JP2000012945A - 励起酸素ヨウ素レーザ発生方法および装置 - Google Patents

励起酸素ヨウ素レーザ発生方法および装置

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JP2000012945A JP18007398A JP18007398A JP2000012945A JP 2000012945 A JP2000012945 A JP 2000012945A JP 18007398 A JP18007398 A JP 18007398A JP 18007398 A JP18007398 A JP 18007398A JP 2000012945 A JP2000012945 A JP 2000012945A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 より簡便な乾式のヨウ素レーザ発生装置を提
供する。 【解決手段】 ヨウ素と酸素と希釈ガスを混合した気体
流を循環流路1に循環させ高周波放電器2、5でラジオ
周波数からマイクロ波周波数の電磁波を印加することに
より生成した励起酸素とヨウ素間のエネルギー移乗反応
を生起させて励起ヨウ素を生成し、超音速ノズル11を
通し冷却してレーザ共振器3に導きヨウ素レーザを得
る。混合気体は補充する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化学励起によらな
い新しい励起酸素ヨウ素レーザ発生方法と励起酸素ヨウ
素レーザ発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ヨウ素レーザは、励起ヨウ素原子(I*
21/2))が励起状態から基底状態(I(23/2))
に緩和するとき放出されるエネルギーを利用するもの
で、波長が1.315μmの高出力なレーザ光を得るこ
とができるので、石英ファイバーにより任意の場所に導
光が可能で工業的に利用できるコンパクトで高効率なレ
ーザ装置を構成することができる。工業用途には、一重
項励起酸素分子(O21Δ))とヨウ素原子の共鳴的な
エネルギー移乗反応により高い収率で励起ヨウ素原子
(I*21/2))を得ることができることを利用した
連続レーザ発振が可能な励起酸素ヨウ素レーザがよく用
いられる。
【0003】従来、励起酸素ヨウ素レーザに重要な役割
を有する一重項励起酸素分子を得るために化学励起酸素
生成法が用いられてきた。化学励起酸素生成法は、過酸
化水素水と水酸化カリウムなどのアルカリ溶液を混合し
た溶液(BHP)と塩素ガスを反応させて励起酸素分子
を得る方法で、ほぼ40〜60%の割合で一重項励起酸
素分子を生成することができる。
【0004】このようにして得られた一重項励起酸素分
子(O21Δ))を、ヨウ素気化器で昇華してヘリウム
やアルゴンなど不活性ガスからなるキャリアガスにより
搬送される分子状のヨウ素と混合させる。すると、ヨウ
素分子が解離し励起して励起ヨウ素原子(I
*21/2))を生成する。生成したガス流をレーザ発
振器に送り込んで共振器ミラー間を共振する光と励起ヨ
ウ素原子(I*21/2))を反応させて光増幅し波長
1.315μmのレーザを発生させる。こうして得られ
る励起酸素ヨウ素レーザは比較的高出力で石英系光ファ
イバー導光性がよく、工業的利用が可能である。
【0005】しかし、化学励起酸素生成法は高価な原料
を必要とする上、湿式のため励起ヨウ素を失活させる水
分を取り除く水分除去装置や副成する有害物を回収する
廃液排ガス処理装置または原料再生装置を設備する必要
があり、設備費や運転費用が大きくなる問題があった。
これら化学励起酸素生成法の問題を回避する手段とし
て、例えば、本願出願人の出願に係る特開平7−254
738号公報や特開平9−186377号公報に開示さ
れたような、RF放電により励起酸素を得る放電型励起
酸素生成法を用いる方法が知られている。
【0006】特開平7−254738号公報に開示した
発明は、特定の形状を有するホローカソードに適当な流
速と圧力を有する酸素を通過させてRF放電させると、
ホローカソード部に形成されるアフターグローブプラズ
マ層で効率よく励起酸素が生成することに基づくもので
ある。図6に示すように、RF放電型励起酸素発生器で
効率的に生成された一重項励起酸素の流れにヨウ素気化
器でガス化されたヨウ素を注入してエネルギー移乗を行
い励起ヨウ素原子を生成し、レーザ発振器で反応させエ
ネルギー放出させてヨウ素レーザを得る。エネルギー放
出後のガス流は、ヨウ素原子が再び結合したヨウ素分子
など再利用可能な物質や外部に流出してはいけない有害
物質をヨウ素トラップその他の回収装置で捕獲し分離し
た後、真空ポンプを通って大気中に放出される。
【0007】また、特開平9−186377号公報に開
示された発明は、励起酸素分子がヨウ素分子の解離に浪
費される分を少なくして発振効率を向上させるため、解
