JP2000010240A - 映画フィルム - Google Patents

映画フィルム

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JP2000010240A
JP2000010240A JP11156295A JP15629599A JP2000010240A JP 2000010240 A JP2000010240 A JP 2000010240A JP 11156295 A JP11156295 A JP 11156295A JP 15629599 A JP15629599 A JP 15629599A JP 2000010240 A JP2000010240 A JP 2000010240A
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チェスター アンダーソン チャールズ
Brian Andrew Schell
アンドリュー シェル ブライアン
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Eastman Kodak Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 処理装置タール汚れに耐性を有し、製造が容
易であり、良好な物性を提供する汚染防止トップコート
有する映画フィルムを提供する。 【解決手段】 支持体を有し、支持体の一方の側に順
に、ハレーション防止アンダーコート及び少なくとも一
層ハロゲン化銀乳剤層を有し、そして支持体の反対側に
順に、帯電防止層、保護オーバーコート及びゼラチンコ
ートされたラテックス粒子を含有する前記支持体から最
も遠くにあるトップコートを有する映画フィルム。保護
オーバーコートはポリウレタンバインダーを含み、当該
ポリウレタンバインダーが、少なくとも50%の破断点
までの引張伸び率及び2%伸率のところで測定した少な
くとも50000lb/in2 (344,738kP
a)のヤング率を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は改良された映画フィ
ルムに関し、具体的には、タール吸着及び汚れ吸収に耐
性を有する映画フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】映画写真フィルムはフィルムの裏面にカ
ーボンブラック含有層を長年用いてきた。この裏面層は
ハレーション防止と帯電防止の両方を提供する。カーボ
ンブラックは、アルカリ溶液にフィルムを浸漬し、裏面
をこすり、そして水ですすぐことを含む処理によって、
裏面層を除去可能とするアルカリ溶解性バインダーにお
いて適用される。このカーボンブラック除去プロセス
(画像現像前に行う)は、このフィルム処理工程で大量
の水を使用するので、長くかかり環境に好ましくない。
さらに、フィルム処理時の除去を促進するために、カー
ボンブラック含有層は、写真フィルム支持体に高い粘着
性を有さず、種々のフィルム製造操作時(例えば、フィ
ルムスリッティング及びフィルムパーフォレーティン
グ)に離れる場合がある。これらの操作時に生じたカー
ボンブラック屑が写真乳剤に留まるようになることがあ
り、次の露光及びフィルム処理時に画像欠陥を起こす場
合がある。
【0003】カーボンブラック含有層を除去した後は、
フィルムの帯電防止特性は失われる。好ましくない静電
荷蓄積が、プリンター、映写機を通って移動する際の処
理された映画フィルム上、もしくは巻取り装置上に起き
る。これらの高い静電荷は放電することができるが、処
理された写真フィルム上に静電マークを生じることはな
い。しかし、この高い静電荷はゴミの粒子をフィルム面
に引きつける場合がある。一旦フィルム面にこれらのゴ
ミ粒子が擦り傷もしくはスクラッチを作るか、もしくは
十分に大きい場合は、このゴミ粒子は映写されたフィル
ム画像上に見えることがある。
【0004】米国特許第5,679,505 号明細書には、支持
体の裏面に帯電防止層及び保護オーバーコートを有する
映画プリントフィルムが記載されている。この保護オー
バーコートはポリウレタンバインダー及び滑剤を含んで
なっている。ポリウレタンバインダーは、少なくとも5
0%の破断点までの引張伸び率と2%伸率で測定した少
なくとも50000lb/in2 (344,738kP
a)のヤング率を有する。強靱で柔軟性のあるオーバー
コートは、製造、プリント、及び映写時の擦り傷及びス
クラッチに優れた耐性を有し、下にある帯電防止層の有
効な処理バリアとしてはたらく。
【0005】しかし、後処理タール付着及び汚れが映画
フィルムの保護オーバーコートの問題点となっている。
このタールは大部分はポリマーの酸化した現像剤に由来
する。本発明は、ポリウレタン層の上に非常に薄いトッ
プコートを与えて、処理時のタールピックアップを除去
することに関する。このトップコートは、ゼラチンコー
トされたラテックス粒子を含むコーティング組成物をコ
ートして乾燥することによって得られる。このトップコ
ートは、ポリウレタンによって支持体上に与えられる優
れた物性が保持されるほどの少ない被覆量で有効であ
る。
【0006】米国特許第5,786,134 号明細書には、処理
装置タールピックアップに耐性のあるトップコートを有
する映画フィルムが記載されている。このトップコート
はゼラチンのような親水性コロイドを少なくとも20重
量%含有する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】処理装置タール汚れに
耐性を有し、製造が容易であり、良好な物性を提供する
汚染防止トップコートを提供することが望ましい。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体を有
し、そして、支持体の一方の側に順に、ハレーション防
止アンダーコート及び少なくとも一層のハロゲン化銀乳
剤層を有し、そして支持体の反対側に順に、帯電防止
層、保護オーバーコート及びゼラチンコートされたラテ
ックス粒子を含む前記支持体から最も遠くにあるトップ
コートを有する映画フィルムであって、前記保護オーバ
ーコートが、少なくとも50%の破断点までの引張伸び
率及び2%伸率のところで測定した少なくとも5000
0lb/in 2 (344,738kPa)のヤング率を
有するポリウレタンバインダーを含むことを特徴とする
映画フィルムに関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施に用いる写真フィル
ム支持体材料は、合成高分子量ポリマー材料である。こ
れらの支持体材料は、種々のポリマーフィルムから成る
ことができるが、当該技術分野で周知のポリエステル及
び三酢酸セルロースフィルム支持体が好ましい。支持体
の厚さは重要なことではない。例えば、0.05〜0.
