JP2000010721A - 座標入力装置 - Google Patents

座標入力装置

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JP2000010721A
JP2000010721A JP17757298A JP17757298A JP2000010721A JP 2000010721 A JP2000010721 A JP 2000010721A JP 17757298 A JP17757298 A JP 17757298A JP 17757298 A JP17757298 A JP 17757298A JP 2000010721 A JP2000010721 A JP 2000010721A
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Takeshi Sakai
健 阪井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 指示された点の軌跡の正確な描画と消費電力
の削減とを両立させる。 【解決手段】 座標入力装置21内のタブレット制御装
置30は、タブレット29の指示面にペンの先端が接触
したことに応答し、前記ペンが接触する点の座標を、時
間経過に伴い複数回検出する。タブレット制御装置30
は、最新の座標が検出されるたびに、該最新の座標と該
最新の座標の検出処理の1回前の処理で検出された座標
とがそれぞれ示す2つの点間の距離を求め、該距離に応
じて、最新の座標が検出された時点から次の座標が検出
される時点までの時間間隔、すなわち座標のサンプリン
グ間隔を設定する。前記座標の検出は、設定されたサン
プリング間隔おきに、行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、いわゆる手書き入
力が可能な情報処理装置に備えられる座標入力装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、いわゆる手書き入力またはいわゆ
るペン入力が可能な情報処理装置は、座標入力装置と表
示装置とを含む。前記座標入力装置は偏平な指示面を含
む指示部材と、該指示装置を制御するための制御装置と
を含む。前記指示部材は、いわゆるタブレット、または
デジタイザで実現される。前記指示面内に操作者が指ま
たはペンの先端を接触させた場合、前記座標入力装置
は、前記指示面内の指またペンの先端が接触する点の座
標を出力する。操作者が指またはペンの先端を前記座標
入力装置に接触させつつ移動させる場合、前記情報処理
装置は、前記座標入力装置から時間経過に伴って出力さ
れる複数の座標に基づいて、ペンまたは指が接触した点
の軌跡を入力された筆跡パターンとして求め、前記筆跡
パターンをそのまま前記表示装置に表示する。
【0003】特開平6−175977号公報は、前記座
標入力装置を備えた情報処理装置において、筆跡パター
ンに基づいてグラフを作成するための技術を開示する。
図8は、前記公報の携帯型ペン入力情報処理装置1の電
気的構成を示すブロック図である。前記携帯型ペン入力
情報処理回路21は、中央演算処理回路2、LCD(Li
quid Crystal Display)コントローラ7、液晶表示装置
8、デジタイザ3、デジタイザコントローラ4、ROM
5、RAM6,およびゲートアレイ9を含む。デジタイ
ザコントローラ4、LCDコントローラ7、ROM5、
およびRAM6は、バスライン10にそれぞれ接続され
る。ゲートアレイ9は、中央演算処理回路2とバスライ
ン10との間に介在されるインタフェース回路である。
【0004】ROM5の記憶領域は、図9(A)に示す
ように、演算プログラム領域11、ベクトルデータ領域
12、基本方程式データ領域13、基本グラフデータ領
域14、およびデジタイザ座標判定プログラム領域15
を含む。RAM6の記憶領域は、図9(B)に示すよう
に、軌跡座標データ用領域16と、軌跡ベクトルデータ
用領域17とを含む。基本方程式データ領域13は、予
め定める複数の基本方程式を記憶する。基本グラフ領域
14は、前記複数の基本方程式のグラフを記憶する。ベ
クトルデータ領域12は、前記複数の基本方程式のグラ
フの形状の特徴を示すベクトルパターンを記憶する。
【0005】操作者は、デジタイザ3に、入力ペンを用
いて、入力しようとするグラフを描く。デジタイザコン
トローラ4は、デジタイザ3内の入力ペンの先端が接触
する点の座標を示す座標情報を周期的に検出し、中央演
算処理回路2に与える。中央演算処理回路2は、前記座
標情報に応答して、ROM5内の2つのプログラム領域
11,15内に記憶されるプログラムを実行する。この
結果、前記複数の座標情報それぞれに基づいて複数の座
標値が求められ、軌跡座標データ用領域16に記憶され
る。さらにこの結果、前記複数の座標情報および複数の
座標値に基づいて、前記グラフの形状を示す軌跡ベクト
ルが求められ、軌跡ベクトルデータ用領域17に記憶さ
れる。また、中央演算処理回路2は、LCDコントロー
ラ7を制御して、前記入力ペンの先端が接触する点の軌
跡を、液晶表示装置8に表示させる。さらに、中央演算
処理回路2は、前記座標値と前記軌跡ベクトルと前記ベ
クトルパターンとに基づいて、グラフの形状が前記点の
軌跡と最も近い基本方程式を求め、該基本方程式のグラ
フを液晶表示装置8に表示させる。
【0006】また、本件出願人は、特開平10−112
08号公報で、検出される複数の座標のうちから誤入力
された座標を除くための座標入力装置を提案している。
前記公報の座標入力装置は、タブレットとタブレット制
御回路とを含む。操作者は、線を描くために、指または
ペンである指示部材の先端を、前記タブレットに接触さ
せたまま移動させる。前記タブレット制御回路は、前記
指示部材が前記タブレットに接触し始めた時点から前記
指示部材が前記タブレットから離れる時点までの間、予
め定める周期毎に、前記タブレット内の前記指示部材の
先端が接触する点の座標を検出する。さらに前記タブレ
ット制御回路は、確定された複数の座標を用いて新たに
検出される座標が存在する範囲を予測し、予測された範
囲内に検出された座標が含まれる場合だけ、検出された
座標を確定する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した座標入力装置
は、指示面内のペンまたは指の先端が接触する点の座標
を、予め定めるサンプリング間隔で複数回サンプリング
する。前記座標入力装置を備えた情報処理装置は、サン
プリングされた複数の座標の点を順次結んだ折れ線を、
前記点の軌跡として表示する。
【0008】前記情報処理装置において、前記折れ線の
形状が前記ペンまたは指の先端の実際の軌跡に近くかつ
滑らかであることが望まれ、かつ、前記座標入力装置の
消費電力が減少することが望まれる。前記折れ線の形状
に関する要望を満たすために、前記先端が素早く動いて
曲線を描く場合、前記サンプリング間隔ができるだけ短
くなる必要があり、前記ペンまたは指の先端がゆっくり
と動いて直線を描く場合、前記サンプリング間隔は前者
の場合のサンプリング間隔よりも長い必要がある。ま
た、前記消費電力を減少させるために、前記サンプリン
グ間隔はできるだけ長いことが望まれる。
【0009】従来、任意の1つの座標入力装置におい
て、前記サンプリング間隔は固定されている。ゆえに、
前記任意の座標入力装置は、前記折れ線が前記実際の軌
跡に近く滑らかな形状である場合、消費電力が大きくな
り、消費電力が小さい場合、先端の動きが早いほど、前
記折れ線の形状が前記実際の軌跡に比べていびつな形状
になる。これらのことから、前記任意の座標入力装置に
おいて、前記折れ線の形状をできるだけ前記実際の軌跡
に近似させ、かつ、消費電力を充分に減少させることは
困難である。
【0010】また、操作者が指示面上に描いた図形を滑
らかに表示するために、特開平6−175977号公報
の携帯型ペン入力情報処理装置は、前記複数の基本方程
式のグラフを予め記憶しておき、前記折れ線の形状に近
い前記グラフを選んで、前記折れ線と置換えて表示す
る。しかしながら、操作者がいわゆる自由曲線を描く場
合、置換えるべき曲線を予め想定して記憶させておくこ
とは困難である。また、操作者が描いた文字を用いてい
わゆる文字認識を行う場合、前記折れ線を予め想定した
曲線に置換えると、文字の形状の特徴点が失われること
がある。