離したヨウ素原子の流れを励起酸素流中に注入するよう
にしたものである。ヨウ素流を励起酸素流中に注入する
インジェクタホールをホローカソードとして高周波電源
を印加すると、インジェクタホールの周縁部に噴水状の
プラズマが発生し、このプラズマの部分を通るヨウ素分
子は原子に解離してから励起酸素流に混合するので、ヨ
ウ素分子の解離のために浪費する励起酸素分子の割合が
低下してより高出力なヨウ素レーザを生成することがで
きる。
【0008】上記放電型励起酸素ヨウ素レーザ発生方法
により、化学励起酸素生成法における欠点を補い、より
経済的で実用性の高いヨウ素レーザを得ることができる
ようになった。しかし、これらの方法によっても、ヨウ
素と酸素の混合が不完全であるため励起酸素エネルギー
がヨウ素原子へ移乗するときにロスが生じ、また、励起
酸素発生器で生成した励起酸素をヨウ素との混合部まで
移送する間に励起酸素が失活してエネルギー損失が生じ
る問題があった。また、従来方式の放電励起酸素ヨウ素
レーザ装置では高周波放電により原子温度が高くなり、
大きな熱エネルギーが原子や分子を励起するとレーザ発
生に寄与しない励起状態やレーザ発生を阻害する有害な
励起状態も発現するため、ヨウ素レーザ発生の効率に限
界があった。
【0009】したがって、各種の工業的要求に応えられ
るものとするためには、さらに出力水準を上げる工夫が
必要とされる。また、設備費と運転費用はできるだけ低
減させることが好ましい。またレーザ発生の効率を向上
させるためには、励起ヨウ素原子を必要とするレーザ共
振器の位置で励起酸素分子とヨウ素原子のエネルギー移
乗反応が盛んに行われるようにすることが好ましい。本
願発明者らは、レーザ発生効率の高いヨウ素レーザ発生
方法につき鋭意研究してきたが、ここに画期的な効率を
呈する方法を見出しこれを利用して運転性に優れ安全性
が高い工業的利用に耐えられる安価なヨウ素レーザ発生
装置を得ることができた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、化学励起酸素生成法を用いずに励起酸素分
子を生成し、励起酸素分子からのエネルギー移乗反応に
より励起ヨウ素原子を生成して高い効率でレーザ光を得
る励起酸素ヨウ素レーザ発生方法と装置を提供すること
である。また、原料物質のロスを防ぎ安全性が高く低廉
な装置により運転費用が小さいヨウ素レーザ発生装置を
提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の励起酸素ヨウ素レーザ発生方法は、ヨウ素
分子と酸素ガスと希釈ガスを含む混合気体の流れにラジ
オ波ないしマイクロ波領域の高周波電磁波を印加して励
起酸素分子を生成し、この励起酸素分子が解離したヨウ
素原子とエネルギー移乗反応を起こして励起ヨウ素原子
を生成し、この励起ヨウ素原子がレーザ共振器でエネル
ギーを放出してレーザ光を発生することを特徴とする。
【0012】本発明では、ラジオ波ないしマイクロ波領
域の高周波電磁波をヨウ素分子と酸素ガスと希釈ガスを
含む混合気体に当てることにより、酸素分子を励起しヨ
ウ素分子を解離して解離されたヨウ素原子を賦活する。
本発明の方式は湿式でないため、水分による励起ヨウ素
原子の失活が無く、エネルギー効率よく励起ヨウ素原子
を生成させることができる。こうして得られた励起ヨウ
素原子にレーザ共振器の共振光を作用させて高出力のレ
ーザ光を発生させることができる。ラジオ波ないしマイ
クロ波は、酸素分子を励起することを主目的にして選択
しても良いが、ヨウ素分子の解離にも利用するようにし
て励起酸素分子の利用効率を向上させることもできる。
なお、酸素分子を励起するためにはマイクロ波の方が効
率が高い。
【0013】また、ヨウ素と酸素を含む混合気体流を用
いるため酸素分子が励起される位置にヨウ素原子が存在
するので、従来技術におけるように励起酸素ガスがヨウ
素ガスと混合する位置まで移送する間に失活することな
く、効率的にヨウ素原子を励起することができる。ま
た、ヨウ素と酸素は高周波電磁波を印加する位置では均
質に混合されているので、励起酸素の周囲にヨウ素原子
が不足することを原因とする励起エネルギーの移乗ロス
がない。なお、高周波電磁波で賦活した酸素分子と高周
波電磁波で賦活したヨウ素を混合すると、賦活した酸素
分子にヨウ素を混合する場合と比較して、励起ヨウ素原
子の収率が格段に向上する。したがって、ヨウ素と酸素
を含む混合気体流に高周波電磁波を作用させることによ
り、賦活酸素分子と賦活ヨウ素分子の混合体を直接的に
得ることができ、ヨウ素レーザ取出効率が向上する。
【0014】本発明の励起酸素ヨウ素レーザ発生方法で
は、電磁波を印加した混合気体流を超音速流にして冷却
するようにしてもよい。さらに、ヘリウムを希釈ガスと
して使用すると、放電の安定化と超音速による冷却効果
が大きくなり好ましい。なお、ラジオ波とマイクロ波の
両方を用いてヨウ素の解離と酸素の励起を行うようにし