25mm(2〜10ミル)の支持体厚を用いて、非常に
満足のいく結果を得ることができる。一般的に、ポリエ
ステル支持体は、アンダーコートもしくはプライマー層
を帯電防止層とこのポリエステル支持体との間に有す
る。そのようなアンダーコート層は、当該技術分野では
周知であり、例えば、塩化ビニリデン/アクリル酸メチ
ル/イタコン酸ターポリマーもしくは塩化ビニリデン/
アクリロニトリル/アクリル酸ターポリマーであって、
米国特許第2,627,088 号、同2,698,235 号、同2,698,24
0 号、同2,943,937 号、同3,143,421 号、同3,201,249
号、同3,271,178 号及び同3,501,301 号明細書に記載さ
れている。
【0010】本発明に用いるハレーション防止アンダー
コートは、ハロゲン化銀乳剤層(複数でもよい)内で反
射して好ましくない画像の広がり(ハレーション)を生
じる光を防止するように機能する。写真技術の分野で知
られているいずれのフィルター色素も、ハレーション低
下の手段として本発明で用いることができる。例えば、
水溶性色素をこの目的に用いてもよい。そのような色素
は色素拡散を防止する媒染剤と一緒にハレーション防止
アンダーコートに導入した方がよい。あるいは、固体粒
子フィルター色素をハレーション防止アンダーコートに
導入することも好ましい。
【0011】本発明のこの目的のための有用な水溶性フ
ィルター色素には、米国特許第2,274,782 号明細書記載
のピラゾロンオキソノール色素、米国特許第2,956,879
号明細書記載の可溶性ジアリールアゾ色素、米国特許第
3,423,207 号及び同3,384,487 号明細書記載の可溶性ス
チリル及びブタジエニル色素、米国特許第2,527,583号
明細書記載のメロシアニン色素、米国特許第3,486,897
号、同3,652,284 号及び同3,718,472 号明細書記載のメ
ロシアニン色素並びにオキソノール色素、米国特許第3,
976,661 号明細書記載のエナミノヘミオキソノール色
素、米国特許第3,723,154 号明細書記載のシアノメチル
スルホン誘導メロシアニン類、米国特許第2,739,888
号、同3,253,921 号、同3,250,617 号及び同2,739,971
号明細書記載のチアゾロチアゾール類、米国特許第3,00
4,896 号明細書記載のトリアゾール類、並びに米国特許
第3,215,597 号及び同4,045,229 号明細書記載のヘミオ
キソノール類が含まれる。有用な媒染剤は、例えば、米
国特許第3,282,699 号、同3,455,693 号、同3,438,779
号及び同3,795,519 号明細書に記載されている。
【0012】本発明のハレーション防止下引き層に用い
る固体粒子フィルター色素の好ましい例は、米国特許第
4,940,654 号明細書に記載されているものである。これ
らの固体粒子フィルター色素は、次式(I)の化合物で
ある: [(D−A)y ]−Xn (I) [式中、Dは、発色性光吸収部分であり、yが0の場
合、カルボキシ置換基の無い芳香環から成り、Aは、D
に直接もしくは間接的に結合した芳香環(カルボキシ置
換基をもたない)であり、Xは、エタノール及び水の5
0/50混合物(容量基準)中で4〜11のpKaを有
する、A上もしくはDの芳香環部分上のいずれかの、イ
オン化可能なプロトンを有する置換基(カルボキシ以
外)であり、yは、0〜4であり、nは、1〜7であ
り、そして当該化合物は、非イオン化形態にある場合に
0〜6の対数分配係数を有する]。
【0013】式(I)のフィルター色素の例には、次の
ものが含まれる。
【化1】
【0014】
【化2】
【0015】支持体に対するハレーション防止下引き層
の接着を促進するために、上記のようなプライマー層を
有利に用いる(特に、支持体がポリエステル支持体の場
合)。写真要素(写真フィルム及び写真ペーパーを含
む)のバインダーとしてフィルム形成性親水性コロイド
を用いることは周知である。これらうち最も一般的に用
いられるものはゼラチンであり、本発明では、ゼラチン
が特に好ましい材料である。ハレーション防止下引き層
及びハロゲン化銀乳剤層(複数でもよい)では、ゼラチ
ンをバインダーとして用いてもよい。有用なゼラチンに
は、アルカリ処理ゼラチン(家畜の骨もしくは皮ゼラチ
ン)、酸処理ゼラチン(豚皮ゼラチン)及びゼラチン誘
導体、例えば、アセチル化ゼラチン、フタル化ゼラチン
等が含まれる。単独もしくはゼラチンと組み合わせて用
いることができる他の親水性コロイドには、デキストラ
ン、アラビアゴム、ゼイン、カゼイン、ペクチン、コラ
ーゲン誘導体、コロジオン、寒天、クズウコン、アルブ
ミン、等が含まれる。さらに他の有用な親水性コロイド
は、水溶性ポリビニル化合物、例えば、ポリビニルアル
コール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドン等
である。本発明の写真要素は、簡単な黒白要素もしくは
モノクロ要素となることができ、また、多層及び/もし
くは多色要素となることができる。
