JP2000005184A - 経皮的組織層剥離装置 - Google Patents

経皮的組織層剥離装置

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JP2000005184A JP17483798A JP17483798A JP2000005184A JP 2000005184 A JP2000005184 A JP 2000005184A JP 17483798 A JP17483798 A JP 17483798A JP 17483798 A JP17483798 A JP 17483798A JP 2000005184 A JP2000005184 A JP 2000005184A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は皮下の組織層を剥離する際に皮下組織
層の剥離する状況をスコープで目視観察しながら皮下組
織層の剥離を的確に行うことができる経皮的組織層剥離
装置を提供することを目的とする。 【解決手段】本発明は、スコープ3の挿入部7を着脱自
在に装着する管状部材5を有したシース2を設け、上記
管状部材5の先端には透明な硬質部材によって形成され
た剥離部材20と、この剥離部材20に近接して設けら
れた拡縮可能で透明な嚢状部材22とを設け、上記スコ
ープ3により上記剥離部材20及び嚢状部材22を通し
て剥離する部位を目視観察可能なならしめたものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、皮下の組
織層を剥離して血管やヘルニア等の病変部位にアプロー
チするために使用される皮下組織層の経皮的剥離装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】USP第5,496,345号におい
て、皮下の組織層を剥離して血管やヘルニア等の皮下組
織内の病変部位にアプローチするためのトンネルを形成
するトンネル形成装置が提案されている。このトンネル
形成装置は先端に弾頭状の剥離子を設けたシャフトと、
これを装着するシースと、シースの外周に巻き付けたバ
ルーンとを備える。そして、シャフト付きのシースの先
端を皮下の組織層まで経皮的に穿刺し、皮下の組織層に
剥離子を押し込むことにより皮下の組織層を剥離しなが
ら病変部まで押し進め、この後にバルーンを膨脹させて
トンネルを形成するようになっている。
【0003】また、USP第5,468,248号にお
いて知られる皮下組織層の剥離装置はカニューレの先端
にバルーンを設け、このカニューレの先端を経皮的に挿
入し、バルーンを膨脹させることにより皮下の組織層を
剥離し、作業空間領域を形成するようにしたものであ
る。
【0004】さらに、USP第5,653,726号に
はシャフトを皮下の組織層に刺し込み、この後、シャフ
トの先端に設けたバルーンを膨脹させてシャフトを引き
抜くことにより、膨脹させたバルーンにより皮下の組織
層を剥離するようにした方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前述した各従来例の装
置はいずれも皮下組織層の剥離を目的とする。そして、
USP第5,496,345号のものあってはシースに
装着したシャフトの先端にある剥離子を皮下の組織層の
間に押し込み、組織層を剥離する。しかし、組織層を剥
離する際に剥離する組織層の状況を観察することができ
ない。従って、皮下組織層の剥離状況を確認しながら的
確な操作を行って目標方向へ向かって剥離して行くこと
が非常に難しかった。
【0006】USP第5,468,248号においての
剥離装置にあってはカニューレの先端に設けたバルーン
を膨脹させて皮下の組織層を剥離するが、この場合にも
組織層の剥離状況を観察することができない。しかも、
バルーンは剥離しやすい方へ自ら膨脹しようとするため
に必ずしもカニューレの先端の前方へ均等に膨脹すると
は限らないため、目標からずれた方向へ剥離してしまう
虞があった。
【0007】USP第5,653,726号の皮下組織
層の剥離方法にあっても前述したUSP第5,496,
345号のものと同様、最初にシャフトを皮下の組織層
に刺し込む際において皮下組織層が剥離する状況が観察
できないものである。従って剥離操作を行う状況を確認
しながら的確な操作を行って目標方向へ導くことが非常
に難しかった。
【0008】本発明は前記課題に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、皮下の組織層を剥離する
際に皮下組織層の剥離する状況をスコープで観察しなが
ら皮下組織層の剥離を的確に行うことができる経皮的組
織層剥離装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、スコ
ープの挿入部を着脱自在に装着する管状部材を有したシ
ースと、上記管状部材の先端に設けられ、透明な硬質部
材によって形成された剥離部材と、この剥離部材に近接
して設けられ、透明な流体で拡縮可能である透明な嚢状
部材とを具備し、上記スコープにより上記剥離部材及び
嚢状部材を通して剥離部材及び嚢状部材の一方または両
方を通して皮下組織の剥離状況を観察するようにしたも
のである。そして、皮膚の穿刺位置からアプローチ部位
まで距離がある場合またはある距離にわたり処置対象が
