JP2000017180A - 切削用予備成形体および切削加工品の製造方法 - Google Patents

切削用予備成形体および切削加工品の製造方法

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JP2000017180A
JP2000017180A JP10185471A JP18547198A JP2000017180A JP 2000017180 A JP2000017180 A JP 2000017180A JP 10185471 A JP10185471 A JP 10185471A JP 18547198 A JP18547198 A JP 18547198A JP 2000017180 A JP2000017180 A JP 2000017180A
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Kazuyo Ishimaru
一世 石丸
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】フッ素樹脂と同程度以上の耐熱性、耐薬品性、
電気特性などの諸特性を有しながら、特に切削加工性に
優れた予備成形体(粗成形品)および切削加工品の製造
方法を提供する。 【解決手段】脂環式構造含有重合体樹脂に、軟質重合体
および結晶性重合体からなる群から選ばれる少なくとも
1種の重合体を配合してなる樹脂組成物からなる切削用
予備成形体である。また脂環式構造含有重合体樹脂に、
軟質重合体および結晶性重合体からなる群から選ばれる
少なくとも1種の重合体を配合してなる樹脂組成物から
なる切削用予備成形体を切削加工することを特徴とする
切削加工品の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、切削用予備成形体
に係り、さらに詳しくは、切削加工性に優れた予備成形
体および切削加工品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリテトラフルオロエチレン(PTF
E)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化
ビニル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体
(ETFE樹脂)、エチレン−クロロトリフルオロエチ
レン共重合体(ECTFE)などのフッ素樹脂は、耐薬
品性、耐熱性、摺動性などの各種特性を有しており、絶
縁材料、摺動材料などの用途に広く用いられている。
【0003】特に、PTFEは、耐熱性に優れており、
機械的強度が高く、低誘電性であり、高体積抵抗率およ
び低誘電正接を有するため絶縁破壊強度が高く、摩擦係
数が低く、摩擦熱耐性を有しており、さらには耐薬品性
にも優れている。
【0004】こうしたPTFEは、溶融粘度が380°
Cで約1011〜1012ポアズと極めて高いため、一
般の熱可塑性樹脂(成形時の溶融粘度は約10〜1
ポアズ程度)で用いられている押出成形、射出成形
が適用できない。このため、専ら、圧縮成形などにより
得られた予備成形体(粗成形品)を、切削加工により成
形して、耐薬品性や耐熱性などが要求される製品(たと
えば、ウエハーキャリアなど)を製造している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、PTF
Eは、必ずしも切削加工性に優れているものではなく、
その加工に要する時間が長く、製造コストの増大を招い
ていた。
【0006】なお、シクロオレフィンポリマーなどの脂
環式構造含有重合体樹脂は、耐熱性に優れ、低誘電性お
よび低誘電正接であり、摺動性に優れ、絶縁破壊強度も
高く、耐薬品性を有し、かつ成形性に優れるので、これ
を射出成形した成形品の応用が検討されている(特開平
8−325440号公報)。
【0007】しかしながら、脂環式構造含有重合体樹脂
を電気絶縁部材等の予備成形体として応用した場合、成
形性には優れるものの、微細構造の切削加工時に強度不
足から割れを生じる問題があった。
【0008】本発明はこうした実状に鑑みてなされ、フ
ッ素樹脂と同程度以上の耐熱性、耐薬品性、電気特性な
どの諸特性を有しながら、特に切削加工性に優れた予備
成形体(粗成形品)および切削加工品の製造方法を提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、フッ素樹
脂と同程度以上の耐熱性、耐薬品性、電気特性などの諸
特性を有しながら、特に切削加工性に優れた予備成形体
について鋭意検討した結果、脂環式構造含有重合体樹脂
に軟質重合体および結晶性重合体からなる群から選ばれ
る少なくとも1種の重合体を配合してなる樹脂組成物か
らなる予備成形体を成形後、これを切削加工して得られ
る製品が、PTFEなどのフッ素樹脂からなる製品と同
程度以上の耐熱性、耐薬品性および電気特性などを有
し、しかもPTFE以上に切削加工性に優れ、かつ機械
的強度にも優れていることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0010】すなわち、本発明に係る切削用予備成形体
は、脂環式構造含有重合体樹脂に、軟質重合体および結
晶性重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重
合体を配合してなる樹脂組成物からなることを特徴とす
る。
【0011】脂環式構造含有重合体樹脂100重量部に
対する軟質重合体および結晶性重合体からなる群から選
ばれる少なくとも1種の重合体の配合量は、特に限定さ
れないが、好ましくは1重量部〜90重量部、より好ま
しくは5重量部〜70重量部、さらに好ましくは10重
量部〜50重量部である。軟質重合体および結晶性重合
体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体の配
合量が、脂環式構造含有重合体樹脂100重量部に対し
て、この範囲であるときに切削加工性、機械的強度およ
び各種特性が高度にバランスされ好適である。
【0012】なお、軟質重合体および結晶性重合体の好
ましい例については後述する。
【0013】本発明に係る切削加工品の製造方法は、脂
環式構造含有重合体樹脂に、軟質重合体、および結晶性
重合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体
を配合してなる樹脂組成物からなる切削用予備成形体を
成形後、切削加工することを特徴とする。
【0014】本発明に係る切削用予備成形体は、たとえ
ば、ウエハやガラス基板などを収納するキャリア、自動
車用部材、メガネレンズ、電気絶縁部材に適用して好ま
しく、特にコネクター部品(電気信号を伝達するケーブ
ルなどを分離可能に接続するための端子部品に用いられ
る)などの最終成形品(精成形品)を切削加工して得る
ための予備成形体に適用して好ましいものである。
【0015】予備成形体 本発明に係る「切削用予備成形体」とは、最終成形品
(精成形品)を、切削加工して得るための粗成形品のこ
とである。
【0016】本発明における「切削加工」とは、広く、
工具(バイトやドリルなど)を用いて切り屑を出しなが
ら工作を行うことを意味し、手仕上げまたは手加工並び
に各種機械加工の如何を問わず、狭義の切削加工のほ
か、切断加工、研磨加工などのあらゆる加工を意味して
いる。こうした「切削加工」としては、たとえば、打ち
抜き加工、押し抜き加工、穴あけ加工、中ぐり加工、研
削加工、フライス削り加工、平削り加工、形削り加工、
丸削り加工、のこ引き加工、タップ立て加工、ねじ切り
加工、研磨仕上げ加工、バフ仕上げ加工などが例示で
き、これらの加工は、通常、旋盤、フライス盤、シェー
パ、中ぐり盤、ドリルなどを用いて行われる。
【0017】本発明に係る切削用予備成形体の「形状」
は、特に限定されないが、たとえば、ロッド(これは、
たとえば、各種電気部品やバルブ用部品などの成形や、
機械加工後の溶接加工などに使用される)、チューブ
(これは、たとえば、各種配管や、通信電気機器の配線
用被覆、化学用分析器具などの成形に使用される)、パ
イプ(これは、たとえば、各種シール用部品や軸受など
の成形に使用される)、シート(これは、たとえば、各
種シール用部品、電気絶縁材料、機械部品などの成形に
使用される)、平板(これは、たとえば、自動車用部
材、建築用材料、導光板材料などの成形に使用され
る)、ブロック(これは、たとえば、各種レンズ部品、
機械部材などの成形に使用される)などの各種形状が例
示できるが、要するに、最終成形品の切削加工に適した
形状であれば、特に限定はされない。電気絶縁部材にお
いてはロッド形状のものが好ましく用いられる。IZO
D衝撃値は通常8kg・cm/cm以上、好ましくは1
0kg・cm/cm以上、より好ましくは12kg・c
m/cm以上であり、引張破断強度は通常350kgf
/cm以上、好ましくは400kgf/cm
上、より好ましくは550kgf/cm以上、通常
1000kgf/cm以下であり、引張破断伸びは
通常45%以上、好ましくは50%以上、より好ましく
は55%以上、通常100%以下である。
【0018】本発明に係る切削用予備成形体は、脂環式
構造含有重合体樹脂と、軟質重合体および結晶性重合体
からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体とを必
須とし、必要に応じて配合剤を加えてなる樹脂組成物を
成形して得られる。
【0019】本発明に係る切削用予備成形体の「成形方
法」は、特に限定されず、たとえば、射出成形、押出成
形などにより成形することができ、好ましくは押出成形
