JP2000031864A - 拡散変調信号受信装置 - Google Patents

拡散変調信号受信装置

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JP2000031864A
JP2000031864A JP19751398A JP19751398A JP2000031864A JP 2000031864 A JP2000031864 A JP 2000031864A JP 19751398 A JP19751398 A JP 19751398A JP 19751398 A JP19751398 A JP 19751398A JP 2000031864 A JP2000031864 A JP 2000031864A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 正規化信号に雑音成分が重畳されていても、
高分解能信号処理部9で主信号成分と遅延信号成分とを
高い時間分解能で正確に分離判別が可能な拡散変調信号
受信装置を提供する。 【解決手段】 PN符号で拡散変調されたベースバンド
拡散変調信号を発生する受信部1、参照信号を発生する
参照信号発生部4、拡散変調信号及び参照信号をフーリ
エ変換する第1及び第2フーリエ変換部2、5、フーリ
エ変換した拡散変調信号をフーリエ変換した参照信号で
除算して正規化信号を発生する除算部7、正規化信号中
の雑音成分を除去するフィルタ部8、正規化信号中の主
信号成分と遅延信号成分を分離判別する高分解能信号処
理部9を備え、フィルタ部8は、正規化信号への窓関数
の乗算及びフーリエ変換を行い、得られた変換領域正規
化信号に含まれる雑音の除去及び窓関数のスペクトラム
による信号波形の補正を行った後、逆フーリエ変換及び
窓関数の除算を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、拡散変調信号受信
装置に係わり、特に、ベースバンド拡散変調信号を参照
信号で除算して得られた正規化信号に含まれる雑音成分
を除去することにより、正規化信号中の主信号成分と遅
延信号成分とを高い時間分解能で分離判別することを可
能にした拡散変調信号受信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、所定領域内を適宜移動する移動体
の現在位置を追尾するために、電波を利用した移動体追
尾方式が知られている。この移動体追尾方式は、移動体
が電波を送信する送信機を携帯し、送信機から放射され
た電波を受ける複数のアンテナを備えた基地局を所要領
域の近傍に配置したもので、基地局において、受信電波
に含まれる複数の信号成分から最も早く到達する主信号
成分を抽出し、主信号成分の到来方向等を解析すること
により、移動体の現在位置を知るものである。この移動
体追尾方式においては、移動体が携帯する送信機と基地
局との間で送受信する信号変調方式としては種々の信号
変調方式が用いられているが、その信号変調方式の中の
1つにPN符号を用いた拡散変調方式がある。
【0003】ところで、PN符号を用いた拡散変調方式
は、通常、送信側において、送信データによりPSK
(位相シフトキーイング)等の1次変調信号を形成した
後、1次変調信号にPN(疑似ランダムノイズ)符号を
乗算してベースバンド拡散変調信号(2次変調信号)を
形成し、さらに、ベースバンド拡散変調信号を周波数変
換手段により送信信号に周波数変換し、信号電波として
送信するものである。また、受信側において、アンテナ
で受信した信号電波を周波数変換手段に供給してベース
バンド拡散変調信号を抽出し、得られたベースバンド拡
散変調信号と送信側で乗算したPN符号と同じ符号との
積和をとって相関信号を発生する。そして、この相関信
号を参照し、相関値が最大となる時間においてデータを
判別するというPSK復調を行えば、送信データに対応
した受信データを再生することができる。
【0004】図16は、前記既知のPN符号を用いた拡
散変調方式に用いられる拡散変調信号波形の一例を示す
信号波形図であって、(イ)は1次変調(PSK)信
号、(ロ)はPN符号、(ハ)は1次変調(PSK)信
号とPN符号を乗算して得られる拡散変調信号、(ニ)
は周波数帯域が制限された拡散変調信号の各波形を示す
ものである。
【0005】図16(イ)、(ロ)に示されるように、
1次変調(PSK)信号とPN符号との関係は、1次変
調(PSK)信号のそれぞれのビット間隔TにPN符号
の複数のチップ間隔Tcが割り当てられるもので、通
常、T≫Tcになるように選ばれる。
【0006】次に、図17は、PN符号を用いた拡散変
調方式に用いられる拡散変調信号の周波数スペクトラム
を示す特性図である。
【0007】図17において、曲線(a)は1次変調
(PSK)信号の周波数スペクトラム、曲線(b)は拡
散変調信号の周波数スペクトラム、(c)は周波数帯域
が制限された拡散変調信号の周波数スペクトラムをそれ
ぞれ示す。
【0008】図17の曲線(a)、(b)に示されるよ
うに、1次変調(PSK)信号と拡散変調信号との周波
数スペクトラム分布関係を見ると、1次変調(PSK)
信号の周波数スペクトラムは比較的狭い周波数範囲内だ
けに分布しているのに対し、拡散変調信号の周波数スペ
クトラムは広い周波数範囲にわたって分布している。
【0009】この場合、拡散変調信号の周波数スペクト
ラムが周波数が隣接する他の信号に対して妨害を与える
ときは、周波数帯域の制限を行い、曲線(b)に示す周
波数スペクトラムを曲線(c)に示す周波数スペクトラ
ムになるように周波数帯域の制限を行う。そして、周波
数帯域が制限された拡散変調信号は、図16(ニ)に示
されるように、信号振幅の変化が滑らかな信号波形にな
る。
【0010】次いで、図18は、PN符号を用いた拡散
変調方式を移動体追尾方式に適用した既知の拡散変調信
号受信装置の要部構成の一例を示すブロック図であっ
て、受信信号の主信号成分と遅延信号成分とに分離する
ための構成部分を示すものである。また、図13に図示
された拡散変調受信装置は、1系統のアンテナに対応し
た部分を示すもので、基地局に何本か設置される複数の
アンテナ系統に対して複数台の拡散変調受信装置が用い
られる。
【0011】図18に示されるように、既知の拡散変調
信号受信装置は、受信部41と、第1フーリエ変換部4
2と、第1フィルタ手段43と、参照信号発生部44
と、第2フーリエ変換部45と、第2フィルタ手段46
と、除算部47と、高分解能信号処理部48と、制御部
49と、アンテナ50と、信号出力端子51とからなっ
ている。受信部41は、ベースバンド信号発生部52
と、アナログ−ディジタル(A/D)変換部53と、メ
モリ54とからなっている。
【0012】この場合、高分解能信号処理部48は、多
重遅延信号を高い時間分解能で分離する信号処理部であ
って、例えば、R、O、Schmidtによる「Mul
tiple emitter location an
d signal parameter estima
tion](IEEE、vol.AP−34、no.
