JP2000008803A - 発電用蒸気タービンロータの車軸のセンタリング調整支援装置及び発電用蒸気タービンロータの車軸のセンタリング調整支援装置用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents

発電用蒸気タービンロータの車軸のセンタリング調整支援装置及び発電用蒸気タービンロータの車軸のセンタリング調整支援装置用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体

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JP2000008803A
JP2000008803A JP10174519A JP17451998A JP2000008803A JP 2000008803 A JP2000008803 A JP 2000008803A JP 10174519 A JP10174519 A JP 10174519A JP 17451998 A JP17451998 A JP 17451998A JP 2000008803 A JP2000008803 A JP 2000008803A
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adjustment
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bearing
amount
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JP10174519A
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Shigeru Araki
繁 荒木
Toraichi Dewa
虎一 出羽
Naoto Fujii
直人 藤井
Ryoji Arafuka
良司 荒深
Motohito Ugi
基仁 宇城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chubu Plant Service Co Ltd
Original Assignee
Chubu Plant Service Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電用蒸気タービンロータの多軸の各車軸の
複雑な条件を考慮しつつ、簡単な入力と少ない操作で、
各車軸の条件を満たしつつ、容易にバランスが取れるよ
うに発電用蒸気タービンロータのセンタリングの調整作
業を支援することを目的とする。 【解決手段】 CPU14を備えたタービンのセンタリ
ング調整の支援装置であって、前記各軸継ぎ手Dにおけ
る測定値と、各車軸Sの設計値と、許容値と、調整量と
を入力する入力手段10と、データを記憶する入力デー
タ記憶手段であるRAM20と、軸受け調整量演算プロ
グラム34と、入力データ及び整値等を表示する表示装
置17とを備える。CPU14は、入力された各軸継ぎ
手ごとの条件に基づいて、許容値の範囲において軸受け
Bの調整量を演算する。グラフ表示手段を有し、表示装
置17は、設計値、測定値、調整量等に基づいて車軸S
の状態を線図によるグラフでアライメント線図を表示す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電用蒸気タービ
ンロータの車軸の軸受け位置調整支援装置及び発電用蒸
気タービンロータの車軸の軸受け位置調整支援装置用プ
ログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
体に関し、詳しくは、タンデムコンパウンドタービンの
多軸全体のセンタリングのための軸受けの位置調整のた
めの補正値の決定を支援する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】火力発電所や原子力発電所において、発
生した熱エネルギにより高圧蒸気を発生させ、この高圧
蒸気のエネルギを用いて機械的な回転運動を取出すのに
蒸気タービンが用いられている。
【0003】この蒸気タービンは、発生した高圧蒸気を
効率よく利用するため、大容量のタービンでは、車室と
車軸を高圧・中圧・低圧などに分けた多車室タービンが
用いられる。一般には、多車室タービンは車室を一つの
軸心上に串状に配列した多軸からなるタンデムコンパウ
ンドタービンが用いられる。
【0004】このタービンロータは、定格回転数が3,
000〜3,600r.p.m程度の高速回転をするた
め、各車軸が同一軸状になるようにセンタリング調整し
なければ騒音、振動の原因となり、また長期間これらを
放置すれば振動等により運転停止の事態を生じる原因と
もなる。そのため、発電用蒸気タービンの設置時や定期
メンテナンス時には、複数の車軸の芯合わせである車軸
のセンタリング調整を行う。
【0005】従来、この車軸のセンタリング調整は、前
述の理由から高い精度が要求されるため、長年の経験を
有する熟練技術者が、手計算で長時間かけて補正値を算
出して調整に当たっていた。ところが、タービンの組み
立て段階の最終調整段階では他の組立作業との兼ね合い
で十分な時間が取れず、組み立て後に再調整が余儀なく
されているのが現状であった。
【0006】また、手計算では、処理に時間がかかり、
多数の車軸を相互に調整することができず、2つの車軸
ごとに計算をし、後は熟練技術者の勘に頼って調整して
いるのが現状であった。
【0007】そこで、この調整を、レーザ反射式の偏差
検出測定装置を備え、隣接する1対の車軸毎に測定偏差
を測定して、この測定結果に基づきコンピュータを利用
して調整量を演算し隣接する1対の車軸ごとに調整を行
い、測定と調整値の計算を一体に行うような装置が提案
された。
【0008】また、多軸の車軸を測定する測定装置と、
この測定装置と連動して測定値と設定目標値から目標値
調節量をコンピュータを用いて自動的に算出するような
装置も提案された。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前者の
装置では、車軸全体の偏差バランスを見ながら、調整箇
所を特定して調整作業をすることができないため、例え
ば高圧側の車軸から順に低圧側の車軸について調整を進
めていくと、多軸調整の最終軸である低圧側の車軸で大
きな偏差調整に拡大されることがあり、実際の調整可能
な許容量を超して調整できず、調整に失敗して、再度調
整しなければならなくなる場合があるという問題があっ
た。
【0010】一方、後者の装置では、多軸の車軸の偏差
を測定し、このデータに基づき多軸全体の調整量を同時
に算出するものであるため、前者のような調整偏差が累
積して調整の最終段階で調整に失敗するようなことはな
くなったが、その反面多軸全体での修正量が、一定の車
軸継ぎ手の面間距離を上回ると、調整が不能になってし
まい、熟練者でなければその後の処置が出来なくなると
いう問題があった。
【0011】特に、各車軸における面間距離の調整は、
タービンの構造が複雑であるため各車軸における固有の
諸条件、例えばそのタービンや車室自体の問題、高圧か
低圧かの環境の違い、さらにタービンが極めて重量が大
きく設置場所の地盤の不等沈下を生じさせることなどの
違いもあり、これらの車軸個々の条件を考慮して調整量
を設定しなければならないが、すべての車軸の調整の許
容範囲を一律にして、自動的に調整してしまう後者の装
置ではこれらの問題に対処できないという問題があっ
た。
【0012】また、測定された測定値から、設計値を考
慮しつつ、かつ各車軸の条件を考慮して許容値を定め
て、実際に調整すべき調整量を決定する作業は複雑な作
業で、人間によるこれらの個々の車軸の調整の許容量及
び実際の調整量を決定する作業が極めて困難になるとい
う問題もあった。
【0013】また、各車軸の条件をすべて考慮して自動
計算するには、入力が煩雑でかつ変数が多く、計算量も
多くなって操作も複雑かつ煩雑になるという問題があ
る。
【0014】本発明は、上記課題を解決するものであ
り、発電用蒸気タービンロータの多軸の各車軸の複雑な
条件を考慮しつつ、これらの調整の判断を容易にするよ
うな情報を与えることにより、簡単な入力と少ない操作
で、各車軸の条件を満たしつつ、容易に発電用蒸気ター
ビンロータの多軸全体のバランスが取れるような適切な
軸受けの調整量が得られる装置であって、発電用蒸気タ
ービンロータのセンタリングの調整作業を支援する支援
装置及び発電用蒸気タービンロータの車軸の軸受け位置
調整支援装置用プログラムを記録したコンピュータ読み
取り可能な記録媒体を提供することを目的とするもので
ある。
【0015】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に、請求項1に記載の発電用蒸気タービンロータの車軸
のセンタリング調整のための調整支援装置では、同一直
線状に連続して配置された多軸構造のタービンロータの
車軸と、前記各車軸を連結する軸継ぎ手と、前記車軸を
回転可能に支持する軸受けとを有する発電用蒸気タービ
ンロータの車軸のセンタリング調整をするために各軸受
け位置の調整量を決定する発電用蒸気タービンロータの
車軸のセンタリング調整支援装置であって、前記各軸継
ぎ手における偏芯距離及び面間距離を測定した測定値
と、前記各車軸が設計上あるべき位置を示す設計値と、
許容される軸継ぎ手の調整の範囲を示す許容値と、前記
軸受けを実際に調整する調整量とを含む各種データを入
力する入力手段と、前記入力手段から入力されたデータ
を記憶する入力データ記憶手段と、前記入力されたデー
タを演算して前記各軸継ぎ手が前記許容値に適合するよ
うに前記各車軸の軸受けの調整量を決定する調整量演算
手段と、前記演算され決定された調整量を記憶する調整
量記憶手段と、前記記憶された入力データ及び演算され
た調整値等を表示する表示手段とを備え、前記演算手段
は、前記入力された各軸継ぎ手ごとの条件に基づいて、
前記許容値の範囲において前記軸受けの調整量を演算し
て決定し、前記表示手段は、前記設計値と、前記測定値
と、前記調整量とのいずれか2以上の値に基づいて前記
各車軸の状態を線図によるグラフでアライメント線図を
表示するグラフ表示手段を有することを特徴とする。
【0016】この構成に係る支援装置では、各車軸のあ
るべき状態と、実際の車軸の状態と、許容される調整の
範囲と、軸受けの調整後の予測される車軸の状態とのい
ずれか2以上を表示手段により、線図によるグラフでア
ライメント線図として表示されるため、夫々の車軸につ
いての比較が極めて容易に掌握でき、調整の方向が直観
的に判定できるため、設計値・測定値・調整値以外に各
車軸に与えられた種々の条件を考慮しつつ、極めて容易
に最終的な調整値を決定できる。