である。成形時の樹脂の溶融温度は脂環式構造含有重合
体樹脂の種類によっても異なるが、通常、100゜C〜
400°C、好ましくは200゜C〜350°Cであ
る。
【0020】脂環式構造含有重合体樹脂 本発明で使用される脂環式構造含有重合体樹脂は、主鎖
および/または側鎖に脂環式構造を有するものであり、
耐熱性などの観点から、主鎖に脂環式構造を含有するも
のが好ましい。
【0021】重合体の脂環式構造としては、飽和環状炭
化水素(シクロアルカン)構造、不飽和環状炭化水素
(シクロアルケン)構造などが挙げられるが、機械的強
度、耐熱性などの観点から、シクロアルカン構造やシク
ロアルケン構造が好ましく、中でもシクロアルカン構造
を有するものが最も好ましい。
【0022】脂環式構造を構成する炭素原子数は、格別
な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20
個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、機
械的強度、耐熱性、および成形性の特性が高度にバラン
スされ、好適である。
【0023】本発明に使用される脂環式構造含有重合体
樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、使
用目的に応じて適宜選択されればよいが、通常30重量
%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは7
0重量%である。脂環式構造含有重合体樹脂中の脂環式
構造を有する繰り返し単位の割合が過度に少ないと耐熱
性に劣り好ましくない。脂環式構造含有重合体樹脂中の
脂環式構造を有する繰り返し単位以外の残部は、格別な
限定はなく、使用目的に応じて適宜選択される。
【0024】こうした脂環式構造を含有する重合体樹脂
の具体例としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合
体、(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状
共役ジエン系重合体、(4)ビニル脂環式炭化水素重合
体、およびこれらの水素添加物などが挙げられる。
【0025】これらの中でも、ノルボルネン系重合体お
よびその水素添加物、環状共役ジエン系重合体およびそ
の水素添加物などが好ましく、ノルボルネン系重合体お
よびその水素添加物がより好ましい。
【0026】(1)ノルボルネン系重合体 ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例
えば、特開平3−14882号公報や特開平3−122
137号公報などに開示されている公知の重合体であ
り、具体的には、ノルボルネン系モノマーの開環重合体
およびその水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加
重合体、ノルボルネン系モノマーとビニル化合物の付加
型重合体などが挙げられる。
【0027】これらの中でも、耐熱性や誘電特性を高度
にバランスさせる上で、ノルボルネン系モノマーの開環
重合体水素添加物、ノルボルネン系モノマーの付加型重
合体、ノルボルネン系モノマーと共重合体可能なビニル
化合物の付加型重合体などが好ましく、ノルボルネン系
モノマーの開重合体水素添加物が特に好ましい。
【0028】ノルボルネン系単量体としては、ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネ
ン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2
−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト2−エン、5−ヘキシル−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクチル−
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−オクタ
デシル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5
−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト2−エ
ン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−2−エン、5−メトキシ−カルボニル−ビシク
ロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5
−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン;
【0029】5−メトキシカルボニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニルビ
シクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−
5−メトキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト
−2−エン、5−メチル−5−エトキシカルボニルビシ
クロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.
2.1]ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネイ
ト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−
メチルオクタネイト、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−
2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキ
シメチルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
5,6−ジ(ヒドロキシメチル)ビシクロ[2.2.
1]ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシ−i−プロピル
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5,6−ジ
カルボキシビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン;
5−シアノビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、
ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジ
カルボン酸イミド;
【0030】トリシクロ[4.3.12,5 .0
1,6 ]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペ
ンタジエン)、トリシクロ[4.3.12,5 .0
1,6 ]デカ−3−エン; トリシクロ[4.4.1
2,5 .01,6 ]ウンデカ−3,7−ジエン;
トリシクロ[4.4.12,5 .01,6 ]ウンデ
カ−3,8−ジエン;トリシクロ[4.4.
2,5 .01,6 ]ウンデカ−3−エン; 5−
シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−
エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]ヘ
プト−2−エン、5−シクロヘキセニルビシクロ[2.
2.1]ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン;
【0031】テトラシクロ[4.4.12,5 .1
7,10.0]−ドデカ−3−エン(単にテトラシクロ
ドデセンともいう)、8−メチルテトラシクロ[4.
4.1 ,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エ
ン、8−エチルテトラシクロ[4.4.12,5 .1
7,10.0]−ドデカ−3−エン、8−メチリデンテ
トラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−
ドデカ−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.
4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エ
ン、8−ビニルテトラシクロ[4.4.12,5 .1
7,10.0]−ドデカ−3−エン、8−プロペニル−
テトラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]
−ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ
−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテト
ラシクロ[4.4.12,5 .17,10.0]−ド
デカ−3−エン、8−ヒドロキシメチルテトラシクロ
[4.4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3
−エン、8−カルボキシテトラシクロ[4.4.1
2,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エン;
【0032】8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.
