JP2000024377A - ハウジングを有するドラム洗濯機のウエートバランサ及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート成形及び養生のための別途の金
型が要らず、またタブに対して装着時にもクラックが発
生せず、振動及び騷音低減効果を極大化させることがで
きるハウジングを有するドラム洗濯機のウエートバラン
を提供する。 【解決手段】 本発明は、ウエートバランサによるタブ
の前面に結合されたウエートハウジングと、ハウジング
の内部に設けられたコンクリートウエートとを含む。ハ
ウジングは、コンクリートウエートをその内部に注入す
るための注入口と、タブに結合させるための締結部材が
貫通する多数の貫通孔を有する。モルタルをウエートハ
ウジングの内部に注入して養生させることによりウエー
トバランサが製造されるので、従来のウエートバランサ
成形のための金型が要らなくなる。ウエートバランサの
設置時締結部材の締結力がコンクリートウエートに直接
作用されないため、コンクリートウエートが破れること
を防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明はドラム洗濯機に係
り、さらに詳しくは洗濯機の駆動時発生する振動及び騷
音を防止するためタブに結合するウエートバランサ及び
その製造方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】ドラム洗濯機は、その本体に対して水平
に設けられ両方向に交互に回転するドラムを有する。こ
のドラムには洗濯物が収められ、また外部から洗濯水が
供給される。ドラムが両方向に交互に回転することによ
りドラム内部の洗濯物と洗濯水が上側から下側に落下さ
れる作用を反復し、このような作用により洗濯物が洗濯
される。一方、ドラム洗濯機の洗濯作動時、ドラムが両
方向に交互に回転することにより大きい振動及び騷音が
発生される。これを防止するため、ドラム洗濯機ではド
ラムを収めて回転可能に支持するタブにウエートバラン
サを設けることによって、ドラムの回転によるタブの振
動及びこれに伴う騷音を低減させている。

【０００３】図１及び図２には前述したような一般的な
ドラム洗濯機が示されている。示されたように、ドラム
洗濯機は本体１０、本体１０内に支持されたタブ１２、
タブ１２内に設けられて洗濯物を収めるドラム１４及び
ドラム１４を回転させるための駆動部１６を有する。本
体１０にはドラム１４の内部に洗濯水と一緒に洗剤を供
給するための洗剤桶１８が設けられ、その側部には洗濯
条件及び作動状況を制御するための制御パネル２０が設
けられる。

【０００４】ドラム１４はタブ１２の内部に回転可能に
設けられ、多数の脱水孔を有する。また、図示していな
いが、ドラム１４の背面にはプーリーが圧入されたシャ
フトが固定されている。駆動部１６はモータとベルトを
有する。ベルトはモータの回転軸とドラムシャフトのプ
ーリーとの間に設けられてモータの駆動力をドラム１４
に伝達する。

【０００５】一方、タブ１２の前面、背面にはフロント
カバー２２とタブガスケット２４が各々結合されてい
る。フロントカバー２２にはその上面とタブ１２の外周
面を取り囲む多数のブラケット２６が固定されており、
このブラケット２６には多数のキー孔２６ａが形成され
ている。そして、前記ブラケット２６のキー孔２６ａに
はタッピングねじ３０が装着されている。このタッピン
グねじ３０はその頭部がキー孔２６ａに挿入されてフロ
ントカバー２２の前方に延設されている。

【０００６】フロントカバー２２の前面にはコンクリー
トでなされたウエートバランサ３６が装着されている。
このウエートバランサ３６はその自重によりドラムの回
転によるタブの振動及びこれに伴う騷音を低減させる。
このウエートバランサ３６はその貫通孔３６ａがタッピ
ングねじ３０に挿入されることによりタブ１２に設けら
れ、タッピングねじ３０に締結されるナット２８により
固定される。そして、ウエートバランサ３６とタッピン
グねじ３０及びナット２８との間にはワッシャ３２、３
４が介在されている。このワッシャ３２、３４は貫通孔
３６ａの両側に形成された挿入溝３６ｂに挿入されてい
る。

【０００７】このようなドラム洗濯機は、本体１０の前
面に設けられたドア３８を開けてドラム１４の内部に洗
濯物を収納した後、制御パネル２０を通じて洗濯条件を
設定すれば、駆動部１６のモータが作動し、これに伴い
ドラム１４が回転されることにより洗濯作動が行われ
る。ここで、前記ドラム１４が回転することにより発生
される振動及び騷音はタブ１２の前面に設けられたウエ
ートバランサ３６により吸収される。したがって、洗濯
機の作動時の振動及び騷音を低減させることができる。