【0011】本発明の目的は、指示面上を移動する点の
座標を複数回サンプリングする場合に、前記点の軌跡に
できるだけ近い形状の曲線を再現することが可能な複数
の座標を得ることができ、かつ、消費電力をできるだけ
減少させることができる座標入力装置を提供することで
ある。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、時間経過
に伴って移動可能な点を指示するための偏平な指示面を
備える指示手段と、前記指示面内に指示される点の座標
を検出する時間間隔を定める間隔設定手段と、前記指示
面内に指示された点の座標を、設定された前記時間間隔
おきに検出する座標検出手段と、連続して検出された複
数の座標に基づいて、前記点の移動速度を求める移動速
度算出手段とを含み、前記間隔設定手段は、前記移動速
度が大きいほど、前記時間間隔を短く設定することを特
徴とする座標入力装置である。
【0013】第1の発明に従えば、座標入力装置は、前
記指示面内に指示された点の座標を検出する時間間隔
を、前記移動速度に応じて上述のように変更する。前記
指示面内に指示される点は、たとえば、前記指示面内の
ペンまたは操作者の指の先端が接触する点である。前記
ペンまたは指の先端が前記指示面に接触したまま移動す
る場合、時間経過に伴って複数の座標が連続的に検出さ
れる。これによって、前記移動速度が大きいほど前記時
間間隔が短くなるので、前記点が素早く移動しかつ該実
際の軌跡が曲線である場合、および前記点がゆっくり移
動しかつ該点の実際の軌跡が直線である場合のどちらで
も、前記検出された複数の座標を変曲点とする折れ線
は、前記実際の軌跡の形状に近くなる。またこれによっ
て、前記移動速度が小さいほど周期が長くなるので、座
標入力装置の消費電力を充分に減少させ、かつ、前記座
標入力装置全体の負荷を軽減することができる。
【0014】第2の発明は、時間経過に伴って移動可能
な点を指示するための偏平な指示面を備える指示手段
と、前記指示面内に指示される点の座標を検出する時間
間隔を定める間隔設定手段と、前記指示面内に指示され
た点の座標を、設定された前記時間間隔おきに検出する
座標検出手段と、連続して検出された複数の座標に基づ
いて、前記点の移動距離を求める移動距離算出手段とを
含み、前記間隔設定手段は、前記移動距離が長いほど、
前記時間間隔を短く設定することを特徴とする座標入力
装置である。
【0015】第2の発明に従えば、座標入力装置は、前
記指示面内に指示された点の座標を検出する時間間隔
を、前記移動距離に応じて上述のように変更する。前記
移動速度が大きいほど、予め定める時間内の前記移動距
離は長くなる。ゆえに、前記移動距離に基づいて前記移
動速度を推定することができるので、移動距離に応じて
上述のように設定された時間間隔は、第1の発明の座標
入力装置において前記移動速度に応じて設定された時間
間隔とほぼ等しい。この結果、第1の発明の座標入力装
置と同じ理由によって、前記検出された複数の座標を変
曲点とする折れ線は、前記指示面内に指示される点の実
際の軌跡の形状に近くなり、かつ、前記座標入力装置の
消費電力を充分に減少させ、さらに、前記座標入力装置
全体の負荷を軽減することができる。また、前記移動距
離は、連続して検出された2つの点の座標から、容易に
求めることができる。ゆえに、前記時間間隔の変更が容
易になる。
【0016】第3の発明の座標入力装置は、前記間隔設
定手段は、前記点が指示されていない状態において、初
めて点が指示された時点で、前記時間間隔を予め定める
初期間隔にすることを特徴とする。
【0017】第3の発明に従えば、前記座標入力装置
は、第1または第2の発明の座標入力装置の間隔設定手
段が、さらに上述のように動作する構成になっている。
ゆえに、複数の座標が連続して検出される場合、1つ目
の座標が検出された時点で、前記時間間隔として前記初
期間隔が設定され、1つ目の座標が検出された時点から
前記初期間隔が経過した時点で、2つ目の座標の検出が
行われる。この結果、前記移動速度または前記移動距離
に基づいて設定された時間間隔は、該移動速度または移
動距離の算出に用いた座標に続いて座標が連続して検出
される間だけ用いられる。この結果、前記座標入力装置
は、操作者が指示面にペンまたは指の先端を接触しつつ
移動させる動作を複数回繰返し、かつ、各回の先端の移
動速度が異なる場合も、前記移動速度に応じて座標検出
の時間間隔を容易に設定することができる。
【0018】第4の発明の座標入力装置は、前記移動距
離と前記時間間隔との対応関係を設定する対応関係設定
手段と、設定された前記対応関係を記憶する対応関係記
憶手段とをさらに含み、前記間隔設定手段は、前記移動
距離と前記対応関係記憶手段に記憶された前記対応関係
とに基づいて、前記時間間隔を設定することを特徴とす
る。
【0019】第4の発明に従えば、前記座標入力装置
は、第2の発明の座標入力装置に、上述の構成が加えら
れた構成になっている。前記対応関係は、前記移動距離
を変数とする前記時間間隔の算出式の形式で記憶されて
もよく、予め定める複数の基準距離と、該各基準距離と
移動距離が等しい場合にそれぞれ設定するべき複数の基
準間隔とを、相互に対応づけた表形式で記憶されてもよ
い。これによって、前記座標入力装置は、前記移動距離
に基づいて前記時間間隔を容易に変更することができ
る。この結果、前記座標入力装置は、前記座標入力装置
が最も使い易くなるように、座標検出の時間間隔を操作
者自身が容易に調整することができる。またこの結果、
前記座標入力装置の開発過程で、前記時間間隔に関する
各種の初期値を決定するために要する時間を短縮するこ
とができる。前記初期値は、前記対応関係、前記基準距
離、前記基準間隔、および第3の発明で説明した前記初
期間隔を含む。後者の作用の理由は以下の通りである。
【0020】前記座標入力装置を製品化する場合、座標
検出の時間間隔は、前記折れ線の形状と消費電力とのバ
ランスに加えて、前記座標入力装置固有の性質・性能を
考慮して定められる。前記座標入力装置固有の性質・性
能とは、たとえばタブレットの制御手法、またはタブレ
ット自体の特性である。このため、任意の1つの座標入
力装置を製品化する場合、前記各種の初期値を設定する
には、実際に指示面内に点を指示しかつ移動させるテス
トを、前記時間間隔を変えつつ複数回繰返す必要があ
る。従来技術の座標入力装置は前記時間間隔の変更が困
難であるが、第4の発明の座標入力装置は、前記時間間
隔を変更することが容易なので、テストの手順が簡略化
される。ゆえに、前記各種の初期値を決定するために要
する時間を短縮することができるのである。
【0021】第5の発明の座標入力装置は、連続して検
出された3つの座標に基づいて、該3つの座標のうちの
最新の座標が有効であるか否かを決定する有効座標決定
手段をさらに含み、前記移動距離算出手段は、前記検出
された全ての座標の中の有効な座標のうちの連続する2
つの座標がそれぞれ示す2つの点間の距離を、前記移動
距離として求めることを特徴とする。
【0022】第5の発明に従えば、座標入力装置は、第
2の発明の座標入力装置に、上述の構成が加えられた構
成になっている。前記有効な座標は、前記座標検出手段
が誤って検出した座標以外のものである。前記座標検出
手段が座標を誤って検出する原因は、たとえば、前記座
標入力装置内部に生じたノイズである。また、前記指示
手段がいわゆるタッチ式タブレットである場合、操作者
がタブレットの1点を押す圧力が低いならば、前記座標
検出手段は前記1点の座標を間違えることがある。前記
移動距離は前記有効な座標だけを用いて決定されるの
で、前記座標入力装置は、座標検出の時間間隔が前記検
出手段の座標の検出誤りに起因して誤ることを、未然に
防止することができる。
【0023】第6の発明の座標入力装置は、前記有効座
標決定手段は、前記最新の座標および前記3つの座標の
うちの中間の座標がそれぞれ示す2つの点間の距離が、
前記中間の座標および該3つの座標のうちの最古の座標
がそれぞれ示す2つの点間の距離と予め定める基準距離
との和未満である場合、前記最新の座標が有効であると
決定することを特徴とする。
【0024】第6の発明に従えば、座標入力装置は、第
5の発明の座標入力装置の有効座標決定手段が、上述の
ように動作する構成になっている。この結果、前記有効
座標決定手段は、前記最新の座標が有効であるか否か
を、前記検出された座標だけを用いて、極めて容易に判
