JP2000034300A - 抗リン酸化タウ蛋白質抗体及びそれを用いるアルツハイマー病の検出方法 - Google Patents

抗リン酸化タウ蛋白質抗体及びそれを用いるアルツハイマー病の検出方法

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JP2000034300A
JP2000034300A JP10204040A JP20404098A JP2000034300A JP 2000034300 A JP2000034300 A JP 2000034300A JP 10204040 A JP10204040 A JP 10204040A JP 20404098 A JP20404098 A JP 20404098A JP 2000034300 A JP2000034300 A JP 2000034300A
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Koichi Ishiguro
幸一 石黒
Hideto Ono
英人 大野
Hideki Jinno
英毅 神野
Kazutomo Imahori
和友 今堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルツハイマー病に一層特異的なアルツハイ
マー病の検出方法を提供する。 【解決手段】 ペアード・ヘリカル・フィラメント中の
リン酸化タウ蛋白質の部分ペプチドであって、配列表の
配列番号1で表されるアミノ酸配列中の199位のセリ
ン残基を含み、そのセリン残基がリン酸化されているペ
プチド、231位のスレオニン残基を含み、そのスレオ
ニン残基がリン酸化されているペプチド、235位のセ
リン残基を含み、そのセリン残基がリン酸化されている
ペプチド、ならびに、231位のスレオニン残基及び2
35位のセリン残基を含み、そのスレオニン残基及びセ
リン残基がリン酸化されているペプチドから選ばれる部
分ペプチドを免疫原として得られ、前記部分ペプチドに
特異的に結合する前記リン酸化タウ蛋白質に対する抗体
と、アルツハイマー病の疑いのある個体から得られた試
料との反応性を調べることにより、アルツハイマー病の
検出を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルツハイマー病の
検出に用い得る抗体に関し、更に詳細には、ペアード・
ヘリカル・フィラメント(Paired Helical Filament)
中のリン酸化タウ蛋白質のリン酸化部位を含む部分ペプ
チドに対する抗体、それを含む試薬キット、及び前記抗
体またはキットを用いたアルツハイマー病の検出方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】アルツハイマー病は初老期(45〜65
才)に発病する進行性の痴呆で、病的な変化として神経
細胞の変質及び神経細胞数の減少による大脳皮質の萎縮
が認められ、また、病理学的には、その脳内に多数の老
人斑と神経原線維変化が認められる。65才以上の老年
期に発症するいわゆる自然老化による老年痴呆も、病理
学的に何ら本質的な差は認められないため、アルツハイ
マー型老年痴呆と呼ばれている。
【0003】この疾患の患者数は、高齢者人口の増加と
ともに増大し、社会的に重要な疾患となっている。しか
し、この疾患の原因については諸説あるものの結果的に
は未だ不明であり、早期の解明が望まれている。
【0004】アルツハイマー病の病理変化のひとつであ
る老人斑の主要成分が、アミロイドβプロテインである
ことが解明されている(Annu. Rev. Neurosci., 12, 46
3-490(1989))。また、もうひとつの病理変化である神
経原線維変化は、神経細胞内にPHF(ペアード・ヘリ
カル・フィラメント:Paired helical filament)が蓄
積してくるものであり、その構成成分のひとつとしてタ
ウ蛋白質が同定されている(J. Biochem., 99, 1807-18
10(1986); Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83,4913-4917
(1986))。
【0005】タウ蛋白質は、通常SDSポリアクリルア
ミドゲル電気泳動で分子量48〜65kDに数本のバンド
を形成する一群の近縁蛋白質であり、微小管の形成を促
進することが知られている。
【0006】アルツハイマー病脳のPHF中に組み込ま
れたタウ蛋白質は、通常脳中のタウ蛋白質よりも異常に
リン酸化されていることが、PHFに対するポリクロー
ナル抗体(抗ptau; J. Biochem., 99, 1807-1810(198
6))や、タウ蛋白質に対するモノクローナル抗体(tau-1
抗体; Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83. 4913-4917(19
86))を用いて証明されている。また、PHF中に組み
込まれたリン酸化タウ蛋白質のリン酸化部位も決定され
るなど(特開平6-239893)、アルツハイマー病における
タウ蛋白質の機構が判明しつつある。さらに、PHF中
のリン酸化タウ蛋白質のリン酸化部位を含む部分ペプチ
ドを免疫原とする抗体がアルツハイマー病の検出に有用
であることが見出されている(国際公開パンフレット第
WO97/34145号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、アルツハイ
マー病に対する特異性が一層高いアルツハイマー病の検
