JP2000023674A - 分化を抑制するペプチドと造血幹細胞増殖法 - Google Patents
分化を抑制するペプチドと造血幹細胞増殖法Info
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Abstract
激因子との共存により造血幹細胞の分化を抑制し、造血
幹細胞あるいは造血前駆細胞を増殖させることが可能な
ポリペプチドの提供。 【解決手段】 ノッチリガンド(例えば、以下の(A)
又は(B)のタンパク質)のDSL領域のアミノ酸配列
の少なくとも一部のアミノ酸配列を有し、かつ、造血幹
細胞及び造血前駆細胞の分化抑制能を有するポリペプチ
ドの存在下で、造血幹細胞または造血前駆細胞を培養す
る。 (A)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列を有するタ
ンパク質。 (B)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列において、
1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は挿入された
アミノ酸配列を有し、かつ、造血幹細胞及び造血前駆細
胞の分化抑制能を有するタンパク質。
Description
ンド、造血幹細胞及び造血前駆細胞の分化抑制能を有す
るポリペプチド、及びこれらの利用に関する。本発明の
ノッチリガンド及びポリペプチドは、医薬品分野等で有
用である。
の寿命(ヒトでは赤血球で約120日、血小板で約7
日)しかなく、成熟血液細胞は造血前駆細胞から毎日分
化増殖し、末梢血の成熟血液細胞の恒常性を保ってい
る。造血幹細胞は、すべての血液細胞に分化する能力を
持ち、その分化の多能性を維持しながら自己複製するこ
とが可能な細胞と想定されている。そして、この造血幹
細胞が生体内に維持され続けることで、個体の生涯を通
じて血液細胞が供給されるものと考えられる。
(stem cell factor)、flt-3/flk-2リガンドや、イン
ターロイキン、コロニー刺激因子などが知られている。
これらのサイトカイン等を用いて造血幹細胞を培養する
と、造血幹細胞は多分化能を失い、幹細胞としての性質
が消失する。分化を抑制することで幹細胞、あるいは造
血前駆細胞を未分化な状態に保ち、造血幹細胞、あるい
は造血前駆細胞を増殖あるいは維持することが可能なの
ではないかと考えられる( WO97/19172)。
ノッチシグナル伝達系が知られている(Egan, S. E., C
urr Top Microbiol Immunol, 228:273, 1998; Artavani
s-Tsakonas, S., Science, 268:225, 1995; Nye, J.S.,
Current Biol., 5:966, 1995)。ショウジョウバエ、
線虫などの下等生物でノッチシグナル伝達系の機能解析
がなされ、細胞の分化を抑制的に制御することが神経細
胞においてもっとも知られている。ノッチシグナル伝達
系は、造血細胞の分化に関しても、T細胞の分化(Robe
y, E., Cell, 87:483, 1996)、好中球の分化に関与す
ることが明らかにされている(Milner, L.A., Proc. Na
tl. Acad. Sci. USA, 93:13014, 1997)。さらに、造血
幹細胞、あるいは造血前駆細胞に対しても、分化を抑制
する活性が見いだされた(Varnum-Finney, B., Blood,
91:4084, 1998)。
ッチ(Notch)とノッチリガンドの相互作用を介して伝
達される。ノッチ及びノッチリガンドは、ともに膜結合
型の分子である。下等生物であるショウジョウバエでは
ノッチ遺伝子は一つしか存在しないが、哺乳類のノッチ
遺伝子は現在ノッチ−1、ノッチ−2、ノッチ−3、ノ
ッチ−4の4種が知られており、ファミリーを形成して
いる。ノッチファミリーの特徴は、細胞外領域に36個
程度の多数のEGFモチーフリピートを有し、細胞内のシ
グナル伝達分子の結合領域も類似の構造を有するところ
にある。ショウジョウバエのノッチは、11番目および
12番目のEGFモチーフリピートを介し、カルシウム存
在下にノッチリガンドと結合することが知られており
(Fehon, R.G., Cell, 61: 523,1990; Rebay, I., Cel
l, 67:687, 1991) 、哺乳類のノッチについても同様の
機構でリガンドと結合するものと推測されている。EGF
モチーフリピートは、細胞間の情報伝達因子、細胞接着
因子の機能的な領域として広範な遺伝子に存在すること
が知られている。
モチーフリピートを持ち、EGFモチーフを8個程度有す
るデルタ類縁分子と15個程度有するセレート(Serrat
e)/ジャグド(Jagged)類縁分子が知られている。ヒ
ト、マウスでは、デルタ類縁遺伝子としてデルタ−1
{ヒトDelta-1(WO97/19172)、あるいはマウスDll-1
(Bettenhausen, B., Development, 121:2407, 199
5)}およびマウスDll-3(SallyL., Development, 124:
3065, 1997)が、セレート/ジャグド類縁遺伝子として
ヒト・ジャグド−1/ヒト・セレート−1(Li, L. Imm
unity, 8:43, 1998、WO97/19172)がクローン化されて
いる。さらに、類似遺伝子としてヒト・ジャグド−2/
ヒト・セレート−2(Luo, B., Mol. Cell. Biol., 17:
6057, 1997、WO98/02458)のクローン化がなされてい
る。ノッチリガンドは、EGFリピートに加えて、種間を
越えて非常に保存された領域がN末付近に存在する。こ
の部分を下等生物のノッチリガンドの頭文字に因んでD
SL領域(Delta/Serrate/Lag-2 領域)と命名された
(Henderson, S.T., Development, 120:2913, 1994; Ta
x, F. E., Nature, 368:150, 1994)。このDSL領域
で保存された配列は、例えばWO97/19172に記載されてい
る(配列番号44参照)。DSL配列はノッチリガンド
に特有な配列であり、DSL配列と高い相同性を示すア
ミノ酸配列をコードする遺伝子はノッチリガンドファミ
リーに属すると言って過言でない。
細胞の分化を抑制し、造血幹細胞あるいは造血前駆細胞
を増殖させることも可能と考えられた(WO97/19172)。
ノッチシグナル伝達系の造血幹細胞あるいは造血前駆細
胞に対する作用に関しては、これまでにいくつかの知見
がある。Liらは、ジャグド−1を様々な形で発現させ、
その活性を検討した(Li, L. Immunity, 8:43, 199
8)。すなわち、ラットジャグド−1全長を付着性細胞
に発現させた場合、または細胞外領域に6個のヒスチジ
ンからなるタグを付加して可溶化型にした場合、さらに
はDSL領域の17アミノ酸に相当する合成ペプチドを
用いた場合について、その活性を検討した。マウス前骨
髄球細胞株32Dは、G-CSFの刺激により好中球へ分化する
能力を持つが、マウスノッチ−1遺伝子を32D細胞に強
制発現させ、上記の種々のヒトジャグド−1又はその部
分ペプチドを作用させた。その結果、これらすべての分
子について32D細胞の好中球への分化を抑制する活性が
確認された。この結果は、DSLの部分ペプチドがノッ
チとの結合領域として機能することを示している。
を接着細胞に発現させ、あるいはヒト・ジャグド−1の
細胞外領域をビーズに固定化し、マウスの造血前駆細
胞、造血幹細胞に作用させた(Varnum-Finney, B., Blo
od, 91:4084, 1998)。その結果、いずれの場合にもヒ
トジャグド−1は、造血前駆細胞、造血幹細胞の分化を
抑制する活性を示した。
臍帯血CD34陽性血液細胞の分化が、ヒト・セレート−
1、ヒト・デルタ−1より抑制されることが開示されて
いる。これらの知見は、ノッチリガンドの造血幹細胞あ
るいは造血前駆細胞の分化を抑制しつつ増殖させる系で
の有効性を示唆している。
て保存されており、その保存されたアミノ酸配列に基づ
いて作製した核酸プローブを用いたハイブリダイゼーシ
ョンにより、あるいは縮重プライマーを用いてRT-PCR法
により、ノッチリガンドの相同遺伝子をクローン化する
ことが可能と考えられる。
ァミリーであるデルタ、ならびにセレート/ジャグドの
それぞれのEGFモチーフ領域をもとに作製した縮重プラ
イマーを用いてPCRを行い、それぞれのヒトの相同遺
伝子(オーソログ)の単離を行っている。WO98/02458で
は、セレート−1に相同性を有するEST配列からプロ
ーブを作製し、ヒト胎児脳ライブラリーよりハイブリダ
イゼーションによりセレート−2の遺伝子を取得してい
る。Liらは、ラット・ジャグド−1のDSL領域内とEG
Fモチーフ部位のアミノ酸配列から作製した縮重プライ
マーを用いてPCRを行い、ヒト・ジャグド−1(オーソ
ログ)の単離を行っている(Li, L. Immunity, 8:43, 1
998)。Luoらは、DNAデータベースのなかにラット・
セレート/ジャグド相同遺伝子(オーソログ)を発見
し、ジャグド−2をクローン化している(Luo B., Mol.
