JP2000024756A - 積層造形鋳型、積層造形鋳型を用いた鋳造方法 - Google Patents

積層造形鋳型、積層造形鋳型を用いた鋳造方法

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JP2000024756A JP10197751A JP19775198A JP2000024756A JP 2000024756 A JP2000024756 A JP 2000024756A JP 10197751 A JP10197751 A JP 10197751A JP 19775198 A JP19775198 A JP 19775198A JP 2000024756 A JP2000024756 A JP 2000024756A
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    • Y02P10/00Technologies related to metal processing
    • Y02P10/25Process efficiency

Abstract

(57)【要約】 【課題】未固化状態の粉粒体の排出の促進、溶湯の凝固
の促進に有利な積層造形鋳型、および、この積層造形鋳
型を用いた鋳造方法を提供する。 【解決手段】積層造形鋳型100は、粉粒体を散布して
形成した散布層に照射エネルギを照射して固化層を形成
し、固化層を積層することにより造形された鋳造キャビ
ティをもつものである。積層造形鋳型100は、鋳造キ
ャビティ100aに連通する未固化の粉粒体を排出する
排出通路110または開口部130をもち、排出通路1
10または開口部130に冷やし金400,420が配
置されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粉粒体を散布して
形成した散布層にレーザビームなどの照射エネルギを照
射して固化層を形成し、固化層を積層して造形する積層
造形鋳型に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、積層造形(特開平3−18353
0号公報、USP(米国特許)4247508等)で鋳
型を造形する技術が注目されている。この技術では、樹
脂被覆砂等の粉粒体が用いられ、粉粒体を散布して散布
層を形成する散布処理と、レーザビームを散布層に照射
して薄い固化層を形成する照射処理とが交互に繰り返さ
れ、これにより固化層が順次多数積層され、以て三次元
的な造形物である鋳型が造形される。
【0003】この積層造形においては、型抜き操作を必
要としないため、複雑形状の鋳型であっても抜き勾配を
必要としない等といった利点が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
積層造形で造形した鋳型によれば、金型ではないため、
溶湯の凝固冷却が遅い。更に、鋳型の鋳造キャビティ内
の未固化状態の粉粒体を鋳型外に排出するのが必ずしも
容易ではないといった不具合がある。本発明は上記した
実情に鑑みなされたものであり、未固化状態の粉粒体の
排出の促進、溶湯の凝固の促進に有利な積層造形鋳型、
および、この積層造形鋳型を用いた鋳造方法を提供する
にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る積層造形鋳
型は、粉粒体を散布して形成した散布層に照射エネルギ
を照射して固化層を形成し、固化層を積層することによ
り造形された鋳造キャビティをもつ鋳型であって、鋳造
キャビティに連通する未固化の粉粒体を排出する排出通
路または開口部をもち、排出通路または開口部に、鋳造
キャビティに対面するように冷やし金が配置されている
ことを特徴とするものである。
【0006】本発明に係る積層造形鋳型を用いた鋳造方
法は、請求項1に係る積層造形鋳型を用い、積層造形鋳
型の鋳造キャビティに溶湯を供給し、鋳造キャビティ内
の溶湯の冷却を冷やし金により促進しつつ、溶湯を凝固
させるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で用いる粉粒体は、照射エ
ネルギが照射されると固化するものであり、粉末状、粒
状である。照射エネルギとしては、可視光領域、赤外線
領域、紫外線領域等の非可視光領域を採用でき、レーザ
