JP2000025594A - 車両のヨ―運動制御装置 - Google Patents

車両のヨ―運動制御装置

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JP2000025594A
JP2000025594A JP11115628A JP11562899A JP2000025594A JP 2000025594 A JP2000025594 A JP 2000025594A JP 11115628 A JP11115628 A JP 11115628A JP 11562899 A JP11562899 A JP 11562899A JP 2000025594 A JP2000025594 A JP 2000025594A
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wheel
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yaw
calculating
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JP11115628A
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Naoto Fukushima
直人 福島
Etsuo Katsuyama
悦生 勝山
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Hitachi Unisia Automotive Ltd
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Unisia Jecs Corp
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  • Hydraulic Control Valves For Brake Systems (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)
  • Arrangement And Mounting Of Devices That Control Transmission Of Motive Force (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両のヨー運動制御において、制御遅れや制
御上の振動の発生を無くして運転者が違和感を感じるこ
との無いように制御品質の向上を図ること。 【解決手段】 車両にヨー運動を生じさせるヨーモーメ
ント発生機構aと、車両挙動を検出する車両挙動検出手
段bと、この車両挙動検出手段bに含まれ、車両に生じ
ている実ヨーモーメントを検出する実ヨーモーメント検
出手段cと、車両挙動検出手段bからの入力に基づい
て、現在の車両挙動において必要なヨーモーメントであ
る目標ヨーモーメントを求める目標ヨーモーメント演算
手段dと、目標ヨーモーメントと実ヨーモーメントとの
差分に相当する量のヨーモーメントを出力させるべく前
記ヨーモーメント発生機構を作動させる作動指令手段e
とを設けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、駆動力の配分制御
や各輪の制動力の制御などを行う手段により車両にヨー
モーメントを発生させて操舵時における車両のヨー運動
量を最適制御する車両のヨー運動制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両のヨー運動量制御装置とし
て、例えば、特開平5−262156号公報に記載され
たものが知られている。この従来技術は、車両のエンジ
ンの駆動力を左右輪へ配分調整する駆動力配分調整機構
と、車両の実ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ
と、操舵角センサならびに車速センサから得られる操舵
角情報および車速情報に基づき目標ヨーレイトを算出す
る目標ヨーレイト算出手段と、駆動力配分調整機構の作
動を制御する制御手段とを備え、この制御手段が、実ヨ
ーレイトを目標ヨーレイトに近接させるようにフィード
バックを行いながら駆動力配分調整機構への制御油圧を
設定するよう構成されているものであった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来技術にあっ
ては、実ヨーレイトが目標ヨーレイトに一致するように
制御するものであるが、実際の駆動力配分調整機構の作
動により車両にヨーモーメントが発生し、これがヨーレ
イトセンサにおいてヨーレイトとして検出されるまでに
は時間を要するものであり、したがって、こうして検出
された実ヨーレイトに基づいて制御すると、図22
(b)に示すような制御遅れが発生するおそれがある。
【0004】また、制御量を求めるのに微分を行うよう
にしているため振動ノイズが大きくなり、上述の制御遅
れともあいまって制御結果が図23に示すように振動的
になるというおそれもある。そして、上述のように制御
遅れや振動が発生した場合、運転者が違和感を感じると
いう問題があった。
【0005】さらに、車両のヨーモーメントは、タイヤ
の横力に応じており、この横力は路面摩擦係数(これを
以下、路面μという)に応じて変化するが、従来技術は
この路面μに応じた品質の高い制御を実行できるもので
はなかった。
【0006】本発明は、車両のヨー運動制御において、
制御遅れや制御上の振動の発生を無くして運転者が違和
感を感じることの無いように制御品質の向上を図ること
を目的とし、さらに、この目的を低コストで達成するこ
と、加えて路面μに応じて制御を実行することにより制
御品質をさらに向上させることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明の車両のヨー運動制御装置は、図1のクレ
ーム対応図に示すように、車両にヨー運動を生じさせる
ヨーモーメント発生機構aと、車両挙動を検出する車両
挙動検出手段bと、この車両挙動検出手段bに含まれ、
車両に生じている実ヨーモーメントを検出する実ヨーモ
ーメント検出手段cと、前記車両挙動検出手段bからの
入力に基づいて、現在の車両挙動において必要なヨーモ
ーメントである目標ヨーモーメントを求める目標ヨーモ
ーメント演算手段dと、前記目標ヨーモーメントと実ヨ
ーモーメントとの差分に相当する量のヨーモーメントを
出力させるべく前記ヨーモーメント発生機構を作動させ
る作動指令手段eとを設けた。なお、請求項2に記載の
発明のように、請求項1記載の車両のヨー運動制御装置
において、前記車両挙動検出手段bとして、各輪におけ
る横力と前後力を求める横力・前後力検出手段を含み、
前記実ヨーモーメント検出手段cを、横力・前後力検出
手段からの入力に基づいて実ヨーモーメントを演算する
手段としてもよい。また、請求項3に記載の発明のよう
に、請求項1記載の車両のヨー運動制御装置において、
前記車両挙動検出手段bとして、車両のヨーレイトを検
出するヨーレイトセンサを含み、前記実ヨーモーメント
検出手段cを、ヨーレイトの微分値と、車両のヨー慣性
モーメントの値とを乗算することによって実ヨーモーメ
ントを求める手段としてもよい。また、請求項4に記載
の発明のように、請求項1ないし3記載の車両のヨー運
動制御装置において、前記目標ヨーモーメント演算手段
dを、舵角と車両状態量とを用いて目標ヨーレイトを演
算し、この目標ヨーレイトの微分値と車両のヨー慣性モ
