JP2000023692A - β−グルコシドの製造方法 - Google Patents
β−グルコシドの製造方法Info
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Abstract
の製造方法であって、β−グルコシダーゼの供与体基質
として、安価及び/又は容易に製造することができる化
合物を使用することができる工業的に利用可能な方法の
提供。 【手段】 少なくとも1種の重合度3以上のβ−グルコオ
リゴ糖と水酸基を有する化合物とにβ−グルコシダーゼ
を作用させてβ−グルコシドを生成する工程を含むβ−
グルコシドの製造方法。グルコースを主成分として含む
糖液にβ−グルコシダーゼを作用させてβ−グルコオリ
ゴ糖を得る工程、及び得られたβ−グルコオリゴ糖と水
酸基を有する化合物とにβ−グルコシダーゼを作用させ
てβ−グルコシドを生成させる工程を含む、β−グルコ
シドの製造方法。
Description
ゼを用いたβ−グルコシドの製造方法に関する。
ル配糖体、ポリフェノール配糖体は植物界に広く存在
し、配糖体は植物体内で様々な役割を担っていると言わ
れている。自然界に存在するこれらの配糖体のうち大多
数はβ−グルコシドである。天然物のβ−グルコシドは
グルコース残基がβ−結合したグルコシドである。β−
グルコシドは食品素材、食品添加物、甘味剤、医薬品
(鎮痛剤、下剤、抗マラリヤ剤等)、化粧品や芳香剤の
分野で広く利用されている。
的に3つの方法が知られている。第一の方法は、植物体
等の天然物から抽出する方法、第二の方法は化学合成
法、第三の方法は酵素的合成法である。しかし、第一の
方法は、植物体に含まれるβ−グルコシドの含有量が少
ない上、夾雑物が多く含まれるため精製コストが高くつ
くという問題があった。また、第二の方法(化学的合成
法)は、一般的に糖の水酸基の保護、脱保護等の工程を
多く必要とし、繁雑である。更に、有機溶媒を使用する
ため特殊な設備が必要である。そのため、工業的製造方
法としては不利な点が多かった。
告があり、その1つとしてβ−グルコシダーゼによる糖
転移反応を利用した方法がある。特開昭59−8209
6に記載の方法ではβ−グルコシダーゼの供与体基質と
してフェニルβ−グルコシドが使用されている。しか
し、このフェニルβ−グルコシドは高価であり、工業的
に製造することも困難であるため容易に入手することが
できなかった。従って、この方法を工業的大量生産に使
用することは困難であった。特開昭63−25859で
は、セロビオース、ホロセルロース、キシラン等のセル
ロース系糖質やメチルβ−グルコシドをβ−グルコシダ
ーゼの供与体基質として使用している。しかし、これら
の供与体基質も工業的に製造することは困難であるた
め、この方法をβ−グルコシドの工業的製造に利用する
ことは困難であった。
てきた。例えば、特開平4−273890に記載のサイ
クロデキストリングルカノトランスフェラーゼを用いた
カテキン配糖体の製造方法、特開平5−176786に
記載のシュークロースホスホリラーゼを用いたカテキン
配糖体の製造方法、特開平9−224693及び特開平
9−87294に記載のα−グルコシダーゼを用いたメ
ントール配糖体の製造方法等である。これらの方法で
は、使用している酵素の性質上α−グルコシドしか製造
されなかった。また、特開平5−221834に記載の
β−ガラクトシダーゼを用いるカテコール配糖体の製造
方法、特開平8−19393に記載のβ−ガラクトシダ
ーゼを用いたステビオシド配糖体の製造方法、及び特開
平8−238093に記載のβ−ガラクトシダーゼを用
いたアルコール配糖体の製造方法では、酵素にβ−ガラ
クトシダーゼを使用していたため、β−ガラクトシドを
生成し、β−グルコシドを得ることはできなかった。従
って、いずれの方法を用いてもβ−グルコシドを製造す
ることはできなかった。
グルコシドの製造方法であって、安価及び/又は容易に
製造又は入手可能な供与体基質を用いる方法の開発が期
待されていた。
グルコシダーゼを用いたβ−グルコシドの製造方法であ
って、β−グルコシダーゼの供与体基質として、安価及
び/又は容易に製造することができる化合物を使用する
ことができる工業的に利用可能な方法を提供することに