ある場合、剥離部材及び嚢状部材の一方または両方を通
して皮下組織の剥離状況を見て確認しながら的確な手技
を行う。
【0010】
【発明の実施の形態】[第1の実施形態]図1乃至図8
に基づいて本発明の第1の実施形態を説明する。 (構成)図1は経皮的に皮下組織層を剥離するスコープ
付きの経皮的組織層剥離装置1の全体を概略的に示す説
明図である。経皮的組織層剥離装置1はシース2と直視
型硬性スコープ(内視鏡)3を備える。シース2は硬質
の管状部材5とこれの手元端に一体に形成された本体6
とを有し、その本体6から管状部材5にわたり硬性スコ
ープ3の挿入部7を差し込んで硬性スコープ3を装着で
きるようになっている。硬性スコープ3をシース2に装
着したとき、挿入部7の先端はシース2の管状部材5の
先端に略一致する。
【0011】硬性スコープ3はその挿入部7における先
端面に、それぞれ略前方に向けた観察窓及び対物レンズ
を含む対物光学系8と照明窓9が設けられている。硬性
スコープ3の手元部本体10には接眼部11及びライト
ガイド口金12が設けられている。硬性スコープ3内に
はリレーレンズやファイバーバンドルなどによって形成
された像伝達手段(図示せず)が設けられており、この
像伝達手段を通じて対物光学系8から伝送された観察像
を接眼部11で観察するようになっている。さらに硬性
スコープ3内にはファイバーバンドルによって形成され
たライトガイド13が設けられている。そして、このラ
イトガイド13を通じてライトガイド口金12に接続さ
れた図示しないライトガイドケーブルを通じて同じく図
示しない照明用光源からの照明光を照明窓9に送り、前
方部位を照明するようになっている。
【0012】シース2の本体6にはこれに嵌着する硬性
スコープ3の手元部本体10の外周に嵌合してその間を
液密または気密にするリング状のシール14が設けられ
ている。硬性スコープ3はシース2に対して軸まわりに
回転自在に装着されている。シース2の本体6には管状
部材5の内部によって形成される流路15に通じるポー
ト16が設けられている。ポート16には透明な加圧流
体を供給する加圧手段17が接続される。加圧手段17
としては図1(a)で示す如くのシリンジ18の他にも
加圧ポンプなどの種々のものが考えられる。また、透明
な流体19としては生理食塩水等の液体または気体等が
考えられる。
【0013】上記シース2の先端部には透明な硬質部材
から砲弾型のキャップ状に形成された剥離部材20が取
り付けられている。剥離部材20によりシース2の管状
部材5の先端開口を覆う。また、剥離部材20は管状部
材5の先端部に被嵌する筒状の部分と管状部材5の先端
から前方に突き出した半球状の先端部を有しており、こ
の境界部位には内外に貫通する小さな連通孔21が複数
個設けられている。連通孔21は上記硬性スコープ3の
視野外に位置する部位に設けられている。
【0014】さらに剥離部材20の外周にはこれを覆う
ように袋状の透明な嚢状部材(バルーン)22が被嵌さ
れている。嚢状部材22はその袋状の開口端周縁部が剥
離部材20の筒状の基端部外周に形成した周回溝23に
嵌め込まれ、かつ接着及び/又は糸巻締めにより液密ま
たは気密に取着されている。嚢状部材22はその取着部
24の部分を除き、フリーな状態にある。上記連通孔2
1はそのフリーな先端側部分の領域に位置する。
【0015】また、嚢状部材22は弾性的に伸展できる
材料によって形成され、通常は図1(a)で示すように
収縮しており、剥離部材20の外周面に比較的強く密着
した状態にある。そして、シース2内の流路15を通じ
て剥離部材20の内側に加圧流体19を供給すると、そ
の加圧流体19が連通孔21を通じて嚢状部材22内に
送り込まれ、嚢状部材22は図1(b)で示す如く前方
へ大きく袋状に膨脹する。
【0016】(作用)上記装置1の使用方法を説明す
る。最初にヘルニア修復術を行う場合の手技について図
2乃至図4を参照して述べる。
【0017】このヘルニア修復術を行う場合にはまず患
者31の臍の腹側近くの皮膚にメス等で切開部32を形
成する。この皮切り部分からトラカール外套管33の先
端部分を皮膚下に差し込む。このトラカール外套管33
にシース2の管状部材5の先端を差し込む。また、硬性
スコープ3はシース2に予め装填しておき、或いはこの
後に装着する。尚、トラカール外套管33は必ず使用し
なくてもよいものである。
【0018】ついで、硬性スコープ3により状況を確認
しながらシース2の先端にある剥離部材20を皮膚下の
組織層である腹直筋と腹膜との間に差し込み、腹直筋と
腹膜とを剥離するように押し込む。剥離部材20及びこ
れを覆う嚢状部材22はいずれも透明であるために嚢状
部材22で密に覆われた剥離部材20の周辺の組織部の
状況が硬性スコープ3により観察できる。従って、皮膚
組織層を剥離及び穿刺する状況を硬性スコープ3により
目で観察し、剥離及び穿刺状況を確認しながら的確な操
作を行って目標方向へ正しく導くことができる。このと
き、嚢状部材22に加圧流体を供給し、嚢状部材22を
膨脹させれば、腹直筋と腹膜の間を剥離して大きめの通
路を形成することができる。
【0019】そしてヘルニアのある病変部34に向けて
シース2の先端の剥離部材20を押し進める。剥離部材
20が病変部34まで達したところで、嚢状部材22に
加圧流体19を供給し、図4で示す如く嚢状部材22を
