JP2000024755A - 鋳型の製造方法及びその装置 - Google Patents

鋳型の製造方法及びその装置

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JP2000024755A
JP2000024755A JP10197557A JP19755798A JP2000024755A JP 2000024755 A JP2000024755 A JP 2000024755A JP 10197557 A JP10197557 A JP 10197557A JP 19755798 A JP19755798 A JP 19755798A JP 2000024755 A JP2000024755 A JP 2000024755A
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Motoyuki Suzuki
基之 鈴木
Kazuki Watanabe
一樹 渡辺
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳型の製作時間を短縮する。 【解決手段】 本発明に係る鋳型の製造方法は、溶湯の
流入部分が、溶湯の熱で気化消失する模型Cによって形
成されている鋳型Wの製造方法において、模型材料C及
び/又は溶湯に溶けない耐熱性材料Sとから構成される
ほぼ一定厚みの鋳型分割層W1〜Wnを形成し、その鋳
型分割層W1〜Wnを順番に積層する。このため、模型
Cの製作と鋳型Wの製作とを同一の工程で行うことがで
き、鋳型の製作時間を短縮することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶湯の流入部分
が、溶湯の熱で気化消失する模型によって形成されてい
る鋳型、即ち、フルモールド法において使用される鋳型
の製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】フルモールド法において使用される鋳型
を製造するには先ず発泡ポリスチレン等の模型材料を使
用して鋳物と等しい形状の模型を製作する。前記模型は
ブロック状の模型材料を削る方法、金型内で模型材料を
発泡成形する方法、又は模型のスライス層を成形してそ
のスライス層を順番に積層する方法等により製作される
(特開平6−226869号)。
【0003】次に、模型を使用して造型機で鋳型を製作
する。鋳型は型枠内で模型を鋳型砂中に埋め込み、その
鋳型砂を固めることにより製作される。この時、模型の
周囲に充填された鋳型砂が均等に固められるように、鋳
型砂等に対して繰り返し振動や圧縮が加えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記した
鋳型の製造方法では、模型を製作する工程とその模型を
鋳型砂に埋め込んで鋳型を製作する工程とが必要となる
ため、鋳型の製作時間が長くなる。特に、模型の形状が
複雑な場合には鋳型砂に埋め込む際に振動等を加える回
数が多くなり、鋳型の製作時間はさらに長くなる。した
がって、鋳型の製作時間が長くなることにより鋳造のリ
ードタイムが長くなる。また、上記した鋳型の製造方法
を実施するためには模型を製造する設備と鋳型を製造す
る設備(造型機)とが必要となるため、設備管理が煩雑
になるとともに設備費も高くなる。
【0005】そこで、本発明のうち請求項1に記載の発
明は、鋳型の製造時間を短くすることにより鋳造のリー
ドタイムの短縮を図ることをその目的とする。請求項2
に記載の発明は、請求項1に記載の発明の目的に加え
て、多種類の鋳型の製造を可能にすることをその目的と
する。請求項3に記載の発明は、単一の設備で模型の製
造と鋳型の製造とを行えるようにして、設備管理を容易
にするとともに設備コストの低減を図ることをその目的
とする。また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記
載の発明の目的に加えて、単一の設備で多種類の鋳型の
