JP2000005602A - 水素化処理用触媒およびそれを用いる炭化水素油の水素化処理方法 - Google Patents

水素化処理用触媒およびそれを用いる炭化水素油の水素化処理方法

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JP2000005602A
JP2000005602A JP18973298A JP18973298A JP2000005602A JP 2000005602 A JP2000005602 A JP 2000005602A JP 18973298 A JP18973298 A JP 18973298A JP 18973298 A JP18973298 A JP 18973298A JP 2000005602 A JP2000005602 A JP 2000005602A
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Masahiko Iijima
昌彦 飯島
Yoshinori Okayasu
良宣 岡安
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Tonen General Sekiyu KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 硫化水素阻害耐性が優れると共に窒素化
合物阻害耐性が改善され、高度の脱硫活性を有する水素
化処理用触媒およびそれを用いる含硫炭化水素油の水素
化処理方法を提供する。 【解決手段】 ブレンステッド酸量が50μmol/g
以上の担体に周期表第6族金属および同表第8族金属か
らなる群より選択される少なくとも一種の活性金属成分
とリン成分を担持させてなることを特徴とする水素化処
理用触媒および含硫炭化水素を該水素化処理用触媒の存
在下において水素化処理条件下で水素と接触させること
を特徴とする炭化水素油の水素化処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素化処理用触媒
およびそれを用いる炭化水素油の水素化処理方法に関す
るものであり、さらに詳しくは、硫化水素および窒素化
合物に対する阻害耐性に優れた水素化処理用触媒および
それを用いる含硫炭化水素油の水素化処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、炭化水素油の水素化処理用触媒と
しては、シリカ、アルミナ、マグネシア等の耐火性無機
酸化物の担体に周期表第6族金属および同表第8族金属
を水素化活性金属成分として担持したものが使用されて
いる。周期表第6族金属としてはモリブデン、タングス
テンが、また、第8族金属としてはニッケル、コバルト
が用いられ、特にモリブデン−コバルト、モリブデン−
ニッケル、タングステン−コバルト、タングステン−ニ
ッケル、モリブデン−コバルト−ニッケル等の二種また
は二種以上の水素化活性金属成分を組合せたものが実用
に供されている。しかしながら、このような水素化活性
金属成分を用いて硫黄含有量の多い炭化水素油を脱硫す
る場合、反応雰囲気中の硫化水素の濃度が高くなると脱
硫活性が低下するという問題があり、特に、モリブデン
−ニッケル系触媒の活性劣化が指摘されていた。
【0003】さらに、近年、環境保全対策の観点から、
軽質軽油(LGO)、減圧軽油(VGO)等の軽油留分
の硫黄含有量0.05重量%以下への低減化が課題とな
り、一層苛酷な深度脱硫が要求されているが、この課題
を達成するには、軽油留分中に含有する難脱硫性硫黄化
合物の4−メチルジベンゾチオフェン(4−MDB
T)、4,6−ジメチルジベンゾチオフェン(2,4−
DMDBT)等の脱硫反応を多量発生する硫化水素の共
存下において効率よく促進させ得るかどうかが鍵となっ
ている。
【0004】このため、本発明者らは、先きに、水素化
処理用触媒の担体のブレンステッド酸点が水素化活性金
属成分と相互作用を起こすことにより、硫化水素阻害耐
性が改善され、かつ、高脱硫活性が得られることを見い
だし、ブレンステッド酸量50μmol/g以上の担体