【0017】請求項2に記載の発電用蒸気タービンロー
タの多軸のセンタリング調整のための車軸の軸受け位置
調整支援装置のためのプログラムを記憶したコンピュー
タ読み取り可能な記録媒体では、同一直線状に連続して
配置された多軸構造のタービンロータの車軸と、前記各
車軸を連結する軸継ぎ手と、前記車軸を回転可能に支持
する軸受けとを有する発電用蒸気タービンロータのセン
タリング調整をするために各軸受け位置の調整量を決定
する発電用蒸気タービンロータの車軸のセンタリング調
整支援装置のためのプログラムを記録したコンピュータ
読み取り可能な記録媒体であって、コンピュータに各軸
継ぎ手における偏芯距離及び面間距離を測定した測定値
と、前記各車軸が設計上あるべき位置を示す設計値と、
許容される調整の範囲を示す許容値と、前記軸受けを実
際に調整する調整量とを含む各種データを入力する入力
の手順と、前記入力の手順により入力されたデータを記
憶する入力データ記憶の手順と、前記入力されたデータ
を演算して前記各軸継ぎ手が前記許容値に適合するよう
に前記各車軸の軸受けの調整量を決定する調整量演算の
手順と、前記演算され決定された調整量を記憶する調整
量記憶の手順と、前記記憶された入力データ及び演算さ
れた調整量等を表示する表示の手順とを実行させるプロ
グラムであって、前記演算の手順は、前記入力された各
軸継ぎ手ごとの条件に基づいて、前記許容値の範囲、前
記軸受けの調整量を演算して決定し、前記表示の手順
は、前記設計値と、前記測定値と、前記調整量とのいず
れか2以上の値に基づいて前記各車軸を線図によるグラ
フで表示するアライメント線図を表示させるグラフ表示
の手順であることを特徴とする。
【0018】この構成に係る支援装置のためのプログラ
ムを記録した記録媒体では、コンピュータに、各車軸の
あるべき状態と、実際の車軸の状態と、軸受けの調整後
の予測される車軸の状態とを表示手段により、線図によ
るグラフでアライメント線図が表示する手順を実行させ
ることができるため、夫々の車軸についての比較が極め
て容易に掌握でき、調整の方向が直観的に判定できるた
め、設計値・測定値・調整値以外に各車軸に与えられた
種々の条件を考慮しつつ極めて容易に最終的な調整値を
決定できる。
【0019】また、請求項3に記載の支援装置は、請求
項1に記載の支援装置の構成に加え、前記演算手段は、
前記多軸からなる車軸のうち調整の対象となる前記軸継
ぎ手で連結された相対する二つの車軸についての、それ
ぞれの2ヵ所の軸受けの合計4つの軸受けの調整値の設
定量の大きさをそれぞれ比較して6のパターンに分類
し、そのいずれかのパターンに調整値設定量が該当する
とき、その該当するパターンに定められた所定の数式に
より演算をする手段をさらに備えたことを特徴とする。
【0020】この構成にかかる支援装置では、調整の対
象となる前記軸継ぎ手で連結された相対する二つの車軸
についての、それぞれの2ヵ所の軸受けの合計4つの軸
受けの調整値の設定量の大きさをそれぞれ比較して調整
をするため、軸継ぎ手を挟んで隣接する2ヵ所の軸受け
のみで調整するのに比較して調整量が分散され、1ヵ所
または2ヵ所に調整量が集中すようなことがない。更
に、4ヵ所の調整であると手順が複雑になり、ユーザに
とっても操作が分かり難くなるが、本支援装置では、こ
れを6のパターンで処理することで、ユーザにも分かり
易いものとすることができる。さらに精度を高くするこ
とが可能である。
【0021】請求項4に記載の記録媒体では、請求項2
に記載の発電用蒸気タービンロータの多軸のセンタリン
グ調整のための車軸の軸受け位置調整支援装置のための
プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録
媒体において、前記演算の手順は、前記車軸のうち調整
の対象となる前記軸継ぎ手で連結された相対する二つの
車軸Sについての、それぞれの2ヵ所の軸受けの合計4
つの軸受けの調整値設定量の大きさをそれぞれ比較して
6のパターンに分類し、そのいずれかのパターンに調整
値設定量が該当するとき、その該当するパターンに定め
られた所定の数式により演算をする手順をさらに備えた
ことを特徴とする。
【0022】この構成に係る記録媒体では、コンピュー
タに、調整の対象となる前記軸継ぎ手で連結された相対
する2の車軸についての、それぞれの2ヵ所の軸受けの
合計4つの軸受けの調整値の設定量の大きさをそれぞれ
比較して調整をする手順を実行させるため、軸継ぎ手を
挟んで隣接する2ヵ所の軸受けのみで調整するのに比較
して調整量が分散され、1ヵ所または2ヵ所に調整量が
集中すようなことがない。更に、4ヵ所の調整であると
手順が複雑になり、ユーザにとっても操作が分かり難く
なるが、本支援装置では、これを6のパターンで処理す
ることで、ユーザにも分かり易いものとすることができ
る。さらに精度を高くすることが可能である。
【0023】
【発明の実施の形態】 以下、本発明の一の実施の形態
について、添付図面を参照して説明する。
【0024】まず最初に、本発明の実施の形態である発
電用蒸気タービンロータの車軸Sのセンタリング調整支
援装置の概略を説明する。
【0025】図1に示すように、データバス15を介し
て、CPU14、入力装置10、RAM20、ROM3
0、外部記憶装置16、I/Oポート19、表示装置1
7、印刷装置18が接続されて構成されている。
【0026】CPU14は、情報の入出力や処理等の本
装置の全体の制御を行うものである。
【0027】入力装置10は、測定データ端末収集装置
11により測定器からのデータを収集したり、テンキー
12などにより各種数値をキー入力する。入力されたデ
ータは、RAM20の所定の領域に記憶される。
【0028】RAM20は、各種データを一時的に保存
し、例えばテンキー12から入力された機器固有値は機
器固有値記憶領域22に、設計値は設計値記憶領域23
に、許容値は許容値記憶領域に、初期レベルは初期レベ
ル記憶領域25に格納される。他にも制御プログラム4
2等の命令により必要な記憶領域が設定されデータが格
納される。また、フラグやパラメータを記憶したり、デ
ータの加工等のためにデータが一時保存するのに作業領
域21が利用される。
【0029】ROM30は、各種プログラムが格納され
る。まず、制御プログラム42は、本装置の入出力や各
プログラムの作業の割当てやデータの受け渡しをコント
ロールするプログラムを有し、これらのプログラムを統
合して、コンピュータに本支援装置としての手順を実行
させるものである。
【0030】ROM30に格納されたプログラムは、以
下のような手順をCPU14に実行させる。
【0031】測定データ通信プログラム31は、測定器
のCPUと通信しデータを取り込む手順を実行させるプ
ログラムである。取り込んだデータはテンキー12から
入力されたデータと同様に処理することができる。更
に、予め測定器から取り込んでデータを蓄積しておき、
或いは必要に応じて測定器から取り込んで本装置にデー
タを入力することができる。
【0032】測定データ演算プログラム32は、前記取
り込んだデータを演算の実行をさせるプログラムであ
る。
【0033】測定偏差演算プログラム33は、入力され
た測定値を、軸芯の設計値からのずれを1/100mm
までの精度で算出するように実行させるプログラムであ
る。
【0034】軸受け調整量演算プログラム34は、軸継
ぎ手の測定データから演算された測定偏差を元に軸受け
を調整すべき量の演算を実行させるプログラムである。
【0035】レベル線図演算表示プログラム35は、設
計値から、車軸Sがどうあるべきかをグラフに表わす演
算と、測定値から現在の車軸Sの様子をグラフ表示する
ための処理と、調整した車軸Sがどのような様子になる
かをグラフ表示するための演算を実行させる。ここで演
算されたデータに基づき、表示装置17により図20で
示すような上下方向の初期レベルを、図21で示すよう
な左右方向の初期レベルをグラフで表わす。また、図2
2に示すような上下方向の予測レベル線図や、図23に
示すような左右方向の予測レベル線図のグラフを描く処
理を実行させるプログラムである。なお、これらのグラ
フは、印刷装置18によりハードコピーを取ることもで
きる。
【0036】軸受け設定量演算プログラム36は、車軸
Sを上下左右に位置を移動するとき、図19の軸受パッ
ド58aの厚さを調整して移動するが、その調整量は、
軸受設定量から演算を実行させるプログラムである。
【0037】軸継ぎ手予測偏差演算プログラム37は、
軸継ぎ手予測偏差を求める演算を実行させるプログラム
である。軸継ぎ手予測偏差とは、測定偏差を有する軸継
ぎ手のレベルを調整するため、軸受け設定量を入力して
軸継ぎ手において修正された状態のレベル値と、設計値
から求められるレベル値との偏差である。
【0038】偏差調整度合い演算プログラム38は、偏
差修正度合いを求める演算を実行させるプログラムであ
る。偏差修正度合いとは、算出した偏差が許容値に対し
てどの程度まで修正されるのかの度合いを示し、1.0
の場合には許容値の最外側の限界に修正できることを示
し、0の場合は設計値に修正できることを示す数値であ
る。
【0039】軸継ぎ手予測値演算プログラム39は、軸
継ぎ手予測値を求める演算を実行させるプログラムであ
る。軸継ぎ手予測値とは、軸継ぎ手における、設計値に
予測偏差を加えたレベルを示す。面間距離については、
開き“0”を基準に演算した予測偏差を示す。
【0040】データバス15は、本装置を構成する各種
装置のデータのやり取りを行うもので、例えば、CPU
14は、データバス15を介してROM30に格納され
たプログラムから各種実行の命令を受け、その命令に基
づいてRAM20のデータを読み書きするためにアクセ
スする。
【0041】外部記憶装置16は、本装置では、ハード
ディスクドライブを用い、機器固有値のデータや演算結
果を蓄積する。ここに、蓄積されたデータは処理実行時
に、RAM20の各記憶領域に記憶されて演算処理など
が実行され、実行が終了すると、また実行結果が外部記
憶装置16に、蓄積される。
【0042】表示装置17は、CRTを用い、数値の入
力画面として機能したり、演算結果やアライメントを示
す前述のグラフなどを表示する機能を果たす。
【0043】印刷装置18は、表示装置に表示された演
算結果などをハードコピーとして印刷するのに用いられ
る。
【0044】I/Oポート19は、外部とのデータのや
り取りに使用される。その他の外部情報処理装置などを
有線・無線を用いて接続する場合のインターフェイスと
して機能する部分である。
【0045】次に、本発明に係る発電用蒸気タービンロ
ータの車軸Sのセンタリング調整支援装置が調整の対象
としている発電用蒸気タービンロータの車軸Sについて
説明する。発電用蒸気タービンロータの車軸Sは、火力