膨脹させると、腹直筋と腹膜の間が大きめに剥離され、
ヘルニアのある病変部34の直前に大きめの作業空間を
確保する。
【0020】嚢状部材22を膨脹させて腹直筋と腹膜の
間を大きめに剥離する場合にあっても嚢状部材22を膨
脹させる加圧流体19が透明であり、また、剥離部材2
0及び嚢状部材22のいずれもが透明であるため、組織
層を剥離する状況が硬性スコープ3により観察すること
ができる。そして、組織層を剥離する状況を確認しなが
ら剥離作業を進める。以上により剥離装置1により作業
空間としての腹膜外腔を剥離して形成することができ
る。この後、剥離装置1を引き抜き、代わりに手術用処
置器具を導入して病変部34の処置を行う。
【0021】次に、上記剥離装置1を使用して伏在静脈
摘出術を行う場合の手技について図5乃至図7を参照し
て説明する。この伏在静脈摘出術を行う場合にはまず患
者の皮膚にメス等により切開部35を形成し、この皮切
り部分からシース2の先端部を差し込み、(伏在)静脈
36に沿って前進させることによる剥離部材20による
押し込み拡張力と嚢状部材22を膨脹しての拡張力によ
って図7で示すように皮下の結合組織を剥離しながら前
進させることにより静脈36の上に細長い腔37を形成
する。尚、この場合は図7で示すように剥離部材20の
先端部を偏平に形成すると剥離部材20による剥離性が
増す。
【0022】[第2の実施形態]図8に基づいて本発明
の第2の実施形態を説明する。ただし、第1の実施形態
と同一の構成の部分には同一の符号を付し、その詳細な
説明を省略する。
【0023】(構成)第1の実施形態ではシース2内に
よって嚢状部材22に加圧流体を供給する流路15を形
成したが、この第2の実施形態の剥離装置1ではシース
2の管状部材5の壁部内に流路15を形成した。これを
通じてポート16から嚢状部材22内に加圧流体19を
供給するようにした。流路15は嚢状部材22内に位置
するシース2の先端周壁部に開口する口部39により嚢
状部材22内に連通している。シース2の先端開口はキ
ャップ状の剥離部材20によって覆われ、隙間なく完全
に封止されている。
【0024】(作用・効果)ポート16から嚢状部材2
2への加圧流体の給排はシース2の壁部内に形成した流
路15を通じて行う。嚢状部材22への加圧流体の給排
がシース2の内腔を通じて行うものではないので、シー
ス2の本体6と、これに嵌着する硬性スコープ3の手元
部本体10との間を液密または気密にするためのシール
14を設ける必要がない。このため、シール構造の簡略
化が図れ、さらにシース2に対する硬性スコープ3の着
脱のみを考慮して両者の嵌着構造を設計することができ
るので硬性スコープ3を着脱する性能を向上させる。
【0025】[第3の実施形態]図9に基づいて本発明
の第3の実施形態を説明する。ただし、前述した実施形
態と同一の構成の部分には同一の符号を付し、その詳細
な説明を省略する。
【0026】(構成)第1の実施形態での嚢状部材22
は剥離部材20を覆う袋状のものとしたが、この第3の
実施形態の嚢状部材22は剥離部材20の側方へのみ、
いわばドーナツ状に膨脹するようになっている。すなわ
ち嚢状部材22の膨縮部分は剥離部材20の側面の全周
にわたり環状に設けられている。そして、嚢状部材22
は通常、剥離部材20の側周面に比較的強く密着するよ
うに収縮している。そして、シース2内の流路15を通
じて剥離部材20内に加圧流体19を供給すると、その
加圧流体19が連通孔21を通じて嚢状部材22に送り
込まれ、図9で示す如く嚢状部材22をいわばドーナツ
状に膨脹する。
【0027】嚢状部材22の膜部に連なって剥離部材2
0の先端部を覆う延長部分は厚めに形成され、この肉厚
部41は剥離部材20の先端部周面に密着して固定さ
れ、砲弾の先端部形状を形成しており、これも硬質な部
分となって剥離部材20の一部を構成している。尚、剥
離部材20、その延長部分、及び嚢状部材22は前述し
た各実施形態の場合と同様、いずれも透明なものであ
る。
【0028】また、シース2に装着する硬性スコープ3
としては直視型ではなく斜視型のものとなっている。そ
して、シース2に硬性スコープ3を装着したとき、その
挿入部7の先端がシース2における管状部材5の先端に
略一致して配置される。これより前方に位置する剥離部
材20及び斜め前方に位置する嚢状部材22の両方を通
して組織層を剥離する状況が観察できるようになってい
る。
【0029】(作用・効果)この剥離装置1の場合も前
述したと同様に使用できるが、ここでは、嚢状部材22
を側方へ大きく膨脹させて組織層を剥離することができ
るため、斜視型の硬性スコープ3を回転させれば全周に
わたる組織層の剥離状況を観察することができる。ま
た、嚢状部材22の膜部に連なった肉厚部41が剥離部
材20の先端部外周面に密着して固定されているため、
先端側の糸縛りが通常不要である。嚢状部材22は砲弾
型の剥離部材20に支持されているので、嚢状部材22
を小さく膨らませたときでもその腰が強く、嚢状部材2
2の剥離能力を高める。
【0030】[第4の実施形態]図10に基づいて本発
明の第4の実施形態を説明する。ただし、前述した実施
形態と同一の構成の部分には同一の符号を付し、その詳
細な説明を省略する。
【0031】(構成)前述した第3の実施形態でのもの
と同様、嚢状部材22は剥離部材20の側方へのみ、い
