JP2000009637A - 測定システム - Google Patents
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Abstract
用いて試料に係る目的変数を求める測定システムにおい
て、試料の供給条件が変更された場合に、新たに測定す
る試料に対応できる新検量式を迅速に作成できる測定シ
ステムを提供する。 【解決手段】 ブレンド装置7に導入される試料が基材
Aと基材Bとから、基材Cと基材Dとに切り替えられた
とき、測定手段1に導入される試料が基材Aと基材Bと
をブレンドしたものから、基材Cと基材Dとをブレンド
したものへと変化する過程中に得られる測定手段1のデ
ータと、その時の測定手段2のデータの組み合わせを、
従前の検量式を作成するために使用されたデータの集合
に追加し、追加後の集合を用いて変更後の試料に対応可
能な新検量式を作成する。この新検量式を用いて測定手
段1のデータから目的変数を求める。
Description
から検量式を用いて試料に係る目的変数を求める測定シ
ステムにおいて、試料が性状の異なるものに変更された
場合に、新たに測定する試料に対応できる新検量式を迅
速に作成できる測定システムに関する。
中間材料が一定の品質を保つように管理する目的で、生
産工程の各段階で品質に関する指標を測定している。近
年、組成、密度、曇点、オクタン価等様々な指標につい
ての情報がほぼリアルタイムで得られる近赤外分析計
が、インライン分析計として注目されている。近赤外分
析計から得られる各波長のデータは、目的の指標、例え
ば密度等を直接示すものではない、そのため、各波長の
データから密度等を求める場合には、検量式と呼ばれる
回帰式が用いられる。この回帰式は、通常同一試料につ
いての近赤外分析計の波長データと手分析データとの照
合結果に基づいて作成される。
が得られる場合の検量式は、上記照合結果を多数用いて
求める必要がある。そのため、様々な性状の試料につい
ての照合結果を蓄積したデータベースを検量式作成の基
礎情報として使用することが行われている。
あらゆる性状の試料に対応できるよう、あらゆる性状の
試料についての照合結果が蓄積されていることが理想で
ある。しかし、現実には原油の性状だけを考えても千差
万別であり、さらに工程の運転変数についても様々な条
件設定が可能であることを考えると、試料の性状は無限
と言えるほどの多様性を持つ。したがって、すべての性
状の試料に対応できる検量式は現状では用意されていな
い。
試料に関する照合結果がデータベースに蓄積されていな
いと、適切な検量式を作成するために、測定したい試料
と類似の性状の試料を多種類用意して、手分析値等との
照合結果を蓄積しなければならない。また、このように
してせっかく適切な検量式を作成しても、原料や工程の
運転変数等の変更によって試料の性状が変わると、また
新たに照合結果を蓄積して検量式を作成しなおさなけれ
ばならない。そのため、新たな検量式の作成が終わるま
で近赤外分析計のデータは信頼性がないとして使用でき
ず、高い応答性という利点を失ってしまうことになる。
また、このように煩雑な新検量式作成作業を実際の製造
現場において、原料や工程の運転変数が変わる度に行う
ことは現実的ではなく、近赤外分析計をインライン分析
計として活用することを困難にしていた。
のように、密度等最終的に知りたい情報を間接的に示す
データを与える測定手段の使用にあたり、測定手段に試
料を供給する条件の変更によってそれまでに使用してい
た検量式では対応できなくなった場合に、適切な検量式
を簡易かつ迅速に用意できるようにした測定システムを
提供することを課題とする。
決するため検討した結果、インライン測定においては、
原料や工程の運転変数等、試料の供給条件を切り替えて
も、試料の置き換わりや蒸留装置の温度上昇等には一定
の時間を要することに着目した。その間に測定手段に導
入される試料は、供給条件の変更に基づく性状変化が完
了した後の試料の性状を反映していると共に、その反映
する度合いが徐々に変化していく。つまり、この変化過
程中の試料の測定により、変化過程完了後の試料の性状
を反映した複数種類の測定データの取得が可能であり、
これらの測定データを用いれば、変更後の試料に対応で
きる検量式をいち早く作成できることに気がついたもの
である。
は、説明変数である間接測定手段のデータと目的変数と
の関係を示す検量式に基づいて間接測定手段のデータか
ら目的変数を求める測定システムにおいて、間接測定手