出方法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、PHF中
のリン酸化タウ蛋白質のリン酸化部位を含む部分ペプチ
ドを免疫原とする抗体を用いるアルツハイマー病の検出
において、特定の部分ペプチドを免疫原とする抗体を用
いた場合に、顕著にアルツハイマー病に対する特異性が
上昇することを見出し本発明を完成するに至った。
【0009】即ち本発明によれば、ペアード・ヘリカル
・フィラメント(Paired Helical Filament)中のタウ
蛋白質の部分ペプチドを免疫原として得られ得る、前記
リン酸化タウ蛋白質に対する抗体であって、前記部分ペ
プチドは、配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列
中の199位のセリン残基に相当するセリン残基を含
み、そのセリン残基がリン酸化されているペプチド、2
31位のスレオニン残基に相当するスレオニン残基を含
み、そのスレオニン残基がリン酸化されているペプチ
ド、235位のセリン残基に相当するセリン残基を含
み、そのセリン残基がリン酸化されているペプチド、な
らびに、231位のスレオニン残基に相当するスレオニ
ン残基及び235位のセリン残基に相当するセリン残基
を含み、そのスレオニン残基及びセリン残基がリン酸化
されているペプチドから選ばれるものであり、前記抗体
は前記部分ペプチドに特異的に結合することを特徴とす
る抗体が提供される。
【0010】この発明の好ましい態様によれば、前記部
分ペプチドが、配列表の配列番号1で表されるアミノ酸
配列中の231位のスレオニン残基に相当するスレオニ
ン残基及び235位のセリン残基に相当するセリン残基
を含み、そのスレオニン残基及びセリン残基がリン酸化
されているペプチドである上記抗体が提供される。
【0011】この発明の他の好ましい態様によれば、部
分ペプチドが、そのリン酸化部位のアミノ酸残基とその
前及び/または後の複数個のアミノ酸残基を含むペプチ
ドである上記抗体が提供される。このような抗体として
は、リン酸化部位を含む部分ペプチドが配列表の配列番
号2のアミノ酸番号2〜12、配列番号3のアミノ酸番
号2〜14、配列番号4のアミノ酸番号2〜12または
配列番号5のアミノ酸番号2〜12のアミノ酸配列で表
される上記抗体がある。
【0012】また、本発明の別の態様によれば、少なく
とも、上記いずれかの抗体を含んでなる、アルツハイマ
ー病の検出に用いるための試薬キットが提供される。
【0013】さらに、本発明の別の態様によれば、上記
いずれかの抗体と、アルツハイマー病の疑いのある個体
から得られた試料との反応性を調べることを特徴とする
アルツハイマー病の検出方法が提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明を以下に詳細に説明する。
【0015】本発明においてタウ蛋白質は、好ましくは
ヒト由来のものである。タウ蛋白質の具体例としては、
Goedert et al., Neuron, 3, 519-526(1989)に記載の3
52アミノ酸残基〜441アミノ酸残基の一次構造を有
するタウ蛋白質等が挙げられる。
【0016】本発明における部分ペプチドとしては、例
えば、一次構造が配列表の配列番号1で表されるアミノ
酸配列中の199位のセリン残基を含み、そのセリン残
基がリン酸化されているペプチド、231位のスレオニ
ン残基を含み、そのスレオニン残基がリン酸化されてい
るペプチド、235位のセリン残基を含み、そのセリン
残基がリン酸化されているペプチド、ならびに、231
位のスレオニン残基及び235位のセリン残基を含み、
そのスレオニン残基及びセリン残基がリン酸化されてい
るペプチドから選ばれるものが使用される。
【0017】本発明においては、上記配列中の231位
のスレオニン残基及び235位のセリン残基を含み、そ
のスレオニン残基及びセリン残基がリン酸化されている
ペプチドを使用することが好ましい。
【0018】長さや由来の異なる他のタウ蛋白質におい
てはアミノ酸配列が相違する場合もあるが、アミノ酸配
列の比較によってこれらのスレオニン残基及びセリン残
基に相当するスレオニン残基及びセリン残基を容易に特
定できる。
【0019】本発明で好ましく用いられるタウ蛋白質の
部分ペプチドとしては、上記リン酸化部位のアミノ酸残
基とその前及び/または後の複数個のアミノ酸残基を含
むペプチドが好ましい。特に、リン酸化部位のアミノ酸
残基の前もしくは後ろの一方または両方に、1〜7アミ
ノ酸残基、より好ましくは3〜5アミノ酸残基含むペプ
チドが好ましい。更に、これら部分ペプチドの中では、
配列表の配列番号2のアミノ酸番号2〜12、配列番号
3のアミノ酸番号2〜14、配列番号4のアミノ酸番号
2〜12または配列番号5のアミノ酸番号2〜12のア
ミノ酸配列で表されるものが好ましく、配列番号2のア
ミノ酸番号2〜12のアミノ酸配列で表されるものが最
も好ましい。
【0020】本発明において、「特異的に結合する」と
は、少なくとも、特定された位置でリン酸化されていな
い部分ペプチドに結合しないことを意味する。
【0021】本発明の抗体は、上記のようなリン酸化タ
ウ蛋白質のリン酸化部位を含む部分ペプチドを免疫原と
して動物を免疫し、その動物から血清を調製することに
よって得られる。その際、上記ペプチドのアミノ末端も
しくはカルボキシル末端に反応性の官能基を有するアミ
ノ酸、例えばシステイン、リジン、グルタミン酸、アス
パラギン酸等を導入したものをハプテンとして担体蛋白