わばドーナツ状に膨脹するように構成した。しかし、嚢
状部材22に加圧流体19を供給する流路15がシース
2の管状部材5及び剥離部材20の壁部内にわたり、シ
ース2の管状部材5内から隔離して形成したものであ
る。この隔離した流路15を通じてポート16から嚢状
部材22内に加圧流体19を供給する。
【0032】また、剥離部材20の先端壁部には嚢状部
材22の延長部分がなく、剥離部材20の壁部が直接に
外に露出している。剥離部材20の先端壁部中央部分に
は比較的小さな処置具導出用開口45が形成されてい
る。さらに剥離部材20の内面は開口45に向かって前
方中央に細く絞られたテーパ状に形成されている。この
ため、シース2の管状部材5の内部を通じて導入した処
置具46を開口45にスムーズに導くことができる。
【0033】一方、硬性スコープ3はその挿入部7の先
端が図10中実線で示すように剥離部材20の先端壁部
近傍位置と、図10中一点鎖線で示すように膨脹した剥
離部材20まで視野範囲に入れる後退位置とのいずれか
一方に選択可能な状態でシース2に装着される。尚、シ
ース2に硬性スコープ3を装着する手段は例えば後述す
る第8の実施形態の構成のものと同様な構成を利用する
ことも可能である。
【0034】(作用)剥離装置1の場合にも前述したよ
うに使用できるが、剥離部材20によって剥離する状況
は硬性スコープ3を前進させて剥離部材20を通して明
瞭に観察できる一方、嚢状部材22を膨脹して剥離する
状況は硬性スコープ3を後退させて明瞭に観察できる。
皮膚下の組織層を剥離するときには処置具46を引き抜
いておく。
【0035】また、処置具46を使用する場合には図1
0で示す如く、管状部材5の内部に挿通された硬性スコ
ープ3の横の隙間を通して挿入し、剥離部材20の開口
45から処置具46を突き出す。そして、前進させた硬
性スコープ3によって観察しながら処置を行う。
【0036】[第5の実施形態]図11に基づいて本発
明の第5の実施形態を説明する。ただし、前述した実施
形態と同一の構成の部分には同一の符号を付し、その詳
細な説明を省略する。
【0037】(構成)第3の実施形態または第4の実施
形態でのものと同様、嚢状部材22は剥離部材20の側
方へのみ、いわばドーナツ状に膨脹するように構成する
が、ここでは嚢状部材22を膨脹したときの直径Dと前
後方向の幅Hを調整できる構造としたものである。すな
わち嚢状部材22の前端縁は剥離部材20の筒状部外周
壁面に対して取着固定し、嚢状部材22の後端縁は操作
部材51の先端部外周に取着固定してなるものである。
操作部材51は筒状部材からなり、シース2の管状部材
5に対して前後移動及び回転自在に被嵌した状態に組み
付けられている。操作部材51の手元側端には指当て操
作部52が突出して形成されている。また、操作部材5
1の内面にはシール用リング53が設けられている。そ
して、シール用リング53はシース2の管状部材5の外
周に当接して管状部材5と操作部材51の間を封止し、
嚢状部材22からの加圧流体の漏れを防ぐようになって
いる。
【0038】(作用・効果)図11(a)で示す如く、
嚢状部材22に加圧流体19を送り込み、操作部材51
を前進または後退させれば、それに応じて膨脹させたと
きの嚢状部材22の直径Dと前後方向の幅Hを弛みなく
変更できる。操作部材51を前進させたときには膨脹し
た嚢状部材22の直径Dを増加させることができ、その
幅Hは前端を基準に減少する。逆に操作部材51を後退
させれば、膨脹した嚢状部材22の直径Dが減少し、そ
の幅Hは前端を基準に増加させることができる。特に、
加圧流体19の圧力を下げることなく、つまり剥離作用
が可能な強さで膨脹させた状態での嚢状部材22の外径
を小さくすることができる。
【0039】図11の各図で示す如く剥離部材20及び
膨脹した嚢状部材22の前端部は硬性スコープ3の視野
内にあり、剥離部材20及び嚢状部材22の両方を通し
て組織層を剥離する状況が観察できる。
【0040】図11(b)は嚢状部材22を収縮させた
ときの状態であり、膨脹した嚢状部材22を収縮させる
場合には嚢状部材22内の加圧流体を抜いた後、または
抜きながら操作部材51を後退させることにより収縮さ
せる。また、操作部材51を回転して剥離部材20及び
環状部材5の外周に巻き付けて収縮させるようにしても
よい。嚢状部材22を操作部材51を後退させておくこ
とにより嚢状部材22が剥離部材20及び管状部材5の
外周にわたり張り付き、その外周に密着する。このとき
も剥離部材20及び嚢状部材22の一方または両方を通
して組織層を剥離する状況を観察できる。
【0041】尚、嚢状部材22は弾性的に伸展できる材
料によって形成してもよいが、この実施形態では弾性的
に延びない材料で形成してあっても操作部材51を前後
させることにより膨脹と収縮を確実に行わせることがで
きる。また嚢状部材22を延びない材料で形成する場合
には嚢状部材22を膨脹させたときの硬さが高まり、組
織層の剥離力を高めることができる。
【0042】[第6の実施形態]図12乃至図14に基
づいて本発明の第6の実施形態を説明する。ただし、前
述した実施形態と同一の構成の部分には同一の符号を付
し、その詳細な説明を省略する。
【0043】(構成)第3〜5の実施形態のものと同
様、嚢状部材22は剥離部材20の側方に向かってドー
ナツ状に膨脹するように構成するが、膨脹した嚢状部材