【０００８】しかし、前記のような一般のドラム洗濯機
においては、ウエートバランサ３６が単純なコンクリー
ト成形物でなされることによって、ウエートバランサ３
６をタブ１２に対して固定する過程で、ナット２８の過
度な締結力によりウエートバランサ３６にクラックが発
生する場合がたびたび発生されている。ウエートバラン
サ３６にクラックが発生されれば、振動及び騷音低減効
果が大幅に低下されるので、ウエートバランサ３６の固
定時クラックが発生しないようにナット２８の締結力を
調節する技術が要求される。

【０００９】また、従来のウエートバランサ３６は、金
型にモルタルを注入して養生させることにより製造され
るので、これに伴いコンクリート成形及び養生のための
別途の金型を必要とし、またウエートバランサ３６の生
産量が増える場合、追加の金型製作が求められることに
よって金型製作に伴うコスト高の問題が起きる。

【００１０】

【発明が解決しようとする課題】本発明は前記のような
問題を勘案して案出したものであって、ハウジングを備
えることによってコンクリート成形及び養生のための別
途の金型が要らないし、またタブに対して装着時にもク
ラックが発生せず、振動及び騷音低減効果を極大化させ
ることができるハウジングを有するドラム洗濯機のウエ
ートバランサ及びその製造方法を提供することにその目
的がある。

【００１１】

【課題を解決するための手段】前記のような目的を達成
するための本発明に係る洗濯機のウエートバランサは、
タブの前面に設けられ、内部に所定の空間部が用意され
たウエートハウジングとハウジングの内部空間部に収め
られたコンクリートウエートを含むことを特徴とする。

【００１２】ハウジングはその内部にコンクリートウエ
ートを形成するモルタルを注入するための注入口を有
し、またタブに結合させるための締結部材が貫通する多
数の貫通孔を有する。また、本発明の目的を達成するた
めのハウジングを有するドラム洗濯機のウエートバラン
サ製造方法は、ウエートハウジングを成形するための金
型を準備する段階と、金型を用いてモルタル注入口と多
数の貫通孔を有するウエートハウジングを射出成形する
段階と、ウエートハウジングの注入口にコンクリートウ
エート成形用モルタルを注入する段階と、モルタル養生
段階とを含むことを特徴とする。

【００１３】これによれば、モルタルをウエートハウジ
ングの内部に注入して養生させることによりウエートバ
ランサが製造されることによって、従来のようなウエー
トバランサ成形のための別途の金型が要らなくなる。ま
た、ウエートバランサの設置時締結部材の締結力がコン
クリートウエートに直接作用されないため、ウエートバ
ランサ設置時コンクリートウエートが破れることを防止
できる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、添付した図面に基づき本発
明の望ましい実施形態を詳述する。図３及び図４は本発
明の一実施形態によるウエートバランサの斜視図及び断
面図である。本実施形態に対する説明において、図１及
び図２で既説明したドラム洗濯機の同一な部分について
は同一な参照符号を付して引用する。図３及び図４に示
されたように、本発明の一実施形態によるウエートバラ
ンサは外部のウエートハウジング４２と、このウエート
ハウジング４２の内部に収められたコンクリートウエー
ト４４を含む。

【００１５】前記ウエートハウジング４２は、その内部
に空間部４２ａを有するモールド成形物でなされてい
る。そして一側には注入口４２ｂが形成され、コンクリ
ートウエート４４の形成のためのモルタルを注入できる
ようになっている。またウエートハウジング４２は多数
の貫通孔４２ｃを持っている。この貫通孔４２ｃは締結
部材３０(図５参照)を貫通させるための穴である。前記
貫通孔４２ｃの両側には挿入溝４２ｄが形成されてい
る。この挿入溝４２ｄにはワッシャ３２，３４が各々位
置される。

【００１６】一方、前記コンクリートウエート４４はウ
エートハウジング４２の内部空間部４２ａに収められて
いる。前記のような構造を有する本発明の一実施形態に
よるウエートバランサを製造する方法は次の通りであ
る。先に、所定の空間部４２ａを有する略半円状のウエ
ートハウジングを成形するための金型を用いてウエート
ハウジング４２を射出成形する。