ーメントの値との乗算により目標ヨーモーメントを演算
する手段としてもよい。
【0008】また、請求項5に記載の発明のように、請
求項1ないし3記載の車両のヨー運動制御装置におい
て、前記目標ヨーモーメント演算手段dを、各輪の状態
量と目標タイヤ特性とを用いて目標ヨーモーメントを演
算する手段としてもよい。また、請求項6に記載の発明
のように、請求項5記載の車両のヨー運動制御装置にお
いて、前記目標ヨーモーメント演算手段dを、各輪の輪
荷重を演算する輪荷重演算手段d1と、各輪のスリップ
角を演算する各輪スリップ角演算手段d2と、各輪の制
駆動力を演算する各輪制駆動力演算手段d3と、を含
み、前記各輪の状態量として、輪荷重、スリップ角、制
駆動力を含むようにしてもよい。あるいは、請求項7に
記載の発明のように、請求項5記載の車両のヨー運動制
御装置において、前記目標ヨーモーメント演算手段d
を、横加速度による荷重移動を演算する荷重移動演算手
段d11と、各輪のスリップ角を演算する各輪スリップ
角演算手段d2と、荷重移動と各輪スリップ角のみを用
いて目標タイヤ特性から目標横力を演算し、この目標横
力から目標ヨーモーメントを演算する演算手段d13
と、を備えた手段としてもよい。
【0009】また、請求項8記載の発明のように、請求
項1,4,5,6,7のいずれかに記載の車両のヨー運
動制御装置において、前記実ヨーモーメント検出手段c
を、各輪タイヤの状態量推定手段c1と、この状態量推
定手段c1の出力信号を用いて車両のヨーモーメントを
演算する演算手段c2とにより構成してもよい。また、
請求項9に記載の発明のように、請求項8記載の車両の
ヨー運動制御装置において、前記車両挙動検出手段b
が、横加速度センサ、前後加速度センサ、ブレーキセン
サ、舵角センサ、ヨーレイトセンサ、車速センサ、およ
び車両スリップ角検出手段を含み、各輪タイヤの状態量
推定手段c1が、車両スリップ角・舵角・ヨーレイト・
車速から各輪のスリップ角を求める各輪スリップ角演算
手段c11と、車両の前後加速度および横加速度から各
輪の輪荷重を求める輪荷重演算手段c12と、ブレーキ
状態および車両前後加速度から各輪に働く制駆動力を演
算する制駆動力演算手段c13と、これら演算手段c1
1,c12,c13で得られた輪荷重・制駆動力・各輪
スリップ角に基づいて各輪に働く横力を演算する横力演
算手段c14とを備えている手段としてもよい。また、
請求項10に記載の発明のように、請求項9記載の車両
のヨー運動制御装置において、前記横力演算手段c14
を、輪荷重とスリップ角とに基づいて制駆動力抜きの各
輪に働く横力を予め設定されたマップにより求める手段
と、制駆動力に基づいて横力低減率を求める手段と、前
記制駆動力抜きの横力と横力低減率とに基づいて各輪横
力を求める手段とを備えている手段としてもよい。
【0010】また、請求項11に記載の発明のように、
請求項6ないし10記載の車両のヨー運動制御装置にお
いて、前記各輪スリップ角演算手段d2を、車両の重心
点におけるスリップ角を求めた後、各輪スリップ角を求
めるよう構成し、車両重心点のスリップ角を求めるにあ
たり、車両のヨーレイト△ψと横加速度△△Yと車速V
の各センサ信号から次式(1)により後輪のコーナリン
グパワー推定値PCを演算し、 PC =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△ Y]+f(△△Y) …(1) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車
両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両
重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイー
ルベース、Iは車両慣性モーメント、右辺第1項は車両
の二輪モデルから解析的に求められる後輪のコーナリン
グパワー、第二項のf(△△Y)は横加速度による補正
項である) 次に、前記後輪のコーナリングパワー推定値PC
ヨーレイト信号△ψを用いて、車両の二輪モデルから解
析的に求められるヨーレイトとスリップ角の関係式であ
る次式(2)により演算する手段としてもよい。 β=−Kbr[(T s+1)/(T s+1)]△ψ …(2) [ここで、Kbr=(1−(ma/(LbPC ))
)(b/V)、T =IV/(LbPC −m
aV )、T =[ma/(LPC )]Vであ
る] あるいは、請求項12に記載の発明のように、請求項6
ないし10記載の車両のヨー運動制御装置において、前
記各輪スリップ角演算手段d2を、車両の重心点におけ
るスリップ角を求めた後、各輪スリップ角を求めるよう
構成し、車両重心点のスリップ角を求めるにあたり、車
両のヨーレイト△ψと横加速度△△Yと車速Vの各セン
サ信号から次式(5)により後輪のコーナリングパワー
推定値PC を演算し、 PC =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△ Y] …(5) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車
両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両
重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイー
ルベース、Iは車両慣性モーメント、である) 前記後輪のコーナリングパワー推定値PC とヨーレ
イト信号△ψを用いて、車両の二輪モデルから解析的に
求められるヨーレイトとスリップ角の関係式である次式
(6)でスリップ角βを演算するようにしてもよい。 β=−Kbr[(T s+1)/(T s+1)]△ψ …(6) [ここで、Kbr=(1−(ma/(LbPC ))
)(b/V)、T =IV/(LbPC −m
aV )、T =[ma/(LPC )]Vであ
る]
【0011】また、請求項13に記載の発明のように、
請求項5ないし9記載の車両のヨー運動制御装置におい
て、前記目標ヨーモーメント演算手段dと前記実ヨーモ
ーメント検出手段cが、各輪の状態量と演算式で記述さ
れたタイヤ特性とに基づいて、それぞれ目標横力および
実横力を求め、目標横力から目標ヨーモーメントを、実
横力から実ヨーモーメントを求めるよう構成してもよ
い。
【0012】また、請求項14に記載の発明のように、
請求項13記載の車両のヨー運動制御装置において、前
記実ヨーモーメント演算手段cの、実横力Fsiを求め
る演算式を、Fsi=Limit[γi-(γi
3)+(γi/27)][(μWi) -Fai
1/2とし、かつ、前記目標ヨーモーメント演算手段d
において、目標横力Fsiを求める演算式を、F
i={Limit[γi-(γ/3)+(γ
/27)]+Aβi}[(μWi)-BFa
1/2とし、なお、前記γiは、γi=|(Kc
/μWi)tanβi|であり、前記Limit[γi
-(γi/3)+(γi/27)]は、[]内の値
が1を越えると飽和する特性関数であり、前記Wiは各
輪荷重、前記βiは各輪横スリップ角、前記Faiは制
駆動力、前記Kcはコーナリングスティフネス、前記μ
はタイヤと路面の摩擦係数、Aは定数Bは前後力修正係
数であり、また、前記γiは、γi=|(Kc/
μWi)tanβi|であり、前記Kcはコーナリン
グスティフネスであることとしてもよい。
【0013】また、請求項15に記載のように、請求項
13記載の車両のヨー運動制御装置において、前記実ヨ
ーモーメント演算手段cの、実横力Fsiを求める演算