ある。
法 (1) 本発明は、少なくとも1種の重合度3以上のβ−グルコオ
リゴ糖と水酸基を有する化合物とにβ−グルコシダーゼ
を作用させてβ−グルコシドを生成する工程を含むβ−
グルコシドの製造方法に関する。
3以上の糖がβ−グルコシダーゼの糖転移反応の糖供与
体基質として良好に使用できることを見出し、本発明を
完成した。本発明は、供与体基質として重合度3以上の
β−グルコオリゴ糖を用いたβ−グルコシダーゼの糖転
移反応によるβ−グルコシドの製造方法である。本供与
体基質は安価及び/又は容易に製造することができるた
め、本方法は工業的なβ−グルコシドの製造に利用する
ことができる。
は、重合度3以上のものであれば特に制限はなく各種β
−グルコオリゴ糖を使用することできる。糖転移反応を
効率よく行なうためには、供与体基質として重合度3〜
7のものを使用することが好ましい。また、重合度3以
上のβ−グルコオリゴ糖2種以上を含む混合物をβ−グ
ルコオリゴ糖として使用することもできる。具体的に
は、例えば、重合度3の4-0-β-D-ゲンチオビオシル-D-
グルコ−ス並びに6-0-β-D-ゲンチオビオシル-D-グルコ
ース等のゲンチオトリオース、重合度4のゲンチオテト
ラオース等、又はそれらを含有する混合物等を使用する
ことができる。また、工業的に製造された市販のβ−グ
ルコオリゴ糖液、例えば、ゲンチオトリオース及びゲン
チオテトラオースを含有する「ゲントース#80」(日本
食品化工(株)製)等を使用することもできる。
質としては、水酸基を有する化合物を使用する。水酸基
を有する化合物としては、例えば、アルコール類、芳香
族アルコール類、及びポリフェノール類等を挙げること
ができる。
5の直鎖若しくは環状アルコール、モノテルペンアルコ
ール、又はセスキテルペンアルコール等を使用すること
ができる。具体的には、モノテルペンアルコールとして
は、1−メントール、ゲラニオール、シトロネロール、
リナロール、ボルネオール、α−シクロゲラニオール、
i−ボルネオール、ラバンジュロール、ネロール、i−
プレゴール、テルピネオール等を挙げることができる。
セスキテルペンアルコールとしては、セドロール、ファ
ルネソール、ネロリドール、サンタロール、ランセオー
ル、及びオイデスモール等を挙げることができる。
ルコール、フェネチルアルコール、サリチル酸メチル、
クミンアルコール、アニスアルコール、シンナミルアル
コール、ジメチルベンジルカルピノール、ハイロドロシ
ンナミルアルコール、メチルフェニルカルビノール、及
びバニリン等を挙げることができる。
ン、カテキン、カテコール、コウジ酸、カフェー酸、及
びレゾルシノール等を挙げることができる。
配糖体生成能を有する、微生物起源又は植物由来の酵素
である。具体的には、例えば、アスペルギルス・ニガー
(Aspergillus niger)、アスペルギルス・プルベンレン
ス(Aspergillus pluverulentus)、ペニシリウム・フニ
クロサム(Penicillium funiculosum)、ペニシリウム・
フリクエンタス(Penicillium frequentus)、トリコデル
マ・ビリデイ(Trichoderma viride)、トリコデルマ・リ
ーセイ(Trichoderma reesei)等の微生物起源のβ−グル
コシダーゼを使用することができる。これらの微生物
は、公知であり、これらの微生物起源の各種酵素剤も多
数市販されているので、微生物及び酵素剤は容易に入手
することが可能である。
法により行うことができる。糖供与体及び受容体を混合
し、得られた混合物にβ−グルコシダーゼを添加し、反
応させる。反応液中の受容体基質濃度は1%〜50%、好ま
しくは5%〜30%とすることができる。β−グルコシダー
ゼの添加量は、混合物1ml当たり0.1〜50単位、好ましく
は、0.5〜10単位とすることができる。本反応液を10〜3
00時間、好ましくは、100〜150時間インキュベイトす
る。得られた反応液を1〜10、好ましくは3〜5分間煮沸
し、酵素を失活させ反応を終了させる。
pHに調整する。温度は、例えば、20〜70℃、好ましくは
30〜50℃とすることができる。pHは、例えば、3.0〜7.