3、pp276−280、1986年3月)に開示され
ている「マルチプル・シグナル・クラシフィケーション
(MUSIC)」法による高分解能信号処理が用いられ
る。また、受信部41のベースバンド信号発生部52
は、アンテナ50で受信した信号電波を、周波数変換手
段及び信号フィルタ手段を用いてベースバンド拡散変調
信号に変換するものである。
【0013】そして、受信部41は、入力端がアンテナ
50に接続され、出力端が第1フーリエ変換部42の入
力端に接続される。第1フィルタ手段43は、入力端が
第1フーリエ変換部42の出力端に接続され、出力端が
除算部47の第1入力端に接続される。参照信号発生部
44は、出力端が第2フーリエ変換部45の入力端に接
続される。第2フィルタ手段46は、入力端が第2フー
リエ変換部45の出力端に接続され、出力端が除算部4
7の第2入力端に接続される。高分解能信号処理部48
は、入力端が除算部47の出力端に接続され、出力端が
信号出力端子51に接続される。制御部49は、受信部
41、第1フーリエ変換部42、参照信号発生部44、
第2フーリエ変換部45、除算部47、高分解能信号処
理部48に各々接続される。また、受信部41におい
て、ベースバンド信号発生部52は、入力端が受信部4
1の入力端に接続され、出力端がA/D変換部53の入
力端に接続される。メモリ54は、入力端がA/D変換
部53の出力端に接続され、出力端が受信部41の出力
端に接続される。
【0014】図2は、送信機側で用いられるPN符号の
一例を示す信号波形図であり、図3は、受信部41から
出力されるベースバンド拡散変調信号の一例を示す信号
波形図である。
【0015】図4は、図3に図示されたベースバンド拡
散変調信号を、第1フーリエ変換部42においてフーリ
エ変換した後に得られる変換信号(周波数領域受信信
号)の周波数特性を示す特性図である。
【0016】図4に示されるように、周波数領域受信信
号は、第1フィルタ手段43において周波数帯域A内の
有効周波数帯域、図示の例では、−1/(2Tc)から
1/(2Tc)までの周波数帯域内の信号が抽出され、
除算部47に供給される。なお、この例では、受信部4
1から出力されるベースバンド拡散変調信号が、主信号
成分と、主信号成分に対して時間的に0.38チップ
(0.38Tc)だけ遅延した遅延信号成分の2つの信
号波を含み、さらに雑音も含んでいるものとしている。
【0017】図5は、参照信号発生部44が出力する参
照信号の一例を示す信号波形図である。
【0018】図6は、図5に図示された参照信号を、第
2フーリエ変換部45においてフーリエ変換した後に得
られる変換信号(周波数領域参照信号)の周波数特性を
示す特性図である。
【0019】図6に示されるように、周波数領域参照信
号は、第2フィルタ手段46において周波数帯域A’内
の有効周波数帯域、図示の例では、−1/(2Tc)か
ら1/(2Tc)までの周波数帯域内の信号が抽出さ
れ、除算部47に供給される。
【0020】図7は、除算部47に、第1フィルタ手段
43から周波数帯域A内の周波数領域受信換信号、第2
フィルタ手段46から周波数帯域A’内の周波数領域参
照信号がそれぞれ入力されたときに得られる正規化信号
を示す特性図である。
【0021】さらに、図19は、高分解能信号処理部4
8が出力する相関計量信号の一例を示す特性図である。
【0022】図19において、曲線(a)は相関計量信
号の全体を示し、曲線(b)は曲線(a)の中の相関計
量値が一定値以上の箇所を拡大して示したものである。
【0023】ここで、前記構成による既知の拡散変調信
号受信装置の動作を説明すると、概略、次のとおりであ
る。
【0024】まず、送信機側においては、送信データが
図2に示すようなPN符号により拡散変調され、得られ
た拡散変調信号の周波数帯域の制限を行った後、周波数
変換により送信信号に変換され、送信信号が信号電波と
して送信される。
【0025】拡散変調信号受信装置側においては、送信
機から送信された信号電波をアンテナ50で捉えると、
受信信号として受信部41に供給される。このとき、受
信部41においては、ベースバンド信号発生部52が、
よく知られているように受信信号の増幅及び周波数変換
等の処理を行ってアナログ形式のベースバンド拡散変調
信号を発生し、A/D変換部53に供給する。A/D変
換部53は、ベースバンド拡散変調信号をA/D変換
し、図3に示されるようなベースバンド拡散変調信号を
得た後、メモリ54に一時的に記憶される。
【0026】メモリ54から読み出されたベースバンド
拡散変調信号は、第1フーリエ変換部42において図4
に示されるような周波数領域受信信号にフーリエ変換さ
れ、次いで、第1フィルタ手段43において周波数帯域
が周波数帯域Aになるように周波数制限された後、除算
部47の第1入力端に供給される。一方、参照信号発生
部44から発生された図5に示すような参照信号は、第
2フーリエ変換部45において図6に示されるような周
波数領域参照信号にフーリエ変換され、次いで、第2フ
ィルタ手段46において周波数帯域が周波数帯域A’に