に周期表第8族金属から選択される少なくとも一種の活
性成分と同表第6族金属から選択される少なくとも一種
の活性成分を担持させた水素化処理用触媒を提案した
(特願平9−333532号)。しかし、硫化水素阻害
耐性は向上するものの、高脱硫活性の確保にとって、も
う一つの阻害物質である窒素化合物に対する阻害耐性が
十分でないという問題があり、前記水素化処理用触媒の
さらなる高活性化を図るには、窒素化合物阻害耐性を向
上させる必要が明らかになった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の課題
は、高含硫炭化水素油の水素化処理において多量発生す
る硫化水素に対する阻害耐性に優れると共に窒素化合物
に対する阻害耐性が高く高活性な水素化処理用触媒およ
び該水素化処理用触媒を使用する炭化水素油の水素化処
理方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは、
前記課題を解決するために従来の高度脱硫触媒の開発状
況に鑑み、先きに開発したブレンステッド酸量50μm
ol/g以上の担体を用いる水素化処理用触媒について
鋭意検討を加えたところ、リン成分を添加することによ
り活性点構造の変化を経て窒素化合物阻害耐性が向上
し、その結果、さらに高度の脱硫活性が得られることを
見いだし、これらの知見に基いて本発明を完成するに至
った。
【0007】すなわち、本発明の第一は、ブレンステッ
ド酸量が50μmol/g以上の担体に周期表第6族金
属および同表第8族金属からなる群より選択される少な
くとも一種の水素化活性金属成分ならびにリン成分を担
持させてなることを特徴とする水素化処理用触媒に関す
るものである。
【0008】また、本発明の第二は、炭化水素を上記水
素化処理用触媒の存在下において水素化処理条件下で水
素と接触させる炭化水素油の水素化処理方法に関するも
のである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の水素化処理用触媒は、ブレンステッド酸
量(以下、必要に応じ「B酸量」という。)が50μm
ol/g以上の担体に、周期表第6族金属および同表第
8族金属からなる群より選択される少なくとも一種の水
素化活性金属成分(以下、必要に応じ「活性金属成分」
という。)とリン成分を担持して得られるものである。
【0010】本発明の水素化処理用触媒を構成する担体
としては、例えば、アルミナ、シリカ、ボリア、チタニ
ア、ジルコニア、三酸化二鉄、酸化ベリリウム、酸化亜
鉛、トリア、三酸化クロム等、およびこれらを複合化し
たもの、例えば、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニ
ア、シリカ−トリア、シリカ−酸化ベリリウム、シリカ
−ボリア、アルミナ−ジルコニア、アルミナ−チタニ
ア、アルミナ−ボリア、アルミナ−クロミア、チタニア
−ジルコニア等を挙げることができ、また、ゼオライ
ト、カオリン、ハロサイト、ベントナイト、アダバルガ
イト、ボーキサイト、カオリナイト、ナクライト、アノ
ーキサイト等の粘土鉱物、特に層間架橋した粘土鉱物等
を挙げることができる。特に、シリカ−アルミナおよび
シリカ−アルミナと前記の各種担体を選択して併用した
ものが好ましい。
【0011】前記担体は、50μmol/g以上のB酸
量を有することが重要であり、特に80μmol/g以
上のB酸量が有用である。特に、含硫炭化水素油の水素
化脱硫にとっては、50μmol/g〜500μmol
/gのB酸量を有する担体を用いた水素化処理用触媒が
極めて有効である。B酸量が50μmol/gに満たな
いと、硫化水素阻害耐性に劣るので含硫炭化水素油の水
素化処理において、高度の脱硫を行なうには難点が生ず
る。一方、B酸量が2000μmol/gを超えると炭
化水素油の分解反応が増大するので、コーキング生成等
により触媒の劣化が顕著となる。
【0012】なお、ブレンステッド酸は、プロトン供与
体として定義されるものであって、固体表面上でプロト
ンを供与する特定の場所がブレンステッド酸点であり、
このようなブレンステッド酸点において、周辺の反応成