22を収縮させる場合に嚢状部材22を折り畳める構造
としたものである。すなわち嚢状部材22の前端縁は剥
離部材20の外周壁面に対して取着固定し、一方、嚢状
部材22の後端縁は筒状の操作部材55の先端部に取着
固定する。操作部材55はシース2の管状部材5に対し
て被嵌され、回転自在に組み付けられている。操作部材
55の手元側端は管状部材5の手元側に延長され、手元
側端には操作部(図示せず)が設けられている。また、
管状の操作部材55の内面にはシール用リング56を設
ける周回溝57が形成されている。シール用リング56
はシース2の管状部材5の外周に当接して管状部材5と
操作部材55との間を封止し、嚢状部材22からの加圧
流体19の漏れを防ぐようになっている。嚢状部材22
は弾性的に伸展できる材料によって形成してもよいが、
ここでは弾性的に延びない材料で形成してある。
【0044】(作用・効果)嚢状部材22に加圧流体1
9を送り込むことにより、図12で示す如く、嚢状部材
22を膨らませた状態から嚢状部材22を収縮させる場
合には嚢状部材22内の加圧流体19を多少抜きながら
操作部材55を一方向に回転する。すると、膨脹した嚢
状部材22は後端側部分から捩じられ、図13で示す点
線で示す如くの皺ができて巻かれ、加圧流体19の圧力
を下げることなく、剥離作用が可能な強さで膨脹させた
状態でも外径を小さくすることができる。このとき、操
作部材55は回転するのみであるから収縮する嚢状部材
22の前後方向の位置は変わらない。
【0045】また、嚢状部材22内の加圧流体19を完
全に抜き、または抜きながら操作部材55を一方向に大
きく回転すると、図14で示す如く剥離部材20の外周
に小径な状態に収縮して凹部58内に完全に折り畳み込
まれ、小さく収納することができる。嚢状部材22を膨
脹させないときには嚢状部材22が弛んで操作の邪魔に
なり易いが、この実施形態のものによれば、縮んだ嚢状
部材22を凹部58内に収容しておけるので、シース2
の挿入時等において嚢状部材22が操作の邪魔をしな
い。
【0046】[第7の実施形態]図15に基づいて本発
明の第7の実施形態を説明する。ただし、前述した実施
形態と同一の構成の部分には同一の符号を付し、その詳
細な説明を省略する。
【0047】(構成)第3〜6の実施形態のものと同
様、嚢状部材22は剥離部材20の側方に向かってドー
ナツ状に膨脹するように構成するが、膨脹した嚢状部材
22を収縮させる場合に嚢状部材22を折り畳んでこれ
を格納する構造としたものである。
【0048】第5の実施形態の場合と同様、シース2の
管状部材5に筒状の操作部材71を被嵌して組み付け
る。嚢状部材22の前端縁は剥離部材20の外周壁面に
対して取着固定し、嚢状部材22の後端縁は筒状の操作
部材71の先端部外周に取着固定する。そして、操作部
材71を前後へ移動させることにより膨脹したときの嚢
状部材22の直径Dと前後方向の幅Hを調整できる構造
になっている。
【0049】さらに操作部材71の先端部には管状部材
5の外周との間に全周的に形成した隙間により格納室7
5が形成されている。格納室75の前端は開口してお
り、嚢状部材22の後端縁が格納室75の開口端縁の内
側に入り込んだ状態で取着固定されている。操作部材5
1は格納室75の部分が剥離部材20の外周にある連通
孔21のある部分まで前進させることが可能である。
【0050】(作用)嚢状部材22に加圧流体19を送
り込むことにより、図15(a)で示す如く嚢状部材2
2を膨らませる。この膨らませた状態から嚢状部材22
を収縮させる場合には、嚢状部材22内の加圧流体19
を抜いた後または抜きながら、望ましくは嚢状部材22
から加圧流体19を抜きながら操作部材71を、格納室
75の内側開口部分が剥離部材20の外周にある連通孔
21のある部分に位置するまで前進させる。そして、吸
引すると、嚢状部材22は収縮し、図15(b)で示す
如く格納室75内に折り畳まれる。格納室75内に嚢状
部材22を折り畳み収納するため嚢状部材22が露出し
ない。
【0051】嚢状部材22を使用する場合には操作部材
71を後退させ、剥離部材20から格納室75の部分を
退避させる。この状態で嚢状部材22に加圧流体19を
送り込むことにより嚢状部材22が拡張して膨脹する。
【0052】(効果)嚢状部材22を膨脹させないとき
には嚢状部材22が弛んで操作の邪魔になり易いが、こ
の実施形態のものによれば、縮んだ嚢状部材22を格納
室75内に収容しておけるので、シース2の挿入時等に
おいて嚢状部材22が操作の邪魔をしない。
【0053】尚、嚢状部材22は弾性的に伸展できる材
料によって形成してもよいが、この実施形態では弾性的
に延びない材料で形成してあっても格納室75内に折り
畳めることができ、操作部材51を前後させることによ
り膨脹と収縮を確実に行わせることができる。
【0054】[第8の実施形態]図16及び図17に基
づいて本発明の第8の実施形態を説明する。ただし、前
述した実施形態と同一の構成の部分には同一の符号を付
し、その詳細な説明を省略する。
【0055】(構成)第3〜7の実施形態のものと同
様、嚢状部材22は剥離部材20の側方に向かってドー
ナツ状に膨脹するように構成してある。シース2に装填
する硬性スコープ3は斜視型のものである。シース2の
本体6は硬質の管状部材5とこれの手元端に一体に形成
された本体6とからなり、本体6には硬性スコープ3の