ても良い。さらに、混合気体を循環使用するようにして
もよい。
【0015】混合気体流を超音速流にすると、断熱膨張
による著しい冷却効果(ジュールトムソン効果)を受け
て混合気体流の温度が低下する。すると、励起酸素分子
からヨウ素原子にエネルギー移乗する反応式の平衡定数
が大きくなり、励起ヨウ素原子の生成量が増大してレー
ザ取出効率が向上する。また、ヨウ素レーザの飽和強度
はレーザ発振部におけるビームをガス流がビームを横切
る時間に逆比例しこの間に励起酸素によりポンピングす
る回数に比例するが、混合気体流を超音速流にすれば、
ガス流がビームを横切る時間が短くなる一方、励起酸素
分子の割合が高い内にビームを横切るので、レーザの飽
和強度が上がり高出力レーザを得ることができる。
【0016】また希釈ガスとしてヘリウムを使用すると
比熱比が小さく、混合気体の熱容量が小さくなるため超
音速による冷却効率が向上し、また放電効率が大きいの
で励起酸素の収率が上がる効果がある。なお、例えば、
ラジオ波で主にヨウ素を解離しマイクロ波で主に酸素を
励起するように役割を分割すれば、両者のタイミングを
適切に調整することにより、励起ヨウ素原子でレーザ増
幅をするレーザ発振器の位置で、基底状態のヨウ素原子
と励起酸素のエネルギー移乗反応を起こさせるようにす
ることができる。特に、解離したヨウ素原子が再結合す
るまでの時間を見越してマイクロ波放電器の上流でヨウ
素分子を解離するRF波を印加することが好ましい。
【0017】なお、混合流体はレーザ共振器を通過した
後ではヨウ素原子が再結合してヨウ素分子になり励起酸
素が失活して基底状態の酸素分子になるので、混合流体
としての組成は高周波放電器に供給した混合流体と変化
がない。したがって高周波放電器のガス供給位置におけ
る真空度まで昇圧して強制循環させれば、そのまま再利
用することができ、外部に有害な物質を放出することも
高価な材料を補給することも必要ではなくなる。勿論、
実際の装置には初期充填時および特別に補充を必要とす
る事態に対処できるように補填装置を備えるべきことは
いうまでもない。
【0018】なお、ヨウ素は循環ダクトなどの内壁に固
着して濃度が低下する場合があるので、循環系に加熱機
構を備えて適当な加熱をし凝固を防止する方策を採るこ
とが好ましい。また、流体温度を常時測定して熱交換器
を制御するシステムを付属させても良い。あるいは、ヨ
ウ素が固着する配管部分にヒータを設備して固着を防止
したり固着した固体ヨウ素を昇華させるようにしても良
い。
【0019】さらにまた、本発明の励起酸素ヨウ素レー
ザ発生装置は、ガス供給路を設けた高周波放電器と1対
の共振ミラーを設けたレーザ共振器を備える。そして、
高周波放電器がガス供給路から流入されるヨウ素分子と
酸素ガスと希釈ガスを含む混合気体の流れにラジオ波な
いしマイクロ波領域の電磁波を印加して励起酸素分子を
生成し、レーザ共振器の共振ミラーの間に励起酸素分子
と解離されたヨウ素原子を含む混合気体流を導入し、生
成された励起ヨウ素原子を誘導放出させてヨウ素レーザ
を生成することを特徴とする。
【0020】本発明のヨウ素レーザ発生装置では、高周
波放電器でヨウ素分子と酸素ガスと希釈ガスを含む混合
気体にラジオ波ないしマイクロ波領域の電磁波を当てて
酸素分子を励起しヨウ素分子を解離し、解離されたヨウ
素原子を賦活する。ラジオ波ないしマイクロ波は、酸素
分子の励起のほかヨウ素分子の解離にも利用して励起酸
素分子の利用効率を向上させることもできる。本発明で
は、酸素分子が励起される高周波放電器でヨウ素ガスと
完全混合しているので、移送による励起酸素の失活もヨ
ウ素原子が不足するためのエネルギー移乗ロスも少な
く、効率的にヨウ素原子を励起することができる。
【0021】また本発明のヨウ素レーザ発生装置では、
第1の高周波放電器の上流に第2の高周波放電器を設け
てもよい。例えば上流の第2高周波放電器でヨウ素分子
の解離を行い下流の第1高周波放電器で酸素分子の励起
を行うと、ヨウ素分子の解離に消費される励起酸素の割
合が少なくなって効率的にヨウ素レーザを発生させるこ
とができる。
【0022】さらに、第1高周波放電器の部分に混合気
体流を通過させて超音速流にする超音速ノズルを設ける
ことが好ましい。また、超音速ノズルの下流の混合気体
流が超音速になる部分にレーザ共振器を設けることが好
ましい。超音速ノズルを用いると、電磁波を受けて励起
酸素分子が多量に含まれるようになった混合気体流が超
音速ノズルを通過し、ジュールトムソン効果により温度
が低下して平衡定数が反応促進方向に変化し、エネルギ
ー移乗反応が盛んに行われて励起ヨウ素原子が増大し、
レーザ共振器におけるポンピング数が増加するのでレー
ザ取出効率が向上する。
【0023】なお、超音速ノズルの上流で酸素分子を放
電励起すると、圧力が高いため励起酸素の失活が大き
い。一方、超音速ノズルの下流で放電励起すると、放電
加熱により超音速化に伴う断熱膨張の冷却効果が相殺さ