0、好ましくは4.0〜6.0とすることができる。
とにより行なうことができる。緩衝液としては、酢酸ナ
トリウム、リン酸ナトリウム、及びリン酸カリウム等を
挙げることができる。緩衝液の濃度は、例えば、20〜20
0mM、好ましくは50〜100mMとすることができる。緩衝液
の使用量は、基質濃度を考慮し適宜調整する。
は、使用する受容体化合物の溶解性を高め、目的物の生
成率を向上させるために、反応を水系ではなく水−有機
溶媒混合系にして行なうこともできる。反応を水−有機
溶媒混合系にするためには、反応溶媒として有機溶媒を
使用することができる。使用する有機溶媒としては、特
に限定はないが、例えば、アセトン又はアセトニトリル
を挙げることができる。有機溶媒は、反応液中10〜50%
(w/w)、好ましくは、10〜30%(w/w)の範囲で添加する
ことができる。
含有する生成物を更に精製することができる。精製に使
用することができる方法としては、例えば、ゲル濾過ク
ロマトグラフィー、強酸性カチイオン交換樹脂クロマト
グラフィー、吸着クロマトグラフィー、及び/又は逆浸
透膜法等を挙げることができる。具体的には、例えば、
以下の方法を用いることができる。反応失活液を合成吸
着樹脂充填したカラムに通液し配糖体を吸着させ、水洗
いする。吸着した配糖体を50%メタノールで溶出し、濃
縮した配糖体を得る。得られた濃縮配糖体を更にゲル濾
過により精製することもできる。
ルコシダーゼを作用させてβ−グルコオリゴ糖を得る工
程、及び得られたβ−グルコオリゴ糖と水酸基を有する
化合物とにβ−グルコシダーゼを作用させてβ−グルコ
シドを生成させる工程とを含む、β−グルコシドの製造
方法に関する。
グルコースを主成分として含む糖液からβ−グルコオリ
ゴ糖を製造し、得られたβ−グルコオリゴ糖をβ−グル
コシダーゼの供与体基質として使用するβ−グルコシド
の製造方法である。この方法は、原料となるグルコース
が安価で容易に入手可能であるため、工業的なβ−グル
コシドの製造に適しているという利点がある。以下、β
−グルコオリゴ糖を得る工程を「工程1」とし、得られ
たβ−グルコオリゴ糖からβ−グルコシドを得る工程を
「工程2」とする。
定はなく、グルコースを含有する糖液であればいずれも
使用することができる。グルコースの含有量は、好まし
くは、0.5〜0.8g/ml、更に好ましくは、0.6〜0.7g/mlと
することができる。
β−グルコオリゴ糖を生成し得る微生物起源の酵素であ
る。好ましくは、重合度3以上のβ−グルコオリゴ糖を
効率良く生成し得る酵素を使用する。β−グルコオリゴ
糖を生成し得る微生物起源の酵素としては、例えば、ト
リコデルマ・ビリデイ(Trichoderma viride)、アスぺル
ギルス・ニガー(Aspergillus niger)、アスペルギルス
・プルベンレンス(Aspergillus pluverulentus)、ペニ
シリウム・フニクロサム(Penicillium funicuolsum)、
ペニシリウム・フリクエンタス(Penicillium frequentu
s)、トリコデルマ・リーセイ(Trichoderma reesei)等の
微生物起源のβ−グルコシダーゼを挙げることができ
る。これらの微生物は、公知であり、これらの微生物起
源の各種酵素剤も多数市販されているので、微生物及び
酵素剤は容易に入手することが可能である。工程1及び
工程2のそれぞれに使用するβ−グルコシダーゼには、
明らかな区別はない。従って、同一のβ−グルコシダー
ゼを工程1及び工程2に使用することもできる。
平1−222779及び特開平2−219584に記載
の方法等を使用することができる。例えば、以下の方法
を使用することができる。グルコースを濃度0.5〜0.8g/
ml、好ましくは、0.6〜0.7g/mlとなるように水に溶解す
る。溶液を使用する酵素に適するpHに調製する。得られ
た調製溶液1mlに対してβ−グルコシダーゼを0.5〜10単
位、好ましくは1〜3単位添加する。得られた溶液を24〜
100時間、好ましくは48〜72時間インキュベイトする。