位置決め操作機構80が設けられている。
【0056】位置決め操作機構80はシース2の本体6
に装着される中空円板状の回転部材81を有する。図1
7で示す如く、回転部材81には筒状の摺動部83が設
けられている。筒状の摺動部83はシース2の本体6の
背面部に管状部材5と同心的に環状に形成された嵌合溝
82内に嵌め込まれる。摺動部83は複数の部分に分割
され、各部分は嵌合溝82に嵌め込まれる弾性片84と
なっている。各弾性片84の外周面には係止爪85が設
けられている。また、この係止爪85に対応して上記嵌
合溝82内には受け溝86が全周にわたり環状に形成さ
れている。そして、各弾性片84を嵌合溝82に嵌め込
まれたとき、各弾性片84は外側に広がって係止爪85
を受け溝86に係止させるようになっている。そして、
回転部材81はシース2の本体6に保持されたまま、シ
ース2の管状部材5の中心軸を中心として回転できる。
【0057】さらに、回転部材81には一対のアーム8
7が平行に後方へ向けて突設されている。シース2に硬
性スコープ3を装着したとき、その一対のアーム87の
間のすり割り部には硬性スコープ3のライトガイド口金
12が挟み嵌め込まれる。ライトガイド口金12はその
一対のアーム87の間の隙間内を前後に移動可能であ
る。
【0058】硬性スコープ3が最も前進した位置では挿
入部7の先端が透明な剥離部材20の先端付近に位置す
る。また、硬性スコープ3が最も後退した位置では挿入
部7の先端がシース2における管状部材5の先端付近に
位置するようになっている。この前端の位置に対応し
て、一対のアーム87の対向する内面には第1のくぼみ
88が形成され、また、後端の位置に対応して、一対の
アーム87の対向する内面には第2のくぼみ89が形成
されている。そして、最も前進した位置では硬性スコー
プ3のライトガイド口金12が第1のくぼみ88に嵌ま
り込んで係着保持される。また、最も後退した位置では
硬性スコープ3のライトガイド口金12が第2のくぼみ
89に嵌まり込んで係着保持される。
【0059】(作用・効果)硬性スコープ3は、図16
(a)で示す如く最も前進した位置の状態ではライトガ
イド口金12が第1のくぼみ88に保持され、図16
(b)で示す如く最も後退した位置の状態ではライトガ
イド口金12が第2のくぼみ89に保持され、いずれの
位置においても確実に位置決めされる。また、硬性スコ
ープ3を前後に移動する際、ライトガイド口金12が一
対のアーム87の間に挟まれ、案内されるので、硬性ス
コープ3が回転することがない。硬性スコープ3を回転
するときは回転部材81等を操作して回転すればよく、
硬性スコープ3を回転部材81が保持した状態で一体的
に回転するので、安定した回転操作を行うことが可能で
ある。シース2から硬性スコープ3を取り外すときは一
対のアーム87の後方からライトガイド口金12を抜け
ばよく、簡単に外すことができる。
【0060】[第9の実施形態]図18乃至図20に基
づいて本発明の第9の実施形態を説明する。ただし、前
述した実施形態と同一の構成の部分には同一の符号を付
し、その詳細な説明を省略する。
【0061】(構成)この第9の実施形態ではシース2
の管状部材5の先端部における周壁の上下の両部分を切
り欠いて左右にアーム部90を残して上下2つの観察窓
91a,91bを形成した。さらに管状部材5の先端部
の周側面には2つの観察窓91a,91bを覆うように
いわばドーナツ状の透明な嚢状部材22を設けたもので
ある。また、管状部材5の先端には砲弾型の透明な硬質
部材からなる剥離部材20が取り付けられている。シー
ス2内には図18または図19で示す如く直視型または
斜視型の硬性スコープ3を選択して装着することができ
ると共に、硬性スコープ3の前後位置も自由に選択でき
るようになっている。また、硬性スコープ3は360゜
以上に回転自在に、または最大360゜以下の範囲で回
転自在に装着されている。
【0062】(作用・効果)通常、嚢状部材22は図1
8で示すように管状部材5の外径程度以下に収縮してお
り、そして、嚢状部材22を膨脹させる場合には管状部
材5の内部によって形成される流路15に通じて加圧流
体19を先端側に供給することにより嚢状部材22の内
圧を高める。すると、嚢状部材22は図19で示すよう
に側方へ伸展していわばドーナツ状に膨脹する。
【0063】硬性スコープ3によって前方を観察する場
合には図18で示すように直視型の硬性スコープ3を装
着し、前進させた位置で観察する。また、硬性スコープ
3によって側方、特に観察窓91a,91b及び嚢状部
材22を通じて側方を観察する場合には図19で示すよ
うに斜視型の硬性スコープ3を後退させた位置に装着し
て観察する。このときの観察視野の状況は図20で示す
ようになる。もちろんいずれの観察においても直視型ま
たは斜視型の硬性スコープ3を自由に選んで装着し、そ
の前後いずれの位置も選択して観察することも可能なも
のである。従って、操作に応じた適切な観察範囲の視野
が得られる。
【0064】[第10の実施形態]図21及び図22に
基づいて本発明の第10の実施形態を説明する。ただ
し、前述した実施形態と同一の構成の部分には同一の符
号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0065】この第10の実施形態では、スコープ3の