式を、Fsi=Dsin{Carctan[F-E(F-
arctan(F))]}とし、なお、ここでC,D,
E,Fは、μ,wi,βiの関数であり、かつ、前記目
標ヨーモーメント演算手段dにおいて、目標横力F
iを求める演算式を、Fsi=D{sin[C
rctan(F-E(F-arctan(F
)))]+Zβi}とし、なお、ここでC
,E,Fは、μ,wi,βiの関数であり、Z
は定数であることとしてもよい。
【0014】また、請求項16に記載のように、請求項
1ないし15記載の車両のヨー運動制御装置において、
路面の摩擦係数を求める路面摩擦係数検出手段を設け、
前記実ヨーモーメント演算手段を、路面摩擦係数に応じ
て実ヨーモーメントの演算を変化させるよう構成しても
よい。
【0015】また、請求項17に記載のように、請求項
1ないし16記載の車両のヨー運動制御装置において、
路面の摩擦係数を求める路面摩擦係数検出手段を設け、
前記目標ヨーモーメント演算手段を、路面摩擦係数に応
じて目標ヨーモーメントの演算を変化させるよう構成し
てもよい。
【0016】また、請求項18に記載のように、請求項
17記載の車両のヨー運動制御装置において、前記路面
摩擦係数検出手段を、駆動輪のスリップ率と車両の前後
加速度との比から路面摩擦係数を推定するよう構成して
もよい。
【0017】また、請求項19に記載のように、請求項
18記載の車両のヨー運動制御装置において、前記駆動
輪のスリップ率をs、タイヤ剛性を定数K、駆動力F=
Ks、前後加速度Ax、車重mとした場合、前記路面摩
擦係数μを、 μ=(mAx/Fx)=(mAx/Ks ) の演算式により求めるよう路面摩擦係数検出手段を構成
してもよい。
【0018】(作用)本発明では、走行時には、目標ヨ
ーモーメント演算手段dが、現在の車両挙動において必
要なヨーモーメントである目標ヨーモーメントを求め、
一方、実ヨーモーメント検出手段cでは、車両において
実際に生じている実ヨーモーメントを検出する。そし
て、作動指令手段eでは、目標ヨーモーメントと実ヨー
モーメントとの差分に相当する量のヨーモーメントを出
力させるべく、ヨーモーメント発生機構aを作動させ
る。このように本発明では、目標値と検出値とのいずれ
もヨーモーメントで求めて両者を比較して制御するよう
にしているため、制御結果に遅れや振動が生じることが
無い。なお、実ヨーモーメントは、請求項2記載の発明
のように、横力・前後力検出手段が検出する各輪におけ
る横力と前後力とに基づいて求めることができる。ある
いは、請求項3記載の発明のように、ヨーレイトの微分
値と車両のヨー慣性モーメントの値との乗算により求め
ることができる。また、請求項4記載の発明のように、
目標ヨーモーメントは、まず、舵角と車両状態量とを用
いて目標ヨーレイトを演算し、この目標ヨーレイトの微
分値と車両のヨー慣性モーメント値との乗算により求め
ることができる。
【0019】また、請求項5記載の発明では、目標ヨー
モーメント演算手段dは、各輪の状態量と目標タイヤ特
性とを用いて目標ヨーモーメントを演算する。この目標
タイヤ特性としては、理想的特性を用いることができ、
この場合、理想的なタイヤ特性を得るための目標ヨーモ
ーメントを演算することになる。なお、各輪の状態量と
しては、請求項6に記載のように、輪荷重、スリップ
角、制駆動力などを含むようにしたり、あるいは、請求
項7に記載のように、横加速度による荷重移動と各輪ス
リップ角とすることもできる。
【0020】請求項8記載の発明では、実ヨーモーメン
ト検出手段cは、各輪タイヤの状態量推定手段c1が推
定するタイヤの状態量に基づいて実ヨーモーメントを検
出する。各輪タイヤの状態量推定手段c1は、請求項9
あるいは10記載の発明のように、横力演算手段c14
において輪荷重・制動力・各輪スリップ角に基づいて各
輪に働く横力を求め、この横力に基づいて実ヨーモーメ
ントを求める。
【0021】請求項11あるいは12記載の発明では、
車両重心点のスリップ角を、時々刻々と検出されている
ヨーレイトと横加速度のみの関数に基づいてコーナリン
グパワー推定値を求め、このコーナリングパワー推定値
からスリップ角を求める。
【0022】また、請求項13ないし15に記載の発明
では、前記目標ヨーモーメント演算手段dと前記実ヨー
モーメント検出手段cが、各輪の状態量と演算式で記述
されたタイヤ特性とに基づいて、それぞれ目標横力およ
び実横力を求める。このように、演算式で記述されたタ
イヤ特性を用いるため、制御演算負荷を低減でき、これ
によりCPUの価格を低減して、コストダウンを図るこ
とができる。
【0023】請求項16ないし19に記載の発明では、
路面摩擦係数に応じて、実ヨーモーメントと目標ヨーモ
ーメントの少なくとも一方の演算を変化させるよう構成
したため、制御品質を向上させることができる。また、
請求項19に記載の発明では、路面摩擦係数を駆動輪の
スリプ率sおよび前後加速度Axと、定数K,mにより
求めるようにしたため、簡単な演算により路面μを求め
ることができ、低コストで高い制御品質を得ることがで
きる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。まず、実施の形態を説明する前
に、前輪の舵角δ、ヨーレイトψ、コーナリングパワー
C、横力Fなどの関係について説明する。図2は一般的
に用いられる車両の2輪モデルで、図において、FWは
前輪、RWは後輪、WPは車両の重心、δは前輪舵角、
△ψはヨーレイト、△△Yは横加速度、βはスリップ
角、C1は前輪コーナリングパワー(2輪分)、C2は
後輪コーナリングパワー(2輪分)、mは車両質量、I
は車両慣性モーメント、Lはホイールベース、Vは車速
を示している。この図のように車速Vで進んでいる車両
のヨーレイト△ψと、スリップ角βとの運動方程式は、
下記の式(11)および(12)に示すとおりである。 mV(△β+△ψ) =−C1(β+a△ψ/v−δ)−C2(β−b△ψ/V) …(11) I△△ψ= −aC1(β+a△ψ/V−δ)+bC2(β−b△ψ/V) …(12) 図3は、舵角δに対するヨーレイト△ψとスリップ角β
の応答の形を示しているもので、これを舵角入力0とし
て簡略化したものが図4である。
【0025】(実施の形態1)次に、実施の形態1につ
いて説明すると、図5は、実施の形態1の車両のヨー運
動制御装置の構成および作動説明図であり、図において
21はヨーモーメント発生機構であり、上記従来技術に
開示されている駆動力配分機構や各輪の制動力を制御可
能なブレーキ制御装置などにより構成される。22は車
両挙動に応じた目標ヨーモーメントMMを求める目標ヨ
ーモーメント演算手段、23は車両に生じている実ヨー
モーメントMを検出する実ヨーモーメント検出手段であ
る。このように、本実施の形態は、実ヨーモーメント検
出手段23において検出した車両に生じている実ヨーモ
ーメントMと、目標ヨーモーメント演算手段22が演算
した目標ヨーモーメントMMとを比較して、両者の差
(MM−M)をヨーモーメント発生機構21により出力
させるように構成されている。
【0026】図6はヨーモーメント発生機構21の一例
であるブレーキ制御装置を示すものである。このブレー
キ制御装置は、周知の構造であるので、ごく簡単に説明
すると、マスタシリンダ1とホイルシリンダ3とがブレ
ーキ回路2により接続され、このブレーキ回路2の途中
に、ブレーキユニット11が設けられている。このブレ
ーキユニット11には、ホイルシリンダ3をマスタシリ
ンダ1側に接続させた増圧状態と、ホイルシリンダ3を
ドレン回路4側に接続させた減圧状態と、ホイルシリン