インキュベイト中の温度は、使用する酵素に適した温
度、例えば、30〜70℃、好ましくは、40〜50℃に調節す
る。
て使用する。工程1で得られたβ−グルコオリゴ糖は、
好ましくは、重合度3以上のβ−グルコオリゴ糖を含有
するものであり、重合度2以上のβ−グルコオリゴ糖を
含有していてもよい。これは、重合度が2以上も供与体
基質となり得るが、3以上のβ−グルコオリゴ糖が特に
良好な供与体基質となりうるためである。
する化合物を使用することができる。水酸基を有する化
合物としては、例えば、アルコール類、芳香族アルコー
ル類、及びポリフェノール類等を挙げることができる。
これらの化合物の具体例としては、β−グルコシドの製
造方法(1)に記載されているものと同様のものを挙げ
ることができる。
配糖体生成能を有する、微生物起源又は植物由来の酵素
である。具体的には、β−グルコシドの製造方法(1)
と同様の酵素を使用することができる。これらの微生物
は、公知であり、これらの微生物起源の各種酵素剤も多
数市販されているので、微生物及び酵素剤は容易に入手
することが可能である。
と同様の方法及び条件により行うことができる。更に、
β−グルコシドの製造方法(2)で得られたβ−グルコ
シドを含む生成物はβ−グルコシドの製造方法(1)と
同様の方法で精製することができる。
ダーゼを用いて連続的に行なうことができる。連続的に
行なう場合は、酵素を失活させずに、工程1により得ら
れた糖溶液へ受容体基質を添加して、続けて工程2の反
応を行なう。この方法を用いることにより、工業的製造
を単純化することも可能である。
こともできる。工程1及び工程2を段階的に行なうに
は、例えば、以下の方法を用いることができる。工程1
で得られた溶液を煮沸することにより、酵素を失活さ
せ、反応を終了させる。得られたβ−グルコオリゴ糖を
工程2の供与体基質として使用する。
リゴ糖混合物を、工程2で使用する前に分画することが
できる。β−グルコオリゴ糖混合物を分画することによ
り、グルコースを除去し、β−グルコオリゴ糖の含量を
向上させることができる。β−グルコオリゴ糖の含量を
向上させるにより、工程2の反応効率を上げることがで
きる。
法としては、例えば、イオン交換樹脂クロマトグラフィ
ー、及び膜分離等を挙げることができる。以下、本発明
を実施例により更に説明する。
グルコシダ−ゼ活性測定法及び糖組成の分析方法)は以
下のようにして行った。
mMリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.5)0.45mlを混合し、3
5℃で5分間プレインキュベションした。適当濃度に希釈
した酵素液0.05mlを添加して35℃、10分間反応させた
後、反応液1mlに0.2M炭酸ナトリウム2mlを添加し405nm
の吸光度を測定した。PNP量は検量係数設定用4-ニトロ
フェノ−ル(和光純薬工業(株)製)を用いて検量線を
求めた。なお上記条件で1分間に1μmolのpNPを遊離する
酵素量を1Uとした。
ロマトグラフィ−(HPLC)により分析し、ピ−ク面積よ
り算出した。
ノール類配糖体の調製 β-グルコオリゴ糖液として商品名「ゲントース#80」
(ゲンチオトリオース他3糖類:28%、ゲンチオテトラオ
ース:14%含有)(日本食品化工(株)製、70%(w/v)濃
度)10mlと受容体基質としてフェエネチルアルコール2m
l、アセトニトリル2ml、1M酢酸緩衝液pH5.0を2ml混合
し、β−グルコシダーゼを含有するトリコデルマ・ビリ
デイ起源の酵素製剤(cellulase、SIGMA社製)を100単位
添加し、得られた混合物を40℃でインキュベイトした。
にとり、5分間煮沸した後、HPLCにより配糖体を含む糖
組成の分析を行った。上記HPLCはカラム;Shodex Asahi
pak GS-220HQ(7.5mmI.D. × 500mm)、カラム温度;60
℃、溶離液;脱塩水、流速;0.6ml/min、検出器;RIモ
ニターという条件で分析した。
後、得られた反応液を10分間煮沸し、酵素を失活した。
合成吸着樹脂HP-20(三菱化学社製)を充填したカラム(2.