段に連続的又は間欠的に導入される試料の性状が、試料
の供給条件の変更によって変化する変化過程中に、その
時得られる間接測定手段のデータと目的変数との組み合
わせを、従前の検量式を作成するために使用された間接
測定手段のデータと目的変数との組み合わせの集合に追
加し、追加後の間接測定手段のデータと目的変数との組
み合わせの集合を用いて新検量式を作成することを特徴
とする。
う用語は、以下に説明するようにケモメトリックスと呼
ばれる化学の一分野で使用される概念を意味する。ケモ
メトリックスとは、数学的手法や統計的手法を適用し、
最適手順や最適実験計画の立案・選択を行うとともに、
化学データから得られる化学情報量の最大化を目的とす
る手法からなる化学の一分野である。
分や物理的性質、状態、特性等を説明、予測するために
収集される。説明されるべき対象は質的変数の場合と量
的変数の場合がある。因果関係から考えると、成分組成
等の性状を直接反映する機器分析データは原因であり、
説明されるべき変数は結果と考えられる。この関係を踏
まえて、前者を説明変数(あるいは従属変数)、後者を
目的変数(あるいは独立変数)と呼ぶ。
ータ)は従来の化学分析とは異なり、例えばクロマトグ
ラフィーやスペクトロメトリーによる分析から得られる
多数ピークの定量値や多数波長の吸光度からなる。一つ
の試料に対する説明変数は、ピークや波長における定量
値をxj、それらの数をmとしたとき、下記のようにベ
クトル(x)として表される。 x=(x1,x2,…,xj,…,xm)
料数をnとした場合下記式(数1)のように、行列
(X)として表される。
からなるときはベクトル(y)として表される。 y=(y1,y2,…,yp,… ,yr)
料数をnとした場合下記式(数2)のように、行列
(Y)として表される。
全体に対する目的変数は下記式(数3)のように行列
(Y’)として表される。
検量の目的であり、このための式が検量式である。検量
式を求めるために、クロマトグラフィ、スペクトロメト
リー等の分野では多変量回帰分析が一般に用いられる。
多変量回帰分析には、良く知られているように重回帰分
析、主成分回帰分析、PLS回帰分析等の種類がある。
数を間接的に求められる説明変数を、データとして与え
る測定手段である。その構成要素の種類や数に限定はな
く、例えば、近赤外分析計単独で構成しても良いし、温
度計、圧力計、PH計等の複数の計測器を組み合わせて
構成しても良い。ただし、何れの場合にも試料が連続的
又は間欠的に導入されるいわゆるインライン測定を行う
手段である。
のは試料の供給条件を変更する場合である。試料の供給
条件とは、測定手段に導入されるまでに、試料がどのよ
うな材料からどのように加工されてくるかを示す条件
で、原料の種類や工程の運転変数等からなる。
としては、例えば、二種類の基材をブレンドした後で測
定する測定ラインの場合における、基材Aと基材Bをブ
レンドしていた状態から基材Cと基材Dをブレンドする
状態への切替等がある。また、工程の運転変数の変更か
らなる供給条件の変更しては、例えば、蒸留装置の蒸留
温度や圧力の変更等がある。
手段に導入される試料の性状は一般的に変化する。ここ
で、性状とは、説明変数に変化を与えうる試料の性状す
べてをいう。このとき、目的変数は変化する場合もあれ
ば変化しない場合もある。例えば、原料となる基材が異
なる石油製品は成分組成(性状)が異なり、近赤外分析
計から得られるスペクトルデータ(説明変数)が異なる
ものとなるが、オクタン価(目的変数)は異なる場合も
あれば、同一の場合もある。
供給条件を切り替えても、運転変数の変更が達成される
までの時間や、測定手段に至るサンプリングライン等の
試料の置き換わりの時間が必要である。測定手段には、
供給条件変更前の試料から、変更が完了して新たな定常
状態の試料となるまでの変化過程の間、変更前の試料の
性状を主体として変更完了後の試料の性状を併せ持つ試
料、変更完了後の試料の性状を主体として変更前の試料
の性状を併せ持つ試料等、変更完了後の試料の性状を様
々な度合いで反映する試料が導入される。
測定手段のデータと目的変数との組み合わせの集合は、
上述の行列(X)と(Y)又は(Y’)のような行列式
の組み合わせとして捉えられる。新たな測定手段のデー
タ(説明変数)と目的変数との組み合わせを追加するこ
とは、(X),(Y)あるいは(Y’)のような行列式
に、それぞれ行を追加していくことに相当する。
組み合わせの集合は、変化完了後の試料の性状を一部反
映しているので、変化完了後の試料に対応可能な新検量
