JP2000008261A - マルチフィラメントの開繊シ―ト、同複合開繊シ―ト - Google Patents

マルチフィラメントの開繊シ―ト、同複合開繊シ―ト

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JP2000008261A JP14654799A JP14654799A JP2000008261A JP 2000008261 A JP2000008261 A JP 2000008261A JP 14654799 A JP14654799 A JP 14654799A JP 14654799 A JP14654799 A JP 14654799A JP 2000008261 A JP2000008261 A JP 2000008261A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構成マルチフィラメントが切れることなく連
続して1本1本が真っ直ぐに延びて、しかも互いに平行
で一定密度で必要な幅を成して均一に整然と並んで手羽
立ちなどの障害のない良質の開繊シート、ならびに同種
又は異種のマルチフィラメント糸開繊シートを素材とし
た広幅の開繊シートを提供すること。 【解決手段】 マルチフィラメントに吸引気流を通過さ
せて各々の構成フィラメントを、幅方向に解き分けて平
行的に整列せしめた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複数のフィラメン
トが接合しているマルチフィラメント〔トウ(tow)を含
む〕を展延して製造した開繊シートの改良、さらに詳し
くは、マルチフィラメントをその構成フィラメントが平
行かつ品質劣化のない状態に展延して良質の開繊シー
ト、例えば、長繊維強化複合材料の補強材に必要な樹脂
含浸性、およびフィラメントの整列性に優れる開繊シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、合成樹脂等のマトリックスに強化
材としてカーボン繊維やガラス繊維、あるいはアロマテ
ィック・ポリアミド繊維などを混入、ないしは挟み込ん
だ繊維強化の複合材料が数多く開発され市販されてい
る。
【0003】これらの繊維強化複合材料は、マトリック
スと強化材の選択に応じて、強度、耐熱性、耐食性、電
気特性、および軽量性等の諸点で目的に合致した優れた
性能を得ることができるところから、航空宇宙、陸上輸
送、船舶、建築、土木、工業用部品、スポーツ用品等の
広い分野に利用されており、大きな社会的需要を有して
いる。ちなみに、強化繊維の使用形態としては、必要な
幅に複数本のフィラメントを配列したもの、またはフィ
ラメントを所定寸法にカットしたもの、織物、編物、組
物、不織布などの布状にしたものがあり、これらの強化
繊維をマトリックスによって直接的に複合化するもの、
さらにフィラメントを規則的に配列したシートや織物等
に合成樹脂を含浸させプリプレグ(preimpre- gnation)
と呼ばれる半製品を製造し、これを必要に応じて適当な
枚数を重ね合せ、オートクレーブ等の装置で目的とする
最終製品に完成させるものなどが挙げられる。
【0004】ところで、かゝる繊維強化複合材料の中で
最近注目を浴びているものは、上記カーボンフィラメン
トやアロマティック・ポリアミドフィラメント、セラミ
ックフィラメントなど高機能繊維素材の強化繊維材料と
しての利用である。これらの高機能繊維素材は、通常、
例えば引き揃えられサイジング剤で接合したマルチフィ
ラメントの形態で提供されるのであるが、かゝるマルチ
フィラメントを強化繊維材料として用いる場合には、各
フィラメントとマトリックスとの接触面積を大きくして
接合強度を構造的に強化できることが必要であり、その
ためには、これらのマルチフィラメントを薄くシート状
に展延しておくことが有効である。言い換えると、強化
材料としてのマルチフィラメントを構成する各々のフィ
ラメント1本1本のすべての表面がマトリックスに密着
していて、しかも各フィラメントとマトリックスが強力
に接着していることが極めて重要なのであり、このよう
な構造に接合して始めて当該複合材料は最大の機能を発
揮し得るのである。
【0005】しかし、強化繊維として採択する材料がマ
ルチフィラメントの場合、これを構成する各フィラメン
トの間にマトリックスを一様に均一に浸透させるのは極
めて難しい。そこで、そのような問題の対策として採ら
れている措置は、マルチフィラメントを薄い一定の幅の
シート状に開繊してマトリックスがマルチフィラメント
内部の微小隙間に浸透し易くしようとするものである。
そして、従来のマルチフィラメントの開繊は、給糸体か
