JP2000009536A - 自然化粧肌色の予測方法 - Google Patents

自然化粧肌色の予測方法

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JP2000009536A
JP2000009536A JP10178420A JP17842098A JP2000009536A JP 2000009536 A JP2000009536 A JP 2000009536A JP 10178420 A JP10178420 A JP 10178420A JP 17842098 A JP17842098 A JP 17842098A JP 2000009536 A JP2000009536 A JP 2000009536A
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Koji Minami
浩治 南
Nobutoshi Kojima
伸俊 小島
Yayoi Inoue
弥生 井上
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Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 メイクアップ化粧料を適用する個々の被験者
について、自然化粧肌色(即ち、素肌色に対する修正意
向を満たし、かつ最も自然な色であると感じる化粧肌
色)を客観的に予測し、自然化粧肌色をつくりだすメイ
クアップ化粧料を容易に選択できるようにする。 【解決手段】 複数の被験者について、メイクアップ化
粧料適用前の色を測色すると共に、自然化粧肌色を測色
し、メイクアップ化粧料適用前の測色値と自然化粧肌色
の測色値との回帰直線を求め、これに基づいて、任意の
被験者の自然化粧肌色を、その被験者のメイクアップ化
粧料塗布前の測色値から予測する。自然化粧肌色をつく
りだすメイクアップ化粧料は、複数のメイクアップ化粧
料についての被験者の化粧肌色を予測し、その化粧肌色
の予測値と自然化粧肌色の予測値との色空間上の距離が
最も小さくなる化粧料とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メイクアップ化粧
料の使用者が最も自然な色であると感じる自然化粧肌色
を予測し、さらに、その自然化粧肌色をつくる化粧料を
容易に選択できるようにする方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ファンデーション、アイシャド
ウ、口紅等のメイクアップ化粧料を皮膚に適用した場合
の色(即ち、化粧肌色)は、その化粧料塗膜の下地とな
っている皮膚の色の影響を大きく受けるので、化粧料自
体が有する固有の色と化粧肌色とは異なる。
【0003】そのため、メイクアップする者の意向に沿
った化粧肌色をつくり出すメイクアップ化粧料を、メイ
クアップ化粧料自体が有する固有の色に基づいて選択す
ることは難しい。メイクアップ化粧料の選択によって
は、化粧肌色は、素肌色に対して極めて不自然な風合い
のものとなる。
【0004】そこで、メイクアップ化粧料を適用する被
験者あるいは化粧アドバイザーにとっては、メイクアッ
プ化粧料の選択時に、当該被験者の化粧意向に沿い、か
つ自然な風合いの仕上がりを呈するメイクアップ化粧料
を如何に選択するかが課題となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】これまで、メイクアッ
プ化粧料を皮膚に適用した場合の化粧肌色に関して、化
粧肌色を客観的に予測する方法がいくつか提案されてい
る(特開平9−178560号公報等)。しかしなが
ら、メイクアップ化粧料の被験者の意向を満たし、かつ
自然な風合いの仕上がりに感じられる化粧肌色を客観的
に予測する方法や、そのような化粧肌色を作り出すメイ
クアップ化粧料を容易に選択できる方法はなく、かかる
方法の提供が課題となっている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を
解決すべく、複数の被験者について、メイクアップ化粧
料適用前の色を測色すると共に、被験者の自然化粧肌色
(即ち、被験者のメイクアップ化粧料適用前の色に対す
