JP2000028937A - マイクロメカニカルデバイスおよびその製造方法 - Google Patents

マイクロメカニカルデバイスおよびその製造方法

Info

Publication number
JP2000028937A
JP2000028937A JP11155686A JP15568699A JP2000028937A JP 2000028937 A JP2000028937 A JP 2000028937A JP 11155686 A JP11155686 A JP 11155686A JP 15568699 A JP15568699 A JP 15568699A JP 2000028937 A JP2000028937 A JP 2000028937A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mirror
spring
torsion beam
substrate
deflectable
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP11155686A
Other languages
English (en)
Inventor
Robert E Myer
イー.メイヤー ロバート
L Kneipp Richard
エル.クナイプ リチャード
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Texas Instruments Inc
Original Assignee
Texas Instruments Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Texas Instruments Inc filed Critical Texas Instruments Inc
Publication of JP2000028937A publication Critical patent/JP2000028937A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B26/00Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements
    • G02B26/08Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light
    • G02B26/0816Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements
    • G02B26/0833Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements the reflecting element being a micromechanical device, e.g. a MEMS mirror, DMD
    • G02B26/0841Optical devices or arrangements for the control of light using movable or deformable optical elements for controlling the direction of light by means of one or more reflecting elements the reflecting element being a micromechanical device, e.g. a MEMS mirror, DMD the reflecting element being moved or deformed by electrostatic means
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02BOPTICAL ELEMENTS, SYSTEMS OR APPARATUS
    • G02B7/00Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements
    • G02B7/18Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for prisms; for mirrors
    • G02B7/182Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for prisms; for mirrors for mirrors
    • G02B7/1821Mountings, adjusting means, or light-tight connections, for optical elements for prisms; for mirrors for mirrors for rotating or oscillating mirrors