発電所や原子力発電所において熱エネルギを力学的エネ
ルギに変換するための蒸気タービンの回転軸であり、こ
の回転軸を円滑に回転させるための所謂センタリング調
整に当たっては、調整対象である蒸気タービンが全体で
30mを超す長さであることと、多軸構造の複雑な構造
を有していることなどを考慮しなければならない。ま
た、この多軸構造のそれぞれの車軸Sにも種々の条件、
例えば、高圧蒸気に対する機密状態を保つための調整の
限界や、地盤の不正な沈下に対する補正など、各車軸S
のそれぞれの条件を満たしつつ、且つ多軸構造の車軸S
全体が条件を満たす必要がある。さらに、タービンは回
転運動をするため、静的なバランスだけでは調整が完全
なものとはならず動的なバランスまで考慮する必要があ
り、さらに温度上昇による車軸の熱膨張や、その上作業
行程を減らすような作業効率まで考えると人間の手計算
では極めて複雑な計算となって、その計算には長時間を
要する。また、時間が掛かるばかりでなく的確に計算す
ることも困難になることがあるため、この蒸気タービン
の回転軸のセンタリングの調整を支援するため本装置が
発明されたものである。
【0046】この蒸気タービンは図4の模式図に示すよ
うな構造をしており、同一直線状に配置された多軸構造
の車軸Sが、前軸受けBUと後軸受けBLのそれぞれ2
つの軸受けBに支持され、それぞれの車軸Sが隣接する
車軸Sと、1mほどの大きさを有する円盤状の継ぎ手D
により回転を伝達するような構造となっている。一般に
発電用の大型タービンは、エネルギの変換効率を高める
ため、蒸気圧に応じたブレードを収納した車室を設け、
図3に示すように上流側から高圧タービン用の高圧車軸
HP、中圧タービン用の中圧車軸IP、低圧タービン用
車軸の低圧車軸A:LPA、下流側の低圧タービン用車
軸の低圧車軸B:LPBとが連続して配置され、低圧車
軸B:LPBの一端には発電機5が接続されている。こ
の車室の数は発電機の規模により数が増減されるが、本
実施の形態の説明においては、車室が4つ備えられたも
のを例に説明する。この説明においては、蒸気の流れの
上流である高圧側から下流である低圧側への流れに沿っ
て、図3の左手を上流、右手を下流という。なお、軸受
けBについては最上流の軸受けからB1からB8まで順
に番号で呼ぶものとする。
【0047】車軸Sのそれぞれは、前軸受けBUと後軸
受けBLにより支持されている。図19の模式図に示す
ようにこの軸受けBは、軸受け基台59の上にボルトで
固定され、軸受けBの中に車軸Sが強制的な給油による
潤滑を受けつつ回転自在に支持される。この軸受けBを
基台59上に載置して支持する際に左右2ヵ所の軸受け
調整パッド58の厚さを変更することで、軸芯の変位が
可能になる。さらに前後2ヵ所の軸受けBをそれぞれ調
整することにより支持される車軸Sの相対位置を移動さ
せることが可能となっている。
【0048】実際の調整に当たっては、高圧タービン側
は、制御装置があり、段落の気密性の保持のため、車軸
を調整する範囲は狭く、この高圧タービンを基準に各車
軸を調整することになる。この場合、上流側から2本の
車軸Sの位置関係のみをみて調整し、順次下流側の車軸
Sを調整する方法であると下流側の調整値、特に半径方
向の調整量が大きくなりすぎ調整不能に陥ってしまうこ
とがある。
【0049】ここで、図4は、調整の対象となる一対の
上流側の前車軸SUと下流側の後車軸SLについて、機
器固有値などを設定する場合の対象となる部分をあらわ
す。図4の左方が上流側である。つまり、前車軸SUと
後車軸SLの組み合わせは、例えば高圧車軸HPと中圧
車軸IPとの組み合わせや、或いは中圧車軸IPと低圧
車軸A:LPAとの組み合わせなどをいう。またBU、
BLは、夫々前軸受け、後軸受けを表わす。高圧側車軸
SUの軸受け間の距離を前車軸スパンといいL1で表わ
し、その上流側のオーバーハングを前車軸上流側長さと
呼びL2で表わし、その下流側のオーバーハングを前車
軸下流側長さといい、L3で表わす。同様に、低圧側の
車軸SLの軸受け間の距離を後車軸スパンといいL4で
表わし、その上流側のオーバーハングを後車軸上流側長
さと呼んでL5で表わし、その下流側のオーバーハング
を前車軸下流側長さといいL6で表わすことにする。そ
してこれらの長さが機器固有値として入力され、軸受け
調整量などの測定結果とこれらの機器固有値を計算して
車軸Sのアライメントを計算したり、或いは軸継ぎ手D
における位置の変化を計算する。
【0050】図19は、軸受けBを蒸気の上流側方向か
ら見た断面を模式的に示した図である。軸受けBは、荷
重が大きく軸受けの面圧も高く、周速度も高いため強制
給油の平軸受けを使用しており、図19に示すように、
車軸Sは、軸受けBに回転可能に嵌入されており、図上
矢印で示すように、一方の下部から潤滑油が強制注入さ
れ、車軸Sと軸受けBの間を強制循環されて潤滑作用と
冷却作用を行い他方の下部から潤滑油は排出される。こ
の軸受けBは、軸受け基台にボルト止めされるが、軸受
けBの下部には、軸受け基台59に当接するように軸受
け調整板58bが配置され、軸受け調整板58bと軸受
けBの間には、軸受け調整パッド58aが挟入される。
この軸受け調整パッド58aの厚さを調整することによ
り軸受けのBのレベルを調整する。本発明の車軸Sのセ
ンタリング調整支援装置の目的は、具体的にはこの各軸
受け調整パッド58aの厚みをどれだけ調整するかを決
定する数値を演算することを援助することにある。
【0051】なお、この調整パッド58aは 、図19
に示すように車軸Sの軸芯の鉛直下よりθだけ偏角を有
する位置に設けられているため、S13において、調整
パッド58aの調節量を計算して、実際に調整パッド5
8aを調整する量を求めて表示する。この調整パッド5
8aの調整量を計算する手順を、図28に示す。まず、
入力された機器固有値と軸受け1B〜8Bの軸受けレベ
ル調整位相角度を読み出す(ステップ252、以下ステ
ップを単にSと略記する。)。ここでは、各調整パッド
の車軸Sの軸芯からの距離r、車軸Sの軸芯から下した
鉛直線からの偏角θなどを入力する。そして、上下
(V)方向調整設定量を入力する(S254)。なお、
この数値は、装置が自動的に読み込むように構成されて
いる。そして、左右(H)方向調整設定量を入力する
(S256)。この入力も前述のように、自動的に読み
込まれる。これら入力された機器固有値、軸受け1B〜
8Bの軸受けレベル調整位相角度、上下(V)方向調整
設定量、左右(H)方向調整設定量から、三角関数を用
いてV方向調整量の位相角成分とH方向位相各成分の算
出をする(S258)。この計算により、実際に行う調
整パッド58aを調整する量を表示する。
【0052】次に、本装置の処理の手順について、図2
のフローチャートに沿って、その概略を説明する。
【0053】先ず、装置に電源を投入し、機械固有値、
設計値、許容値を入力装置10のテンキー12で入力す
る。そうすると、本来あるべきレベルを示す初期レベル
線図が、前述の各数値から演算されて画面表示される
(S1)。次に、測定データをテンキー12から入力す
ると、今度は測定レベル線図が計算されて表示される
(S2)。入力された、各数値から測定偏差が計算され
(S3)、許容値と比較され(S4)、許容値より測定
偏差が小さければ(S4:NO)、調整の必要が無いの
で、調整度合いが計算され(S10)、これを確認して
軸継ぎ手Dの設定予測値の計算がなされる(S11)。
ここで軸継ぎ手Dの設定予測値が設定目標値内であるか
判断し(S12)、設定目標値内であれば(S12:Y
ES)、調整は終了し、車軸設定予測レベル線図を計算
して表示し(S13)、現在の状態をグラフに示す。そ
して、結果を印刷して(S14)作業を終了する(終
了)。
【0054】もし、測定偏差が許容値より大きければ
(S4:YES)、調整の必要があるので、軸受け調整
量を計算し(S5)軸受け設定量をキー入力する(S
6)。ここで、入力された軸受け設定量を、本発明の特
徴である6パターンの偏差計算式のうちどの計算式を用
いるかを条件判断して決定して(S7)、準備された6
パターンの偏差式の1つを用いて入力された各数値につ
いて計算を施し予測偏差の計算を行い(S8)、許容値
と比較される(S9)。
【0055】ここで、もし予測偏差が許容値より大きけ
れば、軸受け設定量の設定が不適当であったことになる
ので、再度軸受け設定量をキー入力し(S6)、6パタ
ーンの適当な式を用いて(S7)予測偏差を再度計算す
る(S8)。ここで、まだ予測偏差が許容値より大きい
場合は、再度この手順を繰り返す(S9:NO、S6、
S7、S8)。そして、測定偏差が許容値より小さくな
れば調整は成功したものとして、調整度合いの計算を経
て(S10)、軸継ぎ手の設定予測量の計算がなされ、
設定目標値内であることを確認して(S12)、もし、
軸継ぎ手の予測値の計算が設定目標値内ではなかったな
らば(S12:NO)、再度軸受け設定量の入力をやり
直し(S6)、前述の手順を繰り返す(S6からS1
2)。
【0056】そして、軸継ぎ手の予測値が設定目標内に
収まれば(S12:YES)、車軸設定調整作業は終了
で、車軸設定予測レベル線図を計算してグラフ表示し
(S13)、この結果を印刷して、(S14)処理を終
了する(終了)。
【0057】以下の、これらの手順を詳細に説明する。
まず、電源を投入して装置を起動すると、ROM30に
格納された制御プログラム40が立ち上がり、機器固有
値、設計値、許容値のデータ入力が受付可能になるので
これらのデータをテンキー12よりキー入力する(S
1)。なお、これらのデータは外部記憶装置16に蓄積
しておきこれを呼び出す様にしてもよい。こうして入力
されたデータは、RAM20の機器固有値記憶領域2
2、設計値記憶領域23、許容値記憶領域24の各記憶
領域に格納される。
【0058】ここで「機器固有値」とは、機器が持って
いる固有のデータ、例えば、図4に示すような前車軸上
流側長さL2や前車軸スパンL1などの長さについての
データなどで、軸継ぎ手Dの測定値から軸受けBにおけ
るレベルなどを計算したり、または軸受けBの調整値か
ら軸継ぎ手Dにおける予測偏差などを計算するために用
いられる数値である。また、「設計値」とは、設計段階
でこのタービンに求められた装置本来があるべき数値で
ある。そして「許容値」とは、設計レベルに据え付ける
場合に許容されるずれの範囲をいい、1/100mm単
位で表わす。
【0059】上記入力され、RAM20の機器固有値記
憶領域22、設計値記憶領域23、許容値記憶領域24
の各記憶領域に格納されたデータに基づき、レベル線図
演算表示プログラム35により演算処理され、初期レベ
ル線図が表示装置17の画面上に表示される。この時の
画面表示を模式的に表わしたのが図20及び図21であ
る。図20に示すように、上下方向における機器固有値