4.12,5 .17,10.0]−ドデカ−3−エ
ン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.1
2,5.17,10.0]−ドデカ−3−エン、8−シ
クロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.12,5
7,10.0]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−
シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.12,5
7,10.0]−ドデカ−3−エン;テトラシクロ
[7.4.110,13 .01,9 .02,7
トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(1,4−メ
タノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレンと
もいう)、テトラシクロ[8.4.111,14 .0
,10.03,8 ]テトラデカ−3,5,7,12
−テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,1
0,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう)、ペ
ンタシクロ[6.5.11,8 .13,6 .0
2,7 .09,13]ペンタデカ−3,10−ジエ
ン、ペンタシクロ[7.4.13,6 .110,
13 .01,9 .02,7 ]ペンタデカ−4,1
1−ジエン;
【0033】シクロペンタジエンの4量体; などのノ
ルボルネン系単量体などが挙げられる。これらのノルボ
ルネン系単量体は、それぞれ単独であるいは2種以上組
合わせて用いられる。
【0034】ノルボルネン系モノマーまたはノルボルネ
ン系モノマーと共重合可能なビニル系化合物との重合方
法および水素添加方法は、格別な制限はなく公知の方法
に従って行うことができる。
【0035】共重合可能なビニル化合物としては、例え
ば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチ
ル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メ
チル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,
4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−
ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチル−1
−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタ
デセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレ
ンまたはα−オレフィン;シクロブテン、シクロペンテ
ン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテ
ン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチ
ル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,
5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−
インデンなどのシクロオレフィン;1,4−ヘキサジエ
ン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−
1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどの非
共役ジエン;などが挙げられる。これらのビニル系化合
物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て使用することができる。
【0036】ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合
体は、ノルボルネン系モノマーを、開環重合触媒とし
て、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
イリジウム、白金などの金属のハロゲン化物、硝酸塩ま
たはアセチルアセトン化合物と、還元剤とからなる触媒
系、あるいは、チタン、バナジウム、ジルコニウム、タ
ングステン、モリブデンなどの金属のハロゲン化物また
はアセチルアセトン化合物と、有機アルミニウム化合物
とからなる触媒系を用いて、溶媒中または無溶媒で、通
常、−50°C〜100°Cの重合温度、0kg/cm
〜50kg/cmの重合圧力で開環(共)重合
させることにより得ることができる。
【0037】触媒系に、分子状酸素、アルコール、エー
テル、過酸化物、カルボン酸、酸無水物、酸クロリド、
エステル、ケトン、含窒素化合物、含硫黄化合物、含ハ
ロゲン化合物、分子状ヨウ素、その他のルイス酸などの
第三成分を加えて、重合活性や開環重合の選択性を高め
ることができる。
【0038】水素添加ノルボルネン系重合体は、常法に
従って、開環(共)重合体を水素添加触媒の存在下に水
素により水素化する方法により得ることができる。
【0039】ノルボルネン系モノマーとビニル系化合物
との付加共重合体は、例えば、モノマー成分を、溶媒中
または無溶媒で、チタン、ジルコニウム、またはバナジ
ウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒系
の存在下で、通常、−50°C〜100°Cの重合温
度、0kg/cm〜50kg/cmの重合圧力
で共重合させる方法により得ることができる。
【0040】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66216号公報に開示されているシクロロヘ
キセン、シクロヘプテン、シクロオクテンなどの単環の
環状オレフィン系単量体の付加重合体を用いることがで
きる。
【0041】(3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136057号公報や特開平7−258318号公報に
開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ンなどの環状共役ジエン系単量体を1,2−または1,
4−付加重合した重合体およびその水素添加物などを用
いることができる。
【0042】(4)ビニル脂環式炭化水素系重合体 ビニル脂環式炭化水素系重合体としては、例えば、特開
昭51−59,989号公報に開示されているビニルシ
クロヘキセンやビニルシクロヘキサンなどのビニル脂環
式炭化水素単量体の重合体およびその水素添加物、特開
昭63−43,910号公報、特開昭64−1,706
号公報などに開示されているスチレンやα−メチルスチ
レンなどのビニル芳香族系単量体の重合体の芳香環部分
の水素添加物などを用いることができる。
【0043】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂の分子量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、
シクロヘキサン溶液(重合体樹脂が溶解しない場合はト
ルエン溶液)のゲル・パーミエーション・クロマトグラ
フ法で測定したポリイソプレン換算(トルエン溶液のと
きはポリスチレン換算)の重量平均分子量で、5,00
0以上、好ましくは5,000〜500,000、より
好ましくは8,000〜200,000、特に好ましく
は10,000〜100,000の範囲であるときに、
機械的強度と成形加工性とが高度にバランスし、好適で
ある。
【0044】本発明で使用される脂環式構造含有重合体
樹脂のガラス転移温度(Tg)は、使用目的に応じて適
宜選択されればよいが、通常50〜300°C、好まし
くは100〜280°C、特に好ましくは150〜25
0°Cの範囲にあるときに、耐熱性と成形加工性とが高
度にバランスし、好適である。
【0045】ちなみに、これらの脂環式構造含有重合体
樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0046】軟質重合体 本発明において、脂環式構造含有重合体樹脂に配合され
る軟質重合体としては、通常30℃以下のガラス転移温
度を有する重合体のことをいい、Tgが複数存在する重
合体やTgと融点(Tm)の両方を有する重合体の場合
にも、最も低いTgが30℃以下であれば、該軟質重合
体に含まれる。
【0047】このような軟質重合体としては、(a)エ
チレンや、プロピレンなどのα-オレフィンから主とし
てなるオレフィン系軟質重合体、(b)イソブチレンか
ら主としてなるイソブチレン系軟質重合体、(c)ブタ
ジエン、イソプレンなどの共役ジエンから主としてなる
ジエン系軟質重合体、(d)ノルボルネン、シクロペン
テンなどの環状オレフィンから主としてなる環状オレフ
ィン系開環重合体、(e)ケイ素−酸素結合を骨格とす
る軟質重合体(有機ポリシロキサン)、(f)α,β-
不飽和酸とその誘導体から主としてなる軟質重合体、
(g)不飽和アルコールおよびアミンまたはそのアシル
誘導体またはアセタールから主としてなる軟質重合体、
(h)エポキシ化合物の重合体、(i)フッ素系ゴム、
(j)その他の軟質重合体などが挙げられる。
【0048】これらの軟質重合体の具体例としては、例
えば、(a)としては、液状ポリエチレン、アタクチッ
クポリプロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ブテン、1-
ヘキセン、1-オクテンおよび1-デセンなどの単独重合
体;エチレン・α-オレフィン共重合体、プロピレン・
α-オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエ
ン共重合体(EPDM)、エチレン・環状オレフィン共
重合体およびエチレン・プロピレン・スチレン共重合体
などの共重合体が挙げられる。(b)としては、ポリイ
ソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチ
レン・スチレン共重合体などが挙げられる。(c)とし
ては、ポリブタジエン、ポリイソプレンなどの共役ジエ
ンの単独重合体;ブタジエン・スチレンランダム共重合
体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロ
ニトリル・ブタジエン共重合体の水素添加物、アクリロ
ニトリル・ニブタジエン・スチレン共重合体などの共役
ジエンのランダム共重合体;ブタジエン・スチレン・ブ
ロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブ
ロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重
合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重
合体などの共役ジエンと芳香族ビニル系炭化水素のブロ
ック共重合体、およびこれらの水素添加物などが挙げら
れる。(d)としては、ノルボルネン、ビニルノルボル
ネン、エチリデンノルボルネンなどのノルボルネン系モ
ノマー、またはシクロブテン、シクロペンテン、シクロ
オクテンなどのモノ環状オレフィンのメタセシス開環重
合体およびその水素添加物が挙げられる。(e)として
は、ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサ
ン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのシリコーンゴム
などが挙げられる。(f)としては、ポリブチルアクリ
レート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエ
チルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリ
ロニトリルなどのアクリルモノマーの単独重合体;ブチ
ルアクリレート・スチレン共重合体などのアクリルモノ
マーとその他のモノマーとの共重合体が挙げられる。
(g)としては、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリステアリン酸ビニル、ポリ安息香酸ビニル、ポ
リマレイン酸ビニルなどの(エステル化)不飽和アルコ
ールの単独重合体;酢酸ビニル・スチレン共重合体など
の(エステル化)不飽和アルコールとその他のモノマー
との共重合体などが挙げられる。(h)としては、ポリ
エチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロ
ロヒドリンゴムなどが挙げられる。(i)としては、フ
ッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレン
ゴムなどが挙げられる。(j)としては、天然ゴム、ポ
リペプチド、蛋白質、及び特開平8−73709号公報
記載のポリエステル系熱可塑性エスラトマー、塩化ビニ
ル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラ
ストマーなどが挙げられる。
【0049】これらの軟質重合体は、架橋構造を有した
ものであってもよく、また、変性により官能基を導入し
たものであってもよい。
【0050】本発明においては、切削加工での割れを防
止する観点から、上記軟質重合体の中でも(a)、
(b)、(c)の軟質重合体が、特にゴム弾性に優れ、
機械強度、切削性、分散性に優れるため好ましい。なか
でも、(c)のジエン系軟質重合体が好ましく、さらに
共役ジエン結合単位の炭素−炭素不飽和結合が水素添加
されたジエン系軟質重合体の水素添加物が、より好まし
い。このような軟質重合体の具体例としては、例えば、
ポリブタジエンなどの単独重合体の水素添加物、ブタジ
エン・スチレン共重合体などのランダム共重合体の水素
添加物;ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、ス
チレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合、イソ
プレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、ス
チレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体など
のブロック共重合体の水素添加物;などが挙げられる。
【0051】本発明においては、脂環式構造含有重合体
樹脂中の軟質重合体の配合量は、切削加工において割れ
が発生しないように決定され、軟質重合体及び結晶性重
合体からなる群から選ばれる少なくとも1種の重合体の
配合量は、特に限定されないが、脂環式構造含有重合体
樹脂100重量部に対して、好ましくは1重量部〜90
重量部、より好ましくは5重量部〜70重量部、さらに
好ましくは10重量部〜50重量部であることが望まし
い。軟質重合体もしくは結晶性重合体の配合量がこの範
囲であるときに、切削加工性、機械的強度および各種特
性が高度にバランスされ好適である。
【0052】結晶性重合体 本発明の結晶性重合体とは、結晶化しうる重合体のこと
であり、X線回折法によって測定した結晶化度が20%
以上のものである。代表的なものとしては、ポリエステ
ル、ポリオレフィン、ポリアミド、ハロゲン含有ポリマ
ーなどがあるが、その中でも本発明の場合ポリオレフィ
ンが好ましい。ポリオレフィンとは、基本的には炭素と
水素とからなるポリマーであるが、必要によっては酸素
を含んだものであっても良い。代表的な結晶性ポリオレ
フィンポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリオキシメチレン、ポリプロピレンオ
キサイド、ポリブテン、ポリメチルブテン、ポリメチル
ヘキセン、ポリビニルシクロヘキサン、ポリビニルナフ
タレン、ポリキシレンなどが挙げられるが、本発明の場
合、特にポリエチレン、ポリプロピレンが好ましい。
【0053】その他の配合剤 本発明に使用される脂環式構造含有重合体樹脂を含む樹
脂組成物には、必要に応じて、その他のポリマー、その
他の配合剤を添加することができる。
【0054】その他の配合剤としては、樹脂工業で一般
的に用いられるものであれば格別な限定はないが、例え
ば、フェノール系、フォスファイト系、チオエーテル系
などの酸化防止剤;ヒンダードフェノール系などの紫外
線吸収剤;脂肪族アルコール、脂肪族エステル、芳香族
エステル、トリグリセライド類、フッ素系界面活性剤、
高級脂肪酸金属塩などの離型剤;その他の滑剤、防曇
剤、可塑剤、顔料、近赤外吸収剤、帯電防止剤;繊維状
または粉末状の充填剤などを挙げることができる。
【0055】これらの配合剤は、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて用いることができる。配合
剤の使用量は、本発明の範囲を損ねない範囲で適宜選択
される。
【0056】樹脂組成物 本発明に使用される樹脂組成物は、脂環式構造含有重合
体樹脂と、軟質重合体および結晶性重合体からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の重合体とを必須成分とし、
必要に応じて上記成分を混合して使用される。混合方法
は、脂環式構造含有重合体樹脂中に、軟質重合体または
/および結晶性重合体、必要に応じて添加された配合剤
が十分に分散する方法であれば、特に限定されない。例
えば、ミキサー、一軸混練機、二軸混練機、ロール、ブ
ラベンダー、押出機などで樹脂を溶融状態で混練する方
法、適当な溶剤に溶解して分散させて凝固法、キャスト
法または直接乾燥法により溶剤を除去する方法などがあ
る。
【0057】二軸混練機を用いる場合、混練後は、通常
は溶融状態で棒状のストランドとして押し出し、ストラ
ンドカッターで適当な長さに切り、ペレット化して成形
材料として用いられることが多い。
【0058】本発明で使用される樹脂組成物の、280
°C、荷重2.16kgfにおけるJIS K6719
により測定したメルトフローレートは、使用目的に応じ
て適宜選択すれば良いが、通常0.1〜100g/10
min.、好ましくは0.5〜50g/10min.の
範囲が好適である。メルトフローレートが低すぎると成
形時に成形材料を加温する温度がより高温となるため加
工しにくい場合が生じ、高すぎると成形時にバリなどの
成形不良の発生する場合が生じる。
【0059】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る切削用予備成
形体を、図面に示す実施形態に基づき説明する。図1は
本発明に係る切削用予備成形体の一実施形態を示す概略
斜視図、図2は図1の切削用予備成形体を製造するため
の成形装置の一例を示す概略図である。
【0060】本実施形態においては、切削用予備成形体
として、図1に示すようなロッド(円柱体)形状である
場合を例に挙げて説明する。
【0061】本実施形態に係る予備成形体30は、直径
が2mm〜200mmであるロッド形状となっている。