ビームが好ましい。レーザビームとしては、例えば、C
2 レーザ、YAGレーザ、ルビーレーザ、Arレー
ザ、エキシマレーザ等の公知のビームを適宜選択でき、
可視レーザビーム、非可視レーザビームのいずれでも良
い。照射エネルギとしては、場合によっては、発熱線等
のヒータ手段の照射エネルギを粉粒体に照射することに
しても良い。
【0008】本発明で用いる粉粒体としては、例えば、
熱硬化型樹脂を被覆した砂等の粉粒体、金属の粉粒体等
を採用できる。粉粒体の大きさは問わない。鋳型は排出
通路または開口部をもつ。排出通路または開口部は、鋳
型を積層造形するときに鋳型と同時に形成しても良い。
この場合には、粉粒体を散布して形成した散布層のう
ち、排出通路または開口部となる領域にレーザビームな
どの照射エネルギを照射せず、該領域が固化しないよう
にする。すると、排出通路または開口部となる領域の粉
粒体は、未固化となるため、固化した鋳型から排出可能
となる。場合によっては、排出通路または開口部は、切
削ドリルなどを利用して造形後の後処理として鋳型に設
けても良い。
【0009】排出通路は、鋳型の鋳造キャビティに残留
している未固化の粉粒体を鋳型の外方に排出するための
ものである。開口部は、鋳型の鋳造キャビティに残留し
ている未固化の粉粒体を鋳型の外方に排出する機能をも
つものでも良いし、その機能をもたず、未固化の粉粒体
の排出後にドリル等で後処理として切削加工して鋳型に
形成した、冷やし金を配置するためだけの単なる開口部
でも良い。
【0010】排出通路または開口部に、鋳型の鋳造キャ
ビティに対面するように冷やし金が配置されている。冷
やし金は、銅系(例えばベリリウム含有銅合金)や鋼系
等の熱伝導性のよい金属で形成できる。冷やし金は、角
棒形状でも良いし、丸棒形状でも良く、断面形状は特に
限定されない。鋳型の鋳造キャビティに供給された溶湯
の凝固は、冷やし金により促進され、凝固速度が速くな
る。また冷やし金の位置を適切とすれば、鋳造キャビテ
ィ内の溶湯の指向性凝固も図り得る。溶湯としては特に
限定されず、アルミ系、亜鉛系、銅系、鋳鉄系等を採用
できる。
【0011】
【実施例】以下、実施例を図1及び図2を参照して説明
する。本実施例は、CO2 レーザ(赤外線領域)のレー
ザビームの照射により固化させて造形物としての鋳型1
00を得、その鋳型100に低圧鋳造で鋳造して鋳物
(例えば内燃機関のシリンダヘッド)を形成する場合に
適用している。
【0012】低圧鋳造機の溶湯保持容器500の蓋板5
00w上の設置板501には、給湯管502が縦形に装
備されている。溶湯保持容器500の設置板501の上
に、砂型である鋳型100が設置されている。鋳型10
0の外側は金属製の外枠体200が設けられている。外
枠体200は、鋳型100外方への溶湯漏れの防止に有
利である。
【0013】鋳型100は、砂粒子に樹脂(熱硬化型樹
脂例えばフェノール樹脂)を被覆した樹脂被覆砂を散布
して散布層を形成する散布工程と、散布層にレーザビー
ムを照射して固化層を形成する照射工程とを行い、散布
工程と照射工程とを交互に繰り返すことにより、固化層
を厚み方向に積層して造形したものである。固化層の積
層枚数は、鋳型100の種類によっても相違するもの
の、数100〜数1000枚である。
【0014】鋳型100には、鋳物を成形する空洞状の
鋳造キャビティ100aが形成されている。鋳造キャビ
ティ100aの底部の湯口には、セラミックス多孔質体
であるフィルタ170が配置されている。フィルタ17
0は、溶湯の介在物を除去するためのものである。鋳型
100の側部には、鋳造キャビティ100aに連通する
排出通路110が多数個形成されている。排出通路11
0は、鋳造キャビティ100aを形成するたの未固化の
樹脂被覆砂を鋳型100の外方に排出するためのもので
ある。排出通路110には抜き勾配が形成されていな
い。その理由は、積層造形においては、排出通路110
を形成した型部分を排出通路110から型抜き操作する
必要がなく、型部分の抜き勾配を必要としないためであ
る。
【0015】各排出通路110に、鋳造キャビティ10
0aに対面するように、且つ、排出通路110を閉鎖す
るように、小型の冷やし金400が外側からつまり矢印
E方向から挿入されて配置されている。このように排出
通路110に小型の冷やし金400を配置した後に、鋳
型100の側面に外枠体200をあてがう。小型の冷や