及び設計値から計算された設計アライメント線171が
示される。また、図21に示すように、同様に左右方向
の設計アライメント線176が図示される。但し、図2
0及び21図は、後述の測定値から計算され表示される
グラフである上下測定値線173及び左右測定値線17
6が表示されているが、この段階ではこれら測定値線
は、表示されていない。
【0060】測定データの入力が終了すると、初期レベ
ルの線図が、入力されたデータからレベル線図演算表示
プログラム35より演算され、表示装置17であるディ
スプレーに表示されるが(S1)、ここで図5は、図2
0及び図23における初期レベル線図を表示するために
レベル線図演算表示プログラム35により実行される手
順を表わすブロック図である。このブロック図に沿っ
て、初期レベル線図の演算及び表示の手順をさらに説明
する。
【0061】図5に示す様に、初期レベル線図の表示準
備のためまず最上流の1B軸受けレベル、各軸継ぎ手設
計値入力が呼び出され、続いて2Bまたは3B軸受けレ
ベル及び機器固有値を入力する(S201)。
【0062】この入力された数値から、各軸受けの支点
の位置を計算し(S202)、この初期レベルを表示装
置17の画面に線図で表示する(S203)。この線図
は、図20、図21に示すように、上下方向であれば、
縦軸に基準点を0として上方向を+、下方向を−として
レベルの差をmm単位で、横軸は最上流の車軸HPの軸
受けB1の支点からの距離をmm単位で表わした座標に
より、各車軸Sの状態を、一目で掌握できるようにした
図である。同様に、左右方向についても左方向を+、右
方向を−としてあるべき車軸Sの状態が一目で分かるよ
うにしたものである。
【0063】次に、測定器により測定された、各軸継ぎ
手4の上下方向左右方向の軸芯の偏芯値、各軸継ぎ手の
上下左右の面間距離からなる測定データのキー入力の準
備がされ、各測定値をキーボードからキー入力する(S
2)。入力された測定データは測定データ記憶領域26
に記憶される。ここで、測定値は、各測定装置から有線
または無線で送信されたデータを入力装置10の測定デ
ータ端末収集装置11に入力し、測定データ端末収集装
置11で処理して入力するようにしてもよい。或いは、
測定データ端末収集装置11により一端データを蓄積
し、必要に応じて入力されるように構成されてもよい。
【0064】ここで、本願の説明における測定値は、タ
ービンの測定に際して、蒸気流の上流側から下流側を
(高圧側から発電機側を)みて左、右を区分し、下流側
の軸継ぎ手を測定して、偏芯の場合は上に凸、左に凸を
+として、反対を−とする。
【0065】面間距離は上開き、左開きを+、下開き、
右開きは−表示する。従って、入力されるデータは、+
−の符号を含む数字情報である。
【0066】ここで、図6は、レベル線図演算表示プロ
グラム35により実行される測定レベル線図の表示に手
順を表わすブロック図である。以下この図6に示すブロ
ック図に沿って詳細に説明をする。
【0067】上記図6に示すように測定データを入力す
ると(S204)、既に入力された初期レベルを参照
し、多軸継手のレベルを計算し、(S205)各軸受け
のレベルを計算する(S206)。次に、軸受けのレベ
ル計算を終了すれば、測定レベル線図を、表示装置17
の画面上にに表示し(S207)、さらにこれを既に表
示された初期レベルの線図と同一の座標で表示する(S
208)。図20及び図21に、この表示された測定レ
ベル線図を示す。図20は、上下レベルを表わすもの
で、既に表示された上下設計アライメント線171に重
ねて、上下測定値線173が同一座標で表示される。同
様に図21に示すように左右のレベル線図が、既に表示
された左右設計アライメント線174に重ねて、左右測
定値線176が同一座標で表示される。
【0068】従って、ユーザは、一目で車軸Sが本来あ
るべき状態から、現在置かれている状態がどうなのかを
視覚的に瞬時に掌握することができる。そればかりか、
どの車軸Sに問題があるかを直観的に判断ができる。さ
らに、複数の車軸Sの状態を総合的に判断して、どこで
偏差を吸収して補正するかの判断を容易にすることがで
きる。これは、マニュアルで計算する場合はもちろんの
こと、完全に自動化されたものでも容易でなく、本発明
の極めて有用な効果となっている。
【0069】次は、測定偏差の計算をする(S3)。測
定偏差とは、相対する車軸Sの軸継ぎ手における軸芯の
設計値からのずれを1/100mmまでの精度で測定さ
れたものである。偏芯量は軸芯からのずれで、測定値、
設計値は直径で表わしているため、測定値/2となる。
面間距離は上側基準で設計値より大きい場合は+、小さ
い場合は−となる。この場合も1/100mmの精度で
測定する。許容範囲にある場合は設計値または、0から
の面間の偏差を表わす。ここで、許容範囲とは、設計レ
ベルに据え付ける場合に許容されるずれの範囲をいう。
この精度も1/100mm単位で測定される。
【0070】図7は、測定偏差演算プログラム33によ
り実行される具体的な手順を示すフローチャートであ
る。以下、図7に示すフローチャートに沿って詳説す
る。先ず初期レベル記憶領域25から軸継ぎ手測定デー
タが読み込まれ(S300)、軸継ぎ手測定データが偏
芯データか否かが判断される(S301)。偏芯データ
であれば(S301:YES)、次は上下の偏芯データ
であるかどうかが判断され(S302)、上下の偏芯デ
ータであれば(S302:YES)、軸継ぎ手のの上端
と下端の設計値の絶対値を比較して、上端の方が大きけ
れば(S303:YES)、上端の設計値から上端の測
定値を減じて2で割る。もし、上端と下端で下端の方が
設計値が大きければ(S303:NO)、下端の設計値
から下端の測定値を減じて2で割り符号を負に変える
(S305)。また、左右の偏芯データだったときは
(S302:NO)、上流側から見て左側の設計値から
左側の測定値を減じたものから、右側の設計値から右側
の測定値を減じたものを引いて2で割る(S306)。
【0071】もし、データが面間データの場合は(S3
01:NO)、それが上下の面間データであれば(S3
07:YES)、上端の面間距離と下端の面間距離を比
べて上端の方が大きければ、即ち上開きであれば(S3
08:YES)、上端の測定値から下端の測定値を引
き、さらに上端の設計値を減ずる(S309)。もし下
開きであれば(S308:NO)、下端の測定値から上
端の測定値を引き、更に下端の設計値を引いた値の符号
を−に変える。
【0072】なお、データが左右の面間距離の場合は
(S307:NO)、左の測定値から右の測定値を減じ
て測定偏差を求める(S313)。
【0073】測定偏差が計算できたら(S3)、測定偏
差が許容値より大きいかどうかを比較して(S4)、測
定偏差が大きい場合には(S4:YES)、軸受け調整
量の計算をする(S5)。
【0074】ここで、図8は軸受け調整量演算プログラ
ム34により実行される軸受け調整量の演算の手順を表
わすフローチャートである。この図8に示すフローチャ
ートに沿って軸受け調整量の演算の手順を詳細に説明す
る。
【0075】軸受け調整量の計算は図8に示すような手
順で行う。まず、偏差が上下方向かどうかを判断し、上
下方向であれば(S501:YES)、高圧車軸は前部
にある制御装置の位置が決められているため、原則的に
は前部軸受け調整量は0とする(S503)。
【0076】つぎに高圧車軸は上記の理由と小さい間隙
から、自ずから調整量に制限があり、測定偏差が制限値
を越えるか、測定面間偏差が制限値を越えるか、または
両方とも越えるかの何れかの場合は(S505:YE
S)、高圧車軸後部軸受けの調整量は、測定面間偏差か
ら制限値を引いた値に軸受け支点間スパンを乗じたもの
を軸継手直径で除してさらに2で除した値を、測定偏差
から制限値を引いた値から引いて計算する(S50
7)。
【0077】一方、測定偏差が制限値以下で、測定面間
偏差が制限値以下の場合は(S505:NO)、高圧車
軸後部軸受けの調整量は、測定面間偏差を軸継手直径で
除して値に軸受け支点間スパンを乗じた値を、測定偏芯
量から引いて計算する(S511)。
【0078】S507、S511で算出されたいずれか
の高圧車軸後部軸受け調整量が決定された後、前車軸調
整による軸継手の偏芯反転量を求める。ここで、前車軸
調整による軸継手の偏芯反転量とは、前車軸後部軸受け
調整量から前部軸受け調整量を引いた値を前車軸の軸受
け支点間スパンL1で除して、前車軸の前部軸受け支点
から軸継ぎ手までの距離を乗じた値である(S50
9)。つぎに前車軸調整による軸継手の面間反転量と
は、前車軸の後部軸受け調整量から前部軸受け調整量を
引いた値を前車軸の軸受け支点間スパンで除して、前車
軸の軸継ぎ手の直径を乗じた値である(S513)。図
27に前車軸調整による軸継手の上下方向の偏芯反転量
を表わす図を示す。
【0079】ここで、前車軸SUの軸受け調整量の計算
について、「調整偏芯量」の値は、軸継手の測定偏芯量
に前車軸調整による偏芯反転量を加えて求める(S51
5)。「面間調整量」の値は、軸継手の測定面間偏差に
前車軸調整による面間反転量を加えて求める(S51
7)。
【0080】「中低圧車軸前部軸受け調整量」の値は、
面間調整量から制限値を引いた値を軸継手直径で除し
て、前部軸受け支点までの距離を乗じたものの符号を反
転して、それに調整偏芯量から制限値を引いたものを加
えた値である(S519)。
【0081】「中低圧車軸後部軸受け調整量」の値は、
後部軸の測定面間偏差から制限値を引いた値を軸継手直
径で除して、さらに2で除して、軸受け支点間距離を乗
じたものの符号を反転して、それに調整偏芯量から前部
軸受け調整量を引いたものを引いた値である(S52
1)。
【0082】それぞれの車軸Sの前後部軸受け調整量の
計算が終わる毎に(S523:NO)、次の軸継手の反
転量の計算へ戻り(S509)、次の計算がなければ
(S523:YES)上下方向の軸受け調整量の計算が
終了する(終了)。
【0083】つぎに左右方向の車軸Sの軸受け調整量の
計算は、上下方向の測定偏差でなければ(S501:N
O)、Aから図26に示すフローチャートのS533に
移行し、左右方向の車軸Sの軸受け調整量の計算をS5
03〜S523と同一式(S533〜S553)により
左右方向の測定偏差と制限値を代入して計算する。左右
方向の軸受け調整量の計算が終了すれば(S553:Y
ES)、既に上下方向の軸受け調整量の計算が終了して
いれば(S555:YES)Bから図8のフローチャー
トに戻り処理を終了する(終了)。もし、軸受け調整量
の計算が終了していなければ(S555:NO)、Cか
ら図8のS503に戻り、上下方向の軸受け調整量を計
算がされ(S503〜S523)、計算が終了すれば
(S523:YES)、左右方向の軸受け調整量の終了
