JP2000035399A - 超臨界水用セル - Google Patents

超臨界水用セル

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JP2000035399A
JP2000035399A JP20352298A JP20352298A JP2000035399A JP 2000035399 A JP2000035399 A JP 2000035399A JP 20352298 A JP20352298 A JP 20352298A JP 20352298 A JP20352298 A JP 20352298A JP 2000035399 A JP2000035399 A JP 2000035399A
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supercritical water
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total reflection
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JP20352298A
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Chihiro Jin
ちひろ 神
Hideki Konishi
秀樹 小西
Masatsugu Kawasaki
雅嗣 川崎
Masaharu Okubo
優晴 大久保
Yoshio Yamauchi
芳雄 山内
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Jasco Corp
Original Assignee
Jasco Corp
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    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/17Systems in which incident light is modified in accordance with the properties of the material investigated
    • G01N21/55Specular reflectivity
    • G01N21/552Attenuated total reflection

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、超臨界水中の試料を適正
に分析することのできる超臨界水用セルを提供すること
にある。 【解決手段】 試料成分含有超臨界水を導入するための
試料室14と、該試料室14の試料成分含有超臨界水に
密着する狭平面状の先端部分を含み、該先端部分へ赤外
光L1を入射して全反射させるための全反射プリズム1
6と、を備え、該赤外光L1を入射して、該全反射プリ
ズム16によって得られた全反射光L2が、該超臨界水
中の試料の分析に用いられることを特徴とする超臨界水
用セル10。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は超臨界水用セル、特
に超臨界水中の試料を全反射吸収(ATR)法で分析す
る際に用いられるセルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、超臨界流体による試料からの
特定成分の抽出・分離が知られている。即ち、物質は、
ある一定の臨界温度以下では、温度、圧力を変化させる
ことにより固体、液体、気体のいずれかの相をとりう
る。しかしながら、臨界温度以上になると、いくら加圧
しても、もはや液体にはなり得ない。このような状態に
ある液体を、超臨界流体と呼び、一般の気体、液体には
見られない特徴的な物性をもっている。
【0003】例えば、超臨界流体の密度は、気体の数百
倍で液体に近い値を示しているのにもかかわらず、粘性
はほぼ気体と同等である。また、拡散係数は、気体の1
/100程度であるが、液体に比べ数百倍大きい。
【0004】この結果、超臨界流体を用いれば、物質の
移動や分配、その他の物理化学的現象の過程が液体中よ
りも早く進行することが示唆され、超臨界流体を抽出溶
媒或いは移動相溶媒として用いることにより効率的な抽