Cel. Biol., 17:6057, 1997)。これらのオーソログ間
のアミノ酸配列の相同性は80%程度と非常に高いもの
である。
での研究により得られた知見は、ノッチリガンドまたは
その部分ペプチドが、造血幹細胞あるいは造血前駆細胞
を増殖させるのに有効であることを示唆してはいるが、
その有効性は明らかではない。本発明は、かかる観点か
らなされたものであり、新規なノッチリガンド遺伝子、
及び、造血幹細胞の分化を抑制し、細胞刺激因子との共
存により造血幹細胞あるいは造血前駆細胞を増殖させる
ことが可能なポリペプチド、並びにこれらの用途を提供
することを課題とする。
解決するために、新規なノッチリガンド遺伝子の探索を
試みた。その際、前述のように、ノッチリガンドの種間
相同遺伝子(オーソログ)間の相同性が非常に高いこと
から、公知のノッチリガンド遺伝子の単離法では、ノッ
チリガンドサブファミリーのそれぞれの遺伝子について
オーソログを単離することしかできず、オーソログ以外
の遺伝子の単離は不可能であると考えた。そこで本発明
者らは、PCRに用いる縮重プライマーを鋭意工夫して
設計することで、EGFモチーフを有する遺伝子をクロー
ン化する方法を確立し、既知のDSL領域と高い相同性
を示す新規遺伝子のクローン化に成功した。さらに、該
遺伝子がコードするポリペプチドおよび公知のノッチリ
ガンドの部分ペプチドが、造血幹細胞の分化を抑制し、
細胞刺激因子との共存により造血幹細胞あるいは造血前
駆細胞を増殖させることができることを見出し、本発明
を完成させた。
(B)のタンパク質である。 (A)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列を有するタ
ンパク質。 (B)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列において、
1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は挿入された
アミノ酸配列を有し、かつ、造血幹細胞及び造血前駆細
胞の分化抑制能を有するタンパク質。
DNAからなるノッチリガンドLDE-1遺伝子を提供す
る。 (a)配列番号1又は3に示す塩基配列を有するDN
A。 (b)前記(a)のDNAと相同性が60%以上の塩基
配列を有し、かつ、造血幹細胞及び造血前駆細胞の分化
抑制能を有するタンパク質をコードするDNA。
領域のアミノ酸配列の少なくとも一部のアミノ酸配列を
有し、かつ、造血幹細胞及び造血前駆細胞の分化抑制能
を有するポリペプチド(配列番号25に示すアミノ酸配
列を有するポリペプチドを除く)を提供する。
ドするDNAを提供する。さらに、本発明は、ノッチリ
ガンドのDSL領域のアミノ酸配列の少なくとも一部の
アミノ酸配列を有し、かつ、造血幹細胞及び造血前駆細
胞の分化抑制能を有するポリペプチド又は前記タンパク
質の存在下で造血幹細胞または造血前駆細胞を培養する
ことを含む、造血幹細胞または造血前駆細胞の増殖方法
を提供する。
域のアミノ酸配列の少なくとも一部のアミノ酸配列を有
し、かつ、造血幹細胞及び造血前駆細胞の分化抑制能を
有するポリペプチド又は前記タンパク質を構成成分とし
て含む、造血幹細胞および造血前駆細胞の生体外増幅用
試薬または試薬キットを提供する。
はポリペプチドをコードするDNAが導入されて形質転
換された形質転換細胞を提供する。
t, 120:2913, 1994; Tax, F. E., Nature, 368:150, 19
94)によりノッチリガンドのN末端近傍の45アミノ酸
残基からなる領域として命名されたものをDSL領域と
して定義する。
をコードするDNA 本発明のタンパク質は、LDE-1と命名された新規なノッ
チリガンドであり、造血幹細胞及び造血前駆細胞に対し
て、分化を抑制する作用を有する。LDE-1は、公知のノ
ッチリガンドのDSL領域と高い相同性を示す配列を含
むことから、ノッチリガンドであると推測された。これ
まで、幅広い生物種において多くのノッチリガンド遺伝
子がクローン化されているが(Egan,S.E., Curr. Top.
Microbiol. Immunol., 228:273, 1998)、LDE-1とアミ
ノ酸配列及び塩基配列で60%以上の相同性を示すノッ
チリガンドは報告されておらず、全く新規なタンパク質
であると考えられる。
コードするDNA(LDE-1遺伝子)を適当な宿主細胞に
導入して形質転換細胞を調製し、該形質転換細胞中で前
記DNAを発現させることによって製造することができ
る。LDE-1遺伝子として、配列番号1に示す塩基配列を
有するDNAを用いれば、マウス由来のLDE-1が、配列
番号3に示す塩基配列を有するDNAを用いれば、ヒト
由来のLDE-1が得られる。マウス由来のLDE-1は配列番号
2に示すアミノ酸配列を、ヒト由来のLDE-1は配列番号
4に示すアミノ酸配列を、それぞれ有する。
ては、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)、酵母
等の微生物、動物又は植物由来の培養細胞等が用いられ
る。宿主としては、哺乳動物由来の培養細胞が好まし
い。
ば、宿主に対応したベクターに、LDE-1遺伝子を発現可
能な形態で組み込み、得られる組換えベクターを宿主細
胞に導入することによって行うことができる。
胞、293細胞、COS7細胞等が挙げられる。LDE-1遺伝子を
発現させるためのプロモーターなどの発現調節配列は、
LDE-1遺伝子固有のものであっても、他の遺伝子由来の
もの、例えばサイトメガロウイルスプロモーター、エロ
ンゲーションファクター1プロモーター等であってもよ
い。
は、プラスミドベクター、レトロウイルスベクター、ア
デノウイルスベクター(Neering, S.J., Blood, 88:114
7, 1996)、ヘルペスウイルスベクター(Dilloo, D., Bl
ood, 89:119, 1997)、HIVベクターなどが挙げられる。
は、培養細胞の形質転換に通常用いられている方法、例
えば、リン酸カルシウム共沈殿法、リポソーム法、DE
AEデキストラン法、エレクトロポレーション法、マイ
クロインジェクション法等が用いられる。
4に示すアミノ酸配列を有するタンパク質に加えて、配
列番号2又は4に示すアミノ酸配列において、1若しく
は数個のアミノ酸が置換、欠失又は挿入されたアミノ酸
配列を有し、かつ、造血幹細胞及び造血前駆細胞の分化
抑制能を有するタンパク質も含まれる。すなわち、マウ
ス及びヒト由来のLDE-1にアミノ酸が置換、欠失又は挿
入等の修飾を加えたものであっても、LDE-1の本質的な
機能を保持するものは、LDE-1と実質的に同等なものと
みなすことができる。前記「数個」とは、本発明のタン
パク質の領域によっても異なるが、全体では2〜274
個、好ましくは2〜103個、DSL領域内では2〜2
3個、好ましくは2〜7個である。このような修飾され
たLDE-1は、LDE-1をコードするDNA又は該DNAを保
持する宿主を変異剤で処理するか、または該DNAに部
位特異的変異法によって特定の部位のアミノ酸が置換、
欠失又は挿入されるように変異を導入することによっ
て、取得することができる。得られた変異タンパク質
が、造血幹細胞及び造血前駆細胞に対する分化抑制能を
保持することは、ノッチ遺伝子を強制発現させた前骨髄
球細胞株32Dに対する分化抑制活性(Li, L. Immunity,
8:43, 1998)、造血幹細胞、造血前駆細胞のコロニー形
成に対する作用(WO97/19172、Varnum-Finney, B., Blo
od, 91:4084, 1998)、本願実施例5に記載の造血幹細
胞の骨髄再構築能維持能によって確認することができ
る。
-1をコードするDNAは、本発明によってそれらの塩基
配列が明らかにされたので、それらの配列に基づいて作
製したオリゴヌクレオチドをプライマーとするPCRに
よって、又は該配列に基づいて作製したオリゴヌクレオ
チドをプローブとするハイブリダイゼーションによっ
て、マウス又はヒトのcDNAライブラリーもしくは染
色体DNAライブラリーから、単離することによっても
取得することができる。本発明のDNAは、本発明を完
成するに際しては、後述するように、PCR及びハイブ
リダイゼーションによってマウス肝臓由来cDNAライ
ブラリー等から単離され(マウスLDE-1遺伝子)、さら
に得られたマウスLDE-1を用いてヒト脳由来のcDNA
ライブラリー等からPCR及びハイブリダイゼーション
によって得られた(ヒトLDE-1遺伝子)ものである。
デルタからヒトデルタを、異種生物のセレート/ジャグ
ド−1からヒトセレート/ジャグド−1を見いだしてい
る。この方法では、異種の生物に存在する分子のオーソ
ログしか発見することはできない。本発明者らは、ノッ
チ、ノッチリガンドのような多数のEGFリピートを有す
る遺伝子に新たな保存性のある配列を見いだした。この
配列を利用すれば異種においても発見されていない新規
なノッチリガンドの発見ができるものと考えられた。す
なわち、多数のEGFモチーフリピートを有する分子の中
にC(KR)NGGTC(QK)D(配列番号5)の配列を含むEGFモチ
ーフ、あるいはY(HNK)C(MIN)C(NEDK)(MKNQP)GY(配列番
号6)の配列を含むEGFモチーフが存在することを見出
した。そこで、C(KR)NGGTC(QK)Dに対してKUR-1(配列番
号7)、およびY(HNK)C(MIN)C(NEDK)(MKNQP)GYに対して
DEL-2(配列番号8)のこれらのアミノ酸配列をカバー
し得るような縮重プライマーを合成し、このプライマー
を用いて種々の臓器由来のcDNAを鋳型としてPCRを実施
することで、新規なノッチリガンドであるLDE-1の発見
に成功した。
内、KUR-1に相当する部分はCRNGGSCKD(配列番号1及び
2においてアミノ酸番号334〜342に相当)であ
り、DEL-2に相当する部分はFVCNCPYGFVG(配列番号1及
び2においてアミノ酸番号505〜515に相当)であ
る。これらの配列は、アミノ酸配列としては当初見いだ
した保存性の高い配列とは相同性が低いが、KUR-1ある
いはDEL-2の塩基配列とはそれぞれ2塩基、4塩基の違