【0016】本発明のカラー写真要素は、典型的に、ス
ペクトルの三原色の範囲にそれぞれ感度を有する色素画
像生成ユニットを有する。各ユニットは、スペクトルの
所定の範囲に感度を有する、単一乳剤層もしくは多層乳
剤層から成ることができる。要素のこれらの層(画像形
成ユニットの層を含む)を、種々の順に配置することが
でき、当該技術分野では周知である。
【0017】本発明に従う好ましい写真要素は、関連し
て有するイエロー画像色素生成物質を伴う少なくとも一
つの青感性ハロゲン化銀乳剤層、関連して有するマゼン
タ画像色素生成物質を伴う少なくとも一つの緑感性ハロ
ゲン化銀乳剤層、及び関連して有するシアン画像色素生
成物質を伴う少なくとも一つの赤感性ハロゲン化銀乳剤
層を含んで成る。
【0018】ハレーション防止下引き層及び一層以上の
乳剤層に追加して、本発明の要素は、写真要素に一般的
な補助層、例えば、オーバーコート層、スペーサー層、
フィルター層、中間層、pH低下層(酸層及び中和層と
もいう)、タイミング層、不透明反射層、不透明光吸収
層等を含むことができる。
【0019】本発明の写真要素に用いる感光性ハロゲン
化銀乳剤には、粗い、レギュラーもしくは微細な粒子の
ハロゲン化銀結晶又はそれらの混合物が含まれ、塩化
銀、臭化銀、臭ヨウ化銀、塩臭化銀、塩ヨウ化銀、塩臭
ヨウ化銀、及びそれらの混合物等のハロゲン化銀を含ん
でなることができる。乳剤は、例えば、平板状粒子感光
性ハロゲン化銀乳剤となることができる。これらの乳剤
はネガ型乳剤もしくは直接陽画乳剤となることができ
る。これらは、ハロゲン化銀粒子の主として表面、もし
くはハロゲン化銀粒子の内部に潜像を形成することがで
きる。これらを、通常の実施に従ってこれらを化学及び
分光増感することができる。これらの乳剤は一般的には
ゼラチン乳剤であるが、通常の実施に従って他の親水性
コロイドを用いることもできる。ハロゲン化銀乳剤に関
する詳細は、リサーチディスクロージャー、アイテム36
544 、1944年9 月、及びそこに引用された文献に含まれ
ている。
【0020】本発明に用いる写真用ハロゲン化銀乳剤
は、写真技術の分野で一般的な他の添加物を有すること
ができる。有用な添加物は、例えば、リサーチディスク
ロージャー、アイテム36544 、1944年9 月、に記載され
ている。有用な添加物には、分光増感色素、減感剤、カ
ブリ防止剤、マスキングカプラー、DIRカプラー、D
IR化合物、汚染防止剤、画像色素安定化剤、フィルタ
ー色素及びUV吸収剤等の吸収性材料、光散乱物質、塗
布助剤、可塑剤及び滑剤等が含まれる。
【0021】写真要素に用いる色素画像提供物質によっ
ては、それをハロゲン化銀乳剤層に導入するか、もしく
はその乳剤層と関連する別の層に導入することができ
る。色素画像提供物質は、当該技術分野で公知のいくつ
かのもの、例えば、色素生成カプラー、漂白可能色素、
色素現像薬及びレドックス色素放出剤となることがで
き、用いられる具体的なものは、要素の性質及び所望す
る画像のタイプに依存する。
【0022】別々の溶液で処理するように設計された通
常のカラー材料に関して用いられる色素画像提供物質
は、好ましくは色素生成カプラー、即ち、酸化された現
像主薬と結合して色素を生成する化合物である。シアン
色素画像を生成する好ましいカプラーは、フェノール類
及びナフトール類である。マゼンタ色素画像を生成する
好ましいカプラーは、ピラゾロン類及びピラゾロトリア
ゾール類である。イエロー色素画像を生成する好ましい
カプラーは、ベンゾイルアセトアニリド類及びピバリル
アセトアニリド類である。
【0023】本発明の保護オーバーコートを、当該技術
分野で周知の種々の帯電防止層と一緒に成功裏に用いる
ことができる。本発明の帯電防止層には、バインダー材
料に分散した種々の導電性金属含有粒子、例えば、金属
酸化物を含むことができる。これらの金属酸化物粒子の
多くは、過酷な環境、例えば写真処理液にからその粒子
を保護する化学バリアを必要としない。しかし、これら
の酸化物の多くは、良好な導電性(即ち、帯電防止性)
を得るためにバインダー中に多くの粒子を充填する必要
があるので、物性が悪くなり、この層が良好な物理的耐
久性を得るためには、耐摩耗性トップコートを必要とす
る。
【0024】有用な導電性金属含有粒子の例には、ドナ
ードープされた金属酸化物、酸素欠損を含む金属酸化
物、並びに導電性、窒化物、炭化物及びホウ化物が含ま
れる。特に有用な粒子の具体例には、TiO2 、SnO
2 、V2 5 、Al2 3 、ZrO2 、In2 3 、Z
nO、ZnSb2 6 、InSbO4 、TiB2 、Zr
2 、NbB2 、TaB2 、CrB、MoB、WB、L
aB6 、ZrN、TiN、WC、HfC、HfN、及び
ZrCが含まれる。これらの導電性粒子を記載する特許
明細書の例は、米国特許第4,275,103 号、同4,394,441
号、同4,416,963号、同4,418,141 号、同4,431,764
号、同4,495,276 号、同4,571,361 号、同4,999,276
号、同5,122,445 号及び同5,368,995 号明細書である。