5cmI.D.×16cm)に得られた反応失活液を通液し、水洗い
した後、50%のメタノールで配糖体画分を溶出し濃縮し
た。更に得られた濃縮液3ml(40%、w/v、固形物として1.
2g)をToyopearl HW-40Ss(東ソー(株)製)を充填したカラ
ム(5cmI.D.×95cm)を用い、カラム温度;65℃、流速;5ml
/min、検出器;RIモニターでゲル濾過により精製し、フ
ェネチルアルコール配糖体400mgを得た。
代わりにトリコデルマ・リーセイのβ-グルコシダーゼ
(SIGMA社製)を用いて上記と同様の実験を行なっても同
様の結果が得られた。
C核磁気共鳴スペクトルを重水中でテトラメチルシラン
を標準物として測定した結果、δ38.1、 63.6、 72.5、
73.6、 76.0、 78.6、 78.7、 105.1、 129.5、 131.
6、 131.9、 141.5ppmにシグナルが観察された。
を1%(w/v)の水溶液として、アーモンド由来の β-グル
コシダーゼ(SIGMA社製)で加水分解した反応液を、Shode
x Asahipak GS-220HQカラムを用いるHPLCで分析したと
ころ、グルコースとフェネチルアルコールと一致するピ
ークが出現することが確認できた。以上の結果から得ら
れたフェネチルアルコール配糖体がフェネチル-β-グル
コシドであることが確認できた。
ルアルコール、サリチル酸メチル、クミンアルコール、
アニスアルコール、シンナミルアルコール、ジメチルベ
ンジルカルビノール、ハイロドロシンナミルアルコー
ル、メチルフェニルカルビノール、バニリン、ハイドロ
キノン、カテキン、カテコール、コウジ酸、カフェー
酸、レゾルシノールを用い上記と同様の反応を行い、HP
LC分析を行った結果、各受容体基質に対応したβ-グル
コシドの生成を確認することができた。
の調製 D-グルコ−ス300gを80mlの水に60℃で溶解し、pHを5.0
に調製した後、トリコデルマ・ビリデイ起源のβ−グル
コシダ−ゼを800単位添加して、60℃で24時間反応させ
た。次いで、得られた反応液を10分間煮沸して酵素を失
活させた後、カチオン交換樹脂アンバ−ライトIR120B、
アニイオン交換樹脂IRA-410各51に通液した。得られた
液体をロータリーエバポレーターで糖濃度30%(w/v)まで
濃縮した。本濃縮液を全量、強酸性カチオン交換樹脂Do
wex XFS-43278(ダウケミカル社製)を充填したカラム
(26cm I.D. ×267cm)を用い、カラム温度;65℃、流
速;1500ml/min、検出器;RIモニターで精製した。精製
液のβ−グルコオリゴ糖組成をカラム;ULTORON PS80N
(8mm I.D. × 500mm)、カラム温度;50℃、溶離液;脱
塩水、流速0.9ml/min、検出器;RIモニターというHPLC
条件で分析した。本液の糖組成は単糖であるグルコ−ス
2.3%及びフラクト−ス0.5%、β−グルコオリゴ糖である
2種類62.0%、同3糖類24.5%、同4糖類及び5糖類10.7%で
あった。
濃度)10mlに、受容体基質としてシクロペンタノ−ル2m
l、及び1M酢酸/酢酸ナトリウム緩衝液pH5.0を2ml混合
した。得られた混合物にβ−グルコシダーゼを含有する
ペニシリウム・フニクロサム起源の酵素製剤(cellulas
e, SIGMA社製)を100単位添加し、40℃でインキュベイト
した。
マイクロチューブにとり、5分間煮沸した後、HPLCによ
り分析を行った。上記HPLCはカラム;Shodex Asahipak
GS-220HQ(7.5mmI.D. × 500mm)、カラム温度;60℃、溶
離液;脱塩水、流速;0.6ml/min、検出器;RIモニター
という条件で分析した。
後、反応液を10分間煮沸し、酵素を失活させた。合成吸