る修正意向を満たし、かつ最も自然な色であると感じる
化粧肌色)を測色し、メイクアップ化粧料適用前の測色
値と自然化粧肌色の測色値の回帰直線を求め、一方、任
意の被験者の自然化粧肌色を、その被験者のメイクアッ
プ化粧料適用前の測色値と前記回帰直線とに基づいて予
測することを特徴とする自然化粧肌色の予測方法を提供
する。
【0007】また、被験者がメイクアップ化粧料を適用
した後の化粧肌色を予測し、一方、上述の方法により被
験者の自然化粧肌色を予測し、これら化粧肌色の予測値
と自然化粧肌色の予測値との色空間上の距離が最も小さ
くなるメイクアップ化粧料を自然感を最大にするメイク
アップ化粧料として選択する化粧料の選択方法を提供す
る。
【0008】さらに、この化粧料の選択方法を実施する
装置として、(i)被験者のメイクアップ化粧料適用前の
色を測色する測色手段、(ii)測色値を記憶する記録手
段、(iii)被験者のメイクアップ化粧料適用前の測色値
と、色の異なる複数の被塗布体について予め得られてい
るメイクアップ化粧料適用前の測色値と適用後の測色値
との回帰直線とに基づき、前記被験者にメイクアップ化
粧料を適用した後の化粧肌色を求める化粧肌色予測演算
手段、(iv)被験者のメイクアップ化粧料適用前の測色値
と、複数の被験者について予め得られているメイクアッ
プ化粧料適用前の測色値と各被験者の自然化粧肌色の測
色値との回帰直線に基づき、前記被験者の自然化粧肌色
を予測する自然化粧肌色予測演算手段、(v)色の異なる
複数のメイクアップ化粧料について、化粧肌色予測演算
手段により求めた化粧肌色と、自然化粧肌色予測演算手
段により求めた自然化粧肌色との色空間上の距離を対比
し、その値が最も小さくなるメイクアップ化粧料を求め
る対比演算手段、(vi)対比演算手段により求められたメ
イクアップ化粧料を自然感を最大にするメイクアップ化
粧料として表示する表示手段、を有することを特徴とす
る化粧料の選択装置を提供する。
【0009】本発明の自然化粧肌色の予測方法によれ
ば、予め、複数の被験者のメイクアップ化粧料適用前の
測色値と、各被験者についての自然化粧肌色の測色値と
の回帰直線を求めておく。この回帰直線は、前記複数の
被験者が共通に有する肌色修正意向を反映していると考
えられる。したがって、この回帰直線を用いて任意の被
験者の自然化粧肌色を予測する本発明によれば、任意の
被験者が、自己の化粧意向が満たされ、かつ自然な風合
いの仕上がりであると感じる化粧肌色(自然化粧肌色)
を客観的に予測することが可能となる。
【0010】また、本発明の化粧料の選択方法によれ
ば、任意の被験者の化粧肌色の予測値と自然化粧肌色の
予測値との色空間上の距離が最も小さくなるようにメイ
クアップ化粧料を選択するので、各被験者の化粧意向が
満たされ、かつ、化粧の仕上がりの自然感を最大にする
メイクアップ化粧料を簡便に客観的に選択することが可
能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の自然化粧肌色の予
測方法、化粧料の選択方法及び化粧料の選択装置につい
て詳細に説明する。
【0012】本発明の自然化粧肌色の予測方法は、任意
の被験者にメイクアップ化粧料を適用した場合に当該被
験者の化粧意向に沿い、かつ当該被験者が最も自然であ
ると感じる化粧肌色を予測する方法である。
【0013】ここで、化粧肌色を予測するメイクアップ
化粧料の種類としては、ファンデーション、口紅、アイ
シャドウ、頬紅等をあげることができる。
【0014】この自然化粧肌色の予測方法においては、
まず、複数の被験者について、メイクアップ化粧料適用
前の色を測色すると共に、各被験者に複数種のメイクア
ップ化粧料をそれぞれ適用した場合に、各被験者の自己
の化粧前の色に対する修正意向を満たし、かつ各被験者
が最も自然な色であると感じる自然化粧肌色を測色し、
これらメイクアップ化粧料適用前の測色値と自然化粧肌
色の測色値との回帰直線を求める。この回帰直線は、前
記複数の被験者が共通に有する、化粧前の色に対する修
正意向を反映していると考えられる。
【0015】例えば、17〜29歳の種々の素肌色を有
する女性76名を被験者とし、各被験者の素肌色と、各
被験者に種々のファンデーションを塗布した場合の化粧