【0025】また、米国特許第3,245,833 号、同3,428,
451 号及び同5,075,171 号明細書に記載されるようなヨ
ウ化第一銅等の半導体金属塩;米国特許第4,845,369 号
及び、同5,116,666 号明細書に記載されるような、例え
ば、不導電性チタン酸カリウムホイスカー上にコートさ
れたアンチモンドープ酸化スズを含んでなる繊維状導電
性粉末;米国特許第4,070,189 号明細書記載の架橋した
ビニルベンジル四級アンモニウムポリマー、もしくは、
同4,237,194 号明細書記載の導電性ポリアニリン類等の
導電性ポリマー;米国特許第4,203,769 号、同5,006,45
1 号、同5,221,598 号及び同5,284,714 号明細書に記載
されるような五酸化バナジウムもしくは銀をドープした
五酸化バナジウムのコロイド状ゲルも含まれる。
【0026】しかし、好ましい帯電防止層は、前述の特
許明細書の一つに記載される五酸化バナジウムを含有す
る。米国特許第4,203,769 号明細書に記載されているよ
うに帯電防止層を、五酸化バナジウムの水性コロイド溶
液を塗布することによって調製する。好ましくは、五酸
化バナジウムを銀でドープする。ポリマーバインダー、
例えば、アニオン性塩化ビニリデン含有ターポリマーラ
テックスもしくはポリエステルアイオノマー分散体を帯
電防止層に用いて、この層の結合性を改善し、アンダー
コート層に対する接着性を改善するのが好ましい。典型
的に、五酸化バナジウム帯電防止材料の乾燥被覆量は、
0.5〜30mg/m2 である。五酸化バナジウムに対
するポリマーバインダーの重量比は、1:5〜500:
1の範囲となることができるが、好ましくは、1:1〜
10:1の範囲である。典型的に、この帯電防止層を、
総乾燥重量に対して1〜400mg/m2 の乾燥被覆量
で塗布する。この帯電防止層の電気抵抗は、好ましく
は、7〜11LogΩ/□、最も好ましくは9LogΩ
/□未満である。
【0027】帯電防止コーティング調合物は、塗布助剤
を含有してコータビリティを改善してもよい。帯電防止
コーティング調合物中の塗布助剤の通常の量は、総溶液
重量に対して活性塗布助剤0.01〜0.30重量%で
ある。しかし、塗布助剤の好ましい量は、総溶液重量に
対して活性塗布助剤0.02〜0.20重量%である。
これらの塗布助剤は、パライソノニルフェノキシグリシ
ドールエーテル、オクチルフェノキシポリエトキシエタ
ノール、アルキルアリールポリエーテルスルホネートの
ナトリム塩、及びスルホコハク酸ナトリウムのジオクチ
ルエステル等のアニオン性塗布助剤もしくは非イオン性
塗布助剤となることができ、通常、水性コーティングに
用いられる。このコーティング調合物を、当該技術分野
で周知のホッパーコーティング、スキムパン/エアーナ
イフ、グラビアコーティング等のコーティング方法を用
いてフィルム支持体上に塗布することができる。
【0028】本発明の帯電防止層をポリウレタンで上塗
りする。好ましくは、このポリウレタンは、脂肪族ポリ
ウレタンである。その優れた熱安定性及びUV安定性並
びに黄変がないことから、脂肪族ポリウレタン類が好ま
しい。本発明のポリウレタン類は、少なくとも50%の
破断点までの引っ張り伸び率及び2%の伸び率のところ
で測定される少なくとも50000lb/in2 (34
4,738kPa)のヤング率を有することを特徴とす
る。これらの物性要件が、オーバーコート層が硬くその
上強靭であり、同時に、このオーバーコート及び帯電防
止層を映写機を数100回通しても平気にする優れた耐
摩耗性及び顕著な弾性を提供することを保証する。ポリ
ウレタンオーバーコートを、好ましくは、0.5〜1
0.0重量%のポリマーを含有するコーティング調合物
から塗布して、50〜3000mg/m2 の乾燥被覆量
を得る。オーバーコート層の乾燥被覆量は、好ましくは
300〜2000mg/m2 である。
【0029】このポリウレタンは、有機溶剤溶解性もし
くは水分散性のいずれであってもよい。環境上の理由の
ために、水分散性ポリウレタンが好ましい。水性ポリウ
レタン分散体の調製は、当該技術分野では周知であり、
ジアミンもしくはジオールと反応させて、末端イソシア
ネート基を含有するプレポリマーの水性分散体を連鎖延
長することを必要する。このプレポリマーは、末端ヒド
ロキシル基を有するポリエステル、ポリエーテル、ポリ
カーボネート、もしくはポリアクリレートを過剰の多官
能イソシアネートと反応させて調製する。そして、この
生成物を、イソシアネート基と反応する官能基、例え
ば、ヒドロキシル基、及びアニオンを生成できる基(代
表的にはカルボン酸基)を有する化合物で処理する。そ
して、このアニオン性基を第三級アミンで中和して水性
プレポリマー分散体を形成する。ポリウレタンオーバー
コートの薬剤耐性を、ポリウレタン中に存在する官能
基、例えば、カルボキシル基と反応する架橋剤を加えて
改良する事ができる。例えば、アジリジン類、カルボジ
イミド類、エポキシ類等の架橋剤がこの目的に適してい
る。ポリウレタンに対して0.5〜30重量%で、架橋
剤を用いることができる。しかし、ポリウレタンに対し
