JP2000026923A - 金属含有廃棄物の炉内での乾式冶金処理方法 - Google Patents

金属含有廃棄物の炉内での乾式冶金処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】この発明は、有機材料も含まれうる金属含有廃
棄物を炉内で乾式冶金処理方法である。 【解決手段】廃棄物中には、金属酸化物が溶融状態で存
在する製錬物の表面に高速で吹込まれる還元ガス、燃料
及び/又は有機材料及び酸素含有ガスの不完全燃焼によ
り生じる還元ガスが含まれる、そして、更に蒸気及び/
又はほとんど純酸素のような酸素富化ガスを、製錬物の
表面に略平行に、上記表面上のオーブン室内に注入し、
かつ、炉室内で使用される酸素の総量は、有機材料を燃
料と一緒に完全燃焼するための化学量論的要求量よりも
少ない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属含有廃棄物の
炉内での乾式冶金処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】このようなプロセスで処理される材料に
は、金属含有廃棄物、一部還元され蒸発され、そして一
部液体スラグので残存している金属化合物がある。製錬
状況は、亜鉛、カドミウム、鉛、錫などの金属酸化物を
還元し、形成された金属、金属化合物を蒸気相に通して
気相と共に排出するという還元である。好ましくは、供
給される材料は、有機材料の主留分が含まれるものであ
る。何故なら、このことにより、全体的にまたは部分的
に独立して燃料を使用する必要性がなくなるためであ
る。この例として、乾式工程の後に残存する固体残存物
がある。これは、多量の炭素と、付随的な無機留分を含
んである。下水スラッジもこのカテゴリーに対応する。
しかし、もし、これらの材料が化石燃料燃焼製錬装置で
処理された場合、問題が生じる。すなわち、これらの材
料には、炭素粒子が溶融状態では存在せず、このため完
全燃焼に比較的長い時間必要とするという問題があるた
めである。燃焼した炭素粒子は、形成されたスラグ上を
浮遊するので、最終的なスラグの質に悪い影響を与え
る。何故なら、炭素は結晶化スラグ中に脆弱なスポット
を形成するためである。さらに、無機成分は、炭素にト
ラップされたままである。これに対し、スラグ中に溶解
されたものは、後者の浸出を防ぎ、または、それをも防
ぐので、好適である。更に、未反応炭素の熱成分は未利
用である。
【0003】上記の問題を解消するために、ドイツ公報
3629661号は、空気を製錬反応器の底部の、溶融
スラグのちょうど上に追加して導入することを提案して
いる。そして、この空気からの酸素は、炭素粒子の完全
燃焼を目的として提供される。しかし、この方法によれ
ば、後燃焼がなされて完了する。そして、製錬反応器の
状況は、酸化である。これは、二つの欠点を伴う。第1
に、幾つかの金属(例えば、亜鉛、鉛、錫、砒素など)
は、スラグから完全には除去されない。第2に、製錬装
置中で燃料ガスや合成ガスを作ることはできない。
【0004】ドイツ公報3638204A号は、鉱石選
鉱のような金属含有基体の処理方法を開示し、これによ
れば、基体は、製錬サイクロン炉の酸化雰囲気で製錬さ
れる。そこから有価金属を回収するために、製錬サイク
ロン炉の後に配置された吹込み反応器に置かれた製錬物
上に還元ガスを吹込み、このことにより、得られた製錬
物を最終処理している。吹込み反応器の排気ガスは、主
に一酸化炭素、水素、金属蒸気または気相の金属化合物
で、この排気ガスを、製錬物の流動方向に対して逆流で
製錬サイクロン炉に導く。この排気ガスは、そこで燃焼
して、製錬サイクロン炉の熱源の一部を提供することが
できる。使用可能な合成ガスの生成物は、蒸発金属また
は金属化合物を煙道ガスから除去した後に得ることがで
きるが、ドイツ公報3638204号の処理では失われ
てしまう。
【0005】ドイツ公報2922189号は、上記のド
イツ公報3638204号を従来技術として議論し、硫
化鉱石選鉱のような製錬可能な基体の処理方法を開示
し、同時に有価金属を得ること開示している。ここで
は、製錬物の最終処理のために、酸化または中性ガスを
選択的に先行して吹込み、そのあとに還元ガスを、幾つ
かの供給ダクトを通して、吹込み反応器内の製錬物上に
実質的に垂直に吹込む。次いで、形成されたスラグと特
に重い金属相は、互いに分離される。