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れたコントラスト比の像を生成し、電気的
に信頼性の高いマイクロメカニカルデバイスを提供す
る。 【解決手段】本発明のマイクロメカニカルデバイスは、
基板(104)、基板上方に支えられた偏向可能剛性部
材(302,314,326)、および偏向可能剛性部
材から離されて基板上方に支えられた少なくとも1つの
スプリング(328)を含む。スプリングは、偏向可能
剛性部材がスプリングとコンタクトするように偏向する
時に、偏向可能剛性部材の偏向に抵抗する。本マイクロ
メカニカルデバイスは、投射ディスプレイシステムとし
て有用であり、電気的につながれたコントローラによっ
て、入射光を選択的に反射させて像プレーン上へ集束さ
せるように制御される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はマイクロメカニカル
デバイス分野に関するものであって、更に詳細には偏向
可能部材を有するマイクロメカニカルデバイス、更に詳
細にはデジタルマイクロミラーデバイスに関する。
【0002】
【従来の技術】マイクロメカニカルデバイスは構造が小
型であり、集積回路の製造のために開発されてきた光学
的リソグラフィ、ドーピング、金属スパッタリング、酸
化物堆積、およびプラズマエッチング等の技術を用いて
半導体ウエハ上へ作製されるのが一般的である。
【0003】しばしば変形可能マイクロミラーデバイス
と呼ばれるデジタルマイクロミラーデバイス(DMD)
はマイクロメカニカルデバイスの1つのタイプである。
他のマイクロメカニカルデバイスのタイプには加速度
計、圧力および流量センサー、ギアおよびモータが含ま
れる。いくつかのマイクロメカニカルデバイス、例えば
圧力センサー、流量センサー、およびDMDは市場にお
いて成功を収めたが、他のタイプのものはまだ市場に出
せるまでに至っていない。
【0004】デジタルマイクロミラーデバイスは主とし
て光学的ディスプレイシステムで使用される。ディスプ
レイシステムでは、DMDは、デジタル像データを使用
して光ビームの一部を選択的に表示スクリーンへ反射さ
せるように光ビームを変調するための光変調器である。
アナログモードの動作も可能であるが、DMDは典型的
にはデジタル的な双安定性動作モードで作動し、そのた
め最初の真のデジタル式フルカラーの像投射システムの
中核である。
【0005】
【発明の解決しようとする課題】この十年ないし十五年
の間にマイクロミラーは急速に発展してきた。初期のデ
バイスでは変形可能な反射メンブレン(membran
e)が使用されたが、それは、下層のアドレス電極へ静
電的に引きつけられる時に、そのアドレス電極に向かっ
て窪みを起こすものであった。シュリーレン(Schl
ieren)光学系がそのメンブレンに照明を与え、メ
ンブレンの窪んだ部分によって散乱される光から像を作
り出す。シュリーレン系はメンブレンデバイスが像形成
することを可能とするが、形成された像は非常にあいま
いなものであって、低いコントラスト比しか持たず、ほ
とんどのディスプレイ応用に適したものではなかった。
【0006】後世代のマイクロミラーデバイスは、シリ
コンまたはアルミニウム製のフラップまたはダイビング
ボード状のカンチレバービームを使用したもので、それ
らは暗視野光学系と結合されて、コントラスト比の向上
した像を生成することができた。フラップおよびカンチ
レバービームデバイスは典型的には単一金属の層で以
て、デバイスの最上部反射層を形成していた。しかし、
この単一金属層は広い面積に亘って変形を起こす傾向が
あり、それが変形部分上へ入射する光を散乱させること
になった。トーションビーム(torsionbea
m)デバイスは薄い金属層を用いて、ヒンジと呼ばれる
トーションビームを形成する。また、より厚い金属層を
用いて、典型的にはミラー状の表面を有する剛性部材あ
るいはビームを形成して、変形をDMD表面の比較的小
さい部分に集中させるようにしている。ヒンジが変形し
ても、この剛性ミラーはフラットなままで、このデバイ
スによって散乱される光量を最小限に留め、このデバイ
スのコントラスト比を改善している。
【0007】最近のマイクロミラー構造はヒンジ隠蔽
(hidden−hinge)設計と呼ばれており、ト
ーションビームを覆ってミラーを作製することで像のコ
ントラスト比を更に改善している。持ち上げられたミラ
ーブロックは入射光がトーションビーム、トーションビ
ームサポート、およびトーションビームとミラーサポー
トとをつないでいる剛性ヨークに当たるのを阻止する。
これらのサポート構造は、デバイス基板上のアドレス電
極およびミラーバイアス/リセット金属層と一緒に、そ
れらに当たる光を散乱する傾向を有する。この散乱光は
像スクリーンに到達して投射像のコントラスト比を低下
させる。ヒンジ隠蔽型のマイクロミラー設計は、ほとん
どの光がそれらのサポート構造に到達するのを防止する
ことによって像のコントラスト比を改善している。
【0008】マイクロミラーをトーションビームおよび
それらのサポートよりも上へ持ち上げるためには、マイ
クロミラーをトーションビームの上へ引き離すためのサ
ポート構造が必要である。典型的には、この役目を果た
すものとして、スペーサビア(spacervia)ま
たはサポート柱が作製される。スペーサビアは、ダミー
層の中に孔を開けてその中へ金属を堆積させることによ
って形成した中空の金属チューブであり、その上にミラ
ーが作製される。中空のスペーサビアは開いた上部を有
するので、マイクロミラーの表面積を減らすことにな
る。更に、スペーサビアの開いた上部は鋭いエッジにな
っており、それは入射光を回折させて、投射像のコント
ラスト比を低下させる。
【0009】投射像のコントラスト比を改善する必要性
に加えて、マイクロミラー設計者はミラーのリセット、
すなわち、マイクロミラーがオンまたはオフ位置のいず
れかへ回転させられた後で、それが中立位置へ戻る動作
の信頼性を改善することに励んでいる。いくつかのマイ
クロミラーは、デバイス表面に存在する水蒸気によって
生ずるファン・デア・ワールス力(van der W
aals force)や金属間の結合のような多様な
力によってランディングサイト(landing si
tes)へ付着する傾向がある。動的リセットと呼ばれ
る技術は電圧パルスを用いてマイクロミラーおよびトー
ションビームの動的応答を刺激して、ミラーがランディ
ングサイトから跳ね上がって中立位置へ戻るようにす
る。
【0010】残念ながら、ミラーをランディングサイト
へ付着させる力の大きさは広い範囲で変動する。ランデ
ィングサイトに緩く付着したミラーであれば単一のリセ
ットパルスでランディングサイトから解放されるが、他
のミラーではランディングサイトから解放するための十
分なエネルギーを蓄えるまでにいくつものパルスを必要
とするかもしれない。不十分な状態で解放されたミラー
はいくつかの問題を引き起こす。まず第1に、不十分な
状態で解放されたミラーは動的リセットの残りの期間に
ランディングを起こすかもしれない。もし不十分な状態
で解放されたミラーが動的リセット期間のかなり後期に
ランディングを起こすと、ミラーは二度目にランディン
グサイトから解放されるための十分なエネルギーをリセ
ットパルスから蓄積することができないであろう。第2
には、時期尚早に解放されたマイクロミラーはトーショ
ンビームの軸周りで“はためき”(flutter)動
作を起こす傾向がある。はためいているミラーが間違っ
たアドレス電極へ向かって回転している間に、もしもミ
ラーバイアス電圧が再印加されれば、そのミラーはその
間違ったアドレス電極へ静電的にラッチされて、暗ピク
セルの間欠的なちらつきを引き起こすことになろう。
【0011】従って、投射像のコントラスト比を改善
し、かつマイクロミラーリセット動作の信頼性を改善す
るマイクロミラーデバイスの設計に対する需要が存在す
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】目的および特徴は明らか
であろうし、以下に部分的に述べられることになろう。
またスプリング方式の復帰構造を有するマイクロメカニ
カルデバイスおよび作製方法のための方法およびシステ
ムを提供する本発明によって、それらは実現されよう。
開示された本発明の一実施例は進歩したマイクロメカニ
カルデバイスを提供する。それは、基板、前記基板の上
方に支えられた偏向可能剛性部材、および前記基板の上
方に支えられ、前記偏向可能剛性部材から離隔した少な
くとも1つのスプリングを含む。前記スプリングは、偏
向可能剛性部材がスプリングとコンタクトするよう偏向
する時に、偏向可能剛性部材の偏向に抵抗するように動
作する。
【0013】開示された本発明の別の一実施例に従え
ば、進歩したマイクロメカニカルデバイスを作製する方
法が提供される。本方法は、基板上に少なくとも1つの
サポート構造を作製する工程、前記基板から離されて、
前記サポート構造の少なくとも1つによって支えられた
少なくとも1つのスプリングを作製する工程、および前
記基板および前記スプリングから離されて前記サポート
構造の少なくとも1つによって支えられた偏向可能部材
を作製する工程を含む。前記偏向可能部材は前記スプリ
ングとコンタクトするように移動可能であり、また前記
スプリングは偏向可能部材のそれ以上の動きに抵抗する
ように動作する。
【0014】本発明の別の実施例に従えばディスプレイ
システムが提供される。本ディスプレイシステムは、光
経路に沿って光ビームを供給できる光源、前記光経路上
にあるマイクロミラーデバイス、前記マイクロミラーデ
バイスへ電気的につながれたコントローラ、および投射
光経路中に位置する投射光学系を含む。マイクロミラー
デバイスはマイクロミラー要素のアレイを含む。各マイ
クロミラー要素は、基板、前記基板によって支えられた
スプリング、および前記基板によって支えられ、前記ス
プリングから離隔した偏向可能剛性部材を含む。偏向可
能剛性部材は典型的には光経路中に設置されたミラーで
あって、偏向可能剛性部材の偏向に抵抗するスプリング
の方向へ偏向するように動作する。コントローラはマイ
クロミラーデバイスに対して電気信号を供給し、それに
よって偏向可能剛性部材を選択的に偏向させるようにマ
イクロミラーデバイスを制御する。選択的に偏向される
偏向可能剛性部材は投射光経路に沿って光を選択的に反
射させる。投射光学系はマイクロミラーデバイスによっ
て反射される光を像プレーン上へ集束させるように動作
する。
【0015】本発明およびそれの特徴のより完全な理解
のために、ここで添付図面と一緒に以下の説明を参照す
る。
【0016】
【発明の実施の形態】投射像のコントラスト比およびミ
ラーリセット動作の信頼性の両方を同時に改善する新し
いマイクロミラーデバイスが開発された。これらの進歩
はマイクロミラーと下の基板との間に配置されたスプリ
ングによって達成される。スプリングは金属であること
が好ましいが、各種の実施例では、偏向可能部材とコン
タクトして変形することによってエネルギーを蓄積する
ことのできる、弾性を有する任意の部材を採用すること
ができる。スプリングは偏向可能部材とスプリングとの
間のコンタクトの際偏向可能部材の運動に抵抗する。こ
のコンタクトは中間部材を介したものであってもよい。
【0017】従来技術による典型的なヒンジ隠蔽型DM
D100は、DMDセルまたは要素の直交的なアレイで
ある。このアレイはしばしば、行および列をなす100
0個以上のDMD要素を含む。図1は従来技術によるD
MDアレイの一部分を示しており、DMDアレイの下層
のメカニカル構造を示すためにいくつかのミラー102
が取り除かれている。図2は単一DMD要素の展開図で
あり、DMD構造間の関係をより詳細に示している。
【0018】DMDは典型的にはシリコンである半導体
基板104の上に作製される。半導体基板104の表面
上またはその中に、標準的な集積回路プロセスフローを
使用して電気的制御回路が作製されるのが普通である。
この回路は、典型的には下層にある各ミラー102に付
随するメモリセルと、その下層メモリセルへのデジタル
像データの転送を制御するためのデジタル論理回路を含
むのが一般的であるが、それに限定されることはない。
ミラー超構造へのバイアスおよびリセット信号を駆動す
るための電圧ドライバ回路もまたDMD基板上に作製で
きるが、DMDの外部にあってもよい。画像処理および
データ生成用の論理回路もまた何らかの設計のものが基
板104中に形成される。この開示の目的上、アドレッ
シング回路は、DMDミラーの回転方向を制御するため
に用いられる、直接電圧接続(direct volt
age connections)および共有メモリセ
ルを含む任意の回路を含むものと考えられている。
【0019】いくつかのDMD構成では分割リセット構
成が用いられており、それによっていくつかのDMD要
素が1つのメモリセルを共有することが許容される。分
割リセットによって、非常に大きいアレイを動作させる
ために必要なメモリセルの数が削減され、またDMD集
積回路上で電圧ドライバおよび画像処理回路のために利
用できる空間が広くなる。分割リセットはDMDの双安
定的動作によって可能となり、それは、ミラーにバイア
ス電圧が供給されている時に、ミラー102の位置に対
して何ら影響を与えることなく、下層メモリの中身を変
化させることを可能とする。
【0020】シリコン基板104および必要な金属相互
接続層は、典型的には堆積された二酸化シリコンである