らマルチフィラメントを解舒し、これを巻取管に巻き取
ってゆくプロセスで施されており、次のような方法が知
られている。 移動するマルチフィラメントに一定張力を付与しな
がら静電気を作用させて構成フィラメント間に反発力を
生じさせ開繊する静電開繊法。 マルチフィラメントを回転するプレスロールの間に
通して偏平に押し潰し、開繊するプレス開繊法。 マルチフィラメントに水流や空気流を当てゝ、その
噴射力によって開繊するジェット開繊法。 マルチフィラメントに対し、超音波振動を与え構成
フィラメント同士の接合(例えば、サイジング剤による
接合)を綻ばせて開繊する超音波開繊法。
【0006】ところで、マルチフィラメントをシート状
に開繊して強化繊維材料として利用する場合に求められ
る製品としての理想的条件は、フィラメント1本1本が
糸切れの無い状態で真っ直ぐに連続して絡み合わず、か
つ、互いに平行で一定密度を保ち、一定幅に整然と配列
されていることである。
【0007】しかしながら、前述の従来の開繊方法は、
何れもマルチフィラメントに電気的反発力、荷重圧力、
流体の衝撃力、超音波振動力など強力な物理的外力を作
用させて開繊する方式を採っている。それゆえ、開繊効
率を高めようとすると、例えば空気流を使用する場合に
あっては、その流速を高めてマルチフィラメントの繊維
束に強力な空気流を噴射する必要があった。そうする
と、求める必要幅、薄さが得られないばかりか、却っ
て、加えられた強い外力によりフィラメントが切断され
たり、毛羽立ったりする等、繊維そのものが損傷される
弊害が避けられず、特に、カーボンフィラメント糸やセ
ラミック繊維等のごとく折れに弱い繊維は、その損傷が
著しく使用に耐えない状態となった。
【0008】加えてまた、上記従来の開繊法は、外力で
マルチフィラメントを無理遣り開繊することになるか
ら、開繊されたフィラメント同士は複雑に絡み合ってし
まい、目的とする必要な幅やフィラメント同士の平行性
を得難いうえに、静電気による方法などは導電性繊維
(例えば、カーボンフィラメント、金属フィラメント)
には適用できないという難点もあった。
【0009】更にまた、前述の従来方法では異種のマル
チフィラメントを開繊しながら混繊する並行処理も、ま
た同種又は異種のマルチフィラメントを開繊しながら積
み重ねて積層開繊シートにしたり、同種・異種のマルチ
フィラメントを並列状態に開繊して広幅の開繊シートに
したりするといったことも不可能であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、在来の開繊
技術に前述のごとき難点があったことに鑑みて為された
ものであって、マルチフィラメントをその構成フィラメ
ントが切れることなく連続して1本1本が真っ直ぐに伸
びて、しかも互いに平行で一定密度で必要な幅を成して
均一に整然と並んで毛羽立ちなどの障害もない状態に展
延した良質の開繊シートを提供することを技術的課題と
する(以下、「第1課題」という)。
【0011】また、本発明の他の技術的課題は、繊維強
化複合材料の補強材には重要となる樹脂含浸性およびフ
ィラメント真直性などの特性に優れたマルチフィラメン
トの開繊シートを提供するにある(以下、「第2課題」と
いう)。
【0012】さらに、本発明の他の技術的課題は、同種
または異種のマルチフィラメント糸開繊シートを素材と
して製造される広幅の開繊シートを提供するにある(以
下、「第3課題」という)。
【0013】
【課題を解決するために採用した手段】本件発明の「第
1課題」および「第2課題」は、マルチフィラメントの
構成フィラメントを、気流通過によって幅方向に解き分
けて平行的に整列せしめたマルチフィラメントの開繊シ
ートによって解決される。
【0014】また、本発明の「第3課題」は、気流通過
によって幅方向に解き分けて平行的に整列せしめたマル
チフィラメント開繊シートを複数、さらに気流通過によ
って幅方向に解き分けて構成フィラメントを平行整列状
態に広幅に一体化させたマルチフィラメントの複合開繊
シートによって解決される。
【0015】上記の本件発明の構成について注釈を加え
ておくならば、本発明が対象とするマルチフィラメント
は、長い連続した複数のフィラメント(例えば、合成繊
維、カーボン繊維、セラミック繊維、メタル繊維など)
の集合体を云い、束状形態を成せるトウ(tow) も含む。
【0016】また、本発明の開繊シートは、基本的に
は、本願の母体出願である特願平9−538743号「マルチ
フィラメント開繊シートの製造方法」(WO97/41285) の中
で開示しているように、マルチフィラメントを一定のオ
ーバーフィード状態で流送し、こうして流送されるマル
チフィラメントに対して気流を通過させることによって