肌色のうち、各被験者が自然化粧肌色として選択した化
粧肌色を測色し、これら素肌色と自然化粧肌色との分布
を図示すると図2のようになる。図2から、被験者の素
肌色の分布の中心色の方向に自然化粧肌色の分布が集ま
っていることがわかる。したがって、これらの被験者に
は、化粧肌色をその集団の素肌色の分布の中心に合わせ
たいという修正意向がはたらいており、その意向を基礎
として各被験者が最も自然であると感じられる化粧肌色
が選択されていることがわかる。
【0016】そこで、本発明においては、メイクアップ
化粧料適用前の測色値と自然化粧肌色の測色値の回帰直
線を求めた後、任意の被験者にこの回帰直線を適用し、
当該被験者の自然化粧肌色を予測する。
【0017】より具体的には、例えば図2の場合の被験
者のファンデーション塗布前の素肌色に対する自然化粧
肌色の色差を求め、この色差を素肌色に対してプロット
すると図1に示すように回帰直線が得られる。この回帰
直線は次式で表される。
【0018】
【数1】dH=ph・(素肌色H0−qh) 式中、dHは、素肌色H0に対する自然化粧肌色の色差
であり、被験者の素肌色に対する修正意向の現れと考え
られる。また、ph、qhは、それぞれ係数であり、ph
は、図1の回帰直線の傾きに相当する。
【0019】そこで、予め、上述の回帰直線を求めてお
き、次に、自然化粧肌色を予測しようとする任意の被験
者について素肌色H0を測色し、その素肌色の測色値を
回帰直線にあてはめて化粧後の色差についてのdHを求
める。そして、当該被験者の自然化粧肌色Hpを次式
【0020】
【数2】Hp=H0+dH により求める。
【0021】このように任意の被験者について自然化粧
肌色を予測するにあたり、各被験者の化粧に対する修正
意向は、当該被験者の年代、嗜好等によって異なる傾向
があるので、好ましくは、当該被験者と共通の修正意向
を有していると考えられる母集団について予め上述の回
帰直線を求めておき、その回帰直線を利用する。
【0022】また、この自然化粧肌色の予測に必要とさ
れる、メイクアップ化粧料適用前の測色と自然化粧肌色
の測色とは、任意の表色系を用いておいて行うことがで
きる。例えば、マンセル表色系の色相H、明度V、彩度
C、及びL***表色系の明度指数L*、知覚色度指数
*、b*、L***表色系の明度指数L*、知覚色度指
数u*、v*、及びXYZ表色系の基礎刺激値X、Y、Z
から選ばれる少なくとも一つにより測色値を求めればよ
い。
【0023】本発明の化粧料の選択方法は、上述のよう
にして予測される自然化粧肌色を作り出すメイクアップ
化粧料を客観的に予測する方法である。この方法におい
ては、当該被験者に種々のメイクアップ化粧料を適用し
た場合の化粧肌色を予測する。そして、その化粧肌色の
予測値と前述の自然化粧肌色の予測値との色空間上の距
離が最も小さくなるメイクアップ化粧料を自然感を最大
にするメイクアップ化粧料として選択する。
【0024】例えば、図3に示すように、当該被験者の
素肌色の色相と明度が(H0,V0)であり、当該被験者
の自然化粧肌色の予測値としての色相と明度が(Hp
p)であるとする。また、5色のファンデーションA
〜Eから当該被験者に対して自然感を最大にするメイク
アップ化粧料を選択する場合に、まず、これらの一つの
ファンデーションAを当該被験者に塗布したときの化粧
肌色(Hx(A),Vx(A))を予測する。なお、この化粧肌
色(Hx(A),Vx(A))は、公知の発色理論により予測す
ることができ、図示したように、ファンデーションAの
固有の塗布色(H1(A),V1(A))と、当該被験者の素肌
色(H0,V0)との中間の色を呈することとなる。次
に、このファンデーションAを当該被験者に塗布した場
合の化粧肌色の予測値(Hx(A),Vx(A))と、自然化粧
肌色の予測値(Hp,Vp)との色空間上の距離を求め
る。同様にして、他のファンデーションB〜Eについて
も、そのファンデーションを当該被験者に塗布した場合
の化粧肌色の予測値と自然化粧肌色の予測値(Hp
p)との色空間上の距離を求める。そしてこれらファ
ンデーションA〜Eのうち、色空間上の距離が最小とな
るものを自然感を最大にするメイクアップ化粧料として
選択する。
【0025】ここで、被験者に種々の色のメイクアップ
