JP2000023582A - 海中林造成用海藻種苗の生産方法及びその海中林造成用海藻種苗 - Google Patents
海中林造成用海藻種苗の生産方法及びその海中林造成用海藻種苗Info
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Abstract
向上し、良質の海藻種苗が得られ、しかも生産効率を向
上し得る海中林造成用海藻種苗の生産方法を提供すると
ともに、その方法で得られる海藻種苗を造成用構造物へ
の取付方に適合した形態で効率的に提供する。 【解決手段】胞子の着生に適した種苗糸等の種苗着生基
材1に海藻の胞子を着生させて発芽させた後、その種苗
着生基材1をそのまま担体2に装着して更に育成し、仮
根部3が同担体2に付着した後、少なくとも1個の葉状
部、例えば幼体4を含むように前記担体2を分割して個
々の海中林造成用海藻種苗5を形成する。
Description
海中林を造成するために使用される海中林造成用海藻種
苗の生産方法及びその海中林造成用種苗に関する。より
詳しくは、損傷の少ない良質の造成用海藻種苗を提供す
るとともに、造成用構造物に対する取付方に適合した造
成用海藻種苗を効率的に提供するための技術に関する。
な方法としては、海中に自生している海藻をはぎ取って
海藻種苗として移植に使用するという方法があるが、そ
のはぎ取り時に伴う仮根部のダメージにより、海藻種苗
として海中へ再移植した場合の成功率は低いものであっ
た。他方、弾性糸からなる芯糸の周囲に一般繊維を配し
て帯状あるいはロープ状に形成した基体に海藻種苗の胞
子を着生し発芽をまって海中に沈設した造成用構造物に
取付けるという形態の造成用海藻種苗が知られている
(特開昭61−92517号公報)。
着生率を更に向上し、損傷の少ない良質の海藻種苗が得
られ、しかも生産効率を向上し得る海中林造成用海藻種
苗の生産方法を提供するとともに、その方法で得られる
海藻種苗を造成用構造物への取付方に適合した形態で効
率的に提供することを目的とするものである。
め、請求項1の発明では、胞子の着生に適した種苗糸等
の種苗着生基材に海藻の胞子を着生させて発芽させた
後、その種苗着生基材をそのまま担体に装着して更に育
成し、仮根部が同担体に付着した後、少なくとも1個の
葉状部を含むように前記担体を分割して個々の海中林造
成用海藻種苗を形成するという技術手段を採用した。本
発明では、先ず、胞子が浮遊する陸上の水槽内等で種苗
糸等の種苗着生基材に適宜海藻の胞子を確実に着生させ
発芽させた後に、その種苗着生基材ごと担体に装着する
ので着生率が高いとともに、種苗に適した分布率で担体
に装着することができるので、更に海中等において育成
して仮根部が担体に付着して仮根部からの葉状部が生長
した場合には、良質の海藻種苗が得られる。また、この
方法によれば、仮根部が損傷を受けない形で個々の造成
用海藻種苗に分割されるので、その点でも良質の海藻種
苗が得られる結果、海中への移植の成功率を向上でき
る。
着生した種苗着生基材を担体に装着して葉状部が出現す
るまで育成し、その仮根部が付着した担体を少なくとも
1個の葉状部を含むように分割して分割片からなる海中
林造成用海藻種苗を形成するという技術手段を採用し
た。本発明では、種苗糸等の種苗着生基材を介して仮根
部が付着した担体を分割して形成した分割片から造成用
の海藻種苗を形成したので、前記発明と同様に仮根部が
損傷を受けない形で海藻種苗が形成されることから、良
質の海藻種苗が得られ、海中への移植の成功率も向上で
きる。また、造成用構造物に対して締付バンド等の取付
用具を用いて取付けるなど、その取付形態に合わせて自
由に分割片を形成できるので、海藻種苗の形成作業がき
わめて効率的である。延いては、その分割片からなる海
藻種苗と取付手段とが相俟って造成用構造物への取付時
間の短縮化が図れるので、海藻種苗に与えるダメージを
最小限に抑えることが可能である。
ては、コンブ目コンブ科に属するツルアラメが好適であ
るが、コンブ科に限らず他の種類の海藻でも広く適用が
可能である。前記種苗着生基材としては、海藻の胞子が
着生しやすいものであれば、クレモナ(商品名)等の適
宜の種苗糸や帯状のものが好適である。また、担体とし
ては、海藻の仮根部が着生可能なものであればよく、ビ
ニルホースやロープ状などの紐状のものが分割作業が容
易であることから好適である。なお、担体の外周面は、
仮根部が付着しやすいように凹凸状があるものが望まし
い。また、個々の造成用種苗に分割しやすいように、担
体として切断に適した素材を用いたり、予め切れ目やく
びれを形成しておいてもよい。その担体に対する前記種
苗着生基材の装着は、種苗着生基材を担体の外周面に巻
付けたり、ストレートに沿わせて接着剤や固定具を用い
て固定することにより簡単に装着することができる。な
お、仮根部が付着した後、担体を分割する場合には、少
なくとも1個の葉状部を含むように分割すればよく、そ
の単位の長さは海藻種苗の装着の仕方等に応じて選択す