なるように周波数制限された後、除算部47の第2入力
端に供給される。この場合、参照信号発生部44が発生
する参照信号は、図2に示されるようなPN符号を帯域
制限した信号であって、その特性は送信機側で拡散変調
信号に周波数帯域制限を行ったときの特性と同一であ
る。
【0027】除算部47は、第1フィルタ手段43から
供給された周波数領域受信信号を、第2フィルタ手段4
5から供給された周波数領域参照信号で割ることによ
り、各周波数成分の比を算出して図7に示されるような
正規化信号を発生する。この正規化信号は、参照信号の
占有周波数帯域の中の有効周波数帯域A’における演算
を行うことにより得たもので、得られた正規化信号は高
分解能信号処理部48に供給される。
【0028】高分解能信号処理部48は、例えば、MU
SIC法を用いて、供給された正規化信号に含まれてい
る主信号成分と遅延信号成分とを分離判別するような信
号処理を行い、図19に示されるように、参照信号に対
する相関の程度を示す相関計量信号を発生するもので、
発生した相関計量信号は信号出力端子51から利用回路
に供給される。このとき、相関計量信号としては、図1
9の曲線(a)に示されるように、所定以上の相関計量
値を示す時間領域を1箇所観測することができる。そし
て、その時間領域の近傍を拡大表示した図19の曲線
(b)を見たときにも、相関計量値のピークは1つであ
るので、到来波信号の数が1つであると判別される。な
お、拡散変調信号受信装置におけるこれらの一連の動作
は、制御部49の制御の基に実行される。
【0029】なお、図示はないが、送信機を携帯してい
る移動体の現在位置を求めるためには、次のような動作
過程を経て求めることができる。
【0030】前記拡散変調信号受信装置は、基地局に設
けられた複数系統のアンテナのそれぞれにおいて、移動
体から送信される信号電波を受信し、受信した信号電波
に基づいて得られた前述の相関計量信号が信号出力端子
51から出力されたとき、この相関計量信号を参照し
て、相関計量値が一定以上あり、かつ、一定以上の相関
計量値の中のピーク値が得られる時刻を探索するという
処理を行い、主信号成分及び遅延信号成分の各到来遅延
時間を算出する。続いて、この遅延時間に起因する信号
位相の変化分をメモリ54に記憶されているベースバン
ド拡散変調信号に対して補正を行い、主信号成分を抽出
する。複数系統のアンテナ毎に得られる主信号成分は、
基地局のアンテナの構成配置と信号電波の到来方向に依
存するので、複数系統のアンテナ毎に得られる主信号成
分の振幅・位相を比較し、主信号成分のみを含む信号電
波の到来方向を算出する。このような計算を行うことに
より、主信号成分のみを含む信号電波を送信する移動体
の現在位置を求めるができる。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記既知の
拡散変調信号受信装置は、除算部47から出力された正
規化信号を高分解能信号処理部48に供給し、正規化信
号中の主信号成分及び遅延信号成分を高い時間分解能で
分離処理する際に、正規化信号に多くの雑音成分が重畳
されていた場合、主信号成分と遅延信号成分との間に到
来時間差が存在するにも係わらず、高分解能信号処理部
48において演算した結果、図19の曲線(b)の拡大
波形図に示されるように、主信号成分と遅延信号成分と
が時間的に重なり合ってしまい、主信号成分と遅延信号
成分とを正確に分離できないという問題を有するもので
ある。
【0032】このような問題点を解決するために、本出
願人は、除算部47と高分解能信号処理部48との間
に、正規化信号に重畳した雑音成分を除去するフィルタ
部を設け、高分解能信号処理部48に入力される正規化
信号が雑音成分による影響を受けないようにして、高分
解能信号処理部48で主信号成分と遅延信号成分とを高
い時間分解能をもって分離することを可能にした拡散変
調信号受信装置を提案している。このフィルタ部は、周
波数領域の正規化信号をフーリエ変換して時間領域で雑
音を除去するものであり、フーリエ変換部と時間領域で
雑音成分を除去する雑音除去部と逆フーリエ変換部とか
ら構成されている。
【0033】しかるに、前記提案による拡散変調信号受
信装置は、フィルタ部を設けたことにより、高分解能信
号処理部48に供給される正規化信号中に含まれる雑音
成分が時間領域で除去され、雑音成分を含んでいない正
規化信号を高分解能信号処理部48の高い時間分解能に
よって処理し、主信号成分と遅延信号成分とを分離する
ことが可能になるものであるが、時間領域で雑音成分を
除去した直後の正規化信号の波形に不連続部分が生じる
ようになり、ここでの不連続部分の発生に起因した不要
な成分が逆フーリエ変換後の正規化信号に重畳すること
がある。このような正規化信号を高分解能信号処理部4
8が入力すると、不要な成分を信号成分と誤って識別し
てしまい、分離判別に正確さを欠くことがある。
【0034】本発明は、このような技術的背景に鑑みて
なされたもので、その目的は、正規化信号中の雑音成分
を時間領域で除去するとともに、雑音成分除去後の正規
化信号に生じる不連続部分をなくし、高分解能信号処理