【0006】ドイツ公報4142401号では、例え
ば、金属またはガラスの製錬炉において、一以上のバー
ナーに基づく炉の加熱を制御する方法が記載され、ここ
では、窒素酸化物の生成が抑制される。供給ダクトはこ
こを通って高速のガスを製錬物の表面に対して吹込むこ
とができるものであるが、この方法では、最終的な総燃
焼に導くための供給ダクトは使用されていない。
【0007】さらにドイツ公報2348105号は、鉱
石、その選鉱などから金属及び/又は金属化合物を連続
的に抽出する熱処理工程を開示している。そこでは、炉
からの液体生成物が、遠心力により、一方で金属生成物
と、他方でスラグとに分離される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、有機
材料、例えば熱分解残さを含みうる金属含有廃棄物材料
を使用する方法の改良に関し、この方法は、従来技術で知
られた方法に含まれる欠点がない。
【0009】
【課題を解決するための手段】我々は、請求項の前提部
分で定義され、更に蒸気及び/又は酸素富化ガスを、製
錬物の表面に略平行に、上記表面上のオーブン室内に注
入し、かつ、炉室内で使用される酸素の総量は有機材料
を燃料と一緒に完全燃焼するための化学量論的要求量よ
りも少ないことを特徴とする金属含有廃棄物の炉内での
乾式冶金処理方法を見出した。
【0010】本発明に係る上記方法を適用して、製錬物
中に浮遊している炭素の実質的な完全燃焼を可能とす
る。蒸気が供給されると、水性ガス反応(C+HO→C
O+H )が炉室内で有力な条件下で生じる。また、酸
素富化ガス、例えば少なくとも50容量%の酸素を含む
ガス、有利なものとしては少なくとも75容量%の酸素
を含むガス、特に好ましくはほとんど純酸素ガスが供給
されると、バーンオフ(burn-off)反応(C+O→CO
/CO)が生じる。導入される蒸気又は酸素富化ガス
は、その滞留時間を可能な限り多くするために、炉室内
に接線方向に導入するのが有利である。例えば、蒸気又
は酸素富化ガスを(円筒状の)炉内に接線方向の速度1
0〜50m/sで導入することができる。
【0011】炉室内に蒸気又は酸素富化ガスを導入する
ことは酸化雰囲気を局部的に生成する効果をもつが、全
体として、確実に炉室内に還元雰囲気が存在することは
留意すべきである。すなわち、λ値(導入される燃料と
存在する炭素又は他の有機材料が完全燃焼してCO
2Oとなるための化学量論量の酸素が存在する場合、
λ=1である)は、1未満、有利なものは、0.3〜
0.9、好ましくは約0.5である。炉室全体でのこの
ようなλは、バーナー内の計量酸素量と、(供給体中に
存在する燃料及び/又は有機材料中の)燃焼材料の総量
に関してサブ化学量論的に制御される底部の供給物の追
加とで容易にセットできる。使用される酸素含有ガスの
酸素量は、50容量%超が有利であり、好ましくは70
%超である。更に、炉室内に導入される還元ガスは、選
択的に、廃棄製錬物の表面に対して、45゜を超える角
度で、好ましくは実質的に90゜で注入される。そうす
ることにより、上記還元ガスは、100m/sよりも速
い速度で、有利には約100m/s〜300m/sで、
1以上のシングルジェットバーナを通して、廃棄製錬物
の表面に向けられ、そのことにより、その中に陥没部を
作る。従って、還元ガスに露出している廃棄材料に更新
が起こる。その結果、廃棄製錬物中にある金属酸化物の
連続還元を生じることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の方法を援用すれば、炉室
内で通常の条件下において、揮発性を有する金属と難揮
発性金属との間を分離するという効果も可能である。1
000℃〜1700℃の範囲の炉温度で、かつ、或る還
元条件下で、高い蒸気圧を有する金属又は金属化合物
(例えば、Zn,Cd,As,Pb)を還元されない金
属(例えば、鉄、アルミニウム)と分離することができ
る。
【0013】本発明方法は、以下の記載に関して図示す
ることができる。製錬反応器は、円筒の室で、この室は
二重壁鋼板ジャケットで、このジャケットは冷却水で冷
却されあるいは蒸気での冷却も可能であるが、耐火材料
で内側が裏打ちされ、排気ガスの出口を備えているのが
有利である。頂部には、垂直バーナーと供給ユニットと
の両方が存在している。供給物は適度に乾燥され、か
つ、微細であり、その結果、例えば、空気で搬送するこ
とができる。バーナーの適用で、燃料と酸素含有ガスの