分と電子の授受が行なわれて各種の反応が促進される。
本明細書において、B酸量とは、担体の単位重量当たり
のブレンステッド酸点の数(μmol/g)で表す。
【0013】本発明の水素化処理用触媒に用いられる担
体のB酸量は、担体製造時の各成分溶液の溶媒への滴下
速度および合成溶液のpH変化の制御により、また、加
水分解時の水の滴下速度等を制御することにより、各成
分の析出速度を調整し、上記担体中の各成分の分散性を
制御することにより、B酸量50μmol/g以上に制
御することができる。
【0014】B酸量の測定方法としては種々の方法があ
るが、本明細書においては、次の方法を採用した。 触媒担体0.05gをガラス管に挿入し、真空中で5
00℃で1時間抜気する。 抜気後、200℃に加熱し、2,6−ジメチルピリジ
ン(以下、「2,6−DMPy」という。)を通気して
担体に吸着させる。 吸着後、窒素ガスを200℃で約1時間通気した後、
排出ガス中に2,6−DMPyが含有されていないこと
を確認する。 2,6−DMPyを吸着した担体を、800℃まで5
℃/分で昇温して2,6−DMPyを脱離させ、その脱
離量をガスクロマトグラフ法、質量分析法、伝導度滴定
等により測定し、担体の単位重量当たりの脱離量をB酸
量(μmol/g)とする。
【0015】また、本発明の水素化処理用触媒に用いら
れる担体の比表面積および細孔容積は、特に限定される
ものではないが、難脱硫性硫黄化合物を効果的に除去す
るには、比表面積が200m2 /g以上、細孔容積0.
4ml/g〜1.2ml/gが好ましい。
【0016】本発明の水素化処理用触媒の活性金属成分
は、周期表第6族金属と同表第8族金属からなる群より
選択される少なくとも一種の活性金属成分である。活性
金属成分としては、第6族金属のクロム、モリブデンお
よびタングテン、第8族金属の鉄、コバルト、ニッケ
ル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、
イリジウムおよび白金等を挙げることができ、これらの
活性金属成分は、各々、単独でまたは混合して使用する
ことができる。含硫炭化水素油の水素化脱硫には前記第
6族金属から選択される少なくとも一種と第8族金属か
ら選択される少なくとも一種とを組合せた活性金属成
分、具体的には、モリブデン−コバルト、モリブデン−
ニッケル、またはモリブデン−コバルト−ニッケル等で
あり、担体上で酸化物および/または硫化物として担持
させることが好ましい。
【0017】さらに、これらの活性金属成分に周期表第
7族のマンガン、第12族の亜鉛、第14族の錫、ゲル
マニウム等の金属成分を添加することもできる。
【0018】前記活性金属成分の担持量は、触媒全重量
基準で酸化物として第6族金属については5重量%〜4
0重量%、好ましくは10重量%〜30重量%である。
担持量が5重量%に満たないと活性点が減少することか
ら、含硫炭化水素油の高度脱硫が困難になり、一方、4
0重量%を超えると活性成分の分散性が低下し活性点が
減少するので高度脱硫には支障をきたす。また、前記第
8族金属については、0.05重量%〜20重量%、好
ましくは0.1重量%〜15重量%である。担持量が
0.05重量%に満たないと、硫化水素阻害耐性が劣
り、一方、20重量%を超えても活性成分の分散性が低
下するため、含硫炭化水素油の高度脱硫が達成困難とな
る問題が生ずる。
【0019】本発明の水素化処理用触媒の製造方法は、
特に限定されるものではなく、公知の方法を採用するこ
とができる。例えば、活性金属成分は含浸法を利用する
ことができる。含浸法によれば、先ず、周期表第6族金
属および同表第8族金属の硝酸塩、酢酸塩、ギ酸塩、ア
ンモニウム塩、リン酸塩、酸化物等の化合物を溶媒に溶
解させて得られる含浸用溶液を調製する。この含浸用溶
液に、クエン酸、酒石酸、リンゴ酸、酢酸、シユウ酸等
の有機酸を加え、さらにアンモニア水を加え、pH=9
程度に調整された含浸用溶液を攪拌しながら担体に滴下
して含浸させる。
【0020】溶媒としては、例えば、水、アンモニア
水、アルコール類、エーテル類、ケトン類、芳香族類等
を挙げることができる。好ましい溶媒は、水、アンモニ