部で主信号成分と遅延信号成分とを高い時間分解能でか
つ正確に分離判別可能にした拡散変調信号受信装置を提
供することにある。
【0035】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の拡散変調信号受信装置は、除算部から出力
された周波数領域の正規化信号に対して、窓関数の乗算
及びフーリエ変換を行い、得られた変換領域(時間領
域)正規化信号に含まれる雑音成分の除去及び窓関数の
スペクトラムによる時間領域正規化信号の波形補正を行
った後、逆フーリエ変換及び窓関数の除算を行うフィル
タ部を通して高分解能信号処理部に供給する手段を具備
する。
【0036】前記手段によれば、フィルタ部において
は、供給された正規化信号に対し、まず、周波数領域で
窓関数の乗算を行って周波数窓乗算正規化信号を形成
し、この周波数窓乗算正規化信号をフーリエ変換して変
換領域(時間領域)正規化信号に変換する。次に、平均
雑音成分レベルに一定マージンを加えて設定したスレッ
シュホールドレベルで時間領域正規化信号の雑音を除去
して時間領域における信号成分のみを抽出し、抽出した
時間領域の信号成分に対して窓関数のスペクトラムによ
る近似処理を行って時間領域正規化信号の波形を補正
し、その不連続部分をなくす。次いで、補正された時間
領域正規化信号を逆フーリエ変換して周波数領域の正規
化信号に再変換し、再変換した周波数領域の正規化信号
に対して周波数領域で窓関数の除算を行って、雑音成分
や不要な成分を含まない正規化信号を生成する。このよ
うにして得られる正規化信号を高分解能信号処理部に供
給するようにしたので、高分解能信号処理部において、
雑音成分や不要な成分の影響を受けずに、主信号成分と
遅延信号成分とが高い時間分解能で正確に分離判別され
る。
【0037】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態において、拡
散変調信号受信装置は、PN符号で拡散変調した拡散変
調信号を含む電波を受信し、ベースバンド拡散変調信号
を発生する受信部と、PN符号と相関がある参照信号を
発生する参照信号発生部と、ベースバンド拡散変調信号
及び参照信号をフーリエ変換する第1及び第2フーリエ
変換部と、フーリエ変換したベースバンド拡散変調信号
をフーリエ変換した参照信号で除算し、正規化信号を発
生する除算部と、正規化信号に重畳した雑音成分を除去
するフィルタ部と、正規化信号中の主信号成分と遅延信
号成分とを分離判別する高分解能信号処理部とを備え、
フィルタ部は、正規化信号への窓関数の乗算及びフーリ
エ変換を行い、得られた変換領域正規化信号に含まれる
雑音成分の除去及び窓関数のスペクトラムによる変換領
域正規化信号の波形補正を行った後、逆フーリエ変換及
び窓関数の除算を行うものである。
【0038】本発明の実施の形態の具体例において、拡
散変調信号受信装置は、フーリエ変換したベースバンド
拡散変調信号及びフーリエ変換した参照信号は、周波数
帯域が制限されているものである。
【0039】これらの本発明の実施の形態によれば、除
算部において、フーリエ変換したベースバンド拡散変調
信号をフーリエ変換した参照信号で除算して正規化信号
を発生させ、フィルタ部において、供給された周波数領
域の正規化信号に対し、最初に、周波数領域で窓関数を
乗算して周波数窓乗算正規化信号を形成し、形成した周
波数窓乗算正規化信号をフーリエ変換して変換領域(時
間領域)正規化信号に変換する。次に、平均雑音成分レ
ベルに一定マージンを加えて設定したスレッシュホール
ドレベルを用いて時間領域正規化信号の雑音を除去し、
時間領域における信号成分のみを抽出し、抽出した時間
領域の信号成分に対して窓関数のスペクトラムによる近
似処理を行って、時間領域正規化信号の波形を補正し、
その不連続部分をなくす。次いで、補正された時間領域
正規化信号を逆フーリエ変換して周波数領域の正規化信
号に再変換し、再変換した周波数領域の正規化信号に対
して周波数領域で窓関数の除算を行って、雑音成分や不
要な成分を含まない正規化信号を高分解能信号処理部に
供給するようにしたので、高分解能信号処理部において
は、雑音成分や不要な成分の影響を受けることなく、主
信号成分と遅延信号成分とを高い時間分解能で正確に分
離判別することができるようになる。
【0040】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0041】図1は、本発明による拡散変調信号受信装
置の一実施例の構成を示すブロック構成図であって、P
N符号を用いた拡散変調方式を移動体追尾方式に適用し
た拡散変調信号受信装置における受信信号の主信号成分
と遅延信号成分とに分離するのに必要な要部構成の一例
を示すものである。
【0042】この場合、図1に図示された拡散変調受信
装置は、1系統のアンテナに対応した部分を示すもの
で、基地局に何本か設置される複数のアンテナ系統に対
して複数台の拡散変調受信装置が用いられる。
【0043】図1に示されるように、本実施例の拡散変
調信号受信装置は、受信部1と、第1フーリエ変換部2