式の作成を、完全に試料が切り替わる前から行うことが
できる。
を作成するために使用された目的変数と、新たに追加す
る目的変数のいずれについても、手分析値、他の測定手
段のデータ、運転条件からの推定値等、又はこれらの組
み合わせ等を任意に選択できる。
である間接測定手段のデータと目的変数との関係を示す
検量式に基づいて間接測定手段のデータから目的変数を
求める測定システムにおいて、間接測定手段と別個に直
接測定手段を設け、これら双方の測定手段に連続的又は
間欠的に導入される試料の性状が、試料の供給条件の変
更によって変化する変化過程中に、その時得られる各々
の測定手段のデータの組み合わせを、直接測定手段のデ
ータを目的変数として従前の検量式を作成するために使
用された間接測定手段のデータと目的変数との組み合わ
せの集合に追加し、追加後の間接測定手段のデータと目
的変数との組み合わせの集合を用いて新検量式を作成す
ることを特徴とする。
に係る測定システムと異なり、従前の組み合わせの集合
に追加する目的変数を、直接測定手段のデータ、すなわ
ち、間接測定手段と別個に設けたインライン測定手段の
データに限定している。ここで、直接測定手段とは、直
接、あるいは直接とみなせる程度に単純な相関関係に基
づいて目的変数を示すデータを与える測定手段である。
のデータと目的変数である直接測定手段のデータとの組
み合わせを自動的に取得することできる。そのため、変
化過程中にデータの組み合わせを簡易にかつ多数の種類
取得することができ、簡便かつ迅速な新検量式の作成が
可能となる。
用された第1の測定手段のデータと目的変数との組み合
わせの集合」における目的変数としては、請求項1に係
る測定システムと同様、直接測定手段のデータ、手分析
値、推定値、又はこれらの組み合わせ等を採用できる。
又は請求項2に記載の測定システムにおいて、新検量式
の誤差が予め定めた許容範囲以下となった際に、有効な
検量式を新検量式に更新することを特徴とする。
式を作成しても新たなデータが分布する範囲に対する学
習不足から、誤差の大きい検量式となりやすい。そこ
で、新検量式を作成しても直ちに有効な検量式としては
採用せず、充分な数のデータが追加されて新検量式によ
り求められる目的変数の信頼性を確保できるようになっ
てから採用するものである。なお、新検量式作成開始か
ら有効な検量式更新までの間、間接測定手段から求めら
れる目的変数は、出力しないか出力しても暫定値として
扱うのが適当である。
から請求項3の何れかに記載の測定システムにおいて、
間接測定手段のデータが従前の検量式を作成するために
使用された間接測定手段のデータの集合が分布する範囲
(以下「母集団」という)に含まれていないと判別分析
により判断したときに、新検量式作成を開始することを
特徴とする。
の事実から別途判断することも可能である。しかし、試
料の供給条件が変更されても、その条件を過去に学習済
みで、従前の検量式で変更後の試料に対応できるもので
あれば、新たに検量式を作成する必要がない。また、既
に母集団にあるデータを重ねて追加しても検量式の改善
は望みにくい。一方、前述のように新検量式の作成開始
当初は新検量式の評価を行うことが望まれるので、不要
な場合にまで新検量式作成を開始することは適当でな
い。したがって、間接測定手段のデータが母集団に含ま
れておらず、真に検量式の更新が望まれるときのみに検
量式作成を開始するものである。
適用しても、間接測定手段のデータと目的変数との組み
合わせに適用してもよい。前者の場合には、主成分分
析、因子分析、クラスタ分析、多次元尺度構成法等の手
法が使用できる。また、後者の場合には、線形学習機
械、KNN法(K-nearest neighbor method)、シンプレ
ックス法、線形判別分析、SIMCA(soft independen
t modeling of class analogy)等の手法が使用できる。
から請求項3の何れかに記載の測定システムにおいて、
間接測定手段のデータから求めた目的変数と直接測定手
段のデータとの誤差が予め定めた所定の値以上になった
ときに、新検量式作成を開始することを特徴とする。
様、必要なときのみ新検量式作成を開始しようとするも
のである。この場合、従前の検量式では対応できない性
状の試料であることを、間接測定手段のデータから求め
られる目的変数と、直接測定手段のデータとの差異によ
り判断するものである。
から請求項5の何れかに記載の測定システムにおいて間
接測定手段及び/又は直接測定手段は、正常な測定を行
っているか否かを判断する自己診断機能を有し、この自