を条件に(S525:YES)処理を終了する(終
了)。
【0084】ここで、そのまま軸受け調整量の計算によ
り算出された数値を、実際に調整する数値となる軸受け
設定量としてキー入力してもよいが(S6)、各車軸S
が有する個別の上下方向及び左右方向の種々の経年変化
等の条件を検討して、使用者が、軸受け設定量を任意に
修正してキー入力する(S6)。この場合、他の装置が
対応できない条件であっても、前述の表示されたレベル
線図(171〜176)などを参考に、種々の状況を考
慮して、実際にタービンを運転する場合に最も適した調
整をすることが可能になる。また、調整値を適宜再修正
することも容易なので、繰り返しトライアンドエラーで
行っても、短時間に容易に出来、最適な調整値を求める
ことができる。
【0085】なお、軸受け設定入力は軸継手の予測偏差
に機器固有値からの概算比率を乗じた値を入力すること
もできる。しかし予測偏差は上流軸継手から下流軸継手
にかけて軸受け設定量をキー入力するごとにカスケード
状に変化する。現状では最も精度のよい値が得られ、予
測偏差を0に近似することができる。この軸受け設定量
を入力すると、6パターンに応じた偏差計算式が選択さ
れ(S7)、予測偏差の計算が開始される(S8)。
【0086】ここで、6パターン(S7)とは、前車軸
SUの前軸受けBUと後軸受けBL、後車軸SLの前軸
受けBUと後軸受けBLの、夫々の軸受け設定量の大き
さで分類した以下に示すパターンをいう。即ち、 (1) 前車軸の前軸受け設定量=後軸受け設定量(平
行移動)かつ後車軸の前軸受け設定量=後軸受け設定量
(平行移動) (2) 前車軸の前軸受け設定量=後軸受け設定量(平
行移動)かつ後車軸の前軸受け設定量(絶対値)> 後
軸受け設定量(絶対値) (3) 前車軸の前軸受け設定量(絶対値)>=後軸受
け設定量(絶対値)かつ後車軸の前軸受け設定量(絶対
値)<=後軸受け設定量(絶対値) (4) 前車軸の前軸受け設定量(絶対値)>=後軸受
け設定量(絶対値)かつ後車軸の前軸受け設定量(絶対
値)>=後軸受け設定量(絶対値) (5) 前車軸の前軸受け設定量(絶対値)< 後軸受
け設定量(絶対値)かつ後車軸の前軸受け設定量(絶対
値)> 後軸受け設定量(絶対値) (6) 前車軸の前軸受け設定量(絶対値)< 後軸受
け設定量(絶対値)かつ後車軸の前軸受け設定量(絶対
値)<=後軸受け設定量(絶対値) の6パターンである。以下、この6パターンについて説
明する。
【0087】従来は、相対する2本の車軸Sをセンタリ
ング調整する場合、2本の車軸Sを支持する4つの軸受
けBのうち、前車軸SUの後軸受けBLと後車軸SLの
前軸受けBUの2つの軸受けBのみの調整で調整量を決
定していた。
【0088】しかし、この2つの軸受けの調整のみで調
整量を決定すると、調整対象の軸継ぎ手Dを挟んで基本
的に相対する2ヵ所の軸受けBのみで偏差を最小にする
ように演算しても、その箇所の調整演算量が過大となる
場合が発生し、構造的に翼車間隙、車軸レベル等の制約
量をクリヤできなくなるおそれがあるような問題が生じ
る場合があった。
【0089】一方、この4つの軸受けBを何ら制限なし
に調整したとすると、自由度が高すぎて解が定まらな
い。そこで、本実施の形態に示すように6のパターンに
分けることにより使用者に分かり易く、且つ広い範囲で
調整が可能になった。以下に詳述する。
【0090】先ず、図25に、この6パターンの説明の
例として、相対する中圧車軸IPと低圧車軸A:LPA
を表わす図を示す。図25で、前述6パターンの偏差式
において、中圧車軸IPが前車軸SUに相当し、低圧車
軸B:LPBが後車軸SLに相当する。また、軸受け3
Bが前車軸SUの前軸受けBUに、軸受け4Bが前車軸
SUの後軸受けBLに、軸受け5Bが後車軸SLの前軸
受けBUに、軸受け6Bが後車軸SLの後軸受けBLに
それぞれ相当する。また、前車軸SUの支点間スパンを
L1、前車軸SUの上流側長さをL2、前車軸SUの下
流側長さをL3、後車軸支点間スパンをL4、後車軸S
Lの上流側長さをL5、後車軸SLの下流側長さをL6
とする。
【0091】また、この図25において、3B、4B,
5B、6Bの軸受け上下設定量をそれぞれ3BV、4B
V、5BV、6BVとし、3B、4B,5B、6Bの軸
受け左右設定量をそれぞれ3Bh、4Bh、5Bh、6
Bhとする。また軸継ぎ手Dの直径をdとし、相対する
軸継ぎ手Dの上下の偏芯量をev、左右の偏芯量をeh
とする。そして、軸継ぎ手Dの上下の面間偏差をXv、
左右の面間偏差をXhとする。
【0092】ここで、図24は、相対する車軸Sの4つ
の軸受けの調整を調整量の大小によって分類した図を示
す。図上黒塗りの三角は、調整を全くしない固定軸受け
か或いは、調整量が比較的少ない軸受けを表わす。一
方、白抜きの三角は、比較的調整量の大きい軸受けであ
る。ここで、便宜上前者を「固定軸受け」、後者を「調
整軸受け」と呼ぶ。また、前車軸SUと低圧側車軸SL
の組み合わせは、本実施の形態のような構成であれば、
高圧車軸HPと中圧車軸IP、中圧車軸IPと低圧車軸
A:LPA、低圧車軸A:LPAと低圧車軸B:LP
B、低圧車軸B:LPBと発電機GENの4通りが考え
られる。このように組み合わせを考えて、各々変位パタ
ーンが、全部で12のパターンに分類できる。さらに、
この12のパターンは、さらに図24に示すように、A
からFまでのパターンに分類される
【0093】即ち、本発明では、上記の制約量を超える
大きな偏差に対して相対する車軸Sの前後4ヵ所の軸受
けで調整することにポイントがある。つまり、相対する
車軸の前後4ヵ所の軸受けで調整すれば、その箇所の大
きい調整量が分散できることを可能にした数式を含めて
6つの数式パターンですべての調整形態に対応できるの
である。以下、このAからFまでの6パターンについて
図25及び図27を参照して具体的に説明する。なお、
ここでは、説明の便宜上図25では、中圧車軸IPを前
車軸SU、低圧車軸A:LPAを後車軸SLとし、4つ
の軸受けは、それぞれ3B・5BをBU、4B・6Bを
BLとして説明している。
【0094】(1)A型(前車軸SUも後車軸SLも軸
受けを平行移動する場合)は、演算式の選択条件が、3
BV=4BV,5BV=6BVであり、軸継手の上下予
測偏差は、次式で求められる。
【0095】 △eV=((5BV−4BV)−ev)×2・・・・・・・・・・・・・・(1)
【0096】この場合は軸継手を挟んだ軸受けの移動量
の差から測定偏差を差引いて2を乗じて得られる値が演
算上で予測される設計値(または設定目標値)との偏差
になる。
【0097】(2)B型(前車軸SUの両軸受けを平行
移動し、後車軸SLの前軸受けBUの設定量(5BV)
が大きい)は、演算式の選択条件が、3BV=4BV,
ABS(5BV)>ABS(6BV)であり、軸継手の
上下予測偏差は、次式で求められる。
【0098】 △eV=((5BV-6BV)×(L4+L5)/L4+6BV-4BV-ev)×2・・・・・・・・・(2)
【0099】後車軸SLの前軸受けBUの修正量から後
軸受けBLの修正量を減じた差を後車軸支点間スパンで
除したものが後車軸SLの軸勾配となり、軸勾配に後軸
受け支点から軸継手までの距離を乗じたものが後車軸S
Lの軸勾配修正による軸継手の修正量である。軸継手の
修正量に後車軸SLの後軸受け支点の修正量を加えると
後車軸SLの軸継手の全修正量となる。後車軸SLの軸
継手の全修正量から前車軸SUの後軸受け支点の修正量
を減じた差が軸継手の偏芯修正量となり、さらに測定偏
差を差引いたものに2を乗じた値が演算上で予測される
設計値(または設定目標値)との偏差になる。
【0100】(3)C型(前車軸SUの後軸受け設定量
が小さく、後車軸SLの前軸受け設定量が小さい場合)
は、演算式の選択条件がABS(3BV)>=ABS
(4BV),ABS(5BV)<=ABS(6BV)で
あり、軸継手の上下予測偏差は、次式で求められる。
【0101】 △eV=((5BV-6BV)×L5/L4+5BV-((4BV-3BV)×L3/L1+4BV)-ev)×2…(3)
【0102】後車軸SLの前軸受けBUの修正量から後
軸受けBLの修正量を減じた差を後車軸支点間スパンで
除したものが後車軸SLの軸勾配となり、軸勾配に前軸
受け支点から軸継手までの距離を乗じたものが後車軸S
Lの軸勾配修正による軸継手の修正量である。軸継手の
修正量に後車軸SLの前軸受け支点の修正量を加えると
後車軸SLの軸継手の全修正量となる。前車軸SUの後
軸受けBLの修正量から前軸受けBUの修正量を減じた
差を前車軸支点間スパンで除したものが前車軸SUの軸
勾配となり、軸勾配に後軸受け支点から軸継手までの距
離を乗じたものが前車軸SUの軸勾配修正による軸継手
の修正量である。軸継手の修正量に前車軸SUの後軸受
け支点の修正量を加えると前車軸SUの軸継手の全修正
量となる。後車軸SLの軸継手の全修正量から前車軸S
Uの軸継手の全修正量を減じた差が軸継手の偏芯修正量
となり、さらに測定偏差を差引いたものに2を乗じた値
が演算上で予測される設計値(または設定目標値)との
偏差になる。
【0103】(4)D型(前軸の後軸受け設定量が小さ
く、後軸の前軸受け設定量が大きい場合)は、演算式の
選択条件が、ABS(3BV)>=ABS(4BV),
ABS(5BV)>=ABS(6BV)で、軸継手の上
下予測偏差は、次式で求められる。
【0104】 △eV=((5BV-6BV)×(L5+L4)/L4+6BV-((4BV-3BV)×L3/L1+4BV)-eV)×2…(4)
【0105】後車軸SLの前軸受けBUの修正量から後
軸受けBLの修正量を減じた差を後車軸支点間スパンで
除したものが後車軸SLの軸勾配となり、軸勾配に後軸
受け支点から軸継手までの距離を乗じたものが後車軸S
Lの軸勾配修正による軸継手の修正量である。軸継手の
修正量に後車軸SLの後軸受け支点の修正量を加えると
後車軸SLの軸継手の全修正量となる。前車軸SUの後
軸受けBLの修正量から前軸受けBUの修正量を減じた
差を前車軸支点間スパンで除したものが前車軸SUの軸
勾配となり、軸勾配に後軸受け支点から軸継手までの距
離を乗じたものが前車軸SUの軸勾配修正による軸継手
の修正量である。軸継手の修正量に前車軸SUの後軸受
け支点の修正量を加えると前車軸SUの軸継手の全修正
量となる。後車軸SLの軸継手の全修正量から前車軸S
Uの軸継手の全修正量を減じた差が軸継手の偏芯修正量
となり、さらに測定偏差を差引いたものに2を乗じた値
が演算上で予測される設計値(または設定目標値)との
偏差になる。
【0106】(5)E型(前軸の後軸受け設定量が大き
く、後軸の前軸受け設定量が大きい場合)は、演算式の
選択条件がABS(3BV)<ABS(4BV),AB
S(5BV)>ABS(6BV)で、軸継手の上下予測
偏差は、次式で求められる。