質に結合し、それを免疫原に用いることが好ましい。
【0022】上記のペプチドは、芳香族アミノ酸、含硫
アミノ酸及び複素環式アミノ酸を有さない場合には、Te
trahedron Lett., 32, 7083-7086 (1991)に記載されて
いるように、リン酸化部位に対する保護基としてフェニ
ル基を使用した固相法によるペプチド合成法により合成
される。
【0023】また、芳香族アミノ酸、含硫アミノ酸及び
複素環式アミノ酸を有する場合には、Peptide Chemistr
y 1993, 109-112(1994)に記載されているように、リン
酸化部位に対する保護基としてシクロヘキシル基を使用
したペプチド固相法、あるいはChem. Lett., 1099-1112
(1994)に記載されているように、リン酸化部位に対す
る保護基としてベンジル基を使用したペプチド固相法に
より合成される。
【0024】抗体の調製に際して、上記のようにして合
成された部分ペプチドを、牛血清アルブミン(BS
A)、甲状腺グロブリン、キーホール・リンペットのヘ
モシアニン等の担体蛋白質に結合させる。結合は、適当
な縮合剤、例えばマレイミド、グルタールアルデヒド、
カルボジイミド等を用いて容易に行うことができる。か
くして得られる担体蛋白質に結合されたペプチドを動物
に免疫する。動物の免疫は、通常の抗体の製造と同様に
して行えばよい。すなわち、担体蛋白質に結合されたペ
プチドを含む溶液を、必要に応じてアジュバントと混合
し、マウス、ラット、ウサギ、モルモット、ヒツジ等、
通常抗体の製造に用いられる動物の皮下または腹腔内に
投与する。初回免疫後、2〜3週間毎に追加免疫を行う
と、力価の高い抗血清が得られる。免疫した動物から血
液を採取し、血清を調製する。本発明においては、得ら
れた抗血清は、精製することなくそのまま用いることも
できるが、血清を熱処理して補体を失活させた後、硫酸
アンモニウムによる塩析、イオン交換クロマトグラフィ
ー等によってイムノグロブリン画分を精製してもよい。
また、特定の部分ペプチドを固定化したペプチドカラム
を用いて抗体を精製することにより、上記で示したリン
酸化部位またはその近傍を特異的に認識する抗体が得ら
れる。
【0025】また、免疫した動物から抗体産生細胞を採
取し、常法によって、同系動物由来のミエローマ細胞等
の培養細胞と融合させてハイブリドーマを作製し、その
ハイブリドーマの培養液からイムノグロブリン画分を調
製することによって、特定のエピトープを認識するモノ
クローナル抗体が得られる。
【0026】本発明によって得られた抗体とアルツハイ
マー病の疑いのある個体から得られた試料とを、それ自
体既知の通常用いられる方法により免疫反応させ、抗原
−抗体反応物を検出して試料と抗体との反応性を調べる
ことによりアルツハイマー病を検出できる。また、得ら
れた抗体を用いて、上記免疫反応及び検出工程等を含む
アルツハイマー病の検出に用いるための試薬キットを調
製できる。このようなキットは、通常の免疫反応を利用
したキットと同様の構成によって提供される。すなわ
ち、本発明の試薬キットは、少なくとも本発明の抗体を
含み、さらに任意の要素として、試料希釈液、洗浄液、
標識化抗体または標識化抗原、色素、陽性コントロール
用のペプチド等を含む。
【0027】本発明の抗体または試薬キットを用いる
と、例えば次の通りアルツハイマー病を検出できる。
【0028】先ず、アルツハイマー病の疑いのある個体
から試料を入手し、次いで上記のようにして得られた抗
体と反応させる。前記試料としては、大脳皮質等の組
織、脳脊髄液または血液等の体液が挙げられる。組織の
試料を本願発明に従って検出する場合、組織が約0.1
mg程度必要である。また脳脊髄液や血液を試料として
用いる場合、約0.5〜0.01ml程度が必要であ
る。
【0029】上記のような試料が得られたあと、その試
料を生理的緩衝液中でホモジナイズし、遠心分離し、次
いで得られた上清はまず分画して潜在している免疫グロ
ブリンを除去したのち、上記で得られた抗体に対する反
応性を指標として試験を行う。
【0030】上記で得られた画分を電気泳動にかけ上記
で得られた抗体を加えて免疫ブロットを行う。このとき
抗体には通常使用されるような標識を付けることにより
検出してもよく、この抗体と免疫反応性のある二次抗体
と反応させることにより検出してもよい。
【0031】このようにして、アルツハイマー病の疑い
のある個体について、試料と抗体との反応性を調べ、ア
ルツハイマー病でない個体のコントロールと比較して反
応性が増大している場合は、その個体はアルツハイマー
病であると確認される。また、アルツハイマー病である
個体のコントロールと比較して反応性が低下している場
合は、その個体はアルツハイマー病でないと、確認され
る。このようにして、本発明によってアルツハイマー病
の検出を行うことができる。
【0032】本発明により、アルツハイマー病に対する
特異性が一層高いアルツハイマー病の検出が可能になる
理由は、本発明で使用される抗体の反応するリン酸化部
位がアルツハイマー病に一層特異的なものであるためと
考えられる。
【0033】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0034】なお、本実施例で使用した部分ペプチドは
表1に示す通りである。表中、*はリン酸化部位を示
す。
【0035】