ア、水、アセトン、メタノール、n−プロパノール、i
−プロパノール、n−ブタノール、i−ブタノール、ペ
ンタノール、ヘキサノール、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキ
サン等であり、特に水が好ましい。
【0021】含浸用溶液中の活性金属成分の濃度および
含浸用溶液の担体への含浸量は、特に限定されるもので
はないが、含浸操作、乾燥操作等の容易性を考慮して、
焼成後の触媒に対する活性金属成分の担持量が所望の値
となるように適宜選定することができる。
【0022】次いで、前記活性金属成分を含浸させた担
体を、打状成型、押出成型、転動造粒等によって成形し
た後、風乾、熱風乾燥、加熱乾燥、凍結乾燥などの方法
で乾燥し、さらに焼成する。焼成は、温度450〜60
0℃で、3〜5時間行なう。焼成温度が高すぎると、担
持した活性金属成分の酸化物の結晶が析出し、表面積、
細孔容積が低下して触媒としての活性低下を引き起こ
し、一方、焼成温度が低すぎると、担持した活性成分に
含まれるアンモニアや酢酸イオンなどが脱離せず、触媒
表面上の活性点が十分に露出しないために、やはり活性
低下を引き起こすので焼成温度および焼成時間を調整す
ることが重要である。
【0023】本発明の水素化処理用触媒に用いるリン成
分としては、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、リンモリ
ブデン酸、リンタングステン酸、リンタングステン酸ア
ンモニウム等を挙げることができ、担体上に酸化物とし
て担持させることが好ましい。
【0024】リン成分の含有量は、触媒全重量基準でリ
ン量として0.01重量%〜8重量%、好ましくは0.
05重量%〜6重量%である。リン成分含有量が0.0
1重量%に達しないと窒素化合物阻害耐性がほとんど得
られず、従って脱硫活性が向上せず、一方、8重量%を
超えても増量に見合う効果が得られない。
【0025】リン成分の添加方法としては、特に限定さ
れるものではないが、例えば、 リン酸溶液を用いて単独で担体に液相にて含浸させた
後、活性金属成分を担持させる方法、 担体に活性金属成分を担持させた後、リン酸溶液を用
いて液相にて含浸させる方法、 リン成分を活性金属成分と混合し、液相にて共含浸さ
せる方法、 活性金属成分とリン成分とのヘテロポリ酸(リンモリ
ブデン酸等)を用いて担体を含浸させる方法、または 担体製造の段階で担体原料にリン成分を添加し、担体
中に含有させる方法、例えば、シリカ−アルミナ担体を
各アルコキシドから製造する場合、リンのアルコキシド
(トリメチルリン酸等)を使用する方法等を挙げること
ができる。
【0026】前記のような方法を採ることにより、B酸
量50μmol/g以上の担体に、周期表第6族金属お
よび同表第8族金属からなる群より選択された少なくと
も一種の活性金属成分とリン成分を担持させた水素化処
理用触媒が得られる。リン成分の添加により窒素化合物
阻害耐性が向上し、その結果、脱硫活性を改善すること
ができる。この理由は未だ明らかではないがリン成分の
添加により活性点構造が変化し窒素化合物吸着特性が変
化するため窒素化合物阻害耐性に優れた触媒を得ること
ができ、炭化水素油の高度脱硫において高活性を発揮さ
せることができるものと推定される。
【0027】次に、本発明の炭化水素油の水素化処理方
法について説明する。本発明の水素化処理方法は、本発
明の水素化処理用触媒の存在下における水素化処理条件
下での炭化水素油と水素との接触により生ずる反応をす
べて包含するものである。水素化処理条件を原料油の種
類および所望の反応により設定することにより、水素化
脱硫、水素化脱窒素、水素化脱芳香族、異性化、アルキ
ル化等の反応を行なわせることができる。
【0028】本発明の水素化処理方法は、特に、含硫炭
化水素油の水素化脱硫に好適である。含硫炭化水素油と
しては限定するものではなく、いずれの留分のものでも
よいが、特に、効果的に処理できるものとして、常圧蒸
留軽油、減圧蒸留軽油、接触分解軽油、熱分解軽油、重
質分解軽油等を挙げることができる。減圧蒸留軽油は常