製造を可能にすることをその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、以下の
特徴を有する鋳型の製造方法及びその装置によって解決
される。即ち、請求項1に記載の鋳型の製造方法は、溶
湯の流入部分が、溶湯の熱で気化消失する模型によって
形成されている鋳型の製造方法において、模型材料及び
/又は溶湯に溶けない耐熱性材料とから構成されるほぼ
一定厚みの鋳型分割層を形成し、その鋳型分割層を順番
に積層する。本発明によると、模型の製作と鋳型の製作
とを同一の工程で行えるため、従来よりも鋳型の製作時
間を短縮できる。さらに、鋳型分割層を形成してその鋳
型分割層を順番に積層するだけで模型が埋め込まれた鋳
型を成形できるため、模型の形状が複雑であっても鋳型
の製作時間が長くならない。このため、鋳造のリードタ
イムを短縮することができる。
【0007】請求項2に記載の鋳型の製造方法は、請求
項1に記載された鋳型の製造方法において、模型の形状
データに基づくロボットの制御により、鋳型分割層を支
持する受け台と耐熱性材料あるいは模型材料を流出させ
るノズルとを水平方向に相対移動させ、模型の成形位置
でノズルから模型材料を流出させ、その他の位置でノズ
ルから耐熱性材料を流出させて鋳型分割層を形成する。
このため、模型の形状データを変更することにより鋳型
分割層における模型の形状を変えることができ、多種類
の鋳型の製造が可能となる。
【0008】請求項3に記載の鋳型の製造装置は、請求
項1に記載された鋳型の製造方法を実施するための装置
において、耐熱性材料あるいは模型材料を流出させるノ
ズルと、鋳型分割層を支持する受け台と、前記ノズルと
受け台とを三次元方向へ相対移動させるロボットと、前
記ノズルの開閉動作及び前記ロボットの動作を制御する
コントローラとを有する。ここで、前記ノズルは耐熱性
材料用と模型材料用とを別々に設けても良いし、一つの
ノズルを耐熱性材料用と模型材料用とに切り替えて使用
するものであっても良い。本発明により、単一の設備で
模型の製造と鋳型の製造とを行うことができ、設備管理
が容易になるとともに設備コストの低減を図ることがで
きる。
【0009】請求項4に記載の鋳型の製造装置は、請求
項3に記載された鋳型の製造装置において、前記コント
ローラは、模型の三次元形状データに基づいて前記ノズ
ルの開閉動作及び前記ロボットの動作を制御する。本発
明により、請求項2に記載された鋳型の製造方法を実施
することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図1から図7に基づいて本
発明の一の実施の形態に係る鋳型の製造方法及びその装
置の説明を行う。本実施の形態に係る鋳型は、フルモー
ルド法において使用される鋳型Wであり、溶湯の熱で気
化消失する消失模型C(以下、模型Cという)とその模
型Cを覆う砂型Sとから構成されている。ここで、図1
から図4は本実施の形態に係る鋳型の製造方法を表す図
面であり、図5から図7は本実施の形態に係る鋳型の製
造装置を表す図面である。
【0011】鋳型の製造装置1は図5に示されるように
角形のベース2を備えており、そのベース2上に鋳型W
を収納する上部開放型の成形槽12が載置されている。
即ち、前記成形槽12が本発明の受け台として機能す
る。前記ベース2の横にはX,Y,Z軸方向にハンド
(図示されていない)を動かすことができる直角座標型
ロボット10が設置されており、そのロボットのハンド
に積層用トーチ30が装着されている。ここで、鋳型の
製造装置1の幅方向をX軸方向、前後方向をY軸方向、
高さ方向をZ軸方向として説明を行う。
【0012】直角座標型ロボット10は前記積層用トー
チ30をX,Y,Z軸方向に動かすX軸モータ10x、
Y軸モータ10y、及びZ軸モータ10zを備えてお
り、各軸モータ10x,10y,10zが図7に示され
るようにコントローラ11の動作指令出力部からの信号
に基づくアンプの動作電流によって駆動される。また、
積層用トーチ30のX,Y,Z軸方向の移動距離はそれ