と、第1フィルタ手段3と、参照信号発生部4と、第2
フーリエ変換部5と、第2フィルタ手段6と、除算部7
と、フィルタ部8と、高分解能信号処理部9と、制御部
10と、アンテナ11と、信号出力端子12とからなっ
ている。また、受信部1は、ベースバンド信号発生部1
3と、アナログ−ディジタル(A/D)変換部14と、
メモリ15とを備えており、フィルタ部8は、周波数窓
乗算部16と、フーリエ変換部17と、雑音除去部18
と、信号波形補正部19と、逆フーリエ変換部20と、
周波数窓除算部21とを備えている。
【0044】そして、受信部1は、入力端がアンテナ1
1に接続され、出力端が第1フーリエ変換部2の入力端
に接続されている。第1フィルタ手段3は、入力端が第
1フーリエ変換部2の出力端に接続され、出力端が除算
部7の第1入力端に接続されている。参照信号発生部4
は、出力端が第2フーリエ変換部5の入力端に接続され
ている。第2フィルタ手段6は、入力端が第2フーリエ
変換部5の出力端に接続され、出力端が除算部7の第2
入力端に接続されている。フィルタ部8は、入力端が除
算部7の出力端に接続され、出力端が高分解能信号処理
部9の入力端に接続されている。高分解能信号処理部9
は、出力端が信号出力端子12に接続されている。制御
部10は、受信部1、第1フーリエ変換部2、参照信号
発生部4、第2フーリエ変換部5、除算部7、フィルタ
部8、高分解能信号処理部9にそれぞれ接続されてい
る。
【0045】受信部1において、ベースバンド信号発生
部13は、入力端が受信部1の入力端に接続され、出力
端がA/D変換部14の入力端に接続されている。メモ
リ15は、入力端がA/D変換部14の出力端に接続さ
れ、出力端が受信部1の出力端に接続されている。ま
た、フィルタ部8において、周波数窓乗算部16は、入
力端がフィルタ部8の入力端に接続され、出力端がフー
リエ変換部17の入力端に接続されている。雑音除去部
18は、入力端がフーリエ変換部17の出力端に接続さ
れ、出力端が信号波形補正部19の入力端に接続されて
いる。逆フーリエ変換部20は、入力端が信号波形補正
部19の出力端に接続され、出力端が周波数窓除算部2
1の入力端に接続されている。周波数窓除算部21は、
出力端がフィルタ部8の出力端に接続されている。
【0046】前記構成による本実施例の拡散変調信号受
信装置の動作を、図2乃至図15を併用して説明する。
【0047】ここで、前述の既知の拡散変調信号受信装
置の動作においては、図3乃至図7に示された信号波形
図または特性図が、それぞれ、受信部41、第1フーリ
エ変換部42、参照信号発生部44、第2フーリエ変換
部45、除算部47から出力される各信号に対するもの
であるとして説明したが、本実施例の拡散変調信号受信
装置の動作においては、図3乃至図7に示された信号波
形図または特性図が、それぞれ、受信部1、第1フーリ
エ変換部2、参照信号発生部4、第2フーリエ変換部
5、除算部7から出力される信号に対するものであると
して説明する。
【0048】この他に、図8は、周波数窓乗算部16に
おいて乗算に用いられる周波数窓関数の特性の一例を示
す特性図であって、周波数窓として代表的なハニング窓
の特性を示すものである。
【0049】図9は、周波数窓乗算部16から出力され
る周波数窓乗算正規化信号の周波数特性の一例を示す特
性図である。
【0050】図10は、雑音除去部18と信号波形補正
部19とにより雑音除去と信号波形補正が行われる前後
の時間領域正規化信号の各一例を示す信号波形図であ
る。
【0051】図10において、黒色菱形で示される曲線
(a)はフーリエ変換部17から出力される時間領域正
規化信号、白色丸形で示される曲線(b)は雑音除去と
信号波形補正が行われた後に信号波形補正部19から出
力される時間領域正規化信号であり、レベルLM は曲線
(a)における平均雑音成分レベル、レベルLT は曲線
(a)における雑音除去用のスレッシュホールドレベル
である。ここで、レベルLT はレベルLM に一定のマー
ジンMを加えて設定される。
【0052】図11は、逆フーリエ変換部20から出力
された雑音除去後の周波数領域正規化信号の周波数特性
の一例を示す特性図である。
【0053】図12は、周波数窓除算部21で用いられ
る周波数窓関数の周波数特性の一例を示す特性図であ
り、図8に図示のハニング窓の逆特性を示す特性図であ
る。
【0054】図13は、周波数窓除算部21から出力さ
れた雑音除去後の正規化信号の周波数特性の一例を示す
特性図である。
【0055】図14は、時間領域におけるハニング窓の
スペクトラムにより、雑音除去後に抽出された時間領域
の信号成分を近似する際に使用される信号の波形図であ
り、(イ)は時間領域におけるハニング窓のスペクト
ル、(ロ)は雑音除去後に抽出された時間領域の信号成
分を(イ)に示されるハニング窓のスペクトルで近似し
た信号波形図である。
【0056】図14(ロ)において、黒色菱形で示され
る曲線(a)は雑音除去後に抽出された時間領域の信号
成分、白色丸形で示される曲線(b)は雑音除去後に抽
出されたの時間領域の信号成分に対して信号波形の補正