己診断機能により間接測定手段及び/又は直接測定手段
が異常と判断された場合は、新検量式の作成を中止する
ことにより、誤った測定データによって新検量式が作成
されることを防止するものである。
から請求項6の何れかに記載の測定システムの間接測定
手段として近赤外分析計を採用するものである。近赤外
分析計では各波長のデータから所望の情報(目的変数)
を得るための検量式が必要である。試料の性状が切り替
わった場合に対応できる検量式が迅速に作成できること
により、ほぼリアルタイムでデータが得られる近赤外分
析計の利点を充分に活かすことが可能となる。また、請
求項2に記載の如く、目的変数として直接測定手段を用
いる場合、直接測定手段が比較的信頼性の高いインライ
ン分析計であれば、信頼性の高いデータをほぼリアルタ
イムで得られるようになる。
態を説明する。図1は本発明の1実施形態として、ガソ
リンのオクタン価の測定システムを示す構成図である。
図1において、測定手段1と測定手段2が、それぞれ製
造ライン3から分岐された測定ライン4と測定ライン5
に介装されている。製造ライン3には、開閉弁6によっ
て選択した基材A〜Dをブレンド装置7でブレンドした
結果のガソリンが供給されるようになっている。そし
て、このガソリンは製造ライン3から測定ライン4と測
定ライン5を経由して測定手段1と測定手段2の双方に
試料として供給されるようになっている。測定手段1と
測定手段2のデータ及び自己診断の結果は、演算装置8
に伝えられるようになっている。
ータを取得するための間接測定手段で、本実施形態では
近赤外分析計であるとする。測定手段2は目的変数とし
てのデータを取得するための直接測定手段で、本実施形
態ではエンジン法によるオクタン価計であるとする。
量式を用いてオクタン価を算出するようになっている。
ただし、演算装置8における検量式は、初期状態として
基材Aと基材Bとをブレンドしてできたガソリンについ
ては対応できるが、基材Cと基材Dとをブレンドしてで
きたガソリンについては対応できないものであると仮定
する。
給する基材が基材AとBである初期状態から基材CとD
である状態へと変更したとする。すると、測定手段1と
測定手段2に供給される試料は、基材Aと基材Bとをブ
レンドしてできたガソリンから、基材Cと基材Dとをブ
レンドしてできたガソリンへと直ちに切り替わる訳では
なく、基材A、B、C、Dが混在したガソリンが供給さ
れる過程が存在する。この変更過程中、基材A、Bの比
率は徐々に減少し、基材C、Dの比率が徐々に増加す
る。
の検量式作成のために使用された測定手段1のデータの
集合が分布する範囲に含まれているか否かを判別分析に
より判断し、含まれていないと判断したときに、その時
の測定手段1と測定手段2のデータの組み合わせを従前
の検量式を作成するために用いた測定手段1のデータと
目的変数の組み合わせの集合(以下「母集合α」とい
う)に追加して新検量式を作成する作業を開始する。ま
た、演算装置8は、測定手段1のデータから求めたオク
タン価と測定手段2から得られるオクタン価の値の差が
一定以上になった場合にも同様に新検量式を作成する作
業を開始する。
数十秒に一度の間隔で得られるが、測定手段2のデータ
は、数分から数十分に一度しか得られない。そのため、
母集合αへのデータの追加は、測定手段2のデータが得
られたときに行われる。また、測定手段1のデータは試
料が導入されて即座に得られるが、測定手段2のデータ
は、試料が導入されてから所定の測定工程を経た後に得
られる。そのため、タイムラグを考慮して同一の試料に
ついての測定手段1のデータと測定手段2のデータの組
み合わせを追加データとする。
わせが母集合αに追加されると、追加後の集合に基づき
新検量式を作成する。ただし、演算装置8が測定手段1
のデータからオクタン価を算出するための検量式として
直ちにこの検量式を採用することはしない。新検量式の
誤差が所定の許容範囲以下となったことを確認してから
新検量式を有効な検量式として採用する。
に基材Cと基材Dとをブレンドしてできたガソリンに変
化し終わっても誤差が許容範囲に入らない場合はその後
の定常状態となった試料のデータを重ねて追加しても検
量式の改善は望めない。その場合は、警報を出力し、従
来どおり試験室で検量式を作成し直す等の対処を行う。
たオクタン価と測定手段2等から求めたオクタン価の誤
差の評価により行う。なお、追加後の集合に含まれるす
べてのデータを使用して評価しても代表的なデータをサ
ンプリングしたデータで評価してもよい。誤差の評価手