化粧料を適用した場合の化粧肌色の予測方法としては、
特に制限はないが、予測操作の簡便性の点から、特開平
9−178560号公報に記載されている方法にしたが
うことが好ましい。即ち、予め、色の異なる複数の被塗
布体について、メイクアップ化粧料適用前の色と適用後
の色とをそれぞれ測色し、メイクアップ化粧料適用前の
測色値と適用後の測色値との回帰直線を求める。一方、
メイクアップ化粧料の選択対象である被験者について、
メイクアップ化粧料の適用前の色を測色する。そして、
被験者のメイクアップ化粧料適用前の測色値と、前記被
塗布体について求めた、メイクアップ化粧適用前の測色
値と適用布後の測色値との回帰直線とに基づいて、被験
者がメイクアップ化粧料を適用した後の化粧肌色を予測
する。
【0026】なお、この化粧肌色の予測において、メイ
クアップ化粧適用前の測色値と適用後の測色値との回帰
直線を求めるために使用する被塗布体としては、特に制
限はなく、被験者である必要はない。人の皮膚の他、経
時的に色が安定している人工皮革、レプリカ、紙など種
々の素材のものを使用することができる。好ましくは当
該メイクアップ化粧料が適用される皮膚と同様の柔軟性
や表面凹凸形状を有しているものを使用する。これによ
り、実際に皮膚に化粧料を適用した場合と同様の化粧料
の付着状態や展延性を得ることができる。
【0027】また、色空間上の距離を求めるにあたり、
その表色系には特に制限はなく、マンセル表色系、L*
**表色系、L***表色系及びXYZ表色系から
選ばれる少なくとも一つとすることができる。
【0028】図4は、上述の化粧料の選択方法を実施す
る本発明の化粧料の選択装置のシステム構成図であり、
測色機A、入力装置B、コンピュータC、及びCRTデ
ィスプレイ等の表示装置D、プリンター等の出力装置E
からなっている。
【0029】この測色機Aは、被験者あるいは被塗布体
にメイクアップ化粧料を適用する前の色又は適用した後
の色を測色する測色手段1として設けられている。測色
機Aとしては、分光測色機、三刺激値直読型色差計等任
意の測色機を使用することができるが、測色値の客観性
を考慮すると、工業規格に定める基準(JIS Z−8
722 物体色の測定方法)に沿った測色機が好まし
い。
【0030】コンピュータCは、少なくとも、測色機A
により測色した値を記憶する記録手段2、被験者のメイ
クアップ化粧料適用前の測色値と、色の異なる複数の被
塗布体について予め得られているメイクアップ化粧料適
用前の測色値と適用後の測色値との回帰直線とに基づ
き、前記被験者にメイクアップ化粧料を適用した後の化
粧肌色を求める化粧肌色予測演算手段3、被験者のメイ
クアップ化粧料適用前の測色値と、複数の被験者につい
て予め得られているメイクアップ化粧料適用前の測色値
と各被験者の自然化粧肌色の測色値との回帰直線に基づ
き、前記被験者の自然化粧肌色を予測する自然化粧肌色
予測演算手段4、及び色の異なる複数のメイクアップ化
粧料について、化粧肌色予測演算手段3により求めた化
粧肌色と、自然化粧肌色予測演算手段4により求めた自
然化粧肌色との色空間上の距離を対比し、その値が最も
小さくなるメイクアップ化粧料を求める対比演算手段
5、を内蔵するものとして設けられている。
【0031】このコンピュータCには、上述の各手段の
他、色の異なる複数の被塗布体についての、メイクアッ
プ化粧料適用前の測色値と適用後の測色値との回帰直線
をこのコンピュータCで求められるようにする演算手段
や、複数の被験者についての、メイクアップ化粧料適用
前の測色値と各被験者の自然化粧肌色の測色値との回帰
直線をこのコンピュータCで求められるようにする演算
手段を組み込むことが好ましいが、これら回帰直線は、
別途キー入力してもよい。
【0032】入力装置Bは、被験者あるいは被塗布体の
測色値が、測色機Aから直接コンピュータCに入力され
るようにする他、別途、キー入力できるようにしたり、
上述の回帰直線をキー入力できるようにしたりするもの
である。
【0033】表示装置D及び出力装置Eは、最終的に選
択された、自然感を最大にするメイクアップ化粧料を表
示するが、この他、メイクアップ化粧料の選択の過程で
使用された回帰直線や、個々の測色データ、自然化粧肌