【００１７】その後、前記ウエートハウジング４２の注
入口４２ｂを通じてコンクリートウエート４４の成形の
ための適正量のモルタルを注入する。この時注入される
モルタルはウエートハウジング４２の貫通孔４２ｃを除
いた空間部４２ａに充填される。前記のようにモルタル
を注入した後、所定の養生過程を経て本発明の一実施形
態によるバランサウエートを製造する。前記のように製
造された本発明の一実施形態によるハウジングを有する
ウエートバランサ４０は従来と同一な構造でタブ１２に
装着される。

【００１８】すなわち、図５に示されたように、タブ１
２の前面にはフロントカバー２２が結合されており、こ
のフロントカバー２２の上面とタブ１２の外周面にはこ
れを同時に取り囲む多数のブラケット２６が固定されて
いる。多数のブラケット２６は各々キー孔２６ａを持っ
ており、このキー孔２６ａにタッピングねじ３０が挿入
されてタブ１２の前面に延設されている。

【００１９】前記タッピングねじ３０にウエートバラン
サ４０の貫通孔４２ｃを挿入してウエートバランサを仮
組立した後、ウエートバランサ４０の外側に突出された
タッピングねじ３０にナット２８を締結し、ウエートバ
ランサ４０をタブ１２に設ける。この時、締結力を高め
るために使われたワッシャ３２，３４は貫通孔４２ｃの
両側の挿入溝４２ｄに各々挿入される。

【００２０】

【発明の効果】以上のような本発明に係るウエートバラ
ンサは、コンクリートウエートがハウジングの内部に注
入されて養生されるのでコンクリートウエートを成形す
るための別途の金型が要らなく、この製作に伴うコスト
を大幅に節減できる。また、本発明に係るウエートバラ
ンサは、ウエートバランサ設置のためのナットの締結時
その締結力がハウジングに作用されてその内部のコンク
リートウエートには直接作用されない。それゆえに多少
過度な締結力が作用されてもコンクリートウエートにク
ラックが発生されない。したがって、振動及び騷音低減
効果を極大化させることができる。

【００２１】また、本発明はコンクリートウエートがウ
エートハウジングに包まれて直接外部に露出されないの
でその外観が美麗になる長所も得られる。以上では本発
明の特定の望ましい実施形態について図示かつ説明した
が、本発明は前記の実施形態に限らず、特許請求の範囲
で請求する本発明の要旨を逸脱せず当該発明が属する分
野で通常の知識を有する者ならば誰でも多様な変形実施
が可能であろう。

【図面の簡単な説明】

【図１】 一般のドラム洗濯機を示した分解斜視図であ
る。

【図２】 図１においてウエートバランサの装着構造を
示した要部断面図である。

【図３】 本発明の一実施形態によるウエートバランサ
の斜視図である。

【図４】 本発明の実施形態によるウエートバランサの
内部構造を示した図３のＩＩＩｂ-ＩＩＩｂ線に沿って
取った断面図である。

【図５】 本発明の一実施形態によるウエートバランサ
の装着構造を示した要部断面図である。

【符号の説明】

４０ ウエートバランサ ４２ ウエートハウジング ４２ｂ 注入口 ４２ｃ 貫通孔 ４２ｄ 挿入溝

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ドラム洗濯機の作動時ドラムの回転によ
   るタブの振動及び騷音を防止するウエートバランサにお
   いて、 前記タブの前面に設けられ、内部に所定の空間部が用意
   されたウエートハウジングと、 前記ウエートハウジングの内部空間部に収められたコン
   クリートウエートとを含むことを特徴とするドラム洗濯
   機のウエートバランサ。
2. 【請求項２】 前記ウエートハウジングはその内部にコ
   ンクリートウエートを形成するモルタルを注入するため
   の注入口を有し、かつタブに結合させるための締結部材
   が貫通する多数の貫通孔を有することを特徴とする請求
   項１に記載のドラム洗濯機のウエートバランサ。
3. 【請求項３】 ａ）ウエートハウジングを成形するため
   の金型を準備する段階と、 ｂ）前記金型を用いてモルタル注入口と多数の貫通孔を
   有するウエートハウジングを射出成形する段階と、 ｃ）前記ウエートハウジングの注入口にコンクリートウ
   エート成形用モルタルを注入する段階と、 ｄ）モルタル養生段階とを含むことを特徴とするドラム
   洗濯機のウエートバランサ製造方法。