出等を行うことができる。例えば、二酸化炭素等の超臨
界流体により、試料から特定成分のみを穏やかに抽出し
て、得られた抽出成分含有超臨界流体を透過型セルに導
いて、その赤外透過吸収スペクトルを得ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、前記
二酸化炭素等に代えて、非常に反応性の高い超臨界水に
より、試料の分解等の反応を振動分光レベルで観察する
ことが注目されている。例えば、超臨界水により、その
試料を分解しても有害物質等を出さないこと等を実験レ
ベルで確認することが期待されている。これにより将来
的に、大きな工場プラント等に採用することも可能とな
る。
【0006】また、反応が非常に難しい物質同士であっ
ても、超臨界水を用いれば、これらの反応がスムースに
進行することも考えられる。これにより新しい反応系の
モデルを作り出すことも期待されている。しかしなが
ら、その具体的な分析法については未だ確立されておら
ず、従来、例えば、透過型セルを用いて、透過法で測定
することも考えられるが、このような透過型セル、透過
法を用いたのでは、水による赤外線吸収が非常に強く
て、満足のゆく分析を行えず、採用するに至らなかっ
た。
【0007】本発明は、前記従来技術の課題に鑑みなさ
れたものであり、その目的は、超臨界水中の試料を適正
に分析することのできる超臨界水用セルを提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明者らが鋭意検討を行った結果、超臨界水中の
試料を分析するのに、従来の透過型セル、透過法に代え
て、全反射吸収(ATR)法を用いることにより、一般
的な透過法に比較して、水による赤外線吸収を大幅に低
減することができることを見出し、本発明を完成するに
至った。即ち、本発明に係る超臨界水用セルは、試料室
と、全反射(ATR)プリズムと、を備えたことを特徴
とする。
【0009】ここで、前記試料室は、試料成分含有超臨
界水を入れるためのものである。また、前記全反射(A
TR)プリズムは、前記試料室の試料成分含有超臨界水
に密着する狭平面状の先端部分を含み、該先端部分へ赤
外光を入射して、全反射させるためのものである。
【0010】また、前記セルにおいて、入口と、出口
と、調節手段と、を備えることが好適である。ここで、
前記入口は前記試料室へ前記試料成分含有超臨界水又は
超臨界水のみを供給するためのものである。ここにいう
試料成分含有超臨界水又は超臨界水のみを供給すると
は、セル外部で試料を反応させ、セルでは観測のみ行う
場合は、試料成分含有超臨界水を試料室へ供給する。ま
た、試料をセルの試料室で反応させながら、観測を行う
場合は、超臨界水のみを試料の入れられた試料室へ供給
すること等をいう。
【0011】また、前記出口は、前記試料室より、測定
済みの試料成分含有超臨界水を排出するためのものであ
る。前記調節手段は、前記出口より排出される試料成分
含有超臨界水量を調節可能なものである。即ち、前記分
析をする際に、前記試料室の試料成分濃度が足りない時
は、前記調節手段により、前記出口より排出される試料
成分含有超臨界水量を調節して、前記試料室内の試料成
分濃度を、所望の濃度まで上昇させることができるから
である。
【0012】また、前記セルにおいて、前記全反射プリ
ズムの材質は、超臨界水の高温、高圧下、例えば230
kg/cm、380℃以上等に耐えうるダイヤモン
ド、サファイヤのいずれかであることも好適である。ま
た、前記セルにおいて、前記全反射プリズムを間に挟
み、前記試料室の反対側に設けられた、前記全反射プリ
ズムへ入射した赤外光を、該全反射プリズムにより複数
回全反射させることが可能な反射手段を備えることも好
適である。
【0013】即ち、入射光である赤外光を全反射プリズ
ムにより複数回全反射させることにより、満足のゆく測
定が行えるからである。
【0014】
【発明の実施の形態】前述のように本発明者らは、超臨
界水中の試料の分析に、従来の透過型セル、透過法を用
いるのでなく、水による赤外線吸収の低減を図るため、
試料成分含有超臨界水中に赤外光を透過させる必要のな
い全反射吸収(ATR)法を用いることとした。
【0015】この全反射吸収(ATR)法について説明
する。即ち、試料(屈折率n=n1)に、屈折率の高い
媒質(n=n2)である全反射(ATR)プリズムを密
着し、臨界角(θc=sin−1n2/n1)より大き