着樹脂HP-20(三菱化学社製)を充填したカラム(2.5cm
I.D.×16cm)に得られた反応失活液を通液し、水洗した
後、50%のメタノ−ルでシクロペンタノ−ル配糖体を溶
出し濃縮した。更に得られた濃縮液3ml(40%、w/v1.2
g)をToyopearl HW-40S(東ソー(株)製)を充填した
カラム(5cm、I.D. ×95cm)を用い、カラム温度;65
℃、流速;5ml/min、検出器;RIモニターでゲル濾過に
より精製し、シクロペンタノ−ル配糖体を500mg得た。
剤の代わりにペニシリウム・フリクエンタス起源のβ−
グルコシダ−ゼを用いて上記実施例2の実験を行なって
も同様の結果が得られた。
核磁気共鳴スペクトルを重水中でテトラメチルシランを
標準物質をして測定した結果、δ25.5、 25.8、 34.5、
35.4、 63.7、 72.6、 76.0、 78.7、 78.8、 85.2、
103.8ppmにシグナルが観察された。また得られたシクロ
ペンタノ−ル配糖体を 1%(w/v)の水溶液とし、ア−モン
ド由来のβ−グルコシダ−ゼ(SIGMA社製)で加水分解し
た反応液を上記ShodexAsahipak GS-220HQカラムを用い
るHPLCで分析したところ、グルコースとシクロペンタノ
−ルと一致するピ−クが出現することが確認できた。以
上の結果から得られたシクロペンタノ−ル配糖体がシク
ロペンチル−β−グルコシドであることが確認できた。
ノ−ル、2-プロパノ−ル、ブチルアルコ−ル、シクロプ
ロパンメタノ−ル、シクロペンタンメタノ−ル、シクロ
ブタノ−ル、シクロブタンメタノ−ル、1-ヘキサノ−
ル、1-ヘプタノ−ル、1-オクタノ−ル、1-デカノ−ルを
用いて実施例2と同様の反応を行い、HPLC分析を行った
結果、各受容体基質に対応するβ−グルコシドの生成を
確認することができた。
スキテルペンアルコ−ル配糖体の調製 実施例2と同様の方法により得たβ-グルコオリゴ糖濃
縮液(60%(w/v)濃度)10mlと、受容体基質として和光純薬
工業(株)製ゲラニオ−ル2ml、アセトニトリル2ml、及
び1M酢酸緩衝液pH5.0を2ml混合し、β−グルコシダーゼ
を含有するアスペルギルス・プルペルレンタス起源の酵
素製剤(商品名ペクチナーゼG、天野製薬(株))を100
単位添加し、40℃でインキュベイトした。
分間煮沸した後、HPLCにより糖組成の分析を行った。本
反応の場合はカラム;DAISOPAK SO-120-5-ODS-BP(4.6mm
I.D.×250mm)、カラム温度;40℃、溶離液;メタノール/
脱塩水=50/50(v/v)、流速1.0ml/min、検出器;RIモニタ
ー及びUVモニター(220nm)というHPLC条件で分析した。
後、得られた反応液を10分間煮沸し、酵素を失活させ
た。合成吸着樹脂HP-20(三菱化学社製)を充填したカラ
ム(2.5cmI.D×16cm)に上記反応失活液を通液し、水洗い
した後、50%エタノールで配糖体画分であるゲラニオー
ル配糖体を溶出し、濃縮した。更に濃縮液3ml(40%w/v、
固形物として1.2g)をToyopearl HW-40S(トーソー(株)
製)を充填したカラム(5cm、I.D.×95cm)を用い、カラム
温度;65℃、流速;5ml/min、検出器;RIモニターでゲル濾
過により精製し、ゲラニオール配糖体を250mg得た。
酵素製剤の代わりにアスペルギルス・ニガーのβ-グル
コシダーゼ(SIGMA社製)を用いて上記実施例3と同様の
実験を行なっても同様の結果を得ることができた。
共鳴スペクトルを重水中でテトラメチルシランを標準物
質として測定した結果、δ16.6、 17.8、 25.9、 27.
5、 40.7、 62.9、 66.0、 71.8、 75.2、 78.1、 78.