こうした予備成形体30の形状は、これを切削加工して
得られる最終成形品の形状・大きさなどに応じて、適宜
決定できる。なお、本実施形態に係る予備成形体30に
は、あまり厳密な精度は必要とされないが、予備成形体
30の面精度が極端に悪いものであると、その後の切削
加工時に、最終成形品の面精度の向上に手間を要するの
で、注意が必要である。
【0062】本実施形態に係る予備成形体30は、脂環
式構造含有重合体樹脂に少なくとも軟質重合体または/
および結晶性重合体を配合してなる樹脂組成物からなっ
ており、たとえば、図2に示すような成形装置2を用い
て成形することができる。
【0063】成形装置2は押出機4を有している。押出
機4には、単軸のスクリュ軸6がバレル8内に回転自在
に装着してある。バレル8には、図示しない熱媒体流通
路が形成してあり、バレル8内部を温度調節可能として
ある。
【0064】バレル8の内部には、ホッパ10から成形
用材料である樹脂組成物が供給され、スクリュ6が回転
することで、該成形用材料は溶融化されて混練され、吐
出口12方向へ送り出されるようになっている。ここ
で、供給する成形用材料の量は、必要に応じて適宜決定
される。
【0065】押出機4の吐出口12には、アダプタ14
が装着してある。アダプタ14はスクリュ6により押し
出されてきた溶融化された成形用材料の流れを絞るよう
に構成してある。
【0066】アダプタ14の吐出側には、成形ダイ16
が接続してあり、この成形ダイ16により成形された被
加工体20(予備成形体30に相当する)は成形ダイの
流路22を通り、搬送ローラ18により送られるように
なっている。
【0067】本実施形態に係る予備成形体30は、脂環
式構造含有重合体樹脂に少なくとも軟質重合体または/
および結晶性重合体を配合して成る樹脂組成物からなる
ので、切削加工性に一層優れている。また、本実施形態
に係る予備成形体30は、脂環式構造含有重合体樹脂を
含む樹脂組成物からなるので、耐熱性、耐薬品性などの
諸特性を有する。
【0068】したがって、本実施形態に係る予備成形体
30は、たとえば、ウエハやガラス基板などを収納する
キャリア、自動車用部材、メガネレンズ、電気絶縁部材
に適用して好ましく、特にコネクター部品(電気信号を
伝達するケーブルなどを分離可能に接続するための端子
部品に用いられる)などの最終成形品(精成形品)を切
削加工して得るための予備成形体に適用して好ましいも
のである。
【0069】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0070】たとえば、予備成形体30の具体的形状
は、図1に示すロッド(円柱状)に限定されず、図示し
ないチューブ、シート、平板、ブロックなどの種々の形
状であっても構わない。要するに、最終成形品を得るの
に適した形状であれば、特に限定はされない。
【0071】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
以下の説明において、部または%は、特に断りがない限
り、重量基準である。
【0072】(1)樹脂の物性は、分子量、分子量分
布、主鎖水素添加率および芳香環の水素添加率(核水素
添加率)、ガラス転移温度、比重を測定した。ここで、
分子量は、シクロヘキサンを溶媒にしてGPCで測定
し、標準ポリイソプレン換算の重量平均分子量(Mw)
を求めた。分子量分布は、シクロヘキサンを溶媒にして
GPCで測定し、標準ポリイソプレン換算の重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
n)を算出した。主鎖水素添加率および芳香環の水素添
加率(核水素添加率)は、 H−NMRにより測定し
た。ガラス転移温度は、JIS−K7121に基づく、
示差走査熱量計(DSC)により測定した値とする。比
重は、JIS−K7112−A法に基づいて測定した。
【0073】(2)軟質重合体の物性は、ガラス転移温
度について示差走査熱量計(DSC)により測定した値
とする。
【0074】(3)結晶性重合体の物性は、結晶化度に
ついて、X線回折法によって測定した値とする。
【0075】(4)樹脂組成物の物性は、メルトフロー
レートを測定した。JIS−K6719に基づいて、2
80°C,2.16kgfの荷重で測定した。
【0076】(5)切削加工性は、直径1mmの金属ド
リルを用い、直径10mm、長さ10mmの予備成形体
ロッドの切断平面部に、切削時の負荷で穴径に変化を来
たすことのない切削速度で穴を貫通させるのに要した時
間を測定した。この時間が短い程、切削加工性に優れ
る。また、得られた予備成形体に旋盤を備えた切削機を
用いて外周加工を行い、更に、ドリルを備えた切削機を
もちいて穴加工を行い、コネクタ用絶縁部材を得た。こ
れらの加工に要した総合時間が短い程、切削加工性にす
ぐれる。
【0077】(6)強度は、IZOD衝撃強度につい
て、JIS−K7110にもとづいて測定した。IZO
D強度が高い程、耐衝撃強度に優れる。また、強度は直
径10mm、長さ10mmの予備成形体ロッドの、外周
部を切削により微細加工した際に10個の予備成形体の
内、何個に割れ、欠け等の不良が生じたか、確認した。
【0078】 評価はクラックを生じたものが10回試験中、0〜1個
の場合を○ 評価はクラックを生じたものが10回試験中、2〜3個
の場合を△ 評価はクラックを生じたものが10回試験中、4個以上
〜1個の場合を×として行った。
【0079】(7)摺動性は、JIS−K7218によ
り摩擦係数試験を行った。摩擦係数が小さいほど、摺動
性に優れる。
【0080】(8)耐熱性は、ギヤーオーブン中で直径
10mm、長さ100mmの予備成形体ロッドを100
℃、24時間保持した後の最大寸法変化を測定した。耐
熱性試験後の試料の反りが少ない程、耐熱性に優れる。
【0081】(9)耐薬品性は、30%硫酸および、2
8%アンモニア水中に室温で直径10mm、長さ50m
mのロッドを20時間浸漬し、外観の変化を確認するこ
とにより、耐食性試験を行った。試験後に変色、亀裂な
どが生じていない程、耐薬品性に優れる。
【0082】 10回試験中、変色、亀裂の確認されたものが0個の場
合○ 10回試験中、変色、亀裂の確認されたものが1〜2個
の場合△ 10回試験中、変色、亀裂の確認されたものが3個以上
の場合×で評価した。
【0083】(10)電気特性は、誘電率、誘電正接、
および電圧定在波比の値を測定して評価した。ここで、
誘電率、および誘電正接は,JIS−K−6911に従
い周波数1MHzで測定した値とする。電圧定在波比
は、JIS−C−5402の5.6に従い測定した値と
する。
【0084】(参考例1)シクロヘキサン258リット
ルを装入した反応容器に、常温、窒素気流下でビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下NBと略す)(1
18kg)を加え、5分間攪拌を行った。さらにトリイ
ソブチルアルミニウムを系内の濃度が1.0ml/リッ
トルとなるように添加した。続いて、攪拌しながら常圧
でエチレンを流通させ系内をエチレン雰囲気とした。オ
ートクレーブの内温を70°Cに保ち、エチレンにて内
圧がゲージ圧で6kg/cmとなるように加圧し
た。10分間攪拌した後、予め用意したイソプロピリデ
ン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウ
ムジクロリドおよびメチルアルモキサンを含むトルエン
溶液5.0リットルを系内に添加することによって、エ
チレン、NBの共重合反応を開始させた。このときの触
媒濃度は、全系に対してイソプロピリデン(シクロペン
タジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリドが
0.015mmol/リットルであり、メチルアルモキ
サンが7.5mmol/リットルである。重合中、系内
にエチレンを連続的に供給することにより、温度を70
°C内圧をゲージ圧で6kg/cmに保持した。6
0分後、重合反応をイソプロピルアルコールを添加する
ことにより停止した。脱圧後、ポリマー溶液を取り出
し、その後、水1mに対し濃塩酸5リットルを添加
した水溶液と1:1の割合で強攪拌下に接触させ、触媒
残渣を水相へ移行させた。この接触混合液を静置したの
ち、水相を分離除去し、さらに水洗を2回行い、重合液
相を精製分離した。
【0085】次いで、精製分離された重合液を3倍量の
アセトンと強攪拌下で接触させ、共重合体を析出させた
後、固体部(共重合体)を濾過により採取し、アセトン
で十分洗浄した。さらに、ポリマー中に存在する未反応
のモノマーを抽出するため、この固体部を40kg/m
となるようにアセトン中に投入した後、60°Cで
2時間の条件で抽出操作を行った。抽出処理後、固体部
を濾過により採取し、窒素流通下、130°C、350
mmHgで12時間乾燥し、エチレン・NB共重合体を
得た。
【0086】以上のようにして、得られたエチレン・N
B共重合体は、数平均分子量(Mn)は39,000、
重量平均分子量(Mw)は95,000、Tgは140
°C、比重は1.02、NB含量は53モル%、この樹
脂のメルトフローレートは15g/10min.であっ
た。
【0087】(参考例2)攪拌翼を備えた1m重合
器上部からTCDのシクロヘキサン溶液を、重合器内に
おけるTCDの供給濃度が60kg/mとなるよう
に、連続的に供給した。また重合器上部から触媒とし
て、VO(O・C)Cl2のシクロヘキサン
系溶液を、重合器内のバナジウム濃度が0.9mol/
となるように、エチルアルミニウムセキスクロリ
ド(Al(C1.5 Cl1.5 )のシ
クロヘキサン溶液を重合器内のアルミニウム濃度が7.