れてしまう。このため、亜音速から超音速への遷移領域
であるスロート部におけるピンポイント放電励起が好ま
しい。また、超音速ノズルで混合気体流が高速になるの
でビームを横切る時間が短くなり高出力レーザを得るこ
とができる。さらに、超音速部分にレーザ共振器を配置
すると、混合気体流が低温であるのでポンピングして基
底状態に落ちたヨウ素原子の再励起が容易なため、レー
ザ共振器を通過する間のポンピング数が増加し発振効率
が高くなる。
【0024】なお、少なくとも1対の電極を高周波放電
器のガス供給路の外部もしくは内部に配設することによ
り放電を行うようにしても良い。さらに、混合気体流の
循環路を形成して途中に真空ポンプなど真空昇圧装置を
設け、レーザ共振器から流出する混合気体流を高周波放
電器のガス供給路に戻して強制循環させるようにしても
よい。また、混合気体流を循環利用する場合は温度検出
端と加熱機構を備えて、ヨウ素分子が循環路の壁に凝着
しないように温度管理することが好ましい。なお、独立
の熱交換器を循環路中に介装しても良いが、循環路自体
にヒータを添設して加熱器としても良いことは言うまで
もない。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明について実施例に基
づき図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の励
起酸素ヨウ素レーザ発生装置の1実施例を示すブロック
図、図2は本実施例の構成を示す斜視図、図3は本実施
例に用いる高周波放電器の超音速絞り部を示す断面図、
図4は図3におけるIV−IV面における断面図、図5
は本実施例における作用原理を説明する発光スペクトル
図である。
【0026】
【実施例】本実施例の励起酸素ヨウ素レーザ発生装置
は、強制循環式の放電励起酸素ヨウ素レーザ装置であ
る。図1および図2に示したように、レーザ発生装置は
ガスが循環する流路1からなる。循環流路1には、流通
するガスにマイクロ波を照射する第1の高周波放電器2
が設けられており、第1高周波放電器2の下流には共振
器ミラーを1対備えたレーザ共振器3が配設されてい
る。レーザ共振器3の下流に真空送風機4が配設されて
いて、真空送風機4の排出口が第1高周波放電器2の配
管入口に接続されて循環路を形成している。第1高周波
放電器2に流入する配管には超音速ノズルとなる絞り1
1があって、絞り11の上流にはラジオ周波数の電磁波
(RF波)を放電する第2高周波放電器5が設けられて
いる。また、循環路1には熱交換器6と温度検出端を備
えた温度測定制御装置7が設けられている。
【0027】循環流路1中には、ヨウ素ガス(I2)と
酸素ガス(O2)と希釈ガスを含む混合ガスを循環させ
る。希釈ガスとしては、ヘリウムやアルゴン、窒素ガス
などの不活性ガス(IG)を用いることになるが、特に
ヘリウムが放電の効率と安定化および超音速流形成によ
る温度管理のために好ましい。混合ガスは超音速ノズル
11の上流に設けられた第2高周波放電器5において約
100MHzの電磁波を印加することにより混合ガスに
含まれているヨウ素分子をヨウ素原子に解離して超音速
ノズル11に供給する。第2高周波放電器5は、複数の
超音速ノズル11に分岐する管毎に電極を設けて構成し
ても良いが、循環路1全体をカバーする電極を用いて分
岐前にヨウ素原子解離を行うように構成しても良い。
【0028】なお、第2高周波放電器5の電極は循環流
路1の配管の外側に設けてもよく、また内部に設けても
良い。配管の外部に電極を設ける場合は、配管の一部を
ガラスやセラミックあるいはプラスチックなど電磁波を
透過する材質で形成し、その外側に対向する1対の電極
を設ける。このような構造では、電極が化学反応性の高
いヨウ素に直接接触しないため電極の材質が自由に選択
でき、電極の形状や電極面積も配管の形状に合わせて高
周波放電あるいはマイクロ波放電のために適当なものが
選択できる。たとえば、断面が長方形の配管を上下に挟
んで平板電極を対向するように配置することができる。
【0029】また、第2高周波放電器5の電極は、循環
流路1の配管内部に設けてもよい。電極を配管内部に設
ける場合はヨウ素の腐食性を考慮しなければならない
が、絶縁物質を介在することなく直接にヨウ素分子を含
むガスに作用するため小さい電力で有効に原子状態に解
離することができる。また、電極間距離を短くして解離
効率を向上させることができる。さらに配管は絶縁体で
ある必要はないため、導電性を有するステンレス等、配
管の材質を自由に選べる利点がある。
【0030】循環流路1中の混合ガスは、超音速絞り1
1の上流で数10Torrから数100Torr、下流
で数Torrから数10Torr程度の真空に保持し
て、絞り11の下流で超音速流を発生させている。絞り
11を挟む圧力関係は循環路1中に介装された真空送風
機4により維持される。真空送風機4としては容積型や
ターボ型の真空ポンプやルーツポンプなど各種のものを