絶縁層106によってDMD超構造から分離される。こ
の絶縁層の上にDMD超構造が形成される。酸化物層中
に孔またはビア(vias)が開けられ、DMD超構造
と基板104中に形成された電気回路との間の電気接続
が可能となる。
【0021】DMD超構造の第1層は金属層、典型的に
は第3金属層であり、従ってしばしばM3と呼ばれる。
最初の2つの金属層は典型的には基板上に作製された回
路の相互接続のために必要とされる。第3金属層が絶縁
層上に堆積されて、アドレス電極110およびミラーバ
イアスおよび/またはリセットの接続112を形成する
ようにパターニングされる。いくつかのマイクロミラー
設計ではランディング電極が設けられており、それは個
別的な分離構造となっており、ミラーバイアス接続11
2へ電気的に接続されている。この開示の目的上、ラン
ディング電極などのランディング構造はデバイス基板の
一部として考えられよう。従って、偏向可能構造と基板
上のランディングサイトとの間のコンタクトは、偏向可
能構造と基板との間のコンタクトであると考えてよい。
ランディング電極はミラー102の回転を制限して、回
転するミラー102またはヒンジヨーク114が、ミラ
ー102に対して電位を有するアドレス電極110へコ
ンタクトすることを防止する。もしミラー102がアド
レス電極110とコンタクトすれば、結果として発生す
る短絡がトーションビームヒンジ120を溶かすか、あ
るいはミラー102をアドレス電極110へ溶着させ
る。これらのいずれの場合もそのDMDは破壊される。
【0022】ランディング電極およびミラー102には
常に同じ電圧が印加されているので、ミラーバイアス接
続とランディング電極とは可能であれば一体の構造とし
て組み合わされることが好ましい。ランディング電極
は、ミラー102またはヒンジヨーク114のいずれか
とコンタクトすることによってミラー102の回転を機
械的に制限するためのランディングサイトと呼ばれる領
域をミラーバイアス接続または基板のその他領域に含め
ることによって、ミラーバイアス接続112と組み合わ
される。これらのランディングサイトはしばしば、ミラ
ー102およびトーションビームヒンジヨーク114が
ランディングサイトと付着する傾向を小さくするように
選ばれた材料で以て被覆される。
【0023】ミラーバイアス/リセット電圧は、ミラー
バイアス/リセット金属112と、隣接ミラー要素のミ
ラーおよびトーションビームの両方を用いた組合せ経路
を通って各ミラー102まで伝えられる。分割リセット
設計は、ミラーアレイを各々が独立したミラーバイアス
接続を有する複数のサブアレイへ再分割することを要求
する。サブアレイ間でミラーバイアス/リセット層を単
に分離することによって、DMD要素を電気的に分離さ
れた行または列に容易に分離できるので、図1に示され
るランディング電極/ミラーバイアス112構成は分割
リセット用として理想的なものである。図1のミラーバ
イアス/リセット金属層112は分離したミラー行に分
割されているように示されている。
【0024】サポートの第1層は典型的にはスペーサビ
アと呼ばれるが、アドレス電極110およびミラーバイ
アス接続112を形成する金属層上に作製される。トー
ションビームサポートスペーサビア116および上側ア
ドレス電極スペーサビア118の両方を含むこれらスペ
ーサビアは、典型的にはアドレス電極110およびミラ
ーバイアス接続112を覆って薄いスペーサ層をスピン
塗布することによって形成される。この薄いスペーサ層
は典型的には1μm厚さのポジ型(positive)
フォトレジストである。フォトレジスト層を堆積した後
で、それを露光しパターニングして、更に遠紫外線で硬
化させて、その中にスペーサビアを形成するための孔が
形成される。このスペーサ層および製造プロセスの後の
段階で使用されるそれよりも厚いスペーサ層はしばし
ば、犠牲層と呼ばれる。それは、それらが製造プロセス
中で形式的にだけ使用され、デバイス動作の前に除去さ
れるからである。
【0025】スペーサ層上および孔中へ薄い金属層がス
パッタされる。次に、薄い金属層を覆って酸化物が堆積
されパターニングされて、後にヒンジ120を形成する
はずの領域を覆ってエッチマスクが形成される。典型的
にはアルミニウム合金である金属のより厚い層が、この
薄い層および酸化物エッチマスクを覆ってスパッタされ
る。酸化物の別の層が堆積されパターニングされて、ヒ
ンジヨーク114、ヒンジキャップ122、および上側
アドレス電極124が定められる。この第2の酸化物層
がパターニングされた後で、2つの金属層が同時にエッ
チされ酸化物のエッチストップが除去されて、両方の金
属層で形成される厚い剛性ヒンジヨーク114、ヒンジ
キャップ122、および上側アドレス電極124が残さ
れ、またトーションビーム金属の薄い層のみで形成され
る薄い柔軟なトーションビーム120が残される。
【0026】次に、厚い金属層を覆って厚いスペーサ層
が堆積されパターニングされて、後で中にミラーサポー
トスペーサビア126が形成されることになる孔が定め
られる。この厚いスペーサ層は典型的には2μm厚のポ
ジ型フォトレジスト層である。典型的にはアルミニウム
合金であるミラー金属の層が、この厚いスペーサ層の表
面上、および厚いスペーサ層中の孔にスパッタされる。
この金属層は次にパターニングされてミラー102が形
成される。ミラー102が形成された後、プラズマエッ
チを用いて両スペーサ層が除去される。
【0027】一旦、2つのスペーサ層が除去されてしま
うと、ミラーはトーションビームヒンジ120によって
形成される軸周りに自由に回転する。実質的に空隙コン
デンサの2枚の電極を構成するアドレス電極110と偏
向可能剛性部材との間の静電引力がミラー構造を回転さ
せるために用いられる。マイクロミラーデバイスのデザ
インに依存して、偏向可能剛性部材はトーションビーム
ヨーク114か、ビームまたはミラー102か、トーシ
ョンビームへ直接取り付けられたビームか、あるいはそ
れらの組合せである。上側アドレス電極124もまた、
偏向可能剛性部材を静電的に引きつける。
【0028】電位によって生ずる力は2枚の電極間の距
離の逆数の関数である。剛性部材が静電的なトルクによ
って回転すると、トーションビームヒンジ120は変形
して、トーションビーム120の偏向角度のほぼ線形関
数である復帰トルクで以てその回転に抵抗する。この構
造は、トーションビームの復帰トルクが静電的トルクと
等しくなるまで、あるいは回転する構造とランディング
サイトまたはランディング電極を含む基板との間のコン
タクトによって回転が機械的に阻止されるまで回転す
る。以下で述べるように、ほとんどのマイクロミラーデ
バイスはデジタルモードで動作し、そこにおいてはマイ
クロミラー超構造のフル偏向を保証するために十分に大
きいバイアス電圧が使用される。
【0029】マイクロミラーデバイスは2つの動作モー
ドのうちの1つで作動する。第1の動作モードはアナロ
グモードであり、しばしばビームステアリングと呼ば
れ、そこにおいては、ミラーの所望される偏向に対応す
る電圧までアドレス電極が充電されるようになってい
る。マイクロミラーデバイスに当たる光はミラーの偏向
によって決まる角度でミラーから反射される。個々のミ
ラーによって反射される光のコーンは、アドレス電極へ
供給される電圧に依存して、投射レンズ開口(aper
ture of the lens)の外側へ、部分的
に開口内部へ、あるいはレンズ開口の完全に内部へ向け
られる。反射光はレンズによって像プレーン上へ、個々
のミラーが像プレーン上の決まった位置に対応するよう
に集束される。反射光のコーンが開口の完全内部から開
口の完全外部へ移動するにつれて、ミラーに対応する像
位置が暗くなり、連続した輝度レベルを作り出す。
【0030】第2の動作モードはデジタルモードであ
る。デジタル的に作動する時は、各マイクロミラーはト
ーションビームの軸周りで2つの方向のいずれかへフル
偏向される。デジタル動作では、ミラーがフル偏向され
ることを保証するために比較的大きい電圧が使用され
る。アドレス電極に対しては標準的な論理電圧レベルが
供給される一方で、それよりも大きいバイアス電圧、典
型的には正の24ボルトがミラー金属層へ供給される。
十分に大きいミラーバイアス電圧、すなわちデバイスの
崩壊電圧と呼ばれるものを超える電圧が、アドレス電圧
が存在しなくても、ミラーが最も近いランディング電極
へ向かって偏向するであろうことを保証する。従って、
大きいミラーバイアス電圧を使用することによって、ア
ドレス電圧はミラーをわずかに偏向させるのに十分なだ
け大きければよい。
【0031】マイクロミラーデバイスを使用して像を生
成するために、光源は、回転角度の2倍に等しい角度に
位置することによって、光源の方向へ回転するミラーが
光をマイクロミラーデバイスの表面に垂直な方向へ反射
し、更に、投射レンズの開口中へ反射することによっ
て、像プレーン上に明るいピクセルを生成するようにな
っている。光源から遠ざかる方向へ回転するミラーは投
射レンズから外れた方向へ光を反射して、その対応する
ピクセルを暗いままに残す。中間の輝度レベルは、ミラ
ーを高速にオンおよびオフするパルス幅変調技術を用い
て生成される。ミラーのデューティサイクルが像プレー
ンに到達する光量を決定する。人間の目は光パルスを積
分し、脳はフリッカーのない中間輝度レベルを認識す
る。
【0032】フルカラーの像は、3個のマイクロミラー
デバイスを使用して3つの単色像を作り出す方法による
か、あるいは単一のマイクロミラーデバイスを使用し
て、回転するカラーホイール(color whee
l)上に搭載された3色フィルタを通過する光ビームを
照射して逐次的に3つの単色像を形成する方法かのいず
れかによって生成される。
【0033】
【実施例】図3および図4は、最近開発されたスプリン
グ・リング構造に従うヒンジ隠蔽型マイクロミラーを示
す。ここに示される本発明は主としてマイクロミラーデ
バイスに関して議論されているが、本発明の概念はその
他のタイプのマイクロメカニカルデバイスにも適用可能
である。
【0034】図3および図4に示されるように、リング
状のスプリング328が、トーションビームヨーク31
4と同じ高さに、トーションビームヨーク314の周囲
に広がって作製される。スプリング・リング328はス
プリング・リング328の外側周辺にナブ(nub:こ
ぶ)330を含む。偏向された時、ミラー302の底部
がナブ330とコンタクトしてスプリング・リング32
8を下方へ押す。ミラー302がスプリング・リング3
28を下方へ押せば、スプリング・リング328はミラ
ー302を上方へ押し戻す復帰力を生み出す。
【0035】スプリング・リング328は、それがミラ
ー302によって偏向される時にエネルギーを蓄積し
て、ミラー302が未偏向状態へ戻る時に、蓄積された
エネルギーを解放する。ミラー302を偏向させる静電
力が取り去られるか十分に低下すると、蓄積された位置
エネルギーはスプリング・リング328を未偏向状態へ
す速く戻し、ミラー302をそれの中立位置へ強制的に
戻す。スプリング328の力は、ミラー302またはヨ
ーク114と、スプリング・リング328またはミラー
バイアス/リセット金属112との間の固着を克服する
か、あるいは少なくとも克服する助けとなり、ミラー3
02を解放し、トーションビームヒンジ320がミラー
302を中立位置へ戻すことを許容する。動的リセット
の場合、ミラーは中立位置を通り越して逆側のアドレス
電極へ進められ、そこにおいてミラーバイアス電圧の再
印加によって捕えられるように位置を変える。この動的
リセットと組み合わせれば、スプリング・リング328
はアレイ中のすべてのミラー302のリセットの信頼性
を保証でき、固着や時期尚早のピクセル解放によって引
き起こされる視覚上のアーティファクトを解消できる。
【0036】開示された本発明の好適実施例に従えば、
スプリング・リング328の偏向によって生ずる復帰力
は、ミラー302またはヨーク314が基板104の表
面上のミラーバイアス/リセット金属(metaliz
ation)312またはアドレス電極310のいずれ
かとコンタクトする前にミラー302の回転を停止させ
るのに十分である。図5は、本発明に従う、偏向された
ヒンジ隠蔽型マイクロミラー要素の側面図であり、偏向
されたスプリング・リング328とミラー302との間
の関係を示している。図5において、スプリング・リン
グ328の偏向によって生ずる復帰力は、デバイス基板
104の表面上のアドレス電極310またはミラーバイ
アス/リセット金属312のいずれかとミラー302が
コンタクトする前に、ミラーの回転を停止させるのに十
分である。
【0037】ここに開示する発明の別の実施例に従え
ば、スプリング・リング328の偏向(deflect
ion)によって生ずる復帰力は、ミラー302または
ヨーク314が、基板104の表面上のミラーバイアス
/リセット金属312またはアドレス電極310とコン
タクトする前に、ミラー302の偏向を停止させるには
不十分である。図6および図7は本発明に従う、偏向さ
れたヒンジ隠蔽型マイクロミラー要素の断面図であり、
偏向されたスプリング・リング328とミラー302と
の関係を示している。
【0038】図6において、スプリング・リング328
の偏向によって生ずる復帰力は、ミラー302がミラー
バイアス/リセット金属612とコンタクトする前に、
ミラーの回転を停止させるには不十分である。ミラーバ
イアス/リセット金属612とのコンタクトがミラー3
02の回転を停止させるが、スプリング・リング328