て2〜12重量%の架橋剤濃度が好ましい。
【0030】本発明は、タールピックアップを減少させ
るかもしくは除くためにポリウレタン保護オーバーコー
トの上にトップコートを有する。トップコートはゼラチ
ン塗布されたラテックス粒子を含有する。本発明に用い
られるゼラチンコートラテックス粒子は、平均直径10
nm〜1000nmであるのが好ましい。より好ましく
は、この粒子の平均直径は20nm〜500nmであ
る。ゼラチンは写真の技術分野で既知のいずれのタイプ
のゼラチンであってもよい。これらには、例えば、アル
カリ処理ゼラチン(家畜の骨もしくは皮ゼラチン)、酸
処理ゼラチン(豚皮もしくは骨ゼラチン)及びゼラチン
誘導体、例えば、部分的にフタル化されたゼラチン、ア
セチル化ゼラチン等が含まれる。
【0031】ゼラチンで被覆されたラテックス粒子は、
エチレン系不飽和モノマーの乳化重合によるか、予備形
成されたポリマーの後乳化によって調製される水分散性
の非イオン性もしくはアニオン性の共重合体である。後
者の場合、予備形成されたポリマーを最初有機溶媒に溶
解し、そしてこのポリマー溶液を適当な乳化剤の存在下
で水性媒体中で乳化する。代表的なポリマー粒子には、
スチレン、スチレン誘導体、アルキルアクリレートもし
くはアルキルメタクリレート及びそれらの誘導体、オレ
フィン類、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、アクリ
ルアミド及びメタクリルアミド並びにそれらの誘導体、
ビニルエステル、ビニルエーテル並びにウレタンからな
る、重合体及び共重合体を含んでなるものが含まれる。
【0032】さらに、架橋ポリマー粒子を得るために、
1,4−ブチレングリコールメタクリレート、トリメチ
ロールプロパン、トリアクリレート、アリルメタクリレ
ート、ジアリルフタレート、ジビニルベンゼン等の架橋
モノマーを用いてもよい。ポリマー粒子は、例えば、米
国特許第4,497,917 号明細書に記載されるようなコア−
シェル型粒子であってもよい。ゼラチンコートラテック
ス粒子を、その乳化重合の少なくとも一部をゼラチンの
存在下で行わせること、及び/又はポリマー粒子とゼラ
チンとをグラフト化剤を介して結合するために、乳化重
合の完了後かもしくは後乳化において、ゼラチンとグラ
フト化剤を添加することによって調製することができ
る。
【0033】ゼラチンコートされたポリマー粒子は、当
該技術分野において記載されている。米国特許第2,956,
884 号明細書には、ゼラチンの存在下でのポリマーラテ
ックスの調製並びに写真乳剤層及び下引き層におけるそ
のような材料の適用が記載されている。米国特許第5,33
0,885 号明細書には、少なくとも一層がゼラチンによっ
て安定化されたポリマーラテックスを含有する、写真乳
剤層、乳剤オーバーコート、バッキング層、及びバッキ
ング層オーバーコートを有するハロゲン化銀写真画像形
成要素が記載されている。米国特許第5,330,885 号明細
書記載の、ゼラチンによって安定化されたポリマーラテ
ックスは、好ましくは、親水性コロイド感光性乳剤層も
しくは親水性不感光性層に加えて、当該画像形成要素の
寸法安定性を向上させる。米国特許第5,330,885 号明細
書は、処理装置タール付着を防止するためにポリウレタ
ン保護オーバーコートのトップコートとして、そのよう
なポリマーラテックスを用いることは教示されていな
い。
【0034】米国特許第5,374,498 号明細書には、ゼラ
チンで安定化されたポリマー粒子を含むラテックスを含
有する、支持体の写真乳剤層側に提供された親水性コロ
イド層が記載されている。米国特許第5,066,572 号及び
同5,248,558 号明細書には、圧力感受性を減らすため
に、写真乳剤層中に導入された表面硬化され、ゼラチン
グラフト化されたソフトポリマー粒子が記載されてい
る。米国特許第5,698,384号明細書には、導電性微粒子
及びゼラチンコート水不溶性ポリマー粒子を含む導電性
層が記載されている。
【0035】このゼラチンコートラテックス粒子のゼラ
チン/ポリマー重量比は、好ましくは、20/80〜8
0/20である。20/80より小さいゼラチン/ポリ
マー重量比では、タール付着の耐性を与えるほど十分に
ゼラチンでポリマー粒子が被覆されておらず、80/2
0より大きな重量比では、フェロタイピング及びブロッ
キング(特に、高湿度で)が無いような所望の物性を与
えるには十分でないポリマー粒子が存在する。
【0036】本発明の耐汚染性トップコートは、別のポ
リマーと組合わさったゼラチンコートされたラテックス
粒子を含んでなることができる。好ましい態様では、別
のポリマーは水溶性もしくは水分散性ポリマーである。
水溶性ポリマーには、例えば、ゼラチン、ポリビニルア
ルコール、ポリビニルピロリドン、セルロース系材料、
ポリスチレンスルホン酸及びそのアルカリ金属塩もしく
はアンモニウム塩、水溶性(メト)アクリ共重合体等が
含まれる。ゼラチンコートラテックス粒子と共に用いる
ことができる水分散性ポリマーには、エチレン系不飽和