いしかなく、本発明者らが設計したプライマーを用いて
十分クローン化されてくる配列である。
して、上記プライマーを用いてPCRを行うことによっ
て、配列番号1の塩基番号1024〜1419に相当す
る塩基配列を有するマウスLDE-1 cDNAの部分配列が
取得される。次に、マウスcDNAライブラリーから、
前記LDE-1 cDNA部分配列又はその一部をプローブと
するハイブリダイゼーションによってLDE-1全長を含む
クローンを単離する。前記プローブは、例えば、配列番
号11及び12に示す塩基配列を有するプライマーを用
い、上記LDE-1 cDNA部分配列を鋳型とするPCRに
よって、調製することができる。得られたクローンがコ
ード領域全長を含んでいない場合は、RACE法によっ
てcDNA末端領域を取得すればよい(中山広樹、バイ
オ実験イラストレイテッド、秀潤社、1996)。RA
CEに用いるプライマーとしては、例えば、配列番号1
5及び配列番号16に示す塩基配列を有するプライマ
ー、ならびに配列番号17及び配列番号18に示す塩基
配列を有するプライマーが挙げられる。
DNAの塩基配列を配列番号1に示す。また、その塩基
配列がコードすると予想されるアミノ酸配列を配列番号
2に示す。配列番号2に示したマウスLDE1はSignalP
(シグナル配列予測プログラム、H.,Nielsen他、 Prote
in Engineering, 10, 1-6 (1997))を用いて解析する
と、1番目から26番目までがシグナル配列であると予
測された。また、これ以外にDSL領域(174番目から
218番目)、EGFモチーフドメイン1(223番目か
ら251番目)、 EGFモチーフドメイン2(254番目
から282番目)、 EGFモチーフドメイン3(289番
目から322番目)、 EGFモチーフドメイン4(329
番目から360番目)、 EGFモチーフドメイン5(36
7番目から400番目)、 EGFモチーフドメイン6(4
07番目から438番目)、 EGFモチーフドメイン7
(445番目から476番目)、 EGFモチーフドメイン
8(485番目から518番目)、膜貫通領域(531
番目から553番目)というドメイン構造を有してい
る。
(米国NCBI)のデータベースをBlast(ホモロジー
検索ソフトウェア)を用いて検索したところ、マウスLD
E-1と相同性を有する配列が見いだされた(GenBank Acc
ession No. Z63545)。この配列はヒトゲノムDNAの19
5ベースペアの部分配列であった。このうち、マウスLD
E-1との比較からエクソン部分は81番目から138番
目の58ベースペアと推測された。このエクソン部分は
ノッチリガンドで高度に保存されているDSL領域ではな
く、また、EGF領域でもない。従って、マウスLDE-1の配
列を使用せずに通常の検索によって本配列を見つけだ
し、ノッチリガンド遺伝子の一部であることを推定する
ことは困難である。すなわち、データベース検索によっ
て本配列を選出し、ヒトLDE-1をクローニングすること
は困難である。
記のマウスLDE-1 cDNAの塩基配列を利用して、ヒト
の各種の組織、細胞由来のcDNAライブラリーから単
離することができる。具体的には例えば、マウスLDE-1
の配列を用いて合成した配列番号19に示す塩基配列を
有するプライマー、及び、データベースより取得したヒ
トゲノムDNA配列とマウスLDE-1配列を結合して設計、合
成した配列番号20に示す塩基配列を有するプライマー
を用いて、ヒトの各種の組織、細胞由来のcDNAライ
ブラリーを鋳型としてPCRを行うことにより、ヒトLD
E-1 cDNAの部分配列(配列番号3の塩基番号170
〜398に相当)を取得することができる。さらに、こ
のPCR産物をプローブとするハイブリダイゼーション
によって、ヒトcDNAライブラリーからヒトLDE-1 c
DNAを取得することができる。得られたクローンがコ
ード領域全長を含んでいない場合は、RACE法によっ
てcDNA末端領域を取得すればよい。RACEに用い
るプライマーとしては、例えば、配列番号15及び配列
番号21に示す塩基配列を有するプライマー、ならびに
配列番号17及び配列番号22に示す塩基配列を有する
プライマーが挙げられる。
NAの塩基配列を配列番号3に示す。また、その塩基配
列がコードすると予想されるアミノ酸配列を配列番号4
に示す。本発明のDNAは、上記LDE-1 cDNA配列に
限られるものではなく、ヒト又はマウスの染色体DNA
上のLDE-1遺伝子も含まれる。このような染色体LDE-1遺
伝子は例えば、LDE-1 cDNA又はその一部の配列をプ
ローブに用いたハイブリダイゼーションによって、又は
LDE-1 cDNAの配列に基づいて作製したオリゴヌクレ
オチドをプライマーとするPCRによって、染色体DN
Aライブラリーから取得することができる。染色体LDE-
1遺伝子は、イントロンによって分断されていることが
予想されるが、そのようなDNAであっても、LDE-1を
コードする限り本発明のDNAに含まれる。また、染色
体LDE-1遺伝子は、特表平7-500969、特表平8-503856等
に記載の方法により活性化することができる。配列番号
4に示したヒトLDE-1はSignalPを用いて解析すると、1
番目から26番目までがシグナル配列であると予測され
た。また、これ以外にDSL領域(173番目から217
番目)、EGFモチーフドメイン1(222番目から25
0番目)、 EGFモチーフドメイン2(253番目から2
81番目)、 EGFモチーフドメイン3(288番目から
321番目)、 EGFモチーフドメイン4(328番目か
ら359番目)、 EGFモチーフドメイン5(366番目
から399番目)、 EGFモチーフドメイン6(406番
目から437番目)、 EGFモチーフドメイン7(444
番目から475番目)、 EGFモチーフドメイン8(48
4番目から517番目)、膜貫通領域(530番目から
552番目)というドメイン構造を有している。
4に示すアミノ酸配列において、1若しくは数個のアミ
ノ酸が置換、欠失又は挿入されたアミノ酸配列を有し、
かつ、造血幹細胞及び造血前駆細胞の分化抑制能を有す
るタンパク質をコードするDNAも含まれる。このよう
なDNAとしては、配列番号1又は3に示す塩基配列を
有するDNAと相同性が60%以上、好ましくは85%
以上の塩基配列を有するDNAが挙げられる。より具体
的には、本発明のDNAとストリンジェントな条件下で
ハイブリダイズするDNAが挙げられる。
の発現、製造に用いることができる。遺伝性疾患アラジ
ール症候群(Alagille syndorome)は、ヒト・ジャグド
−1の変異が原因である(Oda, T., Nature Genetics,
16: 235, 1997)。また、最近、ノッチ受容体の変異が
卒中(CADASIL; cerebral aoutosomal dominant arteri
opathy with subcortical infarcts and leukoencephal
opathy)あるいは痴呆に関与することが明らかにされた
(Gridley, T., Nature, 383:673, 1996)。このような
ノッチリガンドあるいはノッチ受容体の変異による疾患
などの治療用の医薬として、LDE-1ならびにその他のノ
ッチリガンドを使用しうる。LDE-1ならびにその他のノ
ッチリガンド全長あるいはノッチリガンドに由来する部
分ペプチドを有効成分とする薬剤の投与、あるいはLD
E−1ならびにその他のノッチリガンド全長あるいはノ
ッチリガンドに由来する部分ぺプチドをコードするDN
Aを含むベクターによる遺伝子治療の可能性が考えられ
る。
のアミノ酸配列の少なくとも一部のアミノ酸配列を有
し、かつ、造血幹細胞及び造血前駆細胞の分化抑制能を
有するポリペプチド(配列番号25に示すアミノ酸配列
を有するポリペプチドを除く)である。
ウス(Mus musculus)LDE-1、ヒト(Homo sapiens)LDE
-1、ラット(Rattus norvegicus)ジャグド−1、ヒト
・ジャグド−1、ニワトリ(Gallus gallus)セレート
−1、ニワトリ・セレート−2、ヒト・ジャグド−2、
カエル(Xenopus laevis)デルタ−1、ニワトリ・デル
タ−1、マウスDll-1、ヒト・デルタ、ゼブラフィッシ
ュ(Danio rerio)デルタ−A、ゼブラフィッシュ・デ
ルタ−B、カエル・デルタ−2、ショウジョウバエ(Dr
osophila melanogaster)・デルタ、ショウジョウバエ
・セレート等が挙げられる。これらのうちでは、マウス
LDE-1及びヒトLDE-1が好ましい。これらのノッチリガン
ドのDSL領域のアミノ酸配列を、図1及び配列番号2
8〜43に示す。図1中、塩基配列の前後の数字は、ノ
ッチリガンドのN末端からのアミノ酸番号を示す。ま
た、各ノッチリガンドのDSL領域間で共通して保存さ
れているアミノ酸残基を「*」印で示す。
部のアミノ酸配列としては、DSL領域の連続する少な
くとも10アミノ酸残基、より好ましくは少なくとも1
7アミノ酸残基からなる配列が挙げられる。また、図1
に示したDSL領域のアミノ酸配列において、各DSL
領域で共通して保存されているアミノ酸残基が、少なく
とも2残基、好ましくは5残基含まれていることが好ま
しい。
も一部のアミノ酸配列を有するポリペプチドとして具体
的には、DSL領域のN末端側から3番目〜19番目の
アミノ酸残基からなるアミノ酸配列を有する17マーの
ポリペプチドが挙げられる。これらの17マーのポリペ
プチド中では、マウスDll-1のDSL領域のポリペプチ
ド(配列番号26)、マウスLDE-1のDSL領域のポリ
ペプチド(配列番号27)、及びヒトLDE-1のDSL領
域のポリペプチド(配列番号41のアミノ酸番号3〜1
9)が、好ましいものとして挙げられる。
ドの化学合成に通常用いられている方法又は装置(例え
ば、パーキンエルマー、モデル433ペプチド合成機(米
国Perkin-Elmer社))を用いて合成することによって、
製造することができる。また、これらのポリペプチドを
コードするDNAは、DNAの化学合成に通常用いられ