し金400(材質:ベリリウム含有銅合金)は、断面が
四角形状をなす角棒状であり、抜け勾配は形成されてい
ない。小型の冷やし金400の断面は適宜選択できるも
のの、例えば、(20〜40mm)×(20〜40m
m)にできる。小型の冷やし金400の数は、1個の鋳
型100あたり10〜30個にできる。
【0016】排出通路110を形成する壁面と小型の冷
やし金400との間の微小隙間に溶湯が仮に侵入したと
しても、その侵入した溶湯は冷やし金400により奪熱
され、直ちに凝固され、鋳バリ状となる。鋳バリ形成後
には、その隙間への溶湯の侵入は抑えられる。鋳型10
0の上面には開口部130が形成されている。開口部1
30は、造形後に鋳型100から、鋳造キャビティ10
0a内に装填されている未固化の樹脂被覆砂を鋳型10
0の外方に排出するのに役立つ。
【0017】鋳型100の上面に、開口部130を閉鎖
するように、平板形状の大型の冷やし金420(材質:
ベリリウム含有銅合金)が載せられている。大型の冷や
し金420は、冷やし金機能と重し機能とを奏するた
め、溶湯を鋳造キャビティ100aに供給したときにお
ける鋳型100の浮き上がりが抑えられる。大型の冷や
し金420は例えば5〜30kgfである。大型の冷や
し金420には通水路421が設けられており、通水路
421を流れる冷却水により大型の冷やし金420は冷
却され、冷却効果が確保される。冷やし金420,40
0は金属製であるため、金型として機能できる。
【0018】鋳型100の所定部位にはガス抜き通路4
60が形成されている。ガス抜き通路460は、曲走状
の通路部分460kをもつようにされている。積層造形
においては、ガス抜き通路460を形成した型部分をガ
ス抜き通路460から型抜き操作する必要がないため、
ガス抜き通路460を直線状ばかりか、曲走状に形成す
ることも可能である。従って、ガス抜き通路460の内
端460aをそれだけ鋳型100の奥部に配置するのに
有利となり、鋳型100の奥部のガス放出性を確保し易
い。ガス抜き通路460の外端460cは、鋳型100
の外方に連通しており、即ち、鋳型100と外枠体20
0との間の隙間203に連通しており、これによりガス
抜き通路460によるガス放出性が確保されている。
【0019】鋳造の際には、溶湯保持容器500内に供
給管550を介して気体を送給して、溶湯保持容器50
0の溶湯面の上方の気体室502の圧力を高める。する
と、鋳型100の鋳造キャビティ100aと気体室50
2との差圧により、溶湯保持容器500内の溶湯(例え
ばアルミ合金)は給湯管502を次第に上昇し、フィル
タ170で濾過されて鋳造キャビティ100a内に次第
に供給される。
【0020】鋳造キャビティ100a内に装填された溶
湯の冷却は、大型の冷やし金420と、小型の冷やし金
400とにより促進される。熱容量が大きい大型の冷や
し金420は鋳型100の上部に配置されており、熱容
量が小さい小型の冷やし金400は鋳型100の側部に
多数個配置されている。そのため、鋳造キャビティ10
0a内の溶湯の凝固は、大型の冷やし金420、小型の
冷やし金400の付近から始まり、次第に、溶湯入口で
ある湯口付近つまりフィルタ170に向かうといった指
向性凝固が得られる。このようにフィルタ170を配置
した湯口の凝固を遅らせ得るため、鋳造キャビティ10
0aに溶湯を補給する溶湯補給性の確保に有利となる。
【0021】以上説明したように本実施例によれば、排
出通路110、開口部130により、未固化状態の樹脂
被覆砂を鋳型100の外方に排出する作業の促進を図り
得る。また未固化の樹脂被覆砂を排出する排出通路11
0、開口部130に配置された冷やし金400、420
により、鋳造キャビティ100a内の溶湯の凝固を促進
させ得、鋳巣等の鋳造欠陥の低減を図り得、鋳物の鋳造
品質の向上、鋳造サイクルの短縮化に有利となる。
【0022】すなわち本実施例によれば、未固化状態の
樹脂被覆砂を鋳型100の外方に排出する排出通路11
0、開口部130を、冷やし金配置空間として有効利用
できる。なお鋳造が完了した後には、鋳型100を崩壊
させる。このとき大型の冷やし金420を取り外す。小
型の冷やし金400は、崩壊した鋳型100から取り出
した後に、ブラスト処理を施し、再利用する。
【0023】(適用例)図3は適用例に係る全体構成の
概念図を示す。本例では、水平二次元方向をX方向、Y