当該マルチフィラメントを幅方向へ解き分けて開繊シー
トが製造されるのであるが、かゝる処理工程を複数並行
させて、出来てくる開繊シートを合流させ、これらの開
繊シートを面状に並列または上下に複数段積層して撓み
部位を形成しながら流送し、これに更に気流を通過させ
て複合開繊シートを製造することも可能である。そうす
れば、任意種類のマルチフィラメントの開繊シートが合
体した繊維集合体であって、積層ブレンド混繊シート、
任意種類のマルチフィラメントの各開繊シート側縁が合
体した広幅開繊シートや、繊維がブレンドされた広幅開
繊シートを得ることができるのであり、これらの複合開
繊シートを構成するフィラメントは毛羽立ちや切断箇所
もなく無傷で整然と平行に整列した製品となる。
【0017】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕本発明の第1実
施形態である開繊シートは、図1および図2に示すプロ
セスを経て得られる。即ち、図1および図2は、給糸部
1側から巻取部2へマルチフィラメントF(無撚カーボ
ン繊維:7μフィラメントの12,000本束=元幅約6mm、
元厚約 0.1mm)を流送する過程で当該マルチフィラメン
トの構成フィラメントを幅方向へ解き分けることによっ
て得られる開繊シートを示している。本実施形態では、
給糸部1から解舒されて送り出されるマルチフィラメン
トFは、フロントフィーダ3とバックフィーダ3′とに
よって一定のオーバーフィード状態が形成されるように
調速制御を受けながら、両フィーダ3・3′の間に配設
された吸引風洞4に送り込まれる。そして、この吸引風
洞4上を移動する際に当該マルチフィラメントFは吸引
風洞の吸引口41の中へ向けて作用する吸引気流(風速:
50m/sec)に会合することによって口内に引き込まれて
弓なりに撓曲され、そのときの撓み力でマルチフィラメ
ントFは構成フィラメントに軋みが生じてフィラメント
同士の接合が弛む。そして、その状態のマルチフィラメ
ントFに対し交差方向(本実施形態では、上から下へ)
の吸引気流が吹き抜けて通過することになる。すると、
マルチフィラメントFに出会った吸引気流はベルヌーイ
(Bernoulli)の式からも明らかなとおり、マルチフィラ
メントFとの向流面両側を低圧化させ、当該マルチフィ
ラメントには両側方向へ拡開しようとする推力が作用す
ることになる。かくして、前述の撓曲作用によって構成
フィラメント同士の接合が弛み、しかもフィラメント間
に弛みの生じたマルチフィラメントFは、吸引風洞4の
吸引口41を通る際に幅方向に解き分かたれて平均で幅が
約 12mm 、厚さは約0.07mmに薄く拡展された開繊シート
FSになるのである。
【0018】そこで、念のため、第1実施形態の開繊シ
ートを製造する際に使用する装置について説明すると、
次のとおりである。即ち、図1および図2に略示する開
繊シート製造装置における給糸部1および巻取部2は、
従来周知のもの(図示せず)を採用している。
【0019】次に、上記フロントフィーダ3およびバッ
クフィーダ3′は、何れもトップロール31とボトムロー
ル32との間にマルチフィラメントFを挟んで回転送りす
るものであるが、その送り速度はボトムロール32の回転
軸に接続されたサーボモータ33の制御によって調速自在
であり、このサーボモータ33は吸引風洞4に付設した撓
み測定センサーが出力する制御信号に支配されてフィー
ダ3・3′間におけるオーバーフィード量が一定になる
ように流送速度をコントロールされる。ちなみに、本実
施形態においては、フロントフィーダ3を 10 m/min
を標準速度として後述の撓み測定センサーから出力され
る制御信号によって、常時、10cmの送り残りが生ずるよ
うに制御し、バックフィーダ3′の流送速度は 10 m/
min の定速に設定してある。他方また、トップロール31
とボトムロール32との圧接力はトップロール31の回転軸
を昇降調節するエアシリンダ34によって適宜調節可能に
なっている。
【0020】他方、上記吸引風洞4は、上記フロントフ
ィーダ3とバックフィーダ3′との間のマルチフィラメ
ントFが流送される移動行路下側に対面する如く、その
吸引口41がマルチフィラメントFに接するように開口し
ている。この吸引風洞4は、これに接続されたバキュー
ムポンプ42の駆動によりマルチフィラメントFの流送さ
れる移動行路側に一様な吸引気流を発生せしめる。ちな
みに、マルチフィラメントFに作用させる吸引気流は、
吸引風洞4とバキュームポンプ42との間に開設された気
流調整バルブ43によって適宜調節することができる。そ
して、この吸引風洞4には、マルチフィラメントFの移
動行路を挟むごとく、投受光型のCCDラインセンサー
が撓み測定センサー44として付設してあり、当該吸引風