は、ミラー302とスプリング・リング328およびミ
ラーバイアス/リセット金属612の両方との固着を断
ち切るのに十分な復帰力を提供する。
【0039】図7では、スプリング・リング328の偏
向によって生ずる復帰力は、トーションビームヨーク3
14がミラーバイアス/リセット金属612とコンタク
トする前に、ミラーの回転を停止させるには不十分であ
る。図6と同じように、ミラーバイアス/リセット金属
712とのコンタクトがミラー302の回転を停止させ
るが、スプリング・リング328はそれでも、ミラー3
02とスプリング・リング328およびミラーバイアス
/リセット金属712の両方との間の固着を断ち切るの
に十分な復帰力を供給する。
【0040】本発明は、トーションビームヨークの一部
として作製されたスプリング延長部を含む従来のデバイ
スとは異なり、偏向可能部材に剛体的に取り付けられて
いないスプリングについて教示している。ここに述べら
れる構造は、好ましくは、基板と偏向可能剛性部材との
間の中間層の一部として作製されて、該剛性部材の運動
を制限するように位置するスプリング構造を有すること
が好ましい。
【0041】これまでの説明はスプリング・リングとし
て知られる新しい構造に焦点をおいている。しかし、ス
プリング・リング構造は、分離した偏向可能部材の運動
を禁止するように動作するスプリング部材を有するマイ
クロメカニカルデバイスの1つの例にすぎない。数多く
のその他の構造がスプリングを使用して、分離した偏向
可能部材の運動を停止させることができる。
【0042】代替えスプリング構造の例が図8、図9、
図10、および図11に示されている。図3および図4
のスプリング・リング構造と同様に、これらの構造もま
た、トーションビームヒンジがミラー302の偏向に抵
抗して、ミラー302を未偏向位置へ戻すことを助ける
ことのできるエネルギー蓄積部材を提供している。図8
および図9に示される2つの代替えスプリング構造は、
トーションビームサポート柱から離れる向きの片持ち構
造(cantilevered away from)
になったスプリング延長部またはリーフスプリングを採
用している。第3の代替えスプリング構造はリング状の
構造を使用しており、それはリング状の構造体と偏向可
能部材とのコンタクトによって捩るように動作する少な
くとも1つの薄いトーションビーム部分を有している。
【0043】図8はトーションビームキャップ322か
ら延びる延長部834を示している。厚い延長部834
は薄い金属製のトーションビーム層と厚い金属層とを含
んでおり、それらはトーションビームヨーク314およ
びトーションビームキャップ322を形成するために用
いられている。厚い延長部834は、回転しているミラ
ー302とコンタクトすることで変形し、また偏向可能
剛性部材とアドレス電極110との間の静電引力が取り
除かれた時にミラー302を未偏向位置へバネの作用で
押し戻す。
【0044】9はトーションビームキャップ922から
延びる柔軟な延長部934を示している。薄い柔軟な延
長部934は薄いトーションビーム金属層を含んでお
り、回転するミラーがそれらとコンタクトすると変形す
る。この変形は延長部934中にエネルギーを蓄積し、
また、偏向可能剛性部材とアドレス電極110との間の
静電引力が取り除かれた時にミラー302を未偏向位置
へバネの作用で押し戻すために使用される。
【0045】トーションビームキャップ922からの薄
い柔軟な延長部934を使用することに関する1つの困
難はミラー302の下側とのコンタクトを回避すること
である。延長部934は非常に薄いので、ミラー302
を未偏向位置へ戻すために必要な剛性を保つために比較
的短くしなければならない。しかし、短い柔軟な延長部
はしばしば変形してミラー302の下側と厚いトーショ
ンビームキャップ922の端部936との間のコンタク
トを許容する。厚いトーションビームキャップ922の
端部936とミラー302の下側とのコンタクトを回避
するために、図10に示される実施例は厚い先端部分9
40と薄い中間部分938との両方で作製されたスプリ
ング延長部を提供している。偏向されると、ミラー30
2の下側は厚い先端部分とコンタクトして、ミラー30
2とスプリング延長部とのコンタクトは最小化され、他
方、薄い中間部分938は変形する。
【0046】薄い柔軟な延長部が高品質の像を生成する
ために必要な一貫した(consistent)ミラー
回転を提供することは困難である。上で述べたように、
1つのピクセルの輝度はミラーによって表示レンズ開口
へ反射される光量に依存する。従って、もしミラーが回
転し過ぎたり、回転不足であったりして、反射光のうち
の幾分かが開口の外側に外れてしまえば、すべてのピク
セルが同じ輝度を持たなくなり、表示品質が低下するで
あろう。もしもミラーがトーションビームの軸周りでは
なく、トーションビームの軸に沿って捩れるようであれ
ば、同じ問題が発生する。更に、1つのアレイと次のア
レイとで回転に顕著な変動があれば、各システムの光学
的位置合わせは複雑化する。従って、各々のアレイ中の
各ミラーは、デバイスの寿命がある限り、ミラーが回転
する度に正確に同じ量だけ回転しなければならない。
【0047】薄いトーションビームキャップ延長部93
4は容易に作製できるが、一貫したミラー偏向を与える
薄いトーションビームキャップ延長部934を作製する
ことは非常に困難である。トーションビームキャップ延
長部934の剛性はその厚さと長さの比の3乗によって
ほぼ決まる。トーションビームを形成する金属層は公称
600Åの厚さであり、他方、トーションビームヨーク
およびキャップを形成する厚い金属層は公称4000Å
の厚さである。トーションビームヒンジ320およびト
ーションビームキャップ延長部934を形成するために
使用される金属層は薄いキャップ延長部934の長さに
比べて非常に薄いので、製造プロセス中に典型的に発生
する程度の大きさの厚さ変動がキャップ延長部934の
剛性に大きな差をもたらし得る。偏向可能剛性構造がミ
ラーバイアス/リセット金属層によって停止させられな
い実施例では、キャップ延長部934の剛性の大きい変
動は偏向可能構造が回転する度合いに重大な変化をもた
らす。上で述べたように、ミラー回転のこの変動はマイ
クロミラーデバイスによって生成される像を著しく劣化
させる。
【0048】スプリングの厚さが厚くなればなるほど、
所定の厚さ変動がスプリング剛性に及ぼす影響は小さく
なる。従って、図8に示されるような厚いトーションビ
ームキャップ延長部834は、図9に示される薄いトー
ションビームキャップ延長部934よりも一貫した剛性
を、与えられた金属厚変動の範囲に亘って与える。図8
の厚いトーションビームキャップ延長部834の長さが
短かいと、より一貫してはいるものの、ミラー302が
未偏向位置へ戻るのを助けるために必要な弾性バネを提
供するにはしばしば余りに硬過ぎる。
【0049】スプリング・リング方式DMD300の設
計は、ミラー302を未偏向位置へ戻すために必要な弾
性力を提供しながら、安定なミラー偏向を与えることが
できる。スプリング・リングは薄いトーションビーム金
属層および厚いトーションビームキャップ金属層の両方
から形成されるため、製造時の厚さ変動はそれの公称厚
さと比べて大きいものではなく、バネ剛性に対してほと
んど影響しない。更に、スプリング・リングの長さはそ
れの剛性を減らすので、それは曲ってミラーを未偏向位
置へ向かって飛び出させるために十分なエネルギーを蓄
積することができるようになる。
【0050】スプリング・リング328のコンプライア
ンスが、厚いトーションビームキャップ延長部834に
比べて増大するのはスプリング・リング328の長さが
長いせいである。スプリング・リング328の形状はま
た、それを、細長く厚いトーションビームキャップ延長
部に適したものとする付加的な特徴を提供している。ま
ず第1に、スプリング・リング328はトーションビー
ムキャップ322の各各からの延長部をつなぐので、各
々の個別延長部のコンプライアンスの小さい差はトーシ
ョンビーム軸に垂直な軸の周りでミラー302を傾ける
ことはないであろう。第2に、スプリング・リング32
8の遠い側にナブ330を配置することによって、スプ
リング・リング328とミラー302との間のコンタク
ト点は最小化され制御される。
【0051】1つのナブ330だけが図示されている
が、犠牲スペーサ層を除去するための、現状のミラーア
ンダーカットプロセスにおける不完全さのために、2つ
の接近して配置されたナブ、あるいはノッチ付きの単一
ナブを使用することが有利となる場合もある。このアン
ダーカットプロセスはマイクロミラー要素の対角方向の
中心線に沿ってスペーサ材料の非常に細かい不規則なリ
ッジを残す傾向がある。このリッジは、トーションヒン
ジ、ヒンジキャップ、ヒンジヨークの上面および下面、
そしてミラーの底面に残る。
【0052】リッジはほんの約0.12μm厚である
が、このように小さい厚さであっても偏向されるミラー
の回転を1.0°も減少させるのに十分である。リッジ
はいくつかのミラーの回転を減少させるため、回転不足
のミラーによって反射される光のコーンは投射光学系の
開口内に完全に入りきらず、その回転不足のミラーに対
応するピクセルの輝度を減らす。0.5°という小さい
回転不足でも検知できるし、1.0°であれば投射像の
“まだら”として明瞭に目で見ることができる。残存す
るスペーサ材料のリッジによって引き起こされる像の劣
化を防止するために、ナブ330にはリッジとのコンタ
クトを避けるためにノッチを付けたり、あるいは2つの
ナブを使用して、リッジの各側に1つづつ設けるように
する。
【0053】図11はスプリング方式の戻り構造を有す
るマイクロメカニカルデバイスの更に別の実施例を示し
ている。図11でリング構造332の各々の側には2つ
の薄い部分334が含まれており、それらは厚いナブ3
30の各側に設けられている。図3および図4のリング
構造328全体はミラー302の下側とコンタクトする
ことによって変形するように設計されているが、図11
ではスプリング・リング332の薄い部分334のみ
が、ナブ330の偏向を許容するように捩れて変形する
ようになっている。
【0054】これまで議論してきたデバイスはすべて、
トーションビームサポートスペーサビア116へ取り付
けられて、ミラー302の下側に延びるスプリングを含
んでいた。これらの実施例はスプリングおよびサポート
構造をミラー302の下側に保っているので、それらは
像品質を劣化させる反射を引き起こすことはないはず
で、従って像形成のためにマイクロメカニカルデバイス
を使用する応用に適しているが、その他の応用ではスプ
リングおよびサポート構造を入射光から隠したままにす
る必要はない。そのようなその他の応用に対しては、ス
プリングを偏向可能部材の上に作製することが可能で、
そうすれば偏向可能部材はスプリングの下側とコンタク
トすることになる。スプリングサポート構造はまた、ス
プリングが内側へ偏向可能要素へ向かって延びるよう
に、マイクロミラー302の周辺外部に作製してもよ
い。更にいくつかのマイクロメカニカル要素は、トーシ
ョンヒンジの捩りによって生成される上下の動きより
も、基板に対してサイドからサイド(side−to−
side)へ移動する偏向可能部材を含んでいてもよ
い。スプリングは典型的には、偏向可能要素の運動を捕
捉できる場所へスプリングを配置するためにサイドから
サイドへ運動する偏向可能部材の側辺に作製される。
【0055】現在のDMD設計に影響する1つの問題は
トーションビームヒンジのメモリ作用、あるいはヒンジ
のクリープ(creep)現象である。トーションビー
ムヒンジのメモリ作用は、トーションビームを形成する
金属が、所定方向へミラーを繰り返して回転した後で永
久的に捩れてしまう時に発生する。この捩れはしばしば
結晶間滑り面(intercrystalline s
lip planes)に沿った運動によって引き起こ
され、ミラーを回転の1つの方向へ向かってずらしてし
まう。与えられた偏向に対して、ヒンジのメモリ作用
は、コンプライアンスが高いスプリング構造では問題が
より少ない。
【0056】アドレス電極と偏向可能部材との間の静電
引力がトーションビームヒンジのメモリ作用で生ずるず
れを克服するには不十分であれば、アドレス電極へ与え
られたデータに関係なく、ミラーバイアス電圧が印加さ
れる時にはミラーは常にトーションビームヒンジのメモ
リ作用の方向へ回転することになる。トーションビーム
ヒンジのメモリ作用が、アドレス電極がトーションビー
ムヒンジのメモリ作用を克服できないようなレベルにま
で上昇することは希であるが、トーションビームヒンジ
のメモリ作用はアドレスのマージンを減らし間欠的なエ
ラーの原因となる。間欠的なミラー回転エラーは像の暗
いほうの領域にちらつき現象として最も頻繁に観測され
るものである。
【0057】スプリング方式のデザインは高コンプライ
アンスのヒンジを使用することを可能とする。その場合
にはヒンジのクリープ現象が発生する可能性は低い。ス
プリング・リング328はミラー302を未偏向の中立
領域へ、あるいは動的リセットの場合には中立領域を通
り越して強制的に戻すように作用するばかりでなく、ト
ーションビーム320が偏向可能剛性部材の静電的な回
転に抵抗したり、最終的には停止させたりすることの助
けもする。トーションビーム320はもはや、抵抗性お
よび復帰性のトルクのすべてを提供するものではないの
で、スプリング・リング328を含めることによって十
分な抵抗性および復帰性のトルクを保持しながら、トー