色の予測値等も任意に選択して出力する。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説
明する。
【0035】実施例1 17〜29歳の228名の女性を被験者とし、各被験者
の頬の素肌色をマンセル表色系の色相H及び明度Vにつ
いて測色した。また、各被験者が各自の化粧意向に沿
い、最も自然に感じられるファンデーションを塗布した
ときの化粧肌色を自然化粧肌色として、マンセル表色系
で測色した。次いで、各被験者の自然化粧肌色と素肌色
との回帰直線を求め、次式(1)及び(2)を得た。
【0036】
【数3】 色相の修正意向dH=−0.33×[素肌色H0]+1.58 (1) 明度の修正意向dV=−0.16×[素肌色V0]+1.01 (2)
【0037】さらに、上述の被験者のうち14名の被験
者の頬の素肌色をマンセル表色系で測色し、得られた測
色値H0、V0と上述の式(1)及び(2)とから次式
(3)及び(4)にしたがい各被験者にとって自然感が
最大になる化粧肌色の予測を行い、その予測値としての
色相Hp、明度Vpを得た。
【0038】
【数4】 自然化粧肌色の予測値の色相Hp=H0+dH (3) 自然化粧肌色の予測値の明度Vp=V0+dV (4)
【0039】さらに、市販の色の異なる5種のファンデ
ーションA〜Eについて、特開平9−178560号公
報の化粧肌色の予測方法にしたがって上述の14名の被
験者の化粧肌色を予測した。そして、各被験者ごとに、
5種のファンデーションA〜Eのそれぞれについて、化
粧肌色と自然化粧肌色の予測値との色空間上の距離(色
差)を求め、その色空間上の距離が5種のファンデーシ
ョンA〜Eのうちで最も小さくなるものを最適ファンデ
ーションとして選択した。こうして選択したファンデー
ションの種類と各被験者の素肌色とを表1に示す。ま
た、こうして選択したファンデーションに対する各被験
者の評価を次の4段階に表した。
【0040】 ◎:非常に満足である ○:満足である △:どちらともいえない ×:不満足である この結果を表1に示す。
【0041】比較例1 実施例1において予測した、5種のファンデーションA
〜Eについての14名の各被験者の化粧肌色と、各被験
者の素肌色との色空間上の距離が最も小さくなるファン
デーションを比較例による最適ファンデーションとして
選択し、こうして選択したファンデーションに対する各
被験者の評価を実施例1と同様に4段階に表した。この
結果を表1に示す。
【0042】
【表1】 被験者 素肌色 実施例による 評価 比較例による 評価 No. H0,V0 最適ファンテ゛ーション 最適ファンテ゛ーション 1 5.81, 6.55 C ◎ A × 2 6.02, 6.59 C ○ A × 3 6.63, 6.56 C ○ D ○ 4 7.01, 6.53 C ○ D ○ 5 6.54, 6.76 A ○ D △ 6 7.39, 6.46 C ○ D △ 7 7.52, 6.51 C ○ D △ 8 7.74, 6.49 C ○ D △ 9 7.61, 6.39 C ○ D △ 10 6.92, 6.31 C ○ D △ 11 5.07, 6.16 E ○ C △ 12 7.22, 6.17 E ○ D × 13 4.22, 6.15 E △ C × 14 7.83, 6.25 C △ D △
【0043】表1から、各被験者の修正意向が考慮され
ている本実施例によると、被験者の86%が非常に満足
又は満足する化粧料を客観的手法により選択できること
がわかる。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、個々の被験者の自然化
粧肌色を客観的に予測することが可能となり、また、自
然化粧肌色をつくりだすメイクアップ化粧料を容易に選
択することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ファンデーション塗布前の素肌色と、素肌色
に対する自然化粧肌色の色差との関係図である。
【図2】 素肌色と自然化粧肌色との分布図である。
【図3】 素肌色、自然化粧肌色、ファンデーションA
による化粧肌色及びファンデーションAの固有の塗布色
の関係図である。
【図4】 本発明の化粧料の選択装置のシステム構成図