洞4を通るマルチフィラメントFの撓み量を常時測定
し、測定された値の制御信号を上記フロントフィーダ3
のサーボモータ33に送致して一定の撓み量が維持される
ように回転速度を制御する。また、この吸引風洞4に
は、上流側に入口ガイドロール45、下流側に出口ガイド
ロールが配設してあって、マルチフィラメントFの導入
および導出が滑らかになるように配慮されてある。
【0021】〔第2実施形態〕本発明の第3実施形態で
あるマルチフィラメントの複合開繊シートは、図3〜図
6に示される。この第2実施形態は、上記図3に示した
第1実施形態の開繊シートを製造する際に用いる装置を
上下に3段配置し、各々、第1回の吸引風洞処理をした
後で上下3段に流送されてくる開繊シートを合流積重さ
せて、さらに吸引風洞処理をして複合開繊シートを得よ
うとするものである(図4および図5参照)。
【0022】即ち、第2実施形態の複合開繊シートを製
造する装置は、上段・中段および下段の給糸部1・1・
1から、各々、解舒されて流送されてくるマルチフィラ
メントF1 ・ F2 ・ F3 をして予備解延機構5・5・5
に通過せしめることによってソフトに扱き解ぐし、フィ
ラメント同士の接合が弛まった偏平の予備解延状態とな
って吸引風洞4に至り、其処で撓曲開繊作用と空気力学
的な開繊作用との相乗的開繊作用を受けて、各々が薄く
広幅の複合開繊シートFS1 ・ FS2 ・ FS3 に変形加工され
る。
【0023】そして、このように変形加工された開繊シ
ートFS1 ・ FS2 ・FS3 は、センターフィーダ3′に引き
取られて其処で合流積重され、オーバーフィード状態に
制御調速されて第2段階の吸引風洞4に送られることに
なる。第2段階の吸引風洞4に送られた積重状態の開繊
シート(FS1 ・ FS2 ・FS3 ) は、其処で吸引気流に会合
して風下方向に弓なりに撓曲して、さらに撓曲開繊作用
と空気力学的な開繊作用との相乗的開繊作用を受け、こ
のとき、前記開繊シートFS1 ・ FS2 ・ FS3 の各構成フィ
ラメントは吸引気流によって整列した状態で一体化され
一枚の複合開繊シートに混繊される。
【0024】しかして、この第2実施形態の複合開繊シ
ートは、マルチフィラメントの種類を選択することによ
って、様々の特性を帯有したバラエティーに富んだ製品
展開が可能になる。例えば、上記第2実施形態の装置に
おける上段・中段および下段における各段のマルチフィ
ラメントF1 ・ F2 ・F3 は各々のラインにおける予備
解延機構5・5・5を通り、第1段階の吸引風洞4・4
・4を経由することによって開繊シートFS1 ・ FS2 ・ FS
3 に変形加工されることになるが、この際に、上下各段
の流送ラインを図5および図6に示すように、幅方向へ
少しずらせておくと、重合部分が第2段階の吸引風洞4
において混繊一体化されるので、マルチフィラメントの
種類選択如何んによって性能が複合した特別の開繊シー
トを得ることが可能となる(図3参照)。
【0025】また、第1段階の吸引風洞4・4・4から
送り出される開繊シートFS1 ・ FS2・ FS3 を並行隣接状
態に並列させて第2段階の吸引風洞4に導入させれば、
開繊シートFS1 ・ FS2 ・ FS3 の側縁部分が接合一体化し
た広幅の複合開繊シートを得ることが可能である。この
場合においても、マルチフィラメントの種類を選択的に
組み合わせれば目的に合わせて様々な特性の複合開繊シ
ートが得られる。
【0026】本明細書に第1実施形態および第2実施形
態として具体的に明示する開繊シートは概ね上記のとお
りであるが、本発明は前述の実施形態に限定されるもの
では決してなく、「特許請求の範囲」記載内において種々
の変形実施が可能である。
【0027】本発明は、図4における上下各段の開繊ラ
インの段数を増やすならば開繊シートFS1 ・ FS2 ・ FS3
・・・・FSn を合流積重させて吸引風洞4による開繊処理を
施すことが可能であって、例えば図7に示す如く、所望
種類のマルチフィラメントの開繊シートを多段状に積重
して吸引風洞4にて開繊処理すれば多段構造の複合開繊
シートを得ることができ、また、図8に示す如き、所望
種類のフィラメント層が千鳥状態に合体し、かつ、構成
フィラメントが平行状態に整列した積層ブレンド混繊シ
ートとして構成することも可能であり、さらに図9に示
すごとき、所望種類のマルチフィラメント層の側縁が段
逃げ状に組積み状態に合体し、かつ、構成フィラメント
が平行的に整列した積層ブレンド混繊シートとして構成
することも可能であって、これらの設計変更は何れも本
発明の技術的範囲に属するものである。
【0028】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明の開繊シー