ダ3をマスタシリンダ1とドレン回路4のいずれとも遮
断した保持状態とに切替可能な切替弁5が設けられてい
る。そして、ドレン回路4にはリザーバ6が設けられ、
このリザーバ6に貯留されたブレーキ液をブレーキ回路
2に戻すポンプ7が設けられている。また、ドレン回路
4とマスタシリンダ1とが加給回路8により接続され、
この加給回路8を開閉するイン側ゲート弁9が設けら
れ、また、ブレーキ回路2を開閉するアウト側ゲート弁
が設けられている。そして、各弁5,9,10およびポ
ンプ7の作動を制御するコントロールユニット12が設
けられている。以上のように構成されたブレーキ制御装
置にあっては、マスタシリンダ圧が発生していない状態
において、コントロールユニット12の制御に基づき、
イン側ゲート弁9を開弁させる一方でアウト側ゲート弁
10を閉弁させ、かつ、ポンプ7を駆動させると、マス
タシリンダ1のブレーキ液がポンプ7により加給回路8
を介して吸入されてブレーキ回路2に吐出され、切替弁
5の切替に基づいてこの吐出されたブレーキ液をホイル
シリンダ3に供給したり、このようにホイルシリンダ3
に供給したブレーキ液をリザーバ6に逃がしたりするこ
とにより、制動力を発生させることができる。そして、
このような制動力を4輪に対して任意に発生させること
により、車両にヨーモーメントを発生させることができ
る。本実施の形態では、ブレーキユニット11がヨーモ
ーメント発生機構21に相当し、また、コントロールユ
ニット12の一部およびこのコントロールユニット12
に接続されている後述するセンサが、前記目標ヨーモー
メント演算手段22ならびに実ヨーモーメント検出手段
23に相当する。
【0027】次に、目標ヨーモーメント演算手段22に
ついて詳述する。図7は目標ヨーモーメント演算手段2
2の説明図であり、目標ヨーモーメント演算手段22
は、各輪制駆動力演算部22aと、各輪荷重演算部22
bと、各輪スリップ角演算部22dと目標横力演算部2
2gと、目標ヨーモーメント演算部22iとを備え、車
両挙動検出手段としての後述のセンサなどの入力手段に
接続されている。これら入力手段としては、通常OFF
で運転者が制動操作を行った時にONとなるブレーキス
イッチ31と、車両の前後方向加速度(以下、前後Gと
いう)を検出する前後Gセンサ32と、車両の横方向加
速度(以下、横Gという)を検出する横Gセンサ33
と、運転者の操舵角度を検出する操舵角センサ34と、
車両のヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ35と、
車速を検出する車速センサ36と、車両のスリップ角β
を検出するスリップ角検出手段37とが設けられてい
る。
【0028】前記各輪制駆動力演算部22aは、4輪の
各輪に作用する制動力および駆動力である制駆動力T
1,T2,T3,T4(ただし、T1は前左輪の制駆動
力、T2は前右輪の制駆動力、T3は後左輪の制駆動
力、T4は後右輪の制駆動力)を求めるもので、ブレー
キスイッチ31がONである時には、その時の前後Gに
相当する制動力が前後で所定の割合で4輪に働いている
とし、ブレーキスイッチ31がOFFである時には、そ
の時の前後Gに相当する駆動力が駆動輪である後輪に働
いているとして、各輪の制駆動力を求めるよう構成され
ている。具体的には、ブレーキスイッチ31からの信号
をBsig、前後Gを△△X、車両重量をmとした場合
に、下記の式に基づいて求める。 Bsig=0(ブレーキOFF)のとき、 T1=T2=0 T3=T4=m△△X/2 Bsig=1(ブレーキON)のとき、 T1=T2=m△△X・(0.7/2) T3=T4=m△△X・(0.3/2)
【0029】各輪荷重演算部22bは、前後G△△Xお
よび横G△△Yに応じて、各輪荷重W1,W2,W3,
W4(ただし、W1は前左輪の輪荷重、W2は前右輪の
輪荷重、W3は後左輪の輪荷重、W4は後右輪の輪荷
重)を下記の式に基づいて演算するものである。なお、
Lはホイルベース、aは前車軸から重心点までの距離、
bは後車軸から重心点までの距離、hは重心高である。 W1=m(b/2L)−0.5m△△X(h/L)−
0.6m△△Yh/t W2=m(b/2L)−0.5m△△X(h/L)+
0.6m△△Yh/t W3=m(a/2L)+0.5m△△X(h/L)−
0.4m△△Yh/t W4=m(a/2L)+0.5m△△X(h/L)+
0.4m△△Yh/t
【0030】各輪スリップ角演算部22dは、車両重心
点のスリップ角βに基づいて、舵角δ、ヨーレイトψ、
車速Vを用いて、前輪スリップ角βfおよび後輪スリッ
プ角βrを求める演算(下記式)を行うものである。 βf=β−(△ψ/V)Lf+δ βr=β+(△ψ/V)Lr
【0031】なお、スリップ角検出手段37は、ヨーレ
イト△ψと横G△△Yと車速Vに基づいて車両スリップ
角βを推定する手段である。この推定方法を説明する
と、まず、次式(21)によりコーナリングパワー推定
値PC を演算する。 PC =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△ Y]+f(△△Y) …(21) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車
両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両
重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイー
ルベース、Iは車両慣性モーメント、右辺第1項は車両
の二輪モデルから解析的に求められる後輪のコーナリン
グパワー、第二項のf(△△Y)は横Gによる補正項で
ある)そして、前記後輪のコーナリングパワー推定値P
とヨーレイト信号△ψを用いて、車両の二輪モデ
ルから解析的に求められるヨーレイトとスリップ角の関
係式である次式(22)でスリップ角(推定値)βを演
算する。 β=−Kbr[(T s+1)/(T s+1)]△ψ …(12) [ここで、Kbr=(1−(ma/(LbPC ))
)(b/V)、T =IV/(LbPC −m
aV )、T =[ma/(LPC )]Vであ
る]。なお、前記補正項f(△△Y)を、次式(23)
に示す、|△△Y|の一次式とすることも可能である。 f(△△Y)=C |△△Y|/9.8 …(23) (C は後輪タイヤのサイドフォースとスリップ角図
上でサイドフォースがほぼ飽和する点と原点を結ぶ直線
の傾き) あるいは、ヨーレイト△ψの代わりに横G△△Yを用い
て、同じく車両の二輪モデルから解析的に求められる横
Gとスリップ角βの関係式である次式(24)を用いて
スリップ角(推定値)βを演算することもできる。 β=−Kbg[(T s+1)/(Tg2 +Tg1s+1)]△△Y … (24)[ここで、Kbg=(1−(ma/(LbPC ))V )(b/V )、 T =IV/(LbPC −maV )、Tg2=[I/(LPC )]、 Tg1=b/Vである] また、上記(21)に替えて、次式(31)により後輪
のコーナリングパワー推定値PC を演算し、 PC =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△ Y] …(31) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車
両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両
重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイー
ルベース、Iは車両慣性モーメント、である)上記式
(22)に替えて次式(32)によりスリップ角βを演
算することもできる。 β=−Kbr[(T s+1)/(T s+1)]△ψ …(32) [ここで、Kbr=(1−(ma/(LbPC ))
)(b/V)、T =IV/(LbPC −m
aV )、T =[ma/(LPC )]Vであ
る]
【0032】前記目標横力演算部22gは、図8に示す
目標タイヤ特性マップに基づいて各輪荷重W1〜W4と
各輪スリップ角βf,βrとにより、各輪に働く目標横
力Fy1,Fy2,Fy3,Fy4を求めるものであ
る。なお、この図8において実線で示すのが目標タイヤ
特性であってこれは理想的なタイヤ特性に設定されてい
る。すなわち、実際のタイヤ特性は、図において点線で
示すように、スリップ角βf,βrが大きくなると横力
Fがある程度以上得られなくなり頭打ち状態となる特性
であるのに対して、この理想的に設定された目標タイヤ
特性は、スリップ角βf,βrが大きくなるにつれて横
力Fが大きくなるように、つまり高いコーナリングフォ
ースが得られるように設定されている。
【0033】前記目標ヨーモーメント演算部22iは、
各目標横力Fy1〜Fy4に基づいて、下記式により目
標ヨーモーメントMMを演算するよう構成されている。 MM=(Fy1+Fy2)a−(Fy3+Fy4)b なお、図9は目標ヨーモーメント演算手段22の他例で
あって、この例では、各輪荷重演算22cが、横Gに基
づいて荷重移動を演算し、この荷重移動と各輪スリップ
角演算部22dが求めた各輪スリップ角βf,βrとに
応じて目標横力演算部22gにおいて予め設定した目標
タイヤ特性に基づいて目標横力F1〜F4を求めるよう
に構成した例である。なお、この荷重移動を考慮した横
力は、例えば、後述する実ヨーモーメント検出手段23
の第1横力演算部23fのようにスリップ角βf,βr
と輪荷重Wとから求めるように構成する。
【0034】また、目標ヨーモーメントは次のように演
算することができる。 MM=I(d△ψ /dt)=(I/L)(△δV+
δ△V) (ここで、△ψ は目標ヨーレート、Iは車両慣性モ
ーメント、Lはホイールベース、δは舵角、△δは操舵
速度ある) 次に、前記実ヨーモーメント検出手段23について説明
する。この車両ヨーモーメント検出手段23は、図10
に示すように、各輪制駆動力演算部22aと、各輪荷重
演算部22bと、各輪スリップ角演算部22dと、横力
低減率演算部23eと、第1横力演算部23fと、第2
横力演算部23hと、実ヨーモーメント演算部23iと
を備えている。ここで、各輪制駆動力演算部22aと各
輪荷重演算部22bと各輪スリップ角演算部22dとに
ついては、上述した目標ヨーモーメント演算手段22で
説明したものと同じものであるので説明を省略する。
【0035】前記横力低減率演算部22eは、前記各輪
制動力演算部22aが演算した各輪の制駆動力T1〜T
4および各輪荷重演算部22bが演算した各輪荷重W1
〜W4に基づき、下記式により各輪ごとの横力低減率k
1,k2,k3,k4(ただし、k1は前左輪横力低減
率、k2は前右輪横力低減率、k3は後左輪横力低減
率、k4は後右輪横力低減率)を演算するものである。
すなわち、制駆動力Tが大きくなると横力Fyが減るも
のであり、この制駆動力Tに応じた横力Fyの低減率を
演算する。 k1=(W1 −T11/2 /W1 k2=(W2 −T21/2 /W2 k3=(W3 −T31/2 /W3 k4=(W4 −T41/2/W4 前記第1横力演算部23fは、荷重移動を考慮した横力
Fを求めるもので、輪荷重Wとスリップ角βf,βrに
より各輪に働く横力Fを図11に示すマップに基づいて
求める。なお、輪荷重Wが任意の時、マップデータ間で
補完された値が求まるよう構成する。前記第2横力演算
部23hは、各輪の横力低減率kならびに荷重移動を考
慮した横力Fとから各輪の横力Fy1,Fy2,Fy
3,Fy4(ただし、Fy1は前左輪横力、Fy2は前
右輪横力、Fy3は後左輪横力、Fy4は後右輪横力)
を下記式により求める。 Fy1=k1・F1 Fy2=k2・F2 Fy3=k3・F3 Fy4=k4・F4
【0036】前記実ヨーモーメント演算部23iは、各
輪に働く横力Fy1〜Fy4から車両に生じている実ヨ
ーモーメントMを下記式により演算するものである。 M=(Fy1+Fy2)a−(Fy3+Fy4)b 図12は本実施の形態の作動例を示しているもので、図
において(a)は左に旋回しながら制動を行って、実ヨ
ーモーメントMが発生している場合を示している。この
場合、荷重が前輪側に移動するとともに右側に移動する
ため、図示のように、後輪の制駆動力T3,T4に比べ
て前輪の制駆動力T1,T2が大きくなり、よって、後
輪の横力Fy3,Fy4に比べて前輪の横力Fy1,F
y2が大きくなるもので、この例の場合、右前輪におい
て大きな横力Fy2が発生しているのに対し、左後輪に
おいては横力Fy3が発生しておらず、いわゆるオーバ
ステア状態となっている。このような車両挙動に対し、
実ヨーモーメント検出手段23にあっては、入力手段で
ある各センサ31〜36およびスリップ角検出手段37
からの入力に基づいて各輪の横力Fy1〜Fy4を求
め、さらに、これに基づいて実ヨーモーメントMを求め
る。一方、目標ヨーモーメント演算手段22にあっても
同様の入力手段31〜37からの入力に基づいて、理想
的な目標タイヤ特性を得るのに必要な各輪の横力Fy1
〜Fy4を求めるとともにこれに基づいて目標ヨーモー
メントMMを求める。図示のように、この目標ヨーモー
メント演算手段22において得られる各輪の目標とする
横力Fy1〜Fy4および目標ヨーモーメントMMは、
図12(b)に示すように、内輪の横力Fy1,Fy3
に比べて外輪の横力Fy2,Fy4が大きな値となって
いるとともに、前後で同じ大きさとなる値が得られるも
のであり、これによって、ニュートラルなステア特性が
得られる。
【0037】そこで、ヨーモーメント発生機構21で
は、目標ヨーモーメントMMが得られるような制駆動
力、すなわち、実ヨーモーメントMと目標ヨーモーメン
トMMとの差分に相当するヨーモーメントを発生させる
ような制駆動力を出力する。
【0038】このように実ヨーモーメントMを検出する
とともに、目標ヨーモーメントMMを演算して両者の差
分に相当する出力させる制御を行った場合、図13に示
すように時間遅れが生じることなく実ヨーレイト△ψが
発生する。なお、図14は目標ヨーレイトにより制御を
行った場合を示しており、この場合、同図(b)に示す
ような制御遅れが生じる。
【0039】以上説明したように、本実施の形態では、
実ヨーモーメントMを検出するとともに、目標ヨーモー
メントMMを演算して両者の差分に相当する出力させる
制御を行うようにしたため、制御遅れが生じることがな
く、また、振動も生じないものであり、運転者が違和感
を感じることのない制御を実行でき、制御品質が向上す
るという効果が得られる。しかも、上述の制御を実行す
るにあたり、入力手段としては、既存の各センサ31〜
36を用いるだけであり、車輪の横力を求めるために荷
重センサなどの新たなセンサを追加する必要がないた
め、製造コストを低く抑えることができるという効果が
得られる。
【0040】(実施の形態2)以下に、実施の形態2に
ついて説明するが、実施の形態1と同じ構成には実施の
形態1と同じ符号を付けて説明を省略する。
【0041】図14は実施の形態2の実ヨーモーメント
検出手段223を示すもので、各輪制動力演算部22
a、各輪荷重演算部22b、各輪スリップ角演算部22