【0107】 △eV=((5BV-6BV)×(L5+L4)/L4+6BV-((4BV-3BV)×(L3+L1)/L1+3BV)-ev)×2 …(5)
【0108】後車軸SLの前軸受けBUの修正量から後
軸受けBLの修正量を減じた差を後車軸支点間スパンで
除したものが後車軸SLの軸勾配となり、軸勾配に後軸
受け支点から軸継手までの距離を乗じたものが後車軸S
Lの軸勾配修正による軸継手の修正量である。軸継手の
修正量に後車軸SLの後軸受け支点の修正量を加えると
後車軸SLの軸継手の全修正量となる。前車軸SUの後
軸受けBLの修正量から前軸受けBUの修正量を減じた
差を前車軸支点問スパンで除したものが前車軸SUの軸
勾配となり、軸勾配に前軸受け支点から軸継手までの距
離を乗じたものが前車軸SUの軸勾配修正による軸継手
の修正量である。軸継手の修正量に前車軸SUの前軸受
け支点の修正量を加えると前車軸SUの軸継手の全修正
量となる。後車軸SLの軸継手の全修正量から前車軸S
Uの軸継手の全修正量を減じた差が軸継手の偏芯修正量
となり、さらに測定偏差を差引いたものに2を乗じた値
が演算上で予測される設計値(または設定目標値)との
偏差になる。
【0109】(6)F型(前軸の後軸受け設定量が大き
く、後軸の前軸受け設定量が小さい場合)は、演算式の
選択条件が、ABS(3BV)<ABS(4BV),A
BS(5BV)<=ABS(6BV)で、軸継手の上下
予測偏差は、次式で求められる。
【0110】 △eV=((5BV-6BV)×L5/L4+5BV-((4BV-3BV)×(L3+L1)/L1+3BV)-ev)×2…(6)
【0111】後車軸SLの前軸受けBUの修正量から後
軸受けBLの修正量を減じた差を後車軸支点間スパンで
除したものが後車軸SLの軸勾配となり、軸勾配に前軸
受け支点から軸継手までの距離を乗じたものが後車軸S
Lの軸勾配修正による軸継手の修正量である。軸継手の
修正量に後車軸SLの前軸受け支点の修正量を加えると
後車軸SLの軸継手の全修正量となる。前車軸SUの後
軸受けBLの修正量から前軸受けBUの修正量を減じた
差を前車軸支点間スパンで除したものが前車軸SUの軸
勾配となり、軸勾配に前軸受け支点から軸継手までの距
離を乗じたものが前車軸SUの軸勾配修正による軸継手
の修正量である。軸継手の修正量に前車軸SUの前軸受
け支点の修正量を加えると前車軸SUの軸継手の全修正
量となる。後車軸SLの軸継手の全修正量から前車軸S
Uの軸継手の全修正量を減じた差が軸継手の偏芯修正量
となり、さらに測定偏差を差引いたものに2を乗じた値
が演算上で予測される設計値(または設定目標値)との
偏差になる。
【0112】左右方向の予測偏芯偏差式は上記の上下方
向の偏差式中の記号のサフィックスのVをhに入れ換え
れば共通数式となる。
【0113】面間偏差の予測算出式(1パターン)は、
演算式の条件が、測定面間偏差:xv、面間設定量:
(5BV−6BV)×d/L4+(4BV−3BV)×
d/L1で、軸継手の上下予測面間偏差は次式で求めら
れる。
【0114】 △Xv=Xv+((5BV-6BV)×d/L4+(4BV-3BV)×d/L1)…(7)
【0115】後車軸SLの前軸受けBUの修正量から後
軸受けBLの修正量を減じた差を後車軸支点間スパンで
除したものが後車軸SLの軸勾配となり、軸勾配に軸継
手の直径を乗じたものが後車軸SLの軸勾配修正による
軸継手の面間偏差修正量である。
【0116】前車軸SUの後軸受けBLの修正量から前
軸受けBUの修正量を減じた差を前車軸支点間スパンで
除したものが前車軸SUの軸勾配となり、軸勾配に軸継
手の直径を乗じたものが前車軸SUの軸勾配修正による
軸継手の面間修正量であり、後車軸SLの軸継手の面間
修正量に前車軸SUの軸継手の面間修正量を加えた値が
車軸Sの軸受け修正による軸継手の面間偏差修正量であ
る。
【0117】測定面間偏差が大きい場合(上側が大きく
+の場合)、相対する軸受けを下げて面間偏差を小さく
−にして、測定面間偏差と面間偏差修正値を加算すれば
測定面間偏差が相殺されて、面間偏差が修正されること
になり、演算上で予測される設計値(または設定目標
値)との偏差になる。上と逆の場合、面間偏差が小の場
合は当然修正方向は軸受けを上げる。
【0118】左右方向の予測面間偏差式は上記の上下方
向の予測面間偏差式中の記号のサフィックスのVをhに
入れ換えることができるため共通の数式となる。
【0119】ここで、図9は、ステップ7における軸受
け調整量の計算処理を表わすフローチャートである。図
9に従って、入力された軸受け設定量を6パターンの偏
差に分ける手順を説明する。まず、1Bから8Bまでの
各軸受けの軸受け設定量がキー入力されると(S6)、
6パターンの偏差計算式に振り分けられる。以上のパタ
ーンに分けるため、図9に示すようなフローチャートを
用いた。軸受け設定量がキー入力されると、軸受け設定
量がパターン(1)に適合する場合は(S701:YE
S)、(1)の場合の偏差式で予測偏差が算出される(S
703)。パターン(1)に適合しない場合は、S705
に進みパターン(2)に適合するかどうかが判断され、適
合すれば(S705:YES)、(2)の場合の偏差式で
予測偏差が計算され(S707)、適合しない場合は、
S709に進む。以下同様に6つのパターンに適合する
かどうか判断され、各々パターンにあった偏差式で予測
偏差が算出される。すべての場合が適応されるため、S
721では、(1)から(5)の式でなければ、必ず(6)の
パターンに適合するため、判断はされずS723に進
み、(6)の場合の偏差式で予測偏差の算出がなされ
る。
【0120】6パターンの該当する式により予測偏差を
計算し(S8)、予測偏差が、許容値より大きい場合は
(S9:NO)、再度軸受け設定量を入力をする(S
6)。そして、再度予測偏差の計算をし(S7、S
8)、許容値より小さい値となった場合は(S9:YE
S)、調整度合いの計算をする(S10)。ここで、
「調整度合い」とは、算出した偏差が許容値に対してど
の程度まで修正されるのかの度合いを示し、1.0の場
合は許容値の最外側の限界に修正できることを示し、0
の場合は、設計値に修正できることを示す。
【0121】次に、S11における軸継ぎ手の予測値の
計算をする。この「軸継ぎ手の予測値」とは、 軸継手の予測値=設計値+軸継手の予測偏差 により求められる値である。
【0122】このステップ11の処理で求められる値に
は、0°軸継ぎ手偏芯予測値、180°軸継ぎ手偏芯予
測値、90°軸継ぎ手偏芯予測値、270°軸継ぎ手偏
芯予測値及び、0°軸継ぎ手面間予測値、0°軸継ぎ手
面間予測値、180°軸継ぎ手面間予測値、90°軸継
ぎ手面間予測値、270°軸継ぎ手面間予測値がある
が、以下この処理を8つのフローチャートに分けて処理
の手順を説明する。
【0123】ステップ11における0°軸継ぎ手の偏芯
予測値の計算を図10に示すフローチャートに従って説
明する。0°軸継手芯設計値が入力され(S110
1)、180°軸継手の芯設計値が入力され(S110
3)る。なお、通常は、S1において既に入力されてい
る。0°軸継手芯設計値の絶対値と180°軸継手芯設
計値の絶対値を比較してどちらにオフセットがあるかを
調べ(S1105)、0°軸継手の芯設計値の絶対値の
方が大きいか等しい場合は(S1105:YES)、0
°にオフセットがあり、0°軸継手芯設計値と予測偏差
の値の符号をかえたものが等しければ(S1107:Y
ES)、0°偏芯予測値は0となる(S1109)。0
°に設計オフセットがあって軸芯が0であれば−予測偏
差は0°軸継手の芯設計値に等しくなる。0°軸継手芯
設計値と−予測偏差が等しくなければ(S1107:N
O)、0°偏芯予測値は0°軸継手芯設計値に予測偏差
を加算したものになる(S1111)。そこで0°偏芯
予測値表示を表示して(S1113)、処理を終了す
る。
【0124】次に、ステップ11における180°軸継
ぎ手の予測値の計算を図11に示すフローチャートに従
って説明する。まず、0°に絶対値で偏芯予測値がある
かどうかを調べ(S1115)、偏芯予測値があれば
(S1115:YES)、180°偏芯予測値は0とな
る(S1117)ので、180°偏芯予測値表示をして
(S1123)、処理を終了する。0°に絶対値で偏芯
予測値がなければ(S1115:NO)、180°設計
値が−予測偏差に等しければ(S1119:YES)、
180°設計値が−予測偏差に等しくなければ(S11
19:NO)、S1121で180°偏芯予測値は18
0°設計値から予測偏差を引いたものとなります(S1
121)。S1123で180°偏芯予測値が表示され
ます。
【0125】ステップ11における90°軸継ぎ手の予
測値の計算を図12に示すフローチャートに従って説明
する。0°偏芯予測値が0でない場合は(S1125:
YES)、0°偏芯予測値に左右予測偏差を加えて2で
除した値とし(S1127)、0°偏芯予測値が0の場
合は(S1125:NO)、180°偏芯予測値に左右
予測偏差を加えて2で除した値とし(S1129)、S
1127又はS1129で求められた値を90°偏芯予
測値として表示する(S1131)。
【0126】ステップ11における270°軸継ぎ手の
偏芯予測値の計算を図13に示すフローチャートに従っ
て説明する。270°芯偏芯設計値を入力し(S113
3)、0°偏芯予測値が0ではない場合は(S113
5:YES)、0°偏芯予測値から90°偏芯予測値を
引いた値とし(S1137)、270°偏芯予測値とし
て表示し(S1141)、処理を終了する(終了)。ま
た、0°偏芯予測値が0の場合は、180°偏芯予測値
から90°偏芯予測値を引いた値とし(S1139)2
70°偏芯予測値として表示して(S1141)、処理
を終了する(終了)。
【0127】ステップ11における0°軸継ぎ手の面間
予測値の計算を図14に示すフローチャートに従って説
明する。S1で0°と180°の面間設計値が入力され
ている(S1143)。そして、絶対値の0°面間設計
値と絶対値の180°面間設計値を比較して(S114
5)、0°面間設計値が大きいか、等しければ(S11
45:YES)、絶対値の0°面間測定値と絶対値の1
80°面間測定値を比較して(S1149)、0°面間
測定が大きいか、等しければ(S1149:YES)、
絶対値の0°面間設計値に上下面問予測偏差を加えた
(S1151)値を、0°面間予測値と表示する(S1
159)。絶対値の180°面間測定値が大きいならば
(S1149:NO)、180°面間測定値から計算し
た上下面間予測偏差(−符号になっている)を0°面間
予測値として(S1155)、0°面間予測値を表示す
る(S1159)。絶対値の180°面間設計値が大き
いならば(S1145:NO)、絶対値の0°面間測定
値が絶対値の180°面間測定値より大きいか、等しけ