法に特に限定はないが、それぞれのオクタン価の差の二
乗平均ルート(RMSE)や二乗平均(MSE)を求め
るのが一般的である。
加、追加後の集合に基づく新検量式の作成、新検量式の
評価、及び有効な検量式の更新は、測定手段2のデータ
が取得される度に繰り返し行われる。そのため、新検量
式を迅速に作成できると共に、信頼性の確保された新検
量式が出来次第これを有効な検量式として採用できる。
一方でも自己診断機能により異常と判断された場合に
は、上記の検量式作成作業を開始せず、異常と判断され
た測定手段や演算装置8から警報を出力する。また、開
始後に異常と判断された場合にも直ちに検量式作成作業
を中止しやはり警報を出力する。
分析計によりオクタン価がほぼリアルタイムで、しかも
エンジン法によるオクタン価計の信頼性に裏打ちされて
得られる。また、ブレンドする基材が変更されて試料の
性状が変化し、今までの検量式では対応できない場合に
遭遇しても、速やかに信頼性のある検量式が作成でき
る。したがって、ガソリンの品質管理をほぼリアルタイ
ムで行うことが可能となる。
て、脱ベンゼン等の目的で基材を蒸留した後の残留分の
成分濃度を調べる測定システムを示す構成図である。図
2において、測定手段11と測定手段12が、それぞれ
製造ライン13から分岐された測定ライン14と測定ラ
イン15に介装されている。製造ライン13には、蒸留
装置17で蒸留した残留分が供給されるようになってい
る。そして、残留分は製造ライン13から測定ライン1
4と測定ライン15を経由して測定手段11と測定手段
12の双方に試料として供給されるようになっている。
測定手段11と測定手段12のデータ及び自己診断の結
果は、演算装置18に伝えられるようになっている。
データを取得するための間接測定手段で、本実施形態で
は近赤外分析計であるとする。測定手段2は目的変数と
してのデータを取得するための直接測定手段で、本実施
形態ではガスクロマトグラフ装置であるとする。このガ
スクロマトグラフ装置で得られるクロマトグラムは各成
分濃度を直接反映するものであるが、必要に応じて、手
分析値や内部標準等により感度の確認をすることができ
る。
ら検量式を用いて各成分濃度を算出するようになってい
る。ただし、演算装置18における検量式は、初期状態
として基材を温度T1で蒸留した残留分については対応
できるが、温度T2で蒸留した残留分には対応できもの
でないものであると仮定する。
T1からT2へと変更したとする。すると、蒸留装置17
の蒸留温度は直ちにT2に変化するわけではなく、徐々
に変化する。そのため、測定手段11と測定手段12に
供給される試料は、蒸留温度T1における残留分から蒸
留温度T2の残留分へと直ちに切り替わる訳ではなく、
蒸留温度がT1とT2の間の温度である残留分が供給され
る変化過程が存在する。
算装置8と同様に、判別分析や測定手段1と測定手段2
のデータの比較により検量式作成を開始し、その時の測
定手段11と測定手段12のデータの組み合わせを従前
の検量式を作成するために用いた測定手段11のデータ
と目的変数の組み合わせの集合(以下「母集合β」とい
う)に追加する。
ら数十秒に一度の間隔で得られるが、測定手段12のデ
ータは、数分から数十分に一度しか得られない。そのた
め、母集合βへのデータの追加は、測定手段12のデー
タが得られたときに行われる。また、測定手段11のデ
ータは試料が導入されて即座に得られるが、測定手段1
2のデータは、試料が導入されてから所定の測定工程を
経た後に得られる。そのため、タイムラグを考慮して同
一の試料についての測定手段11のデータと測定手段1
2のデータの組み合わせを追加データとする。
み合わせが母集合βに追加されると、追加後の集合に基
づき新検量式を作成する。この新検量式を演算装置18
が測定手段11のデータから各成分濃度を算出するため
の検量式として採用するのは、図1の実施形態と同様に
新検量式の誤差が許容範囲以下になったと確認されてか
らである。
の組み合わせの追加、追加後の集合に基づく新検量式の
作成、新検量式の評価、及び有効な検量式の更新は、測
定手段12のデータが取得される度に繰り返し行われ
る。そのため、変化後の試料に対応できる検量式をいち
早く使用開始できる。また、測定手段11又は測定手段
12の何れか一方でも自己診断機能により異常と判断さ
れた場合には、検量式作成作業開始や継続を中止し警報
を出力する。
分析計により各成分濃度がほぼリアルタイムで、しかも
ガスクロマトグラフ装置の信頼性に裏打ちされて得られ