d、路面μ推定部222eの出力が実横力演算部223
aに入力される。すなわち、この実横力演算部223a
には、タイヤの実横力Fsiを求める演算式、 Fsi=Limit[γi-(γi/3)+(γi
/27)][(μW)-Fai1/2 が記述されている。
【0042】ここで、γi=|(Kc/μWi)tan
βi|であり、Limit(γi-(γi/3)+
(γi/27)は、()内の値が1を越えると飽和す
る特性関数、Wiは各輪荷重、βiは各輪スリップ角、
Faiは制駆動力、Kcはコーナリングスティフネス、
μはタイヤと路面の摩擦係数である。
【0043】なお、図15は、輪荷重Wiと各輪スリッ
プ角βiと実横力Fsiとの関係を示す特性図である。
また、路面μ推定部222eにあっては、本実施の形態
では、μ=mAx/Fx=mAx/Ksの演算式により
求めるよう構成されている。なお、mは車重、Axは前
後加速度、Kはタイヤ剛性、sは駆動スリップ率であ
る。また、駆動スリップ率sは、s=(Vr-Vx)/
Vxにより求める。ただし、Vxは車体速度、Vrは後
輪(駆動輪)左右平均速度である。
【0044】したがって、実横力演算部223aは、各
輪制駆動力演算部22a、各輪荷重演算部22b、各輪
スリップ角演算部22d、路面μ推定部222eから、
制駆動力Fai、輪荷重Wi、各輪スリップ角βi、路
面μを入力して、上記演算式により実横力Fsiを求
め、実ヨーモーメント演算手段223iは、この実横力
Fsiから実ヨーモーメントMを演算する。
【0045】図16は実施の形態2の目標ヨーモーメン
ト演算手段222を示すもので、各輪制駆動力演算部2
2a、各輪荷重演算部22b、各輪スリップ角演算部2
2dの出力が目標横力演算部222gに入力される。す
なわち、この目標横力演算部222gは、タイヤの目標
横力Fsiを求める演算式 Fsi=( Limit[γi-(γ/3)+
(γ/27)+Aβi)[(μWi)-BF
ai] が記述されている。
【0046】 γi=|(Kc/μWi)tanβi| Kcは、修正コーナリングスティフネス、Bは前後力
修正係数である。
【0047】なお、図17は輪荷重Wiと各輪スリップ
角βiと目標横力Fとの関係を示す特性図である。
【0048】したがって、目標横力演算部222gは、
制駆動力Fai、輪荷重Wi、各輪スリップ角βiを入
力して、上記演算式により目標横力Fsiを求め、目
標ヨーモーメント演算手段222iは、この目標横力F
siから目標ヨーモーメントMMを演算する。
【0049】この実施の形態2では、実横力および目標
横力を演算式により求めるように構成したため、制御演
算負荷を低減でき、CPUの価格を低減してコストダウ
ンを図ることができる。
【0050】(実施の形態3)実施の形態3は、図9,
図10に示した例の変形例を示すものであり、その相違
点を説明すると、図18に示すように、目標ヨーモーメ
ント演算部322の目標横力演算部322gに実施の形
態2で示した路面ミュー演算部222eの出力が入力さ
れるよう構成されているとともに、図19に示すよう
に、実ヨーモーメント検出手段323の横力低減率演算
部323eおよび第1横力演算部323fに、路面ミュ
ー演算部222eの出力が入力されるよう構成されてい
る。
【0051】そして、目標横力演算部322gにあって
は、実施の形態1と同様にして、図20において点線で
示す、路面μが1であるときのタイヤ特性ならびに実タ
イヤ特性を求め、さらに、路面ミュー演算部222eの
出力に応じ、両者の差に路面μを乗じた値を実タイヤ特
性に上乗せすることにより、路面μに応じた目標タイヤ
特性を選択し、これに基づいて目標横力Fsiを求
め、これにより目標ヨーモーメントMMを演算するもの
である。
【0052】また、実ヨーモーメント検出手段323で
は、路面ミュー演算部222eの出力に応じ、最終的に
第2横力演算部323hにおいて、図21の特性図に示
すように、タイヤ特性を決定し、このタイヤ特性に基づ
いて実横力Fsiを求め、これにより実ヨーモーメント
Mを演算する。
【0053】以上のように、実施の形態3では、路面μ
を推定して、この路面μに応じて目標横力Fsiなら
びに実横力Fsiを求め、これらの値から実ヨーモーメ
ントMならびに目標ヨーモーメントMMを求めるように
構成したため、両モーメントM,MMの推定精度が高く
なり、制御品質の向上を図ることができる。さらに、路
面μ推定部222eは、演算により路面μを推定するた
め、低コストの演算手段とすることができる。
【0054】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明では、
実ヨーモーメントを検出する実ヨーモーメント検出手段
と、車両挙動に応じた目標ヨーモーメントを求める目標
ヨーモーメント演算手段と、目標ヨーモーメントと実ヨ
ーモーメントとの差分に相当する量のヨーモーメントが
生じるようにヨーモーメント発生機構を作動させる作動
指令手段とを設けた構成としたため、ヨーレイトに基づ
いて制御する場合のような制御遅れが生じないととも
に、制御振動が生じ難くなり、運転者がヨー運動制御に
よる違和感を感じ難く制御品質の向上を図ることができ
るという効果が得られる。また、請求項5ないし7記載
の発明にあっては、目標ヨーモーメントを求めるにあた
り、目標タイヤ特性に基づいて各輪の状態量に応じて求
めるように構成したため、目標タイヤ特性として理想的
なタイヤ特性を用いることにより、ヨーモーメント制御
を行うことで理想的なタイヤ特性に基づく高い旋回性能
を得ることができるという効果が得られる。また、請求
項8ないし10記載の発明にあっては、実ヨーモーメン
ト検出手段を、車両挙動検出手段からの入力に基づいて
各輪タイヤの状態量を推定する各輪タイヤの状態量推定
手段と、このタイヤの状態量から車両のヨーモーメント
を演算する演算手段とで構成したため、車両のヨーモー
メントを各輪に荷重センサを設けて求めるのに比べて既
存のセンサを利用した安価な手段により求めることがで
きるという効果が得られ、特に、請求項9,10記載の
発明にあっては、タイヤの状態量推定手段に、各輪の横
力を演算する横力演算手段を設け、この横力に基づいて
実ヨーモーメントを求めるようにしているため、安価で
ありながら時々刻々と変化するヨーモーメントを高い精
度で検出することができるという効果が得られる。さら
に、請求項11,12に記載の発明は、請求項6ないし
10記載の発明において、各輪スリップ角演算手段が車
両重心点のスリップ角を求めるにあたり、タイヤのコー
ナリングパワーを推定する式を直接導くようにしたこと
により、過去の一定時間の時系列データを保存する必要
がなく、急激な路面変化に対しても正確なスリップ角を
推定でき、安価でメモリの負担も少なく、しかも高い精
度でスリップ角を求めることができるという効果が得ら
れ、特に、請求項12に記載の発明にあっては、信頼性
を確保しながら構成の簡略化を図ることができるという
効果が得られる。
【0055】また、請求項13ないし15に記載の発明
では、目標ヨーモーメント演算手段と実ヨーモーメント
検出手段が、各輪の状態量と演算式で記述されたタイヤ
特性とに基づいて、それぞれ目標横力および実横力を求
めるため、制御演算負荷を低減でき、これによりCPU
の価格を低減して、コストダウンを図ることができると
いう効果が得られる。請求項16ないし19に記載の発
明では、路面摩擦係数に応じて、実ヨーモーメントと目
標ヨーモーメントの少なくとも一方の演算を変化させる
よう構成したため、制御品質を向上させることができる
という効果が得られる。また、請求項19に記載の発明