【表1】 表1 ペプチドのアミノ酸配列とリン酸化部位 ペプチド名 アミノ酸配列 配列番号 配列番号1中の位置 PT231PS235 CRT*PPKS*PSSAK 2 C+(230〜240) PT231 CVAVVRT*PPKSPSS 3 C+(226〜238) PS235 CRTPPKS*PSSAK 4 C+(230〜240) PS199 KSGYSS*PGSPGT 5 K+(195〜205) K1 VAVVRTPPKSPSSAK 6 226〜240
【0036】これらのペプチドは、国際公開パンフレッ
ト第WO97/34145号記載の製造例に従い化学合成によって
得た。また、PT231PS235、PT231、PT235及びPS199につ
いては、リン酸化されていないペプチドも得た。
【0037】
【実施例1】 抗体の調製 配列番号2〜5のアミノ酸配列を有する部分ペプチドの
それぞれを、等重量のキーホール・リンペットのヘモシ
アニンに結合させて免疫原を調製した。免疫原0.2m
gを0.3mlの生理食塩水に溶解し、等容量のフロイ
ントアジュバントと乳濁させて、3週間毎にウサギに免
疫した。得られた抗血清を、先ずそれぞれの抗原ペプチ
ドの非リン酸化ペプチドを結合させたアフィゲル(Affig
el)15(Bio-Rad社製)カラムに通し、未吸着画分を回収
し、次いでこの画分を、それぞれの抗原ペプチドを結合
させたアフィゲル15(Bio-Rad社製)カラムを通し、吸
着画分をジェントルエリューションバッファ(gentle el
ution buffer, Pierce社製)で溶出させることにより精
製して、上記で示したリン酸化部位を特異的に認識する
抗体を得た。
【0038】抗体の特異性は、国際公開パンフレット第
WO97/34145号記載の実施例1と同様にドットブロットで
確認した。
【0039】
【実施例2】 ヒト脳脊髄液中のタウ蛋白質の特性評価 (1)ヒト脊髄液からのタウ蛋白質の精製 ヒトの脳脊髄液(アルツハイマー病患者の脳脊髄液(以
下、脳脊髄液A)及び非アルツハイマー病のヒトの剖検
脳から得た脳脊髄液(以下、脳脊髄液N)11mlを凍結乾
燥し水に溶解することで体積を25分の1に濃縮し、1mM
EDTA及び1mM EGTAを含むTBS(組成:20 mM Tris-HCl (p
H7.5), 150 mM NaCl)に対し透析した。NaClを最終濃度
0.5 M、2-メルカプトエタノールを最終濃度0.1Mになる
ように加えて95℃で10分問加熱した。12,000rpm、10分
間の遠心で熱変性した蛋白質を除去し、タウ蛋白質を上
清に回収した。上清を凍結乾燥し水に溶解し体積を12.5
分の1に濃縮し、1mM EDTA及び1mM EGTAを含むTBSに対
し透析した。次いで、プロテインGセファロース(Prote
in G-Sepharose)をTBSに懸濁した液(5090懸濁液)を150
μl加え、一晩タッグローターにより撹拌し、12,000rp
m、短時間の遠心をして、プロテインGセファロースに
結合したヒト免疫グロブリンを除去した。得られた上清
にツイーン(Tween)20を最終濃度0.05%、NaClを最終濃
度0.5Mになるように加えた。これに抗体ビーズを加え、
一晩タッグローターで撹件し、タウ蛋白質を抗体ビーズ
に結合させた。このビーズをTBST(組成:0.05%ツイー
ン20を含むTBS)100μlで3回洗い、タウ蛋白質を結合し
た抗体ビーズとしてタウ蛋白質を得た。
【0040】用いた抗体ビーズは、タウ蛋白質の配列番
号1におけるアミノ酸番号159〜163の部位に対するモノ
クローナル抗体HT7(Innogenetics社製)を抗マウスI
gGダイナビーズ(anti-mouse IgG-Dynabeads)にジメチ
ルピメリミデート(dimethylpimelimidate)・2HCl (DMP)
により化学結合させたものである。
【0041】(2)免疫ブロット タウ蛋白質を結合した抗体ビーズをTBS 5μlに懸濁し、
さらに2倍濃度のLaemmliのサンプル処理液(0.125 M Tr
is-HCl(pH6.8), 4% SDS, 20% グリセロール,20ug/ml B
PB, 0.7 M 2-メルカプトエタノール)を5μl加え、95℃
で5分間加熱して、タウ蛋白質を可溶化した。
【0042】可溶化したタウ蛋白質を13%ポリアクリル
アミドゲルを用いてLaemmliの方法(Nature 227, 680-6
85 (1970))により電気泳動し、セミドライブロッター
によりPVDF膜に転写した。
【0043】免疫ブロットには、上記抗体をビオチン化
して用いた。ビオチン化抗体は、0.16 Mホウ酸ナトリウ
ム緩衝液(pH8.5)中でスルホ-NHS-LC-ビオチンをIgGの80
倍当量加え、一晩4℃で反応させた後、NAP-5 (Pharmaci
a Biotech社製)で小分子量物質を除去し、BSAを1%にな
るように加えて作製した。
【0044】免疫ブロットの具体的な手順は以下の通り
である。
【0045】[l] ビオチン化抗PS199抗体による免疫ブ
ロット 操作1 ブロッキングと抗体処理 5%スキムミルク、1.5%正常ヤギ血清入りのTBS 20mlで
膜を1時問ブロッキングした。0.3μg/mlのビオチン化
抗PSl99抗体溶液を2.5ml膜に乗せ、湿箱中で一晩4℃で
反応させた。膜をTBST 20m1で10分間3回洗い、未反応
の抗体を除去した。
【0046】操作2 HRP(horseradish peroxidase)-ス
トレプトアビジン(streptoavidin)処理とECLによる免疫
ブロット HRP-ストレプトアビジン(Amersham社)を1200倍希釈し
た液に膜を浸して1時間反応させ、膜をTBST 20mlで5
分間6回洗い、未反応のHRP-ストレプトアビジンを除去