れば(S1147:YES)、0°面間設計値に上下面
問予測偏差を加え(S1153)、0°面間予測値と表
示する(S1159)。なお、この場合は0°設計値は
0である。絶対値の180°面間測定値が大きいならば
(S1147:NO)、0°面間予測値は0として(S
1157)、0°面間予測値を表示する(S115
9)。
【0128】ステップ11における180°軸継ぎ手の
面間予測値の計算を図15に示すフローチャートに従っ
て説明する。S1で180°面間設計値が入力されてい
るので(S1161)、0°面間予測値が0でなければ
(S1163:YES)、180°面間予測値を0とし
て(S1167)、180°面間予測値を表示する(S
1181)。0°面間予測値が0であったら(S116
3:NO)、180°設計値が0°設計値より大きいか
等しい場合で(S1165:YES)、180°測定値
の絶対値が、0°測定値より大きければ(S1171:
YES)、180°設計値から上下面間予測偏差を引い
た値を(S1175)、180°面間予測値をして表示
する(S1181)。S1171で、180°測定値が
0°測定値より小さい場合は(S1171:NO)、上
下面間予測偏差の符号を変えたものを(S1173)、
180°面間予測値として表示する(S1181)。S
1165において、180°設計値の絶対値が0°設計
値より小さい場合で(S1165:NO)、180°測
定値の絶対値が0°測定値よりの絶対値より大きいか等
しい場合(S1169:YES)、180°設計値から
上下面間予測偏差を引いた値を(S1179)、180
°面間予測値として表示する(S1181)。また18
0°測定値の絶対値が0°測定値の絶対値より小さい場
合は(S1169:NO)、180°面間予測値を0と
して(S1177)、180°面間予測値の表示をする
(S1181)。これらの表示が終了すれば、本処理は
終了する(終了)。
【0129】ステップ11における90°軸継ぎ手の面
間予測値の計算を図16に示すフローチャートに従って
説明する。S1で90°面間設計値が入力されているの
で(S1183)、0°面間予測値が0でない場合は
(S1185:YES)0°面間予測値に左右面間予測
値を加え、2で除した値を(S1187)、90°面間
予測値として表示して(S1191)処理を終了する
(終了)。S1185において、0°面間予測値が0の
場合、180°面間予測値に左右面間予測偏差を加え、
2で除した値を(S1189)、90°面間予測値とし
て表示して(S1191)、処理を終了する。
【0130】ステップ11における90°軸継ぎ手の面
間予測値の計算を図17に示すフローチャートに従って
説明する。S1において、270°面間設計値が入力さ
れているので(S1193)、0°面間予測値の絶対値
が180°面間予測値より大きければ(S1195:Y
ES)、0°面間予測値から90°面間予測値を引いた
ものが(S1197)、270°面間予測値として表示
され(S1201)、処理が終了する(終了)。S11
95において、0°面間予測値が180°面間予測値よ
り大きくない場合は(S1195:NO)、180°面
間予測値より90°面間予測値を引いた値が(S119
9)、270°面間予測値として表示され(S120
1)、処理が終了する(終了)。
【0131】以上詳説したような手順で、軸継ぎ手予測
値演算プログラム37によりステップ11における軸継
ぎ手の予測値の計算の処理が実行され、ここで求められ
た設定予測値が、設定目標値内であるか否かが判断され
る(S12)。ここで設定目標値とは、軸継ぎ手をセッ
トするときの設計値に許容範囲内に設けた修正したい目
標レベルのことをいう。ここでもし設定予測値が設定目
標値内でない場合は(S12:NO)、軸受け設定量の
設定が不適当であったとして、再度S6において、S5
で算出された軸受け調整量を参照して新たな軸受け設定
量をキー入力し(S6)、S7からS12のステップを
繰り返す。そして、S12において、設定予測値が設定
目標内に収まったら(S12:YES)、軸受け設定量
が適当であり、調整に成功したとして、車軸設定予測レ
ベル線図の計算・表示がされる(S13)。
【0132】ステップ13における車軸調整予測レベル
線図、計算表示の手順を、予測レベル線図を図18に表
示する処理を表わすフローチャートの手順に従って説明
する。ここで、軸受け設定量とは、実際に軸受けの修正
量としてキー入力する調整量をいうものとする。まず、
軸受け設定量をキー入力する(S1301)。なお、軸
受け設定量は既に前述のS6において設定され入力され
ているので、キー入力しなくても、この値を自動的に読
み込むような構成でももちろんよい。軸継ぎ手設定予測
値の入力をする(S1303)。この軸継ぎ手設定予測
値も前述のS11において既に算出されているので、こ
の数値を自動的に読み込むような構成でももちろんかま
わない。そして、測定レベルに軸受け設定量を加えて、
調整後の軸受け支点レベルを予測する(S1305)。
ここで、軸継ぎ手レベルが0の場合(S1307:YE
S)、予測レベル線図は、軸継ぎ手設定予測値から算出
し、軸継ぎ手レベルが、0ではない場合は(S130
7:NO)、軸受け設定量から予測レベルを算出する
(S1311)。このように算出した数値から、これを
S1及びS2で用いた座標軸を用いて、線図によるグラ
フを表示し(S1313)、さらにこの結果に加え、先
の初期レベル線図(S1)及び測定レベル線図(S2)
の結果を合わせて比較できるように3モードの線図を併
記して表示する(S1315)。その後設定予測レベル
状態を明示する(S1317)。
【0133】車軸設定予測レベル線図が計算されて、表
示装置に表示されたら、必要に応じて印刷を行い(S1
4)、この結果により、軸受けの調整を行う。
【0134】なお、実際の調整は、図19に示す軸受け
調整パッド58aの厚さを変えることで軸受けの位置を
変えるのであるが、現実の調整にはそれ自体誤差が含ま
れるので、調整後に再度測定をして、その数値をキー入
力その他の方法で入力する(S2)。この場合は、他の
数値は入力済みで変更がないため、ステップ1の手順
は、確認のみで入力は不要であるので、省略可能であ
る。そして、測定偏差の計算を経て(S3)、許容値と
の比較がされて、測定偏差が許容値より小さければ(、
作業が終了する。また、何らかの原因により許容値より
測定偏差が大きくなってしまった場合は、再度、ステッ
プ5からの手順を繰り返し行うことになる。
【0135】本実施の形態において、制御プログラム4
0によりCPU14が本発明の入力の手順を実行し、こ
のCPU14が、入力装置10とともに本発明の入力手
段に相当する。
【0136】また、本実施の形態において、制御プログ
ラム40によりCPU14が本発明の入力データ記憶の
手順を実行し、このCPU14が、RAM20とともに
本発明の入力データ記憶手段に相当する。
【0137】軸受け演算プログラム33によりCPU1
4が本発明の調整量演算の手順を実行し、このCPU1
4が、本発明の調整量演算手段に相当する。
【0138】制御プログラム40によりCPU14が本
発明の調整量記憶の手順を実行し、このCPU14が、
RAM20とともに本発明の調整量記憶手段に相当す
る。
【0139】制御プログラム40によりCPU14が本
発明の表示の手順を実行し、このCPU14が、表示装
置17とともに本発明の表示手段に相当する。
【0140】レベル線図演算表示プログラム35により
CPU14が本発明のグラフ表示の手順を実行し、この
CPU14が、表示装置17とともに本発明のグラフ表
示手段に相当する。
【0141】軸継ぎ手予測偏差演算プログラム37によ
りCPU14が本発明の処理数式パターン化の手順を実
行し、このCPU14が、本発明の処理数式パターン化
手段に相当する。
【0142】以上、一の実施の形態に基づき本発明を説
明したが、本発明は上述した実施形態に何ら限定される
ものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の
改良変更が可能であることは容易に推察できるものであ
る。例えば、蒸気タービンの他、ガスタービンの多軸ユ
ニット等の他の方式のものにも適用ができる。
【0143】
【発明の効果】上記説明から明らかなように、請求項1
に記載の発電用蒸気タービンロータの車軸Sのセンタリ
ング調整のための調整支援装置では、各車軸Sのあるべ
き状態と、実際の車軸Sの状態と、軸受けの調整後の予
測される車軸Sの状態とを表示手段により、線図による
グラフでアライメント線図として表示されるため、夫々
の車軸Sについての比較が極めて容易に掌握でき、調整
の方向が直観的に判定できるため、設計値・測定値・調
整値の3つの状態を比較して、極めて容易に最終的な調
整値を決定できるという効果がある。
【0144】また、ユーザの望む条件で調整ができなか
った場合でも、繰り返し入力する数値を変えながら、次
善の調整が可能になるという効果がある。従って、従来
のように一度調整が困難になると、もうそれ以後調整計
算が不能に陥るようなことはない。
【0145】請求項2に記載の支援装置のためのプログ
ラムを記録した記録媒体では、専用機を用いなくても汎
用コンピュータに、各車軸Sのあるべき状態と、実際の
車軸Sの状態と、軸受けの調整後の予測される車軸Sの
状態とを表示手段により、線図によるグラフでアライメ
ント線図が表示する手順を実行させることができるた
め、夫々の車軸Sについての比較が極めて容易に掌握で
き、調整の方向が直観的に判定でき、設計値・測定値・
調整値の3つの状態を比較して、極めて容易に最終的な
調整値を決定できるという効果がある。
【0146】また、ユーザの望む条件で調整ができなか
った場合でも、繰り返し入力する数値を変えながら、次
善の調整が可能になるという効果もある。従って、従来
のように一度調整が困難になると、もうそれ以後調整計
算不能に陥るようなことはない。
【0147】また、請求項3に記載の支援装置では、請
求項1に記載の支援装置の効果に加え、調整の対象とな
る前記軸継ぎ手で連結された相対する二つの車軸Sにつ
いての、それぞれの2ヵ所の軸受けの合計4つの軸受け
の調整値の設定量の大きさをそれぞれ比較して調整をす
るため、軸継ぎ手を挟んで隣接する2ヵ所の軸受けのみ
で調整するのに比較して調整量が分散され、1ヵ所また
は2ヵ所に調整量が集中すようなことがないため調整計
算が不能になるようなことがないという効果がある。更
に、4ヵ所の調整であると手順が複雑になり、ユーザに
とっても操作が分かり難くなるが、本支援装置では、こ
れを6つのパターンで処理することで、ユーザにも分か
り易いものとすることができるという効果がある。その
上演算精度を高くすることができるという効果がある。
【0148】請求項4に記載の記録媒体では、請求項2