る。また、蒸留温度等の運転変数が変更されて試料の性
状が変化し、今までの検量式では対応できない場合に遭
遇しても、速やかに信頼性のある検量式が作成できる。
したがって、脱ベンゼン等の工程管理をほぼリアルタイ
ムで行うことが可能となる。
手段を並列に設置した例を示したが、近赤外分析計のよ
うに一方が試料の性状に変化を与えない測定手段であれ
ば、他方の測定手段をその後に続けて直列に設置しても
良いことは勿論である。
定手段のデータから目的変数を求めるための検量式が、
試料の性状の変化によりその後のデータに対応できない
場合に遭遇しても、速やかにかつ簡便に信頼性のある検
量式を作成できる。また、ほぼリアルタイムでデータが
得られる等、便宜性の高い測定手段を、他の測定手段の
信頼性に裏打ちされた状態で使用することができる。し
たがって、原料や運転変数が一定でない現場において、
製品の品質管理や工程管理等に必要な信頼性の高い情報
を、簡便に得ることができる。
構成図である。
す構成図である。
Claims (7)
- 【請求項1】 説明変数である間接測定手段のデータと
目的変数との関係を示す検量式に基づいて間接測定手段
のデータから目的変数を求める測定システムにおいて、
間接測定手段に連続的又は間欠的に導入される試料の性
状が、試料の供給条件の変更によって変化する変化過程
中に、その時得られる間接測定手段のデータと目的変数
との組み合わせを、従前の検量式を作成するために使用
された間接測定手段のデータと目的変数との組み合わせ
の集合に追加し、追加後の間接測定手段のデータと目的
変数との組み合わせの集合を用いて新検量式を作成する
ことを特徴とする測定システム。 - 【請求項2】 説明変数である間接測定手段のデータと
目的変数との関係を示す検量式に基づいて間接測定手段
のデータから目的変数を求める測定システムにおいて、
間接測定手段と別個に直接測定手段を設け、これら双方
の測定手段に連続的又は間欠的に導入される試料の性状
が、試料の供給条件の変更によって変化する変化過程中
に、その時得られる各々の測定手段のデータの組み合わ
せを、直接測定手段のデータを目的変数として従前の検
量式を作成するために使用された間接測定手段のデータ
と目的変数との組み合わせの集合に追加し、追加後の間
接測定手段のデータと目的変数との組み合わせの集合を
用いて新検量式を作成することを特徴とする測定システ
ム。 - 【請求項3】 新検量式の誤差が予め定めた許容範囲以
下となった際に、有効な検量式を新検量式に更新するこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の測定シス
テム。 - 【請求項4】 間接測定手段のデータが従前の検量式を
作成するために使用された間接測定手段のデータの集合
が分布する範囲に含まれていないと判別分析により判断
したときに、新検量式作成を開始することを特徴とする
請求項1から請求項3の何れかに記載の測定システム。 - 【請求項5】 間接測定手段のデータから求めた目的変
数と直接測定手段のデータとの誤差が予め定めた所定の
値以上になったときに、新検量式作成を開始することを
特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の測定
システム。 - 【請求項6】 間接測定手段及び/又は直接測定手段
は、正常な測定を行っているか否かを判断する自己診断
機能を有し、この自己診断機能により間接測定手段及び
/又は直接測定手段が異常と判断された場合は、新検量
式の作成を中止することを特徴とする請求項1から請求
項5の何れかに記載の測定システム。 - 【請求項7】 間接測定手段が近赤外分析計であること
を特徴とする請求項1から請求項6の何れかに記載の測
定システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19679298A JP3639721B2 (ja) | 1998-06-26 | 1998-06-26 | 測定システム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP19679298A JP3639721B2 (ja) | 1998-06-26 | 1998-06-26 | 測定システム |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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