モノマー、例えば、アクリル酸、メタクリル酸及びそれ
らのエステル、スチレン及びその誘導体、塩化ビニル、
塩化ビニリデン、ブタジエン、アクリルアミド及びメタ
クリルアミド等を含有するラテックス共重合体が含まれ
る。使用可能な他の水分散性ポリマーには、ポリウレタ
ン分散体及びポリエステル分散体が含まれる。好ましく
は耐汚染性トップコート層は、少なくとも50重量%の
ゼラチンコートラテックス粒子を含有する。
【0037】本発明に従う耐汚染性トップコート組成物
は、アルデヒド、エポキシ化合物、多価官能アジリジ
ン、ビニルスルホン、メトキシアルキルメラミン、トリ
アジン、ポリイソシアネート、ジオキサン誘導体(例え
ば、ジヒドロキシジオキサン)、カルボジイミド等を包
含する好適な架橋剤も含有することができる。この架橋
剤は、ゼラチンコートラテックスポリマー上に存在する
官能基と、及び/又はコーティング組成物中に存在する
別の水溶性もしくは水分散性ポリマーと反応することが
できる。
【0038】トップコートは、追加して、層の弾性係数
を改善するフィラー、滑剤、及び添加剤(例えば、表面
のフェロタイピング特性を改善する艶消しビーズ)を含
有することができる。強化フィラー粒子の例には、モー
ススケール硬度少なくとも6の無機粉末が含まれる。具
体例は、γ−酸化アルミニウム、酸化クロム(例えば、
Cr2 3 )、酸化鉄(例えば、α−Fe2 3 )、酸
化スズ、ドープされた酸化スズ(例えば、アンチモンも
しくはインジウムドープ酸化スズ)、二酸化ケイ素、ア
ルミノ−シリケート及び二酸化チタン等の金属酸化物;
炭化ケイ素及び炭化チタン等の炭化物;並びに微粉末の
ダイヤモンドである。
【0039】好適な滑剤を含有させて、写真フィルムの
製造中及びユーザー取扱中にトップコートに良好な移動
性確実にする摩擦係数を与えることができる。多くの滑
剤を用いることができ、それには、米国特許第2,588,75
6 号、同3,121,060 号、同3,295,979 号、同3,042,522
号及び同3,489,567 号明細書に記載されているような、
脂肪酸の高級アルコールエステル、高級脂肪酸カルシウ
ム塩、ステアリン酸金属、シリコーン化合物、パラフィ
ン類等が含まれる。十分な移動特性のためには、滑らか
にした表面が0.10〜0.40の摩擦係数を有するの
が好ましい。しかし、最も好ましい範囲は、0.15〜
0.30である。トップコート摩擦係数が、0.15よ
り小さい場合は、写真フィルムの長い、スリットロール
が貯蔵もしくは輸送中に不安定になり、不安定なフィル
ムロールにありがちな入れ子もしくはへこんだ状態にな
る著しいダメージがある。摩擦係数が製造時に0.30
を超えるか、もしくは写真フィルム処理後に0.30よ
り大きくなる(未処理の残存しているトップコート滑剤
にありがちな状態)場合は、写真移動特性が、特にいく
つかのタイプの写真フィルム映写機ではより悪くなる。
【0040】水に分散した滑剤は非常に好ましい。なぜ
なら、この形態で、直接滑剤を水性トップコート調合物
に導入して、保護トップコート層上に滑剤オーバーコー
トを別途塗布することを避けることができるからであ
る。水に分散した、カルナウバワックス、ポリエチレン
オキシド、微結晶ワックス、パラフィンワックス、シリ
コーン、ステアレート類及びアミド類も、水性トップコ
ートに導入される滑剤として十分に作用する。しかし、
低滑剤量で摩擦を制御する効率及び水性バインダーとの
優れた適合性のために、水に分散した、カルナウバワッ
クス及びステアレート類の滑剤が好ましい。
【0041】滑剤に加えて、製造時、プリント時、処理
時、及び映写装置でのフィルムの移動を改良するために
艶消し剤が重要である。また、艶消し剤は、トップコー
トがロールフィルムに典型的な圧力下で乳剤側表面と接
触する際のフェロタイピングの可能性を小さくすること
ができる。「フェロタイピング」の用語は、裏面トップ
コートが、圧力下で乳剤面と接触する際、きつく軸に巻
き付けられ、トップコートと乳剤側表面層との間に、そ
れを分離したときにいくらかスティッキングが認められ
る程十分に強く乳剤面と接着する状態を説明する。フェ
ロタイピングのひどい場合は、保護トップコートと乳剤
側表面層とを離すと乳剤側に損傷が生じる場合がある。
このひどい損傷は、乳剤のセンシトメトリーに悪い影響
を与える可能性がある。
【0042】本発明のトップコートは、艶消し粒子を含
有することができる。この艶消し粒子は、シリカ、炭酸
カルシウム、もしくは、鉱物質酸化物、ガラス球、粉に
したポリマー及び高融点ワックス、並びにポリマー艶消
しビーズとなることができる。形状が均一であり、サイ
ズ分布が均一であるのでポリマー艶消しビーズが好まし
い。この艶消し粒子は、0.5〜3μmの平均粒径であ
るのがよい。しかし、0.75〜2.5μmの平均粒径
の艶消し粒子が好ましい。この艶消し粒子を乾燥被覆量
で1〜100mg/m2 用いることができる。艶消し粒
子の好ましい被覆量は15〜65mg/m2 である。表
面粗度(Ra、ANSI Standard B46.1 、1985)(μm)
は、乳剤面のフェロタイピングを防止するために、0.