トならびに複合開繊シートは、幅広な形態でも極薄な形
態でも得ることが可能である。また、構成フィラメント
に殆ど無理が掛かっていないので、切れずに連続してお
り、しかも1本1本が真っ直ぐに近い状態に伸びて、互
いに平行かつ一定密度で均一に整然と並んで毛羽立ち等
の障害もなく、品質的に良好である。
【0029】また、本発明によれば、カーボン繊維やセ
ラミック繊維、アロマティック・ポリアミド繊維などか
らなるマルチフィラメントを広幅かつ薄厚に開繊処理で
きるので、繊維強化複合材料の補強材として重要な樹脂
含浸性、およびフィラメント真直性などの優れた開繊シ
ートおよび複合開繊シートを得ることができる。
【0030】更に、本発明にあっては、任意種類のマル
チフィラメントを制約を受けることなく自由に選択して
処理できるので、様々な特性を有するマルチフィラメン
トを選択して開繊処理することによって、従前には得る
ことが困難であった特殊性能のブレンド開繊シートを製
造することも可能である。同種または異種のマルチフィ
ラメントを開繊しながら積み重ねる場合には、積層開繊
シートも得ることができる。
【0031】このように本発明は、マルチフィラメント
の開繊技術を飛躍的に革新するものであって、その産業
上の利用可能性は極めて大きく、また幅広いものである
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態の開繊シートの
製造に用いた開繊装置を概略的に表わした平面図であ
る。
【図2】図2は、本発明の第1実施形態の開繊シートの
製造に用いた開繊装置を概略的に表わした側面図であ
る。
【図3】図3は、本発明の第2実施形態である複合開繊
シートの混繊状態を概念的に示した斜視図説明図であ
る。
【図4】図4は、本発明の第2実施形態である複合開繊
シートを製造する装置を概略的に表わした機構説明図で
ある。
【図5】図5は、図4の装置において多段状に流送され
てくる複数の開繊シートが合流する部分を拡大して示し
た斜視説明図である。
【図6】図6は、合流部位にのバックフィーダを通過す
る寸前の各開繊シートの側縁が重なっている状態を示し
た斜視説明図である。
【図7】図7は、開繊シートが多段状態に合体した複合
開繊シートを表わす斜視図である。
【図8】図8は、複数種の開繊シートが千鳥形状態に合
体した積層ブレンド混繊シートを表わす斜視図である。
【図9】図9は、複数種の開繊シートが段逃げ式に組積
み合体した積層ブレンド混繊シートを表わす斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 給糸部 16 解舒糸位置検出センサー 17 解舒糸張力センサー 2 巻取部 3 フロントフィーダ 3′ バックフィーダ 31 トップロール 32 ボトムロール 33 サーボモータ 34 エアシリンダ 4 吸引風洞 41 吸引口 42 バキュームポンプ 43 気流調整バルブ 44 撓み測定センサー 45 入口ガイドロール 46 出口ガイドロール 5 予備解延機構 F マルチフィラメント FS 開繊シート FS1 ・ FS2 ・ FS3 開繊シート

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マルチフィラメントの構成フィラメント
    が、吸引気流の通過によって幅方向に解き分けられて平
    行的に整列していることを特徴とするマルチフィラメン
    トの開繊シート。
  2. 【請求項2】 複数のマルチフィラメント開繊シートが
    幅方向に合体して組成された繊維集合体であって、構成
    フィラメントが平行整列状態に広幅に一体化している請
    求項1記載のマルチフィラメントの複合開繊シート。
  3. 【請求項3】 隣接開繊シートの構成フィラメントと混
    じり合って広幅状態に一体化している請求項2記載のマ
    ルチフィラメントの複合開繊シート。
  4. 【請求項4】 任意種類のマルチフィラメント開繊シー
    トが複数、隣接開繊シートの構成フィラメントと混じり
    合って合体し、かつ、前記構成フィラメントが平行整列
    状態に広幅に一体化している請求項2〜3の何れか一つ
    に記載のマルチフィラメントの複合開繊シート。
  5. 【請求項5】 任意種類のマルチフィラメント開繊シー
    トが複数、多段状に合体し、かつ、前記構成フィラメン
    トが平行整列状態に広幅に一体化している請求項2〜4
    の何れか一つに記載のマルチフィラメントの複合開繊シ
    ート。
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