ションビーム320のコンプライアンスを増大させても
構わない。
【0058】トーションビームのコンプライアンスはト
ーションビームヒンジの長さ、幅、および厚さと、トー
ションビームを形成する材料とによって決まる。これら
のパラメータのすべては製造プロセスの能力、あるいは
マイクロミラー要素の寸法に関する物理的制約によって
制限される。多分、トーションビームのコンプライアン
スを増大させる最良の方法はトーションビームの厚さを
減らすことである。トーションビームの厚さを635Å
から600Åへ減らすことで、ヒンジのコンプライアン
スが増大する。トーションビームの厚さを更に減らせ
ば、更にコンプライアンスが減少するが、トーションビ
ームの厚さを600Å以下の厚さでは制御することは困
難である。
【0059】スプリング・リングデザイン300はま
た、マイクロミラーアレイの機械的信頼性を改善する。
マイクロミラー超構造の潜在的高負荷点はミラーサポー
トスペーサビア326とトーションビームヨーク314
との間の接続である。ミラーサポートスペーサビア32
6とトーションビームヨーク314との間の接続は、垂
直なスペーサビア側壁がスペーサビアの水平ベースを横
切るミラーサポートスペーサビア326中の乏しい金属
分布領域によって弱められる。この境界を横切る金属分
布はステップカバレッジ(step coverag
e:つきまわり)と呼ばれる。ステップカバレッジ問題
はスペーサ層中の孔に金属を堆積することが本質的に困
難であるということによるもので、それ以上については
1997年12月30日発行の”マイクロメカニカルデ
バイス用のサポート柱構造(Support Post
Architecture for Microme
chanical Devices)”と題する米国特
許第5,703,728号に述べられている。
【0060】ミラーサポートスペーサビア326とトー
ションビームヨーク314との間の接続を強化しなくて
も、スプリング・リング328によって与えられる”軟
着陸”(soft landing)が、ミラー302
とミラーサポートスペーサビア326との間の接続に対
する応力を低減化することによってデバイス信頼性を向
上させる。この応力低減にはいくつかの因子が寄与す
る。まず第1に、スプリング・リングは、トーションビ
ームヨーク114またはミラー102がミラーバイアス
/リセット金属と衝突する時に従来発生していた急激な
停止とは逆に、ミラー302をよりゆっくりと停止させ
る。
【0061】第2に、スプリング・リング328は、ミ
ラー302とコンタクトして停止させることによって、
ミラーサポート326上のミラーの慣性がトーションビ
ームヨーク314接続に与える破壊的な効果を解消す
る。ミラー302は、それの比較的大きい質量のため
に、偏向可能剛性部材の慣性の約60%の原因になって
いる。トーションビームヨーク114をミラーバイアス
/リセット金属層112上へランディングさせる従来技
術のデバイスでは、この大きい慣性力は、ミラーサポー
トスペーサビア126の長さをレバー長として使用する
ので、ミラーサポートスペーサビア126とトーション
ビームヨーク114との間の接合部に対して大きいトー
ション力を生成する。ミラー302をスプリング・リン
グ上へ直接ランディングさせることによって、この慣性
力は解消されて、その代わりにアドレス電極310とト
ーションビームヨーク314との間の静電引力によって
生成されるもっとずっと小さいトルクによって置き換え
られる。
【0062】ミラー慣性によって引き起こされる応力の
解消と軟着陸特性とによって、ミラーサポートスペーサ
ビア326に対する応力が低減される。この結果、ずっ
と小さい径のスペーサビア、例えば図3および図4に示
されるスペーサビア326のようなものが可能となる。
スペーサビアは、さもなければ有効ミラー領域(act
ive mirror area)として利用できる空
間を占有してしまう。スペーサビアの上部は開いている
ので、スペーサビア領域に入射する光を像プレーンへ選
択的に反射させることはできない。従って、スペーサビ
アが小さければそれだけ有効ミラー領域は増大し、マイ
クロミラーデバイスの光学的効率は高くなる。
【0063】像の輝度を改善することに加えて、小さい
スペーサビアはまた投射像のコントラスト比を増大させ
る。スペーサビア領域に入射する光は、ミラーの傾斜角
度に関係なく散乱される。散乱光の幾分かは投射像に到
達する。像へ到達する散乱光は像に亘ってランダムに広
がるので、光は像の暗い領域を明るくして、像を色あせ
させて(wash out)コントラスト比を低下させ
る傾向がある。
【0064】ミラー302とミラーサポートスペーサビ
ア326との間の境界によって散乱される光は、もしそ
れが真っ直ぐなエッジによって散乱されるならば、特に
もしその真っ直ぐなエッジがトーションビームヒンジ3
20の軸に平行であれば、投射レンズの開口へ、従って
投射像へより到達し易くなる。散乱光の効果を減らすた
めに、そしてミラーサポートを強化するために、従来技
術のマイクロミラーはトーションビームに平行な側の辺
がヒンジに垂直な側の辺よりも短い長方形の断面を有す
るミラーサポートを使用していた。図1および図2に示
されるように、ミラーサポートスペーサビアの幅はトー
ションビーム120に垂直な方向で約4μmであり、ま
たトーションビーム120に平行な方向で3μmであ
る。
【0065】ミラーサポートスペーサビア326の周辺
を短縮することにより、ミラー302とミラーサポート
スペーサビア326との間の境界の長さが短縮されて、
境界によって散乱される光量も低減される。もしスペー
サビア326が十分小型に作製されれば、中にミラーサ
ポートスペーサビア326が形成される感光性スペーサ
材料の応答と、フォトリソグラフィプロセスによって引
き起こされる回折とがミラーサポートスペーサビア32
6の四角いコーナーを丸くして、投射システムの開口内
へ光を反射させる傾向が大きい、真っ直ぐなエッジを、
解消もしくは大幅に減らすことになろう。差し渡し2.
6μmのスペーサビアは、必要な強度を証明するのに十
分大きく、しかもフォトリソグラフィプロセスによって
丸くなったコーナーをもたらすのに十分なだけ小さい。
【0066】いくつかのその他の特徴は、M3金属層上
にランディングしないミラー302の副産物である。そ
のような特徴の1つは、ミラー302の下側の構造上に
反射防止用の被覆を使用する能力である。ミラー間の間
隙を通過する光は基板104の表面上のM3金属層およ
びミラーサポート構造によって散乱される。この光の幾
分かはミラー間の空隙を通って戻り、投射レンズシステ
ムの開口中へ入って、マイクロミラーアレイによって生
成される像のコントラスト比を引き下げる。コントラス
ト比を改善する1つの方法は、ミラー下の表面に対して
反射防止被覆を設けることである。図12に示される反
射防止被覆1002は、被覆された表面からの反射を減
らして、投射像を劣化させる迷光を減少させる。
【0067】残念ながら、アドレス電極310およびミ
ラーバイアス/リセット金属312に適用が容易で、し
かもミラーバイアス/リセット金属312とミラー30
2またはヨーク314との間に動的リセットが生み出す
摩擦に対して十分に抵抗力を持つような反射防止被覆1
002は知られていない。しかし、スプリング方式のマ
イクロミラーデザインはミラー302とM3層との間の
コンタクトを解消しながら、反射防止被覆1002の使
用を許容する。
【0068】ミラー302とミラーバイアス/リセット
金属層312との間のコンタクトの解消はまた、デバイ
スの電気的信頼性および機械的破片に対する抵抗性の両
方に進歩をもたらす。スプリング・リング328がミラ
ー302の回転を停止させる時は、ミラーバイアス/リ
セット金属112上に別個のランディングサイトが不要
となる。以前にはトーションビームヨーク114または
ミラー102とコンタクトすることによってミラーの回
転を停止させていたこのランディングサイトを解消する
ことは、M3金属層上に利用可能な付加的空間を作り出
す。
【0069】この付加的空間は、特にヒンジ軸から最も
遠く離れた層部分において、より大きいアドレス電極用
として使用される。この付加的空間はまた、アドレス電
極とミラーバイアス/リセット金属との間により大きい
間隙を提供するために使用される。より大きい間隙は粒
子によって引き起こされる短絡に対するデバイスの耐性
を増大させ、製造欠陥に対する余裕度を増大させて、デ
バイスの製造収率を高める。更に、付加的空間の幾分か
は、特に分割リセットアドレッシング法を採用する時
は、ミラーバイアス/リセット信号の引き回しを簡易化
するために使用される。
【0070】より大きいアドレス電極310は、偏向可
能剛性部材とアドレス電極とによって形成される空気コ
ンデンサの容量を増大させる。アドレス電極310をト
ーションビーム320の軸から遠くへ延長することによ
って、アドレス電極310と偏向可能剛性部材との間の
静電引力によって生ずるトルクが増大する。この増大し
た容量と増大したトルクとが共同してデバイス動作の信
頼性を増大させ、またデバイスを動作させるために必要
な電圧差を下げる。
【0071】より一貫したデバイス動作を提供すること
に加えて、より大きいアドレス電極310によって提供
される進歩した静電的マージンは、以前には上側アドレ
ス電極124とミラー102との間に静電引力を発生さ
せるために必要であった、図1および図2に示される上
側アドレス電極124を不要とする。上側アドレス電極
124が不要であれば、ミラー102と上側アドレス電
極124との間のコンタクトを防止するために高いミラ
ーサポートスペーサビア126を必要とした従来の設計
のようにミラーサポートスペーサビア326を高くする
必要がなくなる。上側アドレス電極124が不要になる
ことによって大きなトーションビームヨーク314が許
容され、それはデバイスによって発生する静電的トルク
を増大させる。
【0072】より短いミラーサポートスペーサビア32
6はいくつかのメリットを与える。第1に、ミラー30
2とアドレス電極310との間の間隙が短縮されること
で、ミラー302とアドレス電極310との間の与えら
れた電圧差によって生ずる静電力が増大し、デバイスの
静電特性が更に向上する。第2に、ミラーサポートスペ
ーサビア326は付加的なモーメントアームであり、そ
れを通してミラーの慣性が作用するため、ミラーサポー
トスペーサビア326の高さを低くすることは、ミラー
サポートスペーサビア326とトーションビームヨーク
との間の接合に加わる応力を減らすことになる。
【0073】更に、短いミラーサポートスペーサビア3
26はミラー302間を通過できる光量を減らすことに
よって、生成される像のコントラスト比も改善する。短
いミラーサポートスペーサビア326は、ミラーが回転
する時のミラー302間の間隙を狭くし間隙を通過する
光量を減少させる。ミラー302間の間隙を通過する光
は、下層構造およびミラーバイアス/リセット金属によ
って反射される。下層構造によって反射される光の幾分
かはミラー間隙を通って戻り像プレーンに到達して、そ
こにおいて投射された像を洗い流し、表示コントラスト
比を低下させる。
【0074】トーションビームヨーク314はもはやミ
ラーバイアス/リセット金属層312とコンタクトしな
いから、トーションビームサポートスペーサビア116
の高さはもはやミラー302の最終的な傾斜角度を制御
しない。トーションビームサポートスペーサビア116
の高さは傾斜角度に影響しないので、またランディング
サイトおよび上側アドレス電極の解消はデバイスの静電
的性能を大幅に改善するので、トーションビームサポー
トスペーサビア116の高さは比較的大きい範囲で変化
させることが許される。
【0075】トーションビームサポートスペーサビア1
16の高さは、静電的性能と破片に対する耐性との間の
トレードオフである。トーションビームサポートスペー
サビア116が短ければ、トーションビームヨーク31
4とアドレス電極310との間の間隙は短くなり、それ
によってそれらの間の静電引力は増大する。しかし、ト
ーションビームヨーク314とアドレス電極310との
間の間隙が短くなればそれだけ、デバイスはデバイスパ
ッケージ内部の破片によって引き起こされる故障に対し
て敏感となる。トーションビームヨーク314とアドレ
ス電極310との間の破片はミラー302の回転を機械
的に制限するばかりでなく、トーションビームヨーク3
14をアドレス電極310へ短絡させ得る。
【0076】トーションビームサポートスペーサビア1
16およびミラーサポートスペーサビア326の高さ
は、サポートスペーサビアを形成するために用いられる
スペーサ層の厚さによって決まる。従来技術のデバイス
では、トーションビームサポートスペーサビア116を
形成するのに1.18μmのスペーサを使用し、ミラー
サポートスペーサビア126を形成するのに2.15μ
mのスペーサを使用していた。これらのスペーサ層は、
0.32μm厚のトーションビームヨーク114と組み
合わされて、3.65μmのミラー高をもたらす。ここ
に教示するスプリング復帰構造を使用する一実施例は、
トーションビームサポートスペーサビア116およびミ
ラーサポートスペーサビア326の両方を形成するのに
1.46μmのスペーサ層を用いている。0.36μm
厚のトーションビームヨーク314と組み合わされて、
この実施例は3.28μmのミラー高となる。トーショ
ンビームヨーク314とアドレス電極310との間のよ
り大きい間隙にも拘らず、ここに教示するデバイスは進