断することができる。 〔発明の詳細な説明〕
【0025】図1は、本発明の実施の一形態である座標
入力装置21を含む情報処理装置22の電気的構成を示
すブロック図である。図2は、情報処理装置22の概略
的な構成を示す斜視図である。図1と図2とを併せて説
明する。
【0026】情報処理装置22は、座標入力装置21、
表示部24、内部記憶部25、外部記憶装置26、およ
びシステム制御装置27を含む。座標入力装置21は、
タブレット29とタブレット制御装置30とを含む。表
示部24は、表示パネルと表示制御装置とを含む。前記
表示パネルは、平坦な表示面33を有する。タブレット
29は、透明かつ偏平であり、平坦な指示面34を有す
る。タブレット29は、前記表示パネルの表示面33上
に配置される。内部記憶部25は、ROM(Read Only
Memory)35とRAM(Ramdam Access Memory)36と
を含む。本実施形態では、タブレット29はいわゆるタ
ッチ式のタブレットであり、前記表示パネルは液晶表示
装置であり、前記表示制御装置は液晶表示装置の制御装
置であり、外部記憶装置26はハードディスク装置であ
ると、それぞれ仮定する。
【0027】タブレット29とタブレット制御装置30
とは、タブレット用のフラットケーブル37を介して電
気的に接続される。内部記憶部25とシステム制御装置
27とタブレット制御装置30とは、1枚の回路基板3
8上に実装され、回路基板38上に配置されたバスライ
ン39に電気的に接続される。表示部24は、表示用の
フラットケーブル40を介して、バスライン39に電気
的に接続される。外部記憶装置26は、バスライン39
に電気的に接続される。タブレット制御装置30と、表
示部24と、内部記憶部25と、外部記憶装置26と、
システム制御装置27とは、バスライン39を介して、
相互に信号およびデータを授受することができる。図2
では、回路基板38上に実装された部品27,30,3
5,36の記載は省略する。
【0028】外部記憶装置26は、システム制御装置2
7が用いる予め定める複数の制御プログラムのうちの一
部のものと、情報処理装置22の処理対象のデータとを
記憶する。内部記憶部25のROM35は、前記制御プ
ログラムのうちの残余のものを記憶する。内部記憶部2
5のRAM36は、システム制御装置27が前記制御プ
ログラムを実行する場合に、システム制御装置27が取
扱う各種のデータを記憶する。
【0029】タッチ式のタブレット29を用いて情報処
理装置22を操作する場合、操作者は、予め定めるペン
の先端を、タブレット29の指示面34に接触させる。
前記ペンは、指示面34内の1点を指示するための棒状
の部材である。また、ペンに代えて、操作者自身の指を
指示面に接触させてもよい。さらにまた、タブレット2
9が非接触型のものである場合、操作者は、前記ペンま
たは指を、タブレットの指示面に近接させるだけでも良
い。タブレット制御装置30は、指示面34内の前記ペ
ンの先端が接触した点の座標を、時間経過に伴って複数
回検出する。検出された複数の座標は、指示面34内に
指示された点の座標として、システム制御装置27に与
えられる。
【0030】システム制御装置27は、前記制御プログ
ラムを外部記憶装置26および内部記憶部25のROM
35から読出し、タブレット制御装置30から与えられ
た複数の座標に応答して、前記制御プログラムを実行す
る。概略的には、まず、システム制御装置27は、前記
ペンの先端が指示面34に接触した時点に表示部24の
表示面33に表示される画像と、前記複数の座標とに基
づいて、操作者の指示が何であるかを判断する。次い
で、システム制御装置27は、該指示に基づいた予め定
めるデータ処理を行い、処理結果を表示部24の表示面
33に表示させる。以後、前記予め定めるデータ処理
は、前記複数の座標を変曲点とする折れ線を、表示部2
4の表示面33に表示させる処理であると仮定する。こ
れによって、たとえば、操作者が前記ペンを用いて指示
面34に曲線を描いた場合、前記曲線を近似する折れ線
が表示部24に表示される。
【0031】図3は、タブレット制御回路30の具体的
な構成を示すブロック図である。タブレット制御回路3
0は、処理回路51、システムインタフェイス回路5
2、タブレットインタフェイス回路53、内部タイマ5
4、ROM55、RAM56、および対応表記憶回路5
7を含む。2つのインタフェイス回路52,53、内部
タイマ54、ROM55,RAM56および対応表記憶
回路57は、処理回路51に電気的にそれぞれ接続され
る。
【0032】システムインタフェイス回路52は、処理
回路51と回路基板38のバスライン39との間に介在
され、情報処理装置22との信号およびデータの授受の
ための予め定めるインタフェイスに基づき、表示部2
4、内部記憶部25、外部記憶装置26、およびシステ
ム制御装置27と処理回路51との間の信号およびデー
タの授受を、それぞれ制御する。タブレットインタフェ
イス回路53は、処理回路51とタブレット用のフラッ
トケーブル37との間に介在され、座標入力装置21内
での信号およびデータの授受のための予め定めるインタ
フェイスに基づき、タブレット29と処理回路51との
間の信号およびデータの授受を制御する。内部タイマ5
4は、処理回路51がタブレット29を制御する場合、
および処理回路51がシステム制御装置27と前記イン
タフェイスに基づいて信号およびデータを授受する場合
に、用いられる。
【0033】ROM55は、処理回路51が実行するべ
きタブレット制御用の複数のプログラム、および、タブ
レット29の制御のための各種の制御値の初期値を記憶
する。RAM56は、処理回路51が前記タブレット制
御用プログラムを実行する場合に用いられる各種のデー
タを一時的に記憶する。対応表記憶回路57は、座標の
サンプリング間隔を設定するためのサンプリング間隔対
応表を記憶する。座標のサンプリング間隔は、処理回路
51が指示面34内に指示された点の座標を検出する時
間周期である。対応表記憶回路57は、データの書込み
および消去が可能な不揮発性メモリで実現されることが
好ましい。本実施形態では、対応表記憶回路57は、フ
ラッシュROM(Frash ROM:図面ではFRO
Mと略称する)で実現される。
【0034】処理回路51は、ROM55内の制御プロ
グラムに基づいて、座標のサンプリング間隔を決定し、
さらに、タブレット29の指示面34内に指示される点
の座標、すなわち前記ペンまたは指の先端が接触する点
の座標を、決定された前記サンプリング間隔でサンプリ
ングする。サンプリングされた座標は、処理回路51か
らシステムインタフェイス回路52を介して、システム
制御装置27に与えられる。
【0035】
【表1】
【0036】表1は、前記サンプリング間隔対応表を示
す。前記サンプリング間隔対応表は、予め定める複数の
サンプリング間隔の基準値S(1)〜S(N)に、予め
定める移動距離範囲と、点の最大移動距離と、レベル番
号とを、それぞれ対応付けて記憶する。前記サンプリン
グ間隔対応表は、座標のサンプリング間隔と点の移動距
離との対応関係を示すものである。本実施形態では、前
記対応関係は上述の対応表によって表されるが、前記対
応関係が分かるものであれば、該対応関係は対応表に限
らず、他の形式で記憶されてもよい。たとえば、対応関
係を表す式が、対応表記憶回路57に記憶されてもよ
い。
【0037】基本的に、点の移動距離Dが大きくなるほ
ど、点の移動距離Dに応じて定められる座標のサンプリ
ング間隔は短くなる。点の移動距離Dは、連続して検出
される2つの座標がそれぞれ示す2つの点間の距離であ
る。前記サンプリング間隔の基準値S(1)〜S(N)
の数Nは、操作者が設定するレベル数Nと等しく、任意
の自然数である。任意のサンプリング間隔の基準値S
(n)に対応付けられる前記レベル番号は、該基準値S
(n)に対応付けられる最大移動距離L(n)が大きい
ほど大きく、最大値はレベル数Nと等しい。nは、1以
上N以下の任意の自然数である。任意のサンプリング間
隔の基準値S(n)は、該基準値S(n)値が大きいほ
ど、対応付けられる最大移動距離L(n)が小さい。
【0038】前記複数の移動距離範囲は、点の移動距離
Dの予め定める最小値および最大値間の範囲を、レベル
数Nと等しい数の範囲に分割したものである。前記最小
値はたとえば0であり、前記最大値は、たとえば全ての
最大移動距離L(1)〜L(N)のうちの最大のものと