2mol/mとなるようにそれぞれ重合器内に連続
的に供給した。また重合系にバブリング管を用いてエチ
レンを85 m/時間、窒素を45m/時間、
水素を6m/時間の量で供給した。重合器外部に取
り付けられたジャケットに熱媒体を循環させた重合系を
10°Cに保持しながら共重合反応を行った。上記共重
合反応によって生成する共重合体の重合溶液を重合器上
部から、重合器内の重合液が常に1mになるように
(すなわち平均滞留時間が0.5時間となるように)連
続的に抜き出した。この抜き出した重合液に、シクロヘ
キサン/イソプロピルアルコール(1:1)混合液を添
加して重合反応を停止させた。その後、水1mに対
し濃塩酸5リットルを添加した水溶液と1:1の割合で
強攪拌下に接触させ、触媒残渣を水相へ移行させた。こ
の接触混合液を静置したのち、水相を分離除去し、さら
に水洗を2回行い、重合液相を精製分離した。
【0088】次いで、精製分離された重合液を3倍量の
アセトンと強攪拌下で接触させ、共重合体を析出させた
後、固体部(共重合体)を濾過により採取し、アセトン
で十分洗浄した。さらに、ポリマー中に存在する未反応
のモノマーを抽出するため、この固体部を40kg/m
となるようにアセトン中に投入した後、60°Cで
2時間の条件で抽出操作を行った。抽出処理後、固体部
を濾過により採取し、窒素流通下、130°C、350
mmHgで12時間乾燥した。
【0089】以上のようにして、得られたエチレン・T
CD共重合体は、数平均分子量(Mn)は45,00
0、重量平均分子量(Mw)は78,000、Tgは1
40°C、比重は1.02、TCD含量は31モル%、
この樹脂のメルトフローレートは28g/10min.
であった。
【0090】(参考例3)窒素雰囲気下、脱水したシク
ロヘキサン500重量部に、1−ヘキセン0.56重量
部、ジブチルエーテル0.11重量部、トリイソブチル
アルミニウム0.22重量部を室温で反応器に入れ混合
した後、45°Cに保ちながら、8−メチル−テトラシ
クロ[4.4.0.12,5 .17,10]ドデカ−3
−エン(以下、MTCDと略す)200重量部および六
塩化タングステン0.70重量%トルエン溶液30重量
部を2時間かけて連続的に添加し、重合した。シクロヘ
キサンを移動層とした高速液体クロマトグラフィー(ポ
リスチレン換算)より、得られたポリマーの数平均分子
量(Mn)は、18,000、重量平均分子量(Mw)
は、36,200、分子量分布(Mw/Mn)は2.0
1であった。
【0091】作成した重合反応液を耐圧の水素化反応器
に移送し、珪藻土担持ニッケル触媒(日産ガードラー社
製;ニッケル担持率58重量%)10重量部を加え、1
80°C、水素圧45kgf/cmで10時間反応
させた。この溶液を、珪藻土をろ過助剤としてステンレ
ス製金網をそなえたろ過器によりろ過し、触媒を除去し
た。得られた反応溶液を3000重量部のイソプロピル
アルコール中に攪拌下に注いで水素添加物を沈殿させ、
ろ別して回収した。さらに、アセトン500重量部で洗
浄した後、1torr以下、100°Cに設定した減圧
乾燥器中で48時間乾燥し、開環重合体水素添加物19
0重量部を得た。
【0092】得られたMTCD開環重合体水素添加物の
主鎖水素添加率は99.9%、数平均分子量(Mn)
は、20,400、重量平均分子量(Mw)は、41,
200、分子量分布(Mw/Mn)は2.02であっ
た。280°Cにおけるメルトフローレートは、20g
/10min.であり、ガラス転移温度は140°C、
比重は1.01であった。
【0093】実施例1 参考例1で作製したエチレン・NB系共重合体100重
量部に、水素添加スチレン−エチレン−プロピレン−ス
チレン・ブロック共重合体ゴム(セプトン 2023、
クラレ株式会社製、数平均分子量60,000、Tgは
少なくとも30°C以下に一点あり、金属元素量約15
ppm)30重量部を配合し、窒素雰囲気下、250°
Cで二軸押出し機により混練しペレットを作成した。こ
のペレットのメルトフローレート(「MI」ともいう)
は1g/10min.であった。
【0094】このペレットを、図2に示すスクリュ径3
7mmの押出機4のホッパ10から供給し、バレル8の
温度を210°Cとし、アダプタ14の温度を240°
Cとし、スクリュ6の回転速度を25rpmとして、予
備成形体を成形ダイ16から押し出し、コンベア18に
より搬送した。
【0095】得られた予備成形体は、図1に示すよう
な、直径が10mmであるロッド(円柱体)形状であっ
た。
【0096】(1)切削加工性 得られた予備成形体の切削加工性を評価したところ、ロ
ッドの切断平面部に対し、良好に穴を貫通させるのに、
2.1秒かかり、良好な結果がえられた。上記のように
して、得られた予備成形体に、切削機を用いて、外周部
に微細加工を行い、さらに、金属ドリルを備えた切削機
を用いて穴加工を行い、コネクタ用絶縁部材を得た。こ
れらの加工に要した総合時間は2.5分であった。
【0097】(2)強度 得られた予備成形体をそれぞれの試験に適合する試験片
として成形し、IZOD衝撃強度を測定したところ、値
は20.0kgf/cmであった。また(1)にお
ける外周部の微細加工時の割れ、欠けは10回のサンプ
ル中1回確認され、評価は○であった。
【0098】(3)摺動性 得られた予備成形体の摺動性を評価したところ、動摩擦
係数は0.20μであり、良好な結果が得られた。
【0099】(4)耐熱性 得られた予備成形体の耐熱性を評価したところ、試験後
の予備成形体の反りはなく、良好な結果が得られた。
【0100】(5)耐薬品性 得られた予備成形体の耐薬品性を評価したところ、硫
酸、アンモニア水、いずれの薬品に浸漬したものも、変
色、亀裂を生じたものは0個であり、良好な結果が得ら
れた。
【0101】(6)電気特性 (1)で得られたコネクタ用絶縁部材の誘電率は2.2
1であり、誘電正接は0.0005であり、電圧定在波
比は1.11であり、優れた電気特性が得られた。
【0102】実施例2 参考例1で作製したエチレン・NB系共重合体の代わり
に、参考例2で作製したエチレン・TCD系共重合体を
用いた以外は、前記実施例1と同様にしてペレット化
し、予備成形体を得た。このペレットのメルトフローレ
ートは2g/10min.であった。
【0103】(1)切削加工性 得られた予備成形体の切削加工性を評価したところ、ロ
ッドの切断平面部に対し、良好に穴を貫通させるのに、
2.0秒かかり、良好な結果がえられた。上記のように
して、得られた予備成形体に、切削機を用いて、外周部
に微細加工を行い、さらに、金属ドリルを備えた切削機
を用いて穴加工を行い、コネクタ用絶縁部材を得た。こ
れらの加工に要した総合時間は2.7分であった。
【0104】(2)強度 得られた予備成形体をそれぞれの試験に適合する試験片
として成形し、IZOD衝撃強度を測定したところ、値
は21.0kgf/cmであった。また(1)にお
ける外周部の微細加工時の割れ、欠けはなく、評価は○
であった。
【0105】(3)摺動性 得られた予備成形体の摺動性を評価したところ、動摩擦
係数は0.21μであり、良好な結果が得られた。
【0106】(4)耐熱性 得られた予備成形体の耐熱性を評価したところ、試験後
の予備成形体の反りはなく、良好な結果が得られた。
【0107】(5)耐薬品性 得られた予備成形体の耐薬品性を評価したところ、硫
酸、アンモニア水、いずれの薬品に浸漬したものも、変