な入射角(全反射条件)で赤外光を入射して測定する。
【0016】全反射が生じると、光は界面で試料側に若
干しみこんで反射される。しみこんだ光をエバネッセン
ト波といい、この波はその振幅が境界面から試料側に指
数関数的に減衰する。試料に吸収のない波数域では入射
光はそのまま全反射するが、吸収のある領域では吸収の
強さに応じて反射光強度が減少するので、吸収スペクト
ルに類似の全反射吸収(ATR)スペクトルが得られ
る。
【0017】エバネッセント波の振幅が1/eに低下す
る深さを侵入深さdpと定義すると、光の波長λ、入射
角に対して、試料が光を吸収しないとき、次式のように
与えられる。 dp=λ/{2π(n1sinθ−n21/2}
【0018】従って、試料が光を吸収すると、境界面で
反射される光はその分減少する。このような試料成分含
有超臨界水と全反射プリズムとの境界面における全反射
光の特性を解明することにより、試料が著しく強い光の
吸収を示す試料成分含有超臨界水であっても、溶質より
光学的情報を得ることが可能となる。以下、図面に基づ
き本発明の好適な実施形態を説明する。
【0019】第1実施形態 図1には、本発明の第1実施形態に係る超臨界水用セル
を用いた全反射測定装置の概略構成が示されている。な
お、本実施形態においては、試料として例えば、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)等の超臨界水に浸漬す
ると、分解してしまうものを想定している。
【0020】同図において、本発明の第1実施形態に係
る超臨界水用セル10は、フーリエ変換赤外(FT−I
R)分光計本体12より外部に取り出された外部光路中
に設けられており、試料室14と、全反射(ATR)プ
リズム16を含む。前記試料室14は、試料成分含有超
臨界水を入れるためのものである。同図において、試料
成分含有超臨界水がセル入口18を介して導入され、セ
ル出口20より排出される。
【0021】より具体的には、送液ポンプ22により超
臨界水槽24からの超臨界水が送出され、デガッサ26
により気泡等が除去された後、試料注入部28より試料
が注入される。その後、超臨界水用セル10において、
超臨界状態となる。ここで、ポリエチレンテレフタレー
ト(PET)等の試料は各試料成分に分解される。
【0022】このようにして得られた試料成分含有超臨
界水が試料室14へ導入され、測定済みの試料成分含有
超臨界水が導出される。前記全反射(ATR)プリズム
16は、例えば薄さ2mm〜3mmのダイヤモンド等よ
りなり、試料室14の超臨界水に密着する狭平面状の先
端部分を含み、該先端部分へ入射光L1である赤外光を
入射して全反射させるためのものである。
【0023】同図において、全反射(ATR)プリズム
16は、その先端部分の狭平面が試料室14に表出した
状態で、セル本体30に溶着で固定されている。そし
て、赤外光源32より出射された光束を、マイケルソン
干渉計34へ導光して赤外干渉光を生成し、これを固定
鏡36,38,40で反射し、レンズ42で集光して入
射光L1を形成する。
【0024】この入射光L1は、全反射(ATR)プリ
ズム16を介して試料室14の試料成分含有超臨界水上
に照射され、この試料成分含有超臨界水と全反射(AT
R)プリズム16との境界面からの全反射光L2が形成
される。この全反射光L2は、レンズ44で集光されて
水銀カドミウムテルル(MCT)等の光検出器46でそ
の検出信号が検出され、その検出信号が信号処理手装置
48に供給される。
【0025】一方、レーザ50から出射されたレーザ光
L3をマイケルソン干渉計34へ導入し、レーザ干渉光
を生成してその光強度をホトダイオード51で検出し、
その検出信号をサンプリング信号として信号処理装置4
8に供給する。この信号処理装置48は、このサンプリ
ング信号に同期して光検出器46よりの光強度信号を読
み取り、公知の信号処理を行って赤外吸収スペクトルを
求め、これを記録計52に出力させる。
【0026】本発明の第1実施形態に係る超臨界水用セ
ル10を用いた全反射測定装置は、概略以上のように構
成され、以下にその作用について説明する。まず、本発
明の第1実施形態に係る超臨界水用セル10では、超臨
界水中の試料を分析するのに、全反射吸収(ATR)法
を用いることにより、一般的な透過法を用いた透過型セ
ルに比較して、水の赤外線吸収を大幅に低減することが