等しい。任意の1つの基準値S(n)に対応付けられる
移動距離範囲の上限値は、該基準値S(n)に対応付け
られる最大移動距離L(n)である。任意の1つの基準
値S(n)に対応付けられる移動距離範囲の下限値は、
該基準値S(n)よりもレベル番号が1つ小さい基準値
S(n−1)に対応付けられる最大移動距離L(n−
1)である。すなわち、任意の1つの基準値S(n)に
設定される移動距離範囲は、該基準値S(n)よりもレ
ベル番号が1つ小さい基準値S(n−1)に対応する最
大移動距離L(n−1)以上であり、かつ、該基準値S
(n)に対応する最大基準距離未満の範囲である。
【0039】再び図3を参照する。ROM55のメモリ
空間は、具体的には、複数の記憶領域に分割されてい
る。これら複数の記憶領域のうち、第1〜第5領域61
〜65が、前記制御プログラムおよび制御値の記憶に用
いられる。第1領域61はタブレット29の指示面34
内に指示された点の座標を検出するための主制御プログ
ラムを記憶する。第2領域62は、前記サンプリング間
隔対応表を設定するためのプログラムを記憶する。第3
領域63は、タブレット29から検出された座標の正誤
を判断するためのプログラムを記憶する。第4領域64
は、座標のサンプリング間隔の予め定める初期値Tcを
記憶する。第5領域65は、座標の正誤の判断に用いる
予め定める移動距離定数αを記憶する。
【0040】RAM56のメモリ空間は、具体的には、
複数の記憶領域に分割されている。これら複数の記憶領
域のうち、第1〜第5領域67〜71は、サンプリング
間隔の設定のために用いられる。第1領域67は、時間
経過に伴い連続して検出された2つの座標のうちの先に
検出された方の座標である先行座標(X1,Y1)を記
憶する。第2領域67は、前記2つの座標のうちの後か
ら検出された方の座標である後続座標(X2,Y2)を
記憶する。第3領域69は、複数の座標が連続して検出
される間に処理回路51が設定した最新のサンプリング
間隔Tsを、記憶する。第4領域70は、対応表記憶回
路57内の前記サンプリング間隔対応表と同じ対応表を
記憶する。第5領域71は、先行座標(X1,Y1)が
検出された時点から前記後続座標(X2,Y2)が検出
される時点までの間の点の移動距離Dを記憶する。
【0041】また、RAM56の内の複数の記憶領域の
うち、第6および第7領域72,73は、前記サンプリ
ング間隔対応表の設定のために用いられる。第6領域7
2は、前記設定のための処理を行う間に操作者が設定し
たレベル数を記憶する。第7領域73は、前記処理を行
う間に操作者が指定したいずれか1つのレベル番号を記
憶する。さらにまた、RAM56内の複数の記憶領域の
うち、第8および第9領域74,75は、検出された座
標の正誤を判断するため、第1および第2移動距離D
1,D2をそれぞれ記憶する。第1移動距離D1は、連
続して検出された3つの座標のうち、最初に検出された
座標、すなわち最古の座標が示す点から、2番目に検出
された座標、すなわち中間の座標が示す点までの距離で
ある。第2移動距離D2は、前記3つの座標のうち、前
記中間の座標が示す点から、最後に検出された座標、す
なわち最新の座標が示す点までの距離である。
【0042】タブレット制御回路30は、前記主制御プ
ログラムだけに基づいて行われる第1座標入力処理と、
前記主制御プログラムおよび前記座標の正誤の判定のた
めのプログラムに基づいて行われる第2座標入力処理と
のうちのいずれか一方を選択して行なう。以後、第1お
よび第2座標入力処理の説明中で、前記ペンの先端がタ
ブレット29の指示面34から離れている状態におい
て、前記先端が指示面34に接触することを、「ペンダ
ウン」と称し、前記先端が指示面34に接触している状
態において、前記先端が指示面34から離れることを、
「ペンアップ」と称する。
【0043】前記ペンの先端は、ペンダウンが起こる時
点からペンアップが起こる時点まで、指示面34に接触
したままである。前記ペンの先端は、指示面34に接触
したまま、指示面34表面を移動可能である。タブレッ
ト29は、指示面34への点の指示結果を示す座標信号
を、常に出力可能な状態になっていると仮定する。すな
わち、前記座標信号は、概略的には、前記先端が接触し
ているか否かを常に示し、さらに、前記先端が接触する
間は前記先端が接触している状態であることを示すと同
時に、指示面34内の前記先端の接触する点の座標も示
す。たとえば、前記座標信号は、前記ペンが指示面34
に接触しているか否かに応じて変化し、さらに、前記ペ
ンが指示面34に接触している間は、指示面34内の前
記ペンの先端が接触する点の座標に応じて変化する。
【0044】図4は、第1座標入力処理を説明するため
のフローチャートである。情報処理装置22に電力が供
給された時点、またはシステム制御装置27からタブレ
ット制御装置30へ、第1座標入力処理の開始が指示さ
れた時点で、ステップA1からステップA2に進む。
【0045】ステップA2で、処理回路51は、前記座
標信号に基づき、前記ペンダウンが起こったかどうかを
検出する。ステップA2の判定処理は、ペンダウンが起
こるまで繰返される。操作者が、指示面34への点の指
示を開始するために、指示面34に前記ペンの先端を接
触させたならば、処理回路51は、前記先端の接触に応
じた座標信号の変化を検出して、ペンダウンが起こった
と判断する。ペンダウンが起こったならば、ステップA
2からステップA3に進む。
【0046】処理回路51は、ステップA3で、ROM
55に記憶されるサンプリング間隔の初期値Toを読出
し、該初期値Toを最新のサンプリング間隔Tsとし
て、RAM56の第3領域69に記憶させる。さらに処
理回路51は、ステップA4で、最新のサンプリング間
隔Tsと等しい時間を、アラーム時間として、内部タイ
マ54に設定し、かつ、内部タイマ54に計時を開始さ
せる。内部タイマ54は、計時が開始された時点からの
経過時間を計時する。内部タイマ54は、経過時間が前
記アラーム時間と一致する時点で、前記計時が開始され
た時点から前記アラーム時間が経過したことを示すアラ
ームを発生させる。
【0047】処理回路51は、ステップA5で、1回目
のアラームが発生したか否かを判断する。ステップA5
の判定処理は、前記計時が開始された時点からアラーム
が発生するまで繰返される。1回目のアラームが発生し
たならば、ステップA5からステップA6に進む。処理
回路51は、ステップA6で、1回目のアラームが発生
された時点の座標信号をサンプリングする。処理回路5
1は、サンプリングされた座標信号に基づいて、前記ペ
ンの先端が現時点で接触する指示面34内の点の座標を
求め、該座標を、先行座標(X1,Y1)として、RA
M56の第1領域67に記憶させる。
【0048】内部タイマ54は、1回目のアラームを発
生させた後、内部タイマ54が今までに計時した経過時
間を予め定める初期値、たとえば0に戻した後、該アラ
ームを発生させた時点からの経過時間を再び計時する。
以後、内部タイマ54は、アラームを発生させるたび
に、内部タイマ54がそれまでに計時した経過時間を初
期値に戻した後、該アラームを発生させた時点からの経
過時間を計時し、該経過時間が内部タイマ54に設定さ
れる最新のアラーム時間と一致した時点で、アラームを
再び発生させる。また、ステップA7〜A14の処理
は、アラームが繰返し発生する間、アラームに応答して
繰返される。
【0049】処理回路51は、ステップA7で、アラー
ムが新たに発生されたか否かを判断する。ステップA7
の判定処理は、新たなアラームが発生するまで、繰返さ
れる。新たなアラームが発生したならば、ステップA7
からステップA8に進む。
【0050】処理回路51は、ステップA8で、新たな
アラームが発生した時点の座標信号をサンプリングす
る。処理回路51は、サンプリングされた座標信号に基
づいて、前記ペンの先端が前記時点で接触する指示面3
4内の点の座標を求め、該座標を、後続座標(X2,Y
2)として、RAM56の第2領域68に記憶させる。
処理回路51は、ステップA9で、前記時点でペンアッ
プが起こっているかどうかを検出する。操作者が前記ペ
ンの先端を指示面34に接触させたまま移動させている
場合、ペンアップは起こらないので、ステップA9から
ステップA10に進む。
【0051】ステップA10で、処理回路51は、RA
M56の第1および2領域67,68に現在記憶されて