に記載の記録媒体の効果に加え、専用機でなくてもコン
ピュータに、調整の対象となる前記軸継ぎ手で連結され
た相対する2つの車軸Sについての、それぞれの2ヵ所
の軸受けの合計4つの軸受けの調整値の設定量の大きさ
をそれぞれ比較して調整をする手順を実行させるため、
軸継ぎ手を挟んで隣接する2ヵ所の軸受けのみで調整す
るのに比較して調整量が分散され、1ヵ所または2ヵ所
に調整量が集中し調整計算が不能になるようなことがな
いという効果がある。更に、4ヵ所の調整であると手順
が複雑になり、ユーザにとっても操作が分かり難くなる
が、本支援装置では、これを6つのパターンで処理する
ことで、ユーザにも分かり易いものとすることができる
という効果がある。その上精度を高くすることができる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の支援装置の概略を示すブ
ロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の支援装置の処理を示すフ
ローチャートである。
【図3】調整対象である蒸気タービンの車軸Sの全体を
表わす模式図である。
【図4】相対する2軸間の関係を表わす模式図である。
【図5】ステップ2における初期レベル線図を表示する
処理を表わすブロック図である。
【図6】ステップ2における測定偏差を明示する処理を
表わすブロック図である。
【図7】ステップ3における測定偏差の計算処理を表わ
すフローチャートである。
【図8】ステップ5における軸受け調整量の計算処理
を、図26と共に表わすフローチャートである。
【図9】ステップ7における6パターンに分ける処理を
示すフローチャートである。
【図10】ステップ11における0°軸継ぎ手の偏芯予
測値の計算を示すフローチャートである。
【図11】ステップ11における180°軸継ぎ手の偏
芯予測値の計算を示すフローチャートである。
【図12】ステップ11における90°軸継ぎ手の予測
値の計算を示すフローチャートである。
【図13】ステップ11における270°軸継ぎ手の偏
芯予測値の計算を示すフローチャートである。
【図14】ステップ11における0°軸継ぎ手の面間予
測値の計算を示すフローチャートである。
【図15】ステップ11における180°軸継ぎ手の面
間予測値の計算を示すフローチャートである。
【図16】ステップ11における90°軸継ぎ手の面間
予測値の計算を示すフローチャートである。
【図17】ステップ11における270°軸継ぎ手の面
間予測値の計算を示すフローチャートである。
【図18】ステップ13における予測レベル線図を表示
する処理を表わすフローチャートである。
【図19】軸受けBを回転方向からみた模式図である。
【図20】上下方向初期レベル線図である。
【図21】左右方向初期レベル線図である。
【図22】上下方向車軸設定予測レベル線図である。
【図23】左右方向車軸設定予測レベル線図である。
【図24】中圧、低圧a、低圧b、発電機間車軸Sの軸
継ぎ手調整パターンを表わす模式図である。
【図25】図8とともに相対する車軸Sの調整を表わす
ステップ5における軸受け調整量の計算処理を表わすフ
ローチャートである。
【図26】ステップ5における軸受け調整量の計算処理
を、図8と共に表わすフローチャートである。
【図27】前車軸調整による軸継手の上下方向の偏芯反
転量を表わす図である。
【図28】軸受け設定量から調整パッド調整設定量を求
めるフローチャートである。
【符号の説明】
1 支援装置 10 入力装置 11 測定データ端末収集装置 12 テンキー 14 CPU 15 データバス 16 外部記憶装置 17 表示装置 20 RAM 22 機器固有値記憶領域 23 設計値記憶領域 24 許容値記憶領域 25 初期レベル記憶領域 26 測定値記憶領域 30 ROM 31 測定データ通信プログラム 32 測定データ演算プログラム 33 測定偏差演算プログラム 34 軸受け調整量演算プログラム 35 レベル線図演算表示プログラム 36 軸受け設定量演算プログラム 37 軸継ぎ手予測偏差演算プログラム 38 偏差調整度合い演算プログラム 39 軸継ぎ手予測値演算プログラム 40 制御プログラム S 車軸 B 軸受け D 軸継ぎ手
フロントページの続き (72)発明者 藤井 直人 名古屋市熱田区五本松町11番22号 株式会 社中部プラントサービス内 (72)発明者 荒深 良司 名古屋市熱田区五本松町11番22号 株式会 社中部プラントサービス内 (72)発明者 宇城 基仁 名古屋市熱田区五本松町11番22号 株式会 社中部プラントサービス内 Fターム(参考) 3G002 AA08 AA09 AB00 AB06

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 同一直線状に連続して配置された多軸構
    造のタービンロータの車軸と、前記各車軸を連結する軸
    継ぎ手と、前記車軸を回転可能に支持する軸受けとを有
    する発電用蒸気タービンロータの車軸のセンタリング調
    整をするために各軸受け位置の調整量を決定する発電用
    蒸気タービンロータの車軸のセンタリング調整支援装置
    であって、 前記各軸継ぎ手における偏芯距離及び面間距離を測定し
    た測定値と、前記各車軸が設計上あるべき位置を示す設
    計値と、許容される軸継ぎ手の調整の範囲を示す許容値
    と、前記軸受けを実際に調整する調整量とを含む各種デ
    ータを入力する入力手段と、 前記入力手段から入力されたデータを記憶する入力デー
    タ記憶手段と、 前記入力されたデータを演算して前記各軸継ぎ手が前記
    許容値に適合するように前記各車軸の軸受けの調整量を
    決定する調整量演算手段と、 前記演算され決定された調整量を記憶する調整量記憶手
    段と、 前記記憶された入力データ及び演算された調整量等を表
    示する表示手段とを備え、 前記演算手段は、前記入力された各軸継ぎ手ごとの条件
    に基づいて、前記許容値の範囲において前記軸受けの調
    整量を演算して決定し、 前記表示手段は、前記設計値と、前記測定値と、前記調
    整量とのいずれか2以上の値に基づいて前記各車軸の状
    態を線図によるグラフでアライメント線図を表示するグ
    ラフ表示手段を有することを特徴とする発電用蒸気ター
    ビンロータの車軸のセンタリング調整のための調整支援
    装置。
  2. 【請求項2】 同一直線状に連続して配置された多軸構
    造のタービンロータの車軸と、前記各車軸を連結する軸
    継ぎ手と、前記車軸を回転可能に支持する軸受けとを有
    する発電用蒸気タービンロータのセンタリング調整をす
    るために各軸受け位置の調整量を決定する発電用蒸気タ
    ービンロータの車軸のセンタリング調整支援装置のため
    のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記
    録媒体であって、 コンピュータに 各軸継ぎ手における偏芯距離及び面間距離を測定した測
    定値と、前記各車軸が設計上あるべき位置を示す設計値
    と、許容される調整の範囲を示す許容値と、前記軸受け
    を実際に調整する調整量とを含む各種データを入力する
    入力の手順と、 前記入力の手順により入力されたデータを記憶する入力
    データ記憶の手順と、 前記入力されたデータを演算して前記各軸継ぎ手が前記
    許容値に適合するように前記各車軸の軸受けの調整量を
    決定する調整量演算の手順と、 前記演算され決定された調整量を記憶する調整量記憶の
    手順と、 前記記憶された入力データ及び演算された調整量等を表
    示する表示の手順とを実行させるプログラムであって、 前記演算の手順は、前記入力された各軸継ぎ手ごとの条
    件に基づいて、前記許容値の範囲前記軸受けの調整量を
    演算して決定し、 前記表示の手順は、前記設計値と、前記測定値と、前記
    調整量とのいずれか2以上の値に基づいて前記各車軸を
    線図によるグラフで表示するアライメント線図を表示さ
    せるグラフ表示の手順であることを特徴とする発電用蒸
    気タービンロータの多軸のセンタリング調整のための車
    軸の軸受け位置調整支援装置のためのプログラムを記憶
    したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の発電用蒸気タービンロ
    ータの車軸のセンタリング調整のための調整支援装置に
    おいて、 前記演算手段は、前記多軸からなる車軸のうち調整の対
    象となる前記軸継ぎ手で連結された相対する二つの車軸
    についての、それぞれの2ヵ所の軸受けの合計4つの軸
    受けの調整値の設定量の大きさをそれぞれ比較して6の
    パターンに分類し、そのいずれかのパターンに調整値設
    定量が該当するとき、その該当するパターンに定められ
    た所定の数式により演算をする処理数式パターン化手段
    をさらに備えたことを特徴とする発電用蒸気タービンロ
    ータの車軸のセンタリング調整のための調整支援装置。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載の発電用蒸気タービンロ
    ータの多軸のセンタリング調整のための車軸の軸受け位
    置調整支援装置のためのプログラムを記憶したコンピュ
    ータ読み取り可能な記録媒体において、 前記演算の手順は、前記車軸のうち調整の対象となる前
    記軸継ぎ手で連結された相対する2の車軸についての、
    それぞれの2ヵ所の軸受けの合計4つの軸受けの調整値
    設定量の大きさをそれぞれ比較して6のパターンに分類
    し、そのいずれかのパターンに調整値設定量が該当する
    とき、その該当するパターンに定められた所定の数式に
    より演算をする処理数式パターン化の手順をさらに備え
    たことを特徴とする発電用蒸気タービンロータの車軸の
    センタリング調整のための調整支援装置のためのプログ
    ラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
JP10174519A 1998-06-22 1998-06-22 発電用蒸気タービンロータの車軸のセンタリング調整支援装置及び発電用蒸気タービンロータの車軸のセンタリング調整支援装置用プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Withdrawn JP2000008803A (ja)

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