可能となる。
【0027】この結果、従来極めて困難であった、試料
成分含有超臨界水の赤外スペクトル測定を適正に行うこ
とが可能となり、赤外スペクトルより分光振動レベルで
測定を簡便に行うことが可能となる。また、全反射プリ
ズム16として、超臨界水の高温、高圧下に耐えうるダ
イヤモンド等をセル本体30に溶着しているので、超臨
界水等の漏れを防ぎ、セルの長寿命化等を図ることが可
能となる。
【0028】第2実施形態 図2には、本発明の第2実施形態に係る超臨界水用セル
の概略構成が示されている。なお、前記図1と対応する
部分には、符号100を加えて示し説明を省略する。同
図において、本発明の第2実施形態に係る超臨界水用セ
ル110は、入射窓154と、出射窓156と、反射手
段158を含む。
【0029】前記入射窓154及び出射窓156は、例
えば硫化亜鉛(ZnS)等のプリズムよりなり、入射光
L1は、入射窓154を介して全反射プリズム116へ
入射する。そして、全反射プリズム116によって全反
射した光L2は、その上方に設けられた、反射鏡等の反
射手段158によって再び全反射プリズム116へ入射
して、全反射した後、出射窓156を介してセル110
を出射して光検出器(図示省略)により検出される。
【0030】このように、入射光L1を全反射プリズム
116によって全反射している。以上のように本発明の
第2実施形態に係る超臨界水用セル110によれば、試
料成分含有超臨界水を分析するのに、前記第1実施形態
と同様、全反射吸収(ATR)法を用いることとしたの
で、水による赤外線吸収を大幅に低減することが可能と
なる。
【0031】また、入射光L1を全反射プリズム116
で複数回反射させることとしたので、反応が遅く試料成
分の濃度が薄い場合であっても、分析を十分に行うこと
が可能となる。
【0032】第3実施形態 図3には、本発明の第3実施形態に係る超臨界水用セル
の概略構成が示されている。なお、本実施形態において
は、試料が入れられたセルへ超臨界水を導入して、一の
セルで反応と測定を行う場合を想定している。また、前
記図2と対応する部分には、符号100を加えて示し説
明を省略する。
【0033】同図において、本発明の第3実施形態に係
る超臨界水用セル210は、試料260を入れるための
試料溜め262を含む。この試料溜め262は、セル本
体開口部264に対して、着脱自在に設けられている。
【0034】例えば、試料260を試料溜め262に載
置したり、これを取り出す時は、超臨界水用セル210
より試料溜め262を取り外す。また、超臨界水を供給
するためのインレット管及び試料成分含有超臨界水を排
出するためのアウトレット管(図示省略)を接続するた
めの開口266,268がそれぞれ斜めに形成されてい
る。すなわち、加熱炉、試料室等の大きさには制限があ
るので、これにより、少しでも配管の外径を小さくでき
るからである。
【0035】そして、前記インレット管、セル入口21
8を介して試料の入れられた試料溜め262へ超臨界水
が供給され、試料成分含有超臨界水が試料溜め262に
溜まり、全反射プリズム216によってその全反射光L
2を得ている。また、測定済み試料成分含有超臨界水
は、セル出口220、前記アウトレット管より排出され
る。
【0036】このように、本発明の第3実施形態に係る
超臨界水用セル210によれば、試料成分含有超臨界水
を分析するのに、前記第1、2実施形態と同様、全反射
吸収(ATR)法を用いることとしたので、水による赤
外線吸収を大幅に低減することが可能となる。
【0037】また、超臨界水による分解産物が経時的に
異なり、先の分解産物を排出しないと、次の分解産物が
観察しにくい時は、本実施形態のように、測定済みの分
解産物を試料セル214より徐々に排出しながら、分析
をすることもできる。ここで、全反射吸収(ATR)法
を用いる場合、最低でも数パーセントの試料成分濃度が
必要であり、反応が遅く試料成分の濃度が足りない時
は、例えばセルの後段にレギュレータ270等の調節手
段を設ける等して、セル出口220より排出される試料
成分含有超臨界水量を、前記調節手段により一旦止める
等して、試料溜め262内の試料成分濃度を上昇させる
こともできる。
【0038】また、試料を試料室へ載置するのに、単に
試料室の任意の部位へ試料を入れるのでなく、全反射プ
リズム216の真下に設けられ、セル入口218及びセ
ル出口220より窪んだ所に位置する試料溜め262