を行って得られた時間領域正規化信号、曲線(c)は信
号波形の補正を行うために、時間領域の信号成分に対し
て近似されたハニング窓のスペクトルである。
【0057】図15は、高分解能信号処理部9が図13
に示されるような雑音除去後の正規化信号を入力した場
合に出力される相関計量信号の一例を示す特性図であ
る。
【0058】図15において、曲線(a)は相関計量信
号の全体であり、曲線(b)は曲線(a)の中の相関計
量値が一定値以上ある箇所を拡大して示す相関計量信号
である。
【0059】ところで、本実施例の拡散変調信号受信装
置の動作は、フィルタ部8の動作を除けば、図18に図
示された既知の拡散変調信号受信装置の動作と殆んど同
じ動作であるが、ここではフィルタ部8以外の動作を含
め、拡散変調信号受信装置の全体の動作について説明す
る。
【0060】始めに、送信機側においては、送信データ
を図2に示されるようなPN符号で拡散変調し、得られ
た拡散変調信号の周波数帯域の制限を行った後、周波数
変換を行って送信信号に変換し、この送信信号が信号電
波として送信される。
【0061】拡散変調信号受信装置側においては、送信
機から送信された信号電波をアンテナ11で捉えると、
受信信号として受信部1に供給される。このとき、受信
部1においては、ベースバンド信号発生部13が受信信
号の増幅及び周波数変換等の処理を行ってアナログ形式
のベースバンド拡散変調信号を発生し、A/D変換部1
4に供給する。A/D変換部14は、アナログ信号形式
のベースバンド拡散変調信号をアナログ−ディジタル変
換(A/D変換)し、図3に示されるようなディジタル
形式のベースバンド拡散変調信号に変換し、変換された
ベースバンド拡散変調信号は、メモリ15に一時的に記
憶される。
【0062】次いで、メモリ15から読み出されたベー
スバンド拡散変調信号は、第1フーリエ変換部2におい
て、フーリエ変換されて図4に示されるような周波数領
域受信信号に変換され、続いて、第1フィルタ手段3に
おいて、周波数帯域が制限されて周波数帯域Aの範囲内
の有効周波数帯域、この場合、−1/(2Tc)から1
/(2Tc)までの周波数範囲内の信号からなる周波数
領域受信信号が抽出され、除算部7の第1入力端に供給
される。
【0063】一方、参照信号発生部4から発生された図
5に示すような参照信号は、第2フーリエ変換部5にお
いて、フーリエ変換されて図6に示されるような周波数
領域参照信号に変換され、次いで、第2フィルタ手段6
において、周波数帯域が制限されて周波数帯域A’の範
囲内の有効周波数帯域、この場合も、−1/(2Tc)
から1/(2Tc)までの周波数範囲内の信号からなる
周波数領域参照信号が抽出され、除算部7の第2入力端
に供給される。
【0064】この場合においても、参照信号発生部4が
発生する参照信号は、図2に示されるようなPN符号の
周波数帯域を制限した信号と同じであり、その特性は送
信機側で拡散変調信号に対して周波数帯域の制限を行っ
たときの特性と同一のものである。
【0065】除算部7は、第1フィルタ手段3から供給
された周波数領域受信信号を、第2フィルタ手段6から
供給された周波数領域参照信号で割ることにより、各周
波数成分の比を算出して図7に示されるような周波数領
域の正規化信号を発生し、フィルタ部8に供給する。
【0066】フィルタ部8は、始めに、周波数窓乗算部
16において、正規化信号に、図8に示されるようなハ
ニング窓を周波数窓関数として乗算し、図9に示される
ような周波数窓乗算正規化信号を形成し、フーリエ変換
部17に供給する。次に、フーリエ変換部17におい
て、周波数窓乗算正規化信号をフーリエ変換し、図10
の曲線(a)に示されるような時間領域正規化信号に変
換して、雑音除去部18に供給する。この場合、時間領
域正規化信号は、振幅の突出した領域内に主信号成分と
遅延信号成分とを含むもので、振幅の略平坦な領域内に
雑音成分だけを含むものである。
【0067】次いで、雑音除去部18において、時間領
域正規化信号中の雑音成分を除去する。即ち、供給され
た図10の曲線(a)に示されるような時間領域正規化
信号に対し、その平均雑音成分レベルLM よりもマージ
ンMだけ大きいスレッシュホールドレベルLT を設定し
てスレッシュホールドレベルLT 以下となる成分を除去
する。その後、スレッシュホールドレベルLT よりも大
きい時間領域の信号成分を抽出して信号波形補正部19
に出力する。
【0068】続いて、信号波形補正部19においては、
雑音成分を除去した後の時間領域正規化信号の裾部分の
再生を行うもので、信号波形の裾部分の再生は、主信号
成分と遅延信号成分とが時間的に近接している場合に、
時間領域正規化信号を、周波数窓乗算部16で用いてい
る周波数窓をフーリエ変換した窓スペクトラムで近似で
きることを利用したものである。即ち、抽出した時間領
域の信号成分における中心時間の左右両側の時間領域に
対し、図14(イ)に示されるようなハニング窓のスペ
クトラムを当て嵌め、図14(ロ)の曲線(c)に示す
ような近似曲線を形成する。次いで、近似されたハニン