ればよい。
説明する。図1は本発明の一実施例を示した概略説明図
である。図中、1は種苗糸等からなる種苗着生基材で、
前述のように胞子が浮遊している陸上の水槽内等で適宜
の海藻の胞子を着生させ発芽させたものである。そし
て、例えば1ヶ月程度育成して1〜2mm程度の新芽が
形成された頃に取出し、例えば図示のようにビニルホー
ス等からなる中空状の担体2の外周面に装着する。本実
施例では、図示のように担体2の外周面に種苗着生基材
1を螺旋状に巻付けることにより装着している。この場
合、種苗着生基材1をより的確に固定するため、図示し
ない固定具や接着剤等を用いて要所を固定するようにし
てもよい。そして、その状態で、更に海中等において育
成することにより、前記種苗着生基材1に着生した胞子
の仮根部3が伸長して担体2に着生するようになるとと
もに、やがて仮根部3から葉状部としての幼体4が形成
される。図1はその頃に取出したところを示したもの
で、本実施例では図示のように1〜3枚程度の幼体4を
含むように切断線A〜Dに沿って切断することにより分
割片の造成用海藻種苗5を分割形成している。
分割片の造成用海藻種苗5の使用形態を例示した適用状
態図である。図2に示した実施例は、例えば造成用構造
物を構成する柱体部分に装着可能に構成されたC形の取
付リング6の嵌着部7に前記造成用海藻種苗5を嵌着し
て使用する場合を示したものである。なお、嵌着部7の
取付方向を90度回転させ、取付リング6のほぼ全長に
わたる長さに担体2を分割して造成用海藻種苗としても
よい。図3に示した実施例は、取付バンド8に前記造成
用海藻種苗5の中空状の担体2部分を外嵌した状態で使
用する場合を示したものである。本実施例においても取
付バンド8の全長に近い長さの造成用海藻種苗を用いる
ことができる。図4に示した実施例は、取付バンド9に
挿通支持された保持具10の嵌着部11に前記造成用海
藻種苗5を嵌着して使用する場合を示したものである。
なお、図2及び図4の場合には、担体2としてロープ状
のものを用いた場合にも好適である。また、いずれの実
施例においても、造成用構造物の形状や造成条件、コス
ト等に応じて造成用海藻種苗を構成する前記担体2の長
さを適宜選択することができる。
できる。 (1)先ず種苗糸等の胞子の着生に適した種苗着生基材
に海藻の胞子を確実に着生させて発芽させた後に、担体
に装着して仮根部を同担体に付着させるように育成する
という方法を採用したので、着生率が更に改善され、良
質の海藻種苗が得られるとともに、生産効率が向上す
る。 (2)仮根部が担体に付着した後にその担体部分におい
て分割するようにしたので、仮根部が損傷を受けていな
い良質の海藻種苗が得られることから、海中への移植の
成功率が向上する。 (3)分割片から造成用の海藻種苗を形成するように構
成したので、造成用構造物に対して締付バンド等の取付
用具を用いて取付けるなど、その取付形態に合わせて適
宜分割することにより、海藻種苗の形成作業をきわめて
効率的に行うことができる。延いては、それらの取付手
段と相俟って、造成用構造物への海藻種苗の取付作業の
短縮化にも資する。したがって、作業時間の短縮化も相
俟って、ダメージの少ない状態で海中へ投入されるの
で、その後の海藻種苗の生育状態がきわめて良好であ
る。
る。
態図である。
用状態図である。
用状態図である。
5…造成用海藻種苗、6…C形取付リング、7…嵌着
部、8,9…取付バンド、10…保持具、11…嵌着部
Claims (2)
- 【請求項1】 胞子の着生に適した種苗糸等の種苗着生
基材に海藻の胞子を着生させて発芽させた後、その種苗
着生基材をそのまま担体に装着して更に育成し、仮根部
が同担体に付着した後、少なくとも1個の葉状部を含む
ように前記担体を分割して個々の海中林造成用海藻種苗
を形成することを特徴とする海中林造成用海藻種苗の生
産方法。 - 【請求項2】 海藻の胞子が着生した種苗着生基材を担
体に装着して葉状部が出現するまで育成し、その仮根部
が付着した担体を少なくとも1個の葉状部を含むように
分割して形成した分割片からなる海中林造成用海藻種
苗。
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JP19483798A JP4197550B2 (ja) | 1998-07-09 | 1998-07-09 | 海中林造成用海藻種苗の生産方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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1998
- 1998-07-09 JP JP19483798A patent/JP4197550B2/ja not_active Expired - Fee Related
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