還元混合物は、100m/sを超える速度で製錬物の表
面に対して、実質的に垂直に吹込まれる。そのことによ
り、ガスジェットの勢いにより、製錬物表面に陥没部あ
るいはわずかな動きを作る。この表面のちょうど上に、
幾つかの供給ダクトが位置して、酸素含有ガス又は蒸気
を加えて、スラグ上に浮遊している炭素がバーンオフ
し、若しくは、反応により除去される。λ<1が炉室全
体でセットされることにより、排気ダクトを通って排出
される燃料ガスは、相当の発熱量を有し、また、清浄化
されて合成ガスとして適切なものとなる。燃料ガスは、
通常の方法、例えば、冷却、後酸化及び濾過でトラップ
できる揮発金属又は化合物を含むことができる。炉内の
残留物は、無機材料のスラッジ、例えば、SiO 含有
製錬物である。これらは、スラグ羽口の助けを借りて、
反応器の底部のところで除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を実施する炉の説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 クラウス・ユンク ドイツ連邦共和国、デー−51143 コロー ニュ、ベストフェルトシュトラーセ 11ア ー

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機材料も含まれうる金属含有廃棄物を
    炉内で乾式冶金処理方法で、この廃棄物中には、金属酸
    化物が溶融状態で存在する製錬物の表面に高速で吹込ま
    れる還元ガス、燃料及び/又は有機材料の不完全燃焼に
    より生じる還元ガス及び酸素含有ガスが含まれる、前記
    方法において、更に蒸気及び/又は酸素富化ガスを、製
    錬物の表面に略平行に、上記表面上のオーブン室内に注
    入し、かつ、炉室内で使用される酸素の総量は有機材料
    を燃料と一緒に完全燃焼するための化学量論的要求量よ
    りも少ないことを特徴とする金属含有廃棄物の炉内での
    乾式冶金処理方法。
  2. 【請求項2】 還元ガスを、1以上のシングルジェット
    バーナーから炉室内に導入することを特徴とする請求項
    1に記載の金属含有廃棄物の炉内での乾式冶金処理方
    法。
  3. 【請求項3】 還元ガスを、廃棄製錬物の表面に実質的
    に垂直な方向でオーブン室内に導入することを特徴とす
    る請求項1または2に記載の金属含有廃棄物の炉内での
    乾式冶金処理方法。
  4. 【請求項4】 還元ガスを、100m/sを超える速度
    として、廃棄製錬物の表面の陥没部を形成することを特
    徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属含有廃棄
    物の炉内での乾式冶金処理方法。
  5. 【請求項5】 蒸気及び/又は酸素富化ガスを、廃棄製
    錬物の表面のちょうど上に1以上の供給装置から炉室内
    に接線方向に導入することを特徴とする請求項1〜4の
    いずれかに記載の金属含有廃棄物の炉内での乾式冶金処
    理方法。
  6. 【請求項6】 使用される酸素富化ガスはほとんど純酸
    素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の金属含有廃棄物の炉内での乾式冶金処理方法。
  7. 【請求項7】 全炉室に関し、λは0.3〜0.9の値
    に保持されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか
    に記載の金属含有廃棄物の炉内での乾式冶金処理方法。
  8. 【請求項8】 全炉室に関し、λは約0.5の値に保持
    されることを特徴とする請求項7に記載の金属含有廃棄
    物の炉内での乾式冶金処理方法。
  9. 【請求項9】 この方法は、外部冷却製錬反応器で実行
    されることを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載
    の金属含有廃棄物の炉内での乾式冶金処理方法。
JP16827799A 1998-06-15 1999-06-15 金属含有廃棄物の炉内での乾式冶金処理方法 Pending JP2000026923A (ja)

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