グ窓のスペクトラムにおいて、図14(ロ)の曲線
(a)の領域を除いた裾部分の領域においてサンプル点
毎に時間窓の値を計算し、図14(ロ)の曲線(b)に
示すように、図14(ロ)の曲線(a)の領域に連なる
裾部分の領域を再生する。このような経緯により、信号
波形補正部19から出力される時間領域正規化信号は、
図10の曲線(ロ)に示されるように裾部分の信号波形
が補正され、雑音成分が除去された時間領域正規化信号
(雑音成分除去後の時間領域正規化信号)になり、逆フ
ーリエ変換部19に供給される。
【0069】続く、逆フーリエ変換部20において、雑
音成分除去後の時間領域正規化信号を逆フーリエ変換
し、図11に示されるような雑音成分除去後の周波数領
域正規化信号を形成し、周波数窓除算部21に供給す
る。続いて、周波数窓除算部21において、供給された
雑音成分除去後の周波数領域正規化信号を、図8に示さ
れるハニング窓の周波数窓で割って、ハニング窓の影響
を補正する。これは、いいかえると、図12に示される
ようなハニング窓の周波数特性と逆の特性を持つ周波数
窓を乗算することと同じである。この結果、図13に示
されるような周波数領域の正規化信号を得て、高分解能
信号処理部9に供給する。
【0070】高分解能信号処理部9は、図13に示され
るような雑音成分除去後の周波数領域の正規化信号を高
分解能処理手段、例えば、MUSIC法によって高い時
間分解能によって処理し、雑音成分除去後に得られる周
波数領域の正規化信号に含まれている主信号成分と遅延
信号成分との分離判別を行う。この分離判別処理によっ
て、高分解能信号処理部9は、図15の曲線(a)に示
されるような相関計量信号を発生する。この場合、得ら
れた相関計量信号は、図15の曲線(a)に図示される
ように、一部に所定値以上の相関計量値を有する時間領
域が1箇所あることが観測されるもので、その時間領域
の近傍を拡大表示した図15の曲線(b)を見れば、現
実の相関計量値のピークが所期に設定した遅延時間、即
ち、0.38Tc(0.38チップ)の遅延時間をもっ
て生じていることが判り、主信号成分と遅延信号成分と
の2つの信号成分を明瞭に分離判別することができる。
【0071】なお、本実施例の拡散変調信号受信装置に
おける送信機を携帯する移動体の現在位置を求める動作
過程は、既に説明した既知の拡散変調信号受信装置にお
けるこの種の動作過程と同じであるので、その動作過程
の説明は、省略する。
【0072】このように、本実施例の拡散変調信号受信
装置によれば、除算部7から出力された周波数領域の正
規化信号がフィルタ部8に供給された際に、フィルタ部
8は、供給された正規化信号に対し、まず、周波数領域
で窓関数の乗算を行って周波数窓乗算正規化信号を形成
し、この周波数窓乗算正規化信号をフーリエ変換して変
換領域(時間領域)正規化信号に変換する。次に、平均
雑音成分レベルに一定マージンを加えて設定したスレッ
シュホールドレベルで時間領域正規化信号の雑音を除去
して時間領域における信号成分のみを抽出し、抽出した
時間領域の信号成分に対して窓関数のスペクトラムによ
る近似処理を行って時間領域正規化信号成分の波形を補
正して、その不連続部分をなくす。次いで、補正された
時間領域正規化信号を逆フーリエ変換して周波数領域の
正規化信号に再変換し、再変換した周波数領域の正規化
信号に対して周波数領域で窓関数の除算を行い、雑音成
分や不要な成分を含まない周波数領域の正規化信号を生
成する。このようにして得られる正規化信号を高分解能
信号処理部に供給するようにしているので、高分解能信
号処理部において、雑音成分や不要な成分の影響を受け
ることなく、主信号成分と遅延信号成分とが高い時間分
解能で正確に分離判別することが可能になる。
【0073】なお、本実施例の拡散変調信号受信装置に
おいては、参照信号発生部4が発生する参照信号を、送
信機側で拡散変調に用いたPN符号の周波数帯域を制限
した信号と同じものにし、さらにその周波数帯域制限の
特性を送信機側で得られた拡散変調信号に周波数帯域制
限を行ったものと同一の特性のものにしているが、本発
明による参照信号はこのようなものに限られるものでな
く、例えば、送信機側でPN符号で拡散変調した拡散変
調信号が周波数帯域制限されていない場合、参照信号と
して送信機側で用いたPN符号と同一の符号のものを選
べばよいものであり、本発明による参照信号について
は、送信機側で得られた拡散変調信号と極めて相関が高
い参照信号が選択されるものである。
【0074】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、フィル
タ部において、供給された周波数領域の正規化信号に対
し、最初に、周波数領域で窓関数を乗算して周波数窓乗
算正規化信号を形成し、形成した周波数窓乗算正規化信
号をフーリエ変換して変換領域(時間領域)正規化信号
に変換する。次に、平均雑音成分レベルに一定マージン
を加えて設定したスレッシュホールドレベルを用いて時
間領域正規化信号の雑音を除去し、時間領域の信号成分
のみを抽出し、抽出した時間領域の信号成分に対して窓