歩した静電特性、破片に対する大きい耐性を有してお
り、更に、より低いミラー高と、ミラーバイアス/リセ
ット金属層312に対して取り付けられた付加的な反射
防止被覆とのために、増大したコントラスト比で以て像
を生成することができる。
【0077】この進歩したデバイスを作製するために、
付加的なプロセス工程は要しない。一製造方法に従え
ば、ランディングスプリング、すなわちヨーク延長部8
32、トーションビームキャップ延長部834または9
34、スプリング・リング328、あるいは捩りリング
332は、トーションビームヨーク314およびトーシ
ョンビームキャップ322と一緒に作製される。ランデ
ィングスプリングを作製するために必要とされること
は、トーションビームエッチストップフォトリソグラフ
ィマスクか、あるいはトーションビームキャップおよび
ヨークのフォトリソグラフィマスクか、あるいはその両
方に対して変更を加えることだけである。
【0078】図13は、図3のスプリング・リング方式
のマイクロミラーアレイの、トーションビームサポート
スペーサビア116、トーションビーム320、トーシ
ョンビームヨーク314、およびスプリング・リング3
28を作製するために用いられるスペーサ層、金属層、
および酸化物層の断面図である。図13に示されるよう
に、ポジ型フォトレジストの典型的には0.8μm厚の
層であるスペーサ層1102が集積回路基板1104上
に堆積され、孔またはビアを形成するようにパターニン
グされて、その中にトーションビームサポートスペーサ
ビア116が形成される。このスペーサ層1102の堆
積の前に、必要とされる任意の電子回路、金属の回路相
互接続、アドレス電極、およびミラーバイアス/リセッ
ト金属層が基板上へ形成される。
【0079】トーションビーム320を形成する薄い金
属層1106がスペーサ層1102を覆って、またビア
中へスパッタされる。薄い金属層1106を覆って酸化
物層1108が堆積され、トーションビームを形成する
はずの薄い金属層1106の領域を覆ってエッチストッ
プを形成するようにパターニングされる。図9に示され
る薄いトーションビームキャップ延長部934や図11
に示される捩りリング332の薄い部分334のような
薄いスプリング構造を形成する領域を覆って付加的なエ
ッチストップが形成される。
【0080】次に、薄い金属層1106およびエッチス
トップを覆って厚い金属層1110がスパッタされる。
厚い金属層1110を覆って第2の酸化物層1112が
堆積され、トーションビームサポートスペーサビア11
6、トーションビームサポートキャップ332、および
トーションビームヨーク314を形成する厚い金属層1
110の領域を覆ってエッチストップを形成するように
パターニングされる。図3に示されるスプリング・リン
グ328およびナブ330、図8に示される厚いトーシ
ョンビームキャップ延長部834や、図11に示される
捩りリングのナブ330および厚い部分のような厚いス
プリング構造を形成する領域を覆って付加的なエッチス
トップが形成される。
【0081】図14は部分的に完成した図4のスプリン
グ・リング方式のマイクロミラーデバイスの平面図であ
って、トーションビームエッチストップ1202、トー
ションビームヨークエッチストップ1204、およびト
ーションビームスペーサビアキャップとスプリング・リ
ングの両方を形成するために使用されているエッチスト
ップ1206の場所を示している。図14に示されるよ
うに、トーションビームヨーク、スペーサビアキャッ
プ、およびスプリング・リングを形成するために用いら
れるエッチストップは、厚い金属層1208と薄い金属
層の両方を覆っており、他方、トーションビームを形成
するエッチストップ1202は2つの金属層の間にあっ
て、破線で示されている。
【0082】図15は部分的に完成した図8のマイクロ
ミラーデバイスの平面図であって、トーションビームエ
ッチストップ1202、トーションビームヨークエッチ
ストップ1204、およびトーションビームスペーサビ
アキャップおよび厚いスプリングキャップ延長部の両方
を形成するために用いられるエッチストップ1306の
場所を示している。図15に示されるように、トーショ
ンビームヨーク、スペーサビアキャップ、およびスプリ
ングキャップ延長部を形成するために用いられるエッチ
ストップは、厚い金属層1208と薄い金属層の両方を
覆っており、他方、トーションビームを形成するエッチ
ストップ1202は2つの金属層の間にあって、破線で
示されている。
【0083】図16は部分的に完成した図9の薄いトー
ションビームキャップ延長スプリング方式のマイクロミ
ラーデバイスの平面図であって、トーションビームエッ
チストップ1202、トーションビームヨークエッチス
トップ1204、トーションビームスペーサビアキャッ
プエッチストップ1406、およびスプリングキャップ
延長部エッチストップ1412の場所を示している。図
16に示されるように、トーションビームヨークおよび
スペーサビアキャップを形成するために用いられるエッ
チストップは厚い金属層1208と薄い金属層の両方の
上にあって、他方、トーションビーム1202およびス
プリングキャップ延長部1412を形成するエッチスト
ップは2つの金属層の間にあって、破線で示されてい
る。
【0084】図17は部分的に完成した図10のマイク
ロミラーデバイスの平面図であって、トーションビーム
エッチストップ1202、トーションビームヨークエッ
チストップ1204、トーションビームスペーサビアキ
ャップおよびスプリングキャップ延長部を形成するため
に用いられるエッチストップ1222、およびスプリン
グキャップ延長部の厚い先端を形成するために用いられ
るエッチストップ1210の場所を示している。エッチ
ストップ1212はスプリング延長部の薄い部分の形状
を決定する。図17に示されるように、トーションビー
ムヨーク、スペーサビアキャップ、およびスプリングキ
ャップ延長部を形成するために用いられるエッチストッ
プは、厚い金属層1208および薄い金属層を覆ってお
り、他方、トーションビームおよびスプリング延長部の
薄い部分を形成するエッチストップ1202は2つの金
属層の間にあって、破線で示されている。
【0085】図18は部分的に完成した図11のスプリ
ング・リング方式のマイクロミラーデバイスの平面図で
あって、トーションビームエッチストップ1202、ト
ーションビームヨークエッチストップ1204、トーシ
ョンビームスペーサビアキャップおよび捩れリングの厚
い部分を形成するために用いられるエッチストップ12
14、および捩れリングのナブを形成するために用いら
れるエッチストップ1216の場所を示している。図1
8に示されるように、トーションビームヨーク、スペー
サビアキャップ、捩りリングの厚い部分、および捩りリ
ングナブを形成するために用いられるエッチストップ
は、厚い金属層1208と薄い金属層の両方を覆ってお
り、他方で、トーションビームおよび捩りリングの薄い
部分を形成するエッチストップ1202、1218は2
つの金属層の間にあって、破線で示されている。
【0086】図19は、金属層がパターニングされて、
酸化物エッチストップおよびスペーサ層が除去された後
の、図13に示される金属層の断面図である。金属層を
形成し酸化物エッチストップをパターニングした後で、
エッチストップによって覆われていない厚い金属層およ
び薄い金属層のすべての領域を除去するために単一のエ
ッチ工程が用いられる。金属層がエッチされた後で、酸
化物エッチストップが除去される。ミラーサポートスペ
ーサビアが除去されて、その上にミラーが形成されるま
ではスペーサ層は除去されない。一旦、スペーサ層が除
去されると、偏向可能剛性部材はトーションビームによ
って形成される軸周りに自由に回転できる。
【0087】図20は図4のスプリング・リング構造を
有する単一DMD要素の展開鳥瞰図である。図20のデ
バイスはミラーバイアス/リセット金属層312をトー
ションビームサポートパッド338で以て置換してお
り、更に代替えのミラーアドレッシング方式を許容する
ようにアドレス電極310間に相互接続336を加えて
いる。典型的なDMDアドレッシング方式では、独自の
アドレス電圧およびそれの相補電圧を、所望の回転方向
に依存してアドレス電極310の各対に対して、また共
通のバイアス電圧をすべてのミラーに対して供給するよ
うになっている。図20のミラーバイアス/リセット金
属によって許容されるミラーアドレッシング方式では、
各ミラーが独自のアドレス電圧を受信することが許容さ
れ、他方で、トーションビーム軸の各々の側にあるアド
レス電極310に対して2つのデバイス幅のバイアス信
号が供給されるようになっている。
【0088】図20のアドレス電極310の形状および
位置は、図4のアドレス電極310の形状および位置と
同じである。同じアドレス電極310を保持することに
よって、どのようなアドレッシング方式が採用されるか
に拘らず、マイクロミラーデバイスの動作が同じになる
ことが保証される。相互接続336は、トーションビー
ム軸の与えられた側のアドレス電極のすべてを、その要
素行にある同様に配置された他のアドレス電極310の
各々と接続する。要素行間の接続はアレイの能動部分の
外側に設けられる。
【0089】図21は本発明に従う進歩したマイクロミ
ラー1602を用いた像投射システム1600の模式図
である。図21で、光源1604からの光はレンズ16
06によって進歩したマイクロミラー1602上に集束
される。単一のレンズとして示してあるが、レンズ16
06は典型的には一群のレンズおよびミラーであって、
それらは一緒になって光源1604からの光をマイクロ
ミラーデバイス1602の表面上へ集束させる。コント
ローラ1614からの制御信号および像データは、いく
つかのミラーをオン位置へ回転させ、また他のものをオ
フ位置へ回転させる。オフ位置へ回転したマイクロミラ
ーデバイス上のミラーは光を光トラップ1608へ反射
させ、他方、オン位置へ回転したミラーは光を投射レン
ズ1610へ向かって反射する。投射レンズは簡単のた
めに単一のレンズとして示されている。投射レンズ16
10は、マイクロミラーデバイス1602によって変調
された光を像プレーンまたはスクリーン1612上へ集
束させる。
【0090】このように、ここまで、スプリング戻り構
造を有するマイクロメカニカルデバイス、およびスプリ
ング戻り構造を有するマイクロメカニカルデバイスを作
製する方法、およびスプリング戻り構造を有するマイク
ロミラーデバイスを使用するディスプレイシステムに関
する特定実施例について開示してきたが、そのような特
別な引用が本発明の特許請求の範囲に定義された本発明
の概念の範囲に対する制限となることは意図していな
い。更に、本発明についてそれの特定の実施例に関して
説明してきたが、当業者には更なる修正が明らかである
ことを理解されよう。また、そのような修正はすべて、
本発明の特許請求の範囲に包含されると解釈されるべき
である。
【0091】以上の説明に関して更に以下の項を開示す
る。 (1)進歩したマイクロメカニカルデバイスであって、
基板、前記基板を覆って支えられた偏向可能剛性部材、
および前記偏向可能剛性部材から離されて、前記基板の
上方に支えられた少なくとも1つのスプリングであっ
て、前記偏向可能剛性部材の偏向が前記偏向可能剛性部
材と前記スプリングとの間にコンタクトを形成する時
に、前記偏向可能剛性部材の偏向に抵抗するように動作
するスプリング、を含む進歩したマイクロメカニカルデ
バイス。
【0092】(2)第1項記載の進歩したマイクロメカ
ニカルデバイスであって、前記スプリングが前記基板と
前記偏向可能剛性部材との間のコンタクトを防止するよ
うに動作する進歩したマイクロメカニカルデバイス。
【0093】(3)第1項記載の進歩したマイクロメカ
ニカルデバイスであって、前記偏向可能剛性部材が前記
スプリングによる抵抗に打ち勝って、前記基板にコンタ
クトするように動作する進歩したマイクロメカニカルデ
バイス。
【0094】(4)第1項記載の進歩したマイクロメカ
ニカルデバイスであって、前記スプリングが前記基板の
上方に支えられたリーフスプリングを含んでいる進歩し
たマイクロメカニカルデバイス。
【0095】(5)第1項記載の進歩したマイクロメカ
ニカルデバイスであって、前記スプリングが、前記基板
の上方に、前記基板上の2つのサポート間に支えられて
いる弾性的なストリップを含んでいる進歩したマイクロ
メカニカルデバイス。
【0096】(6)第5項記載の進歩したマイクロメカ
ニカルデバイスであって、前記弾性的なストリップが前
記偏向可能部材とのコンタクトによって、偏向するよう
に動作する進歩したマイクロメカニカルデバイス。
【0097】(7)第5項記載の進歩したマイクロメカ
ニカルデバイスであって、前記弾性的ストリップが前記
偏向可能部材とのコンタクトによって捩るように動作す
る進歩したマイクロメカニカルデバイス
【0098】(8)第1項記載の進歩したマイクロメカ
ニカルデバイスであって、前記偏向可能剛性部材がミラ
ーを含んでいる進歩したマイクロメカニカルデバイス。
【0099】(9)第1項記載の進歩したマイクロメカ
ニカルデバイスであって、前記偏向可能剛性部材が少な
くとも1つのトーションビームによって前記基板の上方
に支えられており、また前記トーションビームによって
形成された軸の周りで、2つの方向のいずれかの方向へ
回転するようになった進歩したマイクロメカニカルデバ
イス。
【0100】(10)第9項記載の進歩したマイクロメ