010〜0.060の範囲であるのがよい。最良の性能
のためには0.025〜0.045のRa値範囲が好ま
しい。Ra値が0.025より小さい場合、細かな乳剤
面模様を裏面と乳剤との間のフェロタイピングから防止
するには不十分な粗度である。Ra値が0.045より
大きい場合、いくらか低レベルの乳剤粒状度(granular
ity )及び画像シャープネスの低下を示す(特に映写機
に典型的な非常に高い倍率で)のに十分な粒径の艶消し
を伴う表面粗度である。
【0043】上記の添加物(滑剤、艶消しビーズ、及び
フィラーを含む)は、下に位置するポリウレタンオーバ
ーコートに存在することもできる。本発明の汚染防止ト
ップコート層を、当該技術分野で周知のコーティング方
法によって最大20%の総粒子を含有する水性コーティ
ング調合物から適用することができる。例えば、ホッパ
ーコーティング、グラビアコーティング、スキムパン/
エアーナイフコーティング、スプレーコーティング、及
び他の方法を用いて非常に満足のいく成果を得ることが
できる。これらのコーティングを映画フィルム製造プロ
セスの一部として適用し、最大150℃の温度で乾燥し
て、1mg/m2 〜5000mg/m2 の乾燥被覆量が
得られる。好ましい乾燥被覆量は2mg/m2 〜500
mg/m2 である。
【0044】
【実施例】本発明を以下の例で具体的に説明するが、本
発明の範囲をこれらの具体例に限定するものではない。ゼラチンコートラテックス粒子の調製 ゼラチンコートラテックスP−1の調製:界面活性剤と
してTriton 770(Rohm& Haas 製)及び開始剤として過
硫酸カリウムを用いて、半連続乳化重合により小粒子の
メチルメタクリレート−コ−メタクリル酸(97/3重
量比)ラテックスを調製した。このラテックスは光散乱
による平均粒径75nmを有し、固体含有率23%であ
った。
【0045】このラテックスを次の操作によってゼラチ
ンにグラフト化した:コンデンサー及びオーバーヘッド
スターラーを具備した3Lの丸底三口フラスコで、蒸留
水1200gを用いてラテックス434gを希釈した。
このフラスコを60℃の恒温浴に漬け、トリエチルアミ
ンを使ってpHを8.0に調節した。1−(4−モルホ
リノカルボニル)−4−(2−スルホエチル)ピリジニ
ウムヒドロキシド内部塩9.0gを固形物として希釈し
たラテックスに添加した(ラテックス酸基の85%に等
しいグラフト化薬剤の量)。20分間反応させ、その間
に60℃で750gの水にゼラチン75gを溶解し、ト
リエチルアミンを使ってpHを8.0に調節した。その
後、このゼラチン溶液を滴下ロートで添加し、反応をさ
らに20分間継続させた。そして、生成物を冷却し冷蔵
庫に保管した。グラフト化が高く、生成物を精製してな
いにもかかわらず、不安定な兆候もなく、このゼラチン
コートラテックスを9ヶ月後に再度溶融できたことは注
目に値する。
【0046】ゼラチンコートラテックスP−2〜P−4
の調製:表Iに示すラテックス対ゼラチン比で、60:
30:10比のポリ(メチルメタクリレート−コ−ブチ
ルアクリレート−コ−メタクリル酸)ラテックスを用い
て、例1と類似の方法で、追加のゼラチンコートラテッ
クスを調製した。これらの例では、グラフト化試薬の量
をラテックス酸基の20%に減らした。
【0047】
【表1】
【0048】これらの例に用いたポリウレタンオーバー
コートは、Sancure 898 (B.F. Goodrich Company )及
び6重量%(ポリマーに基づく)のアジリジン架橋剤か
ら構成された。
【0049】帯電防止調合物を含有する支持体の調製 最終被覆量が約90mg/m2 となるように、延伸及び
幅出しする前に支持体の両面に、アクリロニトリル、塩
化ビニリデン及びアクリル酸からなる下引きターポリマ
ーを最初に塗布して、下引きしたポリエステル支持体を
調製した。
【0050】 以下の組成の帯電防止調合物を総固形分0.078%で調製した: アクリロニトリル、塩化ビニリデン及び アクリル酸からなるターポリマー 0.094% 五酸化バナジウムコロイド状分散体、0.57% 4.972% Rohm & Haas 界面活性剤 Trioton X-100、10% 0.212%蒸留水 94.722%
【0051】この帯電防止調合物を、ハレーション防止
層の反対側の下引きしたポリエステル支持体の上に塗布
して、乾燥被覆量約12mg/m2 を与えた。
【0052】比較サンプルAは以下のものを含んでなっ
ていた:保護オーバー調合物を帯電防止層の上に適用し
た。オーバーコート調合物は次の成分から成っていた: 乾燥被覆量mg/m2 ポリウレタン分散体、32% 972 カルナウバワックス分散体、Michemlube 160 25% 0.65 艶消し、ポリメチルメタクリレートビーズ、 1.47μm、25% 26.9 多官能アジリジン架橋剤CX-100、50% 60.8 Rohm & Haas 界面活性剤Trioton X-100 、10% 10.8