圧蒸留残渣油を減圧蒸留して得られる約370℃〜61
0℃の範囲の沸点を有する留分を含有する留出油であ
り、硫黄分、窒素分および金属分を相当量含有するもの
である。例えば、中東原油減圧蒸留軽油を例示すれば、
硫黄分を約2重量%〜4重量%、窒素分を約0.05重
量%〜0.2重量%含有する。また、重質分解軽油は残
渣油の熱分解により得られる沸点約200℃以上の分解
油であり、硫黄分、窒素分を相当量含有する。
【0029】反応条件は、原料油の種類、所望の脱硫
率、脱窒素率に応じて適宜選択することができるが、反
応温度;280℃〜400℃、反応圧力;5kg/cm
2 〜60kg/cm2 、水素ガスの対原料油比;50リ
ットル/リットル〜1000リットル/リットルおよび
液空間速度;1hr-1〜15hr-1の条件を採用するこ
とができる。水素含有ガス中の水素濃度は、60〜10
0%の範囲でよい。
【0030】水素化脱硫反応装置において、本発明の水
素化処理用触媒は、固定床、流動床または移動床のいず
れの形式でも使用することができるが、装置面または操
作上からは固定床を採用することが好ましい。また、原
料油の種類および所望の脱硫率により二基以上の複数基
の反応塔を使用して多段水素化脱硫を行なうこともでき
る。さらに、本発明の水素化処理用触媒は、水素化処理
に供する前に含硫炭化水素油または硫化水素その他の硫
黄化合物を添加した炭化水素油と接触させることにより
予備硫化を行なうことが好ましい。
【0031】本発明は、前記のように水素化処理用触媒
および炭化水素油の水素化処理方法を提供するものであ
るが、好ましい実施の形態として、 ブレンステッド酸量50μmol/g以上のシリカ−
アルミナ担体に周期表第6族金属の少なくとも一種と周
期表第8族金属の少なくとも一種の水素化活性成分なら
びにリン酸化物を担持させてなる水素化処理用触媒、 ブレンステッド酸量50μmol/g〜500μmo
l/gのシリカ−アルミナ担体にモリブデンおよび/ま
たはタングステンを酸化物として5重量%〜40重量%
とニッケルおよび/またはコバルトを酸化物として2重
量%〜20重量%ならびにリン酸化物を0.5重量%〜
5重量%担持してなる水素化処理用触媒、 含硫軽油留分を前記またはの水素化処理用触媒の
存在下において水素と接触させることからなる水素化脱
硫方法を挙げることができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明について実施例および比較例に
よりさらに具体的に説明する。もっとも本発明は実施例
等により限定されるものではない。なお、実施例等にお
いて用いる試料油および触媒の性能評価方法を次に示
す。 試料油I n−ヘキサデカンに、4,6−ジメチルジベンゾチオフ
ェン(4,6−DMDBT)およびキノリンを添加して
調製した。組成を表1に示す。試料油II 精製軽質軽油(LGO−T)(硫黄分を0.3重量%含
有。)に、ジメチルジサルファイド(DMDS)および
キノリンを添加して調製した。DMDSは、炭化水素油
中の硫化水素を生成する物質を模擬するために添加した
ものである。組成を表1に示す。
【0033】触媒性能評価 HDS1 :表2に示す水素化処理条件Aにおける試料
油Iでの4,6−DMDBT脱硫活性 HDS2 :表2に示す水素化処理条件Bにおける試料
油IIでの比較触媒Aの脱硫活性を基準とした相対脱硫活
【0034】製造例1 アルミニウムトリイソプロポキシド(Al(i-OC3H7)9)を8
0.13gと2−メチルペンタン−2,4−ジオール(C
H3・CH(OH)CH2C(CH3)2OH)788mlとを混合し、攪拌し
ながら80℃で5時間反応させた後、テトラエトキシシ
ラン(Si(OC2H5)4)69.3gを添加して、さらに攪拌し
ながら80℃で12時間反応させた。反応後、水22
5.8mlを1ml/分の速度で滴下し、80℃で加水
分解した。反応後、90℃で乾燥し、さらに600℃の
空気気流中で5時間焼成してシリカ含有量50重量%の
シリカ−アルミナ担体を得た。
【0035】次に、リンモリブデン酸(H3(PMo12O40・6H2
O)12.07gと硝酸ニッケル(Ni(NO3)2・6H2O)10.