ぞれX軸スケール10a、Y軸スケール10b、Z軸ス
ケール10cによって測定され、それらの測定値がコン
トローラ11のスケール値入力部に入力される。即ち、
前記コントローラ11は、各軸スケール10a,10
b,10cの測定値に基づいて各軸モータ10x,10
y,10zをフィードバック制御し、直角座標型ロボッ
ト10のハンドに装着されている積層用トーチ30を
X,Y,Z軸方向に設定距離だけ移動させる。
【0013】前記積層用トーチ30は砂あるいは模型材
料等を一定流量で流出させながらその流出させた砂ある
いは模型材料等を平らにならすものであり、砂等の流出
性を考慮して下向き装着されている。積層用トーチ30
は図6に示されるように第一ノズル31、第二ノズル3
2及び第三ノズル33を備えており、その積層用トーチ
30の先端面30fにそれらのノズル31,32,33
の開口が形成されている。また、積層用トーチ30の先
端面30fは平坦に成形されており、ノズル31,3
2,33から流出した砂や模型材料の表面を平らにする
へらとして機能する。
【0014】前記積層用トーチ30の第一ノズル31は
砂と粘結剤との混合物(以下、砂という)を貯留する第
一タンク21(図5参照)と第一配管31pによって接
続されている。前記第一タンク21には砂を第一ノズル
31まで送るためのポンプが内蔵されており、また、前
記第一ノズル31にはそのノズル31を開閉するための
第一遮断弁31v(図示されていない)が装着されてい
る。このため、前記ポンプが駆動している状態で第一遮
断弁31vが開放されると、第一ノズル31から砂が一
定流量で流出する。また、第一遮断弁31vが閉じられ
ることにより第一ノズル31からの砂の流出が止められ
る。即ち、前記砂が本発明の耐熱性材料に相当する。
【0015】前記第二ノズル32は消失性材料である発
泡スチロールの小球(以下、模型材料という)を貯留す
る第二タンク22と第二配管32pによって接続されて
いる。前記第二タンク22には模型材料を第二ノズル3
2まで送るためのポンプが内蔵されており、また、前記
第二ノズル32にはそのノズル32を開閉するための第
二遮断弁32v(図示されていない)が装着されてい
る。このため、前記ポンプが駆動している状態で第二遮
断弁32vが開放されると、第二ノズル32から模型材
料が一定流量で流出する。また、第二遮断弁32vが閉
じられることにより第二ノズル32からの模型材料の流
出が止められる。
【0016】前記第三ノズル33は模型材料の接着用バ
インダ(以下、バインダという)を貯留する第三タンク
23と第三配管33pによって接続されている。前記第
三タンク23にはバインダを第三ノズル33まで送るた
めのポンプが内蔵されており、また、前記第三ノズル3
3にはそのノズル33を開閉するための第三遮断弁33
v(図示されていない)が装着されている。このため、
前記ポンプが駆動している状態で第三遮断弁33vが開
放されると、第三ノズル33からバインダが一定流量で
流出する。また、第三遮断弁33vが閉じられることに
より第三ノズル33からのバインダの流出が止められ
る。
【0017】前記第一タンク21、第二タンク22、第
三タンク23のポンプ及び前記第一遮断弁31v、第二
遮断弁32v、第三遮断弁33vは、図7に示されるよ
うに、コントローラ11の信号出力部から出力された電
気信号に基づいて作動される。なお、各々のタンク2
1,22,23と各々のノズル31,32,33とを接
続する第一配管31p、第二配管32p及び第三配管3
3pは積層用トーチ30のX,Y,Z方向の動きを妨げ
ないように可撓性を有している。
【0018】前記直角座標型ロボット10及び積層用ト
ーチ30を制御するコントローラ11は、データ生成用
コンピュータ40からのデータに基づいて動作する。前
記データ生成用コンピュータ40は鋳型W(模型C+砂
型S)の三次元形状のデータを高さ方向に寸法H間隔で
水平にn分割した二次元形状データ(以下、等高線デー
タという)に変換する。即ち、厚みHの鋳型分割層W1