色、亀裂を生じたものは0個であり、良好な結果が得ら
れた。
【0108】(6)電気特性 (1)で得られたコネクタ用絶縁部材の誘電率は2.2
2であり、誘電正接は0.0005であり、電圧定在波
比は1.15であり、優れた電気特性が得られた。
【0109】実施例3 参考例1で作製したエチレン・NB系共重合体の代わり
に、参考例3で作製したMTCD開環重合体水素添加物
を用いた以外は、前記実施例1と同様にしてペレット化
し、予備成形体を得た。このペレットのメルトフローレ
ートは4g/10min.であった。
【0110】(1)切削加工性 得られた予備成形体の切削加工性を評価したところ、ロ
ッドの切断平面部に対し、良好に穴を貫通させるのに、
2.0秒かかり、良好な結果がえられた。上記のように
して、得られた予備成形体に、切削機を用いて、外周部
に微細加工を行い、さらに、金属ドリルを備えた切削機
を用いて穴加工を行い、コネクタ用絶縁部材を得た。こ
れらの加工に要した総合時間は2.5分であった。
【0111】(2)強度 得られた予備成形体をそれぞれの試験に適合する試験片
として成形し、IZOD衝撃強度を測定したところ、値
は21.0kgf/cmであった。また(1)にお
ける外周部の微細加工時の割れ、欠けはなく、評価は○
であった。
【0112】(3)摺動性 得られた予備成形体の摺動性を評価したところ、動摩擦
係数は0.20μであり、良好な結果が得られた。
【0113】(4)耐熱性 得られた予備成形体の耐熱性を評価したところ、試験後
の予備成形体の反りはなく、良好な結果が得られた。
【0114】(5)耐薬品性 得られた予備成形体の耐薬品性を評価したところ、硫
酸、アンモニア水、いずれの薬品に浸漬したものも、変
色、亀裂を生じたものは0個であり、良好な結果が得ら
れた。
【0115】(6)電気特性 (1)で得られたコネクタ用絶縁部材の誘電率は2.1
5であり、誘電正接は0.0004であり、電圧定在波
比は1.10であり、優れた電気特性が得られた。
【0116】実施例4 実施例1の水素添加スチレン−エチレン−プロピレン−
スチレン・ブロック共重合体ゴムの代わりに、結晶化度
30%のポリエチレン20重量部を配合し、その他は実
施例1と同様にしてペレット化し、予備成形体を得た。
このペレットのメルトフローレートは3g/10mi
n.であった。
【0117】(1)切削加工性 得られた予備成形体の切削加工性を評価したところ、ロ
ッドの切断平面部に対し、良好に穴を貫通させるのに、
2.6秒かかり、良好な結果がえられた。上記のように
して、得られた予備成形体に、切削機を用いて、外周部
に微細加工を行い、さらに、金属ドリルを備えた切削機
を用いて穴加工を行い、コネクタ用絶縁部材を得た。こ
れらの加工に要した総合時間は2.5分であった。
【0118】(2)強度 得られた予備成形体をそれぞれの試験に適合する試験片
として成形し、IZOD衝撃強度を測定したところ、値
は18.0kgf/cmであった。また(1)にお
ける外周部の微細加工時の割れ、欠けは10回のサンプ
ル中一回確認され、評価は○であった。
【0119】(3)摺動性 得られた予備成形体の摺動性を評価したところ、動摩擦
係数は0.22μであり、良好な結果が得られた。
【0120】(4)耐熱性 得られた予備成形体の耐熱性を評価したところ、試験後
の予備成形体の反りはなく、良好な結果が得られた。
【0121】(5)耐薬品性 得られた予備成形体の耐薬品性を評価したところ、硫
酸、アンモニア水、いずれの薬品に浸漬したものも、変
色、亀裂を生じたものは0個であり、良好な結果が得ら
れた。
【0122】(6)電気特性 (1)で得られたコネクタ用絶縁部材の誘電率は2.2
0であり、誘電正接は0.0005であり、電圧定在波
比は1.12であり、優れた電気特性が得られた。
【0123】比較例1 水素添加スチレン-エチレン-プロピレン−スチレン・ブ
ロック共重合体を添加しなかった以外は前記実施例1と
同様にしてペレット化し、予備成形体を得た。
【0124】(1)切削加工性 得られた予備成形体の切削加工性を評価したところ、ロ
ッドの切断平面部に対し、良好に穴を貫通させるのに、
2.2秒かかり、良好な結果がえられた。上記のように
して、得られた予備成形体に、切削機を用いて、外周部
に微細加工を行い、さらに、金属ドリルを備えた切削機
を用いて穴加工を行い、コネクタ用絶縁部材を得た。こ
れらの加工に要した総合時間は3.2分であった。
【0125】(2)強度 得られた予備成形体をそれぞれの試験に適合する試験片
として成形し、IZOD衝撃強度を測定したところ、値
は5.9kgf/cmであった。また(1)におけ
る外周部の微細加工時の割れ、欠けは10回のサンプル
中4回確認され、評価は×であった。
【0126】(3)摺動性 得られた予備成形体の摺動性を評価したところ、動摩擦
係数は0.23μであり、良好な結果が得られた。
【0127】(4)耐熱性 得られた予備成形体の耐熱性を評価したところ、試験後
の予備成形体の反りはなく、良好な結果が得られた。
【0128】(5)耐薬品性 得られた予備成形体の耐薬品性を評価したところ、硫
酸、アンモニア水、いずれの薬品に浸漬したものも、変
色、亀裂を生じたものは0個であり、良好な結果が得ら
れた。
【0129】(6)電気特性 (1)で得られたコネクタ用絶縁部材の誘電率は2.1
9であり、誘電正接は0.0005であり、電圧定在波
比は1.11であり、優れた電気特性が得られた。
【0130】比較例2 水素添加スチレン-エチレン-プロピレン−スチレン・ブ
ロック共重合体を添加しなかった以外は前記実施例2と
同様にしてペレット化し、予備成形体を得た。
【0131】(1)切削加工性 得られた予備成形体の切削加工性を評価したところ、ロ
ッドの切断平面部に対し、良好に穴を貫通させるのに、
2.4秒かかり、良好な結果がえられた。上記のように
して、得られた予備成形体に、切削機を用いて、外周部
に微細加工を行い、さらに、金属ドリルを備えた切削機
を用いて穴加工を行い、コネクタ用絶縁部材を得た。こ
れらの加工に要した総合時間は3.1分であった。
【0132】(2)強度 得られた予備成形体をそれぞれの試験に適合する試験片
として成形し、IZOD衝撃強度を測定したところ、値
は6.2kgf/cmであった。また(1)におけ
る外周部の微細加工時の割れ、欠けは10回のサンプル
中4回確認され、評価は×であった。
【0133】(3)摺動性 得られた予備成形体の摺動性を評価したところ、動摩擦
係数は0.22μであり、良好な結果が得られた。
【0134】(4)耐熱性 得られた予備成形体の耐熱性を評価したところ、試験後
の予備成形体の反りはなく、良好な結果が得られた。
【0135】(5)耐薬品性 得られた予備成形体の耐薬品性を評価したところ、硫
酸、アンモニア水、いずれの薬品に浸漬したものも、変
色、亀裂を生じたものは0個であり、良好な結果が得ら
れた。
【0136】(6)電気特性 (1)で得られたコネクタ用絶縁部材の誘電率は2.2
0であり、誘電正接は0.0005であり、電圧定在波
比は1.14であり、優れた電気特性が得られた。
【0137】比較例3 水素添加スチレン-エチレン-プロピレン−スチレン・ブ
ロック共重合体を添加しなかった以外は前記実施例3と
同様にしてペレット化し、予備成形体を得た。
【0138】(1)切削加工性 得られた予備成形体の切削加工性を評価したところ、ロ