関数のスペクトラムによる近似処理を行って、時間領域
正規化信号の波形を補正してその不連続部分をなくす。
次いで、補正された時間領域正規化信号を逆フーリエ変
換して周波数領域の正規化信号に再変換し、再変換した
周波数領域の正規化信号に周波数領域で窓関数の除算を
行って、雑音成分や不要な成分を含まない正規化信号を
生成する。このようにして得られる正規化信号を高分解
能信号処理部に供給するようにしたので、高分解能信号
処理部において、雑音成分や不要な成分の影響を受けず
に主信号成分と遅延信号成分とを高い時間分解能で正確
に分離判別することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による拡散変調信号受信装置の一実施例
の構成を示すブロック構成図である。
【図2】送信機側で拡散変調を行うときに用いられるP
N符号の一例を示す波形図である。
【図3】受信部から出力されるベースバンド拡散変調信
号の一例を示す波形図である。
【図4】ベースバンド拡散変調信号を第1フーリエ変換
部でフーリエ変換した後に得られる周波数領域受信信号
の特性図である。
【図5】参照信号発生部から出力される参照信号の一例
を示す波形図である。
【図6】参照信号を第2フーリエ変換部でフーリエ変換
した後に得られる周波数領域参照信号の特性図である。
【図7】除算部から出力される周波数領域の正規化信号
の一例を示す特性図である。
【図8】周波数窓乗算部で乗算される周波数窓関数の周
波数特性の一例を示す特性図である。
【図9】周波数窓乗算部から出力される周波数窓乗算正
規化信号の周波数特性の一例を示す特性図である。
【図10】雑音除去部と信号波形補正部とにより雑音除
去と信号波形補正が行われる前後の時間領域正規化信号
の各一例を示す信号波形図である。
【図11】逆フーリエ変換部から出力された雑音除去後
の周波数領域の正規化信号の周波数特性の一例を示す特
性図である。
【図12】周波数窓除算部で用いられる周波数窓関数の
周波数特性の一例を示す特性図である。
【図13】周波数窓除算部から出力された雑音除去後の
正規化信号の周波数特性の一例を示す特性図である。
【図14】時間領域におけるハニング窓のスペクトラム
により、雑音除去後に抽出された時間領域の信号成分を
近似する際に使用される信号の波形図である。
【図15】高分解能信号処理部が雑音成分除去後の正規
化信号を入力した場合に出力される相関計量信号の一例
を示す特性図である。
【図16】既知のPN符号を用いた拡散変調方式に用い
られる拡散変調信号波形の一例を示す信号波形図であ
る。
【図17】PN符号を用いた拡散変調方式に用いられる
拡散変調信号の周波数スペクトラムを示す特性図であ
る。
【図18】PN符号を用いた拡散変調方式を移動体追尾
方式に適用した既知の拡散変調信号受信装置の要部構成
の一例を示すブロック図である。
【図19】図18に図示の既知の拡散変調信号受信装置
において高分解能信号処理部から出力される相関計量信
号の一例を示す特性図である。
【符号の説明】
1 受信部 2 第1フーリエ変換部 3 第1フィルタ手段 4 参照信号発生部 5 第2フーリエ変換部 6 第2フィルタ手段 7 除算部 8 フィルタ部 9 高分解能信号処理部 10 制御部 11 アンテナ 12 信号出力端子 13 ベースバンド信号発生部 14 アナログ−ディジタル(A/D)変換部 15 メモリ 16 周波数窓乗算部 17 フーリエ変換部 18 雑音除去部 19 信号波形補正部 20 逆フーリエ変換部 21 周波数窓除算部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 PN符号で拡散変調した拡散変調信号を
    含む電波を受信し、ベースバンド拡散変調信号を発生す
    る受信部と、前記PN符号と相関がある参照信号を発生
    する参照信号発生部と、前記ベースバンド拡散変調信号
    及び前記参照信号をフーリエ変換する第1及び第2フー
    リエ変換部と、前記フーリエ変換したベースバンド拡散
    変調信号を前記フーリエ変換した参照信号で除算し、正
    規化信号を発生する除算部と、前記正規化信号に重畳し
    た雑音成分を除去するフィルタ部と、前記正規化信号中
    の主信号成分と遅延信号成分とを分離判別する高分解能
    信号処理部とを備え、前記フィルタ部は、前記正規化信
    号への窓関数の乗算及びフーリエ変換を行い、得られた
    変換領域正規化信号に含まれる雑音成分の除去及び前記
    窓関数のスペクトラムによる前記変換領域正規化信号の
    波形補正を行った後、逆フーリエ変換及び前記窓関数の
    除算を行うものであることを特徴とする拡散変調信号受
    信装置。
  2. 【請求項2】 前記フーリエ変換したベースバンド拡散
    変調信号及び前記フーリエ変換した参照信号は、周波数
    帯域が制限されているものであることを特徴とする請求
    項1に記載の拡散変調信号受信装置。
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