〜Wnを成形するための等高線データ(No,1〜N
o,n)を作成する。そして、前記鋳型Wの等高線デー
タを最下部(No,1)の等高線データから順番にコン
トローラ11に転送する。前記コントローラ11は、転
送された等高線データに基づいて直角座標型ロボット1
0の動作と積層用トーチ30のノズル開閉動作とを制御
して、鋳型分割層を順番に形成する。図3は、一例とし
て、最下部からe番目の鋳型分割層Weの平面形状を表
しており、図4はその鋳型分割層WeのNo,e等高線
データを表している。
【0019】図3において、外枠の部分12は前述の成
形槽12を表しており、記号Sは砂の位置、記号Cは模
型材料の位置を表している。No,e等高線データは、
成形槽12内をX軸方向にn等分、Y軸方向にn等分し
てマトリクス化し、それぞれの点について砂Sか、ある
いは模型材料Cかを指定している(図4(A)参照)。
即ち、成形槽12の内部は、第1行(Y1)〜第n行
(Yn)によって前後方向(Y軸方向)にn等分されて
おり、第1列(X1)〜第n列(Xn)によって左右方
向(X軸方向)にn等分されている。ここで、第1行
(Y1)が成形槽12の後端側に位置しており、第n行
(Yn)が成形槽12の前端側、第1列(X1)が成形
槽12の左端側、第n列(Xn)が成形槽12の右端側
に位置している。
【0020】例えば、図3において、成形槽内の第1行
(Y1)に相当する位置(後端位置)は砂Sのみが存在
するため、図4(A)における第1行(Y1)の第1列
(X1)〜第n列(Xn)は全て砂Sに指定される。同
様に成形槽内の第2行(Y2)〜第m−1行(Ym−
1)に相当する位置も砂Sのみが存在するため、図4
(A)における第1行(Y1)〜第m−1行(Ym−
1)までの第1列(X1)〜第n列(Xn)は全て砂S
に指定される。
【0021】前記成形槽内の第m行に相当する位置は、
砂Sと模型材料Cとが混在するため、図4(A)におけ
る第m行(Ym)の第1列(X1)〜第n列(Xn)は
砂Sと模型材料Cとの配置に基づいて指定される。即
ち、第1列(X1)から第e−1列(Xe−1)までが
砂S、第e列(Xe)から第f列(Xf)までが模型材
料C、第f+1列(Xf+1)から第g−1列(Xg−
1)までが砂S、第g列(Xg)から第h列(Xh)ま
でが模型材料C、第h+1列(Xh+1)から第i−1
列(Xi−1)までが砂S、第i列(Xi)から第j列
(Xj)までが模型材料C、第j+1列(Xj+1)か
ら第n列(Xn)までが砂Sに指定される。
【0022】同様にして、前記成形槽内の第n行(前端
位置)に相当する位置までの全ての行について、第1列
(X1)〜第n列(Xn)が砂Sか、あるいは模型材料
Cかが指定される。しかし、マトリクス化された等高線
データはデータ量が多大であるため、前記等高線データ
をコントローラ11に転送する際には、図4(B)に示
されるように、等高線データを模型材料Cの範囲のみを
指定する形式に変換してデータ量を減少させている。こ
れによって、等高線データの転送時間が短縮される。
【0023】次に、図1、図2に基づいて本実施の形態
に係る鋳型の製造方法の説明を行う。先ず、データ生成
用コンピュータ40によって鋳型の三次元形状のデータ
が高さ方向(Z軸方向)に寸法H間隔で水平にn分割さ
れた二次元形状のデータ(以下、等高線データという)
に変換される。即ち、厚みHの鋳型分割層W1〜Wnを
形成するための等高線データ(No,1〜No,n)が
作成される。次に、前記鋳型の最下部(第1番目)の鋳
型分割層W1を形成するためのNo,1等高線データが
コントローラ11に転送される。
【0024】コントローラ11は、データ生成用コンピ
ュータ40から転送されてきたNo,1等高線データに
基づいて直角座標型ロボット10の動作と積層用トーチ
30のノズル開閉動作とを制御する。先ず、直角座標型
ロボット10により積層用トーチ30が動かされ、その
積層用トーチ30の先端面30fが成形槽12の底面か
ら高さHの位置に位置決めされる。次に、その積層トー