では、路面摩擦係数を駆動輪のスリップ率および前後加
速度と、定数により求めるようにしたため、簡単な演算
により路面μを求めることができ、低コストで高い制御
品質を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両のヨー運動制御装置を示すクレー
ム対応図である。
【図2】2輪モデル図である。
【図3】前輪操舵角δとスリップ角βとヨーレイト△ψ
との関係を示す運動方程式のモデル図である。
【図4】上記運動方程式を簡略化したモデル図である。
【図5】実施の形態を示す説明図である。
【図6】実施の形態のヨーモーメント発生機構の一例で
あるブレーキ制御装置を示す全体図である。
【図7】実施の形態の目標ヨーモーメント演算手段を示
すブロック図である。
【図8】実施の形態の目標横力を求めるマップを示す特
性図である。
【図9】目標ヨーモーメント演算手段の他例を示すブロ
ック図である。
【図10】実施の形態の実ヨーモーメント検出手段を示
すブロック図である。
【図11】実施の形態の横力を求めるマップを示す特性
図である。
【図12】実施の形態の作動例を示す説明図である。
【図13】実施の形態の作動例を示す入力・出力特性図
である。
【図14】実施の形態2の実ヨーモーメント検出手段を
示すブロック図である。
【図15】実施の形態2の実横力特性図である。
【図16】実施の形態2の目標ヨーモーメント演算手段
を示すブロック図である。
【図17】実施の形態2の目標横力特性図である。
【図18】実施の形態3の目標ヨーモーメント演算手段
を示すブロック図である。
【図19】実施の形態3の実ヨーモーメント検出手段を
示すブロック図である。
【図20】実施の形態3の目標横力特性図である。
【図21】実施の形態3の実横力特性図である。
【図22】従来技術の作動例を示す入力・出力特性図で
ある。
【図23】従来技術の作動例を示す出力特性図である。
【符号の説明】
a ヨーモーメント発生機構 b 車両挙動検出手段 c 実ヨーモーメント検出手段 c1 各輪タイヤの状態量推定手段 c11 各輪スリップ角演算手段 c12 輪荷重演算手段 c13 制駆動力演算手段 c14 横力演算手段 c2 演算手段 d 目標ヨーモーメント演算手段 d1 輪荷重演算手段 d2 各輪スリップ角演算手段 d3 各輪制駆動力演算手段 d11 荷重移動演算手段 d13 演算手段 e 作動指令手段 1 マスタシリンダ 2 ブレーキ回路 3 ホイルシリンダ 4 ドレン回路 5 切替弁 6 リザーバ 7 ポンプ 8 加給回路 9 イン側ゲート弁 10 アウト側ゲート弁 11 ブレーキユニット 12 コントロールユニット 21 ヨーモーメント発生機構 22 目標ヨーモーメント演算手段 22a 各輪制駆動力演算部 22b 各輪荷重演算部 22d 各輪スリップ角演算部 22g 目標横力演算部 22i 目標ヨーモーメント演算部 222 目標ヨーモーメント演算手段 222e 路面μ推定部 222g 目標横力演算部 322 目標ヨーモーメント演算手段 322g 目標横力演算部 23 実ヨーモーメント検出手段 223 実ヨーモーメント検出手段 223a 実横力演算部 223i 実ヨーモーメント演算部 323 実ヨーモーメント検出手段 323e 横力低減率演算部 323f 第1横力演算部 323h 第2横力演算部 31 ブレーキスイッチ 32 前後Gセンサ 33 横Gセンサ 34 操舵角センサ 35 ヨーレイトセンサ 36 車速センサ 37 スリップ角検出手段

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両にヨー運動を生じさせるヨーモーメ
    ント発生機構と、 車両挙動を検出する車両挙動検出手段と、 この車両挙動検出手段に含まれ、車両に生じている実ヨ
    ーモーメントを検出する実ヨーモーメント検出手段と、 前記車両挙動検出手段からの入力に基づいて、現在の車
    両挙動において必要なヨーモーメントである目標ヨーモ
    ーメントを求める目標ヨーモーメント演算手段と、 前記目標ヨーモーメントと実ヨーモーメントとの差分に
    相当する量のヨーモーメントを出力させるべく前記ヨー
    モーメント発生機構を作動させる作動指令手段と、を備
    えていることを特徴とする車両のヨー運動制御装置。
  2. 【請求項2】 前記車両挙動検出手段として、各輪にお
    ける横力と前後力を求める横力・前後力検出手段を含
    み、 前記実ヨーモーメント検出手段が、横力・前後力検出手
    段からの入力に基づいて実ヨーモーメントを演算する手
    段であることを特徴とする請求項1記載の車両のヨー運
    動制御装置。
  3. 【請求項3】 前記車両挙動検出手段として、車両のヨ
    ーレイトを検出するヨーレイトセンサを含み、 前記実ヨーモーメント検出手段が、ヨーレイトの微分値
    と、車両のヨー慣性モーメントの値とを乗算することに
    よって実ヨーモーメントを求める手段であることを特徴
    とする請求項1記載の車両のヨー運動制御装置。
  4. 【請求項4】 前記目標ヨーモーメント演算手段が、舵
    角と車両状態量とを用いて目標ヨーレイトを演算し、こ
    の目標ヨーレイトの微分値と車両のヨー慣性モーメント
    の値との乗算により目標ヨーモーメントを演算する手段
    であることを特徴とする請求項1ないし3記載の車両の
    ヨー運動制御装置。
  5. 【請求項5】 前記目標ヨーモーメント演算手段が、各
    輪の状態量と目標タイヤ特性とを用いて目標ヨーモーメ
    ントを演算する手段であることを特徴とする請求項1な
    いし3記載の車両のヨー運動制御装置。
  6. 【請求項6】 前記目標ヨーモーメント演算手段が、各
    輪の輪荷重を演算する輪荷重演算手段と、各輪のスリッ
    プ角を演算する各輪スリップ角演算手段と、各輪の制駆
    動力を演算する各輪制駆動力演算手段と、を含み、前記
    各輪の状態量として、輪荷重、スリップ角、制駆動力を
    含むことを特徴とする請求項5記載の車両のヨー運動制
    御装置。
  7. 【請求項7】 前記目標ヨーモーメント演算手段が、横
    加速度による荷重移動を演算する荷重移動演算手段と、
    各輪のスリップ角を演算する各輪スリップ角演算手段
    と、荷重移動と各輪スリップ角のみを用いて目標タイヤ
    特性から目標横力を演算し、この目標横力から目標ヨー
    モーメントを演算する演算手段と、を備えていることを
    特徴とする請求項5記載の車両のヨー運動制御装置。
  8. 【請求項8】 前記実ヨーモーメント検出手段を、各輪
    タイヤの状態量推定手段と、この状態量推定手段の出力
    信号を用いて車両のヨーモーメントを演算する演算手段
    とにより構成したことを特徴とする請求項1,4,5,
    6,7のいずれかに記載の車両のヨー運動制御装置。
  9. 【請求項9】 前記車両挙動検出手段が、横加速度セン
    サ、前後加速度センサ、ブレーキセンサ、舵角センサ、
    ヨーレイトセンサ、車速センサ、および車両スリップ角
    検出手段を含み、 各輪タイヤの状態量推定手段が、車両スリップ角・舵角
    ・ヨーレイト・車速から各輪のスリップ角を求める各輪
    スリップ角演算手段と、車両の前後加速度および横加速
    度から各輪の輪荷重を求める輪荷重演算手段と、ブレー
    キ状態および車両前後加速度から各輪に働く制駆動力を
    演算する制駆動力演算手段と、これら演算手段で得られ