に、試料260を入れておくことにより、超臨界水によ
り得た試料成分をセル出口220よりすぐに排出せず
に、ある程度試料溜め262に溜め濃度を上昇されてい
る。
【0039】そして、ある程度濃度が上昇した試料成分
による全反射吸収を、その直上方の全反射プリズム21
6によって測定するので、反応が遅い試料であっても、
測定を十分に行うことが可能となる。また、測定済みの
試料成分含有超臨界水は、順次、セル出口220より排
出されるので、分解産物の経時的観測を簡便に行うこと
が可能となる。
【0040】なお、同図において、試料室214より固
形物等が流出して後段のアウトレット管等の管が目詰ま
りするのを防ぐため、例えば、セル出口220等に、フ
ィルタ(図示省略)を設けて、溶解物のみを出口220
より排出することも好ましい。また、前記各実施形態の
ように、セルをフローセルとした場合は、例えばセル2
10の後段とレギュレータ270等の流量調節手段との
間に、例えばコイル等を巻く等した圧力緩衝機構271
を設けることも好ましい。
【0041】即ち、試料室214の試料成分濃度を上げ
るため、出口220のフローを止めることも考えられる
が、この時、単にレギュレータ270を閉じただけで
は、例えば、高圧が抜けてしまい、高圧を維持すること
ができない場合がある。そこで、本実施形態において
は、バックプレッシャをかけて、前述のような圧力の抜
けを大幅に低減するため、セル210の後段とレギュレ
ータ270等の流量調節手段との間に、コイル等を巻く
等した圧力緩衝手段271を設けている。
【0042】以上のように、前記各実施形態に係る超臨
界水用セルによれば、超臨界水中の試料を分析するの
に、全反射吸収(ATR)法を用いることとしたので、
従来の透過法に比較して、水による赤外線吸収を大幅に
低減することができる。例えば、従来の透過型セルで
は、20μm〜40μm同等の吸収強度であったのに対
し、前記各実施形態に係る超臨界水用セルでは、1μm
〜2μm同等の吸収強度まで低減することができる。
【0043】これにより、従来極めて困難であった、試
料成分含有超臨界水の赤外吸収スペクトルを適正に得る
ことができる。このような赤外吸収スペクトルより、新
しい反応系のモデル化等を正確に行うことができる。な
お、本発明の超臨界水用セルは、前記各実施形態に限定
されるものでなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形が
可能である。
【0044】例えば、前記各実施形態に係る超臨界水用
セルを、フローセルとして用いた例について説明した
が、これに限られるものでなく、バッチ式で試料成分含
有超臨界水を入れ、測定後、これを抜くようなフローセ
ルでないセル等の各種セルにも適用することができる。
また、前記第1実施形態において、赤外光を全反射プリ
ズムへ入射するのに、全反射プリズムによって全反射し
た被測定光を光検出器へ導光するのに、それぞれレンズ
を用いた例について説明したが、これに限られるもので
なく、図4に示すように、カセグレン鏡372,374
等でもよい。
【0045】また、前記各実施形態においては、入射光
としての赤外光を、全反射プリズムにて複数回全反射さ
せた例について説明したが、これに限られるものでな
く、勿論1回でもよい。ただし、試料の反応が遅く、試
料成分が測定を適正に行うには足りない時等には、前記
全反射回数を複数回、より具体的には2回以上、例えば
10回等以下にすることが好ましい場合もある。
【0046】すなわち、赤外光を全反射プリズムにて1
回だけ全反射させたのでは、試料の反応が遅く、試料成
分が足りない時等に、測定を適正に行えない場合があ
る。逆に、ある回数以上、例えば11回以上全反射させ
たのでは、全反射プリズム自身による赤外線吸収が問題
となってしまう場合があるからである。また、前記各実
施形態に係る超臨界水用セルを、フローセルとした場合
は、つぎの高速液体クロマトグラフにも適用することが
できる。
【0047】通常、超臨界水用セル410等のフローセ
ル内の圧力を制御するため、図5に示す機構において、
フローセル内が一定の圧力になった時、レギュレータ4
70を完全に閉の状態とすると共に、セル前段の送液ポ
ンプ(図示省略)を止めることにより、その圧力を維持
することが考えられる。しかしながら、このような一定
圧でポンプ等を止める機構では、セル内の圧力が時間の