いる2つの座標(X1,Y1),(X2,Y2)を、連
続して検出された最新の2つの座標として、システムイ
ンタフェイス回路52を介し、システム制御装置27に
与える。システム制御装置27は、与えられた最新の2
つの座標に基づいて、予め定めるデータ処理を行う。た
とえば、前記データ処理が連続して検出された複数の座
標を変曲点とする折れ線を描くものである場合、システ
ム制御部27は、表示部24の表示面33に現在表示さ
れている画像に、前記最新の2つの座標がそれぞれ示す
2つの点を両端とする線分を追加する。
【0052】処理回路51は、ステップA11で、RA
M56の第1および2領域67,68に現時点で記憶さ
れている2つの座標(X1,Y1),(X2,Y2)が
それぞれ示す2つの点間の距離を、指示された点の移動
距離Dとして求める。点の移動距離Dは、基本的には、
以下の式1で求められる。なお、本実施形態では、式2
に示すように、前記2つの点間の実際の距離、すなわち
式1によって求められる距離に代わって、前記実際の距
離の2乗の値を、移動距離Dとして求めている。この場
合、前記各最大移動距離L(1)〜L(N)は、前記実
際の距離と比較するべき実際の最大移動距離の2乗の値
になっている必要がある。求められた最新の移動距離D
は、RAM56の第5領域71に、記憶される。
【0053】 D=√{(X2−X1)2+(Y2−Y1)2} …(1) D=(X2−X1)2+(Y2−Y1)2 …(2) 処理回路51は、ステップA12で、RAM56の第4
領域70に記憶されるサンプリング間隔対応表を参照し
て、全てのサンプリング間隔の基準値S(1)〜S
(N)のうち、ステップA11で得られた移動距離Dに
対応するいずれか1つの基準値S(n)を選び、選ばれ
た基準値S(n)をRAM56の第3領域69に記憶さ
せる。なお、図面では、移動距離Dに対応するいずれか
1つの基準値S(n)を、Get(D)と示す。前記移
動距離Dに対応するいずれか1つの基準値S(n)に対
応付けられる移動距離範囲は、最新の点の移動距離Dを
含む。この結果、最新のサンプリング間隔Tsが、ステ
ップA3で設定された値、または現時点よりも前に行わ
れたステップA7〜14の処理内のステップA11で設
定された値から、前記選ばれた基準値S(n)に変更さ
れる。
【0054】処理回路51は、ステップA13で、RA
M56の第2領域68に記憶される後続座標(X2,Y
2)を、RAM56の第1領域67に記憶させる。この
結果、現時点の後続座標(X2,Y2)が、アラームが
次に発生する時点における先行座標になり、現時点の先
行座標(X1,Y1)は失われる。さらに処理回路51
は、ステップA14で、更新後の最新のサンプリング間
隔Tsをアラーム時間として内部タイマ54に設定し、
かつ、内部タイマ54が今までに計時した経過時間を初
期値、たとえば0に戻した後、内部タイマ54に計時を
再開させる。計時再開後、ステップA14からステップ
A7に戻る。
【0055】以上の処理によって、ペンダウンが起こる
時点からペンアップが起こる時点までの間に、内部タイ
マ54がアラームを3回以上発生させる場合、2回目の
アラームが発生した時点以後、アラームが発生されるた
びに、前記アラーム時間が設定される。前記アラーム時
間は前記サンプリング間隔Tsと等しく、かつ、該アラ
ーム時間は、最新の座標が取得された時点から次の座標
が取得される時点までの時間間隔、すなわちいわゆる座
標のサンプリング間隔に相当する。この結果、前記場
合、座標のサンプリング間隔Tsが、時間経過に伴い、
前記点の移動距離Dに応じて、変化する。
【0056】操作者が、指示面34への点の指示を終了
するために、指示面34から前記ペンの先端を離したな
らば、処理回路51は、該先端が離れたことに応じた座
標信号の変化を検出して、ペンアップが起こったと判断
する。処理回路51は、ペンアップが起こったことを検
出したならば、ステップA9からステップA15に進
み、内部タイマ54の時間の計時を停止させる。計時停
止後、ステップA15からステップA2に戻り、再びペ
ンダウンが起こることを待つ。以上が、前記第1座標入
力動作の説明である。
【0057】以上説明したように、タブレット制御装置
30が前記第1座標入力処理を行う場合、座標のサンプ
リング間隔は、前記移動距離Dの変化に応答して変化す
る。また、前記サンプリング間隔対応表が表1で説明し
たように定義されているので、前記第1座標入力処理が
行われる場合、移動距離Dが長くなるほど、最新のサン
プリング間隔Tsは短くなる。また、基本的に、指示さ
れる点の移動速度が大きいほど、すなわち点を指示する
ペンの先端が速く移動するほど、該点の移動距離Dが長
くなる。これらの結果、ペンダウンが起こった時点から
ペンアップが起こる時点までの間、すなわち前記ペンの
先端が指示面34に接触しつつ動く間、前記先端が速く
動くほど、前記サンプリング間隔Tsが短く設定され
る。
【0058】ゆえに、たとえば、先端が速く動くほど座
標が多く検出されるので、前記検出された全ての座標が
それぞれ示す点を変曲点とする折れ線において、変曲点
の数が増える。この結果、前記折れ線の形状が前記先端
の軌跡の形状に近くなり易い。ゆえに、システム制御装
置27は、表示部24の表示面33に、実際の前記先端
の軌跡に極めて似た形状の折れ線を、表示することがで
きる。またたとえば、前記先端がゆっくり動くほど、前
記サンプリング間隔Tsが長く設定される。この結果、
タブレット制御装置29の消費電力を押えることができ
る。
【0059】また、タブレット制御装置29は、点の移
動速度に応じたサンプリング間隔の調整を、複数の座標
が連続して検出される間、すなわち操作者がペンを用い
指示面34に線を描く間に、行う。この結果、前記線を
描く間に前記サンプリング間隔が適宜調整されるので、
前記折れ線の形状を前記先端の軌跡に近似させることと
前記消費電力を押えることとを、容易に両立させること
ができる。
【0060】さらに、前記ペンの先端が指示面34から
一旦離れた後該先端が指示面34に再び接触する場合、
該先端が指示面34に再び接触した時点で、最新のサン
プリング間隔Tsが初期値Toに戻される。すなわち、
前記最新のサンプリング間隔Tsは、複数の座標が連続
して検出される間だけ保持される。この結果、操作者が
複数本の曲線を指示面に描き、かつ、各曲線を描く際の
ペンの先端の速度が相互に異なる場合、各曲線毎に、該
曲線を描く際の前記先端の速度に応じて、サンプリング
間隔が設定される。したがって、前記曲線を描く際の前
記先端の速度に応じたサンプリング間隔の調整が、容易
になる。
【0061】前述したように、連続して検出される2つ
の座標(X1,Y1),(X2,Y2)が示す2つの点
間の実際の距離に代わって、前記実際の距離の2乗の値
が、移動距離Dとして用いられるのは、以下の理由から
である。移動距離Dは、前記各最大移動距離L(1)〜
L(N)との大小関係を求めるために、該各最大移動距
離L1(1)〜L(N)とそれぞれ比較される。この場
合、前記実際の距離と前記実際の最大移動距離との大小
関係は、前記実際の距離の2乗の値と前記実際の最大移
動距離の2乗の値との大小関係と等しい。ゆえに、前記
移動距離Dを前記実際の距離にする場合と移動距離Dを
前記実際の距離の2乗の値にする場合とにおいてそれぞ
れ求められる大小関係は、等しい。前記移動距離Dを前
記実際の距離の2乗の値にする場合、移動距離を実際の
距離にする場合と比較して、移動距離Dの演算時に平方
根を求めるための処理を省略することができるので、演
算処理が簡単になる。これらのことから、移動距離Dと
して、前記実際の距離の2乗の値を用いることが好まし
いのである。
【0062】図5および図6は、第2座標入力処理を説
明するためのフローチャートである。前記第2座標入力
処理は、図4の前記第1座標入力処理のステップと同じ
処理を行うステップを含み、該ステップの詳細な説明は
省略する。情報処理装置22に電力が供給された時点、
またはシステム制御装置27からタブレット制御装置3
0へ、第2座標入力処理の開始が指示された時点で、ス
テップB1からステップB2に進む。ステップB2〜B
10の処理は、ステップA2〜A10の処理と等しいの
で、説明は省略する。
【0063】処理回路51は、ステップB11で、ステ
ップB11の時点の点の第1移動距離D1として、RA
M56の第1および2領域67,68に記憶されている