50gおよびクエン酸5.83gを濃アンモニア水と純
水の混合液61.6gに溶解させる。濃アンモニア水
は、上記の溶質がすべて溶解した状態でpH=9.0に
なるように調整した。この含浸溶液をポアフィリング
(Pore Filling)法により、上記のシリカ−アルミナ担
体に滴下し共含浸させ、110℃で48時間乾燥後、デ
ィスク状に成型し、温度500℃で3時間空気気流中で
焼成して触媒Iとした。触媒Iの組成および性状を表3
に示す。
【0036】製造例2 リンモリブデン酸の代わりにモリブデン酸アンモニウム
((NH4)6Mo7O24・4H2O)13.08g用いたこと以外すべ
て実施例1と同様にしてリン成分を含有しないMoO3
−NiO系触媒を得た。比較触媒Aの組成、性状を表3
に示す。
【0037】実施例1 製造例1により得られた触媒Iを用いて表1に示す試料
油Iおよび試料油IIについて表2に示す各水素化処理条
件下において、各々、水素化処理を行ない、触媒の脱硫
活性(HDS1およびHDS2)を評価した。評価結果
を表3に示す。
【0038】比較例1 製造例2により得られた比較触媒Aを用いて試料油Iお
よび試料油IIについて表2の水素化処理条件で、水素化
処理を行ない、比較触媒Aの脱硫活性(HDS1および
HDS2)を評価した。評価結果を表3に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】以上の実施例および比較例の対比からリン
成分の添加により、窒素化合物阻害耐性が改良された結
果、難脱硫性硫黄化合物に対しても脱硫活性が著しく改
善されたことが分かる。
【0043】
【発明の効果】ブレンステッド酸量が50μmol/g
以上の担体に、周期表第6族金属および同表第8族金属
からなる群より選択される少なくとも一種の活性金属成
分とリン成分を担持させることにより、硫化水素阻害耐
性に加えて窒素化合物阻害耐性が改善され、高度の脱
硫、脱窒素および脱芳香族活性を有する水素化処理用触
媒を提供することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G048 AA01 AC08 4G069 AA03 AA08 BA03B BC57A BC59B BC65A BC68B BD05C BD07A CC02 FB30 4H029 CA00 DA00

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレンステッド酸量が50μmol/
    g以上の担体に周期表第6族金属および同表第8族金属
    からなる群より選択される少なくとも一種の水素化活性
    金属成分ならびにリン成分を担持させてなることを特徴
    とする水素化処理用触媒。
  2. 【請求項2】 前記リン成分がリン量として触媒全重
    量基準で0.01重量%〜8重量%である請求項1に記
    載の水素化処理用触媒。
  3. 【請求項3】 炭化水素油を請求項1または請求項2
    に記載の水素化処理用触媒の存在下において水素化処理
    条件下で水素と接触させることを特徴とする炭化水素油
    の水素化処理方法。
  4. 【請求項4】 前記炭化水素油が軽油留分である請求
    項3に記載の炭化水素油の水素化処理方法。
JP18973298A 1997-11-18 1998-06-19 水素化処理用触媒およびそれを用いる炭化水素油の水素化処理方法 Pending JP2000005602A (ja)

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