照明光が剥離部材20の内面で反射することを防止する
手段を設けたものである。反射防止手段としては例えば
剥離部材20の内面に反射防止膜を施す。ここでは、前
述した第4の実施形態の剥離部材20において、処置具
導出用開口45のまわりの壁面部が、スコープ3の正面
に位置するので、この開口45のまわりの反射し易い周
壁面部に環状の範囲にわたり反射防止膜を形成する。
【0066】また、他の反射防止手段の例としては図2
2(a)及び(b)に示すように剥離部材20の内面
と、スコープ3の照明窓9の透明窓部材との両者に偏光
子を形成し、両者の偏光子の偏光方向A,Bを交差、望
ましくは直交させるようにしたものである(図22を参
照)。両偏光子の偏光方向を交差した場合、照明窓9か
らの光は剥離部材20の内面で反射しない。反射光がス
コープ3の照明窓9に入射しないため、見やすくなる。
尚、上記反射防止手段は、前述した各実施形態のものに
適宜、適用することができる。
【0067】本発明は前述した実施形態のものに限定さ
れるものではない。また、前述した説明によれば少なく
とも以下に列記する事項及びそれらを任意に組み合わせ
た内容のものが得られる。
【0068】<付記> (第1群) 1.スコープの挿入部を着脱自在に装着する管状部材を
有したシースと、上記管状部材の先端に設けられ、透明
な硬質部材によって形成された剥離部材と、この剥離部
材に近接して設けられ、透明な流体で拡縮可能である透
明な嚢状部材とを具備し、上記スコープにより上記剥離
部材及び嚢状部材の一方または両方を通して皮下組織の
剥離状況を観察することを特徴とする経皮的組織層剥離
装置。 2.第1項のものにおいて、嚢状部材は収縮して剥離部
材の外周に密着した状態でその剥離部材を覆う第1形態
と、膨張して剥離部材の外表面と距離をおいてその剥離
部材を覆う第2形態との少なくとも2つの形態をとるこ
とを特徴とする経皮的組織層剥離装置。 3.第1項のものにおいて、シースは管状部材の手元側
に設けられた本体部あるいは管状部材の手元側近傍に設
けられたポートと、管状部材の全長にわたって伸び上記
ポートと嚢状部材とを連通する流路とを有することを特
徴とする経皮的組織層剥離装置。
【0069】4.第2項のものにおいて、管状部材の内
周とスコープの挿入部との間に流路を形成したことを特
徴とする経皮的組織層剥離装置。 5.第2項のものにおいて、管状部材は全長にわたって
スコープの挿入部を受け入れる第1のチャンネルとほぼ
全長にわたって流路を形成する第2のチャンネルとを区
画して形成したことを特徴とする経皮的組織層剥離装
置。 5.第1項のものにおいて、透明な硬質部材によって形
成された剥離部材は樹脂製であることを特徴とする経皮
的組織層剥離装置。
【0070】(第2群) 1.スコープの挿入部を挿入して上記スコープを着脱自
在に装着する管状部材を有したシースと、上記管状部材
の先端に設けられた砲弾型の透明な硬質部材によって形
成された剥離部材と、上記管状部材に対して前後方向あ
るいは周方向に移動自在な操作部材と、上記剥離部材に
一端が取着され、他端が上記操作部材に取着され、側方
へ拡縮可能な嚢状部材とを具備し、操作部材を前後方向
あるいは周方向に移動させることにより嚢状部材の拡縮
する形状を調節するようにしたことを特徴とする経皮的
組織層剥離装置。 2.第1項のものにおいて、シースは管状部材の手元側
に設けられた本体部あるいは管状部材の手元側近傍に設
けられたポートと、管状部材の全長にわたって伸び、上
記ポートを嚢状部材に連通する流路とを有することを特
徴とする経皮的組織層剥離装置。 3.第2項のものにおいて、管状部材の内周とスコープ
の挿入部との間に流路を形成したことを特徴とする経皮
的組織層剥離装置。 4.第2項のものにおいて、管状部材は全長にわたって
スコープの挿入部を受け入れる第1のチャンネルとほぼ
全長にわたって流路を形成する第2のチャンネルとを有
することを特徴とする経皮的組織層剥離装置。 5.第1項において、透明な硬質部材によって形成され
た剥離部材は樹脂製であることを特徴とする経皮的組織
層剥離装置。
【0071】(第3群) 1.スコープの挿入部を挿入して上記スコープを着脱自
在に装着する管状部材を有したシースと、上記管状部材
の先端に設けられた砲弾型の透明な硬質部材によって形
成された剥離部材と、この剥離部材に近接して設けられ
た拡縮可能な透明な嚢状部材と、上記スコープを前後方
向あるいは周方向に移動して所定位置に固定する位置調
節手段とを具備したことを特徴とする経皮的組織層剥離
装置。 2.第1項のものにおいて、位置調節手段はスコープの
先端を、剥離部材の内部あるいはその剥離部材の手元側
近傍まで前進する第1位置と、上記嚢状部材の内部ある
いは手元側近傍まで後退する第2位置との間で移動さ
せ、その位置に固定することを特徴とする経皮的組織層
剥離装置。 3.第1項のものにおいて、位置調節手段はスコープを
周方向に最大360°回転させることを特徴とする経皮
的組織層剥離装置。 4.第1項のものにおいて、嚢状部材は砲弾型の剥離部
材の手元側に設けられた透明な円筒部材の部分を覆うよ
うに設けられていることを特徴とする経皮的組織層剥離
装置。 5.第1項のものにおいて、嚢状部材は管状部材の先端
近傍に設けられた1つ以上の切り欠いた窓部を覆うよう
に設けられたことを特徴とする経皮的組織層剥離装置。
【0072】6.第1項のものにおいて、シースは管状