カニカルデバイスであって、前記少なくとも1つのスプ
リングが前記軸の各々の側にある少なくとも1つのスプ
リング、を含んでいる進歩したマイクロメカニカルデバ
イス。
【0101】(11)第9項記載の進歩したマイクロメ
カニカルデバイスであって、前記スプリングが少なくと
も2つのサポート構造によって支えられたリング状のス
プリングを含んでいる進歩したマイクロメカニカルデバ
イス。
【0102】(12)第11項記載の進歩したマイクロ
メカニカルデバイスであって、前記リング状のスプリン
グが更に、前記リング状のスプリングから広がる少なく
とも1つのナブを含んでいる進歩したマイクロメカニカ
ルデバイス。
【0103】(13)第11項記載の進歩したマイクロ
メカニカルデバイスであって、前記リング状のスプリン
グが更に、少なくとも1つの薄い部分を含み、前記薄い
部分が前記リング状のスプリングと前記偏向可能部材と
のコンタクトによって捩るように動作する進歩したマイ
クロメカニカルデバイス。
【0104】(14)第1項記載の進歩したマイクロメ
カニカルデバイスであって、前記偏向可能剛性部材が、
トーションビームヨーク、ミラーサポートスペーサビ
ア、およびミラーを含んでいる進歩したマイクロメカニ
カルデバイス。
【0105】(15)第14項記載の進歩したマイクロ
メカニカルデバイスであって、ここにおいて、前記基板
と前記トーションビームヨークとの間のコンタクトが前
記偏向可能剛性部材の偏向を制限する進歩したマイクロ
メカニカルデバイス。
【0106】(16)第14項記載の進歩したマイクロ
メカニカルデバイスであって、ここにおいて、前記基板
と前記ミラーとの間のコンタクトが前記偏向可能剛性部
材の偏向を制限する進歩したマイクロメカニカルデバイ
ス。
【0107】(17)進歩したマイクロメカニカルデバ
イスを作製する方法であって、基板上に少なくとも1つ
のサポート構造を作製する工程、前記基板から離され
て、前記少なくとも1つのサポート構造のうちの少なく
とも1つによって支えられた少なくとも1つのスプリン
グを作製する工程、および前記基板および前記スプリン
グから離されて、前記少なくとも1つのサポート構造の
うちの少なくとも1つによって支えられて、前記スプリ
ングとコンタクトするように移動できて、それ以上の移
動が前記スプリングの抵抗によって妨げられるようにな
った偏向可能部材を作製する工程、を含む方法。
【0108】(18)第17項記載の方法であって、こ
こにおいて、前記少なくとも1つのスプリングが前記偏
向可能部材と前記基板との間に作製される方法。
【0109】(19)第17項記載の方法であって、こ
こにおいて、前記偏向可能部材および前記少なくとも1
つのスプリングが少なくとも1つの共通サポート構造上
に作製される方法。
【0110】(20)第17項記載の方法であって、少
なくとも1つのスプリングを作製する前記工程が、前記
少なくとも1つのサポート構造のうちの少なくとも1つ
から延びる金属ストリップを作製する工程を含んでいる
方法。
【0111】(21)第17項記載の方法であって、少
なくとも1つのスプリングを作製する前記工程が、前記
少なくとも1つのサポート構造のうちの少なくとも2つ
の間に支えられた金属ストリップを作製する工程を含ん
でいる方法。
【0112】(22)第17項記載の方法であって、少
なくとも1つのスプリングを作製する前記工程が、前記
少なくとも1つのサポート構造のうちの少なくとも2つ
の間に支えられた金属ストリップを作製する工程を含
み、前記作製された金属ストリップが前記金属ストリッ
プと前記偏向可能部材との間のコンタクトによって捩る
ように動作する薄い部分を有している方法。
【0113】(23)進歩したマイクロメカニカルデバ
イスは、基板(104)、基板の上方に支えられた偏向
可能剛性部材(302,314,326)、および偏向
可能剛性部材から離されて基板の上方に支えられた少な
くとも1つのスプリング(328)を含む。スプリング
は偏向可能剛性部材がスプリングとコンタクトするよう
に偏向する時に、偏向可能剛性部材の偏向に抵抗する。
進歩したマイクロメカニカルデバイスは、基板上に少な
くとも1つのサポート構造(116)を作製する工程、
基板から離されて、少なくとも1つのサポート構造によ
って支えられた少なくとも1つのスプリングを作製する
工程、および基板およびスプリングの両方から離され
て、少なくとも1つのサポート構造によって支えられた
偏向可能部材を作製する工程によって構築される。進歩
したマイクロメカニカルデバイスは、投射ディスプレイ
システムにおいて有用であり、そこにおいてはマイクロ
ミラーデバイスは、マイクロミラーデバイスへ電気的に
つながれたコントローラによって指示されて入射光を選
択的に反射させて、選択的に反射された光が像プレーン
上へ集束するようになっている。マイクロミラーデバイ
スはマイクロミラー要素のアレイを含んでおり、マイク
ロミラー要素の各々は、基板、基板によって支えられる
スプリング、および基板によって支えられ、スプリング
から離された偏向可能剛性部材を含んでいる。偏向可能
剛性部材はスプリングの方向へ偏向するミラーを含み、
ミラーは偏向可能剛性部材の偏向に抵抗する。
【関連出願へのクロスリファレンス】下記の特許および
/または共通に譲渡された特許出願をここに言及によっ
て組み入れる。 特許番号 出願日付 発行日付 タイトル 5,061,049 1990年 9月13日 1991年10月29日 空間光変調器およびその方法 5,583,688 1993年12月21日 1996年12月10日 マルチレベルデジタルマイク ロミラーデバイス 08/768,007 1996年12月13日 スプリングチップを備えたマ イクロメカニカルデバイス
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のマイクロミラーアレイの一部分の鳥
瞰図。
【図2】図1のマイクロミラーアレイから取り出した単
一マイクロミラー要素の展開鳥瞰図。
【図3】本発明の一実施例に従うスプリング方式のマイ
クロミラーアレイの一部分の鳥瞰図。
【図4】図3のマイクロミラーアレイから取り出した単
一マイクロミラー要素の展開鳥瞰図。
【図5】図4の単一マイクロミラー要素の側面図であっ
て、ミラーバイアス/リセット金属層とコンタクトする
前に、この要素の偏向可能剛性部材の回転を停止させる
スプリング・リングを示す図。
【図6】図4の単一マイクロミラー要素の側面図であっ
て、ミラーとミラーバイアス/リセット金属層との間の
コンタクトによって回転が停止される前に、スプリング
・リングを変形させる偏向可能剛性部材の回転を示す
図。
【図7】図4の単一マイクロミラー要素の側面図であっ
て、トーションビームヨークとミラーバイアス/リセッ
ト金属層との間のコンタクトによって回転が停止される
前に、スプリング・リングを変形させる偏向可能剛性部
材の回転を示す図。
【図8】トーションビームキャップ上に作製された厚い
スプリング延長部を有する単一マイクロミラー要素の展
開鳥瞰図。
【図9】トーションビームキャップ上に作製された薄い
スプリング延長部を有する単一マイクロミラー要素の展
開鳥瞰図。
【図10】薄い中間部分と厚い先端部分とを有するスプ
リング延長部を有する単一マイクロミラー要素の展開鳥
瞰図。
【図11】捩りリング・スプリング構造を有する単一マ
イクロミラー要素の展開鳥瞰図。
【図12】アドレス電極およびミラーバイアス/リセッ
ト金属層上の反射防止被覆を示す断面図。
【図13】図3のスプリング・リング方式マイクロミラ
ーアレイの、トーションビームサポートスペーサビア、
トーションビーム、トーションビームヨーク、およびス
プリング・リングを作製するために用いられるスペーサ
層、金属層、および酸化物層の断面図。
【図14】部分的に完成したスプリング・リング方式の
図4のマイクロミラーデバイスの平面図であり、トーシ
ョンビームエッチストップ、トーションビームヨークエ
ッチストップ、およびトーションビームスペーサビアキ
ャップおよびスプリング・リングの両方を形成するため
に用いられるエッチストップの位置を示す図。
【図15】部分的に完成した厚いトーションキャップ延
長スプリング方式の図8のマイクロミラーデバイスの平
面図であり、トーションビームエッチストップ、トーシ
ョンビームヨークエッチストップ、およびトーションビ
ームスペーサビアキャップおよび厚いスプリングキャッ
プ延長部の両方を形成するために用いられるエッチスト
ップの位置を示す図。
【図16】部分的に完成した薄いトーションビームキャ
ップ延長スプリング方式の図9のマイクロミラーデバイ
スの平面図であり、トーションビームエッチストップ、
トーションビームヨークエッチストップ、トーションビ
ームスペーサビアキャップエッチストップ、およびスプ
リングキャップ延長部エッチストップの位置を示す図。
【図17】部分的に完成したトーションビームキャップ
延長スプリング方式の図10のマイクロミラーデバイス
の平面図であり、トーションビームエッチストップ、ト
ーションビームヨークエッチストップ、トーションビー
ムスペーサビアキャップエッチストップ、およびスプリ
ングキャップ延長部エッチストップの位置を示す図。
【図18】部分的に完成した捩りリング方式の図11の
マイクロミラーデバイスの平面図であり、トーションビ
ームエッチストップ、トーションビームヨークエッチス
トップ、トーションビームスペーサビアキャップエッチ
ストップ、および捩りリングエッチストップの位置を示
す図。
【図19】金属層がパターニングされ、酸化物層および
スペーサ層が除去された後の、図13に示される金属層
の断面図。
【図20】図3のマイクロミラーアレイと類似するが、
ミラーアドレッシングを可能とするミラーバイアス/リ
セット金属層を有する単一マイクロミラー要素の展開鳥
瞰図。
【図21】本発明の一実施例に従う進歩したマイクロミ
ラーデバイスを用いたマイクロミラー方式の投射システ
ムの模式図。
【符号の説明】
100 DMD 102 ミラー 104 基板 106 絶縁層 110 アドレス電極 112 ミラーバイアス/リセット接続 114 ヒンジヨーク 116 トーションビームサポートスペーサビア 118 アドレス電極スペーサビア 120 トーションビームヒンジ 122 ヒンジキャップ 124 上側アドレス電極 126 ミラーサポートスペーサビア 300 スプリング・リング方式DMD 302 ミラー 310 アドレス電極 312 ミラーバイアス/リセット金属 314 トーションビームヨーク 320 トーションビームヒンジ 322 トーションビームキャップ 326 ミラーサポートスペーサビア 328 スプリング・リング 330 ナブ 332 リング構造 334 薄い部分 336 相互接続 338 トーションビームサポートパッド 612 ミラーバイアス/リセット金属 712 ミラーバイアス/リセット金属 832 ヨーク延長部 834 厚い延長部 922 トーションビームキャップ 934 トーションビームキャップ延長部 936 エッジ 938 薄い中間部分 940 厚い先端部分 1002 反射防止被覆 1102 スペーサ層 1104 集積回路基板 1106 薄い金属層 1108 酸化物層 1110 厚い金属層 1112 酸化物層 1202 トーションビームエッチストップ 1204 トーションビームヨークエッチストップ 1206 エッチストップ 1208 厚い金属層 1210 エッチストップ 1212 スプリングキャップ延長部エッチストップ 1214 エッチストップ 1216 エッチストップ 1218 エッチストップ 1600 像投射システム 1602 マイクロミラー 1604 光源 1606 レンズ 1608 光トラップ 1610 投射レンズ 1612 スクリーン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 進歩したマイクロメカニカルデバイスで
    あって、 基板、 前記基板を覆って支えられた偏向可能剛性部材、および
    前記偏向可能剛性部材から離されて、前記基板の上方に
    支えられた少なくとも1つのスプリングであって、前記
    偏向可能剛性部材の偏向が前記偏向可能剛性部材と前記
    スプリングとの間にコンタクトを形成する時に、前記偏
    向可能剛性部材の偏向に抵抗するように動作するスプリ
    ング、を含む進歩したマイクロメカニカルデバイス。
  2. 【請求項2】 進歩したマイクロメカニカルデバイスを
    作製する方法であって、 基板上に少なくとも1つのサポート構造を作製する工
    程、 前記基板から離されて、前記少なくとも1つのサポート
    構造のうちの少なくとも1つによって支えられた少なく
    とも1つのスプリングを作製する工程、および前記基板
    および前記スプリングから離されて、前記少なくとも1
    つのサポート構造のうちの少なくとも1つによって支え
    られて、前記スプリングとコンタクトするように移動で
    きて、それ以上の移動が前記スプリングの抵抗によって
    妨げられるようになった偏向可能部材を作製する工程、
    を含む方法。
JP11155686A 1998-06-02 1999-06-02 マイクロメカニカルデバイスおよびその製造方法 Pending JP2000028937A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US8773298P 1998-06-02 1998-06-02
US087732 1998-06-02

