶解処理装置 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000037725A true JP2000037725A (ja) | 2000-02-08 |
JP4060954B2 JP4060954B2 (ja) | 2008-03-12 |
Family
ID=16542366
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20759498A Expired - Fee Related JP4060954B2 (ja) | 1998-07-23 | 1998-07-23 | 合成樹脂廃棄物の溶解処理装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP4060954B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008179827A (ja) * | 2008-03-12 | 2008-08-07 | Sankei Giken Kogyo Co Ltd | 合成樹脂廃棄物の溶解処理装置 |
WO2009025122A1 (ja) * | 2007-08-21 | 2009-02-26 | Cleancores Nagano Co., Ltd. | 農ビ汚泥除去処理装置 |
-
1998
- 1998-07-23 JP JP20759498A patent/JP4060954B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2009025122A1 (ja) * | 2007-08-21 | 2009-02-26 | Cleancores Nagano Co., Ltd. | 農ビ汚泥除去処理装置 |
JP2008179827A (ja) * | 2008-03-12 | 2008-08-07 | Sankei Giken Kogyo Co Ltd | 合成樹脂廃棄物の溶解処理装置 |
JP4554692B2 (ja) * | 2008-03-12 | 2010-09-29 | 三恵技研工業株式会社 | 合成樹脂廃棄物の溶解処理装置 |
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JP4060954B2 (ja) | 2008-03-12 |
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