方向とし、高さ方向をZ方向とする。X方向、Y方向は
互いに直交する方向である。本例では、図3から理解で
きるように、矢印Z方向に昇降可能な昇降テーブル1を
もつ昇降装置2、昇降テーブル1を昇降させる第1駆動
手段3、粉粒体としての樹脂被覆砂を収容すると共に樹
脂被覆砂を昇降テーブル1に散布して散布層を昇降テー
ブル1に形成する散布装置5、散布装置5を案内レール
6に沿って矢印Y方向(矢印S1、S2方向)に移動さ
せる第2駆動手段7と、レーザビームを発振するレーザ
発振機8(CO2 レーザ、非可視光)、レーザビームを
伝達する伝達系9、レーザビームの向きを変える回転ミ
ラー装置10、多種類のマスク12が多数積層されたマ
スク供給台13、使用済みのマスク12が多数積層され
るマスク回収台15、使用済みマスク12をマスク回収
台15に運ぶと共にマスク供給台13上の新規なマスク
12を保持して昇降テーブル1の上方に配置させるマス
ク配置装置17をもつ。マスク12は、本例で照射する
レーザビームに対して耐久性をもつ鋼板、アルミ板等で
構成されている。
【0024】マスクホルダ14はマスク12を着脱可能
に載せ得る機能をもつ。マスクホルダ14は、マスク1
2を載せた状態で、案内レール6に沿って矢印Y方向に
おいて移動し、移動に伴い、マスク12を昇降テーブル
1の上方にセットしたり、マスク12を昇降テーブル1
から遠ざけたりする機能をもつ。マスク配置装置17
は、マスク12を1枚づつ磁気吸着または真空吸着する
吸着部17rと、吸着部17rを移動させる第3駆動手
段19とをもつ。
【0025】図3に示す第1駆動手段3が駆動すると、
昇降装置2の昇降テーブル1が高さ方向つまり矢印Z
1、Z2方向に沿って昇降し、昇降テーブル1上に積層
されている散布層の高さ位置を調整できる。第1駆動手
段3は信号線3xを介して、第2駆動手段7は信号線7
xを介して、第3駆動手段19は信号線19xを介して
制御装置32により制御される。
【0026】図4は散布装置5を示す。散布装置5は、
貯蔵室51及び吐出口52a、52cをもつ収容容器5
3と、収容容器53の底部に回転可能に装備された切り
出しローラ54とを備えている。貯蔵室51には粉粒体
としての樹脂被覆砂HAが装填されている。樹脂被覆砂
HAは、レーザビームの照射で熱硬化して固化する熱硬
化型樹脂を用い、熱硬化型樹脂を砂粒子に被覆したもの
である。熱硬化型樹脂の材質はフェノール系樹脂であ
る。切り出しローラ54には多数個の切り出し溝54m
が周方向に沿って列設されている。図4に示すように散
布装置5には厚み検出センサ50tが搭載されている。
厚み検出センサ50tは、散布装置5が移動する矢印S
1、S2方向において吐出口52a、52cの中間に位
置している。その理由は、散布装置5の往動、復動の双
方に対処するためである。厚み検出センサ50tは、発
光部と受光部とをもち、発光部から距離検出用のレーザ
ビーム等の検出光を散布層55に向けて放出し、散布層
55で反射した検出光を受光部で受光することにより、
発光部と散布層55との間の距離hを検出する。
【0027】案内レール6で案内される散布装置5の高
さ位置は、案内レール6により規定されている。従って
散布装置5が矢印S1、S2方向に移動したとしても、
厚み検出センサ50tの高さ位置は一定値である。更に
本例では散布する面の高さ位置KC(図4参照)は、常
に一定とされている。故に前記した距離hが検出されれ
ば、散布層55の厚みが非接触で検出される。
【0028】図5は照射工程を示す。レーザ発振機8か
ら発振したレーザビームはビームエキスパンダ9aでビ
ーム径が拡大され、固定ミラー9b〜9dを経て回転ミ
ラー装置10に至る。回転ミラー装置10は、矢印XA
方向に揺動して振動するX回転ミラー21をもつXガル
バノスキャナ22と、YA方向に揺動して振動するY回
転ミラー24をもつYガルバノスキャナ25とをもつ。
X回転ミラー21が矢印XA方向に所定の振動数で振動
すると、レーザビームは矢印X方向においてその振動数
で振動する。Y回転ミラー24が矢印YA方向のうちの
一方向に揺動すると、矢印X方向で振動するレーザビー
ムは、矢印Y方向のうちのY1方向に移動する。従って
レーザ発振機8、伝達系9、回転ミラー装置10はレー
ザ照射装置20を構成する。制御装置32は信号線10
aを介して回転ミラー装置10のXガルバノスキャナ2