使用することができるが、循環使用する混合ガス成分に
影響を与えないものである必要がある。
【0031】第2高周波放電器5の作用により原子状態
に解離したヨウ素を含む混合ガスは真空送風機4に吸引
され、ヨウ素原子が分子状態に戻る前に超音速絞り11
に流入する。超音速絞り11は、上流から供給されるガ
ス流を隘路に通して下流から高真空で吸引することによ
り、隘路部分でガス流を音速にし、その下流の徐々に拡
幅した流路にガス流を導くことにより隘路の下流部分に
超音速領域を発生させるものである。
【0032】超音速絞り11の位置に設けられた第1高
周波放電器2が絞り11を通過する混合ガスにマイクロ
波を作用させて主に励起酸素を発生させる。図5は、賦
活ヨウ素と励起酸素の混合体が高い効率で励起ヨウ素原
子を生成することを示す測定例である。図の横軸は発光
スペクトルの波長(μm)、縦軸は任意単位で表した放
射強度である。図中1で示すスペクトル分布曲線は励起
酸素の発光スペクトルで、励起酸素固有の1.27μm
の位置にピークがある。また2で示す分布曲線は励起酸
素ガス中にヨウ素ガスを注入した場合で、励起ヨウ素原
子の存在を示す1.315μmのピークが現れている。
図中の3で示すスペクトル分布曲線は酸素とヨウ素の混
合ガスをマイクロ波で励起したときの測定結果で、2の
場合と比較すると極めて大量の励起ヨウ素原子が生成さ
れていることが分かる。
【0033】混合ガスには賦活されたヨウ素が含まれて
いるので、励起酸素がこれに作用して高効率で励起ヨウ
素原子が生成し、レーザ共振に必要な反転分布を容易に
形成する。このように、本実施例の励起酸素ヨウ素レー
ザ発生装置は、酸素とヨウ素を含む混合ガスに高周波電
磁波を作用させることにより、励起酸素と賦活ヨウ素を
混合して両者間の反応を促進して高濃度の励起ヨウ素原
子を生成するようにしたものである。また、酸素とヨウ
素を含む混合ガスは循環流路1を循環する間に完全に均
質に混合するので、励起酸素分子の周りに常にヨウ素原
子が存在しエネルギー移乗のロスが生じない。
【0034】第1高周波放電器2は、図3に図示するよ
うに、マグネトロン21から導かれた例えば2.4GH
zのマイクロ波を反射板22で反射して導波管23内に
定在波を形成するように構成されている。循環流路1は
導波管23のほぼ中央で超音速絞り11となる隘路を形
成している。混合気体流路1は、第1高周波放電器2を
貫通する超音速絞り11の部分が電磁波を透過するガラ
ス管でできていて、導波管23の両壁から突出する円錐
24、25に埋め込まれている。混合気体の流れる循環
流路1は、上流の円錐体24内で円錐状に狭くなり、隘
路を形成した後に再び下流の円錐体25内で円錐状に拡
幅する。超音速絞り11の最も細い隘路部は、円錐体2
4、25の先端が僅かの間隙を挟んで突き合わされてい
る部分で、例えば1mm長の部分が導波管23内に露出
している。このような円錐の突き合わせ構造は、高周波
放電器2で発生するマイクロ波を超音速絞り11に集中
して中の混合流体に効率よく作用させる効果がある。
【0035】なお、第1高周波放電器2を貫通する循環
流路1は循環量に適合した複数の並列流路を有し、それ
ぞれの分岐流路毎に超音速絞り11を備えている。ま
た、図4に示したように、各超音速絞り11にはそれぞ
れマグネトロン21と反射板22を備えた第1の導波管
23を設けると共に、これらの超音速絞り11を1直線
に配設して、第1導波管23と垂直の方向に設けた第2
のマグネトロン26と第2の反射板27を備えた第2の
導波管28を、全ての絞り11を包含するように配設し
て、超音速絞り11中の混合気体に大きな電磁波エネル
ギーを集中できるようにしている。
【0036】レーザ共振器3は、レーザ光を全反射する
共振器ミラーと一部の光を取り出すことができる取り出
しミラーすなわち出力用の共振器ミラーを、循環流路1
を挟んで対峙するように配置したもので、光が両ミラー
の間を往復する間にビームを横切るガス体中の励起ヨウ
素原子と作用して光増幅し、所望の強度のレーザ光をレ
ーザ取り出しミラーから出射する。このポンピング作用
により基底状態に落ちたヨウ素原子は、励起酸素分子か
らのエネルギー移乗により励起状態に戻って、再びポン
ピング作用に寄与することができるようになる。励起酸
素分子はエネルギー移乗して基底状態の酸素分子に戻
る。励起状態の酸素と基底状態の酸素の割合が閾値を割
るとレーザ発振ができなくなる。
【0037】レーザ共振器3は、超音速絞り11下流の
超音速領域に、共振するレーザ光が全ての超音速絞りの
吐出部分を貫通するように配設してある。超音速流が形
成される所では断熱膨張のため流体が冷却され、条件に
より例えば150K程度の極低温になる。なお、希釈ガ
スとしてヘリウムを用いると、熱容量が小さくなるため
冷却効果が大きく、たとえばアルゴンを希釈ガスとして
使用した場合と比較して発振効率が10%程度高くなる