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000028937A true JP2000028937A (ja) 2000-01-28

Family

ID=22206929

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP11155686A Pending JP2000028937A (ja) 1998-06-02 1999-06-02 マイクロメカニカルデバイスおよびその製造方法

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP2000028937A (ja)
KR (1) KR100689159B1 (ja)
TW (1) TW412641B (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100389865B1 (ko) * 2001-03-02 2003-07-04 삼성전자주식회사 마이크로미러 디바이스 및 이를 채용한 프로젝터
KR100413799B1 (ko) * 2001-10-09 2004-01-03 삼성전자주식회사 가동 미러 장치 및 이를 채용한 프로젝터
US7446928B2 (en) 2006-01-23 2008-11-04 Fujifilm Corporation Micro-electro-mechanical systems element array device and image forming apparatus
WO2020161836A1 (ja) * 2019-02-06 2020-08-13 三菱電機株式会社 Memsミラー装置及びその製造方法
CN112368232A (zh) * 2018-05-17 2021-02-12 弗劳恩霍夫应用研究促进协会 包括可移动结构元件的mems和mems阵列

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101087399B1 (ko) 2007-07-20 2011-11-25 티디케이 타이완 코포레이션 소형 렌즈 내의 가동 메카니즘용 보호 구조

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100389865B1 (ko) * 2001-03-02 2003-07-04 삼성전자주식회사 마이크로미러 디바이스 및 이를 채용한 프로젝터
KR100413799B1 (ko) * 2001-10-09 2004-01-03 삼성전자주식회사 가동 미러 장치 및 이를 채용한 프로젝터
US7446928B2 (en) 2006-01-23 2008-11-04 Fujifilm Corporation Micro-electro-mechanical systems element array device and image forming apparatus
CN112368232A (zh) * 2018-05-17 2021-02-12 弗劳恩霍夫应用研究促进协会 包括可移动结构元件的mems和mems阵列
WO2020161836A1 (ja) * 2019-02-06 2020-08-13 三菱電機株式会社 Memsミラー装置及びその製造方法
JPWO2020161836A1 (ja) * 2019-02-06 2021-10-21 三菱電機株式会社 Memsミラー装置及びその製造方法
JP7105934B2 (ja) 2019-02-06 2022-07-25 三菱電機株式会社 Memsミラー装置及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
KR100689159B1 (ko) 2007-03-08
KR20000005776A (ko) 2000-01-25
TW412641B (en) 2000-11-21

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6147790A (en) Spring-ring micromechanical device
US6552840B2 (en) Electrostatic efficiency of micromechanical devices
US6285490B1 (en) High yield spring-ring micromirror
US7009745B2 (en) Coating for optical MEMS devices
US7119940B2 (en) Capacitively coupled micromirror
US7106491B2 (en) Split beam micromirror
US6204085B1 (en) Reduced deformation of micromechanical devices through thermal stabilization
US6028690A (en) Reduced micromirror mirror gaps for improved contrast ratio
US7654677B2 (en) Yokeless hidden hinge digital micromirror device
JP3836167B2 (ja) 回転自在の要素のアレイおよびそれを作る方法
US6469821B2 (en) Micromirror structures for orthogonal illumination
US6323982B1 (en) Yield superstructure for digital micromirror device
US6914711B2 (en) Spatial light modulator with hidden comb actuator
US20030117686A1 (en) Digital micromirror device having mirror-attached spring tips
US6266178B1 (en) Guardring DRAM cell
EP1803017B1 (en) Micromirror having offset addressing electrode
US6542282B2 (en) Post metal etch clean process using soft mask
US6191883B1 (en) Five transistor SRAM cell for small micromirror elements
JP2000028937A (ja) マイクロメカニカルデバイスおよびその製造方法
US7884988B2 (en) Supplemental reset pulse

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060526

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20090826

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090901

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20100209