ている方法又は装置(例えば、ABI社、3948全自動DN
A合成装置)を用いて合成することによって、製造する
ことができる。
当な宿主細胞に導入して形質転換細胞を調製し、該形質
転換細胞中で前記DNAを発現させることによっても、
本発明のポリペプチドを得ることができる。ポリペプチ
ドをコードするDNAの宿主細胞への導入は、例えば、
該DNAを宿主に応じた発現ベクターに挿入し、得られ
る組換えベクターで宿主を形質転換することによって行
われる。ベクターには、同種又は異なる種類のポリペプ
チドをコードする複数のDNAをタンデムに連結しても
よい。その際、各々のDNAとDNAの間に開始コドン
及び終止コドンを挿入し、ポリシストロニックに発現さ
せてもよいし、各々のDNAをインフレームで連結させ
て、単一のポリペプチド中に本発明のポリペプチドがタ
ンデムに連結するようにして発現させてもよい。後者の
場合は、各々のDNAとDNAの間にメチオニン残基を
コードするコドンを介在させ、発現産物を臭化シアンで
処理すると、本発明のポリペプチドを切り離すことがで
きる。このようにすることによって、ポリペプチドの発
現量を高め、あるいは複数のポリペプチドを同時に発現
させることができる。LDE-1遺伝子を、血液細胞刺激因
子遺伝子と融合させLDE-1と血液細胞刺激因子の融合ポ
リペプチドとして産生させることも可能である。また、
LDE-1と抗体のヒンジ部分を融合タンパクとして発現さ
せるなどして、2量体型のポリペプチドを作製すること
も可能である。その他、現在知られている2量体以上の
多量体構造を持たせるあらゆる方法を適応することもで
きる。
実験などは、J. Sambrook, Molecular Cloning 2nd edi
tion, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989な
どの実験書を参考に実施することが可能である。
びキット 本発明のポリペプチド又はLDE-1タンパク質の存在下で
造血幹細胞又は造血前駆細胞を培養することによって、
これらの細胞を、分化を抑制しつつ増殖させることがで
きる。したがって、本発明のポリペプチドは、造血幹細
胞および造血前駆細胞の生体外増幅用試薬または試薬キ
ットの構成成分として利用することができる。
mmunity, 8:43, 1998)が報告したヒト・ジャグド−1
のDSL領域由来の17マーのポリペプチド(配列番号
25)、並びにマウスDll-1(Bettenhausen, B., Devel
opment, 121:2407, 1995)及びLDE-1のDSL領域の1
7マーのポリペプチド(配列番号26及び27)を合成
し、マウスの造血幹細胞分画に作用させたところ、造血
幹細胞あるいは造血前駆細胞の分化を抑制する活性が検
出された。これまでに報告されている造血細胞に対する
分化抑制活性(例えば前記Liら)は、前骨髄球細胞株32
Dの分化についてのみ検討しており、造血前駆細胞株に
対する作用のみを検討している。
胞あるいは造血前駆細胞に対する分化抑制活性を高度に
純化されたプライマリの造血幹細胞集団を用いて判定し
た。マウスでは、各種成熟血球特異マーカーが陰性であ
り、幼若造血細胞のマーカーであるc-kitならびにSca-
1陽性の細胞の内、CD34抗原が陰性から弱陽性の性質を
示す細胞に造血幹細胞の性質が見いだされている(Osaw
a, M., Science, 273:242, 1996)。本発明者らは、マ
ウスのCD34陰性c-Kit陽性Sca-1陽性、分化抗原陰性の
幹細胞を用いて、ノッチリガンドの造血幹細胞、造血前
駆細胞への分化抑制活性を確認した。すなわち、 CD34
陰性c-Kit陽性Sca-1陽性、分化抗原陰性の幹細胞を、
ノッチリガンドポリペプチドとサイトカイン存在下に培
養した後、放射線照射マウスへ移植することにより、幹
細胞の重要な性質である自己複製についても検討した。
このように、移植実験というもっとも臨床に近い評価系
において分化抑制ポリペプチドの活性を確認したのは初
めてである。
増殖法は、上記のようなノッチリガンドのDSL領域の
アミノ酸配列の少なくとも一部のアミノ酸配列を有し、
かつ、造血幹細胞及び造血前駆細胞の分化抑制能を有す
るポリペプチド又はLDE-1タンパク質の存在下で、造血
幹細胞または造血前駆細胞を培養することを含む。前記
ノッチリガンドとしては、配列番号28〜43に示す各
種生物由来のもの、好ましくはヒト・ジャグド−1(配
列番号29)、マウスDll-1(配列番号35)、マウスL
DE-1(配列番号40)、及びヒトLDE-1(配列番号4
1)が挙げられる。また、上記DSL領域のアミノ酸配
列の少なくとも一部のアミノ酸配列を有するポリペプチ
ドとして具体的には、DSL領域のN末端側から3番目
〜19番目のアミノ酸残基からなるアミノ酸配列を有す
る17マーのポリペプチドが挙げられる。これらの17
マーのポリペプチド中では、マウスDll-1のDSL領域
のポリペプチド(配列番号26)、マウスLDE-1のDS
L領域のポリペプチド(配列番号27)、及びヒトLDE-
1のDSL領域のポリペプチド(配列番号41のアミノ
酸番号3〜19)が、好ましいものとして挙げられる。
えるポリペプチド又はLDE-1タンパク質の濃度として
は、通常は0.1μM〜1mM、好ましくは1〜50μ
Mが例示される。ポリペプチド又はLDE-1タンパク質
は、1種類を単独で加えてもよく、2種又は3種以上の
ポリペプチドを加えてもよい。また、ポリペプチド又は
LDE-1タンパク質は、不溶性のビーズ等に固相化して培
養に加えると、反復して使用することができ、また、造
血幹細胞または造血前駆細胞を増殖させる活性が上昇す
ることが期待される。さらには、ポリペプチド又はLDE-
1タンパク質を培養器の内壁に固相化することによって
も、同様の効果が期待できる。本発明のポリペプチド又
はLDE-1タンパク質を医薬として用いる場合は、注射剤
が好ましい。剤型、製法は特に制限されないが、溶液、
懸濁液、乳濁液等として、常法により製造される。本発
明のポリペプチド又はLDE-1タンパク質以外の成分とし
ては、剤型に応じて通常医薬に用いられる成分を使用す
ることができ、例えば、薬理学上許容される担体、安定
剤、pH調製剤等が用いられる。本発明のポリペプチド
又はLDE-1タンパク質の医薬組成物中の配合量は、通常
10μg/kg〜10mg/kgの範囲が例示される。投与量は、適
用対象等により異なるが、一般には本発明のポリペプチ
ド又はLDE-1タンパク質の量として成人1人1日当た
り、10μg〜1800mg程度の範囲で用いられる。
血前駆細胞としては、少なくとも造血幹細胞もしくは造
血前駆細胞を含む細胞群が挙げられ、造血幹細胞または
造血前駆細胞のいずれか一方が単離されたものであって
もよく、これらの両方であってもよい。また、造血幹細
胞または造血前駆細胞の少なくとも一方を含み、さらに
他の造血細胞を含んでいてもよい。また、造血幹細胞ま
たは造血前駆細胞を含む細胞群から分画された造血幹細
胞または造血前駆細胞を含む分画であってもよい。
しては、ヒト及びマウス等の哺乳動物の胎児肝臓、骨
髄、胎児骨髄、末梢血、サイトカインおよび/または抗
癌剤の投与によって幹細胞を動員した末梢血、及び臍帯
血等が挙げられ、造血幹細胞を含む組織であればいずれ
であってもよい。
胞または造血前駆細胞を培養するにあたっては、いわゆ
る培養用のシャーレ、フラスコを用いた培養法が可能で
あるが、培地組成、pHなどを機械的に制御し、高密度で
の培養が可能なバイオリアクターによって、その培養系
を改善することもできる(Schwartz, Proc.Natl.Acad.S
ci.U.S.A.,88:6760,1991; Koller, M.R., Bio/Technolo
gy, 11:358, 1993; Koller, M.R.,Blood, 82: 378, 199
3; Palsson, B.O., Bio/Technology, 11:368,1993)。
たは造血前駆細胞の増殖、生存が害されない限り特に制
限されないが、例えばSF-02培地(三光純薬)、Opti-ME
M培地(GIBCO BRL)、MEM培地(GIBCO BRL)、IMDM培地
(GIBCO BRL)、PRMI1640培地(GIBCO BRL)、が好まし
いものとして挙げられる。培養温度は、通常25〜39
℃、好ましくは33〜39℃である。また、培地に添加
する物質としては、ウシ胎児血清、ヒト血清、ウマ血
清、インシュリン、トランスフェリン、ラクトフェリ
ン、エタノールアミン、亜セレン酸ナトリウム、モノチ
オグリセロール、2−メルカプトエタノール、ウシ血清
アルブミン、ピルビン酸ナトリウム、ポリエチレングリ
コール、各種ビタミン、各種アミノ酸、各種増殖因子、
好ましくはEGF(上皮増殖因子)、PDGF(血小板由来増
殖因子)、bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子)、CO2
は、通常、4〜6%であり、5%が好ましい。また、ノ
ッチ、ノッチリガンドの結合は、カルシウムイオン依存
性であり、培地中のカルシウムイオン濃度を調節するこ
とで、培養系を改良することが可能である。
存在下で造血幹細胞及び造血前駆細胞を培養することに
よって、これらの細胞を増殖させることができるが、細
胞刺激因子を培養系に添加することによって、より有効
に増殖させることができる。このような細胞刺激因子
は、造血幹細胞または造血前駆細胞の増殖を妨げないも
のであれば特に制限されないが、具体的には、SCF(幹
細胞成長因子(stem cellfactor))、IL-3(インターロ
イキン−3)、GM-CSF(顆粒球マクロファージ・コロニ
ー刺激因子(granulocyte/macrophage colony-stimulat
ing factor))、IL-6(インターロイキン−6)、IL-11
(インターロイキン−11)、TPO(トロンボポエチ
ン)、G-CSF(顆粒球コロニー刺激因子(granulocyte co
lony-stimulating factor))、TGF-β(トランスフォー
ミング成長因子−β)、MIP-1α(George, D., J. Exp.