ッドの切断平面部に対し、良好に穴を貫通させるのに、
2.3秒かかり、良好な結果がえられた。上記のように
して、得られた予備成形体に、切削機を用いて、外周部
に微細加工を行い、さらに、金属ドリルを備えた切削機
を用いて穴加工を行い、コネクタ用絶縁部材を得た。こ
れらの加工に要した総合時間は3.3分であった。
【0139】(2)強度 得られた予備成形体をそれぞれの試験に適合する試験片
として成形し、IZOD衝撃強度を測定したところ、値
は7.1kgf/cmであった。また(1)におけ
る外周部の微細加工時の割れ、欠けは10回のサンプル
中4回確認され、評価は×であった。
【0140】(3)摺動性 得られた予備成形体の摺動性を評価したところ、動摩擦
係数は0.21μであり、良好な結果が得られた。
【0141】(4)耐熱性 得られた予備成形体の耐熱性を評価したところ、試験後
の予備成形体の反りはなく、良好な結果が得られた。
【0142】(5)耐薬品性 得られた予備成形体の耐薬品性を評価したところ、硫
酸、アンモニア水、いずれの薬品に浸漬したものも、変
色、亀裂を生じたものは0個であり、良好な結果が得ら
れた。
【0143】(6)電気特性 (1)で得られたコネクタ用絶縁部材の誘電率は2.1
3であり、誘電正接は0.0004であり、電圧定在波
比は1.10であり、優れた電気特性が得られた。
【0144】比較例4 平均粒径25μmのPTFE成形用微粉末(ダイキン工
業社製の製品番号ポリフロンM12)を、圧縮成形機を
用い、予備成形圧力200kg/cm、保圧時間1
0分、25°Cで成形し、予備ロッドを得、これを電気
炉で370°Cで15時間焼成して、図3に示すよう
な、直径10mmのロッド(円柱体)形状の予備成形体
を得た。
【0145】(1)切削加工性 得られた予備成形体の切削加工性を評価したところ、ロ
ッドの切断平面部に対し、良好に穴を貫通させるのに、
6.5秒かかり、実施例1〜4に対し著しく時間がかか
った。上記のようにして、得られた予備成形体に、切削
機を用いて、外周部に微細加工を行い、さらに、金属ド
リルを備えた切削機を用いて穴加工を行い、コネクタ用
絶縁部材を得た。これらの加工に要した総合時間は8.
9分であり、実施例1〜4に対し、著しく時間がかかっ
た。
【0146】(2)強度 ロッド形状の予備成形体を得たものと同条件下において
別途、それぞれの試験に適合する試験片として成形し、
IZOD衝撃強度を測定したところ、値は17.5kg
f/cmであった。また(1)における外周部の微
細加工時の割れ、欠けは10回のサンプル中1回確認さ
れ、評価は○であった。
【0147】(3)摺動性 得られた予備成形体の摺動性を評価したところ、動摩擦
係数は0.21μであり、良好な結果が得られた。
【0148】(4)耐熱性 得られた予備成形体の耐熱性を評価したところ、試験後
の予備成形体の反りはなく、良好な結果が得られた。
【0149】(5)耐薬品性 得られた予備成形体の耐薬品性を評価したところ、硫
酸、アンモニア水、いずれの薬品に浸漬したものも、変
色、亀裂を生じたものは0個であり、良好な結果が得ら
れた。
【0150】(6)電気特性 (1)で得られたコネクタ用絶縁部材の誘電率は2.1
1であり、誘電正接は0.0003であり、電圧定在波
比は1.10であり、優れた電気特性が得られた。
【0151】なお、得られたコネクタ用絶縁部材の各種
特性を表1に示す。
【0152】
【表1】
【0153】考察 実施例1〜4と比較例4との比較に示すように、脂環式
構造含有重合体樹脂と軟質重合体もしくは結晶性重合体
とからなる樹脂組成物は、比較例4のフッ素樹脂(PT
FE)からなる予備成形体と、ほぼ同等の各種特性を保
持しながら、切削加工性に極めて優れていた。
【0154】また、実施例1〜4と比較例1〜3との比
較に示すように、脂環式構造含有重合体樹脂は、軟質重
合体もしくは結晶性重合体を配合することにより、切削
加工性の改善が見られ、更に強度物性がほぼフッ素樹脂
(PTFE)程度に改善されていることが判る。
【0155】
【発明の効果】本発明によれば、フッ素樹脂と同程度以
上の耐熱性、耐薬品性および電気特性などの諸特性を有
しながら、特に、切削加工性および強度に優れた予備成
形体および切削加工品の製造方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切削用予備成形体の一実施形態を
示す概略斜視図である。
【図2】図1の切削用予備成形体を製造するための成形
装置の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
2…成形装置 4…押出機 6…スクリュ 8…バレル 10…ホッパ 12…吐出口 14…アダプタ 16…成形ダイ 18…搬送ローラ 20…被加工体 22…成形ダイの流路 30…切削用予備成形体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F201 AA03 AA45 AA47F AA49 AG14 AH33 BA03 BC01 BC02 BC12 BC15 BC37 BM06 BM14 4J002 AC032 AC062 AC072 BB032 BB041 BB122 BB152 BB182 BD122 BE022 BF022 BK001 BK002 BP012 CD002 CE001 CE002 CH022 CH072 FD010 FD070 FD090 FD100 FD160 FD320 GQ00 GQ01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂環式構造含有重合体樹脂に、軟質重合体
    および結晶性重合体からなる群から選ばれる少なくとも
    1種の重合体を配合してなる樹脂組成物からなる切削用
    予備成形体。
  2. 【請求項2】脂環式構造含有重合体樹脂に、軟質重合体
    および結晶性重合体からなる群から選ばれる少なくとも
    1種の重合体を配合してなる樹脂組成物からなる切削用
    予備成形体を成形後、切削加工することを特徴とする切
    削加工品の製造方法。
  3. 【請求項3】切削加工品が、電気絶縁用部材である請求
    項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】切削加工品が、コネクタ用部材である請求
    項2に記載の方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005078008A1 (en) * 2004-02-16 2005-08-25 Kureha Corporation Stock shape for machining and production process thereof
JP2009221339A (ja) * 2008-03-14 2009-10-01 Polyplastics Co 環状オレフィン系樹脂ペレットの製造方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US8158240B2 (en) 2004-02-16 2012-04-17 Kureha Corporation Stock shape for machining
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