部材の手元側に設けられた本体部あるいは管状部材の手
元側近傍に設けられたポートと、管状部材の全長にわた
って伸び、ポートと嚢状部材とを連通する流路とを有す
ることを特徴とする経皮的組織層剥離装置。 7.第6項のものにおいて、管状部材の内周とスコープ
挿入部の間に流路を形成したことを特徴とする経皮的組
織層剥離装置。 8.第6項のものにおいて、管状部材は全長にわたって
スコープ挿入部を受け入れる第1のチャンネルと、ほぼ
全長にわたって流路を形成する第2のチャンネルとを有
することを特徴とする経皮的組織層剥離装置。 9.第1項のものにおいて、剥離部材は透明な樹脂から
なることを特徴とする経皮的組織層剥離装置。 10.第1項のものにおいて、シースの位置調節手段
は、スコープの一部と係合する固定手段と、管状部材に
対して前後方向あるいは周方向に摺動する摺動部とから
なることを特徴とする経皮的組織層剥離装置。 11.第10項のものにおいて、固定手段はシースの長
軸方向に伸び、お互いに向かい合う面を有する一対の弾
性を有する腕部材からなり、それぞれの腕部材の向かい
合う面には、お互いに対をなしスコープのライトガイド
口金を挟み込んで係合する複数の係合部が軸方向に離れ
て設けられていることを特徴とする経皮的組織層剥離装
置。
【0073】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、硬
質部材によって形成された剥離部材と拡縮可能で透明な
嚢状部材とによって皮下の組織層を剥離する際の状況が
スコープによる目視によって観察できるため、皮下組織
層の剥離を的確に行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は第1の実施形態に係る経皮的組織層剥
離装置を縦断して示す説明図であり、(b)はその先端
部の縦断面である。
【図2】上記剥離装置を使用してヘルニア修復術を行う
場合の手技の前段階の説明図である。
【図3】上記剥離装置を使用してヘルニア修復術を行う
場合の皮下組織層の剥離作業の説明図である。
【図4】上記剥離装置を使用してヘルニア修復術を行う
場合の皮下組織層の剥離作業の説明図である。
【図5】上記剥離装置を使用して伏在静脈摘出術を行う
場合の手技の説明図である。
【図6】上記剥離装置を使用して伏在静脈摘出術を行う
場合の手技の説明図である。
【図7】上記剥離装置を使用して伏在静脈摘出術を行う
場合の手技の説明図である。
【図8】(a)は第2の実施形態に係る経皮的組織層剥
離装置を縦断して示す説明図であり、(b)は(a)中
X−X線に沿う横断面図である。
【図9】第3の実施形態に係る経皮的組織層剥離装置の
先端部の縦断面図である。
【図10】第4の実施形態に係る経皮的組織層剥離装置
の先端部の縦断面図である。
【図11】(a)は第5の実施形態に係る経皮的組織層
剥離装置を縦断して示す説明図、(b)は嚢状部材を収
縮したときの先端部の縦断面図である。
【図12】第6の実施形態に係る経皮的組織層剥離装置
の先端部の縦断面図である。
【図13】第6の実施形態に係る経皮的組織層剥離装置
の先端部の正面図である。
【図14】第6の実施形態に係る経皮的組織層剥離装置
の嚢状部材を収縮したときの先端部の縦断面図である。
【図15】(a)は第7の実施形態に係る経皮的組織層
剥離装置を縦断して示す説明図、(b)は嚢状部材を収
縮したときの先端部の縦断面図である。
【図16】(a)は第8の実施形態に係る経皮的組織層
剥離装置の嚢状部材を収縮したときの縦断面図であり、
(b)はその経皮的組織層剥離装置の嚢状部材を膨脹さ
せたときの縦断面図である。
【図17】第8の実施形態に係る経皮的組織層剥離装置
の硬性スコープの位置決め操作機構の回転部材の斜視図
である。
【図18】第9の実施形態に係る経皮的組織層剥離装置
の嚢状部材を収縮させたときの先端部の縦断面図であ
る。
【図19】第9の実施形態に係る経皮的組織層剥離装置
の嚢状部材を膨脹させたときの先端部の縦断面図であ
る。
【図20】第9の実施形態に係る経皮的組織層剥離装置
の観察視野の状況を示す説明図である。
【図21】第10の実施形態に係る経皮的組織層剥離装
置の斜視図である。
【図22】(a)は図21中A方向から見た剥離部材の
内周の背面図であり、(b)は図21中B方向から見た
硬性スコープの先端面の正面図である。
【符号の説明】
1…経皮的組織層剥離装置、2…シース、3…硬性スコ
ープ、5…管状部材、6…本体、7…挿入部、10…手
元部本体、11…接眼部、12…ライトガイド口金、1
5…流路、16…ポート、17…加圧手段、20…剥離
部材、21…連通孔、22…嚢状部材。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スコープの挿入部を着脱自在に装着する管
    状部材を有したシースと、上記管状部材の先端に設けら
    れ、透明な硬質部材によって形成された剥離部材と、こ
    の剥離部材に近接して設けられ、透明な流体で拡縮可能
    である透明な嚢状部材とを具備し、上記スコープにより
    上記剥離部材及び嚢状部材の一方または両方を通して皮
    下組織の剥離状況を観察することを特徴とする経皮的組
    織層剥離装置。
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