事実が観測されている。ここで、ヨウ素原子の2P1/22
P3/2準位間にレーザ発振を可能とさせる反転分布を形成
するには、電子励起状態の酸素分子(O2(1Δ))が発振
閾値より多く存在するようにしなければならない。
【0038】なお、高周波放電によりヨウ素分子を解離
してできた原子状態のヨウ素は熱により解離したヨウ素
原子より再結合しにくく、水分などの失活因子がない状
態では、例えば配管中を70cm搬送された後にも高い
割合で原子状態を保持している。したがって、レーザ共
振器3の位置には常時ヨウ素原子が供給されていて、励
起酸素分子との共振的エネルギー移乗反応により励起ヨ
ウ素原子を得ることができる。
【0039】励起酸素とヨウ素原子の反応式 O2(1Δ)+I(23/2)←→ O2(3Σ)+I*21/2) において平衡定数は温度の関数であり、ヨウ素原子エネ
ルギー準位の超微細構造による縮退を考慮すると、酸素
励起率の発振閾値は、 [O2 *]/[O2]= 1.33exp(−403/T)・
([I*]/[I]) により決まる。ここで[I*] /[I] > 0.5とされ
る。また、(O2(3Σ))は基底状態の酸素分子、I(2
3/2)は基底状態のヨウ素原子、I*21/2)は励起状
態のヨウ素原子である。なお、Tは反応温度である。
【0040】室温(T=300K)で反応させると酸素
励起率が17%以上必要なのに対し、超音速流を利用し
てT=150Kにおいて反応させれば酸素励起率が5%
程度でもレーザ発振が可能となることが分かる。このよ
うに、レーザ共振器3を超音速絞り11下流の超音速領
域に配設して、エネルギー移乗反応が行われる場におけ
る混合流体の温度を低下させることはレーザ取出し効率
を向上させる上で顕著な効果を有する。
【0041】高出力ビームを得るためには、レーザの飽
和強度を上げ、透過率の大きな取り出しミラーを使うよ
うにすることが好ましい。透過率の大きいミラーが使用
できるようにするためには増幅率を大きくしなければな
らない。また、レーザの飽和強度Is(W/cm2
は、 Is=(hν/ρ)・(2n/τ) で表される。ここで、hνはヨウ素レーザ光子1個当た
りのエネルギー(Joule)、ρはヨウ素原子の誘導放出断
面積(cm2)、nはヨウ素原子が共振器のビームを横
切る間に励起酸素によりポンピングされる平均回数、τ
はガス流が共振器のビームを横切る時間(sec)であ
る。したがって、レーザの飽和強度を上げるためには、
超音速流を用いてレーザ共振器を通過する流体の速度を
上げビームを横切る時間τを短縮することが好ましい。
【0042】循環流路1中を循環するヨウ素ガス
(I2)と酸素ガス(O2)と不活性ガス(IG)を含む
混合ガスは、ヨウ素レーザ発生によって消費されること
が無い。放電により励起された酸素分子はエネルギー移
乗や失活により基底状態の酸素分子に戻り、解離された
ヨウ素分子も循環中に再び結合して元に戻る。勿論、不
活性ガスは循環中に変化することがない。したがって、
循環流路1を完全密封することができれば原料ガスは一
切補充する必要がない。このように、人為的な原料再生
や原料補給の必要がなく、混合ガスを循環させて電気エ
ネルギーを光エネルギーに変換するので、原理的にラン
ニングコストを従来より著しく低減することができる。
【0043】ただし、ヨウ素は低温で凝固して循環路の
壁に付着することがあるので、気体状態を維持するため
ガス温度を所定値以上に保持するか配管を加熱して凝着
しないようにする必要がある。このため、循環路1内の
ガス温度を温度検出端で測定し温度制御器7により熱交
換器6の出力を制御する。熱交換器6は真空度がより低
くなる真空ポンプ4の吐き出し側に配設すると熱交換効
率をより高めることができる。温度制御器7の設定温度
は混合ガス環境下でヨウ素が凝固しない値にする。
【0044】なお、循環路中の所定の位置にヨウ素が固
着しやすい部分を形成して、そこに堆積した固体ヨウ素
をヨウ素ガス供給源と考えて処理することも可能であ
る。また、本実施例ではヨウ素と酸素と不活性ガスの混
合気体流を用いてこれに高周波電磁波を作用させるよう
にするとともに、超音速ノズルを用いてレーザ共振器に
おける温度を低下させ通過速度を上げるようにし、さら
に混合気体が循環する密封流路を形成して強制循環をす
るようにしたが、これらの要件は全てを備えていなくて
も、それぞれ所定の作用効果を呈することはいうまでも
ない。
【0045】なお、本実施例では説明のためラジオ周波
数やマイクロ波の波長を具体的に述べたが、励起酸素分
子とヨウ素解離に対してそれぞれ上記と異なる周波数領
域の高周波電磁波を作用させることも可能である。ま
た、これら高周波電磁波の作用は周波数依存性が低いの
で、記載した値の他にも色々な波長を選択することがで
きる。また、図には表さないが、循環路1には混合ガス
の初期充填や補充のためのガス導入口を設けてもよい。
【0046】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の放電励起酸