Med. 167:1939-1944, 1988)、Flt3/Flk2-ligand等の
サイトカインに代表される増殖刺激因子、EPO(エリス
ロポエチン)のような造血ホルモン、Wnt(Thimoth, A.
W., Blood, 89:3624-3635,1997)遺伝子産物のような
分化増殖調節因子等が挙げられる。これらの刺激因子な
どはGallard, R.E., The cytokine facts book, Academ
icPress, 1994などに詳しい。また、血液細胞刺激因子
とは造血細胞に増殖、分化、生存、遊走などの刺激を与
える因子である。
たは造血前駆細胞は、従来の骨髄移植や臍帯血移植に代
わる血液細胞移植用の移植片として用いることができ
る。造血幹細胞の移植は、移植片が半永久的に生着させ
られることから、従来の血液細胞移植治療を改善するこ
とができる。従来、骨髄移植には、大量の骨髄の採取が
必要であったが、本発明によれば、少量の骨髄採取で済
ますことができる。例えば、自己免疫疾患等の骨髄移植
によってその改善の見られる疾患に対しては、自己ある
いは非自己の幹細胞を増殖させるに際し、本発明による
幹細胞増殖技術を利用することができる。
た造血幹細胞は、白血病に対する全身X線療法や高度化
学療法を行う際に、これらの治療と組み合わせる他、種
々の疾患に用いることができる。例えば、固形癌患者の
化学療法、放射線療法等の骨髄抑制が副作用として生じ
る治療を実施する際に、施術前に骨髄を採取しておき、
造血幹細胞、造血前駆細胞を試験管内で増幅し、施術後
に患者に戻すことで、副作用による造血系の障害から早
期に回復させることができ、より強力な化学療法を行え
るようになり、化学療法の治療効果を改善する事ができ
る。
人の造血幹細胞ならびに造血前駆細胞を各種血液細胞に
分化させ、それらを患者の体内に移入することにより、
各種血液細胞の低形成により不全な状況を呈している患
者の改善を図ることができる。また、再生不良性貧血な
どの貧血を呈する骨髄低形成に起因する造血不全症を改
善することができる。その他、本発明の方法による造血
幹細胞の移植が有効な疾患としては、慢性肉芽腫症、重
複免疫不全症候群、無ガンマグロブリン血症、Wiskott-
Aldrich症候群、後天性免疫不全症候群(AIDS)等の免
疫不全症候群、サラセミア、酵素欠損による溶血性貧
血、鎌状赤血球症等の先天性貧血、Gaucher病、ムコ多
糖症等のリソゾーム蓄積症、副腎白質変性症、各種の癌
または腫瘍等が挙げられる。
外は、従来行われている骨髄移植や臍帯血移植と同様に
行えばよい。上記のような造血幹細胞移植に用いられる
可能性のある造血幹細胞の由来は、骨髄に限られず、前
述したような胎児肝臓、胎児骨髄、末梢血、サイトカイ
ンおよび/または抗癌剤の投与によって幹細胞を動員し
た末梢血、及び臍帯血等を用いることができる。本発明
の移植片は、本発明の方法によって増殖した造血幹細胞
及び造血前駆細胞の他に、緩衝液等を含む組成物として
もよい。
幹細胞または造血前駆細胞は、ex vivoの遺伝子治療に
用いることができる。遺伝子治療には、DNAを患者に
直接投与するin vivo法と、標的細胞にDNAを導入
し、遺伝子導入細胞を患者に移植するex vivo法があ
る。ex vivo法において標的細胞に骨髄細胞を用いる場
合には、大量の骨髄の採取が必要であったが、本発明に
よれば、少量の骨髄採取で済ますことができる。また、
造血幹細胞が自己複製し、長期的に造血細胞を供給でき
る性質は、遺伝子治療の好適な標的と考えられている
が、従来、その細胞周期を回転させることができず、遺
伝子の導入が困難であった。本発明のポリペプチドの存
在下で造血幹細胞または造血前駆細胞とを培養すること
により、これらの細胞の細胞周期を回転させることが可
能となり、遺伝子導入を容易に行うことができる。
殖させた造血幹細胞または造血前駆細胞に外来遺伝子
(治療用遺伝子)を導入し、得られる遺伝子導入細胞を
用いて行われる。本発明の遺伝子治療用組成物を用いた
遺伝子治療は、本発明の方法により増殖させた造血幹細
胞または造血前駆細胞を標的細胞として用いる以外は、
従来行われている遺伝子治療と同様に行えばよい。導入
される外来遺伝子は、疾患によって適宜選択される。血
液細胞を標的細胞とする遺伝子治療の対象となる疾患と
しては、慢性肉芽腫症、重複免疫不全症候群、無ガンマ
グロブリン血症、Wiskott-Aldrich症候群、後天性免疫
不全症候群(AIDS)等の免疫不全症候群、サラセミア、
酵素欠損による溶血性貧血、鎌状赤血球症等の先天性貧
血、Gaucher病、ムコ多糖症等のリソゾーム蓄積症、副
腎白質変性症、各種の癌または腫瘍等が挙げられる。
に限られず、胎児肝臓、胎児骨髄、末梢血、末梢血由来
の各組織、サイトカインおよび/または抗癌剤の投与に
よって幹細胞を動員した末梢血または該末梢血由来の各
組織、末梢血由来の各組織、及び臍帯血等を用いること
ができる。
伝子を導入するには、通常動物細胞の遺伝子導入に用い
られる方法、例えば、モロニーマウス白血病ウイルス等
のレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、
アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、単純ヘルペスウ
イルスベクター等のウイルス由来の動物細胞用ベクター
を用いる方法、リン酸カルシウム共沈法、DEAE-デキス
トラン法、エレクトロポレーション法、リポソーム法、
リポフェクション法、マイクロインジェクション法等を
用いることができる。これらの中では、標的細胞の染色
体DNAに組み込まれて恒久的に遺伝子の発現が期待で
きるという点から、レトロウイルスベクターまたはアデ
ノ随伴ウイルスベクターが好ましい。
ターは、次のようにして作製することができる。まず、
野生型アデノ随伴ウイルスDNAの両端のITR(inve
rtedterminal repeat)の間に治療用遺伝子を挿入した
ベクタープラスミドと、ウイルスタンパク質を補うため
のヘルパープラスミドを293細胞にトランスフェクシ
ョンする。続いてヘルパーウイルスのアデノウイルスを
感染させると、AAVベクターを含むウイルス粒子が産生
される。あるいは、アデノウイルスの代わりに、ヘルパ
ー機能を担うアデノウイルス遺伝子を発現するプラスミ
ドをトランスフェクションしてもよい。次に、得られる
ウイルス粒子を造血幹細胞または造血前駆細胞に感染さ
せる。ベクターDNA中において、目的遺伝子の上流に
は、適当なプロモーター及びエンハンサーを挿入し、こ
れらによって遺伝子の発現を調節することが好ましい。
さらに、治療用遺伝子に加えて薬剤耐性遺伝子等のマー
カー遺伝子を用いると、治療用遺伝子が導入された細胞
の選択が容易となる。治療用遺伝子は、センス遺伝子で
あってもアンチセンス遺伝子であってもよい。
造血幹細胞は細胞周期ではG0期にあるものが大半であ
り、レトロウイルスが感染できないため、造血幹細胞に
IL-1、IL-3、IL-6及びSCFを作用させて細胞周期に入ら
せてから、ウイルスを感染させる必要がある(Nolta,
J., Exp. Hematol, 20:1065-1071 1992)。本発明の方
法によれば、造血幹細胞の細胞周期を回転させることが
できるため、効率の良いウイルス感染が可能である。
説明する。
肝臓を摘出し、ドライアイスにて急速に冷凍した。凍結
した肝臓の半量をCB(4.2Mグアニジンチオシアネ
ート、0.5%サルコシル、25mMトリス塩酸(pH
8)、0.7%2−メルカプトエタノール)15mlに
溶解した。次に、この溶液にPEB(100mMトリス
塩酸(pH8)、10mM EDTA、1% SDS)
15mlを添加し、さらにPC(50% フェノール、
50%クロロホルム)15mlを加えて激しく撹拌した
のち、毎分2500回転で10分間遠心した。水相を回
収し、上記のPC処理を更に3回行い、回収した水相に
クロロホルム15mlを加えて激しく撹拌したのち、毎
分2500回転で10分間遠心した。水相を回収し、等
量のイソプロパノールを添加して−80℃にて一夜放置
した。
し、沈殿を70%エタノールで洗浄したのち、0.9m
lTE(10mMトリス塩酸(pH7.6)、0.1m
MEDTA)に溶解、0.3ml 10M LiClを
加えて氷中で1時間放置した。遠心して上清を除いたの
ち、再度0.9mlTEに溶解し、0.3ml 10M