である。
【符号の説明】
A 測色機 B 入力装置 C コンピュータ D 表示装置 E 出力装置 1 測色手段 2 記録手段 3 化粧肌色予測演算手段 4 自然化粧肌色予測演算手段 5 対比演算手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 井上 弥生 東京都墨田区文花2−1−3 花王株式会 社研究所内 Fターム(参考) 2G020 AA08 DA05 DA14 DA21 DA24 DA32 DA34 DA35 DA66

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の被験者について、メイクアップ化
    粧料適用前の色を測色すると共に、被験者に複数種のメ
    イクアップ化粧料をそれぞれ適用した場合に、各被験者
    のメイクアップ化粧料適用前の色に対する修正意向を満
    たし、かつ最も自然な色であると感じる化粧肌色(以
    下、自然化粧肌色と称する)を測色し、メイクアップ化
    粧料適用前の測色値と自然化粧肌色の測色値の回帰直線
    を求め、これに基づいて、任意の被験者の自然化粧肌色
    を、その被験者のメイクアップ化粧料適用前の測色値か
    ら予測することを特徴とする自然化粧肌色の予測方法。
  2. 【請求項2】 測色を、マンセル表色系の色相H、明度
    V、彩度C、及びL***表色系の明度指数L*、知覚
    色度指数a*、b*、L***表色系の明度指数L*、知
    覚色度指数u*、v*、及びXYZ表色系の基礎刺激値
    X、Y、Zから選ばれる少なくとも一つについて行う請
    求項1記載の自然化粧肌色の予測方法。
  3. 【請求項3】 被験者がメイクアップ化粧料を適用した
    後の化粧肌色を予測し、一方、請求項1記載の方法によ
    り自然化粧肌色を予測し、これら化粧肌色の予測値と自
    然化粧肌色の予測値との色空間上の距離が最も小さくな
    るメイクアップ化粧料を選択する化粧料の選択方法。
  4. 【請求項4】 予め、色の異なる複数の被塗布体にメイ
    クアップ化粧料を適用する前の色と適用した後の色をそ
    れぞれ測色し、メイクアップ化粧料適用前の測色値と適
    用後の測色値との回帰直線を求め、これに基づいて、任
    意の被験者のメイクアップ化粧料適用前の測色値から、
    その被験者のメイクアップ化粧料適用後の化粧肌色を予
    測する請求項3記載の化粧料の選択方法。
  5. 【請求項5】 色空間上の距離を、マンセル表色系、L
    ***表色系、L***表色系及びXYZ表色系から
    選ばれる少なくとも一つの表色系の色空間上で算出する
    請求項3記載の化粧料の選択方法。
  6. 【請求項6】 (i)被験者のメイクアップ化粧料適用前
    の色を測色する測色手段、(ii)測色値を記憶する記録手
    段、(iii)被験者のメイクアップ化粧料適用前の測色値
    と、色の異なる複数の被塗布体について予め得られてい
    るメイクアップ化粧料適用前の測色値と適用後の測色値
    との回帰直線とに基づき、前記被験者にメイクアップ化
    粧料を適用した後の化粧肌色を求める化粧肌色予測演算
    手段、(iv)被験者のメイクアップ化粧料適用前の測色値
    と、複数の被験者について予め得られているメイクアッ
    プ化粧料適用前の測色値と各被験者の自然化粧肌色の測
    色値との回帰直線に基づき、前記被験者の自然化粧肌色
    を予測する自然化粧肌色予測演算手段、(v)色の異なる
    複数のメイクアップ化粧料について、化粧肌色予測演算
    手段により求めた化粧肌色と、自然化粧肌色予測演算手
    段により求めた自然化粧肌色との色空間上の距離を対比
    し、その値が最も小さくなるメイクアップ化粧料を求め
    る対比演算手段、(vi)対比演算手段により求められたメ
    イクアップ化粧料を自然感を最大にするメイクアップ化
    粧料として表示する表示手段、を有することを特徴とす
    る化粧料の選択装置。
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