2つの座標(X1,Y1),(X2,Y2)が示す2つ
の点間の距離を、ステップA11の処理と同じ手順で求
める。求められた最新の第1移動距離D1は、RAM5
6の第8領域74に記憶される。
【0064】処理回路51は、ステップB12で、全て
のサンプリング間隔の基準値S(1)〜S(N)のう
ち、ステップB11で得られた第1移動距離D1に対応
するいずれか1つの基準値S(n)を、ステップA12
の処理と同じ手順で選ぶ。選ばれた基準値S(n)は、
RAM56の第3領域69に記憶される。この結果、最
新のサンプリング間隔Tsが、ステップB3で設定され
た値から、前記選ばれた基準値S(n)に変更される。
【0065】処理回路51は、ステップB13で、更新
後の最新のサンプリング間隔Tsをアラーム時間として
内部タイマ54に設定し、かつ、内部タイマ54が今ま
でに計時した経過時間を初期値に戻した後、内部タイマ
54に計時を再開させる。次いで、処理回路51は、ス
テップB14で、ステップA7の処理と同じ手順で、内
部タイマ54がアラームを発生させることを待つ。アラ
ームが発生した時点で、ステップB14からステップB
15に進む。ステップB14〜B27の処理は、アラー
ムが複数発生することに応答して、アラームが発生する
たびに繰返される。
【0066】処理回路51は、ステップB15で、前記
ペンの先端が現時点で接触する指示面34内の点の座標
を、ステップA8の処理と同じ手順で求め、該座標をR
AM56の第1領域67に記憶させる。この結果、ステ
ップB15の処理終了後の時点のRAM56の第1領域
67は、該時点の後続座標(X2,Y2)の次に検出さ
れた座標、すなわち最新の検出座標(X1,X2)を記
憶する。処理回路51は、ステップB16で、現時点で
ペンアップが起こっているかどうかを、ステップA9の
処理と同じ手順で検出する。操作者が前記ペンの先端を
指示面34に接触させたまま移動させている場合、ペン
アップは起こらないので、ステップB16からステップ
B17に進む。
【0067】処理回路51は、ステップB17で、現在
点における最新の点の第2移動距離D2として、RAM
56の第1および2領域67,68に現在記憶されてい
る2つの座標(X1,Y1),(X2,Y2)がそれぞ
れ示す2つの点間の距離を求める。なお、第1移動距離
D1として、ステップB11の時点の前記2つの点間の
距離の2乗の値が用いられるならば、第2移動距離D2
も、式(3)に示すように、ステップB17の時点の前
記2つの点間の距離の2乗の値にする。求められた最新
の第2移動距離D2は、RAM56の第9領域75に、
記憶される。
【0068】 D2=(X1−X2)2+(Y1−Y2)2 …(3) 処理回路51は、ステップB18で、式4に示すよう
に、最新の第2移動距離D2が、最新の第1移動距離D
1と予め定める移動距離定数αとの和未満であるか否か
を判断する。ステップB18の時点の第1移動距離D1
は、該時点の全ての有効座標のうちの最新の有効座標が
示す点と、該時点の全ての有効座標のうちの該最新の座
標よりも1つ前の有効座標が示す点との間の距離に相当
する。ステップB18の時点の第2移動距離D2は、前
記1つ前の有効座標が示す点と、該時点の直前に行われ
たステップB15の処理で得られる前記最新の検出座標
が示す点との間の間の距離に相当する。或る時点の全て
の有効座標とは、該時点までに検出された全ての座標の
うちの、有効と判断される座標全てを指す。
【0069】 D2<D1+α …(4) 最新の第2移動距離D2が前記和未満である場合、最新
の検出座標(X1,Y1)が有効であると判断される。
最新の第2移動距離D2が前記和以上である場合、最新
の検出座標(X1,Y1)が無効であると判断される。
無効である検出座標は、たとえば、タブレット29内で
前記座標信号に加わったノイズに基づいて求められたも
のである。すなわち、無効な検出座標は、座標入力装置
21に誤入力された座標である。最新の検出座標が有効
な場合、ステップB18からステップB19に進み、最
新の検出座標が無効な場合、ステップB18からステッ
プB23に進む。
【0070】前記最新の検出座標が有効であれば、ステ
ップB19で、処理回路51は、RAM56の第1およ
び前記2領域67,68に現時点で記憶されている2つ
の座標(X1,Y1),(X2,Y2)を、連続して検
出された最新の2つの座標として、システムインタフェ
イス回路52を介し、システム制御装置27に与える。
システム制御装置27は、与えられた最新の2つの座標
に基づいて、ステップA10で説明したように、予め定
めるデータ処理を行う。
【0071】処理回路51は、ステップB20で、全て
のサンプリング間隔の基準値S(1)〜S(N)のう
ち、ステップB17で得られた第2移動距離D2に対応
するいずれか1つの基準値S(n)を、ステップA12
の処理と同じ手順で選ぶ。選ばれた基準値S(n)は、
RAM56の第3領域69に記憶される。この結果、最
新のサンプリング間隔Tsが、ステップB12、または
過去に行われたステップB14〜B27の処理内のステ
ップB20の処理で設定された値から、前記選ばれた基
準値S(n)に変更される。処理回路51は、ステップ
B21で、更新後の最新のサンプリング間隔Tsと等し
い時間をアラーム時間として内部タイマ54に設定し、
かつ、内部タイマ54が今までに計時した経過時間を初
期値に戻した後、内部タイマ54に計時を再開させる。
【0072】処理回路51は、ステップB22で、RA
M56の第9領域75に記憶される最新の第2移動距離
D2を、RAM56の第8領域74に記憶させる。この
結果、ステップB22の時点の第2移動距離D2が、次
のアラームが発生する時点における第1移動距離にな
り、該時点の第1移動距離D1は失われる。さらに処理
回路51は、ステップB23で、RAM56の第1領域
67に記憶される最新の検出座標(X1,Y1)を、R
AM56の第2領域68に記憶させる。この結果、ステ
ップB23の時点の最新の検出座標(X1,Y1)が次
のアラーム発生時における後続座標になり、該時点の後
続座標(X2,Y2)は失われる。後続座標の更新後、
ステップB23からステップB14に戻る。
【0073】ステップB18の時点の最新の検出座標が
無効である場合、処理回路51は、まずステップB24
で、内部タイマ54がアラームを発生させることを、ス
テップA7の処理と同じ手順で待つ。アラームが発生し
た時点で、ステップB24からステップB25に進む。
【0074】処理回路51は、ステップB25で、前記
ペンの先端が現時点で接触する指示面34内の点の座標
を、ステップA8の処理と同じ手順で求め、該座標を、
最新の検出座標(X1,Y1)として、RAM56の第
1領域67に記憶させる。処理回路51は、ステップB
26で、現時点でペンアップが起こっているかどうか
を、ステップA9の処理と同じ手順で検出する。ペンア
ップが起こらない場合、ステップB26からステップB
27に進む。
【0075】ステップB27で、処理回路51は、RA
M56の第1および前記2領域67,68に現在記憶さ
れている2つの座標(X1,Y1),(X2,Y2)
を、連続して検出された最新の2つの座標として、シス
テムインタフェイス回路52を介し、システム制御装置
27に与える。システム制御装置27は、与えられた最
新の2つの座標に基づいて、ステップA10で説明した
ように、予め定めるデータ処理を行う。前記座標を供給
した後、ステップB27からステップB23に進み、R
AM56の第1領域67に記憶される最新の検出座標
(X1,Y1)を、RAM56の第2領域68に記憶さ
せる。この結果、RAM26の第8および第9領域に、
それぞれ最新の検出座標(X1,Y1)が記憶される。
座標記憶後、ステップB23からステップB14に戻
る。
【0076】操作者が、指示面34への点の指示を終了
するために、指示面34から前記ペンの先端を離したな
らば、ペンアップが起こったと検出される。処理回路5
1は、ステップB9,B16,B26のうちのいずれか
で、ペンアップが起こったことを検出したならば、前記
いずれか1つのステップB9,B16,B26からステ
ップB28に進み、内部タイマ54の計時動作を停止さ
せる。計時停止後、ステップB28からステップB2に
戻り、再びペンダウンが起こることを待つ。以上が、前
記第2座標入力処理の説明である。
【0077】以上説明したように、前記第2座標入力処