LiClを加えて氷中で1時間放置した。これを遠心
して上清を除いたのち、沈殿を70%エタノールで洗浄
し、この沈殿を0.9mlPEBに溶解した。この溶液
を0.9ml PCで抽出し、水相を回収した。この水
相に0.3ml 10M LiClを加えて氷中で1時
間放置した。遠心して上清を除いたのち70%エタノー
ルで洗浄し、1ml蒸留水に溶解し、3.9mgのトー
タルRNAを得た。
ら、オリゴdTプライマー、逆転写酵素(SuperscriptI
I、GIBCO-BRL社)を用いて、添付文書に従ってcDNA
を合成した。合成したcDNAの内25分の2量を鋳型
とし、KUR-1(センス)(ATGAATTCTGYMRNAAYGGNGGNACNT
GYMARGAY)(配列番号5)およびDEL-2(アンチセン
ス)(ATGAATTCRTANCCNDKNTYRCANWTRCANTKRTA)(配列
番号6)をプライマーとして、PCRを行った。反応
は、TaKaRa LA PCR Kit Ver.2(日本国、宝酒造
(株))を用いて実施し、反応液量は20μl、プライ
マー濃度はそれぞれ20μg/ml、それ以外の反応液
組成はキットの添付文書に従った。PCR条件は95
℃、1分、53℃、1分、74℃、3分からなる行程を
1サイクルとして35サイクル実施した。
反応液組成のPCR反応液50μlに添加し再度PCR
を実施した。PCR条件は95℃、1分、53℃、1
分、74℃、3分からなる行程を1サイクルとして20
サイクル実施した。得られたPCR反応液を2%アガロ
ースにて電気泳動し、約1200bp、850bpおよ
び800bpの増幅断片をそれぞれ切り出し、JETSORB
(GENOMED社)を用いて精製した。
Iで消化したpBluescriptII KS+ (Clontech社)に挿入
し、大腸菌DH5αに遺伝子導入し、アンピシリンを含
むLB寒天培地に広げてコロニーを単離した。単離した
コロニーを20μlのPCR反応液に添加し94℃にて1
0分間処理した後、94℃、30秒、55℃、30秒、
72℃、1分からなる行程を1サイクルとして35サイ
クル実施した。プライマーは、M13FW(GTAAAACGACGGCCA
GTG)(配列番号9)、およびM13RV(CAGGAAACAGCTATGA
C)(配列番号10)を、それぞれ終濃度0.2μMで
使用した。得られたPCR産物を2%アガロースゲルに
て電気泳動し、増幅断片を確認した。47クローンにつ
いて、前記PCR増幅断片を鋳型に用いてABI377DNA
シーケンサー(Perkin Elmer社)を用いて塩基配列を決
定した。得られた配列をホモロジーサーチによって解析
したところ、種々の既知遺伝子と共に、EGFモチーフ
を有する新規な遺伝子が単離された。このとき得られた
配列は、配列番号1の塩基番号1024〜1419であ
った。この遺伝子をLDE-1(Liver Derived EGF gene)
と命名した。
出し、ドライアイスにて急速に冷凍した。凍結した胎仔
脳の半量より実施例1と同様にトータルRNAを調製し
た。次に、精製したトータルRNA 5mgより、オリ
ゴdTセルロースカラムを用いてメッセンジャーRNA
を調製した。調製したメッセンジャーRNA 5μgよ
り、Zap Express cDNA合成キット(Stratagene社)
を用いて添付文書に従って、独立なクローン約200万
種類を含む、cDNAライブラリーを作製した。15c
mのシャーレに23,000プラークずつ12枚蒔き、
37℃で8時間保温した後、Hybond-N+(Amersham社)
ナイロンフィルターに、各シャーレにつき2枚ずつプラ
ークを写しとった。
ってDNAの固定処理を行い、32P標識したDNAプロ
ーブにてスクリーニングを実施した。プローブの調製方
法を以下に記す。
いて、プライマー、LDE101(ACTATGGCCAGCACTGTGAGCAT
A)(配列番号11)、およびLDE102(GGCAGCGGCAGGTTC
GGCTTGGAC)(配列番号12)を合成し、実施例1で得
られた遺伝子断片を含むプラスミドを鋳型としてPCR
を行った。PCR条件は94℃、30秒、55℃、30
秒、72℃、1分からなる行程を1サイクルとして35
サイクル実施した。 PCR産物を2%アガロースゲル
にて電気泳動し、増幅断片をJETSORBを用いて精製し
た。得られたPCR断片25ngを鋳型として、Megapr
ime labeling kit(Amersham社)を用いて32P標識した
DNAプローブを調製した。キットに添付のランダムプ
ライマーの代わりに、各1pmolのプライマーLDE10
1、LDE102を加え、その他は添付文書に従った。
洗浄は、ZapExpress cDNA合成キット添付文書に従っ
て実施し、BAS2000イメージアナライザ(日本国Fujix
社)用イメージングプレートに二日間露光し、 BAS2000
イメージアナライザで結果を解析した。その結果、強く
露光された部分に相当するシャーレ上のプラークを掻き
取り、10cmシャーレに200個程度のプラークが出る
ように再度蒔き直し、上記方法にてに再度スクリーニン
グを実施し、単一のプラークを単離した。
成キット添付文書に従ってin vivoでの切り出しを実施
し、単一コロニーを50μg/mlのカナマイシンを含
むLB培地50mlに植菌、37℃で一夜培養したのち
QIAGEN Tip-100(QUIAGEN社)にてプラスミドを抽出
し、約15μgのプラスミドを取得した。挿入断片の両
端を、T3(AATAACCCTCACTAAAGGGA)(配列番号13)及
びT7(TAATACGACTCACTATAGGG)(配列番号14)プライ
マーを用いて、ABI377 DNAシーケンサーを用いて配
列決定したところ、配列番号1の塩基番号83以降の塩
基配列を含む部分長cDNAを含むことが判明した。
とNotIで切断し、0.8%アガロースゲルにて電気
泳動し、約3Kbの断片を切り出しショットガンシーク
エンスを実施した。すなわち、GeneCleaneII(BIO101
社)を用いてDNA断片を回収し、回収した断片の半量
を蒸留水100μlで希釈して、SONIFIER 250D(BRANSON)
の目盛り1で20秒間、超音波破砕を行った。得られた
DNA溶液に300μlのGene CleanII添付のNaI溶
液を加え、以下添付文書に従ってDNAを回収した。回
収したDNA断片を、T4ポリメラーゼ反応液(10倍
希釈添付緩衝液、0.5mM dNTP(dATP、d
GTP、dCTP及びdTTP、各0.5mM)、10
ユニットT4DNAポリメラーゼ)50μl中に希釈し
て37℃にて30分間処理し、末端の平滑化を行った
後、等量のPCで処理し、常法に従って2−プロパノー
ル沈殿を行い、沈殿を70%エタノールでリンスしたの
ち10μl蒸留水に溶解した。
ゲーションキットVer.2(日本国、宝酒造(株))を用
い、SmaI消化したpBluescriptII KS- 50ngに挿
入した。得られた反応液を大腸菌DH5αに導入し、50
μg/mlアンピシリンを含むLB寒天培地に蒔き、単
一コロニーを形成させた。単離したコロニー32個をそ
れぞれ20μlのPCR反応液に添加し、94℃にて1
0分間処理した後、94℃、30秒、55℃、30秒、
72℃、1分からなる行程を1サイクルとして35サイ
クルのPCRを実施した。プライマーは、M13FW、M13RV
プライマーをそれぞれ終濃度0.2μMで使用した。
電気泳動し、増幅断片を確認した後、このPCR増幅断
片を鋳型として17クローンについてABI377 DNAシ
ーケンサーを用いて配列を決定した。得られた配列デー
タ及び前記の5’、3’両末端配列データを結合した。
上記解析で得られなかった部分は合成プライマーを用い
て決定した。上流部分を取得するため5’RACEを実
施した。50μlのPCR反応液にマウス脳Marathon-R
eady cDNA(Clontech社)、1μl、AP-1(CCATCCTA
ATACGACTCACTATAGGGC)(配列番号15)、LDE105(CTG
GAAGTGCTTAAGGCAGATGCGGAAGAA)(配列番号16)を、
それぞれ終濃度が0.2μMとなるように添加し、TaKa
Ra LA PCR Kit Ver.2を用いて、94℃、30秒、68
℃、3分からなる行程を1サイクルとして35サイクル
のPCRを実施した。更に、50μlのPCR反応液に
前記PCR反応液1μl、AP-2(ACTCACTATAGGGCTCGAGC