8、 103.0、 121.6、 125.1、 132.6、 142.0ppmにシグ
ナルが観察された。
/v)の水溶液として、アーモンド由来のβ-グルコシダー
ゼ(SIGMA社製)で加水分解し、得られた反応液をDAISOPA
K SO-120-5-ODS-BPカラムを用いるHPLCで分析したとこ
ろ、グルコースとゲラニオールと一致するピークが出現
することが確認できた。以上の結果から得られたゲラニ
オール配糖体がゲラニオール−β−グルコシドであるこ
とが確認できた。
シトロネロール、リナロール、ボルネオール、α-シク
ロゲラニオール、i-ボルネエオール、ラバンジュロー
ル、ネロール、i-プレゴール、テルピネオール、セドロ
ール、ファルネソール、ネロリドール、サンタロール、
ランセオール、オイデスモールを用い上記実施例3と同
様の反応を行い、HPLC分析を行った結果、各受容体基質
に対応するβ-グルコシドの生成を確認することができ
た。
Claims (9)
- 【請求項1】 少なくとも1種の重合度3以上のβ−グル
コオリゴ糖と水酸基を有する化合物とにβ−グルコシダ
ーゼを作用させてβ−グルコシドを生成する工程を含む
β−グルコシドの製造方法。 - 【請求項2】 β−グルコオリゴ糖が、重合度3以上の
β−グルコオリゴ糖2種以上を含む混合物である請求項
1に記載の製造方法。 - 【請求項3】 β−グルコオリゴ糖が、4-0-β-D-ゲン
チオオリゴシル-D-グルコース、及び6-0-β-D-ゲンチオ
オリゴシル-D-グルコースからなる群から選ばれる少な
くとも一種を含む請求項1又は2に記載の方法。 - 【請求項4】 水酸基を有する化合物がアルコール類、
芳香族アルコール類、及びポリフェノール類からなる群
から選ばれる少なくとも一種である請求項1から3のい
ずれか1項に記載の方法。 - 【請求項5】 β−グルコシダーゼが配糖体生成能を有
し、微生物起源又は植物由来の酵素である請求項1から
4のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項6】 β−グルコシダーゼが、アスペルギルス
・ニガー、アスペルギルス・プルベルレンタス、ペニシ
リウム・フニクロサム、ペニシリウム・フリクエンタ
ス、トリコデルマ・ビリデイ、トリコデルマ・リーセイ
からなる群から選ばれる微生物起源のβ−グルコシダー
ゼである請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。 - 【請求項7】 グルコースを主成分として含む糖液にβ
−グルコシダーゼを作用させてβ−グルコオリゴ糖を得
る工程、及び得られたβ−グルコオリゴ糖と水酸基を有
する化合物とにβ−グルコシダーゼを作用させてβ−グ
ルコシドを生成させる工程を含む、β−グルコシドの製
造方法。 - 【請求項8】 β−グルコオリゴ糖が、重合度3以上の
β−グルコオリゴ糖を含有する請求項7に記載の製造方
法。 - 【請求項9】 β−グルコオリゴ糖が、重合度2以上の
β−グルコオリゴ糖を含有する請求項8に記載の製造方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19926198A JP2000023692A (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | β−グルコシドの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19926198A JP2000023692A (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | β−グルコシドの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000023692A true JP2000023692A (ja) | 2000-01-25 |
Family
ID=16404857
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP19926198A Pending JP2000023692A (ja) | 1998-07-14 | 1998-07-14 | β−グルコシドの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000023692A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001245690A (ja) * | 2000-03-03 | 2001-09-11 | Yakult Honsha Co Ltd | グリコシドまたはオリゴ糖の製造方法 |
JP2014171436A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-22 | Kokan Yakuhin Kenkyusho:Kk | レスベラトロール類配糖体の製造方法 |
CN112114068A (zh) * | 2020-09-18 | 2020-12-22 | 福建省农业科学院农业质量标准与检测技术研究所 | 一种同时测定蜜柚中6种糖苷类香气前体的方法 |
-
1998
- 1998-07-14 JP JP19926198A patent/JP2000023692A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001245690A (ja) * | 2000-03-03 | 2001-09-11 | Yakult Honsha Co Ltd | グリコシドまたはオリゴ糖の製造方法 |
JP2014171436A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-22 | Kokan Yakuhin Kenkyusho:Kk | レスベラトロール類配糖体の製造方法 |
CN112114068A (zh) * | 2020-09-18 | 2020-12-22 | 福建省农业科学院农业质量标准与检测技术研究所 | 一种同时测定蜜柚中6种糖苷类香气前体的方法 |
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