チ30が直角座標型ロボット10により、成形槽内の第
1行(Y1)に相当する位置(後端位置)を左右、即
ち、第1列から第n列(X1〜Xn)まで動かされる
(図2(A)参照)。
【0025】ここで、最下部の鋳型分割層W1は、図1
に示されるように、砂Sのみで構成されるため、積層用
トーチ30がX軸方向に動かされている間、第一遮断弁
31vは開放状態に保持される。このため、積層用トー
チ30の第一ノズル31から砂Sが一定流量で連続して
流出し、その砂sが成形槽12の底面に積層されて積層
用トーチ30の先端面30で平らに延ばされる。これに
よって、成形槽12の底面上には第1行に相当する位置
に厚みHの砂Sの帯が形成される。
【0026】次に、前記積層トーチ30が第2行(Y
2)の第1列から第n列(X1〜Xn)まで動かされ
る。これによって、同様に成形槽12の底面上には第2
行に相当する位置に厚みHの砂Sの帯が形成される。こ
のようにして、前記積層トーチ30が第n行(Yn)の
第1列から第n列(X1〜Xn)まで順番に動かされる
と、第1行に相当する位置から第n行に相当する位置の
砂Sの帯が互いに連続して厚みHの鋳型分割層W1が形
成される。
【0027】次に、第2番目の鋳型分割層W2を形成す
るためのNo,2等高線データがデータ生成用コンピュ
ータ40からコントローラ11に転送される。コントロ
ーラ11は、データ生成用コンピュータ40から転送さ
れてきたNo,2等高線データに基づいて直角座標型ロ
ボット10の動作と積層用トーチ30のノズル開閉動作
とを制御する。ここで、第2番目の鋳型分割層W2の平
面形状が、図3に示される平面形状に等しいと仮定して
直角座標型ロボット10と積層用トーチ30との動作説
明を行う。
【0028】先ず、直角座標型ロボット10により積層
用トーチ30が動かされ、その積層用トーチ30の先端
面30fが成形槽12の底面から高さ2×Hの位置に位
置決めされる。次に、その積層トーチ30が直角座標型
ロボット10により、成形槽内の第1行に相当する位置
の第1列から第n列(X1〜Xn)まで動かされる。第
1行(Y1)は全て砂Sで指定されているため(図4参
照)、第一遮断弁31vは開放状態に保持される。この
ため、積層用トーチ30の第一ノズル31から砂Sが一
定流量で連続して流出し、その砂Sが鋳型分割層W1に
積層されて積層用トーチ30の先端面30で平らに延ば
される。これによって、鋳型分割層W1の上には第1行
に相当する位置に厚みHの砂Sの帯が形成される。
【0029】次に、その積層トーチ30が直角座標型ロ
ボット10により、第2行(Y2)の第1列から第n列
(X1〜Xn)まで動かされる。第2行(Y2)も全て
砂Sで指定されているため(図4参照)、第一遮断弁3
1vは開放状態に保持される。これによって、鋳型分割
層W1の上には第2行に相当する位置に厚みHの砂Sの
帯が形成される。
【0030】このようにして、第3行、第4行 … と
繰り返し積層トーチ30が動かされ、鋳型分割層W1の
上には第3行、第4行 … に相当する位置に厚みHの
砂Sの帯が形成される。そして、積層トーチ30が第m
行に到達すると、第m行では砂Sと模型材料Cとが混在
するために、砂Sと模型材料Cとの位置に応じて第一遮
断弁31vと第二遮断弁32v、第三遮断弁33vが切
り替えられる。
【0031】即ち、第m行では、第1列(X1)から第
e−1列(Xe−1)までの間、第一遮断弁31vが開
放される。これによって、第1列(X1)から第e−1
列(Xe−1)までは厚みHの砂Sの帯が形成される。
第e列(Xe)から第f列(Xf)までの間は、第一遮
断弁31vが閉じられ、第二遮断弁32v、第三遮断弁
33vが開放される。これによって、第二ノズル32か
ら流出した模型材料Cと第三ノズル33から流出したバ
インダとが混ぜられながら積層用トーチ30の先端面3
0で平らに延ばされる。このため、第e列(Xe)から
第f列(Xf)までは厚みHの模型材料Cとバインダと
の帯(以下、模型材料Cの帯という)が形成される。