GGC)(配列番号17)及びLDE106(GTTCGCAGGACTGCCCA
TTGGCCAGCATAC)(配列番号18)を、それぞれ終濃度
が0.2mMとなるように添加し、94℃、30秒、6
8℃、3分からなる行程を1サイクルとして30サイク
ルのPCRを実施した。得られたPCR反応液を2%ア
ガロースにて電気泳動し、約500bpの増幅断片を切
り出しGeneCleanIIを用いて精製した。精製したPCR
断片はpGEM-Tベクター(Promega社)に挿入し、大腸菌D
H5αに遺伝子導入した。得られたcDNA断片の塩基配
列を、T3、T7プライマーとABI377 DNAシーケンサー
を用いて決定し、先に決定した下流部分の配列と結合す
ることによって全翻訳領域の塩基配列を決定し、塩基配
列より推定されるアミノ酸配列を推定した。
タベースをBlast(ホモロジー検索ソフトウェア)
を用いて検索したところ、マウスLDE-1と相同性を有す
る配列が見いだされた(GenBank Accession No. Z6354
5)。このヒト由来の配列及びマウスの配列を用いてhLD
E1F2(TCTTCCGCATCTGCCTTAAGCACT)(配列番号19)、
hLDE1R2(AGTCTCTGGCCGCAGGTCGTCTCC)(配列番号2
0)を合成した。合成したプライマーを用いてヒトMT
Cパネル(CLONTECH社)のうち、脳、心臓、肺、肝臓、
腎臓由来のcDNAを鋳型としてPCRを実施した。そ
の結果、全ての臓器から増幅断片が得られた。このう
ち、脳由来のPCR断片をpGEM-Tベクター(Promega
社)に挿入し、大腸菌DH5aに遺伝子導入し、50μg/
mlアンピシリンを含むLB寒天培地に蒔き、単一コロ
ニーを形成させた。単離したコロニー8個をそれぞれ2
0μlのPCR反応液に添加し、94℃にて10分間処
理した後、94℃、30秒、55℃、30秒、72℃、
1分からなる行程を1サイクルとして35サイクルのP
CRを実施した。プライマーは、M13FW、M13RVプライマ
ーを、それぞれ終濃度0.2μMで使用した。PCR産物を
2%アガロースゲルにて電気泳動し、増幅断片を確認し
た後、このPCR増幅断片を鋳型として3クローンにつ
いてABI377 DNAシーケンサーを用いて配列を決定し
た。
3の塩基番号226〜398に相当)から、マウスLDE-
1のヒトホモログであることを確認した。得られたDN
A断片を鋳型として、実施例2と同様にしてプローブを
作製し、λgt11に組み込まれたヒト肺由来cDNAライ
ブラリー(CLONTECH社)、約85万プラークをプラーク
ハイブリダイゼーションによってスクリーニングし、4
個の単一のプラークを単離した。得られたプラークにつ
いて、PrepEZlDNA精製キット(5prime-3prime Inc.
社)を用いて、添付文書に従ってλファージDNAを取
得した。得られたDNAをEcoRIを用いて消化し、
0.8%アガロースゲルにて電気泳動し、約3Kbの断
片を切り出した。切り出した断片はJETSORBを用いて精
製した。
luescriptII KS+に挿入し、大腸菌DH5αに遺伝子導入
し、アンピシリンを含むLB寒天培地に蒔き、4個の単
一プラークのうち、3個について単一コロニーを単離し
た。単離したコロニーをそれぞれ5個、20μlのPC
R反応液に添加し、94℃にて10分間処理した後、9
4℃、30秒、55℃、30秒、72℃、1分からなる
行程を1サイクルとして35サイクルのPCRを実施し
た。プライマーはhLDE1F2、hLDE1R2プライマーを、それ
ぞれ終濃度0.2μMで使用した。PCR産物を2%ア
ガロースゲルにて電気泳動し、増幅断片を確認した。そ
の結果、3種類の単一プラーク由来のクローンの内、1
つのプラーク由来のクローンのみ増幅断片が確認され
た。
0μg/mlのアンピシリンを含むLB培地50mlに
植菌し、37℃で一夜培養したのち、QIAGEN Tip-100を
用いてプラスミドを抽出し、約80μgのプラスミドを
取得した。挿入断片の両端をT3及びT7プライマーを用い
て、ABI377 DNAシーケンサーを用いて配列決定した
ところ、配列番号3の塩基番号105以降の塩基配列を
含む部分長cDNAを含むことが判明した。
及びPstIで切断し、0.8%アガロースゲルにて電
気泳動し、約2.5Kb、約500bおよび約200b
の断片を切り出し、それぞれJETSORBを用いてDNA断
片を回収した。約2.5Kbの断片は実施例2と同様に
ショットガンシークエンスを行った。すなわち、約2.
5Kbの断片を超音波破砕し、末端の平滑化を行った。
一方、約500b、約200bの断片は、末端の平滑化
のみ行った。得られたDNA断片をTaKaRa DNA ライ
ゲーションキット Ver.2を用いて、添付文書に従って、
SmaI消化したpBluescriptII KS- 50ngに挿入し
た。得られた反応液を大腸菌DH5αに導入し、50μg
/mlアンピシリンを含むLB寒天培地に蒔き、単一コ
ロニーを形成させた。単離したコロニーのうち、超音波
破砕した断片を含むクローンは40個、他は各8個を、
それぞれ20μlのPCR反応液に添加し94℃にて1
0分間処理した後、94℃、30秒、55℃、30秒、
72℃、1分からなる行程を1サイクルとして35サイ
クルのPCRを実施した。プライマーはM13FW、M13RVプ
ライマーをそれぞれ終濃度0.2μMで使用した。PC
R産物を2%アガロースゲルにて電気泳動し、増幅断片
を確認した後、このPCR増幅断片を鋳型として、超音
波破砕した断片を含むクローンは20個、他は各2個、
ABI377 DNAシーケンサーを用いて配列を決定した。
得られた配列データ及び前記の5’、3’両末端配列デ
ータを結合した。本データで得られなかった部分は合成
プライマーを用いて決定した。
rathon-Ready cDNA(Clontech社)を用いて5’RAC
Eを実施した。20μlのPCR反応液に、AP-1及びhL
DE105(ACGACCGCCTGGAAGTGCTTAAGGCAGACG)(配列番号
21)を、それぞれ終濃度が0.2mMとなるように添
加し、94℃、30秒、68℃、2分からなる行程を1
サイクルとして35サイクルのPCRを実施した。50
μlのPCR反応液に、AP-2及びhLDE106(CGGAAGAAAGT
CCGGCAGCCGGGCTCGCAA)(配列番号22)を、それぞれ
終濃度が0.2μMとなるように添加し、94℃、30
秒、68℃、2分からなる行程を1サイクルとして30
サイクルのPCRを実施した。
電気泳動し、増幅断片の存在(約500bp)を確認し
た。このPCR反応液1μlをpGEM-Tベクター50ng
に挿入し、大腸菌DH5αに遺伝子導入した。得られたcD
NA断片の塩基配列をABI377DNAシーケンサーを用い
て決定し、先に決定した下流部分の配列と結合すること
によって、全翻訳領域の塩基配列を決定し(配列番号
3)、塩基配列より推定されるアミノ酸配列を推定した
(配列番号4)。
イアイスにて急速に冷凍した。凍結した臓器をISOGEN
(日本国ニッポンジーン)3mlに溶解し、添付文書に従
ってトータルRNAを調製した。また、種々の細胞株か
らも同様にしてトータルRNAを調製した。調製したト
ータルRNA 5μgからオリゴdTプライマー、Super
scriptIIを用いて、添付文書に従ってcDNAを合成し
た。合成したcDNAの内20分の1量を鋳型とし、mLDE
181(GCCTCTCCCCAAACAACTTCGTCT)(配列番号23)、m
LDE182(TTCTTCTGGTTTGTGTTTTTGAGC)(配列番号24)
を用いてPCRを行った。
ライマー濃度は0.2μM、それ以外はTaKaRa LA PCR
Kit Ver.2添付文書に従った。PCR条件は、94℃、
30秒、45℃、30秒、72℃、1分からなる行程を
1サイクルとして40サイクル実施した。得られた反応
液のうち10μlを2%アガロースゲルにて電気泳動
し、283bpの増幅断片の有無を確認した。その結
果、調べた全ての組織、細胞で発現が確認された。調べ
た組織、細胞は成体の脳、心臓、肝臓、骨格筋、骨髄、
脾臓、胸腺、卵黄嚢、胎仔AGM領域、各種細胞株(Balb3
T3、Swiss3T3)であった。
るいは造血前駆細胞の分化抑制活性の検討 (1)造血幹細胞の分離 以下の細胞分画法の基本的な手技は、Herzenberg, L.