素ヨウ素レーザ発生装置は、湿式の化学励起酸素発生装
置を用いないで、酸素分子とヨウ素分子と希釈ガスの混
合気体を高周波放電により励起・賦活して励起ヨウ素原
子を得るので、励起エネルギーの失活が少なく混合不十
分を原因とするエネルギーロスが少ないため、レーザ光
取り出し効率が高く高出力のヨウ素レーザを得ることが
できる。また、ヨウ素レーザ発生装置を密封して媒体ガ
スを強制循環して用いるので、原料補給が最小限で済み
原料の回収や有害物質の排出の為に必要となる処理設備
が不要で、設備費や運転費用の節減が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の励起酸素ヨウ素レーザ発生装置の1実
施例を示すブロック図である。
【図2】本実施例の構成を示す斜視図である。
【図3】本実施例に用いる高周波放電器の超音速絞り部
を示す断面図である。
【図4】図3におけるIV−IV面における断面図であ
る。
【図5】本実施例における作用原理を説明する発光スペ
クトル図である。
【図6】従来の励起酸素ヨウ素レーザ発生装置の1例を
示すブロック図である。
【符号の説明】
1 循環流路 11 超音速絞り 2 第1高周波放電器 21、26 マグネトロン 22、27 反射板 23、28 導波管 24、25 円錐体 3 レーザ共振器 4 真空送風機 5 第2高周波放電器 6 熱交換器 7 温度測定制御装置
【手続補正書】
【提出日】平成11年5月19日(1999.5.1
9)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明の励起酸素ヨウ素レーザ発生方法は、ヨウ素
分子と酸素ガスと希釈ガスを含む混合気体の流れを絞っ
たところにラジオ波ないしマイクロ波領域の高周波電磁
波を印加して励起酸素分子を生成し、この励起酸素分子
を含む混合気体が絞りで冷却したまま絞りの直後に設け
たレーザ共振器に到達し、励起酸素分子が解離したヨウ
素原子とエネルギー移乗反応を起こして励起ヨウ素原子
を生成し、この励起ヨウ素原子が絞りの直後に設けた
ーザ共振器でエネルギーを放出してレーザ光を発生する
ことを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】本発明では、ラジオ波ないしマイクロ波領
域の高周波電磁波をヨウ素分子と酸素ガスと希釈ガスを
含む混合気体に当てることにより、酸素分子を励起しヨ
ウ素分子を解離して解離されたヨウ素原子を賦活する。
本発明の方式は湿式でないため水分による励起ヨウ素原
子の失活が無く、また、混合気体流を絞ったところに高
周波電磁波を印加するため、ガスの加熱時間が短くなっ
て昇温が少なく、さらに絞りを通過した後に膨張して冷
却し励起酸素分子などが失活しにくいので、絞り直下に
設けられた共振器位置でエネルギー効率よく励起ヨウ素
原子を生成させることができる。こうして得られた励起
ヨウ素原子にレーザ共振器の共振光を作用させて高出力
のレーザ光を発生させることができる。ラジオ波ないし
マイクロ波は、酸素分子を励起することを主目的にして
選択しても良いが、ヨウ素分子の解離にも利用するよう
にして励起酸素分子の利用効率を向上させることもでき
る。なお、酸素分子を励起するためにはマイクロ波の方
が効率が高い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また、ヨウ素と酸素を含む混合気体流を用
いるため酸素分子が励起される位置にヨウ素原子が存在
するので、従来技術におけるように励起酸素ガスがヨウ
素ガスと混合する位置まで移送する間に失活することな
く、効率的にヨウ素原子を励起することができる。ま
た、ヨウ素と酸素は高周波電磁波を印加する位置では均
質に混合されているので、励起酸素の周囲にヨウ素原子
が不足することを原因とする励起エネルギーの移乗ロス
がない。なお、高周波電磁波で賦活した賦活酸素分子と
高周波電磁波で賦活した賦活ヨウ素を混合すると、賦活
した酸素分子にヨウ素を混合する場合と比較して、励起
ヨウ素原子の収率が格段に向上する。したがって、ヨウ
素と酸素を含む混合気体流に高周波電磁波を作用させる
ことにより、賦活酸素分子と賦活ヨウ素分子の混合体を
直接的に得ることができ、ヨウ素レーザ取出効率が向上
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内藤 紀幸 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工業 株式会社野田工場内 (72)発明者 内山 太郎 東京都町田市成瀬2663−9 Fターム(参考) 5F071 AA04 DD08 EE04 GG02 JJ02 JJ04 JJ08

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヨウ素分子と酸素ガスと希釈ガスを含む