理では、最新の検出座標のサンプリングを行うだけでな
く、得られた最新の検出座標の正誤を判断する。前記最
新の検出座標が誤っていると判断された場合、処理回路
51は、ステップB24〜S27の処理によって、最新
の検出座標を検出し直し、かつ、該検出座標を後続座標
として用いてサンプリング間隔Tsを設定しない。ゆえ
に、タブレット制御装置30は、検出された全ての座標
のうち、正しい有効な座標だけを用いて、前記サンプリ
ング間隔Tsを設定することができる。
【0078】また、ステップB18〜B27の処理によ
って、検出された全ての座標から、座標入力装置21内
部で発生するノイズに起因して誤入力された座標、およ
びいわゆる低押圧時に得られる異常な座標が、無効な座
標として除かれる。この結果、タブレット制御装置30
は、検出された全ての座標のうち、操作者が指示した点
の座標だけを、システム制御装置27に与える。この結
果、システム制御装置27は、連続して検出された3つ
の座標のうちの中間の座標だけが無効である場合、3つ
の座標のうちの最古の座標および最新の座標を両端とす
る線分を描くことになる。この結果、前記場合も、操作
者が指示面34上に描いた曲線に極めて近い折れ線を、
表示部24に表示させることができる。
【0079】なお、前述の第2座標入力処理は、無効と
なる座標が2つ以上連続して検出されることはないと仮
定している。無効となる座標が2つ以上連続して検出さ
れる場合に、サンプリング間隔の設定に用いる全ての座
標およびシステム制御装置の処理対象となる全ての座標
の中から、無効となる複数の座標を除くには、以下のよ
うにすればよい。1本の曲線が描かれる間、すなわちペ
ンダウンが起こった時点からペンアップが起こる時点ま
での間に、連続する複数の座標が無効であれば、該無効
な座標がステップB15で検出されるたびに、ステップ
B18で、第1移動距離D1と移動距離定数αとの和が
第2移動距離D2よりも大きいと判断される。ゆえに、
前記無効な複数の座標が検出される間、ステップB14
〜B18,B24〜27,B23の順で、繰返し処理が
行われる。この際、前記順の処理の繰返し回数を計数し
ておき、前記順の処理が繰返されるたびに、該繰返し回
数が増えるほど移動距離定数を大きくする。無効な座標
が連続して検出されなくなった時点で、前記移動距離定
数を予め定める初期値に戻す。これによって、無効な座
標が複数連続して検出される場合も、無効な座標を除く
ことができる。
【0080】前述した移動距離定数αは、たとえば、座
標入力装置21の開発時に定められる。移動距離定数α
は、理想的には、該移動距離定数αと第1移動距離D1
との和が、全ての最大移動距離L(1)〜L(N)のう
ちの最も大きいものL(N)よりも予め定める微小値だ
け大きくなるように、設定されることが好ましい。予め
定める微小値は、たとえば、0以上前記最大の最大移動
距離L(N)以下の値である。本実施形態では、移動距
離定数αは、最大移動距離L(N)と等しいと仮定す
る。これは以下の理由からである。移動距離定数αは、
前述したように、ノイズに起因する無効な座標を除くこ
とが目的なので、複数の座標に基づいて想定される点の
移動速度が、操作者が指示面34上で前記ペンの先端を
移動させる速度を越える場合に、それら座標を除くこと
ができる値に設定する必要がある。この際、移動距離定
数αが大きくなるほど、無効な座標を検出しにくくな
る。逆に、移動距離定数αが小さくなるほど、無効な座
標は検出しやすくなり、かつ、有効な座標も無効な座標
であると誤認しやすくなる。これらのことを考慮して、
移動距離定数αは、座標入力装置21の開発時に、上述
のように調整されるのである。
【0081】図7は、前記サンプリング間隔対応表の設
定手法を示すフローチャートである。前記サンプリング
間隔対応表の設定は、たとえば、システム制御装置27
からのコマンドに応答して開始される。タブレット制御
装置21がシステム制御装置27からの各種のコマンド
を受付可能な状態になると、ステップC1からステップ
C2に進み、ステップC2でシステム制御装置27から
サンプリング間隔設定要求コマンドが与えられたことを
認識すると、ステップC3に進む。
【0082】処理回路51は、ステップC3で、対応表
記憶回路57から前記サンプリング間隔対応表を読出
し、RAM56の第3領域69に記憶させる。さらに処
理回路51は、ステップC4で、前記サンプリング間隔
対応表を、システムインタフェイス回路52を介して表
示部24に与えて表示させ、ステップC5で、レベル数
の入力要求を、システムインタフェイス回路52を介し
システム制御装置27に与える。システム制御装置27
は、前記入力要求に応答して、操作者に、レベル数を示
す数値を、システム制御装置27へ入力させる。入力さ
れた数値は、システム制御装置27からタブレット制御
装置30に与えられる。処理回路51は、ステップC7
で、与えられた数値を、レベル数Nとして、RAM56
の第6領域72に記憶させる。
【0083】さらに処理回路51は、ステップC8で、
前記与えられたレベル数が0であるか否かを判断する。
0である場合、処理回路51は、サンプリング間隔対応
表の設定を中止すると判断し、ステップC7からステッ
プC16に進んで当該フローチャートの処理を終了す
る。レベル数が1以上の整数である場合、ステップC7
からステップC8に進む。処理回路51は、ステップC
8で、変数iの初期化のために、変数iに1を代入す
る。変数iは、全ての基準値S(1)〜S(N)のうち
で、設定対象となるいずれか1つの基準値S(i)に対
応するレベル番号を記憶するためのものである。
【0084】次いで、処理回路51は、ステップC9
で、変数iに記憶されるレベル番号iに対応するサンプ
リング間隔の基準値S(i)の入力要求を、システムイ
ンタフェイス回路52を介しシステム制御装置27に与
える。システム制御装置27は、前記入力要求に応答し
て、操作者に、基準値S(i)を示す数値を、システム
制御装置27へ入力させる。入力された数値は、システ
ム制御装置27からタブレット制御装置30に与えられ
る。処理回路51は、ステップC10で、与えられた数
値を、前記レベル番号iに対応する基準値S(i)とし
て、RAM56の第4領域70内の該基準値S(i)を
記憶させるべき部分に、前記レベル番号iに対応付けて
記憶させる。
【0085】次いで、処理回路51は、ステップC11
で、変数iに記憶されるレベル番号iに対応する最大移
動距離L(i)の入力要求を、システムインタフェイス
回路52を介しシステム制御装置27に与える。システ
ム制御装置27は、前記入力要求に応答して、操作者
に、最大移動距離L(i)を示す数値を、システム制御
装置27へ入力させる。入力された数値は、システム制
御装置27からタブレット制御装置30に与えられる。
処理回路51は、ステップC10で、与えられた数値
を、前記レベル番号iに対応する最大移動距離L(i)
として、RAM56の第4領域70内の該最大移動距離
L(i)を記憶させるべき部分に、前記レベル番号iに
対応づけて記憶させる。
【0086】処理回路51は、ステップC14で、前記
変数iに1を加算して更新する。さらに処理回路51
は、ステップC15で、更新後の変数iが示すレベル番
号がRAM56の第6領域72に記憶されるレベル数N
を越えるか否かを判断する。前記レベル番号が前記レベ
ル数N以下である場合、ステップC14からステップC
9に戻る。すなわち、ステップC9〜C14の処理は、
レベル数Nと同じ回数だけ繰返される。前記レベル番号
が前記レベル数を越える場合、RAM56の第4領域7
2に、全てのレベル番号にそれぞれ対応する基準値S
(1)〜S(N)および最大移動距離L(1)〜L
(N)が、既に記憶されている。すなわち、後者の場
合、RAM56の第4領域72に、操作者が設定したサ
ンプリング間隔対応表が記憶されている。後者の場合、
ステップC14からステップC15に進む。
【0087】処理回路51は、ステップC15で、RA
M56の第4領域70に記憶されるサンプリング間隔対
応表を、対応表記憶回路57に記憶させる。この結果、
対応表記憶回路57内に、操作者が設定したサンプリン
グ間隔対応表が記憶される。対応表記憶後、ステップC
16で、当該フローチャートの処理を終了する。以上
が、サンプリング間隔対応表の設定処理の説明である。
【0088】このように本実施形態の座標入力装置21