2、信号線10bを介してYガルバノスキャナ25を制
御し、信号線8aを介してレーザ発振機8の出力を制御
する。
【0029】本例では図5から理解できるように、照射
にあたっては、レーザビームが矢印X方向における照射
端Maから照射端Mcまでの間で多数回往復移動して振
動する間に、その振動するレーザビームはY回転ミラー
24の作動により照射端Maから照射端Meへ矢印Y1
方向に1回往動する。これによりレーザビームによる連
続波状の照射軌跡が形成される。図5から理解できるよ
うに、連続波状の照射軌跡は、照射端Ma、Mcとして
機能する頂点域を実質的に三角形状につないだ三角波あ
るいは疑似三角波が連続した軌跡である(レーザビーム
のスポット径:D、スキャンピッチ:P)。
【0030】更に本例では図5に示すように、昇降テー
ブル1に散布した散布層55の温度を検出する温度セン
サ30が装備されている。温度センサ30は、散布層5
5のうち、マスク12で遮光されレーザビームが照射さ
れなかった部位に対応する領域を非接触で検出する。温
度センサ30の検出信号は信号線30fを経て制御装置
32に伝達され、制御装置32は温度センサ30の検出
信号に応じてレーザビームの照射を制御する。
【0031】さて本例では、鋳型100が積層造形で形
成される。この場合には、先ず散布工程が実行される。
即ち図4から理解できるように、切り出しローラ54を
矢印R1方向に回転させつつ、昇降テーブル1の載置面
1wに沿って散布装置5を矢印S1方向に定速度で往動
させ、これにより砂を昇降テーブル1の載置面1wに散
布する。散布層55の厚みtは造形物の種類に応じて適
宜選択できるものの、例えば0.1〜0.4mm、特に
0.2mm程度にできるが、これに限定されるものでは
ない。
【0032】上記のように散布工程の往動を終えたら、
マスク交換処理を行い、新しいマスク12で散布層55
の上方を覆う。次に照射工程を実行する。照射工程で
は、図5から理解できるように、昇降テーブル1に形成
した散布層55の上面をマスク12で覆った状態で、レ
ーザビームMをマスク12越しに散布層55にスキャン
照射する。スキャン照射は、マスク12の透過窓11
(サイズ;A×B)よりも広い範囲にわたって実行され
る。
【0033】照射工程においては照射されたレーザビー
ムMはマスク12の透過窓11を透過し、散布層55に
到達し、これを加熱する。散布層55のうち、レーザビ
ームMが照射された砂部分は熱硬化して固化し、薄い固
化層55Aが形成される。一方、散布層55のうち、マ
スク12で遮光されてレーザビームMが照射されなかっ
た部分は熱硬化されずに未固化であり、排出可能であ
る。
【0034】上記のように照射工程により、透過窓11
の形状に対応した形状をもつ固化層55Aが形成され
る。照射工程を終えたら、次に昇降テーブル1を降下ピ
ッチ量Kぶん矢印Z2方向に降下させる。降下ピッチ量
Kは散布層55の厚みに実質的に相当する。従って、新
しく散布する散布層55の高さ位置は、毎回ごとに一定
となる。
【0035】そして散布工程の復動を行うべく図4から
理解できるように、切り出しローラ54を矢印R2方向
に逆回転させつつ、昇降テーブル1上の固化層55Aに
沿って散布装置5を矢印S2方向に復動させ、これによ
り砂を散布し、新たな散布層55を形成する。上記のよ
うに散布工程の復動を終えたら、再びマスク交換処理を
行い、新しいマスク12で散布層55の上方を覆う。そ
の後、照射工程を再び実行すべく、新たな散布層55に
マスク12越しにレーザビームを照射する。このような
散布工程、マスク交換処理、照射工程が順に多数回繰り
返されると、積層造形が進行し、三次元造形物としての
鋳型100が形成される。
【0036】ところで、図6(A)は、鋳型100を構
成する所定の枚数目の固化層55Aの平面図を示す。固
化層55Aには、鋳造キャビティ100aが形成され、
更に複数個の排出通路110が鋳型100の鋳造キャビ
ティ100aと鋳型100の外方KAとを連通するよう
に形成されている。従って鋳型100の造形後に、鋳造
キャビティ100aに残留した未固化の樹脂被覆砂を、
排出通路110を介して鋳型100の外方KAに排出す
ることができる。このとき未固化の樹脂被覆砂の排出の
促進のために、排出通路110にエアブローを吹き込ん
だり、あるいは、排出通路110から吸引したりでき
る。
【0037】図6(B)は、図6(A)に示す固化層5