経過と共に、徐々に低下してしまう。そこで、本実施形
態においては、超臨界水用セル510等のフローセル
を、図6に示すような密閉型にしてもよい。
【0048】即ち、同図において、超臨界水用セル51
0等のフローセルの前後を、管578により、シャット
オフバルブ580と、流体用の3方ジョイント582
と、バルブ584と、流体用3方ジョイント586を介
して連通している。このように超臨界水用セル510の
前後を管578等により実質的な密閉型にすることによ
り、前記従来の送液ポンプを止めただけのものに比較
し、セル内の圧力の制御が容易となる。
【0049】また、圧力の制御を適正に行うことができ
ると、圧力(密度)ごとの赤外吸収スペクトルより、分
光学的な振動構造の知見を正確に得ることができる。ま
た、超臨界水中での溶質の溶解度を測定することができ
る。また、セル内の試料成分含有超臨界水をスターラ等
の攪拌手段(図示省略)により攪拌して循環することに
より、反応系を適正にモニタすることができる。
【0050】なお、前記図6に示した高速液体クロマト
グラフおいて、接液部の材質として、ルビー、サファイ
ヤ、セラミックス、ステンレススチール(SUS31
6)、(PEEK)、フッ素樹脂等を用いることができ
る。より具体的には、前記ルビーをチェック弁のボー
ル、前記サファイヤをチェック弁のシート、前記セラミ
ックスをプランジャ、前記ステンレススチール(SUS
316)を通常接液する金属部品の全て、前記PEEK
をプランジャのガイドベアリング(摺動用)、前記フッ
素樹脂をチェック弁のパッキン/プランジャボール等
に、それぞれ用いることができる。
【0051】また、圧力センサとして例えばレギュレー
タ570中に組み込まれたフロースルー型ストレインゲ
ージ・トランスデューサ等を用いることもできる。ま
た、フローセルとして例えば寸法150mm(W)×4
70mm(D)×150mm(H)、重量約8kg等を
用いることもできる。
【0052】また、所要電源としてAC100±10
V、50/60Hz、最大100W等を用いることがで
きる。さらに、フローセルの前段にデガッサ等を設け、
該デガッサにより、超臨界水中の気泡等を、セルへ導入
する前に、十分に除去しておいてもよい。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る超臨
界水用セルによれば、超臨界水中の試料を分析するの
に、全反射吸収(ATR)法を用いることとしたので、
従来の透過型セル、透過法に比較し、水による赤外線吸
収を大幅に低減することができる。これにより、従来極
めて困難であった、試料成分含有超臨界水の赤外スペク
トル測定を適正に行うことができるので、新しい反応系
のモデル化等を簡便に行うことが可能となる。なお、前
記セルにおいて、試料室へ超臨界水等を供給するセル入
口と、該試料室より測定済みの試料成分含有超臨界水を
排出するセル出口と、該セル出口より排出される試料成
分含有超臨界水量を調節可能な調節手段を設けることに
より、分解産物等が経時的に異なり、先の分解産物等を
排出しないと、次の分解産物等の観察をしにくい時は、
分解産物等をセルより徐々に排出しながら、分析をする
ことができる。ここで、前記分析をする際に、前記試料
室の試料成分濃度が足りない時は、前記調節手段によ
り、セルより排出される試料成分含有超臨界水量を一旦
止める等して、試料室内の試料成分濃度を、所望の濃度
まで上昇させることができるので、反応が遅く濃度の足
りない試料であっても、測定を十分に行うことができ
る。また、前記セルにおいて、前記試料室を、前記試料
を入れるための試料溜めとすることにより、反応が遅く
濃度の足りない試料であっても、試料溜めに試料成分を
十分に溜めて、所望の濃度まで上昇させることができる
と共に、一のセルにより反応と測定を簡便に行うことが
できる。また、超臨界水の高温、高圧下に耐えうるダイ
ヤモンド等よりなる全反射プリズムを用いることによ
り、セルの耐久性の向上、長寿命化等を図ることもでき
る。さらに、前記全反射プリズムへ入射した赤外光を、
反射手段により、該全反射プリズムで複数回全反射させ
ることにより、反応が遅く濃度の足りない試料成分であ
っても、測定を十分に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る超臨界水用セルを
全反射測定装置の測定用セルに用いた場合の概略構成の