    た輪荷重・制駆動力・各輪スリップ角に基づいて各輪に
    働く横力を演算する横力演算手段とを備えていることを
    特徴とする請求項8記載の車両のヨー運動制御装置。
  10. 【請求項10】 前記横力演算手段は、輪荷重とスリッ
    プ角とに基づいて制駆動力抜きの各輪に働く横力を予め
    設定されたマップにより求める手段と、制駆動力に基づ
    いて横力低減率を求める手段と、前記制駆動力抜きの横
    力と横力低減率とに基づいて各輪横力を求める手段とを
    備えていることを特徴とする請求項9記載の車両のヨー
    運動制御装置。
  11. 【請求項11】 前記各輪スリップ角演算手段が、車両
    の重心点におけるスリップ角を求めた後、各輪スリップ
    角を求めるよう構成され、 車両重心点のスリップ角を求めるにあたり、車両のヨー
    レイト△ψと横加速度△△Yと車速Vの各センサ信号か
    ら次式(1)により後輪のコーナリングパワー推定値P
    を演算し、 PC =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△ Y]+f(△△Y) …(1) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車
    両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両
    重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイー
    ルベース、Iは車両慣性モーメント、右辺第1項は車両
    の二輪モデルから解析的に求められる後輪のコーナリン
    グパワー、第二項のf(△△Y)は横加速度による補正
    項である) 次に、前記後輪のコーナリングパワー推定値PC
    ヨーレイト信号△ψを用いて、車両の二輪モデルから解
    析的に求められるヨーレイトとスリップ角の関係式であ
    る次式(2)により演算する手段である β=−Kbr[(T s+1)/(T s+1)]△ψ …(2) [ここで、Kbr=(1−(ma/(LbPC ))
    )(b/V)、T =IV/(LbPC −m
    aV )、T =[ma/(LPC )]Vであ
    る]ことを特徴とする請求項6ないし10記載の車両の
    ヨー運動制御装置。
  12. 【請求項12】 前記各輪スリップ角演算手段が、車両
    の重心点におけるスリップ角を求めた後、各輪スリップ
    角を求めるよう構成され、 車両重心点のスリップ角を求めるにあたり、車両のヨー
    レイト△ψと横加速度△△Yと車速Vの各センサ信号か
    ら次式(5)により後輪のコーナリングパワー推定値P
    を演算し、 PC =(V/L)(ma△△Y−I△ψs)s/[△ψ(bs+V)−△△ Y] …(5) (ここで、sはラプラス演算子、mは車両質量、aは車
    両重心位置から前輪車軸までの前後方向距離、bは車両
    重心位置から後輪車軸までの前後方向距離、Lはホイー
    ルベース、Iは車両慣性モーメント、である) 前記後輪のコーナリングパワー推定値PC とヨーレ
    イト信号△ψを用いて、車両の二輪モデルから解析的に
    求められるヨーレイトとスリップ角の関係式である次式
    (6)でスリップ角βを演算する β=−Kbr[(T s+1)/(T s+1)]△ψ …(6) [ここで、Kbr=(1−(ma/(LbPC ))
    )(b/V)、T =IV/(LbPC −m
    aV )、T =[ma/(LPC )]Vであ
    る]ことを特徴とする請求項6ないし10記載の車両の
    ヨー運動制御装置。
  13. 【請求項13】 前記目標ヨーモーメント演算手段と前
    記実ヨーモーメント検出手段が、各輪の状態量と演算式
    で記述されたタイヤ特性とに基づいて、それぞれ目標横
    力および実横力を求め、目標横力から目標ヨーモーメン
    トを、実横力から実ヨーモーメントを求めるよう構成さ
    れていることを特徴とする請求項5ないし9記載の車両
    のヨー運動制御装置。
  14. 【請求項14】 前記実ヨーモーメント演算手段におい
    て、実横力Fsiを求める演算式が、Fsi=Limi
    t[γi-(γi/3)+(γi/27)][(μ
    Wi) -Fai1/2であり、 かつ、前記目標ヨーモーメント演算手段において、目標
    横力Fsiを求める演算式が、Fsi={Limi
    t[γi-(γ/3)+(γ/27)]
    +Aβi}[(μWi)-BFai1/2であ
    り、なお、前記γiは、γi=|(Kc/μWi)ta
    nβi|であり、前記Limit[γi-(γi
    3)+(γi/27)]は、[]内の値が1を越える
    と飽和する特性関数であり、前記Wiは各輪荷重、前記
    βiは各輪横スリップ角、前記Faiは制駆動力、前記
    Kcはコーナリングスティフネス、前記μはタイヤと路
    面の摩擦係数、Aは定数Bは前後力修正係数であり、ま
    た、前記γiは、γi=|(Kc/μWi)ta
    nβi|であり、前記Kcはコーナリングスティフネ
    スであることを特徴とする請求項13記載の車両のヨー
    運動制御装置。
  15. 【請求項15】 前記実ヨーモーメント演算手段にお
    いて、実横力Fsiを求める演算式が、Fsi=Dsi
    n{Carctan[F-E(F-arctan
    (F))]}であり、なお、ここでC,D,E,Fは、
    μ,wi,βiの関数であり、 かつ、前記目標ヨーモーメント演算手段において、目標
    横力Fsiを求める演算式が、Fsi=D{si
    n[Carctan(F-E(F-arctan
    (F )))]+Zβi}であり、なお、ここで
    ,D,E,Fは、μ,wi,βiの関数であ
    り、Zは定数であることを特徴とする請求項13記載の
    車両のヨー運動制御装置。
  16. 【請求項16】 請求項1ないし15記載の車両のヨー
    運動制御装置において、 路面の摩擦係数を求める路面摩擦係数検出手段を設け、 前記実ヨーモーメント演算手段を、路面摩擦係数に応じ
    て実ヨーモーメントの演算を変化させるよう構成したこ
    とを特徴とする車両のヨー運動制御装置。
  17. 【請求項17】 請求項1ないし16記載の車両のヨー
    運動制御装置において、 路面の摩擦係数を求める路面摩擦係数検出手段を設け、 前記目標ヨーモーメント演算手段を、路面摩擦係数に応
    じて目標ヨーモーメントの演算を変化させるよう構成し
    たことを特徴とする車両のヨー運動制御装置。
  18. 【請求項18】 前記路面摩擦係数検出手段を、駆動輪
    のスリップ率と車両の前後加速度との比から路面摩擦係
    数を推定するよう構成したことを特徴とする請求項17
    記載の車両のヨー運動制御装置。
  19. 【請求項19】 前記駆動輪のスリップ率をs、タイヤ
    剛性を定数K、駆動力F=Ks、前後加速度Ax、車重
    mとした場合、 前記路面摩擦係数μを、 μ=(mAx/Fx)=(mAx/Ks ) の演算式により求めるよう路面摩擦係数検出手段を構成
    したことを特徴とする請求項18記載の車両のヨー運動
    制御装置。
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