【0053】カルナウバワックスを省略した以外は比較
サンプルAと同じウレタンオーバーコートを調製し、表
IIに記載したトップコートを適用した。コーティング
は全て、塗布助剤として0.06%の活性Triton X-100
を含有した。比較サンプルB、C、及びDはゼラチンコ
ートされてないラテックスポリマー(これはP−2を調
製するのに用いたラテックスであった)を含有するトッ
プコートを含んでなっていた。比較サンプルE、F、及
びGは、ゼラチン/ポリマー比が20/80未満(この
場合、ポリマーP−4では、ゼラチン/ポリマー比は1
0/90であった)であるゼラチンコートラテックスポ
リマーを含有するトップコートを含んでなっていた。比
較サンプルHはゼラチンコートラテックスポリマーを僅
か20重量%含有するトップコートを含んでなってい
た。
【0054】タールテスト 日常のフィルム現像の際に、酸化されたカラー現像液の
副生成物が、フィルム表面に吸着されて、永久的な褐色
の汚れたしみ(即ち、タール)を作る場合がある褐色の
オイル状の残渣を生じる。現像液タールを模したテスト
を、以上のサンプルについて行い、それらのタール/汚
れ蓄積傾向を測定した。このテストは42℃で行われ、
現像タンクから取ったタールを現像浴に浸漬したコーテ
ィングに塗り、次いで希硫酸を用いてそのタールを除去
することを要した。生じた汚れもしくはタールは、ター
ル吸着のコーティングの傾向を示す。タール汚染耐性を
目で見て1〜5の等級を付けた。1は最良の性能(即
ち、タール汚染が無い)であり、5は最悪の性能(即
ち、タール汚染がひどい)を示す。結果を表IIに要約
する。
【0055】
【表2】
【0056】比較サンプルAに示されるように、ポリウ
レタンコーティングは、他の比較サンプルのコーティン
グと同じように、現像タールピックアップに対する耐性
が、非常に劣っている。これに対し、本発明のコーティ
ングは、下に位置するポリウレタンと比較して極端に薄
い層を用いた場合であっても、タール汚染に対して優れ
た耐性を示す。さらに、本発明のコーティングは透明で
あり、ポリウレタンに対して優れた接着性を有した。
【0057】本発明の他の好ましい態様を請求項との関
連において、次に記載する。 (態様1)ハレーション防止アンダーコートが固体粒子
フィルター色素を含む請求項1に記載の映画フィルム。 (態様2)帯電防止層が、ドナードープされた金属酸化
物、酸素欠損を含む金属酸化物、導電性窒化物、導電性
炭化物及び導電性ホウ化物からなる群より選ばれる導電
性金属含有粒子を含む請求項1に記載の映画フィルム。 (態様3)帯電防止層が、導電性ポリマーを含む請求項
1に記載の映画フィルム。
【0058】(態様4)帯電防止層が五酸化バナジウム
を含む請求項1に記載の映画フィルム。 (態様5)帯電防止層が乾燥被覆量1〜400mg/m
2 である請求項1に記載の映画フィルム。 (態様6)ポリウレタンバインダーが脂肪族ポリウレタ
ンである請求項1に記載の映画フィルム。
【0059】(態様7)オーバーコートがさらに添加物
を含む請求項1に記載の映画フィルム。 (態様8)ゼラチンコートされたラテックス粒子が平均
粒径10〜1000nmを有する請求項1に記載の映画
フィルム。 (態様9)ゼラチンコートされたラテックス粒子が2
0:80〜80:20のゼラチン対ポリマー重量比を有
する請求項1に記載の映画フィルム。
【0060】(態様10)トップコートが水溶性ポリマ
ー及び水分散性ポリマーから成る群より選ばれるポリマ
ーをさらに含む請求項1に記載の映画フィルム。 (態様11)トップコートが架橋剤、フィラー、滑剤も
しくは艶消し剤をさらに含む請求項1に記載の映画フィ
ルム。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体を有し、そして、支持体の一方の
    側に順に、ハレーション防止アンダーコート及び少なく
    とも一層のハロゲン化銀乳剤層を有し、そして支持体の
    反対側に順に、帯電防止層、保護オーバーコート及びゼ
    ラチンコートされたラテックス粒子を含む前記支持体か
    ら最も遠くにあるトップコートを有する映画フィルムで
    あって、 前記保護オーバーコートが、少なくとも50%の破断点
    までの引張伸び率及び2%伸率のところで測定した少な
    くとも50000lb/in2 (344,738kP
    a)のヤング率を有するポリウレタンバインダーを含む
    ことを特徴とする映画フィルム。
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