【0032】第f+1列(Xf+1)から第g−1列
(Xg−1)までの間は、第二遮断弁32v、第三遮断
弁33vが閉じられ、第一遮断弁31vが開放される。
これによって、第f+1列(Xf+1)から第g−1列
(Xg−1)までは厚みHの砂sの帯が形成される。第
g列(Xg)から第h列(Xh)までの間は、第一遮断
弁31vが閉じられ、第二遮断弁32v、第三遮断弁3
3vが開放される。これによって、第g列(Xg)から
第h列(Xh)までは、厚みHの模型材料Cの帯が形成
される。同様に、第h+1列(Xh+1)から第i−1
列(Xi−1)までの間は厚みHの砂Sの帯、第i列
(Xi)から第j列(Xj)までの間は厚みHの模型材
料Cの帯、第j+1列(Xj+1)から第n列(Xn)
までの間は厚みHの砂Sの帯が形成される。
【0033】このようにして、第m行(Ym)が終了し
て、同様に、第m+1行、第m+2行 … 第n行まで
積層トーチ30が移動すると、厚みHの第2番目の鋳型
分割層W2が完成する。即ち、第1番目の鋳型分割層W
1の上に厚みHの第2番目の鋳型分割層W2が積層され
る。なお、前記積層用トーチ30が第1行から第n行ま
で移動する過程で模型材料Cを接着するバインダはほぼ
凝固する。次に、第3番目の鋳型分割層W3を形成する
ためのNo,3等高線データがデータ生成用コンピュー
タ40からコントローラ11に転送される。
【0034】コントローラ11は、データ生成用コンピ
ュータ40から転送されてきたNo,3等高線データに
基づいて直角座標型ロボット10の動作と積層用トーチ
30のノズル開閉動作とを制御して、第2番目の鋳型分
割層W2の上に厚みHの第3番目の鋳型分割層W3を積
層する。このようにして、順番に第4番目の鋳型分割層
W4、第5番目の鋳型分割層W5、… 第e番目の鋳型
分割層We、… 第n番目の鋳型分割層Wnまで積層し
た段階で、鋳型W(模型C+砂型S)の製作が終了す
る。このようにして製作された鋳型Wは溶湯の注入位置
まで搬送され、その鋳型Wの模型Cの部分に溶湯が注入
される。これによって、模型Cが溶湯の熱で気化消失
し、模型Cと同形状の鋳物が製造される。
【0035】このように本実施の形態に係る鋳型の製造
方法では、模型Cの製作と砂型Sの製作とを同一の工程
で行えるようになり、従来のように模型の製作後にその
模型を鋳型砂に埋め込むための砂込め作業が必要なくな
る。このため、鋳型の製作時間を短縮することができ、
これによって鋳造のリードタイムを短くすることができ
る。また、本実施の形態に係る鋳型の製造装置1では、
模型Cの製造と砂型Sの製造とを同一の設備で行えるた
め、従来と比べて設備管理が容易になる。また、設備ス
ペースもコンパクト化できるとともに、設備費も低減す
る。また、データ生成用コンピュータ40において鋳型
の三次元データを変更することにより、模型の形状を容
易に変更することができ、多種類の鋳型の製造が可能に
なる。
【0036】ここで、本実施の形態においては、積層用
トーチ30を、図2(A)に示されるように、第1行
(Y1)から第n行(Yn)まで順番に移動させる例を
示したが、これに限定されず、図2(B)に示されるよ
うに、先に模型材料Cの部分を成形した後、砂Sの部分
を成形する方法でも可能である。また、本実施の形態で
は、模型材料Cを接着するのにバインダを使用したが、
レーザーで模型材料Cを溶かして接着する方法でも可能
である。また、本実施の形態では、模型材料Cの積層用
トーチと砂の積層用トーチとを共用したが、積層用トー
チを分けても良い。
【0037】また、本実施の形態では、模型材料Cのノ
ズルとバインダ用のノズルとをそれぞれ別個に設けた
が、模型材料Cとバインダとを混ぜた状態で一つのノズ
ルから流出させることも可能である。また、本実施の形
態では、砂で模型材料を覆うようにしたが、砂の代わり
に、セラミックあるいはセメント等の耐熱性材料を使用
することも可能である。また、本実施の形態では、模型
材料として発泡スチロールを使用したが、発泡スチロー
ルの代わりに、ワックス等の樹脂を使用することも可能
である。