    混合気体の流れにラジオ波ないしマイクロ波領域の電磁
    波を印加して励起酸素分子を生成し、該励起酸素分子が
    解離したヨウ素原子とエネルギー移乗反応を起こして励
    起ヨウ素原子を生成し、該励起ヨウ素原子がレーザ共振
    器でエネルギーを放出してレーザ光を発生することを特
    徴とする励起酸素ヨウ素レーザ発生方法。
  2. 【請求項2】 前記電磁波の印加した混合気体流を超音
    速流にして冷却することを特徴とする請求項1記載の励
    起酸素ヨウ素レーザ発生方法。
  3. 【請求項3】 前記混合気体流の希釈ガスとしてヘリウ
    ムを使用することを特徴とする請求項1または2記載の
    励起酸素ヨウ素レーザ発生方法。
  4. 【請求項4】 ヨウ素の解離のためにラジオ波を印加
    し、また酸素分子の励起のためにマイクロ波を印加する
    ことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の励
    起酸素ヨウ素レーザ発生方法。
  5. 【請求項5】 前記混合気体を循環使用することを特徴
    とする請求項1から4のいずれかに記載の励起酸素ヨウ
    素レーザ発生方法。
  6. 【請求項6】 ヨウ素分子と酸素ガスと希釈ガスを含む
    混合気体を流入させるガス供給路を備え該混合気体の流
    れにラジオ波ないしマイクロ波領域の電磁波を印加して
    励起酸素分子を生成する高周波放電器と、1対の共振ミ
    ラーを備えて該共振ミラーの間に前記励起酸素分子と解
    離されたヨウ素原子を含む混合気体流を導入し生成され
    た励起ヨウ素原子にエネルギー放出させてヨウ素レーザ
    を生成するレーザ共振器を設けた励起酸素ヨウ素レーザ
    発生装置。
  7. 【請求項7】 前記第1の高周波放電器の上流にさらに
    第2の高周波放電器を設けることを特徴とする請求項6
    記載の励起酸素ヨウ素レーザ発生装置。
  8. 【請求項8】 前記第1高周波放電器の部分に前記混合
    気体流を通過させて超音速流にする超音速ノズルを設け
    ることを特徴とする請求項6または7記載の励起酸素ヨ
    ウ素レーザ発生装置。
  9. 【請求項9】 前記混合気体流が超音速になっている部
    分に前記レーザ共振器を設けることを特徴とする請求項
    8記載の励起酸素ヨウ素レーザ発生装置。
  10. 【請求項10】 前記高周波放電器が前記ガス供給路の
    外部に配設される少なくとも1対の電極を備えることを
    特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の励起酸素
    ヨウ素レーザ発生装置。
  11. 【請求項11】 前記高周波放電器が前記ガス供給路の
    内部に配設される少なくとも1対の電極を備えることを
    特徴とする請求項6から9のいずれかに記載の励起酸素
    ヨウ素レーザ発生装置。
  12. 【請求項12】 さらに、前記レーザ共振器から流出す
    る混合気体流を流入させて昇圧し前記高周波放電器のガ
    ス供給路に供給する真空昇圧装置を設けて、混合気体流
    を強制循環させるようにしたことを特徴とする請求項6
    から11のいずれかに記載の励起酸素ヨウ素レーザ発生
    装置。
  13. 【請求項13】 循環路に温度検出端と加熱機構を備え
    て、前記混合気体流中のヨウ素分子が凝固しないように
    また温度過上昇により発振効率が低下しないように温度
    管理することを特徴とする請求項13記載の励起酸素ヨ
    ウ素レーザ発生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001082425A1 (fr) * 2000-04-21 2001-11-01 Fujisaki Electric Co., Ltd. Generateur d'oxygene excite par une decharge haute frequence pour laser a iode et procede de generation d'oxygene correspondant

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001082425A1 (fr) * 2000-04-21 2001-11-01 Fujisaki Electric Co., Ltd. Generateur d'oxygene excite par une decharge haute frequence pour laser a iode et procede de generation d'oxygene correspondant

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