説明図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る超臨界水用セルの
概略構成の説明図である。
【図3】本発明の第3実施形態に係る超臨界水用セルの
概略構成の説明図である。
【図4】前記図1に示した全反射測定装置の変形例であ
る。
【図5】前記図1〜図4に示した超臨界水用セルの一般
的な高速液体クロマトグラフへの配置例である。
【図6】前記図1〜図4に示した超臨界水用セルの好適
な高速液体クロマトグラフへの配置例である。
【符号の説明】
10…超臨界水用セル 14…試料室 16…全反射(ATR)プリズム 18…セル入口 20…セル出口
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川崎 雅嗣 東京都八王子市石川町2967番地の5 日本 分光株式会社内 (72)発明者 大久保 優晴 東京都八王子市石川町2967番地の5 日本 分光株式会社内 (72)発明者 山内 芳雄 東京都八王子市石川町2967番地の5 日本 分光株式会社内 Fターム(参考) 2G057 AA01 AA02 AA20 AB02 AB04 AC01 BA01 BB10 DA03 DB01 DB10 DC07 EA06 2G059 AA01 BB04 EE02 EE20 HH01 JJ11 JJ12 JJ30 KK01 NN02 NN04

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高温、高圧下に存在する超臨界水中の試
    料を全反射吸収法により分析する際に用いられるセルで
    あって、 試料成分含有超臨界水が導入される試料室と、 前記試料室の試料成分含有超臨界水に密着する狭平面状
    の先端部分を含み、該先端部分へ赤外光を入射して全反
    射させるための全反射プリズムと、 を備え、前記赤外光を入射して、全反射プリズムによっ
    て得られた全反射光が、前記超臨界水中の試料の分析に
    用いられることを特徴とする超臨界水用セル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のセルにおいて、 前記試料室へ前記試料成分含有超臨界水又は超臨界水の
    みを供給するための入口と、 前記試料室より、測定済みの試料成分含有超臨界水を排
    出するための出口と、 前記出口より排出される試料成分含有超臨界水量を調節
    可能な調節手段と、 を備え、前記分析をする際に、前記試料室の試料成分濃
    度が足りない時は、前記調節手段により、前記出口より
    排出される試料成分含有超臨界水量を調節して、前記試
    料室の試料成分濃度を、所望の濃度まで上昇させること
    を特徴とする超臨界水用セル。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のセルにおいて、前記試料
    室は前記試料を充填するための試料溜めであり、 前記入口は前記試料溜めへ超臨界水のみを供給すること
    を特徴とする超臨界水用セル。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載のセルに
    おいて、前記全反射プリズムの材質は、ダイヤモンド、
    サファイヤのいずれかであることを特徴とする超臨界水
    用セル。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載のセルに
    おいて、前記全反射プリズムを間に挟み、前記試料室の
    反対側に設けられた、前記全反射プリズムへ入射した赤
    外光を、該全反射プリズムにより複数回全反射させるこ
    とが可能な反射手段を備えたことを特徴とする超臨界水
    用セル。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US11085877B2 (en) 2017-09-08 2021-08-10 Schlumberger Technology Corporation Apparatus and methods for measuring the refractive index of a fluid

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