【0038】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、この発明の実施の形態には請求の範囲に記載した
技術的事項以外に次のような技術的事項を有するもので
あることを付記しておく。 (1) 請求項2に記載された鋳型の製造方法におい
て、模型材料を全て位置決めした後、その周囲に耐熱性
材料を位置決めして、鋳型分割層を形成する鋳型の製造
方法。 (2) 請求項2に記載された鋳型の製造方法におい
て、ノズルから流出した模型材料の粒子を接着剤で一体
化する鋳型の製造方法。 (3) 請求項2に記載された鋳型の製造方法におい
て、ノズルから流出した模型材料の粒子をレーザーで溶
かして一体化する鋳型の製造方法。
【0039】
【発明の効果】本発明によると、模型の製造と鋳型の製
造とを同一の工程で行うことができ、従来のように模型
を鋳型砂に埋め込むための砂込め作業が不要になるた
め、鋳型の製作時間を短縮することができ、この結果、
鋳造のリードタイムを短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施の実施の形態に係る鋳型の製
造方法を表す側面図(A図,B図,C図,D図)であ
る。
【図2】本発明の一の実施の実施の形態に係る鋳型の製
造方法を表す平面図(A図,B図)である。
【図3】本発明の一の実施の実施の形態に係る鋳型の最
下部からe番目の鋳型分割層の平面図である。
【図4】本発明の一の実施の実施の形態に係る鋳型の最
下部からe番目の鋳型分割層の等高線データ面である。
【図5】本発明の一の実施の実施の形態に係る鋳型の製
造装置の全体斜視図である。
【図6】本発明の一の実施の実施の形態に係る鋳型の製
造装置における積層用トーチの斜視図である。
【図7】本発明の一の実施の実施の形態に係る鋳型の製
造装置の信号ブロック図である。
【符号の説明】
W 鋳型 C 模型 S 砂型 W1〜Wn 鋳型分割層 10 直角座標型ロボット 11 コントローラ 12 成形槽(受け台) 30 積層用トーチ 31 第一ノズル 32 第二ノズル 33 第三ノズル 40 データ生成用コンピュータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶湯の流入部分が、溶湯の熱で気化消失
    する模型によって形成されている鋳型の製造方法におい
    て、 模型材料及び/又は溶湯に溶けない耐熱性材料とから構
    成されるほぼ一定厚みの鋳型分割層を形成し、その鋳型
    分割層を順番に積層する鋳型の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載された鋳型の製造方法に
    おいて、 模型の形状データに基づくロボットの制御により、鋳型
    分割層を支持する受け台と耐熱性材料あるいは模型材料
    を流出させるノズルとを水平方向に相対移動させ、模型
    の成形位置でノズルから模型材料を流出させ、その他の
    位置でノズルから耐熱性材料を流出させて鋳型分割層を
    形成する鋳型の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載された鋳型の製造方法を
    実施するための装置において、 耐熱性材料あるいは模型材料を流出させるノズルと、 鋳型分割層を支持する受け台と、 前記ノズルと受け台とを三次元方向へ相対移動させるロ
    ボットと、 前記ノズルの開閉動作及び前記ロボットの動作を制御す
    るコントローラと、を有する鋳型の製造装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載された鋳型の製造装置に
    おいて、 前記コントローラは、模型の三次元形状データに基づい
    て前記ノズルの開閉動作及び前記ロボットの動作を制御
    する鋳型の製造装置。
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