した。Amersham社のECL plusTMのA液2mlとB液50μlの混
合物で膜を湿らせ、透明シートに挟み、Hyperfilm ECL
TMと数十秒から数十分間密着させることで、膜上の抗原
の存在を化学発光により検出した。脳脊髄液Aの場合で
は、30〜35kDのバンドが検出された。脳脊髄液Nの場合
にも同様なバンドが検出されたが蛋白質量当たりの発光
は弱かった。
【0047】操作3 抗体の解離による膜の再生1 この膜をTBST 20mlで5分間3回洗浄して反応物を除去
し、ストリッピングバッファ(stripping buffer)(2%S
DS, 100mM 2-メルカプトエタノール, 62.5mM Tris-HCl
(pH6.8)) 20ml中で50℃に1時間加熱することで、膜の
抗原に結合したビオチン化抗体、およびその抗体に結合
したHRP-ストレプトアビジンを解離させた。TBST 20ml
で10分問3回洗浄した。
【0048】操作4 抗体解離の確認 膜を5%スキムミルク、1.5%正常ヤギ血清入りのTBSで1
時問ブロッキングし、操作2を繰り返し、化学発光しな
いことを確認することにより抗体の解離を確認した。
【0049】操作5 膜の再生2 この膜をTBST 20mlで5分間3回洗浄して反応物を除去
し、ストリッピングバッファ(2%SDS, 100mM 2-メルカ
プトエタノール, 62.5mM Tris-HCl (pH6.8)) 20ml中で
50℃に1時間加熱することで、膜に結合したHRP-ストレ
プトアビジンを解離させた。TBST 20mlで10分間3回洗
浄した。
【0050】操作6 ペプチドによる中和 抗PS199抗体溶液にPS199ペプチドを加えて操作1を行
い、さらに操作2により30〜35kDのバンドが消えること
を確認した。次いで、操作3,4,5により膜を再生し
た。
【0051】[2] ビオチン化抗PT231PS235抗体による免
疫ブロット 再生した膜を使用し、ビオチン化抗PS199抗体のときと
同様にビオチン化抗PT231PS235抗体を用いて免疫ブロッ
トをして、同じ抗原が抗PT231PS235抗体と反応すること
を確認した。抗PT231PS235抗体では、脳脊髄Nの場合に
バンドが検出されなかった。
【0052】なお、ここで用いた抗PT231PS235抗体は、
K1結合アフィゲルカラム、PT231結合アフィゲルカラ
ム、PS235結合アフィゲルカラムに次々と通して未吸着
画分を得て、それをさらにPT231PS235結合アフィゲルカ
ラムに通して吸着する画分をエリューションバッファに
より溶出して得たものである。
【0053】以上の結果から、ヒト脳脊髄液には、少な
くともSerl99がリン酸化された分子量30,000〜35,000の
タウの断片が存在すること、しかも、アルツハイマー病
患者でリン酸化が亢進していることがわかった。さら
に、アルツハイマー病患者では、Thr231及びSer235がリ
ン酸化された分子量30,000〜35,000のタウの断片が認め
られることがわかった。
【0054】
【実施例3】 抗ヒトリン酸化タウ蛋白質抗体と試料と
のエンザイムイムノアッセイ(EIA)による反応性の
検討 (1)可溶性ヒトPHF(ペアードヘリカルフィラメン
ト)タウ蛋白質の調製と定量 ヒト脳からのPHFタウ蛋白質の抽出及び精製 PHFタウ蛋白質はアルツハイマー病(AD)患者の剖
検脳組織からH. Ksiezak-Redingetal., Journal of Neu
roscience Research, 25, 412-419(1990)の方法に準じ
て抽出、精製した。すなわち、AD患者の剖検脳からで
きるだけ血管と白質とを取り除き、1g当たり、リアセ
ンブリバッファ(Reassembly Buffer(RAB);組成:
100mM MES(2−(N−モルホリノ)エタンス
ルホン酸)緩衝液(pH6.9)、1mM EGTA
(エチレングリコール−O,O’−ビス(2−アミノエ
チル)−N,N,N’,N’−四酢酸)、0.5mM
MgSO4、0.75M NaCl、0.5mM PMS
F(フェニルメタンスルフォニルフルオリド)、20m
M NaF、0.5mMオルトバナジン酸ナトリウム、
蛋白質分解酵素阻害剤カクテル(1μg/mlロイペプ
チン、1μg/mlアンチパイン、0.1μg/mlペ
プスタチン、5mM PMSF、1mg/ml TLCK
(トリシルリシンクロロメチルケトン)))を2ml加
えて細切し、超音波破砕し、ホモジナイザーで懸濁液に
した。4℃、45分間、40,000rpmで遠心分離
して沈殿を得た。PHFタウ蛋白質抽出緩衝液(組成:
10mMトリス、10%スクロース、1mM EGT
A、0.85M NaCl、0.5mMオルトバナジン
酸ナトリウム、0.5mM PMSF、20mM Na
F、蛋白質分解酵素阻害剤カクテル、pH7.4)に沈
殿を懸濁し(組織1g当たり12ml)、4℃、30分
間、13,000rpmで遠心分離して上清を得た。沈
殿に再度PHFタウ蛋白質抽出緩衝液を加えて懸濁し、
4℃、30分間、13,000rpmで遠心分離して上
清を得、前回の上清と合わせた。この上清に最終濃度が
1%になるように25%N−ラウロイルザルコシンナト
リウム水溶液を加えて、室温で45分間40,000r
pmで遠心分離して沈殿を得た。沈殿に最少量(1〜2
ml)のRABを加えて超音波により懸濁した後、上清
を捨てた。沈殿に2Mグアニジンイシチオシアン酸塩水
溶液を(組織1g当たり2.4ml)加えて超音波によ
り懸濁した後、37℃で15分間激しくかき混ぜた。2
5℃、60分間、40,000rpmで遠心分離して上
清を得た。上清を蒸留水に対し4℃で2日透析した(蒸