A.. 「Weir s Handbookof Experimental Immunology,
5th edition」、Blackwell Science Inc. 1997、高津聖
志、「免疫研究の基礎技術」羊土社、1995年、に従
って行った。細胞分離用に用いた抗体は全て、Pharming
en社より購入した。 8〜10週令のC57BL-Ly5.1pepマ
ウス(日本クレア社に飼育委託)より骨髄細胞を分離し
た。骨髄細胞懸濁液を、Lymphoprep(Nycomed社)に重
層し、1500rpm,25℃,30分間遠心し、界面
に集まった細胞を回収した。細胞を染色バッファー(P
BS:リン酸緩衝生理食塩水)、5%FCS(Hyclone
社), 0.05%NaN3)で2回洗い、染色バッファ
ーに懸濁した。細胞懸濁液にビオチン化した分化抗原マ
ーカーに対する抗体、つまり、抗CD4抗体、抗CD8抗体、
抗CD11b抗体、抗Gr-1抗体、抗B220抗体、及び抗Ter119
抗体(以上、ファーミンジェン社から購入)を添加し、
氷中で30分間放置した。
ビジンをコートした磁性体ビーズ(アビジンマグネット
ビーズ、Perseptive社)を添加し、氷中で30分間放置
した。再度、染色バッファーで2回洗浄後、磁石を用い
てマグネットビーズを集めて、分化抗原を発現している
細胞を除去し、分化抗原陰性細胞群(Lin-細胞)を取得
した。Lin-細胞に、FITC標識抗CD34抗体、フィコエ
リスリン(Phycoerythrin:PE)標識抗Sca-1抗体、テキ
サスレッド(Texas Red)標識アビジン、アロフィコシ
アニン(Allophycocyanin:APC)標識抗c-Kit抗体を添
加し、氷中で30分間放置した。染色バッファーで2回
洗浄後、セルソーター(FACSVantage、Becton Dickinso
n社)にて、造血幹細胞画分(CD34陰性〜弱陽性、Sca-1
陽性、c-Kit陽性細胞)を選別した。
L領域の17マーのアミノ酸配列に相当するペプチド
を、パーキンエルマー、モデル433ペプチド合成機(Per
kin-Elmer社)で合成した。合成したペプチドは、一部
を逆相HPLC(ウォーターズ社)を用いて分取し、マ
ススペクトロメトリー(Perseptive社、ボイジャー)に
より、目的の配列の溶出画分を同定した。さらに、逆相
HPLCにより大量に合成ペプチドの精製を行った。分
取サンプルの一部について、マススペクトロメトリーで
分子量とアミノ酸組成を決定し、さらに、一部を6Nの
塩酸中、150℃1時間放置し、分解した後、アミノ酸
組成分析機(日立製作所、L8500)を用いてアミノ酸組
成を調べ、目的のペプチドが合成されていることを確認
した。各ペプチドの配列は、ヒト・ジャグド−1;CDDY
YYGFGCNKFCRPR(配列番号25)、マウスDll-1;CDEHYY
GEGCSVFCRPR(配列番号26)、マウスLDE-1;CSDNYYGE
SCSRLCKKR(配列番号27)である。
地(三光純薬)に0.1%BSA(三光純薬)、マウス
SCF{幹細胞成長因子(stem cell factor)}(20ng
/ml)(キリンビール(株))、ヒトIL-6(インターロ
イキン−6)(20ng/ml)(キリンビール(株))、マ
ウス IL-11(インターロイキン−11)(20ng/ml)(R
and D Systems社)、およびヒトFlt3/Flk2-ligand(50
ng/ml)(Rand D Systems社)(Lyman, S.D. Cell, 75:
1157, 1993)を添加したものを用いた。上記で用いた造
血因子は、いずれもリコンビナント体であり、純粋なも
のである。
くは10μM添加し、あるいはペプチドを添加せずに、
上記方法によりセルソーターにより分離した造血幹細胞
を30個ずつ加え、96穴プレート中で1週間培養をお
こなった。培養後、各ウエルにC57BL/6N(日本チャール
スリバー)の骨髄から調製したLin-細胞を加え、各ウエ
ルの細胞を懸濁後、致死量のX線を照射(9.5Gy)
したC57BL/6N(日本チャールスリバー社)に尾部静脈よ
り移植した。移植1ヶ月後に、各マウスの眼窩静脈より
血液を採血し、赤血球を溶血後、細胞をFITC-抗Ly5.1抗
体、PE-抗Mac-1抗体、PE-抗Gr-1抗体、APC抗B220抗体、
APC抗Thy-1抗体で染色して、骨髄球系(Mac-1陽性また
はGr-1陽性)細胞、およびリンパ球系(B220陽性または
Thy-1陽性)細胞における、Ly5.1抗体陽性の割合をフロ
ーサイトメトリーにより算定した。
(Input)は、幹細胞の培養を行わなかったときの結果
を、コントロール(Control)は、DSLペプチドを加
えずに培養したときの結果を示す。図2に示したよう
に、DSLペプチド存在下で造血幹細胞を培養したもの
では、ペプチド非存在下で培養したものと比べ、末梢血
に占める培養幹細胞に由来する細胞の割合が高いことが
判明した。このことは、DSLペプチド存在下で造血幹
細胞を培養することで、造血幹細胞もしくは前駆細胞を
より効率よく増殖させることができることを示してい
る。
を示す。
その遺伝子、並びに、造血幹細胞又は造血前駆細胞の分
化を抑制するポリペプチドが提供される。本発明のポリ
ペプチドを用いることにより、造血幹細胞又は造血前駆
細胞を分化させずに増殖させることが可能になる。
のDSL領域のアミノ酸配列の比較を示す図。ノッチリ
ガンドの名称の先頭に付された文字は、以下に示す動物
を表す。r:ラット(Rattus norvegicus)、h:ヒト(H
omo sapiens)、ch:ニワトリ( Gallus gallus)、x:
カエル(Xenopus laevis)、m:マウス(Mus musculu
s)、dr:ゼブラフィッシュ(Danio rerio)、d:ショウ
ジョウバエ(Drosophila melanogaster)
細胞に対する効果を示す図。
Claims (12)
- 【請求項1】 以下の(A)又は(B)のタンパク質。 (A)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列を有するタ
ンパク質。 (B)配列番号2又は4に示すアミノ酸配列において、
1若しくは数個のアミノ酸が置換、欠失又は挿入された
アミノ酸配列を有し、かつ、造血幹細胞及び造血前駆細
胞の分化抑制能を有するタンパク質。 - 【請求項2】 以下の(a)又は(b)のDNAからな
るノッチリガンドLDE-1遺伝子。 (a)配列番号1又は3に示す塩基配列を有するDN
A。 (b)前記(a)のDNAと相同性が60%以上の塩基
配列を有し、かつ、造血幹細胞及び造血前駆細胞の分化
抑制能を有するタンパク質をコードするDNA。 - 【請求項3】 ノッチリガンドのDSL領域のアミノ酸
配列の少なくとも一部のアミノ酸配列を有し、かつ、造
血幹細胞及び造血前駆細胞の分化抑制能を有するポリペ
プチド(配列番号25に示すアミノ酸配列を有するポリ
ペプチドを除く)。 - 【請求項4】 DSL領域のアミノ酸配列が、配列番号
35、40又は41に示すアミノ酸配列である請求項3
記載のポリペプチド。 - 【請求項5】 配列番号26もしくは27に示すアミノ
酸配列、又は配列番号41のアミノ酸番号3〜19から
なるアミノ酸配列からなる請求項4記載のポリペプチ
ド。 - 【請求項6】 請求項3〜5のいずれか一項に記載のポ
リペプチドをコードするDNA。 - 【請求項7】 ノッチリガンドのDSL領域のアミノ酸
配列の少なくとも一部のアミノ酸配列を有し、かつ、造
血幹細胞及び造血前駆細胞の分化抑制能を有するポリペ
プチドまたは請求項1記載のタンパク質の存在下で造血
幹細胞または造血前駆細胞を培養することを含む、造血
幹細胞または造血前駆細胞の増殖方法。 - 【請求項8】 前記ノッチリガンドが、配列番号29、
35、40および41から選ばれるアミノ酸配列を有す
る請求項7記載の方法。 - 【請求項9】 前記培養に、血液細胞刺激因子の添加を
伴う、請求項7または8記載の方法。 - 【請求項10】 前記血液細胞刺激因子が、幹細胞成長
因子、インターロイキン−6、インターロイキン−1
1、Flt3/Flk2-ligand、トロンボポエチンから選ばれる
ものである請求項9記載の方法。 - 【請求項11】 ノッチリガンドのDSL領域のアミノ
酸配列の少なくとも一部のアミノ酸配列を有し、かつ、
造血幹細胞及び造血前駆細胞の分化抑制能を有するポリ
ペプチド又は請求項1記載のタンパク質を構成成分とし
て含む、造血幹細胞および造血前駆細胞の生体外増幅用
試薬または試薬キット。 - 【請求項12】 請求項2又は請求項6のDNAが導入
されて形質転換された形質転換細胞。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10197882A JP2000023674A (ja) | 1998-07-13 | 1998-07-13 | 分化を抑制するペプチドと造血幹細胞増殖法 |
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JP10197882A JP2000023674A (ja) | 1998-07-13 | 1998-07-13 | 分化を抑制するペプチドと造血幹細胞増殖法 |
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---|---|
JP (1) | JP2000023674A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2009072635A1 (ja) | 2007-12-06 | 2009-06-11 | Nissan Chemical Industries, Ltd. | ヘテロ環化合物による造血幹細胞の増幅方法 |
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