は、サンプリング間隔対応表の具体的な内容、すなわち
サンプリング間隔と点の移動距離との対応関係を、操作
者が容易に設定することができる。このため座標入力装
置21の開発過程において、サンプリング間隔対応表内
の各パラメータの初期値を決定するために要する時間
を、従来技術の座標入力装置と比較して短縮することが
できる。またこのため、座標入力装置21の操作者が自
分に適した前記対応関係を設定することができるので、
座標入力装置21を操作者個人に合わせて容易に調整す
ることができる。
【0089】さらに、対応表記憶回路57が書込みおよ
び消去が可能な不揮発性メモリで実現される場合、操作
者が設定したサンプリング間隔対応表を保持するために
対応表記憶回路57に常に電力を供給する必要がない。
ゆえに、前記場合、サンプリング間隔対応表をRAMに
記憶する場合と比較して、座標入力装置21の消費電力
を減少させることができる。
【0090】本実施形態の座標入力装置21は、本発明
の座標入力装置の例示であり、主要な動作が等しけれ
ば、他の様々な形で実施することができる。特に座標入
力装置21を構成する各部品の詳細な動作は、同じ処理
結果が得られれば、これに限らず他の動作によって実現
されてもよい。座標入力装置21は、情報処理装置22
内の1部品として用いられるだけでなく、単独で用いら
れても良い。なお、タブレット制御回路30だけを単独
で構成し、市販のタブレットと組合わせて、座標入力装
置を構成してもよい。
【0091】
【発明の効果】以上のように第1の発明によれば、座標
入力装置は、平坦な指示面を移動する点の座標を複数回
検出し、かつ、前記点の移動速度に応じて、該座標検出
の時間間隔を前記点の移動速度が大きくなるほど短くす
る。また第2の発明によれば、座標入力装置は、平坦な
指示面を移動する点の座標を複数回検出し、かつ、前記
点の移動速度に応じて、該座標検出の時間間隔を前記点
の移動距離が大きくなるほど短くする。これらの結果、
上記2つの座標入力装置は、どちらも、検出された複数
の座標を変曲点とする折れ線を前記点の実際の軌跡の形
状に近づけ、かつ、座標入力装置の消費電力を減少させ
ることができる。
【0092】さらにまた第3の発明によれば、前記座標
入力装置は、第1および第2の発明の座標入力装置にお
いて、点が指示されない状態において初めて点が指示さ
れた時点で、前記座標検出の時間間隔を予め定める初期
値にする。この結果、座標入力装置は、操作者が指示面
にペンまたは指の先端を接触しつつ移動させる動作を複
数回繰返し、各回の先端の移動速度が異なる場合も、前
記移動速度に応じて前記時間間隔を容易に設定すること
ができる。
【0093】また第4の発明によれば、前記座標入力装
置は、第2の発明の座標入力装置に加えて、前記時間間
隔と前記移動距離との対応関係を操作者が設定するため
の設定手段と、設定された対応関係を記憶する記憶手段
とを含む。この結果、前記座標入力装置は、前記座標入
力装置が最も使い易くなるように、操作者自身が容易に
前記時間間隔を調整することができ、また、前記座標入
力装置の開発過程で、前記時間間隔に関する各種の初期
値を決定するために要する時間を短縮することができ
る。
【0094】また第5の発明によれば、座標入力装置
は、第2の発明の座標入力装置に加えて、検出された最
新の座標が有効であるか否かを決定するための有効座標
決定手段をさらに含む。この結果、前記座標入力装置
は、前記時間間隔が前記検出手段の座標の検出誤りに起
因して誤ることを、未然に防止することができる。
【0095】さらにまた第6の発明によれば、座標入力
装置は、第5の発明の座標入力装置の有効座標決定手段
において、連続する3つの座標のうちの最新の座標と該
3つの座標のうちの中間の座標がそれぞれ示す2つの点
間の距離が、該中間の座標と該3つの座標のうちの最古
の座標とがそれぞれ示す2つの点間の距離と予め定める
基準距離との和以上である場合、前記最新の座標が無効
であると判断する。この結果、前記有効座標決定手段
は、前記最新の座標が有効であるか否かを、前記検出さ
れた複数の座標だけを用いて、極めて容易に判断するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である座標入力装置21
を備えた情報処理装置22の電気的構成を示すブロック
図である。
【図2】情報処理装置22の概略的な構成を示す斜視図
である。
【図3】座標入力装置21の電気的構成を示すブロック
図である。
【図4】座標入力装置21が行う第1座標入力処理を説
明するためのフローチャートである。
【図5】座標入力装置21が行う第2座標入力処理を説
明するためのフローチャートの前半部分である。
【図6】座標入力装置21が行う第2座標入力処理を説
明するためのフローチャートの後半部分である。
【図7】座標入力装置21が行うサンプリング間隔対応
表の設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】従来技術の座標入力装置を備えた携帯型ペン入
力情報処理装置1の電気的構成を示すブロック図であ
る。
【図9】前記携帯型ペン入力情報処理装置内のROM7
およびRAM8のメモリ空間を示す図である。
【符号の説明】
21 座標入力装置 22 情報処理装置 24 表示部 27 システム制御装置 29 タブレット 30 タブレット制御装置 34 指示面 51 処理回路 54 内部タイマ 57 対応表記憶回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 時間経過に伴って移動可能な点を指示す
    るための偏平な指示面を備える指示手段と、 前記指示面内に指示される点の座標を検出する時間間隔
    を定める間隔設定手段と、 前記指示面内に指示された点の座標を、設定された前記
    時間間隔おきに検出する座標検出手段と、 連続して検出された複数の座標に基づいて、前記点の移
    動速度を求める移動速度算出手段とを含み、 前記間隔設定手段は、前記移動速度が大きいほど、前記
    時間間隔を短く設定することを特徴とする座標入力装
    置。
  2. 【請求項2】 時間経過に伴って移動可能な点を指示す
    るための偏平な指示面を備える指示手段と、 前記指示面内に指示される点の座標を検出する時間間隔
    を定める間隔設定手段と、 前記指示面内に指示された点の座標を、設定された前記
    時間間隔おきに検出する座標検出手段と、 連続して検出された複数の座標に基づいて、前記点の移
    動距離を求める移動距離算出手段とを含み、 前記間隔設定手段は、前記移動距離が長いほど、前記時
    間間隔を短く設定することを特徴とする座標入力装置。
  3. 【請求項3】 前記間隔設定手段は、前記点が指示され
    ていない状態において、初めて点が指示された時点で、
    前記時間間隔を予め定める初期間隔にすることを特徴と
    する請求項1または2記載の座標入力装置。
  4. 【請求項4】 前記移動距離と前記時間間隔との対応関
    係を設定する対応関係設定手段と、 設定された前記対応関係を記憶する対応関係記憶手段と
    をさらに含み、 前記間隔設定手段は、前記移動距離と前記対応関係記憶
    手段に記憶された前記対応関係とに基づいて、前記時間
    間隔を設定することを特徴とする請求項2記載の座標入
    力装置。
  5. 【請求項5】 連続して検出された3つの座標に基づい
    て、該3つの座標のうちの最新の座標が有効であるか否
    かを決定する有効座標決定手段をさらに含み、前記移動
    距離算出手段は、前記検出された全ての座標の中の有効
    な座標のうちの連続する2つの座標がそれぞれ示す2つ
    の点間の距離を、前記移動距離として求めることを特徴
    とする請求項2記載の座標入力装置。
  6. 【請求項6】 前記有効座標決定手段は、前記最新の座
    標および前記3つの座標のうちの中間の座標がそれぞれ
    示す2つの点間の距離が、前記中間の座標および該3つ
    の座標のうちの最古の座標がそれぞれ示す2つの点間の
    距離と予め定める基準距離との和未満である場合、前記
    最新の座標が有効であると決定することを特徴とする請
    求項5記載の座標入力装置。
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