留水を4回交換した)。透析内液を約10分間煮沸した
後、冷却し、25℃、30分間、40,000rpmで
遠心分離し、沈殿が混入しないように注意して上清を得
た。得られた上清を10mlずつ小分けし、ドライアイ
ス上で凍結した後、凍結乾燥した。凍結乾燥粉末をPB
S(0.15M NaCl、10mMリン酸緩衝液pH
7.4)100μlに溶解し、10〜20μlずつ小分
けして凍結保存した。
【0055】PHFタウの定量 Vandermeeren M. et al., Journal of Neurochemistry,
61, 1828-1834(1993)の方法を用いたInnogenetics N.
V.社のタウ蛋白質測定キットを用いて、で得られたP
HFタウを定量した。測定方法はキットの方法に従っ
た。
【0056】(2)EIAによる反応性 抗ヒトタウ蛋白質抗体の固相化 96穴EIAプレートに、抗ヒトタウ蛋白質モノクロー
ナル抗体HT7(Innogenetics社製;配列番号1のアミノ
酸番号159〜163に対する抗体)の0.1M炭酸ナ
トリウム緩衝溶液(4μg/ml、pH9)0.1ml
を加え、湿潤箱中で4℃、1晩インキュベートして固定
化した。上清を除去後、0.1M炭酸ナトリウム緩衝液
で洗浄し、1%BSA、1%スキムミルク、0.5%ゼ
ラチンを含むPBS(10mMリン酸ナトリウム、15
0mM NaCl、pH7.4)溶液、0.2mlを加
えて4℃で2時間ブロッキングした。洗浄液(20mM
トリス、0.05%ツイーン20、pH7.4)で洗浄
後、直ちに使用するか、または、すぐに使わない場合
は、ブロッキング液0.2mlを加えた段階で4℃湿潤
箱中に保存した(保存した場合、使用に先立ち、洗浄液
で洗浄する)。
【0057】EIAによる脊髄液(CSF)中のリン
酸化タウ蛋白質の測定 試料(脊髄液;CSF)50μlをウェルに加えた。更
に、アッセイ緩衝液(0.1%BSA、1mM EDT
A、1mM EGTA、20mMトリス、0.15M N
aCl、0.05%ツイーン20、pH7.4)25μ
lを加えた。検量線(標準曲線)用のウェルには、試料
とマトリックスを揃えるため、室温に放置してタウ蛋白
質を脱リン酸化させたCSF50μlをウェルに加え
た。そこへ上記(1)で定量済みの標準品(リン酸化タ
ウ蛋白質)のアッセイ緩衝溶液25μlをウェルに加え
た。
【0058】全てのウェルに、実施例1で得られた抗リ
ン酸化タウ蛋白質ウサギ抗体(抗PT231PS235
抗体)を25ng/ml含む2%正常ヤギ血清含有アッ
セイ緩衝液25μlを加え、プレートシーラーでシール
し、振り混ぜながら、4℃で一晩インキュベートした。
【0059】洗浄液で洗浄後、ペルオキシダーゼ標識抗
ウサギIgG抗体(ENVISION+/HRPデキス
トランポリマー試薬;DAKO社)を1%正常ヤギ血
清、5%スキムミルク、0.5%正常マウス血清含有の
アッセイ緩衝溶液で80倍に希釈した液を100μl加
えて、プレートシーラーでシールし、振り混ぜながら、
4℃で2時間インキュベートした。
【0060】洗浄液で洗浄後、TMB(3,3’,5,
5’−テトラメチルベンジジン)2.6432mgを秤
取し、DMSO(ジメチルスルホキシド)0.1mlに
溶解後、0.1Mクエン酸緩衝液(pH4.4)10m
lに加え、30%過酸化水素水を3.3μl添加して調
製した基質溶液を0.1ml加えて室温で30〜40分
間反応させた。1M硫酸0.1mlを加えて反応を停止
させ、プレートリーダーで450nmの吸光度を測定し
た。
【0061】抗PT231PS235抗体を使用した検
量線の一例を図1に示す。また、抗PS199抗体を使
用した検量線の一例を図2に示す。
【0062】抗PT231PS235抗体及び抗PS1
99抗体を使用して、アルツハイマー病(AD)患者及
び他の疾患患者のCSF中のリン酸化タウ蛋白質を測定
した結果(PT231PS235値及びPS199値)を表2及び表3
に示す。CSF−tau値は、リン酸化非依存的なタウ
蛋白質測定法(上記(1)ので用いたタウ蛋白質測定
キットによる)による測定値を示す。また、CSF中の
P−tau値とCSF−tau値との相関を図3及び図
4に示す。図3及び図4中、黒丸はAD群、白丸は非A
D群である。
【0063】
【表2】
【0064】
【表3】
【0065】PT231PS235値に関し、閾値を0.12fm
ol/mlとすると、感度は100%(18/18)、
特異性は100%(23/23)であり、リン酸化非依
存的なタウタンパク質測定法(閾値を4fmol/ml
とすると、感度は100%(18/18)、特異性は5
2%(12/23)である)に比較して、抗PT231
PS235抗体を用いる検出方法は、疾患特異性が高
く、ADの診断に有用であることが明らかである。
【0066】また、PS199値に関し、閾値を3.5fm
ol/mlとすると、感度は100%(17/17)、
特異性は87%(20/23)であり、リン酸化非依存
的なタウタンパク質測定法に比較して、抗PS199抗
体を用いる検出方法は、疾患特異性が高く、ADの診断
に有用であることが明らかである。
【0067】抗PT231抗体または抗PS235抗体
を使用して、アルツハイマー病(AD)患者(5名)及
び他の疾患患者(5名)のCSF中のリン酸化タウ蛋白
を測定した結果、いずれも、全てのAD患者でのみリン
酸化タウ蛋白質が検出されたが、全ての他の疾患患者で
はリン酸化タウ蛋白質は検出されなかった。従って、抗
PT231抗体及び抗PS235抗体を用いる方法も疾
患特異性が高く、ADの診断に有用である。