5Aを形成するためのマスク12を示す。マスク12に
は第1マスク部12xが形成されている。第1マスク部
12xはレーザビームを遮るものであり、鋳造キャビテ
ィ100aに相応する平面形状をもつ。マスク12に
は、第1マスク部12xを支持するために、第1マスク
部12xと外枠12mとを連結する複数個のブリッジ1
2nが形成されている。各ブリッジ12nは、排出通路
110を形成するためにレーザビームを遮るものであ
る。そのため、ブリッジ12nの幅寸法DAは、排出通
路110の幅寸法DBに相応するように幅広とされてい
る。このように幅広なブリッジ12nが第1マスク部1
2xを支持するため、第1マスク部12xを支持する支
持剛性を高め得る利点が得られる。なおマスク12は、
レーザビームを遮る性質をもつ金属(例えば鉄板、アル
ミ板、アルミ箔、アルミテープ等)で構成できる。
【0038】(そのほか)上記した図1に示す実施例で
は、冷やし金420には通水路421が設けられてお
り、冷やし金400には通水路が設けられていないが、
冷やし金400のサイズにもよるが、冷やし金420の
他に、冷やし金400にも通水路を設け、冷やし金40
0を冷却水で強制冷却する方式を採用することもでき
る。
【0039】図1に示す実施例では、鋳型100は大気
中に設置されているが、これに限らず、鋳型100を図
略の減圧チャンバの減圧室に収容することもできる。こ
の場合には、減圧室を減圧することにより、鋳型100
の鋳造キャビティ100a内を減圧し、この状態で、鋳
型100の鋳造キャビティ100aに溶湯を供給する。
【0040】小型の冷やし金400のサイズよりも排出
通路110が大きめに形成された場合には、小型の冷や
し金400の外面に被覆剤を塗布し、被覆剤により、冷
やし金400の外面におけるシール性や接着性を高めて
も良い。図1に示す実施例は、低圧鋳造に適用した場合
であるが、これに限らず、重力鋳造や他の鋳造にも適用
できることは勿論である。
【0041】
【発明の効果】本発明に係る積層造形鋳型によれば、未
固化状態の粉粒体の排出の促進を図り得る。また未固化
の粉粒体を排出する排出通路または開口部に配置された
冷やし金により、鋳造キャビティ内の溶湯の凝固を促進
させ得、鋳造品質の向上、鋳造サイクルの短縮化に有利
となる。
【0042】本発明に係る鋳造方法によれば、未固化の
粉粒体を排出する排出通路または開口部に冷やし金を配
置しているため、鋳造キャビティ内の溶湯の冷却促進に
も利用でき、鋳造キャビティ内の溶湯の凝固を促進させ
得、鋳造品質の向上、鋳造サイクルの短縮化に有利とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例に係る構成を模式的に示す断面図であ
る。
【図2】実施例に係る構成を模式的に示す異なる方向の
断面図である。
【図3】適用例の全体構成を示す斜視図である。
【図4】散布工程を示す構成図である。
【図5】照射工程を示す構成図である。
【図6】(A)は鋳型を構成する所定の枚数目の固化層
の平面図であり、(B)はその固化層を形成するための
マスクを示す平面図である。
【符号の説明】
図中、100は鋳型、110は排出通路、130は開口
部 、400は小型の冷やし金、420は大型の冷やし
金、8はレーザ発振機、10は回転ミラー装置、12は
マスク、55は散布層、55Aは固化層を示す。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粉粒体を散布して形成した散布層に照射エ
    ネルギを照射して固化層を形成し、固化層を積層するこ
    とにより造形された鋳造キャビティをもつ鋳型であっ
    て、 前記鋳造キャビティに連通する未固化の粉粒体を排出す
    る排出通路または開口部をもち、 前記排出通路または開口部に、前記鋳造キャビティに対
    面するように冷やし金が配置されていることを特徴とす
    る積層造形鋳型。
  2. 【請求項2】請求項1に係る積層造形鋳型を用い、 前記積層造形鋳型の鋳造キャビティに溶湯を供給し、前
    記鋳造キャビティ内の溶湯の冷却を前記冷やし金により
    促進しつつ、前記溶湯を凝固させるようにしたことを特
    徴とする積層造形鋳型を用いた鋳造方法。
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