【0068】
【発明の効果】本発明によれば、アルツハイマー病に一
層特異的なアルツハイマー病の検出方法を提供できる。
【0069】
【配列表】 <110> 三菱化学株式会社(Mitsubishi Chemical Corporation) <120> 抗リン酸化タウ蛋白質抗体及びそれを用いるアルツハイマー病の検出方法 <130> J02214 <160> 6 <210> 1 <211> 441 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 1 Met Ala Glu Pro Arg Gln Glu Phe Glu Val Met Glu Asp His Ala Gly 1 5 10 15 Thr Tyr Gly Leu Gly Asp Arg Lys Asp Gln Gly Gly Tyr Thr Met His 20 25 30 Gln Asp Gln Glu Gly Asp Thr Asp Ala Gly Leu Lys Glu Ser Pro Leu 35 40 45 Gln Thr Pro Thr Glu Asp Gly Ser Glu Glu Pro Gly Ser Glu Thr Ser 50 55 60 Asp Ala Lys Ser Thr Pro Thr Ala Glu Asp Val Thr Ala Pro Leu Val 65 70 75 80 Asp Glu Gly Ala Pro Gly Lys Gln Ala Ala Ala Gln Pro His Thr Glu 85 90 95 Ile Pro Glu Gly Thr Thr Ala Glu Glu Ala Gly Ile Gly Asp Thr Pro 100 105 110 Ser Leu Glu Asp Glu Ala Ala Gly His Val Thr Gln Ala Arg Met Val 115 120 125 Ser Lys Ser Lys Asp Gly Thr Gly Ser Asp Asp Lys Lys Ala Lys Gly 130 135 140 Ala Asp Gly Lys Thr Lys Ile Ala Thr Pro Arg Gly Ala Ala Pro Pro 145 150 155 160 Gly Gln Lys Gly Gln Ala Asn Ala Thr Arg Ile Pro Ala Lys Thr Pro 165 170 175 Pro Ala Pro Lys Thr Pro Pro Ser Ser Gly Glu Pro Pro Lys Ser Gly 180 185 190 Asp Arg Ser Gly Tyr Ser Ser Pro Gly Ser Pro Gly Thr Pro Gly Ser 195 200 205 Arg Ser Arg Thr Pro Ser Leu Pro Thr Pro Pro Thr Arg Glu Pro Lys 210 215 220 Lys Val Ala Val Val Arg Thr Pro Pro Lys Ser Pro Ser Ser Ala Lys 225 230 235 240 Ser Arg Leu Gln Thr Ala Pro Val Pro Met Pro Asp Leu Lys Asn Val 245 250 255 Lys Ser Lys Ile Gly Ser Thr Glu Asn Leu Lys His Gln Pro Gly Gly 260 265 270 Gly Lys Val Gln Ile Ile Asn Lys Lys Leu Asp Leu Ser Asn Val Gln 275 280 285 Ser Lys Cys Gly Ser Lys Asp Asn Ile Lys His Val Pro Gly Gly Gly 290 295 300 Ser Val Gln Ile Val Tyr Lys Pro Val Asp Leu Ser Lys Val Thr Ser 305 310 315 320 Lys Cys Gly Ser Leu Gly Asn Ile His His Lys Pro Gly Gly Gly Gln 325 330 335 Val Glu Val Lys Ser Glu Lys Leu Asp Phe Lys Asp Arg Val Gln Ser 340 345 350 Lys Ile Gly Ser Leu Asp Asn Ile Thr His Val Pro Gly Gly Gly Asn 355 360 365 Lys Lys Ile Glu Thr His Lys Leu Thr Phe Arg Glu Asn Ala Lys Ala 370 375 380 Lys Thr Asp His Gly Ala Glu Ile Val Tyr Lys Ser Pro Val Val Ser 385 390 395 400 Gly Asp Thr Ser Pro Arg His Leu Ser Asn Val Ser Ser Thr Gly Ser 405 410 415 Ile Asp Met Val Asp Ser Pro Gln Leu Ala Thr Leu Ala Asp Glu Val 420 425 430 Ser Ala Ser Leu Ala Lys Gln Gly Leu 435 440 <210> 2 <211> 12 <212> PRT <213> Homo sapiens <220> <221> SITE <222> 3 <223> Xaa=phosphothreonine <220> <221> SITE <222> 7 <223> Xaa=phosphoserine <400> 2 Cys Arg Xaa Pro Pro Lys Xaa Pro Ser Ser Ala Lys 1 5 10 <210> 3 <211> 14 <212> PRT <213> Homo sapiens <220> <221> SITE <222> 7 <223> Xaa=phosphoserine <400> 3 Cys Val Ala Val Val Arg Xaa Pro Pro Lys Ser Pro Ser Ser 1 5 10 <210> 4 <211> 12 <212> PRT <213> Homo sapiens <220> <221> SITE <222> 7 <223> Xaa=phosphoserine <400> 4 Cys Arg Thr Pro Pro Lys Xaa Pro Ser Ser Ala Lys 1 5 10 <210> 5 <211> 12 <212> PRT <213> Homo sapiens <220> <221> SITE <222> 6 <223> Xaa=phosphoserine <400> 5 Lys Ser Gly Tyr Ser Xaa Pro Gly Ser Pro Gly Thr 1 5 10 <210> 6 <211> 15 <212> PRT <213> Homo sapiens <400> 6 Val Ala Val Val Arg Thr Pro Pro Lys Ser Pro Ser Ser Ala Lys 1 5 10 15
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例3で得られた抗PT231PS
235抗体を用いるEIA測定系における検量線であ
る。
【図2】図2は、実施例3で得られた抗PS199抗体
を用いるEIA測定系における検量線である。
【図3】図3は、抗PT231PS235抗体を用いる
EIA測定系によるリン酸化タウ蛋白質の測定値と、リ
ン酸化非依存的なタウ蛋白質測定法によるタウ蛋白質の
測定値との相関を示す。
【図4】図4は、抗PS199抗体を用いるEIA測定
系によるリン酸化タウ蛋白質の測定値と、リン酸化非依
存的なタウ蛋白質測定法によるタウ蛋白質の測定値との
相関を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神野 英毅 東京都千代田区丸の内二丁目5番2号 三 菱化学株式会社医薬カンパニー内 (72)発明者 今堀 和友 東京都町田市南大谷11 株式会社三菱化学 生命科学研究所内 Fターム(参考) 2G045 AA25 AA34 DA36 FB03 4H045 AA11 AA30 BA16 BA17 BA52 CA45 DA75 DA76 DA86 EA50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ペアード・ヘリカル・フィラメント(Pa
    ired Helical Filament)中のリン酸化タウ蛋白質の部
    分ペプチドを免疫原として得られ得る、前記リン酸化タ
    ウ蛋白質に対する抗体であって、前記部分ペプチドは、
    配列表の配列番号1で表されるアミノ酸配列中の199
    位のセリン残基に相当するセリン残基を含み、そのセリ
    ン残基がリン酸化されているペプチド、231位のスレ
    オニン残基に相当するスレオニン残基を含み、そのスレ
    オニン残基がリン酸化されているペプチド、235位の
    セリン残基に相当するセリン残基を含み、そのセリン残
    基がリン酸化されているペプチド、ならびに、231位
    のスレオニン残基に相当するスレオニン残基及び235
    位のセリン残基に相当するセリン残基を含み、そのスレ
    オニン残基及びセリン残基がリン酸化されているペプチ
    ドから選ばれるものであり、前記抗体は前記部分ペプチ
    ドに特異的に結合することを特徴とする抗体。
  2. 【請求項2】 前記部分ペプチドが、配列表の配列番号
    1で表されるアミノ酸配列中の231位のスレオニン残
    基に相当するスレオニン残基及び235位のセリン残基
    に相当するセリン残基を含み、そのスレオニン残基及び
    セリン残基がリン酸化されているペプチドである請求項
    1に記載の抗体。
  3. 【請求項3】 前記部分ペプチドがそのリン酸化された
    アミノ酸残基とその前及び/または後の複数個のアミノ
    酸残基を含むペプチドである請求項1または2に記載の
    抗体。
  4. 【請求項4】 前記部分ペプチドが配列表の配列番号2
    のアミノ酸番号2〜12、配列番号3のアミノ酸番号2
    〜14、配列番号4のアミノ酸番号2〜12または配列
    番号5のアミノ酸番号2〜12のアミノ酸配列で表され
    る請求項1に記載の抗体。
  5. 【請求項5】 少なくとも、請求項1〜4のいずれか一
    項に記載の抗体を含んでなる、アルツハイマー病の検出
    に用いるための試薬キット。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4のいずれか一項に記載の抗
    体と、アルツハイマー病の疑いのある個体から得られた
    試料との反応性を調べることを特徴とするアルツハイマ
    ー病の検出方法。
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